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1967-06-14 第55回国会 衆議院 決算委員会 第15号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十二年六月十四日(水曜日)    午前十時三十二分開議  出席委員    委員長 鍛冶良作君    理事 吉川 久衛君 理事 小峯 柳多君    理事 小山 省二君 理事 白浜 仁吉君    理事 高橋清一郎君 理事 佐藤觀次郎君    理事 華山 親義君 理事 吉田 賢一君       阿部 喜元君    小渕 恵三君       亀岡 高夫君    四宮 久吉君       篠田 弘作君    菅波  茂君       葉梨 信行君    箕輪  登君       水野  清君    村上信二郎君       江田 三郎君    中村 重光君       矢尾喜三郎君    安井 吉典君       広沢 直樹君  出席国務大臣         大 蔵 大 臣 水田三喜男君  出席政府委員         大蔵政務次官  小沢 辰男君         大蔵省主計局次         長       相沢 英之君         大蔵省理財局長 中尾 博之君  委員外出席者         会計検査院事務         総局第一局長  斎藤  実君         会計検査院事務         総局第五局長  佐藤 三郎君         日本専売公社総         裁       東海林武雄君         国民金融公庫総         裁       河野 通一君         日本開発銀行総         裁       石原 周夫君         日本輸出入銀行         総裁      石田  正君         専  門  員 池田 孝道君     ————————————— 六月十四日  委員石田博英君、大野明君、丹羽久章君、山口  喜久一郎君及び浅井美幸君辞任につき、その補  欠として小渕恵三君、葉梨信行君、箕輪登君、  亀岡高夫君及び広沢直樹君が議長指名委員  に選任された。 同日  委員小渕恵三君、亀岡高夫君、及び箕輪登君辞  任につき、その補欠として石田博英君、山口喜  久一郎君及び丹羽久章君が議長指名委員に  選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  昭和四十年度一般会計予備費使用 (承諾を求  総調書(その2)        めるの件)  昭和四十年度特別会計予備費使用  総調書(その2)  昭和四十年度特別会計予算総則第  十条に基づく使用調書  昭和四十年度特別会計予算総則第  十一条に基づく使用調書(その  2)  昭和四十一年度一般会計予備費使 (承諾を求  用総調書(その1)       めるの件)  昭和四十一年度特別会計予備費使  用総調書(その1)  昭和四十一年度特別会計予算総則  第十一条に基づく使用調書(そ  の1)  昭和四十年度一般会計歳入歳出決算  昭和四十年度特別会計歳入歳出決算  昭和四十年度国税収納金整理資金受払計算書  昭和四十年度政府関係機関決算書  昭和四十年度国有財産増減及び現在額総計算書  昭和四十年度国有財産無償貸付状況計算書  (大蔵省所管大蔵省関係政府関係機関)      ————◇—————
  2. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員長 これより会議を開きます。  昭和四十年度決算外二件を一括して議題といたします。  大蔵省所管決算及び大蔵省関係政府関係機関決算について、審査を行ないます。  まず、大蔵政務次官より、概要説明を求めます。小沢大蔵政務次官
  3. 小沢辰男

    小沢政府委員 昭和四十年度大蔵省主管一般会計歳入決算並び大蔵省所管一般会計歳出決算、各特別会計歳入歳出決算及び政府関係機関収入支出決算につきまして、その概要を御説明いたします。  まず、一般会計歳入決算について申し述べます。  昭和四十年度歳入決算額は、三兆六千百七十三億九千五百万円余でありまして、歳入予算額に比較いたしますと、二百十二億四千九百万円余の増加となっております。  以下、各部について簡単に申し述べます。  第一に、租税及び印紙収入でありますが、その決算額は、二兆九千七百四十六億一千五百万円余で、予算額に比し、百七十二億二千七百万円余の増加となっております。これは、所得税において課税額予定より少なかったこと、酒税において清酒、ビールの出荷量予定より少なかったこと、及び物品税において課税額予定より少なかったこと等により、二百五十七億五千四百万円余が減少しましたが、他面、法人税において課税額予定より多かったこと、及び関税において課税額予定より多かったこと等により、四百二十九億八千二百万円余増加したためであります。  第二に、専売納付金でありますが、日本専売公社納付金決算額は、一千七百九十二億七千万円余で、予算額に比し、百十九億八千七百万円余の増加となっております。これは、上級品製造たばこ売り上げ増加による平均売り上げ単価の上昇及び経費節減等により、たばこ事業の純利益増加したことによるものであります。  第三に、官業益金及び官業収入でありますが、その決算額は、十二億二千三百万円余で、予算額に比し、五億九千五百万円余の増加となっております。これは、印刷局特別会計における決算上の利益予定より多かったためであります。  第四に、政府資産整理収入でありますが、その決算額は、二百四十億三千三百万円余で、予算額に比し六億七千八百万円余の増加となっております。これは、庁舎等の国有財産売り払い収入予定より増加したためであります。  第五に、雑収入でありますが、その決算額は、一千五十一億五千二百万円余で、予算額に比し、五十億九千二百万円余の増加となっております。これは、土地等国有財産貸し付け収入延納利子収入及び日本銀行納付金等予定より増加したためであります。  第六に、公債金でありますが、その決算額は、一千九百七十二億円で、予算額に比し、六百十八億円の減少となっております。これは、租税収入予定より多かったこと等により、公債発行が少なくて済んだことによるものであります。  第七に、前年度剰余金受け入れでありますが、その決算額は、一千三百五十七億九千九百万円余で、予算額に比し、四百七十四億六千八百万円余の増加となっております。これは、予算額としては、昭和三十八年度新規剰余金及び昭和三十九年度新規剰余金の一部を計上いたしておりますが、決算上においては、昭和三十九年度に生じた歳計剰余金受け入れているためであります。  次に、一般会計歳出決算について申し述べます。  昭和四十年度歳出予算現額は、一千六百十億八千百万円余でありまして、支出済歳出額は、一千五百六十二億三千七百万円余、翌年度繰り越した額は、三十二億九百万円余でありまして、差し引き不用額は、十六億三千四百万円余となっております。  以下、大蔵省所管経費のうち、おもなものにつきまして、その概要を申し述べます。  まず、第一に、国債費につきましては、国債整理基金特別会計繰り入れるため百三十億八百万円余を支出いたしましたが、これは、一般会計負担に属する国債償還財源に充てるためのものであります。この国債償還財源は、国債整理基金に充てるべき資金の繰入れの特例に関する法律に基づきまして、財政法第六条及び同法附則第七条の規定により前々年度決算上の剰余金の五分の一に相当する額であります。  なお、一般会計負担に属する国債利子及び大蔵省証券割引料支払い財源、並びに、これらの事務取り扱い費として、国債整理基金特別会計繰り入れることとしていたものについては、同会計剰余金歳入に計上することによって、繰り入れの必要がなくなったものであります。  以上の国債費に関連して、一般会計負担に属する国債状況について申し述べます。  昭和四十年度首における既往年度からの繰り越し債務額は、内国債で約四千三百十三億円、外国債邦貨換算額にして約二百二十一億円でありましたが、昭和四十年度中における内国債につきましては、昭和四十年度における財政処理特別措置に関する法律に基づく六分半利国庫債券(第一回)の発行二千億円、国際通貨基金等に対する通貨代用国庫債券による出資約六百八十三億円、農地買収者等に対する農地買収者国庫債券交付約百七十二億円、戦没者等の妻に対する特別給付金国庫債券交付約五十三億円、戦没者等遺族に対する遺族国庫債券及び引き揚げ者に対する引き揚げ者国庫債券交付並びに満期到来国債の借りかえ発行等により約二百三十二億円、計三千百四十億円余が増加いたしましたが、一方、国際通貨基金通貨代用国庫債券及び国際開発協会通貨代用国庫債券償還約二百億円、戦没者等の妻に対する特別給付金国庫債券償還約百二十四億円、戦没者等遺族に対する遺族国庫債券及び引き揚げ者に対する引き揚げ者国庫債券並びに満期到来国債償還により約二百六十七億円、計五百九十一億円余が減少いたしましたので、翌年度以降へ繰り越し債務額は、六千八百六十二億円余となっております。  外国債につきましては、昭和四十年度中に約二十三億円を償還いたしましたので、翌年度以降へ繰り越し債務額は、約百九十八億円余となっております。  第二に、特殊対外債務処理費につきましては、賠償等特殊債務処理特別会計法に基づき、連合国に対する賠償等特殊債務処理に充てるための財源をこの会計繰り入れるため百六十七億円余、ビルマに対する経済技術協力の実施のため三十億四千九百万円余をそれぞれ支出いたしております。  なお、賠償等特殊債務処理特別会計繰り入れ財源並びに同会計の前年度からの繰り越し金をもって、ビルマ、フィリピン、インドネシアの三カ国に対する賠償費二百二十六億六千六百万円余のほか、カンボジアに対する経済協力費四千六百万円余、タイ国に対する特別円処理費十億円の支払いが行なわれました。  以上の支出のほか、相手国国内事情等のため、ビルマ経済技術協力費十一億六千二百万円余、韓国経済協力費十八億円が支出未済繰り越しとなっております。  第三に、政府出資金につきましては、百四十三億四千三百万円を支出いたしましたが、その内訳は、農林漁業金融公庫に対しまして、農林漁業生産力維持増進に必要な長期低利融資を行なう資金に充てるため八億円、中小企業信用保険公庫に対しまして、信用補完制度強化をはかる資金に充てるため七十億円、医療金融公庫に対しまして、私的医療機関の適正な整備及び機能の強化をはかるための長期低利融資を行なう資金に充てるため五億円、森林開発公団に対しまして、水源林造成事業を行なう資金に充てるため三十二億円、水資源開発公団に対しまして、水資源開発、利用のための事業を行なう資金に充てるため九千万円、新技術開発事業団に対しまして、新技術開発重要性にかんがみ、事業団資金の増大をはかるため八千八百万円、理化学研究所に対しまして、科学技術の振興に寄与する事業に充てるため十六億六千五百万円、海外経済協力基金に対しまして、東南アジアその他開発途上にある海外の地域に対する経済協力の促進をはかるための資金に充てるため十億円をそれぞれ支出いたしました。  第四に、海運業再建整備日本開発銀行交付金につきましては、海運業再建整備に関する臨時措置法に基づきまして、日本開発銀行外航船舶建造融資にかかる利子支払いを猶予することに伴いまして、その猶予する額に相当する金額日本開発銀行交付するため、八十七億五千九百万円余を支出いたしました。なお、この経費において日本開発銀行外航船舶建造融資にかかる利子支払いを猶予することが少なかったことにより、一億六百万円余が不用となりました。  第五に、国際通貨基金及び国際復興開発銀行出資諸費につきましては、昭和四十年度において、わが国国際通貨基金に対する出資額五億ドルが七億二千五百万ドルに、国際復興開発銀行に対する出資額六億六千六百万ドルが七億七千二百六十万ドルに、それぞれ増額されましたので、これに伴う出資払い込みに必要な経費として、同年度に、国際通貨基金に対する出資二百十億六千万円余、国際復興開発銀行に対する出資四億一千八百万円余を支出いたしました。なお、これら両機関に対しましては、以上の現金出資のほかに、通貨代用国庫債券をもって、国際通貨基金へ五百九十九億三千九百万円余、国際復興開発銀行へ三十四億一千九百万円余を出資いたしましたが、以上の追加出資によりまして、わが国は、他の加盟国とともに、両機関世界経済の発展のためにますます適切な役割りを演ずることができるよう、その資金的基礎の充実に貢献した次第であります。  第六に、公務員宿舎施設費につきましては、国家公務員のための国設宿舎を設置するため、五十五億八千九百万円余を支出いたしました。公務員宿舎につきましては、その不足状況にかんがみ、逐年その増設をはかっているのでありますが、以上の支出によりまして、昭和四十年度五千七百九戸を新たに設置いたしました。この結果、同年度末における公務員宿舎施設費による設置戸数累計は五万五千五十三戸となりましたが、これによりましてもなお、公務員の住居の不安定者は、全体の約一〇・五%となっている状況であります。なお、公務員宿舎施設費につきましては、敷地の選定、その他工事の関係から、支出が翌年度に繰り越されるものがありましたので、以上の支出のほか、三百四十八戸分一億三千八百万円余が支出未済繰り越しとなっております。  以上申し述べましたおもな経費のほか、旧令共済組合等年金交付その他経費として、国家公務員共済組合連合会等補助及び交付金の項から三十億五千五百万円余、日本国有鉄道日本電信電話公社及び資金運用部特別会計国庫預託金に対する利子として、国庫受け入れ預託金利子の項から七億八千四百万円余を支出いたしました。  なお、大蔵省所管一般行政処理する等のための経費といたしましては、大蔵本省において四十億四千七百万円余、財務局において五十六億七千八百万円余、税関において六十億八千八百万円余、国税庁において五百二十九億五千万円余、計六百八十七億六千四百万円余を支出いたしましたが、この経費のおもなものは、人件費及び事務費でありまして、人件費の占める割合は約七四%であります。  なお、徴税費五百十億九千万円余を、国税庁において取り扱った租税及び印紙収入収納済み額と比較いたしますと、徴税コストは一・八七%となっております。  次に、各特別会計決算につきまして、それぞれの会計事業実績等を主として、簡単に御説明いたします。  まず第一に、造幣局特別会計につきましては、この会計のおもな事業である補助貨幣製造について申し述べますと、百円銀貨幣ほか四種の補助貨幣を二十五億一千万枚、額面金額にして二百四十九億円を製造し、その全額補助貨幣として発行いたしました。この結果、昭和四十年度末における補助貨幣発行高は一千五百四十七億二千六百万円余となっております。  第二に、印刷局特別会計につきましては、この会計のおもな事業である日本銀行券製造について申し述べますと、一万円券ほか四種の日本銀行券を十七億九千五百万枚、額面金額にして二兆四千九十五億円を製造いたしまして、その全量を日本銀行に引き渡しております。  第三に、資金運用部特別会計につきましては、その資金運用及び資金調達実績について申し述べます。  新規運用額は、一兆一千八百七十七億円でありまして、当初の計画に対しまして一千二百三十八億円の増加となっております。その内訳は、特別会計政府関係機関地方公共団体等への貸し付けまたは債券引き受け等となっており、この原資郵便貯金厚生保険国民年金預託金等増加額一兆一千八百七十七億円であります。  なお、運用が当初の計画より増加いたしましたが、この追加運用の内容は、中小企業への金融対策石炭産業対策災害復旧対策住宅対策及び外航船舶建造等につきまして意を用いた次第であります。  第四に、国債整理基金特別会計につきましては、収納済み歳入額は五千八百九億五千二百万円余、支出済み歳出額は四千八百九十億四千二百万円余であります。  収納済み歳入額のおもなものは、一般会計及び特別会計からの国債借り入れ金及び短期証券償還並びに利子等支払い基金受け入れとして四千二百九十一億九千七百万円余、満期到来内国債のうち一部を借りかえ償還するための公債発行収入として二百八億二千三百万円余、前年度以前における国債満期到来分未払い及び利払い期到来分利子未払い等による前年度剰余金受け入れとして一千二百五十九億四千七百万円余となっております。  支出済み歳出額のおもなものは、国債借り入れ金及び短期証券償還として四千二百十一億七千三百万円余、国債及び借り入れ金利子並びに短期証券割引料として六百六十八億一千七百万円余となっております。  なお、以上の支出済み歳出額収納済み歳入額から差し引いた残額は、国債満期到来分未払い及び利払い期到来分利子未払い等によるものでありまして、それぞれ翌年度繰り越しております。  第五に、貴金属特別会計につきましては、金管理法に基づきまして、新産金の百分の五を政府が買い上げることになっておりますので、金地金五百九十九キログラム余、金額にして二億四千二百万円余をこの会計において買い上げており、これに要する資金は、前年度剰余金受け入れ及び貴金属売り払い代収入等により調達いたしております。この会計が保有している金地金は、昭和四十年度末現在二十七トン七百七十五キログラム余となっております。  なお、最近における国内産業用金地金不足を緩和するため、接収貴金属等処理に関する法律に基づいて一般会計に帰属した接収貴金属のうち、金地金約一トンをこの会計の所属に移し、産金業者に放出いたしました。  第六に、外国為替資金特別会計につきましては、収納済み歳入額二百九億四千二百万円余、支出済み歳出額百五十六億六千四百万円余であります。  収約済み歳入額のおもなものは、保有外貨資産等運用収入として百五十九億三千五百万円余であります。  支出済み歳出額のおもなものは、国債整理基金特別会計への繰り入れ百五十五億三千二百万円余となっております。  なお、外貨準備高は、年度後半増加に転じ、年度間で五千六百万ドルの増加となっております。  第七に、産業投資特別会計につきましては、日本航空株式会社ほか三社、日本輸出入銀行ほか四政府関係機関及び日本鉄道建設公団等機関に四百三十億円の出資をいたしました。  以上の結果、この会計における昭和四十年度末現在の出資額は七千六百六十億五千七百万円、貸し付け額は六百四十二億六千二百万円余となっております。  第八に、経済援助資金特別会計につきましては、支出済み歳出額がありませんでしたので、昭和四十年度末現在におけるこの会計からの投融資残高は、日本開発銀行への貸し付け額約九億四千七百万円余、日本航空機製造株式会社への出資額三十億円となっております。  第九に、余剰農産物資金融通特別会計につきましては、電源開発のため、電源開発株式会社へ二十二億円の貸し付けをいたしました。その結果、昭和四十年度末現在におけるこの会計貸し付け残高は約四百四十六億八千百万円余となっております。なお、この会計原資として、農産物に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定に基づいて借り入れた資金残高は約三百七十億二千六百万円余であります。  第十に、賠償等特殊債務処理特別会計につきましては、一般会計歳出の部において概要を申し述べましたので、説明を省略させていただきます。  第十一に、国有財産特殊整理資金特別会計につきましては、関東地方建設局ほか十四官署の庁舎等の売り払い及び前年度剰余金等により七億四千四百万円余の収入がありましたが、昭和四十年度においては、資金を効率的に使用するため、全額年度繰り越しをいたしました。  以上が、各特別会計事業実績等概要であります。各会計決算上の計数につきましては、さきに提出いたしました昭和四十年度決算書及び決算説明によって御承知いただきたいと存じます。  最後に、大蔵省関係の各政府関係機関決算につきまして、それぞれの機関事業実績等を主として、簡単に御説明いたします。  まず第一に、国民金融公庫につきましては、資金運用部資金からの借り入れ金一千百四十六億円及び簡易生命保険及び郵便年金特別会計積み立て金からの借り入れ金二十億円、並びに貸し付け回収金等自己資金をもって、件数にして約六十四万三千件、金額にして約二千六百三十九億円の貸し付けを行ないました。この貸し付け額を当初の予定に比較いたしますと、約二百九十億円の増加となっております。これは、中小企業者に対する年末資金等融資のため、年度中に政府資金追加が行なわれたためであります。この結果、この公庫における昭和四十年度末の貸し付け残高は、件数にして約百三十八万一千件、金額にして約二千七百五十一億円となっております。  第二に、住宅金融公庫につきましては、産業投資特別会計からの出資金十五億円、資金運用部資金からの借り入れ金九百二十九億円、及び簡易生命保険及び郵便年金特別会計積み立て金からの借り入れ金二十億円、並びに住宅金融公庫宅地債券発行による収入金約十七億円のほか、貸し付け回収金等自己資金をもって、住宅建設約十七万一千戸、金額にして約一千百二十九億円、及び宅地造成約三千三百ヘクタール、金額にして約二百三十二億円、合計一千三百六十一億円の貸し付けを行ないました。この貸し付け額を当初予定に比較いたしますと、約二百五十四億円の増加となっております。これは景気対策の一環として、住宅建設三万七千戸の増加が行なわれたこと等のためであります。この結果、この公庫における昭和四十年度末の貸し付け残高は、件数にして約八十八万三千件、金額にして約四千六百六十六億円でありまして、この公庫創設以来の住宅貸し付けの総契約戸数は、約百四十八万六千戸となっております。  第三に、農林漁業金融公庫につきましては、一般会計からの出資金八億円及び産業投資特別会計からの出資金五十六億円、資金運用部資金からの借り入れ金七百六十三億円及び簡易生命保険及び郵便年金特別会計積み立て金からの借り入れ金十億円、並びに貸し付け回収金等自己資金をもって、件数にして約十三万七千件、金額にして約一千九十八億円の貸し付けを行ないました。この貸し付け額を当初の予定に比較いたしますと、約百四十一億円の減少となっております。これは主として災害に関連した貸し付けが少なかったためであります。この結果、この公庫における昭和四十年度末の貸し付け残高は、件数にして約百二万八千件、金額にして約四千五百六十億円となっております。  第四に、中小企業金融公庫につきましては、資金運用部資金からの借り入れ金九百二十三億円、及び簡易生命保険及び郵便年金特別会計積み立て金からの借り入れ金二十億円、並びに中小企業債券発行による収入金約二百九十九億円のほか、貸し付け回収金等自己資金をもって、件数にして約三万八千件、金額にして約一千九百七十四億円の貸し付けを行ないました。この貸し付け額を当初の予定に比較いたしますと、約三百二十四億円の増加となっております。これは、中小企業者に対する年末資金等融資のため、年度中に政府資金追加が行なわれたこと等のためであります。この結果、この公庫における昭和四十年度末の貸し付け残高は、件数にして約十万九千件、金額にして約三千六百四十六億円、出資残高は、件数にして三件、金額にして六億円となっております。  第五に、北海道東北開発公庫につきましては、産業投資特別会計からの出資金五億円、資金運用部資金からの借り入れ金七十億円、北海道東北開発債券発行による収入金約百九十九億円、及び貸し付け回収金等自己資金をもって、件数にして二百八十一件、金額にして三百七十億円の貸し付けを行ないました。この結果、この公庫における昭和四十年度末の貸し付け残高は、件数にして一千六百二十五件、金額にして約一千二百五十三億円、出資残高は、件数にして十九件、金額にして約八億円となっております。  第六に、公営企業金融公庫につきましては、産業投資特別会計からの出資金一億円、公営企業債券発行による収入金約四百九十四億円及び貸し付け回収金等自己資金をもって、件数にして一千百七十五件、金額にして約五百二十五億円の貸し付けを行ないました。この貸し付け額を当初予定に比較いたしますと、約二十五億円の増加となっております。これは景気対策の一環として、上水道事業に対する融資資金に充てるため、公営企業債券追加発行が行なわれたこと等のためであります。この結果、この公庫における昭和四十年度末の貸し付け残高は、件数にして六千五百九十五件、金額にして約一千八百四億円となっております。なお、このほか、本公庫は、農林漁業金融公庫の委託を受けて、地方公共団体の行なう造林事業に対し、当年度に一千二百二十件、約二十二億円の融資を行なっております。  第七に、中小企業信用保険公庫につきましては、貸し付け金の原資として、一般会計から七十億円の出資を受けました。当年度における業務の実績は、保険業務におきましては、件数にして約七十万二千件、金額にして約五千九百四十三億円の保険の引き受けを行ない、また貸し付け業務におきましては、信用保証協会に対し、件数にして一千五十七件、金額にして約百七十六億円の貸し付けを行ないました。この結果、この公庫昭和四十年度末の付保残高は、件数にして約五十八万八千件、金額にして約五千六百五十八億円となっており、また貸し付け残高は、件数にして一千三百三十三件、金額にして約二百五十六億円となっております。  第八に、医療金融公庫につきましては、一般会計からの出資金五億円、及び資金運用部資金からの借り入れ金百四十億円のほか、貸し付け回収金等自己資金をもって、件数にして三千九百五十三件、金額にして百七十五億円の貸し付けを行ないました。この結果、この公庫昭和四十年度末の貸し付け残高は、件数にして一万三千六百三十一件、金額にして約五百二十七億円となっております。  第九に、日本開発銀行につきましては、資金運用部資金からの借り入れ金一千二百十五億円、外貨債の発行による収入金約六十八億円及び貸し付け回収金等自己資金をもって、約一千九百九十六億円の貸し付けを行ないました。貸し付け内訳は、電力約百七十四億円、海運約八百九十二億円、地域開発約三百四十億円、その他約五百八十九億円となっております。この貸し付け額を当初の予定に比較いたしますと、約三百十九億円の増加となっております。これは、景気対策の一環として、海運業等に対する融資資金に充てるため、年度中に政府資金追加が行なわれたこと等のためであります。この結果、この銀行の昭和四十年度末の貸し付け残高は、件数にして四千二百五十一件、金額にして約九千五百四十億円となっており、その内訳は、電力約三千三百二十八億円、海運約二千八百四十六億円、地域開発約九百九十九億円、その他約二千三百六十六億円となっております。このほか、外貨貸し付け金は、件数にして二十二件、金額にして約八百二十九億円となっております。なお、この銀行が昭和四十年度利益のうち、国庫に納付した金額は、約百十五億円となっております。  第十に、日本輸出入銀行につきましては、産業投資特別会計からの出資金二百九十億円、資金運用部資金からの借り入れ金九百五十億円、及び貸し付け回収金等自己資金をもって、約二千百三十億円の貸し付けを行ないました。その内訳は、輸出金融約一千五百八十六億円、技術提供金融約十八億円、輸入金融約十四億円、投資金融約七十四億円、直接借款約四百三十五億円となっております。この結果、この銀行の昭和四十年度末の貸し付け残高は、件数にして二千百三十件、金額にして約五千四百二十億円となっております。その内訳は、輸出金融約三千八百六十五億円、技術提供金融約二十二億円、輸入金融約四十億円、投資金融約四百九十五億円、直接借款約九百九十六億円となっております。  以上が、各政府関係機関事業実績等概要であります。各機関決算上の計数につきましては、さきに提出いたしました昭和四十年度決算書及び決算説明によって御承知いただきたいと存じます。  これをもちまして、昭和四十年度における大蔵省所管決算概要説明を終わります。  なお、会計検査院から不当事項百十二件の御指摘を受けましたことは、まことに遺憾にたえないところであります。これらにつきましては、それぞれ適切なる措置を講じますとともに、今後一そう事務の合理化をはかり、改善に努力を傾注いたしたい所存でございます。  何とぞ、御審議のほど、お願いいたします。  次に、昭和四十年度日本専売公社決算の御説明をいたします。  まず、昭和四十年度事業概況を御説明申し上げます。  第一に、たばこ事業におきましては、葉たばこの購入は、数量で二十三万トン余、金額で千百十三億円余であり、予定に比べ、数量で一万四千トン余、金額で六十四億円余減少しております。  たばこの製造及び輸入数量は千八百二十億本余で、予定に比べ十六億本余減少しております。  その販売数量は千七百四十四億本余、金額にして四千六百八十五億円余で、予定に比べ、数量では二十九億本余減少しましたが、金額では十一億円余増加しております。  第二に、塩事業におきましては、塩の購入数量は国内塩八十四万トン余、輸入塩三百五十九万トン余、金額にして合計二百四十億円余であり、予定に比べ、数量で四十七万トン余、金額では三十二億円余減少しております。  塩の販売数量は四百三十九万トン余、金額にして三百二億円余であり、予定に比べ、数量では四十万トン余、金額では三十億円余減少しております。  次に、決算の内容を、数字をあげて御説明申し上げます。  まず、収入支出決算について御説明申し上げます。  昭和四十年度における収入済み額は五千二十八億円余、支出済み額は三千六百七十億円余であり、収入支出を超過すること一千三百五十八億円余であります。また、昭和四十年度の総収益五千四十一億円余から、総損失三千八十九億円余を控除した純利益は、一千九百五十一億円余でありまして、これから、日本専売公社法第四十三条の十三第二項の規定により、積み立てる、固定資産及び無形資産の増加額百五十九億円余を控除して算出した専売納付金は、一千七百九十二億円余であり、その予定額一千六百四十二億円余と比べますと、百四十九億円余の増加となっております。  以下、これを収入支出の部に分けて御説明いたします。  まず、収入の部におきましては、収入済み額は五千二十八億円余であり、収入予算額五千四十七億円余に対して、十八億円余の減少となっております。この減少は、塩事業におきまして、塩の売り払い代が予定に達しなかったこと等によるもであります。  一方、支出の部におきましては、支出予算現額は三千九百七十五億円余、支出済み額は三千六百七十億円余であり、差し引き三百五億円余の差額を生じました。この差額のうち、翌年度繰り越した額は百二十二億円余、不用となった額は百八十二億円余であります。  なお、昭和四十年度において、日本専売公社法第四十三条の二の規定により、予備費を使用した額は、役職員給与支払いのため十三億円余、補助金及び交付金支払いのため五億円余、合計十八億円余、日本専売公社法第四十三条の二の規定により予算を流用した額は、職員給与支払いのため三億一千万円余、補助金及び交付金支払いのため六千万円余、合計三億八千万円余であります。  また、日本専売公社法第四十三条の二十二第二項の規定により使用した額は、業績賞与支払いのため五億円余であります。  次に、債務に関する計算について御説明申し上げます。  日本専売公社法第三十五条第一項の規定に基づく昭和四十年度の債務負担行為の限度額は、塩事業費において七十億円、固定資産取得費において二十億円余、合計九十億円余でありますが、実際に負担した債務額は、塩事業費において三十億円余、固定資産取得費において二十億円余、合計五十億円余であります。  また、日本専売公社法第三十五条第二項の規定に基づく昭和四十年度の債務負担行為の限度額は一億円でありますが、実際に負担した債務額はございません。  次に、日本専売公社法第四十三条の十四第二項の規定に基づく昭和四十年度借り入れ金の最高限度額は、長期借り入れ金で四百億円、短期借り入れ金で一千六百二十億円、合計二千二十億円でありますが、実際に借り入れた額は、長期借り入れ金で三百二十億円、短期借り入れ金で一千二百三十億円、合計一千五百五十億円であり、短期借り入れ金昭和四十年度内に償還し、翌年度繰り越した債務額はありません。  なお、昭和四十年度の日本専売公社の決算につきまして、会計検査院から不当事項として指摘を受けたものはございません。  以上が、昭和四十年度の日本専売公社の決算概要であります。  何とぞ、御審議のほど、お願い申し上げます。
  4. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員長 次に、会計検査院当局より、各決算の検査概要説明を求めます。斎藤会計検査院第一局長
  5. 斎藤実

    ○斎藤会計検査院説明員 昭和四十年度大蔵省所管決算検査の概要を申し上げます。  書面並びに実地検査の結果、検査報告に掲記いたしました事項は、租税の徴収不足に関する事項九百四十二件、五億三千三百万で、徴収過に関する事項四件、百万余円の二事項を掲記しております。  なお、そのほか、三十九年度におきまして、大蔵省所管の国有財産の管理につきまして適切を欠くものがございましたので、会計検査院法第三十四条により、是正改善の措置を求めたものが一件ございましたが、大蔵省の中における処置状況についても掲記いたしております。  以上でございます。
  6. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員長 佐藤会計検査院第五局長
  7. 佐藤三郎

    佐藤会計検査院説明員 日本専売公社、それから国民金融公庫外七行並びに日本開発銀行日本輸出入銀行昭和四十年度決算につきましては、それぞれ決算概要を検査報告に記述いたしておりますが、検査いたしました結果、特に不当と認めた事項はございませんでした。
  8. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員長 次に、政府関係機関である日本専売公社、国民金融公庫日本開発銀行日本輸出入銀行、各当局の資金計画事業計画等についての説明は、便宜委員会議録に掲載いたしたいと存じますので、さよう御了承願います。      ————◇—————
  9. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員長 この際、昭和四十年度一般会計予備費使用調書(その2)、昭和四十年度特別会計予備費使用調書(その2)、昭和四十年度特別会計予算総則第十条に基づく使用調書昭和四十年度特別会計予算総則第十一条に基づく使用調書(その2)、以上四件の承諾を求めるの件、及び昭和四十一年度一般会計予備費使用調書(その1)、昭和四十一年度特別会計予備費使用調書(その1)、昭和四十一年度特別会計予算総則第十一条に基づく使用調書(その1)、以上三件の承諾を求めるの件を一括して議題といたします。  これらの各件につきましては、去る七日質疑を終了いたしておりますので、直ちに討論に入ります。討論の申し出がありますので、順次これを許します。華山親義君。
  10. 華山親義

    ○華山委員 日本社会党を代表いたしまして、昭和四十年度一般会計予備費使用調書(その2)につきまして、承諾できないことを申し述べたいと存じます。  その理由は、本調書中のベトナム共和国における難民救済援助に必要な経費使用が含まれておるからであります。この問題につきまして、その理由を申し述べたいと存じます。  第一点は、調書によれば、その説明におきまして、人道的見地から使用したということでございますけれども、現在、戦闘は南北両ベトナムにおいて行なわれております。双方ともにその国民は苦しんでいるわけでございます。人道ということであるならば、これには国境はないはずだ。このような救済は双方に行なわるべきものであって、片方にのみ行なわれるということは、私は賛成することができません。今日、北ベトナムにつきまして、国交がないからということもあるかもしれませんけれども、そうであるならば、万国赤十字社あるいは第三国等をして北ベトナムに申し出て、しかも北ベトナムがこれを受け入れないという段階であるならば格別でございますけれども、それらの努力は一つもしておらない。赤十字社に対しまして、南ベトナムに対する救援のことをやってもらいたいと申し述べたことに対して、赤十字社は現に、片方にだけやることはお断わりすると言っているではありませんか。真に政府が人道的立場に立つならば、両方に対してこれをやる。少なくとも両方に対してやるだけの万全の努力が事前になされなければならない、こういうふうに思うわけであります。この一点が第一であります。  第二点は、このようにして日本赤十字社が断わりますと、ベトナム協会なるものをして行なわしめたのでございますけれども、このベトナム協会は、その組織を見ますと、会長は自民党の国会議員であるところの一万田尚登君、副会長七名中五名は、保科善四郎君、大谷贇雄君、鹿島守之助君、野田卯一君、長谷川峻君である。ただ副会長の中で二名ほかの人がおりますけれども、その人は経団連の副会長と元ベトナム大使。会長、副会長がこのような状態でございますから、これはもはや自民党の出先といってよろしい。それから、この専務理事なるものは、これは真山君でございますけれども、自民党の職員であります。こういうふうな状態の団体は、国が補助をするのに、いかなる名目をもってしても、私は不適当だと思う。常務理事がございますけれども、常務理事七名中、その過半数の四名は自民党の国会議員であり、その他の役員はほとんどすべてが財界の代表的人物を並べております。自民党と財界との結びつきということはよく言われるのでありますが、このベトナム協会において実現いたしている。このようなところに政府がうかうかと金を出すということは、私は間違いだと思う。こういうふうな人的機構であり、しかもこの団体は事務所はありますけれども、何もない。財産目録を見ますと、いすが二つと机が二つ、そして書だなが一つあるだけなんです。何にもない。それで、外務省に対しまして、私が、どんな仕事をしているかということを聞いたところが、いろいろな仕事の名前を並べて、こういう仕事をしております、ということでございましたけれども、この直接の監督官庁である東京都に提出されたところの決算を見ますと、事業費のすべてでございますけれども、集会費、図書資料費、調査費、交際費と予算は計上してありますけれども、この事業費の全部が、決算はゼロなんであります。何にもしていないということなのであります。全く有名無実、電話もなく、机を並べているだけ、机が二つあるだけの架空のものにすぎない、少なくとも開店休業中のものである。こういうものに政府が金を出すということは、私はでたらめだと思う。  それからこれにつきましては、八千万円ほどの補助を受けているのでございますけれども、補助金を受けたところのベトナム協会は、綿織物、毛布、家庭薬品を送ったのでございますけれども、これは全部随意契約だった。競争入札もしなければ、見積もり合わせもしてない。国費の乱費もはなはだしいものなんです。しかもこの中の大部分を占めるところの六千万円近くのものは、これは三井物産がやっているのでございますけれども、三井物産はこの協会の理事なんです。たいしたことじゃありませんか。まるでこれは、この協会——公益団体を通じて理事が自分から利益を求めるなどということはとんでもない話です。たまたまこれが私の目に触れたのであるけれども、こういうふうな実態を知るならば、一体どういうことに政府の金が使われているのか、疑問を持たざるを得ないわけであります。しかもこのような国費の乱費を、自民党と財界との集まりの団体にやらして、とんでもない話だと私は思うのです。(発言する者多し)三井物産であるならば、最近いろいろな問題の多いときでもあるし、当然その発注は辞退すべきが普通のやり方じゃないのか。これだけでも十分な問題だと思うのです。それで、この事業は、一体南ベトナムという国において、だれが主体になってやったのか、こういう質問に対しまして、外務省当局は、外務省がやったんですと言う。何たることか。補助金は、補助金を受けたものの金なんです。補助金を受けたところの仕事なんです。ベトナム協会が当然やるべきじゃありませんか。ベトナム協会の名においてやるべきであって、外務省の名においてやるべきものじゃ当然ない。この意味におきまして、補助金の使い方が全く違っている。しかも、このようなことは、多少常識があればわかるはずなんです。国から公共団体が補助金をもらって、たとえ全額であっても、仕事をした場合に、これは国の仕事であるということが言えますか。公共団体の仕事にきまっている。そういうふうなめちゃくちゃなことをやっている。支離滅裂というほかはない。この補助金の性格に関しては、さらに私は今後重大な問題として、一般論として会計検査院にも聞こうとは思っておりますけれども、これはたいへんな間違った金の使い方をしている。なぜそうなのか。補助をする団体の選び方を間違えたからなんです。横車を押すところの団体にこういうものをやらせるから、こういう不始末が出てくる。  次に、私は、事業につきましては、これを補助したことは憲法八十九条に違反したおそれがあると思います。申し上げるまでもなく、憲法第八十九条は、「公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。」と書いてある。その点につきまして、ベトナム協会なるものが公の支配に属する仕事なのか、公の支配に属するものなのか、こういうふうに聞いたけれども、確たる考え方がない。この条項につきましては、いろいろ憲法上の学説はあるけれども、このような場合に、ベトナム協会が公の支配に属するものとは、私は考えられない。これを認めるところの学説はない。しかもこれにつきまして、外務省は何と答弁したか、補助指令を出すから、公の支配に属する。そんなことは成り立たない。そうだったならば、だれしも補助指令をもらえば公の支配に属する。私だってそうなる。そういうことで、補助指令を出さない補助金なんというものはありはしない。この点につきまして、この予備金を出されたところの大蔵省の間違いだと私は思うし、法制局を呼んでこいと言ったって、呼んできはしないのだ。この点について、私はさらに政府の統一的見解を聞こうと思っております。  こういうふうなことで、この予備金の支出は、予備金の出し方においても、予備金の使い方においても、全く政治と実業界の代表にじゅうりんされたものなんだ。こういうことにわれわれは賛成するわけにはまいりません。  その次に、四十一年度一般会計の分でございますが、国際連合に対しまして、赤字補てんの拠出金を予備金で出しておられる。この出されたこと自体の内容につきましては、一応ここでおきますけれども、これがなぜ出さなければならなくなったかという経緯につきましては、これはきわめて国際的な複雑な前提があったわけであります。国際連合がコンゴに警察隊を出した際に、その負担をソ連等が拒否した。そういうところから赤字が出た。それで自由国家群におきまして、これを分け合った。長い間の問題なんだ。国際問題にからむ問題なんだ。それを、こういうふうな重要な外交問題であるにかかわらず——当然このような経費は本予算に計上して、そうして国会の審議を待つべきものと思うにもかかわらず、本件は昭和四十一年の十一月十五日に閣議できめた。その後二週間たちますと、十一月二十九日に補正予算を組んでいる。そうして十二月二十日には補正予算が成立をしている。二年も三年も長い間赤字のままできたところのものなのだ。どうして十日や二十日待てないか。このことについて外務省に聞きましても、急ぎましたから、急ぎましたからと言う。この問題は、私は国会に対する重要な問題だと思うのです。このようにして国会の審議を免れて、そして予備費で出してしまう。そういうふうなものは、法規はどうあろうとも、このような問題は許しがたい。災害等の場合に、あるいはやむを得ざる場合があるかもしらぬけれども、このような、前提に政治的な大きな問題を含んでいるものについて、補正予算提出の直前において閣議決定をして、予備費を使うというふうなことは、政府に、そこに対して何らかの意図があったとしか思えない。行政と国会との関連において、こういう出し方には社会党は賛成するわけにはまいりません。  それから、ラオスの外国為替操作基金への追加支出でありますが、この件に至っては、十二月六日に閣議決定をしておるのでございますけれども、同じ日に補正予算は国会に提出されている。なぜ補正予算に入れなかったか、なぜ予備金で出したのか、了解ができない。外務省に聞いても、急いだから急いだからと言う。大蔵省にも大きな責任がある。こういったものは当然補正予算に組んで——目前なんですから、目前どころか、国会開会中なんだから、このような予備費の中で出すということは国会の審議権を侵害するものであって、どうしてもこれは私たちには了承ができません。これも災害等の思いがけないことがあった場合には、私はやむを得ないと思うけれども、そうではない。しかも国会開会中なんだ。国会開会中の予備費の使用等については、閣議でもきめてあるけれども、最も厳格でなければいけないはずなんだ。それをあえてしている。そういう点もあったので、大蔵大臣に対して、外務省の予備費支出については特別の考慮があるのかとお聞きしたところが、何もないとおっしゃった。このような、国会の審議権を侵すような、こういうふうな予備費の使用には、社会党は反対であります。この意味におきまして、昭和四十年度一般会計予備費使用調書(その2)、昭和四十一年度一般会計予備費使用調書(その2)の支出につきましては、承諾が遺憾ながらできません。御了承を願いたいと思います。(拍手)
  11. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員長 広沢直樹君。
  12. 広沢直樹

    広沢(直)委員 私は公明党を代表して、昭和四十年度一般会計予備費使用調書(その2)外三件、昭和四十一年度一般会計予備費使用調書(その1)外二件について、不承諾の意思を明らかにするものであります。  まず第一に、予備費の使用については、政府は、緊急やむを得ざるもの以外は既定経費として計上すべきであります。ところが、予備費の支出にあたって、その点が非常にあいまいと考えられる点が見受けられるのであります。たとえば、農林省所管に干害対策に必要な経費として四億四百万余円が支出されております。これは、昭和四十年の干ばつ対策として、水田及び畑地のかんがい用水を確保するため、地方公共団体等が実施する干害対策事業に要する一部の経費を補助する等の目的で経費支出する必要があったので、その経費を予備費から支出するとされておりますが、干害緊急対策の支出としては、一応至当であります。しかしその内容を見ておりますと、毎年毎年そういった干害対策費として、ほとんど同じ個所に対してやられている面も見受けられます。内容においては、河川の切りかえ、あるいはかんがい用水の確保、またはポンプ設備等に充てられたものでありますが、これは農業を営むためには、土地改良が完備されていない今日においては、これらの施設等は応急措置として、当初から完備されていなければならないと思うものであります。名目は干害応急対策事業費補助金となっておりますが、毎年干ばつの被害を受ける個所は、ほぼ同じ個所が受けておる。であるならば、被害を受ける前に、しかるべき干害対策としての処置をとっておかなければならない。毎年のように被害を受けたあとに応急措置をしているのは、政府の農林行政に対する怠慢以外の何ものでもないと思うのであります。もとよりこれらの経費一般会計に組み込んで、長期的な恒久的な農政が行なわれるべきであります。  また、同じく農林省所管に、生鮮食料品価格安定緊急対策に必要な経費として、一億二千万余円が支出されておりますが、これは東京中央卸売市場における取引方法の合理化をはかるための経費の補助がその大部分を占めているわけであります。かねてより、政府は物価の安定を唱え、国民生活の安定向上をはかると公約をされておりますが、物価安定対策の一つである中央卸売市場の取引方法の合理化については、当然当初から真剣に考えられていなければならないはずであります。それが、国民の代表機関である国会の審議を避け、予備費でまかなわれようとすることは、政府の物価安定に対する熱意のほどを疑わざるを得ないのであります。このように、当初から処置されてしかるべきものを予備費にたよることは、承諾しかねるのであります。  また第二に、予備費支出のあり方について疑義があるのであります。毎年、予備費には災害復旧費がその主役をつとめております。会計検査院検査報告の中で、災害復旧事業費に対する不当事項は数多く明らかにされております。たとえば、建設省所管の災害復旧事業として行なわれた北海道札幌市豊平川の工事は、二百七十三万円の工事費のうち予備費使用分として七十五万円が不当であると指摘されております。これはほんの一例にすぎないわけでありますが、国庫補助金として予備費から支出された災害復旧工事について、このように不当使用が指摘されている、こういった点に対して十分検討なされないで、予備費が支出されておることについては、予備費の支出に適正を欠いていると言わざるを得ないのであります。  また、いま話のありました、ベトナム共和国における難民救済援助に必要な経費についても、数多くの疑義を持つものであります。この点については、他日質問等で明らかにしてまいりたいと思います。  要するに、これらの政府財政処理の姿勢には、真剣に国民大衆の福祉を増進する上において、大きな疑念を残しておるのでありまして、以上のことを理由といたしまして、ただいま提案されました案件に対し、不承諾とする次第であります。  以上で討論を終わります。
  13. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員長 吉田賢一君。
  14. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 私は、民主社会党を代表いたしまして、いま議題になりました案件について承諾をする理由を、若干述べておきたいと思うのであります。  当委員会におきましては、いま議題になりましたすべての予備費に関する審議が行なわれました。そこで問題になりました数個の点でございます。ベトナム救援の問題につきましては、これは南ベトナムに、四十一年度初頭約八十万の難民あり、これは四十二年まで継続いたしまして、約百七、八十万。さらに増加しておりまするが、これにつきまして、ベトナム大使館からの緊急援助の要請があって、結局これに対し七千二百余万円の難民救済援助の経費が予備費として支出された、こういう案件でございました。相当真剣な論議があったのでございまするが、私は、やはり一つは南北戦争になっておりますので、北からも要請があれば当然援助をすべきである、北の窮民は同様な状態であろうと思いますので、そういう角度に立って問題を見てきたのでございまするが、そこで、方法としまして、七千二百余万円の物資が救援された。これがもし不当に使われ、横流しがあり、あるいはまた約束品にあらざる物が行き、効果のない物が送られたというような事実がありましたならば、これが国会において証明せられましたならば、これは断固としてその行政措置は糾弾をしていかなければならぬ、こういう角度に立っておるのでございますが、いまの段階におきましては、双方政府間において授受が行なわれておる、こういうことになり、また事実難民であることは間違いない。これは人道の見地から見まして、日本はアジアの先進国として、平和に寄与すべき重要な責任がございまするので、この角度から、この程度のものは予備費として出すことは至当であったのではないであろうか、こういうふうに考えるのでございます。インドネシアの救援の問題でございますけれども、インドネシアにつきましては、これははなはだしいインフレの実情におちいっております。一億をこえるインドネシア民は、全くあちらにもこちらにも多くの死者が出るというようなありさまでございまするので、これに対しまして、これもやはり高い人道の見地から、先進国といたしまして、この開発途上国に対し救援の手を差し伸べるということは至当ではないであろうか、その具体的なあの国におけるインフレ対策とか、あるいはその飢饉の要因とか原因とか等につきましての論議は別途なすべきものでないであろうか、こういうふうに考えまして、さしあたって求められたこの救援に関しましては、予備費を出したことは、これはまた何ゆえにも非難すべきものじゃないじゃないか。インドの問題も、これも重大でございまして、インド五億の国民が、これまた八百万人餓死に瀕する、こういう状態でございまするので、これに対しまして、また同様にこれが救援の手が差し伸べられておるということでございまするので、これも実質的には、私は非難しなくてもいいんじゃないか。北鮮の問題ですが、つまり未還者の問題ですが、これは実情は私自身も調査いたしましたし、また当委員会でも問題になっておりましたが、まあ実態は、やはり北鮮の赤十字社から日本の赤十字社へ、期限切れの協定を一年延ばしてくれという申し出があり、北鮮人の帰還希望者が多数在留しておる、これをどうするかということで、その場合に閣議決定となり、予備費を出した、こういういきさつにもなっておるようでございますので、これも私はそれでいいんじゃないだろうか。ただ、もしその際に、やはり予備費を、あくまでも事後承諾でありますから、予算は国会の議決なくしては使用できない、というのが憲法の大原則でありまするので、便乗的なものがあれば、厳にこれは糾明をしなければならぬ、理由不備であるならば、これは断固やはり糾明しなければならぬ、こういうふうに考えるのでございますが、何しろ平和につながる問題でございますし、北鮮といい、インドネシアといい、ベトナムといい、インドといい、アジアの平和の関係におきましては、重要な要素を占むる諸般の事情がありまするので、日本といたしましては、できるだけ寛容の態度で、これらの諸国に対しまして、人道的見地から、必要な経費支出するということもあり得るのではないであろうか、こういうふうにも考えた次第でございまして、まあその間に、それならば補正予算でも組むことが適当でないか、こういう御意見もあろうかと思いますが、若干、その点につきましては、意見の食い違いということになるのではないであろうか。  全体といたしまして、政府が予算の執行についてあらゆる角度から検査院に批難され、四十年度のごとき百二十余件も批難されておる事実、あるいはまた幾多の不当、不正があらわれました事実、国会で毎日論議が絶えない事実等々、あげれば際限ありませんが、これはやはり政治姿勢を根本的に改めて、行政を改革して、財政、行政の秩序を確立するということの大目的に向かって、全員一致していく以外には手がない、こういうような角度から、私はものを考えておった次第でございまするので、この際、当委員会にかけられましたこの四つの案件につきましては、本委員会におきまして諸般の点が論議されましたけれども、これはやはり承諾することが適当である、こういう結論に私は達したのでございまするので、以上理由を述べた次第であります。
  15. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員長 これにて、討論は終局いたしました。  これより採決いたします。  まず、昭和四十年度一般会計予備費使用調書(その2)について採決いたします。  本件は承諾を与うべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  16. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員長 起立多数。よって、本件は承諾を与うべきものと決しました。  次に、昭和四十年度特別会計予備費使用調書(その2)、昭和四十年度特別会計予算総則第十条に基づく使用調書昭和四十年度特別会計予算総則第十一条に基づく使用調書(その2)、以上三件について採決いたします。  三件はそれぞれ承諾を与うべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  17. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員長 起立多数。よって、本件は承諾を与うべきものと決しました。  次に、昭和四十一年度一般会計予備費使用調書(その1)について採決いたします。  本件は承諾を与うべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  18. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員長 起立多数。よって、本件は承諾を与うべきものと決しました。  次に、昭和四十一年度特別会計予備費使用調書(その1)、昭和四十一年度特別会計予算総則第十一条に基づく使用調書(その1)、以上両件について採決いたします。  両件はいずれも承諾を与うべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  19. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員長 起立多数。よって、両件は承諾を与うべきものと決しました。  なお、ただいま承諾を与うべきものと決しました各件の委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  20. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————   〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————
  21. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員長 次に、先ほど説明を聴取いたしました大蔵省所管決算及び大蔵省関係政府関係機関決算について、審査を行ないます。  これより質疑に入ります。質疑の通告がありますので、順次これを許します。小峯柳多君。
  22. 小峯柳多

    ○小峯委員 大蔵大臣に、二、三の点で御質問申し上げたいと思います。  この決算委員会で、財政投融資計画というものがかなり大きな存在になってきておるので、このあり方に関して審議をしようじゃないかということになりまして、先般、理財局長から、事務的なお話はかなり詳細に承ったのでございます。しかし問題が問題でありますから、総括的な意味で、大臣に御見解を承りたいと思います。  まず財政投融資というものの国民経済的な意義といいますか、これがあることで、国民経済がどういう利益を受けているか。財政投融資というもので、民間資本の利潤率の維持やら、あるいは負担の軽減というものに役立つことを通して、経済の安定、成長に役立っておるという面が一つ。それからまた、これを弾力的に編成したり運営することによって、景気の調節に機能的な働きを持たせ得るのではないかというふうに考えておりますが、ひとつその辺の御見解を伺いたいと存じます。理屈を言うのではなしに、むしろこういう問題を率直にお話し合いをしまして、一つの方向というものを見つけていきたいと思いますから、ざっくばらんに御見解のほどを承っておきたいと思います。
  23. 水田三喜男

    ○水田国務大臣 御意見のとおりでございまして、たとえば、本年度で言いますと、二兆三千八百億円という財投の融資は、国民生活に重大な関係を持っております。したがって、景気調整的な機能をも十分持たせ得るものでございまして、現に今年度の財投計画におきましては、昨年の伸びは二割五分をこえる伸びでございましたが、本年度は景気調整的な意味を持ちまして、一割七分台にその伸びを縮めてあるというようなことも、そういう意味を持たせた措置であったというふうに考えます。
  24. 小峯柳多

    ○小峯委員 前段の問題で、商業ベースの金融では好ましい方向に経済が動かないというときに、原則として、こういうものを使うというふうに、私は考えたいのでありますが、それでよろしゅうございますか。  それから今度は、財政投融資の行政的な意味といいますか、私は、予算によらない一つの行政計画だと思います点が一点。それから、いい悪いは別にいたしまして、財政支出の膨張を食いとめる機能があるように思うのですが、大臣、どういうふうにお考えになっていらっしゃいますか。
  25. 水田三喜男

    ○水田国務大臣 そういう機能も持っておりますが、むしろ経費の効率的使用というものに非常に役立つ機能を、この財投計画は持っておると思います。たとえば、政府の補助金によってやる事業といいますと、効果のある仕事であってもなくても、地方は事業計画を立てて補助金をもらおうという仕事がたくさんございますが、これに補助金だけではなくて、一定の融資、財政融資というものを加えることによって、ほんとうにそれが効果を持っており、そしてその事業が将来においてペイするかどうかということを地方は真剣に考えて、財政投融資がつくことによって、その事業をやめたりこれを推進するというようなことを現実にきめるものでございますので、そういう意味におきまして、国の予算支出とこれをからませることが、資金の効率的利用になるという面が非常に多いというふうに考えます。
  26. 小峯柳多

    ○小峯委員 お説のとおりでありますが、ただ、実際上の編成の過程を見ますと、予算の規模をふくらましたくないという点で、肩がわりするような面も間々あるように、実は見受けられるのでありますが、そういう点は、財政当局としてはお考えになっておりませんか。
  27. 水田三喜男

    ○水田国務大臣 そういうことはないと思います。むしろ、いま言いましたように、これと財政支出がからむことによって、事業が効率的に運用される。そういう面から、財政投融資を私どもは考えておるということでございまして、支出を、特に予算を縮めるために、これを使っているということはございません。
  28. 小峯柳多

    ○小峯委員 そのとおりだと思いますが、いまの財政投融資計画は、大臣のおっしゃった額のほかに、自己資金というものを入れますと、かなり大きなものになります。おそらく一般会計におっつかっつの数字になるのじゃないかと思うのです。私はそれだけに、非常に大きな存在だろうと思うのでありますが、まあ正直なところ、これは国会審議の場ではほとんど取り上げられておりません。編成、そしてそれを実施する面で、大臣は、国の最高の権力であり、最高の立場である国会というものに審議をさせるようなことをお考えになっていらっしゃいますか。
  29. 水田三喜男

    ○水田国務大臣 この財投の対象事業は、いわゆる特別法によってできておる法人ということでございまして、それにはいろいろ性格の違うものが網羅されておりますので、それらの機関事業計画の一部または全部、国会の議決による予算によって規制されているものと、そうでないものと、いろいろございますが、そういう区別が各機関の中にあるということは、やはり実情によっていろいろ考えられたことからの制度ということでございますので、これを一律に国会の議決にかからせるというような措置は、非常に実情に即さないというふうに、私どもは考えております。
  30. 小峯柳多

    ○小峯委員 承ったお話の中で、資金を効率的にお使いになるということが非常に重いように御指摘になっておられますが、その面と、それから景気の調節を、これを弾力的に運営することでやるという機能、この二つがまともな意味の財政投融資だろうと思うのでありますが、どっちが重いとお考えになっていらっしゃいますか。やはり並行して使っていくというふうにお考えになっていらっしゃいますか。
  31. 水田三喜男

    ○水田国務大臣 財政資金は、国がお預かりしている資金でございまして、同時に最も有効に運用するという義務を持っていますので、したがってこの運用の対象は、国民生活に最も密接した、なるたけ公的なものへ運用するという必要があろうと思います。そういう意味におきまして、いま言いましたように、やはり国の政治と関係しておる仕事への運用でございますので、これはさっき申しました、予算とのからみ合わせというような組み合わせ方によって、効率を発揮するように運営するということへ重点が置かるべきだというふうに考えます。
  32. 小峯柳多

    ○小峯委員 そうすると、こういうことですか。私はポジチブな意味では、国民経済的な意味だとか財政的な意味に使うのでありますが、せっかく集まった大切な資金の安全な運用のためにもこれが必要だ、というふうに考えてよろしいのですか。
  33. 水田三喜男

    ○水田国務大臣 そういう意味で必要だというばかりではなくて、またもう一つは、広く国民の資金であるから、国民生活に還元するようにという、使途についてもいろいろ要請される問題がございますので、こういうものも勘案して、こういう計画を立てると同時に、使途別分類をして、どういうところにこれが使われているかを国会に示すという措置もとっておることでございまして、要するにこれは国家資金でございますので、いま言ったような、国民生活に最も必要なものへこれを優先的に使うということと、この資金が効率的に使われること、運用されること、国民の金でありますから、最も安全にこれが管理されること、というようないろんな要請を持った資金であるというふうに考えております。
  34. 小峯柳多

    ○小峯委員 だんだんお話を承って、非常に多角的な意味を持っているように思いますので、こういう考え方をやはりきっぱり整理なさって、これほど大きな姿になってクローズアップされますと、私は、やはり財政投融資自体として、一つのはっきりしたお見方をお持ちになり、国民にも知らせ、国会にもこのデテールを知らせ、また議論の対象に、審議の対象にするというふうなことが必要だと思うのでありますが、これは重大問題でありますから、あなたの御答弁を求めるとかえっていけないかと思いますから、遠慮をいたします。  いまの国民経済的な中の景気調節の機能といいますか、私は少し先走ってものを考えているのでありますが、このフィスカルポリシーというものが、国債が出だしてからやや窓を開いたような感じがして見てきたのでありますが、ことしの国債というものは、正直なところ、少し昨年の国債に比べて性格を変えているような感じがするわけです。同じような国債ですが、四十一年度国債というものは、フィスカルポリシー的な観点から、ポジチブな意味を持ったと思うのでありますが、ことしの国債を見ると、何となく、そういうところは御答弁しにくいでしょうが、赤字補てん的な意味を持ってきているような感じ、他動的な国債になってきておるような感じを受けてならぬのであります。そういう意味で、そういうふうに国債というものがフィスカルポリシーのてこにならない。とすれば、こういうふうなものも、大臣、自分の頭の中の体系でアレンジされて、これを縦横に駆使することによって、そのフィスカルポリシーの一つの手段になりはせぬだろうか。先ほど決算の報告をずっと読ましていただいておりまして、各政府関係機関特別会計の中に、金額が急にふえております。これは景気対策としてこういうふうにふやしたのだという説明がかなりございました。言いかえますと、財政投融資の一環として、景気対策でかなりものをいってきているように私は思いますので、これをもう少し整理して、実はかなり長い時間、この間理財局長からお教えをいただいたのでありますが、理財局長は、ことこまかに御親切に御説明くださいましたが、もう一つ私どもから見ると、国民経済的な機能とか、財政的な機能とか、フィスカルポリシーにおけるファンクションとかいうふうな問題では、ちょっと実はこちらの勉強が足らぬせいであったと思いますが、のみ込みがしにくかったから、こういう機会にお伺いするわけであります。  そこで、このフィスカルポリシーにこれを使うとしますと、資金がかなり他動的だ。資金が、郵便貯金だとか、郵便年金だとか、簡保の資金だとか、こういうものがいまのところは順調に伸びております。ことに社会保障の充実と並行して、かなり資金が充実してきているように思いますから、その資金には事欠かぬと思いますが、ただその資金の集まり方が他動的で、その条件に、たとえば経済界の状況、これから国債なんかもかなり続くのじゃないかと思いますし、そういうもの等を含めて、原資というものに制約が出てくるような感じも実は受けるのであります。そういう場合に、それではそのほうの制約は政府保証債で補うとかなんとか、一つの方式というものが、そろそろ財政投融資というものを通じて、必要になってくるような段階じゃないだろうか、私はそういうふうに考えますので、どうぞひとつ——ことに大臣は民間の御経験もあって、お役所出身の方だけですと、たいへん失礼でございますが、新しいビジョンということになかなか御見識が立たないような感じのものもありやせぬかと思いますので、せっかく民間御出身の大臣、特に見識豊かな大臣でありますので、私はこの点を特にお願い申し上げまして、あまり聞いてはいかぬような点もあるような気がしますので、これで終わります。
  35. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員長 佐藤觀次郎君。
  36. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 水田大蔵大臣にお尋ねいたします。  今度の決算で、予算の施行ということについていろいろと報告を受けたのですが、きょうの小沢大蔵政務次官からの通知でも、会計検査院から七件にわたる注意を受けたといわれるのです。水田さんはこれで大蔵大臣は二回目だと思うのですが、あなたの経験からして、大蔵省が会計検査院からこういうような注意を受けるようなことがあるということはどうもおかしいのじゃないかと思うのですが、それはどういうようにお考えになっておりますか、伺いたいと思います。
  37. 水田三喜男

    ○水田国務大臣 毎年、会計検査院の御指摘を受けるということは非常に遺憾なことだと思っております。それでは、こういうようなことを二度と起こさないためにどうしたらいいかという問題でございますが、非常に私どもは苦心しておりまして、先般本会議のときもちょっと申しましたが、大蔵省の主計官全部で、会計検査院と予算編成前には連絡会を持ちまして、そこであらためていままで指摘されたものについての注意を聞き、そこを避けるためには今後どうするかというような会合を持って、そうしてまた各省に大蔵省からこの問題を通知をして、こういうことのないようにという対策というものを——予算編成のときには必ず決算の成果を一応消化して、新しい予算の編成に臨むということはただいまやっておって、こういう問題を避けようとやっておりますが、なかなかそう簡単にはいきません。ことに、大蔵省でいいますと、大蔵省で指摘されているものの大部分は税の徴収過不足の問題でございまして、したがって、この研修とか、そのほか、こういう問題について、特に気を使っていろいろやっておりますが、人口の都市集中とかいろいろなものがございますので、これが十分にいきませんために、特に税務事務の忙しいところに税務署を新設したり、あるいは人員の配置を重点的にやるというようなことで、こういう問題を避けることに気はつけてはおりますが、また毎年少しずつ指摘される金額を減らすということにはだいぶやっているようでありますが、根絶するというところまでいかないのは非常に申しわけないと思っております。
  38. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 それから、これはとっさの話でございますけれども、どうも大蔵省の管轄の区域が広過ぎるというような感じを持つのです。そこで、私がこんなことはできるのじゃないかと思う一つの問題は、いま公社公団が非常に多過ぎるので統合しようという問題が盛んに起きておるわけでありますが、国民金融公庫中小企業公庫というのは性格が同じで、きょうは河野国民金融公庫総裁も来ておられますから、御存じだと思うのですが、国民金融公庫は、御存じのように非常に地方に支店が分散されておって、出張所の関係で非常にうまくいっていると思うのです。ところが中小企業公庫はある点まで銀行のやっかいになる面があって、資金の膨大な点もある関係上、なかなか機能を発揮しない点があると思うのです。そこで非常にむずかしい問題だと思いますけれども、国民公庫の中へ中小企業公庫を入れて、そうしていま国民金融公庫は最高三百万でありますが、中小企業公庫は一千万円以上になっておりますが、これはAなりBなり二つの区域について同じところで仕事をやったらどうかというふうに思うのですが、こういう統廃合をやれば、民間の者は非常に喜ぶと思うのです。中小企業関係の人が喜ぶと思うのですが、こういう問題は、大蔵大臣直接のあれではありませんけれども、実際にわれわれがそういうような感じを持つのですが、大臣はそういうことについてどのような考えを持っておられますか、伺いたいと思います。
  39. 水田三喜男

    ○水田国務大臣 そういうような御意見にもしばしば接しますし、部内でもいろいろ検討はいたしておりますが、問題は、国民金融公庫のほうは零細な資金の供給、やはり庶民金庫、恩給金庫というものから発展してきたものでございますので、そういう交付公債担保の金融とかいうような、ほんとうの庶民金融の場所であって、金額も限度が低い。一方、中小企業金融公庫のほうはまた違った性格の金融機関でございますので、これを統合したほうが、実際に中小企業者そのほかに便利であるのか、むしろいろいろ中小企業金融機関がこまかくなるほうが、実際には中小企業にとっていいことになるのじゃないかというような点で、種々議論が出ておりますが、いまのところは、合併するよりも、別々の機能を持って存在するほうが中小企業にはむしろ有利ではないかというような意見のほうが、内部では強いというようなことで、これは将来の課題として考えますが、なかなか、これを合併したほうが中小企業金融のためには円滑にいくという議論が、いまのところ出てこないと思うのです。
  40. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 そういうことともう一つ関連して、これは人間的な関係だと思うのですが、地方に、たとえば名古屋だとしますと、国税局とそれから財務局と税関と三つあるわけですね、大蔵省の管轄のあれが。そこで、そういうものをひとつ一本にまとめてやったらよさそうなものだと思うのですが、これは大蔵省の系統で、国税関係それから財務関係いろいろ違っておるのですが、こういうようなものは、やはり実際上の政治をやる場合には、ひとり大蔵省のことばかりではなくて、農林省もそうだし、それからその他の運輸省とか、そういうような、地方に分散されて非常になわ張り争いで、困っているのは地方民が困っているのだが、そういう点ではよそのことはあれとして、大蔵省でそういう声が起きないのかどうか。私たちは、国民のためにはそういうものを統合して、一本の形で、税金の問題とそれから財務の関係のことをやっておれば非常にうまくいくのじゃないかと思うのですが、そういう点は、一体大臣はどのようにお考えになっておられるか、それを伺いたいと思います。
  41. 水田三喜男

    ○水田国務大臣 地方に出ておる大蔵省の機関としては、国税局、税関それから財務局でございますが、取り扱っておる事務が全く性格が違いますので、これを一緒に統合してやるということは、いまのところ不可能でございますので、機構の簡素化というような点につきましては、その三部門別々に、その中における統合、合理化はやって、相当の実績をあげておりますが、この三つの機関を地方において一つに統一して、持っている機能を一本でやらせるということは、仕事の性質が全く違いますので、事実上できないと思います。ただ、国民が大蔵省関係の事務に関係する場合に、あまりばらばらで不便だということはございましょうから、したがって、庁舎をつくる場合に合同庁舎とかというようなことで、この三機関が一緒におる方法は考えましても、機能それ自身を一本に統一するということは、いまのところできないと思っております。
  42. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 先ほど小峯君からも財投の話が出ましたから、質問しませんが、最近、国債のことについて、きのう日銀の総裁からも、国債をもう少し繰り越してくれ、あとのほうに延ばしてくれというような意見もあるし、都市銀行のほうにおいても、いまの国債についてはいろいろな批判があるのですが、われわれは前から、この国債というものは非常にインフレを助長するようなことになるということで、反対をしてきた。大蔵大臣、かわって水田さんがなられたのですが、こういう点について、国債の問題がまた問題になってきたのですが、大臣は国債をやめるような考え方を持っておられないのかどうか、これもついでに伺いたいと思います。
  43. 水田三喜男

    ○水田国務大臣 この問題につきましては、しばしば申しておりますように、税収が増加するという事態がございましたら、できるだけ増加分を経費の増額には充てないで、これを国債の減額に使うというふうに、いま考えておりますので、この収入増の実態が明らかになってくるというようなときには、一応、私は公債の削減ということを当然考えた運営をしたいと思っております。
  44. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 先ほど小沢政務次官から、補助貨幣の問題についてちょっと説明がございましたが、前に私は大蔵委員会におったときに、補助紙幣の問題で、いまの百円の紙幣の問題を検討しろということを盛んに言ったことがあります。いまの百円銀貨というものは、あまり尊敬を持てないような感じがするので、たとえば同じチップにやっても、あの小さなものより、百円紙幣のほうが効果があるように思うのですが、補助紙幣の問題をどのように考えておられるのか。これはインフレとの関連があるので、前々からわれわれは議論をしておるのですが、この点はどういうような方針であるか。きょう意見が出ましたから、ちょっと伺いたいと思います。——理財局長でもいいですよ。
  45. 中尾博之

    ○中尾政府委員 百円玉につきまして、過日改正をいたしました機会にも、いろいろ御議論がございまして、いろいろ承っております。当時申し上げましたとおり、ごく小額の流通速度の早い、主として一般生活に使います補助貨につきましては、これをなるべく硬貨にいたしましたほうが便利であるというのが、まず一般であろうと思います。世界的に見ましても、本日現在で二、三百円以下の紙幣——紙幣と申しますか銀行券と申しますか、要するに硬貨以外を使っておるという例はほとんどございません。これが大勢であろうと思います。そういうことでコイン化を進めてまいったのでございますが、非常にその速度がおそくなりまして、と申しますのは、通貨の需要のほうが非常に多くなったものですから、なかなからちがあきませんで、東京と大阪近郊ぐらいしか通用していなかったのでございます。金融機関あたりの窓口から見ますと、たとえば中京地区あるいはそれに準ずるようないろいろな都市地区におきまして、特にそういう御要望も強いというようなことで、そういうことからコイン化をさらに促進することにいたしております。実際問題といたしましては、これは一挙にできませんので、数年かかると存じます。それでコイン化をやっていくという方針にきめておるわけです。しかし、当時も御議論がございましたように、日常の生活は生活でありますが、また使いようによっては、お札のほうがぐあいがいい場合もあるのだというような御議論もあります。大体におきましてコインのほうが便利であろうと思いまするから、その辺は統一的にコイン化を進めてまいりますが、なお先のことでございまするので、それが完成する時期におきましても、一部紙幣の流通がほんとうに必要であるということでございますれば、その時期に、なお慎重に検討いたしたいと考えておりますが、しかし大部分、実際に流通いたします分につきましては、コインのほうが、お使いになるほうの側にとりまして便利であるというふうに、私ども確信しておる次第でございます。
  46. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 実はせっかく東海林さん、専売公社の総裁が来ておられますから、お尋ねいたしますが、御承知のように、たばこの売り上げの伸びが非常に進行していない。酒なんかは非常にふえるけれども、たばこは伸びがないということについて、いろいろ議論があるのですが、そのことと、もう一つは、きのう太田君の塩の専売を廃止しようというような意見も出ておりますが、前々からそういう意見が出ておったのですが、その二つの問題はどういうようにお考えになっておりますか。簡単でよろしいので、御説明していただきたいと思います。
  47. 東海林武雄

    ○東海林説明員 塩の問題から申し上げたいと思います。私は塩の専売は廃止するという御議論の詳細については承っておりませんけれども、国内の塩が外国の塩に対して非常に高い、こういう点が一つの問題点だろうと思います。現在、御承知のとおりに、外国から今年度に輸入いたします塩が四百五十万トンに達するということであります。そのうち四百十七万トンがソーダ工業用の塩であります。そうしますと、限度一ぱいつくりましても、国内の塩は九十二万五千トンしかないのでありますから一それがただ非常にいまのところ値段が高い、こういうことに相なるのであります。われわれとしましては、国内の塩というものがもっと安くできないかということで、これはいま問題になっておりますイオン交換樹脂膜の製塩を、国内で五企業に対して許可いたしまして、この成績が出てくるのは先でございますけれども、現在の試験段階におきましては、相当いい成績をあげているということで、私としては、日本の製塩に対する将来の希望というものを一応持っていいのじゃないか、かように考えております。われわれは製塩のコストの引き下げにそういうような努力を払う、同時に流通機構の問題につきましても、いま委員会を開いてやっておりますので、あらゆる点から見まして、塩というものはある程度国内で自給する必要があるという観点に立って、直ちに専売を廃止してしまうという考えには至っておりません。この点につきましては、また機会がありましたら、詳しく申し上げたいと思います。  それから、その次は、たばこの御質問でございますが、たばこの売り上げの数量が減っているというお話でございましたが、なるほど四十一年度は四十年度に比べますと伸び率が五・七%、千八百三十六億本という数字を示しておりますけれども、これを最近の五ヵ年間に見ますと六・三%、前年度に比べますと五・七%で、落ちているのでありますが、しかし通算してみますと、たいした落ちはない、大体横ばいじゃないか。しかし中身を検討いたしますと、減ってくる傾向は多少見られます。そういう点につきましては——ただ金額を見ますと非常に大幅に伸びておりまして、逆に九・六%の伸びを示しておるのであります。それよりは若干減ったが、金額では伸びておる、こういうような結果になっておりまして、いまのところは大体横ばいの傾向ではないかと考えております。でありますから、この点につきましてはわれわれの努力の足らない点もございますが、これはいろいろ問題点がございますので、今後の売れ行きに対しては、いろいろな面からひとつ検討していきたい、かように考えております。
  48. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 もう一点、河野国民金融公庫総裁に二、三点お伺いしたいのですが、その一つは、だいぶ国民公庫は地方に出張所がたくさんできまして、円滑にいっておりますが、資金量のワクをもっと伸ばせないものかということが第一点。  第二点は、もっと金利を安くしたらどうか。非常に零細企業の方がたくさん利用されておるので、そういう点でもう少し金利を下げるべきではないかということが第二点。  それから、御承知のように、ああいう国民金融公庫とか中小企業公庫というのは、職員は大体銀行並みのような仕事をしておって、銀行が非常に待遇がいいのに、いわば谷間にあるような待遇を受けているのじゃないかということをわれわれは考えておるのだが、そういう点についてはもっと配慮をすべきじゃないか、と私は考えておるのだが、この三点について、河野さんどういうようなお考えか、お伺いしたいと思います。
  49. 河野通一

    ○河野説明員 お答え申し上げます。  第一のわれわれの公庫資金量をもう少しふやしたらどうかということでありますが、私どものお客さんの資金需要というものは、景気の変動の状態にかかわらず、非常に潜在的に強い状態でございます。したがいまして、できますなら、私どもの資金量をもう少し大幅にふやすことができまして、そういった需要に応ずることができれば非常に幸いだと考えております。しかしながら、御案内のように、私どもの資金は、源すべて政府の財政資金に実はたよっておるわけであります。私どもが希望することだけによって、そういうわけにもなかなかまいりません。政府御当局ともいろいろ御相談をして、できるだけそういった方向で、今後努力してまいりたいと考えます。  それから、金利の問題につきましても、やはり同じような事情で、地方零細企業の金融の条件というものは、できるだけ優遇した形で処理されるべきものだというように私ども考えております。しかしながら、これも金融機関であります以上は、救済ではございませんので、そこらあたりおのずから限界もございます。それで一般の金利との関係等も考えなければなりませんので、これらの条件の許す限りにおいて、できるだけ金利を下げていけるように今後努力いたしてまいりたい。ただこれも十分な政府の御援助、御協力をいただかなければ、私どもだけの力ではおのずから限界がございます。もちろん経費の節減、能率化ということについては、従来からも努力いたしておりますし、今後もいたしますけれども、それだけではなかなか大幅な金利引き下げということはむずかしい状態でございますので、政府にお願いして、そういった資金コストの軽減ということを何らかの方法ではかっていただいて、金利の軽減には今後つとめてまいりたいと思います。  それから、職員の給与でございますが、これはいろいろな考え方がたくさんあると思うので、私どもできるだけ、事情の許す限り、職員の給与は、待遇は改善をしてまいりたいという努力は怠っておりませんが、私どもの仕事の性格からいって、いろいろ予算上の制約その他がございますので、そういった点を十分考えて、その条件の許す範囲において、できるだけ給与の改善をはかっていきたい。いまのところでは、ただいま佐藤さんからも御指摘がございました、同じような性格の中小企業金融公庫あたりと、大体同じような給与の状況ではないかと思います。それではたしていいのかどうかということについては、いろいろな問題がございますけれども、今後一そう研究してまいりたいと思います。
  50. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員長 阿部喜元君。
  51. 阿部喜元

    ○阿部(喜)委員 時間が十分だそうでありますから、大ざっぱに申し上げます。  補助金行政についてお尋ねをしたいと思うのですが、今日、非常に政治に対する不信感が漂うておる時代でありますので、いかにして政治の信用を高めるかという観点からも、補助金行政に対してひとつ魂をこめて御検討願いたいという立場から、いろいろの答申がありますが、時間がありませんから二つばかり具体的に聞きたいと思うのです。  まず、イギリスなんかは、総予算の四%、これは三十八年の資料で、ちょっと古いのでありますが、フランスが五%、日本が二五%、こういうような補助金の割合、だと聞いておるのでありますが、大体目で七百三十二と聞いておりますけれども、大蔵大臣、目の下の細分化された数は大体どのくらいございますか。
  52. 水田三喜男

    ○水田国務大臣 目にして八百八十三件、これが本年度の数字でございます。その下の数は相当多くて、膨大な数字になるのではないかと思います。
  53. 阿部喜元

    ○阿部(喜)委員 相当多くでは困るのでありまして、これはひとつ各省別に、この際提出をしていただきたいと、要求いたしておきたいと思います。  そこで、大蔵大臣も、行政調査会の答申を御存じと思いますが、そのうちで、二つだけ例をあげて質問をいたしたいと思いますが、その中で「同一ないし類似目的のものは統合し、二以上の省庁が関連しているものも一元化して統一的に実施」せよ、こういう項目がございますが、それにかんがみまして、一つ例をあげますと、青少年問題の予算を見ますと、またがっておるのが、総理府、外務省、文部省、厚生省、労働省、通産省、農林省、建設省、運輸省、法務省、警察庁、最高裁判所と、これだけまたがっておるのです。これはいろいろの都合があろうかと思いますが、これをまとめられて、血の通った補助金行政をやる意思はございませんか。
  54. 水田三喜男

    ○水田国務大臣 予算としては、各省ばらばらに青少年関係の費用はついておりますが、実際のその予算をきめるときには、青少年対策というものを、総理府において一本で研究して、そうしてそこでこの対策をきめ、これを各省庁別に配賦するという措置をとっておりますので、ばらばらになっているようでございますが、予算編成のときには、一応全貌にわたった審査をするという形になっております。
  55. 阿部喜元

    ○阿部(喜)委員 次に、全国の知事会が、昨年の十二月だったと思いますが、零細補助金の合理化に対する要望を出しております。それに対して、メニュー化すべき補助金が二十、統合すべき補助金が十三、廃止すべき補助金が四十三、こういうものを出しておりますが、今度の予算でどれだけ実現されましたか。
  56. 相沢英之

    ○相沢政府委員 知事会の、補助金の合理化に関する意見では、メニュー化が二百十一件になっておりますが、これに対しまして予算で措置したものが、メニュー化で五十九件、統合が六十一件、廃止が三十四件、終期——補助金の終了する時期でございますが、終期の設定が二件、その他三件で、百五十九件を処理いたしております。それから統合は、知事会案では百十五件となっておりますが、予算上処理いたしましたものが、統合で三十件、廃止で二件、計三十二件。それから、知事会の案で廃止七十五件ということになっておりますが、これに対しまして予算上措置いたしたものが、統合二十件、廃止が三十四件、終期の設定が四件、その他五件、計六十三件ということになっております。
  57. 阿部喜元

    ○阿部(喜)委員 そこで、非常に努力をされたあとはよくわかるのでありますが、一つだけ、補助金を廃止してそれにかわるような委託費としてつけてある例があるのであります。私もいろいろ調査をして、これは裁判所の例で、はなはだ恐縮でございますが、裁判所所管の補助金が、日本調停協会連合会に三十一年から出ておる。ところが、四十年に、この補助金の整理の対象となり、整理された。整理されたけれども、その裏では、委託費として四百七十万四千円出ておる。これはまじめな裁判所でありますから、実際は要る費用だと思いますけれども、表面では廃止した、そうして裏で委託費としてつけておる、こういうことでは、やはり国民を恵弄するものじゃないか、こういう例が各役所にたくさんあるのじゃないか、かように考えておりますので、大蔵省には——きのうも衆議院本会議で、大蔵大臣が、いま調査を始めておる、こういうことを聞きましたのですが、非常に頭脳明晰、愛国者が大蔵省に多いと思いまするが、ひとつ魂を込めて、この際これを調査して、検討してもらいたい、かように思います。  これは委託費としてついておるのでしょうね。
  58. 相沢英之

    ○相沢政府委員 裁判所の調停委員会に対する補助金の件につきましては、私ちょっと詳しく経緯を存じておりませんが、補助金としてやるよりも、その調停委員会の性格、事業の性格に従って見ますと、むしろ委託費として交付するのが適当ではないかということで、切りかえられたのではないかと思います。補助金制度——いわば点数をかせぐために、補助金をほかのものに切りかえて、実質的には従前と同じようなことをやるということは、私どもはやっておりませんから、そういうようなことはないと思います。
  59. 阿部喜元

    ○阿部(喜)委員 それから、時間がありませんから、開発銀行の総裁も見えておるので、一点だけ伺いますが、この開発銀行が非常に戦後日本の復興に役立っておるということは、非常に認めておるところでありますが、四十年度と四十一年度貸し付け残高を見てみますと、地方開発貸し付け残高が同じなんですね。いろいろもう少し詳しく聞きたいのですが、海運、電力が全体のパーセンテージからいって非常に多い。いろいろ業種別に説明しておると時間がありませんが、結論を先に申しますと、地域開発が約一割しかない。そこで、開発銀行が創設されてからの目的は、非常に時代に即応して、役目は果たしておられると思いますが、特に私は、政治の姿勢として、地域格差の是正、低開発地域の開発、これは政治の根本理念でありますので、思い切って、地域開発のワクをふやすお考えはございませんか。
  60. 石原周夫

    ○石原説明員 本年度、四十二年度におきまする地域開発金額は四百億でございます。前年度、四十一年度が三百八十五億、その前年が三百四十億、開発銀行の四十二年度の全体の資金ワクは増加の率が少ないものでございますから、地方開発のほうも、三百八十五億から四百億という程度の増加にとどまっておりまするが、ここ二、三年を見ますると、毎年大体二割ないし二割五、六分くらいの増加になっております。したがって、三年間を平均してみますと、おそらく二割くらいの増加になっておると思うのでありまするが、そういう意味では、開発銀行の中の各種の融資対象のうちで最も力を入れておるものの一つであります。したがいまして、こういうような地域開発の金の分け方につきましては、私どものほうは大蔵省から財政投融資の金をもらっておるわけでありまするから、大蔵当局と十分来年度予算におきましても相談をいたしまして、この地方開発のほうにもまた十分金を回せるようにいたしたいと思っております。
  61. 阿部喜元

    ○阿部(喜)委員 それからもう一点、金利の問題ですが、海運、電力が六・五%、石炭、硫安が六・七%、産業関連が七・五%、地域開発だけが一番高い八分二厘ですね。これは一番回転がおそくてやらなくちゃいかぬのが、金利が八分二厘で一番高い。これを安くするような考えはございませんか。
  62. 石原周夫

    ○石原説明員 開発銀行の融資に対しましては、いわゆる基準金利というものと特別金利という二本立てになっておるわけであります。基準金利は一般の貸し付けに対しまする金利でございますが、お話しになりました地方開発融資もこの中に入っております。それに対しまして、いまお話しのございました電力、海運などにつきましては、特殊の性質から、いわゆる特別金利ということになりまして、これは六分五厘ということになっております。地方開発のほうの金利はもっと下がらぬのかというお尋ねでございますが、御承知のように、開発銀行の基準金利は、四十一年の一月に八分七厘が八分四厘になりました。十月に八分四厘が八分二厘になりました。去年一年間だけで五厘引き下げております。これは一般市中金利の推移を見てきめておるわけでありますが、なお、特別金利との差は、いまお話しのような差があるわけであります。従来から、地域開発の中でもまた後進性の著しいものについて、あるいは大都市からそういう地域に引っ越しをしてまいる、そういうものに対しましては、特別に金利を下げたらどうかという議論もございます。四十二年度の予算編成のときもございました。これはおそらく依然として残る問題であろうかと思いまするけれども、あるいは四十三年度予算のときあたりには、またそういうような地方開発の金利のうちで、さらに優遇を要するものがあるかないか、あるいはそれ以外にも優遇を要すると考えられるものと比べてみて、いずれを優先的に考えるかということは、十分大蔵当局とも御相談をしなければならぬと思っております。
  63. 阿部喜元

    ○阿部(喜)委員 時間がありませんから、これできようはやめます。
  64. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員長 中村重光君。
  65. 中村重光

    ○中村(重)委員 時間がないから、まことに残念ですけれども、そこで単刀直入に大蔵大臣に見解を伺いまするが、問題の、公社公団に対しましては、世論の批判が非常に強くなっておる。いま環衛公庫の問題であるとか、あるいはその他のことについて、佐藤委員からいろいろ指摘があったのですが、大臣は、これはそれなりに妙味があるのだとおっしゃった。私は、商工委員会で、今度つくろうとする振興事業団の問題——私は、党の中で環境衛生特別委員会の委員長をしておるので、そういう内容について詳細に検討してみた。いままで積極的に取り組んできた私ですけれども、何のためにつくったのかさっぱりわからないですね。なるほど前向きになった点もあるが、うしろ向きの点が非常に多いのです。たとえば現在は国民金融公庫を窓口として、特別融資が六百万となっていたが、今度は環境衛生公庫ができると、国民金融公庫を窓口として融資されるのは三百万円までとなり、後退となるのです。事業団の場合も、事業費の六五%は貸す道を開くのだというけれども、いままでは五〇%の二分の一は無利子だった。今度は利子をつけよう、そういうことで進歩がない。しかしそういうことを一つ一つ言ったのでは時間がない。そこで、公社とか公団というものを何のためにつくるのか。これは端的に言って、各省から局長、次官クラスの人たちがやめる、そういう人たちの行き先きをつくるための組織であるという批判が出てきておるということは、私は、確かにそういう批判の余地というものがある、問題があると思う。総理も、臨調が答申をしたその線に沿うて、政治的ないろいろな抵抗というものを排除して、これを整理するために取り組むのだ、また関係大臣に対してもそれを指示したということは、あなたが御承知のとおり。そこで肝心かなめの大蔵大臣は、公団、公庫事業団等の整理統合に積極的に協力する意思があるのかどうかというのが一点であります。  それから、残されたものに対しては、理事、監事の増員をすべきではない。その点、大蔵大臣はどのようにお考えになるかという点であります。  それから、報酬あるいは退職金、交際費があまり多過ぎる。役人をやめたときに退職金を相当もらう。そしてそういう特殊法人に行く。二つ、三つかわるのですね。ところがこの表を見てもわかるように、三十万ないし四十万、これは相当高い。それから退職金にしても、月額給与の百分の六十五かける在職月数、これはもう膨大な額になる。そうして、二つかわると、またそれだけもらう。役人のときの恩給はついておるでしょう。交際費がこれまた年間四百万、三百万、二百万と、非常に多いのですね。こういうのを減額する。合理化すべきものは合理化して、勇断をもってやるべきである。とにかく、国民から何ということだといって痛烈な批判を受けないように、この際、閣僚の中でもきわめて良識のある大蔵大臣ですから、良識をもって、勇断をもって、国民の期待にこたえることが非常に大切であろうと思うのですが、それらの質問に対し、あなたの考え方を明らかにしていただきたい。
  66. 水田三喜男

    ○水田国務大臣 公庫、公団の整理、統合ということに積極的に協力するかということでございましたが、これは積極的に、私ども協力するつもりでございます。  それから、給与の点でございまするが、この機関に有能な民間人を求めて、広く民間人を入れようということにいたしますと、給与体系を、民間の企業と均衡をとったものにしなければならぬということから、いまの公庫、公団の給与体系ができたのでございます。これは、その限りにおいては、私は不当であるとは思いません。かりにたとえば退職手当の問題にしましても、百分の六十五という数字に対する民間の数字はどうかと見ますと、やはりそれより大きい七十、八十五というのが多いということから見ましても、退職手当の面でも民間給与との均衡をとれということになりますと、給与体系はそう不当ではないと思いますが、問題は、広く民間人を入れるということを予定してできた機構に、事実上は役人が多く入っておるということから、いろいろの御批判が出ていることは確かでございます。この点は今後公庫、公団の問題を扱う場合、行政管理庁を中心としまして、一ぺん総ざらいして、全部をここでひとつ合理的に直そうじゃないかということにもなっておりますので、その過程において、十分考えたいと思っております。  理事、監事の増員の意思は持っておりません。
  67. 中村重光

    ○中村(重)委員 民間の関係をお引きになったのですが、私は民間人を協力させる場合であっても、これほど多い給与とか報酬とか退職金というようなものは、おそらく——それは多いに越したことはない。そういうことを望むだろうけれども、やはり国民の感情、これは十分計算に入れていかなければならぬと思います。だから、その点は十分ひとつ検討して、この際合理化すべきものはどんどん合理化していくべきですよ。私は、役所をやめられた人たちを一人も採用してはいかぬとは言わない。おのずから有能な人がある。こういう場合は採用することだっていいと思う。しかし、役人を採用するための組織だというような形になっている。あなたがおっしゃるように、能率をあげていく、いわゆるお役所主義的なものをやめる、民間人を登用することにおいて、そうすることにおいて、いわゆる特殊法人の意義というものを大きく発揮していくという線になっておるならば、これほど世論の批判というものは、私は出てこないと思う。そういう点は、この際抜本的に、大蔵大臣は取り組んでいただく必要があると思います。  いま一つお尋ねいたしておきますが、この事業計画を、国が直接お立てになる場合もある、あるいは地方自治体のほうから補助事業あるいは直轄事業という形で事業計画を求める、そういう場合に、それを受け入れて予算を組む。ところが、たとえば農地を転用するとか、あるいは漁業権を結局取り上げなければならないとか、そういうことから、抵抗が出てくる、なめらかに進まないですね。そのために、せっかく予算は計上したんだけれども、それを使うことができなかった。そのために繰り越す。その次の年になっても依然として問題は解決をしない。またその次になっても解決をしないという形で、計上したものが二年も三年もそのまま放置されているということは、私は問題があると思う。だから、方針として、大蔵省はどういう方針でもってこれらの問題に対して対処していこうとされているのか。まだちょっと時間があるようだから、一応基本的な方針を伺って、それから具体的な問題をあげて、お尋ねしたいと思います。
  68. 相沢英之

    ○相沢政府委員 普通は、年度の予算に計上いたしました事業については、もちろん繰り越しにならないように執行されることを期待しているわけでございますが、ただいま御指摘のとおり、事業によりましては、用地の取得難とか、あるいは現実にボーリングしてみたら設計変更をする必要が生じてきたとか、そういったような事情がございますので、繰り越しせざるを得ないような場合も生じてきているわけであります。しかしながら、この繰り越しの量は、従前相当ございましたが、最近に至りましてはかなり減ってまいっております。また、そういう繰り越しが出ないように、予算編成の際に十分配慮するということで、各省とも、私どものほうも、努力してまいっております。
  69. 中村重光

    ○中村(重)委員 具体的な問題では、私はいろいろ申し上げたいことがあるのですが、一つだけ、たとえば長崎干拓の問題ですが、四十年に五億つけた、四十一年に十億、そしてことしもまた十億つけた。三回ですね。ところが、その漁民が反対をする。そこでどうにもならない。それだけならばいいんだけれども、反対をする者、賛成をする者、大混乱なんです。それで、それじゃ反対をする者を土俵に上げて話し合いをするように、補償はこうなんだということで、具体的に補償の基準等を示して、ほかの例もあるわけだから、そういうことで土俵に上げて話し合いをするかといえば、それもやらない。疑心暗鬼と、混乱に混乱を重ねている。だから、そう何年も手をつけないで、繰り越し繰り越しということはおもしろくないから、打ち切るものは打ち切る、打ち切ることが適当であると思うなら打ち切る、そしてまた出直す。しかし、それではやはりいけないというようなことになるならば、むしろ土俵に上げるようにして、その反対をしている人たちが一番問題にしておるような点を示して、そうして問題を解決する、そういうやり方じゃないと、何か形式にこだわってもやもやしておるということは、もう必要以上に混乱を巻き起こしておる。こういうことは、われわれ決算委員会としても、問題です。そういうことはよろしくない。きちっとすべきだ、こう思う。大臣から、ひとつその点はお答え願いたい。
  70. 水田三喜男

    ○水田国務大臣 まあそういう例は、たとえば大阪空港にもございました。年々、必要であると考えて、予算は盛っておりますが、地元で解決しなかったために、これを三年も延ばしておるという例がございますが、ようやく解決した場合には、過去に計上した予算というものは、やはり解決した場合にはみな必要で、これによって工事が完成するというようなものでございますので、それらの問題も、そういう点がございましょうが、それでもなかなかもう解決の見込みがつかないというようなことでしたら、これはやはりそういう場合には、一たん打ち切るというのがほんとうじゃないか、というふうに考えています。
  71. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員長 吉田賢一君。
  72. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 大臣にちょっと簡単に伺いますが、当委員会におきましてもしばしば論議せられ、まだ審査過程でございます例の残っておる十七の公社公団の問題でございます。あなたのほうへお届けしておきました、漁価安定基金、愛知用水公団、北海道地下資源開発株式会社、東北開発株式会社、鉄道建設公団、森林開発公団、郵便募金管理会、それから医療金融公庫、日本てん菜振興会、原子燃料公社、それから公営競技に関する法人のうち、日本自転車振興会、日本小型自動車振興会、地方競馬全国協会、日本船舶振興会、それから水資源開発公団、畜産振興事業団農地開発機械公団、これがいま残っておる十七であります。日本蚕繭事業団はすでにほかへ統合いたしております。大蔵省のお立場では、まず行政管理庁がこれらに対する態度をきめるため、行政管理委員会もいま検討を続けております。八月には最終結論を出すようでありますが、財政担当の大蔵大臣は、やはり毎年これらの公社公団へ相当大きな融資をしたものもあり、また投資しておるのもございます。そういう関係から、あなたのほうもゆるがせにできない問題であります。主管大臣は行管長官でございましょうが、大蔵大臣としても、同時並行的に、これら特定の公社公団がどうあるべきかにつき、すみやかに検討せられてはいかがです。財投計画資金のこれら投融資、また一般会計からの補助金も出ております。愛知用水公団だけでも、資金運用部の資金が本年は七十一億円出ております。そういうことでございまするので、あなたのほうからも、この段階で財政担当の当局として、特に御検討の必要があろうと思うのですが、大蔵大臣の御意見はいかがでしょうか。
  73. 水田三喜男

    ○水田国務大臣 この問題は、行管を中心としていろいろ検討されておる問題でございますので、その結論が出ましたら、私のほうとしては、こういうものの統合改廃について、いま言ったようなものについてどういう措置をとるかということを、研究しなければならぬと思っておりますが、この機構をどうするかということは、いま行管の管轄でございますので、いまのところ、私のほうは何もやっておりません。
  74. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 私の問題にしておりますのは、あるいは統合改廃の問題もありますけれども、別に継続していくといたしましても、やはり財投の資金を投下し、あるいは一般会計の補助金を出す等々いたしておりまするので、統廃合とは別個の角度から研究の必要がないか、こういうふうに申しておるのですが。
  75. 水田三喜男

    ○水田国務大臣 財政投融資計画におきまして、これらの機関に対する資金の配分は、国会の御承認を願っておるとおりでございまして、必要と思う配慮はいたしておりますが、この機構自身がこうあるべきだという検討がなされて、その方針が決定すれば、その方針に従って、私どもはやはり予算の問題、財投の問題は考える、こういうことになろうと思います。
  76. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 これは単に財政投融資だけじゃなしに、一般会計から膨大な補助金が出されておりまするので、これも数字を、各公社公団にわたりまして、私のほうで先般委員会で明らかにしたのでございますが、その関係から見ましても、予算編成期がだんだん迫ってまいりますと、ともに歩調を合わしていくことが必要でないかと思うのでございます。でありまするから、機構なり、あるいは運営の方法なり等につきまして、行管が態度をきめたら、大蔵省として、その立場から多少の抵抗もありましょうとも、また御承知のとおりに、衆参両院の予算委員会において、実際は閣僚間に意見の不一致も出ておりますが、しかし、佐藤総理は、閣僚間に意見の不一致はない、一本ですという答弁が出ておりますので、私は総理の答弁を信頼していきたい。また現在国民環視の対象になっており、そして財政に影響するところ重大でございますので、行管が統廃合の態度をきめる前に、大蔵省もともに財政の見地から協力していくことが必要でないか。行管というたところが、最終的に統廃合決定の機関じゃございませんから、やはり閣議におかけになる。あなたはやっぱり重要な閣僚の右翼ですから、どうしてもこの辺から相当大きな力が加わっていかないと、目的は達し得ない、こう思うのです。ぜひそういうふうにお願いしたいのです。これはまあお願いと言うと妙なことばになりますけれども、あなたは行管の態度がきまればそれに呼応していくとおっしゃるから、私は、財政当局の立場からそれを貫かれることを信じております。  そこで、別の面から見ますると、たとえば財投の資金のうち資金運用部の資金というものは、私が申し上げるまでもなく、国民の膨大な零細資金が集められておるという実情でございまするので、この資金運用部の、国民の零細資金が、同じくこの公社公団に投じられておるものは、相当大きな金額にのぼっております。したがいまして、一そう、使い先の、何のために使ったかという目的を精細に調べてもらうということは、相当やってもらわねばならぬと思うのです。これはあなたの手というのではなしに、事務当局を通じまして、ぜひそれは監視してもらいたい。資金の行くえを監視してもらいたい。これはぜひお願いしておきたいのですが、その点について、ぜひともそういう行政事務の指導をお願いしたいと思いますが、どうでございますか。
  77. 水田三喜男

    ○水田国務大臣 その点は、いわゆる使途別分類表によって、明確にしているつもりでございます。
  78. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 時間がなさそうですから、もう終わりますが、日本専売公社に対しまして、同じく臨調の答申が、塩専売廃止すべしということを打ち出しておるのであります。こういう勧告をいたしておるのでございますが、これは御承知のとおりであります。この点につきまして、たばこ専売事業につきましても、大蔵省は、行管の意見に対する回答といたしまして、再検討するということを約束しておられます。でありまするので、こういう重大な打ち出し方ができておりまするので、これはやはり主管省のあなたのほうとしては、相当大きな関心を持ってしかるべきでないか、こう思うのです。理由並びに予算あるいは財政の実情等は、きょうはもう省略いたしますが、いずれにしても、勧告のそれは、塩専売制度廃止ということになっておるのですが、この取り扱いはどういうふうになさるおつもりですか。
  79. 水田三喜男

    ○水田国務大臣 これは、先ほど公社の総裁がお答えになったとおりでございます。
  80. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員長 次会は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。    午後一時六分散会      ————◇—————