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1967-05-17 第55回国会 衆議院 建設委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十二年五月十七日(水曜日)    午前十時三十六分開議  出席委員    委員長 森下 國雄君    理事 木村 武雄君 理事 正示啓次郎君    理事 丹羽喬四郎君 理事 廣瀬 正雄君    理事 石川 次夫君 理事 岡本 隆一君    理事 稲富 稜人君       伊藤宗一郎君    池田 清志君       大野  明君    吉川 久衛君       田村 良平君    谷垣 專一君       森山 欽司君    渡辺 栄一君       阿部 昭吾君    井上 普方君       加藤 万吉君    勝澤 芳雄君       工藤 良平君    佐野 憲治君       福岡 義登君    渡辺 惣蔵君       小川新一郎君    北側 義一君  出席国務大臣         建 設 大 臣 西村 英一君  出席政府委員         経済企画庁水資         源局長     松本  茂君         通商産業省化学         工業局長    吉光  久君         建設政務次官  澁谷 直藏君         建設省都市局長 竹内 藤男君         建設省河川局長 古賀雷四郎君  委員外出席者         農林省農地局管         理部農地課長  小山 義夫君         通商産業省化学         工業局窯業建材         課長      吉川 佐吉君         建設省都市局下         水道課長    久保  赳君         自治省財政局交         付税課長    横手  正君         自治省財政局公         営企業第二課長 亀谷 礼次君         専  門  員 熊本 政晴君     ————————————— 五月十六日  委員勝澤芳雄辞任につき、その補欠として江  田三郎君が議長指名委員に選任された。 同日  委員江田三郎辞任につき、その補欠として勝  澤芳雄君が議長指名委員に選任された。 同月十七日  委員渡辺惣蔵辞任につき、その補欠として加  藤万吉君が議長指名委員に選任された。 同日  委員加藤万吉辞任につき、その補欠として渡  辺惣蔵君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  下水道法の一部を改正する法律案内閣提出第  一〇六号)  下水道整備緊急措置法案内閣提出第一〇七  号)  河川に関する件      ————◇—————
  2. 森下國雄

    森下委員長 これより会議を開きます。  下水道法の一部を改正する法律案下水道整備緊急措置法案、右両案を一括議題とし、審査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。岡本隆一君。
  3. 岡本隆一

    岡本(隆)委員 日本下水道事業が非常におくれておりますので、いろいろな水質問題についての大きな公害が出てまいっております。したがって、これを緊急に整備したいというので、今回の法律改正となり、同時にまた一面緊急措置法が提案されてまいったということでございますので、その趣旨は非常にけっこうだと思うのでございますが、しかしながらこの緊急措置法につきましては、やはり何と言ってもそれに伴うところの五カ年計画内容が一番大切であると思うのです。したがいまして、この法案提出一緒に、五カ年計画というものをわれわれのほうへ示していただかなければならぬと思うのでございますが、まだお示しいただいておりません。少なくとも建設省としてはすでにその案をお持ちであろうと思いますので、五カ年計画というものがどういうような形で進められるのか、それをお示し願いたいと思います。
  4. 西村英一

    西村国務大臣 先般下水道緊急措置の五カ年計画の大ワクをきめまして、しこうしてその内訳の大体なこと、たとえば管渠幾ら使う、終末処理幾ら使うというような大ワクをきめまして閣議の了承を得たわけであります。しこうして本法律案が通過いたしますれば、さらに詳細なことを閣議の決定を求めなければならぬと思っております。管渠幾ら終末処理幾ら予備費幾らという数字事務当局から発表させてもよろしいかと思います。
  5. 竹内藤男

    竹内(藤)政府委員 ただいま大臣から言われました閣議了解によります五カ年計画投資規模は、管路等、これは従来建設省で所管しておりました管路等が六千八百億円、それから終末処理場が二千二百億円、予備費三百億円、計九千三百億円でございまして、現行五カ年計画では管路等が三千三百億、終末処理場が千百億、計四千四百億に対しまして二・一二倍の規模になっております。
  6. 岡本隆一

    岡本(隆)委員 そういたしますと、その九千三百億の投資によりましてどの程度下水道施設目標が達せられるのか、それを御説明願いたいと思います。
  7. 西村英一

    西村国務大臣 九千三百億の投資によってどの程度下水道普及するかということでございますが、おおむね市街地面積とそれから今後下水道でもって処理する面積との対比におきまして、三三%くらい。しかし、その市街地面積というのは最終年度であります昭和四十六年ころの市街地面積で、現在よりも少し面積がふえるわけであります、その想定において三三%と申すのでありまして、現在の市街地面積から申しますと、これは四〇%になるんじゃないか。しかし、そのときには市街地面積がふえますからそういう対比で、そのくらいは下水道でやれる、こういうことでございます。
  8. 岡本隆一

    岡本(隆)委員 この五カ年計画に引き続いてさらに五カ年計画をやっていかれる、こういうふうな御用意があるのかないのか。たとえていえば、日本が現在大体一八%くらいであるというふうに聞いておりますが、しかしイギリスでは九八%、アメリカやオランダあるいはスウェーデン、ノルウェーといった国でもいずれも七、八〇%というふうなところまで普及しておる。したがって、そういうふうな普及状況にあるとき、日本が大体三三%になってそれで終われりというふうなことでは断じてないと思うのです。したがって、さらに五カ年計画を引き続いておやりになることによって、一体十カ年先にはどこまで持っていこうかというふうな大まかな構想というふうなものを現在建設省は持っておられますか、持っておられないのでしょうか。
  9. 西村英一

    西村国務大臣 この計画をつくります場合も一応の将来の見通しを立てておるわけでございます。それには、・今後二十年と申しますと昭和四十一年からでございますが、昭和六十年ころにはやはり市街地の一〇〇%くらいはやりたい。したがいまして、この計画によって三三%くらいになれば、さらに次の五カ年計画を立てて普及をしてまいりたい、こういうように考えておるその第一段階でございます。
  10. 岡本隆一

    岡本(隆)委員 そこで、もう一つお尋ねしておきたいのでございますが、この九千三百億という事業費ワクの中には、五カ年先の市街地膨張分はもう考えておる、こういうことでございますが、建設費値上がりというものをこの中に織り込んでおられるかどうか。従来治水五カ年計画にいたしましても、五カ年やる間にはもう事業費はみな食ってしまう、建設費が、どんどん物価が上がってきますから。この前の治水五カ年計画でもそうですね。四カ年たちますと事業費が何ぼも残っておらない。ほとんど消化してしまう。しかし事業量はどっさり残っておる。当初の五カ年計画に比べたらその七〇%くらいよりできておらない。だから事業費事業量というものとは、これはこのごろのように物価が上がるときには別建て考えていかなければならぬと思います。したがって、今度のこの下水道の新五カ年計画には、事業量という面では一応そのときにあるところの市街地の三三%までは必ずやるんだということでございますが、そうすると、今度は物価が非常に上がりました場合に、この九千三百億ではおそらくまかないきれない、そういうときは補正追加の計上をぜひやらなければならぬ。いや、もう九千三百億消化したらそれで五カ年計画は達成したんだ、こういう意味ではない、こういうふうに理解していいんですか。それとも九千三百億の事業費を消化することがこの五カ年計画設定目標であるのか、それを承りたい。
  11. 西村英一

    西村国務大臣 事業費でなしにやはり事業量でございます。事業量をやりたい。したがって金のほうの面は通常値上がりの変化はこれでカバーできる。ただし社会情勢が非常に大きく変化すれば、いま御指摘のように事業量はこなせないかもしれませんが、通常値上がりについてはこの費用でこなせるという想定をいたしておるのでございます。
  12. 岡本隆一

    岡本(隆)委員 それでは、政務次官がおられますから政務次官並びに都市局長お答えを願ったらいいかと思いますが、今度の九千三百億の五カ年計画、いろいろ各都市とも下水道整備については都市近代化というふうな意味で要求が出てまいると思うのですが、それをどういうふうな地域から、どういうふうな性格のものから手をつけていかれるか、そういう選択基準と申しますか、そういうふうなものを持っておられますか、持っておられませんか。
  13. 澁谷直藏

    澁谷政府委員 新しい下水道整備計画重点一体どのようなところに置いていくかという御質問だと思いますが、まず第一に、水質汚濁防止対策一つ重点を置いてまいりたい。隅田川、淀川等水質が特に悪化しておる河川汚濁を解消するために強力に下水道整備拡大をはかってまいりたい。なお、同一流域内の多数の都市の広域にわたる下水道事業を効果的に遂行するため、いわゆる流域下水道事業を強力に推進してまいりたい。  第二番といたしましては、地盤沈下地帯、これの浸水防除対策重点を置きたい。東京大阪尼崎新潟等地盤沈下地帯及び排水不良地区における浸水を防除するための下水道対策を強化していきたい。  第三番といたしましては、新市街地対策でございます。都市の近郊に開発される新市街地について下水道を先行的に整備してまいりたい。  第四番目といたしましては、し尿処理対策でございます。水洗便所化により都市におけるし尿問題を完全に解決するため下水道整備拡大をはかってまいりたい。  最後に、万博の開催に関連いたしまして下水道整備する必要がありますので、これを一つ重点として考えてまいりたい。  以上でございます。
  14. 岡本隆一

    岡本(隆)委員 ただいま御説明地盤沈下地域重点を置いていくということでございますが、この東京大阪尼崎新潟、それに最近大きな問題になってまいっておるのに川口があると思うのです。利根川の流域があるのですね。そういうふうなところの地盤沈下状況、もうすでに地盤沈下が停止しておるのか、あるいはいまでも進行しつつあるのか、その辺について御説明願いたい。
  15. 久保赳

    久保説明員 地盤沈下状況が停止しているのか、どういう状況であるかということでございますが、ただいま数字的な正確な資料は持ち合わせてはおりませんけれども、たとえば大阪あるいは東京の非常に激しい地盤沈下をしたという地域につきましては、その後の地盤沈下対策事業がかなり進行いたしましたので、沈下のスピードが非常に少なくなってきております。これは新潟の一部についても同様でございます。しかしながら、沈下状況が若干上のほうに進行いたしまして、ただいま岡本先生指摘の埼玉県の川口とかそういう上流側が最近若干沈下程度が著しくなっている、かように了解をいたしております。
  16. 岡本隆一

    岡本(隆)委員 この川口とか、新たに工業都市として発展していく地域が、いまのところ新たに進出してきたところの工場がやはりどんどん地下水をくみ上げ、そのために新たなる地盤沈下地域となってくるわけです。だから、新たに工業発展しますと、どんどん規制地域を早期にきめて、くみ上げを禁止しないとだめなんですね。ところがそういうような措置、つまり地盤沈下未然防止は、現在は起こってから規制地域を指定し、それでもって沈下をとめる。そのときにはすでにもうある程度進んでおる。だから、それの浸水防除対策とか、いろいろなことをやらなければならぬ。工業用地として発展していく、そういうようなところについては、やはり地盤沈下未然防止対策というものを国としては当然立てるべきであると思うのでありますが、企画庁水資源局長、お見えになっていますね。企画庁はそういうことを考えておられませんでしょうか。
  17. 松本茂

    松本政府委員 公共用水道都市用水の確保につきましては、そういった事情も考慮いたしまして、公水所管省であります通産省におきまして、いろいろの計画をお立てになっておるわけでございます。そういった資料を総合的にいろいろ勘案いたしまして、水資源開発に努力いたしておるわけでございます。基本計画の際にはそういった考慮も入れまして、基本計画を策定するようにつとめておるわけでございます。
  18. 岡本隆一

    岡本(隆)委員 沈下してから手を入れるというのでなしに、今後はそういう沈下を起こさないように、当初からひとつ過去の経験にこりてそういう施策を十分充実させてやっていただきたいと思うのであります。  さらに先ほど次官から御説明の新市街地に対して先行投資をやっていきたいということでございますが、それは具体的にはどういうことをさしているのでしょうか。もう少し具体的に御説明願いたいと思います。
  19. 竹内藤男

    竹内(藤)政府委員 住宅公団あるいはその他の相当大規模宅地開発をやります場合に、公共下水道をなるべくつくるように奨励指導いたしておりますが、その場合に公共下水道事業も積極的にやっていく、補助金等もその地域に積極的に配分するようにしていく、そういうことを今度の五カ年計画でこれから大いにやってまいりたい、こういうことでございます。
  20. 岡本隆一

    岡本(隆)委員 いずれ近く都市計画法が提案されてまいるようでありますが、その都市計画法の中では、ある程度まとまったところの宅地開発には、どこまでもそれは許可制度によってやっていく、したがってその場合にはもちろん市街地として十分な道路なんかを整備することを要求されると思うのですね。そうするとそういうところはせっかく道路整備し、舗装もしておいた、しかしあとからまた下水道をつくるために掘り返すということでは二重投資になりますから、勢いそういうところについては、もちろん下水道先行投資というものも一つの条件になってくるであろうと思います。それを内容としなければならぬと思うのでありますが、そういうようなことも、この五カ年計画の中でそういう地域は新しく市街地開発をやる。いまは都市周辺にどんどんきわめて無秩序な市街地開発が行なわれております。あれはぴたりとやめて、そのかわりにきれいな市街地先行投資を伴ってつくっていく。そういう場合の開発内容の中に下水道が含まれておると思うのでありますが、それもこの新五カ年計画対象の中で大体どのくらいそういうことが行なわれるであろう、そうしてそのためにそういうふうな形の先行投資がどのくらいというような見込みは入っておるのですか、入っていないのですか。
  21. 澁谷直藏

    澁谷政府委員 御趣旨といたしましては全くそのとおりでございまして、現在御指摘のように都市計画法律案の作業を急いでおります。法案自体もまだ最終的な結論に達しておりません。したがいまして、都市計画法との関連において具体的に下水道先行投資をどのくらいやるかということまではまだ固まっておらないわけであります。ただ考え方なり御趣旨といたしましては全く同感でございます。
  22. 岡本隆一

    岡本(隆)委員 先ほど大臣お答えになりました、五年先には伸びるであろうと予想される地域を含めての五カ年計画だ。それで三三%ですね。しかし伸びるであろうと予想される地域については、都市計画法が施行されたら一〇〇%当然下水道整備されていく、こういうふうに先行投資をやるということなら考えなければならぬわけでありますが、その伸びるであろうと予想される市街地面積一体どれくらいなのか。そしてそれは計画量の九千三百億の投資額の何割くらいに当たっておるのか。そういうような計算はしておられるのですか。
  23. 竹内藤男

    竹内(藤)政府委員 一応建設省段階でございますが、私どものほうでどのくらい市街地面積がふえるであろうかということを考えておりますが、四十一年度末で市街地面積が約五千平方キロでございます。五カ年計画の終わります四十六年度末になりますと約七千平方キロになるのじゃないか。したがいまして、二千平方キロくらい市街地面積がふえるのではないか。現在下水道管渠を埋めております排水面積が四十一年度末で八百八十六平方キロでございますが、今度の五カ年計画を達成いたしますと、約二千六十平方キロくらい排水面積がふえるのではないか。二・三倍くらいふえるのではないかというふうに考えておりますが、そういたしますと先ほど大臣が言いましたような三三%という数字になるわけであります。
  24. 岡本隆一

    岡本(隆)委員 その次に、先ほど御説明の中の万博対策関連事業としての下水道事業というのは一体どういうものをさすのか。
  25. 竹内藤男

    竹内(藤)政府委員 万博関連事業というのはまだ財政当局とぴたっとセットしておりませんけれども、建設省として考えておりますのは、猪名川の流域下水道、それから安威川の流域下水道、それから大阪北部地帯におきます下水道、こういうものをとりあえず万博なりあるいは空港なりに直接関連する事業として考えております。
  26. 岡本隆一

    岡本(隆)委員 それでは企画庁水資源局にお尋ねいたしたいと思います。淀川水系水質基準でございますが、昭和三十八年ごろに公共用水域水質保全に関する法律の第五条に従って水域指定並びに水質基準が定められた。今度それを一部手直しされるように承っておるのでございますが、その内容もしくは方向はどのようなものでございましょうか。
  27. 松本茂

    松本政府委員 淀川水質基準についてでございますが、淀川下流工業用水に使われておりますが、特に問題なのは大阪市、枚方市、また神戸市等の上水道に使われているという点であります。かなり汚濁程度がはなはだしい状況でございましたので、昭和三十六年に水質調査をいたしまして、昭和三十八年一月に水質基準の告示をいたしました。その当時の調査状況によりますと、柴島の地点におきましてBOD四・九という状況でありました。これは水道の水源にもなっておるわけでございますので、少なくとも三ないし四PPM程度のところには持っていきたいということで水質基準設定したわけでございます。しかしその後連年調査をいたしておりますと、三十八年、三十九年、四十年の状況は、四・七、六・一、四・一、こういう状況でございまして、必ずしも十分な状況には立ち至っておりません。そういう状況でございますので、その後再調査をいたしまして水質規制をさらにもう少し強化していく必要があろう、こういうふうに考えておるわけでございます。特に重要なところは上流の大きな都市でございます。京都市近辺でございまして、これにつきましては、従来規制対象にいたしておりました業種がいろいろございますが、そのほかにも食料品でございますとか、紙・パルプ、ガラス、セメント、染料、そういった業種を新しく規制対象に加えまして、それぞれの水質基準設定いたしますとともに、新設の諸工場につきましてはまた別途の観点から規制を加えていく、こういった方法も講じていきたい、こういうふうに考えまして現在いろいろ検討中でございまして、地元の京都府、京都市等ともいろいろ協議を進めている段階でございます。
  28. 岡本隆一

    岡本(隆)委員 昭和三十六年ころから調査を始められて、その当時の柴島地域BODは三ないし四であったものが最近どんどん高くなってきて六をこえるようになってきた、だからそれをもとに戻したい、したがって上流排水規制をやっていきたい、こういうことでございますけれども、しかしこれは、それから後の非常に大きな経済発展が、大きな原因であると思うのです。その経済発展とともにもちろん工場もふえました。同時にその地域一帯に非常に大きな住宅建設があり、人口の流入がございまして、京都市自体にいたしましても、たとえていえば右京であるとか伏見であるとか、そういうような地域はものすごい人口増です。それからまた、宇治方面なんかも、いま人口が非常に急激に伸びておるということも御承知であると思うのでございます。それらの都市排水が非常に水をよごすようになってまいっておるわけでありますが、したがってこれはもう当然そういう地域の下水の整備ということをやらなければ、工場規制だけで水質をよくすることは、これはなかなか困難だと思います。だから早急に京都市下水道を完成させるということが、この淀川水質保全には何よりも必要であるとぼくは思うのでありますが、企画庁建設省では一体京都市の下水道問題というのをどのようにお考えになっていらっしゃるのか、考え方をひとつ御説明願いたいと思います。
  29. 松本茂

    松本政府委員 この地域におきます水質汚濁を防止してまいりますためには、一方でこのように工場排水につきまして水質基準を設け、その励行をはかっていくということが大切でございますが、同時に、お説のように、下水道整備をはかっていくということが非常に大切なことだと思っております。  そこで、先ほど申しましたことで申し落としましたが、現在考えております今後の水質基準設定のしかたでございますが、これにつきましても、できるだけ下水道整備と歩調を合わしていろいろ事柄を考えていくべきであるという考えで、下水道整備されている地域につきましては、その下水道に極力工場排水を流し込んでいただく。でありますから、排出基準設定のしかたも、下水道のほうで受け入れます限度の程度でよろしい、しかし直接河川に放水される場合は、それはきびしい基準になるわけでございます。また、下水道計画されている区域につきましては、ある程度の期間でございますれば、非常に経費をかけて排水処理施設をつくられるということも、投資としてむだなことになる可能性もございますので、そういった計画区域につきましては、特別の考慮を払う、若干ゆるいことで排出基準設定いたしまして、下水道整備されましたら、その下水道に全部工場排水を流し込んでもらう、こういうふうに持っていきたいと思っております。  また、下水道整備につきましては、かねがねこの水質基準設定と並びまして非常に大切なことだと考えておりまして、昭和四十年十月二十五日には、経済企画庁長官の名前をもちまして、関係の各大臣に対して、水質保全に係る下水道等整備について、ということにつきまして、できるだけ下水道整備をはかっていっていただきたいということを、保全法の規定に基づきまして勧告をいたしたことがございます。
  30. 岡本隆一

    岡本(隆)委員 京都下水道というのは私は特殊な位置にあると思うのです。その下流大阪という大きな人口があり、さらに大きな産業がある。その上流にあるところの大都市でありますから、したがってその水質の問題を非常にきびしく保全することを要求されるわけですね。大阪でありますと、たとえばし尿処理なんかでも完全処理しなくても、まあ沈でん槽だけで沈でんさしてもう海へ流す、あるいはうんと川下に流す、河口のほうへ流すというふうなことで済むわけでございますけれども、京都下水道になりますと、やっぱりきちんと二十PPM以下にして出せ、こういうことを要求されるわけですね。だから下水道施設も、非常に海に面しておるあるいは海に近いところに比べたら、やはり上流であるということのゆえをもって非常に膨大な設備が要求されるということが一つ。その次には、いま御説明があったように経済発展一緒にどんどん川がよごれていく、だから早急にやれ、非常に急速な事業の達成をいま要求されておる。したがって短期間に膨大な投資をやらなければならぬ、こういうことになってくるわけでありまして、こういう都市はまあほかにも、たとえて言えば、私も頭で考えてみたのですが、岐阜がそうだと思うのですね、名古屋が下にございますから。それから奈良が小さいながらやっぱり下に、おそらくあれは大和川に流れていくのじゃないかと思いますが、奈良がそういう地域である。しかしいずれも京都のように大きくありません。それから資料を調べておりますと、岐阜は非常に普及しております。五〇%まで普及しておるというふうにいわれております。奈良県はまあ京都よりは下のようでございますが、いずれにいたしましても、こういうような岐阜であるとか奈良であるとか、ことに京都というような大都市の置かれている地域というものは、実に財政上つらいところがあるわけですね。だからそういう都市については特別の処遇がなければならぬ、私はこう思うのです。そしてまた従来京都市から要望いたしまして補助率が他の都市よりも少し高かったと思うのです。ところが今度は全部一律に補助を十分の四にして、その特殊性というものが今度は消えてなくなっているのですね。だからその特殊性が消えてなくなったのは、京都はそういうところでなくなったのか、もうそういうのは急いでやらなくてもいいのか、あるいは二十PPMまでにきれいにしなくてもいいのか、京都下水道の進捗率はほかの都市と同じでもかまわない、さらにまた処理状況もほかの都市並みに落としてもかまわぬ、こういうことで補助率を一律にされたのか、あるいは何かほかに理由があるのか、ひとつ、今度補助率を一律にされたという点については、京都から出ている私としては非常に不満なのですが、それについての御説明を願いたいと思います。
  31. 澁谷直藏

    澁谷政府委員 今回補助率を従来の三分の一あるいは四分の一を一律に十分の四に引き上げることにいたしておるわけでございますが、これは岡本先生がただいま言われたように、特殊な事情の地域の京都市のような下水道を従来のように特段の考慮を払わない方針なのかという御質問でございますが、そのようには考えておらないのでございます。何と言いましても、先ほど来からの御質問にもいわれておりますように、下水道整備が非常におくれておる。これを何とかして早急に整備しなくちゃならぬということはもう言うまでもございません。それにつきまして、従来補助率が非常に低かった。それでこれを実施する地方の自治団体から、何とかしてこの補助率を引き上げてもらいたいという非常に熱心な要請があったわけでございます。そこで、これらの要請を背景にいたしまして大蔵当局と折衝いたしました結果、とにかく一律に十分の四ということに引き上げを見ることになったわけでございます。補助率についてはそうでございまして、ただこれを実施する段階におきまして、ただいまお話しのような、京都のような非常に特殊な事情をかかえておる地域につきましては、建設省といたしましても、一般の地域と異なった特段の重点を置いて対処しなければならないのは当然でございまして、そういう事業の実施の段階におきまして、補助率とはまた別個に優先的に処理をしてまいりたい、特段の考慮を払ってこれを早急に整備するようにやってまいりたい、かように考えておるわけであります。
  32. 岡本隆一

    岡本(隆)委員 これは特に建設大臣にもしかとお答え願わぬと困ると思うのですが、京都のそういう施設というものを特に配慮をしていただかないと、淀川水質は何ぼたってもよくなりません。京都の財政能力というものをやはり考えていただかなければならぬと思うのです。  そこで自治省にお尋ねをいたしますが、いま、下水道事業というものは水道事業一緒に独立採算制で行なわれておる模様でございます。しかし私は、下水道というのは公共事業であることはもちろんでございますが、これを公営企業として行なうことはどうかと思うのでございます。現在は公営企業としてやれ、こういうことのように私は理解しておるのでございますが、自治省はどういう指導をしておられるのですか。
  33. 横手正

    ○横手説明員 お答えいたします。  自治省の考え方を申し上げますと、実は下水道関係の問題につきましては、専門家からなります下水道研究委員会というものがございまして、そこでこの下水道のあり方についていろいろ検討されております。それの意見の中に、いま先生のお話の関係のことも出ておるわけでございますが、それによりますと、公共下水道事業は元来独立採算の成立する事業とは認めにくい面もある、しかも公共下水道を取り巻く客観情勢はますます公共下水道を非収益的な方向に向かわしておる。したがって、今後の公共下水道の運営につきましては、特別会計を設ける必要はあるが、かつ、できるだけこの会計については企業会計方式の経理によってその内容をはっきりさせる必要がある、そういう意見が出ておりまして、こうした意見を参考にさしていただきまして指導を進めるといった考え方でおるわけでございます。
  34. 岡本隆一

    岡本(隆)委員 私にはおっしゃったことがもう一つぴんと頭に入りにくかったのですが、具体的に申しまして、京都の例で申しますと、これは淀川水質基準保全するためには、使った水はきれいにして返さなければならぬ、これはやはり、単に下水処理をする、し尿処理をするというだけの自分の都市の汚水の処理という範囲を越えて、下流に対する公共的な責任を果たすという部面が相当あるわけであります。したがって、たとえていえば、そろばんがもつように長いことかかってそこそこの程度にということでやっていけば、事業量事業費も少なくて済むと思うのです。それを早急に早くやれ、そしてきれいにせい、うんときれいにせい、そして下流に魚が住むようにちゃんとせい、こういうふうに言われますと、これは短期間に圧縮して事業をやらなければならぬ。そうすると、うんと金がかかる。そうすると、利子だけでもよたよたしてしまう、こういうことになってくるわけであります。したがって、いまおっしゃる企業性と公共性とが混在しておるというところにもちろん国の補助というものも出てきているのであろうと思うのであります。しかしながら国の補助がそういうような形で公共性の高い公共性があるから出すのだ、こういうことでございますなら、公共性が特に高いところは特に手厚い手当てをしなければならぬという理屈が私は出てくると思うのです。そんならもう十分の四で全国一律や、こういうことなら私はどうしても納得できぬのです。これはやはりそういうふうな責任を負わされ、そういうふうな地位に置かれた都市については格段の措置がなければならない、私はこう思うのでございますが、そういうぼくの考え方は間違っていますか。
  35. 横手正

    ○横手説明員 公共下水道の費用負担の関係につきましては、先生詳しく御存じのようでございますが、これは雨水分と汚水分とありますし、それに対しての費用の負担関係、こういったものについていろいろ検討いたしてまいっておるわけであります。いまの先生のお話ですと、地方団体に対する財源措置が十分になされる必要があるのではないか、こういうことのようでございます。実は昨年までは、地方団体の財源措置といたしましては交付税制度によりまして基準財政需要額に幾らか算入いたしますとともに、地方債でかなりのめんどうを見てまいっておったわけでございます。その中で交付税のほうで見ておりましたもの、これはわりあいに薄まきの形で見ておったという欠点がございまして、本年度からはこれをはっきりと下水道費という費目を設けまして、しかも事業の必要度あるいは緊急度、こういったものを考えまして、人口の集中度を基準にとりまして、いわゆる集中地区人口というものを基準にとりまして、できるだけ重点的に配分するという考え方から、基準財政需要額への算入方法の改正を考えております。  なお、これによりましても、現実に事業を実施しておる団体は一時に多額の地方負担がかかるという面もございますので、そうした地方負担額、いわゆる国庫補助に見合います地方負担額を基礎にいたしまして、それによりまして割り増しをいたします事業費補正といったようなものの適用も考えております。こうしたことによりまして、交付税の面におきましても、かなりの財源措置を今年度から講ずる。しかもその対象人口の集中度の強い、いわゆる逆に言えば、反面から申せば、公共下水道事業の必要度あるいは緊急度の高いところ、こういったところへ配るような考え方にいたしております。また一方、地方債の面におきましても、これは従来と同様にかなりの額を用意いたしまして地方団体にできるだけ財源措置の面で支障のないよう配慮いたしておる次第でございます。
  36. 岡本隆一

    岡本(隆)委員 そういうこまかい自治体に対する交付税関係のことになるとちょっとぼくも弱いのですが、要はこういうことなんです。京都の場合、従来一六%自己資金として負担しておった。早急に整備を要求されるのに事業量を大幅に伸ばしますと、大体四十二年から四十八年にかけて七カ年計画を立てているのに、年間十五億くらいの自己負担金が要るというのです。しかしながら、従来のなにでありますと年々二、三億程度下水道に自己負担金を見ておったのが、早急に支出基準が実施され、それに対応するところの下水道事業を達成していくのには、どうしてもそれだけ膨大な事業費を自己負担しなければならぬ。それではとてもほかの事業はやれぬ、お手上げだ、こういうことなんです。そうなってまいりますと、やはり補助率をうんと上げて国で負担してもらうかいあるいは借金せいというのなら地方債でめんどう見てもらってもいいですが、しかし地方債で大きな借金背負わされたら、やはり利息を払わねばならぬでしょう。それから元金も払っていかなければならぬでしょう。それがまたたいへんですね。元金あるいは地方債に対する利息、そういうものが幾ら基準財政需要額の中に入って、京都市のほうはあとは自治省のほうへもたれ込んでいったらそれでいけるのか、あるいはやはり京都市民が汗とあぶらの税金でいまからそれを払っていかなければならぬのか。その辺のところを、ひとつわかりやすく説明してほしい。
  37. 横手正

    ○横手説明員 今年度の公共下水道の地方負担額の総額の面から見ますと、地方負担総額はおおむね交付税と地方債と受益者負担金、これによってまずまかなえる仕組みに、一応総額としては財源措置がなされております。ただ、これが個々の団体の問題になりますと、実は地方債の面は補助事業については三割、単独事業については三分の二、こういう事業費に見合ってつくわけでございますが、交付税のほうはそうした個々の団体の様相をとらえないで、さっき申し上げました集中地区人口といったような基準で配りますので、あるいは事業をやっておる団体にも現在は事業をやっていない団体にも配られるというような形になってまいります。したがって個々の団体になりますと、多少の過不足が出るのはある程度やむを得ない現象になっております。交付税制度というものが、そうした客観的な資料で配分されます以上、やむを得ない形になっております。ただその場合に、今年度もかなり実績を勘案するというような方向での算定方法の改善、合理化、こういうようなことは相変わらず行なってまいっておるわけでございます。  なお、地方負担が非常に大きく急激にふくらむということに関連しましては、実はおそらく公共下水道事業事業のうちの補助事業と単独事業の割合にからむ問題もあろうかと思います。そうした面でも、私どものほうはできるだけ補助対象事業の拡大といったようなことは積極的に今後も検討してまいらなければならないのじゃないか。今年度は幸い補助率の差等の問題は前進されたわけでございますが、今後は、最近の生活環境施設整備の重要性という面からしますと、補助対象事業の拡大というような面につきまして私どもも検討してまいる必要があろう、かように考えておるわけでございます。
  38. 岡本隆一

    岡本(隆)委員 一般論として言われるとぼくらよくのみ込めぬですが、そこで、いまの京都というところは全国で一つと言ってもいいのですね。二、三百万という人口を持つところの大阪の上に、しかも淀川の水は大阪だけではない。神戸まで使っておるのです。そのような広い阪神地区一帯が上水道に使っておる。こういうふうな地域の広大な人口と産業の上に、上流に百万をこえるところの百二十万の人口がある。そういうふうなところの水質保全を要求されておる京都市、したがって下水道事業を早急に達成しなければならぬ。それには、いままで日本は、まあいままで京都でもそうなんですね。戦前か戦後十年ぐらいの間はし尿の農村還元が相当あったのです。だからいまほどし尿の処理というものが水質に影響するということはなかった。ところが現在ではもう農村還元ということはゼロにひとしい。それで全部処理場に投入していくわけですね。だから未処理のままで、極端に言えば鳥羽の処理場には能力の限界がある。能力の限界を越えたところのし尿をぼんぼん全部ほうり込んでおる。だから未処理のし尿がどんどん下流に流れていくというような現状ですよ。もちろんそれは処理場を通っているかもしれません。通っているかもしれないが、それは未処理のままで出ているんです。だからそういうふうなことのためにBODが高くなる。それだけでなしに、大腸菌が非常に淀川ではふえてきているということもすでに指摘されているわけです。そういうふうな状況になっておるから早くしろ、早くしなければならぬ、こういうことになってき、水資源局でも企画庁でもその水質基準を高くするからおまえのところ早くやれ、こういうことでしょう。企画庁のほうで水質基準を高めてこれだけしろという強い規制が出ている。片っ方ではそういう事情でもうやむを得ぬから、し尿処理はどんどんそういうふうな面で、現在汚染しておる。だから今度は工場もぎちっと規制するのだ、こう規制ばかりきつう言われてもできぬことはできぬです。だからそれにはやはり、先ほど水資源局長も言われましたが、下水道を大いに早く促進して、そこへ工場排水を流させるようにする、こういうことでございますが、それにはどれだけの経済的な財政的な裏づけがあるのかということなんですね。だからその財政的な裏づけと事業の進行、それにマッチしたところの規制というものとがマッチしないと規制ばかり先ばしりされたのでは京都の産業は伸びませんよ。また京都の産業というのは染色業が非常に多い。これもよごします。あと染めたのりをうんと流しますから非常に水質をきたなくします。そういうのはみんな中小企業、零細企業です。だからきれいにせよと言ったってなかなかそうはいかないのです。だからそういう点を含んだ指導をやってもらわなければならぬと思うのであります。  ちょうど大臣お帰りになりましたから、いまちょっと議論を聞いていただいたと思うのでありますが、先ほどから京都の置かれておる特殊性、そしてそれに基づいて要求されておる水質保全に対する責任、それを果たすためには早急に下水道事業というものを完成しなければならないが、しかしながら京都の財政力ではなかなかそれは困難である。ところが従来、困難だろうからよその都市よりもちょっとよけいめんどうを見てやろうというふうな補助率が少し高かったのですが、今度は一律になったのですね。下水道事業というものを早急にやるためには、一律にやって、そして緊急措置として一斉にその下水道事業を進めなければいかぬ、こういうことになっておりますが、その中でも特に早くやらなければならぬという地位に置かれる京都市についてはこれは特別措置が当然あるべきである、こういうように思うのでございますが、今度はそれが消えてなくなったということはけしからぬといま言っているわけなんですがね。これはそういう点、私はこの委員会の終わりに、できれば修正してもらいたいと思うのですがね。それが困難なら附帯決議でもつけて、京都市に対する特別の配慮をしていただきたいと実は思っておるのでありますが、この下水道法には費用の負担についてきちんと書いてない。第三十四条で、国は、公共下水道または都市下水路の設置もしくは改築に伴う費用については予算の範囲内で政令で定めるところで費用の一部を補助することができる、こう書いてあるので、明示してないですよ。どれだけ国が下水道について金を負担するかということは、下水道法には明示してないのですね。緊急措置法ができて下水道事業をどんどんやろうという限りにおいては、国はこれだけの責任を持ちますから、だからしっかりみなやってくれ、補助率もアップしてこれだけの責任を持つのだからということを法律できちんと、緊急措置法の中よりも下水道法の改正が出ているのですから、やっぱり費用の負担もはっきり、道路なんかきれいに書いているのですから、道路は書いてあるが下水道は書いてない、道路のほうが大事で下水道はどうでもいいというのがいままでの考え方だったかもしれません。しかしながら今度はそうでありませんよ。下水道もたいへんなことになってまいりました。こういうことであるなら道路と同じように下水道の費用の負担を明示しなければならぬ、また特殊なところにはそれだけの責任を負います、こういうことでなくてはならぬと思うのでありますが、これはあえてこういうことになっておる。都市計画道路については費用はこういうふうに半分負担しますと法律に明示されているのに、下水道だけ明示されてないのはどういうわけか、今度あえてそれを怠っておられるのはどういうわけか、ひとつそういうこともあわせてお答えを願いたいと思います。
  39. 西村英一

    西村国務大臣 御質問の大体の考え方は賛成です。しかし御承知のように四十二年の予算におきましても補助率は一般的に上げたのです。それでいまおっしゃいますことは、一般的に上げたので京都につきましても上がってはおるけれども、しかしやはり特別な地域があるのじゃないか。特別の地域というのは京都ばかりではないと私は思いまして、ことに、まあ御質問にもありませんでしたが、流域下水道といって都市がずっと並んでおる場合に、ほんとうにコモンになる下水道、各都市が川に流し込まぬで、コモンの下水道をつくって、そうして一カ所にいい終末処理を置いてやれば、各都市が非常にきれいになるのです。そういうような流域下水道というようなものを、あるいは都市の特定なもの——特定なものがあるからこそ経済企画庁で所管しておる水質基準も特定な河川を指定してあるのです。したがいまして、そういう点につきましては今後せっかく研究させていただきたいと思います。  政令で定めていなかったのも、なかなか補助率の問題で、実は正直なことは大蔵省となかなか折衝がつかなかったのであります。いままでの補助率ではとてもやれぬ、それを政令できめてしまうともうきまったようなことになりますから、何とか上げたいというようなことであったわけでありまして、今度はまあ一応上がりましたけれども、いま御指摘の特定なところは特別に考える必要があるのじゃないかということにつきましては、十分私どもも今後大蔵省との折衝におきまして考えたいと思いますが、それじゃことし四十二年度どうなるかといえば、それはそう簡単にはいきませんけれども、せっかく努力をしたい、こう思っておる次第であります。
  40. 岡本隆一

    岡本(隆)委員 水資源局長にお尋ねしますが、先ほど私申し上げましたように、これは規制ばっかり先ばしってもらっても京都市は困る、だから京都市下水道の進捗状況とにらみ合わせて、水質基準というものの規制考えていただきたいということを申し上げておりましたが、それはどうですか。そういうふうにやっていただけますか。
  41. 松本茂

    松本政府委員 先ほどお答えいたしましたように、現在具体的にどういう基準でやっていくかという点につきましては、府、市の方々といろいろ協議いたしておる段階でございます。私どもといたしましては、国も府も市もそれぞれ大いに協力していただいて、下水道整備等を大いにやっていただきたい。同時に、工場と申しますか企業のほうもできる限りひとつ御努力いただいて、排水処理の改善について努力していただきたい、こういうふうに思っているわけでございます。具体的な水質基準の決定につきましては、十分地元の方々との協議の上やっていきたいと思っております。
  42. 岡本隆一

    岡本(隆)委員 くどいようでございますけれども、淀川水質というものは、これは何かの資料で見たのでございますけれども、大体毎秒百八十トン流れておりますと自浄作用がある。柴島の地点で百八十トン流れておると自浄作用がある。しかしながら、それが百八十トンから落ちると、加速度的に自浄作用が落ちていって、どんどんよごれてくる。だから、どうしても百八十トンは流しておかないと、淀川水質保全されない。必要水量は百四十トンである。しかし自浄作用を保たすためには百八十トンの水量を流さなければならぬ。そのためには非常に水がもったいない。四十トン節約できるものを、よごれ過ぎるから余分に流しているのだ。だから水質保全施設さえ十分になれば、四十トンの水が生まれてくるというふうなことをだれかが書いておるのを見ましたが、そういうことであるとすれば、京都下水道施設を完成するということは、秒四十トンの水資源開発になるのです。だから京都下水道施設というものに秒四十トンの水資源投資をちょうだいしても、それでいい勘定になるわけでしょう。また一面その下流大阪府にしても、柴島ではもうよごれていて、ことに御承知のように鴨川筋の桂川から入っていく水がひどくよごれている。木津川から入っていく水はよごれていない。たとえば枚方大橋を空から見ると、水の色が右と左で違うということが言われております。だから柴島の取水口を反対側に持ってきた。さらにそれを今度はもっと上流に持ってこぬとぐあいが悪くなってきたというふうなことが言われております。そういうふうに取水口を移転したり上へ上げたりというふうなことをやらなければならぬというふうなことになりますと、それも要らぬ費用ですね。だからそういうふうな投資をするくらいなら、淀川の水をきれいにしてしまう。それによって従来の施設でいけるようにということで、京都下水道施設というものは下流都市に対するところの水の確保の大きな対策にもなるわけなんです。だから、京都下水道施設というものは単に京都の市民のためだけでなく、下流住民全体のための下水道施設でありますので、これは当然京都市民の負担において下水道を完全に整備せよといわれることには無理があるわけでありますから、やはり公共的な投資という考え方に立って京都下水道に対する投資をやっていただきたい、こういうふうに思います。これは希望意見として申し上げておくのでございますが、ひとつ十分それを勘案していただきたいと思うのです。  それからもう一つ私は自治省にお尋ねをいたしたいと思うのでございますが、そういうことで下水道に早急な設備投資をやるのに、投資されたところの地方債とか、公営企業金融公庫から借りる金、これの償還期限をもっと延長できぬか。また利率をもっと下げられぬか。そうするとだいぶ楽になるのですね。だからそういうような面で地方団体全体が、こういう下水道というような大きな先行投資に対しては、現在の償還期限や現在の利率ではちょっとつらいから何とかしてくれという運動が出ておりますね。だからそういう点どうなっておりますのか。自治省のほうでそういう努力を現在しておられますか、おられませんか。その辺を承りたいと思います。
  43. 横手正

    ○横手説明員 ただいまのお話でございますが、公共下水道事業のみに限らず、その他の事業の面につきましても、地方債の償還期限、これの問題についてはいろいろ検討を要する問題があろうということで、実は検討も行なっておるようでございます。私、交付税課のほうの者でございまして、地方債課のほうでこれは所管されておりますので、どの程度検討が進んでおるかちょっと詳細なことはわかりかねておるわけでございますが、全般的な考え方として、地方債の償還期限、これについては検討すべきだということで検討がなされておるやに聞いております。
  44. 岡本隆一

    岡本(隆)委員 それからもう一つ下水道料金のことなんです。いま下水道料金は公営企業課のほうで扱っておられるのであろうと思うのでありますが、下水道料金についてどういうふうな指導をしておられるか。私が京都市の例を聞いてみたんですが、とにかく浄化された水も浄化されない水も同じ料金で、つまり水道の使用料で下水道の料金がきまっている。だから浄化槽を持っている者だって浄化槽を持っていない者だって、水道をよけい使ったら下水道料金は高うなる。さらにまた、井戸を持っているところは、その井戸からのくみ上げ量というものをおよそ想定して、それに応じたところの下水道料金を徴収するんだ、こういうことなんです。そういうことになりますと、たとえて言えばこのごろはクーラーが非常に使われておりますね。そうすると、クーラーをどんどん使って水を流せば膨大な下水道料金を払わなければならぬ。ところがそのクーラーの水はどういう役割りを果たしているかというと、水質をきれいにする役割りを果たしておるのです。だから下水道料金というものはいわゆる管渠下水道管の使用料なのかあるいは処理施設の使用料なのか、その両方なのかということになってまいるわけでございますが、この点どういう考え方に立っておるのかということが一つです。  その次に私の考え方を申しますが、いま現実にこうして下水道整備五カ年計画が表面に出てきました。そうすると各都市とも、工場にしても住宅にいたしましても、もうそこへ下水道ができるのだったら、高い金をかけて浄化槽をつくることはない、みな待っています。そうなってくると、自分でつくるところの浄化槽の建設がストップするわけです。しばらくしんぼうしておけということでストップするわけです。そのことはそれだけ大きな処理場をつくらなければならぬということです。しかし民間でつくりたい人はいまからでも浄化槽をどんどんつくってください。そうしたら浄化槽を通って出てくる水はきれいになっておるのだから、だからその分は下水道料金の負担を軽減します、こういうことになれば、いまからでも早くつくりたい人はつくりますよ。工場だって自分のところである程度まできれいにして流すという努力をいまからだって下水道のでき上がるのを待たずにやるでしょう。ところがそんな設備資金を投入しても、そういう設備をつくっても、結局下水道ができたら同じように料金とられるのだったら、そんな四、五年のために、家庭でいえば浄化槽をつくるのに二、三十万かかりますわ。それからまた工場でありますと、もう二、三百万、数百万かかる。そういうような設備をやって、結局そのあと下水道の料金が同じことなら何もならぬですよ。それでは企業としてはつくらぬでたれ流しにしておきますよ。いまだってちょっとでも水質保全するということのためには、いまからだって自力でつくりたい人はつくりなさい、下水道料金も軽減されますよ、こういうことであれば、そのことはちょっとでも現在の水質保全するし、また将来施設の能力を積極的に節約できることになりますね。だからそういう措置はとれぬのかということです。その二点についてひとつお答えを願いたい。
  45. 亀谷礼次

    ○亀谷説明員 公営企業会計との関連で先ほどの問題にも関連した御質問でございますが、御承知のように、先ほど交付税課長から御答弁申し上げましたように、現行の地方公営企業会計の法規では、すべての下水道会計についてこれを強制的に地方公営企業法を適用せしめるという制度にはいたさないことになっております。御承知のように、任意適用で、個々の団体についてその事情に応じて地方公営企業の適用を受ける団体についてはその適用を受けしめるということでありまして、御承知のことと思いますが、現在百七十幾つあります地方公営下水道事業会計の中で、二十五団体が現在法に基づきますところの適用の企業会計をやっております。そういうことで、私のほうでは特に上水道あるいは他の企業会計のようにおしなべてこの法の適用を強制いたしておるわけではございませんので、その点は御了承いただきたいと思うわけでございます。  なお、料金の問題につきましても先ほど来御質問にございましたように、現在建設途中において非常に膨大な経費も伴うし、また公共事業のパートと料金収益でまかなうべきパートの問題についてもいろいろと見方の問題がございますことは御指摘のとおりでございます。そういう点につきましては、御承知かと思いますけれども、現在の公営企業法でも一般会計から当然持つべきものとそれからもっぱら料金でまかなうべきものとの負担の区分についてもこれはいろいろ問題がございまして、他の水道工業水道については当然一般会計に入れるものについても明定をいたしたわけでございますが、下水道につきましては今回の制度の改正等の問題もございまして、一応の方向としてはそういう考え方で現在検討しておりますけれども、まだその点が明確に具体化しておりません。いずれも今回の制度改正の方向等がはっきりいたしました場合に、その問題も含めてわれわれとしてはその問題ははっきりいたしたいと思っております。料金の問題についても各般の御指摘がございましたけれども、要はできる限り建設がスムーズに行なわれ、地元の負担と申しますか、住民の持つべき負担分野も合理的な負担として納得できるような方向が示されているわけでありまして、一般会計の負担等も含めて御指摘のような点について検討いたしておるわけでございますので、御了解を願いたいと思います。
  46. 岡本隆一

    岡本(隆)委員 都市局長、別に何もないですか。
  47. 竹内藤男

    竹内(藤)政府委員 使用料をとる場合に、量によるものと質によるものがあるわけであります。質によるものを使用料の際織り込むべきではないかという御指摘でございますが、一般的には下水の量で使用料をとる。特別に悪い水を流すいわゆる工場排水等の問題については質も加味すべきであるというのがわれわれの考え方の基本でございますから、ただいま御指摘になりましたような浄化槽をつけた家庭とつけない家庭の水を区分するということはなかなか技術的にもむずかしい問題がございますので、そういうものにつきましては質まで区分するということは、現在のところわれわれの基本的な考え方として考えておりません。ただ工場等で特に悪い水を出す場合は質も考えていきたいと思います。
  48. 岡本隆一

    岡本(隆)委員 私の言うのは、そういうことでありますと、浄化槽をやめて下水道へ直結してしまうと思うのです。そうするとせっかくつくられておる浄化施設というものが、現在でも相当あると思うのですが、むだになってしまう。しかしながらそれをそのまま持っておりますと、御承知のように浄化槽は年に二回ほど掃除せんならぬ。そうすると一回掃除すれば、そう大きくなくても四、五千円かかる。だから家庭用の浄化槽をつくろうと思うと、年一万円くらいの費用は見ておかなければならぬ。そういう要らぬ費用を使っておるよりも、直接下水道へ流してしまえということになれば、それだけやっぱり大きな施設が要るわけです。そうして同時にこれからどんどん新市街地がつくられていくときに、新しく住宅を建てるのにずいぶんこのごろでは浄化槽を持った家を建てるのがあります。ところがそんなせっかくつくられた浄化槽が全部あくびしてしまうというようなことでは、建設されたものももったいないし、同時にその分を消化し得るだけの処理施設というものをつくらなければならぬのだから、むしろ各自でやるものは各自でやりなさいということを奨励するという意味で、やっぱり浄化槽のあるものについては、いま局長の言われる質が少しよくなって出てくるのですから、従来の浄化槽を使わせるようなことによって節減できるのじゃないですか。一軒一軒については小さな量かもしれませんが、一万なら一万の浄化槽が眠って、それが全部下水道に直結されてくるということになってきますと、処理施設もそれだけ大きなものをつくらなければならぬし、維持費も高くつくわけです。だからそれがやはり一たんつくったものはずっと引き続いて将来も大いに活用される。活用させるについては、下水道料金は浄化槽があってもなくても水使ったら同じだということでは、これは少し私は矛盾もあればせっかく投資されておるものもむだになると思う。同時にまた、これから五カ年計画でやったところで三三%なんです。だからまたさらに五カ年計画をやって五〇%ですよ。これから十カ年の間に浄化槽をつくることがストップされて、それが全部くみ取りになる。全部ではないかもしれませんが、相当量が浄化槽をつくるのを見合わせてくみ取りにしておいて、下水道ができるのを待っているというようなことよりも、やはり生活環境施設整備緊急措置法に基づいてこの下水道整備が促進されたんでしょう、いまから何年前ですか、二、三年前に。そういうことから考えれば、やはりそういうふうに環境整備を少しでもよくするためには、いまからでも浄化槽は自分で持ちなさい、自分で浄化槽を持った人に対してはある程度下水道料金の軽減をします、こんな措置をとるのはあたりまえじゃないですか。そんなもの、計算がややこしい、計算はどうにでもできますよ、正確な計算はできなくてもおよその計算なら。およその計算なら、とるほうも、また下水道使用料を払うほうも納得のいく程度の計算なら、そういう制度をつくればいまからだってやはり浄化槽をつくっていく人はつくっていくと思うのです。だからそういう点、配慮できないかということを尋ねているわけですが、どうですか。
  49. 竹内藤男

    竹内(藤)政府委員 私どもといたしましては、下水道を完備することによって、個々の家庭が浄化槽などをつくって、あるいはその維持管理をしていくというのに御指摘のように経費がかかるわけでございますので、そういうことがないようにしていきたい。浄化槽じゃなくて、大きな終末処理場をつくって下水道整備していけば、まあ使用料をとることはとりますけれども、個々の家庭が個々に建設しあるいは維持管理していくよりは経費が安く済むわけでございますので、そういうような方法で基本的に進んでいるわけでございます。ただいま御指摘の、それにしても下水道整備がおくれるのだから浄化槽はどんどんつくらしたらいいじゃないか、そのためには、浄化槽をつくっているものについて、あとから下水道整備されればその使用料をまけてやれば浄化槽をつくることを差し控えるということはないのじゃないかというような御指摘だと思います。浄化槽に対します衛生当局等の監督が完全に、十分に行なわれるというようなことがあります点について、個々の家庭が終末処理場ができたからといってその下水道に直結して流すか、あるいはちゃんと検査を受けまして完全に維持管理をやっていくかというようなあたりの認定の問題がなかなか問題もあると思いますので、実際にはなかなかむずかしいのじゃないかというふうに先ほど申し上げたわけでございます。
  50. 岡本隆一

    岡本(隆)委員 ぼくはいまの御答弁、ちょっと不満です。そんなものを認定しようと思ったら調査に行けばすぐできるのですよ、保健所が管理しているのですから。だからできるはずです。これはまたひとつあとで一ぺん局長ともよく話し合ってみて、いい方向を見出したいと思いますが、現在でも十分下水道整備ができない、十年先になるというようなところは、やはりもう十年しんぼうしているのはかなわぬから浄化槽をつくろうということになると思うのです。それが無効投資になるわけですね。十年先には捨ててしまうことになるわけですね。だからそういうことなら見合わせる人も相当出てくる。それでやはり環境整備というものもおくれると思うのです。だからいろいろな点でこまかい、何といいますか方針を立てる、施策を立てることの中からあらゆるものを、努力を集中して日本の環境衛生施設を充実させなければならぬ、環境整備をやらなければならぬ、こういうような段階で、いま言われるようなことでまあ当分下水道は、そのうちに十年たったらできるからみんなそれを待っていなさい、それまでみんなくみ取りでやっていなさい、こういうような政府の指導方針というものには私は反対です。不満です。だから、そういうことならこれは与党の諸君とも相談して、私はあなたのほうへそういうふうなことをやってもらえるような要求を委員会としてしたいと思うのです。  いずれにいたしましても、下水道整備をここまで緊急にどんどん進めていきたいという意欲を政府が持たれるということは非常にけっこうでございますから、私はこの法案が成立するということについてはできるだけ積極的に御協力を申し上げたいと思いますが、しかしながらいま申しましたいろいろの矛盾点あるいはその中で、何と申しますか都市として財政的に困るようなところに対しては十分な措置を講じていただくことを特に要望をいたしておきまして、私の本法案に対する質問を終わりたいと思います。      ————◇—————
  51. 森下國雄

    森下委員長 この際、理事会の協議によりまして、河川に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。加藤万吉君。
  52. 加藤万吉

    加藤(万)委員 佐藤内閣の基本政策の中に人間尊重の政策が非常に重視をされておるわけですが、最近、末端行政の中では、この人間尊重の政策が行政的に生かされてない面がしばしば見受けられるわけです。特に児童の生命尊重あるいは児童の人間尊重といいましょうか、この整備について行政的にもあるいは政策的にもたいへんおくれがあるのではないかというように私は感じます。特に高度成長政策で建設関係あるいは公共施設建設、それに伴う環境整備の政策がおくれているために児童の死亡ないしは災害というものがたくさん起きております。特にこの砂利あるいは砂等をめぐる問題はすでにダンプカーの事件で社会的にも知られているところであります。最近運搬上の事故ではなくして、砂利や砂を採取するその現場における事故がたくさん起きております。この問題は最近NHKやあるいは産経新聞あるいはその他の新聞等でキャンペーンを張っているところでありますが、神奈川県の特に相模川周辺あるいは相模湾の沿岸等においてはこの砂利採取による児童の遭難事故が非常にありますので、この際関係当局にこれらに対する諸政策あるいは末端行政に対する行政指導についてお伺いをいたしたいというふうに思います。  私の手元に相模川ないしは相模湾の周辺における最近の児童の死亡が報告をされております。昭和四十一年の十一月には国有地のいわゆる辻堂団地周辺あるいは昔辻堂演習場といわれた相模湾の沿岸、さらに昭和四十二年の四月三日には茅ケ崎の香川という相模川のこれまた河川敷よりも一キロばかり離れた地点でありますが、ここで森一幸君、野崎裕之君、さらに昭和四十二年の四月六日には同じく茅ケ崎の周辺で櫻井宏君、それぞれが、砂利を採掘した、ないしは建設現場におけるマンホールの穴あと、そこにおいて死亡をいたしたのであります。このような事件が続発をいたしますものですから、地元の関係団体あるいは先ほど申し上げましたNHKその他の関係新聞はたいへんなキャンペーンを実は張っているところであります。  そこで私は建設省にまずお伺いをいたしたいのでありますが、神奈川県下にはいま三十五の業者が入っております。そして採掘現場は百三十九件、その面積は九十二ヘクタールであります。この中で、私の調査によりますと、この児童の生命を守るための本来行政指導としてなさるべき鉄さくないしはさくを設けている現場はほとんど見当たりません。私の調べた限りでは見当たりません。したがってこのような砂利採掘に対して、たとえば河川敷における、あるいは農地転用後における砂利採掘現場等における指導、こういうものは現在の監督行政の指導機関では野方図になっておるのかどうか、なお、その広さやあるいは条件等についても無制限に今日なされておるのかどうか、この辺まずお聞きをしたいと思います。
  53. 西村英一

    西村国務大臣 たくさん事例をあげての御質問でございましたが、砂利採取業あるいは砂利採取業者というものの監督は、砂利採取法によりまして通産大臣の所管になっております。しかし、その砂利業者が河川区域内に来て砂利を取る場合には、どういう業者であろうと、河川法の定むるところによりまして、河川管理者、知事とか建設大臣とかの認可を受けなければ取れないことになっております。しかし、砂利採取業者は、河川敷のみならず農地でもやる場合もありましょうし、いろいろな場合にやるわけでございます。したがいまして、河川敷で砂利が取られる場合におきましては、許認可のことにつきましては建設省の責任でございます。業者の取り締まりその他につきましては、それはどういうふうになっておるか、通産省の方からお聞きになっていただきたい、かように思う次第でございます。
  54. 加藤万吉

    加藤(万)委員 それでは具体的な一つの例をあげてお聞きを申し上げたいと思うのですが、ナンバー四の写真をごらん願いたいと思います。これは日本住宅建設株式会社が実は住宅造成をやっておるところであります。これはマンホールがありまして、鉄さくがありません。この写真はあとでとりましたから鉄さくがありますが、このマンホールの穴が約四メーターであります。建設関係の事業を行なうときに、今日の高層ビルあるいは住宅公団等の建設事業にも、こういういわゆる穴を掘って、そこにマンホールをつくる、いまの浄化槽ではございませんが、そういう場合がしばしばあるわけですね。こういう場合に、これから雨季に入るわけでありますし、ごらんのように夏に入れば子供の遊び場になるわけでございますが、こういうものに対する監督行政はどこになるのでしょうか、これが一つ。  もう一つ、これは農林省の農地課長がおいでになっておると思いますのでお聞きをいたしますが、ナンバー二の写真を提示いたしますが、これは農地転用による砂利採掘でございます。実はこの場合は許可がされておりません。いわゆる無許可、盗掘であります。したがって、こういう場合に、農林省の行政指導として農地委員会に、直ちに中止をするないしは埋め立てるということを強制的に指導できないものか。  いま一つ申し上げたいのは、この写真をあとでごらんいただきたいと思いますが、この採掘現場のすぐそばに学校のビルがあるのであります。小学校があるのであります。その小学校のそばに水深七メーター程度の穴が掘られて、水が満々としておるわけですが、こういう学校の近所、いわゆる小学校児童の通学あるいは遊び場として好適な地域に対する砂利採掘等は農地転用上許されておるものかどうか、この辺をお聞きしたいと思います。
  55. 小山義夫

    ○小山説明員 農地転用の場合に、まず正規の転用の許可を受けさせるわけです。普通のルールですとそういうふうになっております。そのときには、いま転用の許可の権限は知事に委任をしてございますので、県庁の段階で関係部課全部集まっていただきまして、その転用を認めるべきかどうか、あるいは認めるにしてもどういう条件をつけて認めるべきかということで、個別のケースによってかなり違いますので、それぞれの申請の事案に合った処理のしかたをするための協議会のようなものをつくらせております。いまお話のございます神奈川県庁でもそういう組織ができておりまして、やっております。普通つけますのは、おっしゃるような事故を防ぐためには、砂利を掘ったあとすぐにそこを埋めてしまうことが大事なわけでございまして、そのために、あんまり大規模な許可を一度にやりますと、そのまま逃げられてしまってはだめなので、神奈川県庁なんかでやっておりますのは、一ヘクタール以上の規模のものを一どきに認めるということはしない。小規模のものをまず認めて、そして条件どおりにさくをつけるなりあるいは埋め立てるなりということをきちっとやっておるかどうかということを見た上で、これは信用できるということであればその次の許可をまたやっていくというふうな運用を事実上やらせております。しかし、先ほどお話しの学童が落ちて死んだとかいう事案は、私も報告を受けておりますが、あの事案は、許可を受けないで、いわゆる無断転用で掘った穴のようでございます。そのときには、農地法は、転用するについて所有権の移転をしたりあるいは使用収益権の設定をした行為が法律上は無効になる、無断転用の場合にはそれが無効だということと、それから罰則がかかるという二点しかないわけでございます。普通の農地を転用して、たとえば工場を建てるというふうな場合には、会社が農地を買い取ったことが無効になるということが一番のきめ手になりまして、罰則よりも何よりもそれが一番業者にとっては困るわけでございます。普通の農地転用、そういった住宅を建てるとか工場を建てるとかいうことを想定して実は農地法をつくっておりまして、いま問題になっております砂利採取というのはあんまり想定をしてなかったようでございます。ですから、そういう砂利採取のような場合には法律行為が無効になるといっても、別に、極端に言えば痛痒を感じないわけで、あとは罰則しか残らないということになるわけであります。  お尋ねの神奈川の事案につきましては、県の当局で事故が起きる直前に無断転用があることを発見いたしまして、直ちに業者に出頭を命じたのですが、なかなか出てこない。さらにすぐに埋め立てろということを強力に指示をしたのですけれども、そのうちに不幸にしてああいう事故が起きてしまったということのようでございます。その後警察当局とも連絡をいたしまして、罰則関係の取り締まりのほうは手続を進めておるようでございますけれども、ただ罰則をかけるだけでは事は済まないわけでございまして、できるだけ早くあの穴を埋めるということが問題になる。農地転用の制度は、御説明をしておりますように、一度農地を農地以外のものにするという関門をくぐるところはきびしくいろいろやれるわけですが、無断転用でやってしまうとか、あるいはくぐったあとというのは、正直に申し上げてなかなかきめ手が十分でない面があるわけです。特に砂利採取の場合にはそういう点があるわけであります。先ほど建設大臣お答えになりましたように、砂利採取業の監督官庁でございます通産省とも連絡をいたしまして、砂利採取法というのがございますが、農地転用のほうも取り締まるけれども、タイアップして通産省のほうでも、向こうの法律かあるいは一般的な指導監督でもう少し一緒にやっつけられないだろうかということをいま相談しております。幸い通産省のほうでも非常に前向きで、いま相談が進んでおりますので、いましばらくあるいはかかるかと思いますけれども、手抜かりのないように進めていきたいと思っております。
  56. 加藤万吉

    加藤(万)委員 いまの御説明にありましたように、まさに農地法の抜け穴を巧妙に砂利採取業者が利用していると言っていいと私は思うのです。中島産業というのが実は辻堂の事故を起こした会社なんです。これはいま過失致死罪で送検をされようとしているわけです。その中島産業が、次のこの神奈川の事件が起きたすぐ隣で同じようなことをやっているわけです。もちろんさくがないためでしょう。いま神奈川で起きた事件なんか見ますと、この起こした会社は解散してしまったわけです。責任追及をする所在がもうないわけです。第二には警察が云々、こう言われましたけれども、警察は、これは親の保護が悪かったという、あるいは偶然起きた事故であるというような、責任の追及をする所在がないものですから、警察はそう言っているのですね。それからいま農地委員会の話が出ましたけれども、農地委員会は始末書一通ですよ、確かに無許可で穴を掘ってすみませんでした、そして始末書を出していつ幾日に埋めます、それを言っただけでその会社はもう解散ですよ。きょう遺族の方も傍聴に見えておりますけれども、こういう状態になった責任というものは一体だれが負うべきか、もう会社がないのですよ。それからいま言いました行政指導が、私は監督官庁がその許可条件をしっかりと認定しなかったところにこういう事件が起きたと思うのですけれども、一体行政監督官庁にその責任があるのではないかというふうに実は思うのです、その意味では。  そこで、建設大臣が退席されるそうですから大臣に関する後半の部分ですけれども、お聞きだけしておきたいと思うのですが、実は御遺族の方が見えて——私は別に補償の問題を云々ということではないのです。これから雨季になり、神奈川県は先ほど言いましたように百三十九カ所もこういうところがあるわけです。盗掘を合わせるとこの倍近くになるのではないかといわれているわけです。そうしてしかもこれからは夏でしょう。子供は水遊びをするわけですね。幾ら親がめんどうを見ておってもなかなか目が届かない点もありますよ。そこで遺族の人は、できればこういうことが再び起きないような国民運動といいましょうか、そういうことをやりたい、こう言っておられる。そこで私は、交通事故についても、御案内のように政府側から御援助いただいたり御協力いただいて交通安全協会とか、子供を守る交通何とか協会とか、たくさん、国民運動、カンパニア組織というものがあるわけです。そこで私はこれから起きるであろうこういう事故に対して、私の同僚議員に聞きますと、もう全国各地だというのです。河川敷ないしは海岸の沿岸地帯は、全国各地に加藤君そういう状態が起きているのだというのです。したがっていつ子供をなくすかわからないという状態なので、これから特に夏に向かうこの時期に向かって、政府側でそういう国民運動ないしは事故対策の、たとえば通産、農林、建設を含めたこの問題に対する総合的な対策委員会のようなもの、ないしは国民へのアピールといいましょうか、そういうものを行なう意思があるかどうか。この点は大臣にちょっとお聞きをしておきたいと思います。
  57. 西村英一

    西村国務大臣 いまお聞きしまして、私は初めて聞いたわけでございますが、昨年起こった事故ということで、まことにお気の毒な事故でございます。いずれにいたしましても政府の責任でございます。建設省とか農林省とかあるいは通産省とか——政治の責任でございます。したがいましてせっかくの御提案でございますし、また遺族の方々に対して弔意を表しますとともに、政府としては万全の措置をとりたい、かように考えておる次第でございます。  この際、率直にわれわれの政府の欠陥を申し上げますと、実はこの業者を取り締まる砂利採取法の通産省の所管のものは、業者の届け出になっているのです。届け出をすればそれはだれでもやれることなんです。つまり許認可のあれがないのであります。したがいましてきょうやったかと思えばあしたはやらない、つまり非常にあいまいなことなのでございます。それとともに私のほうの建設省のことになりますが、砂利が非常な市場性がありますためにひとつどこでもいって砂利を取ればいいじゃないか、農地であろうと何であろうと掘り返して取ればいいじゃないかという、非常にそういう乱掘が行なわれておるのであります。これはまさに建設省の責任でございます。したがいまして私といたしましては、公共事業がますます今後も続くのであるから、砂利の問題は非常に重要問題であるから、絶対に砂利を正当な方法で正当な価格で提供するようにしなければならぬ、かように考えまして、就任以来砂利問題に一生懸命取り組んでおるのでございます。しかしながら、一般に砂利業者というものは非常に中小業者で、しかも伝統か何か、よく実態もつかめぬ、その中に入るのさえ危険であるというような場合もたくさんあるのでございます。しかし、そういうことは言っておられませんので、私といたしましては、砂利を供給する場合の対策といたしましていろいろな方法を講じたい、かように考えまして、せっかく建設省といたしましては砂利対策について真剣に取り組んでおる次第でございます。したがいまして、それとともに農林、ことに通産省の業者の監督あるいは許認可の問題等、非常に考えなければならぬ問題があろうと思いますので、三省寄って、遺族の方々にも申しわけできるように十分対策を講じたい、かように思う次第でございます。
  58. 加藤万吉

    加藤(万)委員 大臣にたいへん適切なおことばをいただきまして、おそらく御遺族の方もこれからそういうことに力を得てこういう運動なりあるいは再起ができるのだと思うのです。  そこで、いま大臣が言われましたように、これは許認可制度じゃないのですね。押えるところは、一つは業者をどうするかという問題と、いま一つはその採掘を、特に河川敷に対しては建設省が相当制限条項を、特に相模川なんかの場合には加えておりますから、もう河川敷からの採掘はできないのですね。そうすると、勢いまわりのいわゆる農地の転用あるいは相模川沿岸の砂の盗掘、これは完全な盗掘です、こういう状態なんです。そこで私は農林省にお聞きをしたいのですが、今日では、農地転用にものすごくきびしい条件をつけてここでチェックする以外はないと私は思っているのです。河川敷の場合は河川法なり砂利何とか法によっていま相当この制限が加えられますけれども、農地転用についてはまさに農地委員会——そんなことを言ってはおかしいですけれども、地方の農地委員会へ行きますと、その土地を売る地主さんが農地委員になっているのですね。みずからの利害関係で、社会的な関係というものを無視して認めるわけです。そうしてその結果盗掘が見つかると、御承知のようにこんな始末書一通でごまかしているわけです。私は、ここで農林省は、いまの大臣のことばから引用するわけではございませんが、雨季を迎え、夏場を迎えるという時期に、特に下部に対して行政指導の指示を出す必要があるというふうに思いますが、この辺どうでございましょう。
  59. 小山義夫

    ○小山説明員 農地転用の取り締まりをきびしくするという場合に、いまの法律のままで十分かどうかという問題と、運用をきびしくするというのと、両方考えなければいけないわけでございますが、立法の問題につきましては、いま通産省とも担当者段階でいろいろ協議をしております。農地法のほうでやったほうがいいのかあるいは砂利採取法のほうでやったほうがいいのか、これは考え方が両方あるわけでございますが、私のほうは、どちらかといえば、農地法はどうしても農地の範囲だけになって、農地が農地でなくなったあとの追跡というのはなかなかむずかしい点もあるものですから、あまり役所の所管にとらわれないで、むしろほんとうにきびしくできるほうで、砂利採取法のほうがよければこれでやってもらったほうがいいではないかというところまで歩み寄って、いま両省の間で、担当者段階でございますけれども事務的な協議をしております。  それから、いずれにいたしましてもそれが実現するまでの間の運用をきびしくするといういまのお話でございますので、これはさっそく上司とも相談をしなければなりませんけれども、私ども、いま各県の転用の基準が若干まちまちになっておるところもございますので、少なくともその中の一番きびしい線以上に全県をそろえるということが必要でございますし、そのときにどうやってきびしく出した通達なり指示を守らせるかということについては、かなり、私どもだけではなくて、地方農政局という農林省の出先がございますが、それから県知事のほうでも関心を持っていただかなければならないということで、いろいろいま具体策を考えております。お説のようにきびしくするという方向でいまやっております。
  60. 加藤万吉

    加藤(万)委員 確かに、農地委員会でも勧告されるのですよ。それから辻堂の問題なんかで言いますと、盗掘ですから、勧告以上のものをやるのです。ところが勧告したりあるいはきょう埋め立てますというときのあとに必ず事件が起きているのです、この三件見ましても。というのは、勧告がありあるいは農地委員会でとられた以後は、その時期までに一瀉千里に掘ってしまえ、そういう悪質業者なんですね、私に言わせるならば。したがって、御承知のように砂地を掘るのですから、傾斜がきびしくなる。子供がちょっと行って足をかけてもずるずるっとすべってしまう、こういう状態なんです。そこへ事故が起きますね。事故が起きると、その業者は、先ほど言ったように届け出制度ですから、私らはもうやりません、したがってパアにしちゃうんですから、そこへ新しい会社をつくってはそういうことをやっている。過失致死罪に問われている業者が再びやっているのです。こういうことになると、私は、何といいましょうか事前の策あるいは勧告時における強制的な埋め立てといいましょうか、そういうものが行なわれないと、これは何回でも続発する可能性があると思うのです。もし農地委員会で勧告なり何なりされる際には、勧告即埋め立て、そして行政上の点検、これを加えていただかないと、事実上は災害防止ができない。ひとつこの辺はこれから行政指導される場合にはぜひお願いを申し上げたいと思います。  最後にひとつお願いしますが、いま幾つか申しました事件ですね。それぞれ現時点でも未解決です。たとえばいまの神奈川の事件なんか、もう五十日たっておりますけれども、警察はどうも事故死であるか何かわからないので捜査ができないんですね。捜査ができないと言ってもいいでしょう。あるいは農地委員会は、私のほうは勧告したけれども業者がそういうことをやりましたからと逃げておるわけですね。業者はそのまま解散ですから、持っていっても、いや私のほうは企業は解散しましたので、こういう状態です。そこで私は、相模川の河川、これは一番近くで砂利採掘が一番多いところですし、それから相模湾の沿岸ですね、これは砂が非常に多いところですから、この現地調査を農林省のほうでおやりいただけないものだろうか。特にいま幾つか私指摘しました事故現場の実情調査を監督官庁を通してやってもらえないものか、この御返事をひとついただきたいと思います。
  61. 小山義夫

    ○小山説明員 いま県の担当者を呼びましていろいろ実情を聞いております。神奈川県のほかに埼玉県にも実は問題がありまして、いま両県の責任者を呼んで実情を聞いておりますので、その上で上司とも相談をいたしまして、できるだけ先生のお話のようにしたいと思います。
  62. 加藤万吉

    加藤(万)委員 最後に要望だけ。先ほど建設大臣から言われましたこの防止のための国民運動、これは全国的に起きておる問題だろうと私は思うので、この点については農林省、通産省、特に建設省あたりが音頭をとっていただいて、ぜひともひとつ早急に会議を開き、その施策を実行していただきたいと思います。  なお、これに関連して、当然のことですが、実は遺族の補償とかなんとかいう問題が起きるわけです。ところが、経過はいま言いましたようなことですから、遺族の人も実はだれをどうしていいかということで歯ぎしりをしておられる状態なんですね。その遺族の意思は別にお金の問題じゃない、むしろそういうことによって悪質な業者が砂利採掘ができない、そういうことを社会的に知らせる必要があるのだということが本意なんです。そこで私は、いま実情調査をお願いいたしたのも、そういう警察の手ぬるさといいましょうか、あるいは農地委員会の責任のがれといいましょうか、そういうものに対してやはり上級の行政機能から働きかけが行なわれれば、どれほどか住民の人は安心して子供を遊ばせることができるかと思うのです。先ほども言いましたように、学校から百メートルも離れていないところに大きな穴があって、水が満々とたたえられておる。しかもそれには鉄さくも何もない。ダンプカーが激しく通るものですから、子供が普通の道路を通って学校に通学できないのです。しょうがない、農地を通っていくと、農地のそばには今度は畑のほうに鉄さくが張ってあってよけて通らなければならぬ。よけて通ると今度は穴がある、こういう全く悪循環ですね。児童保護の悪循環があるわけですから、この面についてはぜひとも上級機関からの御指示、御指導、警察——警察ということばはちょっと強いですけれども、ぜひ早急にお願いをいたしまして、私のきょうの質問を終わります。
  63. 森下國雄

    森下委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は来たる十九日金曜日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、これにて散会いたします。    午後零時三十七分散会