○帆足
委員 そこで簡単に、実は、この問題の第一は人の問題ですが、もうすべての統計学者が、年に二千人今後とも帰るということを立証しておりますから第二に、国際赤十字から手紙が来ておりますし、いままでたびたび、ユダヤ人排撃のように、期限をきめて、そして追い返して圧力を加えるというような行き方は間違っておるということを、たびたび私は手紙でもらいました。大臣は、好意でありますけれ
ども、帆足さんもそういう線で説得して早く帰らせるようにというのは、あれはちょっと失言ですからまずいですけれ
ども、そうじゃなくて、淡々として、帰る者は帰らせよう、こういうふうに御修正願います。帰る人がおるとすると、船が要ります。そこを笛吹さんは責任を感じてください。船なしにこういうことを
発言したら、法務省は恥ずべきものがなければならぬ。これは軽犯罪で直ちに逮捕すべきですが、執行猶予にいたします。香港航路はだめです。船主協会はきょう会合して、あすの
理事会で発表いたします。人をばかにしてくれるなということ。それから第三に、
ソ連大使館からは声明があります。もうついていると思いますが、私は
日ソ協会の専務
理事ですから、話を聞いてきました。そうすると、帰る船はありません。帰る船がないときにどうするか。かりに将来五十人になっても、帰る船がないから、したがって、
三木さんの御心配するという別な
意味で、将来いろんなことが起こるでしょう。病人とかその他の人たちが不安を感じているのです。船もなしにこういうことを言う。穂積君が言う善後措置というのは、常識的な
意味で言っているのであって、いま一区切りの区切りに水をさそうというわけじゃないんです。それを愛知さんが言うたんですから、愛知さんとよく話し合ってください。
それから、時間がありませんから、
最後に、国際赤十字は、これは参考人として、いわゆる保証人として入っているのであって、当事者ではありませんので、日赤と朝赤の
協定は、
協定期間中は
協定を守らねばなりませんが、
協定期間中に重大な変化を加えたり、やめたり、ふやしたり、あるいは減らしたりする事項が起きたら、両者は善意を持って協議するというのが第九条にございます。したがって、第九条によって、
日本赤十字は礼儀正しく相談を始めねばならぬのに、一片の通牒で、手紙を送って、もうやめたという。これを逆に、一片の通牒で、向こうから手紙で来て、帰国船はもう行きませんといったらどういう気持ちがするでしょう。したがって、手続において多少とも礼節を欠いたことを遺憾に思います。国際赤十字ですら、
自分は
協定の当事者ではない、
日本から頼まれてきた、しかし、今後
自分らが
新聞で
承知しているような事情で帰る人がおって、いろいろ妨害があって困るならば、やっぱり今後とも協力してもいいという気持ちを持っておることを皆様にお伝えいたしておきます。国際赤十字ですら、前途を心配してこう言っている。そのお心持ちの清らかなことは、
三木さんのお心持ちが清らかなことと非常に似ているところがあると思って、きょうの答弁を私は非常に明るく拝聴いたしました。
最後に、
委員長の御支援によりまして——帰る人はおる。いま打ち切ってもなお自然発生的に、悪意なしにおる。船はない。二度と、香港航路やナホトカ船、貨物船というような口から出たらめを言うたならば、私は虚偽の事実を流布して人心を惑わすものとして、直ちに指揮権を発動せねばならぬ、国
会議員としての。または弾劾裁判所に訴えて、そういうことを放任するような裁判官は弾劾せねばならぬし、そういう行政官は今後処罰いたすことを主張いたしますから、二度とこういうでたらめを言って、しかもてんとして恥を知らず、いま前のほうを向いている人はみなうつむくのが当然です。うつむいてお聞きなさい。大臣を半年の間だましておったわけです。帰りの船はありません。それをきょう、私にかわって穂積君が心配して言うたわけです。
以上のような次第ですから、さっきそういう区切りが来る前後の適当なチャンスに、人道的な気持ちは失わないんだと言うた尊敬する田川次官、尊敬する
三木外務大臣の
ことばを私は信用いたしまして——前のいきさつはテープレコダーでいずれお知らせいたしますし、速記録に詳しく出ております。もう御答弁をいただかなくてもよいくらい速記録に出ております。その速記録の内容は、厚生省の援護
局長も、小川
局長も知っております。ただ、笛吹さんはかわいらしい人物ですけれ
ども、八年間の帰国事業のうち、やっと一年足らずそれに関係されただけでございますから、人物は秀才でかわいらしいですけれ
ども、無知ということ、事情を知らないということのために多少失敗なさった。したがって、御寛大な御処置をお願いしまして、以上をもって北朝鮮帰国問題は、一応のけじめはあるけれ
ども、人道的考慮というものは
日本政府に残っておるということをもって了解いたしまして、質問にかえる次第でございます。ありがとうございました。