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勝澤委員 公共用地の取得が
地価の引き上げになっておるということは事実でありまして、特にまたその
補償の問題で、取得単価の問題で、国の場合と県の場合と市町村の場合は異なっておるわけですね。ですから、そういう点を
考えてみますと、特に公共投資の激しいところは、とにかく民間の住宅は建たないという状態が起きておるわけですね。一方また農村においては、それは逆の
現象もあるでしょうけれども、とにかく都会地においてはそうです。そこでいまあなたのおっしゃったような
補償基準をどうきめようと、
国鉄なりあるいは電電公社なりあるいは
建設省なりあるいは道路公団なり、私も
一つ一つ検討したことがありますけれども、それはどんな地でも幅があるわけです。一万円の坪単価のやつを道路公団に持っていけば一万五千円即座に計算してくれますよ。あるいは町にいけば八千円か七千円に計算しなければならぬ、予算がないからやれないわけですから。そこでそういうものの取り扱いというものを、やはり、私は、積極的に言うならば、
土地の
収用というものは
収用委員会にできるだけかけて公正な
値段をできるだけ出すというほうがいいと思うのですよ。しかし、それを
収用委員会にかけるぞというおどかしによって任意協議というものが行なわれる。任意協議というものが十分なされずに、めんどうになるから、どうしても、任意協議そのものが、その
土地の値上がりをしておるという
現象は私はたいへんおかしなことだと思うのです。任意協議というものはそんなに幅のあるものではないのです。任意協議そのものが幅があるのです。ですから、私は今日一体正当な
補償とは何かというものを
考えてみますと、まず、いまのままで田んぼや畑になっておれば
値段はきまっております。しかし、それが道路になるぞということを起案しておる
段階で、あなたのほうでそれを
計画している
段階で値上げになります。それが決定になった
段階でまた上がっております。そして今度は、
事業認定なり、裁定なり、
収用ということになるとずっと上がっているわけです。一体正当な
補償とは何かということになると、国民の立場から見れば、田んぼとか畑を
宅地に変えた当時というのは実は正当な
値段だと思っているわけです。それを国や県、あるいは道路公団とか
国鉄とか電電公社とかいうものが無理な値上げをさしている。それが
一つの例になって今日のこの
地価高騰を来たしておるということを
考えてみますと、この際、
建設省だけでなくて、やはり各省ごとに統一した——これは基準じゃないのですよ。私は成田空港の話をこの前の国会の解散前にお話ししたら、自民党のある代議士が、社会党の代議士でさえ高過ぎると言っていると選挙演説に使ってたいへんもうかったと言っておりますけれども、成田空港の
値段が出たために筑波の
値段が高くなったのは私が言うまでもなくわかっていると思うのです。成田の
値段が上がったために筑波が上がった。それじゃ成田のいまの単価は実情に合わしてきめているかというとそうじゃない。あるいは権限はだれが持っているかというと県知事が一応持っているのです。これを見た場合に、この際もう一回そういう
土地そのものを、党利党略ということでなくて、国民の立場から
考えて、正当な
値段で、それで別に生活に困るいろいろな条件があると思います。条件があると思いますけれども、やはり生活に困る者については、もう少し詳細にやるべきだと私は思うのです。そこで、一番問題になるのは何かといいますと、一線でこういう取り扱いをしている専門家というのは実は少な過ぎるわけです。ですから十分な
土地所有者との話し合いというものがなされないわけです。ですから、楽なところだけが先に上がって、あとに残ったものは大体半年くらいたって、そこで話し合いをして、またそれが話がつかずに、話がつくところだけが落ちる。そして、またこれは実際に一番最初の人が話がついてから最後に話がつくまでに大体一年から一年半かかる。いまの東名高速道路ではそういう
現象です。一番最初に話がついたところからあとは一年くらいかかっているわけです。ですから、表面に出ている単価というものは同じように見えますけれども、ほんとうに正しい単価が出ているか出ていないかということは、 これは局長も
大臣も、極端な言い方をすればあまり知らないと思うのです。それは、この間
物価安定推進
会議の中間報告を都留さんが
政府にいたそうとして各省、各公団、公社の
土地の問題について資料の提供を求めたところが、資料が不十分でなかなかこれは出してくれない。これはやはり会計検査院だと思うのです。会計検査院くらいでなければ、電電公社なり
建設省なりの
土地のそれはわからないのです。それほど実は各省ごとになかなか表面に言えない問題だと思うのです。ですから、そういう点でこの
土地収用法というものを
考えたときに、やはりいまあなたがおっしゃいました統一的な単価といいますか、統一的な
補償——これは
補償基準はないのです。あの基準を幾らなぶっても同じことだ。あれは大体あれで一ぱいです。それを適用する基準というものを、もう少し事務
段階といいますか、もう少し実際やる
段階の
人たちの調整というか、そういうものをこの際何らかの形で
考えていただかないと困ると思うが、その点いかがですか。