運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1967-05-24 第55回国会 衆議院 建設委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十二年五月二十四日(水曜日)    午前十時三十八分開議  出席委員    委員長 森下 國雄君    理事 木村 武雄君 理事 正示啓次郎君    理事 砂原  格君 理事 丹羽喬四郎君    理事 石川 次夫君 理事 岡本 隆一君    理事 稲富 稜人君       伊藤宗一郎君    池田 清志君       大野  明君    吉川 久衛君       佐藤 孝行君    田村 良平君       高橋 英吉君    谷垣 專一君       森山 欽司君  早稻田柳右エ門君       渡辺 栄一君    阿部 昭吾君       井上 普方君    勝澤 芳雄君       工藤 良平君    佐野 憲治君       福岡 義登君    渡辺 惣蔵君       内海  清君    小川新一郎君       北側 義一君  出席国務大臣         国 務 大 臣 西村 英一君  出席政府委員         近畿圏整備本部         次長      上田  稔君         中部圏開発整備         本部次長    国宗 正義君         水産庁次長   山中 義一君         建設政務次官  澁谷 直藏君         建設省計画局長 志村 清一君         建設省都市局長 竹内 藤男君         建設省河川局長 古賀雷四郎君  委員外出席者         厚生省大臣官房         審議官     武藤琦一郎君         建設省都市局下         水道課長    久保  赳君         専  門  員 熊本 政晴君     ――――――――――――― 五月二十三日  委員勝澤芳雄辞任につき、その補欠として赤  路友藏君が議長指名委員に選任された。 同日  委員赤路友藏辞任につき、その補欠として勝  澤芳雄君が議長指名委員に選任された。     ――――――――――――― 五月十九日  近畿圏保全区域整備に関する法律案内閣  提出第一一六号)  中部圏都市整備区域都市開発区域及び保全  区域整備等に関する法律案内閣提出第一一  七号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  下水道法の一部を改正する法律案内閣提出第  一〇六号)  下水道整備緊急措置法案内閣提出第一〇七  号)  近畿圏保全区域整備に関する法律案内閣  提出第一一六号)  中部圏都市整備区域都市開発区域及び保全  区域整備等に関する法律案内閣提出第一一  七号)  宅地建物取引業法の一部を改正する法律案(内  閣提出第一〇八号)(参議院送付)      ――――◇―――――
  2. 森下國雄

    森下委員長 これより会議を開きます。  下水道法の一部を改正する法律案及び下水道整備緊急措置法案の両案を一括議題とし、審査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。小川新一郎君。
  3. 小川新一郎

    小川(新)委員 法案に関して若干質問さしていただきます。  下水道計画というものが発表になっておりますが、昭和三十八年度における五カ年計画計画と、実際にでき上がったパーセント、その実態をお尋ねいたします。
  4. 竹内藤男

    竹内(藤)政府委員 昭和三十八年度から四十一年度までの計画でございまして、事業費といたしまして従来建設省がやっておりました管渠等が三千三百億、終末処理場が一千一百億、計四千四百億の全体計画でございまして、三十八年度から四十一年度までの実績に四十二年度の予算を加えました五カ年間の計画分も入っておりまして、実績といたしましては事業費管渠等が三千四百三十八億、終末処理場で一千五十八億、お金にいたしますと管渠等が一〇四%、終末処理場が九六%、こういうことになっております。これを排水面積で申し上げますと、計画が五千八百五万八千二百ヘクタールでございまして、五カ年間の先ほど申しました実績が四万九千九百ヘクタールでございます。それから終末処理場処理人口で申しますと、計画が千八百万人分、実績が千六百六十万人分、こういうことになっております。
  5. 小川新一郎

    小川(新)委員 今回五カ年計画をお立てになりましたが、これの見通しについてはいろいろとございますでしょうけれども建設省としてはこの計画実施にあたって完全に目標を達成するということでありますけれども、大体その見通しについてお尋ねしたいと思います。
  6. 竹内藤男

    竹内(藤)政府委員 今回の新計画は、管渠等終末処理場と合わせまして九千三百億円でございますが、これによりまして市街地の約三三%の面積について下水道普及させようということでございます。われわれといたしましては、この四十二年度の予算のつき方等から見まして、この計画が十分達成できるじゃないか、こういうふうに考えております。
  7. 小川新一郎

    小川(新)委員 いま局長から頼もしいおことばを聞いたのでありますけれども、この計画実施にあたってはいろいろと問題点が起きております。  まず第一番目に人の面から質問したいのであります。万国博覧会か三年後に開かれることになっておりますが、その万博建設事業遂行のために関西の建設業者が大量に関東、近畿圏建設労務者引き抜きを行なっておる、このようなことを聞いておりますが、これは何も万博下水道関係ばかりじゃない、あらゆる道路行政または建設行政一般にそういった影響があると思うし、技術者がたいへん不足しておるということを聞いておりますが、この実態についてお尋ねしたいと思います。
  8. 志村清一

    志村政府委員 建設労務者、特に技能者の問題につきましては、最近非常にこれが不足をいたしております。これに対しましてはいろいろな対策考えねばならぬということで検討いたしておりまするが、特に万国博関係建設工事が進んでまいりますと、本年度も相当の人員を必要としますが、四十三年のピーク時におきましては約四万人程度労働者がよけいに要るということになろうかと見込まれております。特に万博仕事一般土木的なものばかりでなくて、構造物が多いものでございますから、技能系労務者不足が著しいのではないかというふうに考えられるわけでございます。労賃の高騰とか、あるいは労務者引き抜きという問題も起こりかねない、さような事態に対応いたしまして私どもとして考えておりますのは、できるだけ工事を早く発注して、計画的に仕事ができるようにいたしたい。それから各事業間の調整をはかりまして、どこにプライオリティを置いて仕事をやっていくかというふうなことを考えてまいりたいというふうに思っております。  地元であります大阪建設業関係者の中におきましても、かような事態に対応いたしまして雇用対策協会というものをつくりまして、労務者確保ということのためのいろいろな具体策を検討し、また推し進めておるという現状でございます。同時に、全国的な建設業団体であります全建におきましても、各職種別協会に対しまして、大工さんとかあるいは左官とかそういうふうないろいろな協会がございますが、さような協会とも懇談をいたしまして労務者確保ということについて対策を進めておるわけでございます。  また役所側といたしましても労務問題でございますので、労働省側とも十分な打ち合わせをする必要があるということで労働省建設省それから協会の三者が集まりまして、万博だけのものでは必ずしもございません、一般労務対策全般について懇談会を重ねておりますが、この万博に関連しましては、ただいま申し上げたようないろいろな方法のもとに業界自身で各手持ち労務者がおるわけでございます。その手持ち労務者を互いに融通し合うということも業界自身としても考えてほしいということを当面の対策として進めておる次第であります。  しかし冒頭申し上げましたように、建設労務者不足というものは万博ということを契機にしまして大幅にできたことは事実でございますけれども、全体的に問題がございます。今後労務者を、特に技能系労務者をいかに確保するかということは重要な課題でございますので、建設省におきましてオペレーターあるいはフォアマンとして産業開発青年隊というもので訓練いたしておりますが、そういったものの充実をはかる。あるいは労働省において職業訓練制度がございます。これの拡充をはかる。さらに事業内訓練に対しまして労働省から補助金を出しておるわけでございます。この幅をもっと積極的に広げて技能系労務者の養成をはかるというようなことについて相談をいたし、計画をつくっておるような状況でございます。また同時にそういう施設をつくりましても、建設労務者になりたいという人がわりあい少ない。なぜかと申しますと、建設労働自体があまり恵まれてない。賃金は相当よくなりましたけれども保険関係とかあるいは厚生施設あるいは労働災害といったようなことに関連いたしまして、若い人の魅力が多少薄れておるという面もございますので、これらについても待遇の改善なり安全管理の徹底ということをはかっておるわけでございます。同時に、全般的に労働力不足する状況でございますので、労働節約型の施工機械化とかあるいは工事機械化、資材の工場生産化というふうなことをはかってまいりたい、かように考えておる次第でございます。
  9. 小川新一郎

    小川(新)委員 いま詳しく対策についてお聞きしたのでありますけれども、この労務者の中でもそういった技能関係の人材の充足状況、これを一〇〇としますと、下水道技能関係の一年間の充足率はどのくらいでありますか。
  10. 志村清一

    志村政府委員 建設業関係技能労働者不足状況は、四十一年度におきましては二六・五%程度でございまして、人数にいたしますと十五万ほどでございます。この中でいろいろの職種によりまして不足率が違うわけでございますが、下水道に関連いたしますということになりますと、いろいろな職種があるのでございます。一般土木とかあるいは機械オペレーターとかいろいろございますので、一般的には申し上げにくいのでございますが、たとえば建設機械工といったものを例にとりますと、不足率が二一・一%というふうなかっこうになっておるという状況でございます。
  11. 小川新一郎

    小川(新)委員 最近その充足が非常におくれておるということで会社が倒産したという例があります。そういう実態はどのように把握なさっておりますか。
  12. 志村清一

    志村政府委員 建設業倒産がございまして、その倒産一つの理由といたしまして、労務者が集まらないために仕事ができなかった、あるいは経営が不振になった、賃金が非常に高くなってどうにもならなくなったというような報告の事例もございます。しかし全体的に見ますと、建設業自体の基礎が脆弱であるということが倒産の主たる事由であろうと私どもは推定いたしております。
  13. 小川新一郎

    小川(新)委員 私が心配しますのは、下水道事業というものは市町村管理主体になっております。当然これはいろいろな意見もございますが、私の考えますところによりますと、地上表面を流れております河川は国が主体でやっておる。また二級河川の場合には都道府県がやっておる。そうしてその河川の下を流れておる下水道の約八〇%が雨水の処理をやっておる。こういうような状態の中で、当然その施行または建設等に関しては国が主体になってやっていかなければならない、そういう重要なときがもうきておるのじゃないか。いま市町村下水道環境整備をやらしておりますけれども市町村単位のこういった下水道工事に、いまのような人手不足では、弱体な規模のもとでそういった人集めに非常に市町村は困っておる。こういう点において、国としては何らか考えなければならぬときがきておるのじゃないかと思います。この下水道事業主管というものは、もうそろそろ国に移っていかなければならぬと思いますが、この点について建設大臣はどのようにお考えになっておられますか。
  14. 西村英一

    西村国務大臣 国で直接全部やるということはどうですかね。環境整備ですから、やはり自治体が責任を持ってやるということが本筋じゃないですかね。全般的に見て、国がその普及を進めるということに対して力を入れることはもちろんですけれども、国が全部責任を持って国の仕事としてやるのだというようなことは、必ずしも促進されるゆえんじゃない。やはりこれは地方自治体の長がその都市の地域的な環境としてやることがいいのじゃないか。ただし、場合によって、河川流域に非常に市町村がかたまってあって、各市町村単独でやるのがあまり適当でないというようなときは国があっせんの労を強くとる。いわゆる流域下水道みたいなものは、各市町村でやってもまとまらないから国が強くあっせんの労をとるということは必要だと思いますけれども、その仕事自身を国が全部やるということは必ずしも私は賛成できないような気がいたします。
  15. 小川新一郎

    小川(新)委員 ただいまの大臣のお答えは時代に逆行しておるように考えるのです。なぜかと申しますと、終戦後一番先に建設に取りかかったのは住宅であり、道路であり、一応それが整備段階についた。これも国が強力なるバックアップをし、支柱となって戦ってきたからだ。ところが下水道関係においてのみ、市町村にその管理をまかす。これはサービス業であるから当然そうであるという考え方、そのひずみが現在の過密都市化、いろいろな公害問題、河川の汚濁問題となってあらわれ、また河賀野川のように人命にまで及んでくるような事故が続出してきている。こういうようなことを考えますと、欧米から比べまして二〇%か三〇%しか進んでいない日本の現在の下水道普及状況というものは、市町村主管となってやっている以上は、ただでさえ弱体化している地方財政ではまかなっていけぬのではないかと私は考えているのです。建設大臣のただいまの御答弁というものは私は非常に不満に感ずるのですが、その点についてもう少し明確にお答え願いたいと思います。
  16. 西村英一

    西村国務大臣 それは河川でありましても、道路でありましても、全部国がやっておるというわけではございませんし、やはり国が直轄的にやっておるものと、それから都道府県がやっておるものと、だいぶあるわけです。道路でも同じでございます。直轄でやっておるものと各地方公共団体でやっておるものと分けてあります。したがいまして、下水道を全部国がやるというようなことが適当な方法かどうかということには私はちょっと疑問があると思います。ただ、さいぜん申しましたように、非常に共通性の強いというような問題に対しては、それは強力に国があっせんの労をとるということは必要だ。河川でも道路でも、直轄でやるものと各地方公共団体がやるものとはおのずから段階があるわけです。ただ小川さんは、非常におくれておるじゃないか、おくれておるのを公共団体にまかせても、財政面からいってもできないじゃないかと言われる。その財政面考え方は、今回も補助率を多少引き上げましたが、将来にわたっても、あるいは特殊な個所についてもこれは考える必要があると思います。またこれを十分にやらせるためには、やはり起債等の面についても特別な措置を講ずるということが絶対に必要だと思います。とにかくどの公共事業よりも非常におくれておるということは私も認めておるわけでございますから、せっかくそういう方面において努力をしたい、かように考えております。
  17. 小川新一郎

    小川(新)委員 おくれているということを大臣もお認めになっておりますね。おくれているのであるから、これを取り戻すためには、現在のままではおくれが取り戻せないじゃないか。そのために、いま道路でも、また川でも国で直轄する事業もあるのだ。だから下水道においても国が直轄でやる。流域下水道のように、また幹線下水管のように、ここからここまでは国が主体になってやるのだ、枝のほうは市町村または都道府県でおやりなさい、こういう前向きの姿勢というものを打ち出さない限りは、これはおくれた、おくれた、おくれたで、おくれっぱなしじゃないか。このおくれをどう取り戻すか、この前向きの姿勢、またビジョンというものについていま大臣にお伺いしているわけです。
  18. 西村英一

    西村国務大臣 おくれを取り戻す方法として、これは全部というわけにいきませんが、特別な場合があればそういう考え方も考慮してみていいと思います。検討してみてもいいと思います。けれども、大体は公共団体の長がそういう気持ちになって、責任を持ってやるという体制でいってもらいたい。あくまで進めるということにつきましていろいろな方法を将来に向かって検討したい、かように考えておる次第でございます。
  19. 小川新一郎

    小川(新)委員 いまお考えになってくださるという御答弁をいただきました。しかしこういう事例があるのです。最近人口五万から十万くらいの中小都市で大団地をつくった。そこに住民環境整備するために道路学校、上下水道をつくる財源市町村にないというのです。そこで、住宅団地または公団住宅をお建てになったならば、それに付帯するところの住民環境整備というものはあなたのほうでやりなさいといって宣言した都市がある。特に道路学校、こういう目に見える、表面にあるものは一生懸命やるのです。目に見えない、下にもぐっている下水道なんというものは市町村なんかなかなかやりたがらない。それが現在の情勢なんです。先ほど私は五カ年計画完成実態をお聞きしましたが、確かに予算の面では何%とかいっておるかもしれないけれども、これは国全体に立っての、地方公共団体市町村も含めたところの完成パーセントは二五%くらいしかないのです。これは五カ年計画でこれからやったって、おそらく所期の目標というのは達せられないのじゃないか。要するに都道府県または市町村にまかせているところの下水道というものは、そこの財政状態が悪ければあなたにおまかせする、こういうわけです。特にまた、住民受益者分担金という問題も私はあとで聞きたいと思っているのですが、この受益者分担金の問題もそうです。これは都市局長ですか、こういうことを言っておる。受益者分担金をとる町だったなら私のほうで強力に援助しましょう。受益者分担金をとる計画のないところの下水道計画あと回しである。金をとるところから先にやる。それは全体の都市計画日本全体の国土開発計画というものを含めた発言じゃない。ただやれるところからやっていくんだというような考え方、これがある以上は、それは確かに大臣の御努力なされるお気持ちはわかりますが、強力にもう一歩進めて、財源難に困っている中小都市のこういった環境設備というもの、特に下水道のおくれというものに対しては今後どのように対処なされ、またこれに対しては援助なさっていくか、これは非常に大きな政策でありますのでお聞きしたいと思います。
  20. 西村英一

    西村国務大臣 その辺の認識は、地域住民あるいは地方公共団体の長も従来と非常に認識が違っておりまして、大体都市計画というものは地上じゃないのだ、土地の下にあるのだ、地下に都市というものはあるのだということの考え方は、私は地方を回るたびに言っておるのです。ところが、市長という者は選挙がありますから、地上にははなばなしいことをやりましても、あなたがおっしゃるように、なかなか下水道にはいままで手を出したくなかったわけです。しかし現在、だいぶ考え方が前と今と違っております。したがいまして、私は従来のようなことはなかろうと思います。またこの五カ年計画で企図しておるのは、これはこれでもって全部が終わるというものではございませんで、都市面積に対して三三%くらいはこれでやりたいというのでございますから、その目的は必ず達成したい、かように考えておる次第でございます。  それからもう一つ団地のお話がありましたが、団地にはあなたが御指摘のようないろいろな非難がありました。これに対しましては、現在団地をつくったところは、一時工事はやって、あと公共団体が払うというような方法、そういうような方法もとっておるようでございます。しかし、とにかくいまの団地の欠陥は、公共団体がそういう公共事業をしょい込まなければならぬ、しかも地域住民は新しい団地とは何らの関係がない、非常に疎遠だというようないろいろな問題があるようであります。したがいまして、今後は団地に対する公共事業等につきましては、そこの公共団体等につきましては十分こちらが御援助申し上げて、地域住民が喜んで団地を迎える方法をとらないと絶対にいかない、こういうふうに考え改善を徐々にしていくつもりでございます。
  21. 小川新一郎

    小川(新)委員 十分なる援助と申しますのは、財政的に、たとえば今回きまった十分の四とか、そういった市町村下水道に対する援助パーセントを切り上げるという意味ですか。
  22. 西村英一

    西村国務大臣 いやそういうことではございませんので、いままで新しい団地ができますと、それを公共団体が結局全部押しつけられてしまうというようなことのないように、団地をつくる事業体にそれを十分完成させて、そうしてその前の地域住民がそれによって被害をこうむらないようにいたしたい、かような意味でございます。現在でも金を全部――先に仕事をやりまして、あと返すような方法があるのでございますから、そういう点を指導していきたいということで、補助率をどうするこうするということは一般的な問題でございます。
  23. 小川新一郎

    小川(新)委員 そうすると、ただ指導するだけになってしまうわけでありまして、私がいま一例を申し上げました市の名前をちょっと忘れたのでありますけれども、こういうふうに、都道府県内の中小都市が非常に行き詰まった財源に対して血の叫びを上げておると思うのです。これはひとつ大臣もお考えになっていただきまして、何も五カ年計画補助率がきまっちゃったのだからといってあえてそれに固執することなく、ひとつそういった弱小中小都市下水道事業に対する財源の補給というものに対しては特別にお考えになってあげていただきたいと要望するわけでございます。  次に質問を移らしていただきますが、終末処理場のことについてお尋ねする前に、水洗便所普及ということが今回もうたわれております。水洗便所処理区域内における都市が現在七十七都市公示されております。その七十七都市においての水洗便所普及状況が、私の調べたところによりますと、旭川市においては、処理区域戸数が五千三十二戸中水洗便所の設置が十七戸、それから北海道真駒内団地においては二千九百二十五戸中二千九百二十五、これは一〇〇%です。それから埼玉県の飯能市でありますが、三千二百三十戸処理区域戸数があってゼロ、また、船橋、松戸、豊岡、大垣市、大阪の千里丘陵団地、こういうところは全部一〇〇%の普及率でありますが、ひどいところになるとゼロもしくは二%とか一〇%以下、このような町々の公共下水道完備地域内におけるところの水洗便所普及というものはまちまちである。こういう原因は一体どこにあるのか、これをまずお尋ねします。
  24. 竹内藤男

    竹内(藤)政府委員 下水道処理区域が公示されましたあとは、法律上は、新しく建てます住宅につきましては必ず水洗便所にしなければいかぬということが建築基準法で定められております。それから、その中にございます既存建物が問題でございまするが、これにつきましては清掃法のほうで、市町村が、くみ取り便所を改造いたしまして水洗便所にするという場合に、資金融通をする場合に、国が必要な資金融通またはあっせんにつとめなければいかぬということで、厚生省のほうで水洗便所改造資金融通を、公共団体に対しまして国民年金積み立て金特別融資をやるわけであります。この融資状況を見ますと、逐年、最近は相当飛躍的に特別融資額がふえておりまして、四十一年度で八億、四十二年度で十五億、三万三千戸分を用意しておるようでございます。こういうことで、地方公共団体融資を合わせますことによって、水洗便所普及ということに政府としては大いに力を入れてやっておるわけでございますが、既存建物につきましては、やはりなかなか金がかかるものでございますし、融資といっても借金でございますので、処理場ができましたらすぐ水洗化が進むというような状況になりませんで、だんだんふえていくというようなかっこうが現状であります。
  25. 小川新一郎

    小川(新)委員 下水道法の第二条第七号に規定されているのは、処理区域内においては、その便所を水洗便所に改造するようにつとめなければならないとあります。また当然下水道が布設してあるのですから、こういうようなところへは努力しなければならぬのでありますけれども、私が聞きたいのは、なぜこのように市町村の中に一〇〇%達成しているところもあれば全然できてないところもあるのか、なぜこのようなでこぼこがあるのかということなんです。これはどういう理由でそうなっているのか。住民下水道水洗便所に対する啓蒙が足らないのか、また知識の普及の不徹底さからなのか、財源難によるのか、援助の不徹底なのか、そういういろいろな原因があってゼロなんていう数字が出てきている、またわずかに十七戸だといった人をばかにしたような数があがってきておりますが、こういうのは一体どういう原因によるのか。
  26. 竹内藤男

    竹内(藤)政府委員 一〇〇%というのは、実は団地でございまして、真駒内とかあるいは千里というのは団地でございまして……。
  27. 小川新一郎

    小川(新)委員 所沢、船橋、松戸……。
  28. 竹内藤男

    竹内(藤)政府委員 それらは大部分団地でございます。したがいまして、住宅公団その他の住宅の開発主体がアパートなどを建てますので、それは新しく建てるというのは、と同時に下水道が布設されますので、これは一〇〇%という形になります。  それから非常に水洗化がおくれておりますのは、やはり最近になって処理場ができたというところじゃないか、こういうふうに考えます。
  29. 小川新一郎

    小川(新)委員 そうしますと、所沢、船橋、松戸、飯能というところは、団地以外のところは全然処理地域はないのですか。
  30. 久保赳

    ○久保説明員 ただいま小川先生の御指摘のように所沢、これは大部分が団地でございまして、既成市街地のところはあとからおくれて下水道整備が行なわれた、こういう状況でございます。松戸も同様でございます。
  31. 小川新一郎

    小川(新)委員 それはわかりました。またよく調べておきます。  では、次にお尋ねしますけれども、コミュニティープラント、すなわち小規模家庭し尿処理施設について。このような方面の普及についてはいまどのように進んでおりますか。
  32. 久保赳

    ○久保説明員 実はコミュニティープラントという予算が初めて計上されましたのは昭和四十一年度厚生省予算で計上されたわけでございますが、このたび下水道法が一部改正になりますと、このコミュニティープラントの相当部分、下水道の部分が建設省に移るわけでございますが、初年度では、四十一年度から始めたわけでございますので、まだ完全に完了するというところは見ておりませんが、継続事業で実施いたしますので主として小規模な新しい市街地に対する助成、これが小規模の公共下水道で実施されることになります。まだ完成したのはございません。
  33. 小川新一郎

    小川(新)委員 わかりました。  終末処理場に関する事項を今回厚生省から建設省に移管になったわけでありますが、厚生省がもともとそういった終末処理とかし尿関係のほうは計画を立てておったと思うのでございます。その計画は今後どのように建設省と調整をとっていくのか。また建設省独特のプランというものがあると思う。そういうものは厚生省でおつくりになった分野からまた変わったプランのもとにこれから進んでいくのか。またそういった専門分野については厚生省の意見を取り入れるのであると思いますけれども、その辺の協調、また今後の姿についてお尋ねいたします。
  34. 竹内藤男

    竹内(藤)政府委員 この法律が施行になりますと、厚生省から終末処理場の所管が移るわけでございまして、四十二年度はすでに政府予算の案もできておりますので、厚生省がいままで考えておりますものをそのまま引き継いで四十二年度は実施してまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
  35. 小川新一郎

    小川(新)委員 今後建設省の特色というものは、厚生省とはどこか違っているところがあるのですか。
  36. 竹内藤男

    竹内(藤)政府委員 従来からも厚生省と緊密な打ち合わせをやってまいりましたし、今後もし尿処理関係の分野がございましてそれとの協調も必要でございますので、厚生省のほうとやってまいりたい。ただ従来ややもすると所管が分かれておりましたために事業に跛行を来たすというようなことがありましたので、そういうことがないように管渠と終末処理場が一体になって整備されるように特に留意してまいりたい、こういうふうに考えております。
  37. 小川新一郎

    小川(新)委員 今回厚生省建設省が一本化になったということは、いいろいろ自分のセクションと申しますか、なわ張りといいますか、そういったところを協調してやっていこうというわけでありましょうが、建設省内部の一本化ということはこの下水道に関してはございますかという点であります。たとえば道路をおつくりになる、その下に下水道を掘る、せっかく舗装された道路をまたひっくり返す、こういうような、道路道路だ、下水は下水なんだというようなばらばらな行政が建設省内部でも行なわれておるように見受けられますけれども、この点については大もとであるところの厚生省または建設省とも一本化が製鋼した今日、建設省部内におけるところの公共下水道またはそういった下水道事業に関して一本化という計画のもとに立てられるかどうか、この点について御見解を承りたいと思います。
  38. 竹内藤男

    竹内(藤)政府委員 道路を舗装したあとで掘り返して下水を埋めるということが従来から問題になっておりましたので、われわれといたしましては、道路の場合も下水道の場合も一年限りでできるというケースも非常に少のうございますので、お互いの計画を出し合って、道路の優先順位からいえばもうちょっと待ってもいいようなところも下水道のために先にやるというようなことをいたしておりまして、できる限り掘り返しが起こらないようにつとめておりますけれども、全体のスピードから申しますと、特に都市間を結ぶような道路都市内の道路につきましてはできる限りつとめておりまして、調整の行なわれておるところは相当ございますけれども都市間の道路下水道のほうも相当幹線になるというようなところにつきまして道路のほうのスピードが早いために下水道が追いつけないというような事例は若干ございますけれども、できる限りそういうふうにつとめておる次第でございます。
  39. 小川新一郎

    小川(新)委員 その原因が先ほど申し述べた道路の、たとえば国道なら国道、都道府県の管轄の道路なら道路という面で、片方は市町村がやっているのだ、こちらは国なんだ、当然スピードが違うわけです。私の意見なんか聞いていただけるかどうかわかりませんが、要するに国が直轄しておるところの国道内の下を掘るそういう下水道に関しては、これは国がめんどうを見てやって当然ではないかという意見が市町村にある。現在の公益の立場からいくと、そのくらい道路行政下水道行政というものは一本化していかなければならないという声が上がっておりますが、その点についてはいままでどのようにやってこられたのか、また今後やっていくのか。
  40. 竹内藤男

    竹内(藤)政府委員 たとえば先ほど申しましたように、事例といたしましては東京都の街路と下水道、これは大体一体的にやっておるつもりであります。それから大阪で申しますと中央環状線という非常に大きな道路がございます。あの下に現在流域下水道を埋めております。あれも一体的にやっておる。それから大宮バイパスも荒川の流域下水道と一体にやろうということでやっておる。ただ先ほどちょっと申し上げましたように、道路のほうのスピードが早くて下水が追いつかないというところは若干ございます。今後の問題といたしましては、われわれのほうといたしましてはできる限り道路計画と調整をとるということを主体にした計画面の調整を部内においてもはかってまいりたい、こういうことであります。
  41. 小川新一郎

    小川(新)委員 道路をひっくり返すときには当然事故があると思う。この事故というのは水道管を破壊するという率が非常に多い。東京都の例で申しますと、下水道工事が激しく行なわれておるところでは水道管が破裂して水が出ないというような苦情が起きております。こういった事故例というものはどのくらいあり、またどう処理しておりますか。
  42. 久保赳

    ○久保説明員 下水道工事中に起こる水道の故障事故例の件数、数字をいまつまびらかにいたすことができませんけれども、これにつきましては、あらかじめ工事をする前に、どの部分に水道管が入っておるか、あるいは水道管以外にガス管その他もございますが、地下埋設物の実態の調査をいたしまして、深さ、位置その他を正確に調べた上、工事を実施しておるわけでございますが、ときに調査漏れあるいは台帳に載っていなかったような地下埋設物がたくさんありまして、御指摘のような事故がちょいちょい起こっておりますのははなはだ遺憾でございますけれども、それにつきましては、ただいま申し上げました工事実施前の地下埋設物調査というものをより徹底化いたしまして、事故例が少なくなるような指導をしておる次第でございます。
  43. 小川新一郎

    小川(新)委員 そういった場合の水道が出なくなって住民が困った責任というのは、やはり市町村にあるのですか。
  44. 久保赳

    ○久保説明員 その場合は事故の種類によって違いますけれども、相当部分は工事の実施者つまり実際の請負業者のほうに責任がある場合が多うございます。
  45. 小川新一郎

    小川(新)委員 その点は水かけ論になってしまうので、私のほうとしてはそれ以上追及いたしませんが、非常にそういう例があるということを御認識くださって厳重なる対策をお願いしたいと思います。  次に、河川公害のことについてお尋ねいたしますけれども、荒川の河川の汚濁の問題で、熊谷地内において、河川敷地内に膨大ななまのし尿を埋めているというところがありますが、これは聞いておりますか。
  46. 古賀雷四郎

    ○古賀政府委員 荒川の河川敷と申しますか、河川区域内にし尿が捨てられていることは存じております。これらにつきましてはそのつど注意をいたしておりますが、なかなか現実に処理できない状況でございます。し尿を捨てるということは、河川の水もよごれますし、特に東京都の水を秋ガ瀬から相当取っている現状でございますので、われわれとしても重大な関心を持っているわけでございます。その点について、ただいま河川法の二十九条に基づく政令によりましてそれを取り締まるべく、政令を準備中でございまして、これは水質の問題とかあるいは河川における投棄物とかあるいは工作物の設置とか、そうした問題も含んで一緒にそういった問題を処理していくというふうに考えてせっかく準備中でございます。
  47. 小川新一郎

    小川(新)委員 建設大臣にお尋ねします。  ただいま河川局長からお話がありました、まことに遺憾な点は、荒川の上流熊谷において相当量のし尿が河川敷地内に穴を掘って埋められております。これは御存じだと思います。その水は流れ流れて秋ガ瀬から取水した利根導水路計画の例の朝霞導水路を通りまして東京都の水になっておる。東京都民は埼玉県のし尿の入った水を飲んでいるわけですよ。こういった一連の事件があるということで、現在私どもは再三注意しておりますけれども、熊谷市における終末処理の準備と、また荒川左岸流域下水道完成がまだできない今日、また、荒川左岸ばかりじゃない、荒川右岸においてもそういったし尿を多量に流しておる。この点については、ただいまの局長の御答弁ではまことに手ぬるいように感じますが、大津としてはどのようにお考えになり、対策を立てられますか。
  48. 西村英一

    西村国務大臣 第一次の下水道環境衛生施設でもってスタートしたときは、全国そういうことだった。全国ほとんど、あちらこちらでもってふん尿をということで、昭和三十八年の第一次の下水道計画になったのであります。したがいまして、現在はそういうことも全国的には非常に改善されておると思います。しかしやはりいま御指摘のような特殊なところは、そういうことは間々行なわれるというようなことは聞いておるわけであります。昭和三十八年の第一次の下水道整備計画をやったころはもう全国的にそういうことが起こったわけであります。したがいまして、いま河川局長が申しましたように、これは絶対に取り締まらなければならぬと思います。しかしもう一つは、この取り締まる法規の問題につきまして、河川法の第二十九条というものが、あまりそういうことを河川法改正のときに予期していなかったものだからやや政令において手ぬるい。したがいまして、政令の改正をいたしましてやりたいと思います。しかしながら、それはそれとして、取り締まるだけが能ではないんで、改善の、そういうようなことが行なわれないようにこれは早くその方面を指導したいと私は思うのでございます。指導の面をやって、そうして取り締まる。こういうことを並行して強力にやりたい、かように考えております。
  49. 小川新一郎

    小川(新)委員 この問題につきましては、先輩である社会党の岡本先生も今回附帯決議の中でこういうことを述べておりますけれども、先ほど私も再三重ねて言うことは、下水道、終末処理すべての問題が市町村都道府県単位ではもうまかない切れない状態にあるという実例が、荒川の河川敷地内に十万人分ものなまのし尿が捨てられている。一たん大水が出れば全部それがはんらんして利根導水路のある朝霞水路を通って東京都民に入っていく。こういうことを考えますと、もうこれを取り締まる、取り締まらないの問題ではないと思いますが、一体荒川の上流でこういうし尿が多量に捨てられている水を飲んでいる東京都民には影響がないのですか、実態的に言って。
  50. 古賀雷四郎

    ○古賀政府委員 お答えします。  し尿が非常に捨てられまして、その中には大腸菌とかいろいろな人体に有害なものがございます。したがいまして、これを取り締まることは河川管理者といたしましても十分気をつけているところでございますが、現実の事態が解決されてないとそういった問題が起こるわけでございまして、流域下水道の設置あるいはし尿処理場整備等々と相まって、われわれも政令を準備しましてやっていきたい。いまでも現実に再三忠告をいたしましてやっているわけでございますけれども、なかなか夜捨てたりあるいは監視員のいない間に捨てられたりしまして、実は手をやいている次第でございます。
  51. 小川新一郎

    小川(新)委員 夜捨てるとか捨てないとかじゃなくて、私が言っているのは、荒川の河川敷に穴を掘って埋めているのです。入れているのです。それを取り締まるといっているが、流しているものはなかなか取り締まり切れないでしょう。いま言ったとおり、それは熊谷市ですよ。市がやっているのですよ。それをどうするかということを言っているのです。この政令は一体いつできるのですか。
  52. 古賀雷四郎

    ○古賀政府委員 政令につきましては、ただいま水質の問題で各省と協議中でございますが、われわれとしましては、そういった穴を掘ってし尿を埋めるということは現在の段階でも、利水上の問題から取り締まれますので、具体的に取り締まってまいりたいというふうに考えております。
  53. 小川新一郎

    小川(新)委員 この河川公害については手ぬるいの一語に尽きますけれども、私が質問したその人体に影響がないかという御答弁もいただいておりませんが、とにかく人間の生命の問題で起きました阿賀野川、この阿賀野川の廃水によってあの事件は起きたといっておりますけれども、この原因は工場廃水によるのか、工場側の言い分によっているところの農薬の問題なのか、まだはっきりしないようでありますが、この点についてはどう思いますか。
  54. 西村英一

    西村国務大臣 これは先般調査団が、科学技術庁の方々が三班に分かれまして調査をしたのであります。その結末はこれからひとつつけるということになって、いまわかってはおりません。この関係厚生省と科学技術庁の方々でやっておるわけでございます。われわれはまだその全貌を知るわけにはいきませんが、いずれにいたしましてもこの問題は、政府としては非常に真剣にこの原因の究明につとめておりますけれども、なかなかこれが容易に、どこの原因であるかということはまだ現実につかめておらないのが現在でございます。いずれ結末が出る、かように思っておる次第でございます。
  55. 小川新一郎

    小川(新)委員 昭和三十九年に発生した事件が二年たってもまだはっきりしない。それは厚生省の所管であるとかいや何々の所管であるとかいうことはわかりますけれども、私は、建設省の立場の中から工場廃水、要するに、河川汚濁の問題についてはこれはもうこういう委員会でも問題になっております。河川汚濁という問題を防ぐために下水道をつくらなければならぬ、また、終末処理場もつくらなければならぬ。その本来の目的というものは、国民のまた県民の生命財産を保護し、環境衛生設備を整えることにある。そういう中において、昭和三十九年に発生した阿賀野川事件も結末がまだついていないということは、これは建設省責任じゃないでしょうけれども、これは同じ政府の私の尊敬している大臣として、これはもう少し厳重にはっきりして、その原因が、そこに公共下水道をつくって終末処理場があったならばそういった阿賀野川事件が起きないということが大臣として言えますかどうですか。
  56. 西村英一

    西村国務大臣 はっきりしておるのです。はっきりできないということははっきりしておるのです。いろいろやっておるのです。いままで調査団を組織して、しかもその間に水害があったのですから、そういうことによってどういう原因、どの辺であるかということをつかむのに難渋しておるようでございます。しかしあなたがおっしゃいましたように、これは全部その担当が厚生省、科学技術庁でございまして、これは広くいえば政府責任でございます、大きい公害の問題でございますから。建設省が何も関係がないとは言いません。やはり河川管理をして水質の保全確保しなければならぬ建設省ですから、関係がないとは言いませんが、私がこうこうやろうということは言う立場でないのです。また事実それだけの私は確固たる調査ができていないのでありますから、ここでその原因はここである、したがってここは補償すべきものである、こういうようなことは私は断言はできないということを申し上げておるので、十分私としても関心は持っておる次第でございます。
  57. 小川新一郎

    小川(新)委員 大臣の胸のうちが苦しいことはよくわかります。わかりますけれども、この河川公害というもの、河川汚濁の問題というのは原因を追及しない限りはその対策はできないじゃないかと思うのですね。要するにあそこに終末処理場をどうしてもつくらなければならぬ。要するに農薬の問題であるならば、そういう下水道を通して、完全に処理場を通してするならば、川にそういう被害の水は入らない、川はよごれないということですね。だからそのためにはあの流域下水道を完備し、また終末処理場をつくるなり、また工場の問題であるならば、これは公害問題として厚生省または科学技術庁の問題としても取り上げなければなりませんでしょうけれども、私は損害の補償をどうこうということでなく、その対策として建設省はどういうそこにこれから先の建設をやっていくかということを聞きたい、それでお尋ねしておるのでありますから、その点について明快にお答え願いたいと思います。
  58. 古賀雷四郎

    ○古賀政府委員 阿賀野川の水銀に関する事件が起こったことはまことに遺憾でございます。河川の水質がきれいであるということは国民の健康上非常に大事なものでございまして、私は河川管理者として重大な関心を有しております。ただいま大臣がお話しされたようにどういう原因によるものか、あるいはどうすればあれを除去できるのか、あるいは有機水銀と称するものは海底に存するか、魚の中に存するかいろいろございまして、その対策をどういうぐあいにしたほうが一番具体的になるか、あるいはそれらの責任をどういうぐあいに考えていくのか、それは原因がわかり次第対策を当然立てらるべきものであるとわれわれは考えております。それぞれそういう段階におきまして、ただわれわれのつとめを果たしてまいりたいと考えております。
  59. 小川新一郎

    小川(新)委員 まことに私は不満足でありますけれども、今後研究課題としてこのテーマを残しておきたいと思います。  次に、厚生大臣終末処理場の維持管理に関する勧告規定の中に、放流水の水質の基準についての勧告がありますが、その「勧告する」ということにつきましてはどのような勧告をなさるのですか。
  60. 武藤き一郎

    ○武藤説明員 今回の下水道法の改正によりまして、三十七条の二に、「厚生大臣は、終末処理場の維持管理が第二十一条第二項の規定に違反している場合」それから放流水の水質が第八条の技術上の基準に適合していない場合においては、必要な措置をとるよう勧告することができる旨の規定が入っております。今回の改正で維持管理につきまして厚生大臣がこの勧告権を持ちました理由は、終末処理場は工場排水、それからし尿処理を含みます家庭汚水等も最終的に処理しまして公共用水域に放流するための施設でございますが、この維持管理が適正に行なわれない場合は公衆衛生に及ぼす影響もありますので、現行法では終末処理場の維持管理基準というものをきめております。それから放流水の水質基準というものをきめております。こういう基準が守られない場合のいろいろな影響を考えまして、厚生大臣が今回維持管理につきまして責任を持ちました関係上、この勧告規定を入れたわけでございます。
  61. 小川新一郎

    小川(新)委員 次に、これもちょっと大きな問題ですが、新市街地の大規模団地における下水道事業における負担区分、すなわち市町村とデベロッパーとの間における負担区分、要するにその工事を施行する側との負担区分というものは今後どういうことになるのですか。
  62. 竹内藤男

    竹内(藤)政府委員 いままでは新市街地でたとえば住宅公団のような開発事業を行ないます場合、排水施設につきましてはデベロッパーのほうに大体八六%くらいの負担をさしてきたわけであります。と申しますのは、補助対象事業といたしまして、約四割を対象事業といたしまして、三分の一を国庫で持つ、残りは全部開発者に持たせるというような形で行なわれておる。それから終末処理場につきましては五〇%補助対象事業にいたしまして、残りの半分を地元の公共団体と開発者が持つ、こういうような形でございますので、終末処理場につきましては開発者が約四二%を持つ、こういう形になっております。
  63. 小川新一郎

    小川(新)委員 わかりました。  流域下水道のことについてお尋ねいたします。特に、その中で荒川の左岸流域下水道についてお尋ねいたします。これは私の所属しておる埼玉県の問題でございますのでお尋ねしたいのですが、荒川左岸流域下水道が完備するならば、荒川の水質保全というものは保たれるか。また荒川右岸というものはどう考えられるか。
  64. 竹内藤男

    竹内(藤)政府委員 終末処理場まで流域下水道で完備するわけでございますので、流域下水道と並行いたしまして県市町村でやります幹線以外の下水道を完備いたしますならば、荒川に注ぐ水質は非常にきれいなものになります。BOD二〇というような数字になりますので、水質はきれいになると思います。また荒川右岸につきましても、われわれといたしましては流域下水道方式でこれをやってまいりたいということでございます。今後調査に入りたい、こういうように考えております。
  65. 小川新一郎

    小川(新)委員 これは左岸だけやって右岸を取り残した場合には、完全な水質管理ということにはならぬと思う。寝屋川の場合にも上下分かれておる。こういった一貫した総合計画完成するのは何年ごろなのですか。
  66. 竹内藤男

    竹内(藤)政府委員 両方完成するのは十年くらいかかるのじゃないかと思います。
  67. 小川新一郎

    小川(新)委員 この荒川左岸下水道は一部組合でやっておりますが、その中で戸田市が一時反対しましたが、最近になって参加しましたが、こういった一部組合だけにこの管理をまかしていく場合に、その受益者であるところの市町村の中で受益の公平さを欠いた議論が出てまいりまして、おれのところはあまり益がないからあと回しにするとか、いま金がないからあとにするとか、組合制度の問題でいろいろな問題が出てきますが、こういった一部組合だけに管理をまかせていくのが本体なのか、それともこういう流域下水道管理主体というものは県または組合がやるのか、国がやったほうがいいのか、この点についてのお考えをお尋ねしたいと思います。
  68. 竹内藤男

    竹内(藤)政府委員 流域下水道の場合、確かにおっしゃいますように、上流と下流とか、あるいは市町村の中で、それほど整備の緊急性を感じていない市町村と、非常に急がなければならない市町村というのがございますので、現在県なりわれわれのほうで指導いたしまして組合でやらしておりますけれども、なかなかその利害と申しますか、利益と申しますか、一致しないという面は確かにございます。そうかといいまして、それを直接国なり県なりが直ちに取り上げるというような段階にも立ち至っておりませんので、現在のところ、流域下水道管理主体にする、それに対しまして県なり国なりが補助をしていくという形で仕事を進めておる次第でございます。
  69. 小川新一郎

    小川(新)委員 その流域下水道に関する制度というものを確立しなければならぬと思うのですが、いかがでしょう。
  70. 西村英一

    西村国務大臣 いまの行政は広域的になっておるのですね。したがいまして、いまあなたがおっしゃいますように、流域下水道の場合でも各市町村が同じ歩調であればいいのですけれども、財政的にも違うし、また町村によっての仕事関係があってなかなか歩調が合わないのです。したがいまして、こういうような流域下水道で広域的に仕事をやらなければならぬ場合には、事業主体であるとかあるいは維持管理の機構であるとかいうものにつきましては一応考え直してみなければならぬような気が私もいたします。これはやはり下水道の問題でもそうでございますけれども、ほかの問題にいたしましても、小さな一町村ではできないことが非常にたくさんあるわけでございますから、この点につきましては、主体はだれがやるか、その維持管理はだれがやるかということについては十分検討する価値がある、かように私は考えておる次第でございます。
  71. 小川新一郎

    小川(新)委員 その責任範囲、管理主体性、それからその分担の範囲、これは非常に大きな問題がありますので、今後に残された問題としまして建設大臣の御一考をお願いしておきまして、次の問題に移ります。  これは部分的な問題なんですが、荒川左岸下水道終末処理場の場所の設置の件であります。戸田市の第一突堤と第二堤防との間に最初建てるという計画が、今度戸田ゴルフ場の会員の運動場にするために確保しておった土地に移ることになったそうでありますが、その動機はどういうわけでそうなったのか。
  72. 久保赳

    ○久保説明員 荒川左岸流域下水道終末処理場の予定地の問題でございますが、これにつきましては、終末処理場は、御承知のように排水区域の地形によりましてきまってくるものでございますから、河川敷の中に終末処理場をつくるのがあの荒川左岸の流域下水道の場合には一番適合しているという観点から、都市審議会で種々議論をした結果、あの位置にきまったものでございまして、特に当初予定しておったものを変えたということではございません。設計の過程であの付近を選択したことは事実でございますが、一度きめたものを動かしたということはございません。
  73. 小川新一郎

    小川(新)委員 ただそれは現地においては移ったと言っておりまして、そこは戸田ゴルフ場の会員の運動場をつくる敷地である。そこは坪一万円もするといわれています。そういうところに移ることについての議論が起きておるので実はお尋ねしたわけでありますが、最初からそこに設定されたわけじゃないのですね。
  74. 久保赳

    ○久保説明員 ただいま申し上げましたように、計画、設計の過程におきましてはあの付近ということでいろいろ調査をいたしましたが、最初からきめたものを移したということはございません。
  75. 小川新一郎

    小川(新)委員 だいぶ時間もたちましたので、これでやめますが、最後に、フラッシュ用水の成果及び実態についてお尋ねいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
  76. 古賀雷四郎

    ○古賀政府委員 お答えいたします。  この上水路の建設にあたりまして、隅田川が非常によごれております。特に新河岸川の工場排水が非常によごれておりまして、この上水路の水を暫定的に水質の浄化に使いたいということで、オリンピックの直前に竣工いたしました。これは約三十トンの水をフラッシュ用水として現在使っております。豊水期あるいは渇水期等によりましてそれぞれ水量は違いますが、その計画段階におきましては、大体隅田川の水質を十PPM程度に押えたいということでやりまして、水量の多いときには十PPM程度の水質を保っておりますが、なおさらにこれを続けていくことは大事でございます。特に汚泥が非常にたまっております。そういう汚泥をとるのも並行してやっておりまして、最近隅田川には魚が住むといわれておりますが、そういうところまでまいったということだけ御報告申し上げます。
  77. 小川新一郎

    小川(新)委員 川に魚が住むのはあたりまえなことでありまして、住まないほうがおかしいのであります。どうかその辺のところはよく御理解願って、私の質問を終わります。
  78. 森下國雄

  79. 稲富稜人

    ○稲富委員 それでは、時間がないそうでございますので、簡略に質問いたしますから、御答弁も簡単にお願いします。  最初にお尋ねいたしたいと思いますことは、従来下水道行政が両省に分かれておったのが、今回所管が建設省に一元化された。これは多年の要望であり、特に行政管理庁の勧告等もあってそういう結果になったと思うのであります。もちろんその間におきまして大臣の非常な御努力は多とするのでございますが、こういうように行政所管を建設省に一元化されるにあたりまして、なぜ終末処理の維持管理だけを厚生省に残されたのであるか、それに対する考え方を率直にお伺いしたいと思います。
  80. 西村英一

    西村国務大臣 厚生省は人間の衛生をもっぱら管理する役所でございます。したがいまして、これは仕事建設省でいたしましても、その最後の終末処理場がたとえ工事がうまくできておっても、出てくる水というものが十分でなければ、そのよって起こる人間に対する害というものは、厚生大臣がやはり責任を負わなければならないことになるわけでございます。したがいまして、厚生省としてはその維持管理終末処理場が十分機能を発揮するかどうかということについては、やはり自分のほうの責任であるからということでございまして、しかもまた、一般のし尿の処理も現在のところ厚生省があずかっておるのでございますから、それとの関連もありますので、し尿に関する関係は全部建設省がやるわけではございませんので、やはりし尿の行政との関連も持っておりますから、もっぱら衛生上の見地から、維持管理は厚生大臣が見るというふうになったのでございます。
  81. 稲富稜人

    ○稲富委員 この下水道事業における行政におきまして一番問題は、終末処理の結論というものが国民の生活に及ぼすところ非常に大きいと思うのでございます。もちろんいま大臣がおっしゃったように、衛生上の問題もたくさんあります。あるいは農林水産業に及ぼす廃業的な影響もあります。こういうような点から考えますときに、その一番重大な終末処理を、維持管理だけを厚生省にゆだねる、こういうことは建設省としてあまりに自信がなかったのであるか。従来、やはり厚生省との二つに分割されていたので、いわゆる官僚のセクショナリズムが、何か一つ持たしておかなければいかぬじゃないか、こういうことから結論的にそうなったのであるか。これはどうも、大臣としては衛生上の問題があるから厚生省に持たしたほうがいいんだ、こう言われますけれども、私たちは、これが完全な維持管理におきましても、当然これは設備の問題もありますので、こういう問題に対しては、やはり建設省というものが、もっと施設そのものに対する仕事等が必要ではないかと思うのです。それは維持管理にもおのずから影響するものである、こういう点で、単なる衛生上の問題があるから厚生省にゆだねたのだという簡単なことで処理をすべきものではないのじゃなかろうか、そういう点を十分検討されたのであるかどうか、この点もひとつ承りたいと思います。
  82. 西村英一

    西村国務大臣 維持管理は、厚生大臣としましても――終末処理場をつくる建設省といたしましては、普通な程度においては衛生上のことも十分考えてやります。しかしさらに衛生をつかさどっている厚生省が、その上においてなおほんとうの専門的な知識の上からそれを見よう、こういうことになるわけでございますから、維持管理は厚生大臣であるから、建設大臣は維持管理は知らぬ、こういうようなものではございません。施設をする以上は、その機能が十分発揮できるようにわれわれがすることはもちろんでございますけれども、その上で専門の厚生省がそれについて配慮するということは、私は適当であろうと思うわけでございます。もう稲富さんも御存じのように、行政というものは、やはりどこかに継ぎ目が起こるわけであります。その継ぎ目が起こったところがぴしゃっとなるわけではございませんので、私はこういう処置は必ずしも悪くないと思っております。しかも、さいぜんも申しましたように、し尿処理関係があちらこちらであるわけでございます。したがいまして、そういう点から、いきまして、ただ単なるセクショナリズムであるということを言い切るわけにいかない。私はこの処置で厚生、建設大臣が終末処理の機能を十分発揮できるようにしたいということでございますから、御了承を賜わりたいのであります。
  83. 稲富稜人

    ○稲富委員 もちろん、これに対しましては、法案を見ましても、密接な関係を持っていかれることはわかっております。ここでさらに念を押して、私は厚生省にお尋ねしたいと思います。  今回の法の改正におきます「終末処理場の維持管理の適正を期する」、これがその目的の中に大きくうたってあります。この「維持管理の適正を期する」という意味は、どういう点に重点を置いてどういう方法でこの適正を期そうという具体的な計画を持っておられるのであるか、承ります。
  84. 武藤き一郎

    ○武藤説明員 終末処理場の衛生上の責任について、厚生省はどういう点について責任を持つか、こういう御質問だと思いますが、この点につきましては、先ほどの御質問にお答えして触れましたように、終末処理場の維持管理というものは、現行法でも維持管理の基準がきめられております。それから第二には、放流水の水質の基準が、また八条できめられております。この二つの点が衛生上の観点からいたしまして重要な問題でございますので、この二点につきまして違反してないか、あるいは基準に適合していないのじゃないか、こういう点につきまして厚生省責任を持つ、こういう規定が三十七条の二で新しく設けられておりますが、この二点が厚生省責任でございます。
  85. 稲富稜人

    ○稲富委員 いま御説明がありましたように、この終末処理場の維持管理という問題が非常に影響するということは、御承知のとおり水質汚濁の問題に直ちに影響してくるわけでございます。この水質汚濁の問題が、あるいは先刻申しましたように、農林水産業に及ぼす影響も非常にございます。あるいは上水道の水源に及ぼす影響もあります。あるいは都市環境あるいは住民の生活等に及ぼす影響というものが非常に多いわけであります。この終末処理の結論というものが非常に大きく各般に影響するわけなので、ここに非常に大きな改正の重点、将来の運営の重点というものがあると思わなくてはならぬと私は思う。それで、その点に対しては、先刻お話がありましたように、ただこの「適正を期する」という法的な問題だけでなくして、事実上の問題としてこの問題は考えなくてはいけないと私は思う。ことに工業用水等がこの終末処理場に入ってまいります。あるいは毒物を持った工業用水も来るだろうし、こういう京はいろいろ問題があると思います。  それで、この機会に私は、そういう点からまず、農林水産に及ぼす影響もありますので、農林省も来ておられると思いますが、あるいは水俣病であるとか、あるいは水銀性の廃水の結果の漁業に及ぼす影響等もあるのでございますが、最近こういうような水質汚濁の関係から、水産業あるいは農業に及ぼしている影響等がたくさんあらわれておると思いますので、最近農林省で調査している点を承りたいと思うのであります。
  86. 山中義一

    ○山中政府委員 ただいまの都市排水その他工場等の水産関係に及ぼす被害の額でございますが、これは工場あるいは都市あるいはし尿処理というふうにこまかく分類することがなかなか困難でございます。これは大体工場関係、そのほか全部ひっくるめて約七十四億五千万というふうに推定されております。しかし、そのうち都市がどのくらいか、こういうふうにお尋ねいただきましても、これはちょっと困難でございます。以上でございます。
  87. 稲富稜人

    ○稲富委員 そうすると、ただ水産業その他に非常に悪影響を及ぼすということだけは、もう事実わかってきておるわけなのでありましょうか。
  88. 山中義一

    ○山中政府委員 都市排水その他工場排水すべて、少なくとも水産業に対しては悪い影響を与えております。
  89. 稲富稜人

    ○稲富委員 そうしますと、今回のこの終末処理の維持管理の問題について今後厚生省だけでやる、もちろん建設省がそれに責任があるわけでございましょうが、この維持管理については、将来やはり農林省関係の意見というか意向等も徴収しながら、この維持管理の問題は万全を期する、こういうことが「維持管理の適正を期する」というようなことにもつながると思うのでございますが、こういう点は法的に詰まっていない、こういう点に対してはどういう処理をなさるつもりでございますか。
  90. 武藤き一郎

    ○武藤説明員 終末処理場の排水は農林水産関係に影響をいろいろ与えておる、こういう点についてどういうふうな処置を今後徹底させていくか、こういう御質問であろうと思うのです。ただいま申し上げましたように、終末処理場の排水につきましては、法律に根拠を持ちまして、政令で基準がきめられております。厚生省といたしましてはこの基準が守られるように努力をいたすことはもちろんでございますが、工場排水等でいろいろ毒性の強いものが流されることもございます。この点につきましては、下水道法十二条で除害施設の設置を公共下水道管理者というものは条例で設けさせるというような規定もございます。こういう点につきましては、厚生省管理しております公害防止事業団というものが二年ほど前からできて、仕事はまだ緒についたばかりでございますけれども、この公害防止事業団でも、この排水問題につきましては、昨年度では九件ほどのいろいろの融資を工場に対して行なっております。  それから一般的に排水の処理の問題につきましては、経済企画庁が主管いたしております公共水域におきます法律規制がございまして、各製造業から出ます排水につきましてそれぞれ法律上の取り締まりを行なっております。先生も御存じのように、ただいま国会に公害基本法が提出されまして、公害問題を総合的に処理していくという観点から基本法が提出されたわけでございますけれども、これに関係します施策をやはり総合的に強力に進めまして、工場等を監督いたします官庁、あるいは国民の生活と環境を所管しております厚生省、あるいは農水産の育成をはかっております農林省、各省が十分連絡をとりまして、ただいま先生の御指摘になりました点等につきましては、今後さらに対策の総合的な推進をはからなければいけない、かように考えております。
  91. 稲富稜人

    ○稲富委員 私、厚生省審議官に特に申し上げたいと思いますことは、この「終末処理場の維持管理の適正を期する」ということが一番大きな問題である。ただこの「適正を期する」ということはどういうことであるかというと、法的にこういうことが第何条にうたってあるから法的に処理することが適正である、もちろんあなたのほうとしてはその法に沿うてすることが適正だとおっしゃるかもわからぬが、われわれから言いますと、法というものは、実害を与えないような、ほかの産業に影響を及ぼさないような、あるいは衛生的にも非衛生的な結果を生まないような、こういうような法的な根拠によった適正というものが必要でなければいけないと私は思う。こういう問題をのけた、ただ二十何条にこういうことをうたってあるから、それに沿えばいいというふうなことでは私はほんとうの適正化とは言えないと思う。ところがいまも聞くと、実際上産業上にも被害を及ぼしておる、あるいは衛生上におきましても非常に好ましからざる結果が生まれてくる。こうなりますと、やはり適正というものが、あなたのほうの法を改正するとか、こういうような実害を与えないような、こういう結果を生み出すような処置をとるということが必要である、こういう点を私たちは強く要望したいと思うのでございます。これに対しては厚生省はどういうようなお考えを持っておられるか、承っておきたいと思います。
  92. 森下國雄

    森下委員長 ちょっと申し上げますが、時間がありませんから政府側の答弁はなるだけ簡単にお願いします。
  93. 武藤き一郎

    ○武藤説明員 ただいまの御指摘につきましては、単に現行法制上きめられていることを順守するだけで足りるということではございませんで、やはり実際問題が起きました場合にそれをよく調査いたします。また現行法で不徹底の場合は当然法律の改正も必要でありましょうし、あるいは予算的なその他の対策も必要でございましょうし、そういう点につきましては、現在とられております対策のみならず、さらに現実に即して漸進的に法の規制あるいは予算対策等を強力に進めなくちゃいけない、かように考えるわけでございます。
  94. 稲富稜人

    ○稲富委員 どうも時間がないようでございますので、それじゃ簡単に進んでまいりますが、こういうことから、結論は、完全な終末処理もでき、下水道整備促進をはからなければいけないと思うのでございますが、これを早く進めるということになりますと、財源措置の問題に入ってくるわけでございます。これに対する、地方公共団体が行ないます財源措置に対して、国の助成その他に対してはどういうふうな具体的なお考えでありますか、承りたい。これは建設省に……。
  95. 竹内藤男

    竹内(藤)政府委員 従来国庫補助率一般都市三分の一、六大都市四分の一でございましたのを、今度の五カ年計画におきましては十分の四に引き上げる、こういうことをいたしております。それから起債の充当率は従来と大体同じでございますが、相当大幅に下水道につきましては起債をつけております。その他、都市計画税その他の財源下水道をやってまいりたい、こういうふうに考えております。
  96. 稲富稜人

    ○稲富委員 従来は大都市は四分の一、一般都市は三分の一ですが、こういうふうに差があったけれども、今回は一律に十分の四にされたということ、これはさきに岡本委員からも質問いたしておりましたが、これは政府のこの促進に対しましては非常な特殊の事情があると思うのでございます。先刻からお話がありましたような、あるいは荒川水域であるとかあるいは江戸川水域であるとか、こういうような点は非常にまた重要性があると同時に、ほかと同一に画一的に考えるべき筋のものでもないと私は思うのでございます。現にこの点は行政管理庁も認められて、行政管理庁の勧告の中にも、荒川水域、淀川水域の水質保全上特に重要な水系の水質汚濁対策にかかる下水道事業については、国としても重点的に強力な助成措置をとる必要があるということが勧告の中にうたわれております。ところが今回のこの改正の内容を見ますと、こういうような点は一つも具体化されていない。こういう点はあなたのほうで含みがあるのであるか、こういうような行政管理庁の勧告等に基づきます特別措置というものは、当然これは国の助成措置をしなければいけない問題ではないかと思うのでありますが、これは大臣どうお考えになりますか。
  97. 西村英一

    西村国務大臣 さいぜんも都市局長が言いましたように、大都市四分の一、二五%の補助であったのです。ところがこれはどうしてそういうことであったかというと、やはり東京、大阪は富裕な都市であるからというようなことで補助率が非常に少なかったのであります。ところが下水道というものは大都市ほど重要なもので、非常におくれてきたというところで、ようやく今回一律に四〇%の補助率まで引き上げたのでございます。しかし私たちはこれで満足をいたしておるものではございません。実際は大蔵省に対してもっと要求をいたしたいのでございます。しかし一ぺんになかなか飛び上がることもできませんので、十分の四ということできまったのでございまするが、さいぜんからいろいろお話がございますように、やはり特殊な個所もあるのでございまするから、そういうところに向かっては、一般的な補助率の問題もありますけれども、特殊な個所につきましては、さらに努力して補助率もアップをして、早くひとつ改善をしたい、かように思って今後努力いたすつもりでございます。
  98. 稲富稜人

    ○稲富委員 それではその点は了解いたしました。  いま一つお尋ねしたいと思いますことは、維持管理に対する費用、これはあるいは受益者負担ということを考えられておるのであるか、こういう点に対してはどういうふうな考えを持っておられるのですか。
  99. 武藤き一郎

    ○武藤説明員 ただいまの維持管理費用につきましては、使用料をもってこれに充てるというふうな考えを持っております。
  100. 稲富稜人

    ○稲富委員 そうすると、使用料といいますと、受益者負担としての使用料だけで維持管理をやっていこう、こういうような考え方でございますか。
  101. 武藤き一郎

    ○武藤説明員 そういうことでございます。
  102. 稲富稜人

    ○稲富委員 先刻から申し上げておりますように、維持管理というものは非常に大きな問題だと思うのでございますよ。もしも維持管理を誤りますと、これが水質汚濁の問題に影響するし、衛生上、産業上の問題が起きてくる、こう思うのでございます。それで、こういう問題に対しては、やはり公共団体というものがあるいはこれに負担をするというのは困難である、やはり何らかの形において、国においても場合によったら考えるということを一応考えていかなければならぬのじゃないか。先刻小川委員も言っておりましたけれども、この種の事業というものは国がやるべきである。この近代的なわが国において、だんだん近代化される国民生活の中において、財源の乏しい地方公共団体が持つことにおいて非常に無理があるのだ、こういうことはおのずからだれでも考え方は一致しておると私は思うのでございます。それでこういう点から、これに対してはもっと国がこれに対する手を差し伸べて、そしてやるべきじゃないかと考えるのですが、いかがですか。
  103. 竹内藤男

    竹内(藤)政府委員 維持管理の費用につきましては、御承知のように維持管理の場合には、汚水分が非常に多いものでございます。大部分は使用料でまかなうということは先ほど厚生省から答弁したと思います。ただ雨水分もありますので、その分につきましては一般市費を投入いたしております。それに対しましては、交付税の算定におきまして、基準財政需要額の中で、今度は改正もいたしまして、見るようにいたしております。
  104. 稲富稜人

    ○稲富委員 いまの維持管理の費用の見方ですね。それをもう一回……。
  105. 武藤き一郎

    ○武藤説明員 汚水と雨水とあります。そのうちの汚水分というのは私の家庭から出るのでございますから、これは使用料でまかなう、雨水のほうは一般市費でまかなう、基本的にはこういうふうな考え方をとっております。維持管理の費用は大部分が使用料でまかないますが、公共団体一般財源も入れている。その一般財源に対しまして、交付税のほうで見ている。といいますのは、交付税の算定は御承知のように基準財政需要額というものをはじき出しまして、それに、基準財政収入額と比べて交付税をやっておりますから、その場合基準財政需要額の中に維持管理の費用を、今度は改正をいたしまして見ております。こういうことであります。
  106. 稲富稜人

    ○稲富委員 維持管理の問題は、責任を持っている厚生省は使用料でやっていくとおっしゃるし、建設省一般からもやっていくのだという。建設省のほうの所管外の人は一般から、所管の人は受益者でやっていくというのはどういうわけなんですか。われわれふに落ちないのですが……。
  107. 武藤き一郎

    ○武藤説明員 ただいま建設省から御説明ありましたとおりでございます。同じでございます。
  108. 稲富稜人

    ○稲富委員 それではただいまの汚水と雨水二通り、それに対するパーセンテージはどのくらいに分けておりますか。
  109. 竹内藤男

    竹内(藤)政府委員 全体的に平均して考えますと、維持管理の場合は汚水が大体七割、雨水が三割でございます。
  110. 稲富稜人

    ○稲富委員 それから下水道工事について、これは先刻小川君からも質問があっておったのでありますが、これは事業にあたりましては建設省都市局等はよほど総括的な計画をやらなければいかぬ。道路を通りますと、あるいは舗装されたあと下水道工事あり、水道工事あり、電気工事ありあるいは電話の工事あり、しょっちゅう掘っくり返されているということが非常に多い。これは所管が全然違うというのであれば別でありますけれども、所管が同じであればせめて一つ計画を立てて工事を進行するということが住民に対しても迷惑をかけないゆえんであろうと思うのでございます。こういう点からは、下水の計画というものは、水道の計画と、あるいは道路計画と、あるいはできることならば電気、ガス、こういうものとも関連性のある事業計画を打ち立ててやっていくことが私は最も必要じゃないか、こう思うのでございます。ところによりますと、ついこの間工事があったところをまた掘っくり返してある。今度は何だ、今度は電気だ、その次にやっておる、今度は下水だ、またやっている、今度は何だ、電話だ、こういうようなことが非常にありますので、こういうことに対しては、この機会にひとつ計画性を持った事業をやられるようにすることが必要だと思うのでありますが、これに対する建設省考え方を承りたい。
  111. 西村英一

    西村国務大臣 仰せのとおりでありまして、もちろん連絡をとってやることは大切でございますから、連絡をとってやるようにします。ただ下水道を今後進めていくということになりますと、またその関係がずいぶん起こると思うのです。したがいまして、いまの方法は掘り返しておいて埋める、いわゆるカット・アンド・カバー・メソッドでございますが、やはりこれは金がかかりますけれども、一メートルぐらいの下水管ならシールド工法をひとつ奨励すべきじゃないかと思っておるのでございます。掘り返さぬでいく方法というようなものも徐々にやっておるようでございまして、掘って埋める方法は一番安い方法でございますけれども、これを強力にどんどん進めるというと、いま稲富さんがおっしゃいましたようにあちらこちらで非常に不都合が起きるわけでございますから、やり方の技術、方法というものを十分考えてやりたいということを思っております。なお、連絡は十分してやらなければならぬ、かように思っております。
  112. 稲富稜人

    ○稲富委員 最後に、いま一つ希望を申し上げてお尋ねしたいと思うのですが、この下水道工事に対して、幹線は国の補助をするとしても、その末端の分は、これは財源の小さい市町村でやっているというような状態であるので、これは非常に困っているわけです。こういう問題まで含めて国の助成というものは当然考えるべきである。そうしなければ完全なこういう事業の遂行はできないと思うのであります。これに対する建設省としての考え方をこの機会にひとつ。大臣はそういうことに対しては非常に理解もあると思うのですけれども、あなたの時期に、そういうような末端の事業までも国の助成でやる、こういう先例をつくっていただきたい、こう思うわけであります。
  113. 竹内藤男

    竹内(藤)政府委員 御指摘のとおり、末端のほうは単独事業でやっております。われわれといたしましては、補助対象事業を広げていきたいということを今後とも努力してまいりたい、こういうふうに考えます。
  114. 稲富稜人

    ○稲富委員 いまの局長の、今後とも広めていくという話では、実際上事業の推進というものは非常に私は困難だと思う。それで、やはりこの法の改正を機会に、建設省は末端の事業に対しては国庫助成をやって、そうして完全な事業をひとつ打ち立てていく、こういうようなことにやっていかなければ、将来は何とか考えていこうとか拡大していこうということでは、地方財源困難な市町村はこれに取り組むことが非常に困難であると私は思う。ひとつこの法の改正を機に十分その点を考えてやっていただきたいということをわれわれは希望したい、かように考えておるわけでありますが、これに対して大臣、あなたはひとつ率直に考えていただきたいと思います。
  115. 西村英一

    西村国務大臣 いまのは、大蔵省との間には補助の対象がきまっておるわけでございます。今年度は予算もきまったことでございますから、補助の対象、こういうものについては補助するということがきまっておるわけであります。いま都市局長が言われるのは、メインパイプでなくとも、ブランチでも非常に長いものがあるわけでございます。そういうようなものに対しましては、単独事業にしなくてなるべく補助対象として広げていきたい。ことしはだめでございますけれども、来年はさらに補助対象を広げていきたいということを申し上げておるので、十分御趣旨に沿うてなるべく地方の負担が少なくなるようにやっていきたい、かように考えております。
  116. 森下國雄

    森下委員長 佐野憲治君。
  117. 佐野憲治

    ○佐野(憲)委員 時間的にも切迫しておりますし、各委員から相当慎重な質疑が行なわれておりますので、私は重複を避けまして、次の三つの点について大臣の所見を求めたいと思います。  その一つは受益者負担金制度、第二の点は料金原価の問題、使用料の問題、第三の点は長期計画等作成にあたっての地方公共団体との協力関係、この三つについて尋ねたいと思います。  一つは受益者負担金制度についてでありますが、この点につきまして各委員との質疑の中で都市局長はしきりにその説明をしておられるのですね。昭和三十五年に都市センター並びに全国市長会が共同で研究をやっておりますが、下水道財政に関する研究会の研究報告が中心となって説明されておるわけです。その趣旨は私もよく理解しておるわけですが、しかしながらそれと同時に三十五年から三十六年にかけまして臨時東京都上水道料金及び下水道料金制度調査会におきまして、特に下水道料金の更正要素に関する答申、こういうものをなさっておるわけです。私はこの二つが注目すべき問題点を――特に下水道事業に対する沿革から見てまいりましても、重要な問題点を提起しておると思います。これに対しまして東京都の答申――東京都は現在もなおこの答申に基づいて下水道事業を進めておるわけでありますが、これは単に東京都だけの問題ではなくて、全国の公共団体におきましても、従来の沿革にかんがみましても、どうも建設省の指導と申しますか、都市センター並びに全国市長会の意見になじめない、こういう考え方に立っておるのが現状じゃないか、私はこう考えますので、特に東京都の答申の場合におきまして、五つの点があげられようと思います。  受益者負担金制度に反対だ、とってはならない、こういう理由として、第一に、受益者負担金の賦課の基礎となる不動産の受益度が不明確だ。第二の点は、固定資産税、都市計画税等と重複する難点がある。第三点は、大都市において地下高速鉄道の建設による駅周辺の地価の高騰著しいその他の公共施設事例にも見られるように、これらについて受益者負担金制度が活用されていない。第四点といたしまして、都の沿革上の理由もあって現在事業計画上考慮外に置いておる。第五の点といたしまして、固定資産税の適正合理化を促進することが先決と考えられるので、当一般会計の支出金に統合することを適当と考える。このような考え方が述べられておるわけです。  これは非常に重要な問題を含んでおると思いますが、それでお尋ねいたしたいのは、昭和三十六年度の下水道年鑑、これは三十五年度までの集計だろうと思いますが、この中で全国の公共下水道を施行しておるのが百四十八都市、そのうち負担金制度を付加している都市が二十一、しかもその建設費に対する総額はわずか一%にすぎない、こういうことを下水道年鑑は述べておるわけであります。そこでお尋ねいたしたいのは、昭和四十年度末における決算状況が明確になってきておると思います。これがどのような変化を来たしてまいっておるか。当時百四十八都市下水道を施行しておる。しかしながら二十一の都市しか負担金制度を取り入れることができ得ない。ここに非常になじめない問題点がたくさんあると思いますが、それらの現況、荻野委員長のもとにおける都市センター並びに全国市長会の共同研究の結果はどのような進展を示してまいっておるか。この点について、四十年度末にはどういう変化になっておるか、御説明願いたいと思います。
  118. 竹内藤男

    竹内(藤)政府委員 四十年度末におきまして公共下水道を実施している都市数が百四十七ございます。そのうち受益者負担金収入のあった都市が四十都市、徴収実績は十億でございます。約一・四%でございます。
  119. 佐野憲治

    ○佐野(憲)委員 いまのように、受益者負担金制度を取り入れるのが常識だ、このように説明をしておられるわけでありますけれども、実際には下水道を施行しておる都市のうちの四十八だ。この四十八のうち、京都その他のような廃止してしまっているのが三つくらいございますね。どうですか。
  120. 竹内藤男

    竹内(藤)政府委員 四十都市でございまして、廃止したところは抜いてあります。
  121. 佐野憲治

    ○佐野(憲)委員 私の聞き違いで恐縮です。  だとするならば、ここに大きな理論的な欠陥が秘められておるのじゃないか。  そこでお尋ねしますが、受益者負担金を一体どの根拠によってとっておるか。これは市町村が条例によってとることとなってまいりますと、東京都が指摘するように固定資産税なり都市計画税と混淆する、同じ土地に対する課税でありますから。しかも市町村におきましては、他の道路なり鉄道なり性格の似たものがあるにもかかわらず、これに対する受益者負担金制度をとっていない。しかもなお、とるべきだということで指導しておられる根拠は一体どこにあるわけですか。都市計画法第六条の二に基づいて負担金制度をとっておられるのかどうか。
  122. 竹内藤男

    竹内(藤)政府委員 都市計画法に基づきまして、建設省令で負担金をとっておるわけであります。
  123. 佐野憲治

    ○佐野(憲)委員 そこで大臣にお尋ねしておきたいと思うのですが、都市計画法の第六条並びに政令の九条、十条、特に十条に基づいて市町村がいわゆる負担金をとっておる。ここで私は一つ問題があると思います。いま申し上げましたような道路なりその他の場合におきましては、とることを進めていない。しかしながら下水道の場合、町村が元来都市計画として立てる――このいわゆる本来における都市計画というものと、行政用語における都市計画事業とは違いますけれども、しかしながらこういう重大な市町村の基本ともなるべき下水道問題、都市計画――行政用語の都市計画と違いまして、これを都市計画法に持っていく。すなわち機関委任事務にしてしまう。しかもこの場合におきまして、機関委任事務になってしまいますと、下水道を施行する市町村長は市町村長としての資格を失う。主体建設大臣だ。建設大臣市町村に対しまして機関として事務が委任されるにすぎないのだ。こういうことに対しまして、大臣どのように考えられますかということが第一点。  第二点におきまして、そういうことになってまいりますと、市町村は経費を負担する義務だけが背負わされると同時に、その市町村長はもし大臣がこれは不適当だと思えば、自治法百四十六条によりまして罷免権、代執行を命ずることができる、こういう権限のもとで自治体の首長はその権限がなくなってしまうわけですね。  第三点として、議会としてとってまいりますと、都市計画事業に対しましては、これに対する検問権がないわけです。監査請求する権利も奪われてしまっておるわけですね。同時にこれらの事業に対するところの契約締結その他に関しましても関与することができない。議会としての発言は権限が奪われてしまっておる。ですから、国体なりが行なわれまして、総合体育館ができる。この場合におきましては、都市計画事業でできた場合とそうでない場合と二つがある。そうした場合におきまして、片方におきましては厳重な、入札に対して、契約に対して、あるいはまたそれらに対するところのいろいろな規制が自治法、会計法によって定められておる。片方の都市計画事業として施行する場合におきましては、何らこれに対する規定がないわけですね。そういう形の中で都市計画法というものが現在存在しておるわけです。これはまさしく欧州大陸型と申しますかドイツの法型の遺物として残っておるものだと思いますけれども、そこで大臣地方自治のたてまえから考えてまいりまして、地方自治は民主主義の基盤だ、こういわれておるときに、このような下水道事業、しかも都市形成の中において町村の存立要件ともなるような事業をやるためには、住民の自主的の参加、住民の協力、住民の創意が生かされなくちゃならないのに、逆に現在における都市計画法というものは、これはたいへんな規定が持たれておると思います。そうした中でいわゆる建設大臣の、省令として地方住民に対しまして受益者負担金をとるのだ、こういう強引な方法によらなければ一体受益者負担金というものはとることができないのかどうか。この点に対して、受益者負担金をとるために都市計画事業としての指定をしなくちゃならない。しかもその都市計画事業の中におきましては、道路その他の広範に含まれておる事業対象の中におきましては、受益者負担金制度というものは建設省は何ら進めていない。なぜ下水道だけの場合において進めなければならないのか、この点について大臣の意見をお聞きしておきたいと思います。
  124. 西村英一

    西村国務大臣 法理的なことで私もよくわかりません。わかりませんが、とにかく都市計画法は、大正八年ですか、ずいぶん古い法律です。したがって都市計画事業をやらしておるのは、やはり機関委任事務でやらしておるのだと思いますが、非常に詳しいお尋ねがございましたから、法律上の問題でございますので、都市局長から答弁をさせますが、ただ受益者負担ということは、私はやはり公平の原則から出たのじゃないかと思うのです。現在はその趣がだいぶ違いますので、下水道は全都市によって行なわれなければならぬけれども、昔は、その時代はやはり一部分の都市しか受益していない、ないところが大部分だ、そこで特殊なところに下水道があるのだというような古い考え方、それでやはり公平の原則でそれを住民が全部持つのはいやじゃないかというようなことから発足したのじゃないかと思うわけであります。いまはそういうような考え方は、あなたが御指摘のようにだいぶん事情が違っております。したがいまして、いずれにしたにいたしましても、広いいまの自治法の関係都市計画法の関、係につきましては、いろいろと御疑念があるかもしれませんが、受益者負担金はそういうような原則論から起こっておるのでありますから、今後はもう少し検討する余地はあるのじゃなかろうか、私はかように思っておりますが、詳しいことは都市局長から答弁申し上げさせていただきます。
  125. 竹内藤男

    竹内(藤)政府委員 下水道は最も基幹的な施設でございますので、現行法上都市計画事業としてやっております。都市計画事業は、大臣から御説明ございましたように現在機関委任事務だという考え方でこれを進めておるわけでございます。したがいまして、受益者負担金をとるのは、都市計画法に基づいて省令でとっておるというのが実態でございますが、実際に受益者負担金をとります場合には、議会の議員の全員協議会を開いて議会の意思を聞きまして省令で定めておるというのが実態でございますけれども、現行の都市計画法ではそういう形になっておりますので、そういうような省令という形で受益者負担金をきめておるわけでございます。  それから下水道だけなぜ受益者負担金をとるかということでございますが、面的に整備するものでございますので、受益の範囲が道路等の場合と異なりまして、かなり明確であるということと、それから大臣言われましたように、未設置のところとの住民の公平を期すということで、特に下水道について受益者負担金をとるように指導しておるわけでございます。
  126. 佐野憲治

    ○佐野(憲)委員 時間がありませんので、いずれまた別の機会にこれは検討していただきたいと思いますが、受益者負担金制度をとるのは、負担金の賦課の対象の基礎となっておる土地に対する受益度、こういうことになってくる。土地に対する受益度となってまいりますと、これはいろいろ問題が起こってくるのじゃないか。あなたのほうでは二百七ですか下水道をやっておる中で四十しかいわゆる負担金制度を採用していない。それでは他のところはどうしておるのか。都市計画税があります。これも土地を課税の客体といたしておるでしょう。都市計画税は地方税法に基づいてとられておるのですが、それが昭和三十五年度の末では四百団体、二百九十億円をこえておる。これだけ膨大なものが都市計画税としてとることができるし、現に町村はとっておる。固定資産税における評価の問題があります。これも土地家屋です。しかもそれは売買実例価額、適正な時価、これが税法上明確になっておるわけでしょう。こういう適正な時価ができてまいると売買実例価額が対象になってくる。しかも地下鉄その他によって土地が上がってくる。その駅の付近はものすごい受益度を受けておるわけでしょう。それこそ受益者負担金という制度が採用されなければならないにもかかわらずこれには採用しない。他の市町村都市計画税なりまた住民の納得ができるという形をとっておる。下水道だけなぜ受益者負担金制度をとらなければならないのか。しかも混合しておる。理論的にも非常になじみがたい体系だと私は思います。こういう点に対しましてもっと根本的に検討し直す必要があるのじゃないか。しかも建設総額に対しまして三分の一が妥当だと荻野委員会は述べておるのに、いや一・三%しか実はこれに対してやっていないのだということになってまいりますと、負担金制度というものは一体どうなるのか。まさしく大臣の言われる公平の原則から考えてもこれはおかしい一つの制度ではないか、このように考えるわけですが、大臣その点はどうですか。
  127. 竹内藤男

    竹内(藤)政府委員 都市計画税や同定資産税をとっておるから受益者負担金をとるのは重複になるのじゃないかと申しますけれども、これは一般的に都市計画区域の中で都市計画でやっております下水道はそこの排水面積に対してとっておりますものですから、特別の負担をするということは現行法では矛盾しないという解釈できているわけでございます。  それから先ほど一・四%と申しましたのは、全国の下水道事業に対する比率でございまして、下水道をとっている町村に対する比率は大体一〇%くらい、そういうことでございますので、われわれのほうとしましては、受益者負担金をとるように指導しているわけでございます。
  128. 佐野憲治

    ○佐野(憲)委員 あまり重複してもなんですけれども、しかしながらどうもはっきりしないと思うのです。総建設事業費に対する下水道年間総建設費は昭和三十五年現在一%、四十年末には一・三%だ。ですから全事業量から見てまいりますと全く有名無実じゃないか。しかも権力の強い、地方住民にとりまして――大臣はどう考えられますか。先般の瀬戸山大臣都市計画法の改正にあたりまして、住民の総意、住民の協力、住民参加が前提となって都市計画法は立てられなくちゃならない、そのための改正を実は準備しておるのだ、こう言われておる。ところがこの下水道に対するところの負担金制度というものは、地方の議会にもかける必要はないのだ、住民にも話をする必要はなくて、大臣の名によってできるのでしょう。大臣都市計画審議会の意見を聞く、あるいは市町村長の意見を聞く。これは大臣としては法的に保障されている一つの道であるけれども住民なり地方自治体に対しては一つもないでしょう。都市計画税なり固定資産税というものは、国の基準があったにいたしましても、条例としてこれは決定されるし、これに対しまして住民なり議会というものが参加することができる。それで時間もありませんので一間一答でやっていては時間がかかりますけれども大臣これに対してはもう一つ検討してもらいたいと思うのです。これは都市局長の名前で出されていますね。これは四十年十月二十五日建設都発第百六十号と自治省の財政局長の自治財第九十六号ですか、前後して出ておりますが、これはどういう意味なんですか。負担金制度というものが、三十五年に都市センター及び全国市長会が共同で行なった研究報告では、三分の一の受益者負担金は適当である、このように述べられておる。これは一体政府の機関でも建設省の付属機関でもなければ諮問機関でもないでしょう。そういう制度がとられているから適当だと報告されたからこの制度を採用して省令による――条例じゃないですよ、省令による負担金制度を大臣の権限のもとに住民からとりなさい。もしこれをとらなかった場合におきましては、起債なり補助においては差別待遇をしますぞ、一体こういう乱暴な通達があるのですか。この点はどう考えられますか。
  129. 竹内藤男

    竹内(藤)政府委員 この通達では別添といたしまして、公営企業の改善に関する答申というのが出ております。これは政府の機関からの答申でございます。これにも受益者負担金の負担の権衡をはかるということから受益者負担金をとるという通達が出ておりますので、都市センターの結論とあわせてこれに引用してあるわけでございまして、できる限り受益者負担金を五分の一以上三分の一以下でとるようにしてくれという通達でございます。なお国費の補助及び起債の許可について優先的に考慮するといいますのは、すでに負担区をきめましてそこで事業が行なわれるわけでございますので、そういうところにはやはり資金の手当てを優先的にしなければいかぬだろうという趣旨で書いたわけでございます。
  130. 西村英一

    西村国務大臣 いま佐野さんのお尋ね、いろいろな点がございましたが、さいぜんも申しましたように、都市計画法の改正をわれわれとしてはいま考えておるところでございます。したがいまして、そうなりますれば前の機関委任事務、事業というようなことでなしに、この改正に対しては、やっぱり公共団体仕事である、こういうふうに思いまして、もし受益者負担の措置をやるならばやはり条例にそれをまかせて、とるところの団体はとるように、条例にまかせてやりたい。いずれにいたしましてもこれは都市計画法の改正とともに検討いたしたい、かように考えておる次第でございます。
  131. 佐野憲治

    ○佐野(憲)委員 どうも私、考え方として、こういう住民に対して非常に関係が多い、しかも総意がこれに反映されなければ完全な下水道事業というものができない、これも大臣の権限にしてしまう。それで大臣の命令によって負担金をとる。しかもこれは下水道だけだ。他の場合はそういう受益度という負担の公平から見てもっとどうかと思われるところの問題点がたくさんある。しかも沿革から見ても相当問題点がある。地方公共団体になじめないと思うのですね、理論的にも。なじめないから制度として採用していないのじゃないか。しかるにもかかわらず、いまの通達のように、いや交付金の中にも実はやるのだ、いま都市局長が言われましたけれども、公営企業調査会からの答申の中にもそういう点がうたわれておると言われますけれども、何ら書いてない。都市センターとも何とも、文章の中で、この中で適当とされているともなんとも書いてないですよ。これ別紙がついておるのか知りませんけれども、私の手元のやつは別紙が抜けておるのか知りませんけれども、それは別として、この制度そのものがやはり考えられなくちゃならない点を含んでおるのじゃないか。  それで時間も進んでまいりましたので、使用料の問題、これとも関連してまいりますが、この使用料の沿革をやはりひとつ大臣考えていただきたいと思うのです。大臣も昔お役人をやっておられまして、そのころにはし尿なり清掃というものは市の義務だ、義務の事務だ、だからこれは義務の事務であり行政目的のために強制的にこれをやるのだ、使用の強制を要求したわけですね。だからこの場合におきましては手数料、使用料をとってはならない。こういう行政的な基準というものがずっと一貫しておったと私は思います。またそれが本来のあり方、本来の市町村仕事だ。その市町村の行政目的のために、保健衛生その他の行政目的のために建造物をつくるのだ。その建造物に対して手数料使用料をとるということは、これは理論から考えても問題点を含んでいる。選択の自由がある建造物に対して、自由意思によって使用する、だから使用料をとるのだ、これは使用料手数料に対する根本的な原則だと私は思うのです。ですから当然、大正から昭和にかけての日本の行政というものは、古い型におけるところの行政であったにしろ筋を通しておったと思います。しかしながらこれがやはり問題なのは、昭和五年における汚物掃除法改正ですか、この法律ができてまいりましたのも、市町村のほうからし尿処理に対して財源不足するから手数料をやってもらいたい、こういう形で、し尿取り扱い料としての相当の厳格なワクを与えた上で、財源不足だから、行政目的からの強制なんですから理論上おかしいけれども、町村財政の問題だからひとつここまで踏み切ろうではないか、こういう形が昭和五年にできてまいったのだと思います。それが昭和十四年になり大阪市に対して許可が出てまいった。このことの沿革を見てまいりましても、し尿の手数料をとるならいわゆる終末処理に対しましてもその区域のものに対しまして使用料をとってもいいではないか。第一の前提がくずれましたから、昭和十四年に至って大阪市の猛烈な要求に基づいてこれがとられてまいった。使用料をとるということが許可――当時は市町村制は許可制でありますから、許可制がとられてまいった。こういう沿革を考えてまいりましても、料金原価ですか、いわゆる下水道法に、昭和三十三年に初めて法として使用料をとってもよろしい、適正な原価をこえてはならない。一体適正な原価とは何だ。ここで問題に出てまいりますのは、再び都市センター並びに全国市長会の荻野委員会の答申、いわゆる先ほど局長さんが言われる汚水が七割、雨水が三割だ、維持管理に対しては、共管に対しましてはそれぞれ五〇%ずつだ、これでどうだ。しかし全くこれは詳細に考えてまいりますと、この基準は、実はいろいろなじみがたい問題をたくさん持っておると私は思います。実際どうなんだといわれれば、なかなか答えられない。市町村長が、その意味において、議会でも答弁を一体できるだろうか。局長さんでさえも抽象的なことばで言っておられるのに、市町村長が条例によって使用料をとるんだ、その使用料をとる根拠はこうなんだ、こういうことが一体言えるだろうか。そこで再びお尋ねしておきたいのは、事務的な問題ですが、昭和三十五年度現在における下水道年鑑は、百四十八都市に対しまして六十八が使用料をとっておる。全国の四割だ。これが皆さんの行政指導ですか。強い通達によってどの程度まで四十年度末に変化してまいっておりますか。
  132. 竹内藤男

    竹内(藤)政府委員 四十年度末におきまして使用料を徴収しております都市は百九都市でございます。使用料といたしまして九十八億五千万円でございます。
  133. 佐野憲治

    ○佐野(憲)委員 実はこの場合を見てまいりましても、使用料もとらない、こういう都市があるわけですね。二百七の下水道都市のうち半分程度しか使用料もとらない。それでやっていこうではないか、本来の市の仕事じゃないか、住民福祉につながる根本的な町村の存立要件でもある、こういうことでやっておるし、また現に行なわれておる。そういう都市が多くあるときに、片方皆さんのほうが、使用料をとるのが当然なんだ、しかもこういう基準があるんだと言われるが、その基準は具体的には消化し切れない。なじめない。沿革的においても納得できない。だから、全国の市町村はやっていないのが半分もあるではないか。こういう点に対してどうお考えになりますか。しかも維持管理費とその使用料との割合から考えてまいりましても、皆さんが予想しておられる、皆さんが当然として考えておられるものと、その食い違いに対しましてもひとつ検討してほしいと思います。
  134. 竹内藤男

    竹内(藤)政府委員 四十年度末で公共下水道をやっておりますのは百七十四都市でございます。そのうちの百九都市しかとっておりませんが、これは一つはやはり終末処理場ができてし尿の処理ができるようになりませんと、なかなか住民感情といたしまして使用料に応じがたいという点かございまして、公共下水道を設置しております都市と使用料をとっている都市が食い違っているんだろうと思います。沿革的にはいろいろ問題があると思いますけれども、われわれといたしましては、やはりし尿のほうももちろんとっているということもございますし、下水道の使用料というものはやはりある程度とっていくべきだ、こういう考え方で行政指導をしております。
  135. 佐野憲治

    ○佐野(憲)委員 時間もありませんので……。だから、それらの問題も含んで、本来町村の仕事だ。これに対する町村独自の財源を一体どうするか。この点に対してもっと私は真剣に検討していただきたい。現実的にしかたがないんだからという形でつくり出されるんじゃなくて、そういう点に対しまして交付税の場合におきましても――今度交付税の改正になりましたこともよく了承しております。二百三十六億円ですかになっておりますね。しかしこの中身を見てまいりましても、私は非常に問題があると思いますけれども、これは別の機会に検討さしていただきたいと思いますが、この場合におきましても、大臣、どうですか。建設省の付属機関として道路審議会がある。あるいは河川審議会がある。住宅審議会が諮問機関として持たれておる。ところが、下水道に対するところの確固たる方針なり何なりというものは持っておられるのかどうか。そういう機関が一体建設省の中にあるんですか。その点はどうお考えになりますか。
  136. 西村英一

    西村国務大臣 審議会はいまこのためにはないわけでございます。したがいまして、これが必要ならまた考えてもみたいと思いますけれども、現在のところ、河川とか道路とかいうような、そういう審議会はないわけでございます。
  137. 佐野憲治

    ○佐野(憲)委員 ですから、全国市長会なり都市センターが自分のところの仕事だから自分たちで金を出し合うてやろうじゃないか。東京都は困ったから理念的な根拠がほしい。だからそれを聞いておる。それに、建設省が五カ年計画を立てる素材にしろ何にしろ、それだから実は知恵を借りたと申しましては語弊がありますけれども、それによって説明しておる。これは私は、長期政策における事業量なり目標なりを定めるためにもより根拠が薄いものになるのじゃないか。時間がないので私は最後に質問しようと思いながらできないわけですけれども、一体こういう長期計画を立てるときにおける作成過程において、地方団体とどういう協力関係を持たれておるか、こういう点につきましても、たとえば先般改正がありましたけれども昭和二十六年の公営企業三カ年計画、これを裏づける法律がまず私は最初だったと思います。これには県知事が市町村長と協議をして資料をつくる。その資料を大臣提出する。大臣はそれらに基づいて審議会の諮問を得て決定をする。ところが、そういう制度が昭和三十三年の道路整備五カ年計画になってまいりますと、いわゆる市町村長なり県なり道路管理しておる管理者、それらの者の意見というものが全く法律的な面においては改正されてしまった。制度的に保障されていなくなってしまった。あるいは運輸大臣その他と協議しなくちゃならぬ、こういう制度上のなにがありますけれども、なくなってしまってきておる。しかし道路整備五カ年計画の場合におきましては、特に整備するために三分の二の、たとえば国道にいたしましてもこの区間は四分の三にするという特例、財源措置、ガソリン税など目的税がどうのこうの、これで町村財政に対する影響につきましても、いろいろ問題がありますけれども、問題はたくさん含んでおりますけれども、そういう緊急措置法としての法律要件ができてまいっておる。ところが、昭和三十五年の河川法、いわゆる治水緊急整備法になってまいりますと、関係大臣と協議をしてこれを県知事に通達する。財源的な問題は一切ぬぐい切ってしまった。もっとひどい下水道整備計画、生活環境緊急整備計画、いわゆる下水道の前身、これになってまいりますと、全く木で鼻をくくったように、五カ年計画によって目標事業量を定める。もう県知事や市町村に報告する必要もなければ通知する必要もない。ただきめるんだぞ。これに対する財源その他に対しましては倫理規定として努力しなくちゃならぬ、こういう倫理規定がそこに入ってまいった。一体歴史的に見てまいりまして、国の長期政策というものと地方自治というもの、これは大きな問題を投げかけておるのは事実だと思います。中央集権、公共事業そのものが集権化の傾向があるときに、この集権化をいかにチェックするか、これが一つの大きな地方自治のたてまえから問題がありますけれども、そういう長期政策を進めてくる上に、少なくとも民主主義的な保障なり担保が法律上要件としてなされていたものがだんだん削り取られてきた。全く下水道整備五カ年計画をやるんだぞ、それは企画庁とか厚生大臣と協議してつくるんだ。一体自分たちの大切な町村の存立要件ともなるべき下水道というものは、将来の都市づくりはどうやっていくんだ、それに対して意見を聞く必要もない。自分の付属の機関、都市計画審議会にこれを聞けばいいんだ、あとは聞く必要はないんだ。しかもその決定がありましても、財源的にどうするのだ、これらに対する国の責任なりあるいはそれに対する国の助言なりいろいろな問題、市の財源を一体どう充実するか、それらに対する保障はどうするか、これらに対することが法律的に全く抹殺されてきている。こういう乱暴な形で地方自治というものは一体どうなってしまうのだろうか。民主政治の基盤である地方自治、しかも地方自治のたてまえから、公共事業における集権性というものからある程度までは保障しなくちゃならない。そういう形でいかなくちゃならないのに、これはあまりにも乱暴じゃないか。この道路整備五カ年計画の際にも触れさせていただきたいと思いますけれども、私は少し乱暴過ぎる立法のやり方じゃないかと思う。  一時までだそうで時間的にも制約されましたので、そうした問題につきましてもっともっと大臣と腰を落ちつけてお互いに検討していきたいと思いますが、一応終わります。
  138. 西村英一

    西村国務大臣 何もないのに今度建設省だけがこういうものをつくったというお話でございますが、それはそうじゃない。やはり積み上げまして、各市町村計画をいろいろ聞きまして積み上げてつくったものでございます。したがいまして、この五カ年計画はやはり国全体として目標を定めたもので、十分各市町村と連絡をとったのでございます。いま審議会云々というお話がありましたが、実は反対に審議会をあまりつくってはいかないという議論もあるのでございます。したがいまして、その辺は私は必要ならつくってもいいということをさいぜん言いましたが、やはり今後検討いたしていきますが、いずれにいたしましても、われわれが市町村実態を無視してただ本省でちゃんちゃんと書いてできたのだということは私はどうかと思います。しかしまた御意見のあるところはわれわれも十分考慮して、要は下水道を各市町村長と協力して進めたいということに尽きるのでありますから、どうぞさように御了承を賜わりたいと思います。
  139. 佐野憲治

    ○佐野(憲)委員 一言だけ。あなたにさっきから言っておるのは、慣例的にそういう内申だとかいろいろなことをやっておることはやっておるでしょう。それは上が下に対する関係であって、法のたてまえとして、立法論として協力関係の保障があるかどうか。そういう保障がだんだん消えてしまっておることを私は指摘をいたしておるわけです。住宅の場合にいたしましてもあるいは道路の場合は道路審議会、これは建設省の付属機関でしょう。付属機関として地方財政にどういう影響を及ぼすかは大きな問題です。これは第二種財政交付金二十五億円をめぐりまして大きな問題を提起されておるでしょう。こういう問題に対して国としてあるいは地方財政全体を中心としてどうあるべきか。だからこそ四分の三とかいうものが整備五カ年計画の中に目的税としてガソリン税の問題も出てくるでしょう。それらのことと一体下水道と比較して制度的に立法論を――その点を私は指摘しておるので、それは国と市長村長との間に内申なりいろいろな形でとられておることは十分に了承しております。
  140. 森下國雄

    森下委員長 これにて両案に対する質疑を終了するに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  141. 森下國雄

    森下委員長 御異議なしと認めます。よって、両案に対する質疑は終了いたしました。     ―――――――――――――
  142. 森下國雄

    森下委員長 これより両案をそれぞれ討論に付するのでありますが、討論の申し出がありませんので、両案を一括して直ちに採決いたします。  下水道法の一部を改正する法律案及び下水道整備緊急措置法案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  143. 森下國雄

    森下委員長 起立総員。よって、両案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     ―――――――――――――
  144. 森下國雄

    森下委員長 ただいま議決いたしました下水道法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党、民主社会党及び公明党の共同提案にかかる附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  まず提案者から趣旨の説明を求めます。岡本隆一君。
  145. 岡本隆一

    ○岡本(隆)委員 私は、自民、社会、民主、公明の四党を代表いたしまして、ただいま可決されました下水道法の一部を改正する法律案に対し附帯決議を付すべしとの動議を提出いたします。  まず案文を朗読いたします。     下水道法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、下流に大都市を有する河川の水質保全を図るため、特に緊急に整備することを要する公共下水道に対する国庫補助については、特段の措置を講ずべきである。   右決議する。  次にその理由でありますが、わが国の公共投資の著しくおくれていることは周知の事実であり、中でも公共下水道のおくれはその最たるものであります。都市におけるし尿処理の姿はまさに後進国そのものの姿であります。そのおくれた下水道整備を促進するために、このたび下水道関係法案が提案され、ただいまそれが議決されましたことはまことに御同慶にたえないところであります。  しかしながらこうして整備促進の方針が議決されましても、その実施主体である自治体の財政がこれにたえなければ、それは単に絵にかいたもちとなるにすぎないのであります。ことに下流に大都市を控え、しかも中流に大きな都市の発展しつつある河川につきましては、人口の増加、産業の発展とともに水質の汚濁はますますはなはだしく、ためにこれらの中流の都市下水道施設整備促進は特に緊急なる課題となっているのであります。ところが下水道整備には、幹線管路は補助対象になっておりますが、末端の管路は対象から除外されていますので、ばく大な投資を必要といたします。したがって、これらの自治体はとうてい財政的にそれにたえることはできないのであります。さればこそ行政管理庁も昨年九月下水道に関する行政監察結果に基づく勧告においてその点を指摘し、水質基準の設定された地域については基準の励行がはかられるように国としては重点的に特に強力な助成措置を講ずべきであることを強調しておるのであります。下流に大都市を控え、その流域の水質保全のための特に早急な下水道整備を要求されて財政的重圧にあえぎつつある都市に対し、国庫補助率とともに補助対象においても特段の措置が講ぜられるべきことは当然のことであります。  これ本案に附帯決議を付せんとする理由であります。各位の御賛同をお願いいたす次第であります。(拍手)
  146. 森下國雄

    森下委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。  本動議について別に発言の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  147. 森下國雄

    森下委員長 起立総員。本動議は可決されました。よって、岡本隆一君外三名提出の動議のとおり附帯決議を付することに決定いたしました。  この際、建設大臣より発言を求められておりますので、これを許します。西村建設大臣
  148. 西村英一

    西村国務大臣 政府といたしましては、ただいまの附帯決議の趣旨を十分尊重いたしまして、善処をいたしたいと思います。     ―――――――――――――
  149. 森下國雄

    森下委員長 おはかりいたします。  ただいま可決されました両案に対する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  150. 森下國雄

    森下委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――   〔報告書は附録に掲載〕      ――――◇―――――
  151. 森下國雄

    森下委員長 去る十九日付託になりました近畿圏保全区域整備に関する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。西村近畿圏整備長官。     ―――――――――――――
  152. 西村英一

    西村国務大臣 ただいま議題になりました近畿圏保全区域整備に関する法律案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。  近畿圏整備法第十四条の規定において、文化財を保存し、緑地を保全し、または観光資源を保全しもしくは開発する必要があると認める区域保全区域として指定し、その整備に関し特別の措置を必要とするときは、別に法律で定めるものとされていることは御承知のとおりであります。  保全区域の現況を見ますと、最近における住宅、産業、観光施設等の開発の進行に伴い、郷土特有の自然美や貴重な文化遺産及び大都市近郊の緑地の荒廃は日とともに激しさを加えております。一方、近畿圏に所在する豊富な観光資源を開発しこれを活用することは、国民の健全な生活の意欲を増進するためにきわめて肝要なことであり、また、大都市生活者をはじめとする近畿圏内の住民の生活水準の向上、交通機関の発達に伴うレクリエーション活動の需要にこたえる必要がありますので、これらの諸点を勘案した広域的かつ総合的な整備計画を樹立することは喫緊の要務であると考えるのであります。  また、大都市近郊に存する緑地は、無秩序な市街地化が活発となり、あるいは交通施設整備と関連して荒廃が著しく、いまやこのまま放置できない現況にあります。  近郊緑地の保全についての現行法の制度といたしましては、都市公園法、自然公園法等がありまして、これらの制度はいずれもそれぞれその目的に沿った効果をあげているところでありますが、大都市近郊の無秩序な市街地化の防止、大都市地域の住民の健全な心身の保持増進等のための近郊緑地の保全をはかろうとする見地からは必ずしも十分とは申し上げられない状況であります。  このような保全区域の実情等にかんがみまして、保全区域全体についての整備計画を樹立するとともに、特に緊急に保護を必要とする近郊緑地の保全のための新たな制度を確立することが必要であります。  これがこの法律案を提案する理由であります。  次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。  まず第一に、近畿圏保全区域計画整備をはかるため関係府県知事がそれぞれの保全区域についての保全区域整備計画を作成し、内閣総理大臣の承認を受けることといたしております。  第二に、既成都市区域の近郊における保全区域内の樹林地について、内閣総理大臣が近郊緑地保全区域を指定し、工作物の新増築等については、府県知事に届け出をしなければならないことといたしております。  また、近郊緑地保全区域内の特に重要な部分につきましては、建設大臣都市計画施設として近郊緑地特別保全地区を指定し、工作物の新増築等については、府県知事の許可を受けなければならないことといたしております。  第三に、府県は、工作物の新増築等についての許可を受けることができないために損失を受けた者に対しまして、通常生ずべき損失を補償するものとするとともに、土地の所有者から許可を受けることができないため利用に著しい支障を来たすので、その土地を買い入れてもらいたい旨の申し出があった場合は、その土地を買い入れるものといたしております。  第四に、国は、府県に対しまして、府県が損失補償及び土地の買い入れを行なうため必要な費用の一部を補助するものといたしております。  第五に、国及び地方公共団体は、保全区域整備計画を達成するために必要な施設整備の促進及び資金あっせんにつとめるものといたしております。  また、国は、府県が近郊緑地特別保全地区内の近郊緑地の保全のために行なう事業に必要な資金については、法令の範囲内において、資金事情及び当該府県の財政状況が許す限り、配慮するものといたしております。  第六に、以上のほか、大都市の特例、罰則その他所要の規定を設けております。  以上がこの法律案の提案の理由及びその内容の要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決くださいますようお願い申し上げます。      ――――◇―――――
  153. 森下國雄

    森下委員長 去る十九日付託になりました中部圏都市整備区域都市開発区域及び保全区域整備等に関する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。西村中部圏開発整備長官。     ――――――――――――― 西村国務大臣 ただいま議題となりました中部圏都市整備区域都市開発区域及び保全区域整備等に関する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。  この法律案は、中部圏開発整備法第十五条及び第十六条第三項の規定に基づくものでありまして、都市整備区域において計画的に基盤整備を行ない、都市開発区域を工業等の産業都市その他都市整備区域以外の地域の発展の中心的な都市として開発整備し、及び保全区域において観光資源を保全し、もしくは開発し、緑地を保全し、または文化財を保存するため、都市整備区域都市開発区域及び保全区域整備及び開発に関し必要な事項を定め、もって東海地方、北陸地方等相互間の産業経済等の関係の緊密化を促進するとともに、首都圏と近畿圏の中間に位する地域としての機能を高めわが国の産業経済等において重要な地位を占めるにふさわしい中部圏建設とその均衡ある発展をはかり、あわせて社会福祉の向上に寄与しようとするものであります。  その内容の第一点は、都市整備区域建設計画都市開発区域建設計画及び保全区域整備計画の樹立に関することであります。すなわち、その作成にあたっては、関係県知事が中部圏開発整備地方協議会の意見を聞き、内閣総理大臣の承認を得て策定することといたしております。  第二点は、都市整備区域建設計画都市開発区域建設計画及び保全西域整備計画を達成するための優遇措置等についてであります。すなわち、国及び地方公共団体は、これらの計画を達成するため必要な施設整備の促進及び資金あっせんにつとめること、都市整備区域建設計画または都市開発区域建設計画に照らして適当であるときは国有財産の売り払い代金等の延納を認めることのほか、都市開発区域への工業の立地を促進するため、地方税の不均一課税に伴う地方財源の補てん措置を講ずることといたしております。  以上がこの法律案の提案理由及び要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。      ――――◇―――――
  154. 森下國雄

    森下委員長 去る十七日付託になりました宅地建物取引業法の一部を改正する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。西村建設大臣。     ―――――――――――――
  155. 西村英一

    西村国務大臣 ただいま議題となりました宅地建物取引業法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。  近年における人口、産業の都市集中に伴い、宅地建物の取引は著しく増加しており、宅地建物取引業の健全な運営を確保し、その資質の向上をはかることは、国民生活上きわめて重要であります。しかるに、宅地建物取引業者の一部には、一般国民の宅地建物及びその取引に関する知識が十分でなく、かつ、その需要が著しく増大していることに乗じて、誇大広告により顧客を不当に誘引し、あるいは契約の締結にあたり重要な事項の説明をしない等好ましくない行為を行なう者も見られ、このため公正な取引が阻害され、紛争を生ずる場合が少なくないのであります。  このような事態にかんがみ、宅地建物取引業者の広告、契約の締結等の業務に関し、不当な行為を禁止し、または新たに所要の義務を課することにより、宅地建物取引の公正の確保をはかることが、宅地建物の需要者の保護のためにも、また健全な宅地建物取引業の育成のためにも、重要であると考え、この法律案提出することといたしたのであります。  以上がこの法律案の提案の理由でありますが、以下この法律案の要旨を御説明申し上げます。  第一に、宅地建物取引業者は、その業務に関し、宅地または建物の所在、規模、形質、利用の制限、環境、交通の利便、対価またはその支払い方法について虚偽または誇大な広告をしてはならないことといたしました。  第二に、宅地建物取引業者は、宅地または建物の売買等に関する注文を受けたときは、その注文をした者に対し、その売買等について、自己がその相手方となるか、代理するか、または媒介するかの別を明らかにしなければならないことといたしました。  第三に、宅地建物取引業者は、宅地または建物の売買等の相手方または依頼者に対し、契約の成立前に、当該宅地または建物に関し、抵当権等登記された権利の内容、都市計画法、建築基準法等に基づく制限、飲用水等の供給施設整備状況、手付、権利金等の額及び性格、違約金に関すること等重要な事項について説明しなければならな小ごとといたしました。  第四に、宅地建物取引業者は、宅地または建物の売買等の契約が成立したときは、当該宅地または建物の表示、代金、借賃等の額及び支払い方法、登記及び引き渡しの時期等を記載した書面をその相手方または依頼者に交付しなければならないことといたしました。  第五に、宅地建物取引業者は、宅地または建物の売買等の相手方または依頼者に対し、手付について貸し付けその他信用の供与をすることにより契約の締結を誘引してはならないことといたしました。  第六に、都道府県知事は、当該都道府県区域内で業務を行なう宅地建物取引業者に対しては、その免許を受けた者でなくても、必要な指導、指示、業務の停止等をすることができることといたしました。  第七に、以上の禁止または義務に関する規定を実効あらしめるため、所要の罰則を設けるとともに、監督規定の整備を行なうことといたしました。  以上がこの法律案の提案の理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
  156. 森下國雄

    森下委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。     ―――――――――――――
  157. 森下國雄

    森下委員長 各案に対する質疑は後日にこれを譲ります。  本日はこの程度にとどめ、次会は来たる二十六日金曜日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、これにて散会いたします。    午後一時二十三分散会