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吉田(賢)
委員 そこで、
財政制度審議会に
予算制度そのものを根本的に
検討をわずらわすということは、ぜひおやり願わねばならぬ。その前——その前というよりも、それと並行して、可能な範囲で、これを発展充実せしめるということもできると思います。ことに公共事業におきましては、ある
程度事業計画が先行し、これに
予算が伴う、こういうやり方がございますので、したがいまして、公共事業等につきましては、
事業別予算制度の精神は生かされておると思うのでございます。しかし全体としてまだワクがはずれておりませんので、十分にその
長所は発揮されておらぬようであります。でありますので、この
段階におきまして、たとえば可能な範囲でこれを一応実施に移してみるということで、試みに御提示申し上げてみますると、たとえば建設省の
予算、それから総理府の
予算になります住宅の建設費の
予算でございますが、この
予算経費は、いまの実情から——いまの
予算制度の
内容、実態、それらを見ますると、先に申し上げましたように、四十二年の
予算の
審議におきましては四十一年の計画はややわかるけれども、実績は明らかにならず、四十年はすでに五月を過ぎましたら、御
承知のとおり、
決算で計画も実績も明らかになっております。しかし少なくとも三年にわたりまして、前々
年度は予定計画と実績、それから前
年度も計画と実績、そしてことしは何ゆえこの事業を必要とするか、それと、去年おととしに比較してどうこれが実現するであろうか、その価値いかん、こういうことを比較せしむるため、例を住宅建設費にとってみますると、これはこういうことも可能でないか、こう思うのであります。これはいまの
制度におきまして、組織としまして建設本省、項が住宅建設事業費、こうなっておるようでございますが、さらに参照書などがいろいろございまするが、これを本省
予算と、住宅に関しては総理府
予算、これは北海道の道庁の住宅建設費ということになりますので、やや
行政組織上の問題がこんがらかってきます。これは一考を要する重点の
一つであろう、こう思いますが、これは別に考究するといたしまして、内地別とそれから北海道別、できるならば内地別のうち、首都圏の整備計画の中に入る部類、それから近畿圏整備計画の中に入る部類、——これは法律によって毎
年度計画を立てなければならぬのですから。それからその他一般内地というふうに分類いたしまして、そしてこれを公営住宅の建設豊、それから災害あるいは住宅改良費、こういうふうな区分をいたしまして、四十
年度は計画、実績も全部あらわし、四十一年におきましても実績を出すように、ただし地域別に相当区分いたしまして——いまだったら北海道と内地になっておりまして、内地のうち古都圏は
幾らか、近畿圏は
幾らか、それはわかりません、そこで四十
年度にはどの
程度実績があったか、これもわからず、ということになりますので、地域別とそれから年次別、これを実績と計画というふうに、区分して織り込んでいく。そして四十年と四十一年と四十二
年度——四十二
年度は計画だけですから。そうして一覧表をつくってみたのでありまするが、ここから一覧いたしますと、四十年の実績もわかりますし、四十一年の計画も、実績もわかる、そして四十二年の計画もわかる、比較対照できますから、これは
事業別予算の
長所と、
説明せられるところの過去の業績、計画とそして
予算の業績、これを比較対照し得るという、一目、一覧でわかるという
長所をこれは出し得ると思うのです。この住宅建設の
予算等につきましては、このような方法も可能であろうかと思うのです。抜本的な改革がなくとも、そこまでひとつ充実発展せしむることが可能な分野でないかと思うのです。そこはひとつ
大蔵省の腹がまえ
一つで、事務も少し
努力なされればできることでありますので、したがいまして、こういうふうにいたしましたら、はたしてどの
程度に公営住宅ができておるか、またいまの計画はどうかということを、一覧して、
国会は比較してわかるのです。
もっとも建設省で出しておる住宅五カ年計画や
予算説明なるものも若干出ます。若干出ますけれども、私がいま申しましたような立体的な縦横にずっと出てくるもの、これは参りません。来ないです。ことに地域別に、首都圏それから近畿間、その他内地全体とか、こういうものが出てまいりません。でき得べくんば、さらに単価までは出せなくても、やはり相当建設費などにつきましても、基準のようなものはお出しになってしかるべきだと思うのです。そういうふうにいたしまして初めて、
事業計画と
予算が首尾吻合いたしまするので、私はその意味におきまして、公共事業費としての
予算の
目的が非常に大きく達せられ得るんじゃないか、こういうふうに思うのですが、この点はどうお考えになりましょうか。あとでまた、私のこれはあなたのほうへお送りいたしますから、これはまあしろうとですけれども、
大蔵省としてどういうふうにお考えになるでしょうか。