○
国務大臣(
瀬戸山三男君) 今年の七月六日の都議会で住宅問題について議会の議決がなされまして、それを私
どものほうにも意見書として出してきております。その
内容は、まあ
宮崎さんから
お話がありませんでしたから簡単に私のほうから申し上げますけれ
ども、第一は第一種、第二種のいわゆる公営住宅の入居基準、いま二万、三万というふうにしておりますが、それが現在の社会生活の
状況では低過ぎやしないか、これをもっと公営住宅に入る人の入居資格の収入基準を上げることが必要じゃないかというのが第一点です。そのほかに、またこれは
東京ばかりじゃありません。いま
お話しのとおりに、住宅を建てるについては地方負担が非常に大きい。これがなかなか困難をしておる。これは前国会でも当委員会を通じてしばしば御議論になりまして、私も十分その点は承知しておるわけでありますが、特に
東京都においては地価の
問題等がなかなか困難な
状況がありますから、したがって、建築単価の基準をもっと引き上げるべきではないか、同時に、都営住宅の現在二分の一国庫補助の補助率をもっと上げるべきであろうと、こういう点があります。それからもう
一つといたしましては、起債等のワクを大幅にふやすべきである、それから地価対策の確立等をはかってもらいたい、こういうことが趣旨であります。私
どもの
考えといたしましては、この入居基準の収入基準を引き上げるという問題について、従来からも、検討と申しますか、
考えてはおりますが、ところが、現状においてはまだまだその
段階に至らないというのが率直な私
どもの見解でございます。と申しますのは、公営住宅というのは、申し上げるまでもなく、いわゆる収入の低い方々に何とか早く住宅を充足したい、こういうことでありますが、残念ながら、先ほ
ども申し上げましたように、まだまだ住宅が充足する
段階になっておらない。
政府が
努力するといいましても、なかなかこれはたいへんな金と土地を要する問題でありますから一挙にいかない。これに最大の重点を置いて住宅政策を進めますけれ
ども、まだまだ
東京においては四十倍の申し込みがあるというような
状況でありますから、まだやはりいわゆる低所得者の人に優先的と言うけれ
ども、なかなか当たらないじゃないかとおっしゃるかもしれませんけれ
ども、優先的に入ってもらうシェアを大きくしておく必要がある、こういう
考え方でありますので、まだいわゆる入居収入基準を引き上げる
段階には至らない、こういう判断をしておりますが、これは漸次検討をすべき問題であろうと思っております。
それから国庫補助を二分の一を引き上げろということは、地方負担の問題はわかりますけれ
ども、まだまだ現在の
日本の財政
状況、
国民経済の
状況ではそこまではまだ踏み切れない。まあ率直な
考え方でございます。これは国及び地方、同じく住民のために居住を与えるという基礎的な
考え方で地元の御
協力を願おうという基本的な
態度である。ただ、これは前の国会でもしばしば御議論になりましたように、基準単価が低い、あるいは建築単価、特に用地費については地方負担が多いじゃないか、これはしごくもつともであります。毎年少しずつ改善しておりますが、特に四十年度から四十一年度に移ります
予算では、大蔵省にも申し上げておりますけれ
ども、なかなか一挙にはできませんから、少なくともこの超過負担を建築単価については二年で解消したいということを大蔵
大臣に申し上げておるわけであります。私
どもも、もちろん二年と言わずにできるだけ早くこの超過負担を解消したい。用地費については平均一五%の引き上げをいたしました。
東京はなかなか平均一五%では間に合いませんから、特に
東京都に対する用地費については二五%の基準の引き上げをいたしております。しかし、実情からいいますと、これは坪単価が一万三千円ということになりますから、なかなか
東京で一万三千円という土地は用意できない。ここに
東京都としての大きな悩みがあるという
状況でありますが、これはもちろん、今後その点には
政府としては全力をあげてできるだけ住宅の建ちやすいような国家財政の措置をしなければならない、こういうふうに
考えておるわけであります。
土地対策については、まあしばしば今日まで申し上げておりますが、何しろできるだけ国及び地方公共団体は大量に住宅造成をすべきだ。従来までやっておりましたけれ
ども、なかなか従来のテンポでは間に合わない。先ほど申しました
政府施策の二百六十万戸及び民間住宅の四百万戸というのも従来のような
考え方ではとうてい間に合いませんから、これは全力をあげて、あらゆる施策を総合して進めなければならない。これはおっしゃるとおりであります。
地価対策については、総合政策をしなければならないということを従来申し上げておりました。前国会でもその
一つの手段として土地収用法の改正あるいは税制の改正をお願いしておりますが、残念ながらまだ今国会継続しておるわけであります。この席をかりて恐縮でありますが、ぜひ御
協力を願って、そういう手段の推進をはかりたいということが私
どものこの
東京都の議決に対する
考え方でございます。