○久保
委員 いま政務次官から
お答えがありましたが、この問題は安保
条約の改定というか新安保の論議の際にも問題になったのでありますが、いま
小川委員から申し上げたように急激にふえたというのは、やはりベトナムにいま四十二、三万の兵隊を
アメリカは出しておるわけです。さらに最近の情勢からいうと、歩兵部隊を云々ということで論議を呼んでおることは、政務次官も御存じのとおりであります。また、LSTの問題で二年ほど前に国会でも論議されました。これまた、事故があって最近論議しておる。これも同じように、佐藤総理が平和に徹する、そういう外交方針をよく言うわけでありますが、特にベトナムの戦争に加担すると言っては語弊がありますが、結果としては加担しているかっこうなんです。しかも、戦争の実態からいえば和平工作というか、、そういうものもなきにしもあらずでありますが、全体を支配する空気としては、ベトナム戦争はエスカレーションの方向にあるということは事実だと思うのですね。しかし、そうなってまいりますと、戦争の常識というか常道からいけば、あらゆるところに敵側の
兵員なり兵力というものを粉砕するのがまず第一、あるいは後方部隊を撹乱する。まさに、
羽田の
空港に
MACチャーター機に兵隊あるいは
軍属が乗ってくるということになりますれば、本格的に北側の戦争がエスカレートしてくれば、
羽田空港は当然爆撃の対象になる。わが方はベトナム戦争に介入はしてない、平和に徹するというようなことを言っても、これは
口頭禅に終わる。まさに戦争がやめる方向にあるときならばあんまり注目されないのでありますが、いまのような情勢下においては、単に
羽田の
空港の利用あるいは管理、あるいは
能力というか、そういうものだけで普通の場合は論議されてもけっこうだと思うのでありますが、この際はやはり、
アメリカ軍の
輸送であるとかいうようなものをどうとらえていくかというのが、私は政治的課題だと思うのですね。だから、なるほど
地位協定五条第一項によりますれば、どこでも
アメリカが必要とするところは貸さねばならぬということにはなっておる。だけれ
ども、国家の安危に関することであるならば、やはりさっき言ったように返還をというか、
使用をやめてもらうという方向で、これは
日本国民の利益という観点から私は要求するのはあたりまえだと思うのです。
アメリカの戦争に協力するとかしないとかいう問題以前の問題でありまして、これは少しく考えてほしい。LSTの問題もそうなんでありまして、当時われわれが国会でこの問題を取り上げたときには、LST乗組員の生活の問題はどうなんだとかいうところまで話がいきました。私は国家の安危にかかわるようなことを、そういうものと引きかえっこに、ある特定の者が生活するためにという
理由で私はそういう者を乗せるべきだとは思っていないのです。その人の生活を維持するために一億というか九千万というかわからないが、国民全体が危険にさらされるということでは、これは
日本国憲法からいっても当然やめさせてもいいと思います。ところがいまだに旅券がどうのという話をしているようでありますが、この問題はあらためてまた取り上げることになると思うのです。これとやはり関連性があると思うのですね。単に人が殺されたからというだけで、あるいは
羽田の
空港が一ぱいだからというだけで取り上げる問題ではないと私らは思うわけです。そういう点について一応お考えを御披露いただきたいと思うわけです。