○南
参考人 就任早々でございますので、事情をつまびらかにしておりません。ごく初歩的なお話でお答え申し上げたいと思います。
私の就任をいたしました際に、御同様の
見解をいただいたものでございます。この
会社の
設立当時、商工
委員会にかかり、商工部会にもかかったわけであります。当時私もあなたと同じ
意見で、もう少し何かやらなければ、国民の血税をむだに使うことになる。
株式会社である以上、
資本構成がどうであろうと、国民に対して申しわけないのではないかというので、だいぶねばったのであります。しかし当時の
考え方では、戦争に負けまして、日本の発展すべき
地域がことごとく奪われてしまって、残されたただ
一つの、いわゆる
資源と申しますものは
北海道でございます。しかもその
北海道というものは
石炭が中心でございまして、
石炭が
北海道の
資源の一番中心だ、こういうことになっております。すでにその際におきましても、燃料革命というものが始まっておりまして、
石炭は漸次斜陽化しております。はたして西ドイツの
石炭事情のように、
企業としてペイするものであるかどうか、もっと本格的に
探鉱をする必要があるのではないか、さらに進んで、これからの動力源として最も必要なウラニウムその他の鉱物が
北海道にあることを調べてみる。ないということがきまっても、非常に大きな意義がある。あればこれはたいへんなことだ、そういう
意味ならば、年に二億や三億損をしても
——かりに二億や三億損をいたしましても、これは国民として、日本国としてぜひともやらなければならない
事業である。だから名前は
株式会社ではあるが、
資源を
調査して、
ほんとうに役に立つ鉱物なのかどうかということを確定的に知ることが、三十三年時分の世論の一番中心になっておったように
説明を受けたわけであります。そう
考えてみますと、なるほど
政府出資は九億で、一千万を
北海道庁が持ち、九千万を
民間の大手が持つ。それでは鉄鉱石が出るといいましても、富士や八幡の現状から
考えてみましても、これは国としてぜひやっておかなければならぬものだということで、与党の商工
委員として、しぶしぶ賛成した記憶を持っておるのであります。そういう記憶のもとに、就任の際におきましても、私はもうける意思はございません、できるだけ日本全国の
——当時は、
北海道アウタルキーと申しまして、
北海道が中心でございました。名前は
北海道地下資源
探鉱になっておりまして、その後
法律改正で東北にも手を出し得るような形になっております。しかし現に四国や九州には.手は伸びていないようにも聞いております。まだまだ狭い国土でありましても、単純なる営利だけを
目的にする、そういう
企業に
探鉱をまかせておくべきものではない。現に大手のメタルマイニングのほうは、ずいぶん大きな
会社といえ
ども非常に困難な立場に立っており、
鉱脈を保存するために、減耗控除、税制の特別の措置も講じなければならぬような状態になっております。こういう際に、もうけの中から
探鉱させるというのは、私
企業として、資本主義としてはあたりまえのことでありますが、大きな
意味で
資源保護、国民の将来ということから
考えますならば、私は、この際できるかできないかわかりませんが、できるだけ誠意を披瀝いたしまして、
政府当局にお願いを申し上げまして、もう五億か十億金を出していただきまして、徹底的に日本の
地下資源の
調査を
——もちろん通産省あたりには
地質調査所というものがありまして調べておりますが、これは純学問的でございまして、有用鉱物を
調査するということは副生的な
事業のようであります。私たちの
会社は、
地質の
調査ではなくて、国民の生活に欠くべからざる必要な鉱物の存在があるか、確認できるかどうか、その主要
目的のために
相当の国費を出していただいてもいいのじゃないか。しかし
民間資本の人たちには、この
法律に示すように、少なくとも五分や六分の利子を配当して差し上げなければ申しわけないことだ、こういうことも就任早々
考えたわけであります。九千万のものには、少なくとも五分、四百五十万ですか、五百万足らずの黒字は何とか確保していかなければならぬ。内容もよく存じておりませんが、何か数千万円の
赤字が出たそうでございますが、これはまことに申しわけないことだと思って、
委員各位に心からおわびを申し上げるのであります。もともとこの
会社は、
政府出資といえ
ども、もうけがあれば配当するのはあたりまえなのであります。あたりまえのことなのだが、地下鉱物の
調査と申しますのは、御承知のように、
調査の方法も科学的には進歩したとは申しますものの、なかなかわからぬものでございます。できるだけ最新科学の
調査方法を用いまして、そして日本の
地下資源が日本の発展のためにプラスになるような、そういう事実の確認ができましたならば、私は、皆さん方の御質問の
趣旨にもこたえ得るような結果が出るのじゃないか。ともかく任期が二年あるそうでございますが、二年間は誠心誠意この方面に努力を尽くして、有効な
地下資源の
調査に当たってみたい。
民間資本の保護とまちまして、日本全土についての
調査をやってみたいものだ、したがって、また
法律改正その他を
国会で御審議を願わなければならない結果になるのではないか、さよう
考えているわけでございまして、ただいまの質問は、私就任早々の際、私みずからがあなたと同じような
考えに立って、非常に心配したものでございますので、つつしんでお答えを申し上げるような次第でございます。