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穗積委員 いま私がなぜこういうことを
質問するかというと、意地悪く資料を出せとかなんとかいうことを言うのではないのです。
高島参事官も
岡田参
事官も知り合いの間柄だし、
両国の
経済的利益、
両国の友好発展のためということでは、皆さんとわれわれとは共通の目的を持っておるわけですから、そういう
意味でお尋ねするのですから、御存じないことは次の答弁に保留していただいてけっこうですけれども、実は、
日ソ間の
経済交流は、現在は量からいくと、私どもの知っているところでは木材が主要第一の地位を占めておるように思いますが、やがてシベリア開発が進み、
日本の重化学工業の生産が非常な飽和点に達してきておる、しかも自由主義諸国との
貿易の協力の反面にひどい競争も始まっておる、そういうふうに見ますと、特にこの
領事条約に関連をして外務省がぜひ検討しておかなければならない点は、
日ソ両国の
経済的利益に合致するものでなければならぬ、そのためには、外務省は、
日本経済を、木材だけを中心にして考えないで、たとえば地下資源、鉱石の問題もありますし、重要な石油の問題もあるわけですね。これらは現在は数字の上ではまだ爆発的な発展をいたしておりませんが、これはおもにわが方の政治的な理由、
経済的な理由によってこれがチェックされておるだけであって、潜在的な発展の可能性というものは非常にあるわけですね、
日本側の重化学工業を中心にして。したがって、シベリア開発の重点がそういうふうに進む。そうなりますと、木材だけでなくて、石油または鉱物それからこちらからは建設資材が大量に出る可能性があるわけです。そういうふうに考えますと、どういたしましても重化学工業中心の東京ないしは東海地区さらに関西
——これで見ますと、札幌よりは新潟または舞鶴、敦賀が非常な
経済的メーンストリートになるべきなんです。これは地理の上から見ましても明らかで、限られた他の条件によってチェックされておる状態の
もとにおけるあれから見ますと、札幌地区の比重が、軽いとは私は言いませんよ。しかし、可能性からいいますと、その点はぜひ検討すべきではないか、こちらが積極的かつ計画的に。一例を申し上げますと、たとえば新潟でございますね。新潟港へなぜ一体、人の出入りあるいは貨物の出入りがいまチェックされておるかといえば、港湾の設備が足りないということでしょう。だから富山の串木にいたしましても、それから関西地区にいたしましても、東海地区にいたしましても、おもに
日本側のそういう特殊な事情によってこれがチェックされておるだけであって、可能性あるいは効率から見ますれば、新潟または舞鶴港というものは、相手はナホトカを窓口といたしましても、これは重要な路線になり得るというふうに私は考えるわけです。そういうふうに外務省としては、領事館設置の第二次、第三次の問題についても、むしろわが方からイニシアチブをとって、わが方の
経済の発展、相互の
交流、そういう点から見て、より便利であり、より効率のあがる地区を相手側の領事館設置の対象に考えるべきでないか。いま田原
委員が
提案されましたオデッサは、これはいささか取引の可能性が、伸び率は必ずしもハバロフスクよりは多いとは言えないわけでしょう。ところがわが方の側から見れば、札幌に次ぐ二次、三次の新たなる領事館開設が、相手側の便利というよりはむしろわが方の便利になり得る場合が多いわけですね。そういう点で私はぜひ検討すべきことは、これは単に外務省だけではできないことでありますから、運輸省または建設省とも緊密な連絡をとり、それから通産省とも
貿易計画、長期の展望の中で、たとえばいま申しました新潟、敦賀というようなものは、あるいは舞鶴、関西、関東の重工業センターにより近くより効率的であるという点ですね。新潟の問題については、全然話はいままで出ませんでしたか、または
日本政府の中であたためられている将来の地点として、お考えになったことはございませんかどうか、それをちょっと伺っておきたいのです。