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安田説明員 ここに持っております
数字は、
昭和三十五年に
公庫が設立されましてから、四十年の終わりまでの
数字でございますけれ
ども、
一般病院で、新しくできましたものが全体で千三百三十三増加しております。そのうち
公庫の
資金によるものが八百五でありますから、大体七八%、それから
精神病院では全体で二百二十四
病院が増加しておりますけれ
ども、そのうちで
公庫の
資金によるものが百八十でありますから七四%。それから
病床のふえましたのは、これは新設も含めて、いままでの
病床をふやすというものがございますが、これが
一般病床の増加が全体で八万四千九百四十床でございます。そのうち
公庫資金によるものが五万七千二百四十七床で約六七%。それから精神
病床では全体で七万六千八百五床、これで
公庫資金によるものが三万九千八百四十八ですから、これは約半分くらい。それから
診療所では全体で六千七百五十一増加しておりますけれ
ども、そのうち
公庫資金によるものが二千二百九十九で、これは三四%、これだけのものが
公庫の
資金によってふえたわけでございますが、同時に、いま申し上げましたのは、新設されたりふえたものでございますが、いままで木造でありましたものを改築して鉄筋にするとか、りっぱなものにするとかといったようなのが、先ほど申しましたような
貸し付け残に含まれるわけでありまして、六百八十一億五千九百万円であります。
それで、いまの新設にいたしましても、増床にいたしましても、政府のほうできめました
基準がございまして、都内なんかはほとんどだめなんでございますけれ
ども、その
基準よりも
病床が少ないところに限って、不足の
病床分だけの
病院が新設されるとか、あるいは既存の
病院がそれだけ増すことができるということでございますから、私
どものほうでお
貸しした
病院なりあるいは
病床というものが、それだけ政府が考えておりますところの
医療機関の整備
状況から見て水準に達していないところに、それだけのものができた、それは相当大きな効果があったのじゃないかというような気が私はいたします。たとえばこれはばく然とした
数字でありますけれ
ども、私
ども始まったころは
精神病院の
病床というのはたしか八万ぐらいだった。いまは倍の十六万床をこえているのではないかと私は思います。これは一例でございますけれ
ども、精神病患者の野放しとかなんとか言われておることに対して相当効果があった。
それから、ここで借りることができないものはどうかという
お話があったのでございますが、これは借りられる人は大体借りていると思います。いま申しましたように、都会地なんかで、
病院を設けよう、
診療所を設けようと思っても、私
どものほうで、あなたのところはだめです、そういう方は借りられないのです。ですけれ
ども、そうでない方は大体借りられる。それで問題になりますのは、僻地の、
医療機関が非常に少ないところのことなんでございますが、私
どもの
公庫が四十年度で
貸し付け決定を行なった
医療機関のうち、
病床の普及度が五〇%に満たないもの、たとえば、この町は百床まではいいというのに五十床もない、というような半分以下のところが
件数で百三十九件。それから私
どものほうで
病院に九百四十四件
貸しておりますが、その二八・一%、この五〇%以下のところは、私
ども額に全然
査定を加えないでそのまま
貸しておるわけでございます。それから
診療所につきましても、普及度が五〇%に満たない地区は四十二件でございますが、これも私
どものほうで御
融資申し上げているわけでございます。
それからもう
一つ、別の角度から申しますと、人口五万未満の市町村というのは、大体そういう医療が不十分なところでございますが、その人口五万未満の市町村に対しまして、
公庫資金で
融資されたものが、
病院、
診療所とも毎年三〇%から三五%ということになっております。こういうことでございますので、これを三十五年
公庫ができます前の状態と比べていただきますと、
数字としては非常に大きな
数字になっております。
それから僻地の問題といたしましては、これは医務局長のほうの御所管でございますが、やはり私
ども受け身でございますから、言って見えればすぐ
貸しますが、そういうところでは
個人ではなかなかおつくりになれないということで、むしろそういう
診療所や
病院をつくるのに金がないという問題よりは、町立でつくるとかあるいは村の国民健康保険の直営の
診療所をつくっておっても、お医者さんが来ないという意味で、問題が多いわけであります。しかしいずれにいたしましても、そういうところから、私
どもまず最優先に取り扱いたいと思っております。