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1967-07-19 第55回国会 衆議院 科学技術振興対策特別委員会 第24号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十二年七月十九日(水曜日)    午後三時五十一分開議  出席委員    委員長 矢野 絢也君   理事 小宮山重四郎君 理事 齋藤 憲三君    理事 石野 久男君 理事 三木 喜夫君    理事 内海  清君       池田 清志君    岡本  茂君       桂木 鉄夫君    世耕 政隆君       箕輪  登君    石田 宥全君       山内  広君  出席国務大臣         国 務 大 臣 二階 堂進君  出席政府委員         科学技術政務次         官       始関 伊平君         科学技術庁長官         官房長     小林 貞雄君         科学技術庁研究         調整局長    高橋 正春君         科学技術庁原子         力局長     村田  浩君         運輸省船舶局長 芥川 輝孝君  委員外出席者         参  考  人         (日本原子力船         開発事業団理事         長)      石川 一郎君         参  考  人         (日本原子力船         開発事業団専務         理事)     甘利 昂一君     ————————————— 七月十九日  委員松前重義辞任につき、その補欠として石  田宥全君議長指名委員に選任された。 同日  委員石田宥全君辞任につき、その補欠として松  前重義君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  閉会審査に関する件  科学技術振興対策に関する件(原子力船開発及  び農薬残留毒性科学的究明に関する問題)      ————◇—————
  2. 矢野絢也

    矢野委員長 これより会議を開きます。  最初に、閉会審査申し出に関する件についておはかりいたします。  本委員会は、閉会中もなお科学技術振興対策に関する件について調査を行なうため、議長閉会審査申し出をいたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 矢野絢也

    矢野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  次に、委員派遣承認申請の件についておはかりいたします。  閉会審査案件が付託になり、実地調査の必要がある場合には委員派遣を行なうこととし、派遣委員の選定、期間及び派遣地並びに議長に対する承認申請手続等につきましては、あらかじめ委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 矢野絢也

    矢野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。次に、閉会審査のため、委員会において参考人より意見を聴取する必要が生じました際には、参考人出頭を求めることとし、人選その他所要の手続等につきましては、あらかじめ委員長に御一任願っておきたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 矢野絢也

    矢野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。      ————◇—————
  6. 矢野絢也

    矢野委員長 科学技術振興対策に関する件について調査を進めます。  まず、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。  原子力船開発に関する問題調査のため、本日、日本原子力船開発事業団理事長石川一郎君及び日本原子力船開発事業団専務理事甘利昂一君を参考人として意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 矢野絢也

    矢野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。     —————————————
  8. 矢野絢也

    矢野委員長 この際、両参考人に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は御多用のところ、本委員会に御出席くださいまして、まことにありがとうございます。どうかそれぞれの立場から忌憚のない御意見をお述べくださるようお願い申し上げます。  なお、御意見の聴取は、質疑応答の形式で行ないますので、さよう御了承願います。  質疑申し出がありますので、これを許します。内海清君。
  9. 内海清

    内海(清)委員 私は、本日は主として原子力商船開発の問題につきましてお尋ねいたしたいと思います。  その前に一つお尋ねいたしたいと思いますのは、すでに御承知サバンナ号日本寄港の問題であります。  御承知のように、先般アメリカから七月ごろサバンナ号日本寄港させたいという申し入れがございました。これに対しまして、原子力委員会では、安全上から見て拒否する理由がない、大体こういう結論が出たようでございまして、寄港を認める方針が打ち出された。ところが、その後、かなりの時間の経過がございましたけれども政府におきましては、両国間における損害補償の取りきめがないということでこれが拒否されたということがあるわけであります。  これは長官にお尋ねしたいと思いますが、このことは事実でございますか。
  10. 二階堂進

    二階堂国務大臣 おっしゃるとおりであります。
  11. 内海清

    内海(清)委員 そういたしますと、アメリカとの損害補償についての二国間の協定がないということで拒否されたわけでありますが、政府アメリカとそういう問題についていま交渉があるのかないのか、なお今後交渉される用意があるのかないのかその点をお尋ねいたします。
  12. 村田浩

    村田政府委員 原子力船損害賠償に関しまするところの国際約束につきましては、去る二月にアメリカ側からわが国原子力商船サバンナ号寄港させたい、こういう申し入れがございまして、三月に入りましてから安全審査に必要な書類をつくってわが国水域への立ち入り許可申請を出していただきましたが、これとあわせまして、わが国水域への立ち入りについて許可政府として出します際の条件一つであります両国間における損害賠償に関しまする国際約束、これをどうするかということは、外務省を通じましてさっそく交渉を始めたわけであります。  そこで、この交渉につきましては、わが国原子炉等規制法に定むるところ、並びにそれに基づく規則の条項によって定めるところによりまして、立ち入り許可ということは、実際にわが国横浜なり神戸なりという、そういった港に入ります六十日以前にその許可が出されなければ規則上の所定手続が踏み出されないわけでございますので、六月の末ごろを先方は初め申しておりましたが、そういたしますと四月の末ごろまでにはそういった諸般の立ち入り許可についての事務がなされていなければならない、こういうことになるわけであります。そこで三月から四月にかけまして短い期間でございましたが、非常に突っ込んでいろいろと折衝してきたわけでありますが、その結果、四月のぎりぎりの時点に至りまして、それまでの折衝の結果、わが国のほうの原子力損害賠償規制方式がございますが、その方式に定められておる基本原則を盛り込んだ形での国際約束というものが間に合うようにできないということが明らかになりましたので、それで先ほど長官が申されましたように今回はお断わりするというやむなきに至ったわけであります。  それから、この国際約束につきまして、その後でございますが、その後の点につきましては、一応そういう話を先方に申しましたときに、先方はまことに残念である。しかし将来また訪問ということも考えられないわけではないので、追ってまた相談することになろうということでありましたが、その後まだ具体的にそういった点での交渉をあらためて始めたいということが私どものほうにまいっておりませんので、いまの時点におきまして、さらにそれらの交渉が引き続き行なわれておるということではございません。しかしながら、もとよりサバンナ号が将来またわが国寄港したいというような計画が出てまいりますれば、当然それに伴ってアメリカ側と再びその折衝を続けるということになろうと思います。
  13. 内海清

    内海(清)委員 今回の場合は、日本における国内的な手続が時間の制約上むずかしかったということのようでありますが、これは今後申し入れがあった場合には、十分時間の余裕があるならば、これは政府としても寄港許可を与えられる用意があるのかどうか。その点をお伺いしたい。
  14. 村田浩

    村田政府委員 先般アメリカから申し入れがございました際も、こちらからよく説明いたしたのでありますが、わが国で本邦の水域への立ち入り許可並びに寄港の認可を与えますにあたっては、法律並びに規則で定めます所定手続がございますから、この手続はやはり外国原子力商船でございましても守ってもらわないと困ります。そこで手続上の時間的ファクターにつきましては、どうも先方はあまりよくこれを理解しておらなかったように思われるわけです。特に六十日前に立ち入り許可がもらってないと寄港の届け出が出せないというような、これはわが国規則上そうなっているわけでありますが、そういった点に対する理解が十分でなかったように思われます。それで非常に差し迫った形で話の申し入れがございまして、私どもとしても短い期間ではありますけれども、何とか十分合意に達するようにと思って努力したわけでありますが、間に合わなかった。  そこで、今度このような機会がございますときには、これまでの経験も考えまして、先方として日本寄港したいということが出てまいりますならば、なるべく早くそういった折衝に入るようにしていく、こういうことを申してございます。
  15. 内海清

    内海(清)委員 今回の寄港拒否について、アメリカ側と十分なる了解のもとに行なわれておれば、今後においてたいした支障はないだろうというふうに考えるのでありますけれども、御承知のように、日本原子力商船は、いまのタイムスケジュールで申しますと四十六年には完成することになるわけです。ところが、この日本につくります商船は特殊な貨物船である、つまり核燃料物質輸送用貨物船だということになっておるわけです。そういたしますと、この日本商船寄港いたしますのは、大体アメリカあるいはカナダあるいはアフリカ等に限定されてくると思うのです。そういう場合に、アメリカ原子力商船寄港を拒否しておった場合に、もしこれの報復的な手段として日本原子力商船寄港を拒否されるようなことがありますと、今度つくります原子力商船の運営上に重大な影響があるだろうという実は心配もいたしたわけでありますが、そういうことは今後は全然起こらない状態に相なるかどうか、その点を承りたい。
  16. 村田浩

    村田政府委員 まずわが国建造されます第一船につきましては、毎々御説明申し上げておりますように、建造が完成いたしますのは四十六年でございますが、完成いたしますと約二年ぐらいの間は実験航海に充てる計画になっております。そこで特殊貨物船として、たとえばただいま内海先生お話ございましたようなアメリカその他の国に実際に参りますのは、予定どおりまいりまして四十八年の終わりか四十九年ごろと予想されるわけです。  そこで、そもそも原子力船のような商船として国際的に運航することがたてまえでなければおかしい、そうでないと、健全なる発展ということが期待できないわけでありますが、そういったものにつきましては、やはり原子力損害賠償に関する取りきめにつきましても、多国間の条約という形で国際的なルールができることが望ましいわけでありますし、そういう方向への努力が現在でも各国の間でなされておるわけでありますが、四十八、九年までにそのような多国間の条約というものが何とかでき上がっていくのではないか。といいますのは、ただいま御案内のとおりドイツでもすでに具体化しております。最近ではイタリアでもその計画をいたしております。アメリカ原子力商船隊というものを考えております。そういったようなことから、国際条約ができていく機運はこの両三年のうちに急速に高まるのではないかというふうに見ております。そういう国際条約ができますと、ただいまのような二国間協定というようなものは別に必要はないわけでございまして、原子炉等規制法にいうところの国際約束というのは多国間条約で十分カバーされる一わが国が批准した場合のことでございますが一ということになるわけであります。これが最も望まれる、また私どもとして努力しなければならない基本的な方向であろうと思います。  しかしながら、他方、また、原子力船というものが、そうは言いましても、まだ国際的、世界的に一般化していないということから、当面二国間の条約あるいは協定という形でなければ処理できないということも考えておかなければいけませんし、特にサバンナ号というもうでき上がった船がわが国にくる、その可能性はいまのところ非常に乏しいと思いますが、ドイツオットー・ハーン号ができて、かりにわが国にくるというような希望が出ます際には、これはやはり両国間における国際約束という形で処理するほかない。そういったことも考えますと、先ほどのサバンナ号につきましての国際約束というものをできるだけ米国政府とも十分協議しまして、両国の満足のいくような形でつくり上げるように努力しなければならないと思っております。
  17. 内海清

    内海(清)委員 わが国原子力商船ができるのには、まだかなりの日時がある一わけであります。それまでにそういう体制ができていけば問題ないと思います。しかし、特にわが国におきましては、原子力に対しては一つ国民の恐怖症と申しますか、特別な国民感情があるわけでありますので・これらにつきましては、よほど前もって十分なる用意をされなければならぬであろうということを考えるわけであります。したがって、いま聞きましてわかりましたけれども、今回政府がこれを拒否したのにつきましても、あるいは寄港を認めることによって原子力商船建造計画影響があるのではないかという心配がされたのではないかという憶測さえ生まれてきたようであります。したがって、今後の原子力商船の問題につきましても、これらを考えますときに、政府としてはよほど前広にすべての準備をされてかかられないと、不測の状態が起きる場合が心配されると思うのであります。この点につきましては、特にそういう点を要望申し上げておきたいと思います。  次に、大体きょう私の御質問申し上げようと思いますのは、この原子力商船開発の問題につきまして、一つ原子力商船定係港関係と、それからいま一つ舶用炉関係と、もう一つ民間出資金というようなことについてお尋ねしたいと思うのであります。  まず、定係港の問題につきまして、原子力船定係港として横浜市の根岸建設予定地とされたということであります。この根岸を選ばれたということにつきましては、どういうような理由のもとに選ばれたか。もちろん定係港としてのいろいろ条件があると思います。あるいは基準と申しますか、そういうものを考えられてと思いますけれども根岸定係港として選定されたのに対するお考え、さらには将来の問題——高速船あるいは大型船というものは、世界的に見まして、だんだん原子力エンジンに変わっていくであろうということ等から考えまして、定係港の将来性の問題についてもひとつあわせてお伺いいたしたいと思います。
  18. 村田浩

    村田政府委員 原子力第一船の定係港をどこにするかということにつきましては、かねて原子力船開発事業団のほうで御検討いただき、全国二十カ所余りの地点をお調べいただいた結果、ただいまお話ございました横浜根岸湾埋め立て地区定係港として最も適当しておる、こういう御判断が出たわけでございまして、目下その線で地元のほうともいろいろ折衝していただいているわけであります。  そこで、この定係港として備うべき条件といいましょうか、どういうところが定係港として適当しておるか、こういった点につきましては、もちろん第一に安全の確保の問題がございますが、その他、定係港としての機能を果たす上に望ましい条件がそろっておることがございます。たとえば定係港では、原子力第一船の燃料を取りかえるという必要が生じますときには、ここで取りかえて新しい燃料を積み込むわけでございますので、そういったような施設をつくり、あるいは作業をする、そういったようなことがやりやすい場所、あるいは船の運航に関連しましての種々の便益がある。それは、たとえば航行援助設備が整っておる、あるいは、この船はかなり水深が深いものでありますので、そういった必要な水深が十分確保できる、こういった運航上の便宜ということがもう一つございます。  そういったような点をいろいろ検討いたしまして、この横浜地区が最も望ましいということになったわけでございますが、その条件の具体的なことにつきましては、事業団のほうから専務理事もお見えになっておりますので、そちらから御答弁いただくほうがよろしいかと思います。
  19. 甘利昂一

    甘利参考人 条件につきましては、いま村田局長からお話のありましたとおりですが、そのほかに、原子力商船はやはり最高の造船なり炉の技術を要しますので、その付近にやはり相当有力なる造船所なりそういうものがなくちゃならぬ、そういうふうなこと。あるいはそこの港に入るために、狭水道があってはいけないとか、いろんな条件をたしか二十数条件あげまして、それでいろいろ選定して、横浜が最も適当であるというふうに決定と申しますか、候補地としてあげたわけであります。  なお、第一船のみに使う考えではありません。第一船はもちろんでありますが、第一船のみならず、ここ十数年内にできるであろうと思われるような原子力商船運航のいろんな便宜上も考えて、たとえばいま予想されるのでは高速コンテナ船というふうなもの、重量トンで二、三万トンになるかと思いますが、そういうものの廃棄物の陸揚げとか、そういういろいろなものにも使えるということも考慮してきめたわけでございます。
  20. 内海清

    内海(清)委員 横浜根岸定係港として最適であるという御判断を下されたということであれます。しかしこの問題につきましては、やはり私ども最初に申しましたような、日本国民感情として原子力に対しましては非常な一つの不安を持っておる。したがって、これが定係港を決定するにあたりましては、よほど周到な準備でかからなければ、特に地元住民納得がなかなか得られないのではなかろうかというようなことを考えるのであります。先般、当委員会でも、この問題につきましてはいろいろ論議がかわされたようでございます。私不幸にして、よう出てまいりませんで、その点は十分承っておりませんけれども、今日横浜市におきましても、やはりかなり根強い反対の問題があるようでございます。これらにつきましてどういうふうにお考えになっておるか。反対理由に対して十分なる資料をもってこれが説得に当たっておられるのかどうか。反対理由はどういうものであるかということと、それに対する皆さん方説得される態度についてお伺いいたしたいと思います。
  21. 甘利昂一

    甘利参考人 いまお話しのように、地元民あるいは市当局——これは市有地でございますので市当局、あるいは市会の方、あるいは財界の方、そういう方に対して昨年の八月から——ちょうと八月末ごろに事業団としては正式の申し入れ横浜にいたしましたので、それ以来ずっと続けてまいっております。それについて特に皆さんからの質問は、やはりいまおっしゃったように、何か原子力と申しますと爆発しないかとか、あるいはそういうふうな安全の問題に関するものが一つございます。これらについては、各方面でいろいろ資料を十分整えまして御説明したところでは、皆さん十分納得していただいたと思っております。  それからもう一つは、その土地埋め立て地であって、そこに相当のいろいろな企業の申し込みがある。われわれが申し入れいたしましたときにはそうなかったのでありますし、特にわれわれの申し込みました地点についてはなかったのでありますが、その後いろいろ出てきたように承っておりますが、その土地の利用についての経済性の問題が出てまいりました。たとえば、そこに中小企業の誘致をするほうがいいか、あるいは原子力船サービスサイトとして第一船並びに今後の原子力商船基地として使うのがいいかというふうな経済性の問題でありますが、これは判断もなかなか困難でありまして、意見の分かれるところでありますが、われわれとしましては、将来の原子力船発展状況、特に長期計画におきますわが国原子力商船の今後の進展状況及び諸外国商船進展状況等を勘案いたしました長期計画によりましても、相当数のものが今後十年あるいは十五年内に来るというようなことから考えますと、こういうサービスサイトがあることは、やはりそういう船が入ってくる際に非常に好都合である、また、そういうサイトがなければ、船外にいろいろな、希釈した放射能を持ったものを捨てるような懸念も出てまいりますので、そういう点で長期的に考えれば、あの土地原子力船基地に利用するほうが経済的ではないかというふうな議論をいたしまして、過去一年近くにわたりまして各方面にいろいろ説得してまいりました。  われわれの接した範囲では、皆さんお話を聞かれた方は十分納得していただいたと思いますが、ただ一般市民の方には、いままであまりそういう機会がございませんでした。むしろ財界の方あるいは市会方等を通じて皆さんにいろいろあっせんしていただいて、市民の方に集まってもらって、そとでいろいろ御説明をするというような機会を設けてもらって、いままでやってきております。
  22. 内海清

    内海(清)委員 きょうは原子力委員会のほうの御出席も要求しておいたはずなんですけれども、お出ましになっておりませんが、この船の安全性については、もちろん委員会で十分検討されておる問題だと思うのです。ただ、根岸定係港となった場合に、その港に原子力商船をつなぐということについて全く安全であるという点、これらについてそこの地元住民の方に対する十分なるPRが足らぬのではないかと思うのであります。  さらにいま一つは、いまお話ございましたけれども、何と申しますか、社会評価と申しますか、とのソーシャルコストといいますか、こういうものについてもっと精密な将来の見通し等によって十分これが解明され、住民納得を得られなければならぬと私は思うのであります。もちろん、これらにつきましても、横浜港におきまして今度埋め立てる近くのほうにあるいは中央市場を置きだいとかいうふうな問題もございましょうし、いろいろな問題があると思うのであります。さらにここには七十トンでございますか、大きなクレーンなどもできるので、原子力商船のない場合には非常な重量物の荷役のできるという状態にも私はなると思うのであります。そういうふうな観点から考えまして、もっと地元納得のいくような、このために将来はこういう経済性も生まれてくるのじゃないかというふうな問題も、精密な検討のもとに十分地元方々納得するような説得が今日まで行なわれていないのじゃないかというふうに私は考えるのであります。この定係港が決定しませんというと、今度の原子力商船建造についていろんな支障が起こることは、これは当然であります。したがいまして、この問題につきましては、十分ひとつそれらの点を考えられて、早急にきめられなければならぬと思いますが、この地元住民方々納得を得るようなPRと申しますか、この説得に今後どういうふうな形で当たられるつもりであるか、この点を重ねてお伺いいたしたい。
  23. 甘利昂一

    甘利参考人 先ほど申しましたいろんな機能のほかに、そこにはしょっちゅう第一船が着いておりますので、第二船以降のいろんな船員の訓練をするためにシミュレーターもそこに置きますし、あるいはそこにいろんな博物館のようなもの、あるいは原子炉格納容器実物大のものを置くとか、そういうことにして一つ原子力船あるいは原子力科学技術センターというふうなこともあわせ考えまして、そういうお話もしております。また、先ほどお話し青果市場とか、そういうものに対しても十分関係者にその安全性を説明いたしております。ですから、われわれとしても、将来その土地が第一船及び原子力船以外にもいろんな面で利用でき、むしろ今後の横浜市民の方あるいはその付近の方々原子力の教育と申しますか、知識の普及に役立つようにするということで、いろいろ具体的の例をあげまして御説明しておりますが、今後ともそういうことを一そう徹底して皆さんの了解を得たい、こういうように心得ております。
  24. 内海清

    内海(清)委員 事業団におきましてもいろいろその点について御苦労になっておると思いまするけれども、この点はただ単に事業団の問題のみでないと思うので、科学技術庁におかれましても、政務次官あたりも横浜に出向かれていろいろ折衝もあったようでございまするけれども、もっと科学技術庁自身が積極的に事業団と組んで、この問題の解決に当たられる要があると思うんです。いまここに定係港を設けようということできまって、その方向にいっておられるようでありますけれども、これがきまるまでにつきましては、いろいろな問題も考えられると思うのであります。たとえば外国ではやはり一つ造船所のドックなどを使っておるところがきわめて多いのであります。ここには船会社もあるわけであります。それらの問題もあわせて考えらるべきであった。あるいは考えられたかもしれませんが、いまはこの埋め立てで、そうしてここにつくるということになっておるのであります。今日までの決定の過程におきましても、私どもはこの間、長官御存じのような動力炉と核燃料開発事業団のできるときに、いろいろ論議がありましたが、原子力船事業団ができるときには、われわれは、政府が十分自信を持ってすべてのことが進められる事業団ができるということで、その当時は事業団のつくられることに対してはあまり深い検討をせなかった。その結果が原子力船建造の遅延となり、また、こういうような問題にもひっかかってきておるわけであります。はなはだ遺憾に思うのであります。しかしこれはもう事業団ができて発足をしておるのでありますから、それが最も効率的に所期の目的が達せられるような進み方をしていただかなければならぬと思うのであります。それらにつきまして、ひとつ大臣の御所見を伺い失い。
  25. 二階堂進

    二階堂国務大臣 この原子力関係の施設、船等に関する国民の理解を深めるためのいろんなPR等の仕事を積極的に私もやる必要があるのではないかと、これは現在痛切に私も考えております。横浜サイトの問題にいたしましても、原子力船事業団のほうにおかれまして、いろんな団体を通じ、あるいは組合を通じ、あるいは首脳部の方々に接触されまして、そして市民の理解と協力を求めるようにいろいろ努力をして今日に至っておられますが、まだ市民方々の一致した協力を得られるに至っておりません。私は非常に遺憾に存じておりますが、単に横浜サイトの問題のみならず、その他原子力関係の施設等に関する国民の理解を求めていくという仕事は、私は役所といたしましても、行政庁といたしましても、これは当然つとめなければならないことだと考えております。ただ、その際忘れてはならないことは、あくまでもこの原子力関係開発は平和利用に限るということであります。と同時に、また安全を第一とするということは忘れてはならないことでございまして、それにつきましては、政府といたしましてもその原則を守り、また施設等につきましては、どこから見ても十分に安全の確保ができるという措置を強力に推し進めると同時に、先ほど申し上げましたような、こういう施設がわが国の産業経済の発展上に持つ意義、あるいは国民生活の将来の向上に対する意義というものも含めて、ひとついろいろお話を申し上げて理解を深めるような施策というものを、単にこの事業団のみならず、あるいは出先の県とかあるいは市町村におまかせするということでなくして、やはり行政庁としても今後そういう仕事に積極的に努力をしていく必要があろうかと思っておりますので、私はそういう考え方で今後努力を重ねてまいりたいと思っております。
  26. 内海清

    内海(清)委員 先ほどちょっと申しましたが、この定係港につきましては、諸外国におきましてはやはり造船所のドックなども利用しておるのがきわめて多いということであります。これはおそらく私は、今度の定係港設定までに論議されたことだと思うのでありますが、船舶局長がおいでになっておりますので、そういうことが日本の今後の造船業に影響があって、そういうことが実現せなかったのかどうか、そこらの様子を、私わかりませんので、一応お聞かせ願いたいと思うのであります。
  27. 芥川輝孝

    ○芥川政府委員 ただいまのお話は、造船所原子力船を艤装する所要設備を持つ点に関することであると存じますが、御承知のとおり、原子力船は世界的に見ましてもごく少数でございまして、ただいま開発段階にあると思います。そこで日本造船所も、一般商船につきましては相当技術が進んでおりますけれども原子力船は何ぶんにも開発のものでございまして、そこでこれに必要な設備を造船所の中にみずからの投資によってやるというところまでは踏み切っておらない状況でございます。
  28. 内海清

    内海(清)委員 日本造船所においては、まだそこまで踏み切っていないということでございますが、これは、将来を考えますときには、造船業に非常に大きな関係のある問題です。したがって、造船所としても、将来を考えるならば、そこまでの一応の踏み切りがあり、将来を見越しての考え方が当然あるべきだと思うのでありますが、それらにつきましてはどういうふうな状態にいままでなってきたのか、全然話がなかったのか、そういうことを考えたけれども、いまお話しのようなことで実現しなかったのかどうか、重ねてお聞きします。
  29. 芥川輝孝

    ○芥川政府委員 将来の問題につきましては、いずれは原子力機関が一般化すると存じますけれども、どういうものにこれが一般化するか、その辺がまだはっきりしないわけでございます。先だっての原子力開発利用長期計画におきましては、さしあたり大型タンカーあるいは高速コンテナ船に使われるというふうに伺っておりますけれども、しかしそれを受けまして、ただいま造船所がそれに対する考慮を払いながら、現在の設備投資をするという段階ではないわけでございます。と申しますのは、どの程度の大きな原子力機関が必要になるのか、また、その大きさによりましては相当大設備が要るということになりますと、現状ではまだ踏み切れない状況にあるわけでございます。
  30. 内海清

    内海(清)委員 これは過ぎ去ったことでございまして、すでにサービスサイトを一応事業団なり科学技術庁でおきめになって、これを設定するために御努力になっておるところでございますが、今後そういうふうな面も十分ひとつあわせてお考えいただかなければならぬのじゃなかろうかというふうな気がいたすのであります。  そこで、これは長官にひとつお尋ねいたしますが、この定係港建設予定地、いま根岸になっておるわけであります。これはいよいよ最終的にはいつまでにおきめになるつもりなのか、この点をお伺いいたします。
  31. 二階堂進

    二階堂国務大臣 御承知のとおり、これはもう建造計画が立てられましてから、二、三年もたって、ようやく四十二年度において建造に必要な予算が認められたわけでございますので、できるだけ早く私はこの船の建造契約もできるようにいたさなければならないと思っておりますが、この建造計画許可にあたりましては、基地がきまるということも一つ条件になっておりまして、したがってこの基地も、私はそういつまでも待つわけにもまいらないと思っております。事業団のほうでも、せっかく横浜の市長あるいは市の議会あるいは商工団体等にいろいろお話をされまして、できるだけ早くこれが解決できるようにせっかく努力中であります。先日政務次官も向こうにおいでいただきまして、側面的にいろいろとお話もしてもらっておるようなわけでございますからして、私もできるだけ早い機会にひとつ結論を出したい、こういうふうに考えております。
  32. 内海清

    内海(清)委員 できるだけ早い機会に越したことはございません。いまの状況で見通しが立たないのかもしれませんけれども、これは事業団にお伺いいたしますが、もし四十二年度中にこの定係港が決定されない場合に、原子力船建造タイムスケジュールというものはどうなりますか。その点を事業団のほうにお伺いいたしたいと思います。
  33. 甘利昂一

    甘利参考人 私たちとしては先ほど長官のおっしゃったように、できるだけ早目にこの決定をいたしたいと思っておりますが、もしそれが四十二年度中にできないということになりますと、相当影響するところが大きいと思います。すでに予算もきまっておりますし、設計はもちろんできて、契約及び仕様書もできて、もう数日中にわれわれとしては仕上げるつもりでおりますので、基地ができないということになると、それらのものがずっと延びてまいりますし、非常に困難な状況に達しますので、できるだけわれわれとしてはこの際努力して早く基地をきめるようにしたい、こういうふうに考えております。
  34. 内海清

    内海(清)委員 どうも皆さんお話を承りますというと、今後に対する確信が薄いように思われるのであります。こういう状態ではまた、それでなくても二年ほど建造が延びた原子力商船であります。定係港が決定できなければ、これは商船をつくるのに支障がある。したがって、このタイムスケジュールもはっきりしてこないということではどうもわれわれますます不安を感じるわけであります。この状態でいくならば、はたしていつできるかという気がいたすのであります。それらの点につきましてもう少し明確な御答弁をいただきたいと思いますが、それは無理でございますか。
  35. 二階堂進

    二階堂国務大臣 おっしゃるとおり、もしこの船の建造ができないという事態になりますと、これは私も非常に影響するところが大きいと考えております。したがって、先ほどからどうもはっきりしない答弁だとおっしゃいますけれども、できるだけ誠意を尽くして話し合いを進めて、できるだけこの横浜の方が御理解願ってきめていただくようにということで、誠意を尽くして私どもも話をしていただくことにいたしておりますけれども、何と申しましても、これは地元の市議会なり市長のほうでよろしいということがなければ、これは一方的に進めるわけにもいかない。これは今日の民主主義の立場から話を進める上におきましても、そう一方的に話ができないことはもうわかり切っておりますが、そういうことでこれが延びていきまして、本年度ついております建造に関する予算の執行もできないということになると、これはたいへんなことになると思っておりますので、いま手続上、法律上、まあ船の建造はこれはまだこれから三年か四年ぐらいかかるわけですが、この船の建造だけでも何とかできる方法はないか、そうしてまた、時間をかけて地元方々の了解を求めるようにする方法はないものか、一緒にこれがきまらないとこれはたいへんなことになるという、率直に申し上げますと、追い詰められた状態にあるわけであります。でありますから、この船のほうも完成するまでに三、四年かかるわけですから、どうしてもことしじゅうには船は着工をして、そしてサイトの問題はまた別途に話し合いが進められていく方法はないものかどうか、これは法律上にもいろいろな問題があるようであります。そういうことについても、いま事務当局に対しましていろいろ検討を命じておるわけでありますが、なかなかむずかしい問題があるようであります。ほんとうのことを申しますと、非常に心を痛めております。しかし、さればといって私は、この船の建造をことしも来年も延ばすということは非常に残念なことだと思っておりますから、何とかしてひとつ建造に着工できるようにということで努力を今日も重ねておるような状態でございます。
  36. 内海清

    内海(清)委員 定係港がきまらなくても船の建造はやりたいということでございますけれども、船殻の建造というものはたいして時間もかかるものじゃございません。結局炉もできましてこれを艤装するまでの問題であります。だから船だけができましてもこれは何にもならぬわけでありますから、したがって、そういうことから考えますならば、この定係港と並行的に行なわれなければ、予定どおりの建造はできないということになる。四年先にきまったのでは、そのときは完成するときでございますから、それではまたおくれてくるわけであります。この問題は非常に重要な問題でございますが、せっかくいま事業団なりあるいは科学技術庁のほうで全力を注いでこれの設定に努力しておられることでございます。これに期待いたしたいと思いますが、いずれにしても、すでに時間的なあれから申しますならば、決定されなければならぬときに来ておると思います。でありますから、これがおくれればまた船の建造もおくれるということに相なるわけでございますから、この点は今後の経過を見まして、さらにまたお尋ねする機会があるかもしれません。せっかく御努力中でございますので、これに期待いたしまして、この問題は一応打ち切りたいと思います。  次に舶用炉の問題でございます。この問題につきましては、原子力商船建造につきましては、申し上げるまでもございません。この炉の開発が最大の問題であります。これが予定どおりに予定どおりのものができるかできないかということ、これは原子力船開発の成否に関係するわけでございます。私どもが最も関心を持っておる問題でございます。ところが、話によりますと、三菱原子力工業ですか、これに御発注になるわけでありますけれども、この三菱原子力工業はアメリカのウエスチングハウス社と舶用炉に関する技術提携をやるというてとになっておったと思うのでありますが、アメリカからこの技術提携が拒否されたというふうなことも聞いております。御承知のように、日本はあくまでも平和利用であります。原子割の平和利用の三原則によってこの船もつくられるわけであります。これにのっとってつくられるわけでありますが、アメリカにはやはり軍事用というものがございます。そのために軍事の秘密ということでこの提携がむずかしいということを実は聞いておる。この点はいかがでしょうか。
  37. 村田浩

    村田政府委員 三菱原子力工業では、去る昭和三十六年に米国のウエスチングハウス社との間に加圧水型原子炉に関する技術提携を契約を行なっておりまして、その加圧水型原子炉技術提携の中には、陸上にございます原子力発電所用の加圧水型炉ももとよりでございますが、同じく加圧水型に属する舶用炉のことも含まれておる、つまり包括的技術提携の形をとっておるわけであります。したがって、一般的に申しまして、三菱原子力工業は、舶用炉も含め加圧水型動力炉の建造に必要な技術情報をもらっておるわけでございます。そういったものに基づいてただいまの第一船用の舶用炉を設計したわけであります。  ただいまの内海先生から御指摘の点は、そのような設計をしてまいったわけでありますが、さて、それを設計図に従って建造していきまするにあたって、この技術の提供元でありますウエスチングハウス社のほうにいわゆるコンサルタント的な役務をお願いしたい、つまりこちらでやりましたものをレビューし、チェックしてもらう。もともと向こうから材料をもらったものでやっておるわけでございますが、いわば方程式をもらって応用問題を解いておるわけでございますので、その解き方なり答えの出し方につきましてチェックしてもらう、こういうことをしたほうがより確実でございますので、そういったことを三菱原子力工業からウエスチングハウス社にあらためてお願いしておるわけであります。  ところが、舶用炉技術に関連しましては、最近米国政府の方針がだいぶきびしくなりまして、包括提携をいたしておりましても、こと舶用炉に関しての技術情報というものを外に出す場合には、一々米国政府許可をとらなくてはいかぬ、こういう手続になっておりますために、ただいま申しましたような、私どもから見ますと、こちらでつくりましたものを持っていって、これでよろしいでしょうかとチェックしてもらう、必要があれば朱筆を入れてもらうというようなことでお願いしておるわけでありますが、その点につきましてのアメリカ政府許可というのが、どういう理由か詳しくわかりませんが、出ておらない、そういうことにつきましてのお話だと思います。  そこで、この技術提携がないまま設計をしたとか、そういうことではございませんで、技術提携のもとに設計したものを、さらに提供元であるウエスチングハウス社にレビュー・アンド・チェックをしてもらおうと思ったのがまだその契約ができ上がっておらない。その理由米国政府がまだその許可を出しておらない、こういうことになっておるわけでございます。
  38. 内海清

    内海(清)委員 わかりました。まあしかし総合的な提携をいたしておりましても、実際つくる場合、設計してつくっていく場合に図面のチェックというか、これが建造の段階におきましては一番大事なわけですね。これができないということになりますと、そこにはいろいろな問題が起こってくると思うのであります。それはそういうチェックが行なわれなくても、日本技術でもって十分自主的にこれを開発して、短期間の間にやり遂げられるかどうかという問題が起きてくると思う。その点はいかがですか。
  39. 村田浩

    村田政府委員 その点、当然問題があるところでございまして、私ども事業団を通じ、あるいは直接原子力工業と話し合ってまいっておりますが、三菱原子力工業のほうでは、この設計に関しましては自前でこの設計図に基づいてやっていく自信は十分持っておるということを確約いたしております。  さらに、本問題につきまして、原子力委員会原子力船懇談会を設けまして、そこで技術関係の小委員会を設けて、技術面から国産炉の問題をいろいろ御検討いただきました結論も、もちろんウエスチングハウス社によるそのようなレビュー・アンド・チェックということが行なわれることが望ましいわけでありますが、それがなければ国産できないということではないという御結論を得ております。したがいまして、私どもとしてもさらに努力しまして、ウエスチングハウス社のレビュー・アンド・チェックが受けられるようにいたしたいと思っておりますが、かりにこれが受けられない場合でも、十分国産炉の建造は可能であると見ておるのです。ただ、しかし、同時に私どもとしましては、いわゆる念には念を入れるという立場から、ウエスチングハウス社から得た技術をもとにした設計でありますから、ウエスチングのレビュー・アンド・チェックが一番よろしいのでありますけれども、米国には、これ以外の社でいわゆる技術コンサルタント的な会社が幾つかございまして、そういった会社がこれまでいろいろな面で原子炉の設計についてのレビュー・アンド・チェックをやってきた経験がございますので、そういったようなものを利用するということも考えてまいりたいと思っております。
  40. 内海清

    内海(清)委員 ウエスチングハウス社において図面のチェックはできなくても、他の技術コンサルタント的なものがあるから、それによってやろうということでありますが、なお同時に、日本で十分に自主的な開発が短期間に予定どおりのものができるということであればけっこうでありますけれども、この点については、ことばがどうかわかりませんけれども、われわれはなお一つの不安を持つ。同時に、自主開発をするということになった場合にさらに考えられますのは、開発費の問題、これは自主開発をするということになれば当然この問題が付随してくると私は考える。これが付随しなければけっこうでありますけれども、いままでの建造契約、このワク内でそれが十分まかなえるのかどうかということ、たしか三菱はウエスチングハウス社に対しましてこれをチェックしてもらうということで、これが予算にもあったはずだと思うのであります。そういう問題もありますし、これがウエスチングハウス社でチェックされなければ、それは浮くわけであります。これが他の技術のコンサルタントでやっていただけば、またこれも要るでしょう。しかし、それで、なおかつ、そういうものを受けて三菱が開発するといたしましても、この開発費というものが問題になってくるのじゃないかと私は思うのであります。その辺はどういうふうになりますか。
  41. 村田浩

    村田政府委員 私ども承知しておりますところでは、現在三菱原子力工業を中心につくっていただきます原子炉の価格は、約二十六億円でございますが、その価格をもってただいまのようなウエスチングハウスのレビュー・アンド・チェックがございませんでも十分やっていけるというのが、三菱原子力工業の話でございます。二十六億円の中には、ただいま申しましたいわゆるコンサルタント費といたしまして数千万円が含まれております。この数千万円を、もしこのようなコンサルタントが受けられない場合にどういうふうに使っていくかということは今後の折衝の問題でございますが、かりにウエスチングハウス社以外のところのコンサルタントを頼むようになれば、それがまたその方面への利用を考えられるわけだと思いますし、まあ完全に自前の技術でやってもらうということでございますれば、それを補足的な開発費に回すということも考えられようかと思いますが、いずれにしましても、原子力工業としましては、ただいまの予算に盛られております建造費でやっていけるという話でございます。
  42. 内海清

    内海(清)委員 これが契約金の中でまかなわれるということ、これはまことにけっこうだと思います。ただ、こういうふうな自主的に開発するために、そういう契約を受けております一社に対して特別の負担をかけるということはどうかという気がいたすのでありまして、これは同時に、この三原則の一つでありまする公開の原則という、この点から考えても、将来問題がありはせぬかという気がいたすのであります。しかし、契約金の中で十分まかなわれればこれは問題ないかもしれません。これらの点につきましては今後慎重に取り扱っていただきたい。そのために他の付随の問題が起きても困ることだ、かように考えるのであります。  それから次には、この原子力船開発につきましては、民間業界からの要望もきわめて強かったことは事実であります。政府はその要望にこたえて原子力船事業団というものをつくられた。つくりました以上は、政府はもっと開発責任の所在というものを明らかにして、積極的に援助策を打ち出されるべきではないかという気がいたすのであります。この点に関しまする御所見をひとつお伺いいたしたい。
  43. 村田浩

    村田政府委員 原子力第一船は、何と申しましても将来の原子力商船時代に先がけたところの実験船でございますから、したがって、開発的な役割りが大きいわけであります。したがって、そういった開発的なものにつきましては、国が広い視野から、全国的な視野から見まして、その研究開発費を受け持っていくというのが原則であろうと思います。が同時に、この船は将来の原子力第二船、あるいは第三船というものが建造されます際の基本的な重要な経験になり、あるいはデータになるわけでありますので、そういった経験なりデータというものは造船業界あるいは海運界等、関連します産業界もその利益を受けるわけでございます。いわゆる受益者的な要素もあるわけでございます。その受益者的要素をどの程度の比率で見るかということはいろいろ御議論もあるところでございますが、従来、昭和三十八年に原子力船開発事業団をつくりました際に、第一船の船価をきめまして予算を計上しましたときには、民間出資を約四分の一ということにいたしてまいりました。それはいろいろ大蔵当局との折衝の結果でありますが、その受益の程度をどの程度に見るかということの議論の結果がそのような形になったわけであります。今回船価を改定いたしまして、かっまた船種、船型につきましても若干変更しまして、一部用途変更を行なったわけでありますが、そういうことの結果、また民間におきます受益というものがどの程度かということがあるわけでありますが、見方によりましては非商業船である海洋観測船から、とにかく商業船に属すべき特殊貨物船に変えますと、それだけ民間業界としては受益する分もふえるということも言えるかと思うのでありますが、しかしながら、全体の事業費というものが増加しだしております。船価も高くなっております。民間の負担能力ということも考え合わせなくてはいけませんので、ただいまの改定の計画では、総額約百八億円に対して、民間の負担は、内容はいろいろございますが、合計して二十億円ということで、民間側とお話をし、関係省庁ともお話をしましてきめておるわけでございます。
  44. 内海清

    内海(清)委員 政府がどこまで積極的にこれを援助し、うしろだてとなっていくかということは、動力炉・核燃料開発事業団の論議の場合にも強く論議された問題で、やはりこういう新しい開発にあたりましては、国がある程度責任を持ってこれを進めていかなければなかなかむずかしいということ、これはあとからお伺いいたしますが、民間出資にいたしましてもそういうところにいろいろ問題があると思うのであります。そういう点から考えまして、この問題につきましては、今後も不測の事態が起きるかもわかりませんし、政府としても十分お考えいただきたい、こういうふうに考えるのであります。  それから次にお伺いしたいと思いますのは、原研でやりましたJPDR、これを建設いたしましたときに、たしか舶用の研究も行なうということであったと思うのであります。幾らかこの関係から金も出ておると思うのでありますが、現在これはどういうふうになっておりますか。
  45. 村田浩

    村田政府委員 原研のJPDR動力試験炉は、電気出力で一万二千五百キロワット、熱出力で約五万キロワットのものでございますから、その規模からいたしますと、ほぼ舶用炉に近い程度と考えられます。現在第一船の原子炉は熱出力で三万六千キロワットでございますから、大体舶用炉規模と考えてよいかと思います。そこで、この原研にJPDRをつくりますときに、そのときはまだこの第一船計画は具体化しておらなかったわけでありますけれども、将来必ずやわが国原子力船計画が進められることになる。そういった際には、世界的な情勢から見まして、どうしても小型の軽水炉によらざるを得ない。そういう意味で、JPDRが舶用炉開発相当役立つのではないかという考え方があったわけであります。しかしながら、現実には御承知のとおり、この沸騰水型の原子炉は、まだ世界のどこでも舶用炉には使われておりません。同じく軽水炉と申しましても、船は常時動揺するというようなこともありますために、全部いわゆる加圧水型の軽水炉によっているわけであります。その点では、JPDRをつくりますときの見込みは若干はずれたと言わざるを得ないかと思うわけでありますが、にもかかわりませず、やはりわが国で初めてできました軽水型の動力炉でございますので、その動特性あるいは燃料特性、こういったものは、やはり広く言いまして軽水炉の一般的な技術のレベルアップあるいは経験という上に役立ってまいっておると思います。現在このJPDR自体は、むしろ今後国内で多数建設されると思われます沸騰水型原子力発電所の、特に材料、燃料、そういったものを国産化していきますために、このJPDRを使っていわゆる実地試験をやっていくというふうにいたしたい。そのための改造計画を持っておりまして、これには十億円余りを投入する予定でありますが、JPDR2計画というのを本年から着手して進めつつあります。明年あるいは再来年になりますとその改造を終わりまして、そのような実験ができるようになると思います。それは大型の原子力発電所としての沸騰水型炉に対するものでございますから、直接には舶用炉に役立つということではございませんが、間接には十分その知識経験は有用なことになろうと思います。  それからつけ加えさしていただきたいのは、JPDRそのものはそういうことでございますが、これに付設しまして臨界実験装置をつくりました。軽水型の臨界実験装置でございますが、その臨界実験装置は、初めはJPDR用のものをつくったわけでありますが、原子力船開発事業団と原研との共同研究計画としまして、わが国でつくられる原子力第一船の舶用炉を模疑しましたところの臨界実験装置を新たにつくりまして、そうしてこのJPDRに付設して実験を行ないました。これは今回の設計には非常に役立っております。  それから、一般的な言い方になってしまうかと思いますが、軽水型動力炉の運転取り扱いという点につきましては、JPDRの運転要員の中に原子力船関係の将来の乗り組み員の方を入れまして、そうしてそろいった養成訓練に資することを考えております。
  46. 内海清

    内海(清)委員 この原研のJPDRが、初めの予想に反して舶用炉の問題に十分には役立たなかったけれども、関連して、ある程度役立ったということであります。これは私どもは、初めのそういう計画を承っておりましたので、このわが国舶用炉開発ということについて、ここが相当中心的な役割りを果たす場合があるのでなかろうかという期待を持っておりましたけれども、これはある程度はずれたということだと思いますが、いずれにいたしましても、原子力商船建造の成否は炉の問題にかかっておると言っても差しつかえないと思います。いま聞きましても、なお、いろいろ私ども不安を持つ問題もあるわけであります。これらの問題につきましても、今回の特別国会は一応もう終わるわけでありますけれども、随時御報告願って、われわれもその建造開発状態がわかるように、今後ひとつ十分なる御連絡を願いたい。これを強く要望しておきたいと思うのです。  時間がございませんので急ぎますが、次には民間出資の問題について少しお伺いいたしたいと思います。  先ほども二十億という民間出資が一応予定されておるという局長のお話でございました。この民間出資の調達の見通しというものは十分立ちましたわけでございますか。これは事業団のほうか、科学技術庁のほうか、どちらか存じませんけれども、お聞かせいただきたいと思います。
  47. 村田浩

    村田政府委員 昨年の当委員会におきまして、たしか内海先生からも民間出資についての御質問があったと思うのでありますが、従来原子力船開発事業団に対する民間出資、全体の二割五分というようなことがたいへん問題になってまいりまして、そのために若干ごたごたもあった経緯がございます。そこで今回船価を改定し、事業資金所要量につきましても改めました機会に、民間出資問題につきましては十分関係者の間で話し合いを煮詰めて、そうして毎年毎年繰り返して問題になるというようなことを避けるべきである。   〔委員長退席、石野委員長代理着席〕 こういうことから、政府の側におきましては、運輸省、それから私どものほう、並びに大蔵省との間で昨年の秋以来数回にわたる会合を持ちまして、この問題だけではございませんが、特に民間出資問題も含めまして考え方を協議してまいりました。他方、民間との間におきましては、それぞれの関連業界につきまして科学技術庁と運輸省当局が、原子力船開発事業団はもとよりでございますが、たびたび会合を開いて、民間出資についての御相談をいたしてまいりました。その結果が、先ほど申し上げましたように、二十億円ということに相なったわけでありますが、これを最終的に予定しますときには、原子力関係の業界につきましては、科学技術庁長官がその代表者に会って御相談の結果まとめられる。他方、造船業界あるいは海運業界につきましては、運輸大臣がそれらの代表者とお会いになって、そして民間出資についての協力の範囲ということをおきめいただいたわけでございまして、私どもとしましては、これまでに支出されました民間出資二億五千万円を含めまして総額二十億円というものが十分確保される見通しがついたと考えております。
  48. 内海清

    内海(清)委員 大体二十億という民間出資が確保されるというお見通しのようでありますが、私どもの聞きますところによりますと、なお多少問題が残っておるというふうな気もいたすのであります。契約者以外の者に対する見返りと申しますか、還元といいますか、そういうふうなものはどういうものになるかということであります。なお、契約者については受益者負担、こういうことがあるように聞くのでありますが、それらについてはどういうふうなことになるのか、あるいは契約者以外の出資者に対する見返りと申しますか、利益の還元と申しますか、そういうふうなものはどういう形になるのだろうかという気がいたすのであります。
  49. 村田浩

    村田政府委員 私、先ほど少し説明が不足いたしましたが、総額二十億円というものの中には、いわゆる出資分としての十五億円と、それから借り入れ金あるいは寄付金という形での五億円と、この両方ございまして、それらを合わせたものが二十億円という話し合いになっております。  そこで、いわゆる出資分というのは十五億円になるわけでありますが、これに対する、出資者の中にもちろん契約者も入っておりますが、それとそうでない他の出資者との間の利益配分のことに関する御質問かと思います。物的なものでない形では、いわゆる原子力船開発を通じまして得られました知識経験というものが事業団に集約されまして、これがわが国全体の造船、海運業界その他関連業界等に還元され、そういう意味での利益ということが一つございますが、物的な問題といたしましては、法律に定めてございますように、第一船ができまして、最後に事業団が解散いたします際に、財産を処分いたした際、残余財産がございましたならば、これは出資額を限度といたしまして、出資の比率に見合ってその残余財産を出資者に還元するということになっております。ただ、その事業団が解散いたしますのはまだ先のことでございますし、その際にこの船をどういうふうに処分するかということにつきましては、海洋観測船を特殊貨物船に改めたということもございまして、必ずしも現段階においてきちっときまっておりません。しかし、そのような残余財産を処分する際には、出資者に対しては当然出資比率に応じた還元を考えるという考え方でたてまえをきめておるわけであります。  なお、業界内における契約者と、それから契約当事者でない者との出資比率等の問題でございますが、これにつきましては、私どもはむしろそれぞれの業界の団体、ここに取りまとめをお願いしておるわけでありまして、その中身については、こちらのほうからこうしてほしいとかいうことはいたしておりません。
  50. 内海清

    内海(清)委員 契約者につきましては、当然一番受益が多いと思います。そういうふうなことで、ここにいろいろな意見が出てくるんだと思うのですが、こういうふうな場合一般的にどう考えるかということでありますが、契約者というものは受益者負担というものを特に負担すべきものであるかどうかという問題であります。これは一般的に、いままでそういうふうな特別な場合にどうなっておるか、何かいままでにそういうふうなことがあるのかないのか、船舶局長はあるいは御存じかもしれませんが、いままでこういうふうなケースはないかもしれませんけれども、もしありましたらひとつそういうふうな点、お聞かせ願いたいと思います。
  51. 芥川輝孝

    ○芥川政府委員 私の記憶では、ただいままでに各社が集まりまして一つのものを共同開発した、しかも一部政府が負担して共同開発したというふうな例は記憶しておらないのでございます。
  52. 内海清

    内海(清)委員 そういうふうな例がございまぜねば、ここに新しい問題が一つ起きるのだと思いますけれども、これは今後の問題もございますので、十分慎重に対処していただきたいというふうな気がいたすのであります。  それから次に、建造契約を行なった場合、特定の業者に対する技術の帰属はないかどうかという点につきまして、何か御所見がありましたら承っておきたいと思います。
  53. 甘利昂一

    甘利参考人 先ほどからいろいろな、有形無形の資産を出資者に返すというお話がありましたが、実際問題として先ほど局長のおっしゃったとおりですが、そのほかに具体的に申しますと、たとえば工業会、そういう団体が技術団を組織して実際その建造の現場を見るとか、あるいはそこの図面を見たりいろいろ批判をしたり質問をするというふうなことをもくろんでおります。これは造船工業会からすでにそういう申し入れがございましたので、ほかのほうでもあるいはそういうものがあるかと思います。それから事業団でこの仕事をやっておりますうちに、建造でもあるいは開発の段階でも、何か特許に関するようなものが、いままでも二、三あります。これは一応事業団と、それから特許を発案した人の共有のような形になって申請いたしておりますが、これはもしそれを実施面で使う人がおれば、業界の方に無料で公開するというふうなことで、いまやっております。
  54. 内海清

    内海(清)委員 そういうふうな問題が当然起こってくると思うのであります。御承知のように原子力の三原則は自主、公開、それから平和ということであります。この公開という基本原則、これと商業秘密ということがあるわけです。これは民間企業におきましては必ず出てくるわけであります。この商業秘密との関連で、公開の基本原則というものをどう確保していくかという問題が私は出てきはせぬかと思うのであります。これはどういうふうにお考えになるか、また、その点について行政指導を考えておられるかどうか、これは事業団の問題になるかもしれませんが、御所見を伺いたいと思います。
  55. 甘利昂一

    甘利参考人 商業上の秘密に関しては、一応公開からはずしております。ただ、どの程度までが商業上の機密であるかどうかということについては、いろいろ問題もあると思いますが、原則としてははずしてあります。具体的になればやはりいろいろ話し合ってできるだけ公開したい、こういうふうに考えております。
  56. 内海清

    内海(清)委員 一応商業秘密ははずしてあるということです。しからば、その商業秘密というのは、いかなる基準によってこれを考えるかということが問題になると思うのです。この点は契約は必ず一社でありますから、それと他の業者との間の問題であります。しかしこういう問題が公正に行なわれなければ、今後こういう新しい開発をしていく上については大きな支障になる。ことに民間出資を要求する場合には、この点はきわめて大事なことだと私は思うのです。商業秘密は公開からはずしてあるということでありますけれども、それがどの範囲できめられるかということが問題だと思うのです。商業上の秘密というのは、それぞれ各企業によって自主的な判断というものがやはり中心になりやすいと思うのです。それに対して事業団としてはっきりそれをチェックして、公正なものができるかどうか。これはもちろん公正な判断に立ってやっていただかなければ問題が起きると思いますが、その点について何か具体的なお考えがございますか。
  57. 甘利昂一

    甘利参考人 いまのところ具体的には考えておりませんが、前々から団内でいろいろその問題については議論をいたしておりますし、たとえば技術提携社の間に結ばれましたノーハウとかいうようなもの、そのノーハウの範囲がどうであるか、これは実際話を聞けばわかりますが、実際その契約文書や何かを見なければ具体的にどの範囲までがノーハウであるかということはわからないと思います。こういう問題については事業団と業者だけではなくて、あるいは第三者を入れまして話し合って、いまおっしゃったような公平の立場から見て、できるだけ公開いたしたいと考えております。今後またいろいろ検討いたしてみます。
  58. 内海清

    内海(清)委員 この問題は非常に新しい開発だけに問題が生まれてくるところだと思うので、これを誤りますと今後に悔いを残す場合が出てくるということを思うのであります。これはひとつあくまでも公平な立場に立って、しかも原子力の三原則の公開の原則というものが侵されないというはつきりした線に立って御判断いただきたい。強く要望申し上げておきたいと思います。  時間がまいりましたのでもう終わりにしたいと思いますが、最後に民間の関連業界、特に五グループと申しますか、一口に言えば原子力産業会議と申し上げたほうがいいかもしれませんが、これに対しまする説得と申しますか、この五グループ傘下の民間各社に対する還元は何であるかということであります。これらの点について、やはり私ども若干の問題があるように聞いております。それに対しましての御所見がございましたらお伺いしておきたいと思います。
  59. 村田浩

    村田政府委員 原子炉に関連しましては、三菱原子力工業が中心となって建造いたすわけでありますが、原子炉の中心部分は別としまして、関連する機器はできるだけ他のグループ、特色のあるものを大いに生かして、そうしてやっていってもらうように指導いたすつもりでございます。
  60. 内海清

    内海(清)委員 この五グループには、いろいろなあれがあるわけであります。したがって、そこらに一応は十分なるこの開発についての援助をするということになっておると思いますけれども、実際の問題になりますならば、さっき申しましたようないろいろな契約者に対する受益者負担であるとか、あるいはその他に対する利益の還元の問題であるとか、いろいろな問題がやはりからむわけであります。したがって、これも最も皆さんの了解する姿で、すべての人が協力できる体制ができなければならぬと思うのであります。この点もひとつ強く要望申し上げておきたいと思います。  時間がまいりましたからやめまするが、いずれにいたしましても、本日承りました問題、時間がございませんで十分掘り下げての議論ができませんが、いずれまた機会があれば、これからだんだん開発の段階に入るわけでありますから、そのつどお伺いもいたしたいと思いますけれども、きょう伺いました範囲では、われわれは安心してこのまま予定どおりに、予定の原子力商船ができるだろうという手放しでの期待はできかねるよろな気持ちがいたします。しかし、せっかくわが国の今日におきまする世界の造船界における立場、海運界の立場から申しまして、どうしても原子力商船建造技術、さらには運航技術というふうなものを一日も早く取得いたしますことが、今後の日本の造船界と海運界の発展の上にきわめて重要な問題である、かように考えております。政府がこの事業団をつくられまして、この建造に踏み切られたのも、またそこにあると考えるのであります。いままでこの事業団はいろいろ曲折がございまして、いままでおくれてまいったのでありますが、今後におきましては、ひとつ十分所期の目的を達成できますように、事業団皆さんはもちろんでございますけれども、科学技術庁におかれましても、これが完成のために全力を尽くしていただきたいと強く要望して終わりたいと思います。
  61. 石野久男

    ○石野委員長代理 この際、この席から一つ、二つ簡単に大臣に質問させていただきます。  先ほど内海さんへの定係港の問題での御答弁の中に、定係港を早くきめなければ原子力船がなかなかできないという事実と、それから横浜地区でいろいろやはり意見があってなかなかきまらないというこの事態の中で、原子力船定係港をすでに当局あるいは事業団の立場では横浜だけしか考えていないようでございますが、別にほかに求めるというようなことは、今日では考えていないのかどうか、この点をちょっと聞かせておいてもらいたいと思います。
  62. 二階堂進

    二階堂国務大臣 先ほどからお話し申し上げておるとおりでございまして、横浜を有力な候補地として事業団のほうでも鋭意いろいろ話を進めておられる段階でございまして、いま直ちに、横浜がだめだからほかのところをさがしますということには、まだ私は考えておりません。先般大出さんの御質問に対してもお答え申し上げましたとおり、誠意を尽くして、各方面意見を聞いて、慎重に対処いたしたい、こういうことも述べておりますので、そういうことでひとつ御了解願いたいと思っております。
  63. 石野久男

    ○石野委員長代理 重ねてお尋ねしますが、なるべく早く定係港をつくらなくちゃなりませんから、その準備は非常に大事だと思います。そういう意味では、やはりすでに予定されているところを進めるという一つの方法もあると思いますが、また他面では、平和に限るという問題に関連して、安全性を確保するということもございます。やはり地域住民のその点を十分考慮しなくてはならないということもございまするから、その地域でもし拒否されるというような形がある場合、これはなかなか予定どおり進まないだろうと思います。そういうことも予想される状態にあるやに私どもは聞いておるわけであります。そういうことを全然無視しては、この定係港の問題は解決しないだろうと思いますが、そういう点はやはり十分配慮してやられるのでしょうね。
  64. 二階堂進

    二階堂国務大臣 先般もお答え申し上げたとおり、私は地元住民の意思を無視して一方的にこういう問題を解決することは好ましいことではない、こういうふうに考えております。
  65. 石野久男

    ○石野委員長代理 両参考人には長時間にわたり、ありがとうございました。     —————————————
  66. 石野久男

    ○石野委員長代理 次に、農薬の残留毒性科学的究明に関する問題について、質疑申し出がございますのでこれを許します。石田宥全君
  67. 石田宥全

    石田(宥)委員 きょうは時間もございませず、ほんの二、三問いたしたいと思うのですが、かねて私から熊本県における水俣病並びに阿賀野川における水銀中毒事件に対する質問書を提出いたしましたところ、政府側から答弁書がまいっておるわけであります。これについては、当委員会を通じましてかなり多くの資料を要求いたしました。資料はほぼそろったようでありますが、ごく最近まで資料が整わないために、ここでこれを究明する機会がなかったふけであります。そこでほんの二、三の点、こ、答弁書について御質問を申し上げたいと思うのであります。  最初に、五ページの(4)に、「当時の科学技術水準をもつてしては病因物質の発生過程等を確定することはできなかった。また患者の発生は昭和三十五年の四名を最後に終熄したものである。」こう答弁書には書いてあるのです。これをよく読んでみると、「当時の科学技術水準をもつてしては」云々、こういうことでありますから、私どもしろうとが考えましても、今日の科学技術水準をもってしてならば、その発生過程を、これは学者にいわせると発生機序というようなことばを使っておりますが、明らかにすることができるのではないか、こう考えるのです。これはひとつ局長から御答弁を願いたい。
  68. 高橋正春

    ○高橋(正)政府委員 発生過程がいわゆる工場の反応系等におきますところの病因物質の発生という意味でございますならば、現在の科学技術をもちましては、これは濃度の高いものでございますから可能でございます。
  69. 石田宥全

    石田(宥)委員 そういたしますと、熊本の場合はあの付近にメチル水銀を放出するような何ものもないわけでありますから、おのずから結論は明らかになると考えるのでありますが、どうですか。
  70. 高橋正春

    ○高橋(正)政府委員 お答えにならないかもしれませんが、水俣病自体の際の研究の評価と申しますか、につきましては、科学技術庁は当時関係いたしておりませんでしたので、推定において申し上げるわけにもいかないと思いますけれども、一般的に申しましては、現在の技術におきましてはそういうことは明定できると思いますが、当時の事情につきましてはつまびらかでございませんので、十分なお答えができないと思います。
  71. 石田宥全

    石田(宥)委員 当時自分が関係してなかったから云々という答弁は、これはすなおに聞けばすなおな答弁のように思えるけれども、一応その程度に承っておきましょう。しかし、これはあとで触れるわけでありますけれども、きのうは御答弁になりませんでしたね。全然御答弁になりませんでしたね。だからこのあとの問題と続けます。  そこで、政府提出の資料の「水俣病」、副題「有機水銀中毒に関する研究」という資料の第七章、三三一ページ、喜田村教授の論文で「水俣湾周辺のヒト・動物・魚介類および海底泥土中の水銀量の証明」、第八章の「有機水銀中毒の実験」、これは三四九ページにあります。伊津野、武内、松本の三人の教授の論文、もう一つは第十章、四一二ページ、「水俣病と公害」、入鹿山且郎教授の執筆によるものでありますが、この三点についても実はきのうは御答弁が全然ございませんでした。きょうは御答弁願えるのですか、どうですか。
  72. 高橋正春

    ○高橋(正)政府委員 昨日は、実は経済企画庁の水資源局長が私どもの代表的な立場で御答弁申し上げたと思いますが、問題は、今回の阿賀野川の水俣病発生の原因究明につきまして、疫学班の御報告の中にもございますように、水俣に際しましてのいろいろな疫学的な研究の結果を援用されまして結論を出しておられるわけでございます。私どもといたしましては、ただいま厚生省のほうの食品衛生調査会でも御調査に相なっておりますとともに、関係各省におきましてはこの資料その他も十分に駆使いたしまして検討はいたしておりますけれども、先ほど申し上げましたとおり、今度の報告がこれの結論をそのまま援用している部分が非常に多いわけでございます。  そこで、ただいまいろいろ各省で検討いたしておりまして、結論を出す前段階におきまして、ここに書いてございます論文その自体の評価を申し上げますことはいささか予断をいたすような結果とも相なると思いまして、企画庁の水資源局長もそのような意味におきまして御答弁申し上げたと思いますけれども、私ども自体といたしましても、内容につきましては検討はいたしておりますし、個人的な意見は私は持っておりますけれども、相なるべくはその点は、ちょうど食品衛生調査会の調査、審議内容につきましても、現在はその過程におきましては発表いたしませんと同様に、行政庁の立場といたしましても検討いたしておるわけでございますので、庁といたしましての評価は御容赦を願えればありがたいと存じております。もちろん十分に検討はいたしております。
  73. 石田宥全

    石田(宥)委員 きのうも経済企画庁の水資源局長は答弁いたしておりませんよ。実はきのうは大臣が出ておらないのです。ですから、私はそのままにしておいた。この政府提出の資料は、これは国際的に学者の中では非常に高く評価されておる。国内では、いわゆる水俣病に対する決定版といわれておる。そこで私は、きのうも申し上げたように、三つの章、七章、八章、十章の中でこれを反論する部分があったならば反論しなさい、否定する部分があったら否定しなさい、こう言ったのだけれども、全く答弁をしなかった。それはどういうわけですか。これは私は、大臣がおれば、きのう全然席を立とうともしなかった態度は許さない。大臣がいないから私はがまんしておった。きょうは大臣がおるのですから、これほどのものを、いま答弁になったような答弁では納得がいかない。だから反論があったら聞こう、否定する部分があったら聞こう、その部分があれば、またそれぞれの学者の意見も聞いてわれわれも究明をしなければならない、こういうことなんです。そこで、それらの事情をもう少し承っておきたいと思うのです。
  74. 高橋正春

    ○高橋(正)政府委員 水資源局長が代表いたしましての形で、私も全く同意見でございましたので、御答弁申し上げなかったのでございますが、先ほど申し上げましたような顧慮があるわけでございます。しかし、先生の御質問がございましたので、反論とか異論とかいう意味合いで私どもは申し上げることではございませんけれども、この中で、私どもが今度の研究の結果と相対的に見ましていろいろと考えなければならないという点だけを検討しておるということだけは一応申し上げられると思います。最初の水銀量の証明につきましては、これはお知りおきのとおり、全水銀をもちまして調査いたしました結果が出ておるわけでございます。メチル水銀の微量定量の問題というものがございますので、この当時は、お知りおきのとおり、全水銀の検討につきましてもジチゾン法のみでやっておるわけでございますが、この放射化分析その他の全水銀の研究もできておりますし、それから今回の私どものお願いしました研究によりまして、いわゆるガスクロマトグラフィーあるいは薄層クロマトグラフィーによりますところの新しい定量方法が喜多村先生以下の御努力でできたわけでございます。そういうときにおきまして、要するに、科学技術的な進歩が、この場合と現在とは違いますので、そういう点で、やはり十分に新しい資料で検討しなければならないという点があると思います。しかし、この時点で、この結果が悪いと言っているわけではございませんけれども……。  それから疫学的な問題につきましては、やはりいろいろ問題があると思いますが、この前のほうの二章でございましたかにも書いてございますように、疫学というものは、一応の伝播の模型を考えまして、その基礎の上に理論の展開を行ないまして、流行の本体をつかむわけでございますが、そのために一応の仮説を立て、そして実証するために発症的な実験室的な研究あるいは野外的な調査でその事実を埋めていくという方法でございます。これはいわゆる学問としての限界はあるかと思いますけれども、疫学は疫学なりにそういうふうな方法をとっておるわけでございます。  ただ、水俣の場合と、それから阿賀野川の場合におきましては、いま申し上げました条件等がやはり違う点があると思いますので、そういう点があるかないかということなども十分に検討いたしたいと思っております。  一言で申し上げますると、これは最初申し上げましたことと少し違背いたしますけれども、この論文は、先生のお示しのとおり、水俣病の研究といたしまして、その当時十分な努力をなさいまして、りっぱなものだということは私どもも認めております。当時と比べて科学技術的な検査方法その他が進歩いたしておりますので、新しい時点で、今度の書いてございまする調査方法自体をまた目標として別個検討しなければならないと思っております。しかし、もう一度これに当てはめまして、この水俣の事態を究明するという意味ではございません。阿賀野川につきましては、ここに記述されておりませんような新しい手法でやられておりますので、そういう点でこれと対比して申し上げることはできない、こういう意味でございます。御了解願います。
  75. 石田宥全

    石田(宥)委員 私も別に対比してこれを議論しておるわけではございません。当時の科学技術の水準と今日の科学技術の水準では大きな差があるから、したがって、私は熊本における水俣事件というものがあいまいのうちに葬り去られてしまって、政府がこれに結論をつけなかったということに対して納得がいかないのです。第十章の入鹿山且郎教授の書いたものによれば、会社もこれを認めておると書いておる。事実、会社はそれを認めて、諸般の補償並びに賠償をやっておるのです。ただ、政府がこれの結論をつけなかったということが、重ねて第二の水俣病を生み、あるいは第三、第四の水俣病が起こるのではないかと考えられる面がある。そこで、今日の時点で、ずっと年月はたっておるけれども、やはり政府の結論がつけらるべきではないか、こう私は考えるのですが、大臣、どうですか。
  76. 二階堂進

    二階堂国務大臣 水俣病のことにつきましては、当時私もいろんなことは聞いておりましたが、科学的にどういう分析が行なわれて、どういう結論が出たのかということについては、私も詳細を承知いたしておりません。ただ、先生がおっしゃいましたとおり、第二の水俣病、阿賀野川水銀事件、またこの次にこういう類似の事件が起こるのではないかという御心配、私はもっともであろうかと思っております。したがいまして、今回の阿賀野川の事件の結論につきましては、予算委員会の席上でも申し上げたとおり、ひとつできるだけ早く、厚生省から出てくる報告書、食品衛生調査——これもできるだけ急いでくれと申しておりますが、なかなかこまかいいろんな検討が必要であるし、いろんなものをさらに分析して検討いたしておるようでございますので、時間がかかるが、七月中には何とか報告ができるということでございます。したがって、科学技術庁といたしましては、その食品衛生調査会の結論を見まして、そして技術的な結論というものをどうしても今回は出しておかなければいけないということを、良心的に私は痛感をいたしておりまして、その結論がどういうことになるかは別といたしまして、こういうことが三たび起こらないようにいたすことは、政府としても当然考えなければならないことだと考えておりますので、以上申し上げましたような誠意ある態度をもって、今回の事件に対する結論は私は見出すべきだと考えております。
  77. 石田宥全

    石田(宥)委員 答弁書の八ページの後段をちょっと見てもらいたいのですが、昭和三十四年工場内に浄化装置を設置したが、その後、患者発生数が漸減し、昭和三十六年に入ってからは全く発病者を見なくなったと、こう書いてありますね。この文章を見ると、工場内で浄化装置をした後は発病者を見なくなったということは、その装置が設置される以前に放流された廃液がこの被害の原因であったと読み取るべきであろうと思うのでありますが、大臣はどうお考えになりますか。
  78. 二階堂進

    二階堂国務大臣 局長からちょっと……。
  79. 高橋正春

    ○高橋(正)政府委員 これは経済企画庁の御意図だと思いますけれども、昨日の御答弁にもございましたように、原因というものは科学的に最終的には、先ほどの第五ページでございますか、あれと同じように、当時の科学技術をもってしてはそこまで究明できなかった。しかし、その点につきましては、補償でございますか、その他の社会的な要件と、それから何と申しますか、そういう新しい措置等を工場側が施したということで、問題といたしましては終了させた、こういうふうに聞いております。
  80. 石田宥全

    石田(宥)委員 いずれこの問題は資料相当ございまして、あらゆる角度からよく検討したいと思います。  きょうは時間の関係もございますので、もう一点だけお伺いをして終わりたいと思うのであります。  先ほど来申し上げておりますように、「熊本大学の水俣病に関する学術的研究の結論は昭和三十九年から四十年にかけて最終的にとりまとめられたものであり」云々と、これも五ページに書いてある。「昭和三十六年頃までに落着をみている等の事情もあって政府の結論とするまでには到らなかった。」こういうんですね。私は、先ほど申し上げたように、それは、熊本大学の水俣病に関するいわゆる定説ともいうべき権威あるものが結論づけられたという前に、政府では——これは直接は科学技術庁に責任ないと逃げられるかもしれない。しかし、政府としては、経済企画庁が担当しておった。経済企画庁が食品衛生調査会の答申を待って、そうして連絡協議会という別のものをつくって、一年間にたった四回会議を開いたまま消えてなくなったんです。こういう無責任なことは私は許されないと思うのです。四十一名の死者を出して、現在なお十九名入院加療中の者があり、五十一名の自宅療養者がおる。同時に、阿賀野川ではやはり五名の死亡者を出し、二十一名の患者がおり、さらに、最近また別の患者が見つかったようでありますが、おそらく千名以上の被害者がおるであろうといわれておる。こういう問題に対して、そういう貴重な資料が整わなかったからといって、これをうやむやに葬り去ったという政府の責任は免れるものではないと思う。  そこで、大臣、一つお聞きしたいのは、こういう事態でありまするだけに、過去のことであるけれども、過去のことは過去のこととして、これは政府の結論とする責任があるのではないか。現在、水俣病の問題は、科学技術庁が一切の取りまとめの立場にあるわけでありますから、あなたの手元で、過去の問題であるけれども、今後の問題、現在の問題につながる問題でありますから、これはやはり国の結論というものをあなたの手元で出すべきであると思うが、どうでしょうか。
  81. 二階堂進

    二階堂国務大臣 私、先ほど申し上げたとおり、水俣病の実態あるいは結論についてはよく承知はいたしておりませんが、今回の事件については、先ほど申し上げたとおり、私は誠意をもって技術的な結論というものを明確にいたしたい、これはまたすべきであると思っております。ただ、その際に、過去において、政府がここで答弁書を出しておりますとおり、これも含めて、また政府政府としての最終的な結論というものを出せ、こういうような御意見でもあろうかと思いますが、これについては、私もここで、そのとおりでございますといって、即座に答弁申し上げるわけにもいかぬと思います。よく慎重に検討いたしてみたいと思います。
  82. 石田宥全

    石田(宥)委員 これで質問は終わりますけれども、いずれ機会を見まして、相当資料がございますので、それに基づいて若干時間をかけて御質問を申し上げたいと思いますし、ただいまの問題は、ひとつ今日の時点において十分検討していただきたい。要望を申し上げて、質問を終わります。
  83. 石野久男

    ○石野委員長代理 次会は、明二十日木曜日午前十時より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。    午後五時五十六分散会