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渡辺勘吉君
公庫、
開銀に対してはそのことでありますが、しかしながら、農林
中金等に対しては、正式な文書をもって
融資の依頼はしないけれども、当然
政府の企画に基づく事業の推進のためには
融資の依頼をすべき
立場にあるのに、その事実
確認ができない。役人は一年か二年たてばそのポストがかわる。かわることによってその事実
確認ができないなどといって遁辞を弄して、国民はどうして
政府を信頼できますか。そういうような無
責任な
一つの
方向というものが、またここに
農林中央金庫と
政府の
責任の不分明な
一つの問題を提起しておる。私は、
政府みずからが
農林中央金庫に対してこの
甘味コンビナートの
計画に賛同をさせ、それに対して自主的な
判断によって
融資させることに、この
計画を正しいものとする限りには、積極的な
行政の
立場で接触すべきものだと思う。しかし、それをあなたがもしもきょう是認すれば、みずからそういう是認したものを否定した、
融資を拒否した
責任が振りかかるので、事実
確認ができないということできょうは逃げを打ったと私は
判断せざるを得ない。あるいは、そうでなくても、事実
確認ができなかった物理的な現象があるかもしらぬが、しかし、
確認する当事者がその当時おって、いまはこどに行っているかわからぬというようなことで、
行政が一日として前進がありますか。それじゃ、終身的にそのポストに置けばいいじゃないですか、極端に言えば、そんなことは許されないでしょう。当然、そういう配置転換が行なわれる。そういう中で、何らの連絡もとれていない。聞かれてはじめて周章ろうばいする。こういう事態の
確認ができない。こういうことでは、国民の政治に対する不信感は増すばかりじゃないですか。私は、これも些少なことではあるが、政治の無
責任さの
一つの具体的なあらわれであると指摘せざるを得ない。
また、私、きのう取り上げた問題の
一つでありますが、
公庫法の十八条の二にうたって政令を出しておることに対して、
政府みずからがその規制した
融資をこえたものを
食糧庁長官名をもって公
庫総裁に
融資をさせておる。こういうみずからつくった
法律、政令というものをみずから踏みにじるような、そういうようなことは、私は断じて許すことのできない問題であると指摘せざるを得ないのであります。
公庫の
立場について申しましても、
大沢総裁は
公庫に就任されてからまだ日が浅い。浅いにもかかわらず、予定としては
政府代表としてFAOの会議に出る。なお、その
あと、日程を延長して、
松野農林大臣に随行して東南アジアを旅行するスケージュールが発表された。スケジュールが発表される以前に、共和製糖のこの国民の
疑惑というものが全国沸々としてたぎっておるさなかにそういうスケジュールが発表された。これに対して、当時、
大沢総裁は、記者発表して、これは
政府のやることであって、私のあずかり知るところじゃないという、あなたがかつて農林官僚のトップクラスにおったときのような
答弁をされておる。しかし、いやしくも農林
行政のトップに立つ
公庫の
総裁たる者が、こういう国民の
疑惑の目の向けられておるそういう問題の中に、国を
あとにして外国を旅行するというそういう感覚を私は
総裁に対してきびしく指摘せざるを得ないのであります。
政府の方針であるならば、
政府に対して辞退をすればいいじゃないか。官僚の人事のたらい回しである。民間人のそういうものに対する理解の浅さにつけ込んでそういう特権を振り回すようでは、私はあなたが今後公
庫総裁としてその
責任を全うし得るや否や、はなはだ疑問に思う。現地に行き、あるいはさらに余暇があるならば、就任間もなければ、各地を回り、末端の各所の
担当者の声を聞く。さらには、その
融資を受けた
融資先の実態を見て、はたして制度金融としてその機能が万遺憾なきを期しておるかどうかという実態を調べることが、
総裁、当初の大きな行動の
中心でなければならない。何ですか、
一体。自分が行くのは
政府がきめることであるというようなことでは、私は
農林漁業金融公庫総裁としてのとるべき
態度ではないと思う。しかも、この
融資たるや、非常にいま大きな問題を抱いているさなかであります。
特に
公庫に対して私は指摘したいのは、
融資するまでのことはかなり綿密に、複雑過ぎるほど複雑な書類を徴取します。
融資後の
資金管理というものはきわめてプァーである。むしろ問題は、その
資金が十分に目的に沿って生かされるように使われておるかどうかのアフターケアーに重点をおくのが
金融機関の重点の置きどころである。
公庫がはたしてそういうことを十全にやっておるかどうか。今度の
共和グループに対する
融資なんかはその代表的なものではないですか。私は、この
公庫の従来のあり方をこの機会に十分反省して、国民の期待にこたえるような
方向に前進してもらわなければならぬと思います。
開発銀行は、これは直接いままだ問題が
中心にはなっておりませんから、触れません。
最後に、
農林中央金庫に対して私なりの意見を申し上げますが、確かに、
農林中央金庫は、かつては
政府機関の一翼を
担当しておりました。しかしながら、われわれは
農林中央金庫の民主化を唱え、ついに
農林中央金庫法の改正をかちとりました。いま、その性格は民間
金融機関であります。しかし、ややもすれば最近の
農林中央金庫は債券発行に重点をおき、集めた
資金を員外貸し付けに投下し、ノルマを与えてその
資金の消化をはかり、目ざすところは利ざやを獲得をする、その
融資先に対しては人を派遣して管理をする、人事の交流をやる、こういうことが組合金融のトップにある
中金のいまの姿になりつつあるのではないかということを私は憂えるのであります。言うまでもなく、
農林中央金庫は、組合金融のトップレベルに立つ機関であり、系統
融資により以上の重点を注ぎ、その
融資の管理適正に十全の努力をさらに払うべき任務にあることは、私が申し上げるまでもないのでありますが、ややともすれば、系統外
融資に重点が置かれがちの昨今である。こういう錯誤的な現象というものは姿勢を正す大きな警告を共和製糖グループ
融資に対して与えられたものだと、この点を深く反省をしてもらいたいのであります。
そこで、
一体、これらの問題を踏まえて、共和製糖グループに対して
政府はどういう
責任をお感じになっておられますか。どういう具体的な
責任を感じ、その感じられた
責任に対してどういう行動をもってこたえられようとしておりますか。