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1967-06-08 第55回国会 衆議院 決算委員会 第13号 公式Web版

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  1. 会議録情報

    昭和四十二年六月八日(木曜日)    午前十時四十分開議  出席委員    委員長 鍛冶 良作君    理事 吉川 久衛君 理事 小峯 柳多君    理事 小山 省二君 理事 白浜 仁吉君    理事 高橋清一郎君 理事 佐藤觀次郎君    理事 華山 親義君 理事 吉田 賢一君       菅波  茂君    丹羽 久章君       葉梨 信行君    安井 吉典君       浅井 美幸君    阿部 喜元君  出席政府委員         北海道開発庁総         務監理官    小熊  清君  委員外出席者         行政管理庁行政         管理局審議官  杉浦  滋君         通商産業省鉱山         局鉱政課長   佐々木 敏君         参  考  人         (北海道地下資         源開発株式会社         社長)     南  好雄君         参  考  人         (北海道地下資         源開発株式会社         常務取締役)  桑原 幸信君         専  門  員 池田 孝道君     ————————————— 本日の会議に付した案件  歳入歳出実況に関する件  政府関係機関経理に関する件  国が資本金の二分の一以上を出資している法人  の会計に関する件(北海道地下資源開発株式会  社)      ————◇—————
  2. 鍛冶委員長(鍛冶良作)

    鍛冶委員長 これより会議を開きます。  歳入歳出実況に関する件、政府関係機関経理に関する件、及び国が資本金の二分の一以上を出資している法人会計に関する件について調査を行ないます。  本日は、北海道地下資源開発株式会社より、社長南好雄君、常務取締役桑原幸信君の御出席を願っております。  参考人からの意見聴取は、委員質疑によって行ないたいと存じますから、さよう御了承願います。  これより質疑に入ります。  質疑の通告がありますから、順次これを許します。小峯柳多君。
  3. 小峯委員(小峯柳多)

    小峯委員 たいへん素朴な質問になるかもしれませんが、北海道地下資源開発株式会社という会社は、なぜ特に北海道だけこういう会社をつくらなければならなかったのでしょうか。その間のいきさつ、あるいは今日ただいま果たしておる役割りについて伺いたいと思います。
  4. 小熊政府委員(小熊清)

    小熊政府委員 北海道地下資源開発株式会社が、なぜ北海道だけを対象として設立されたかというお尋ねだと思います。当会社は、北海道地下資源開発株式会社法という法律に基づいて、昭和三十三年に設立されたものでございます。それに先立ちまして、北海道総合開発ということを国としてやってまいっておりまして、昭和二十五年に、北海道総合開発を専管する行政組織として、北海道開発庁というものが総理府の外局として設けられたわけでございます。そういたしまして、北海道開発のための北海道開発法という法律によりまして、北海道総合開発年次計画を立ててやってまいっておるわけでございます。ただ、北海道総合開発を進めます上で、いろいろな面でまだおくれておる部面が相当あったわけでございますが、特に当時北海道地下資源がまだ未利用のまま非常に残されているのではないか、この未利用地下資源を早急に調査探査をいたしまして、そして総合開発に役立たせるということが必要ではないか、かようなことがいろいろと言われまして、また北海道開発庁には、北海道開発審議会という、学識経験者方々審議会が設置されておりますが、その審議会におきましても、北海道地下資源開発をもっと強力に行なう必要がある、かような建議を政府になさいました。そのような経過もございまして、いろいろ政府部内で検討いたしました結果、現在ありますような形の、政府出資相当いたすという形で、地下資源開発株式会社というものを設けて、北海道総合開発に役立たせる、かようなことで設立されたというふうに承っております。  その後の若干の経緯について申し上げますると、初めは北海道におけるいわゆる自主探鉱、これは会社自分鉱業権を所有いたしまして、そして地下資源探査を行なう、それからもう一つ共同鉱業権を結びまして、共同鉱業権を設定して探査を行なう、この二つをひっくるめて自主探鉱と申しておりまするが、さような自主探鉱、それから北海道地域における石炭金属非鉄金属といったようなものの探査、これを受託をしまして行ないまするいわゆる受託探鉱ということでやってまいったわけでございます。その後、昭和三十七年におきまして、政府のほうまた国会のほうにもいろいろお願いいたしまして、事業の量をふやすということで、北海道だけではなく、本州のほうにも探鉱機械を用いて事業を行なうことができるというふうに法律を改正していただきまして、本州の方面におきましても、探査探鉱を行なっておるという状況でございます。  設立経緯等につきまして、概略はさようなことでございます。
  5. 小峯委員(小峯柳多)

    小峯委員 いまの御答弁を承って、私は少しふしぎに思うのですが、北海道総合開発のためにつくられた会社が、本州まで仕事を伸ばすということ自体に、もう存在価値というものが薄くなっているような感じがするのですが、あなたはどうお考えになりますか。
  6. 小熊政府委員(小熊清)

    小熊政府委員 おっしゃいますように、北海道総合開発のために設けられた会社でございますので、北海道だけの事業というのが本筋ということはあろうかと思います。ただ、三十七年に法律を改正いたしまして、本州まで事業を広めました。改正いただいた理由は、これが特殊法人でありまするが、株式会社という経営体をとっておるわけでございます。しかも設立目的が、北海道地下資源探査開発をする、かようなことでございます。この両者を並び行なうと申しますか、やってまいるためには、やはり相当受託事業量を確保して、そうしてその全体の事業量の増大の中で生じました利益をもちまして、北海道の自主的な探鉱をやるということがどうしても必要だ、かようなことで法律の改正をお願い申し上げたというふうに承っております。  なお、そのとき、本州事業を広めるにつきましては、民間試錐業者との競合を避けるような措置を講ずるよう、といったような国会の附帯の御決議もございまして、さようなことで本州に進出いたしましても、本州民間業界に悪い影響を与えないというふうに、会社を指導してやってまいっておるわけでございます。お説のとおり、北海道だけで仕事ができて、会社として目的を達成できるということが理想ではありまするが、会社事業量という面から申し上げますると、現在のような形で本州のほうでも事業を行なうということはやむを得ないかというふうに考えております。
  7. 小峯委員(小峯柳多)

    小峯委員 どうも答弁を聞いて、私はますますふしぎな感じがするのですが、北海道総合開発のためにできた会社なら、北海道に全力を傾注するという方法が当然だと思うのです。いま伺ってみますと、何か会社になっているから、会社としての収支をかっこうつけなければいかぬというふうな意味があって本州に出た、というふうな意味にとれたのですが、そういう場当たりのことで、こういう特殊会社というものをやっていっていいものだとは思えないのです。ことに、わざわざ北海道総合開発、しかも開発庁がめんどう見ている会社本州に出てくる、しかもほかの業者との競合を避けるために、いかにも私は木に竹をつぐような、その場限りの会社のような感じがしてならぬのですが、どうですか、もう一ぺんその辺のことを、あなたの御見解を聞かしてください。
  8. 小熊政府委員(小熊清)

    小熊政府委員 おっしゃることは、私どももよくわかるわけでございます。ただいま現在のところでは、このような形でやってまいっておる、それも会社目的に到達するための一つのあり方としてやむを得ないということも申し上げたわけでございますが、ただいま行政管理庁のほうでも、いろいろとこの会社についてお調べになっておるというふうに承っております。私どもといたしましても、この会社を今後どういうふうに持っていくのが一番いいのか。事業量につきましても、現在の形のままで手を伸ばしていく、事業量を広げていくというのがいいのか、あるいはほんとう国策会社と申しますか、それに徹しまして——御案内のように、もともと試錐探鉱事業というのは確率の薄い事業でございます。したがって、それに徹すれば、どうしても赤字ということは免れない側面も持っておるわけでございます。さような側面を、やむを得ないということで強く押し出すか、その辺はもちろん会社のほうでも鋭意御検討を願っているところでございますが、私どものほうでも、大臣の御命令もありまして、広い範囲で、どうもっていくのが一番いいのかということを、いろいろと検討しておる最中でございます。
  9. 小峯委員(小峯柳多)

    小峯委員 そうしますと、結局北海道資源開発するためには少しかまえが大き過ぎた、これほどの会社をつくらなくてもよかった、という結論になると思いますが、そうでしょうか。
  10. 小熊政府委員(小熊清)

    小熊政府委員 どういう結論になりますか、いま検討段階でございますので、私から結論について申し上げる段階ではございませんけれども、当庁といたしましては、北海道地下資源開発のために、特にお願いして法律をつくっていただいてできた会社でございますので、その会社目的というものが何らかの形でさらに追求できるということをまず頭に置きまして、しかしながら、一般の御批判を受けることのないような形で、この会社の今後の姿を考えていくというふうに存じておるわけでございます。
  11. 小峯委員(小峯柳多)

    小峯委員 北海道資源というものは、この会社が乗っかかってやるほどの値打ちがない、資源が少ない、というふうに、経過的にはっきりしてきたのでしょうか。
  12. 小熊政府委員(小熊清)

    小熊政府委員 御説明に表現が足りなかったかもしれませんですけれども北海道地下資源は、まだまだ探査の行き届いていない地域が非常に残っておるわけでございます。御承知のように、非常に広い地域、しかも山間僻地といったようなものが非常に多うございます。一般的に大きな鉱山鉱脈というものが発見されますのは、どちらかと言いますと、まず小さた鉱床鉱山でその徴候を発見して、それが連続探査の結果、大きな鉱床鉱山というようなことになる場合も多いわけでございます。北海道山間僻地で、小さな企業探査をしてペイするということはなかなかむずかしいわけでございます。さような、民間だけではなかなかできにくい事業、しかも広い地域で、なお相当可能性があるというふうに専門の方々が申されておるわけでございますが、さようなことをやりますのに、どうしても民間会社だけにまかせておけないという面がなお残っておろうかと思うのでございます。したがいまして、この会社が、そういう面につきまして、ほんとうに本腰を入れて取り組めるというふうな態勢に何とか持っていきたいというふうに、開発庁としては考えておるわけでございます。
  13. 小峯委員(小峯柳多)

    小峯委員 それじゃ具体的に、この会社ができてから、北海道資源開発にどういう寄与をなさったか。それはいままでこれだけ赤字を出してやってきているのですから、私は残っておるものがあると思うのですが、おもなるものを少しあげてみてくださいませんか。
  14. 小熊政府委員(小熊清)

    小熊政府委員 この会社事業は、先ほど申し上げましたように、自分鉱業権を所有して探鉱いたします自社探鉱、それから共同鉱業権を設定して探鉱いたします共同探鉱、この二つをひっくるめて自主的な探鉱というふうに呼んでおります。それからもう一つは、受託を受けて探鉱をいたす受託探鉱というふうに、二つに大きく分かれるかと思うのでございます。そして会社の本来の事業会社の一番固有な事業というのは、いわゆる自主的な探鉱のほうでございます。  そこで、現在までどのような実績をあげてきたかというお尋ねでございますが、この自主探鉱につきましては、先ほど来申し上げておりますように、北海道のまだ未開発の手を触れてない地域におきまして、すぐに大型ボーリングを投入するというわけには実はなかなかまいらないわけでございます。まず地表のいろいろな調査、それから地質調査といったような基本的な調査を行ないまして、それからある程度の徴候を得まして、そして相当資金を投入してボーリングを行なっていく。俗になかなか当たらないというようなことも言われておりますボーリングでございますので、あちこちと初めから資金相当投入するというふうには、実はなかなかまいっておらないわけでございます。そういたしまして、先ほど赤字の御指摘もございましたが、会社設立されました昭和三十三年からしばらくの間は、ちょうど石炭業界あるいは金属業界が不況の時期でございまして会社の当初の計画がやや思惑違いと申しましょうか、収支とんとんというふうにいかなかったわけでございます。実はそういう赤字決算がずっと続いたわけでございまして、会社といたしましては、自主的な探鉱相当力を入れたいわけでございますが、赤字が続いたために、その赤字を何とか消すというほうに実は追われまして、本格的な大型ボーリングまではなかなか手が及ばなかったというのが実情でございます。その赤字のほうでございますが、設立以来昭和三十七年度まで、毎年赤字でございました。これはいま申し上げました業界の不振ということのほかに、会社国策会社ということで、受託探鉱についても、初めから相当設備を整えていろいろな注文に応じられるというふうにいたす関係上、相当イニシアルコストがかかったというふうなこともございまして、赤字が続いたわけでございますが、いろいろな経営の努力その他によりまして、昭和三十九年度、四十年度と二ヵ年は、ほんのわずかではございますが、黒字決算ということになったわけでございます。かようなことと軌を一にしまして、いわゆる自主的な探鉱のほうも相当積極的にやってまいるという態勢に徐々になってまいりまして、昭和四十一年度におきましては、自主探鉱につきまして、それまでの倍以上の金額を投入いたしまして、そして八ヵ所について調査を行なっております。現在までに相当企業ベースに乗るような鉱脈が見つかったかというと、実は残念ながら、さような企業ベースに乗るようなものはまだ見つかっておりません。それはまことに残念ではございますが、昭和四十一年度にやっております中におきましては、一、二有望な銅、鉛、亜鉛の鉱床というようなものも加わっておりまするし、会社に対しましては、鋭意自主的な探鉱について今後積極的に伸ばしていくように指導しておるわけでございます。  自主的な探鉱については以上でございまするが、受託探鉱のほうでございます。これは自主探鉱に比べては、やや会社本来の目的から副次的なものというふうに考えられておりまするが、最近の状況におきましては、北海道受託探鉱は、そのほとんどが石炭関係でございます。その石炭関係探鉱と申しまするのも、実は国の予算に計上されておりまするいろいろな石炭関係調査の費用がございます。さような国の国策に基づくような調査、これを会社相当引き受けてやっております。したがいまして、北海道におきまする受託探鉱と申しましても、単純な普通の請負仕事ということとはやや趣が違うというふうに、私ども実は考えておるわけでございまして、しかも石炭関係の国の調査というのは、相当掘り技術を必要といたします。北海道探鉱業界におきましては、深掘り技術をこなし得るというのはそう多くないのでございまして、それがこの会社一つ技術的な特徴にもなっております。さようなことで、通産省関係で計上しておりまする調査予算、これは年々伸びてまいっております。その大部分を、会社がいわば実施機関的に引き受けるということで、これまた会社一つ役割りではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。
  15. 小峯委員(小峯柳多)

    小峯委員 赤字が出てきて、赤字が直るときには、北海道仕事をしなかったということじゃないですか。どうにかとんとんになるようになったときには、本来の使命を離れてほかの仕事をやったからとんとんになった、ということではないでしょうか。私は、こういう会社は、ただ収支を合わせるだけで出発したりまた運営するということに間違いがあるように思うのです。ほんとう資源開発するなら、赤字が出たってしかたがないじゃないかと思う。民間鉱業会社ではやれないことをやるのだ、そういう御自信があり技術陣があるならば、赤字は大手を振って出したらいいと思う。そうでなければ、こういう特殊会社をつくった意味がないと思う。もうかる仕事に手を出して収支を償いながら仕事をやるというのは、民間企業のやることだと思う。なぜ特殊会社にする必要があったのでしょう。いま私はごく表面だけお話を承っておるのです。どうも聞けば聞くほど、こういうあやふやな会社があっていいのだろうかという感じを非常に強くいたします。ことに実績らしいものがあまりないということ、ようやく最近になって深掘り技術というものを身につけられたのですか。これは、北海道資源開発に、これからも非常に役に立つとお考えになっているのですか。
  16. 小熊政府委員(小熊清)

    小熊政府委員 会社形態株式会社ということになっておりまするので、株式会社としての制約というものも一方にあるわけでございます。先生の御指摘のような、国策的な事業をやるという側面を強く押し出しますれば、おのずから形態も変わってくるということも考えられるかと思います。そのようなことで、北海道地下資源探査を積極的にやっていくということで、赤字を覚悟してやっていくということも、もちろんさような御指摘あるいは御批判をいただいたこともいろいろございます。私どもといたしましては、先ほど申し上げましたように、この会社をどういうふうに持っていくかという点について、会社ともども真剣に考えていきたい、ということでやっておるわけでございます。  なお、なぜこの会社民間株式会社ということで発足したかという経緯でございまするが、これは私も承って承知した程度でございますけれども北海道地下資源ということでございますので、何かこれに、北海道民間鉱業会社民間法人にも参加を願うということが望ましいのじゃなかろうかというような意見が非常に強うございました。政府出資相当部分でございますけれども民間法人にも、幾分出資をして、ともども北海道開発に協力していただく、そのような見解から、民間出資を加えた株式会社というふうになったかと聞いておるわけでございます。
  17. 小峯委員(小峯柳多)

    小峯委員 会社の方見えておりますね。株主構成はどういうようになっておりますか。
  18. 桑原参考人(桑原幸信)

    桑原参考人 お答えいたします。  九億が政府出資でございまして、あとの一億のうち、一千万円が道庁、それからあとの九千万円が、たとえば三井、三菱、住友その他の石炭会社あるいは王子製紙とか十條製紙とか北海道関係のある会社、それから個人というので、六十五人の株主がおります。
  19. 小峯委員(小峯柳多)

    小峯委員 いまの資本構成を聞いてびっくりしたのですが、民間会社のほうは社交出資ですよ、そのくらいのものは。本気でやる、腰をだく会社というものは出て来ぬだろうし、会社自体は、規模は小さいし、赤字は出るし、非常に性格が中途はんぱだと思う。どっちかしっかり方向を立てないと、仕事になるまいと思うのですよ。これは国会で審議していますから、国会責任があるわけですけれども、こういうものを非常に不用意に計画なさって出された開発庁ですか、ここにも責任が残るような気がするのですがね。ほんとに私、いまの出資関係を見ると、おつき合いで、あれだけの会社が寄って一億足らずの金を出しているのですから、どこが腰をだくなんてありはしません。これはやはりある意味では利害関係が矛盾するかもしれない。まあまあ、ああいうものができてお役所がつくるのだから、おつき合いしておこうということで、本気ではないと思う。皮肉な意味ではなしに、ほんとにこの会社性格を、性根を据え直して出直しませんと、こんなに整理統合がやかましいときに、存在価値が非常に薄いと思う。これは、私伺って、結論でそういう感じがいたします。そういう意味でこれは新しく総裁に、総裁ですか社長ですか、南さんがお越しになっているようですけれどもほんとうにいまの方向——これは少し余分なことかもしれませんけれども性根を据え直さないと、ほんとの仕事にならないと思うのです。  行政管理庁のお役人の方、見えておりますね。どうですか。私いま申し上げたような感じを、あなた方どうごらんになっていますか。
  20. 杉浦説明員(杉浦滋)

    杉浦説明員 本件の問題につきましては、先生いろいろ御指摘のような問題も確かにあるわけでございます。ただ、私どもといたしましては、当面の作業といたしましては、三月七日の閣議申し合わせ趣旨に沿いまして、臨時行政調査会答申趣旨を生かすという意味での検討を、ただいま各作業中でございます。まあいろいろ先生指摘の点もあるわけでございますが、また北海道開発庁のほうの意見もございまして、いろいろな問題がございますので、方向といたしましては、臨調答申方向ということは明らかでございますけれども、いろいろ検討している最中でございます。
  21. 小峯委員(小峯柳多)

    小峯委員 この業務報告に、たいへん大きな収穫のように強調しておりますのは、大口径ワイヤライエ法ということをいっておりますが、これはどういう——しろうとなんで、たいへん申しわけないのですが、しろうとわかりのするように教えていただきたい。
  22. 桑原参考人(桑原幸信)

    桑原参考人 いままでのボーリングというものは、全部ロットをつなぎながら、鉱脈をとるときには、コアチーブというのがありまして、これに三メートルコアーが入りますと、全部ロットを上げてしまったわけです。それですから、ロット昇降に要する時間が非常に長かったわけです。それが最近ワイヤライというものができますと、ロットはそのままにして、先にダイヤビットというのをつけてあります。そうしてどんどん掘っていくわけです。そうして、中には、コアチーブの中にインナーチーブという小さいのをつけまして、そうしてその中にコアが入ってくるわけです。そいつをワイヤーにひっかけて上げるものですから、すぐわざわざロットを全部上げなくても、そのインナーチーブだけ上げてしまえばコアがとれるわけです。それで、次に、置いておいたかわりのインナーチーブをまたロットの中におろします。それでそのまま掘進が継続できる。そのために掘進能率が非常にあがる。それから、労務員ロット昇降に要する苦労がなくなる。そうしてそこに書いてあります大口径というのは、NXという口径のものと、BXという口径のものがいままであったのですけれども石炭では、どうしても大きな最終口径コアを上げてこないと、分析のときに困るわけです。それで、工法でありますけれども、穴を掘る場合に、結局タケノコのように掘っていくわけです。ですから、やはり一番最初のやっと、八十六ミリという大きいやつで掘り出す。それから次にNX。そうするとNXコアでは、お客さんのほうも御満足がいくのですけれども、それには一番初めのタケノコの外側を八十六という大きいやつで掘る。それをうちが初めて石炭掘りに使用した、こういうことです。
  23. 小峯委員(小峯柳多)

    小峯委員 深掘りができるという長所もあるのですか。
  24. 桑原参考人(桑原幸信)

    桑原参考人 もちろん深掘りができます。
  25. 小峯委員(小峯柳多)

    小峯委員 それで、その技術は、ほかの会社はまだ使っていないのですか。
  26. 桑原参考人(桑原幸信)

    桑原参考人 いや、北海道では使っておりません。内地では利根ボーリングその他、たとえば探鉱事業団四国あたりで使っております。しかしこれは鉱床の性質によりましてなかなか、千掘れるから、千五百掘れるからと簡単に割り切れないところもありまして、地質によっていろいろむずかしい問題があるわけです。そういうことでございます。
  27. 小峯委員(小峯柳多)

    小峯委員 そのいまの設備というものは、よほど金がかかるものですか。ワンセットどのくらい……。
  28. 桑原参考人(桑原幸信)

    桑原参考人 大体平均いたしますと、一セット三百万ぐらいのものからいろいろございます。
  29. 小峯委員(小峯柳多)

    小峯委員 そんなわずかな金のものを、特にこういう会社がやらなければならぬでしょうか。みんな鉱業会社は大きい規模のものだから、そのぐらいのものだったら自分のところでやれる。私は、何か技術の上にも設備の上にも、スペシャリティーがあるというなら、この会社の意義がはっきりしてくると思うのですが、そういう点では、何かほかに、この会社が、すなわち、北海道の鉱業界に現実に寄与しているという面はどういう点でありますか。
  30. 桑原参考人(桑原幸信)

    桑原参考人 そういうことは、ほかの同業では、やはり危険をおかしてやるだけの資産形態になっていないんです。そういう点が、やはりこの会社の存在理由じゃないかと考えます。それで、われわれのほうで使って一、二年、よければあとでお使いになるというケースは非常に多うございます。
  31. 小峯委員(小峯柳多)

    小峯委員 もう一つ、最後にお伺いしたいんですが、石炭以外に手がけている探鉱、どんな分野にありますか。
  32. 桑原参考人(桑原幸信)

    桑原参考人 石炭以外には、北海道においても金属関係もやっておりますけれども、最近、北海道金属関係は、貿易自由化や何かでだんだん少なくなってくるというような関係で、内地では黒ものとか鉛、亜鉛、そういうようなものの鉱床についても探鉱しております。それで、当社でやりまして、たとえば秋田の電気化学が、もう二年近くで終わろうといわれていましたが、うちの技術で新鉱床を発見して、いまそれから八年も続いております。それから、白根の万座とか、あるいは岡山とか、これは内地で申しわけないんですけれども、中外の都茂とかいうようなところでは、相当私のほうの会社技術で新しい鉱床を見つけておるということは事実でございます。
  33. 小峯委員(小峯柳多)

    小峯委員 もう一つ事業収入で、北海道北海道以外との事業収入の割合はどうなっておりますか。
  34. 桑原参考人(桑原幸信)

    桑原参考人 それは北海道が四十五、それから内地が五十五でございます。
  35. 小峯委員(小峯柳多)

    小峯委員 大体、私これで……
  36. 鍛冶委員長(鍛冶良作)

    鍛冶委員長 社長が見えております。
  37. 小峯委員(小峯柳多)

    小峯委員 よく話がわかりましたので、社長にお聞きするまでもないように考えますので……。
  38. 南参考人(南好雄)

    ○南参考人 一言だけ。  たいへん遅刻いたしまして、申しわけありません。今朝来の腹痛のために、二、三回医者で、注射をしておりましたためにおくれました。決して逃げたのでございません。事実また、きのう初めて認可になりました。きのう初めて総理大臣の決裁があって、それで、きょうはほんとう社長で出たわけであります。ここに来ておる常務も初めて——前からなんですけれども、あれは再任でも認可がなければだめなものですから……。それで、私は何も知らないものですから、何を御質問受けるかわからないので、非常に困っておって逃げたように思われたかもしれませんが、事実はそうじゃないのであります。どうぞお許し賜りますようにお願いいたします。
  39. 小峯委員(小峯柳多)

    小峯委員 それでは一言だけ……。  逃げたとも何とも思っておりませんし、注射をしたあとに、また私が注射をするようなことを言うわけにもまいりません。私は、意地悪い意味でなしに、何かよほど性根を据えて出直ししないと、この会社の筋道は立たないと思うのです。非常に中途はんぱだと思うのです。特にあなたのような経験豊かな達識な社長ができたんですから、いま常務さんにも質問して、大体私の考えている方向はおわかりいただけたと思います。開発庁のお役人の方にもおいでいただいておりますので、どうぞ速記録をごらんになって、せっかく新社長となって、この会社の在立価値といいますか、その意義をはっきり打ち出していただくようにお願いいたしまして、質問を終わります。
  40. 鍛冶委員長(鍛冶良作)

    鍛冶委員長 華山親義君。
  41. 華山委員(華山親義)

    ○華山委員 どなたでもいいですから、お答え願いたいと思うのでございますけれども、こういう探鉱専門の民間会社というのは、私寡聞にしてよくわからないのでございますけれども、ございますか。
  42. 小熊政府委員(小熊清)

    小熊政府委員 民間会社、非常に規模の大きなものから小さな中小企業的なものまで、たくさんあるようでございます。正確な数字というと、ちょっと承知しておりませんが、大体全国で五、六百ぐらい探鉱業者というものはあろうかというふうに思います。
  43. 華山委員(華山親義)

    ○華山委員 著名な大会社というのはあるんですか。
  44. 小熊政府委員(小熊清)

    小熊政府委員 たとえば利根ボーリングといったような会社は有名かというふうに思われます。
  45. 華山委員(華山親義)

    ○華山委員 そういう、ことばは悪いですけれども、いわゆる山師的な中小企業は別でございますれども、かちっとした営業成績をあげている著名な会社、そういうものはあまりないわけでございますね。
  46. 小熊政府委員(小熊清)

    小熊政府委員 ただいま申し上げました利根ボーリング等は、相当しっかりした大手かと思っておりますが、どちらかというと、非常に小さな業者が多いというふうに承っております。
  47. 華山委員(華山親義)

    ○華山委員 利根ボーリングは、私も知りませんけれども、これも探鉱専門でなくて、やはりほかにボーリングということでやっているのであって、ボーリングは必ずしも探鉱にだけ限ったわけではございませんから、そういうふうなボーリングとか、それから建築の基礎に関する会社とか、あるいは地質調査のために、ダムをつくるときのボーリングだとか、そういうことは別にいたしまして、山師的なことは別ですけれども一つ企業といたしまして、こういう企業が日本で成り立つものか、そういう点に私は疑問を持つわけでございます。  それで伺いますけれども、一番初め、この会社株式会社として成り立つということであります以上、その当時の事業計画なり、あるいは損益の状態の予想なり、そういうものがあったと思うのでございますけれども、それと現実とにおきまして、どういう点が違っているのでございますか。どなたでも、ひとつ適当な人に……。
  48. 小熊政府委員(小熊清)

    小熊政府委員 先ほどお答え申し上げましたように、この会社が創立いたしたのは昭和三十三年でございます。当時、北海道地下資源開発するということを主たる目的として会社設立したわけでございますので、当然一つ収支計画と申しますか、事業計画というものはあったものと存じます。そしてその結果、特殊法人として、こういう会社が十分目的を達成できるということで発足したものというふうに存じております。ただいま手元にその当時のなまの事業計画等は持ち合わせておらないのでございまするが、さようなことで発足したわけですが、残念ながら、当時の業界が不況になりましたために、現在まで必ずしも目ざましい実績をあげているというふうには申し上げられないわけでございます。
  49. 華山委員(華山親義)

    ○華山委員 業界が不振のために思うような利益が上がらない。したがってそこに損失が出てきた。普通の民間会社でありますれば、その際に、人員の減少を見るなり、いろいろなことが起きるわけでございますけれども、営業の内容におきまして、何か初めの計画と変化がございましたですか。
  50. 小熊政府委員(小熊清)

    小熊政府委員 現在、この会社は、昭和三十九年度と昭和四十年度に収支がほぼ償う、若干の黒字ということになっております。三十九年度、四十年度あたりの事業量というものを見てみますると、これは試錐のボーリングのメートル数だけで便宜申し上げるわけですが、大体四万メートルくらいのボーリングを実施しておるわけでございます。会社のほうの計画によりましても、大体四万から五万というふうなところをめどにして、会社収支考えるということではなかったかと存じております。三十三年、発足した年は年度半ぱでございまするから、これは別でございまするが、三十四年度、三十五年度、六年度、七年度、大体二万ないし三万メートル程度の事業量で、会社の本来の姿からすれば、もう少し事業量を伸長したかったというところではなかったかというふうに考えられます。
  51. 華山委員(華山親義)

    ○華山委員 私の聞き方が悪かったと見えて、私に対するお答えには当たらぬのでありますが、時間もございませんので、それはそれとして承っておきますが、本質的に、日本の企業界の実態、そういうふうな面から、企業としての探鉱というものが会社として成り立つものか、そういうことについて根本的に考えてごらんになる必要があるのではないか、新しく社長に御就任になったのでございますけれども、そういうふうな問題がそこにあるならば、いかに社長が努力なすったって、これは成功しませんよ。むしろ社長責任としては、この会社を、企業会社でないほかの形態に持っていけるものかどうか、はたして北海道として、日本全国として、この会社存在価値があるのかどうか、そういう点を、政治家の御出身でもありますので、高所から考えていただきたい。この会社を建て直すというふうな努力をなさいますと、その本質がそうであるとすると、決して立ち直らないと思います。そういう点で根本的に御研究になるのが、特殊会社でもございますし、新しい社長責任じゃないかと思いますので、ひとつ、おいでになりましたので、その点だけ申し上げて、私の質問を終わりますが、一言だけお聞きしておきますけれども、自営自主探鉱をなすったために、いろいろの資産がおできになったと思います。その資産は、この貸借対照表のどこにどれだけ出ていますか。
  52. 南参考人(南好雄)

    ○南参考人 就任早々でございますので、事情をつまびらかにしておりません。ごく初歩的なお話でお答え申し上げたいと思います。  私の就任をいたしました際に、御同様の見解をいただいたものでございます。この会社設立当時、商工委員会にかかり、商工部会にもかかったわけであります。当時私もあなたと同じ意見で、もう少し何かやらなければ、国民の血税をむだに使うことになる。株式会社である以上、資本構成がどうであろうと、国民に対して申しわけないのではないかというので、だいぶねばったのであります。しかし当時の考え方では、戦争に負けまして、日本の発展すべき地域がことごとく奪われてしまって、残されたただ一つの、いわゆる資源と申しますものは北海道でございます。しかもその北海道というものは石炭が中心でございまして、石炭北海道資源の一番中心だ、こういうことになっております。すでにその際におきましても、燃料革命というものが始まっておりまして、石炭は漸次斜陽化しております。はたして西ドイツの石炭事情のように、企業としてペイするものであるかどうか、もっと本格的に探鉱をする必要があるのではないか、さらに進んで、これからの動力源として最も必要なウラニウムその他の鉱物が北海道にあることを調べてみる。ないということがきまっても、非常に大きな意義がある。あればこれはたいへんなことだ、そういう意味ならば、年に二億や三億損をしても——かりに二億や三億損をいたしましても、これは国民として、日本国としてぜひともやらなければならない事業である。だから名前は株式会社ではあるが、資源調査して、ほんとうに役に立つ鉱物なのかどうかということを確定的に知ることが、三十三年時分の世論の一番中心になっておったように説明を受けたわけであります。そう考えてみますと、なるほど政府出資は九億で、一千万を北海道庁が持ち、九千万を民間の大手が持つ。それでは鉄鉱石が出るといいましても、富士や八幡の現状から考えてみましても、これは国としてぜひやっておかなければならぬものだということで、与党の商工委員として、しぶしぶ賛成した記憶を持っておるのであります。そういう記憶のもとに、就任の際におきましても、私はもうける意思はございません、できるだけ日本全国の——当時は、北海道アウタルキーと申しまして、北海道が中心でございました。名前は北海道地下資探鉱になっておりまして、その後法律改正で東北にも手を出し得るような形になっております。しかし現に四国や九州には.手は伸びていないようにも聞いております。まだまだ狭い国土でありましても、単純なる営利だけを目的にする、そういう企業探鉱をまかせておくべきものではない。現に大手のメタルマイニングのほうは、ずいぶん大きな会社といえども非常に困難な立場に立っており、鉱脈を保存するために、減耗控除、税制の特別の措置も講じなければならぬような状態になっております。こういう際に、もうけの中から探鉱させるというのは、私企業として、資本主義としてはあたりまえのことでありますが、大きな意味資源保護、国民の将来ということから考えますならば、私は、この際できるかできないかわかりませんが、できるだけ誠意を披瀝いたしまして、政府当局にお願いを申し上げまして、もう五億か十億金を出していただきまして、徹底的に日本の地下資源調査——もちろん通産省あたりには地質調査所というものがありまして調べておりますが、これは純学問的でございまして、有用鉱物を調査するということは副生的な事業のようであります。私たちの会社は、地質調査ではなくて、国民の生活に欠くべからざる必要な鉱物の存在があるか、確認できるかどうか、その主要目的のために相当の国費を出していただいてもいいのじゃないか。しかし民間資本の人たちには、この法律に示すように、少なくとも五分や六分の利子を配当して差し上げなければ申しわけないことだ、こういうことも就任早々考えたわけであります。九千万のものには、少なくとも五分、四百五十万ですか、五百万足らずの黒字は何とか確保していかなければならぬ。内容もよく存じておりませんが、何か数千万円の赤字が出たそうでございますが、これはまことに申しわけないことだと思って、委員各位に心からおわびを申し上げるのであります。もともとこの会社は、政府出資といえども、もうけがあれば配当するのはあたりまえなのであります。あたりまえのことなのだが、地下鉱物の調査と申しますのは、御承知のように、調査の方法も科学的には進歩したとは申しますものの、なかなかわからぬものでございます。できるだけ最新科学の調査方法を用いまして、そして日本の地下資源が日本の発展のためにプラスになるような、そういう事実の確認ができましたならば、私は、皆さん方の御質問の趣旨にもこたえ得るような結果が出るのじゃないか。ともかく任期が二年あるそうでございますが、二年間は誠心誠意この方面に努力を尽くして、有効な地下資源調査に当たってみたい。民間資本の保護とまちまして、日本全土についての調査をやってみたいものだ、したがって、また法律改正その他を国会で御審議を願わなければならない結果になるのではないか、さよう考えているわけでございまして、ただいまの質問は、私就任早々の際、私みずからがあなたと同じような考えに立って、非常に心配したものでございますので、つつしんでお答えを申し上げるような次第でございます。
  53. 華山委員(華山親義)

    ○華山委員 社長からお話がありましたから、私も一言申し上げますが、この狭い国土であらゆる資源を生み出さなければならない、全く御同感でございますが、それを、一つの利潤を生むところの会社というものによってやることが適当なのかどうか。会社会社としての一つの拘束がございます。そういうふうな面から、日本全土の探鉱を推進するという立場で、会社経営でいいのかどうか、そこまでを社長としてよく御考究願いたいということを申し上げたわけでございます。会社なんだから、社長になったんだから、この会社を何とかしなければならないということに執着なさいますと、せっかくの大きいお志も達せられませんので、その点を申し上げたようなわけでございます。  そこで、事務当局のほうは、先ほど私の申し上げましたことがわかりましたでしょうか。
  54. 桑原参考人(桑原幸信)

    桑原参考人 華山先生の御質問でございますが、損益計算書の九ページでございますが、探鉱費用として二百六十三万五千八十二円を計上してございます。これが毎期仕事をやっている間は仕掛り勘定に抱かれているわけです。これを、この鉱区は見通しがないからというものを毎年落としておりまして、その累計が、三十八年から四十一年までで、千二百三十六万八千円もうすでに落としております。なお現在仕掛り勘定になっておりますものが三千五百五十九万円ございますから、会社ができましてから、約五千万円を共同で資金を投入したということでございます。
  55. 華山委員(華山親義)

    ○華山委員 操業によって得たところの採鉱権とか、それから何か共同でやった場合の権利、そういう無形権はあるわけでしょう。
  56. 桑原参考人(桑原幸信)

    桑原参考人 それが予備探鉱というような形でやっておりまして、共同鉱業権という鉱業権を設定したのは二件くらいしかございません。それからあとは、要するに、調査してみても経済効果があがらないだろう、採鉱価値がとれないだろうということで、放棄してございます。
  57. 華山委員(華山親義)

    ○華山委員 それでは、時間を空費してはいけませんから、あとで私の部屋にでも来て御説明を願います。
  58. 鍛冶委員長(鍛冶良作)

    鍛冶委員長 吉田賢一君。
  59. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    ○吉田(賢)委員 南社長に伺いたいのですが、北海道地下資源開発株式会社が、いわゆる公社公団の一つになりまして、ここで審査の対象になっておりますが、実は株式会社というのは珍しい存在でございます。いまのあなたの御発言等からうかがうところによりましても、やはり本質的に構造なり運営等について、たとえば資本等も仰せになっておりましたが、相当てこ入れをするというか、改革をするというか、何か手を加えていくべきだというような御意向があるらしいのです。  そこで、そういうことをばく然と頭に置きまして、私はまず第一に、法律によりますと、北海道地下資源開発株式会社という形はあくまでも妥当でない、株式会社というものをもう一度再検討いたしまして、これこそ広い意味における公社公団の形に持っていくのが適当でないか、こういうふうに考えるのが一つであります。  それから、これと関連しまして、法律の第一条には、「北海道地下資源開発株式会社は、北海道における地下資源開発を促進するため、探鉱等の事業を行うことを目的とする株式会社とする。」こうなっておりますので、さっきからだんだん論議があったごとく、九州、島根県あたりにも手を伸ばして、内地の探鉱まで引き受けてやっておるというのが現状でございます。つまり法律の形と現実とは全く一致しない。これらの点についてまず正すということが適当でないだろうか、というふうに思うのです。あなたは、発案権があるとかなんとかいう問題でなしに、政治家として、この会社を主宰するお立場になったのだから、まずその点についてどういうふうにお考えになっておりますか。
  60. 南参考人(南好雄)

    ○南参考人 吉田委員にお答え申し上げます。  これは、先ほど申し上げましたように、昭和三十三年に、比較的調査不十分であるとみなされておりました北海道資源調査のためにつくられた会社でございます。そしてそのためには、国が全部、公団のような形でやるのも一つの方法であり、また出た鉱物を、たとえば鉄鋼の自給自足という形で、富士や八幡が鉱業権を持って、そこから鉱石を供給していくという、そういう立場からすれば、株式会社という面も一部持ってもいいのではないかというような考えで、こういう変則的な公団的株式会社ができたように聞いております。これは発送電、電源開発というような形でいくのも一つの方法でございますし、またいま当面しております北海道資源調査を中心にし、あるいはすでに持っていらっしゃる方の鉱業権の鉱区の内容を、自分の力では調査ができぬから、この会社に依頼して、そして埋蔵量の正確なる調査を実費でやってもらう、こういうような場合にも、この会社の存在理由があろうかとも思われます。そういう意味で、必ずしも公団でなければならぬという結論にもなっておらぬのであります。しかし、運営の方法といたしましては、公社か公団のような方法でなければ、営利性を強く持たせますと、いいものしかやらないというような結論になってまいります。ほんとうは日本のまだ発見されざる、見出されておらない有効鉱物の埋蔵量を徹底的に国として知っておく、そういう意味合いも強く持たせますと、公団的色彩が強くなります。しかし、御承知のように、私も鉱山行政に携わってよく存じておりますが、何かありそうなところは、鉱区税が非常に安いために、ほとんど全部鉱区になっております。いわゆる鉱業権のない地域と申しますものは、北海道にどの程度残っておりますか、私まだ就任早々で存じておりませんけれども、何かありそうだというようなところは、ことごとくだれかが所有しております。したがって、共同調査というような立場に立つ当社が、何か聞きますと、七、八年の間に共同調査をして当たったものは二つとかという返事が先ほどありましたが、その返事のように、有効鉱物、鉱業法に記載されている鉱物が残された地域は少ないように聞いておるのであります。そういう意味から考えますと、私はやはり株式会社という形を残しておきまして、確定鉱量というものを調べた上で、適当な方法でその会社に掘らしていく、こういうやり方もあながち無理でないというような気もいたしております。  それから、内地まで行きましたのは、三十七年に法律の第二項で、北海道だけでなしに内地もやれるように、何か知らぬ、やったそうであります。お役人方のなかなかりこうなやり方でありますが、あの際に、ほんとうは、吉田委員が言われたように、北海道等というような名前でもつけまして、全国に大っぴらにやれるような形にすべきものであった、そういう気がいまいたします。今後法律改正をするかせぬかは、監督官庁もございますし、社長といいましても、たいした権限がある社長でございませんので、やりたいというだけの気持ちは持っておりましても、できるかどうかわかりませんけれども、何とか日本全国、地質調査所がやれないような調査を、新しい各国の探鉱技術を導入してやりまして、未開発に残されております日本のほんとうに大事な資源を、ともかく掘るか掘らぬかは第二の問題といたしまして、確定していきたい。私はウラニウムなどは、人形峠だけで掘っていないで、北海道にもありそうなものだと思うておるのです。ソ連のウラニウムはウラルだそうであります。アメリカもアラスカと言っております。緯度の近い北海道に全然ウラニウムがないということはないだろう。私は専門家でないし、しろうとなものですから、ありそうなものだと思う。ウラニウムの平和的利用ということが人類の一大目標になっておる現在におきまして、日本にも、平和的に使い得るウラニウムの量を少しでも多く見つけることが当社の力でできたら、これはわが社員一同、私はもうほんとうに心から喜んでいいことじゃないかと思うのですが、これも監督官庁がございますので、北海道開発庁鉱山局、なかなか、いろいろ御賛成を得られるかどうか非常に疑問なんでございますけれども、できるだけやってみたい、かよう考えておるような次第でございます。
  61. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    ○吉田(賢)委員 いまの社長のそのお考えは、やはりいろいろと次元の異なった問題が混在しておると私は思うのです。あなたといたしまして、大上段からかまえまして、やはり相当雄大な理想的なものを持って対処せられようとしておるやに見られます。これはしごく、いまの社会経済の全体の推進の上において重要なことかもしれません。しかし現実のその器は株式会社である。そして限定された目的と、会社、あるいはまた特定した計画のもとに進められていって、とかく批判がある問題が次から次に起こっている現実であるということになっておりますので、やはりそのためには、あなたの主張を実現さすためには、それこそこの際根本的に、これはもう一ぺん、法律の制度自体、それから業務の内容、対象そのもの、すべて考え直す。ただしそれは構造の問題であります。運営につきましても同様にあらねばなるまいじゃないか。両全を期すのでなければ、あなたの希望しておられる所期の目的を達し得ないと実は思うのであります。  そこで、これは私の意見でございますから、これ以上議論はいたしません。きょうは開発庁の長官は見えておりませんが、この主管庁は、開発庁と総理と、それから通産省になっておりますね。そうでございますね。
  62. 小熊政府委員(小熊清)

    小熊政府委員 さようでございます。
  63. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    ○吉田(賢)委員 総理の関係北海道開発庁長官が、こういうことになるのですか。
  64. 小熊政府委員(小熊清)

    小熊政府委員 法律上の主務大臣は、内閣総理大臣と通産大臣でございます。内閣総理大臣の監督事項につきましては、北海道開発庁長官に相当部分が委任されております。
  65. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    ○吉田(賢)委員 そこで、いまの社長との問答の一点でありますが、きょうはあなたのほうの長官が見えておらぬ。あなたは、長官の責任ある御答弁を代行するわけにいかぬかもしれませんけれども、しかし問題と取り組んでいく以上は、この存廃、あるいはまた改変、あるいは新しい発展、あらゆる角度から問題と取り組んでいくためには、いま私が社長と問答した一点は、これは見のがすことのできない点だろうと思うのであります。ついては、北海道開発庁といたしまして、いまのその法律の形の問題、第一条の形ですね。株式会社となっておるが、北海道地域を限定しておるが、これは一体どうするか。この形の問題について、これは相当改正してしかるべきでないか。本来ならば、三十七年の八条の二項を付加するときに、これは当然論議をしなければならぬはずであったのであります。これができておらぬ。そうして今日まで至っておりますが、事実上は形と実は食い違ってしまっております。だからこの点につきまして、これを改正する必要があると思うのですが、この点、北海道開発庁として、また通産省の  これはきょうは責任者が見えておらぬらしいが、両方からひとつ答弁してもらいたい。
  66. 小熊政府委員(小熊清)

    小熊政府委員 会社の現状等については、先ほど来御答弁申し上げたところでございますが、ただいまの吉田先生お尋ねは、現在の会社形態、これを法律改正を含めて改正すべきであると思うがどうか、という御質問の趣旨かと存じます。開発庁といたしましては、現在、行政管理庁のほうでもいろいろ御調査になっておる時期でもございますし、会社の首脳部もかわった時期でもございます。この機会に、会社が今後どういう形態で、どういう事業内容でいくのが今後の発展のために一番いいであろうかということを、開発庁全体として検討しておるわけでございます。その結論がまだ出ておりませんので、法律を改正することになりますか、あるいは会社の組織そのものを変更することになりますか、その辺の結論はまだ申し上げる段階ではございませんが、いろいろな御意見、もちろん会社の御意向も十分に承りつつ結論を出していきたい、かように思います。
  67. 佐々木説明員(佐々木敏)

    ○佐々木説明員 ただいま先生の御質問は、北海道開発庁のほうからも御回答がございましたが、通産省といたしましても、北海道開発庁並びに行政管理庁と、北海道地下資源開発株式会社の問題につきましては、現在鋭意検討をしておるわけであります。方向といたしましては、ただいま北海道開発庁のほうから御答弁ございましたような方向でありますが、特に通産省といたしましては、現在の石炭並びに非鉄金属の、北海道における資源の有望性、並びに日本全国の今後の地下資源開発の重要性につきまして、この会社が今後ますます合理的な経営ができるような方法で考えてまいりたいと思います。以上であります。
  68. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    ○吉田(賢)委員 合理的な方法で経営ができる、これは運営の問題であります。これはまた別なんでありまして、その前に、ともかく形としての法改正の必要があるのじゃないか、こういうふうに聞いておるのですよ。通産省として、臨時行政調査会答申が出て以来、もう二年八ヵ月になっておるのです、相当こういうことは検討し尽くしておると思うのです。関係各方面から相当重要な意見が出ておるし、通産省も意見も出したりしておるのだから、こういうような問題については、もうすでに検討済みじゃないかと思う。いまごろさらに慎重に検討して——また情勢は変化していくのですから、もう結論があってしかるべきだと思う。だから、通産省、開発庁、それから行管と、三者それぞれと協議していくならいくで、相当、案、意見が固まっておらなければならぬと思うのだが、まだ固まっておらぬのが実情ですか、その点どうなんでしょうか。
  69. 佐々木説明員(佐々木敏)

    ○佐々木説明員 ただいま申し上げましたように、現在の段階は、北海道開発庁と一緒になりまして、行管の御指導もありまして——現在まだ結論は出ておりません。
  70. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    ○吉田(賢)委員 社長に伺ってみます。また常務でもけっこうですが……。臨調の答申によりますと、これはむしろ民間株式会社化してはどうか、こういう意見が出ておるのであります。民間株式会社にすることは、むしろこの際に、いろいろな弊害というよりも、たとえば、赤字を平気で背負っていくというなら、それならそれでわかる。それならそれで、株式会社でないほうがいい。株式会社というのは営利団体です。商法の法律概念によりましても、営利的企業団体が株式会社ですから、そうでない公益法人でも何でもないわけです。それが赤字赤字と累積いたしまして、赤字の損は結局九割以上が国民の負担になっておりますので、そういうことを平気でかぶっていくということの矛盾を何とか解決せにゃいかぬ。こういう点から考えてみましても、やはりこのあたりにおきまして、いっそ株式会社として利益を追求しながら、しかし同時に社会公益に寄与し得るというようなことは当然でありますから、株式会社といっても、社会の福祉を無視して自己の利益をはかるということは、これは許されませんです。ですから、それはそれで、日本の地下資源開発のために、保護のために寄与するということをし得るでないか。いっそ民間的なものに切りかえたらどうかというのが臨調の意見であります。これが妥当かどうか私にはわかりません。私はきょうは白紙の立場で、臨調の意見と、答申趣旨と、それからまた当事者の立場の意見と、あるいは主管庁の意見を、全部総合的にここに集約して出してもらいたい、というのが私の希望なんです。率直なところを実は聞きたいのです。この際、民間にむしろ切りかえちゃってしたらどうかというのが臨調の線ですが、これについて、端的なことでよろしゅうございますから、あなたのほうの御意見を聞かしてもらいたい。
  71. 南参考人(南好雄)

    ○南参考人 吉田先生にお答え申し上げます。  住友とか三菱とか三井とか、ああいういわゆる大企業といわれている連中でさえも、御承知のように、配当はだんだん減り、株価はだんだん下がり、気息えんえんとしているのがいわゆるメタルマイニングの現在であります。したがって、これを株式会社にいたしますと、これは結局出した九億を棒引きにして、残った財産を清算するための株式会社というような気もするのであります。それでは、せっかくこの法律をつくって、そして百数十人の有用な技術陣が営々として、日本の地下資源調査するために、毎日若い連中が千メートル、二千メートルを電気ボーリングをやっている、この人たちの将来を考えますと、もう非常に暗たんたる気持ちになるのであります。  私の考えは、臨調の意見と全く違って、これはむしろ株式会社的なものは比率にいたしますと一%か二%ぐらい、それはあくまで現在やっている連中の鉱区に、彼らの力でできない有効な調査を当初の力でやってやろう、こういう意味にこの会社がいくならば、民間各社もおそらく反対はなされまい、こういうように考えまして、むしろこれは公団的あるいは公社的色彩を持った、そしてもう少し政府も本腰を入れまして、調査費も十分出していただいて——これは全く通産省の地質調査所と目的が違うのです。違うのでありますから、そういう意味合いの調査費を、この際政府にも出資をしていただきまして、そして北海道に限定せずに——これはもちろん法律改正を必要といたします。堂々と法律改正を、皆さまのお許しを得てやって、そういう目的を持っていきたい。臨調の、株式会社にするということは、どういう意味でそうなったか、あんまり損するから、株式会社にせいという意味であったか、それはまだ私拝見しておりません。拝見しておりませんが、株式会社にしたら、これはつぶれるのはもう目に見えております。九億の政府出資があって、しかも毎年損害が出て、黒字は二ヵ年しかなかったというのでありますから、株式会社だったらこれはたいへんです。千円の株はおそらく五十円、三十円になっておる。そういう意味株式会社にするなら、むしろこれはやめたほうがいいのであって、もしこういうものがほんとうに必要でありますならば、先ほど私繰り返し申し上げましたように、乏しい狭い国土に、これから役立つ鉱物がもし発見されずに残っておりますならば、これを発見して、将来国民生活の向上にプラスするように、国はある程度の誠意を見せていいのじゃないか、かよう考えて、私は就任したようなわけでございまして、自分の就任したときの希望が達成されるかどうかは、私存じませんけれども、一生懸命にやってみるつもりでおる次第でございまして、吉田委員の御質問に対して、はたして納得を得られたかどうかは、私としても非常に危ぶんではおるのでありますが、希望はそういうところに持って就任したと申し上げて、お答えといたします。
  72. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    ○吉田(賢)委員 臨調の答申の要旨の一節には、必ずしもずばっと、民間株式会社にしてはどうかという結論ではないと思います。かなりいろいろな前提があるようでございます。第一、政府出資は約十億円でありますし、言うならば、九割九分まで政府出資であります。そこで、事業量なりまたその実績なり計画といったようなものが実績にそぐわない、計画のそごか運営の誤りか何かはわかりませんが、そこで逐次赤字は増大していく、こういうことになっております。さらにそれに加うるに、三十七年に法改正して、北海道から内地に進出するということになる。私もいま、三十七年の川島国務大臣の提案理由を、速記録で読んでみたところなんですが、赤字の解消が目的です。事業量がだんだん減ってきた、受注量がだんだん減ってきた、仕事の量がだんだん減ってきたので、内地に進出して、赤字をなくしていくということが目標になっておるらしい。株式会社と言わずに、損は覚悟で、年に一億ぐらい損をしても、日本の自然資源を保護し、発見し、確保するというためには、なくちゃならぬ重要な機関だ、こういうようなことを最初から銘打って、それでいくならば、三井、三菱に株を頼みにいかぬでおやりになるというのなら、名実ともにそういうふうにすべきです。その辺の矛盾がかなりあるのです。この矛盾がありますので、矛盾解決の一つの提案といたしまして、臨調が、こういう民間の一般株式会社化してはどうかと言っておる。臨調としても、終始それで貫いていけという主張ではないのです。それでやりなさい、赤字がなくなってしまって、業績があがってきたらもう一ぺん再検討しなさい、こういう一つのゆるみを持ったことばまで、あとに残しておるんですよ。それほど言うなら——矛盾が混在しておる。あなた自身のさっきからのお話によってみましても、あなた自身は相当高遠な理想を持って、日本の資源開発に取り組んでいこうとする、その意気込みと抱負を持って社長に就任なさっておるらしい。ところが現実の形はそうじゃなしに、株主総会を開きます、決算報告をいたします、そうしてその営業成績は、株式会社のいろいろな制約も受けます、こういう中へ押し込んでしまっている。この矛盾をあなた自身もお感じになっておる。お感じになっておるので、その結論一つとして、私は聞くので、臨調の答申が、直ちにあなたの御提案になりましたものを全部解明するというところまでは明らかになっておりません。われわれの得た資料によって、そうなっておらぬ。矛盾があるのです。ありますけれども、しかしこの矛盾の中で解決できないなら、いっそ民間株式会社化してはどうかというのが、臨調の答申趣旨だと私は思います。だからそれをしなくても、こういうふうに所期の目的を達し得るのだということにいけるならいいですよ。事実はそうじゃないんだから。試みに、臨調の答申に対する広範な反駁書が出ております。この反駁書を読んでみますると、これは北海道開発庁が出したのでありますが、これによりますと、監督官庁である、つまり主務大臣である、主管大臣である総理大臣を代行した御意見ですよ。三十九年の十一月に行革本部長あてに出しております。これによりますと、逐年利益は増大していく。昭和四十一年から四十三年のころには、四、五千万円の年間黒字を出す見込みで、前途に明るい光明を見出したのである、こういうように断定しておるのですから。ところがまた一方、四十二年三月三十一日に出した本年の営業報告によりますと、本年度赤字五千三百六十三万円、五千三百万円の赤字を出している。これが民間会社でありましたら、こんなでたらめなことをしたら首ですよ。これは監査か社長の報告か何か知りませんけれども、一体開発庁といたしましては、総理大臣を代行する重責があるのですよ、法律によりまして。ところがこういうような見当違いの意見を出して、結果が違ってきたということは、一体だれの責任なんです。このことを言わざるを得ない。民間でありましたら、株主総会でじゃんじゃんと責められますよ。どうしてこういうようなでたらめな意見を出したのであろうか、こういうことになるのです。こういうことにつきましても、これはどこかが誤っておる。どこかが誤っておっても、誤ったところを責任を追及する方法はいまないのですよ。損をしたって、別に腹は痛まぬのですから。国民が泣くだけですよ。税金が取られるだけのことなんだ。だからそこに問題がある。これはついでですけれども開発庁といたしましても、きょうあなたにこんなことを言って、最高の責任を追及するという言い方は適当じゃありません。ありませんけれども、出てこないのだからしょうがないです。一体こういうことにつきまして、あなたのほうは責任感じませんか。どうです。通産省もどうなんです。通産省もきょうは課長しか見えていない。あなたは通産大臣の意向を代行することはできないのですね。局長も来ないしだれも来ないのです。だから、こういうことについて、どういうふうに一体、省として、庁として、お考えになるのですか。
  73. 小熊政府委員(小熊清)

    小熊政府委員 吉田先生ただいま御指摘になりました、臨調の答申に対する当庁の意見は、まさにそのようなことを、当時当庁としては庶幾いたしまして、行政改革本部へ出したわけでございます。その結果、その後それに基づきまして、当庁としては、鋭意赤字を解消するという方向会社を指導いたしました。三十九年度と四十年度は、わずかではございますが、収支とんとんということになったわけでございます。四十一年度以降も当然そのベースで、赤字を出さないという方向でまいっておったわけでございまするが、四十一年度は、たまたまただいま御指摘のように、五千数百万円の赤字を、これは主として新しい工法に対する技術的なふなれということがございまして、思わない赤字を生じたわけでございます。これにつきましては、見通しが悪かったというおしかりは重々ごもっともでございます。私どもといたしましては、四十一年度に再び赤字を出したという点について、まことに申しわけなかった、遺憾であった、というふうに考えております。今後は臨調の答申の御趣旨に沿うように、さらに会社を指導していきたいと存じております。
  74. 佐々木説明員(佐々木敏)

    ○佐々木説明員 通産省といたしましても、三十九年、四十年度の黒字転換当時の判断が、四十一年度におきまして予想外の赤字になったということの判断ができませんことにつきましては、申しわけなく存じますが、今後は、四十二年度以降極力、先ほど申し上げましたような指導をいたしまして、健全な経営に持ってまいりたい、かように考えております。
  75. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    ○吉田(賢)委員 そこで問題は、社長、やはりこういう点が根本的に問題であると思うのですね。つまり一つは、あなたをどう言うのじゃないですよ、どう言うのじゃないのだけれども、やはり公社公団全体を通じてみますると、赤字が平気なんですね。たとえばここで、この間も愛知用水公団を論議していたのですが、愛知用水公団のごときは、本年でもなお国の補助金を八十億円くらいはもらいますね。もう事業を完了したあと、補助金をなおもらう。たいへんありがたいことです。だから、そういうような考え方があるのじゃないだろうかということを非常に心配いたしますのです。いまおっしゃった説明によりますと、技術ふなれによる不覚の損害らしい。一体人事、運営——少なくとも人事の面におきまして、これは最高首脳部以下技術陣は、他に比べて相当優秀な技術陣が、上部にもそれぞれ充実するということになっておるのだろうか、どうだろうか。技術陣相当充実しておりましたならば、このような不覚は生じないものです。いま、私は会社経験はないのですけれども株式会社経営なんかにつきまして、相当厳格な規制のもとに技術、運営、経理などがなされておるという会社相当できてまいりました。この民間の自主的な責任体制というものが、公社公団、この特殊法人の全体として一番弱い点です。たとえばいま開発庁は、技術ふなれで損害を生じて、まあこれから慎重にやりたい、注意したい、これで相済み。株式会社でしたら、これどうします。どんな有名な社長でも首ですよ。もう例が幾つもあるのですから。私も存じております。有名な、さる会社社長まで、事業上のある失敗から退陣した例も、実はあるわけなんです。それほど峻厳です。ですから、それは株式会社のことで、こちらは違った性格を持っておりますけれども、そこに割り切れぬものが混在しているから、こんなことになるのでありまして、それならそれで、私は、技術陣もこれは世界的に恥じないりっぱなものである、ある水準にまであるんだ、人間において、設備において、機械において、あるいは運営において、というふうにまでいくのでなければ、これはだめだと思うんですがね。ですから、そういう面におきまして、臨調などの指摘によりましても、計画実績が食い違ってしまっているということを指摘しているんですよ。一体計画責任はだれが負うのかということです。社長が負うのか、通産大臣が負うのか、どこへ一体報告するのか。それは、三井かどこかが株主になっておるか知りませんけれども、そんな九牛の一毛の株主で、発言しようということは毛頭考えておりません。だから、それは、責任を負うところがないわけなんです。これはそういうことになるんですね。だから、そうなればなおさら、これはやはり本質的体質そのものを改革するというところへ手を差し伸べるべきでないか。臨調にいたしましても、何も親のかたきを打つために、この北海道地下資会社へ向かって、民間会社にしてはどうかと言っておるのでないと私は思います。それはやはり十億の国民の血税、これを使っておるという大切な公益的な存在であるから、その目的を達成しようと思うならば、こうしてはどうかということだ、私はそう思います。ですから、私は、やはり企業的な自主自責の責任感をもって進めていくということができないのならば、その必要があるなら、むしろ民間株式会社に切りかえたらどうか、こう言っておるんです。それは絶対反対。それならばそれで、経営面、運営面におきましても、株式会社の自主性、こちらにはそれ以上の厳格な、自主的な責任をもって、業績をあげていくだけの計画も立てるし、運営もするんだ、陣営はこれこれだ、こういうことを国会に向かって報告し得るはずなんです。これができないんです。そのできないというところに、これはどうにかせにゃならぬじゃないかという結論が、私は出ると思うのです。これは、きょうはあなた御就任早々ですから、あなた御自身も、ほんとうにきょうの初心忘るべからずです。それで私は、非常に清新なものをもって対処しておられると思う。いずれにいたしましても、一刀両断ではいきますまいけれども、抜本的な取り組み方が、やはり絶対に必要だと思います。  そこで、たとえば技術者の養成、確保とか、あるいは工事原価の面とか、経営の改善の面とか、機械の効率化の向上とかいうような、そういうかなり運営の実情に必要な事項、こういう事項について、相当改めていく必要がないかという意見もあるのですが、こういう点におきましては、当事者の立場としてどういうふうにお考えになりましょうか。また、監督者の立場もそうなんですがね。実は監督者のお立場の皆さんからは、責任のある御答弁が、きょうはできないことは実際遺憾なんです。それを言っておいてください、佐々木さんお帰りになったら。あなたを別に軽視する意味じゃないです。主管大臣の立場なんだから、そうして、開発庁にしても同様でございますから、やはりいまのような面、人間とともに、機械、効率といったようなものを全面的に運営の重要要素として考えて、これを改めていくという用意がなきやならぬ。こういう点はどう考えますか。
  76. 南参考人(南好雄)

    ○南参考人 吉田先生の御質問にお答え申し上げます。  私も、何も知らなかったのでありますが、着任早々その点が一番気になったのであります。これは御承知のように、地下資源調査であります。これは事務系統にできぬことでございます。それで、技術者をどういうふうに待遇しておるか、こういうことを一番先に心配をいたしまして、聞きました。技術者につきましては、相当事務当局と比較にならぬくらい重要視して待遇しておるようでございますが、ただ、御承知でもありましょう。こういう方面のエンジニアと申しますものは、一朝一夕になかなかでき上がりません。また、でき上がると、そういうものはなかなか手放さない。三菱にも住友にもりっぱなエンジニアがおります。おりますが、この会社の性質上、そういう会社の人たちにまさる報酬で招聘するというような、そんな簡単な仕組みになっておらぬことも、吉田先生御推察いただけると思うのであります。そこで、若手をできるだけ短日月に優秀に育て上げる、こういう方針のもとにおいてやっておる、こういう説明でありましたので、きのう私行って、現に宿舎、研究室、そういうものを見てまいりました。なかなかちょっとよそのところと違った宿舎等の待遇をしております。ただ、研究室が非常に、本社を北海道に置くか東京に置くかという根本問題がきまらぬために、研究室はまだ非常に不十分であります。もう吉田先生の御質問の御趣旨のとおりです。どっちかに割り切っていかなければどうにもならぬようなところへきているように、私も考えます。そこで、私は、先ほど申し上げましたように、国のほんとうの大事な資源を一営利会社の私にさせないで、という意味合いにおきまして、徹底的に技術者を養成いたしまして、そうして有効鉱物資源調査ということと本格的に取っ組んでいきたい、こういうつもりで、はなはだ不適任であると思いましたけれども、これは大事なことだと思いましたので、すすめる方のおことばに従って、快くこの会社に就任したようなわけでございまして、御質問の趣旨はぜひ実現していきたい、ただ、急にここ二年、三年のうちに世界的に名をあげるような、そういうりっぱなエンジニアは、私はなかなかできかねると思いますが、かりに四、五年しんぼうして目をつぶっていただければ、この中から必ずりっぱなエンジニアが出てまいることだ、かよう信じて、きのう帰ってまいったような次第でございまして、もうしばらく時をかしていただきますことをひとつお願い申し上げまして、答弁にかえたいと思います。
  77. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    ○吉田(賢)委員 開発庁の方にちょっと尋ねておきますが、ひとつこういう点御相談してくださいませんか。やはり民間株式会社に切りかえることに反対だ、それを存置していく。それなら、存置するという以上は、相当体質の改造もしなくちゃならない。それから、新しいいまの人材とかあるいは設備内容につきましても、相当社会の要請に応ずるだけの用意が整わなければ意味がない。同時にまた、開発庁自身が——これは、総理の代行としまして、開発庁が主管しておるというのでありますから、行政の監督に服する、これもよろしいけれども、それならばずっと大きな存在にこれをせしむるくらいの気持ちを持って、改革に当たることはどうか。これは一つ意見ですけれども、いっそそこまで踏み切っていくということにするかどうか。しかしそこまで踏み切っていくという以上は、これはたとえば一政治行政上の利権の対象なんかには絶対なるべきではありません。いやしくも公私混同することはあるべきではありません。人事天下りも、これは許されることはできません。あるいはその他、利害関係におきましても、あくまでも全国民を対象にいたしまして、この天然地下資源開発の確保に向かって、その使命とするところに進んでいかねばなりませんから、容易なことじゃないのです。そのくらいな抱負を持って、この会社を本物なものにするということに、生みの親の一人として、骨を折っていく、こういうふうなことを、ひとつ庁として、内部的に、最高の一つ考え方として、御協議を願いたいのです。御協議してもらいたい。通産省の佐々木課長さんにも頼んでおきますけれども、いまのような趣旨におきまして、やはり通産省といたしましても、監督官庁でございますから、あるいはあれやこれやといろいろと指示したり監督したりしておられますけれども、これとてもやはりいまのような角度からいたしましたならば、大きなものにするならば、それはもう抜本的なものにしていかなければならぬ。取り組み方がたいへんですから、いままでのような考え方では間尺に合わぬと思っております。この点について論議すると長くなるから、しませんけれども開発庁に頼みましたと同様な趣旨で、あなたのほうもひとつ論議をしてもらいたい。内部的に論議してもらいたい。論議した集積を、行管との間に三者協議をいたしまして、そして今後の開発株式会社のあり方、どうあるべきかという結論を出すように、ひとつしてもらいたいと思うのであります。いまの臨調の答申にいたしましても、一つ結論を最後までずっと持っていくという行き方でないのでありますから、私はぜひその点は御希望しておきたいのですが、それは了承されますか。
  78. 小熊政府委員(小熊清)

    小熊政府委員 先生の御趣旨をよく上司に伝えまして、協議いたしたいと存じております。
  79. 佐々木説明員(佐々木敏)

    ○佐々木説明員 ただいまの先生の御趣旨を十分拝承いたしまして、省内におきまして十分に検討してみたいと思います。
  80. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    ○吉田(賢)委員 それから、社長、いまのこの法律を見てみますると、主務大臣の認可、承認、監督とやたらに出てくる。これは第一条から罰則以前の二十条まで見ると、私は法律で飯を食っておるから、そんなことが気になるのかもしれませんけれども、各条とも、主務大臣の認可、主務大臣の監督、命令、主務大臣の承認……。何もかも主務大臣、がんじがらめであります。そしてその主務大臣は、会社の人事、つまり取締役、監査役に関する事項は総理大臣、その他の事項は総理大臣及び通産大臣、つまり大臣のがんじがらめであります。これでは一体どうなるだろうか、こういうふうに実は思うのであります。そこまでいくのなら、もうそんなに外に出さずに、通産省の中に置いて、もしくはどこかの中に置いて、純然たる行政機関として運営なさったらいい。行政機関にあらずして、一つの補完的な外の存在としてこれを認める以上は、ここまで縛っていくというのでは、これはどうにもならぬのじゃないだろうか。もともとこれは公社公団、あるいは特殊法人というものの基本的な性格が、統一的なものは日本ではまだできておりません。ソ連とかその他になりまして、特殊な哲学を持っておるのは別ですけれども、日本におきましては、それは統一的なものはなさそうです。でありまするから、やむを得なかったかもしれませんけれども、これも大臣の監督、これも大臣の認可、大臣の承認、何もかも大臣がひもをつけてうしろからあやつっておるというような感じがいたします。大臣といえども——そうじゃなくして、通産省はあなたですかね。もしくは鉱山局長ですか。あるいは開発庁にいたしましても、総理大臣即開発庁開発庁即あなたということになりますかね。そういうことになるんじゃないかと思います。そういたしますると、結果は一体どうなるのでょう。南社長は、きょうは、政界からこの社会にお入りになったから、一つの別の印象を私は受けますが、数年たちますと、何か知らぬけれども遠慮をする。何か知らぬけれども気がねをする。言うなれば、本省の言うことは何でも聞きますということに、しまいになってしまいやしないかと私心配します。そうなりましたら、百八の公社公団は、日本の官僚、政界の食いものになります。官僚、政界の食いものになるということは、正しい純粋な公務員を毒することになります。むしろそうでない人がこれをあやつることになります。当委員会におきましても、不祥な事件も去年起こりました。いろいろなことを私ども考えなければならぬのです。公私混同になるおそれがあります。これを正すというのが、少なくとも私どもの公社公団と取り組んでいく一つの立場です。恩も恨みも何もないのですけれども、これを正していくのが一つの立場なんですよ。でありますから、結局あずかっておるこの北海道地下資源開発株式会社は、おれの責任でいくのだ、正しい自主的な判断でいくのだ、という気魄が終始一貫なければならない。ところがそうでなくて、本庁の属僚に頭をぺこぺこ下げていくとか、顔色を見るとか、お伺いを立てるとか、そういうことばかりをやりましたならば、それでは全く腰の抜けた茶坊主みたいになってしまって、その人だけがだめになるばかりでなく、公社公団がだめになる。これを心配するのです、こんながんじがらめにすると。責任を持たすなら持たしなさい。そして最大、最高の成果を要求すればいいのです。しかし厳重に責任をとらせればいい。そうして信賞必罰、厳格な態度をもって臨む、これが、私は主管省と公社公団両者のあり方であると思う。公社公団自身にしましても、主管省に対してぺこぺこ頭をやたらに下げるのではなくて、言うべきは言う、なすべきはなす、しかし責任はりっぱに果たしていく。さい然と区分して、よしんば昔通産省におったとしても、どこにおったとしても、いまは違う、こういうけじめが日本の公社公団、官庁にはないのですよ。そこで問題が起こるのですよ。あなたは政界の苦労人だから、こんなことは釈迦に説法で、失礼ですけれども、きょうは就任早々の日だから、こんなことを言うのです。三年たったらこんなことを言いませんよ。これは所見だけ伺っておきます。
  81. 南参考人(南好雄)

    ○南参考人 吉田先生に、この際特別につつしんで御答弁申し上げます。  私、やろうかやるまいか、非常に悩んだのであります。ある人はなるなと言い、ある人はなれと言い、いろいろ悩んだ。その中に、あなたと同じことを私の尊敬する先輩が言いました。君はいま代議士を自分でやめて、かつて大臣もやり、相当の権威と相当のプライドを持っておるが、さてこのむずかしい会社に入ると、一年もたつと、あなたが言われたような、いわゆる役所に行って、御無理ごもっともに聞かなければならぬようにならざるを得ないから、ならぬ前に行って、大臣に、わしにまかすならやるが、まかさぬならばやめるということを言ってこい、こういうお話でありました。非常に私は感激してこれを聞いたわけであります。そして、そのとおり実行いたしました。なかなか相手もつわものでございますから、だからこそきみに頼んだのだと言って、みなまかすとは言ってくれませんでした。なかなか相手もつわものです。しかし気持ちは、この法律をながめまして、これは国民の血税を九億使うものですから、むだに使わさぬようにということで、親心でいろいろなことを書いたものだと、私は善意に解釈しております。しかしもう十年近くたちまして、やってみたら、親心が小じゅうと根性になっております。もしもお許しをいただけますならば、今度の法律改正には、つまらない繁文縟礼は全部削除しまして、そしてその衝に当たったものが全責任を持って当たっていく、信賞必罰の結果、やりそこなったら腹を切っていく、こういう形の法律をつくってみたいものだ、かよう考えておるのでありますが、なかなかむずかしい問題でございます。通産省なら通産省溶けに属しております公団だと、まだやりやすいのであります。ところが各省にまたがっておりますと、なかなか意見が一致いたしません。これは私も十八年間見て、つくづくあきれ返った実例が何百とございます。おそらくこれもそうだろうと思います。しかし幸いに、北海道開発庁にいたしましても、通商産業省にいたしましても、手にかけて一緒に苦労した人間がまだおります。私の苦衷を察してくれるならば、もう親心の域を脱して、小じゅうと根性でひもをつけて文句を言う、そういうような条件が、まだ一省一省当たっておりませんけれども、ございましたら、これはとってくるれることにはおそらく賛成してくれると思っております。なるべく早い機会に意見をまとめまして、委員会の御審議を仰いで、すみやかに吉田委員の心からなる御忠告に従いたい、かよう考えておる次第でございます。
  82. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    ○吉田(賢)委員 行管からだれか見えていますね。——あなたにちょっと聞いておきますが、いま行管の作業といたしましては、北海道地下資源開発株式会社に対しては、大体どういう方向に進みつつあるのでしょうか、ちょっとそれを伺っておきます。
  83. 杉浦説明員(杉浦滋)

    杉浦説明員 臨時行政調査会答申趣旨は、先ほど先生がお述べになったとおりでございます。われわれの調査方向といたしましては、これも先ほど話が出ました、三十七年十一月に、北海道開発庁長官のほうから御意見をいただいております。ただ、これは時期的にも若干の差異がございます。と申しますのは、四十一年度の決算にあらわれたような事態が、また変わってきておるわけでございます。いずれにいたしましても、われわれといたしましては、臨時行政調査会がはっきりした代替性のない結論をお出しになっておるわけではございませんけれども、その趣旨は、これも先生お述べになりましたように、現在の制度そのものでは、なかなかむずかしいのじゃないかということでございます。したがいまして、私どもは、いろいろ政策的な問題もございますけれども、当面は、やはり臨時行政調査会答申趣旨に沿うような措置ができるかどうか、極力そういう臨時行政調査会答申に沿った方向で、この問題の解決をいたしたい、こういう方向調査をいたしておるわけでございます。
  84. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    ○吉田(賢)委員 この問題は、相当重大であるとともに、影響するところが大きい。したがって漫然と時間を費やすのではなしに、できるだけすみやかに、ある程度の結論を得なくてはなるまい、こう思うのです。つまり民間株式会社にしろというあの一つの前提ですね。しかしある成績をあげたならば、そのときに再検討しなさいというこのかまえ、これは私に言わせれば、論理一貫しないような感じさえ実はするのです。それにいたしましても、現状には問題が多過ぎる。何か知らぬけれども、問題が多過ぎますので、こういったものを、数年間ただ調査に日をかりるということは、行管としても許されないと思います。だから、やはりできるだけこの問題につきましては——臨調の答申は、たとえば民間会社にするにいたしましても、その内容とか、具体的なものがあまり出ておりません。理由もずっとたくさんあるかと思いましたら、あまりないのであります。理由も少ない。われわれが得た資料にいたしましても、そう多くの資料はございません。たとえば赤字の原因等につきましても、精密な検討がされたと思いますが、資料としては十分出てきておりません。等々ありますから、赤字に重点を置いた趣旨にはなっておりますけれども、深く掘り下げれば、そうでもない面もありますので、私は、行管としましては、もうすみやかにこれが結論を出すように、最善の調査努力はできるだけ早くしてもらいたいということを御希望申し上げておきます。  そこで、開発庁の二階堂長官なり、あるいは菅野通産大臣などに対しましても、やはりこの種の問題につきましては、相当責任を持った一つの重要な最終意見を、早くきめてもらわなければいけないと思います。実は、東北開発をまた将来やるのですが、二へんも三べんもこの委員会では東北開発をやっている。持ち上げたり、下げたり、ややこしいことです。また東北開発をやらなければならぬということで、うんざりするのです、取り組むのに。こういうことがないようにしてもらいたい。だから、あなたのほうのこの会社は、やはり模範的な結論を得るべきではないかと思いますので、開発庁にしましても、通産省にしましても、最高首脳部におきまして、この会社に対する終局的な態度、方針を早くきめるように、ひとつしてもらいたいと思います。これは、ある機会に大臣にもそれぞれの答弁を要求しますから、ひとつ頼んでください。よろしゅうございますか。
  85. 小熊政府委員(小熊清)

    小熊政府委員 御趣旨に沿ってつとめたいと思います。
  86. 佐々木説明員(佐々木敏)

    ○佐々木説明員 通産省も努力をいたしたいと思います。
  87. 吉田(賢)委員(吉田賢一)

    ○吉田(賢)委員 そこで、南社長に最終的に御意見を聞いておきたいのですが、もしそれぞれの主管庁、行管庁におきまして、最終的ないろいろな討議、協議ができまして、内閣の方針もそれぞれきまっていくということが早くできましたならば、私は、いずれにいたしましても、その影響と効果は大きいと思います。  そこで、あなたもきょうは相当清新な感覚からの発言でありますが、もしより充実して体質の改善をするような方向に持っていく、あるいはその運営におきましても、断然一変するような内容、清新はつらつたるものにしていくというような方向へ進むことができましたならば、あるいは北海道、内地と言わず——きのうもここで論議したのでありますが、たとえば開発途上国における東南ア諸地域があります。東南ア諸地域のいま農業開発につきまして、日本が大きな一つの協力、推進の役割りを果たそうといたしております。地下資源はどれほどあるか私は存じません。しかし聞くところによりますと、地下資源のあらゆるもの無尽蔵であるという話も聞きますが、私は、もしできれば、あらゆる議論をし尽くして、ふるいにかけて、討議の結論として、もしこの会社が存続していくということであるならば、百尺竿頭一歩を進めて、ひとつ世界的な視野に立って、アジアの自然、天然の資源を確保するということが、むしる数十億のアジア国民の福祉増進のために、同時に、これは日本が平和に寄与するゆえんではないか、こういう一つの使命をこの会社にも持たし得るのではないか、そのようにすることが、あるいは一つの行き方かもわからぬ。ただしそのためには体質の問題、構成、構造の問題から、運営の問題から、人材の問題から、あるいはこれに対処するところの人間、技術、あらゆる面におきまして、やはり世界的な一つの水準にまで持ち上げるような新しいくふう、努力がこれはなされねばならない、それくらいの意気込みを持っていくことも、新しい社会需要、行政需要でないかとも私は考えております。いま、そういうふうな考えもちらっといたしますので、これは非常に素朴な私の一つ考え方にすぎませんけれども、もし存置することが適当と思うならば、そこまで充実したものに持っていってこそ、非常に重要な役割りを果たし得るのではないだろうか。それもできずこれもできないならば、もう切り捨ててしまって、民間会社にまかしてしまって、それが損するとか得するというのではなしに、自然淘汰、自由競争の中にはうり込んでしまって、そして、必要なものならば伸びていこうし、無用なものならつぶれていこう、その運命にまかしなさい、中途半途に、国民の税金を食うことはもうやめなさい、私はこう申し上げたいのであります。これに対する御所見を伺いまして、私の質問を終わります。
  88. 南参考人(南好雄)

    ○南参考人 吉田先生の御質問にお答え申し上げます。  先ほどから、私、株式会社の色彩が一%か二%だと申し上げました趣旨は、いまの法律をながめますと、吉田先生、ほんとにあなたのおことばのとおり、七つか八つの子供にものを教えるようにできておるのであります。かつて私たちが、議員立法で石油資源調査会社をつくったことがございます。三党共同提案で、委員会を省略いたしまして、つくりあげました。これが発展的になりまして、海外の石油資源調査ということで、今国会に公団法が出ているように拝承しております。ああいうような、最も大事な燃料革命に対処するああいうものでさえも、あれだけ、まあ十年かかるのでございます。私は、先ほど申し上げましたように、こういう会社を残しておくというならば、おことばのとおり、ほんとに、各、力の強い国の、食い荒らされたままに残っております、そういうわれわれ親しむべき東洋の同胞の地下資源を、ともかく日本の力で調査をして、そして日本がもうけるという意味でなしに、現地民の生活水準の向上に幾ぶんでもプラスできるようにしてやってこそ、ほんとう意味のアジアの平和があるのだ、私はそう感じました。したがって、会社の規模は小さいし、仕事もたいしたことはないようでありますが、望みはそういうところまで持って、何とかして——総理には、就任の条件にそこまで申し上げてあるのでありますが、笑って返事がございませんでしたけれども、希望だけは持っております。何とかそういうところまで持っていきたいと思う。しかし、なかなか御列席の方々抵抗なさると思いますが、あなたも今度は私に加勢していただいて、あまり小じゅうと根性を起こさずに、私が不適任なら、私をかえていただいて、そして、アジアの地下資源調査のりっぱな技術的な機能と力を備えた機関をつくっていくことに、どうぞひとつ御協力賜わりますことを、心からお願い申し上げます。
  89. 鍛冶委員長(鍛冶良作)

    鍛冶委員長 参考人には、お忙しいところを調査に御協力をいただき、ありがとうございました。  次会は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。    午後零時五十六分散会