○渡辺
勘吉君 ただいままで
矢山委員が
共和グループ問題を中心に
質疑をしたわけであります。途中でありますけれ
ども、私がまたこの問題についてお尋ねをいたします。
そもそも、この
共和グループをめぐって数々の疑惑が持たれているということについては、参議院の
決算委員会なり、あるいは衆議院の
決算委員会、大蔵
委員会等の
審議に照らし、これはもう明らかであります。すなわち、高槻の国有林の交換をめぐる問題、
細島甘味コンビナートに対する過剰
融資の問題、また、これを偽装するためにレシートの改ざんが行なわれたという疑惑の問題、さらには、
細島コンビナートに対して不正の
融資、つまり法律のたてまえから許されない
融資が行なわれたのではないかという問題、さらに、もっと突っ込んで言えば、高槻の山林等を担保にして過剰ないし不正に
融資された数十億円、この金額のかなりの部分が、あるいは政治献金として
流用され、あるいは
会社の赤字補てんに使われ、あるいは特定の人物の個人財産を太らせる部分に
流用されておるという忌まわしい疑惑が数々発生しておる世間注目の問題であります。私は、本来、これらの問題のすべてを明らかにしていきたいと思うのでありますが、予定の時間がかなり経過をいたしましたので、きわめて問題を要約してこれからお尋ねをいたしたいと思うのであります。
ただ、お尋ねをする際に、おわびと申しますか、御了解いただきたいのは、
公庫、
開銀、金庫のそれぞれの最高責任者には、
参考人として、われわれ
委員としては、いささか常識をはずれるような時間まで御
出席をいただくことについては、前もってこれはあしからず御了承願いたいと存じます。
第一に伺いますことは、多少事務的な角度でありますけれ
ども、
農林漁業金融公庫法という法律の第十八条の二に規定いたしておりますところの新規
用途を開発するための関連産業
融資についてお尋ねをいたしたい。
この十八条の二を設けることについては、その立法の際に、当時の国会における議事録を見ますと、東隆君などから、この道を開くことは糖業資本に奉仕することにならないかという非常に批判的な意見が出されておるのでありますが、現在では、具体的にはこれは
ブドウ糖工業に
融資が認められておる。御承知のように、
ブドウ糖工業は、
政府の甘味資源対策によって関税と物品税を操作してやっとその存立の基盤を与えられ、今日に至っておるのでありますが、近年の国際糖価の下落、精糖工業の過当競争等によって、深刻な影響を受けております。一方的な抜き打ち的な
政府の関税自由化が、その基本的な
施策の誤りをおかしておるわけです。すなわち、精糖業界では不況カルテルを長期にわたって継続しておる。さらに、
ブドウ糖業界でも、原料高製品安に加えて、設備能力が三十万トン、フルに稼働すればこれは六十万トンと見ておるのでありますが、それに対して
生産が二十万トン、過剰設備の実態にある。
昭和三十七年以降に設備の新増設を見合わせる態勢がとられておるのに、精糖業界も
ブドウ糖業界も現在過剰設備に悩んでおる。こういう時期に、
共和グループに対して
開銀とか農林中央金庫あるいは
公庫というものから、
細島の
精糖工場及び
ブドウ糖工場の建設に対して多額の
融資が行なわれたということは、断じて納得のできないことであります。いままでの
政府の
答弁を要約してみますと、甘味コンビナートといういわば食料品工業の
構造改善のための
合理化投資であるのだ、同時に、これはまた、国会の
答弁によれば、地域開発としての実をあげるということがその趣旨のように
答弁が出ておるのでありますが、深刻な過剰設備の問題を無視するということは、いやしくもこれは
政府としてとるべき態度ではない。私が要求しまして提出された資料を見ましても、「
昭和三十七年度におけるぶどう糖工業育成要領」、三十八年にこれを多少修正しておる。新設というものを基本的にこれを規制するという
政府の方針が一方にあるのにかかわらず、三十八年の十月には、東洋果糖の菅貞人社長から
政府に対して「ぶどう糖
合理化工場建設
資金融資斡旋依頼」という書面を出し、これに対して、
政府は、
農林漁業金融公庫総裁に「東洋果糖株式
会社宮崎工場のぶどう糖製造
施設に対する
融資あっせん」というものを出しておる。全く全体の糖業政策から見れば支離滅裂であると言わざるを得ない。一体、これは、
政府が
共和製糖及び
共和糖化工業等に多額の
融資を認めたという事実はいかなる目的によるものか、まず
農林大臣の見解を明らかにしてもらわなきゃならぬ問題であります。あなたは
答弁技術はうまいから、いろいろもっともらしいことを言うかしらぬけれ
ども、基本的には、過剰設備の
段階の中で、特に
細島コンビナートに
政府金融を中心として
融資をしなきゃならぬというその基本的な相反する行政方針というものは那辺にあるかということであります。そこで、このことをまず
大臣から明らかにしてもらわぬと、私の
質問は進まぬわけであります。