○
久保委員 いまの
お話は、水船は内航登録というものがしてある船ですね。それは海商法にいうところの船ではない。海商法には、御存じでしょうが、私初めて見たのでありますが、商法の六百八十四条、
船舶の定義というのがございます。その一項に「本法ニ於テ
船舶トハ商行為ヲ為ス
目的ヲ以テ」、商行為をなすということは、内航の登録がなければ商行為ができない。そういう
目的をもって航海の用に供するものをいう。水船は航海の用には供し得られない。だから商法六百八十四条にいうところの
船舶ではない。内航の登録を受けた船ということは、商法なり民法上どういう
地位にあるのかということを実は聞きたいのであります。というのは、運輸省で扱っているいろいろな免許や認可というものが、たとえばハイタクにしてもナンバー一枚で何百万円というようなことで、実は
権利としての売買があるやに聞いておるわけです。しかしナンバープレートなり内航登録証そのものが、抵当の対象には私はならぬと思うのです。抵当の対象になるものはそれじゃ船という物体、しかしその船という物体でも、そこに認可というかそういうものの
権利、こういうものがくっつかないと登録にならないのかどうか、そういうようないろいろな
解釈がたくさんありますが、私は政策上の問題としてこの間もお伺いしたのですが、さっきの
河村委員の
質問からいっても、その
解釈が、いいかげんではないのだろうけれども、どうも何かぐらぐらしてきちっとしないということでは、問題の
一つだろうと私は思うのです。だからそういう問題は、あまりたいした問題ではないといえばそれまでですが、私はやはりそういうものはひとつきちんと整理をしてほしいと思うのです。この次でいいですから
内閣として、
政府としてはそういうものはどういうふうに
考えておるのか、これはひとつ私も勉強しますけれども、皆さんのほうでもきちんとしてきていただきたい、こういうふうに思うわけであります。
それからもう
一つは、
河村委員の
質問の中で、
解撤比率は一対一・五というのが去年の五月の
閣議決定事項でありました。ところが去年は一・五でやったのだが、四十二年はたしか一・三六ということで予算をとっておるというふうに思うのです。いわゆる予算の計算か知りませんが、四十一年が一・五の
比率で
解撤が十三万八千二百五十三総トンですね。これはおたくから出た資料のようです。それで四十二年度のほうは十一万三千六百十九総トンの
解撤、これに対して
建造が八万四千三百七十九総トンで一・三五の
比率である。こういうことがいわゆる年度別予算実行計画として計算されているわけであります。そうしますと、さっき
河村委員が言うように、
閣議決定事項の重要な事項である一対一・五という
比率を変更することは手続上もこれはおかしいじゃないかと私も思うのでありますが、そういうところに何か政策自体がどうもぐらぐらしている、後手後手に回っている。後手後手に回るのはどういうわけか、反省する必要があると私は思うのです。大体内航二法というか、内航の始末をつけなければならぬというのは今日までかなりの時間がかかっています。当初
考えられたのは業法の
改正だったと思います。あるいは組合法の
改正がされました。それからその次にやりましたのはいわゆる
船腹量の策定を中心とする
法律の
改正、その次に初めていま論議されている
解撤、
係船というか、そういうものによるところの率の
改正というふうに、実は何段がまえかになってきているのでありますが、言うならばすべての
——すべてと言ってはおかしいが、内航
対策が後手後手に回る、後手というよりは全体において、
政府自体が内航の実態を正確に把握していなかったところに決定的なダメージがあるわけです。いまでもそうだろうと、私は失礼だが思っている。そうだとするならば、いまはいわゆる内航
市況は上向きである、目の前に荷物があって船が足りないくらいであるというふうに直線的にこう
考えているようでありますが、もちろんそうでない方もいるかもしれませんが、大体そういう感じが非常にに濃厚であります。だから一・五の
比率はやめて一・三五というか一・三六というか、そういうものでもやむを得ない。ところが、話は横道にそれますが、言うならばこの際なぜ四十三年まで
解撤建造を延ばしたのか、上向きないわゆる海運
市況であり、ぼろ船はあまりないのだということならば、老朽船はあんまりないのだというならば、ないから、いわゆるスクラップ
建造というふうに持ってこない、
一つの
理由としてはそうなりますよ。だから、四十一年では当初だからなかなか軌道に乗らなかったというのなら、それはそれでいい。しかし
解撤建造というのは四十二年度、本年度で終わりなんです。なお四十三年までいくのは船主は、いわゆるこれは言うならば不利ですよ。だから結局、
解撤は一挙に四十一年でばさっとやるわけだった。ところがばさっとやっていないんでしょう。
建造のほうは二年、三年、三カ年間でやるが、
解撤のほうは、スクラップのほうは四十一年度ばっさりやる、こういう約束でしたね。実際はやっていないのでしょう。また、やれない
状況にあるのでしょう。だから何か作文的にと言っては語弊があるが、ことしは一・三六くらいの
比率になるのじゃないか。これが
一つ。だから私の言いたいことは、もしもばっさりやっていないとするならば、いままでやれなかったことなんですから、四十三年まで延ばすことはない。希望のないものにはもはやこの
制度は終わりだ。希望のないものをいつまでも
制度をぶら下げておいて、来ませんか来ませんかと言って安売りする必要は、さっきの
税金の話ではありませんが、毛頭ない。だから今年度ですべて
解撤建造は終わりである、以後そういう特権というかいわゆる特例は
考えない。というのは、内航
市況がよくなってきているのだから、そこに何ら手当てをする必要がない、こういうふうに思うので、もし
解撤の必要があるならば本年度で終わりというふうにしたほうがより妥当ではないだろうかというふうに
考える。いかがでしょう。