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久保委員 結論的には私と
見方がまるで違うことになっているわけであります。あなたのおっしゃるとおり、内航二法の最終的な
政策は
——当初は違いますよ。三十九年のころは違うのです。だんだん変わってきて一だんだん変わったというのは、
政府の
政策が
後手後手に回ってきた、それで去年で集大成したという
かっこうで、実は内
航政策が一応出発した。ところが出発してみたら
内航海運の
実態というものがその
政策を策定したときにはだいぶ違ってきた。だから
政策を遂行する場合に、私が言いたいのは、そういう
基礎的条件が変わってきたことについて十分な検討を加えて、
基礎的な
条件は変わりがないということならば、もちろんそれはそれでけっこうであります。私はそうじゃないと思う。そういうふうに
考えて
質問をしているわけであります。たとえば
政策を、着手したばかりだからいま直ちにその
効果を判断することは
誤りである、こうおっしゃっています。そうかもしれませんが、すでに
誤りというのは、あなたもおっしゃったとおり、
解撤比率も一対一・五の
比率がだんだんくずれてきた。
解撤の
単価というか
スクラップの
単価も当初、
政策策定の時期とはだいぶ違って上がってきている。そういうことになりますと、
政策の
中身である
利子補給、あるいは
船舶整備公団によるところの
建造、あるいはこれからやろうとしているのでありますが、おそらくできないだろうと思うけれども
係船、それも
公団を通しての融資というか、そういうものでやろうというのでありますが、それほどの必要はないのじゃないかというふうにも、極端に言えばとれます。
スクラップの
比率にしても、いま手元にあるあなたのほうの
資料を見ますと、四十一
年度ではこれは
計画として一・五、これは約束の
比率だが、それはそのとおりなったのか。これはあとから御
答弁願いたい。それから四十二年は一・三五、四十三年は一・二四、これは一・五ではない。それからおことばにあったように、
建造は約二十七万総
トン。三十九万総
トンではない。三十九万総
トンと
考えたときには、いわゆる五十八万総
トンの
老朽船が内航の中にある、だから、これを
代替建造して三十九万総
トンにした。この場合はいわゆる
生産性において、五十八万総
トンと三十九万総
トンを比べた場合に、これはいまだ
答弁を的確にもらっておりませんが、おそらく
船腹の量としては少なくなる。
数字からいっても違うのですから、少ない。しかしその
生産性からいきました場合に、三十九万総
トンの
計画は五十八万総
トンの
現有船腹に匹敵するか、あるいはそれにプラス・アルファで、もっといいのかどうか。こういう
計算をして三十九万総
トンで将来の
船腹の
需給というか、そういうものの安定をはかろうとしたのだろうと思うのでありますが、いまだ私は寡聞にして、そういう
計算のしかたを聞いていない。ただ感じとして、五十八万総
トンつぶして三十九万総
トンをつくるのだから、
船腹過剰と言われ、
市況これによって低迷し、一
ばい船主が困るという端的な表現で言った。
内航海運はこれで立ち直るのだというふうにいままで
説明されたのです。そういうことが変わっていないとするならば、四十一
年度は一・五の
解撤比率でやった。ところが次
年度以降、四十二、四十三
年度はそういう
比率をくずしていく。
最初の
目的は、さっき局長おっしゃるように、量がだぶついているから量を押えることと、それと並行して、
うらはらになるが、
船舶の質を変えていく、そうして
企業の体質を量の面からと質の面からと両方で立て直していこうというふうに
考えておる。そこにもう
一つ加わったのが、いわゆる
経営の
規模の問題。一
ばい船主というのをどう扱うかが大きな問題です。これはさておいても、少なくともいわゆる内
航政策、いわゆる内航二法の
改正の当初から変わりのない
政策の
目的は二つ。いわゆる内航の船の質をよくすると同時に、量を規制していく、こういうことなんですね。ところが
海運市況が好転したというならば、これは量を規制することはないのですね。そうでしょう。量を何も規制することはないのです。無理してまで
スクラップせいとか系船せいとい言たっていま
荷物があるのなら、それはそれでいいじゃないですか。何も無理してまで国家の銭出して引きずり込んでくることはない。むしろそれは国家の
政策でやるのではなくて、自力更生という、
好況になったら金が入るし信用も高まるのだから、自分で
解撤する、あるいは新しい船をつくる、こういうことだと思うのです。
政策はそのワクを包めばいいのであって、何も中にまで入って、おまえのところは景気がいいか悪いかと調べて歩く必要はないと私は思うのです。だから、そういう
意味で言うならば、この
政策は、
誤りとは言わぬが、
基礎的条件が変わってきている。あるいは客観的と言っていいか主体的と言っていいかわかりませんが、いろいろな
条件が変わってきている。きているから、
政策の
転換をはかるのが当然ではないかと言うのです。だから、これは公約違反ですよ。四十二
年度、四十三
年度の
解撤比率が一・五を下回ったことについて了解を国会はしていない、極端なことをきめつけて恐縮でありますが……。いままでの
説明にどこにも書いてない。公式的にもいま初めて発言があったわけであります。だからそんな
解撤比率まで下げるなら、何のためにやるのか。当初の
目的の量を押えるということは、それは違うじゃないか。
計画どおり量が押えられない。だから船の方向をはっきり示しなさい。これはジグザグコース。向こうに行ったりこっちに行ったり。私も非常にむずかしいと思いますよ。むずかしいと思うけれども、どうもそういう御
答弁ではちょっと違うのじゃないか。それも無理もない話だ。あなたもやはり専門家としての局長さんでありますから、言いたいのは、内航問題を手がけてから何人局長さんが変わったか。いまお見えになっている高林次長さん、この人は終始一貫してやったかな。内
航課長は三人くらい変わっている。そういう人事の問題もあろうかと思うのです。人の出世を妨げる必要はございません。ございませんが、そういうことも反省されたらどうか。だからあなたが新しく局長さんになったのだから、前任者がやったことについても引き継ぎどおり何もやることはないのであって、あなたが点検してこれはまずい、こうあるべきだというならば、そのとおりおやりになったほうが私はいいんではなかろうかと思っているわけです。どうでしょうか。