○佐野(憲)
委員 ですから、全国市長会なり
都市センターが自分のところの
仕事だから自分たちで金を出し合うてやろうじゃないか。東京都は困ったから理念的な根拠がほしい。だからそれを聞いておる。それに、
建設省が五カ年
計画を立てる素材にしろ何にしろ、それだから実は知恵を借りたと申しましては語弊がありますけれ
ども、それによって説明しておる。これは私は、長期政策における
事業量なり
目標なりを定めるためにもより根拠が薄いものになるのじゃないか。時間がないので私は最後に質問しようと思いながらできないわけですけれ
ども、一体こういう長期
計画を立てるときにおける作成過程において、
地方団体とどういう協力
関係を持たれておるか、こういう点につきましても、たとえば先般改正がありましたけれ
ども、
昭和二十六年の公営企業三カ年
計画、これを裏づける
法律がまず私は最初だったと思います。これには県知事が
市町村長と協議をして資料をつくる。その資料を
大臣に
提出する。
大臣はそれらに基づいて審議会の諮問を得て決定をする。ところが、そういう制度が
昭和三十三年の
道路整備五カ年
計画になってまいりますと、いわゆる
市町村長なり県なり
道路を
管理しておる
管理者、それらの者の意見というものが全く
法律的な面においては改正されてしまった。制度的に保障されていなくなってしまった。あるいは運輸
大臣その他と協議しなくちゃならぬ、こういう制度上のなにがありますけれ
ども、なくなってしまってきておる。しかし
道路整備五カ年
計画の場合におきましては、特に
整備するために三分の二の、たとえば国道にいたしましてもこの区間は四分の三にするという特例、
財源措置、ガソリン税など目的税がどうのこうの、これで町村財政に対する影響につきましても、いろいろ問題がありますけれ
ども、問題はたくさん含んでおりますけれ
ども、そういう緊急
措置法としての
法律要件ができてまいっておる。ところが、
昭和三十五年の
河川法、いわゆる治水緊急
整備法になってまいりますと、
関係大臣と協議をしてこれを県知事に通達する。
財源的な問題は一切ぬぐい切ってしまった。もっとひどい
下水道整備計画、生活
環境緊急
整備計画、いわゆる
下水道の前身、これになってまいりますと、全く木で鼻をくくったように、五カ年
計画によって
目標と
事業量を定める。もう県知事や
市町村に報告する必要もなければ通知する必要もない。ただきめるんだぞ。これに対する
財源その他に対しましては倫理規定として努力しなくちゃならぬ、こういう倫理規定がそこに入ってまいった。一体歴史的に見てまいりまして、国の長期政策というものと
地方自治というもの、これは大きな問題を投げかけておるのは事実だと思います。中央集権、
公共事業そのものが集権化の傾向があるときに、この集権化をいかにチェックするか、これが
一つの大きな
地方自治のたてまえから問題がありますけれ
ども、そういう長期政策を進めてくる上に、少なくとも民主主義的な保障なり担保が
法律上要件としてなされていたものがだんだん削り取られてきた。全く
下水道整備五カ年
計画をやるんだぞ、それは企画庁とか厚生
大臣と協議してつくるんだ。一体自分たちの大切な町村の存立要件ともなるべき
下水道というものは、将来の
都市づくりはどうやっていくんだ、それに対して意見を聞く必要もない。自分の付属の機関、
都市計画審議会にこれを聞けばいいんだ、
あとは聞く必要はないんだ。しかもその決定がありましても、
財源的にどうするのだ、これらに対する国の
責任なりあるいはそれに対する国の助言なりいろいろな問題、市の
財源を一体どう充実するか、それらに対する保障はどうするか、これらに対することが
法律的に全く抹殺されてきている。こういう乱暴な形で
地方自治というものは一体どうなってしまうのだろうか。民主政治の基盤である
地方自治、しかも
地方自治のたてまえから、
公共事業における集権性というものからある
程度までは保障しなくちゃならない。そういう形でいかなくちゃならないのに、これはあまりにも乱暴じゃないか。この
道路整備五カ年
計画の際にも触れさせていただきたいと思いますけれ
ども、私は少し乱暴過ぎる立法のやり方じゃないかと思う。
一時までだそうで時間的にも制約されましたので、そうした問題につきましてもっともっと
大臣と腰を落ちつけてお互いに検討していきたいと思いますが、一応終わります。