運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1967-03-23 第55回国会 衆議院 決算委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十二年三月二十三日(木曜日)    午前十時十六分開議  出席委員    委員長 鍛冶 良作君    理事 吉川 久衛君 理事 小峯 柳多君    理事 小山 省二君 理事 白浜 仁吉君    理事 中村 重光君 理事 華山 親義君    理事 吉田 賢一君       菅波  茂君    丹羽 久章君       水野  清君    村上信二郎君       安井 吉典君    浅井 美幸君       阿部 喜元君  出席政府委員         自治政務次官  伊東 隆治君         自治省行政局長 長野 士郎君         自治省財政局長 細郷 道一君  委員外出席者         経済企画庁国民         生活局消費者行         政課長     岩田 幸基君         厚生省社会局庶         務課長     穴山 徳夫君         会計検査院事務         総局次長    保川  遜君         会計検査院事務         総局第一局長  斎藤  実君         公営企業金融公         庫総裁     三好 重夫君         専  門  員 池田 孝道君 三月二十三日  委員村山達雄辞任につき、その補欠として江  崎真澄君が議長の指名で委員に選任された。 同日  理事佐藤觀次郎君同日理事辞任につき、その補  欠として中村重光君が理事に当選した。     ————————————— 本日の会議に付した案件  理事辞任及び補欠選任  昭和三十九年度一般会計歳入歳出決算  昭和三十九年度特別会計歳入歳出決算  昭和三十九年度国税収納金整理資金受払計算書  昭和三十九年度政府関係機関決算書  昭和三十九年度国有財産増減及び現在額総計算  書  昭和三十九年度国有財産無償貸付状況計算書  (自治省所管公営企業金融公庫)      ————◇—————
  2. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これより会議を開きます。  この際、おはかりいたします。  理事佐藤觀次郎君より理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 御異議なしと認めます。よって、許可するに決しました。  これより理事補欠選任を行ないたいと存じますが、これは先例によりまして、委員長において指名するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 御異議なしと認めます。よって、中村重光君を理事に指名いたします。      ————◇—————
  5. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 昭和三十九年度決算外二件を一括議題といたします。  自治省所管及び公営企業金融公庫決算について審議を行ないます。  まず、自治政務次官より概要説明を求めます。伊東自治政務次官
  6. 伊東隆治

    伊東政府委員 昭和三十九年度における自治省所管歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。  一般会計におきましては、歳出予算現額は、当初予算額六千二百八十九億二千五百万円、交付税及び譲与税配付金特別会計への繰り入れに必要な経費等補正追加額百五十九億一千万円、既定の予算不用額を修正減少する等の補正修正減少額一億四千四百万円、総理府所管から移しかえを受けた額一千二百万円、前年度繰り越し額一億五百万円、予備費使用額八千百万円、合計六千四百四十八億八千九百万円であり、これに対する支出済み歳出額は六千四百四十七億五千三百万円でありまして、その差額は一億三千六百万円となりますが、これは翌年度繰り越し額一千八百万円、不用額一億一千八百万円となっております。  以下、おもなものにつきまして、その概要を御説明申し上げます。  まず、交付税及び譲与税配付金特別会計への繰り入れ費でありますが、歳出予算現額は六千三百七十三億一千万円で全額支出済みでありまして、昭和三十九年度における所得税法人税及び酒税の収入額の百分の二十八・九に相当する額並びに昭和三十七年度の地方交付税交付金精算額相当する額を、地方交付税交付金財源として特別会計繰り入れたものであります。  次に、小災害地方債元利補給金でありますが、歳出予算現額は十六億九千九百万円、支出済み歳出額は十六億二千一百万円、不用額は七千八百万円となっておりまして、昭和三十三年から昭和三十七年までの公共土木施設等の小災害にかかる地方債に対する元利償還金相当額、及び昭和三十八年の公共土木施設等の小災害にかかる地方債に対する利子償還金相当額の全部または一部を補給するため、関係地方公共団体に交付したものであります。  不用額を生じましたのは、元利償還金予定より少なかったので、これに対応する元利補給金を要することが少なかったことによるものであります。  次に、奄美群島振興事業費でありますが、歳出予算現額は十五億四千五百万円、支出済み歳出額は十五億二千七百万円、翌年度繰り越し額は一千八百万円となっておりまして、奄美群島の急速なる復興をはかるため、産業振興及び公共土木施設整備等事業を行なうのに要した経費であります。  次に、国有提供施設等所在市町村助成交付金でありますが、歳出予算現額は十二億五千万円で、全額支出済みでありまして、昭和三十九年度においてこの交付金を交付した団体数は、二百七十三団体となっております。  次に、固定資産税特例債元利補給金でありますが、歳出予算現額は三億六千四百万円、支出済み歳出額は三億六千四百万円となっておりまして、固定資産税制限税率の引き下げに伴う減収補てんにかかる地方債に対する昭和三十九年度分の元利償還金相当額関係市町村に交付したものであります。  次に、市町村民税臨時減税補てん債元利補給金でありますが、歳出予算現額は三億円、支出済み歳出額は二億九千八百万円、不用額は二百万円となっておりまして、市町村民税課税方式の統一に伴う減収補てんにかかる地方債に対する昭和三十九年度分の元利償還金の三分の二相当額市町村に交付したものであります。  不用額を生じましたのは、元利償還金予定より少なかったため、元利補給金を要することが、少なかったことによるものであります。  次に、消防施設等整備費補助でありますが、歳出予算現額は七億一千八百万円、支出済み歳出額は七億一千七百万円、不用額は百万円となっておりまして、消防施設等整備に要する経費の一部を補助するために関係地方公共団体に交付したものであります。  不用額を生じましたのは、補助事業の一部廃止により、補助金を要することが少なかったためであります。  最後に、交付税及び譲与税配付金特別会計におきましては、歳入予算額は六千九百八十二億九千五百万円、収納済み歳入額は七千一百十一億一千九百万円であり、歳出予算額は、当初予算額六千六百六十六億八千五百万円、予算補正追加額三百九億一百万円、前年度繰り越し額一百三十六億七千一百万円、合計七千一百十二億五千七百万円であります。  これに対しまして、支出済み歳出額は七千九十六億二千八百万円でありまして、不用額は十六億二千九百万円となっております。  支出済み歳出額のおもなものは、第一に、地方交付税交付金財源に充てるため、一般会計から受け入れた額、及び昭和三十八年度分として交付すべき地方交付税総額特例に関する法律の規定に基づき、前年度から繰り越した額及び借り入れ金の額を、地方交付税交付金として、道府県及び市町村に交付したもの六千六百五十九億八千五百万円、第二に、直接この会計に受け入れた地方道路税収入額を、地方道路譲与税譲与金として、地方道路財源に充てるため都道府県及び指定市に譲与したもの四百六億三千二百万円、に、直接この会計に受け入れた特別とん税の収入額を、特別とん譲与税譲与金として、開港の所在する都及び市町村に譲与したもの二十九億九千八百万円であります。  不用額を生じましたのは、税収入予定より少なかったため、譲与金を要することが少なかったこと等のためであります。  以上、昭和三十九年度自治省所管決算概要を御説明申し上げました。何とぞよろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
  7. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 次に、会計検査院当局より、検査の概要説明を求めます。斎藤会計検査院第一局長
  8. 斎藤実

    斎藤会計検査院説明員 昭和三十九年度におきまする自治省所管決算について検査いたしました結果は、特に違法または不当として指摘いたしました事項はございませんでした。     —————————————
  9. 鍛冶良作

  10. 三好重夫

    三好説明員 公営企業金融公庫昭和三十九年度の業務概況について御説明申し上げます前に、当公庫設立以来昭和三十九年度までの業務運営状況につきまして、概略をお話し申し上げます。  当公庫は、特に低利かつ安定した資金を必要とする地方公共団体公営企業につきまして、その資金を融通し、公営企業の健全なる運営に資するために、昭和三十二年六月一日に設立されたものでございます。昭和三十九年度をもちまして第八事業年度を終わったことになるのでありますが、この間、事業規模は年を追って増大いたしまして、昭和三十九年度末におきましては、政府出資金二十五億円、公営企業債券額面千四百三十六億円の発行による手取り金千四百二十八億円及び貸し付け回収金等資金百十一億円を原資としまして、総額千五百六十四億円の貸し付けを実行いたしたのであります。また、昭和三十九年度末の貸し付け残高は千三百七十四億円、債券発行残高は千三百五十七億円に達しております。  貸し付け残高事業別に見ますると、上水道事業が全体の三三・七%、次いで電気事業が二〇・二%で、この二事業で全体の五三・九%を占めております。  以下工業用水道事業が一三・六%、地域開発事業が一二・七%、港湾整備事業が七・二%、その他下水道事業交通事業等が合わせて一二・六%となっております。また、当公庫におきましては、昭和三十五年度から、農林漁業金融公庫からの委託によりまして、地方公共団体の行なう公有林整備事業に対する資金貸し付けを行なっておりますが、昭和三十九年度末までに四十七億円余の貸し付けを実行いたしました。  以上が昭和三十九年度末までの当公庫業務概要でございまするが、他の公庫に比しての著しい特徴の一つといたしましては、千五百億余円にのぼります貸し付け原資を、二十五億円の政府出資金のほかは、そのほとんどを債券発行によってまかなっておるというこの点でございます。  次に昭和三十九年度の業務概況決算について御説明を申し上げます。  昭和三十九年度におきましては、四百七億円の貸し付けを実行いたしまして、前年度の三百十八億円に比べますると大幅の増加を見ております。この貸し付け原資といたしましては、出資金一億円、債券発行により調達されました資金三百六十億円と貸し付け回収金等資金四十六億円を充てました。ほかに、短期貸し付けといたしまして百三十億円の貸し付けを実行いたしました。なお、元利金回収額合計百五十六億円で、延滞となっているものは皆無でございます。  次に、貸し付け金利につきましては、直接募集債発行による公営企業債券平均発行者利回りの低下に伴いまして、長期貸し付け金利を、三十八年度におきまして、従来の年七分四厘から七分三厘に引き下げたのに続きまして、三十九年度におきましては、短期貸し付け金利を従来の日歩二銭から日歩一銭九厘に引き下げました。  また、公営企業債券発行額は四百十七億円でありまして、このうち二百八十億円が公募債、百三十七億円が直接募集債でありましたが、公募債二百八十億円のうち五十六億円は、三十二年度に発行した債券満期償還に必要な資金に充てるため発行したものでございます。  なお、昭和三十九年度における農林漁業金融公庫からの委託による市町村公有林整備事業に対する貸し付けは、五億二千万円でありまして、期末の貸し付け残高は四十七億六千万円となります。  次に損益の状況でありますが、貸し付け金利息等利益金勘定合計額が九十九億三千八十八万円になっておるのに対しまして、債券利息及び事務費等損失金勘定合計額が九十八億三千三百三万円であり、差し引き九千七百八十五万円をもって各種の償却に充当いたしました。  以上、昭和三十九年度の業務について概略を御説明申し上げたのでございまするが、昭和四十年度以降の業務につきましても、御参考までにその概況について一言触れておきたいと存じます。  昭和四十年度の貸し付け計画額は五百五十億円でありまして、その原資産業投資特別会計からの出資金一億円、債券発行による収入金四百九十四億円及び貸し付け回収金等資金五十五億円を充てることといたしておりましたところ、この事業計画は順調に進みまして、三十九年度許可債のうち、四十年度に貸し付けが繰り越された分を含めまして、四十年度中の貸し付け実行額は五百二十六億円となったのでございます。  また、四十年度におきましては、従来十八年でございました上水道事業償還期限を二十三年に延長いたしました。  なお、四十年度は、三十三年度に発行した債券満期償還年当たりまするので、これに必要な資金に充てるため、借りかえ債六十四億円を発行いたしました。  四十一年度におきましては、貸し付け計画額は六百二十五億円でございまして、その原資産業投資特別会計からの出資金二億円のほか、債券発行等による収入金予定いたしております。  なお、四十一年度におきましては、すでに前述の二億円の政府出資を受けまして、上水道事業に対する貸し利け利率を従来の七分三厘から七分に引き下げております。  さらに、四十二年度につきましては、目下、政府関係機関予算案としまして、国会に提案して御審議をお願いいたしておるところでございますが、その事業計画概要貸し付け計画額が七百三十億円でございまして、その原資として、産業投資特別会計からの出資金三億円、債券発行等による収入金七百二十七億円を予定いたしております。  また、貸し付け対象事業につきましては、新たに有料道路事業及び駐車場事業を加えることとするほか、地方公営企業財政再建に資するための貸し付け額といたしまして三十億円を予定いたしておるのでございます。  公営企業の健全な発展をはかりますためには、今後とも低利資金長期に融通することが望ましいことでございますので、関係各省の御指導のもとに、当公庫設立の趣旨に沿うよう一そうわれわれ努力いたしてまいりたい所存でございます。
  11. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これにて説明聴取を終わります。     —————————————
  12. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これより質疑に入ります。  質疑の通告がありますので、これを許します。丹羽久章君。
  13. 丹羽久章

    丹羽(久)委員 ごく簡単に二点お尋ねいたしたいと思います。  財政局長さんにお尋ねすればわかると思いますから、財政局長さんにお答えをいただけばけっこうでございますが、実はこの書類をいただいたうちに「零細補助金等合理化に関する要望」というのが全国知事会から提出せられております。この全国知事がいろいろ相談せられた結果、国のほうに対して、零細補助金整理統合という問題、それからもう一つは、最後になってきまして、廃止していただいてもけっこうですという内訳書がつけられて、そして八億数百万という金が書かれております。  これに対して、まず第一に、この要望しておるうちに、メニュー化すべき補助金という新しいことばによって——これは内容を読んでみますると、その県その県でいただくその金は、ある程度県で自由に考え、そしてその補助金を、適当と言うとことばは当てはまらぬか知らないけれども補助金に該当する上において、実情に沿って使わしてもらいたいという意味が含まれていると思うのでありますが、そうした金が六十一億から出ておる。  さらにもう一点は、四百四十六億数千万円という金が出ておりますけれども、まずお尋ねいたしたいと思いますことは、廃止すべき八億なんという金は、全国の県に割ってみれば微々たるものになります。これはどういう意味でそういうようなことをいってきたのか、この点をまず第一点お尋ねいたしたいと思います。内訳は出ておりますけれども、そこの中で特に私が関心を持つのは、中小企業労働対策費補助金を、四百六十万円全国で見ておるわけでございます。四百六十万円という金は少ないから、いただいても非常にめんどうだという意味で、もうこういうようなお金はいただかなくてもけっこうだという意味で、廃止すべきうちに入れられたものであるか、あるいはもう中小企業対策というものは必要なくなってきた、もうそういう対策は労働省なりほかのほうで考えてもらえば、これに対する協議会運営費なんというものは要らぬという意味か、どういう説明知事会では自治省に対してしていたかという点を一つお尋ねいたしたいと思います。  まず第一点、この点をお尋ねいたしまして、順次、少し時間をいただいてお尋ねをしていきたいと思いますから、どうぞひとつ財政局長さんからの御答弁をお願いいたしたいと思います。
  14. 細郷道一

    細郷政府委員 全国知事会では、補助金合理化ということについてかねて関心を持っておったわけでありますが、補助金制度にまつわるいろいろな行政財政その他各般にわたります弊害も、一般からかなり指摘されている点であります。そこで、昨年、知事会の内部でも、長いことかかりまして、補助金整理統合ということを打ち出したわけでございます。その際に、零細なものにつきましては、いろいろ個々補助金についての、必要であるか必要でないか、これは地方によっても考え方が違う、必要な地方もあれば、必要でないと見る地方もあるというようなことから、なかなか、どこに焦点を当てていくべきかということについて議論が尽きなかったのでございますが、知事会全体といたしましては、地方団体政府に対する一つ姿勢の問題といたしまして、一つの県に五十万程度以下の額が配分されるような補助金については、むしろこれを整理するなりあるいは他の類似のものを統合するなり、そういうことによって、行政事務簡素化もはかり、かつまたそのために中央からの予想外な干渉というようなものを排除したい、こういうような考え方に立って、最終の案を取りまとめた、かように私ども承知いたしております。したがいまして、零細補助金整理というものにつきましては、御指摘のように、八億円ほど件数が出ております。そのもの全体につきましては、結果においては整理合理化というような意味で、五億円程度のものが明年度には実現したわけでございますが、その個々のものに対しまして、この仕事が要るとか要らぬとかいうよりは、むしろ地方団体一つの行き方の問題として、姿勢の問題として、こういう要求が出された、かように私ども聞いております。
  15. 丹羽久章

    丹羽(久)委員 局長さんの説明で大体わかったのですけれども、そうしますと、八億円からの金を廃止してくれという知事会の申し入れがあったのだけれども昭和四十二年度の予算には、そういうのを勘案して、五億円だけは計算に入れた、こういうことなんでありますか。  それから全体的には、合理化だけでなくて、零細補助金等に対する、いろいろの——読んでまいりますと、もっとほしいという強い要望もあったと思いますけれども、この点に対して四十二年はどのようなお考え方で、全体の命はどのくらいに——一、二に分けて、最初に申し上げたメニュー化と、それからもう一つは、統合すべき補助金というものの合計では、大体どのくらいとお考えいただいて予算編成せられたかということを、もう一ぺんお尋ねだけしておきたいと思います。
  16. 細郷道一

    細郷政府委員 明年度予算編成当たりまして実施されました補助金整理統合につきましては、実は関係各省に非常に多岐にわたっておりますので、なおいま数字については集計中でございます。したがいまして、いま大ざっぱなことしか申し上げられなくて恐縮でございますが、約五十件の補助金で、五億円のものが廃止または統合され、そのほか、いわゆる統合あるいはメニュー化、そういうものは二百件の補助金について行なわれておる、現在の段階でそういうような見通しに立っております。
  17. 丹羽久章

    丹羽(久)委員 まだ検討中であるから、金額は出てこないということなんですね。
  18. 細郷道一

    細郷政府委員 まことに迂遠な話でありますが、関係各省各課各係にもわたっておりますので、最終的な集計が、もうちょっと時間がかかるわけでございます。おおむね二百件ぐらいのものについて、統合メニュー化が行なわれた、こういうことでございます。
  19. 丹羽久章

    丹羽(久)委員 了承しました。  それではもう一点お尋ねいたしたいと思いますが、それはやはり財政局長さんでけっこうだと思いますが、国庫補助負担事業に関する地方団体超過負担について、という点についてお尋ねいたしたいと思います。これはこの書類でいっても、一の警察署建築費あるいは林業改良指導員というものの一人当たりの本俸の差額と、あるいは公営住宅というような、そういうようなものに対する国庫負担事業に対して、地方がいただく金と決算する実績の実態とが相当差額が出ておるが、これは県ごとによってはある程度違うかもしれませんけれども、この書類でいくとだいぶん——警察署なんかは八二%いただいておる。林業なんかは五七%見当になるのだというような標準でいくと、保育所建築費一所当たりが二三%ないし二九%という額、こういうようになっておって、これが地方財政に関して、地方制度調査会においても指摘せられておるわけなんです。超過負担解消零細補助金整理というようなことに対して、——超過負担解消という問題については、相当地方においてこれを負担しておる、そうして、しかも、なお四十一年度においては一千億以上を上回わるように見られておるというようなことが指摘せられて書かれておりますが、これではその事実を認められる計算になるわけでありますけれども、これは、いろいろな考え方によって、言いなりほうだいに出すということは、国庫財政の上からも当然できないことであろうと思いますが、あまり地方財政が、お金はいただくけれども非常に率が違ってきて、いただいても負担が多くなってくるということになると、その県によって、いただきたくても、いただいてもあとの負担が多いからやれないというような事態が、今後起きないとも限らないということになってくるけれども、それに対しては物価抑制の上からいって、つとめて押えていただくことはけっこうでありますけれども、どういうお考えを持って、この四十二年に対しての組み方はせられましたか、それについてお尋ねをいたしたいと思います。
  20. 細郷道一

    細郷政府委員 御承知のように、補助金に伴います超過負担は、四十一年度で、私どもの推計で千億をこえているだろう、こう見ておるわけでございます。これはまことに不合理なことでございまして、国が補助金を出して地方団体仕事をさせます場合には、やはり実際にできる度合いを考えて補助金を出すべきではないか、こう考えるわけでございますが、そういう意味合いにおきまして、この超過負担の問題は、私どももぜひとも解消いたしたい、かように考えて、従来から関係各省並びに国庫当局にもいろいろとお願いをしてきておるのでございます。  明年度におきまして、現在のところ、二百六十億程度の部分的な超過負担解消が行なわれておる、こういう状況でございます。千億以上ございますので、まだ二百六十億ぐらいでは、とても抜本的な対策にならないわけでございます。私どもとしましては、今回の予算編成にあたりまして、何ぶんにも超過負担といいましても、補助金自体関係各省にまたがっておる。各省でそれを是正すべく要求をしてもらって、そしてそれを国庫当局でそれに応ずるか応じないか、こういうふうな段階を経るという、事務的に非常に煩瑣な段階を持っておるわけであります。昨年、予算編成前にも、関係各省にもいろいろ強く、補助金の名前を指摘までして要請をしたわけでありますけれども、結果はいま申し上げましたようなことで、私ども非常に不満足に思っております。  そこで、今度四月早々から、私のほうと大蔵省、それに関係の各省を加えまして、一つ一つ補助金について、これは補助対象をどうすべきであるか、あるいはどこまで見るべきであるかというようなことについて、一つ一つ具体的に突っついていって、そうしてこの解消を実現にのせていきたい、かように考えておるものでございます。
  21. 丹羽久章

    丹羽(久)委員 説明をしていただきましたので、これ以上別にお尋ねしようとは思っておりませんけれども、指摘せられたように、全く実情に合わないんです。だから、わずかなところで、できるものでも遠慮してお金をいただかずにおいて、やめておこうという県も、零細県ではそういう県もありますし、また、いまおっしゃったように、各省にまたがっておるから非常にむずかしい、こうおっしゃるが、それはそのとおりだと私は思うのです。ところが、たとえば建設省なんかでも、土地買収、そういうような問題に対し、あるいは補助金、いろいろな問題に対しましても、あまりにも地方の相場と国が考えている相場との食い違いが多いがために、それがためにたくさんの人が買収を——あるいは買い入れができなくて迷惑をしている例がたくさんありますから、ぜひともいま局長さんのおっしゃったように、各省もう少しひとつよく相談をし合っていただいて、そうして実情に沿うというところまでいかなくても、それに近い考え方をやっていただきたい。特にここで私がお願いをすることは、八十何%というのには、これは一応、ある程度納得ができますけれども、特に保育所なんかは、二十何%というようなパーセントが事実とするならば、全く私は遺憾だと思うのです。こういう点は、厚生省でおやりになっているのか、あるいは文部省でおやりになっているのかどうか知りませんが、ひとつ自治省が中心になっていただいて、そうして一件一件それに目を通すことが困難ならば、やはり指導的立場に立つような気持ちでやっていただきたいということを強く要望するわけであります。  以上をもって私の質問は終わります。
  22. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 華山親義君。
  23. 華山親義

    ○華山委員 議事の運営のことについて申し上げたいと思います。  この前の委員会で、委員長運営の方針というものをお出しになった。私は、その後議事録等を詳細に検討したのでございますけれども、あの際に配付になられたプリントの撤収という事実が出ておりません。配付されたということは、ほかの委員の方の発言でわかりますけれども、撤収されたという事実が議事録には出ておりませんので、いまここでその事実を申し上げて、そうして議事録にとどめておきたいと思います。  それから、なお申し上げますが、私は、その後いろいろな方面からこの事実について、またこの方針を出されたことについて検討してみたのでございますけれども、こういうふうなことは、委員長の職権、権能として、私はないと思う。どこからも、議事規則その他いろいろな規定等を見ましても、そういうことは出てこないと思う。それで、委員長、ひとつこれは撤回される御意思はございませんかどうか、伺っておきたい。
  24. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 私の今後のやり方を一つ考えておりましたから、私だけで考えてやるよりか、あなた方に、こういう方法でやりたいということを申し上げておく、それだけのものでございまして、賛否を問うたり何なりする意思じゃございません。したがいまして、撤回する意思はございません。
  25. 華山親義

    ○華山委員 撤回される意思がない——われわれはこのことは了承いたしませんから、その点はひとつお含みおきを願いたい。私が危険だと思うことは、委員会の秩序保持に関する権限について、その中に、委員の発言を禁止する権限が書いてあります。あなたの御方針によって、われわれの発言を禁止なさるおつもりでございますか。
  26. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そういうものはないと思いますが、具体的にどれをおっしゃるのですか。
  27. 華山親義

    ○華山委員 いや、この委員会の秩序保持に関する権限が、委員長にはおありになるわけです。その中に、いろいろの規定がございますが、その規定の中に、委員の発言を禁止することが、あなたにはできるわけです。そういうことが、あなたはこのお出しになった方針ということによって、禁止するような場合をお考えになっておりますかどうかということをお伺いしているのです。
  28. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ちょっとどうも御質問の趣旨がわかりませんが、当委員会の所管に属せないものであるならば、禁止と言っちゃおかしいか知らぬが、これは取り上げぬようにしようじゃありませんかということはある、所管外ならば。所管内であれば、そんなことはありません。
  29. 華山親義

    ○華山委員 所管内のことでございますね。
  30. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはそうです。
  31. 華山親義

    ○華山委員 ほかの、あなたのお出しになったものの中に、利害関係のある個人とかそういうことについては発言しないようにしたいと言っておりますけれども、そういうことでわれわれが発言した場合に、禁止するということはないわけですね。
  32. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その点ですか。それは、ものによって言わぬと、抽象的にいま言ってもちょっと困りますが、私の言うのは、訴訟事件になっておったり、刑事事件として検察当局で捜査中であるものは、この委員会でやらぬことを原則にしようじゃありませんかと、こういうことです。それだけのことです。
  33. 中村重光

    中村(重)委員 関連。委員長が、またこの前の理事会でやったことを蒸し返すような形になったので、いまあなたが配付した委員運営方針なるものを撤収する意思はない、こう言われた。あのとき、私の発言によって理事会を開いた。そこでいろいろと話をして、吉川理事が、それじゃひとつこれは回収するようにしたらどうなんだ、こういう発言をされたんです。提案をされたのです。そこであなたも一緒だったのです。そういうことで、みんな了承したわけです。それをいままた、いや、それは回収することはわれわれもしたけれども、そういう意思は毛頭ないなんということはおかしいじゃないか。あなたはこの前の理事会を軽視している。こういうことの指摘に対して、もっともだと思ったから理事会を開いたんでしょう。そうして理事会でああいう話になったんでしょう。それをまた撤収する意思はないんだということになってくると、これまた、重ねてあなたは理事会の意思を無視することになる。そういうことで円満な委員会の運営ができますか。どうです。
  34. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 いま華山君の言われたことと、あなたの言われることとは違うと思います。華山君は、委員長はこういうものを方針として出したのだが、これを撤回する意思がないかと言われるから、撤回する意思はありませんと言ったので、刷りものをどうするかという問題ではなかったと思うのです。
  35. 中村重光

    中村(重)委員 そうではないのです。それは確かに華山委員はそう言った。それを撤回する意思はないかと言ったのです。ところが、あなたはそのときに、この前の理事会の話し合いというものを尊重するならば、もうそのことは話がついている。あれは理事会においてもうこれは撤回をしたのだから、こういうお答えをすることが私は適当だと思う。それを、華山委員もどういう気持ちであらためてここで言われたのか、ただ冒頭発言されたように、これは確かに撤回はしたけれども、議事録に載ってないのだ、したがってここで明らかにしておく必要があるということを発言された。あえてあなたの答弁を求めないのだろうと私は思っておったところが、答弁を求められた。ところがそれに対してあなたは、いやこれを撤回する意思はないのだ、こうお答えになった。だから、またきわめて複雑になってくるのです。その問題は、一応あなたの気持ちということで、これを配付したのであって、毛頭委員会をこれによって拘束しようなんということは考えておりません、ただ私の気持ちです、浅学非才ですから、いろいろ至らないところもありましょうから、どうかひとつ皆さんがそういう点は十分御注意を願いたいのだ、そういう気持ちで私は申し上げたにすぎないのだ、こうおっしゃったのです。そうでしょう。
  36. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そのとおり。
  37. 中村重光

    中村(重)委員 それで理事会で、しかしこういうものを理事会にもはからないで配付するということは穏当ではない、やはり委員会の運営というものは理事会にはかって円満にやっていく必要があるのだから、そのときそのときにいろいろな問題が出たならば、理事会で話し合いをしたらいいじゃないかといういろいろな意見が出て、そこで吉川理事の発言によって、これを、あなたも何も異存なく、回収するということになったんです。だから、それで問題は解決しておるでしょう。それをあらためてあなたがここでこれを撤回する意思はないんだ、こういうことになってくると、何かまたおかしなことになってくるじゃありませんか。
  38. 小峯柳多

    ○小峯委員 関連して。私も理事の一人でございますが、いま御質問のこと、少し何かニュアンスが違うような感じがするものですから、私申し上げて、質疑を正確にしていただきたいと思います。撤回すると言ったのは、こういう資料を配ることが誤解を受けるから、資料は撤回しようという話だったと、私は理事会で了承したのです。一方、委員長の発言は、自分の意思なんだ。これを決議しているわけでもありませんし、私は、委員長のあの発言に委員会が拘束されるとは考えていないのです。確かに委員長の気持ちとしてああいう発言をなさいましたけれども、私は、具体的な問題につきましては、理事会できめてやるべきもので、委員長に専決させる必要はないと思うのです。私はそういう意味で、撤回しないと言うなら、せっかくした発言だから、自分の考え方を申し上げたのだから、しかもそれに浅学非才でありますから、理事会においてしかるべく直していただきたいという付言をしておられるので、私は実はたいへん申しわけないのですが、それほど重くあの発言を見なかったのです。ただ、配った資料はこういうものが残ると、強制するような形になるから、撤回しましょうということで、資料は撤回、発言は生きておるというふうに、私は解釈するのでございます。
  39. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そのとおりです。
  40. 中村重光

    中村(重)委員 私はいまの発言はちょっとおかしいと思うのです。その資料が誤解を招くからこれを回収する、こういうことで了承したと言われるのだが、それならば、資料そのものが誤解を招くということは、それがやはり適当ではないのだということです。それならば議事録に載っているのだから、したがって華山委員がその点をおもんぱかって、ここではっきりしておく必要がある、こういうことで、私はいま発言をされたと思うのです。そうでしょう。資料が誤解を招くということは、資料そのものがやはり適当ではないということです。だからあの理事会の話し合いということになったのだ。だから、あなたが資料を回収をしたということは、これは穏当を欠くから適当ではない、委員長独裁みたいな形になってくるから、これは適当ではないから、委員長の気持ちのようなことは、そのつど理事会で話し合いをやって、円満に委員会を運営していくということであればいいじゃないか、こういうことになったわけなのだ。それを、資料だけということを切り離しておっしゃると、議事録には載っているからやはり問題になるわけなのですよ。委員長は、そういうことを撤回する意思がないとかなんとかいうようなことを言うのではなくて、私の気持ちを言ったのだけれども、非常に物議をかもしたから、私はそういう気持ちを持っていますが、運営については理事会を開いて、理事会によって相談してやっていくようにいたしたいと思います、こうおっしゃれば、問題は円満にいくでしょう。またそのときの理解は、そういうことであったじゃありませんか。
  41. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 私は、あなたのおっしゃるようなことで、あれを撤回するということを認めたのではありません。いま小峯君の言われたとおりなのです。私が述べたことは述べただけですから、別に賛否を問うたわけでもありませんし、私はこういう気持ちですよと申し上げた。ただあれをやるには原稿を持っておりますから、それを複写したから、こういうことを言うたのですということをあなた方によくおわかりしてもらおうと思って、あれを配った。こういうものを配ってはいかぬというなら、それならやめたっていいですよ、別に参考におあげしたのだから、こういう意味でやったので、前の発言を取り消すためにやったということではありません。その点は明瞭に申し上げておきます。
  42. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 関連して。こういうことでまたしても時間を浪費することは、実に残念です。  そこで、委員会の運営は、理事会で、事前もしくは中途において、しばしば討議する機会もあるのですから、理事会本位に運営する、これは当然であるし、また慣行もそうなっておるはずであります。したがいまして、今後の運営につきましても、その点に重点を置かれることを特に希望しておきたい。その間のいきさつにつきましては、私も理事会におきまして、私の持っているのを赤線を引いてあなたにお返ししたわけです。したがいまして、それは撤回するというふうに実は了解をしたのであります。ただ手続として、速記録に載ったままになっておったらしいのですね。そこがいま問題になったようであります。けれども、本来言うならば、当委員会の運営は、申すまでもなく国会法によってやっておるのであります。したがって、また国政調査権にしても、その範囲を逸脱することができないのは当然であります。したがいまして、そういうような各般の法規典礼等によりまして運営していくほかはありませんから、具体的には、それは理事会を尊重していくというふうにせられたら、きわめて民主的に運営されると私は思います。だから、自後理事会本位に運営されるということをはっきりしておかれましたら、私はそれでいいのじゃないかと思うのです。そういう意味において、多少ことばのニュアンスはありますけれども、各委員の述べようとしておるところは大差ありません。理事会を尊重しましょう。また委員長自身も、理事会の尊重について何の異議もないのでありますから、各委員も同様であります。理事会中心に運営し、また方針について協議する必要があればそこでする、こういうふうにしていただいていいのじゃないかと考えます。
  43. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そのとおりです。
  44. 華山親義

    ○華山委員 私がお尋ねしたのは、あの刷りものを撤収されて皆さんから取り上げたということによって、あなたの御発言になったのはそれでおやめになった、中止なすったものと私は考えておったわけです。ところが、その後新聞に出たところを見ますと、委員長は、野党の要求があったからあのプリントは回収したけれども、私の考えは何ら変わりがないと言っておられるから、私は御質問をしたわけなのです。私の考えているところと違っておりますので、その点を申し上げたわけでございます。とにかく私の気になりますことは、衆議院規則第七十一条の後段に、委員長委員の発言を禁止することができると書いてある。条件はありますけれども。ああいうふうなお心持ちで、われわれの発言を中止されたのじゃかなわぬ、こういうふうに私は考えて、プリントのみならず、あなたの発言をも撤回してもらいたい、そのときそのときの事態において、理事会の協議によってやっていけばいいじゃないか、こういうふうに申し上げたわけであります。危険性のあるのは、この衆議院規則第七十一条であります。  それで、まあしかしいまのお話もございましたから、時間を浪費するという意味で、私はここでとめておきますけれども、今後十分にわれわれは委員長のやり方を監視してまいりますし、それからあのようなことで私たちは拘束されませんから。ただしかし誤解を避けるために、私は申し上げますけれども、われわれは、この委員会というものはどうして信頼を得るのか、失墜しかかっているところの委員会の信頼をどうして回復するのか、そういうことについて、決して人後に落ちるものじゃございません。自由濶達に論議をかわして、そして、世の中に誤解があったならば、その誤解に対して、政府なり役人なりが積極的に釈明したらいい。新聞に書かれっぱなしで黙ってなくちゃいけないなんという政府や役人がありようはずがない。われわれの発言があったならば、むしろ協力して真相を明らかにする、こういうのが私は委員会の使命だと思う。それがまた政治を明るくし、行政を明るくすることだと思うのです。私たちはその方針で進んでいくことをきめておりまするし、決して、くさいものにふたをして、うわさだけが世の中にはびこるということは、この委員会によってそういうことのないようにしたい、こういうふうな気持ちでございますから、その点、私は言いっぱなしでございますけれども、御了承を願っておきたい。決して、委員長の言われたことによってわれわれは拘束されるようなことはない、この委員会の信頼を保つために、むしろ活発に論議してまいりたい、こう思っております。それじゃほかのことに移りますが——よろしゅうございますか。それじゃ伺います。会計検査院にひとつ伺いたいのでございますが、超過負担に関連いたしますけれども、特にわかりやすいために、最も重要な問題になっているところの住宅の問題についてお伺いしたい。  国のほうの予算というものは金額で出ている。しかしその中には、これは積み立てられておるのでございますから、たとえば百戸なら百戸というものを建てるということによってできているわけです。ところが、その予算の単価が低いために、あるいは物価が上がったために、九十五戸しか建てられなかった、こういう場合は、これは決算をしてみた結果、そうなった場合に、会計検査院は、このことに対して何らかのことで意見を述べられますか。意見を述べる権能はございませんか、伺っておきます。
  45. 保川遜

    ○保川会計検査院説明員 超過負担に関連する問題かと思いますが、そのことにつきましては……。
  46. 華山親義

    ○華山委員 そのことだけお答えください。
  47. 保川遜

    ○保川会計検査院説明員 いまの御趣旨が、誤るといけませんので、ちょっと復唱させていただきますが、補助事業……。
  48. 華山親義

    ○華山委員 補助事業じゃないのです。もう一度、時間を空費するといけませんから。  国がやる住宅の建設には、公務員住宅がございますね。その公務員住宅をつくるにいたしましても、単価が幾ら、戸数が幾らということで予算が出ているわけです。しかしその予算が出ているだけなんであって、戸数が幾らということまでは予算の中には出てこない。ところが、物価が上がった、あるいは予算単価が少なかった、そういうことのために、かりに百戸の計画予算であるにかかわらず、九十五戸しか建てられなかったということについては、会計検査院は何ら手を触れることはできないと思いますが、いかがでございますか、その点。
  49. 保川遜

    ○保川会計検査院説明員 計画と実績が違ってくるような場合、それに対して検査院が何か意見を述べ得るかどうかという問題でございます。  これはもうやはり場合場合による問題かと思いますが、非常な不手ぎわによって計画どおりいかなかったとか、それから何か不注意によって途中で挫折したとか、そういった場合には、これは経理としてもやはり適当な経理じゃないということで、われわれ意見は申し述べ得ると思います。ただ、しかし、その場合、そういう問題でなしに、いま仮定でおあげになりましたように、やむを得ない事情がある、そういう場合は、これはやはりわれわれとしても、なかなか意見を述べるという——むしろその中のやむを得ない事情に対処するような方向で考えていただきたい、ということしか申し上げられないのではないかと考えております。
  50. 華山親義

    ○華山委員 住宅公団におきまして同様な場合を生じた。何戸の計画であって、それに要する予算あるいは融資が幾らあった、そういう場合があったのでありますけれども、単価が低いとかあるいは物が上がったとか、やむを得ざる事情があった場合には、会計検査院としては、これは何ら文句の言いようがないわけでございますか。
  51. 保川遜

    ○保川会計検査院説明員 われわれの立場は、経理を批判すると申しますか、批難すると申しますか、それに値しないような場合には、もちろんこれは、われわれそういう意見を述べないであろうと考えております。
  52. 華山親義

    ○華山委員 補助金の場合に、地方補助金をもらった、しかしその補助金のもらった金額が、一戸当たりの単価が低い、あるいは途中で物価が上がった、そのために、百戸の住宅の補助金をもらったけれども九十五戸しか建てられなかった、やむを得ざる事情があって。そういう場合には、会計検査院はどうなさいますか。
  53. 保川遜

    ○保川会計検査院説明員 ただいまの国の場合と同じように考えております。
  54. 華山親義

    ○華山委員 そういたしますと、九十五戸しか建てられなくとも、国に申請した補助と違った結果が出ても、これを会計検査院は追及はなさいませんね。
  55. 保川遜

    ○保川会計検査院説明員 おっしゃるとおりでございます。
  56. 華山親義

    ○華山委員 そうしますと、たとえば道路等におきましても、百メートルの申請をした、ところがどうしてもいろいろな条件があって八十メートルしかできなかった、二十メートルだけは補助指令のとおりにはできなかった。その場合でも、その二十メートル分の金は取り上げる、そういうことはいたしませんね。
  57. 保川遜

    ○保川会計検査院説明員 補助事業は、補助条件というものが一応ついております。したがいまして、形の上では、これは条件違反ということになりますけれども、われわれの立場としましては、そういう形式的な批判は極力控えております。その間の実態的な実情を相当考えました上で、われわれ検査報告に記載いたしておるつもりでございます。
  58. 華山親義

    ○華山委員 財政局長お尋ねいたしますが、そういたしますと、補助の申請は住宅が百戸分であったけれども、単価が低い、あるいは物価が上がる、したがって、九十五戸しか建てない、国が二分の一なら二分の一でよこされた範囲でしか建てない、こういうことが許されるわけでございますね。
  59. 細郷道一

    細郷政府委員 私どもの聞いておりますところでは、検査院にいく以前に、関係各省におきまして、予定計画の遂行という立場から、やはり戸数は確保するという態度を強く堅持しておる、かように聞いております。したがいまして、いま会計検査院のお立場からの御答弁がございましたけれども、現実の問題としては、なかなかそこまで至らないのではないか、こう考えております。
  60. 華山親義

    ○華山委員 自治省といたしましては、そういう超過負担をする必要がないということをどうして御指示にならないのか。各省がそう言ったって、超過負担ということは間違えているのだ。何も各省がそんなことを言ったって、中央からよこした範囲内で仕事をしろということを、どうして自治省は御指示にならないのか、お伺いいたしたい。
  61. 細郷道一

    細郷政府委員 これが補助金制度の持っております一つの悪い点でございまして、補助条件によって、何戸つくるということで補助金が交付されます。普通の場合におきましては、その線に沿うごとくに関係の地方団体も努力するわけでございます。このこと自体、おっしゃるように、何戸でもできる範囲でつくれということであれば、補助金の出し方も変わってくるわけであります。これだけ金を渡すから、これで好きなようにつくれ、こういうことになるべきものでございまして、ここが補助金問題の持っております。私どもが常に指摘をしておる悪い点であろう、かように考えております。
  62. 華山親義

    ○華山委員 私は何戸でもつくれと、あなたのように、はなはだしいことを言っているのではない。いかに地方が努力しても、それしかできなかった。できないからといって、各地方団体がやすやすと超過負担をすることはいけないのじゃないかということを言っておる。会計検査院のものの考え方はわかった。自治省のものの考え方はどうなんですか。補助指令どおりにしなければいけないのですか。
  63. 細郷道一

    細郷政府委員 私どもとしましては、やはり超過負担というもの自体を、まず基本的に解消すべきではなかろうか。そういう姿勢でおりますので、その間に戸数がどうあろうとというような態度であっては、やはり国、地方を通ずる行政というものが健全にならないんじゃないだろうか、私はこういう立場を堅持してまいりたいと思っております。
  64. 華山親義

    ○華山委員 それでは伺いますが、自治省は、超過負担というものは、財源が十分でないうちは、自治体で持つのが当然だという考え方でございますね。
  65. 細郷道一

    細郷政府委員 私どもは、当然だとは考えておりません。非常に悪い現象だと考えておりますので、超過負担解消についていろいろと骨を折っておる、こういう段階でございます。
  66. 華山親義

    ○華山委員 段階じゃない。あなたの基本的なものの考え方を聞いておるのですよ。そうしますと、国の方策どおり、国の補助規定のとおり、これが財政法上会計検査院の指摘するところにはならなくとも、地方自治体はやむを得ないから、われわれはもっと財源のふえるようには努力するけれども、その間はやってもらいたい、やれと、こういう御趣旨なんですか。
  67. 細郷道一

    細郷政府委員 先ほど申し上げましたとおり、国も住宅を建てたい、地方団体も住民福祉のために住宅を建てたい、私はそういう点では共通の立場に立っておると思います。その国と地方との間で生ずる、いま申し上げた財政制度の問題として、それに伴って超過負担という悪い面が出ておる、それを何とか是正して、やはり本来の姿に戻したい、こういうつもりで努力しておるつもりでございます。
  68. 華山親義

    ○華山委員 もうやめますけれども、努力されたんでしょうかね。よく総理大臣は、住宅の面において単価をふやしたとかいうことを言われているけれども、単価がふえているのは公務員住宅とか、公団住宅である。別に公営住宅にふえているわけじゃない。特別に公営住宅の率をうんと高くしたわけでも何でもない。ただ現在の物価状態、そういうふうな状態に基づいて、おしなべてすべての単価を上げているのであって、あの中に超過負担解消するための意欲なんというものは見受けられないのです。この点はここの問題ではありませんから、あとで詳細に数字をあげて、私は申し上げますが、そういうことでございます。  それから、これでやめますが、公庫の総裁に伺います。このたび環境衛生金融公庫とかいうものができて、ばかに安い利子のように聞きますけれども、ああなりますと、公庫のお貸しになっておる利子との権衡が破れるようなことはございませんでしょうか。私は水道とか下水道というのは最も環境衛生に重要な問題だと思う。われわれは利子が高いということを常に申し上げてきた。ところが同じ環境衛生でも、営利事業のものについては利子が安くなる。公営企業については高い。そういうふうなことに矛盾をお感じになっておりませんかどうかだけ、ちょっと伺っておきたい。
  69. 三好重夫

    三好説明員 率直に申し上げますと、私どもの気持ちの上では、お話しのように感ぜられる節もございますけれども、ただ現在の金利体系におきましては、政府資金が六分五厘、私どものほうが七分三厘、水道についていえば七分、それから指定債の発行者利回りが約八分、こういうようにできておりますので、政府資金につきましても、同じような問題があるのじゃないかと思うのでありまして、全金利体系の上で是正が考えられない限りは、まあ矛盾を感じないと申し上げるよりほかはございません。
  70. 華山親義

    ○華山委員 総裁のおっしゃることはごもっともなんですけれども、基本的な水道とか下水道とか、そういうものに対して現行の利子が保たれておって、そして理髪屋さんとか——もちろんそれは商売上大切なことでございましょうけれども、そのほうが利子が安くなる。利子を安くするためには、政府がある程度の補助なり何かをしなければいけないと思うのです。私はどうも矛盾を感ずるのですけれども、まあ御回答がなければ、それでもいいのですが、そういう点一体どういうものでしょうな。
  71. 三好重夫

    三好説明員 先ほども申し上げましたように、現在の金利体系の上から申しますれば、地方団体が、かりに私どもの現在融資しておりますものを、直接債券発行あるいは借り入れによって調達するとすれば、最低八分あるいはそれ以上になる場合が多かろうかと思います。それに比べれば、まだ私どものほうがはるかに安く上がる、簡便である、という点においてはすぐれておると思いますので、その点についてはまあまあごしんぼう願わなければならぬのじゃないかと思います。同時に、事業自体につきましても、私どもの融資いたしますもののほかに、政府から相当補助のあるものもございます。そういうこともございますから、総合して考えなければならぬのじゃないか、かように存じておる次第であります。
  72. 華山親義

    ○華山委員 では終わります。
  73. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 吉田賢一君。
  74. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 きょうは自治大臣が出席しておりませんので、その点はまた別の機会に伺うとして、事務当局に、臨時行政調査会の自治省に関する意見につきまして少し質問してみたい、こう思うのです。  昨年の二月に、自治省から臨調の方針に対しまして、それぞれと回答なる趣旨で意見が述べられておるのであります。一から十六まで勧告事項がございますけれども、ほとんど全部にわたっております。特にきょうは時間の関係等もありますので、その二、三点について質疑したいと思います。  第一点は、四項の行政事務再配分の問題であります。基本的考え方は賛成、こういう結論が回答として自治省から出されております。基本的考え方賛成というのは、どういう趣旨、内容で、どの範囲にまで行政事務の再配分に賛成するのか、そういう辺を少し明確にしておいてもらいたい。
  75. 長野士郎

    ○長野政府委員 臨時行政調査会の答申に対しまして、自治省として意見を出しております。お話のように、行政事務の再配分に関しまして、臨時行政調査会の考え方に大体共感するものが多かったわけでございます。と申しますのは、臨時行政調査会の事務再配分の基本原則と申しますものは、いわゆる現地性の原則、それから総合性、経済性というような観点に立ちまして、国と地方の間の事務配分を実現しようという考え方で一貫しておるようであります。その点におきまして、地方公共団体の作用なり行政の総合性なりというものを重視した観点に立ちましての事務配分の案でございますので、非常に共感を持っておる次第でございます。
  76. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 その行政事務再配分は、中央は各省庁から、地方はそれぞれ都道府県、市町村等にまたがりまして、言うならばきわめて広範な範囲にまで及ぶのでございます。そこで自治省といたしまして、自治省は、別の建設あるいは運輸、厚生等々の主管庁が中央にありまするので、全部が全部直接指導ないしは監督等をする行政機関ではないでしょうけれども、しかしいずれにしましても、各地方庁に対する指導監督の立場にありますので、かなり広範にわたって、行政事務再配分の可否等の意見があってしかるべきだと思うのですが、その点、どの範囲まであなたのほうは御賛成になるのか。いま基本的な考え方の一部をお述べになったのですが、その辺いかがです。
  77. 長野士郎

    ○長野政府委員 お話のとおり、現在地方行政と申しますか、地域を中心にして行なわれておりますものが行政の大半でございますので、その各項目にわたっておりまして、非常に複雑でございますが、要は、従来から戦後いろいろな改革が行なわれましたけれども、やはり各省がいわゆる縦割り行政と申しますか、そういう考え方で、各省の権限をそれぞれ主張されてまいりました。そういうことからいたしまして、行政が総合性に欠けておるということが一番の問題でございます。そういう意味で、まず第一に考えられますことは、国の地方出先機関というようなものが、非常にそれぞれの仕事に応じて管轄区域を持ち、組織を持ち、仕事を持っておりまして、あるいはまたその中にはまあ不必要に、経由機関として、中央政府地方団体との間に介在をしておるというような傾向もないわけではございません。そういう意味で、そういうものが、行政に対して、能率化あるいは経済性というような点からも、また行政の総合化という点からも、非常に欠けるものが少なからずあるわけでございます。その点について、臨時行政調査会の答申が、非常にはっきりとした形での勧告を出しております。そういうものを中心にいたしまして、各分野にわたる行政事務についての勧告の基本の方向について、自治省としては賛成しておるわけでございます。
  78. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 これはあなたの御答弁をいただくのは無理かわかりませんが、行政事務の配分の問題は、歴史的な古い因縁があるらしゅうございますし、二十四年のシャウプ勧告におきましても、重大な改革意見が提示されておりますし、その後のいわゆる神戸勧告ですか、そういうものにおきましても、これはなかなか基本に触れた、たとえば行政責任の明確化の原則だとか、能率の原則だとか、その他地方公共団体優先の原則だとか、このようなものを掲げておりましたけれども、臨調の報告によりますと、中央省庁の強い抵抗にあった、国民が無関心であった、ゆえにほとんど実現を見なかった、このような字句が報告書には書かれておるのであります。まことにこれは遺憾なことでございます。でありますので、もし自治省が、基本的に行政事務の再配分をなすべし、広範にこれをやるという考え方に賛成というのであるならば、これはやはり自治省の省議を決定いたしまして、閣議できめて、そうして臨調のこの問題に取り組んでいくという体制をつくらなければ、そんなことは十年言っておりましても、何もできやしないのであります。でありますから、あなたは局長ですけれども、よく省内の意見を取りまとめるように努力される必要があると思うのです。大臣とも十分御相談になってしかるべきだと思う。幸いきょうは政務次官来ておられますね。政務次官、この点省議を決定いたしまして、そうして事務再配分の基本的な臨調の考え方に賛成という事務当局の御意見でありますので、省議をそういうふうに持っていくということに努力されますか、どうです。
  79. 伊東隆治

    伊東政府委員 自治省といたしましては、その根本的な問題につきましては、行政管理庁の主管部に移譲しておりますし、自治省自体としましても、御趣旨に沿って問題を審議しようと思っております。
  80. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 これは去年の予算委員会におきましても、佐藤総理も、積極的に推進すると意思は表明せられ、それから自民党におきましても、過般の一月二十九日の総選挙で、地方自治の振興という点につきまして、行革には直接触れておらぬようでありますけれども、これの内容をなすようなことが約束もせられる等々、これは言うならば、国会内外におきまして、内閣並びに党の公約的な性格を持ったものでさえございます。したがいまして、私お尋ねするゆえんのものは、このままよいかげんな状態でおきましたならば、社会情勢、経済各般の変化流動のために条件が変わってまいります。一時も早く、やはり鉄は熱いときに打たねばなりませんので、取捨選択、可否を明確にすべきだと私は思うのです。それでありますので、この点について、まだ大臣との御相談があってのきょうの御答弁でないと思いますけれども、ぜひとも閣議にまで持っていくということを、自治省みずからが進んでやってもらいたい。行政事務再配分の問題は、自治省が中核でなければなりません。一番広範に関係を持っております。したがいまして、これはどうしても省議決定というところまで持っていってもらいたいと思うのですが、その点いかがですか。
  81. 伊東隆治

    伊東政府委員 行政事務の再配分につきましては、自治省としましても、大いに省議として決定に向かって進みたいと思いますが、いま行政管理庁において、国の基本問題としてせっかく審議中でございますので、力を合わせて進みたいと思っております。
  82. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 しからば、直接の主管庁ではございませんけれども、しかし地方公共団体に配分すべき行政事務として、具体的再配分の勧告が二十数項目にわたって出ておるのでございます。この点は、一々答弁を得ますると時間を費やしまするので、できましたら、委員長のお計らいで、適当な文書にして当委員会に、答弁にかえて提出するようお計らいをいただきたいと思うのですが、どうですか。
  83. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 出してみていただけませんか、書類で。
  84. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 それでは項目だけを申し述べます。  勧告の三であります。行政事務の具体的再配分としまして、教育の関係について、めんどうな承認制度の廃止の件であります。  国民年金の関係です。これは手続のことにつきまして、機関委任の必要があるということであります。  公衆衛生の関係、これにつきましても、いろいろ義務づけておるようなことも廃止せよということであります。水道あるいは食肉等々、このような問題にまで触れております。特別のものは知事に機関委任せよという意見であります。  医務薬務関係、これは医薬品製造業者に対する許可、変更許可等の関係、あるいは保健婦、助産婦、看護婦等の関係でございます。  保健関係、保健所の所掌事務の関係でございます。  六が中小企業関係、中小企業振興に関する関係でございます。  七が計量関係であります。  八が高圧ガスの関係であります。これは販売事業許可等についてであります。  九がガス事業の関係であります。これは地域住民に密接な関係がございまするので、ガス料金を現行どおりに直接認可をする、こういう趣旨の意見であります。  十が職安関係であります。職安の行政地方に移すべしということであります。  十一が農地転用の関係であります。面積によって、国が直接許否の権限を持っておりまするが、これもできるだけ地方に移譲されるべきであります。  十二の土地改良の関係、同様の趣旨であります。  十三が農業団体の関係であります。これも一定の限界におきまして、都道府県知事に機関委任せよということであります。  林野関係、これは保安林の指定とか解除関係で、同じく認可権などを知事に機関委任せよということであります。  十五が農林試験研究機関等であります。国の機関を地方公共団体に移管せよということであります。  十六が水産関係であります。漁港等につきまして、地方公共団体に修築、維持、管理などの移管をせよということであります。  十七が陸上運送関係。軌道、地方鉄道その他等々につきまして、実務を知事に機関委任せよということであります。  十八が地域開発の点であります。これは道路、港湾、住宅、生活環境その他等々ございまするので、新産都市等においてこれを指定を行なうという趣旨が含まれるのであります。  公署防止関係、これもある程度区域等を指定いたしまして、知事に機関委任せよということであります。  二十が道路関係。道路関係におきましても、さらにある範囲の実施事務を地方公共団体において処理することであります。  河川の関係。社会経済の急速な開発、発展等の関係がありますので、できるだけ河川行政範囲を地方において拡大するという趣旨であります。  あるいは砂防、地すべりの防止等につきましても、一定の限界におきまして知事に機関委任せよということであります。等であります。  以上につきまして、詳細は文書で——行政調査会の答申の、行政事務の配分に関する改革意見として具体的なものが出ておることは、すでに政府は承知いたしておりますので、これも御参考になりまして、ただいまの点、ひとつ文書をもちまして、当委員会に御提出願います。
  85. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 文書が出ましたら、ひとつできるだけ御趣旨に沿うように取り計らいたいと思います。  行政局長は、予算委員会に呼ばれておりますから、よろしゅうございますか。
  86. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 けっこうです。  それから、行政再配分に関連して当然裏づけとなるのは、地方財政の確立の問題でございます。行政事務がいかに地方に再配分されまして地方事務がさらに広がるといたしましても、これが財政の裏づけなくしては事務が行なえないということは、自明の理でございます。申し上げるまでもなく、今日の地方財政は次第に硬直の状態にあることは、いまさら議論の余地はございませんが、こういうときに、地方財政の確立につきましては、この意見によりますと、調査会の適当な審議機関において、たとえば地方制度調査会を活用して、再検討するというような意見になっておりますが、もっと具体的に、自治省みずからが地方財政の確立について、この行政事務再配分の裏づけとなるべき財源等についても、確固とした意見がなければ、行政事務再配分は実施できません。また意見になりません。金はどうするんだ、費用はどうするんだ、そいつは考えておらぬぞというのは、これはナンセンスですから、この点はいかがでしょうか。
  87. 細郷道一

    細郷政府委員 私どもは、地方財政を健全に安定したものにしていきたいという基本的な考えのもとに、できるだけ自主財源をふやしていく、補助金のようなものはむしろやめてでも、自主財源をふやしたい、こういう基本的な考えを持っております。具体的にはただいま地方制度調査会におきまして、第九次、第十次の二回にわたりまして、行政事務の配分について詳細なる答申が出ております。その裏づけの財源をどうするかということが、現在の第十一次行政調査会の議題の一つになっております。ここで十分私どもの意見も述べながら、各委員の御意見を反映しつつ答申を得て、実施に移してまいりたい、かように考えております。
  88. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 自主財源はけっこうですが、自主財源というと、独立して地方公共団体が、たとえば税源を持つ、こういうことになるという趣旨ですか。
  89. 細郷道一

    細郷政府委員 まず第一に地方独立税を強化したい。しかし税は、御承知のように、税源の帰属が各団体ごとにいろいろ違うわけでございます。そこを補う意味で、交付税等の調整財源をふやしていきたい、かように考えております。
  90. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 地方の独立税をふやすというような、そういう、言うならば中途はんぱなことで、地方財政の確立と、それから、いまの答申にも出ておりました行政再配分の完全実施、実行ということは、ほんとうにできるのでしょうか。やはりいまの財政の中央集権的な非常に片寄った日本の財政の仕組みということに根本的なメスを加えるというところまでいかなければ、財源の再配分ということとほんとうに取り組むのでなければ、中央と取り組むことなしに、地方民をどんなに収奪しようとしても、これは不可能ですよ。そういうような限りのことでは、ほんとうの意見にならぬと思います。調査会におきましても、基本的な構想というもの、たとえば方向、基本的な考え方、何かそういうものはまとまっていないのですか。それはどうなんですか。
  91. 細郷道一

    細郷政府委員 自主財源を増強するといった場合に、国民の租税負担全体をどう考えるかという問題があろうと思います。そういたしました場合に、租税負担をもっと上げてでもいくのだという方向になるか、あるいは現状程度でいくべきだという線になるか、これは調査会自体で御判断をいただく問題だと思っております。もし祖税負担というものを急激にふやすということがむずかしいということでありますれば、おっしゃるとおりに、国との間の税源の再配分というようなことも考えなければならない、かように考えるわけであります。
  92. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 失礼だけれども、やはり財政局長——臨調の答申というものをほんとうに完全実施したならば、日本の財政負担——直接行政のサービスをする政府並びに行政機構、サービスを受ける経費を支払う国民も大きな負担を免がれるという点に着目することが、これが行政改革の趣旨であるということは、さきにも臨調の会長であった佐藤喜一郎氏が言っております。そこに着目していくならば、たとえば行政事務地方へ委譲するときに金が要るということ、税金を高くとってこれをまかなうか、そうしないでどうするかという、そういう問題でないと私は思うのです。これ以上苛斂誅求をしましたら国民が破産します。政府は日の丸だから破産はありません。けれども、国民は破産します。ですから、そうしないで国費のむだをなくし、国民の税金を当てにせずに、行政事務の経済性、効率性を高めること、そして一定の経費をもってより多くの効果を得るということが望ましい行政のあり方でしょう。それはもう、事務の敏速化、能率化等、みな同じです。ですから、そういう点も、経費が少なくなるということに通じるわけでありまするので、これを実行することは、同時に財政強化の強固な裏づけになるのではないかと私は考えるのです。ただそういう点につきまして、根本的な考えを自治省自身がまとめなければいかぬと私は言うのです。  きょう補助金の問題も出ておりましたけれども補助金にしましても、昨年度一般会計補助金の割合は一兆二千億円をこえております。四兆三千億円で一兆二千億円も補助金の割合がこえるというような、そんな大きなウエートの補助金、虫めがねで見るほどの補助金の費目、こんなものをほったらかしておくというようなことではだめですよ。それは同時に、予算会計に関する勧告の中にうたってあります。あなたのほうも、全面的にこれは賛成というわけにいかぬという趣旨が、十四でありますか、述べてあります。この点は、時間の関係もありますので、私は詳細に伺うことはきょうは避けますけれども、ともかく財政の裏づけなくして行政事務の再配分は意味をなさぬ。結局どっちも実現せず、シャウプ勧告以来実現しないで取り組んでいって、声ばかり年がら年じゅうから念仏のごとく言っておることを繰り返すことになるから、基本原則をきめなさい。ですから、よけいとるとかとらぬとかいうことではなしに、もっとどう取り組むことが、国費をむだにしないで効率的にして財源を生んでいくかということにも、格段の力を入れるという段階に来ておるのが、行革の貫かれた精神であると私は思いますので、そういう点について、もっとしっかりした考え方自治省が持たなければいかぬと思うのですよ。その点、財政局長、もう一ぺん御答弁願います。それは同時に、さっきと同じことで、自治省自身の意見にしなければいけませんです。
  93. 細郷道一

    細郷政府委員 おっしゃるとおり、私ども行政を効率的に能率的にどうしたらいいかということが、私ども仕事の最大の目標であろうと考えております。そういう意味から、現在の国と地方の間の行財政制度を見てまいりますと、いろいろその基本の目標に沿わないものがあるということから、臨調の答申も出たものと思うのであります。しかし、また先ほど申し上げました地方制度調査会あるいは政府の税制調査会におきましても、その基本的な考え方はみな同じであろうと思います。したがいまして、私どももそういう観点から国地方を通ずる行政事務の再配分の問題、あるいはそれに応じた財源の再配分の問題ということを考えてまいりたい、かように思っております。  地方財源をどういうふうに持っていったらいいか、現在、御承知のように、地方団体の自主財源は非常に少ないわけでございます。したがいまして、この自主財源が少ないために、地方団体がどうしても国の援助としての補助金というようなものをたよるようになる。それが地方団体姿勢にも関係をしておりますし、国と地方との間の関係にも非常に複雑なものを生ずる結果になっております。そういう意味合いから、私どもはやはり補助金というものにまずメスを入れ、そうして国と地方との財源の再配分ということを達成していくことによって、いまおっしゃったような問題を解決していくべきではなかろうか、かように考えております。
  94. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 この行政改革にほんとうに取り組むことはなまやさしいことではございません。いまおっしゃるように、地方財政が枯渇して、いうならば仕事は何もできないで、年がら年じゅう中央に陳情に来ている。二月の二十日以降十日間というものは、国会を中心にしまして、全国的にものすごい陳情が殺到したことは御承知のことと思います。こんなことで国民の金を浪費していることは、一体何と判断すべきです。自治省は、広範な各自治体に対して、いろいろな意味において一番密接な関係があるから特に申し上げるのです。だからあなたが局長として——局長としてというよりも、自治省の重要な局長の立場におきまして、この姿勢を正すということに取り組むことは容易ならぬ問題だという覚悟を持って臨んでもらいたいのです。そうしなかったら、とてもこんなことはできやしません。臨調の答申に対しましても、三十九年の九月に答申が出て、いまは四十二年であります。昨年八月に出た行管の白書によって見ましても、きわめて遺憾な実情である。多くのものが実現しておらぬということを嘆いております。政府仲間においてこのような現状であるのです。  そこで、その一点をとらえて私は申し上げるのです。いまあなたのほうで、地方財政の確立という問題を、この地方制度調査会でせっかく審議する段階に来ておるということは、一つのよい情報でありますけれども、こういったときに、調査会調査会で責任のがれをする、隠れみのになるというのが日本の弊風なんです。膨大な経費を使って、臨調も数年かかって、調査会が結論を出した。それも実行しないのです。だから調査会ばかりにたよっておったらだめなんです。そこであなたのほうは、大臣以下一体となって、自主的に積極的に、この問題は、答申の意見に対して明確な線を打ち出して、答えとしなければならぬ、こう思うのです。調査会にまかして、そこで審議してもらいますと、そんなもう一つクッションをつくるようなやり方では、とても私は本気で取り組んでいなさるのではないと思うのです。ことにあなたは財政局長です。財政局長のお立場からするならば、一番明確な御意見が出てしかるべきだと思うのです。自主財源なんてそんなものはありはしません。給与を払ったらとんとんでしょう。何ができますか。年がら年じゅう、知事さんも市長さんも東京へ来て、手を合わすばかりですよ。そんなようなことを繰り返したら、日本は腐敗と混乱ばかりです。地方財政の中央集権ということは、長年の、それこそ佐藤総理の言い分ではありませんけれども、病弊久しきにわたっております。これを地方に分布するのが地方自治体ではありませんか。憲法の自治というものはそれでなければならぬと思うのです。シャウプ勧告以来、ずっとそのことはだれしも言うてきたことであるけれども、これはうまくいっていない。そこに病弊があります。だから、よほどの覚悟を持って臨んでもらいたい。  ほかに多数の問題がございますけれども、私はさきに取り上げました二十数項目の非常に重要な事柄がありますので、ひとつ労作を自治省にお願いしておきましたから、きょうはこの程度で質問を終わります。
  95. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 関連質問として、阿部君から発言を求められておりますから許します。阿部喜元君。
  96. 阿部喜元

    ○阿部(喜)委員 補助金の問題につきまして、一、二関連してお尋ねしたいのですが、今日、政治に対する不信感が非常に漂うておるわけでございますが、それを打ち払うには、補助金を通じて、国会がむだをなくする、これが一番大事ではないかと思うのです。そういう観点から、補助金につきまして、知事会も昨年の十二月九日でありますか、決議をされておるとおり、そういう時期にきておるのではないか。率直に伺いますが、自治省の所管におきまして、時代の推移に伴って、この補助金はもう少しふやしてもらいたい、またはその時日の経過によってこの補助金はもう意味がなくなった、こういうようなことにつきまして、まずお伺いをいたしたいと思います。
  97. 細郷道一

    細郷政府委員 わが省は、所管行政の関係で、補助金が非常に少ないわけでございます。今回の補助金整理におきましても、たとえば消防の事務費といったようなものは、補助金整理の対象として整理いたしません。
  98. 阿部喜元

    ○阿部(喜)委員 それからもう一つ伺いたいのは、知事さんの決議にもありましたが、五十万円以下の補助金ですね。五十万円以下の補助金が、数にして幾らくらい……。
  99. 細郷道一

    細郷政府委員 知事会の提案いたしたものでは、おおむね五十万円以下のものが約七十五件、八億でございます。
  100. 阿部喜元

    ○阿部(喜)委員 参考に聞きますが、十万円以下のは幾つありますか。
  101. 細郷道一

    細郷政府委員 ちょっと一件一件の金額は、手元に持っておりませんので、あれでございますが、五十万円以下を拾いますときには、一つの府県に五十万円以下の額が出るような補助金、こういう一つの尺度で拾ったものでございます。その際、いろいろございまして、少ないのは数千円というものもございました。おおむね二、三十万円というのが多かったように記憶をしております。
  102. 阿部喜元

    ○阿部(喜)委員 そこで、もう終わりますが、ある町村長の話を聞きますと、千円の補助金をもらうために書類をつくらすのに、日当に換算すると二千円かかる、こういうことが非常に多いようでございますが、この際、ひとつ魂を込めてこの問題に取り組んでもらいたい。希望をいたします。
  103. 鍛冶良作

  104. 中村重光

    中村(重)委員 時間の関係がありますから、会計検査院に対する質問は後日に譲りまして、昨日、参議院の決算委員会で取り上げられた、長崎県の日赤病院と組合立の長崎県の五島病院との合併に伴う問題に関して質問をしたいと思います。  その前に、要求しておる政府委員はだれだれが出席しておりますか。——委員長に私は注意を喚起したいと思います。鍛冶委員長、情熱を傾けてこの決算委員長に就任された。ところが、あなたが委員会を運営される初めからたいへん問題が出て、物議をかもしておる。私はきょう、でき得れば厚生省の大臣、政務次官その他関係局長の出席を要求したのです。ところが、いま予算委員会が開かれておるので、大臣が出席できないということは、これはやむを得ないと思う。政務次官も、いま私が特に出席できないのかということを尋ねましたところが、委員部は、参議院の社労委員会が開かれておる、これに出ていて来られないのだということです。ところが、出席しておる自治省行政局長、これは私は要求しておる。先ほどあなたは、行政局長予算委員会に呼ばれておるから、退席を認めるという態度であった。私はもうすぐ十二時から私の質問ということで、吉田委員と話し合いをしておったのだから、それは困るじゃないかということで、正式な発言ではなかったのだけれども、あなたと私語みたいな形で申し上げたのです。ところが、いま予算委員会から行政局長が呼ばれておるのかどうか私は尋ねてみたところ、そうではない、正式に予算委員会から呼ばれておるのではない。一議員が行政局長に個人的用件があって呼んだ、こういうことにすぎないのであります。私はそういう委員長——少なくとも決算委員会の委員長であります。国政調査に対して、あなたは積極的に取り組むという姿勢でなければならぬ。にもかかわらず、あなたの当初からとっている委員運営のあり方というものは、私は委員長みずから委員会を軽視する、これは委員長としては、全く何と言ったらいいのか、無責任な態度だと言わざるを得ません。もう少し委員長委員長らしく責任を持って、この委員会の権威を高め、国政審査というものを十二分にやらせていくという態度でなければならぬ。そのことによって、私はこの委員会の運営がきわめて円滑に行なわれていくであろうと思う。そういう点に対しては、私は委員長の反省を促しておきたいと思います。
  105. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 いや、あなたと同様のつもりでやっておるつもりです。
  106. 中村重光

    中村(重)委員 ところが同様ではない。  まず、厚生省の社会局長は、きょうはどうして出席できないのですか。
  107. 穴山徳夫

    ○穴山説明員 私、社会局の庶務課長でございますが、日赤の所管をいたしております。ただいま社会局長は社労のほうに出ておりますので、私がかわりに参りました。
  108. 中村重光

    中村(重)委員 では、長崎県の、昭和三十一年に設立された日赤五島病院、この病院が昭和三十九年に一部事務組合立の五島病院と合併をしたわけです。ところが、この合併に伴って、日赤の支部長であった長崎県の知事佐藤勝也氏あるいは副知事または衛生部長、民生部長、あるいは日赤の当時の島津社長、あるいは副社長、その他多くの人たちに慰労金を支給するその問題が、たまたま長崎県議会において問題になって、大きな社会問題に発展しておるというその事実は、あなたのほうでは御調査になっておると思いますので、その経過なり事実関係をひとつ明らかにしてもらいたい。
  109. 穴山徳夫

    ○穴山説明員 私から慰労金の配分問題につきましての概略を御説明申し上げます。  長崎県の五島にございます福江市、ここに五島日赤病院が三十一年の七月に設置されまして、三十一年の七月から開始になったわけでございます。最初は百床足らずの小さな病院で発足したわけでございますが、それから関係者一同が非常に努力をいたしまして、合併時には百九十六床までの総合病院に発展いたしました。ところが福江市には、もう一つ市町村の一部事務組合立の公立五島病院というのがございまして、これは三十七年の福江の大火のときに焼けまして、それから三十九年に還元融資を受けて再建をするということになったわけでございます。そのときたまたま長崎県で、離島の医療圏構想というのを立てておりまして、五島には一つの基幹病院をつくろうという考え方がございました。それで、どういうふうに一つの基幹病院をつくるかということを、県なりあるいは日赤、あるいは公立五島病院の関係者が集まりまして、委員会をつくりまして相談いたしました結果、日赤といたしましては、やはり離島に一つの医療圏というものを確立するというような大局的見地から、日赤の五島病院を廃止いたしまして、公立の五島病院に合併をしようという態度を決定いたしたわけでございます。で、それは三十九年の九月三十日に日赤のほうの五島病院は廃止をして、十月一日付で公立の五島病院のほうに合併をいたしたわけでございます。  問題は、その際に、合併の条件といたしまして、この三者の推進会でいろいろと相談いたしました結果、日赤の従業員はそのまま公立のほうに吸収する、それから資産が、正味資産が約五千六百万円ぐらいあったわけでございますが、それは公立の五島病院のほうに無償で提供をする。それからもう一つは、日赤の病院のほうが廃止になりますので、まあいままで苦労してきたというような意味もございまして、日赤関係の役職員なり従業員に記念品、記念品費を贈ろうということが一応きまりました。この記念品が約六百万——六百四万五千円総額で使われたわけでございますが、問題はこの記念品及び記念品代の配分に関して起こったわけでございまして、いま先生から御指摘のようなところに、それぞれ配分されたわけでございますが、中でも問題になりましたのは、日赤の支部長である長崎県知事、それから副支部長である副知事、それから参与を衛生部長と民生部長がやっておりまして、その県の首脳部に対して、支部の役員という意味で記念品代が贈られたということでございます。知事には三十万、それから副知事に二十万、衛生部長十五万、民生部長十万という金が記念品代として贈られました。いろいろ調査いたしました結果、こういうこと自身については、確かに違法性ということはないというような結果が出たようでございますけれども、しかしまあこういった配分、しかも多額の金額を受け取ることの道義的な可否ということが問題になりまして、長崎県の県議会でも問題にされ追及されたということが、今度の問題の概略でございます。
  110. 中村重光

    中村(重)委員 合併をした組合立の五島病院のその後の運営状況はどうですか、うまくいっていますか。そして、その合併の目的というものがあったろうと思う。いまあなたも簡単にお答えになったんだけれども、その目的が十分に満たされるという形で運営されているのかどうか、その点どうですか。
  111. 穴山徳夫

    ○穴山説明員 公立病院の運営ということになりますと、私ども仕事とちょっと離れますので、その辺のいきさつは私どもよく存じておりませんが、目的自身は、やはり五島というものは一つの離島でございまして、そこの人々の福祉というためには、一つの強力な総合病院というものを建設していくというのが、やはり地域の住民の福祉を守る道であるということで、そういう目的を持って、日赤もそういう見地に立って、公立五島病院に一本化したというように、私どもは了解しております。
  112. 中村重光

    中村(重)委員 日赤五島病院は、確かにその運営は、私はよろしきを得ておったと思う。しかもあの五島の福江の大火に、日赤五島病院の果たした役割というものは非常に大きかった。島民の感謝というものがあった。私どももあの大火のあと現地に参りまして、その日赤五島病院の努力というものを十分認めて帰ってきたわけなんです。ところが今度、組合立の五島病院というものは、その後の運営がうまくいってないですね。もうすでに一億数千万円の負債がある。経営不振です。この合併の目的は、いまあなたが言われたように、五島に基幹病院をつくるということであった。そして、研究施設というものをつくらなければ、離島にはなかなかお医者さんも来ない、また技術も向上しない。同時に医師が僻地になかなか行かない。したがって、基幹病院をつくると、医師の島内外の交流というものはうまくいくであろう、そういうことであったわけですね。ところが、合併をした公立病院というのは、研究施設もない、医師の交流も行なわれていない。現在の経営状態は、先ほど私が申し上げましたような状態になっている。経営不振から、最近、掃除婦七名を首切るということになった。数少ない看護婦に、そうした作業までやらせなければならぬという状態にいまおちいっている。いいですか。そうして、その医師が来ないものだから、長崎大学から、週に一回というので、交代で医者を迎えなければならぬという状態にいまあるのですよ。まあ厚生省と日赤本社が、この合併についてはずいぶん推進されたらしい。合併する必要があるのだ、こういうことでおやりになった。その後のあなたのほうの指導がよろしきを得なかったという点もあったろうと私は思う。現在の経営状態はそういうことであって、離島に対する医療の給付というものはきわめて貧弱な、そういう状態におちいっている。  一方今度は、日赤の五島病院というのは、まあ確かにあなたが言われたような成績をあげた。これが合併をいたします際は、おっしゃるように五千六百万という、そうした何というか、財産というものを引き継ぐというかっこうができたわけですね。ところがいまあなたが言われた慰労金、その総額は六百四万五千円という数字になっておるようです。ところが、どのような功績があったにいたしましても、私はこれは日赤の支部長である長崎県知事、あるいは——どこの県でも同じでありますが、ともかく知事なり副知事なりあるいは関係の部長というものが、当然やらなければならないことをやった、やったというけれども、実際は、そうした支部長なり副支部長なり、参与であるところの関係部長というものが、みずからその病院の運営に当たったわけではないわけです。病院長なり、あるいは事務長なり、あるいは医師、看護婦その他の職員が血みどろの努力によって、そうした成績をあげることができたと思う。したがって、これが合併にあたっては、焼けた五島病院にいたしましても、あるいは日赤の病院の職員にいたしましても、合併をするのでありますから、幾ばくかの慰労金というか記念品というようなものを支給するということは、これはあるべきことであろうと思う。だがしかし、知事とか副知事が、日赤の支部長、副支部長であるということで多額の慰労金を受け取るということは、私は当を得たやり方ではないと思う。いまあなたは、これは不当ではないということであったが、道義的な点からこれが追及されておるというお答えであったけれども、不当でないということはどういうことなのか。あなたも、この月の九日に、厚生省は日赤本社から事情聴取をしたということが新聞に報道されておるわけですし、それから十数日たっておるわけですから、詳細な調査を得ておられるであろうし、昨日の参議院決算委員会においても答弁に立っておりますから、なお詳細な調査をされておられると私は思うのであります。ですから、いまのような抽象的な答弁ではなくて、もっと具体的な答弁をしてもらわなければならぬと思います。
  113. 穴山徳夫

    ○穴山説明員 私がいま申し上げました理由は、一つは、この慰労金の財源になります金が、日赤の五島赤十字病院の約八年間にわたります経営の結果出ました純粋な剰余金、その中から支出されたということが一つでございます。それから、支出にあたりまして、それぞれの、まあ結果的な当不当は別でございますけれども、一応日赤としてもあらゆる手続を経て支出をした。それからまた、これは十月一日と申しますか、九月三十日現在の時点でございました正味資産というものを、十月一日に全部無償で公立の五島病院のほうに引き渡しておりまして、その中から支出されたというようなことでございました。そういうようなことから、その中身は、確かに先生おっしゃいますような点がございますけれども、形式的な手続という面からいいますと、必ずしも違法とか不当とかいうことではなかったという意味で申し上げたわけでございます。配分されました中身その他につきましては、私どもも、確かに妥当を欠くものである、こういうことをやって、日赤自身について世人の誤解を招くようなことを招いたのは、非常に遺憾である、というように考えております。
  114. 中村重光

    中村(重)委員 長崎県議会では、野党各派は問責決議案を出した。与党は知事に対して、要するに戒告みたいなものですね。その中身は、常識を越えたお手盛りの配分であり、県民のひんしゅくを買い、日赤の信頼を失墜した。かりに合法的であっても、日赤精神に照らし、知事は道義的に考え、責任を持って善処しなければならない。与党です。これは与党の知事に対するまあ戒告要望書というものですね。このようにきびしいものがある。  それで、あなたは、日赤の五島病院の剰余金からこの慰労金なるものは出されたと言っている。その剰余金とは何かということをまず第一点お尋ねしておきたい。もう一つは、五島病院に合併にあたって引き継いだ財産の中からこの慰労金なるものは出されたのであるから、これは違法性はないと言っている。それは間違いありませんか。  第一点の、剰余金というものの性格を明らかにしておく必要がある。
  115. 穴山徳夫

    ○穴山説明員 第一点の剰余金の性格につきましては、おそらく先生がおっしゃいますのは、先ほどのお話にもございましたように、これはやはり病院の従事者と申しますか、そういう人が非常に長年の間苦労に苦労を重ねて病院の経営の合理化なり何なりに努力をいたしまして、その結果経営を好転させてつくったものだ、そういうようにその剰余金というものを考えないのかというような御趣旨じゃないかと推測いたしますけれども、そういう点でございましたら、確かにそのとおりで、非常に長い間、日赤の病院の関係者というものは非常に苦労してきて、建て直して、合併にまで育て上げたということは、私どもも聞いて承知をしているつもりでございます。  それから、私が合法性があるのは、五島病院に引き継いだからというように第二の御質問があったわけでございますが、私の説明が不十分であったからかもしれませんが、私がこの支出というものがいわゆる形式的には不当ではないと申し上げましたのは、一応成規の手続をとっていたというところに問題があるわけであります。五島病院に引き継いで云々ということは、まあちょっと問題を混乱におとしいれるかもしれませんが、私が申しておりますのは、一応正式な手続を経て支出はされたということでございます。
  116. 中村重光

    中村(重)委員 あなたが剰余金とおっしゃったから……。剰余金というのは、その慰労金として出された六百四万五千円なるものをあなたは剰余金とおっしゃるのですか。それが剰余金ですか。
  117. 穴山徳夫

    ○穴山説明員 私が申しますのは、五千六百万円の剰余金と申しますか、正味資産が五千六百万円残りまして、それを公立病院に引き継いだ。それで、この六百四万五千円は、いわゆる日赤の八年間にわたって築き上げた財産の中から出されたものであるというように申し上げたわけでございます。
  118. 中村重光

    中村(重)委員 引き継がれた五千六百万円、正確な数字は若干違いますが、まあそれでいいでしょう。五千六百万円の中に、六百四万五千円の慰労金が入っているのですか、引き継いだその正味資産の中に。
  119. 穴山徳夫

    ○穴山説明員 詳しいその辺のあれは私もよくわかりませんけれども、一応九月三十日現在で、いわゆる資本なりあるいは負債というようなものを清算と申しますか、一応決着をつけて、五千六百万円という金を出したわけでございますが、私どもが聞いておりますのは、六百四万五千円はその中に入っているというように聞いております。
  120. 中村重光

    中村(重)委員 六百四万五千円は、その五千六百万円の中には入っていない。これはきのう、あなたのほうから出されたのかどうか知りませんが、私の調査した資料の中にもこれは明らかになっているのですが、これは入ってない。流動負債という形で、いわゆる未払い金ということになっている。したがって、それを差し引いて五千六百万円ということになっているのだから、これは入っていない。そこで剰余金というものが出た。いわゆる正味資産というものがまあ五千六百万円あったのだ、こうあなたがおっしゃった。だから、剰余金というならば、五千六百万円というのも、それは剰余金ということでなければならない。それに六百四万五千円というものがプラスしてくるということであるでしょう。要するに損益計算でいったらですよ。事業というものは欠損することもある。利益を生み出すこともある。だから、それは剰余金であって、この金は余っているのだというような形にはならぬ。したがって五千六百万円プラス六百四万五千円という正味資産があった。その中から、六百四万五千円は五島病院に引き継がないで、これは知事ほかの慰労金というものに支出されたことが、ここで事実関係として明らかになるわけですね。  そこでこの決裁ですが、六百四万五千円の配分はどういう形で行なわれたのか。申請は、だれがいつ行なって、いつ決裁されたか、その点どうですか。
  121. 穴山徳夫

    ○穴山説明員 私どもが調べましたところでは、慰労金品の配分は、九月二十五日に起案になりまして、九月二十六日に決裁になっているというように聞いております。その決裁は、ちょうど知事がおりませんでしたので、副知事が副支部長という立場で決裁をした、というように聞いております。
  122. 中村重光

    中村(重)委員 五島病院と日赤五島病院の合併は、五島病院のほうと日赤病院のほうから合併促進委員会なるものができて、いわゆる七人委員会でこれが促進されてきた。その結果話し合いがついて、先ほどあなたがお答のように、九月三十日をもって日赤五島病院の経営は打ち切った。組合のほうの五島病院もしかりであります。そして十月一日から新しい合併後の組合病院というものが経営をされることになったわけですね。そうすると、これが合併をしたあとの五島病院に、いわゆる流動負債として、未払いということで上がっているのはどういうわけなんですか。前に決裁が行なわれているのですよ。金はある。正味資産があるのです。あなたがおっしゃるように、それは形式は副知事が代決をしたかもしれない。私が調査したのとたいして変わりません。二十七日に決裁をされている。あなたは二十六日と言うのですから、一日違いですから、それはよろしいです。いずれにしても合併前に、新しい病院が業務開始をする前に、知事が決裁をした。いわゆる支部長が決裁をしたことに間違いはないのです。それがどういうわけで次の病院に、いわゆる流動負債、未払い金という形で上がってきたのですか。
  123. 穴山徳夫

    ○穴山説明員 決裁は、いま申し上げましたとおり、確かに九月三十日以前に行なわれておりました。それで、九月三十日現在において締め切った、いわゆる一切の財産関係を十月一日に公立の五島病院のほうに引き継ぐということになっておりまして、したがって九月三十日までに決裁になりました慰労金というものが支出されましたのは、先生御承知のように、十月になってから支出されましたので、それは一種の負債として引き継がれて、支出をされたのではないかというように考えます。
  124. 中村重光

    中村(重)委員 おかしいじゃありませんか。合併をしたのです。正味資産は五千六百万円と評価したのです。それを引き継いだのです。そして慰労金として出された六百四万五千円なるものは、あなたの答弁でいくと、まだ合併前の九月の二十六日に決裁されたのです。しかも正味資産の五千六百万円の中には、現金が七百五十万入っているのでしょう。どうですか、その点は。
  125. 穴山徳夫

    ○穴山説明員 現金が七百五十万というのは、ちょっとまだ私承知しておりません。
  126. 中村重光

    中村(重)委員 私の調査によると、五千六百万円の中には現金が七百五十万円あるのです。決裁をした、それで支出ができるのですね。支部長の権限においてこれができるのだったら、支出ができる。そこで、支出をしないで、流動負債という形で、いわゆる未払い金という形で次の病院に引き継がなければならないという理由がどこにあるのですか。
  127. 穴山徳夫

    ○穴山説明員 その辺の決裁をして、しかも支出だけは繰り延べてしまったという理由については、そこまで私どもも調査しておりませんので、ちょっとお答えできません。
  128. 中村重光

    中村(重)委員 そうすると、その点は私は合点がいかない。私の判断によると、いわゆる背任であるとか横領であるとかいういろいろな問題が出てくる可能性がある。したがって、そういう芸のこまかいことをやったのだということも考えられる。  いま一つ、出張も何もしていなかったようでありますが、知事が現に長崎にいるのに、どういうわけで、副知事が代決をしたのでしょう。そこはどう御調査になっておられますか。
  129. 穴山徳夫

    ○穴山説明員 私どもが聞きましたのは、知事不在のため、副知事が決裁をしたということを聞いただけでございます。
  130. 中村重光

    中村(重)委員 日赤病院という、博愛主義にのっとって、重要な国際的な任務を負うところの病院、いわゆる日赤の事業である病院、その病院が合併をするときには、正味資産が五千万出ようとも、あるいは一億出ようとも、これの処分というものは、私はきわめて重大な案件であると思う。病院そのものは独立採算制であるけれども、財産処分というものは、支部長権限ではやれない。これはそれぞれの代議員会等を経て、本社の社長が決裁をしなければならないのです。それほど重要な内容を持つ財産の処分というものが、一支部長によってなされるということにおきましても、私はこれはきわめて重要な問題であろうと思う。それが、正式には副支部長という肩書きであったと思うのでありますが、副知事によって代決をされたということ自体も、何かこれが事件になることをおもんぱかって、支部長である知事はこれを知らなかったのだ、副知事である副支部長がこれを代決したのだと言って言いのがれをするために、そういう措置をとったのだということが考えられませんか。私は調査しているのだから、申し上げているのですよ。知事が出張不在でも何でもないのに、どういうわけでそんなに急いで、副知事が代決をしなければならないのでしょうか。こういうことはあり方としてどうなんでしょう。私は自治省行政局長にも、この点はお答え願いたい。
  131. 穴山徳夫

    ○穴山説明員 副知事が決裁をしたというのはどういう意図があったかということにつきましては、そこまで私どもも詰めて調べておりませんので、答弁いたすことができない次第でございます。
  132. 長野士郎

    ○長野政府委員 お尋ねの点は、私ども事情を承知しておりませんが、お話を伺っておりますと、病院の閉鎖という非常に重要な事項であったと思います。しかしながら、その意味で、全体の病院の移管というものの計画はもうすでにきまっておりまして、そしておそらく、——これは想像でございますけれども、いま御指摘のような想像もできましょうが、また逆に、もうそういう資産の引き継ぎとか、資金の配分とかというものも、あらかじめ大体きまっておりまして、きまっておるのを、きまったとおりに形式上処理をすると申しますか、そういう形であるから、支部長がいないというような場合に、副支部長限りで処置をしたというような点もあるのじゃないかしらん。私どもは、具体の病院の併合と申しますか、閉鎖に伴う財産処分なり職員の身分の引き継ぎなりというものは、お話のとおり、非常に大きな問題だと思います。したがいまして、それをばらばらに、個々の案件として決裁するというようなことでなくて、ほんとうは、全体の計画があらかじめきまっておりまして、その基本計画というものは、一応、支部長か本社か、私どもも存じませんが、そういうところできまっておりまして、その中にいろんな項目がすでにあって、それに応じて具体の処置を進めるというような形があったから、あるいは、これも想像でございますけれども、そういう基本計画と違わない、その範囲の中をやるのだったから、副支部長限りでやった、副知事限りでやったという点も考えられるのじゃないか。御指摘のような、非常に裏返したようなお考えも成り立つかもわかりませんが、私は、常識としては、そういうことではないかしらんというふうに思います。
  133. 中村重光

    中村(重)委員 いまあなたのお答えによると、そういう具体的な配分計画というものがつくられておったから、したがって、これはそれぞれの機関の議を経ておる、そこで、副支部長である副知事が代決をした、こういうことであろうという意味の御答弁をした。それでは、こういう具体計画というのは、どういう機関で承認されていますか。
  134. 長野士郎

    ○長野政府委員 私の申しようが非常に不明確であったかもわかりませんが、私が申し上げましたのは想像でございます。私は事柄の実態を知って申しておるわけではございません。けれども、およそ病院が閉鎖されるとか、病院がある病院と合体するというようなことは、その病院の事業にとってたいへんな変革でございますから、そういう意味では、病院の施設をどういうふうに処分するとか、人員をどういうふうに引き継ぐとか、あるいはその病院の中にある資産なり財産をどういうふうに持っていくのだとか、不動産はどう、現金はどう、その中で、いまお話がありましたような慰労金とか、そういう問題はどうするとかというような大まかな、大まかなと申しますか、そういうものの全部の処理の内容というものが、大綱として、計画としてはきまっておったのじゃないかというふうに思うわけであります。そういうのが、われわれから考えました場合の一つの常識ではないかというふうに思うからでございます。
  135. 中村重光

    中村(重)委員 県議会で質疑をされたことで明らかになったところによると、具体的な配分計画というものは、評議員会ではかかっていない。したがって、この月十三日に開かれた評議員会におきましては、その経過について、その点も批判されているんですね。具体的に、その評議員会において、知事が幾らだ、副知事はどうだ、部長がどうだ、そういう配分計画が明らかになっておったとするならば、私はそのときに、評議員会におきまして、ある程度議論をされ、あとでこういう問題が起こらないような形において処理されたであろうと思う。それがそういうことになっていない。ですから、したがってこれが問題になっている。いまあなたがお答えになったようなこととは違うのですね。  それから、慰労金の支出、いわゆる財産処分というものは、これは支部長権限において行なわれることが可能ですか、あるいは本社の承認が要りますか。
  136. 穴山徳夫

    ○穴山説明員 通常は、動産関係は施設の長、ある一定の金額以上は、支部長の承認を得て施設の長が支出をすることができる、ということになっているそうでございますが、廃止の際には、本社まで指示を仰ぎまして、本社の指示を得て、廃止の際の動産の処分というものはきめるということになっております。
  137. 中村重光

    中村(重)委員 そうすると、今度は廃止ですね。合併したのだけれども解消したのだから廃止です。そうすると、一定の金額とあなたがおっしゃるのは、どの程度の金額になりますか。
  138. 穴山徳夫

    ○穴山説明員 廃止の際には、一応全部の計画を本社のほうに出して指示を仰ぐ、ということになっておるはずでございます。
  139. 中村重光

    中村(重)委員 それでは、その六百四万五千円も、計画を出して、本社の指示を受けなければならぬということになりますね。
  140. 穴山徳夫

    ○穴山説明員 理屈から申しますと、そのとおりでございますが、そのときに本社に指示を仰ぎました中身として、どういうようにあらわれていたかは、実は私どもまだそこまで調べておりません。
  141. 中村重光

    中村(重)委員 だから、そういうようなことは非常に重大な問題でしょう。十数日間ですよ、あなたが本社から事情聴取をやったのは。それから、あなた方は、国会でこうした問題が取り上げられるということになってくると、現地に問い合わせたりなんかして、いろいろおやりになるのでしょう。だから、そういうような重大な内容を持つ問題を質問されて、答えられないというのはおかしいじゃないですか。そう思いませんか。  そうすると、本社の承認が必要だとするならば、いまあなたは、御承知のとおり、この支出は十月に入ってから支出をされたのです、こう言った。そうすると、財産処分についての本社の決裁はいつ行なわれたかということが問題になるんですよ。この慰労金はいつ支給されたか、本社の決裁がいつ行なわれたか、というのが問題になるのですが、この点はどう御調査になっておりますか。
  142. 穴山徳夫

    ○穴山説明員 支給されましたのは、十月一日以降でございます。  それから、本社に指示を仰ぐ申請が出てまいりまして、本社のほうで承認を与えましたのは、これは正確な日にちはちょっと忘れましたが、九月中でございます。
  143. 中村重光

    中村(重)委員 おかしいじゃないですか。支部長である知事が決裁したのが二十七日でしょう。それから本社に申請をするのでしょう。九月の月に本社の決裁があろうはずはないじゃありませんか。
  144. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その点、明確に言ってください。いつ合併を決議したのか、そしていつ支部長が決裁したのか、それから本社へいつ出して、本社がいつそれを決裁したか、そう言わぬというと出てこない。穴山庶務課長
  145. 穴山徳夫

    ○穴山説明員 決裁をいたしましたのは、先ほど申し上げましたように、副支部長の決裁は、私どもは九月二十五日というように聞いておりますが……。それから廃止をいたしましたのは九月三十日で、合併が十月一日、それから慰労金が支給されましたのは、正確な日にちは覚えておりませんが、十月に入ってからでございます。それから本社のほうに申請が出まして、本社で決裁をした日は、ちょっといま正確に覚えておりませんが、とにかく九月中であるということの報告がございました。その点は、まことに申しわけありませんが、ここではっきりお答えするような調査はまだいたしておりません。
  146. 中村重光

    中村(重)委員 これは何も複雑じゃないですよ。もう正味資産があるのだから、そして負債というものはもうないのだからね。差し引いて五千六百万円正味資産を引き継いだのだから。にもかかわらず、残務整理期間を三カ月とっているでしょう。それは本社の決裁が相当な日時が必要になるから、あれだけの残務整理期間というものをとったんじゃありませんか。九月中に本社の決裁なんということができますか。そういう財産の処分というものは、一日赤の社長が単独で決裁することができますか。それはあなたはわかっているでしょう。そういう財産処分というものがどういう機関を経なければいけないかということは、わかっていましょう。どうです。あなたの言うようなことだったら、人間わざじゃないじゃないですか。
  147. 穴山徳夫

    ○穴山説明員 不動産につきましては、理事会にはかって、それの譲渡その他をきめるというようになっております。それから廃止時に、それ以外の動産につきましては、本社の社長の指示を仰いで、その処分について決定をするというように、規則ではなっておるわけでございます。
  148. 中村重光

    中村(重)委員 あなたは、一定の金額というもの以上は、これは支部長ではできないということをおっしゃったんだから、こういう質問に対しては、一定の金額とは幾ら以上だというようなこともお答えにならなければならない。何も、その数字を言うことぐらい、時間はかからないでしょう。だから、そういうことも明確にお答えになる。それから、財産処分というものが承認されたという理事会というものはいつであったか。それから、その金額、いわゆる慰労金というものが一定の金額以上でありますから、本社がそれを承認したのはいつであったかということくらいは明確にお答えができるのじゃありませんか。——それでは、あとで理事会を開いて話し合いをしていただきますが、何といっても、こういう具体的な問題になってくると、私はやはり厚生省では答えがしにくいと思う。それで、日赤の社長なり関係者を呼んでいただくということを前から——一応事実関係を明らかにした上で、そのことを決定をしていただくということになっておりますから、その点は答弁を受けなくとも、大体、委員長、各委員もお聞きのとおりでございますから、おわかりであろうと思うのです。  そこで、はっきりここで確かめておきたいのですが、二十七日に決裁したということは間違いないんだから、日赤支部長である佐藤勝也、長崎県知事である佐藤勝也氏に対して三十万円の慰労金を支出した、取ったと言ったらいいのか、同一人格の者でありますからね。だから、そういうことが行なわれたということだけは、明らかでありますね。
  149. 穴山徳夫

    ○穴山説明員 そのとおりでございます。
  150. 中村重光

    中村(重)委員 行政局長お尋ねしますが、お聞きのとおり、日赤支部長である佐藤勝也氏、長崎県知事である佐藤勝也氏、やったのか、取ったのか、ともかく三十万円という相当多額な、いわゆる慰労金というものが支出された。先ほど庶務課長は、これを記念品代、こうおっしゃったのですが、記念品代ということになると、三十万という記念品代というものは、全く私どもの常識では判断できないほど多額の記念品代でありますが、そういうものの支出というものが、これは適当な支出であるとお考えになりますか。
  151. 長野士郎

    ○長野政府委員 知事あるいは府県の役職員であります者が、県の行政なり市町村行政なり、いろいろ行政に関係の非常に深い公共的な団体の責任者に数多くなっておるというのは、これは現状でございます。この意味は、一つは非常に公共的な性格の強いものでございますと、それがある意味で、県の行政なり何なりと実質は一つになって事業が促進されていくというようなことが多いからであろうと思うのであります。そういう意味では、その事業の性格なり、県の事業との関連なり、いろいろなことが考えられるわけでありますが、同時にまた、あまりそういうものが多く兼務されますと、本来の仕事自身に支障を生ずるという問題もあるわけでございます。いまの日赤の関係でございますと、それは日本赤十字社法によりまして、国民にいろいろな公共的奉仕をされるというような、非常に公共性の強い団体でございまして、そういう意味で、現在私どものところでわかりましたところでも、四十一都道府県知事が日赤の支部長をいたしておるような状況でございます。兼務していないところのほうがむしろ非常に少ないというようなかっこうで、県知事が日赤の支部長をするというのが、一応の慣例と申しますか、そういう形になっております。  そこで、お示しのような場合は、病院が閉鎖をしたというようなことで、そういう記念品代を出しましたときに、そういう外郭団体の責任者として、知事がそういう場合にどういう関係に立つか、一体そういうものを当然のこととして考えていいのかどうかというのは、いろいろな見方があると思います。したがって、具体の場合におきましては、病院が閉鎖をする、病院は経営よろしきを得まして、伺っておりますと、相当な財産ができたというようなことがありまして、したがって、その際、閉鎖に伴って、関係機関が多年貢献をしたから、慰労金という形でございますか、記念品代という形で、関係者に金品を贈ることにしたというかっこうだろうと思います。それ自体は、そのところの状況に即しまして考えていかなければならぬわけでございますが、そういう、事業に対する貢献度とかそういうものと関連をして、そういう慰労金というものの額がどの程度がいいのかどうかというようなことは、すべて具体的な事例に即して考えなければならぬことだと思います。したがいまして、私どもとして、いまお話が出ました三十万円というものが、非常に常識はずれの、非常に高い記念品代ではないか、慰労金としても非常に高額なものではないかというお尋ねでございます。私どもも、ある点では非常に高額なものであるという気がいたします。そこで問題の焦点になっておるのだろうと思うのでございますが、考え方によりますと、日赤のそういう支部長なり何なりをいたしております者は、当然だといえば当然でございますが、それも一つの無償の奉仕をいたしておるということでございます。したがいまして、かりに言えば、この五島病院が閉鎖をしなければ、ほとんどそういうことは起こらなかった。閉鎖をしたという事態において、この際その五島病院の関係者というものに慰労金を贈るということが、どなたがお考えになったことか知りませんが、出たばかりに、そういう額のものが出てきた、こういうことに相なっておるのだろうと思うのでありますが、八年間という期間、いまお話を承りますと、そういう期間経営されたということでございます。その場合に、その額が多いのか少ないのか、いままでの無償の関係からいって、多いのか少ないのかと言えば、私どもも、慰労金とか記念品代としては、少し額が多過ぎるのじゃないかという感じが、率直に申して、いたすのでございます。
  152. 中村重光

    中村(重)委員 非常にむずかしい問題だから、あなたもきわめて答弁がやりにくいだろうと思うのです。しかしきょうは時間の関係もありますから、最後の、記念品代としてこれは適当でなかった、そのことをお答え願えればいいのですね。ところが、これは適当でない。ましてや日赤だ。日赤の病院だ。博愛主義によるわずかな金を、どんなに苦しい人からでも共同募金という形で集めて、日赤というものはいろいろな事業をやっている。あるいは献血も、そういうものの処理によって、二百円を備蓄して献血車を買ったり、何かいろいろなことをやって、日赤というものは運営されている。いかに特別会計であろうとも、日赤の病院であることに間違いがない。それが知事である、あるいは副知事である、これは特別職である。特別職であるけれども、私はそういう面からまことに適当ではなかったと思う。ですから、それはあなたのお答えによって、適当でないということはわかったのですが、民生部長衛生部長、これははっきりした公務員です。特別職ではありません。衛生部長十五万円、民生部長十万円、その他地方公務員がそういう多額の記念品代と称する、要するに慰労金という報酬を受けております。これはどうですか、妥当ですか。
  153. 長野士郎

    ○長野政府委員 民生部長あるいは衛生部長というのは、お話のとおり、一般職の地方公務員でございます。したがいまして、一般職の地方公務員であります限りは——特別職については、評価の問題はございますけれども、法律上はもちろん可能でございます。報酬を受けてもいいということになりますが、一般職の公務員であります限り、部外の営利企業等からの報酬を受けるようなことはやってはならぬ、こういうことに相なっておるわけであります。したがいまして報酬であるといたしますと、これはそういうたてまえにそむくという問題でございますが、これは先ほどからのお話で、額の多寡、大いさ、少なさという問題はありますけれども、一応慰労金と申しますか、記念品代と申しますか、そういうかっこうのものとして処理をされておるようでございます。いままででも、それじゃそういう報酬として経常的にもらっておったかというと、そういうことは一つもないわけで、この病院の閉鎖に際してだけ出てきたものである。したがいましてその額の問題は、確かに御指摘のように、あると思いますが、その性質そのものは、やはり報酬ではないのだ、慰労金あるいは記念品として考えられるべきものであろうと私は思います。
  154. 中村重光

    中村(重)委員 それでは、あなたのお答えでは、それはとっていいのだということになる。いいですか、とっていいんだ、それは報酬じゃないんだ、記念品だ。——社会通念で考えて、五千円か一万円というならば、記念品代ということだって考えられますよ。しかも日赤病院の閉鎖に当たって、十五万円も二十万円も三十万円も、特別職であろうとも、ましてや地方公務員の場合におきましては、これは他から報酬を受けることは禁ぜられておる。そういうような金額を、記念品代という名目でごまかして、報酬を受けるということは許されますか。あなたがいいんだというお答えをされると、そういうことで、自治省行政局長としての指導、監督を誤りなく行なうことができますか。そういう問題は、きっぱりとお答えにならなければたいへんな問題になりますよ。私も、個人としては、長崎の問題を質問するということは忍びない。しかし、あわせて、私は厚生省からもお答え願いたいのだけれども、日本にこういう事実が一件だっていままであったことがあるのか、ないだろうと思うのです。そうすると、日本の歴史なんだ、こういういわゆる赤十字というものに対する汚点の歴史をつくっておる。世界八十カ国の、赤十字に入っておるそれらのそれぞれの国々においても、おそらくこういうことはなかったであろうと私は思うならば、そういう世界において初の汚点を残したということは、これは全く重大な問題だと思う。日本の恥。したがって、個人としては私は忍びないけれども、再びこのようなことを起こしてはならないから、私はあえて質問をしておる。そしてあなた方の、要するにこれから先の指導なり監督をやらなければならぬ面については、どういう実態でやっていこうと考えているのか、そういうことをただしているのだから、そういう点については、まああまりきっぱり言うとどうも当たりさわりがあるからとか、ぐあいが悪いからというようなことでなくて、事の重大性にかんがみて、再びこのようなことを起こさせないというような考え方の上に立って、きっぱりした御答弁というものが私はなければならぬと思う。その点、お二人からお答え願いたい。
  155. 長野士郎

    ○長野政府委員 まあ額の問題でいろいろおとがめがあるようでございますが、私もその点では全く同感でございますが、やはり私が先ほど申し上げましたように、これはやはり報酬とは考えられないのじゃないかということを申し上げました。その点がおしかりを受けたようでございますけれども、私も、この慰労金というものの額をどうやって出したのかということがさっぱりわからないわけでございます。そこで、本社のほうにもいろいろ関係があるようです。それから病院の職員にもいろいろ出ておるのであります。あるいは、伺いますと、赤十字社の評議員という人にもまあ出ている、そういうので、積算の明確な基礎があるようにも考えませんし、何か、一つの感じと申しますか何かで出しておるのだろうという気がするわけでございます。また同時に、それは、どうも病院関係の職員についてまでは、私もわかりませんけれども、それ以外の知事とか副知事とか、いまの部長などについて考えましても、それが勤務時間あるいは勤務期間が長いからとか短いからとかいうことにも別に関係はしてないようでございます。そういうことから考えますと、どうもやはり一定の労務の提供に対する反対給付というような形の報酬とは言いがたいのじゃないかという気がいたすのでございます。ただ、その額が一体妥当なのかどうかというような問題になると、いまここで問題になっておりますごとく、いろいろと御批判の余地はあろうかと思うのでございます。慰労金の額そのものはともあれといたしまして、額をこういう人にこういうふうにしたということは、あながち日赤の役員になりました期間が長いから短いからということでなくて、ただ一つの何かでこうやってやる、したがってそういう意味では、ある期間の長短に応じた労務の提供に伴う反対給付というような感じというものは出てこないのじゃないか。そういう意味で報酬とは言いがたい。  ただ、そう前提いたしましたところで、社会の常識といいますか、社会通念といいますか、そういうものから考えた場合の慰労金としては、かりに慰労金であるとしても、非常に大きいじゃないかというような問題、これがいま御指摘になられている点だろうと思うのであります。私どもといたしましても、そういうことによりまして、公務員一般でございますけれども、これがいやしくも住民の信頼といいますか、信託を受けて公務に従事しておるものでございますから、いささかも不信の念を招くというようなことがあってはならぬというふうに考えておることは、これはもう当然で、私どもも、そういう疑いの起きますことがないように、今後とも十分指導してまいりたいと思っております。
  156. 穴山徳夫

    ○穴山説明員 先生おっしゃいますように、こういうことで問題になりましたのは、私どもも初めてでございまして、したがって、日赤の持ちます公共性あるいは国際性という面から言いましても、やはり私どもとしては、こういう事件が起きまして、世人に対して誤解を生ずるような結果になりましたことは、非常に遺憾に存じておるわけでございます。したがって厚生省といたしましても、これからは従来に増して、日赤に特に監督なり指導なりを十分にいたしまして、再びこういうことが絶対起こらないように指導してまいりたいと思っております。
  157. 中村重光

    中村(重)委員 これはあなたは剰余金だと言うけれども、剰余金じゃない、六千三百万円からの資産があった。それを五千六百万円だけ引き継いで、六百万円は分け取りをしたということが真相なんです。私は、これが警察で調査をした、それが事件にならなかったということがふしぎでならない。本来きょうは刑事局長に来てもらって尋ねたかったのでありますけれども、刑事局長は他の委員会に行っておるということですから、要求を実は取り下げたわけです。先ほどからいろいろ申し上げたように、もう二十七日に知事は決裁をしている。そしてその現金というものはそこにあったわけです。だから知事権限においてこれが行なわれるのであるならば、二十八日には支払いができる。にもかかわらず、これをやっていないで、いわゆる流動負債という形で未払いということをやったというところに、これはきわめて巧妙なやり方が行なわれておるということが考えられる。本社の決裁が必要であるならば、これは本社の決裁を待たないで支給したのであるから、そのことの不当性がそこに出てくる。いずれにしても、これらが問題にならなかったということはおかしいと思うのだが、もう一点お尋ねしますけれども、欠損が出たらどうなるか。その最終責任は支部長なのか、日赤の社長なのか、いわゆる本社にあるのか。この点をお答え願いたいということが一点と、いま一点、二十万円というせんべつが知事外遊の際に出されておる。このせんべつはいつ出されて、どのように処理されたのか。しかも日赤に全く関係のない形において知事が外遊したのに対して、日赤が二十万円のせんべつを出したという、このことが正しいのかどうか、これはあなたと行政局長にお答えを願いたい。
  158. 穴山徳夫

    ○穴山説明員 欠損の場合でございますが、一応日赤の病院の会計につきましては、病院個々に独立会計のような形になっておりまして、そこで毎年会計と申しますか、予算決算の締めくくりが行なわれていくという形になっております。したがって、そういう意味では、欠損が出たときの責任いかんということになりますと、第一次的には病院長が経営上どうであったかというような問題が出てくるわけでありますが、しかし広く日赤全体として見てどうかという問題になれば、それはやはり社長の問題あるいは日赤全体の問題ということになると思います。  それから、二十万円のせんべつの問題につきましては、今度のいわゆる慰労金の問題に直接関係がございませんでしたので、私ども、そこまでは、せんべつについては調査をいたしておりません。
  159. 中村重光

    中村(重)委員 行政局長にも答弁を求めたのだが、それでは続いて私からお尋ねします。  その二十万円の金がどう処理されたかわからぬというのはおかしい。三十万円は慰労金として出されたが、処理は五十万円として処理されているでしょう。そこを御調査になっていませんか。私は、警察がこの点を見のがしたのもふしぎに思っている。せんべつは前に出しているのですよ。あなたは調査しておらぬと言うから、私から申し上げよう。前に出しているのです。それを処理しないで、黙って押えているのですよ。そうして今度の合併にあたって、その慰労金といういわゆる記念品代と一緒にして処理してしまったんですよ。これは重大問題ですよ。これが背任でなくて何が背任ですか。そういうべらぼうなことが許されますか。そうじゃないとお考えになるなら、お答え願いたい。
  160. 穴山徳夫

    ○穴山説明員 いま先生がおっしゃいましたように、合わせて五十万円として処理していたというのは、私ども調査が足りませんで、そこまでは調べなかったわけでございます。前のせんべつの話は存じておりましたが、これは慰労金の問題とは別の問題だというふうに考えていたわけであります。
  161. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ちょっと私から聞きますが、日赤には国の補助が出ておるというが、それはどれくらいの金が出ておるのですか。——いろいろ補助金が出ておるようだが、私の聞いておるのは、病院に対する補助金です。
  162. 穴山徳夫

    ○穴山説明員 赤十字病院につきましては、公的医療機関の施設整備費の問題と、それから精神病院の整備費の関係、この補助が出ております。それから看護婦の養成関係の補助金も出ております。
  163. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこで、厚生省としては、そういう関係があるから、赤十字に対しては、やはり監督官庁として、いまの病院の合併などということになると承認を与えるとかまたは報告を求めるとか、いずれかをやるのではないかと思うが、その点はどうです。
  164. 穴山徳夫

    ○穴山説明員 現在そういうことはいたしておりません。
  165. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 いたしておらぬということは、いたさぬでもいいのか、それともやらなければならぬのだがやっていないのか、どっちです。
  166. 穴山徳夫

    ○穴山説明員 赤十字病院につきましては、私どもも、日赤法に基づきまして指導監督をいたしておりますけれども、赤十字の病院を合併するようにとかあるいはこうしろというような、内容的な指示というものはいたしておりません。ただし、毎年財政なり業務なりの報告書を私どもも受けておりますし、それによって動きを知る。それからまた理事会その他の役員に入りまして、事業についての計画に参与するということはございます。
  167. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 いま中村委員からいろいろ質問されたので、あなたが答弁できないものが二、三ありましたが、そういうものは、いまあらためて聞きただして、次に答弁できるようにできますか、いかがです。
  168. 穴山徳夫

    ○穴山説明員 日赤の本社のほうに調べまして、お答えができるようにいたしたいと思います。
  169. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 では、これだけにしておきましょう。  このことに関して、浅井さん……。
  170. 浅井美幸

    ○浅井委員 大体お聞きになってもうわかったわけですが、今回の剰余金の支出の時期は、三十九年十月六日から大体十四日の間に出されたと言われるのですが、さっき決裁が九月二十六日ということでありまして、このことについての実質的な動きは、申し合わせ事項の念書か何かあって、本社の許可は、四十年一月の本社の理事会の議決で、いわゆる合併の財産譲渡の本社の承認をやっている、そういう話になっておりますけれども、それがなくて支出をしたということについては非常に微妙なものがある。この点についてお聞きしておきたい。
  171. 穴山徳夫

    ○穴山説明員 念書の意味するところが、私どももよくわからない点もあるわけでありますけれども、形式的に申しますと、先ほど申しましたように、本社の理事会の議決を経なければいけないという点は、不動産の処分の問題でございまして、それ以外は、廃止時には、社長の指示を仰いで、指示を得れば、処分していいということになるわけでございます。まあ念書もそういう意味ではないかというように、私どもも考えているわけでございます。
  172. 浅井美幸

    ○浅井委員 それでは、動産であった現金については、日赤社長の指示を仰いだならば処分ができる、そういう考え方であるならば、その指示はいつ仰いだのでしょうか。
  173. 穴山徳夫

    ○穴山説明員 その日にちを、先ほど中村先生のほうから質問されまして、そこまでこまかく調べていなかったものですから、保留さしていただいたわけでございます。
  174. 浅井美幸

    ○浅井委員 それからもう一点、十月一日から合併になった。その合併になったその時点ですね、これから考えて、支出が十月六日になって、先ほどいわゆる未払い金という流動負債ですか、流動負債でもって処理をしておったというお話でありますけれども、そうすると、私の考えるのでは、この支出の時期によっては、組合立の五島病院の金のようでもあるし、また旧日赤の金にもなる。このときに金一封を添えて出されたといわれますけれども、この金一封のときに、感謝状を添えて渡されておるわけです。その感謝状の名前が佐藤知事の名前であって、日赤支部長という立場ではない。そうすると、佐藤知事という名目で感謝状を出して、そして金は日赤のものかあるいは五島病院のものかわからない。判明しない。この関係についてはどういうふうに考えますか。
  175. 穴山徳夫

    ○穴山説明員 感謝状につけてということは聞いておりましたが、名前が支部長名でなくて知事名であったというのは、いま初めて知ったようなことでございまして、その辺は、ちょっとここではお答えできないのでございますが……。
  176. 浅井美幸

    ○浅井委員 いまの感謝状の、知事名で出されたということについて、行政局長はどういうふうに考えますか。
  177. 長野士郎

    ○長野政府委員 いま初めて承ることでございまして、ちょっと何ともわかりませんが、もしかりに知事名で出しておるとしますと、組合病院といいますか、五島に一つ基幹病院を整備するということを、県が離島振興考え方として、一つの方針にしておったというようなお話でございますから、そういうことの、ある意味での一段階進んだ、病院が統合されることによって、進んだということで、知事が関係者に感謝状というものを出したのだとでも考えられることになろうかと思います。
  178. 浅井美幸

    ○浅井委員 それじゃ非常に疑わしいじゃないですか。この剰余金は日赤の剰余金であって、その剰余金を分けるときに添えて、感謝状が知事名で出されている。いままでは、このお金については、日赤という特別法人ですか、その性質のお金であって、それが知事という行政の執行の立場にある者が、そういう名目で感謝状とともに添えて出せるという、そういう不可解なことは、私は考えられない。日赤支部長の佐藤さん、それとも長崎県知事の佐藤さん、この辺が公私混同しておる、そのように感じます。その感謝状について出したお金ならば、これはいわゆる日赤のお金を出したのではなくて、今度新しい合併したところの、あとの五島病院の金として出した、この点についてお答え願いたいと思います。
  179. 長野士郎

    ○長野政府委員 私は、その感謝状と慰労金とがどういうふうに結びついているのかなんということは、一切承知していないのでございまして、いま初めて承ったことでございます。おそらく感謝状は感謝状として、慰労金は慰労金として、別個のものだというふうに受け取って、先ほどのようなお答えを、参考のために申し上げた次第でございますが、詳細がはっきりいたしませんので、なお調べまして、後ほどお答えさしていただきたいと思います。
  180. 中村重光

    中村(重)委員 先ほど、私が負債の最終責任はだれかと言ったのは、今度のような廃止の場合にどうなのかということを聞いたのですよ。要するに、正味資産というものが六千数百万円あったからというので、六百四万五千円というものを慰労金という形で支出した。逆にこれが欠損であった場合の責任というものは、日赤本社なのかだれなのかということを尋ねたわけなんです、足らなかった場合は、当然日赤本社が債権者に対する責めを負わなければならぬのだろうと私は思うのです。したがって、この処理というようなものに対して、日赤本社としての責任があるということは常識的に考えられるわけなんです。それから、いま感謝状の話も出ましたが、その実態は吸収合併なんだけれども、形式は対等合併です。長崎県知事佐藤勝也という形で感謝状を出せば、やはり組合立の関係者にもこれを出していく、そして日赤の病院にも出していくということが常識です。またわずかな金であったにしても、記念品はそういう場合は組合立のほうにも出していく、そういうことであるならば、一応うなずける点もあるのですよ。そうでない。全く一方には全然、感謝状もなければ、そういう慰労金なり記念品というものは出されてないのです。だから、日赤の正味資産の中から六百四万五千円というものをはねて、そして慰労金も——それは職員なんかは慰労金でいいでしょう。それはそれで出して、実際は、日赤の社長も五万円もらっておる。副社長もその他の幹部ももらっておるんですよ。五万円や二万円という形で、副社長も二万円でしょう。これも、日赤の社長が三千円や五千円の記念品をもらったというのなら別です。そういう多額の記念品をもらって、のほほんとしておる、そういうことが常識上許される行為だとお考えになりますか。実際私はけしからぬ話だと思う。先ほど行政局長はお答えにならなかったのだけれども、二十万円のせんべつなんということは全く不正不当ですよ。しかも、前に出しておいて、それを処理しないでおいて、この合併のどさくさに、これを一緒にして処理してしまうというようなことが考えられますか。実際やっておるのです。だから、行政局長として、こういう点に対してどうお考えになるのかということを私はお尋ねしたのだから、まあ答えられないなら、答えられない、何かおっしゃられぬと、ただ黙って聞いておくということではだめです。お答えができるなら、お答えください。あとで調査してからお答えしますというなら、あとでお答えしますと、はっきり言ってください。
  181. 長野士郎

    ○長野政府委員 失礼いたしました。先ほどのお話は、慰労金というものとせんべつとが一緒に経理されておるというようなお話でございましたので、ちょっと私にわかりかねたようなことがございました。お答えするのを差し控えておったのでございますが、せんべつだけの問題で考えますと、知事なりいろいろな人が外遊するなりというときに、いろいろな団体からせんべつが出るとか出ぬとか、いろいろな問題があるようであります。ただ、御指摘がありますのは、日赤という特別な、どういいますか、非常に公共性の高いそういう性質の団体が、直接関係のない外遊なり何なりに際して、そういう多額のせんべつを出すのが一体いいことなのか悪いことなのか、またそれを受け取るのが望ましいことかどうかということであれば、その点では、決して望ましいことと思っておりません。なお、具体な経理がどういうことについて行なわれたかという関係になりますと、私どもに関係のあります限りは、また調べまして、後ほどお答え申し上げたいと思います。
  182. 中村重光

    中村(重)委員 私は、中央集権的な自治のあり方ということは反対ですから、あまりあなたのほうの、何でもこれを官僚統制をやるということについては、これに反対をする態度をとるわけですけれども、先ほどあなたがお答えになった、やはり知事がいろいろな役職を兼ねていくということは、行政運営上いろいろな支障が起こるだろうということは、私もそのとおりだろうと思うんですが、長崎県の場合、知事は監督者である。それを被監督的な立場、たとえば保証協会、株式会社を貿易公社と称して——あなたから公社という概念を聞きたいのだけれども、株式会社を公社にする、貿易公社、開発公社、漁業公社、何だかんだといって、幾つもそういうものをつくって——これは国の方針に反していると私は思うのだけれども、そうしてその長になり、県議会で取り上げられたところによると、そういうものから、さあ外遊にあたって、さあ盆だ、正月だ、あるいは選挙だというので、金がどんどん出されている。しかも、国際文化センターの建設委員会、これは市町村の補助が出ている。それから三十万円せんべつをもらって、この間も外遊したわけです。これも県議会で今度問題になった。ところが、同じ知事はその文化センターの会長ですよ。副会長は長崎市長田川務、これは外遊のときに持っていったが断わった。市町村の補助あるいは共同募金等から国際文化センターというものをつくるわけなんだから、それはもらうべきじゃありません、私は断わります。佐藤会長さん、これは三十万円もらった。ともかく、あなたが言われたように、行政運営というものに対して非常な支障を来たすと思うのです。とにかく、監督者である知事が被監督機関の長をやるということで、いろいろと行政運営上の問題というものが出てきている、というだけでなくて、いま申し上げたようなことが、県議会の中においても指摘されている。こういうことは、十分関心を持って調査をされたり、また適切なあなたのほうの指導もやられるということでなければ、私はならぬと思います。これらの点に対して、政務次官、先ほどからずっとお聞きになっていらっしゃったんだから、あなたも政治家としての立場から、この日赤の問題またいろいろな関係について、もののあり方ということに対して、いろいろとお考えになった点があるであろうと思いますから、ひとつあなたのお答えを願いたい。
  183. 伊東隆治

    伊東政府委員 実は、昨年の六月に、自治省としましては、補助を与えておるとか補助金を出しておる団体からはお金をもらってはいけないという示達を、各地方長官に出しておりますので、そういうところからは金をもらっていないはずでございますので、もらっておるとしますれば、自治省として注意を喚起し、また適当な処分をいたしたいと思っておりますが、今度の事件は、日赤に対して、県として補助を与えておるというわけでもございませんので、特別のことはいたさないつもりでございます。
  184. 中村重光

    中村(重)委員 ちょっと聞き取れなかったのだが、日赤に対しては、何ですか。
  185. 伊東隆治

    伊東政府委員 県として補助金を出していない……。
  186. 中村重光

    中村(重)委員 県として補助を出していないんだから、それでよろしいというのですか。
  187. 伊東隆治

    伊東政府委員 慰労金をもらっているというのはほめた話じゃないけれども、注意を喚起したり、返せというつもりはないということです。
  188. 中村重光

    中村(重)委員 注意を喚起したり、返せという意思はない。それであなたは、これほどの重大問題を、そういう考え方で、政務次官としての答弁として適当とお考えになりますか。どれほど大きい問題になっていると思いますか。波紋がどんなに発展をしていると思います。私はきょうは時間の関係から言わなかったけれども、献血運動にまで大きな障害を来たしていますよ。長崎県では、この事件からストックは減っているんですよ。募金運動は、各町村ともに募金には協力できないというようなことで、これに対して脱退、反対決議、これは県民の間は言うまでもなく、市町村の議会等において、そういう問題が出てきている。それから、福江の市長なんかは反骨精神を発揮して、支部長であるところの知事に対し、あるいは副支部長である副知事に対し、その他関係者に対して辞任を勧告するという強い答弁が出るとか、相当大きい波紋を引き起こしてきておる。にもかかわらず、補助金を出していないから、これに返せとか注意を喚起したりする意思はあなたは持っていないということは、政務次官らしくない答弁じゃありませんか。そういう考え方だから、こういうでたらめな問題が起こるんですよ。きわめて慎重なる答弁をする事務当局ならいざ知らず、大臣であるとか政務次官とかいうものがそういうけしからぬ答弁で、あなたの役目がつとまるとお考えですか。
  189. 伊東隆治

    伊東政府委員 いや、私はこの問題を過小視するのではございません。要するに、そういうことになっておりますから、そういうことに反すれば処置をとるつもりでおりますけれども、この問題が長崎県の県議会の問題になり、なお、きのうは参議院の決算委員会の問題にもなっておることはよく承知しております。またこれは決してほめたことではないことで、自治省としても非常に関心を持っておることは事実でありまして、あたりまえのことだとは決して思っておりません。それは存じております。
  190. 中村重光

    中村(重)委員 そういう答弁であってしかるべきである。初めからあなたがそうお答えになれば、私は言わないんだ。しかしあなたのさっきの答弁は、議事録を読めばわかるが、全くおかしいんだ。
  191. 華山親義

    ○華山委員 関連。私はこの問題を聞いておって、奇怪にたえない。私は副知事をやりまして、赤十字の副支部長をやっておりましたよ。支部長とか副支部長なんかに、何ら一年間仕事がないのです。そして、とにかく赤字でもあって苦労したというならば別問題、黒字になって、ちゃんとできているじゃないですか。一体何を知事や副知事が苦労した。それで三十万円とか五十万円とか金をもらうということは、私は全く了解できない。私の経験から申し上げる。また、赤十字の病院が私の所管にあった。非常に赤字を出して困った。その際に、日赤というものは一文もめんどうを見てくれません。この始末をするのは一体何だ。県でこれを補うか、あるいは日赤のその県の特別会計か。そういうときに、私は非常に苦労したけれども、びた一文も金なんかもらったことはない。大体いまの知事や副知事は、いかなる事情があろうとも、身分上特別職だからいいのだというものの考え方ではいけないと思う。戦前の内務省の官僚の方もおられると思うけれども、戦前の知事は、いろいろな——愛国婦人会からは奥さんがもらう、赤十字からは知事さんがもらう、いろいろなところからもらって、年末には二万円もらえた。それはほんとうかどうかわかりませんよ。いまの金でいえば三百万円、五百万円に相当する金だ。そういうような芽が戦後絶たれた。それがいまもえ出そうとしておることは、これはとてもがまんできない。いまのうちに、自治省断固たる態度で、知事の給料以外のものを——知事なるがゆえにもらっておるもの、そういうものをもらってはいけない、補助金をやっているからもらってはいけないとか、そんな問題じゃない。そんなことを知事や副知事がやるひまなんてないのです。ただ名前があるだけなんです。そういうものから、年末だとか外遊だとかいって金をもらうということは、私はけしからぬと思う。自分のことになりますけれども、私は金をもらったことはない。山形県のいい風習だと思うけれども、長崎県はきっと悪い風習がある。それはいまのうちに始末しておかなければいけない。小さい芽のうちに断っておかなければならない。この問題は非常に重要な問題だと思う。これを契機にして、特別職であるところの知事や副知事、そういうものの身辺をされいにしてもらいたい。そうでなければ、実際地方自治なんというものはだめになりますよ。ほんとうに従来の地方長官とかいうものに対する事大主義がこういうことになっている。私は、この点につきまして、局長や次官のお考え方は少しなまぬるいんじゃないか、それは中央集権的なことはいけないかもしれぬけれども、いろいろな疑惑を持たれるような腐敗をするようなことには、これは断固として、そういう芽は断つべきだと考えますので、ひとつ次官の御答弁を願いたい。
  192. 伊東隆治

    伊東政府委員 華山委員のおっしゃることは、全く同感です。全く、そういう役がちゃんとあるのに、よそからそういう収入をもらうべきでないと、私も切に思います。
  193. 中村重光

    中村(重)委員 実は、先ほど来、委員長お聞きのとおり、質問しましたが、答弁が十分ではございません。また答弁が不十分であるということだけでなくて、事は日赤本社に関係をする問題であるわけでありますから、日赤社長あるいは副社長その他関係者を、次回の委員会において参考人として呼んでいただくことを提案をいたします。  なお、長崎県知事も参考人として要請をしたいのでありますけれども、これは、次に日赤社長等を参考人として呼びまして質疑をいたしました結果、その必要があれば、あらためて提案をしたいと思います。きょうは、保留して、質問を打ち切ります。
  194. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 理事会にはかりましょう。承っておきます。  吉田賢一君。
  195. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 ちょっと簡単にひとつ……。少し方面を変えまして、公共団体とそれから消費者行政の関係について——企画庁、見えていますね。消費者行政は、言うまでもなく、行政の究極の目的の国民生活安定とか向上に一番垣要な関係がございますので、最近、国の政策あるいは行政上重要な地位を占めることになっていることは、申すまでもありません。消費者行政の問題につきましては、臨調が重要な意見を数々出しております。自治省と企画庁は、昨年の八月に各公共団体に対しまして、消費者行政の推進について幾つかの指示を与えておるわけでございます。そこで、この消費者行政の大体のねらい、申すまでもなく、消費者行政は単に消費物価だけでなくて、環境もあるしあるいは生活全般があるし、ないしは精神的な面もあろうかと思いますので、いずれにしましても、何を目標にして行政の推進をせられようとするのか、その点まず聞いておきたい。
  196. 岩田幸基

    ○岩田説明員 お答えいたします。去る八月に出しました通達のねらいでございますが、これは四十年六月に国民生活局ができまして、中央の段階での消費者保護の行政がかなり総合的に進み始めたのでありますが、やはり消費者行政と申しますのは、各省、あるいは県でいいますと各部にわたるものが多いものでありますから、総合的な意味で推進をはかる必要があるという意味で、県の中にも、総合的に消費者行政を推進するような部署あるいは組織というものをつくっていたらどうだろうか、という考え方であります。その場合の大きなねらいは二つございまして、一つはフィードバックと申しますか、住民あるいは消費者の行政に対するいろいろの考え方というものを、できるだけ県行政の中にくみ上げていくということが一つ。もう一つは、いまのような時期に即応いたしまして、やはり経済の近代化、そういうものに消費者の行動がマッチするような消費者の啓発と申しますか、そういうような事業も、県の段階で強力に推進していく必要がある。そういう二つのねらいを持ったものでございます。
  197. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 消費者行政の目標を相当明確なものを打ち出しておきませんと、それぞれ思いつきの自然発生的な、たとえば消費者の意見を聞いて何か企画する、何か課を設ける、係を設けるということに堕す危険があるのではないか。これは行革の意見にも出ておりますように、企画庁でなしに、公正取引委員会におきましても、独禁法とかあるいはその他いろいろな広告、誇大表示等もございますし、建設省においても土地価格に悩んでおりますし、住宅、環境の関係もございますし、あるいはまた厚生省あたりにおきましても、下水とか環境の関係等、そういう辺、総合的に消費者行政の目標がきめられておらぬと——またいま各省で持っております消費者に関係のある行政事項とそれぞれ取り組まれています。農林省は、たとえば生鮮食料品の価格で、中央市場あるいはマーケット等の指導をしている。しかし各省庁の消費者行政がばらばらになっているが、これは全体として総合的な消費者行政であらねばなりません。ですから、あなたのほうが企画するのですから、私は中央における企画官庁というものは、やはりばらばらの個々の指摘をするという意味じゃなしに、総合的な目標をはっきりきめて、そうしてそれぞれの中央官庁の持っております消費者に関連する行政、こういうものにつきましても、やはり地方に対して、具体的な、消費者ないしは消費行政との関連性を総合してつかみ得るような指導をするということが、私は企画の重要な要綱になってくるのじゃないか、こう思います。いま資料によって見ますると、地方の市庁などにも、若干こういった企画で課とか係をつくるようになっているのでありますが、こういうものをばらばらにつくったって効果はありません。思いつきです。ですから、生産者行政は、戦前から長い間すばらしい大きな柱になっております。したがいまして、経済も、もっぱら経済政策は生産者です。しかし今度の長期計画を見ても、経済社会という、社会が入りましたね。社会というのは、かなり広い意味の消費者も入っていると私は思うのであります。経済社会の開発計画というものが進んでいかぬと、車の両輪ですよ。つまりこういう見地から見ましても、消費者行政について、地方の公共団体自治省と組んで、一つ指導をしていこうというような、そういう事態にするには、もっとやはり筋の通った大きなものにしていかぬと、ばらばらになっちゃう。ばらばらになってしまったら、青少年の行政と同じことですよ。見てごらんなさい。ばらばらですよ。各省てんでんばらばら。一たんつかんだら放しやしませんよ。これは官庁の弊害、セクショナリズムは、なかなか放しませんよ、大きくなることは希望するけれども。したがって、また再び行政簡素化を叫ばねばならない。いま出発の際だから、大きくクローズアップしたときですから、臨調もいろいろな機関を設けまして、物価であるとか生活であるとか、いろいろな審議会等々を設けておりますが、こういう際ですから、私はやはり積極的に、構想を新たにして、将来の弊害が起こらぬような企画立案をして、そうして地方に流していく。そうしてこういうものを毎月のごとく、どうしたか、その後検討したかどうか、どういう点を検討したか、そういうものを集めるということを関係行政庁に求める、こういう積極性がないといけません。ただし、それがあなたのほうの業務に属するかどうか、ちょっとまた別です。この点につきましては、そういった総合的な大きな視野から立案し、要綱を示して指導していくということが必要と思うんだが、どうです。
  198. 岩田幸基

    ○岩田説明員 おっしゃるとおりでございまして、いま中央の段階では、経済企画庁の事務次官を会長にいたしまして、消費者行政連絡協議会というものがつくられております。これは課長クラスの会議を毎月一回程度関係各省との間に持ちまして、中央の段階での消費者行政の総合化と申しますか、総合的な調整をやっております。ただ、地方段階——去年の十一月に国民生活審議会の答申もそういうことを述べているわけでございますが、地方段階には、いまおっしゃるように、具体的な行政、政策を中央から流します前に、まずそれを受けとめる組織が去年の段階はほとんどございませんでした。そういう意味で、いまの段階では、まず受けとめる組織をつくるということが重点ではないだろうかという意味で、去年のような通達を出したものでございまして、今後はその組織ができ次第、具体的な行政についての重点を示していきたい、こう思っております。
  199. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 あなたがお帰りになったら、こういう点をやはり企画庁の庁議としてまとめるように、ひとつ努力なさったらいいと思いますね。地方の公共団体が受けとめる機関がない、かまえがない、これは当然なんですよ。一体消費者行政というものの理解、認識が、日本の各公務員にあるんだろうか、こういうことさえ考えられます。したがいまして、私は、こういうことの推進のためには、これは次官に申し上げたいと思うんですが、自治省が一たんこうやって企画庁と組んで、事務次官の通達を全国へ出しちゃった。そうならば、各公共団体に向かって、やはり消費者行政とは何ぞや、こういう点について正確な知識、正確な認識、それは観念論じゃなしに、具体的に、消費者行政は何だということをつかみ得るような指導をやはりせないといくまいと思います。そういうことはやはり地方でやり、中央に叫び、とかなんとか交流いたしまして、ここから出発していきませんと、とてもとてもそれはいけませんです。どこかの企画室でちょっとやるとか、どこかの経済局でちょっと考えるとか、そういうようなことをばらばらにやっておりましたら、消費者行政は推進しませんわ。消費者行政のほうが、これからは生産者行政よりもウエートが大きくなってきますよ。極端に言うなら、人間生活の全部消費者行政につながってきますから、それほどになりますから、私は、やはり自治省はそういうふうな御指導になってはどうか、この点をはっきりひとつ方針を立ててもらいたい。これは希望しておきますから、ぜひ実行してもらいたいのですが、どうでございましょうね。
  200. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 いいでしょう、希望だけで。
  201. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 やってくれますか、どうです。
  202. 伊東隆治

    伊東政府委員 御趣旨に沿って、自治省においてもそのとおりに努力いたします。
  203. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 そこで、私は、一月とか二月目ごとに効果がどうなっておるかということを測定しつつ、次の段階にさらに進出するというような準備をするのが企画の任務であろうと思います。そうしませんと、いつも官庁の事務の机上企画に終わってしまうおそれがございます。そこで、企画庁並びに自治省に向かって、資料としてお出しを願ったらいいと思いますが、御用意がいまないようでございますから、自治省ではどこの所管か存じませんけれども、その自治省の自治文第一二四号、去年の八月二十二日付の事務次官の各知事あての通達ですか、通牒ですね、これの結果、成果、どういうふうになっておるかということを、何らかの方法でもってひとつ御調査願いたいと思います。これはやはり将来の消費者行政を推進するための国会の重要な資料に、私はなるべきものと思いますから、ぜひそれをお願いいたします。同様の事項を、企画庁は、重複することはいかがかと思いますから、その消費者何とか課長会議に御相談なさって、しかるべくこれが推進し得るような資料をお集めになって、これは適当に資料として、当委員会にいずれも御提出を願いたい。委員長、お取り計らい願いたいと思います。これをもって終わります。
  204. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 よろしゅうございますね。  では、次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時五十五分散会