○曽祢
委員 外務大臣にきわめて短い時間に来ていただいたので、この制約上関連いたしましての簡単な
質問をいたします。
私はこの
条約はいろいろ重要だと思いますけれ
ども、この
条約の一番重要な
意味は何といっても天体を非軍事化する。残念ながら宇宙全体を非核武装化するということはできなかったけれ
ども、しかし少なくとも地球のまわりを回る軌道に核兵器その他の大量殺戮兵器を載せて、そこから地球に向かっての攻撃をさせない、こういう限定された目的ではあるけれ
ども、その
意味で宇宙の一部の非核武装化ということについての第一歩になるというこのこと、しかもこれが、何といっても部分的核停
条約に続いて米、ソの雪どけの産物としてできた?やはり長い核兵器全体を禁止する
一つのプロセスの中においての歴史的な位置づけはされていいと思うのです。いまも川上
委員が
指摘されていたような、いろいろ不満だらけな点がありますけれ
ども、ただこの国会はこれで終わりになると思うので、ぜひひとつ外務大臣にこれに関連してもう
一つの重要な問題を伺っておきたい。
それは、核拡散防止、核兵器禁止問題について、その後の情勢がどうなったか。つまり核拡散防止問題が五月の休会前には非常に急ピッチでいきそうになった。そこで休会になり、それから再開されるまでには、十八カ国軍縮
委員会で米、ソ案が出て、これでほとんど締め切りになるのじゃないかというので、
日本の外交もこの問題についてはいきさか立ちおくれだったのに、急ピッチで国論に対しても統一を求め、また
各国に対して基本的方向には大体賛成しながら、やはり核保有国だけの御都合で、彼らの有すべき核兵器を縮小し核軍縮をやらせるということについてはそっちおきにして、潜在的核保有国に対するいわゆる核武装しないという約束を取り付ける、加えて核非保有国の平和的
利用についても不平等な制限を課するというような方向がかなりあるので、これに対してわれわれの利益を守るために、ひとつ力一ぱいいろいろな方面に対して、特に米、ソに働きかける、あるいは同じような核潜在保有国の仲間がある程度連係を保つというようなことが行なわれたと思うのです。また三木外務大臣は特にこの問題については、超党派外交ということばがいいか悪いか別として、この問題については少なくとも
日本の各政党の間に大体了解が得られるのではないかというので、この問題について特別に各党との話をし合うというようなことをやられたわけですね。ところがその後いろいろ国際情勢の発展があって、その中には中東の危機とかいろいろありましたが、幸いに一時危ぶまれておったジュネーブの十八カ国軍縮
委員会でこの問題が停滞状態になったことは事実だと思うのです。ところがその間にまた中東戦争みたいな悪い情報があったけれ
ども、また逆にグラスボロ米ソ首脳会談以来、核停
条約に関する米、ソのもう
一つの話し合いができたやに見えて、あるいはまたブランクになるか、第三条については話し合いがついたか、そこら辺のところはわからないけれ
ども、またこの十八ヵ国軍縮
委員会で核停
条約の問題が、米ソの連絡が再びできて推進される情勢になったと思うのです。その間の最近の外交の情勢、グラスボロ
会議についてもいろいろ情報があるだろうと思うし、またジュネーブの軍縮
委員会方面、さらには米、ソその他の
各国との折衝によって最近の核停
条約問題がどうなっているのか、また、それに関連して、特にこれからの問題は何といっても前々から言ってきたことであるけれ
ども、中共の水爆実験成功ということがもたらす核拡散の傾向に対してどういうふうに対処していくか。特に非保有国の安全保障の問題とそれから第三条と言われる平和
利用へのコントロールがどうして不平等性を持たないで済むか。この二点がやはり中心の中心だと思うのです。このことに関連して外務大臣の御意向をあらためてひとつ表明願いたいと思います。