○川上
委員 時間がありませんから、私は外務
大臣にまとめて質問しますから、まとめて答えを願いたい。
三木外務
大臣は、先日の私の質問に対して、国民を惑わすものだ、こう言われたのです。これはちょっと黙っておれないので、特に時間をもらったのです。私が質問したのは、第一にアメリカの戦略爆撃機のB52です。それから第二は、ベトナムに対する膨大な軍需物資を
日本が出しておる。この問題なんです。この私の発言には一定の根拠があるのです。それは去る六月十四日の午後二時ごろ茨城県の航空自衛隊百里基地から黄色と灰色の迷彩を施したB52が飛び立っておる。これを目撃した松原日出夫君が基地司令部に問い合せたところ、基地司令部総務の川里一尉が回答している。この回答は、最初アメリカ兵がいたことは知っておる、機種は知らぬ、こう答えたのですが、すぐ担当者に一尉が聞いて、前はああいうように言いましたが、あれはB52であります。用件はわからないが、用務のためということでありましたと明瞭に答えておる。これは川里一尉です。これを外務
大臣は知っておられると思うのです。このことを私が述べて質問のうちに加えておいた。これを私が質問した。なぜ国民を惑わすと言うのですか。これが一つです。
それから第二の問題。時間がないからまとめます。第二点は、ベトナム侵略戦争に対して
日本が膨大な軍需物資を提供しておる。この私の発言です。ここにベトナムにおける戦争犯罪
調査日本委員会がベトナムへ行きまして、第一次現地
調査をやっておる。それがベトナム民主共和国から持って帰った証拠物の一部があるのです。これなんです。
これはトランジスタラジオです。第二は、ここにありますが、ボールペンです。第三は、ここにあるヘルメットなんです。そこで、このトランジスタラジオ、これはドンホイ市に米軍が投下した軍事
目的の謀略物資、箱の表面にはベトナム字でこういう意味のことが書いてある。皆さんは共産制度のもとでうその
情報ばかり聞かされておる。このラジオで自由諸国の人々がいかに生き生きとした
生活をしておるかを知ってください、そうして南ベトナムとの
連絡の道具として使うてください。これがここに書いてある。これです。これはアメリカの飛行機が投下したものなんです。ここにトランジスタラジオがあるのです。これを見ますと、中身は
——これはごらんくださればいいと思うのですが、乾電池は日立です。それから中の部品もことごとく日立の文字を記入してある。日立製ということは間違いない。これを投下した。いま私の言いましたような宣伝文の
内容をここに書いてある。これはもっと詳しく話したいのですが、時間がないから省きます。
このボールペンです。これは謀略のためにアメリカ軍がハノイの郊外に空から無数にばらまいておる。このボールペンを見ますと、これはトンボじるしです。明らかに
日本製です。しかしこれはわれわれが捏造したものじゃなくて、ここにちゃんとくっついておる。くっつけてばらまいてある。その数は無数です。これは明らかに謀略物資なんです。
それから第三は、これは大事だと思うのですが、これです。これは北爆を行なって落とされた米軍のパイロットがかぶっていたものです。このヘルメットには明らかに
日本製の標記がついておる。これは外務
大臣ごらんになってみるがいい。
日本製の標記ばかりじゃなくて、製造所が書いてある。この製造所は埼玉県の大宮市の新井広武商店であるとはっきり書いてある。この新井商店というのはヘルメット専門の製造所であり、現在施設をどんどん拡張しておるのです。これはもう明らかに
日本製であることは間違いないんです。これはほんの一部です。私は、具体的な
材料でなければ、また外務
大臣はいろいろなうまいことを言われるから実物を持ってきたのですが、これはアメリカのベトナム侵略に
日本が提供しておる軍需物資のほんの一部なんです。(「平和物資だ」と呼ぶ者あり)これが平和物資と言うんなら、こっけいです。これは平和物資でも何でもないんです。これはパイロットがつけておったものである。外務
大臣は、私の質問は国民を惑わすものだ、こう言われましたが、この軍需物資の提供を私は指摘をする。どこが国民を惑わすものですか。外務
大臣は国民を惑わす云々と、こう言われたのですが、これを取り消されるかどうか、おそらく取り消されぬだろう。もし取り消されぬとすれば、これは早合点かどうか知らぬが、このヘルメット、それからこのトランジスタラジオ……。