○
川崎(秀)
委員 私は、いま
日本が
ベトナム問題について大きい動きをしても、それは
アメリカ側に対して相当な効果はあっても、
北ベトナム側にそれほど大きな影響を作用する要素はないと思うのです。ですから、そんないばった高い調子で方々へ呼びかけることはできない。しかし隣に住んでおるものとして、
ベトナムはすぐ隣でもないけれども、
アジアの友邦である。その友邦である南
ベトナムも対敵手としての北
ベトナムもやがては統一された国家にならなければならぬというたてまえからすれば、われわれはもっと身近に問題を
感じて、そして
アメリカに訴えるところのものをもっともっと積極的に、いろいろな知恵と手段と方法を講じてやるべきがいまの
外務大臣のとるべき姿ではないかということを申し上げておるのであります。そんな高ぶった調子で言ったところで、現に昨年私が予算
委員会で指摘をしたように、
ベトナムの特需の動きさえ通産省は把握しておらぬ。そのときはあなた通産大臣であった。しかしけさ取り寄せてみると、昨年よりさらに特需は伸びておる。その特需の内容は次第に兵器的なものに変化しつつあるということが、この分類によってもわかる。金属、機械というものがうんとふえておる。昨年度から見まして、相当なふえ方をしておる。これは
外務省はチェックしていますか。ことしの一月から三月ぐらいの特需の動きはどうですか。——まあよろしいです。非常にふえておる。しかもそれが、佐藤
総理大臣が国会で言明したように、武器の輸出もあり得る。これは主要兵器ではないが、補助兵器を相当に出しておる根拠がある。それは私は悪いとは言わぬ。保守党の代議士として、南
ベトナムの問題に補助をするということは当然でしょう。しかしながらそういうことをやっておって、それならば北
ベトナムに発言力があるか、発言力がない。
アメリカ軍の手助けをしておるというようなことを言われるのが落ちである。一方において、それならば、南
ベトナムや
アメリカ軍に対して十分なる発言をしておるかというと、それもやっておらぬ。それでは
両方から評価がだんだん少なくなっていくのであって、せめて
アメリカに対して
日本の
外務大臣として、むしろ
総理大臣をして発言をせしめるのが当然ではないかというふうに私は
考えるのですが、いままでやってきたことといえば、これは前の
外務大臣の時代でしょう。椎名さんの時代に横山という特使を派遣して、それがパリで遊んでおったというだけの話です。相当研究はしておった。
あとは何もやっておらぬ。それで国会でただ社会党、共産党の諸君が
質問をして、それに受け答えをしておるというだけであって、われわれが今日こういう
質問を展開しようとしておるのも、左翼の方々の御意見は御意見として、自民党の中にも
ほんとうに真剣に平和を追求しておる——これは自民党党員が全部そうだと私は思う。ただ
アメリカとの関係を非常に顧慮して発言が少なくなっておるのだろうと私は思うのですが、遠慮は要る時代ではありません。
世界の人々が、今日は
ベトナムの
和平ということについては九〇%以上の者が
和平を追求をしておるということですから、
アメリカに対して助言、発言をし得る
立場の
日本は、相当に積極的にしていいのではないかというのが私の
考え方です。しかし私はただあなたを責めたり、外務当局を責めるだけでは足りないので、きょうは建設的な発言を
あとで出してみます。こういうことはどうだろうかという……。
その前にもう
一つ聞いておきたいのですが、せっぱ詰まると、
アメリカは
最後には
核兵器を使用する可能性がないとは限らぬと、先月あたりから各種の雑誌、各種の報道に出てきておる。あるいは最近では
アメリカではいろいろな兵器が非常に発達をして、
核兵器まではいかないけれども、それに近い類似の爆弾というものも完成をしておって、聞いてみるところによると、今後の影響があるので最新々の兵器は出さぬで、もう一歩手前の兵器を出しておるということもあるそうですが、しかしこの
核兵器の
攻撃などというものがあったならば、これはまさに第三次
世界大戦への火ぶたを切るわけです。そのときに
日本の外相としては、こういうことが断じてあってはならぬということの
警告は議会でぜひしていただきたいと思いますが、どうでしょうか。