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神門委員 今度の
趣旨説明の
船員局から出された中に、千人率というのが出て図表になっておるのですが、先ほど申しました、
海上保安庁が出しました「
海上保安の現況」、その中を見ますと、いまの死亡率は七〇%だけれ
ども、海難によるところの被災率というのは二・六%
程度であって、全体のウエートとしては低いというふうに言われておりますが、保安庁のほうから見た「人のみの海難の事故種類別発生の
状況」、こういう中に非常に特徴的なものがあるのです。先ほ
ども労働省のほうから、転落の問題についてはいろいろ配慮しているというふうなことがありましたが、主要な事項として海中転落というのが非常に多いんですね。その海中転落者の七一%に当たる二百五十五人が漁
船員であることが注目される、こういうことを言っているのです。さらに海中転落が発生した際の
漁船の動態について見ると、いろいろのものがあって漁労中の事故がその半数を占めている。その
原因としては、自己の不注意、安全管理の不適切あるいは過飲酒等によるものが大部分を占めている。海中転落を
防止するための
対策として、操業時の適切な安全管理云々というふうな
労務管理なり
安全衛生上の問題が保安庁からきびしく
指摘されているのです。この辺について、先ほ
ども大臣のほうから
説明をいただいたわけですが、やはり海難を起こさないような物的な面の
対策、さらに起きた
あとの救援とか、いろいろ保安庁がやる。しかしその海難等が起こる
原因というものは、それを操縦する人によって起こる。そうすると、そこに
労働災害的な
原因がやはり問題になってくるのじゃないか。これをいみじくも保安庁のほうがいっているのだろうと思う。こういう白書的なものが出される中にあって、たとえば転落
一つ見てもどういうふうになされておるのか。救急艇というふうなものやら救命胴衣の着装整備、こういうふうなものも、事故を起こしてみるとそうない。あるいは有効な救命器具の開発というものがない、こういうことを書いている。先ほ
ども私が質問いたしましたように、ただ
船舶所有者の
自覚を促すのだというふうな精神主義的な面に依拠する一面も、それは大事なんだが、もう少し
行政官庁としての
行政責任を果たした上で、やはりそういう
船舶所有者の
責任を重く見、またある
程度きびしく取り締まっていく、こういうものがなくちゃならぬと思うのです。ところが、この
実態の中からはそういう点が非常になおざりにされている、置き去りにされているということが出ておるのです。そういうふうな点については一体どういうことなのか。同じ
行政官庁から出されたものに、こういう批判がある。これはどういうことなのか。先ほ
ども有機的な
連携がなされているとおっしゃったのですが、その辺はどういうふうに保安庁とあなたのほうとは話をされておるのか。
さらに、この海難の面から事故を見ますと、自殺が四十一年度で七十五人、そのうち六十名が死んでいるのです。ところが、乗船者の
船員その他を含める自殺は四十四名で三十四名が死んでいる。非常に多いのです。そのように年間四十四名というふうな多くの自殺者が出ている
原因というものは、この
趣旨説明の中にもあるような
特殊性はある、いわゆる社会と隔絶されておるというようなことやら、いろいろな問題があると思うのだが、この辺の問題についてはどういうようなことが
原因になっているのか、こういうこともひとつ
説明してもらいたい。とりあえずその辺からひとつ御
説明を願いたい。