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1967-05-31 第55回国会 衆議院 運輸委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十二年五月三十一日(水曜日)    午前十時四十三分開議  出席委員    委員長 内藤  隆君    理事 大久保武雄君 理事 進藤 一馬君    理事 福井  勇君 理事 古川 丈吉君    理事 細田 吉藏君 理事 井岡 大治君    理事 久保 三郎君 理事 河村  勝君       大竹 太郎君    亀岡 高夫君       木部 佳昭君    徳安 實藏君       中川 一郎君    山村新治郎君       板川 正吾君    小川 三男君       神門至馬夫君    内藤 良平君       野間千代三君    米田 東吾君       渡辺 芳男君    山下 榮二君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 大橋 武夫君  出席政府委員         外務省欧亜局長 北原 秀雄君         運輸省航空局長 澤  雄次君  委員外出席者         外務省欧亜局外         務参事官    岡田  晃君         専  門  員 小西 真一君     ————————————— 本日の会議に付した案件  航空に関する件(航空業界の再編成等に関する  問題)      ————◇—————
  2. 内藤隆

    内藤委員長 これより会議を開きます。  航空に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。米田東吾君。
  3. 米田東吾

    米田委員 私は、二十四日の委員会に引き続きまして、新潟ハバロフスク航空路開設の問題をいま少し突っ込んでお聞きをしたいと思いますので、よろしくひとつお願いを申し上げます。  きょうは最初に、外務省を代表して来られております局長こお聞きをしたいのでございますが、四月二十四日の、ソ連のロギノフ民間航空大臣新潟ハバロフスク航路開設をしたいという提案に対して、外務省としての見解、きょうは大臣がおられませんから、外務省としての統一見解というようなものがありましたら、まずお伺いしたいと思うわけでございます。
  4. 岡田晃

    岡田説明員 ただいま欧亜局長は総理のところに参っておりますので、いますぐ参りますが、かわりに答弁させていただきます。欧亜局岡田参事官でございます。  ロギノフ航空相からそういう申し入れがあったということは伺っておりますが、三木大臣に対して直接そういう申し入れはございませんでした。ただ、そういうことが政府申し入れられたということは私ども承知いたしておりますので、この間内閣委員会三木大臣から稻村委員に対して答弁されましたように、外務省としてもこれを検討してみたい、そういうぐあいに考えております。
  5. 米田東吾

    米田委員 それはどういうことですか。これは五月十一日だと思いますが、内閣委員会答弁では、確かに話があったということは明らかに言っておられるわけです。外務省を訪問されてそういう話があったということは言っておられるわけです。その正式に話があった、ないということは主要な問題ではないと思いますけれども、外務省としては取り上げておられることにおいては間違いはない。検討するということはわかりますが、どういう角度で検討するかということが実は私の聞きたいことなんです。先回の委員会大橋運輸大臣から答弁をいただきました運輸省態度、それから外務省外務大臣態度というものは、検討するとしてもだいぶ食い違いや、あるいは態度の違いがあるように私思うわけです。したがって、ただ検討するということだけでは私はちょっと理解に苦しむのでありますが、どういう立場検討されようとするのか、いま少し突っ込んで答弁をいただきたいと思います。
  6. 岡田晃

    岡田説明員 ただいま先生の御指摘のとおりに、三木大臣に直接申し入れがあったかないかということは、基本的な問題ではないと思います。要するに、政府に対して申し入れがあれば、政府大橋大臣なり福永官房長官申し入れがあれば、それは一つ申し入れであると考えておりますので、基本的な問題ではないと思います。立場の問題につきましては、外務省といたしましては、暫定運航というものは二カ年たった後に自主運航に変えるということで、この日ソ航空共同運航の問題は自主運航実現するということが一番大切なことであるというぐあいに考えておりますので、その自主運航実現のためにあらゆる外交的努力をいたしたい。この自主運航ローカル線、いわゆる新潟ハバロフスクの問題とは必ずしも直接に関係するものではございませんけれども、われわれの外交交渉の主たる努力目標自主運航実現きせるということにある。そしてそれとにらみ合わせながら、自主運航実現した後にどういう形でローカル線というものを開いていくかということを研究していきたい。これはただいま御指摘の十一日の三木大臣の御答弁の中にも同様の趣旨の御方針を述べられておられる次第でございます。
  7. 米田東吾

    米田委員 そうしますと、早く言えば、ロギノフ提案を受け入れると、二年後に控えておる自主運航こ支障があるのじゃないか、したがってまず現在脚か州ているモスクワー東京間のこのルートを確定きせる、自主運航きせるということを主体にして、ローカル運航という関係支障があるから、検討はするけれどもいまのところ考えておらないということでございますか。
  8. 岡田晃

    岡田説明員 支障があるかどうかはまだわかっておりません。何とか検討する中に支障があるかどうかということも含めて検討してみたいということでございます。
  9. 米田東吾

    米田委員 ロギノフ大臣は、新聞の報道でございますからほとんど正確なところはわかりませんけれども、二つのことを提案しておられる。一つは前の委員会にも私、大臣から答弁いただきましたが、現在の東京モスクワ間のこのルートをもっと増便したい、あるいは機種を変えたい。要するにこれは、いまあなたが答弁された自主運航方向を目ざしてソビエト側から積極的な提案がなされておると私は思う。それが一つ。いま一つは、別ルートとして、局地航空線として新潟ハバロフスク提案したらどうか、この二つ提案をなされておるわけなんです。ですからこの提案の中に私は、自主運航支障きせるというような、いまあなたが答弁されたようなそういう考え方は、相手の側では全然持っておらない。これはこれで十分確定さしていこう、そういう方向で積極的な増便機種の変更を提案されておられる。そして全然異質のものとして、別ルートとして新潟ハバロフスク間の航空路はどうか、こういう提案がされておるというふうに新聞は報道しておるわけです。私は聞いておりませんから、わかりませんが。そうだとすれば、相手の側では積極的に、自主運航自主運航だ、そうして別ルートは別ルートとして両国利益のためにひとつ考えていこうじゃないか、こういう提案がなされておると思うのでありますけれども、この点はいかがでありますか。
  10. 岡田晃

    岡田説明員 ロギノフ航空相の申しました二点でございますが、増便の問題は日ソ航空当局間の話し合いによって解決するということになっておりますし、機種の変更問題に関しましては、協定上TU114からIL六二なり、そういう型に変わるということは問題なくいくわけでございます。その他の問題、ハバロフスク新潟の問題につきましては、その提案が直ちにそういう支障ハバロフスク新潟路線実現することが日本単独運航実現することに支障にならないものであるというぐあいに直ちに解釈すべきものであるかどうかは、私どもとしてはまだ結論を得ておりません。私自身といたしましては、三木大臣ロギノフ航空相に会われましたときに、そばでロギノフ航空相の話を拝聴いたしておりましたけれども、そのときには直接そういうことをつないだような表現ないしは申し入ればなかったように感じております。
  11. 米田東吾

    米田委員 この前の委員会答弁によりますと、岡田参事官はこの航空協定交渉段階からずっと参画されておられるという答弁がありました。私はそのときも質問したのでありますが、最初ソビエト側が三十三年ごろに持ち出したときの向こう側提案というものは、現在のモスクワ東京線じゃなしに新潟ハバロフスクないしはハバロフスク東京、こういうことで提案があったというふうに私は調査して知っているわけであります。これは間違いないと思うのですけれども、今度の提案趣旨からいきましても、私は、一貫してソビエト側としては——相手の側の考えでありますから、これは推定でありますけれども、シベリア開発という問題と不可分のものではないか、こういうふうに私は思うのであります。シベリア極東開発、その一環としてこうした航空ルート考えておる、こういうふうにとれるのでありますけれども、そこらあたり分析あるいはお考えは、外務省のほうとしてはどういうふうに見ておられるか、お聞きしたいと思います。
  12. 岡田晃

    岡田説明員 今回の交渉と申しますのは、一昨年、六五年の秋、共同運航交渉から私は参加したわけでございまして、三十三年の当初の交渉、いまから七、八年前の交渉から参加したわけではございませんので、その点を明らかにさしていただきたいと思います。  それから次の、シベリア開発の問題との関連性の問題でございますが、モスクワ東京共同運航シベリア開発が直接の関係があったかどうかということは、その交渉自体を通じてみたところでは必ずしも明らかではございません。と申しますのは、首都間往復という原則を先方がのんだわけでございまして、首都間往復ということをのんだ時点からは、はたしてそのシベリア開発ということが彼らの、ソ側の主要な目的であったかどうかということについては、交渉上からは十分にはうかがい得なかった次第でございますので、この点を明らかにいたしておきます。
  13. 米田東吾

    米田委員 モスクワ東京航路開設されまして、第一便が飛んだのは四月の十八日であります。その第一便に乗ってこられたソビエト担当大臣が、あらためて新潟ハバロフスク航空路開設したらどうかという提案をされておるわけであります。私は、このソビエト側提案のねらいというものはむしろソビエトがいま進めておる新国民経済開発の五カ年計画、要するにシベリア極東地域開発局地航路としてのハバロフスク新潟航路というものが絶対に必要だ、同時にそのことが両国利益に必ずかなう、そういう立場提案をされたのじゃないかと私は思うのでありますけれども、そういうことは外務省のほうとしてはどうですか、分析をされておられませんか。  あわせて私は、いまソビエトが取り組んでおる最も日本と近い極東地域シベリア地域の膨大な開発計画というようなものについても、十分承知しておられると思うのであります。そうした開発計画の中における局地線役割り、これにもちろん商業ベースを中心にいたしまして積極的に日本航空業界というものが参加するということについて、外務省として検討なさっておられるかどうか、そのこともお聞きしたい。
  14. 岡田晃

    岡田説明員 ただいま先生のお話しのとおりでございまして、非常にばく大な投資計画ゴスプランのもとで行なわれ、計画されつつあるわけでございまして、外務省といたしましても、第二回の日ソ経済合同委員会が今度モスクワで開かれますし、それからバイバコフというゴスプランの議長などともいろいろ意見の交換をいたしまして、シベリア開発計画というものがわが国経済に及ぼす重大性というものを十分承知いたしております。したがいまして、この問題がモスクワ東京自主運航ということに、いま先生の御指摘のとおり、何ら支障なく実現されるということであれば、これに反対すべき理由は何らないのではないかという感じがいたします。ただ国際協定等の問題もございますので、それはマルチラテラルな国際協定関係もございますので、直ちにこのまま入っていけるかどうかということにつきましては、ある程度もう少し勉強していきたいというぐあいに考えておりますが、御趣旨に関しましては——そういういろんな仮定条件というものを捨象いたしまして、単に抽象的な御趣旨としましては、何ら異存はないのではないかというぐあいに感じております。
  15. 米田東吾

    米田委員 支障があるかないかは、これはまた相手側のいろいろな関係もあろうと思いますけれども、少なくともロギノフ提案で、自主運航を目ざして現在の東京モスクワ間のルートをもっと強化していこう、そういう積極的な提案一つなされているということは、これは外務省も認めておられる。そういう態度からいきまして、支障が出てくるという条件考えられないのではないか。ただもしありとすれば、軍事上の関係からあるいはシベリア上空開放できない、そういう問題はあるいはあるかもしれませんけれども、普通考えられておる状態において支障はないと思うのでありますが、そういう情勢はもちろん外務省だって知っておられると思う。それでもなおかっこの別ルートについて、要するにハバロフスク新潟ルートについて積極的な熱意をどうも示されないように私は思うのであります。むしろこのルートについて外務省としても積極的な検討を加えられていいのじゃないか、前向きに検討されていいのじゃないかと思うのでありますが、その点はひとつもう一回答弁をしていただきたいと思います。
  16. 岡田晃

    岡田説明員 もちろん原則的に申しまして、日ソ間において人の交流が盛んになることは相互の理解関係を深めるゆえんでございまして、これは何ら反対すべきことではないと思いますが、このハバロフスク新潟路線ということ自体に限定してどうこうということは、現在の段階では——これは省全体の意見を申し述べきしていただいているわけでございまして、これにはっきりした方針は確立されておりませんので、積極的に一生懸命みんなで勉強してみよう、大いに研究してみようという、御指示は上のほうからもございますので勉強はいたしておりますが、省としてその方向に積極的に踏み切るというところまでは現在まだ至っておりませんので、いまの先生の御質問、大いに積極的に勉強せいというように御指示があったものとお伺いするならば、大いに勉強したい、こういうぐあいに思う次第でございます。
  17. 米田東吾

    米田委員 勉強をしてもらうことは大いにけっこうでありますからお願いしたいと思う。  ただ外務省の事務次官が、局地ルート要するにこの新潟ハバロフスクルートというものは日本の国から見ると何ら利益もないから検討に値しないと言ったということが、外務委員会に取り上げられて問題になっておるわけでありますね。そういうことでありますと、ことばあやとしては検討するということを繰り返されておっても、ほんとう検討されようとする腹があるのかないのか、そこらあたりは私は非常に重要な問題だと思う。私、このことについて特にしつこく申し上げておるのは、これは相手の側からすればあるいは局地線かもしれませんけれども、日本のわれわれの国益から見ますと新潟ハバロフスク航路というのは決して私は局地線ではないと思う。今後の特に日本海沿岸開発、そういう関係考えますと、決してこれは単なるローカル線ではない、そういうふうに思いますので、もっと日本政府自体も積極的に取り組むべきではないか。前向きに検討すべきではないか。ことばあやではなしに、ことにいまハバロフスク新潟間というのは、距離的にいたしましても、ハバロフスクからモスクワに行く大体五分の一程度で新潟に来れる。千四百キロくらいで来れるわけです。しかも時間は一時間半かそこらで飛べるわけです。そうして今後航空機というものはどんどん大型化し、スピード化していくわけであります。そういう点は決してソビエトだけの計算じゃなしに、日本の今後の発展、特に日本海沿岸開発あるいは経済的な伸長、全体の開発計画の中における役割りというものを考えると、決して局地線ではない、こう思いまして、積極的に外務省態度はどうかということを私は関心を持っておるわけであります。そういう点についてひとつ十分検討をしていただきたいと私は思うのです。  もう一つは、シベリア上空開放という問題が、自主運航ほんとうに進めることが可能かどうかという、ただ一つのかぎじゃないかと思っているわけです。そういうときに、シベリア上空開放するかどうかということは、経済的な条件やいままでの日ソ航空の上にとられてきた両国の、いわば民間ベースの問題ではなしに、むしろ軍事的な問題が一番の問題点ではないか。軍事開放できない、そういうことになれば、これはもう外務省運輸省もお手上げだと思う。そういう点の見通しなんかは、率直にいって外務省はどんなふうに見ておられますか。
  18. 岡田晃

    岡田説明員 過去約十年間続きました日ソ間の航空交渉の過程におきましては、シベリア上空開放されないということが軍事上の理由によるのではないかということを推測きせるようなこともなかったわけではないようにも感ずるわけでございますけれども、最近の情勢になりましては、三木大臣からも外務委員会ないしは内閣委員会で御報告いたしましたように、スプートニクないしは人工衛星が飛び回っておる状態で、シベリア上空における軍事上の秘密というようなことは、昔とは非常に変わった形を示しておるということでありまして、軍が積極的にこれに介入して、二年以後に開かせないというようなことはあるいはあるかもしれませんが、われわれとしてはできるだけあらゆる努力をして、そういうことのないようにやっていきたい。特に一つのインディケーションとして申し上げられますことは、最近ロギノフ航空相が参りました。これは外務省に行ったのでありますが、SASあるいはエールフランスとの共同運航というようなこともソビエト側考えておるやに、そういう印象を受けるような発言がございましたが、これはまだはっきりしたわけではありませんけれども、そういうことが事実であるといたしますれば、これは軍事上の理由というものに対する一つの強い足かせ——軍事上の理由日本単独運航を断わるということができないことを裏から左証しておることでありまして、二年後にその軍事上の理由でわれわれが自由運航をやることを断わるというようなことは、われわれが一生懸命努力して外交交渉を続けますならば、考えられるほど大きな困難はないのではないか、全くの推測でありますが、そういうふうに考えております。
  19. 米田東吾

    米田委員 ソビエト担当大臣ロギノフさんは三つ肩書きを持っておられる。一つ民間航空大臣、それからもう一つモスクワ東京間を飛んでおるところのアエロフロートの総裁、もう一つは現役の空軍大将、こういう三つ肩書きを持っておられるというふうに私は聞いておるわけであります。そういう軍事上の問題も兼ね合わせた権限を持った大臣が、積極的に局地線提案をなさっておられるわけであります。日本政府としてももっとそういう点を考えられて、シベリア上空開放という問題は基本的に現在のルートを確定きせる問題でありますから取り組まれるのはけっこうだと思いますけれども、そうした相手大臣の持っておる性格等をお考え願って、かりに二年後シベリア上空開放されないということになりますと、いままでの各委員会における政府側答弁は、その場合は現在の航空協定を破棄するかもしれない、あるいは仮定の問題だからまだそれは答弁できないというふうにあいまいになっておりますけれども、今日の国際情勢、特に極東における情勢等考えますと、決して単なる杞憂だけでなしに、期待をしても二年後開放ということはあるいは困難かもしれない。そういうときに一切御破算にしてパアにするということはあり得ないと思いますけれども、そういう側面も考えられながら、局地線という問題の意義をもっと的確に見出していただいて、そしてこれは決して相対立する問題ではないと思いますので、ひとつ十分検討いただけないものかどうか、外務省としても前向きにこの問題に取り組んでもらえないものかどうか、再度私は答弁をお願いしたいと思う。
  20. 岡田晃

    岡田説明員 ただいま申し上げましたように、外務省としても先生の御指摘のとおりに、一生懸命でどういう支障があるのかないのか、これはただいま御指摘のとおりに、決して相矛盾するものではないかもしれないと思います。わかりませんけれども、しかし外交努力目標は何といたしましても単独運航実現ということでありまして、それのために当面は一生懸命で努力する。それで、かたがた加えて、ハバロフスク新潟路線検討を続けていきたいというぐあいに申し上げたいと思います。
  21. 米田東吾

    米田委員 運輸大臣にお聞きいたしますが、前回の委員会大臣からも現状におけるこの問題についてのお考え答弁いただきましたけれども、その中のいわば採算上の問題、あるいは料金上の問題、そういうようなことについて、十分検討を加えたいという御趣旨もあったわけであります。その点というのは、現在開かれておる極東線、あるいは東京モスクワ線、総体的に料金なりあるいは経済的な諸条件というものを検討をされてということなんでございますが、現に開かれたいまの東京モスクワ線だけを検討するということになっておるのでございますか、その点をひとつお聞きしておきたい。
  22. 大橋武夫

    大橋国務大臣 新潟ハバロフスク線についての態度を決定するにあたりまして一採算性を考慮する必要があるというのは、まず第一に、新潟ハバロフスク間の航路自体採算性の考慮も必要であると思いますが、同時に、それが東京モスクワ線採算に及ぼす影響についても慎重に考慮しなければならぬと考えております。
  23. 米田東吾

    米田委員 五月の十一日の外務委員会で、この問題については多分に、日航とかそういう航空業者介入があるのではないか、こういう点が指摘されまして政府から答弁があったようでありますけれども、もともと今度の東京モスクワ線開設、長い間の交渉の経過、それから今日の状態に至るまでに、ちまたでは、業界の相当激しいいろいろな介入といいましょうか、そういうものがあったようにいわれておるわけであります。いま東京モスクワ線がようやく開かれて、そうして新しくまた新潟ハバロフスク線というものが提案されておる。日本関係する業界ではやはりこの問題は決して軽視される問題ではないと思うのでありますけれども、何かそういう、この問題について、たとえば日航とかそういうところで相当抵抗しているというようなことが事実あるのかないのか、その点はいかがでございましょうか。
  24. 大橋武夫

    大橋国務大臣 抵抗ということになりますと、政府の意思に対して反対の影響力を及ぼそうというので何らかの動きをするということだろうと思いますが、ただいまの段階では、新潟ハバロフスク間の航空路開設につきましては、先ほど申し上げましたように、たくさんの調査しなければならぬ点がございますし、それらの事項のうちには、今日の段階で直ちに結論を出すことの困難な問題もありますので、政府といたしましては何らまだ方向をきめるというところまでいっておりません。したがって、それに対して日本航空が抵抗するというようなことはとうていまだあり得ないわけでございます。
  25. 米田東吾

    米田委員 もう一つ聞きたいのですが、新潟ハバロフスク航路について、すでに日本のいわば業者において免許申請が出ているというような話も聞いておりますけれども、事実出ておるのかどうか、その点をひとつ……。
  26. 澤雄次

    澤政府委員 新潟ハバロフスク線と、それから東京ハバロフスク線につきまして、新潟ハバロフスク線は三十八年の七月、それから東京ハバロフスク線につきましては三十八年の二月に民間の方から、この航路を開始したいという申請運輸大臣あてに出ております。
  27. 米田東吾

    米田委員 もう一つ局長がおいでになりましたので一つだけ伺っておきたいと思いますが、現在の日ソ航空協定、この協定新潟ハバロフスク航空路開設することによって協定上何か支障がある、そういうような答弁が、ちょっと記録を見ますと外務委員会等答弁されているように思うのでありますが、私は条約上は、現在結ばれておる東京モスクワ、この航空協定条約上においては何ら支障はないように思うのでありますが、その点はどういうことを意味するのでございましょうか。
  28. 北原秀雄

    ○北原政府委員 この日ソ航空協定というものの内容は、東京モスクワ間首都連絡の運航に関する必要な法的基礎をつくったものでございますが、ただ、一つ問題点は、この共同運航という特殊な形態の運航を日本としてはこれを受諾をいたしました。その趣旨は、あくまでも単独乗り入れを二年後には実現したいという、これはソ連としては確約はしておりませんけれども、しかしでき得る限り努力するということの約束を条件として、この共同運航というものをのんだわけでございます。  そこで、この条約上何ら支障はないかという御質問でございますが、この点協定本文から見ますれば、これは一応協定そのものの法的な性格からいえば、支障はないといわざるを得ないと思います。ただし、この協定には路線というものをはっきり書いておりますので、この点は別に新たにそれを書き入れなければならないという点が一つでございます。ただ、協定というものに関連しております議定書及び交換公文におきまして、あくまでも二年後には単独乗り入れを実現したいという、日本側にとりましてはこれが最も重要な点でございますが、これと協定本文、三つが全部一体をなしておりますので、そういう意味では、単独運航実現される前に新潟ハバロフスクというふうなものを実際に実施を考えるということは、どうしても矛盾がある、差しさわりがあるというふうに考えざるを得ないわけでございます。
  29. 米田東吾

    米田委員 そうなりますと、やめようと思ったのですが、これはもうちょっと運輸大臣との関係でお聞きしなければならぬと思うのですが、運輸大臣答弁は、いままで各委員会における答弁をずっと聞いておりますと、現在の日ソ航空協定によるところの東京モスクワ間の航空路とは無関係で、それはそれ、これはこれで新潟ハバロフスクの問題については考えるべきだ。ただ、いま直ちに手がつけられないのは、さっきから答弁いただいておりますように、航空料金あるいは経営上の問題、それらがあってもう少し検討を加えなければならぬという御答弁であったと思うのです。いまの外務省局長答弁は、現行の航空協定というものがある限り、これと矛盾する状態において新潟ハバロフスク航路考えるわけにはいかぬという御答弁だったと思う。そうなりますと、私は、政府答弁というものは食い違っておると思うのでありますけれども、私が間違って聞いておるのか、もう少しはっきり聞かしてください。
  30. 大橋武夫

    大橋国務大臣 運輸省といたしましては、先ほど来申し上げましたごとく、新潟ハバロフスク間の航空路開設という問題につきましては、いろいろ考慮すべき事項があるので、最も慎重に取り扱わなければならぬ、こういうことでございまして、そのことにつきましては、先ほど申し上げましたるごとく、東京モスクワ間の航空路採算に及ぼす影響等をもやはり関連して考えておりますので、東京モスクワ間の航路ハバロフスク新潟航路が全然無関係に処理できるものとは考えておりません。ただ採算の点において関係があるので、その点はよほどよく調査しなければならぬということを申し上げてまいっておるわけであります。
  31. 北原秀雄

    ○北原政府委員 先ほどの御質問の点でございますが、私、従来の本委員会の経緯をまだ詳細承知いたしておりません。ただ、私、先ほどの御質問で感じました点は、運輸省のほうでは運輸省立場からいま大臣からも御答弁がございましたが、運輸省立場からいろいろやはり御検討になっておるのだと思います。私の申し上げました、単独運行というものが実現する前にローカル線考えるということは、日本政府協定全体に関する政策的な立場から考えました場合には、どうも困難があるというのは、これは外務省としての立場から申し上げた次第でございます。
  32. 米田東吾

    米田委員 わかりました。  次に、もう少しお聞きしたいのは、航空局長にお聞きしたいと思うのでありますが、仮定の問題は委員会の議論にならないかもしれませんけれども、新潟飛行場は新潟ハバロフスク航空路開設という問題を一応展望として持っておるわけであります。そういう状態において、これに対応できる機能というものが一体あるのかないのか。これは専門的な立場でひとつ局長から御答弁をいただきたいと思います。
  33. 澤雄次

    澤政府委員 先生よく御承知のように、ただいま新潟空港には千二百メートルと千三百メートルの二本の滑走路がございますが、いずれもまず長きの点で千二百、千三百では——ハバロフスク新潟をやりたいという申請が出ておりますのは、バイカウントを使うという一応の計画でございますが、バイカウントの使用にも長さが足りない。それからその荷重もバイカウントには必ずしも安全とはいえない。YS11が使用できるという現在の飛行場でございます。
  34. 米田東吾

    米田委員 航空局では空港整備五カ年計画が、これはことしからですか、いま実施段階に入るようであります。この五カ年計画の中に、新潟飛行場に関係する整備計画というようなものがあるのかないのか。もちろんこういうハバロフスク新潟航路というようなものは想定されておらないで、やはり日本の現在の飛行場の整備計画ということで出されておると思いますけれども、この五カ年計画の中に、新潟飛行場についてどういう関係の整備が計画されておるのか。それをひとつお聞きしたいと思いますし、あわせて新潟ハバロフスク局地航空路の問題が、やはり現実的にはこれから政治の問題になろうとするわけであります。こういう状態において、これに対応するような計画を持ち合わせできるかどうか。これは私としては、積極的にそういう道をひとつ切り開いてもらいたいと思うのでありますけれども、その点お聞きしたいと思います。
  35. 澤雄次

    澤政府委員 空港整備五カ年計画につきましては、千百五十億円という総ワクを閣議で了解していただいたわけでございますが、この具体的な閣議決定は八月以降になると思います。その閣議決定の際に、各空港をどういうふうにするかということが決定するわけでございますが、現在のところ、運輸省航空局におきましては、新潟空港を千五百メートルに拡張するという計画を持っております。
  36. 米田東吾

    米田委員 そうしますと、千五百メートルで、先ほどの御答弁によると、YS11程度を飛ばし得る、こういうことなんですか。
  37. 澤雄次

    澤政府委員 YS11は現在の新潟飛行場で十分なのございますが、千五百メートルになりますと、バイカウント・クラスの飛行機の離着陸が可能となります。
  38. 米田東吾

    米田委員 現実に政治の問題になってまいりましてから、飛行場の整備拡張といっても、また時間がかかると思うのでありますが、新潟ハバロフスク航路というものが想定される段階において、いまのこの五カ年計画の中においてようやく千五百メートル程度、これでは私は国内事情からして、なかなか推進できないと実は思うのでありますけれども、担当の運輸省航空局として、これで一体満足されておられるのか、私どうもわかりませんので、もう一回聞きたいと思います。
  39. 澤雄次

    澤政府委員 千百五十億の総ワクは、従来の空港の整備計画といたしましては非常にばく大な量に達しますことが一つ。それから、ただいま先生の御質問のありましたような事項を実は考えておらなかったために——新潟にジェット機が入るということは、これは新潟空港が東京と非常に近いために、まず近い将来においてはあり得ないであろうというようなことで、千五百メートルの拡張ということを考えたわけでございます。
  40. 米田東吾

    米田委員 時間がありませんので、きょうはこの程度で終わりたいと思いますが、この問題につきましては、私は単に新潟県だけではなしに、日本海沿岸の、裏日本といいましょうか、そういう地域の各地方におきましては、相当重大な関心を持っておられる問題だと思うのであります。したがって私が聞くところによりますと、新潟県当局においても、飛行場の拡張計画あるいは整備計画等については、相当運輸省交渉あるいは陳情をされておるように聞いております。したがって、私が聞いたところでは、二千メートル以下の現状における滑走路というものは考えられなくて、少なくとも二千メートルまでは拡張される、そういうふうに実は聞いておったわけでありますけれども、いまの御答弁ではそうでないようであります。さしむき、いま新潟飛行場はB滑走路であります五百メートルないし八百メートルの拡張計画、調査や用地買収その他が計画されておるようにも聞いておるわけであります。それらの関係において千五百メートル程度の拡張ということは、これはどうも納得ができないのでありますけれども、もう一回答弁をしていただきたいと思います。
  41. 大橋武夫

    大橋国務大臣 今後の航空界の中において新潟空港の占める地位がますます重大となりつつありますことは、運輸省といたしましても十分認識をいたしておるところでございまして、先般ソ連側から新潟ハバロフスク間の航路の新設等の申し入れも現実の課題となっております。これはさしあたってすぐに解答の出る問題ではございませんが、近き将来におきまして、こうした問題を現実に取り上げなければならぬ時期もおいおい迫りつつあることも承知をいたしております。したがいまして、今後新潟空港の整備につきましては、そうした日本海沿岸における特殊の地位ということをも十分考慮に入れ、将来またこの港の占めるべき国際的な性質ということをも眼中に置きまして、今後この整備につきまして格段に留意をいたしたいと存じますので、御了承いただきたいと思います。
  42. 米田東吾

    米田委員 最後に、新潟飛行場と航空自衛隊の関係についてちょっとお聞きしたいと思うのですが、新潟飛行場には、いまたしか航空自衛隊の新潟基地隊といいますか、新潟駐とん部隊が大体三、四十名程度おると思うのです。防衛庁関係ではございませんので、これが第三次防衛整備五カ年計画の中にどういうふうに変わっていくのかは、これはきょうの委員会の問題ではありませんけれども、一体こういう民間飛行場が自衛隊の航空隊あるいはそういう自衛隊用に供される、そういうような場合は、これは運輸省としてチェックできるのか、あるいは拒否できるのか、あるいはどういうふうにその関係というものがなされておるのか、その点ひとつお聞きしたい。
  43. 澤雄次

    澤政府委員 防衛庁と運輸省の間で飛行場の共同使用に関します実は覚え書きがございまして、もちろん軍民分離で——軍といいますと失言でございますが、防衛庁とそれから民間とは、飛行場をなるべく分離して使用するということ、これは原則でございますが、ただ日本におきましては、飛行場が非常に少ないという関係もございますし、民間機も防衛庁の飛行場の使用を方々で認めてもらっております。それから民間飛行場も、その使用回数——これはもちろん民間飛行場におきましては民間機優先でございますが、民間機を処理して余裕のある場合には、防衛庁の飛行機の使用も認めている、こういう相互使用関係にあるわけでございます。ただ将来は、防衛庁の飛行機と民間機とは飛行場を別にして持っていきたいということは、運輸省も防衛庁もそのように了解しているわけでございます。
  44. 米田東吾

    米田委員 実は、新潟ハバロフスク航空路開設の問題を控えまして、新潟飛行場が民間空港として、しかも日本海沿岸における最上の条件を持った民間空港として残さなければならないという立場に立っている。今後防衛整備五カ年計画等の中で、新潟飛行場が自衛隊の航空隊と共用されるとか、現在のスペースがさらに拡大されて、民間飛行場か自衛隊の飛行場かわからぬというような状態になりますと、私は、新潟ハバロフスク航路なんというものは、これはもう相手の側で問題にしなくなってくると思う。これは単に私、地元新潟ということだけで言っているのではなくて、そのことは、ぼう大なシベリア開発をかかえた、しかもその中に果たす日本役割りから考えまして、まことに日本利益のためにも私はマイナスだと思う。したがって、そういう点では非常に心配をいたしておりますので、この新潟飛行場が民間空港として、先ほど大臣の御答弁いただきましたような、そういう条件をそなえた、今後に期待の持てる飛行場として役立つようにひとつ御配慮いただきたい。自衛隊の関係は、いずれまた私は委員会を変えて聞きたいと思っておりますけれども、よろしくその点はお願いしたいと思っております。以上です。
  45. 内藤隆

    内藤委員長 久保君。
  46. 久保三郎

    ○久保委員 航空問題は、あらためてまたお尋ねするときもあるようでありますが、さしあたって二、三お伺いしたいのですが、その一つは、いわゆる航空界の再編成についてであります。  これは先般運輸大臣が記者会見かで、抜本的に再検討する必要がある、こういうような意味のことを発言されたように見たわけなんでありますが、御案内のとおり、昨年の五月閣議了解事項として一応再編成の方向といいますか、こまかい点は別でありますが、おおまかな線が一応了解事項として成立し、その後いろいろないききつがありまして今日に至っているわけであります。必ずしもその線がそのとおりに十分実行されていないように思うのでありますが、そういう意味も含めて抜本的な再検討ということを考えられているのかどうか。考えられているとするならば、その構想はどういうところに目標を置いて考えておられるのであるかということが第一点であります。  言うまでもございませんが、運輸省、特にその中でも航空行政は、いままで世間の各方面から基本的な方針について批判されてまいったことは事実であります。また、そういうふうなこともしでかしたといっては語弊がありますが、航空行政の中にはたくさんあったわけです。たとえばローカル航空を許可しておいて、成り立たなくなってくると、合併に持っていくというようなことを、繰り返し繰り返し実はやってきておるわけであります。いうなれば、航空界の再編成とは集約合併というか、そういうことに世間でも、われわれもとっているわけでありますが、方向としてはそういう方向なのか。集約合併ばかりがいわゆる効果あるものではございませんが、実際において航空界の市況というか、そういうものを考えますと、集約合併の方向考えられなければならないと同時に、もう一つ大きな問題は、航空機輸送の安全の問題がある。安全の問題を度外視していろいろ考えることは不可能になっております。そういうことでありますから、抜本的な再検討という中には、そういうことも含めて抜本的改定を考えているのかどうか。しかしながら事実行為というか、そういう実際はそれぞれ違った方向であるかもしれないが、仕事はだんだんに進んでいくというような事態であります。ここでその事態をとめていくのか、それとも伸ばしていくのかという、二つの再編成の方向があると思う。いまやっているものを方向転換して、別な形で再編成する、こうなりますと、これはまた混乱を来たすであろうし、なかなかむずかしい面もあるので、そういういろいろなことを考えてみた場合に、なかなかもって容易ではないと思うのでありますが、いま考えているのは昨年五月の閣議了解事項の線とは変わった意味で考えていらっしゃるのか、そういう点をひとつお伺いしたい。
  47. 大橋武夫

    大橋国務大臣 航空界の再編成につきましては、御指摘のとおり昨年の閣議で方針が決定いたしておりまして、国際一社、国内二社ということになっております。そのうち国内二社の一つの柱となるものは、日航の国内線と国内航空と合併したものがそれになり、他の一つの柱となるものは全日空と東亜航空、長崎航空を合併したものがそれになるということに相なっておるのでございます。この方針に従いまして運輸省といたしましては、現在その方向で進んでおるのでございまして、日本航空の国内線と国内航空との合併はおおよそ四十六年を目途として進めておりまするし、また全日空を中心とする他の二社との合併は四十二年度中に終わるということを目標にして進めておるのでございまして、この点はごうも変わっておることではございません。閣議決定のとおりの方針で進んでおります。  次に、いわゆる再編成について、さらに考え直すべき点があるんではないかという問題は、昨年の全日空の相次ぐ事故が契機となりまして、こうした事故から航空界を完全に守るためには、今後の国内の集約についてさらに新しく考え直して、国際一社、国内二社ということでなくて、国際一社、国内一社という線まで進む必要があるんではないかというような意見が一部から出されたことは、お聞き及びのところと存じます。これに対して運輸省の意向をいろいろ打診する向きもございましたので、いろいろな機会に運輸省考えを説明いたしてまいりましたが、私どもは、将来あるいは国際一社、国内一社というようなことに進むべき時期もあるかもしれませんが、また、それが安全対策として、また経営の健全性を守るために望ましいというような結論が出ることになるかもしれませんが、運輸省としては、それにしてもさしあたりはとにかくいままでの線で、日航の国内線を中心とした合併及び全日空を中心とした合併、これによって早く国際一社、国内二社の既定方針実現を期したい、問題はその後に考慮されてもいいんではないか、こういう考えでおるわけであります。
  48. 久保三郎

    ○久保委員 昨年の閣議了解事項というか、そういうものの線に従って推進しておられるということでありますが、それじゃひとつお聞きしたいのでありますが、またそのとおりおやりになっていると思うのでありますが、ただいまも御答弁ありましたように国内航空を四十六年度一ぱいには再建する、そういうことを目標にしているというのですが、国内航空のその後はそういう再建の計画に乗って順調な歩みを続けているのかどうか、これが一つ。  それからもう一つは、全日空の社長が、政府の意向をくんで退陣、交代をされたそうでありますが、それによって日航と全日空との間はまた格別よくなったという。どんなによくなったかちょっとわかりませんけれども、提携が一段と進められてきているというような話も聞くわけであります。でありますから、この全日空の首脳人事の更迭によって、再編成に対して新しい要素ができたのかどうか。  この二点をお伺いしたい。
  49. 大橋武夫

    大橋国務大臣 御質問の第一点、国内航空のその後の経理状態につきましては、政府委員から申し上げます。  第二点の、全日空の社長の更迭ということでございますが、全日空の社長の更迭につきましては、私どもは、昨年の相次ぐ事故によって、世間で非常に全日空の飛行機に対する安心感を失っておる。そこで、これを取り戻す方法としては、会社として何かいままでと違った安全感を持たせるべき措置が必要であろう。そういう意味においても、会社として一般世間に対して責任を明らかにするような方法はむろんとられなければならないことじゃなかろうかというようなことは、政府としても全日空に対しまして申したことがございますが、どの社長をやめてだれにしろというような、個々の役員の人事につきまして、具体的に指図がましいことを申したことはございません。しかし、いろいろな情勢から判断されまして、全日空は自主的にこのたび社長を更迭されたようでございますが、この更迭によって世間では、日航との関係がいままでに比べて好転するのではないかというようにうわさいたしておりますことは、私どもの耳にも入っております。  日航と全日空の提携につきましては、昨年、事故の調査をいたしました結果、全日空の経営面、技術面において、日航と提携し、協力を受けることが必要である、こういう判断をいたしまして、運輸省といたしましても、全日空に対しその旨を勧告し、また日航に対しても、こういう勧告をしてあるので、ひとつ経営面、技術面、その他万般の面において、全日空に協力してもらいたいという申し入れをいたしてあるのでございまして、それに基づきまして、技術者の交流でありますとか、あるいは飛行機の整備施設の利用関係でありますとか、こういう点で非常に相互の関係、協力関係は具体化しつつあるわけでございます。いま一点さらに進める余地はないかというふうなことも考えておりまして、今度の新しい人事を契機といたしまして、その辺の関係が従来以上に急速に進展するのじゃなかろうか、こういうふうな意味で関係がよくなったといっておるのだと思います。
  50. 澤雄次

    澤政府委員 久保先生の第一点の御質問の、国内航空の立て直しが順調にいっておるかという御質問でございますが、国内航空については、昨年関係金融機関、運輸省相集まりまして、先ほど大臣が申されましたように、四十六年に累積欠損を消すということで五年間の計画を立てたわけでございます。そうして、日本航空と強度の業務提携をいたしまして、たとえば幹線におきまして、国内航空が持っておりました727は日本航空に運航を委託するということで、日本航空の名前でこれを実施するというようなことをいたしました結果、非常に業績があがりまして、そうしてまた不採算航路を漸次切る、あるいは会社の合理化を行なうというようなことで、四十一年度は初年度でございますが、予定しました計画より相当改善されているわけでございます。それで、四十一年度というのは非常に航空旅客の数が減った年でございまして、通常でございますと国内航空計画達成が困難ではないかと思われたのが、予定よりも赤字が減ったということで、今後四十二年度以降、この関係者が集まってつくりました再建計画が実施できるであろう、このように考えております。
  51. 久保三郎

    ○久保委員 大臣から御答弁ありました全日空に対する問題でありますが、社長の問題は別として、業務改善というか、そういうものを当然なさったということでありますが、この中身全部お聞きするのにはちょっと時間がかかるかと思うのでありますが、これは局長に聞いたほうがいいと思うのです。全日空に対して業務改善の指摘をされたということでありますが、主としてどんな点をされたのかお聞きしたい。  それからもう一つは、いまの局長のお話では、国内航空のほうは既定どおり、言うならば、大体計画に沿って順調に再建というか、そういうところへいけそうだということでありましたが、それでは、この経営陣営の一新というか、首脳部を取りかえたところの全日空の立ち直りというのはどういうふうになっているか。いまの業務改善の指示というか、そういうものとあわせて御説明いただきたいと思います。
  52. 澤雄次

    澤政府委員 後段の全日空の経済的な立ち直りの問題でございますが、全日空は四十年度までは累積欠損はございませんで、むしろ年間一億くらいの利益を出しておったわけでございます。これが四十一年度におきましては、二度の大事故と、それから航空旅客が四十一年度に一般的に減少いたしましたという関係もございまして、約十七億円の欠損を計上いたしております。それで、今後の全日空の経済的な立ち直りの見通しでございますが、四十二年度にはこれが収支とんとんにまいりまして、四十三、四十四の二年で、この四十一年度に出しました赤字を解消できるという会社の計画でございます。われわれも、その再建計画は確実であると考えております。  それから先ほどの、全日空に対しまして運輸大臣からどういう指示をしたかという件でございますが、これは会社の再建というよりも、むしろ安全第一主義をとれということで、いわゆる経営は二の次にしても無理なダイヤを組まないように、このために一時安全第一主義ということに徹底して、そうして経営を考えていけということでございます。  それから第二点は、業務の各般にわたって標準化、規程化と申しますか、マニュアルを厳密に作成いたしまして、個々の人の個人的な判断、技量というものももちろん必要でございますが、それは一応全部規程に沿ってやっていくようにということを指示いたしたわけでございます。  それから、第三点は職員の再訓練をするように。  それから第四点は責任体制を——これは運航、整備につきまして責任体制を明確にしてくれ。  第五点は、日本航空との提携を強化せよ。これは技術面におきましても、また乗員の訓練にしましても、航空機の整備にしましても、さらに業務上競争関係にあるというところについては、日本航空と全日空がプールをする。たとえば運賃のプールをするというようなことで、日航との提携を強化しろ。こういう指示を昨年の暮れに大橋運輸大臣から全日空にしたわけでございます。
  53. 久保三郎

    ○久保委員 いまの局長のお話によりますれば、いろいろ指示はしたが、大まかに言えば、企業性をあまり強くしないで、安全性を優先的に考えて経営をしていきなさい、そういうダイヤ編成をしなさいということを指示したそうでありますが、それは事故があった直後だから、全日空だけにやるものではなくて、すでにこれはあなたが局長になる前でありますが、それでもおわかりになると思うのですが、いわゆる臨時事故調査委員会ですか設けまして、そういう中で幾つかそういう問題を出しているわけなんですね。だから今回——今回というか、全日空に対してやった業務改善というのは別に目新しいものではない。むしろこういうときにお聞きするのはどうかと思うのでありますが、全日空が当然安全第一でダイヤなりすべての経営をしなければならぬものを、運輸大臣から安全第一に考えなさいと言われた、その原因というものはどこにあるのだろうかと私は逆に聞きたいのであります。それじゃいままで怠ってきた、企業性を優先に考えていた、そういうことならば、さつきの再建計画で四十三年ですか、までには大体経営が成り立つようなとんとんの方向に持っていくということは、おそらくできないはずだろうと思う。極端な言い方かしれませんが、非常にむずかしい。なぜできなかったのだろうか。そういうわかり切ったことがなぜできなかったのだということも、まず第一に考えてもらわなければならぬ。  それから、けさの新聞にも飛行機の墜落事故がございました。これはあらためて、安全対策のほうの委員会もございますから、そこでお聞きをしなければならぬと思うのでありますが、そのほかに、最近長崎航空、西日本空輸あるいは中日航空というようなところに、言うならば安全第一に徹しなさい。たとえば、新聞記事でありますから詳細にはわかりませんが、運航部次長が乗員課長を兼務して、その上に機長として、パイロットの仕事で自分で飛んでいく。これはすでに臨時事故調査委員会指摘されたところでありまして、われわれはそういうものが、いまごろ監査をして航空会社にこういう通達をするというのはちょっとどうかと思うので、運輸省航空局長というか、航空局に対してそういう小言を言うのが筋じゃないかというふうにも考えます。こういうことを考えると、全日空に対して事故を起こさないようにやれ、これは大切なことでありますから、だれがどういう時期に言ってもいいんです。いいんですが、そういうものを事故が起きてから、あるいは乗員課長が機長として乗って歩くというようなことを長い間やっていたのに、最近見に行ったらやっているのでやめろと言うようなことで、いわゆる航空行政があるのだろうかというふうに考えます。  そこでもう一ぺん繰り返しますが、御答弁いただきたいのは、全日空がいわゆる安全第一ではなくて、企業性を重点に考えてきたようだから、業務改善の中身としては安全第一に徹しなさい、こういう指示をしたということなのだが、それじゃ、企業性のほうは四十三年までにとんとんになるという、それじゃなまけていてやらなかったのか、そういう点も考えられるが、その点はどうしたか、こういうふうに考えるわけなんですが、その点どうなんでしょうか。
  54. 大橋武夫

    大橋国務大臣 事故が起きたからあらためて安全第一でいけという勧告をするのも、いままで安全第一でなかったかのような感じを与えるのでおかしいじゃないか、それまでは安全第一でやらせていなかったのか、それはけしからぬじゃないか、こういうおことばでございまして、これはまことに重々ごもっともであると思います。しかし私どもが特にあらためてそういう時期にぎょうぎょうしく勧告というものを打ち出したというところにも意味があるわけでございまして、御承知のように、相次ぐ事故によりまして、全日空のお客が非常に減ったばかりでなく、日本の中小の航空会社まで全部国民から不安に見られまして、お客が減ってしまう。そのために十七億という欠損が全日空からも出ておるようなわけでございます。他の東亜航空、長崎航空、国内航空とも、この事故によるお客の不安感に基づく減少、したがって経営の困難ということは、これは航空界全体がひとしく苦しめられたところなのでございまして、私どもといたしましては、それにはまず現実に飛行機の運航が安全であることが必要であることはもちろんでありますが、同時に国民一般に航空機の安全感というものを取り戻す必要がある。そのことが結局企業の採算をよくするもとでもある、こういう意味で安全性を強調いたしました勧告を出したわけでございます。これによりまして、一般の国民に与える心理的な影響等をも考えますと、航空機に対する安全感の国民の間における回復ということにもこれは連なるわけであります。それがまた企業の採算性の向上にもつながってくることでございますから、私は航空機は安全第一で、採算をあまり考えずに、安全をもっぱら第一にやれという、そのこと自体が結局採算をよくする根本だ、こういうふうに考えておるわけでございます。安全性の強調と企業の回復ということは別に矛盾しない、こういうふうに思っております。
  55. 久保三郎

    ○久保委員 大橋大臣のお考えでは、安全性と企業性はそう反するものじゃないというが、そういう場合もあるし、またそういうのは理想的だと思うのです。だけれども、やはりこの全日空が事故を起こしてきたというのは、何といっても、指摘されるように安全性に徹してなかったということはいえると思うのです。安全性に徹していれば、事故が完全に起きなかったかもしれぬという期待感は持っているわけですから。ただし、ここで私が言いたいのは、これは全日空に関したことばかりでなくて、企業性をカバーするというのは、ダイヤを無理してまでやって企業性をカバーする、これは安全性第一でありますからやってはいけない。しかし過当競争になるような路線に二社以上のものをぶち込む、あるいは経営の実態から考えれば、当然甲にその路線をやるべきものを、何かの政治的な配慮に従って今度は乙にやってしまったというようなことが、今までの航空行政の中に全然なかったとはいえない。そういうものについて十分の配慮がなかった、そのために、全日空ばかりじゃございませんが、まあ全日空が大きな事故を起こしたり経営の悪化を来たすということだとするならば、この責任はあげていままでの航空行政そのものにあるといわれてもしかたがないのではないか。だから、そういうことのないように今後は十分注意していただくことは当然であります。そういう点の配慮もしないでいたこと自体に、問題が一つはある。  それからもう一つは、さっき新聞記事に載っていたという小さい航空会社の話であります。これなども、それはいまでも見つけてやめさせるというか、そういう方向をとったことは、これまたいいことには違いないですが、いまごろまで何をぼやぼやしていたのだろうというのがわれわれの考えというか、見方でありまして、これはもう少し真剣になってもらわねばいかぬというふうに私は考える。  そこで大臣に、だめを押すようでありますが、再編成の方向はそれでは、昨年の五月の閣議了解の線に従って今後も進めていくという御方針に変わりはないのですか。
  56. 大橋武夫

    大橋国務大臣 私といたしましては、昨年決定した方針のとおり進んで、早くそれを実現することが第一であって、その後の問題はその後において考えても差しつかえないのじゃないか、こう思っております。いずれにしても、いまは既定方針で進みたいと思っております。
  57. 久保三郎

    ○久保委員 それでは、もう一つ聞きたいのは、これまた新聞記事でたいへん恐縮でありますが、最近、国際貨物航空輸送というか、いわゆる航空貨物の輸送会社を新しくつくろうというような新聞記事が散見されるわけなんです。その構想については大橋運輸大臣の意向も何かあるようなお話でありますが、これはどうなっていますか。
  58. 大橋武夫

    大橋国務大臣 国際貨物輸送につきましては一度運輸省申請が出たことがございまして、それは運輸審議会で御相談をいただきました結果、ただいまでは却下いたしておるわけでございます。したがって現在申請中のものはございませんが、御承知のとおり、このごろ国際貨物輸送というものが非常に重要になってまいりましたし、また量的にもだんだんふえてきておる。したがって航空界の国際競争ということを考えますと、日本航空界といたしましても、この貨物輸送の分野に積極的に乗り出すべき方針を立てる時期がすでに来ておるのじゃないか、こう思うのでございますが、貨物輸送そのものが旅客輸送とも非常に関係のある事業でございまして、今後ジャンボー・ジェットというような大型旅客輸送機が実現いたしますことになりますれば、ますます貨物輸送と旅客輸送との関係が密接になると思うわけでございます。一面におきまして、国内のいろいろなメーカーで国際貨物輸送事業に手を染めていきたい、あるいは国内の運輸業者あるいは海運業者等でやはり国際貨物輸送事業に乗り出したいというような人もあるようでございますが、日本の国内におけるこれらの動きがばらばらになってそれぞれ乱立するというようなことでは、国際競争への太刀打ちもおぼつかなくなりますので、できればそうした人たちが日航を中心にしてよく話し合いまして、協力してそういう事業を遂行するというような形に指導することが大切ではなかろうかと思っておるわけでございます。   〔委員長退席、細田委員長代理着席〕 これは日航の子会社なりあるいは別会社を新しくつくって、そこにそういう関係者が協力の形で出資をするということばかりではなく、運航自体日航がやり、そういう日航に対して資力のある関係者が出資をするという形もあり得ることと思うのでございますが、それらにつきましてはすべて関係者の間で事前によく話し合って、できれば日本の国際貨物輸送の一本化という道に進んでもらいたいという希望をいま述べておる段階でございまして、具体的にはまだ進行いたしておりません。
  59. 久保三郎

    ○久保委員 そうしますと、大臣としては希望を述べている段階だそうでありますが、この次はどういうことになりますか。
  60. 大橋武夫

    大橋国務大臣 従来からこの国際貨物輸送について興味を持っておられる方々のグループがあるようでありますから、そういう方々にいろいろ御意見を伺い、そしてできるだけ協力してやってくださるような形に指導していきたい、こう思っております。まだ具体的な行動には出ておりません。
  61. 久保三郎

    ○久保委員 私、どうもまだ本格的にこういう問題を検討しておりませんから固定した観念というか、考え方でとやかく申し上げることは差し控えておきたいと思うのですが、一つには使用機種の問題、機材の問題でありますが、これは経済性からいうならば、たとえば日航なら日航が機材を交代する、交代されたものを改造して貨物専用輸送機に置きかえていくというようなことがもし可能であれば、これは一番国家的に見て利益である。それからもう一つは、いまもいろいろなエージェントがそれぞれいるわけでありますが、これからは特にそうだろうと思うのでありますが、パレットあるいはコンテナというようなものが中心での輸送になると思います。そういうものを中心にしてやはり会社が輸送の形態を考えていくことが必要だとわれわれは思っているわけです。それからもう一つは、さいの川原ではございませんが、今日までたくさんの航空会社をつくりながら、それを合併してつぶして、そして今度は国際一社、国内二社というような非常にごく少数な企業に置きかえていこうという進行過程にあるわけであります。もちろん輸送さるべき中身が違いますから、それと密接に関係して考える必要はあるいはないかもしれません。観念的に考えれば、新しい貨物輸送の会社をつくるとなれば、これまた企業の数が一つふえるということでありまして、そういうことからいくと、いままでの国の航空政策にはいささか不信感がつきまとっておりますから、どうもわれわれとしてはなかなかついていけない面も出てきはしないか、こういうふうにも考えるわけであります。もちろんこれは検討段階でありましょうから十分御検討いただくと同時に、すでにこれは始まっておることでありますから、たとえば当該の日本航空日本航空でおそらく国際貨物の輸送に対しての将来の計画もあるいはつくっておるかもしれない。あるいは大橋運輸大臣のところで考えておることと、それが必ずしも一致しないものもあるかもしれない、あるいはそれぞれの関係者が別々なことを考えておるかもしれない。いずれにしても、実際に貨物を今日ただいままで輸送しておる日本航空計画が進んでいくとするならば、あとからいろいろなものができた場合に手違いが生ずる心配もあるということでありますので、早急にこれは検討を始められて、特に日航計画については、監督官庁である運輸省として十分点検するというか検討していくべき筋合いのものであろう、こういうふうに思いますが、これは別に答弁を求めるような性格ではありませんけれども、多少の不安がありますから十分に検討の上に結論を出されることが必要だ、こういうふうに思っておるわけであります。  それからもう一つお伺いしたいのは運賃の問題でありますが、最近の新聞では何か五%くらい上げるような話でありますが、率直に言って、いま上げ得る状況下にあるのですか。通行税というか離着陸料ですか、そういう関係もございましょうからなにでありますが、去年は、七月でありますか、青少年の割引なんということもやっておるようでありまして、そういうさ中に運賃値上げして企業が好転するだろうかどうかというような心配なんですが、この値上げを検討しておるのですか。
  62. 澤雄次

    澤政府委員 政府がこのたび航空整備五カ年計画を千百五十億のワクで決定いたしたわけでございますが、千百五十億は国費負担分だけ見ましても、四十二年度を初年度といたしまして年率伸びが五〇%以上になるわけでございます。このような年率五〇以上の公共事業ということは、国としては他に類例のないことでありますので、その一部を航空会社または乗客にも分担してもらおうということで、離着陸料を本年度から二〇%上げまして、それから通行税が、本来は一〇%の通行税が従来航空事業の振興のために五%に租税特別措置法で下げておったのでございますが、これをこの四十二年度から原則の一〇%に戻すということに閣議了解がされたわけでございます。着陸料の値上げ分は、これは航空会社が自分のところで負担するわけでございます。通行税は運賃そのものの五%が上がるわけでございます。その分だけ運賃値上げをする必要がございます。その申請運輸省に出ているという状態でございます。
  63. 久保三郎

    ○久保委員 この値上げの申請に対してどうしようとしているのですか。
  64. 澤雄次

    澤政府委員 この値上げの申請が出ましたら、これを承認したいと思っております。ただ、その全部が五%上げるということではなく、航空会社が自分の経営の努力で負担できるというところは、それを五%以下に押えております。
  65. 久保三郎

    ○久保委員 それはもう、それじゃ申請があったらじゃなくて、もうあったんですか。
  66. 澤雄次

    澤政府委員 あったんです。
  67. 久保三郎

    ○久保委員 あったんですね。それじゃもういま検討中で、近くそれをきめて、認可するのはいつごろですか。もっとももう五月は終わっちゃうから、六月ですか。
  68. 澤雄次

    澤政府委員 これは租税特別措置法の改正が七月一日から施行するということになっておりますので、七月一日からこの運賃値上げを認めるようにしたいということで、いま私のほうで検討をいたしております。
  69. 久保三郎

    ○久保委員 もう一ぺん参考のために聞きたいのですが、運賃値上げは五%というお話ですね。これは通行税とは別でしょう。通行税以外に五%でしょう。
  70. 澤雄次

    澤政府委員 申し足りなかったかもしれませんが、運賃がございまして、この運賃自身は変えないのでございますが、これに通行税を五%政府がかけますので、そのかけた形を新しい運賃にしたい、こういうことでございます。
  71. 久保三郎

    ○久保委員 そのやり方は大体わかるのです。ぼくは、通行税として五%上がるのを、しろうとにわかるように、五%の中身は何ですかと聞いている。
  72. 澤雄次

    澤政府委員 従来通行税五%が今度は通行税一〇%になるわけでございます。
  73. 久保三郎

    ○久保委員 くどいようだが、それだけかどうか聞きたい。それだけですか。あなたのおっしゃることに、企業経営の努力によっては五%以下だ。税がかかってきたのは受益者負担ということだからやむを得ないことだと思うのだけれども、その点はどうですか。
  74. 大橋武夫

    大橋国務大臣 それは説明が足らなかったかもしれませんが、いままで五%の通行税が一〇%になりますから、その分だけは当然旅客に税がかかるわけです。ただ税がかかる際に、いままでの料金を幾らか安くして、そうして税金は五%ふえるけれども、税金を含んだ運賃は間接三%値上げ程度におさめようかという会社もあるらしゅうございます。
  75. 久保三郎

    ○久保委員 わかりました。
  76. 細田吉藏

    ○細田委員長代理 次会は、明後六月二日午前十時理時会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時二十四分散会