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水野委員 実はこれは、そうでなければいいがと思っている私の予想でございますが、この空港周辺地域の
状況というのは、さっき
お話し申し上げたように、高山の天候のように一夜にして変わりやすい、その条件次第では、私は、かって
東京の都下で起こった砂川事件のように、いわゆる空港の反対派と強制的に測量をしようという公団側との間で暴力事件が起こって、流血の惨事を起こすようなことになり得るのじゃないかというふうに心配しておるわけです。現在反対している人たちもおりますし、きょうここへ傍聴にも来ているようでありますけれ
ども、この人たちは思想的に反対をしているのではない。一部には思想的に、
成田空港が将来軍事基地になるだろうとかいうような宣伝を聞いて、そういうことを信用して騒いでいる人もおりますけれ
ども、大半の人は生活問題として、経済問題としておびえているのだというふうに私は理解しているわけです。その人たちの気持ちをよくくみ取っていただいて、特に公団側としてはそういう人たちと個々に会って、大ぜいと会いますと、公団側としては会いたいのかもしれませんが、何も一対一でやみ取り引きをやれということでなくて、落ちついて自分たちの生活の
内容を提示し、公団側も出せるだけの、それに対する答えを出して、話し合うという、静かに話し合う場所をつくってやる。ともすると、農民が大ぜい集まって、そこへ職業革命家が出てきてアジる。そうすると結論としては、言いっぱなしの聞きっぱなしになってしまう。私は過去三、四年における八街、富里地区における問題もさようだと思う。特に最近においてはむしろ八街、富里地区は空港を持っていくというだけで過去三、四年大騒ぎをさせられ、結論としてはよそへ持っていった。そうして賛成派と反対派というものの地元の対立感情だけが残ってしまった、自分たちはばかを見た、むだな金を使った、県庁まで行って、追っ払ってよかったという人もあるかもしれないけれ
ども、くるはずだと思って銀行や農協で土地を担保に金を借りて使ってしまったという農民が多いわけです。私はこういう問題についても、もちろんこれは私
どもいわゆる政党
関係者の責任ということもあるかもしれません。同時に、私はやはり国の行政の失敗であったと思う。これは
運輸省によくおわかりいただきたい。この地域に対してもしかるべき手を、公団よりも
運輸省が手を打っていただくことが、やはりこの
成田地区における農民の安心感をつくるのだと思うのです。砂川のような流血事件を起こさないように、ひとつ
関係当局で御協議いただきしまて、すぐ警官隊を出して強制測量をやるというようなことが起こると、うまくない、よくお願いを申し上げておきたいと思うのございます。
それからさらに、これは私は国会の情勢がよくわからないのでございますが、
委員長にお願いしたいのでございますけれ
ども、この強制立ち入りをやる前に、各党から
調査団を出していただいて、それに
関係当局も付随いたしまして、そうして地主、農民、その周辺の人たちとのいわゆる話し合いをするようなチャンスをつくっていただきたい。現在の
調査団を私拝見しておりますと、自民党だけの
調査団があったり、あるいは社会党だけの
調査団があったり、えてしてこういう行き方は、お互いに自民党、社会党の自分たちの政治的な立場を守り、あるいは政治的な宣伝を進めるというような行き方が多いわけであります。むしろ地元農民のためには、私は政治が介入しないほうがいいんじゃないかと思う面もあるわけであります。政治が介入しないということは、逆にまた今日考えられないことでございます。すべて国会に議席を持っている政党がこれに参画して、地元に
調査団を送って、地元の人たちの
意見を聞いていただく、そしてもう一度この運輸
委員会なりほかの
委員会に持ち込んで、その上で測量を進めていただく、このほうが私は将来重大な事態が起こらないと思うのであります。この機会にここから
委員長その他
関係者にお願いしたいわけであります。
それから、実は私も突然あれだったものですから、補償
内容につきまして、具体的にもう少し伺いたいのでありますが、きょう御
出席の顔ぶれがあまり
関係者が少ない。
運輸省だけだものですから、いずれ運輸
委員会の機会にお願いしたいのでありますが、農林省、
建設省、労働省、これは中高年層の農民の就業
対策、それから学校その他の問題について、保育所、厚生施設、幼稚園、そういった問題で厚生省、文部省、そういったところ、さらに税制の問題については大蔵省といった
関係者に
出席をいただきまして、上下水道の問題なんかもニュータウンをつくる上下水道の問題でありますが、そういった構想といいますか、将来のプランというものをこの
委員会において、これは
運輸省が中心になると思うのですが、責任を持って一応提示していただきたい。そして新しい社会の進化があるわけであります。その進化の中で農民が大きな波におぼれないのだ、あるいはその地域の中小
企業者たちがおぼれていかないのだということを明示していただかなければ、私は空港をつくること自体がうまくいかないと思います。またそういうことが明示できれば、私は意外に進捗するのかもしれないと思っているわけです。次の機会に私は
質問さしていただくことにいたしまして、きょうはこれで終わらしていただきます。