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1967-06-29 第55回国会 衆議院 議院運営委員会 第29号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十二年六月二十九日(木曜日)     午後一時八分開議  出席委員    委員長  坪川 信三君    理事 小平 久雄君 理事 伊能繁次郎君    理事 竹下  登君 理事 田中 六助君    理事 中嶋 英夫君 理事 安宅 常彦君    理事 池田 禎治君 理事 正木 良明君       小渕 恵三君    加藤 六月君       竹内 黎一君    西岡 武夫君       武藤 嘉文君    勝澤 芳雄君       島口重次郎君    中谷 鉄也君       吉田 之久君  出席国務大臣         国 務 大 臣 木村 俊夫君  出席政府委員         内閣官房長官 亀岡 高夫君  委員外出席者         議     長 石井光次郎君         副  議  長 園田  直君         議     員 田代 文久君         事 務 総 長 久保田義麿君     ————————————— 本日の会議に付した案件  議員請暇の件  本会議における議案趣旨説明聴取の件  未提出内閣提出予定法律案等について、内閣  官房長官質疑  本日の本会議議事等に関する件      ————◇—————
  2. 坪川信三

    坪川委員長 これより会議を開きます。  まず、議員請暇の件についてでありますが、川崎秀二君より、七月二日から本会期中、海外旅行のため請暇申し出があります。  本件は、これを許可すべきものとし、本日の本会議において決定するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 坪川信三

    坪川委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
  4. 坪川信三

    坪川委員長 次に、本会議において趣旨説明を聴取する議案についてでありますが、内閣提出にかかる最低賃金法の一部を改正する法律案及び多賀谷真稔君外十二名提出にかかる最低賃金法案は、いずれも本日の本会議において趣旨説明を聴取し、質疑を行なうこととするに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 坪川信三

    坪川委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  なお、内閣提出にかかる最低賃金法の一部を改正する法律案趣旨説明は、早川労働大臣が行ない、また、多賀谷真稔君外十二名提出にかかる最低賃金法案趣旨説明は、提出者川崎寛治君が行ない、右の趣旨説明に対し、自由民主党増岡博之君及び日本社会党加藤万吉君から質疑の通告があります。  質疑時間は、おのおの十五分程度とするに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 坪川信三

    坪川委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  質疑者要求大臣等は、お手元の印刷物のとおりであります。     —————————————
  7. 坪川信三

    坪川委員長 次に、本日内閣委員会審査を終了した許可認可等整理に関する法律案について、委員長から緊急上程申し出があります。  右案は、本日の本会議緊急上程するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 坪川信三

    坪川委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。     —————————————
  9. 坪川信三

    坪川委員長 次に、本日の本会議議事順序について、事務総長説明を求めます。
  10. 久保田義麿

    久保田事務総長 最初に、議員請暇の件をおはかりいたします。次いで、趣旨説明でございますが、最初に、内閣提出最低賃金法の一部を改正する法律案早川労働大臣が行なわれ、次いで、日本社会党提出最低賃金法案は、日本社会党川崎寛治さんが行ないます。次いで、この二案に対しまして、自由民主党増岡博之さん、日本社会党加藤万吉さんの順序質疑を行ないます。次いで、日程第一に入りまして、臼井沖繩問題等特別委員長が御報告になります。全会一致でございます。次いで、緊急上程でございますが、内閣委員会から上がってまいりました許可認可等整理に関する法律案議題といたしまして、關谷内閣委員長が御報告になります。日本共産党反対でございます。  以上でございます。
  11. 坪川信三

    坪川委員長 それでは、本会議は、午後一時五十分予鈴、午後二時から開会することといたします。     —————————————
  12. 坪川信三

    坪川委員長 次に、次回の本会議の件についてでありますが、次回の本会議は、来たる七月四日火曜日午後二時から開会することといたします。  本日は、本会議散会委員会を再開し、内閣官房長官から未提出法律案について説明を聴取いたしますので、御了承願います。  この際、暫時休憩いたします。    午後一時十二分休憩      ————◇—————    午後三時四十分開議
  13. 坪川信三

    坪川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  御審議を願うに先立ちまして、官房長官よりごあいさつ発言を求めておりますので、これを許します。木村官房長官
  14. 木村俊夫

    木村国務大臣 そのたび内閣官房長官に任命せられました。きわめてふなれでございますが、どうぞよろしくお願いいたします。(拍手
  15. 坪川信三

    坪川委員長 副長官からも発言を求めておりますので、これを許します。亀岡官房長官
  16. 亀岡高夫

    亀岡政府委員 二十三日付で官房長官を拝命いたしました。従前以上の御指導、御援助をお願いいたします。(拍手)     —————————————
  17. 坪川信三

  18. 木村俊夫

    木村国務大臣 お手元にお配りいたしました資料について御説明をいたします。  まず、提出予定が百五十九件でございまして、その中で閣議決定済みが百四十八件でございます。その中で国会提出済みが百四十六件になっておりますが、ただこの中で一件、引揚者等に対する特別交付金の支給に関する法律案、これは本日閣議決定いたしました上、明日国会提出をいたします。成立がそのうち四十五件、余すところの百一件が国会で御審議を願っておるものでございます。したがいまして、国会提出が十三件、明日で十二件でございます。  以上でございます。
  19. 坪川信三

    坪川委員長 質疑申し出があります。これを許します。安宅君。
  20. 安宅常彦

    安宅委員 官防長官説明でよくわかりましたが、本来ならばあしたで会期は終わりになるわけであります。清瀬さんもなくなったことであるし、弔意を表す、こういうこともありまして、あした本会議は事実上開かれないことになるわけですが、いろいろな事情があって私どももあまりわあわあ言わなかった。清瀬さんに弔意を表する問題がなかったならば、会期延長議題が全然議運でも持ち上がらない前に、佐藤総理が、会期最終日、最も重要な日に、いままでの慣例、慣行等から推察をすれば、国会というものはその意味ではいろいろな問題がたんへん起こる日であります。そういうときに南朝鮮のほうに行かれる、こういう計画を先立って立てられておって、既定の事実として押しつけようとしておる。こういうことは許すべからざることであると私どもは思っております。こういうことは一体官房長官として、あなたが就任前にきまったことだから知らないと言われればそれまでの話かもしれませんが、政府国会というものをどういうふうに考えておるのか、非常に私は疑念を抱かざるを得ないわけであります。大体国会は、政府のいろいろなそういう院の承諾を得なければならない問題について院が上位にあって、政府に対して、いま重要な時期だからそういうことをしないように、こういうのが私は正しい国会の運営だと思うのですが、そうではなくて、現在の情勢というものはすべてがそれに反し、国会軽視の徴候があらわれておるわけです。こういうことにからめて、総理韓国訪問、こういう問題について会期延長も何も議題になっていない前から計画を立てるなんということは、大体おかしいことでないのか、おかしいことであるのか、この辺をはっきりしてもらわなければならない。これが第一点。  第二番目の問題は、法律案の出し方です。たとえば消費者の人々なんかの意見を聞いてみますと、再販売価格維持行為規制に関する法律案、これはたいへんな期待です。この法律案の内容は必ずしも万全じゃありませんけれども、いま再販売価格の問題ではいろいろな問題がある。新宿の通りを皆さん通ってごらんなさい。店に町販売価格の問題について書いてわざわざ客を集めておる店さえあるのは御承知のとおりです。こういう時期に政府政府提案としてこの法律案を出してくるのですから——これはわれわれも出してくるだろうと思っておった。ところが、業者や独占メーカーや、そういうところから圧力がかけられて、この法律案は日の目を見ないのではないかというので陳情が私どもに多く来ております。これは、その立場立場によって問題のある法律案もありますから強くは言いませんけれども、こういうように国会会期中に出すことができなくて、この予定表を見ますと七月上旬とか中旬なんというのがあります。中旬というのはどういう意味ですか。会期は二十一日ですよ。七月の中旬に出したいと思いますということを官房長官がここで説明したらたいへんなことだと思う。中旬だったら一週間くらいしかない。早い話これは通るつもりで出すのかどうか。官房長官はなりたてで、ほんとうはおめでとうございますときのうあたり言ったばかりですが、そんなもの出してきたらほんとうにおめでたい長官だと言われると私は思います。こういう出し方は、政府としては本気で出すのか、冗談で出すのか。冗談で出すんだったら出さないほうがましだ、こういうことをわれわれは怒りをもって感じておる。  この二つについて、まず所見を付いたいと思います。
  21. 木村俊夫

    木村国務大臣 まず、第一点の総理韓国訪問のことでございます。御承知のとおり、韓国大統領就任式でございますので、できれば三十六カ国の元首あるいは準元首と同じように、このおめでたい式に参列したい気打ちを十分持っておりましたが、たまたま会期末に出発しなければならぬという事情がございまして、私どもは慎重にそれを考えまして、新聞発表作については特に注意をしておりました。しかしながら、事外交ルートを通ずる必要もございますから、われわれ事務当局といたしましてはこの準備作業は進めておりましたが、総理訪韓そのもの決定はもちろん政府部内でもいたしません。もっぱら国会での御了解を待ちつつも準備作業を進めておったのでございます。しかしながら、今回、国会側のほうのいろいろ御事情もございまして、訪韓予定を実行することになったわけでございます。決して国会軽視とか、そういう考えはもちろん毛頭ございません。  それから、第二の提出法案でございますが、いま御指摘のような、たとえば再販光価格維持行為規制に関する法律案、これは非常に国民内にも望まれておる法案でございますので、できるだけ早くこれを国会にお出ししたいというので一意準備を進めてまいりましたが、法律案の性質上なかなか各省の調整もはかどらず今日に至りましたことは、まことに申しわけございません。この再販売価格維持行為規制に関する法律案は、いまも法制局審査中でございます。できるだけ早い機会提出をいたしたいと存じておる次第でございます。
  22. 安宅常彦

    安宅委員 長官、何かあなたの顔を見るとあまり言いたくない気もするんだけれども、きょうは言わなきゃならない。それでは、前例として最近大統領就任式総理みずから国会開会中に行ったという例はあるのですか。
  23. 木村俊夫

    木村国務大臣 私の知る限りでは、いままではないと思います。
  24. 安宅常彦

    安宅委員 ケネディさんがなくなったときに池田さんが行った記憶があるのですが、私ちょっと資料を持っておるのですけれど、メキシコ国大統領就任式典に一萬田さんが行ったことがある、大韓民国大統領就任式典大野伴睦さん、チリ国大統領就任式典に小坂さん、メキシコの場合も大統領就任式典福田篤泰君さん、チャーチルさんがなくなったときは岸さん、フィリピンの大統領就任式典には同じく岸さん、コスタリカ共和国大統領就任式典には永田亮一さん、中華民国総統就任式典、これは台湾ですが、岸さん、グアテマラ共和国大統領就任式典には高村さん、ドミニカ共和国大統領就任式典には綾部さん、コロンビア共和国大統領就任式典には篠田弘作さん、ニカラグア共和国大統領就任式典には村上さん。こういうように、大体韓国が大きいとか小さいとかいま言いませんけれども韓国程度の国のとき、あわてて国会会期の一番最後の重要な日だということを知っておりながら、総理みずから国会を投げて行くなんということは、およそわれわれの常識では考えられないことです。しかも問題がある国にです。私どもは黙っていられないというので本会議でもいろいろ御質問いたしましたが、その国交回復のとき、日韓会談のときのことは、皆さん御承知のとおり社会党はそういうやり方については反対だということで態度を表明している。野党第一党の社会党がこれに対してそういう態度をとっておる国です。こういうところに国会がたいヘん重要な最終末の時期だということを知っておりながら、いままでもメキシコとかあるいはチリ、そういうところには総理みずから行ったことはないのに、今度総理韓国に行ったら、わが国総理でなければだめだ、うちも総理でなければだめだ、こういうような例がどんどん出てきて、官房長官たいへんお困りになるんじゃありませんか。そういうことからいって、あなたのいまの答弁では、いままで一度も私の知る限りでは例がございませんという答弁ですが、これはたいへんなことになりはしませんか、どう思いますか。
  25. 木村俊夫

    木村国務大臣 当初の国会会期未に当たりますので、私どももこれについては非常に慎重を期したのでございます。先ほど申し上げましたような理由でぜひこの就任式典に出ていただきたいと私ども考えましてお願いしたことでございます。御了承願います。
  26. 中嶋英夫

    中嶋委員 国連加盟の国、具体的には日本が修交しておる国の数は何カ国くらいですか。正確でなくていいです。
  27. 木村俊夫

    木村国務大臣 ちょっと資料を持っておりませんが、私の不正確な記憶では、大公使を交換しておる国は八十八カ国じゃないかと思います。したがって、修交国は大体その数であると思います。
  28. 中嶋英夫

    中嶋委員 そうすると、そういう国々には大統領もしくは元首がおるわけですね。その就任式は、これは日本では即位みたいなものだろう。それからなくなった場合、任期が四年、五年、六年とか、短いのもあるでしょう。そうすると毎年あるだろうと思うのですね。国会開会中にかかった場合、従来は、国会開会中ですからひとつ代理特派大使を出すということで何ら国内でも疑義もなく、相手方も異議なく通っておったと思います。今度新例を開くことによって、そういうことは外交上のエチケットとしても、国会開会中ですから代理特派大使ということは言い得なくなるんじゃないですか。そういうおそれはありませんか。
  29. 木村俊夫

    木村国務大臣 韓国は特にわが国と最も隣り合わせの国でありますし、また日韓友好条約が結ばれて直後、一年半たった今日、その就任式に出ることはきわめて有意義である、こういうことで総理訪韓をわれわれはお願いしたわけであります。これが必ずしもそういうことの前例にはならないと考えます。
  30. 中嶋英夫

    中嶋委員 その隣邦だということはわかるのですが、韓国の場合は、ソウルまで行ってくる時間は急げば二日か三日で終わるわけですね。ところが、ソビエトだって隣邦なわけです。モスクワまで、いま幾ら飛行機が早くたってそう二日、三日というわけにいかない。ある意味じゃアメリカだって隣邦ですね。一衣帯水、そうすればこれは隣邦と見られる。そういう、国によってはお客に行った以上は早々に帰っては悪いという国柄もあるだろうと思う。だから今回のことは、今後政府佐藤さんからどなたにかわられるかわかりませんが、社会党にかわってきた場合でも、むしろ困るようなことが起きると思うのです。それをあえて押し切るほどの理由が、ただ隣邦だからというようなこと、しかもいま考えてぼくはある意味で勘ぐりでない、当たっておるなと思うのは、今度の韓国の総選挙で一〇〇%以上の投票率というような、およそ考えられないような不正な選挙が行なわれたと報道されております。そういうことで何か政権が少し国民から信頼を失っておるのではないか。日本では投票率が悪くて大騒ぎして、もっと、もっととやっておるのですが、一〇〇%こえたということは、これは明らかな不正選挙ですね。そういうことで政情が動揺しておる。そこへ日本総理大臣大統領就任式あいさつに来たということがささえ、サポーターになるのではないか、てこ入れになるのではないだろうか、こういう判断は私は自然に出てくると思うのです。それの裏打ちをするがごとき訪韓ということは、政府としては非常に重大な問題だと思う。少なくとも私がいま危惧しておるのは、これが新例を初めてお開きになった。しかも官房長官がすすめてやったというのだから、これは行きたいという佐藤総理よりも、これをすすめられたあなたの責任、今後何十年も続くのですからそれに対してどう責任をおとりになるか。あるいは今後積極的に、外国元首就任式とか、そういう事態のときは国会開会中でも行くのが、正しいのだという信念に基づいてやられたのなら、これはまた私は別な考えを持ちますが、その点いかがですか。
  31. 木村俊夫

    木村国務大臣 先ほどおことば韓国選挙の問題、これは韓国の国内問題でございますから、とやかく私どものほうから申すわけにはまいりません。ところで、そういう際に特に総理訪韓を私どもお願いいたしましたのは、むしろ時期的に申しますと、不正選挙ということで学生デモその他が起こる前に私ども総理訪韓をお願いしておりました。むしろ、学生デモが起こりまして、これは韓国の国内問題でございますが、それによって訪韓がはたして安全かどうかということを疑ったような事情でございます。おことばでございますが、その学生デモに関連する不正選挙の問題以前に、私ども訪韓を至当であるという判断をいたしたのであります。
  32. 中嶋英夫

    中嶋委員 非常に重大な発言ですね。私はもっとあとだったと思うのですけれどもね。国会との連絡が不備なのは何か時間が足りないのだなと思ったが、そんな四十日も前からそういう考えがあったなら、まず伺っておくけれども、そのころ議長なり議運委員長なりに内々のお打ち合わせをなさいましたか。御意向を伺っておりましたか。
  33. 木村俊夫

    木村国務大臣 いまおことばのような以前ではございません。学年デモが起こりましたのはつい最近でございます。
  34. 中嶋英夫

    中嶋委員 いつですか。
  35. 木村俊夫

    木村国務大臣 まだ一週間……
  36. 中嶋英夫

    中嶋委員 私は不正選挙の話をしたのです。
  37. 木村俊夫

    木村国務大臣 私どもは、当時は不正選挙の事実は存じませんでした。
  38. 中嶋英夫

    中嶋委員 不正選挙が出てきたのは一カ月以上前でしょう。
  39. 木村俊夫

    木村国務大臣 われわれは事務的には考えておりましたが、何ら総理のお耳にも入れておりません。したがって、総理判断も下されておりませんし、議長さんあるいは副議長さん、国会側連絡するような時期ではございませんでした。
  40. 中嶋英夫

    中嶋委員 ほんとうにおかしいと思うのだね。たとえばきょうセイロンの総理が見えておって、その御接待でちょっとおそくなりそうだから何とかしてもらえぬか、いいか悪いかというようなことをわれわれに相談に見えますね。あるいはたまたま外国からどなたか見えておるときに、その接待関係で、一時間とか三十分国会をおくらせてくれということでわれわれに話があるわけです。一時間や三十分のことで一々了解を求めておる。これは政府国会審議というものの重要性考えてのことだろうと思うし、国会は国権の最高機関だという本質を十分御理解の上でやっておられるのだと思う。何も私らのごとに若い議員了承を得なければ総理の行動がきめられないということではない。国会に対してだと思う。三十分、一時間のことで前もって一々了承を求めておる。それが三日も四日も国を離れるというのに、前もって了解を得ようという努力をしていないということですが、おかしいじゃないですか。
  41. 木村俊夫

    木村国務大臣 もちろん、われわれ事務当局としてはそういう準備を進めておりましたが、先ほど申し上げましたとおり、まだ総理の耳にも入れておりません時期でもあり、当然国会のほうへ御了解を得るような時期ではございませんでした。準備を進めておりましたうちに、外交ルートを通ずる点から、むしろ先方国からある程度漏れてまいりまして新聞等に出たわけでありまして、私どもはなはだ遺憾と思っております。
  42. 中嶋英夫

    中嶋委員 あなたはいま盛んに事務的段階とおっしゃるけれども、その事務的段階においても国会のほうと折衝が必要なんですよ。いま現にそうでしょう。いままでも日常行なっておる。外務大臣がこうこうこういうわけで、特使が帰ってくるので羽田に迎えに行きます、国会に出るのがおそくなりますから、採決の際には政務次官でごかんべん願いたい、だめだと言うと向こうをあきらめてこっちに出ます、というのでは恥をかきますからね。政府が、行くときめた以上、国会の意思でやめさせるというのも悪例を残すことになります。また、行くときまった後に国会で行っちゃいかぬときまって、それでもなお行ったらたいへんな問題になります。そういうために事務的な段階があるのです。そうして、行くという以上は国会で議論がないという見通しの上でやるべきなんですね。これは日常やっているでしょう。羽田空港外務大臣が迎えに行って一時間おそくなることにさえ了解をとっておるのに、総理国会開会中に海外に何日も出るということについて、何で事務的段階了解をとらないのか。私は議長にとは言いませんが、総長なり、実際は議運委員長のほうに、正式段階ではないので内意をあなたのほうから伺っておきたい、やってほしいとかということをするのがあなた方の一つの仕事でしょう。そういう仕事をしないで、行っていらっしゃいとすすめるというのは何ということですか。国会軽視も極たるものではありませんか。なぜすすめる前に聞かないか、すすめる以上、なぜ確信を持って準備をなさらなかったのですか。そういうものを準備をしないですすめるということは、総理をあやまらしめる道です。あなたが就任前、あなたでない長官はおられたが、病気ですから、責任の問題はどうなるかわかりませんけれども、そういうことでは佐藤内閣危うしです。その点について見解があるならば、反論があるならば伺います。弁解ならば開きません。反論があったら伺います。
  43. 木村俊夫

    木村国務大臣 先ほど事務的と申し上げましたのは、政府部内における事務的な問題をお話し申し上げたのであります。政府部内である程度固まったあと国会のほうに事務的連絡を申し上げるのは、これは当然のことでございます。できるだけ早い機会にそういう連絡を申し上げたつもりであります。
  44. 中嶋英夫

    中嶋委員 ぼくは一ぺんも聞きませんよ。議長からも委員長からも相談を受けませんから。やらなかったんじゃないですか。
  45. 安宅常彦

    安宅委員 ことばは悪いが、こそこそやっておったら先方韓国のほうから漏れちゃったので新聞に出た、それでわかっちゃったみたいな話ですね。何もしないということを自分で言ったのと同じじゃないですか。漏れたなんて大体おかしいじゃないですか。
  46. 中嶋英夫

    中嶋委員 反論があるならば伺いますが、反論がなければこれ以上言っても、あした出かけていくわけでしょうから、羽田空港議長が行ってやめさせろというようなことを言っても始まらないし、いまごろ議長にとめてもらうということも議長に対して失礼千万なお願いになるから、次の問題に入ります。反論があるならば伺いますよ。
  47. 坪川信三

    坪川委員長 それじゃ、ないようでございますから……。
  48. 中嶋英夫

    中嶋委員 では伺っておきますが、医師法の一部を改正する法律案の七月上旬というのは、上旬のまた前かあとか、どっちですか。
  49. 木村俊夫

    木村国務大臣 医師法の一部を改正する法律案は、大体現在もう法制局審査を済ましておりますので、おおむね七月四日ごろに閣議決定をいたしたいと思います。
  50. 中嶋英夫

    中嶋委員 これはインターン関係でしょう。ことし全国でインターンがこの問題を取り上げて、たいへんな運動だったですね。大学病院等で患者の予診のカルテをつくるなんということはほとんどインターンがやっておるわけですが、それを拒否したわけですから、からだが悪い人たち、弱り切った人たちが行ってたいへんな迷惑をしております。ところが、これを拒否したインターンが悪いのかというと、拒否するだけの理由があってやったわけです。拒否せざるを得ないようなところに追い込んだいまの制度に問題があるわけです。特に医学関係というのは人命を預かるのですから、相当優秀な人材が集まってくることを期待するわけです。非常にお金がかかるわけですし、年数もかかる。その上にまた収入がないのが何年も続く、こういう状態に置くということで社会問題になっておるわけです。そういう問題こそ急いでやるべきだ。常識では、いまから出してくるのはだめだというときに、すでに出しておった政治資金規正法改正案ですら、最近の委員会審議状態を見ると、いままでの委員会の運営からいくと異常で、社会党があんな質問をやったらたいへんな騒ぎになるような引き延ばしのような運営をしていますね。それすら危ぶまれるときに、そういう喫緊の問題、国民の健康、人命に関することを扱う人々が不安定、しかも不満の極に達しておるという状態のときに、これをこれから出すなんということはあり得ないと思う。いまお話を伺うと、閣議で四日といっても事務的には出してくるのは十日でしょう。そういうときに出してくるのは、重要な問題だから与野党ともどんどんとやって通過さしてもらえるという自信があってのことですか、それとも何か都合があってそうなったのですか。
  51. 安宅常彦

    安宅委員 これは政府で諮問はしたけれども、何かうわさに聞くと、大学教授の部長連中が少し頭がおかしいから、諮問よりもまだ後退する結論が出てきて、政府があわてておるということを聞いておるのです。それでおくれたという話もちょっと私の耳に入っておるのですが、官房はいつ出します。政府は各部局から出てきたら、ああそうですか、七月中旬です、ああそうですか、それだけの任務が官房長官の任務なんですかね。もっと早く出せとかなんとかいうのがあなたの任務だと思うが、これもあわせて答えてください。
  52. 木村俊夫

    木村国務大臣 これは中嶋理事からのお話のとおり、非常に重要な法案でございます。ただ、長い間の制度を廃止するについて、医師会あるいは関係省でいろいろ調整の必要がございます。たいへん時間をかけましたが、私ども出します以上は、自信のある内容でもって国会の御審議を願いたい、こう考えております。
  53. 中嶋英夫

    中嶋委員 与野党一致してすぐに通せるような内容だという裏打ちの見通しがあったわけじゃないのですね。それじゃ、たとえば前もって各党の意見を聞いて——在外資産の場合、引揚者等に対する特別交付金の支給に関する法律案等は、具体的に各党に伺ったわけじゃないけれども、うわさではそう各党とも反対もないようだというような見通しもありますね。これなら通るだろうなということでおそくなったのはわかる。額の問題で難航したけれども、十分やっていただけるのじゃないか、そういうのをつかんでおられるから出したのだと思います。このほかの問題についてもそういう見通しがあるのですか。あるなら別ですよ。三日、四日で通る見通しがあるなら、与野党一致して大賛成だ、歓迎だというのはすぐ通りますよ。そういう見通しがあるのですか、ないのですか。
  54. 木村俊夫

    木村国務大臣 いま申し上げたように、調整しております間に、厚生省におきまして、もちろん与野党の関係の方々にも相当御連絡した上で出すことと私は承っております。
  55. 安宅常彦

    安宅委員 いま私は単なるうわさということで話をしたのですが、うわさじゃないのですよ。このインターンの問題については、政府の諮問案よりまだ悪くなったものを、自信を持って通せるから出します、七月上旬に出します、そういうことはおかしいと思うんだ。政府の諮問案より後退したということをあなたは認めるのですかどうなんですか。
  56. 木村俊夫

    木村国務大臣 先ほど申し上げましたように、七月四日に閣議決定して出したい。内容については私、詳しいことは存じませんが、十分お話のような点を織り込んだ法案と確信をいたしております。
  57. 安宅常彦

    安宅委員 内容もわからないで各党とちゃんとやっておると、そんな答弁するなよ。どっちみち会期まぎわになって——ほんとうは六月三十日までだ。六月以降出したらこんな法案はおシャカだと思っていなければならないのですよ。七月、しかも会期延長になってから出す。いままでもほとんど各国会ごとにこういう事態に官房長官を呼んで、いろいろと問いただしたり、助言をしたりわれわれはやったつもりだが、そう開き直られますと——この印刷物もおかしいんだ。「第五五回国会政府提出法案中未提出法案件名調」、こんなばかなことはないのですよ。「第五五回国会政府提出予定法案中未提出法案件名調」というならわかる。だから予定法案でありましたけれども会期もまぎわになり、意見の調整相ととのわず、やっとこのごろきまった次第でありますから、この際差し控えたい。そして今度の臨時国会なりあるいはまた通常国会なりに出したい、こういうのだったら新官房長官は百点満点ですよ。何だあなたの答弁は。大体これはだれが印刷したのか、こんなばかなことはない。少し考えてこういう場所に出てきてください。
  58. 池田禎治

    池田(禎)委員 官房長官にお尋ねしますが、いま研究中かあるいは提出予定されておる法律案が、たとえば七月に入ってから出すというのは、私はこれは政府の怠慢であって、会期延長をあらかじめ予想して、そしてその上に立って出したと考えられる。これは全く不当である。したがって、この中で最も緊急なもの以外はやはり提出をあらためてするというお考えあるかどうか、このことをお尋ねしたい。
  59. 木村俊夫

    木村国務大臣 政府といたしましては、先ほど安宅理事からも御指摘がありましたが、提出予定法案中の未提出の分につきまして、できるだけすみやかに国会提出いたしまして、できるだけ多くの法案を通していただきたい、これをお願いするのみでございます。
  60. 池田禎治

    池田(禎)委員 それは虫のいい話というものであって、あなた方自身の怠慢であるか、各省の怠慢であるかしらないが、会期中に提出ができないものをできるだけ審議をしてくれ、そういう話はない。現に提出をされておる重要法案を全力を尽くして通過せしめるというならわかる。それはそれでやりたい。そういうことになれば、当然出てくるものは国会軽視ということです。あなた方の行政府だけ都合のいいことをしても通りません。ほおかむりしても、両方いいというが、前とうしろはあいております。そういうようなことはあなた方自身の怠慢です。それはあなたの責任でなくても、あなたは官房長官ならば当然そう言わざるを得ません。そういう立場においてなおかつこれを提出したい、そういうお考えに立つから重要法案も流れたり、未提出法案審議未了になったりすることがある。これはこの際改めるべきである。あなた方、この中でしぼってきて、これだけのものは審議してもらいたい、その他はやむを得ない、しこうしてまだ審議中の可決されておらない重要法案を全力をあげて通す、そういう情熱を傾けなければ、どれが優先するか全くわかりません。これは結局隴を得て蜀を望むようなもので、アブハチとらずになる。要らぬことを言うわけではありませんが、私どもの立場から言うならば、会期延長を見越して七月に提出するというのでは、ほんとう国会を侮辱するもはなはだしいと思う。こういうことは、ただあなたの審議をお願いしますという理由にはならない。たとえばこの中で、これはいろいろの問題があるでしょうが、引揚者等に対する特別交付金の支給の問題は、これは私は、各党ともやはりいろいろの議論があったとしても、熱心に、かつまたこれに対して大いに高い見地から御審議をしていただけるだろうと、これはかってな私どもの推測ですがするのです。他の法案に至っては、重要なるものは少なくとも六月の初めくらいにお出しにならなければならない。この国会は二月に召集されております。それを七月に提出をして通過を期待するなどということは乱暴だ。政府としてはどれだけしぼれるか、この次までに研究して御回答できますか。
  61. 木村俊夫

    木村国務大臣 できるだけいまの御趣旨を体しまして努力いたします。
  62. 池田禎治

    池田(禎)委員 それから、いま社会党のほうからお話しになりました総理大臣韓国訪問について、これはわが党としてはいささか所見を異にいたします。ただ、手続については私は社会党の人々の議論は当然だと思う。むしろ立法府が、国会開会中といえども隣国の大統領就任式典総理大臣が行くべきである、その間くらい待ってやる、こういう取りつけのできるようなはからいをして訪韓されることが、私は総理大臣のためにも、両国のためにもけっこうなことだと思う。したがって、隣国の大統領就任式典に訪問するということは、私はむしろ歓迎する。しかし、それにはそれだけの手続と用意をもって行なって、野党も、はい、行っていらっしゃい。これだけのことをおやりにならなかったということは、政府に大きな手落ちがあったと私は思います。いかがでしょう。
  63. 木村俊夫

    木村国務大臣 われわれ事務出局に手続の粗漏がありましたことはおわびをいたします。ただいまの御趣意、まことにありがたくお礼を申し上げます。
  64. 池田禎治

    池田(禎)委員 この際、またお尋ねをいたしておきます。  国会の終了後というようにわれわれは新聞等を通じて拝承しております総理大臣の南ベトナム訪問、これは国会会期中のことでありませんからここで論議することではなくして、論議すれば外務委員会等の問題に属するかと思いますが、私はこういう私見を持っております。総理大臣が南ベトナムを訪問される、これについては和平についての積極的な一つの行動のあらわれでもある、これも私はすなおに了承をしてもいい。ただ、いま政府国会を通じて論議され、かつまた国際的にも外交上表明されておるものは、すみやかに南北ベトナムの戦争状態の中止、これに対する日本政府日本国は中立の態度をとる、いずれにも偏せずということで、大きくこれは堅持しておるところであります。ところが、総理大臣が南ベトナムを訪問する、一方野党第一党の社会党委員長が北ベトナムを訪問する。いかに日本が中立を装い、南北の和平を熱望するとことばのしにおいて言えども、結論としては国際的にどういうことになるか。日本の二大政党が一は南を訪れ、一は北を訪れる、国論まさに両立する。こういう状態を国際的に見せるということは、日本国の外交にとって、日本国民の堅持するところの東南アジアの和平を願う情熱というものが国際的にどういうふうにとられるだろうか、こういうふうに私には感じられます。したがって、これは社会党委員長に対して私がとやかく言うべきことではありませんが、国会の立場において、行政府を監視する立法府の立場から言うならば、ベトナム訪問については、そういう国論が両立するというようなことを国際間に与えてはいけないという高い見地に立つならば、総理大臣として十分考えられる道があるのではなかろうか。そうすることによって、また野党第一党の委員長考え方もおのずからその中から、国際的な日本の価値をどうするかという問題が、日本国民として、日本の政党として、議会政治家として浮かび上がってくるのではないか、こういうふうに思えてならない。これに対する政府側の見解はいかがでしょうか。また、あなたがそれについて直ちに答え得るだけの立場でないとするならば、総理大臣の南ベトナム訪問については政府としてはさらに考えるというような道はあり得るやいなや、こういうことをこの際お尋ねしておきたい。
  65. 木村俊夫

    木村国務大臣 南ベトナム訪問のことでございますが、これにつきましては、もうすでに国会質疑その他を通じて佐藤総理また三木外務大臣からお答えしておるとおりでございます。いまの御質問に私の口からお答えすることは差し控えたいと思います。ただ、いま申し上げたとおり、南ベトナム訪問については、ぜひ訪問したいという考えはございます。まだ最終的に決定したという段階ではございません。
  66. 池田禎治

    池田(禎)委員 それは、いまあなたに答えろというわけでもありませんが、私の言っておることばの中に、どこかに耳を傾けるものがあるとするならば、私は総理大臣の訪問の成果ということよりも、もっと日本国のとるべき態度について、高い次元の上に立って御判断なさってしかるべきではないでしょうか。こういうことを私は申し上げておる。したがって、これは回答を求めるのではなくて、少なくとも総理大臣にはあなたから、こういうことがあったということは十分お話しになって、そうして十分御研究いただくように私は要望を申し上げておきます。
  67. 中嶋英夫

    中嶋委員 関連して。いま池田さんからおっしゃった未提出法案の問題、これから出します、みなやってくれ、それは立場上そう言わなければならぬだろうが、立場を離れて常識的に考えて、長官も代議士さんであられ、同僚議員であられる立場から、少なくとも二十九日の現段階で、残り二十二日間ですから、なお政府のほうで提出予知が未定とされておるものについては、これもままか何でも通してくれということはおっしゃらぬがろう、こう常識的に考えられるわけですが、池田さんの御質問に関連して、その辺のお答えはしていただかなければならぬ。どうですか、大体無理だと思っておるでしょう。
  68. 木村俊夫

    木村国務大臣 御推察をいただきたいと思います。
  69. 安宅常彦

    安宅委員 最後に、官房長官に言っておきますが、あなたみたいに紋切り型の答弁というのは、まじめな人だからそう言うのかもしれませんけれども、こういう事態になりますと、いま中嶋さんが言われましたが、それに対してあなたは御推察を願いますという答弁でしたが、歴代の官房長官は、大体未定だ、もう終わりになりました、われわれ自信はございませんものもたくさんございますから、院の意向をよく承って何月中にやるとか、そういうことはないようにいたします、こういうのがいままでの大体の答弁だった。あなたは一生懸命がんばっておられるが、事務当局と言うが、あなたは事務当局ではない。この前の国会官房長官は大臣にしてやったんだ。そうしてまじめな人と新聞でほめておったようだが、まじめなんというのは一歩誤れば別の意味にとられますから、これは気をつけたほうがよかろうと思って歴代の官房長官の例を引き出したのですから、私は口が悪いけれども、口の悪い安宅発言でもためになるなと思ったなら、以後そういう態度をおとりになるように勧告といいますか、言っておきます。
  70. 小平久雄

    ○小平(久)委員 法案提出について各党からいろいろ御意見の御発表等もあったわけですが、私は言うまでもなく与党の自民党の立場ですが、しかし一面、党派というものを越えてほんとう国会審議を重んずる、あるいは国会の正常なる運営のために、私は政府側もよほど今後改むべきものは改めてもらう必要があると思う。日ごろから私はそういうふうに痛感いたしておるわけです。  そこで、今回の会期延長も、これは言うまでもなく、原則としては、すでに提出された法案国会における審議の状況にかんがみて会期の延長をしてもらう、しよう、その必要性をわれわれ自身が認めたわけです。そういう立場からいっても、最大限に考慮しても、延長国会になってから法案提出するというようなことは、原則として今後政府も改めなければいかぬ、そういうことをしない。先ほど池田君からでしたか、どなたからでしたかお話がありましたが、緊急やむを得ざるものはこれはいたし方ないでしょう。いかに政府予定した法案だからといって、本来定まっている会期中に法案もできなかったものを、それまでも延長国会にどうしても提案するのだというようなことは、ある意味においては国会審議というものをいたずらに混乱させるいわば種をまくようなものであるから、私は、原則としてはそういうものは今後は十分慎んでもらわなければならないと思う。もちろん形式的に言えば、国会はいつでも開かれるわけですから、政府が提案権を持っておるのですから、それはしようと思えば、してはいけないということは蓄えないかもしれませんが、本来は会期というものはいわば一つの土俵なんですから、その間に提出できなかったものは、いろいろ事情はあろうし、政府も苦心しておることはわかりますが、私はやはり会期中に提出できなかったものは国会に出さないということが原則であるということぐらいは十分御承知だと思うが、今後においてもそういう心がけを政府の各省庁に徹底していただきたい、こういうことをぜひお願い申し上げておきます。  そこで具体的にいえば、はなはだ言いにくいことかもしれぬが、本来ならば明日で終わる国会に、今日なおかつ未提出のものがあしたになると十二件になるというが、その半数が未定だという、いまだに出すか出さぬかわからぬというのはどうかと思う。少なくともきょうここで御説明くださるのには、これらのものはもう出さなければ出さない、出すなら出す、緊急性があるからこれだけはひとつぜひ出したいとか、もう少しはっきりした態度をおきめになって本日この場に臨まれることがきわめて望ましかったことではないか、私は実はこの表を見てそういう感じがしておるわけです。いずれにしても、与党の立場ではありますが、私は国会全体の立場、国会と行政府との立場、そういうことを考えて、先ほど来申しましたように、今後お互い努力を願う、そのことを強く希望いたしておきます。
  71. 正木良明

    ○正木委員 私がお聞きしたいことはそれぞれ皆さん方からお聞きになりました。延長国会になって法案提出ということは、小平先生からとどめのお話がありました。ただ、すでに御存じのように、私のほうでは政治資金規正法の改正案をぜひとも成立させたいということ、それが主たる理由で今度の会期の延長に賛成したといういきさつもあります。この前の趣旨説明質疑に対する総理の御答弁、ああいう席上だからそうなったのかもしれませんが、全く木で鼻をくくったような切り口上で、わが党から、どうしても政府は今国会で成立させる意思があるのかどうかという問いに対して、政府は成立できないようなものは提出しません、提出した以上は成立させるのが当然だというような話がありましたが、それには違いないとは思うけれども、実際の腹として政府は成立させるということをほんとうに願っておるのかどうか、これはどうなんですか。
  72. 木村俊夫

    木村国務大臣 総理答弁でもって御了承願いたいと思います。
  73. 中嶋英夫

    中嶋委員 いま就任早々で、ぼくらが意地悪したくないと思うけれども、そういうのは総理が言って、あなたはもっとこまかく言わなければならぬ。総理よりももっと省略するというのはそれは困るですよ。局長なんかはもう要らなくなってしまう。政治資金規正法の問題は重大だと思うが、これは正木さんの質問と関連するのですが、総理は修正に応じましょうと言ったんですよ。それならば現に審議の促進は院にまかされたことだから、政府がいたずらに早くしてくれとかおそくしてくれというのは議論はある。議論はあるが、実際は、提出された法案については、いまお話があったように、何とかして成立させたい、具体的にはやはり促進するように、促進するように政府当局が走り回っておる。国会の廊下も会館のほうにも走り回っておるのを何べんも見ておる。政治資金規正法についてはそういう動きがない。ほんとうに修正に応ずる気があるならば、どういう修正なら公明党さんはいい、どういう修正なら民社党さんはいい、どういう修正なら社会党さんはいいかと聞く、あるいは自民党に修正の用意があるならばどういう修正があるか、苦しかろうが、むずかしかろうが、みなそれと真剣に取り組んで、何とか一日も早くというのが政府の周辺から出てこなければならぬですよ。ところが、きのうの藤枝自治大臣の答弁などというものは、質問にも質問のしかたもあると思うが、どうもあれでは……。もしどっかテレビ会社にビデオテープでもあるならば、ぜひみんなで拝見したいと思う。まさに政党人なりあるいは議員なりというものな何か軽んずるような態度、必要ないときににやっと笑ってみたり、何かあいまいな言い方をしてみたり、あいまいなものを内包していることを自認しているようなものの言い方がテレビでしばしば出ておりましたよ。そういう状態にあるということは、われわれとしては重大な関心事なんです。また、あなた方が見てそういう関心を各党ともお持ちになるだろうと思う。答弁は控えるべきだと言う。ことばを返せば速記録を見ろということなんです。ふざけてはいけないですよ。速記録を以てわかるならあなた方に来てもらう必要はない。あなたも忙しければこっちも忙しい。ここに来てもらう必要はない。もっとわれわれの質問に対してしっかり答弁をしなさい。
  74. 木村俊夫

    木村国務大臣 国会提出いたしました以上は、もちろん国会の御審議におまかせするよりしかたがございませんが、政府といたしましては、いかなることをもってしても会期内にぜひ成立させていただきたい、こう考えておる次第でございます。
  75. 正木良明

    ○正木委員 そういう努力は今後もなさるということですね。
  76. 木村俊夫

    木村国務大臣 政府といたしましてはあらゆる努力をいたしたいと思います。
  77. 坪川信三

    坪川委員長 それでは、木村内閣官房長官に対する質疑はこの程度といたします。
  78. 坪川信三

    坪川委員長 次に、次回の委員会についてでありますが、次回の委員会は来たる七月四日午前十一時理事会、午後一時から委員会開会いたします。
  79. 安宅常彦

    安宅委員 さっき池田先生からお話があり、それから小平先生からも最終的な発言がありましたが、きょうそういう未定なんということでなくて、未定なんと書いてあるのもそのほかも提出いたしませんということを——もう会期延長はきちっときまっているのですから、七月から会期延長の上俵を増した分だから、これは委員会に毎度というようなことは何も必要ないと思いますけれども議運理事会あたりに……。
  80. 中嶋英夫

    中嶋委員 御推察にまかせると言ったから、質問したのはぼく、答えたのは官房長官、御推察をまかされたのはぼくだから、ぼくはそれぞれの項目を見て、これをあきらめたと推察をしますよ。
  81. 安宅常彦

    安宅委員 それを整理をしてはっきり意思表示をすべきだ、最も近い議運理事会で明確にしてもらいたい、こういうふうに思います。
  82. 加藤六月

    加藤(六)委員 理事会でなく委員会で……。
  83. 坪川信三

    坪川委員長 また現事会で協議いたしまして、委員の御要望を十分そんたくいたしましてきめたい、こう思っております。  本日は、これにて散会いたします。    午後四時四十分散会