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1967-05-11 第55回国会 衆議院 決算委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十二年五月十一日(木曜日)    午前十時十二分開議  出席委員    委員長 鍛冶 良作君    理事 小峯 柳多君 理事 高橋清一郎君    理事 佐藤觀次郎君 理事 華山 親義君    理事 吉田 賢一君       菅波  茂君    丹羽 久章君       葉梨 信行君    水野  清君       村上信二郎君    中村 重光君       矢尾喜三郎君    安井 吉典君       浅井 美幸君    阿部 喜元君  出席政府委員         大蔵政務次官  小沢 辰男君         大蔵省主計局次         長       相沢 英之君         大蔵省理財局長 中尾 博之君         大蔵省銀行局長 澄田  智君  委員外出席者         専  門  員 池田 孝道君     ————————————— 四月二十四日  委員佐藤觀次郎辞任につき、その補欠として  高田富之君が議長指名委員に選任された。 同日  委員高田富之辞任につき、その補欠として佐  藤觀次郎君が議長指名委員に選任された。 同月二十七日  委員佐藤觀次郎君及び浅井美幸辞任につき、  その補欠として横路節雄君及び矢野絢也君が議  長の指名委員に選任された。 同日  委員横路節雄辞任につき、その補欠として佐  藤觀次郎君が議長指名委員に選任された。 同月二十八日  委員灘尾弘吉辞任につき、その補欠として池  田正之輔君議長指名委員に選任された。 同日  委員池田正之輔君辞任につき、その補欠として  灘尾弘吉君が議長指名委員に選任された。 五月二日  委員江崎真澄君及び灘尾弘吉辞任につき、そ  の補欠として村山達雄君及び村上信二郎君が議  長の指名委員に選任された。 同月九日  委員矢野絢也君辞任につき、その補欠として浅  井美幸君が議長指名委員に選任された。 同月十日  委員村山達雄辞任につき、その補欠として秋  田大助君が議長指名委員に選任された。 同月十一日  理事中村重光君同日理事辞任につき、その補欠  として佐藤觀次郎君が理事に当選した。     ————————————— 本日の会議に付した案件  理事辞任及び補欠選任  歳入歳出実況に関する件  政府関係機関経理に関する件      ————◇—————
  2. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これより会議を開きます。  この際、おはかりいたします。理事中村重光君より、理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 御異議なしと認めます。よって、許可するに決しました。  ただいまの辞任に伴う理事補欠選任を行ないたいと存じますが、これは先例によりまして、委員長において指名するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 御異議なしと認めます。よって、佐藤觀次郎君を理事指名いたします。      ————◇—————
  5. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 歳入歳出実況に関する件及び政府関係機関経理に関する件について調査を行ないます。  質疑の通告がありますので、これを許します。小峯柳多君。
  6. 小峯柳多

    小峯委員 財政投融資の問題について総論的に質疑をしたいと思うのでありますが、質疑に入ります前に、財政投融資の問題をどうしてこの決算委員会で取り扱うかということについて、少し私見を述べさせていただきたいと思います。  財政投融資計画は、一般会計の実に四八・二%、これは四十二年度の予算においてでありますが、非常に膨大な規模にまで膨張してきておりまして、第二の予算というふうなことばで呼ばれるようになってきておるわけです。しかし、その大きな規模にまで膨張してきている財政投融資に関して、突っ込んだ審議国会の場で行なわれていないような感じがしてならないのであります。御承知のとおり、一般会計も、特別会計も、政府関係機関予算議決を必要とすることになっておりますが、財政投融資計画というのは、参考資料として予算審議の場に提出されるだけでありまして、議決を必要とされておりません。それだけに私は、財政投融資というものは、比較的イージーゴーイングに扱われやすい性質を持っていやしないかというふうに考えるわけでありまして、この点を少し突っ込んで議論しておくことのほうが、この決算委員会の目的からいっても当を得ると考えるからであります。これが、第一に、財政投融資をこの委員会で取り上げてみたいと考え理由でございます。  それから、この決算委員会というのは、予算執行段階で不当なものあるいは不正なものを指摘して、以後の戒めにするというのが委員会趣旨のように承知をいたしますが、予防医学が特にこのごろ問題にされますように、予防的に、問題の出そうな根源というものに鏡を当ててこれを議論し、不正や不当なものを予防するという、予防的な決算審査というものも、新しい決算委員会のあり方としては考えていいのじゃないか、こういう観点に立ちまして、この財政投融資計画というものがわりあいに軽く扱われておって、その結果、ある場合には政府意図あるいは国会意図をはぐれて、かなり自由奔放のものにもなり得るという意味で、この財政投融資計画というものを検討しておきたい、これが第二の理由でございます。  それから第三番目には、財政投融資原資が、政府保証債でまかなわれますが、国債がもう予算編成の中に大きな位置を占めるようになりました今日、国債消化力とのかね合いにおいて、財政投融資原資である保証債消化の問題も考えなければいかぬように思いますし、またこのごろやかましい資本自由化にも関連して、外資を財政投融資の中の原資にもかき入れているような点もありますから、その点でも、これを一ぺんおさらいしておく必要がありはしないかと思うからでございます。これが第三番目の理由でございまして、こんな意味から、きょうは財政投融資計画総論的にひとつ検討して、その総論的な検討の終わったあとで、また各論的な質疑を、ほかの委員の皆さんからしでいただきたいと考えるわけでございます。  最初に、これは理財局長に伺いたいのでありますが、財政投融資財政的な意義役割り、これについて御見解を伺いたいのであります。私がどうも少し勉強してみて痛感することは、財政投融資計画というものが出発したときの意図と最近における役割りというものが、かなり変わってきているような感じを受けるのであります。そういう意味で、財政投融資というものの財政的な意義役割り、出発当時の意図、その後の変遷、また将来かくなくちゃならぬというふうなことを、担当の局長としての御意見をひとつ承っておきたいと思います。
  7. 中尾博之

    中尾政府委員 総論総論でございまして、御質問趣旨がいささか広範でございますので、一応お答えいたしますが、あるいは的をはずれておりましたら、御注意いただきましたら、そこでまたそちらに向けます。  財政投融資計画というものがございます。それについてのお話でございますが、その中で二つに分けてお考え願えると実はたいへん便利かと思うのでございますが、一つ財政投融資計画なるものによりまして、一応取りまとめておりまするところの事業計画があります。これはせんじ詰めれば、結局各特別会計、たとえば学校特別会計ですとかあるいは病院の特別会計ですとかその他若干の特別会計がございます。その会計。それからその次が公社でございます。電電とか国鉄とかいう公社。その次は公庫でございます。御承知のとおり、特別会計のほうは、これは歳入歳出というものは国会議決によることになっております。したがって、予算がある。この予算に対応いたしまする結果は、決算がつくられます。これは当決算委員会で御審議になることになる。それから公社も同様でございます。次は公庫のたぐいがございます。これは公社と同じく政府ではございません。法律的には別のものでございますが、これも一部予算統制を受けております。事業計画そのものは、予算統制を直接には受けません。しかし事業に伴いますところの資本つまり増減の原因になる損益だけです。営業上の損益だけの予算が出ておるわけです。損益、つまりいかなる益金が入りいかなる損失が出るか。つまり、公庫でございますからお金を貸しますが、その場合に、貸すのは別に歳出にはならぬ。貸しました結果利息が入りますと、これが歳入に入る。それから金を調達いたしますと、これは別に歳入にはなりませんが、その結果支払い利息が必要になってまいります。これは損金に出ます。そういう関係あるいは経費の関係といったようなものの予算制度化されておるわけでありまして、それによって実態はきまります。その中身に、予算で、以上きまりました点は損益でありますが、実際は損益を通しまして、全体の事業計画ということが前提になっているわけです。これはこの辺は実は予算内容がきまっておる。それからその次は公団のたぐいでありますが、公団、続いて事業団あるいは特殊会社というのがいろいろございます。これらは予算国会議決制度はございません。したがって、それに対応いたしまする決算国会における審査ということもございません。これらの事業はそれぞれ事業を行なっておるわけですけれども、それの事業執行やり方につきましては、特別会計におきましてはまさに国と同じことです、国でありますから。それから公社になりますと、少しはだが変わってまいります。それから公庫になりますと、それよりかまた変わってくる。それでだんだん私が先ほど申し上げましたような順序に従いまして、必ずしも国のやり方とは一致しない。それよりか多少、まあ大まかに申しますれば拘束がだんだんゆるくなっておるということでございます。  これは、いま予算の面だけを申し上げましたが、そのほかいろいろな、会計制度の面でございますとか、あるいは労務の関係でございますとか、そういうようないろいろな管理面、それから仕事そのものにおきましても、だんだんルーズになってくる。いずれも公の仕事をいたしておりまする面が多分にあるのでございますから、そこに非常に問題はございますけれども、一方、国自身あるいはこれと同じような規制のもとに仕事をいたしておりますのではだめなんであって、もう少し民間的な自由な範囲におきまして、自由な立場におきまして動き得るような形に、したがって当然また責任も重大なわけですが、いろいろなものができているわけです。それらの事業内容関係しますのが、この財政投融資でございます。  これらは、手続的に申しますと、最初のほうに申し上げましたのは大体において予算できまってくる。それから公団事業団あたりになりますと、直接予算はございませんが、出資、あるいは利子補給、あるいは債務に対する政府保証というような手段によって、財政統制を受けております。これらの手段は、予算で規定されておるものが大部分でございます。したがって、予算の御審議の際に、その手段がしかるべきものであるかどうか、必要不可欠なものであるかどうかという御審議があるわけです。その御審議は、実はこれらの事業そのものの御審議ということになっておるのであります。そういうような統制が大体ございます。  そういうようなニュアンスをもって並んでおりまするいろいろな機関には、それぞれ、国会議決によるものは議決によるし、よらないものは主務大臣事業計画資金計画認可というようなもので動いておる。これに対する国会統制は、予算審議の際にも行なわれ、それから当然出資あるいは政府保証の実行といったようなことに相なりますれば、決算面にも結果は出てまいります。それで統制をするという姿になっておるわけであります。これが実態でございます。  それから、中身でございますが、中身はいま申し上げましたようなことで、したがっていろいろな各省の行政の延長になっておるわけです。それから、これが今度は形式的な意味財政投融資計画ということで、実際問題として私どもは取り扱っております。これは予算編成と同時に、そういう計画を集録、集計いたすのでございます。実際には、いま申し上げましたようなことでありますから、予算編成によって内容がほとんどきまります。それを財政投融資という形で集録しておるということでございます。集録いたしますので、財政投融資計画自体としては、それ自身創設性は持っておりません。それらのものの集計であります。  しかし、ただいまもお話がございましたように、いわゆるその利益金中心といたしました、あるいは最近であれば、国債中心とし税金を中心とした一般会計というものあるいは特別会計というものに並びまして、いわゆる政府関係公社であるとか公団であるとか、あるいは事業団であるとかいったようなものの活動分野が非常に大きくなっておりますから、そういう意味で、予算編成いたしますと同時に、予算規模はこのくらいになるけれども、これらの関係機関規模は全体としてもどのくらいになるだろうということは、当然財政運営上吟味をしていかなければならない。その吟味のためにつくっておりますのが、実はこの投融資の表であります。したがって、手続的にはこれは何も含んでおりません。予算予算でいく、それから認可予算認可予算でいく、それから資金計画なら資金計画認可でいくというような手続につながっておるものでございます。これ自身はそれらのものを裏から集計いたしました総括表になっておる。しかもこれは予算編成の際に、その裏から見た総括表規模予算と比べてどのくらいの割合になるだろうかというような吟味をしながらやっておるというものでございます。したがってこれ自身創設性もありませんし、これは決定というようなことはいたしておりません。各省庁と大蔵省の間で予算折衝が行なわれ、最後に予算がきまりますが、その予算に連動いたしまして、こういう事業計画前提されるわけです。それを集録した形になっております。しかし予算編成でありますから、予算の面のほうからもきますし、各団体事業計画のほうからも検討があります。実際問題といたしましては、その両方が予算の際に検討されるわけですが、有意義的にきまりますのは、予算に関連する部分であります。したがって財投そのものとしてはきめようがないのであります。これがファイナルにきまりますのは、結局予算がきまり、予算に関連した部分がそこで確定され、政府国会に対して、こういう計画事業をいたそうと思いますと、こういう責任を負うわけです。機関を設置するのは法律になっておりますから、法律に基づく措置によりまして、それぞれの団体事業計画が具体的に法的にきまりますのは、各省大臣、つまり主務大臣認可によってきまっていくというのが実情です。  前段は内容お話を申し上げました。後段は、いわゆる財投計画といわれておるものの実態について申し上げました。したがって、財投計画表というものは、予算編成のときの折衝と同時に、やはりこれについての折衝が行なわれます。しかしながらこれ自身決定ができません。予算編成の概算の決定はいたしますが、これは参考計表ということで、閣議に予算添付資料としてついていくだけであります。あとは個々の団体のそれぞれの法的な手続によります事業計画によってきまっていくというのが実態でございます。  最初に申し上げましたように、あるいは御質問趣旨にまだ届いておらないかもしれませんが、続いて、第二段の中身の点で変遷があるというお話でありました。この点は実はどういう意味で、いつごろからどういうふうに変遷があるというふうに駒考えでありましょうか。それに応じまして、私ども承知いたしておるところを申し上げたいと思います。
  8. 小峯柳多

    小峯委員 実態的なお話が出ましたから、少しその面で固めて、これはお説のとおり、私の聞くほうも、問題が大きいものですから、だんだんしぼっていくつもりでございますので、どうぞひとつ愚問賢答をお願い申し上げたいと存じます。  いまお話を承りましたが、実は配分される資金性質がかなり違うと思います。そういうものをいま一表にまとめることの意味というものは——あなたはあなたらしい言い方をなされましたが、財政投融資計画として一表にまとめることの意味といいますか、効果といいますか、それはどういうふうにお考えになっておりますか。
  9. 中尾博之

    中尾政府委員 その点は、まことに実は申し上げにくいのであります。と申しますのは、二十八年ごろから財政投融資計画という形でもって取りまとめる一つの営みはやっておるわけなんですが、そのときから現在まで若干の変遷はあります。たとえば原資の面では、資金運用部資金が大部分であった。それに簡保資金が入っておった。現在では政府保証債が相当多くなっておるというようなことで、変遷はあるのですが、何と申しましても、運用部資金運用計画のほうを中心にして始めたものですから、財政投融資計画を見ましても、特別会計の中の全部が載っておるわけではありません。運用部資金に開通のあるようなものが載っておるだけなんです。それから、公庫あたりはあらまし載ることになりますが、公団等のたぐいでも、融資的な資金の入らないもの、一般会計だけで取り扱っておるものであって、やはり政府財政延長としてやっているいろいろな団体がありますが、そういうようなものは尽くしておらない。したがって、これだけまとめて何のことだ、こうおっしゃられる側面があるのだと思うのです。したがって、それをまとめて、これだけでどれだけの意味があるかとおっしゃられますと、実は私ども若干悩むに足るのでありますが、あえて申し上げますれば、大体、政府が集めております資金がございます。郵便貯金でありますとか、社会保険関係積み立て金でありますとか、簡易保険資金でありますとか、こういうようなものは財源にはならぬ。これは運用をいたさなければならぬわけであります。これも大体運用している面は、これを見ればわかるという点はあろうかと思います。そのほかに、政府あっせん民間の金を政府のサイドに流れ込ましておる手段があるわけです。これの典型的なものは政府保証債でございます。外債も政府保証で出しておるわけであります。これも、政府そのものに持ってくるものは国債ですから、また別なんですけれども政府関係機関あっせんして何らかの財政手段を講じて流しておるというものは、いずれも予算措置でやっておる。予算にのるのですけれども、それが一表になっておるということは一つ意味があるかと存じます。政府保証ばかりではありません。政府あっせんによって政策協力を求めまして、それで生保業界損保業界あたりから金を借りるあっせんをする、あるいは公募起債市場におきまして、地方公募債あっせんをするというような部分をこれに載せております。この辺は多分に沿革的な事情で載せてございます。これ自体が何かにそのまま連動して措置につながるというものではないものですから、従来からの御理解によりまして、そういうふうに集計しておるというようなところがほんとうかと思います。
  10. 小峯柳多

    小峯委員 私は責任を問うというのではないので、たいへん率直に答えていただいて、けっこうだと思うのですが、いまお話にもありましたように、投融資と同じ概念のものが一般会計の中にあって、たとえば、道路整備特別会計から道路関係公団に金を渡すようなものがあったりすると思うのです。わりに似ていると思うのです。だからそういうものまで、もしほんとう財政投融資関係のものを洗って一表にするのなら、私は加えたほうがいいような感じがするのですが、これも私の乏しい勉強の結論でありますが、ともかくいまのお話でもありましたように、原資性質もかなり違います。それから配分された資金の使われ方もかなり違います。またそれに対する政府のコントロールの及び方もかなり違うと思います。それからいま言ったように、似たようなものでも、この計画の表に加わっていないものもあるように私は思うのです。そこで、財政投融資ということばで呼んでいる以上は、そういうものをまとめる指導精神というか、何かそういうものが一つ出てきて、その機能というふうなものまで考えるのは、いまの段階では私は無理だと思うのです。私が勉強してみても、実はその正体というものはなかなかっかみにくいような感じがするものですから、いまの段階では無理だと思いますが、しかし、どうもやはり私は、この中に新しい財政の行き方を示唆するような面がありはしないかと考えるのであります。したがって、財政投融資ということばで総括して呼び、そうして表をつくります以上、もっとこの中にくふうすべきものあるいは検討すべきものを加えて、何か機能的にこの財政投融資と呼んだもので、日本の経済に、日本財政に、こういう役割りを、こういう意義を持つのだというふうなものにまで刈り込みをするというか、整理をするというか、そういう方向というものを追求していかなければならぬような段階に来ているのじゃないかと思うのでございますが、この辺のお考えはいかがでございましょう。
  11. 中尾博之

    中尾政府委員 私も実はそういう点についていままで必ずしも深く考えたことがございませんので、ここで申し上げる用意はございません。ただ、いま申し上げましたように、財政投融資計画というのは、いま申し上げました運用部資金とか、そういった資金運用、それから政府あっせんによる資金、こういうようなものを中心にいたしまして、予算編成の際に予算に必然的に連動いたしまして出てきます結果、これを集録いたしたものでございますから、一般会計自身融資をするとかいうような分とか、あるいは産投会計以外の会計融資をする分であるとかいうものは、同じような政府関係機関に入っておる金でも、投資計画には財投計画の中に入っておりません、自己資金等という中に入っておりますけれども。  それから、そういうようなことで、予算編成途上におきます一つ吟味資料にすぎないものですから、これを何らかの意味でもう少しこういう観点から総括的な表をつくれというようなお話があれば、これはそれなりに考える余地が十分あるだろうと思います。現実にこれは作業の準備のための表になっておるものですから、そこまで実は私ども考えたことがないのでありますけれどもお話の分が、たとえば政府としては支出をしておる分もあるだろう、それから投資をしておる分もあるだろう、あるいは民間資金を供給しておる分もあるだろう、それらの分を財政というものはもう少し分けて考えたらどうだろうかというような見地から、あるいはいろいろなお考えがあって、その前提に対してわかりいい何か整理の表がないかというようなことでありますれば、現在のこういう財投という作業メモはまさに帯に短かしたすきに長しというような形になっておりますが、なおそれらの点のいまの御質問は、いろいろ財政も複雑になってまいりますから、今後財政をどういうふうに批判し、理解していったら便利であるかというようなことに関する新しいいろいろなお考えの結果だろうと思います。それらのお考えにつきまして、今後いろいろ御議論もありましょうし、御意見が承れますれば、われわれといたしましても、それらの線に沿いまして、十分に検討いたしたいと思います。しかしこの作業メモとしての財投の形は、これそのものとしては、実は決定的な意味がありませんので、予算編成あるいは予算国会審議あるいは決算審査等で、こういうようなものがあれば便利であるというようなことで、別途いま私が、当たっておりますか当たっておりませんか、そんたくして申し上げましたような見地から、何か調査が必要であるということであれば、それは十分私ども検討いたしまして、御要望にこたえなければならぬと考えております。
  12. 小峯柳多

    小峯委員 財政投融資という、一方の名前がかなりはなやかに民間には伝わっておりますから、こういう性質のものだといい、こういう働きがあるものだというようなものにまでこれが刈り込みをされ、耕地整理をされることが必要であるということを私は非常に感じておりますから、申し上げたわけでありますが、たとえば機能的に、このごろ日本でもやかましいフィスカルポリシーという、国庫の収支によって景気の調整をするという考え方がございますね。そういう場合に、もし財政投融資というものが一本の形で系統的にまとまっておるものであれば、これを実際に使用するときの緩急、前後といいますか、そういうもので、かなりこういう機能を果たすことができはせぬだろうか、私はそういう意味の面もありはしないかというふうに考えたものですから、たいへん回りくどい質疑をしているのでありますが、そういう点で、どうでしょう、あなたはそういう意味にこの財政投融資というものが働き得る側面があるというふうにはお考えになりませんか。
  13. 中尾博之

    中尾政府委員 それはまさにございます。ございますが、その場合には何が中心になるかと申しますと、投融資全体といいましてもいろいろなんで、特別会計もありますし、公社もあり公庫もあり、それから各種事業団もあり、事業団の中にも融資をやっている事業団も相当あるのでございます。それから公の資産を形成している投資部分になっているものも相当ございます。そういうようなことがありまして、いわゆるフィスカルポリシーというものに連動いたしまして、税金なり公債なりの操作のほかに、どういう方面に金を流したらよろしいか。たとえば民間のほうに資金をよけい供給するほうがいいのか、あるいは政府自身投資に持ってくるのがいいかというような配慮が当然あるべきだと存じます。しかし具体的に、それじゃそういう考え方からどういう方針を立て、それからそれを具体的に実施していくという場合になりますと、この投融資の表からは演繹できないのでありまして、もう一つあとに戻りまして、それじゃ国鉄をどうするか、電話をどうするか、どういうようなものが需要のいわゆる連鎖的な効果が大きいとか少ないとか、おそらくそういう個々の施策からくる。それが何ぼフィスカルポリシーと申しましても、財政需要というものを無視してはできませんので、結局予算編成によって、いまはこういう時期だからこういうたぐいの経費は、たとえば事業効果を大きくするあるいは小さく押えるというためにどういうふうに考えるかといいましても、現実の通勤緩和であるとか、あるいは住宅対策であるとかいうようなものとのかね合わせによって、それを個々に処理していかなければならぬと思うので、これは結局個々の予算編成の問題になると思うのです。その結果また財投の結果というものも出てまいりましょうが、したがって、そういう作業を推進してまいります場合には、どうしてもやはりフィスカルポリシーでありますから、予算中心になります。それで個々の団体の取り扱いがそっちできまってまいると思います。しかしその際にも、集計表はやはりできます。その集計表によって、それがしかるべきものであるかいなかということを判定するに足るものになると思います。したがって、財政投融資といったような集計の面からも、それを吟味するということになるのだろうと思います。  実際問題といたしまして、そういう配慮は非常にやっておるわけでございまして、たとえば四十年度の不況の際、これは主として一般会計のほうは財源がなくなってしまったですから、歳入補てん公債を出してやっと従来の世帯を維持するだけ、それ以上は増税も何もできない、公債もそう発行できないというので、政府関係機関の信用によりまして、資金をずいぶん調達いたしました。そして財政投融資を受けるような各機関事業量に応じて、需要の喚起を行なったということは御承知のとおりでございます。それから昨年度におきましても、財政投融資のほうの関係は相当大幅に、二五・一%というような規模の拡大をやっております。おそらくそれに応じて、それを受けます各関係機関事業量も、同じような割合でふえていったと思います。今年度におきましては様相が変わっておりますから、したがって、財政投融資規模では一七・八%程度に押えてある。これに応じまして、各機関事業量というのは押えた姿になっておるというようなことでありまして、相当弾力的に、出っぱらしたりへこましたりしておる。これは、政府自体のほうは、何と申しましても経常的な経費が多うございます。もちろん一兆円近くの公共事業とか投資関係がありますけれども、いずれもやはり全体から見ますと一部分でございますが、政府関係機関のほうの事業というのは、それ自体として経常的なものと申しますより代替事業でございます。どうしても弾力的に動かす余地は大きいわけで、そういう意味で、政府自体に比べますれば、これらの関係機関関係事業の取り扱いというものは、フィスカルポリシーを作動させます場合に非常に大事な部面であるということは、私ども十分承知いたしておるつもりでございます。実際にそれをどういうふうにやるかということ、これは予算の問題になります。
  14. 小峯柳多

    小峯委員 だんだんお話を承って、財政投融資計画というものがポジチブな面が非常に少ない、予算から連動されてその集計をするというような非常に事務的なお考え、実際の問題に当たっておるあなたとしては、しかたないんだと思いますが、いま申し上げたような意味で、もう少し角度を変えて、毎日の仕事につき過ぎない立場で、フィスカルポリシーというものがこんなにやかましくいわれているときに、一番弾力性のある仕事——もとよりそのコントロールを、もとの予算にかえてというお話も、私これもわかりますけれども、何か財政投融資という名前において、それから派生される動きなどを見回しながら、その財政投融資をてこにして、もっと一つの指標的な作業というものができるような面にまで、あなたのやっておる表のつくり方というものを変える方法はないでしょうか。何か実態というものが非常に影みたいな形なんです、いまだんだんお話を承って。ところが世間に伝わっている姿はそうじゃない。財政投融資というとかなり大きな数字だし、また必ず予算編成に伴ってこれが国民の口にのぼるわけですから、何かもう少しポジチブな形で財政投融資というものをまとめ、またそれを見、またそれを見ることによって作業をするというふうな面が考えられぬでしょうか。これは実際の問題につき過ぎておられると、そういう考えは出てこぬと思いますけれども、それを離れて、私は責任を追及する意味でなしに、何か一つ、せっかくこういうふうにまとめておるし、まとめたことばで呼ばれておるのだから、それが前向きの機能を発揮させるような方法はあり得ないだろうかということに関心を持ちますから、こうお尋ね申し上げるのです。
  15. 中尾博之

    中尾政府委員 お話しの点は、私も実はよくわかっておるつもりでございます。ございますが、たとえばそういうことでございますれば、むしろ個々の実際のそういう目標を立て、それを実施していく、それである成果を確保する、ということでございますれば、財政投融資ということよりも、むしろ、政府関係のいろいろな団体がございますが、それらの事業全体が、今度財政と並びまして相当大きいわけですから、それがどういうふうになっておるかということのほうの見地から、ちょうど中央地方の財政の純計などをつくりますが、そういうような資料でもって御検討願うということのほうが、むしろ包括的になると思います。やはり財投機関だけでございますとどうにもならない。それからもう一つは制約がございまして、財投というのは全体としては集計ですが、要するに、個々の政府関係機関のことなんでございます。これらの取り扱いが違っておるわけなんですね。完全に予算統制のあるものもあるし、それから一部予算統制のあるものもある。それから全体としてはないが、実は全体を左右するに足るだけの手段財投から突っ込まれておる。たとえば政府保証であるとかあるいは利子補給であるとか、これがきまりませんと、事業量はきめられないわけです。そういうので統制を受けているものもある。たとえば日航などは会社組織になっている。民間出資もあるわけです。しかし、これに対して政府出資というのを考えておきませんと、全体としての資金量も、資金コストも計画が立たない。それによって今度は民間の金は受動的な意味でもって、必要額だけが入ってくるのでありまして、そっちのほうのイニシアチブでは動くようになっていないわけですね。その基礎はやはり個々の予算のほうの企画、それからやはりその御審議で筋を通していただく。そうじゃなくて、こっちのほうだけでもって全部何らかのいろいろな覇束的な、拘束的なものをやるということになりますと、現在の政府関係機関いろいろございますものを、全部予算統制に乗せるかという問題になります。これならば、おそらくそういうものはやめて、政府がやったらいいのだということになってしまうと思う。そこに実は重大な関係がございますので、私自身毎日仕事をやっておりますから、業務の流れのほうにとらわれておる部面もあると思います。これは反省を要すると思いますが、いま申し上げたような事情もあることを御理解願いたいと思います。
  16. 小峯柳多

    小峯委員 政務次官がお見えになりましたから、少し政治的な問題になるだろうと思うけれども、いま財政投融資というものを予算編成のときにもかなり重点を置いて扱いますし、国民の関心というものもこのごろは非常に財政投融資に集まっております。しかしきょう、あなたのおいでになる前に理財局長お話をし合いますと、この財政投融資計画というものはむしろ本体ではなくて影みたいなものだ、それ自体はもとの予算のその部面に関するものをサムアップしただけだ、それ自体の機能があまりないということがだんだんお答えでわかったのであります。しかしそれならばなぜ、財政投融資の額が前年に比べて伸びが幾らだ、これは言いかえますと、予算の伸びとタブっておるわけです、いまのあなたの大体の傾向では。なぜそれをことさらに大きく取り上げて、予算のポジチブの性格を、あるいは予算の性格がどうのこうのというときに、それを大きく取り上げるのだろうか。またそれほど意味のないものを、そういうふうに印象を与えておるとすれば、これはむしろ財政技術上非常に私はへただと思う。そういう意味で、財政投融資というものは前年に比べて伸びがどうのこうのとあれほど言うけれども、いまのお話では、結果的にはそれ自体はあまり意味がない。たまたま集計してみただけで、予算編成などで国民が大きな関心を持ち、また与党も野党も関心を持ちますが、そう言うほど値打ちがないように思う。こういうふうにもとの予算がきまって、その関係だけをサムアップしてみたらこういうふうになりますよというのが、いまの財政投融資計画だと思う。それをどういう形で刈り込みをするか、あるいはどういうふうに意味を持たせるか、もっとこれをしっかりつかんでいないと、大蔵省当局もそういうもののつかみ方が薄いのではないかという感じがしてならないのであります。これは少し難問題を吹っかけるようでありますが、その辺の政治的なお考えを少し聞かしていただきたいと思います。
  17. 小沢辰男

    ○小沢政府委員 行事がありましておそくなりましたものですから、いままで先生がおやりになりました議論の経過を詳細に知りませんで、たいへん恐縮でございます。  確かに、中尾局長の言いましたように、財投の全体のものは、予算編成の過程においてはむしろ主計局の予算編成というものに焦点があり、また中心がありまして、それとの関連で、いろいろ計画が行なわれておるということで、相当金額は大きいにもかかわらず、何かこれが財投として独自の、表画に出て機能を果たすというようなあれがないように思われますけれども、しかし財投そのものは、それぞれ、たとえば住宅公庫あるいは公団あるいは他の重要な各省にまたがりますそれぞれの政府機関公庫公団仕事の量を、実はそこであらわしておるわけでありまして、住宅政策そのものが今後一体どういうふうなことであるべきなのか、またどの程度の規模で進まなければならぬのかということにつきましても、端的に公庫なり住宅公団に対する財投計画というものによってはっきりとそれが出ておる。政策もそこにあらわれてくるわけでございます。また他の金融関係、中小企業の対策という面から考えてみますと、三公庫資金童はもちろんでございますが、今度新しく環衛公庫というようなものを考えてまいりますときには、そこに新しい中小企業対策あるいはまた物価対策というような面もからんだ政策というものがはっきりあらわれてくるわけでございまして、しかも、全体的に通じて見ますと、非常に大きな国家財政に対する影響力を持ち、また、中小企業なりその他万般の対策に具体的に影響を持つものでございますので、どうも事務的にこうずっと突き詰めていきますと、何か予算の裏口になっているといいますか、陰に隠れているといいますか、そういうような機能のように見えますけれども、また、いまの日本の輸出振興その他いろいろ産業政策合理化の推進というものから考えましても、財投資金というものが非常に大きな役割りを果たしてきているのじゃないかと私は思いますので、そういう点から見ますと、先生先ほどもちょっとおっしゃいましたように、財投の、しかもそれが民間資金政府資金というような形で、それとの相互関連をよく検討しながら、その年の経済全般の動き等もにらみ合わして、一定の規模というものをやはり頭に置きながらやっていかなければいかぬという点も考えてみますと、相当私は、政治的にもまた政策的にも大きな意味をなすものでないかというふうに思うのでございます。そういう面からとらえていただいて、おそらく強い関心といろいろ御見解をお持ちじゃないかと思うのでございまして、私どもも、やはりそういうようなつもりで、これからも国家財政全般の中で、財投の重要性というものを一そう認識してかかっていかなければいかぬという考えを持っております。お答えになったかどうかわかりませんけれども……。
  18. 小峯柳多

    小峯委員 理財局長、だんだんのお話で、どうも財政投融資というものが非常にネガチブな、消極的なもののようなことを承ったわけですが、どうですか。このコマーシャルベースに乗らない金融というものを、こういう形でまかなうというふうな機能が、全部じゃありませんけれども、この中にあるような感じがする。たとえば中小企業だとか農林漁業だとかいうふうなものに対する融資というものは、これは本来的な意味から省えば、コマーシャルベースの金融でまかなえるものが相当あるだろうと思うのですが、しかし正直なところを言って、金利が高い、条件が辛いということで、むずかしかろうと思うのです。その場合に財投というものが働いて、これもあなたのお話によると、財投それ自身じゃない、財投のもとのものが動いていくということになるのだろうと思いますけれども、そういう意味が相当強くこの財投というものの扱いの中にあるように私は思うのですが、どうでしょうか。その辺はどうお考えになっていますか。
  19. 中尾博之

    中尾政府委員 それはお話のとおりであります。もとにあるものというお話でありますが、まさにそういうことなんでございまして、国鉄以下事業をやっておりますのもありますし、融資をやっておるのもありますが、大体において、何らかの意味民間ではできないものをやっておるわけでございます。また公益の目的でやっておるわけでございます。したがいまして、民間でもできるけれども、こっちでもやるんだという式なものは、この投融資計画に載っておるような機関のものはやっていない。まあ国鉄あたりでも、私鉄はありますけれども、しかし、やはり非常に独占性が強く、そうして開発的な、分の悪い仕事をやっておるわけでございます。それから中小金融にしましても、これは大宗は商業金融機関から中小企業金融機関に行なわれていますけれども、特に利息はきわめて明瞭にきめられておる。歩積みというようなものもありませんし、それからいろいろな担保その他につきましても特別な配慮が行なわれ、これらがそれぞれ関係各省の施策の一環として作動されておる、そういう政府関係機関というものでございますから、それ自体として、一般会計そのもので行なっている事業に比べまして、何ら遜色のないそういう公の目的のために、ここに五十幾つの機関というものが動いているわけです。それはまさに先生のおっしゃるとおりです。ただ、重ねてまた申し上げますが、たとえば中小企業金融にいたしましても、どういう条件でもってこれを供給するかということになりますと、政府は幸いにしてわりあいに長期低利の運用部資金というものを持っておりますけれども、なかなかそれだけでは間に合わない。やはり政策的な低金利をはかろうとしますと、あるいは出資を加えあるいは利子補給をやるというようなことをいたしませんと、実は動いてきません。それらによってやっているわけで、輸出あたりもそうでございます。輸出もいま大部分というものは、輸出のうちのいわゆるプラント、これは非常に大きな部分になってきているわけでありますが、これはまさに輸銀がなければ動かないわけであります。しかし、輸銀のこういう非常に安い金利、これでもって作動させていくためには、投融資で金を集めただけではだめでございます。これに対して、やはり相当巨額な出資を入れまして、そうして初めてそれが投融資としての金額が使い得る状態になるわけでございます。どうしてもそちらのほうで先に方針がきまらなければいかぬ。逆に、そういうことをやるから、一般会計のほうでどういうふうなものを必要とするのだ、たとえば政府保証が要るのだ、あるいは利子補給が要るのだということがもちろんあるわけでございます。実体は事業そのものにありますから、それを主管する省の要求として、当然それは出てくるわけです。その際には、一般会計のほうからまず措置を求めて、それによって全体のボリュームが、質と量とが確保されるわけです。その点はやはり一般会計に全部集中いたしております。これは政府関係機関だけではないのでありまして、各特別会計も同様でございます。数十の特別会計がありますが、それが何らかの形で一般会計と連動いたしまして、そこで一般会計のほうの予算を大体御審議になれば、全体としての財投の動きが関連をもって押え込めるようにできているわけで、それは同じ関係になっていると思います。
  20. 小峯柳多

    小峯委員 理財局長と主計局の次長さん、一緒に聞いておっていただきたい。  だんだんの御発言で、財投というものが非常な受け身な立場にあることはわかったのですが、しかし、一般会計でまかなうか、財政投融資でまかなうか、その二者選一に追い込まれたような場合があるのじゃないかと思うのですが、一体どういうものは本来的に一般会計でまかなって、どういうものは財政投融資でまかなってもいいのだというようなけじめ、お考え方というものがございますか。これは主計局のほうから先にお答えいただきたいと思います。
  21. 相沢英之

    ○相沢政府委員 たいへんむずかしい質問でございまして、とっさの場合に御質問にこたえられるような答弁ができ得ないかもしれません。  御案内のとおり、一般会計の財源となるところの歳入は、その主体が租税収入でございます。ここ両三年国債発行に踏み切りましたので、そのかなりの部分国債発行によってまかなわれておりますが、しかし、その主体が、歳入の主体が依然として租税収入であることは間違いございません。したがいまして、この租税収入を財源としまして、どのような国の財投需要をまかなっていくかということになりますと、これはその歳入の量の問題も当然ございますが、また、その歳入性質によるところも大きいかと思います。したがいまして、これは考え方が分かれるかと思いますが、基本的には、国の行政を維持するのに基幹的となりますところの経費、これにはもちろん行政機関の人件費、事務費等のいわば行政官庁を維持するための経費は当然でございますが、その他社会保障の関係でございますとか、文教でありますとか、あるいは防衛関係、警察関係等々、いわば国の経常的な行政事務をまかなうための経費を支弁するというのが第一になると思います。それから、これは一般の経済界に対し、あるいは産業界に対しますところの社会資本の形成、これに寄与する部面も当然でございます。公共事業費でありますとか、あるいは土地改良その他の産業関係に対する投資でございます。しかしその投資関係の部門が、前に申し上げました一般の行政関係の経費と、いずれが一般会計において優先的に支弁されるかということになりますと、この点については、やはり歳入の全体の量との関係もございます。過去におきましては、相当大きな部分が公共投資に向けられておったわけでございますが、これは歳入面において数々の減税をやってまいりまして、国民所得との関係をある程度の水準に押えるということとの関連がございます。また、他面におきまして、一般の行政経費のウエートというものが相当な割合になってくる。したがいまして、その歳入歳出関係から申しますと、やはりこの公共的な投資の面が、ことに最近におきましてはそのウエートが減ってきたわけであります。そこで公共的な投資の面におきまして、特に財政投融資との関連を持ってくるわけでございますが、この財政投融資計画の財源をなしますところの資金運用部資金その他のいわゆる財政資金というものは、一般会計歳入と比べますと、その伸び率においては、ことに最近においては、この資金運用部資金その他の伸びが大きくなっております。そこで、趨勢としましては、その公共投資の部面がかなり財投計画のほうにウエートを置かれてきている、そういう形になっておると思います。したがいまして、これはその投資事業の性格によりまして、その経済性あるいは緊急性等でいろいろ変わってまいると思いますけれども、特にどの部分一般会計でぜひともやらねばならぬ、あるいは一般会計だけでしかやれないとか、あるいは財政投融資計画には乗り得ないとか乗り得るとか、そういうはっきりした線を引くことは相当困難な点があるかと思われます。しかしながら、趨勢といたしましては、先ほど申し上げましたような傾向があると存じております。
  22. 小峯柳多

    小峯委員 私も大体そういうふうな見方をしておるつもりなんですが、一般会計のほうは、国債が出るようになりましても、私は内容的な検討をすると、かなり動脈硬化的な性格に陥っていると思うのです。ところが、一方預金部資金だとか、厚生年金の積み立て金だとか、いわゆる財政投融資原資のほうの伸びというものは、いまもお話がありましたが、一般会計の財源に比べるとかなり伸び率が高い。少なくともここ数年見ておりまして、そういう感じがするのであります。そうしますと、どうしても一般会計からの直接投資でなしに、財投を通じての融資ですか、そういうものになりがちだというふうに、傾向的には考えてよろしゅうございますか。
  23. 相沢英之

    ○相沢政府委員 大体最近の趨勢としては、そうだと思います。確かに御指摘のとおり、一般会計歳出面ではたいへんに従前よりも、いわばいわゆる弾力性というものを失ってまいりまして、硬直化しております。これは一般会計の経費を種類別にながめてみますとはっきりいたしますが、社会保障、文教あるいは最近におきましては国債費等々の、いわば既定的、経常的な経費の占めるウエートというものが逐年増加しているという趨勢にございます。
  24. 小峯柳多

    小峯委員 一つ事業をやります場合に、一般会計からの直接投資でやるのと、財政投融資のいわゆる融資でやるのとでは、事業コストといいますか、資金のコストが違ってくる。たとえば住宅の問題一つ取り上げましても、これを直接に投資する部面が多いときには、住宅のコストというものも、したがってそれが家賃やあるいは売り渡し価格にも響くのではないか。そういう点で、一般会計のほうがたいへんまさっていると私は思うのであります。しかし財政投融資でやりますと、何ほどかの利息というものは、勉強してお貸しになるのでしょうけれども、それが加わってくる。そういうことから来る公共事業やり方に、一般会計でやるか財政投融資でやるかによってかなり違いが出てくる、こういうふうに考えますが、どうなんでございましょうか。
  25. 相沢英之

    ○相沢政府委員 その点は確かに御指摘のとおりの面もございまして、一般会計出資ないし補助金ということで、たとえば住宅に対する投資をまかなうということになれば、当然資金運用部資金その他利子を払わねばならぬ資金を活用する場合に比して、いわゆる資金コストとしては安くなるので、住宅で言いますと家賃ということになりますが、そういうものを低く押えることができるという面はございます。しかしながら、数年前からとられております他の方法としましては、一般会計歳入歳出のバランスが苦しくなったということも響いておりますが、従来一般会計からの出資によってまかなわれておりました住宅公団、住宅金融公庫、農林漁業金融公庫に対するところの資金の支出を資金運用部等の資金借り入れに変えますと同時に、それによってふえますところの利子負担は一般会計から補給するというようなことで、従来一般会計から出資をいたしました状態と同じような資金コストになるように配慮するというような方法をとっておりますので、特にこの一般会計から財投に切りかえられましたことに伴うところの資金コストの負担というものはないような配慮をしておるわけでございます。
  26. 小峯柳多

    小峯委員 たいへんよくわかりましたが、しかし傾向としては、ずっと私が財政投融資の額を調べてみますと、かなりふえてきておりまして、四十二年度の一般会計に対する四八・二%という割合、これは先ほど来お話がありましたように、ただその数字の比較だけでは意味がないかもしれませんが、とにかくふくらんできておる。そうすると、この傾向がずっと続くとすると、理財局長どうでしょうか。どんどんこの財投計画というものがふくらんで、一般会計とおっつかっつになるようなこともあり得る、そういうふうにお考えになりませんか。
  27. 中尾博之

    中尾政府委員 おっつかっつになるかどうかということは、ちょっと数字のことでございますから、案外伸び率というようなものはききますから、わかりませんが、ただ一般会計のほうの財源は、何と申しましても税収でございます。これはいろいろな政策的な配慮を伴っておる。減税等も毎年やっておるわけですから、必ずしも経済成長に応じたそのものが伸びになっていない。ところが、郵便貯金中心にしますので、これは大体個人の可処分所得の伸びに合います郵便貯金には減税が全然ございませんから、これは相当伸びておるのは事実でございます。それから社会保障の関係ですが、これは日本では給付のほうが先に進んでしまって、積み立て金のほうはみなやらない傾向がありますから、少し怪しくなっておりますけれども、それにしましても、まだいろいろな制度最初でございますから、今度積み立てる額としては、保険の経済を完全に維持するような積み立てができておるとは考えられないけれども、金額としてはやはり相当大きなものになるわけです。そういうような意味で、原資的には確かに伸びは、税収よりは伸びておると思います。それは原資のことであります。一般会計とどういう関係になったらよろしいかという問題とはまた少し違うのじゃないかと思います。いまのは原資の問題でして、財投一般会計という関係ではございません。財投の中には一般会計の金も入っておるわけですから、要するに政府が集めて、利のついた金で、安全で、確実で、有利で、それで公益に資するように運用しなければいかぬ、そういう金があるわけでして、そういう金がふえているのです。税金のほうだと、これはどう使ってもよいわけです。目的に従って、これが必要なものであれば、即時償却になるものに使ってもいいし、投資に使ってもいいし、融資に使ってもいいのですが、こっちのほうの金はお預かりしておる金で、確実に目的を指示しまして、一定の予定利回りというものは確保しなければならぬのですから、そういう制限はあるけれども、それはあくまでも原資の違い、これは財投一般会計の違いということではございません。原資の違いです。  それから財投がどういうふうになるかということですが、原資関係で、やはりそういうような意味で税より原資がふえてまいりますと、いま話がありましたように、利子補給というような措置でこれが活用される面がだんだん多くなっていくであろうということは考えられます。それから、一方で社会保障が進んでまいりますと、即時償却になるような社会保障費が日本は実は非常に大きいわけです。これが予算に非常に拘束を与えておるわけですが、そういうようなものの圧力が相当強い。そうなりますと、どうしても投資関係だとか融資関係とかいうものは、利のついた金のほうに負担が回ってくる。ちょうどそれが社会保障の積み立て金みたいなものの増加に見合ってくるということでバランスがとれればけっこうだというような感じを持っておるわけです。しかしこの財投、各機関仕事は、必ずしも政府の財貨サービスの向上に見合うものではないのでありまして、民間に対する資金の還元が相当多いわけです。おそらく半分くらいは民間の経済活動に対しまして、何らかの政策的な味つけをして、金を流しておるわけです。特に大きいのは輸銀でございます。輸銀の輸出は、プラントは、延べ払いは、これで全部払っておるというようなことでございますから、貿易がふえまして輸出がふえる、プラントがふえる、重工業化が進むということでございますと、どうしてもこれはふえてまいります。財源として、これが現在のような公の資金だけで間に合うかどうかという問題は、重大な問題としてあるのですけれども、しかしこれらの部分がふえて、一般会計との割合が大きくなったから、それがどういう意味があるかといいますと、これは財政がふくれたというような関係とはちょっと違うのです。その辺が、政府関係機関のファンクションについて御理解をいただきますためには、そのまま一般会計のほうの集計と比較していただかぬように、やはりものによって違いますので、その辺の吟味が要るのではないかと考えております。全体といたしましては、いま主計局のほうから話があったように、だんだんそのようになってきております。運用部のほうも、だんだんそういうことを引き受けるようになっておる。しかしこれは簡単に申し上げますとやはり誤解があるといけませんが、いまの利子補給にいたしましても、何年か続けておりますと、元金と同じにすぐなってしまいます。それから実は現在でも、もう運用部資金、それから簡保資金でも足りない、それで政府保証債を出している。ところが政府保証債政府保証という条件で特別な金利でもって借りられる金というものは限度があるわけですから、それでもうかつかつのところまでいっている。したがって、政府保証もない、ただ普通の商業ベースの金を、この財投をもらって生活している各政府関係機関も、民間から自分の力で集めている分も相当あるわけです。事柄はその辺くらいまでいっておりまして、だんだんにもっとこういう事業が国民のために必要である、もっと拡充しなければならないということになりますと、今後はさらにそういう民間資金を新しい形でもって活用する。これはもう財投にも乗りません。その次の段階になる、そういうふうなところに相当差しかかっているというのが実情でございます。
  28. 小峯柳多

    小峯委員 私は財投に関していままで非常に好意的な見方をし、そういう質問をしたのですが、どうでしょうか、こういう欠点はありませんか。先ほど主計局の次長のお話もありましたが、どうも一般会計ではまかない切れない、だから、なるべく——なるべくというか、財投のほうへやはりどうもしわが寄っていくような感じがする。実際の仕事資金コストでも変わるような場合には、利子補給の手もあるということになれば、どうも私は、一般会計のほうから押せ押せで財投のほうの関係に振りかわるものがかなりふえてきやせんだろうかと思う。そうしてまた、これは毎年予算編成期になりますと、一般会計のほうの数字が変わらぬで、実質的には仕事の量がふえるようなこと、財投の数字、これは影みたいな数字だから、全部そうだというわけではございませんが、それ自体で動かせるような数字があるのだろうと思いますが、そういうもので、何か一般会計ではまかない切れない、そうしてまた大蔵省の皆さんが一般会計の数字をいじらずに、外部からの要望にこたえるというふうな場合に、こういうものが使われやすいのではないかという感じがするのですが、どうでしょうか。主計局の次長さん、そういう傾向はございませんか。
  29. 相沢英之

    ○相沢政府委員 これは、やり方といたしましては、たとえば減税をしないで税収の増加というものを期待して、これを財源にして一般会計でいろいろな仕事をする、投資融資もまかなうということも、当然方法としてはあるわけでございます。しかしながら現在とられておりますところの考え方としては、やはり国民の租税負担というものを、ある一定の線にできるだけ押えていこう、したがって毎年度減税をやっていく、その減税部分というものが蓄積に回る、その蓄積部分が郵便局における貯金その他の形で財投資金にまた還元されていく、それを財投計画でもって活用する、というような形になっているわけでございます。したがいまして、この一般会計財投の財源のバランスというものは、税制を含めました財政政策によって調整する必要はもちろん可能だろうと思いますけれども、現在とられております考え方は、先ほども申し上げましたようなことになっているわけでございまして、そういうこともありまして、その一般会計の税収の伸びと財投原資と比較いたしますと、これは当然財投の伸びのほうが、現状におきましては大きくなっている。財政需要の伸びというものがある程度の率を保っていくといたしますと、その中において一般会計の分担する部分財投の分担する部分というものを考えますと、当然そういう原資関係からいたしまして、財投関係において負担する部分が大きくなってくるというのはやむを得ないと思いますが、そういう政策をとっておりますところの結果じゃないかというふうに考えております。
  30. 中尾博之

    中尾政府委員 ちょっと補足いたしますけれども、いま申し上げましたように、金の質が違いますから、利子補給があればそれはまあただにもなるでしょう。しかし、そこにもおのずから限度はございます。利子補給というのは案外こわいものでございます。案外短期間にすぐに元金と同じくらいになってしまいます。  それからもう一つは、やはりそこが政策でございまして、たとえば道路を有料道路にしてやって延ばしてしまったほうがいいかといいましても、そうはいきません。天下の公道を有料にするというわけにはいかぬので、やはりちゃんと道路があったところで、有料道路としてのファンクションを持ち得るというところでなければ、これは御納得を得られないわけですから、そうむちゃにやるわけにはいかない。住宅対策あたりも、今度の中立的な予算としましては非常に大きな重荷であったわけです。でございますが、その際に有料の住宅、有料といいますか、つまり公庫公団の住宅ですね、それとそれから主計局のほうで補助金を出して、とたんにそれだけ安くなる公営住宅とあるわけです。これは同じように伸ばしております。むしろ、ことしあたりは、その安いほうに重点を置いて伸ばしておるというような配慮をやっております。それがないと今度政策にならぬものですから、その辺はおのずからけじめをつけてやっておるつもりであります。いまのそれぞれに持ち味がありますから、分担はやっておりますけれども、それだからといって、一方的にそっちのほうへ何でもかんでも有料の金でやるというわけにはまいりません。そういうことにつきましては、私どもは実は責任を負っているわけで、これはみんな零細な国民の金を預かっておるわけですから、それがちゃんと安全で確実で有利に動くように、この線はもう法律上の義務なんですから、それも守る、それから、それに乗せるために、今度は道路のほうをみんな有料にしてしまうというわけにはまいりません。おのずからそこにけじめがございます。その点はわきまえて実はやっておるつもりでございます。しかし、いま申し上げましたように、資金のいろいろな増加状況とかなんとか違いますから、事業といたしましては、従来一般会計でやっておったようなものが融資ベースに移ってくる、というようなことは間々あります。それらの点につきましては、乱に流れないように、十分に御注意を守ってやっていきたいと思っております。
  31. 小峯柳多

    小峯委員 いま理財局長の御答弁に関連がありそうな気がするのですが、たとえば海外経済協力基金というものと輸出入銀行と、中身は多少違いはありますけれども、大体同じような方向のものじゃないかと思うのです。協力基金のほうは、たぶん一般会計でまかなっていないかと思います。輸出入銀行のほうは財政投融資のほうで見ているんじゃないかというような気がしますが、どうでしょうか、そういう使われる金の性質、似たような問題のときに、これはどのようにけじめをつけましょうか。
  32. 中尾博之

    中尾政府委員 いま申し上げたとおりでございまして、協力基金のほうとそれから輸銀のほうと、実は現在両方一般会計、税金も入っておりますし、運用部の金も入っております。ただ輸銀のほうは大部分運用部の金でございますが、金利を調整しませんとならぬものですから、それに必要な限りにおいて出資を行なっております。それから先ほど年度の途中でもって運用部の金をふやすという話がありました。そういうこともあります。ありますが、ふやしますと採算が変わってきます。これは翌年度の財政で、今度は出資のほうで必ずそれを調整いたしておるわけであります。したがって、むやみに私のほうでふやすわけにはいかないので、ちゃんと協議をしてそれをやっております。それから協力基金のほうは、当初は一般会計資金だけでございましたが、最近は積み増しをいたしまする部分につきましては半々ずつにいたしております。これはまさにその実態に即しておると思うのです。輸銀のほらの関係は、これは回収確実な採算に乗るベースに仕立ててあるが、協力基金のほうは非常にリスキーなものでございます。したがいまして、そのはだ合いがちょっと違います。その違う実情に合わせまして、資金の配分を考えておるわけであります。その点は実態に即してやっておるつもりでございます。なお政府関係機関の中でも、非常にリスキーなものにつきましては、それから、永久にこれは繰り越し負債になってしまうだろうというようなものにつきましては、もう運用部資金は出しておりません。こういうようなものを財投で処理いたします場合には、むしろ政府保証債でもって充てております。結局これは商業ベースに乗るわけなんであります。ファイナルには一般会計が担保を入れておるわけです。そういうものでやっておるわけでございます。その辺は一つ一つについて見ていただきますと、それぞれ実情に合わせて配分を処賢いたしております。
  33. 小峯柳多

    小峯委員 財政投融資と一口に呼んでいますが、投資融資はおのずからけじめがあるだろうと思うのです。投資の場合には、産業投資特別会計一般会計からほうり込んだものが主として使われて、それから預金部の資金だとか年金の資金積み立て金なんかは融資のほうに使われる、こういうふうに承知してよろしいわけですか。
  34. 中尾博之

    中尾政府委員 お話のとおりでございまして、産投会計のほうから出ております分は投資の分でございます。それから運用部資金のほうから出ておりまする分は投資融資と両方ございます。
  35. 小峯柳多

    小峯委員 預金部の資金のほうから出る中にも投資があるんですが。
  36. 中尾博之

    中尾政府委員 投資というのは、形といたしましては融資でございます。ただそれが、今度は受け取ったほうが公共投資に、みずからの資産に形成して公益を果たしていく分があるということを申し上げたのでございます。たとえば国鉄、あるいは電電、これあたりは運用部から出ていくときは融資です。それから彼らがそれを使います場合には投資に使う、こういう部分と、それから融資でいってまたそれが融資で出ていく、民間へ出ていくものとあるということでございます。ちょっと正確ではございませんでした。
  37. 小峯柳多

    小峯委員 投資のほうには、借りかえというものは入ってこないだろうと思うのですが、融資には、正直なところずいぶん借りかえみたいになるところもあるんじゃないかと思うのです。融資の条件、それから金利、期間、また民間で言う焦げつきみたいなものが相当出ていやしないかと思いますが、その辺のところのお話を承りたいと思います。
  38. 中尾博之

    中尾政府委員 運用部の融資に限って申し上げますが、焦げつきはございません。これは相手が政府機関でございます。あるいは自治体でございますので、焦げつきといったようなものは全然ございません。あるいは延滞というものもございません。ごくまれにですが、ある時期の分が払えなくなっちゃったので、別途短期のやつを融資してくれという話があります。数年に一回くらい、地方債あたりであります。しかしやはりそういうことはない習慣になっておるものと見えまして、焦げつきもなければ延滞もない、利息も全部入っております。
  39. 小峯柳多

    小峯委員 その条件はどうなっていますか。金利や期限というものは、一般の民間のものとはかなり違うんでしょうけれども、どのくらいの程度で出しておるものですか。
  40. 中尾博之

    中尾政府委員 資金運用部から運用いたします場合の条件は、資金運用審議会にはかってきめておるのですが、実際は六分五厘一本でございます。それから期間は長いのも短いのもあります。大体は長目で、あとそれを受けて、今度はそれを貸すほうには、政策的ないろいろな金利がありますが、運用部の関係は一本です。
  41. 小峯柳多

    小峯委員 年金の関係も一緒ですか。それから簡保の資金だとか……。
  42. 中尾博之

    中尾政府委員 全部同じでございます。年金とかなんとかということはございませんので、預託をしてまいりますと、金が一本になってしまいます。それを一律に、どの金がどこに行っているということではございません、出しております。
  43. 小峯柳多

    小峯委員 それから、この財投に関連して、産業投資特別会計という会計、これはいわくつきの会計だろうと思うのですが、当初の意味からかなり変わってきているように思うのです。その産業投資特別会計変遷、そして現在における役割りをお聞かせ願いたいと思います。
  44. 相沢英之

    ○相沢政府委員 まず産業投資特別会計変遷について申し上げます。  御案内のとおり、この特別会計は、昭和二十八年の八月一日、法律第百二十二号によりまして設けられた特別会計でございます。これは二十四年に設けられました米国対日援助見返資金特別会計、いわゆる見返資金特別会計の廃止に伴って、主としてその債権債務を承継してつくられた特別会計でございまして、この資本といたしましては、旧米国対日援助見返資金特別会計の承継資産のほか、一般会計の有する開銀、輸銀への出資金資本といたしております。そしてその運用収入と、特別会計減税国債——これは昭和二十八年に、たしか一回限りだったと思いましたが、発行されました。特別減税国債の発行収入金を財、源といたしまして、経済の再建、産業の開発及び貿易振興に必要な投資を行なうということでつくられた特別会計でございます。二十八年度から三十年度までは、投資の対象は輸銀、開銀及び電源開発株式会社のみでありまして、その財源も、産投自体の収入及び特別減税国債の収入だけであります。しかしながら、三十一年度から一般会計の財源移譲がございまして、従来一般会計から出資されておりましたものの一部を、この産業投資特別会計に肩がわりすることになったわけでございます。住宅公団に対する出資は三十一年度から、住宅金融公庫、商中、公営公庫等に対する出資は三十二年度から、それぞれ産業投資特別会計出資に切りかえられたわけでございます。ところがこの産投会計の財源はだいぶ苦しくなってまいりましたので、三十一年度の補正予算におきまして、一般会計から三百億を繰り入れることにいたしましたが、その際、産投会計法律を改正いたしまして、資金を設置することとなったわけでございます。自後、この会計から産投会計資金あるいは直接産投会計歳入に対する繰り入れが行なわれてきております。三十七年に例のガリオア、エロアの返済問題が起こりまして、日本国に対する戦後の経済援助の処理に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定に基づきまして、昭和三十七年から五十二年度までの約十五年間にわたって、元金四億四千万ドル及び利子年二・五%を支払うことに相なりましたが、その支払いは産投会計の負担とすることになったわけでございます。そこで産投会計の見返資金特別会計からの引き継ぎ資産の運用収入の大部分が、その返済財源に充てられることになりましたために、産投会計自体の新規の投資財源はきわめて乏しくなりましたので、それ以後は、新たなる出資は、大体におきまして、回収金のほかは、一般会計からの出資によってまかなうということになって現在に至っているわけでございます。
  45. 小峯柳多

    小峯委員 そのガリオア、エロアの返済は均等分割返済ですか、そうしてまた、現在どのくらい残っておりますか。
  46. 相沢英之

    ○相沢政府委員 ガリオア、エロアの返済は、総額二千八十五億二千二百万円、これは、三十七年から五十二年までの十五年間にわたる元本の返済と、先ほど申し上げました二・五%の金利も含んでおります。これは十五年間にわたって年二回、つまり三十回で払うということになっておりまして、昭和四十九年までは大体年百五十八億のベースでございまして、昭和五十年、五十一年は六十二億、五十二年は三十一億というような形になっております。これはもちろん利子を含んででございます。
  47. 小峯柳多

    小峯委員 その産投会計は、収支決算をすると、出資のほかに運営による剰余というのが相当出ておるのですね。その剰余も含めて変えていくということですか。
  48. 相沢英之

    ○相沢政府委員 このガリオア、エロアの返済が問題になりました際に、いわゆる二重払いの議論がございまして、ガリオア、エロアの返済財源は、米国対日援助見返資金特別会計からの承継資産の運用収入をもってまかなうという方針でやることになったわけでございます。自後その方針でやっております。
  49. 小峯柳多

    小峯委員 銀行局長見えていらっしゃいますね。——私は、政府保証債と去年から出し始めた国債、この競合の問題が出てくるような感じがしてならぬのであります。お立場上、そういうことにお気はつかれているんじゃないかと思いますが、国債財投で使う政府保証債との消化のぐあい、どっちが歓迎されておって、どういう面で消化されているか、ひとつ伺いたいと思います。
  50. 澄田智

    ○澄田政府委員 いまお話しの国債消化政府保証債消化状況でございますが、現在までのところは、いずれも順調に消化されている、こう申し上げて間違いはないと存じます。国債は、御承知のとおり四十年度から——四十年度は年度末からでございますが、発行されました。そして国債の場合は、市中金融機関等の消化のほかに、証券会社を通じて個人消化というものも初めから行なわれまして、その面の消化も非常に伸びてきておるわけであります。政府保証債のほうは、そういう意味の個人消化は、これは銘柄がいろいろにわたっておりまして、従来の消化の実績は、まず金融機関消化、そのほかに各種の機関投資家等の消化というようなものを中心に行なわれておる。それから消化のためのシンジケート団等の組成のしかたも違っております。政府保証債は、公社公団あるいは公庫等のそれぞれの事業に関連のある、関連度の深い金融機関がシンジケートをつくる、こういうようなことで、その辺のニュアンスがかなり、一般的な国民全体で消化するという感じを持つ国債とは違った組成をいたしておりまして、そういうようなことで現実の消化が行なわれておる。これから先の問題といたしまして、市中の資金の需要供給の関係というような面から消化問題というような問題が出てくる場合に、国債政府保証債関係がどうかというような点につきましては、これからの市場の状況等を見て、そして発行計画消化計画というものを、市中の資金の需給に合わせて、弾力的と申しますか、そのときの状態に応じて消化をしていく、こういうことが必要ではなかろうかと思っております。  なお条件等は、御承知のとおり、国債は、国自体が国の信用をもって出す債券でございますので、利回り等は政府保証債より低い。政保債は政府の保証はついておりますが、その点については若干国債よりは利回りが高い、こういう形をとっております。日銀のオペレーション等の取り扱いというのは、いずれも最近国債消化を始めまして、国債に対しての日本銀行の買いオペレーションを始めましたものですから、そういうような条件と同じ、こういう形になると思います。そういうところで、いままでのところは、両方同時に市場に出るということは事実でございますが、競合して、それが消化関係でいろいろ問題を起こしているというような事態にまでは至っていないわけであります。
  51. 小峯柳多

    小峯委員 いま、政府保証債消化先のことを伺いましても、やはりお義理で持たせられるようなものが相当ありはしませんか。国債にしても、金融機関によっては、資金コストからはほんとにすれすれで、おつき合いといいますか、そういうふうな持ち方をしているところもあるように見受けるのでありますが、そういう点はございませんか。感触としてどうでしょうか。
  52. 澄田智

    ○澄田政府委員 最初の御質問の、政府保証債について、消化する金融機関としては、どうもこれはつき合いでしかたがない、こういうような感じ消化をするものがないかどうかというようなことでございます。この点につきましては、政府保証債を出しております機関全体を見まして、比較的なじみの深いところと、なじみの少ないところというような関係は、どうもこれはいなめない、こういうことでございます。いずれも政府の保証がついておりますから、その意味で、最終的なその持っております債券としての信用度、担保力というものは同じであるはずでございますが、そこは機関が大きい場合、小さい場合、仕事内容がなじみのあるのとないのとというようなことで、その間にどうも厚薄の差があるというような感じはいなめない。したがって、国鉄あるいは電電とかいうようなところのものは銘柄が非常によくわかっているが、そういうふうなものに比べると、どうもよくわからない、こういうような場合もある。こういう点は確かにあることでございますが、しかし、申し上げましたように、条件は同じ、それから政府が保証しているということも全く同じでございますので、保有した金融機関は、その債券保有による損得関係というのはないわけであります。いわばやや心理的な問題であろうかと思います。  それから政保債もそうかと思いますが、国債について、コストを割るあるいはすれすれであるのではないか、こういうお話でございますが、いま国債の発行条件は、とにかく金融機関の性格によりまして、中小金融機関等の場合で見ますると、資金コスト全体をとってみれば、若干国債の利回りのほうが低いという場合があるわけでございますが、しかしそれは国債の非常な強い信用度、それから日本銀行との取引、その他持っております担保力あるいは信用力、そういったものを入れて考えまして、それから資金のコストのほうも、その機関全体としてのコストというよりは、そういう国債等は、ある意味においては流動的なものとして持っているという面もあります。流動性の準備というような意味で持っているという面もございますので、いわば安いコストで入ってきております資金との見合いにおいて考えられるというような面もあるわけでございます。そういう意味でもって、非常に国債の利回りが採算割れになっている、したがってそういう見地から持てない、というようなことではないと思います。
  53. 小峯柳多

    小峯委員 国債問題に関連して伺いたいのです。これは政務次官ですか——大臣がいなければ困るのじゃないかと思うが、事務的に、これはひとつ銀行局長理財局長に承りたいのです。  四十一年度の予算一般会計で出した国債と、ことしの国債と、私は性格が変わってきたように思うのです。どういうふうに変わったかといいますと、去年は明らかに積極的な意味を持った、いわゆるフィスカルポリシーの一端を国債はになったと私は思うのです。ことしの国債を見ていると、そうじゃなしに、どうも意味づけが怪しくなっているような感じがしてなりません。それはなぜかというと、過熱の心配、これは野党の諸君も盛んに取り上げておったようですが、過熱の心配を言われながら国債を減らせなかったということは、むしろ予算全体の動脈硬化性というものが、そうしてまた、理屈を言えば、社会資本の充実のために、国債というものはもう縁が切れなくなってしまったような感じがしてならぬのであります。言いかえますと、四十一年度の国債には、弾力的な、積極的な意味があったけれども、四十二年度の国債になると、消極的な、追い込まれて出す国債のような感じがしてならぬのであります。これは事務的な感覚でよろしゅうございますから、私のそういう見方に対して御異論がありますか、あるいは非常に違うというふうにお考えになりますか、これは御関係はどっちかしら、ひとつお聞かせ願いたいと思います。
  54. 中尾博之

    中尾政府委員 お話のような点は、いろいろとこれは御論議もあるようでございますが、事実を申し上げますと、四十年度はほんとう意味で、不慮、不測の事態に対応いたしました歳入補てん公債であったわけです。その際にバランスをとろうと思えば、歳出規模を押えてしまえばいいのです。そうすると経済は麻痺してしまいますから、そこで出した。それで財政規模が維持できて、その他の措置も講じてやっともった。こういうことでございましょう。それから四十一年度は、そういう意味ではなくて、いわゆる公債政策、フィスカルポリシーというものを作動させるという意味で発行したものだと思います。しかし四十一年度の状況を見まして、それほど四十年度のような緊急的な景気対策を必要とする事態であったわけではありません。しかし、相当な上向きをやはり前提にしなければいけない経済ではあった。したがって、その際に公債も出しましたが、これはやはり建設公債というワクの中で、いわゆるフィスカルポリシーを作動させるための装置としての公債であったわけです。ただしかし、四十年度に歳出規模は維持してしまったわけですね。それから歳入のほうは経常歳入は落っこってしまった。そのギャップというものはやはりあるわけです。それは四十一年度にも何ほどかあるわけです。これは全部一ぺんに四十一年度に解消するというわけにはいきません。しかも、そこへもってきて、さらに公債発行によるところの安定成長路線というものに経済を乗せてまいります場合には、一定の経済成長というものを維持しなければいかぬということでありまして、その際になお財投の果たすべきシェアもあった。それを前提にいたしまして財投も運営され、公債も計画されたわけです。ことしもまたその延長でございます。したがって、四十一年度も四十二年度のようなギャップを埋めるような勘定に相当する部分もあったじゃないかといえば、あるわけです。しかも減税もありました。四十二年度もその系統のしっぽは多少あるじゃないかといえば、これもあるだろうと思います。その点を強くおとりになれば、そういうことだろうと思いますけれども、しかし今年度石炭会計が入ったり入らなかったりするので、計算はいろいろのようですが、一四%なり一五%なりという一般会計規模を維持しながら、おそらく一三・四%という成長は維持できますまい。その際に、公債を減らすということで、所得税の減税もやらない、あるいはむしろ増税になるかもしれませんということでは、おそらくその経済成長は維持できない。やはりそのバランスの計算であると思います。公債の額もさることでございますが、やはり基本になりますものは財政規模だと思います。これがフィスカルポリシーとしてどういうふうに作動されているかということでございます。そういう脈絡から私どもは理解いたしておりますので、四十年度と四十一年、二年とは国債の生まれつき、おい立ちがまるで違います。しかし、四十一年、四十二年は明瞭にフィスカルポリシーを生かし、完全にその線に乗せたつもりでおります。しかし、四十年度の財政のギャップというものが四十一年度の編成の際も、これを全然無視していい状態に解消していたわけではない。その点は若干そっちのほうの要素もまじっているでしょう。しかし、本質的に七千億なり七千七百億なりという計画そのものにつきましては、四十年度のような歳入補てんというような意味の数字ではなくて、むしろ税制を考え歳出規模考え国債政策というものを考えまして、実情に合わせて組んでいったというようなものであろうと思うわけです。なお、多過ぎるというようなお考えかもしれませんが、そういう意味で、私どもはリアルな経済の見通しと大体合わせまして、実は財政計画をつくっておるつもりでおります。ただ、長期にわたる財政の運営としまして、公債政策を作動するにいたしましても、いまの公債の歳入の中における依存率は相当高いレベルにあると思います。したがって、今後公債政策をきわめて弾力的に運用していくということにいたしましても、これはなお引き下げる方向で努力をすべきものであるというふうな意識は十分に持っておる次第でございます。しかし無理をしてはいけない。やはり民間のほうで妙なことになってはいかぬものですから、経済全体が、うまく安定した、なだらかな、長期にわたるぐあいのいい状態をもってくるように考えなければいけませんので、私どもとしては、そういう線に沿って考えております。その意味で、四十一年と四十二年、せっかくのあれでございましたが、それほど異なった公債であるというふうには考えておらない。ただ予算編成いたします際に当面いたしました経済の実情、それに対するわれわれの考え方、これはだいぶ変わっております。変わっておりますが、公債そのものの性格においては、そう変わったものとは考えておりません。
  55. 小峯柳多

    小峯委員 銀行局長も一緒ですか。
  56. 澄田智

    ○澄田政府委員 大体いま理財局長が申し上げたとおりであります。国債のフィスカルポリシーという意味からの性格として、そのときの景気の情勢から見まして、四十一年は、確かに御指摘のように非常に異常な景気の低迷な時期に、景気の回復のための積極的な意味を持って緊急に国債を発行した、こういう根本的な意味を持ったわけでありますが、四十二年度で、景気がそのためもあって順調に回復してきた今日の状態において、財政規模全体がそういう景気の回復並びに今後の安定的な成長というところから見ての財政規模として、このくらいな規模というところでまずきまり、そしてその財源の一部として建設的な経費に充てられる国債というものが出され、その金額が、全体として見て、歳入に占める国債の依存度等から見て、妥当な規模であるということであれば、四十一年のような景気回復期におけるものと、四十二年のような順調な経済成長をはかる時期におけるものとの積極性の違いというようなニュアンスの相違というものはあろうかと存じますが、考え方は同じではないか、こう思っております。
  57. 小峯柳多

    小峯委員 以上、非常に舌足らずでございましたが、財政投融資全体に持っておる疑問なり考え方なり希望なりを申し上げたつもりであります。選ばれた大蔵省局長お並びでございますけれども財政投融資というものがこれほどクローズアップされておるときに、いまかわした質疑の中で、非常に消極的な存在だということがわかったのでありますが、もっとこれをどういうふうに整理したらいいか、どういうふうに筋立てたらいいか、いま具体的な案は持ちません。これをもう少し系統立てて、これからのフィスカルポリシーの中の有力な一環をにない得るような指標でもあってほしいと思うし、また事実それを統一的に運営するというふうな、どこかに統一したオーソリティーというものも持たなければならぬような感もいたします。私案でございますから、御答弁を求めるわけではありませんが、大切な大きな問題だと思いますので、どうぞ今後とも御検討くださいまして、事務的なベースを離れた少し高い立場から、財政投融資というもののあり方の御研究を続けていただきたいと思うわけであります。  以上、これで私の質問を終わります。
  58. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 吉田賢一君。
  59. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 政府の方に、財政投融資を主にしまして、公社公団関係において若干お尋ねしたい。  まず第一は、四十二年度の財政投融資につきまして、原資として記載されておる数額が二兆三千八百八十四億、それからその参考の補足的な資金の費目といたしまして、「自己資金」というのがあります。この「自己資金等」というのは、おもなものは何でありましょうか。それから、その総計は何ほどになるのか、この点をひとつ御説明願いたいと思います。
  60. 中尾博之

    中尾政府委員 財政投融資の表の第五の二に「自己資金等」という欄が載っておりますが、これは財政投融資の合計の数字だけでは意味をなさないので、これらの自己資金とあわせて、実は資金計画として提出するものですから、この「自己資金等」という欄があるわけであります。ところが合計ができませんのは、必ずしもここに書いてあります団体の全部の事業計画財投として意識しないでやっている分がありますから、そういう分につきましては、「自己資金等」というところがうまく出てこないという関係があるわけです。したがって、これはやはり個々に見ていかないとわからないというようになるていのものでございますが、自己資金は一般に何であるかということでございますと、これらの財投関係の各機関事業をいたしまする場合の資金の源泉といたしまして、外部資金を新たに導入いたします部分のほかに、自分自身で、あるいは前年度の繰り越し金を持っておるとか、あるいは事業の上からいきますると、経常的な利益が新しく経費に回るとか、あるいは減価償却費が新しく物的投資に回るとかいう部分が、この自己資金に回ってまいりますのが一つでございます。それからもう一つは、先ほど来の説明でも申し上げたのですが、産投会計以外の特別会計、あるいはほかの特別会計あるいは一般会計からの直接の入金であります。たとえば出資でございますとかあるいは補助金でございますとか交付金でございますとか、こういうようなものを便宜自己資金の欄に整理をいたしております。その内容、組み合わせ等は各機関によってそれぞれ異なりますので、平らに申し上げますれば、そういうものでございます。
  61. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 全体の数字を比較しますときに、自己資金の大体の割合が融資総額に比べてどのくらいになるか。それから、自己資金のうち国の予算等を通しまして受けたような金額はどれぐらいになるのであるか。あるいは自己自身が、事業主体みずからが利益を得て、それによって得た自己資金ということは、これは若干性質が違いますけれども一般会計等から繰り入れてくるような補助金等になりますと、その数額いかんというようなものは、性質上相当重要な関係になってくると思いますので、それで伺ったのです。その辺はもう少し、局長さん分析をされて、そして計数が掌握し得る範囲でせられて、四十二年度これこれになる、そしてそういう投融資を合計してこれくらいになる、こういったような数字を明らかにしていただけませんか。すぐじゃなくてもいいです。それはできると思うのですね。
  62. 中尾博之

    中尾政府委員 おことばを返してまことに恐縮でございますが、御要望は、この自己資金の中で、政府からもらっている金というのと、それから事業ほんとうの自分の自己資金、それの分類というふうなことと承っていいのでございますか。
  63. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 そういう分類でもよろしゅうございます。主として私の希望する点は、自己資金のうち、国の予算関係の分はどれほど入るのであろうか、それから、そうでない、以外の自己資金を加えたものが、財投原資と比較してどのくらいのウエートを占めるのであろうか、全体はどのように、つまり原資とそれから自己資金の総計はどのくらいの総額になるのであろうか、これが知りたいのです。そういうふうにひとつ御理解願いたいのです。これはほんとうならば、私ども予算説明にもう少しそう詳しく書いておってもらえばはっきりするのでありますけれども、これは非常に簡単な書き方でありますので、きょうでなくてよろしゅうございます。この委員会に出してください。それはできましょう。
  64. 中尾博之

    中尾政府委員 どうも話がしつこくなって恐縮でございますが、いまの二点のほかに、相当大きな部分で、この財政投融資計画以外に、それらの機関が自分の信用で外から金を借りてくるという分が、実は相当入っております。事業そのものじゃなく、自分の信用で借りてくるものが相当ございます。その大体三つの系統と思います。
  65. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 何か知りませんけれども、あなたのほうの大蔵省が、主計局が出しておるこの説明によれば、「自己資金等」となっております。その内容がどうかということをずばっと聞きたい。ほかのものは集計が出ておるが、これは集計が出てないのです。だからそれを出せないのか出せるのか、内容はどうなのか。そして私がさっき指摘しましたような点が私としては知りたい点、こういうことになるのです。
  66. 中尾博之

    中尾政府委員 資料はお出しするつもりで、いま相談をいたしております。それで、その中身のつくり方につきまして、実は承っておるわけでありますが、ここにございますように「自己資金等」という欄に、載っておりますものとブランクになっておるものがございます。これは自己資金等という観念が実はないので、これらの、たとえば学校特別会計でありますと、この会計全体が大きな世帯でございますが、特定の目的のために財投合計だけを入れております。それ以外の収支はこれとの関連において考えておりませんので、載っておらないわけです。こういうもの以外の分につきまして、これは数字が載っております分は、いま申し上げましたような分類に分けまして、資料を整備いたしまして、御提出をいたします。
  67. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 至急お願いいたします。委員長そのようにおはかり願います。  それから、昭和三十九年の九月に、臨時行政調査会が政府に答申しております。これはとくと御承知のとおりであります。そこで、特にそのうちの公社公団に対する勧告が、十八の公社公団等につきまして、意見が出されておるのであります。そのうち七つの機関に対して、財政投融資資金を出しております。そこで、この勧告の趣旨は、財政投融資計画上相当参考にされたと思うのですが、それは実際はどうです。参考にしたわけですか。
  68. 中尾博之

    中尾政府委員 財政投融資計画を組みます場合に、そういう問題があったということはもちろん承知はいたしておりますが、それでは、それだからほかのものと比較いたしまして、この分は必要だけれども減らしておこうというような、実は結論めいたものにつなげて処理はいたしておりません、率直に申しまして。現実にそれぞれの事業には計画があるわけです。その計画に応じまして、その一つ一つ実態に即して、相手の省と折衝してきめておるというのが実情でございます。もちろんその際に、こういう事業はもうやめるんだ、あるいはこういう公団はやめて、この事業はどこか合併するんだということであれば、それをやるわけでございますが、その前提がきまりませんと、この融資の面だけで先行するわけにまいりませんので、案際におきましては、その結論が出る前に、融資の面で何らかの配慮を加えるということは、事実上できないというのが実情でございます。
  69. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 一体この財投融資を事務的に運ぶ機関はどこでございますか。
  70. 中尾博之

    中尾政府委員 融資を実際に行ないますのは、運用部資金でございますれば、大蔵省の理財局でございます。それから、簡保資金でございますれば、それは郵政省ということになっております。
  71. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 運用部資金簡保資金その他にいたしましても、これを総合して全体のワクをどうするか、あるいはまた、必要度等々についての意見の交換はどうなさるべきか、そういうことについて、事務的な横の話し合い、折衝、そういうことはしないのでございますか。
  72. 中尾博之

    中尾政府委員 全体の資金には限りがございますから、これの配分をもちろん考えなければいけません。その意味では、この予算編成と同時に、私どものほうとしては、どうしたらよかろうかといろいろ考えるわけでございますが、実際問題として、どこにどう配分するかというのは、予算折衝と同時に、これを通じまして、どういう計画予算措置がとられるかということに大体合わせまして、その裏づけとして、その配分をきめておるというのが実情でございます。そのきめるのは、それぞれ相手の関係の主管の省がございます。そこと私どもとの折衝によって、これをきめておるということでございます。
  73. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 財投資金のワクをきめるのは、大蔵省といたしましては、理財局ですか、主計局じゃないんですね。
  74. 中尾博之

    中尾政府委員 これはどちらとも申し上げかねます。というのは、大体におきまして、こういう事業であるということの本質的な検討は主として主計局で行ないます。と申しますのは、ここにございますような各機関の施策と申しますのは、それぞれ各省におきますところのそれぞれの幅の広い施策の実体になっております。それにつきましては、こういう政府関係機関で分担する部分、あるいは省自体で行なう部分、あるいは補助金をもって行なう部分と、いろいろあるわけでございます。それらの総合的なつまり検討によって行なわれるわけでございます。しかし、一方で、それではどれだけの事業計画を認めたらよろしいかということになってまいりますと、全体としての新しい原資のふところがございますから、それとの調整は必要になる。それは理財局と主計局との間で相談をいたしまして、配分はきめる。どちらがきめるということではなくて、相談によってきまります。
  75. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 やはり総合的にきめるとおっしゃいますが、総合的にきめるにいたしましても、お互いどこか主導的に、事務的にこれを調整するという機関があるのではないだろうか。それなくしてやるということになると、事実上総合できないんじゃないだろうか、こういうふうに実は思うのでございます。これは次のことを聞くために伺うのでありますが、主計局と相談をし、もしくはその他の主管省庁との相談もあろうということ、これはそういう事務過程のあることもわかるのでありますけれども、大体におきまして、そのワクを最終的に押えるというのは、これは財投の場合、理財局であるのではないんですか。
  76. 中尾博之

    中尾政府委員 全体のワクと申しますと、たとえば運用部資金が幾ら見込めるかというようなことにつきましては、私のほうが責任を持っておりますから、そこまで実際にはないものをあるということにはまいらぬわけで、これしかないということの責任を持った判定は、私のほうでいたします。それから、個々の、これをどこに幾ら配分するかという問題につきましては、いま申し上げましたように、それぞれの施策の実体がございまして、それがいわゆる予算編成作業の全体の一環でございまするから、そういう検討の中において行なわれまするので、その際には、主計局は、予算編成作業というのにかかるわけですが、私ども理財局もそれと同じに、完全にこれとまじり合いましてやっておるわけです。個々に相談をいたします。そういたしませんと、相手の省との折衝において話がばらばらになりますと、これは御迷惑をかけます。ですから、もう四六時中、同じ問題につきまして、それぞれ担当官が一緒になってやっておるというのが実情でございます。
  77. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 政務次官、あなたおいでにならなかったので、前段の私と理財局長の問答をお聞きになっておりませんが、実は財政投融資の振り分けですね、ここにありまする「自己資金」というもの、これを一応別にいたしまして、純粋な財投合計に入ってくるもの、これを数額としてきめるについて、事業主体——相手、貸し付けの対象、融資対象、事業主体の選別とか業態の観察とか、そういうようなものを十分に考慮するんだろうか、こういう意味のことを、実は聞きつつあったのであります。そこで、実は私は、これは予算作成と同様に重視して聞こうとしておるのです。三十九年の九月に、御承知の臨調の答申がございました。公社公団意見が出たのであります。公社公団について何らか配慮したのかどうか、こういうことを聞きおったのですが、そのほうは、財投当事者の当局がそれを左右すると行き過ぎになるというような御意見らしいのです。こういう考え方も実はわかるのですが、そこで、一体具体的に数額をきめるというのはどこがやっておるのですか。だれとだれとの相談でやっておるのかということをいま聞きおったのですが、どうも聞いてみるというと、予算作成の過程におきまして、主計局が主となり、また財投中心にして理財局が、あと他の省庁との話し合いをしながら、お互いに話していくというふうに、そう受け取られるような御答弁と私は理解したのです。そこで、やはりこれは総合的に——融資の額、原資の総額、相手のいずれを選ぶかということは、全体総合的になさるべき筋合いであろう、こう思うのです。総合的にするということになりますと、かなり高度な、たとえば産業国策とかあるいは財政政策とか、そういうものとの関連も生じてきまするので、やはり重要な臨調の答申のようなものが出ました暁には、相当考慮してしかるべきではないかと思うのが実は私の考え方なんです。それを大蔵省としては考慮しておるかどうかということを実は聞きおったのです。これはやはり大蔵大臣がいらしたら聞きたい点なんです。こういうことを全く無視してほおかむりしていくなら、総理大臣は、実に権威のある答申が出ましたとおっしゃっておるのですが、その下の事務当局はわれ関せずえんになっちゃうのですから、そういうことは私は不統一きわまると思いますので、その辺をあなたによって、何らかひとつ大蔵省の態度として御答弁願いたいと、こう思うのです。
  78. 小沢辰男

    ○小沢政府委員 ちょっと中座しまして、たいへん失礼いたしました。私ども大蔵省予算編成をやりますときに、最初、御承知のとおり、予算編成大綱というものを決定をいたすわけでございまして、その際、経済の見通し、財政規模等、いろいろな基本的な要因をきめるわけでございますが、これは省をあげまして、もちろんそれぞれの部局の考えもありますけれども、省議で、大臣を中心にいたしまして、それぞれの所管の幹部相集まりまして議論をし、その予算編成の大綱案をつくり上げ、これが閣議に出まして、内閣全体の方針になっていくわけでございます。その方針に沿いまして予算編成をやるわけでございますから、実は、財投は理財局でどんどん進める、あるいは予算全体は主計局が全部中心になって、あとのしりぬぐいその他で、いろいろなところが協力してくるというようなことではございません。たとえば建設省の要求の中には、住宅問題もあれば、あるいは土地政策の問題もあり、都市再開発の問題もあり、あるいは河川の問題もあり、こういうようないろいろ要求が出ます。またそれぞれの各省全部、農林省にいたしましても出てまいります。それを重要な問題ごとに整理をいたしまして、それをやはり何回か——最初は大臣を中心にしました説明会をやり、その次にはだんだん結論を見出す会議を何回か省議を重ねて、各それぞれの担当の部局が大臣を中心にして集まりまして、そうした重要政策につきましての検討をし、結論を出していく。その結論にそれぞれの立場でみんな協力をしていくというのがあれでございますので、この点はひとつ、予算編成の省全体の機能全部をあげまして、統一的に動いておることは御了承いただきたいと思うわけでございます。  それと、公庫公団等の新設、いろいろそういうことをめぐりまして答申が出ておる、りっぱな答申が出たのだ、しかるにそれをどういうように受け取っているのか。実は、答申につきまして、政府全体としてどういう受け取り方をするかということの基本的なものが、まだ明確にされている段階ではございません。しかしながら、当然そういうものを頭に置きまして、公庫公団の新設その他につきましては、慎重に対処してきておったわけでございまして、特に日本のそれぞれの分野における必要性のやむを得ないものだけ、それぞれの積極的な目的を了解いたしまして、最後には、御承知のとおり政党政治でございますので、大蔵省独自の考え方だけでいくわけにはいきません。大蔵大臣と与党幹部、総理、総裁としての判断を願って決定をしたわけでございます。
  79. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 いま御答弁がありましたそういう趣旨で、事実行なわれておればいいのですけれども、なかなか事実そうでないところに、私としても質問せねばならぬということになってくるわけです。こういうことを聞くゆえんのものは、やはり戦前にかなり放漫な預金部の資金運用が問題になったということもありますので、私はその辺をはっきりしておかなければならぬと思うので、聞いておるのです。やはり臨調の答申につきましては、何回も繰り返して、総理は尊重すると言うておるのです。そこで、事実、それならどのように行政府全体にこれが浸透し、理解されているかということになると、バラバラなんですね。そこでどうしても問題にせざるを得ないのですが、たとえば公社公団の勧告、意見に対しましても、たとえば自主的に運営能力を十分持っておるものと、そうでないものとに区別され、前者につきましては、むしろ運営の改善をして、たとえば鉄道建設公団のごときは、もっと資金量を政府はふやせ、あるいは財源の出資の過半を国が持つべきではないか、こういう勧告をしておるのです。しかし統廃合すべし、再編成すべし、それはまた相当例示されておるのですが、こういうものもやはりこれはかなり重要視して、そうして財投融資等につきましても、資金を定めるときに少なくとも検討し、参考にするということをなさるべきだと思うのです。その点は理財局長、少なくともあなたは引き続きになるならぬは一応別といたしまして、重要な政府の国民に対する公約でもあるのだし、総理も言明しておるのだし、三十九年ということからもう数年経過するのだから、四十年、四十一年、四十二年の財投計画、それぞれのあとを顧みまして、この公社公団に対する勧告、意見は事実上参考にしてしかるべきではないか。知らぬということはないだろうと思うけれども参考にするわけにはいかぬ、向こうは向こうの事業計画を持ってきておるのだから、その事業計画を持ってきたものを、それぞれの主務官庁があるし、その主張ものんでいくというのでは、これは重要な資金を預かる大蔵省といたしましてはどうだろうかと思うのですね。こういう勧告がないときならば、私は何とも言いません。ただし、そうかといって、一々削りなさいというのではありませんよ。さっき申しましたように、そういうような一方的な一言い方をしておるのではなしに、少なくも緩急適切な数字をそこできめるように十分検討してしかるべきではなかったかと思います。その辺はどうでございますか、理財局長
  80. 中尾博之

    中尾政府委員 お話のとおりであると思います。答申はきわめて重大な答申であり、長年かけて検討したものでございまして、これは重要なる資料であります。したがいまして、私どもこれは決して知らないということではないのでございます。答申についてもそれぞれ検討し、議論したこともあるのでございます。しかし事柄は、やはり最後には、一体この資料をどうするのかということの決定がございませんと、それに先走りまして、傘を貸すほうだけできめるというわけにはまいらぬ。ただ融資をするということは、大きなささえの措置でありますから、こういうようなものをやるときには、そういうことを十分頭に入れて、そういうものが何らかの結論を得ようという場合に、その結論に対して重大なる間違いのない、つまり決定をしたものに対して、関係当局としての重大なる責任を持て、こういうお話であると思います。それにつきましては、私どもも十分その責任感じておる次第でございますが、は、先般の答申が出まして、これがそれぞれの立場もございましょうし、それから見方にもいろいろございましょう。それらの答申を政府で受けまして、何ぶんの結論が出るという時期にならないうちに、とにかく毎年の生活の計画だけはきめていかねばなりませんので、こういうことになっておるわけであります。したがって、答申の問題につきましては、現在もなお関係の向きではいろいろ検討しておられると思います。私どもに対しましても御相談があれば、もちろん私どもも率直に意見を申し上げたいと思っておるわけであります。わかる点もございます。わからない点もございますけれども、そういう心がまえは持っております。今回の四十二年度の予算あるいは財政投融資計画におき一まして、答申の線に沿っている措置が特に具体化されていなかったという事情につきましては、いま申し上げましたような次第でございますので、それはいきさつとして御理解を願いたいのでございます。  問題は、やはりあの問題はまだ結論が出ておらないので、全体としての受け取り方とかなんとかという点につきましては、いろいろ政府側も、お話が出ておるようでございますが、何ぶんにも具体的な結論がございませんと、やはりそれに即して動けません。そうすると、現状に合わせていくほかはない、こういうことになる次第でございます。おそらくこれからも問題になると任じますので、その際の問題といたしまして、十、分に私ども責任感じてやってまいりたいと考えております。
  81. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 具体的な結論ということは、あなたの御意見によると、政府が最終的に臨調の答申をどういう形で、どういう内容でこれを実施に移すかということが、最終結論のように思うのであります。しかしやはり事業に対する投資でしょう、融資でしょう。それならば、たとえば例を愛知用水公団にとりましょう。愛知用水公団にとりましても、資金運用部資金は四十二年度で七十一億円出すことになっておるわけです。これは前年が五十三億円であります。いわゆる自己資金等というのが八十四億円になっております。ところが一方この公団は、これはいろいろな資料であなたは御承知であろうと思いますけれども、本来の法律上の用水開発の事業は終了いたしております。終了いたしておるのみならず、これに投下した総資本は、木曽川の分だけでも四百二十二億円になるのであります。さらに今度また三十六年から豊川をやっていますが、豊川の事業は四百八十八億円になります。また農地にいたしましても、どんどんと百姓が減っていきますので、当初の見込みから比べますと、農地は半分になってしまった。そのために実際に農家から徴収すべきものがどっと減ってまいっておりますので、おそらく十数年かからぬと投下した資本の償還もできない、こういう実情にあるわけです。少なくともこれは重要な情報として、政府予算を組む、あるいは財投計画を立てるときには、それは知らねばなるまいと思います。だけれども、現状はやはり相当額投資したほうが事業の結果はよい、こういう判断に立つなら、それはまあそれでよろしゅうございます。いずれにしましても、このような重大な指摘があるということは、政府が施策におきまして権威のある情報としてとって、その上に立って、相手方と十分に折衝していくというのでないと、大切な資金を預っている行政庁としてはどうかと思うのです。そういう点を、私は気になるので、伺っておるのです。どうですか。
  82. 中尾博之

    中尾政府委員 豊川用水あるいは愛知用水につきまして、当初計画いたしましたときと事情がだいぶ変わっておりまして、水の用途その他も変わってくる、したがってまた、今後それを経営するに当たりましても、当初の計画とは変わった姿におそらくなるであろうということも、私ども十分に理解をしておるところでございます。当初の計画どおりいくとは実は思っておりません。これは長い計画でございましたので、もうだいぶ前から、そういう問題は重大な問題としてあるわけでございます。しかしながら、いままでやっていた工事だから、途中でやめてしまってはしょうがないというような単純な考え方では実はございません。この事業自体を取りまとめまして、そして水の供給がある、しかもそれが当初の計画のような配分の水の使用でないにいたしましても、それが工業用水になり、あるいは水道の施設になり、これが地方開発の重要な社会資産になるということは、これは私は間違いがないところであろうと存じます。目的が違ったという問題でありますから、おかしな話のようではありますが、しかし実際の問題といたしまして、いわゆる全然無用の長物になるということであるならば問題でありますが、当初計画に比べますれば、事情は変わってまいっておると思いますが、この投資自体がなお重要なものであるという判定のもとに、私どもといたしましては、事業の取りまとめを考えておるわけでございます。そういうところから考えまして、事業そのもの検討を行ないました上で、この資金の配分を考えておる次第でございます。
  83. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 誤解のないようにしていただきたい。私は愛知用水の事業が、また公団が無用の長物だなんて、そんなことは思っていないんですよ。また現に重要な豊川の用水の問題について、事業の進捗しつつあるということも存じております。そしてまた、来年の三月には一応完了の予定であるということも存じておるのであります。その重要な事業でありますけれども、あなたは、いま当初の計画が途中で模様がえになった、そのとおりにいかなかったとおっしゃいますが、そういう重大な変化がありましたならば、変化に応じて、資金操作の面においても相当考慮するのが、資金を預かる大蔵省の立場ではないかと思います。だからといって、これを削りなさい、減らしなさい、慎重に、厳重にやりなさい、そういう意味で性急にものを言うておらないのであります。いずれにしましても、このままずっと進んでいくということになりましたら、また惰性として法律改正になってしまうんですよ。三十六年に、一部豊川の拡大の事業のために法律改正をしましたので、来年の三月に豊川も済みますが、今度はまた木曽川に手をつけるといいますので、また法律改正ということになりますと、何のことはない、次々と発展するところは、愛知用水公団というものが全く違った姿になってしまうのではなかろうかということも危倶するのです。そうでありますので、財投の立場からは、ひとつきちんきちんとけじめをつけて、そうして各事業の性格あるいは成果あるいは投資の効率、変化の原因、将来の見通し、償還の可能、こういうことについて、もっときちんとしてもらうのが筋じゃないかと思うのでありますが、どうもその辺が、去年、おととしから、ずっと愛知用水公団だけの融資の実情を見てみますと、何の変化もなしにきておりますので、私は、これらについての深い配慮が欠けているのではないか、こういうように実は思うのです。そういうことになりましたら、これは別の角度からさらに規制していくということを検討しなければなるまい、こうさえ思うのですが、何か御意見ございませんか。
  84. 中尾博之

    中尾政府委員 事情がたいへん変わりまして、当初の事業目的より多少ずれている姿で運用されるであろうということは、きわめて異例なことでございます。したがいまして、それに即しまして、私どもも慎重に検討している次第でございます。  なお今後の問題につきましても、いろいろ御注意がございました。漫然と途中で目的が変わるような仕事をやるということは、確かにいろいろやむを得ざる事情はあったわけでございますが、まずいことでございます。やはり真に緊急やむを得ざるところに資金を投入いたしまして、それの健全な運用をはかるというのが私どもの立場であるわけでございます。したがいまして、今後のことは、なお関係方面、特に主管庁を中心といたしまして、いろいろ御検討もあろうと思いますので、それに対しましては、私どもも率直にいろいろ御意見を申し上げるつもりでありますが、いずれにいたしましても、今後とも、いままで申し上げましたようなことでやっておりましたが、御注意のこともございますので、慎重に、間違いのないように、ひとつ気をつけてやってまいりたいと考えております。
  85. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 実は一々について、これは聞かなければいけないのですが、たまたまきょうは愛知用水の問題だけを取り上げたのでありますが、政務次官にちょっと御希望を言うておきますが、今度臨調の答申の公社公団の指摘したものの十八のうち七つが、この財政投融資の対象機関になっておるようでありますが、これはいずれも問題になるのでございます。当委員会におきましても問題に取り上げたのがずいぶんあるわけでございます。ありますので、やはりこの機会に、財政投融資のあり方について検討する一つの素材として、私どもは取り上げていかねばなるまい、こう考えております。そこで、やはり特に資金運用部の金は零細資金というものが、ずいぶんございますので、こういう面を考えますと、なかなか親方日の丸式に借りっぱなしになるということになってはこれはたいへんでございますから、そういう角度から、特にいまの公社公団の問題については慎重に対処するようにしてもらいたいのです。  それで、いずれまた日をかえまして、大蔵省全体としましてどういうふうにお考えになっておるかということを、逐次伺っていかねばなるまいと思いますのですが、きょうは、だんだん時間も迫っておりますので、これでとどめますけれども、この辺は御依頼申し上げておきます。そして、できましたら、やはり抽象的な問答をお互いにするのでなしに、具体的に、この機関はこういう欠陥がある、そうではない、将来見通しはよいというような自主的な意見ぐらいは、大蔵省は持たなければいけませんのです。最終的な政府の実施の意見がきまったときでないと、相手の言うがままになるというのでは、これはやはり財投資金をあずかる大蔵省としては、国民に対しては無責任だ、こう思うのです。そう思いますので、ぜひともそのような御用意もしながら、ひとつ次の問答にも出てもらいたい、こう思います。  理財局長、そういうふうにお願いいたしておきます。別にあなただけを責めるのではないのでございますから、どうぞあしからず。これは、よい意味におきましても、悪い意味におきましても、何とかすっきりしまして、より健全なものを生み出さんとする意図以外何もないのでございますから、そういうふうに御了承願っておきたい、こう思います。  財投関係について、各論的な面から次に質問したいと思ったのですが、少し時間が食い違いになってしまいましたから、きょうはこのくらいにさせておいていただきます。  それから、開発銀行が来ておられましたが、佐藤委員はきょうは問わないことになってしまいましたので、やむを得ませんから、私は開発につきましては少し伺いたい点はありますけれども、別に開発銀行へ資料を御依頼いたしまして、また別の機会にしますから、御了承願っておきます。
  86. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それでは、この次は佐藤さんがやるのはよろしゅうございますか。
  87. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 それはよろしゅうございます。その関連で別にやりますから。
  88. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それでは、次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後塔時五十三分散会