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磯崎説明員 その点につきましては二、三具体的に申し上げてみたいと思っております。
まず、
国鉄共済組合が
職員に
分譲する
目的をもって
土地を買う場合には、三つのルートがございまして、まず
行田の場合のように、
地方自治体あるいは
開発協議会というもの、大体
市長さんが
会長になっておりますが、そこからじかに
分譲していただく場合が
一つ。そういう
自治体の外郭的な協議会的なものと、それから
大宮の場合のように、
自治体、
市長と直接契約する場合。それから三番目に
不動産業者を通じる場合と三つございます。そして
不動産業者を通じる場合のほかに、
純粋地主から直接買う場合もございます。
大船等の場合は
純粋地主から買っております。これはいろいろの場合によりまして――大体
共済組合の
人間はほとんど
事務をとる
人間が大
部分でございまして、実際に現地に行きまして
用地を買うような実務をやるほどの
人間を持っておりませんし、またこれは
法律によりまして
国鉄職員を使っていいということになっておりますけれども、やはり極力小人数でやるのがたてまえだということで、
事務職員しか置いておりませんので、
国鉄当局の手がまだすいておった
時分には、実は私のほうの
施設局と申しますか、
部内の
用地関係者が直接買ったこともございます。しかし三十四、五年からあとは、
輸送力増強工事その他のほうに手がはいりましたので、いま申しましたとおり、
共済組合が
自治体あるいは
自治体の
外郭団体、あるいは
地主、
不動産業者、こういうものからじかに買っておるようなわけでございます。
それから、これを
分譲いたす場合には、まず
組合員として十年以上の在職がなければいけないという
規則をつくっております。もちろん私のほうの
組合には
女性もおりますので、女子の
名前が
登記簿上あると、これは妻の
名義で買ったのではないかということもあったようでございますが、これは
女性といえども私どものほうではりっぱな
組合員でございますので、
女性名義で買うことも当然あるわけでございます。
それからその次に、ほんとうにほかに
住宅を持ってやしないか。真に
住宅があるかどうかということも
条件にしております。これは、とことんまでなかなか家庭のこまかいことはわかりませんが、一応本人の申し出なり周囲のみんなの
意見を聞きまして、そしてあれは確かに家を持ってないというふうなこともおのずからわかりますので、それも
条件にいたしております。
それから、一人一
区画ということ。大体八十坪から百坪くらいを一
区画にいたしております。これは初め百坪でございましたが、これは無理だというので八十坪に下げましたけれども、大体八十坪前後というものが
規則でございます。そして一人一
区画で、ただし、
のり面だとか、あるいはどうしても整地の
関係で三角に残るというようなところもございます。そういう場合には例外的に二
区画合わせて
分譲することもございます。
原則は一人一
区画でございます。
それから、さっき
お話しのいわゆる転売という問題がございます。これは他の公社の
共済組合もそうでございますが、
住宅部の
規程によりまして、一応
所有権は
譲渡契約と同時に
組合員に移ります。しかしながら
代金の完済までは、直ちに
国鉄共済組合が第一順位の
抵当権を設定いたします。その
抵当権は当然
登記面にあらわれますので、
代金を完済しない以上、
売買ができないのは当然でございます。また、たとえ
売買しようと思っても、
抵当権者の
承認がなければできませんので、実際には
売買が行なわれないわけでございます。したがいまして問題になりますのは、何かの都合で金を――
原則は十八年間の
年賦払いでございます。したがってほとんどの
人間がこの
年賦償還、それで足りない
部分は
退職金でもって払うというたてまえになっております。しかしながら中には金があって、その以前に完済する者もございます。
我孫子につきましては、三百六十八件
分譲をいたしました。そのうち、現時点におきまして、二十件が他の
所有者の
名義になっております。これを多少こまかく申し上げますと、このうち三件は
共有地と申しまして、約三百坪の
土地を
緑地帯としてとっておくということで、
自治会長の
名義で
登記をしておるのでございます。しかし、その後実際に住んでみますと、非常に道路が悪くて、とても
砂利ではだめだ、
舗装しなければいかぬ。ところが
舗装費が、みんなで分担するのにはあまりに大き過ぎる。それではやむを得ない、
緑地帯にすべき三百坪を売って
簡易舗装と申しますか、
砂利でない
舗装に変えようということを
全員でもって協議いたしまして、そうしてその三百坪の
土地を売却いたしました。したがってこれは
自治会長の
名義から、三人か四人の他の人の
名義にかわっておるわけでございますが、これはそういう意味でやむを得ない理由だったというふうに
考えております。
それからその次は、死亡あるいは病気、貧困等の非常に個人的な
事情のために、一応は完済したけれども、どうしても持ち切れなくなったという場合も現にございます。こういう場合もやむを得なかったのではないかというふうに思います。
それからさらに、その二十件の中で二人だけ、現職でもって
代金を完済いたしまして売却いたしておる事実がございます。この点につきましては、いま詳しく本人に
事情を聞いておりますが、これはもちろん
幹部ではございませんが、投機の
目的とは本人は申しませんが、それほど重大なことではなかったというようなことで、転売と申しますか、完済してから売ったわけでございますが、この点は非常に申しわけなかったと言っております。しかし、この点については、現職の
人間が完済後売却した、
自分が住まないで売却したということは、はなはだ遺憾なことで、今後その点につきまして――完済いたしますと完全に
所有権が移転いたしますので、
法律的にこれをチェックすることはできませんけれども、やはり道徳的な規定として、誓約書か何かとる
方法を
考えて、約四百件近いうちのわずか二件でございますが、そういう
誤解を生じないように、この点は
事務的にきちっとしていきたいというふうに
考えております。
それ以前に、実は
土地を買ったら二年以内に家をつくらなければいけないという規定がございます。しかしこれは
運営審議会におきましても議論をいたしまして、
土地を買って二年以内に家をつくるということは、
条件としては少し過酷過ぎるということで、家を建てなければいけないという
条件だけはとりました。あとはいま申しますとおり、非常に厳重にやっておるつもりでございますが、たまたま三百六十八件のうち二件だけ、現職の者が
代金を完済いたしましたあとで他に売却をしたということは、たいへん遺憾なことだというふうに
考えております。
それからもう一点、
国鉄共済組合から
不動産業者にじかに
登記されておる
場所が、三カ所くらい
我孫子にございます。これは
我孫子の団地の中で、すでに
不動産業者が所有しておった
土地が点々としてございます。それをどうしても売りません。かといって、ぽつぽつあるところを残して宅地を造成したのでは、非常に造成がはかばかしくない。きちっと造成できないということで、しからば
土地造成後に同じ価格の面積、すなわち現物、当然現物になりますが、等価でもって
土地を評価する、そうして交換しようということで、たしか四件ほど、直接
国鉄共済組合から
不動産業者に
登記がされているのでございます。そういう場合には、
不動産業者から
国鉄共済組合に移転
登記いたしまして、
国鉄共済組合からその
不動産業者に、違った
場所を移転
登記するということで、これが四件ほどございます。これはやはり、もとの
土地の
所有者で、どうしても売らないということで、やむを得ず
国鉄共済組合から、価格において損失のないような
方法でもって具体的な
土地を交換したという形になっておるわけであります。それらが、
登記簿上から見ますと、
国鉄共済組合が
不動産業者にじかに売ったようにあらわれるわけです、移転
登記といたしましては。しかしそれは、違った
土地でもってその
不動産業者が
国鉄共済組合に移転
登記している、そうして、造成価格を含めまして、減歩した面積で新しい
土地をやる、こういうことでございますので、
登記簿上だけではわかりませんが、そのいきさつは
部内的に非常にはっきりいたしております。それらにつきまして、
登記簿だけ見て
誤解される向きもあったかと思いますが、その点につきましては十分取り調べましたところ、疑義がない、こういうふうに私は
考えております。