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稲葉誠一君
少年法改正に
関連しての議論をいまここでしようというわけじゃないんですよ、とてもこれは無理ですから。まだ法案も出ていない
段階で先走ってやって、ここを
法務省のPRの場に使われても迷惑だし、前の質問のときはあなたあまりしゃべらなかったですけれ
ども、今度は聞かないことまで一生懸命しゃべるわけですが、PRの場にされてはかなわない
——かなわないというか、そういうことではなくて、基本的な論議はありますから、これは別の機会にゆっくりやらなければならないわけで、そう簡単にはいかないということなんですね、いろいろの論議があるんだから。それまで、少年法の改正ばかり一生懸命やっていて、ほかのことはやらないのか。少年院充実の問題もあるし、矯正の問題もあるでしょう。そういう問題を具体的にどうするかということを聞いておるわけですね。そればかりではないと思いますけれ
ども、いまの少年院と今後考えている少年院の考え方を変えていかなければならぬという考え方もありますよ。いろいろな論議があることはそのとおりでありますが、そういう点をどういうふうにしようとしているかということを聞いているわけです。少年法の改正だけがすべてではなくて、その前にたくさんやらなければならないことがあるのではないかということなんですね。これに対してどうもはっきりしないんですけれ
ども、ほかの方の質問がありますので、きょうはいろいろの
関係で時間の制約がありますからあまり聞きませんけれ
ども、少年院充実の問題は非常に大きな問題でしょう。
大臣、少年院ごらんになって、少年院の教官の方と話したことがありますか。少年院の教官の方も非常に良心的な不平不満というものは一ぱいあるんですよ。これは
法務省の矯正行政一般に対してあるわけですよ。それは、刑務所というものが作業収入というものを中心に運営されているわけですよね。作業収入をあげないと大蔵省に対して
法務省としての立場が十分でなくなるのかどうかわかりませんけれ
ども、どうしても作業収入があがる刑務所を中心に矯正行政が行なわれておる。だから、矯正行政というのは非常に刑務所中心でしょう。少年院
関係のことを矯正局の中でどこが
大臣扱っていると思いますか、御存じですか、変なことを聞いちゃ悪いけれ
ども。課の中のほんのわずかなところがやっているんですよ。
あとはみな刑務所。しかも、それは作業を中心として行なわれている。いかぬですよ、そういういき方は。少年院の教官の人と話してごらんなさい、いろいろな不平
——悪い不平も良心的な不平もありますが、少年院の充実ということが非常に大きな問題です。矯正と保護を比べた場合どっちが……、保護は矯正のかげにかくれているような印象を与えられているようなところもあるわけですね。しかも、保護司といっても、ぼくも保護司をやっておりますけれ
ども、なかなか民間の人
たちですから、保護観察官をあまりふやさないで、そっちだけに負担をかけさせてやっている。これじゃいかぬ。そういう面を直さなければいかぬですよ。そういう面での直さなければいかぬ大蔵省の折衝とかいうことは、石井さんが
大臣になられたのだから、あなたのお仕事のわけです。ほかの小ものじゃできないけれ
ども、あなたならできる。大蔵省の
関係ができるわけですから、そういう方面を中心にしてやらなければいかぬと思うわけです。少年法の改正改正というけれ
ども、それまでにはとても年月かかるのですから、それまでに現在やっていただかなければならぬことをどういうふうに判断されるか、それをひとつ明らかにしていただきたいと思うのです。あまりこまかいことは御存じなくてもけっこうですが。