運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1966-10-08 第52回国会 参議院 逓信委員会 閉会後第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年十月八日(土曜日)    午前十時二十分開会     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         野上  元君     理 事                 植竹 春彦君                 西村 尚治君                 光村 甚助君     委 員                 古池 信三君                 郡  祐一君                 白井  勇君                 寺尾  豊君                 鈴木  強君                 永岡 光治君                 横川 正市君                 田代富士男君                 石本  茂君    国務大臣        郵 政 大 臣  新谷寅三郎君    事務局側        常任委員会専門        員        倉沢 岩雄君    説明員        郵政省郵務局長  曾山 克巳君        郵政省貯金局長  稲増 久義君        郵政省簡易保険        局長       武田  功君        郵政省電波監理        局長       上田 弘之君        郵政省人事局長  山本  博君        日本電信電話公        社総裁      米沢  滋君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○郵政事業及び電気通信事業運営並びに電波に  関する調査  (郵政事業及び電気通信事業運営に関する件)  (電波に関する件)     —————————————
  2. 野上元

    委員長野上元君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。  初めに、理事会協議事項について御報告いたします。  本日は郵政事業及び電気通信事業運営並びに電波に関する調査について質疑を行なうこととなりましたので、御了承願います。     —————————————
  3. 野上元

    委員長野上元君) 郵政事業及び電気通信事業運営並びに電波に関する調査を議題といたします。  質疑のある方は、順次御発言を願います。
  4. 横川正市

    横川正市君 最初に、大臣のおられる間に考え方だけただしておきたいと思うんですが、それは日時から言いますと、たしか、これは七月八日の新聞だったと思うんですが、伝統的なイギリス郵便制度改革について新聞報道いたしておるわけです。この報道の要点を見ますと、一九六〇年の後半から大体経済的な不況に見舞われて、ポンドの価値の下落等から、きわめて財政的に困難を迎えたというのが財政上の一つ理由であったようです。しかし、その財政理由はともあれ、きわめて採算性の悪い、しかも、その上に公共性をきわめて強く要望されておる郵便事業を、これを公社制度に切りかえるという、そういう思い切った処置を考えておられるようなんですが、こういう制度改革というものは、これは唐突にできるものではなくて、相当長い歴史の中で運営の結果として生まれてくるのだと思いますし、日本の場合には、電電公社郵政と分かれてから今日まで十四、五年ですか、の年月を経て、公社制度としては、身内の公社制度として一応の成果をあげたと判断される、まだ改善すべき幾多の問題があるわけですが、そういういわば参考になるきわめて身近な問題をかかえているわけです。私は、この郵便事業そのもの国営でなければならないという観念というものは、これはやはりイギリスとかアメリカとか、その他ヨーロッパの先進国制度に由来するところがあって、当然われわれも検討すべき問題を実はあまり検討せずに、国営でなければならぬということで、考え方としてあまり手をつけてきておらなかったのじゃないかと思います。突然にイギリス郵便制度の変革を報道されますと、実は私ども思い返して、日本郵便制度についてこのままでいいのかという幾多の問題にぶつかるわけです。こんな点から、就任間もないということよりか、逓信委員会はえ抜き大臣ですから、いろいろ前後の事情等勘案して、思いをいたすところがあるのじゃないか。しかも、それをもし具体化されるとすれば、一つのやはり計画性を持たせなければいかぬというようにも思われるわけですが、こういう点についてどういうお考えか、まずお聞きをいたしたいと思います。
  5. 新谷寅三郎

    国務大臣新谷寅三郎君) お答えいたしますが、この問題については、この前の参議院の逓信委員会永岡委員からも御質問がありましたので、一応の考え方を申し上げておいたのであります。仰せのように、どうもわれわれ郵便事業に非常に深い関係を持っておりますものといたしましては、世界各国郵便事業のあり方というものを見まして、一応これは国営事業が当然であるといういわば先入観念を持って今日まで来たということは事実のようでございます。われわれ郵政省としましても、やはりこれはあまり深く掘り下げないで、そういうことが当然のことであるという前提に立っていままでも考えてきたように思うのであります。  ロンドン・タイムスの報道によって、そういうイギリスにおける考え方の変化が見えるということを見まして、私も実は永岡さんにもお答えしたんでありますが、これはわれわれとしても一つの非常に大きな考究材料になる、そういう方向に向かっていいかどうかということについても考えなければならぬというようなことを申し上げたわけであります。事業の形を公社にするのがいいとか、あるいは会社にするのがいいとかいうことは別といたしまして、国営というものからはずすのがいいかどうかということについては、非常にたくさんの考えるべき問題があると思いますので、これはいまここで横川委員にこれに対してどうしたらいいということを申し上げる段階ではないと思うのであります。イギリスのほうでもああいう報道をしたものの、政府がほんとうに公社にするかどうかということについて、具体的にいろいろいま検討しておるようでありまして、その結果、またやはり現状がいいということにならぬとも限らぬのであります。これはわれわれもイギリスのそういう事情をよく見て、材料もよく取り寄せまして、十分に慎重に検討してみたいと思っております。  ただ、申し上げられることは、電電公社でもそうでありますけれども郵政事業も非常に公益的な色彩が強いことは事実でありますけれども事業には違いがないのであります。したがって、郵政事業のほうもできるだけ事業体として必要な活動はやらなければならぬということでございますから、ともすると、国営事業であるからというので、いわゆる会計だけを見ましても、官庁会計というような形にどうもとらわれていやしないか、そのために事業運営が円滑にいかないのではないかというような点があるようにも考えられるのであります。これらの点につきましては、私のみならず歴代の大臣もその点に思いをいたしまして、事業活動が活発に行なわれるようにという配慮をされたと思うのであります。なお、さらに、単に会計だけではございません、いろいろの制度全体にわたりまして、事業体として活動するのにふさわしいようないろいろの制度を盛り込んでいくということは必要かと思います。これは基本的に国営であるかどうか、公社にするかどうかという問題とも関係はありますけれども、それに関係なく実行できる面も相当あるかと思います。そういう方向に向かって、さらに私たちとしては、いますぐにも考究を進めたいという考えでおりますことだけを申し上げておきます。
  6. 横川正市

    横川正市君 これは爼上にのせるのにもきわめて準備不足でありますし、個人的にこれがいいとか悪いとかいう判断をするのにも非常にむずかしい情勢ですから、あまりこのことで論議をいたしたくないわけですけれども、私はこういうことだけは言えると思うのですね。日本における郵便事業というものの性格を今日どういう位置づけで考えて、しかも、それをどう改善していかなければならないかという課題を持った場合に、これは制度の問題ははるか遠いとは言いながら、今日着実に改善改正をしていく幾つかの問題がある、こう思っているわけです。このことに取り組んでいくと、究極としては、やはり制度の問題にまで発展していく可能性というものは十分あると思うわけで、これはぜひひとつ、きのうの姿があすであってもいいという形ではなしに、今日やはり反省しながら、あすはどうあるべきかということで事業全体を考えていく必要があるのじゃないか。それはもう三大事業——国鉄電電郵政と比べてみまして、電電公社は弱電で、きわめてきれいで、しかも、ある程度需要が相当大きいもんですからもうかるとかなんとか、料金制度の問題もありますけれども、そういったことで、今日おそらく郵政と一緒にいたときの影も形もなくなっていると思うのですね、この体質的なものを見ますと。ことに、職員職場におけるいろんな状況を見ましても、いわゆる企業を担当しているものとしては、郵政でそのままマンネリズムで仕事をしているものとはだいぶ違った容体になっているのじゃないかということを、職場を見て私どもは感ずるわけですよ。それだけ違う。そのあと国鉄が続いている。そうすると、郵政だけが今日このままであってはならないという点に到達するのじゃないか。このままであってはならないということ、そのあと後段は各事業局質問を私いたしてみますが、これは料金改定あるなしにかかわらず、郵便制度あるいは貯金保険制度として取り入れなければならなかった合理化とか近代化の問題があるわけです。それは今年度は料金改定の時期がおくれていますから、来年度は平年度としてどれだけの計画を持つのか。しかも、それは来年度でなくして、郵便事業保険貯金事業として、将来十五年とか二十年とかいう展望の上で、一体事業経営というものはどうあるべきかということをいま取り組んでいかないと、事業の中に相当改善しなければならぬものが改善されずに残されたり、改善しようと思っても、これは三十万以上の職員をかかえて身動きができなかったり、そういう事態というものは当然予測できるわけです。そういう意味では、これらの三つ事業というものを通じて見て、できれば大臣のもとで半恒久的でもいいですが、あすのことでなしに、相当遠い将来にわたっての研究機関というようなもの、あるいは、いろんな知能を集めて、ある一つのものをまとめていくような、いわば単なる研究じゃない、もっと実施を含んだそういうものを考えたらどうかという気がするわけですが、郵便はこのままでいいんだ、保険も、貯金もこのままでいいんだということになれば、それは生まれてこない。大臣考え方として、現状ではこれはやはりいかぬので、将来相当改善の必要がある、改革の必要がある、制度上も考えるべき問題があるということになれば、今日即刻そういう一つ機構、そういったものをつくったらどうかというような気がするわけです。その点だけひとつお答えをいただきたい。
  7. 新谷寅三郎

    国務大臣新谷寅三郎君) 横川委員のお述べになりましたような考え方は、実は私も久しぶりで郵政省に帰りまして持ったことは事実でございます。いろいろ考えたり、調べたりしてまいりますと、電電のほうは、逓信省の一角として電信電話事業をやっておったのとは、今日非常にやり方も変わっておるし、まあいわば、一言で言うと、近代化されたということが言えるのですが、そうすると、郵便のほうはどうかということになりますと、私はこういう感じがしているのですね。それは本来の郵便というものの性質から、何しろ機械力にたよるよりも人力にたよらなければならぬ部分が大部分でございますから、それを近代化しようと思うと、まあ制度的にこう変えたらどうか、こうなるともっと便利になるのではないかというようなことで変える部分がありますけれども制度的な方面を見ましても、実は国民に対するサービスをもっと強化するのだという方向考えなければならぬということになりますと、勢い、やはり人力にたよる部分が多くなってくるわけであります。でございますから、どうも電信電話事業のようにすっきりした形で、いわゆる近代国家のシンボルのような形で近代化という方向に進めていくことは、郵便については本来の性質上非常にむずかしいのじゃないかという感じがするのであります。しかし、長年郵便については非常に伝統を誇って、確実な、そうして早い速度配達をやっておったというイギリスが、いまお述べになったような態度を示しているということは、イギリス事情は違うにしても、やはりわれわれとしてはこれは一つの大きな課題を与えられたような気がするわけです。でありますから、いま横川委員のおっしゃったように、何かここで新しい機構をこしらえて、その実行というものを腹に置いて取り組むんだというかまえ方をするのがいいのかどうか、それは私わかりませんが、よく考えまして、外国の、ことにイギリス状況がそういうことであるということを十分に念頭に置いて——まあ私も、人力にたよることが非常に多いとは言うものの、また、郵便貯金保険に関しまして、これの事務能率をあげる意味近代化することも必要であるし、また、制度としても、やはり近代化するように考え部分相当にあるんじゃないかという前提で、われわれ省内でひとつまず検討しまして、そうして、何か国民の皆さんに御相談をしなければならぬというような段階になったときには、何とかして早く、あなたのおっしゃるようなそういった機関をこしらえることも考えなければならぬのではないかと思いますが、いま、まず機関をこしらえて取り組むのだということには、おそらく私のみならず郵政省全体がまだそこまでの心がまえの準備ができていないのだと思いますので、この点はもう少し時間をかしていただいて、われわれの、もう少し研究する余地を残しておいていただきたいと思うわけであります。
  8. 横川正市

    横川正市君 まあこれは相当むずかしい問題を幾つかはらんでおりますから、ここで一つ方向をきめるということであってもむずかしかろうと思いますので、その点については、これは一度私どもは、個々の問題とか、事例とか、あるいは具体的な内容等を入れながら論議をしてみたい問題であるわけですが、これは後日に譲りたいと思うわけです。  そこで、質問の第一は、今日の郵便事業の持っております体質上のいわば欠陥といいますか、あるいはおくれといいますか、そういったものを克服するために、人的な面を除いて、まあきわめて日常の問題とすれば、機械的なものとして取り入れられる幾つかの近代化あるいは合理化案というものがあるように聞いております。その中で一つたとえば航空機搭載というような問題をとらえてみましても、航空機スピードと、それから郵便のおくれとをこれを観念的にとらえて、載せれば早くなるのだというような簡単なものではなくて、相当これにはいろいろな計画その他があっただろうと思いますし、それから集中局制度の問題についても、これもいろいろ論議をされたことだろうと思います。それから局番制度等幾つかの合理化案というものが出ていると思うのでありますけれども、いまさしずめ郵便事業の中に取り入れられようとしている案ですね、あるいは実施に移ったものでもいいのですが、将来どういうものを取り入れようとされているのか、その点をひとつ説明をしていただきたいと思います。
  9. 曾山克巳

    説明員曾山克巳君) ただいま先生の御指摘のございました、一言に申して郵便事業近代化のためにいかなる施策を施し、また施そうとしているかという御質問だろうと思います。御指摘がございましたように、本委員会におきましても御審議いただきました郵便法改正によりまして、七月一日以降、当委員会でも強く熱望されました国民に対しますところの郵便サービスのアップにつきましては、私どもから言うのはいささかあれでございますが、管理者職員協力いたしまして努力の結果、移行の時期におきましては若干混乱がございましたが、大宗から見まして、スムーズに円滑に運行されておるものというぐあいに確信をいたしておる次第でございます。つまり、郵便物送達の基本的な目標は何と申しましても画一サービスを提供すること、それから第二には、迅速なサービスを提供することだろうと思います。この画一サービスという点におきましては、私ども、かねて先生等から御指摘のございますように、郵便結束——専門語で私ども結束と申しておりますが、結束を十分守らせることによりまして、国民が期待しておりまするところのサービスを確保するという方向を現在も強め、また、今月あるいは来月等におきましてそういった運動を展開いたしまして、実をあげておるつもりでございます。  具体的にサービス迅速化という点におきまして、次の問題が出てまいるわけでございます。第一に、航空機搭載の問題でございますが、これは十月の半ば以降におきまして、当初は十月の一日ごろからと予定しておりましたけれども伊丹飛行場等修理関係がございまして若干延びてまいりました。おそらくは中旬には伊丹飛行場修理も完了すると思いますので、この時期になりましたならば、かねて私ども計画しておりましたところの一、二種——一種と申しましても定形郵便物でございますが、定形郵便物と二種郵便物航空機搭載が可能になろうと思いますので、詳しく申し述べると時間がかかりますので省きますが、これによりまして、東京大阪中心といたしまして、全国主要県庁所在地あて郵便が、前日の十七時までに差し出されたものは翌日の配達に回るということになるわけでございまして、質、量ともども日本通信相当部分を占めておりますところの郵便物送達速達化されるという意味におきましては、画期的な意義を持つかと考えます。もちろん、東京大阪中心専用機をチャーターして飛ばすわけでございますが、さらに、これを接続いたしますところの地方の第三種飛行場に対しましては、託送郵を利用して運送いたします。経済的にその均衡をはかるわけでございます。さらに、先生の御指摘のございました、ただ、その前にちょっと申し上げておきますが、この問題は要員の問題、あるいは勤務条件の問題、いろいろと働く従業員にとって大きな関心事でございますので、組合との間に現在合理化について事前協議を進めております。この事前協議が完全に妥結いたしませんと、スムーズに実施に入れないということでございますが、私どもといたしましては、当然職員である組合員のほうでも、この航空送達国民的意義というものを自覚いたしまして、十分な協力をいただけるものというぐあいに確信いたしておる次第でございます。  なお、第二の、先生指摘になりました集中局の問題でございますが、これは御案内のように、東京におきまして来年度三局が開局いたします。小包専門取り扱い局二局、それに印刷物専門取り扱い局一局が開局いたします。これの準備室もすでにこの六月に東京郵政局に設置いたしまして、着々準備を進めつつございます。建物のほうも、さらにまた内部の機械設備等につきましても、私ども計画いたしておりますとおり、着々と実行されつつございますので、この完成を待てば、東京都内中心といたします郵便物の処理は一段と円滑になろうかと考えます。  さらに、第三の御指摘でございます局番制度でございますが、この問題は、機械化の問題と関連いたしまして非常に重要な問題でございます。すでに私ども予算的にも四十年度におきましても若干の予算をとりましたが、四十一年度におきましても相当部分予算をとっております。機械化ができ上がるにつきましては、ただ機械をつくっただけではだめでございまして、当然一般国民の側における郵便差し出しにおける協力が必要でございます。これはなぜかと申しますと、先生指摘の、郵便物の表面に局番を記載いたしまして、この局番機械が作業の段階において自動的に読み取るということが最も効果的でございます。この点につきましては、御案内のように、去る八月一日から東京管内大宮局におきまして、従来の実験をさらに一歩進めまして、さらに実用段階に入った、たとえば選別機、取り揃え機、区分機、いろいろ機械開発、また、すでに実用化段階に至りましたものは試験中でございます。そういう機械が今後にもどんどん開発されることによりまして、それをささえます先ほど先生指摘局番制度も普及さしてまいりたい。さしずめ、今年度におきまして、特に大口の営業用につきましては、局番番号等を作成してこれを配付いたそうという計画を現在持っているところでございます。  なお、いま先生指摘になりました三つの問題のほかに、私どもといたしましては、遠いところの郵便を早くするだけではなくて、近距離中心速達化ということにも重点を置いております。私どもといたしましては、これをも郵便事業近代化というぐあいに称しておるのでございますが、特に同一市町村あるいは隣接市町村の間の郵便物速達化するためには、機動化をはかっていく、たとえば専用自動車あるいは託送便開発等によります機動化によって速達化をはかって、現に十月から着々実行しております。また、これも御案内かと思いますが、たとえばコンテナー等の利用によりまして、東京大阪、名古屋、岐阜あるいは小倉、そのほか函館というような全国主要の郵便物の、言うならば集散地に対しまして、コンテナー輸送をどんどん広げてまいっております。こういうことによって郵便物送達速度も一段と早くなり、言うならば近代化の実をあげていくように考えている次第でございます。また、卑近な例といたしましては、この付近にもよく見られるのでございますが、八号ポスト——つまり、四角い形をいたしました小型のポストでございますが、東京都内口地方口と二つ分けましたようなポストを、全国で今年度三千つくりまして、特に東京中心に配置しておりますが、これによって、従来の郵便局に参りましてからのスピードが三十分も早くなるというようなこともやっております。以上大ざっぱに申し上げましたが、こういうことによりまして、私ども郵便近代化ということの実をあげつつあるつもりでございます。
  10. 横川正市

    横川正市君 ここでちょっと御説明の中で問題としてあげられた点も触れられておったわけですが、これらのことが実施計画として立てられたのは、いつごろから実際上計画爼上にのせて、そうして実施までの段階問題点としてあったのは何で、その解決についてはどういう努力をされて、今日どうなっているか、実施計画までの問題点、その他これはかいつまんででいいですから、ひとつお答え願いたい。
  11. 曾山克巳

    説明員曾山克巳君) まず、先生先ほど御指摘になりました三つの点を中心に申し上げたいと思います。航空送達の問題につきましては、問題点としましては、省としまして、先ほど申し上げました札幌、東京大阪、福岡、この基幹本線につきましては、チャーター機を雇いまして、これに郵便物を専用輸送させるということでございまして、これをどういう運賃でもちまして、どういう会社にやらすかということも問題になっております。ただ、現在のところでは、航空局から正式に連絡がございませんので、最終的にはきまっておりませんが、いずれにしましても、郵便物運送委託法で定められましたところの料金算定方式によりまして、公正妥当な運賃でもって、しかも、同じく公正な競争をなし得る航空会社に運送させるというふうに私ども考えている次第でございます。  問題点といたしましては、内部的な問題としまして、先ほど申し上げましたように、従業員組合との関係がございます。これは御案内のように、航空運送その他によりまして、郵便物拠点から拠点まで一括輸送されますために、従来途中の鉄道郵便にかかっておりましたところの仕事がかなり静止局に移るわけであります。当然、鉄道における仕事が減ってまいります。したがって、鉄道郵便従業員減員という形になってあらわれてまいることが問題点一つとなっております。  同じく静止局におきましても、従来より仕事がふえ、しかも、夜間作業がふえるわけであります。仕事がふえまして、同時に夜間作業がふえるということは、従業員にとって大きな勤務条件の変化でございます。この点が現在組合と話し合っている最大の問題でございます。当然、組合のほうといたしましては、夜間作業の回数をできるだけ少なくせよ、また、定員をできるだけ多くせよという要求がございます。私どもは公平に見まして、夜間に郵便物を処理することが郵便物を速達させるゆえんでございますので、従業員の理解を求めながら、夜間勤務の回数が多いところがございましたならば、これは公正な線まで引き下げていくという形において、現在回数等の話し合いをしておる、その点が大きな問題点になっております。  その他、定員の問題につきましては、各局におきまして具体的に郵便物の処理に当たっておる勤務状況を見ました上で算出していくことになるわけでございまして、組合との話し合いがまとまり次第、早急に勤務線表を見まして、具体的に定員をきめていくということに相なる次第でございます。  そのほか、いろいろ組合との関係において問題がございますが、航空送達につきましては、この程度にしたいと思います。  なお、集中局等の問題につきましては、いつごろから計画を始めたかということでございますが、すでに昭和三十五、六年当時から計画を始めまして、慎重に計画を練りました結果、先ほど申しましたような過程におきまして、来年度はこれが完成を見るという段階でございます。この点につきましては、むしろ内部の機械施設につきましてどういう専門的な、合理的な方法を講じていくかということが最大の問題になっております。もちろん、職員勤務条件という点におきまして、それぞれ機械について働いている職員勤務条件ということも特異なことになってまいります。こういう点につきまして十分考えていくように私ども考えております。これも問題点かと思います。  そのほか、おあげになりました局番制度についての問題点は、国民の側からして、はたして完全にこういった局番ということにいますぐなじむかどうか、なじまないとすれば、これに対していかなるPR方策を講じ、また、いかにして理解協力を求めてやっていくかということが最大の課題だろうと思います。こういう点につきましては、単に省だけではなく、マスコミその他一般世論の指導的立場におられる方の協力も十分得ながら、将来郵便業務の近代化の道は機械化よりほかにないのでございまして、機械化をささえる局番制度の完成のためには、少なくとも公衆の理解と協力を得ていくという意味において、PRは最大の問題になるかと存ずる次第でございます。
  12. 横川正市

    横川正市君 ちょっと問題とそれますが、最近ちょっとあれした具体的な問題で、料金の問題等でちょっとこれは少しひど過ぎるのではないかということにぶつかりましたので、一般の状況をちょっと聞きたいのですが、国鉄用地内に建てられているあれは、一般には鉄道郵便関係の作業場、事務室ですが、これの用地は、郵政省が使用している用地はどのくらいで、借り上げの用地はどれくらいか、その内容、わからなければいいですが、私はたまたま、ある局の借り上げ料金というのを調べてみましたところが、七十五坪借りた土地に年間の借り上げ料が六十五万四千二百六十四円国鉄に払っているのです。七十五坪でこれだけの借り上げ料を払っているというのは、一体これはどういうことなのか、あまり高過ぎるのではないかという、一般評価で気がしたのですが、借り上げ料の計算とか、向こうとの折衝はどういうふうにやっておるのですか。
  13. 曾山克巳

    説明員曾山克巳君) 当初御質問になりました具体的な坪数については、ただいま資料を持っておりませんので、いずれ資料にしてお届けいたします。  なお、借料の計算については、当然鉄道側と郵政省側との契約によって決定するのでございますが、鉄道側におきましては、その土地土地の評価額にのっとって計算いたしましたところの借料を要求してくるわけでございまして、私どもとしましては、契約でまいるのであるから、当然安くしてほしいと、当省の郵便財政等も考えまして、絶えず主張をしております。鉄道といたしましても、鉄道は独立採算制のせいもございましょう、絶えず、どちらかというと、上目に言ってまいりますので、こういう点、具体的に折衝を重ねて、ケース・バイ・ケースで、あるところは安く、あるところは高いと申しませんが、土地の一般地価額と同等の場合はやむを得ないと認めていくという方針でございます。
  14. 横川正市

    横川正市君 青年学校に行った佐藤総理大臣は、割引切符を出すことを約束してきて、すぐ実施された、運輸大臣に就任したら、特急がどっかにとまったとか、国鉄の採算というのは非常に御都合であって、半永久的、というより永久的に郵政国鉄との間に契約されるとき、それが独立採算制でお互いの主張できまると、これはきまることはいいと思うのです。しかし、お互いの持っている公共性とかサービスとかいうような点を全然考慮されずに、一般の地価で考えてみても高いと思われるような契約料金を払っておるということは、一体どうか、これは高いか高くないかは、もちろん、他のものと比較してみなければわからないわけですが、七十五坪で年間の借り上げ料、全部書類見てきましたが、六十五万四千二百六十四円払っております、この敷地借り上げ料は。しかも、その中に水道配管の借り上げ敷地、ガスの借り上げ敷地等、何か非常にこまかな計算方式でやっているようです。これは事務当局ができなければ、大臣の所管、仕事になるわけだけれども、そういう点があることだけちょっと横道ですから指摘をして、間違いない資料ですから、いいかげんなことでないですから、妥当か妥当でないかということを調べてみていただきたいと思います。全国的に相当なものですよ、この借り上げ料は。  そこで、いま郵務局長から説明を受けたわけですが、第一に、計画集中局の場合には三十五、六年ごろから着手されてと言うから、今年で大体正味六年——七年くらいたって実施、去年あたりから実施しておりますが、ですから、五年くらいですね、実施までに。この実施までの中で大体、物の増加とか、それから東京とか大阪、名古屋、札幌、仙台、大体都市的に集中する集中のパーセンテージというようなものとか、それから輸送について、そうなれば当然起こってくる道路その他の狭溢から来るおくれとか、いろいろなものがこれは計算ずくでやられたものですか。それとも、そうではなしに、まあ万々計画的には一〇〇%の計画はあるけれども幾つかの隘路があってそれに達しない段階集中局の問題が処理をされているということなのか。一番問題は、これはいま建っている集中局なんかは、職員の側から言うと、通勤距離ですね、通勤のための利便機関といいますか、そういったものが非常に不便で、羽田の空港郵便局が設置されたときにやはり問題になって、あそこはバスかなんか配車したようですが、あれはまあ万やむを得ないと思うんですね。向こうに飛行場があって、あそこへ建てられた郵便局ですから、万やむを得ないと思うんですが、最も利便で、しかも最も効率をあげられるという集中局の立地されている場所、これはどういう計算ずくで——まあ予算関係でということになれば、永久にあんなところでいろいろな費用がかかる場所を選んだということになれば、長い目で見れば私は必ずしも予算ということにならぬのじゃないかと思うんですが、そういった計画の中で今日いろいろ問題にされるような点を私は当然論議をして、その上で、そこへ局を建てる結果になったんじゃないかと思うんですが、建ててみたらさらに問題があると、これがぼくは問題だと思うんですよ。検討期間というものは置いて、実施されたときには問題がなくなるという処理のしかたが望ましいんだけれども、ところが、やってみたら今度は別の問題が起きてきて、いろいろ不合理な点が出てきたということではなしに——まあ、どうしてそういう長い期間検討されたものが、実施される段階でまた大きな問題を呼んでいるのかと、この点ですがね。実際まあ計画をやっておられてふしぎに思わないかと私は思うんだけれども……。
  15. 曾山克巳

    説明員曾山克巳君) 私ども横川先生指摘のとおり考えております。つまり、計画時から建立時までの間の期間というものに、毎年実は当然五%なり八%なり増高してくるわけでございまして、その物というものがすでに建ったときに何十%分か食われてすぐ狭くなるということを御指摘になっておると思います。そういう点につきましては、先生と全く意見を同じくいたしますので、そのように私ども考えまして、晴海、石浜及び汐留の三集中局につきましては、いわゆる将来増というものを約七〇%から八〇%見ておるというところでございます。なお、そのほか、中局等につきましても、地方の県庁所在地等——全国的に申しますと中局になりますが——というところにつきましても、現在、将来増というものを少なくとも五〇%は見るという形でいたしておるつもりでございます。たとえば、そのほか、企画から建立に至ります数年の時勢等を見まして、郵袋の出方等をも勘案いたしまして、具体的に申しまして恐縮でございますが、石浜局等につきましての郵袋の遊びスペースと申しますか、余裕面積を一挙に六倍にふやすという修正は加えているつもりでございます。  なお、私どもといたしましては、職員勤務条件の面から、通勤状況等が石浜とかあるいは汐留、晴海は非常に不便ではないかというような御意見もあろうかと思います。御案内のように、予算ということもございましたけれども、都心の非常に便利なところに建てるというわけにもなかなかまいりませんものですから、あき地のあるところで、しかも、その中で最大便利で、同時に運送機関及び郵便物の処理上効果的なところということで、最大公約数的なところを選んだのがこの三つでございます。御指摘のとおり、将来は自動車高速道路の発達によって、むしろ、いま申し上げた三つのところではなくて、郊外地のもっと広々としたところへ建てて、そういうところへ職員の無料バスを考えたらどうかという意見もございますが、そういう点につきましては、鋭意研究はいたしております。
  16. 横川正市

    横川正市君 これは私は、結局、計画に移す場合に、その計画段階で問題になった点はほぼ大体解決をしたということから実施段階に移さないと、実施段階でまた問題が起きて、所期の目的が達せられないということになるので、いま手をつけている計画その他については、その点の配慮をぜひやっておいていただきたい、こう思うのです。  そこで、いま体質上の改善をして、そして速度の問題とか、サービスの問題とか、そういったことを重点として考えられたということなんですが、一般的に、私はいまの郵便国民に対するサービスは必ずしもいいサービス状況だとは思わないのだけれども、しかし、それにしても、一挙にサービスが増高して問題が全部解決されるということではないと思うのですが、サービスのいわば手の届いたサービスをする段階において、たとえば労働条件とのかみ合わせをどの程度見ておられるのか。具体的な例を申しますと、たとえば航空機搭載は、いまの局長説明では、十七時までに投函されたものが翌日配達される一つサービス網というものを考えた、そのときに起こってくる労働問題というものをどの程度に考えられたか。それから私は具体的に数字を言えば、それならば二時間早めて、たとえば窓口締め切り時間、三時までに投函されたものにつきましては翌日配達する。二時間サービスはダウンいたしますけれども、一般に、需要その他銀行とか株式とか、いろいろな状況を見てみても、その日の三時ということで締め切られたら、それほどサービスがダウンするかどうか、市場調査を実際上やったかどうか。机上では、五時までなら大体みな持っていかれるだろう、しかし、その場合には、労働条件の一問題でどういう問題が起こるだろうか、しかし、それをもう少し一般の人に協力してもらって、三時に切り上げたら労働問題その他でどういう変化があったかという点の検討はされたのじゃないかと思うのですが、その検討の結果は、五時でも別に労働条件で問題がないと判断されたか、それとも、三時ではサービスがいままでよりかあまりよくならないと判断されたのか、その点はどういう結果になっておりますか。
  17. 曾山克巳

    説明員曾山克巳君) 私ども先生と同じような考えを持っているわけでございまして、公衆に協力をしていただいて、郵便物はできるだけ日中のたとえば午前中とか、あるいは午後早目に出してもらうということを勧奨しているわけでございます。これはわが国だけではなくて、諸国、特にアメリカ等におきましては最大のキャンペーンをいたしておりますが、ぜひ私どもそうしたいと考えます。ただ、実態から考えまして、そう勧奨いたしても、そういうすでにキャンペーンに手をつけております国におきましても、どうしても郵便物は夕方五時から七時にかけてがラッシュになるというのが実態でございます。それで、そういう実態を受けまして、その実質的に集中します郵便物を処理するということが必要になってまいりますので、いま申しました五時という取り集めの——最終便でございません、最終のほうから二番目くらいでございますが、そういったものを中心考えていくようにしたわけでございます。なお、ただ、先生の御指摘と同じ考えと申しましたが、私どもは、従来ございました三時から五時ごろまでの間にございます補助便というものを本便化いたしまして、したがって、その郵便物を集中的に局に持ってくる。従来、夕方の四号便になっておりました、四号便の取り集めになっておりましたのを、補助便を本便化することによりまして、一便繰り下げたために、補助便で持ってまいります郵便が、できるだけ早い時間に局に入る。そうすると、先生のおっしゃる職員勤務条件という面において、何がしかの貢献をする。したがって、それだけ郵便物の処理もスムーズにいくということから、そういうことも考えたわけでございます。
  18. 横川正市

    横川正市君 この点について、これはもうどうですか、今月の労働事情というような段階であまり変化を来たさない中から出発して、そして実施段階であまり無理をしないでサービスをだんだん高めていく。三時を四時にするとか、四時を五時にするという段階的なサービスの増高を考えて、そして実施段階では現行よりも少しサービスになる。その次には幾らか前進をするというように、これは私は何も労働事情から見て企業を見ているわけではございませんけれども問題点は、先ほど局長伊丹飛行場の未修理が云々と言っておられるようですが、事実は、問題は別に会社の選定とか運賃の算出とか、同時にもう一本の柱は労働事情じゃないかと私は判断するわけで、運賃とか会社関係も労働事情と同じことにむずかしいかどうかは別として、重要な解決の柱であることは私は間違いないと思うのです。そういう点から言えば、十月一日の実施がおくれて中旬——中旬ということになると、日にちが明確にされておらないということは、なおかつ問題が困難なものがあるということが判断されて、そういうふうな結果になったと思うので、その点を思い切って、実施時日に、国民に対しては何時からやってどれだけサービスは増高いたしましたと言うよりか、今日よりかだいぶよくなりました、その次にはこうなりますという期待感を持たせて実施に移していくということのほうが、私はより現実的じゃないかと思うので、私は三時でやって、いわゆる夜間勤務の配置はどうか、深夜勤務はどうか、それから飛行機の輸送についてどうか、料金はどうかというように、基準をひとつ下げてみたらどうかというように思うのですが、検討の材料にならぬですか。
  19. 曾山克巳

    説明員曾山克巳君) ごもっともな御意見とも思いますけれども、先ほど来申しておりますように、現実に郵便の出方を見ておりますと、どうしても夕方以降に郵便物が集中するということが一つございます。  それから、これはことばを返すようで恐縮でございますが、やはり郵便物というものは、絶えず流れて作業をする、流して作業をするということが、郵便送達にとって特に大事なことではなかろうか。その意味におきましても、言うならば深夜勤という形で、深夜勤を三カ月ずつ続けて、三カ月たったら日勤にかえる、また三カ月たったら深夜勤にかえる、わが国に見られる十六時間勤務、固定給を相当取るような例は見られないわけです、ほかの国では。いろいろな特殊な事情がございますので、必ずしもそうはならないと思いますが、私ども、できるだけ郵便物を昼間に集中して出すようにキャンペーンをいたしますが、それでもなお、実際上夕方に出てまいります郵便の処理のためには、夜間勤務というものをある程度の回数まで持っていかざるを得ないと思います。しかし、先ほど申し上げましたが、特に回数が多過ぎると思われるところでは、夜間勤務回数は下げていく。ただし、それに対しましては、十分職場環境の整備をいたす必要がございます。また、疲労の回復というような見地からいたしましても、いろいろな手を打っていく。なお、手当というような問題につきましても十分考えて、最もきつい勤務をいたしております郵便従業員の苦労にこたえていくというように考えている次第であります。
  20. 横川正市

    横川正市君 逆説的にいえば、私は、当日配達方針を打ち出して、そこまでやったらどうか。しかし、当日配達というのは実は逆にいうと、予算とか定員とか、そういった面のほうがうんと増高して、そして当日配達それ自体の苦労の問題というものはそれほどついてこない。いわゆる労働事情とかなんとかついてこない。だから、もし、もう一歩考えるならば、郵便局が当日配達考えるならば私はいいと思う。そうすれば、夜間どうだとかなんとかということでなしに、国民のいろいろな何といいますか、サービスをしてもらって、夜間の実際上の時間を何時に制定するかはこれは別ですけれども、大体勤務時間に間に合うように当日配達、そうすれば、出すほうは私は協力すると思うのです、当日配達するということになれば。それで、当日配達をしてサービスが一〇〇%も一二〇%もよくなって、それに付随する問題点が消えてなくなるならば、当日配達をやって国民協力させればいいと思う。その点は、こちらは相当高いサービスをするわけですから。そうでなしに、なまはんかなところにやるから、いま局長は流れ作業だと言うけれども、流れ作業だけれども、どこの便で打ち切るかが、これはもう非常に大きな影響があるわけです、どこで切るかというやつが。たとえば深夜到達する幹線の各局で受け入れの時間というものは全部違うわけでありますね。ですから、昼間着く駅の郵便局もあるし、夜間ばかり着く駅の郵便局もあって、その点は、いま勤務状態というものはもう全くの不合理、アンバランスになっておるわけですね。そういうその点はあるけれども、実際にはどこで打ち切ってどういうサービスを確保するかという点が、私は事業のいわゆるけじめだと、こういうふうに思うので、一番郵便物がたくさん出てくる時期に、それに合わせてこちらのサービス改善をするということも大切だけれども、それを実施する段階でいろいろな問題を起こして、かえってサービスサービスにならないようなことがあっては、これはいかぬと思うので、実施の方法は、目標としては、たとえば五時なら五時に、五時半なら五時半に置いても、実施段階は三時なら三時で始めたらどうかという、そういう私は意見を持っておりますが、これはどうせ、これからいろいろな問題にぶつかって話し合う段階だと思いますから、その段階でひとつ検討していただくようにお願いしたい。  それから航空機搭載、それから自動車によるところの輸送等の問題が強化されて、必然的にいまの郵政国鉄関係は私はどうも割り切れないのです。国鉄近代化合理化何次計画でもって輸送はどんどん早くなるのに反比例して、郵便はだんだんおそくなる輸送をやっておるという点についても、何とかこれは改善すべき余地があるのじゃないかと思っておるのですが、しかし、それはこちらとして改善してもらうとして、明日の輸送の問題で当然起こってくる鉄道郵便局の配置とか、あるいは要員の問題とか、これについては、一体どういう変革があると判断をされて、その変革に対して、どういう対処をされようとされておるのか。私はもうあってしかるべきだと思うのですがね。
  21. 曾山克巳

    説明員曾山克巳君) 実は航空郵便実施にあたりましても、鉄道郵便従業員は非常にその点を心配いたしまして、ただ、現在、組合のほうに提示しております、先ほど例にとりました鉄道郵便乗務員の員数は八十八名程度でございまして、そう特に多い数とは私も思っておりません。また、この十月一日から改正いたしました新しい郵便物区分規程の改正がございまして、これに伴いまして、私ども、できるだけ鉄道従業員の苦労を少なくするということと、同時に、苦労を少なくして、郵便物がおそくなってはいけないと思います、郵便物の速達という両方の見地を十分かみ合わせまして、鉄道郵便局に当然乗せて、実際は残したわけでございます。そういう見地から見ますと、いまのところ、先生御心配のように、鉄道郵便局の制度を変え、あるいは、たとえば自動車局、自動車運行局と申しますか、そういった局に切りかえるというようなことは考えておらぬわけでございます。  なお、ついでに申し上げますと、当初国鉄はいわゆる集中処理ということを申しておりました。数年前までは拠点拠点に、たとえば北のほうについて申しますと、福島に郵便を落とす、あるいは仙台に落とす、そのほか盛岡に落とすとか、そういった拠点だけに落としていって、あとは日通の車なり、あるいは自前の郵政省の運送契約でもってやってほしいという申し出もございましたが、最近におきましては、その集中処理の方式はやめておるようでございますが、そういう運行処理の方法もあるようでございます。そういった点から申し上げますと、鉄道郵便というのは従来どおり残るということでございまして、直ちに、御心配のような改変の措置は考える必要はない。ただ、長期計画におきましては、将来、自動車高速道路が発達した場合どうするかということについては、内部的にはもちろん私ども検討いたしております。
  22. 横川正市

    横川正市君 それとひとつ関連をして、これは電通との関連がありますから、この際お聞きをいたしておきたいと思うのですが、私は、全国的な資料は持っておりませんが、千葉県の資料だけ見ましても、来年の集中合併によるところの定員の過剰、あるいは残定員、あるいは特例によるところの退職、その他入れてみまして、相当の大きな数字を示しておるわけなんですが、合理化される、サービスが強化される、それに伴うことによって、国民がたいへん喜んでおるという反面、やめたくないけれどもしかたがないからひとつ特例によってやめようかという人間、それから電通へ行こうか、郵政へ行こうかといって思い悩んでいる者、あるいは通勤距離について転勤を余儀なくされる者、言ってみますと、一つ近代化合理化のための犠牲というものを負うてここに集中されていると思うのですよ。その対策は、私は、いままでは相当これは何だかんだ言いながら一つの解決を持ってきたと思うのですが、これは来年度以降、電通関係の業務の推進に伴って、ますます激しくなってくる度合いというものがあると思うのですが、これと取り組む姿勢というものは、どういう対策を立てておられるのか。たとえば千葉県を見ますと、七十数名のうち、公社へは大体希望する者二十四名、特例でやめる者十七名、その他は全部これは郵政省に残留定員、過員定員ということになるようですが、こういった事態を、これは全国的に私は出てくる数字ではないかと思うのですけれども、これに対してはどういうことになりますか、それをひとつお答えいただきたいと思うのです。
  23. 曾山克巳

    説明員曾山克巳君) 具体的な自動改式の例でございますので、郵務局長からお答えいたしたいと思います。  ただいま先生指摘になりました千葉県の例でございますが、昭和四十年度末におきましては、東京管内の千葉県におきましては、残留過員数というものは実は十七名ございました。つまり、ことしの三月三十一日末までは十七名ございました。それが、ただいま先生指摘のように、去る七月、たとえば千葉県の旭という局、銚子の近くのようでございますが、開始いたしまして、そのとき、御指摘のように、公社への転出は旭について申し上げますと五人ありまして、退職は六人、そのほか、いろいろ部内異動がありまして、郵政部内に残った者は二十四人というような形で、非常に大きな残留過員が出たという例がございます。これは先生指摘のとおり、こういったことは単に千葉県だけでなくて、特に地方郵政局管内、たとえば金沢の管内とか仙台の管内というところに相当ございます。私どもといたしましては、もちろん、従来もたとえば昭和三十九年度におきまして退職特別給付金というような形で退職しやすいような制度考えるとか、そのほか、公社郵政省の立場から申しますと、公社のほうへの引き取り率を十分考えていただく、同時に、郵政部内残留者につきましてもまた十分公社の自動化計画協力する意味から、われわれ、内部の欠員局への再配ということで努力など、ともども努力を重ねましてまいっておるのでありますが、実態的に、先生指摘のとおり、昭和四十二年度末におきましては、残留過員が実は二千人くらい残るのじゃないかと考えます。また、第四次五ヵ年計画終了時の昭和四十七年度末におきましては、約五千人の残留過員が残るのではないかと考えます。この点につきましては、目下公社当局と過員協定の新しい締結のし直しという形でせっかく努力をしつつ、万全の対策を施したいと考えておる次第でございます。
  24. 横川正市

    横川正市君 大臣御退席の時間が迫ってますから、先に大臣質問をほかの委員にしてもらって、退席したあとは引き続いて残をやるというぐあいにしたいと思います、そうでないと、あと時間がなくなりますので。そういう意味で一応私の質問を中止しておきます。
  25. 鈴木強

    ○鈴木強君 前回残りました質問もあるのですけれども大臣関係があるそうですから、私の質問も二段がまえになるのですが、最初に大臣にお尋ねしたいのはベルボーイですね、これの周波数の割り当てについては、早急に結論を出していただきたい、こういう強い希望をこの前申し上げておったのでありますが、その後どんなふうな状況でございましょうか。
  26. 新谷寅三郎

    国務大臣新谷寅三郎君) ベルボーイの問題はこの前に申し上げましたように、主として周波数の問題に難点があるわけです。私も就任以来、この制度は外国の例を見ましても、ある程度普及されておることでもあるし、わが国でもこの制度を採用しますと、相当たくさんの国民の方々がこれを利用するであろうというような、いわゆる利用調査というようなものも出てきておりますので、できるだけこれを実用化するようにしたいという考え方で進めてきたわけであります。ところが、周波数の問題については、なおまだ研究する余地が相当あるということがわかり、ほとんど十回ほどでしょうが、私の手元で関係の係官を集めて相談をしておるわけであります。ごく近いうちに、こういう方式でやったらどうだ、こういう周波数帯はどうだろうかというようなことについて、具体的な結論とまではいきませんが、もう少し具体的な案を練りまして、それをもとにしてもう一ぺん実験するというようなことになるかもしれません。御承知のように、周波数の問題はあとからあとからと申請が来るものでありますから、不変のものではない、ある程度流動しておるものであります。その中で、数年前からきまった問題じゃないかということで、いろいろ衆議院でも参議院でも御意見があるわけでございますが、それを私も承知しておりますけれども、いまのような周波数についての状況のもとで一般公衆に利用してもらうということになると、相当の幅のバンドを与えないと、なかなか実用化しても国民の多数の方に利用してもらうというわけにいかないということになりますので、実行する以上は、相当将来を見まして、そうして、これならという周波数帯を選ばなければならぬということが非常に問題であります。具体的にどの周波数帯だということを申し上げることは私もいまできませんわけであります。非常にその点については話が煮詰まってきておりまして、ごく近いうちには、大体こういう方式でこういう周波数帯でやるようにしてみたらどうかというようなことで、おそらくもう一ぺん実験をしてもらった結果、実用化するというようにこぎつけたいという考えでおるわけでございます。あなたに御質問受けてから一カ月たちますがまだそんなことかというおしかりがあるかもしれませんが、鋭意努力してやっとそこまでこぎつけておる状態でありますから、もう少し時間をかしていただきたいと思います。
  27. 鈴木強

    ○鈴木強君 これはただ観念的にお話のできることではなくて、一番やっかいな周波数の判定ができるかどうかということですからね、私もよくわかりますが、ただ、従来の経過からしまして、どうも国民に申しわけないんじゃないですか。実際予算に組んでスタートできるという確信に基づいてわれわれは審議をしてきているわけですから、いまになってもう一回テストのし直しだというようなことは、どう見たってこれは納得できませんよ。しかも、まあ九月中には何とかなるだろうということで私たちも期待をしておったのですけれども、その変更する方針すらここではっきり答えられないということは、非常に私は残念だと思います。  それからもう一つ、前回にも、私はそういう技術的な問題でありますから、われわれも、なるほどいまテストをやろうとした周波数については、これこれこういうわけでもうないんだと、したがって、こうしなければならぬという具体的なひとつ構想をわれわれに説明してくれと言ったのです、あのとき。ところが、われわれに対して一カ月たっても何も話がない。少し不親切じゃないでしょうか。そして、いまになってからもう一回やろうというようなことでは、どうも、私は政治の姿勢として国民は納得できぬと思うのですよ。しかし、できないことはできないので、これ以上どう追及してみても前進はないと思うのですが、しかし、もう一回、そういう過去のいきさつを肝に銘じていただいて、一日もすみやかにそれはこうしなければならぬという方針を国民の前に示し、いままで国民の前に示した方針というのはこれこれこういうわけでできなかったのだということを明らかにしませんと、郵政省の責任は私は果たせないと思うのですよ。ですから、そういうふうにひとつしていただいて、なお、われわれにも現在の周波数はこういうわけでできないんだという、ひとつ具体的なデータをもって説明してもらいたいと思うのです。まあこの場所では時間的にもないようですから、いずれ機会を改めてもけっこうですから、そういうことをしてもらいたいと思うのです。約束したことはひとつやってもらいたいと思うのです。どうですか。
  28. 新谷寅三郎

    国務大臣新谷寅三郎君) ベルボーイに利用するのに一番適当であろうといって一応実験をした周波数が二つあることは御存じのとおりであります。これについて実験をした結果は、先ほども申しましたように、周波数の割り当てというものが非常に流動しておりまして、絶えず動いておるものでありますから、その間、相当の幅をとろうと思うと、いろいろの障害が起こるような場所では、なかなかとりにくいという事情もできてきたことは事実です。しかし、それにかかわらず、お話のように、予算にも計上しておることであるから、ある程度郵政省は、その当時予算に載せることについて了承したんだから、郵政省が責任を持って解決しろというようないろいろのお話があったので、そのつもりで処理を急いでおるわけです。しかし、問題は、このベルボーイだけを処理すればいいということでなしに、やはりテレビにも影響を与える、ほかの超短波の無線にも影響を与えるというようなところで処理をしてしまうと、非常に影響が他に及びまして、全体としても困った結果になるものでありますから、そういうような困難な事態を起こさないような方法でいまのベルボーイを生かしていくのにはどうしたらいいかということで苦心をしておるというのが実情であります。この点は、鈴木委員もそのほうは相当お詳しいですから御了承いただけると思います。  それで、前に実験をした周波数の、この近所の周波数がどういうふうに使われているかということは、これは非常に膨大な資料になると思いますが、関係局長ないし部長、課長からあなたには御説明をして、こういう事情であるということは了承をしてもらうような措置をとりたいと思いますから、その点はお約束をいたします。  ただ、さっき申し上げたように、これはいたずらに遷延をさしている意味じゃないのです。非常に急いでおるのですが、いま申し上げたような非常にむずかしい問題が多いものですから、すべての情勢を勘案いたしまして、どこにも障害のないようにというので、よい結果を得ようという努力をしておるということをひとつぜひ御了承いただきたいと思います。
  29. 鈴木強

    ○鈴木強君 まあ過去の経過の上に立って私はものを言っておりますから、少なくとも、そういうことが全部実験をされ、研究されて、いよいよベルボーイ・サービスを開始させるということによって、この周波数の割り当ての見通しも立ち、予算的な措置をも国会に提案をした、おそらくはこう了承をして予算委員会でもおったわけなんです。そうでしょう。ところが、いろいろ聞いてみると、方々に手抜かりがあって、そうして、いまになって周波数がないということをまあ口実というか、そういうことを根拠にして遷延されているわけですからね。そういう国会に対する態度というものが私は納得できぬということを言っておるのですよ。しかし、これはこれ以上言ってもしょうがないですから、早くやれるように最善の努力をしてもらいたい、こういうことをお願いしておきます。  それから飛び飛びになりますが、あとで今度の台風二十四号なり二十六号に対する災害のその後の経過についてはお伺いしますが、特に大臣に伺っておきたいのは、たとえばこの災害に対する郵政省の取り組み方の中で、この被災地に対して救恤品、救援品、見舞い品等を送る場合に、小包は無料で災害地には送れるという特別扱いがありますね。そういうことについて県のほうからそういう申請があった場合にやる、これは災害救助法の発動された県ですが、というようなことになっておるように聞いておるのです。ところが、その辺のやり方について多少批判を受けているでしょう。国鉄のほうと相談したとかしないとか、歩調を合わすとか合わせないとか言っておるのですが、そういうことはもう少し適切な措置ができないものでしょうか。  それから、たとえば被災者に対する特別扱いの郵便貯金保険年金の非常払い、その他全部含めまして、こういった特別な扱いについても、被災者のほうはどうかするとそういうことに対する関心があっても知らない場合があると思うのですよ。したがって、親切にこれは被災者に対してもっと周知をしてやるとか、何かそういう配慮は具体的にやっていただけたのでしょうか。
  30. 新谷寅三郎

    国務大臣新谷寅三郎君) 問題は二つあると思いますが、初めの問題についてお答えいたします。  この間の二十四号、二十六号台風の結果、静岡とか山梨方面では局地的には非常に大きな災害があったわけであります。それで、小包につきましていまお話しのようなことがちょっと一部の新聞に出たことがあります。よく知っておりますが、これはしかしこういう事情であるということを御了承いただきたいのですが、御承知のように、郵便法の十九条の三という規定がございまして、非常災害の場合に発動するということになっておるわけであります。で、これは比較的規模の大きな災害の際に適用する基準を定めておるのであります。今度の二十六号によりましては、災害救助法が発動されて、いまお話しのように、非常に災害のひどかった地域に対しましては、それぞれの機関から救助の手を伸べたわけでございますが、ところが、この郵便法関係の基準からまいりますと、これらの災害が一つの町村——一つの町とか一つの村全体に及ぶものじゃなくて、その中の一つの部落が非常にひどい災害を受けておるという例が多い。でありますから、一つの町村を単位にいたしますと、この基準には達しないということでございます。しかし、私は関係局長とも相談をいたしまして、十分郵便法の十九条の三の基準には達しなくても、局地的に見ると一つの部落——小さな部落かもしれませんが、その部落では非常にひどい災害を受けて、ほとんどその部落全体が困っておるというのだから、そういうところに対しては、特にその十九条の三によるそういうものを、救助小包を無料で送るように特例をこしらえたらどうかということで、いろいろ相談をいたしまして、その手続をとったわけです。ですから、ちょっと一日ほどおくれましたけれども、これは本来であれば、そこまで及ばないのを、今度の災害は非常に局地的にひどかったので、そういうふうな措置をこれは応急的にとらしたというような事情があるので、その点は御了承願いたいと思います。  それから、まあ災害が方々に起こって、まあ、ところによっては非常な困った町村が出ておることは事実でございますが、まあ全体としましては、私ども、今度の八月・九月災害救助といいますか、復旧といいますか、そういったものに対しましては、郵便といわず、電信電話といわず、これはまあ極力努力をしたと思っておるわけなのです。中には、まあいろいろの非難も起こったでありましょうけれども、しかし、これは事情がもう通信がとだえてしまって、道路もなくなってほんとうに孤立してしまったような局との間の連絡というのは、これは容易なことではない。郵政省あるいは電電公社だけで処理できない問題がたくさんでございます。これはわれわれも非常の措置を講じまして、何とかして通信線一本だけでも回復したいということで、電電公社も非常に努力をしたわけであります。その点については、これからも非常の場合を考えて、あらゆる対策を前もって講じておくようにしたいということで、先般来、これは毎年起こることでありますから、全体を通じての非常災害の場合の通信施設設備については考えようじゃないかということで、いろいろの研究もし、準備もしようとしておる段階でございます。  それから、あとでおっしゃった問題でございますが、その問題はおそらく、宮古島の救援物資についてのPRが悪かったというようなことが原因で、多少一部の新聞に問題が提起された、それをさしておられるのだと思いますけれども、この点は調べてみますと、非常にわれわれのほうにも手落ちがあったことは事実でございます。ことに窓口の機関がこういうふうにすればいいですよということで非常に親切に公衆に示してあげれば、その大部分のコンブレイントもなくなったかと思います。しかし、その窓口の扱い方が親切でないようなところがありまして、公衆に迷惑をかけて、一ぺん持っていったものを窓口からまた小包を持って帰ったというようなこともあったことは事実であります。いずれにしましても、そういった点については、たとえば沖縄の郵政当局と話し合って、こういう手続はもうやめようじゃないか、救済物資についてはもう内地と同じようにしようじゃないかという話し合いをしておりながら、窓口機関が十分に公衆に徹底しなかったというような点で御迷惑をかけた点は、これは率直に私は認めざるを得ない。それについては、さっそく関係の当局から窓口に対しまして、これはひとつ公衆に対して親切に応対してよく事情説明をするようにということは通達をしたわけであります。これからも注意をしたいと思います。まあ、せっかくいい制度をこしらえたり、あるいは、こういう救援物資を急いで送ろうというような要望にこたえるために措置をとりましても、窓口機関が十分でないと、いま申し上げたように動きが悪くなりますから、これは今後とも十分留意をいたしまして、万全の措置をとっていくように努力をしたいと思っております。
  31. 鈴木強

    ○鈴木強君 時間がありませんので、ちょっと私まとめて二つ三つ質問しますから……。いまのことについては、もちろんぜひ今後もやっていただきたいのですが、特に死んだ場合、簡易保険がもらえますね、非常払いで。それから印鑑をなくした、通帳をなくした、いろいろあるわけですよ。こういうことについてなかなかお客さんは理解していない点があるわけですよ。だから、こういう点についても、無料はがきも五枚お配りできるのですよとか、こういう通帳がなくなっても払ってあげますよとか、簡易保険に入っておったらすぐ非常払いをしてあげますよとか、そういう周知をできるだけ被災者の人たちに対してしてあげてもらいたいと思うのですよ。そうすれば、一番金がほしいのですから、そういうふうなときに親切にしてもらえれば、気がつかなかったけれども、そんなにしてもらえるのかということで、私は非常に喜んでもらえると思いますから、そういう趣旨のPRというものを間髪を入れずにやっていただきたいということを特にお願いしておきます。  それから十二チャンネルの再建案というものができましたね。一応四月からやっておりますね。ところが、依然として私たち放送の内容を見ておりますと、中には番組向上委員会から推奨されたようなのも一つありますが、いずれにしても、時間帯が五時間、何とかこれはやらなければならぬだろうというお互い気持ちを持っているのですが、そこで仄聞しますと、新谷大臣が就任されてから、十二チャンネルに対して何か再建案を考えているとか、もう一回そういうふうな諮問というか下問をしたというような話を聞いておりますが、いま五十数億の負債をかかえて、月一億の金をもらってきて何とかやっていますけれども、一体これはどうなるのか、さっぱりわからぬのですよ。一方、裁判には負けているので、あなたのところも苦境にあると思うけれども、何か出されることはけっこうなんだが、あなたのほうの所信も——十二チャンネルに対する再建案を示すというからには、何か抱負を持っていると思いますから、それをひとつ……。  それから、この前、永岡委員から、衛星連絡会議を開いてもらいたいということが、ここで質問の形で出ましたね。日本の衛星通信開発研究について各省ばらばらになっているから、この連絡協議会を持ってくれ——さっそく持っていただいて、私もこれは同感だったものですから非常に喜んでおりますが、ただ一つ、今度は民放連のほうでも連絡会議をつくりましたね。ですから、これといまの電電公社郵政省、それからKDD、NHK、この四者でやっている連絡協議会、もう一つ民放が出てきたわけだから、これを何か合体させて一緒になってやっていくということが私は必要じゃないかと思うのだが、その点が一つ、いいですか。  それから、それとの関連で、せんだって東大の内之浦から打ち上げたラムダ4S型一号の打ち上げは失敗したわけだ。これについては、郵政省としてもかなり関心を持っておられると思いまして——電波監理局長おられますね。あなたの業界紙との対談の中でも「“ラムダ4S一号”の打ち上げは、失敗に終ったが、その原因を究明し、今後に備えることが大切であり、必ずしも全面的に失敗したとは思わない。今回の失敗によって、」——失敗ではないのだが失敗だ、そういうわからないことを言っているのだが、「今後の衛星計画が大きなそごをきたすようなことはないだろう。」。私もそう思いますが、郵政省としても、この四者連絡協議会の中で、将来は打ち上げまで考えようという構想でやっておられるわけだから、これらの問題について、原因について、どういうふうに判断されているか、それをひとつ伺いたい。  それから、もう一つ最後に伺いたいのは、メキシコのオリンピックがもう三年後にあるんですが、この放送権の問題で、NHKとABCインターナショナルとの間で放送料の問題なんかを中心にしてトラブルがあるようなんですね。これはまあNHKにまかしておけばいいというものでもないと思うので、やっぱり高い角度から、郵政省なり外務省なり、できるだけ日本のすぐれた放送技術を駆使してやるという意味から、少なくとも、アジア地域に対しての放送権くらいはNHKが確保するということは当然だと私思うんですがね。そういったものが、どうも最近の情報ですと、一とんざしているようにも伺いますから、これらに対して大臣の所感も伺って、それで私は終わります。
  32. 新谷寅三郎

    国務大臣新谷寅三郎君) 初めにお話のあった周知の問題につきましては、これは無条件に同感でございます。いままでもやっておると思いますが、この上とも一その努力をして、そういった問題については周知をはかるように努力をいたします。  十二チャンネルの問題ですが、私から何か再建策を指示したようにお話しになりましたが、そういった事実はございません。ただ、十二チャンネルも、ああいうやり方で、一応再建策といいますか、暫定的な案をつくって、いまそれを実行しているわけです。毎日五、六時間の放送で、それで民間放送として立っていくということは非常にむずかしいわけであります。これについては、当然十二チャンネル自身が、将来を考えて、どうしたらいいかということは案を持たなければならないし、案を立てるべく努力をしていると思います。で、先般十二チャンネルの関係の方が見えましたときにも、私から、そういう点についてもっと真剣にやってもらいたい、経営についても、これは民放なんですから、われわれのほうからとやこう言うべき問題じゃありませんが、しかし、十二チャンネル自身としては、免許を受けたんだから、それにこたえてやはり健全な教育放送というものをやってもらわなきゃならないと思うので、ぜひ早い機会に、将来を見通しての再建策といいますか、建設的な計画等を樹立するように、ということを要望しておいたわけであります。われわれも非常に関心を持っていることは事実であります。これは免許を与えた事業でございますので、その途中でああせいこうせいということをわれわれのほうから積極的に指図をするというふうな形は避けなきゃならぬと思っております。  それから通信衛星について、実は先般新聞にも発表いたしましたので御承知かと思いますが、日本でも自分の力で人工衛星を打ち上げようという機がだんだん熟していることは事実でございまして、承るところによりますと、科学技術庁を中心にしての宇宙開発委員会でも、昭和四十五年でございますか、四年先を目ざして、日本でもそういう人工衛星を打ち上げようということを一つの目途にして、いろいろな研究を進められておるということを承っております。しかし、私ども郵政省の者としましては、どんな目的を持った衛星でありましても、やはり非常に高いところに打ち上げられるのでありますから、それと地上との通信連絡というのは、何といってもこれは中心になる問題でございまして、いろいろの写真を送ってくるということにつきましても、やはりその写真をとってそれを地上に送ってくるということ、そのことが、やはりこれはテレビにも通じるものであるし、したがって、カメラといい、あるいは無線といい、どれを見ても、人工衛星の中身をなすものはやはり郵政省関係の深い部門で開発研究をしていかなきゃならぬということは、これはもう明らかなことでございますから、私は先般、電電公社、NHK、それからKDD、それからうちの郵政省研究所、この四者の主たる方に集まっていただきまして、同じようなことをばらばらにやっておっては経費もかかるし時間もかかるだろうから、ひとつ共通の部門もあるはずだろうから、お互いに技術の開発の連絡をし、お互いにその資料を提供し合って、できれば共同で、四年先というなら四年先を目ざして、ひとつお互いに共同してやるような仕組みを考えたらどうかということで、御指摘のような連絡会をつくったわけでございます。非常に各機関とも喜ばれまして、協力しようじゃないかというので、多少そういう意味においては効果があったかと思いますが、この上とも、郵政省としましては、中に立って成果をあらしめるように努力をいたします。  ただ、いまのお話の、民放連でも何かこれについてやったということは私は聞いておりません。報告もございませんが、よく調べてみます。民放連が衛星をどうするということについては、上田局長も聞いていないと言っておりますが、またよく調べて御返事をいたします。
  33. 鈴木強

    ○鈴木強君 MBSの社長が委員長になって、衛星研究会というのをつくって始めているんですよ。
  34. 新谷寅三郎

    国務大臣新谷寅三郎君) ああそうですか。  それから最後に、メキシコ・オリンピックの問題でございますが、われわれも非常に——おそらく、そのときになると、ある程度衛星も使って、東京オリンピックも中継放送ができたわけでございますから、そういったことについては関心を持って、成功してもらいたいということは考えておりますが、ただ、いまお話しのような問題は、これはオリンピック委員会の問題だと思うんです。オリンピック委員会の問題で、メキシコの政府も日本の政府もそれには直接に関係はないと思います。内面的にいろいろ御相談があれば、われわれもできるだけの協力はしたいと思いますが、政府間の交渉できめるべき問題でもないし、向こうの政府もこれは困るだろうと思いますから、オリンピック委員会におけるいろいろの相談をもとにして、問題があればNHKからも何らかの連絡があることと思いますから、そのときには、できるだけわれわれも協力をしたいと、かように思います。
  35. 鈴木強

    ○鈴木強君 失敗したのはどうなんですか。
  36. 上田弘之

    説明員(上田弘之君) ラムダ4Sの問題につきましてお答えを申し上げます。  失敗しておりながら失敗していないようなことを申し上げたというのは非常にわかりにくいことだというおしかりでございますが、まさにそういう表現をしたかと思います。最終的な、失敗したか失敗しなかったかというところから考えてみますと、確かに軌道に乗りませんでございましたので、これは失敗だろうと思うのでございます。ただし、失敗のしかたが、いろいろ聞いてみますと、これは非常に途中までうまくいきまして、そして三段目というのがひっかかったそうでございます。で、これまで実はそういうひっかかりというものが起こらなかった、これが突然、そういうものが初めてあの実験のときにひっかかりが起こったので、軌道に、角度が変わりまして、したがって、うまくいかなかった、あとはわりあい思ったように非常にうまくいったんだというようなことでございました。そういうような報告も聞いておりますので、いろんな故障というものが起きてくると思いますので、そういうような故障というものをいろいろ克服いたしまして、そうして初めてほんとうの意味の成功というものがかち得られるのじゃなかろうかという意味で、非常にわかりにくい表現を申しましたけれども、総括的には失敗だったけれども非常にそれまでにいく過程におきましては大きな成功があったと、こういう意味でございまして、表現がまずくて申しわけないと思いますが、そういう意味でございますので……。
  37. 鈴木強

    ○鈴木強君 最後に要望です。一つは、十二チャンネルの資料ですが、再免したときに条件つけましたね。その条件については、たしか六月三十日までに郵政大臣に対して、その条件をどういうふうに履行したかということに対する報告をすることになっているわけですよ、条件つけるときに。だから、その回答が来ていると思います、もう六月過ぎていますから。それはひとつすみやかにいただきたいと思います。  それから十二チャンネルについて、大臣はえらい謙遜していますけれども、あれはあなたと総理大臣との共管なんです、これは。ところが、民法上の特殊法人で、あなたが認可しているわけだ、両方相談して。だから、立ち入り権まであるんです、あれは。だから、もっと、あんなどうなるかわからぬようなふうに、風前のともしびの灯心みたいなことをやっているんですから、電波自体だってもったいないし、もう少し有効に活用したいというのがぼくらの考えです。ただ、あなた方は裁判に負けているし、メンツにかけて、一億円の金を何とかもらいたいから頭を下げてやっているようにしか私ら思えない。だから、もっと早く、一億をどうなるかを含めて、抜本的な再建を、むしろあなたがイニシアとっていいと思うんです、民法上は立ち入り権まで、解散権まで持っているんですからね。そういう意味において、あまり立ち入ることを遠慮しないで、もっと勇断を持ってやってもらいたい、これは私の希望です。  それから、民放連がつくったことについて知らないなんてことをいままで言っておりますが、これは私ちょっと補佐する人たちもいけないと思うな。これは通信衛星研究会というものをつくって、高橋MBSの社長が委員長になって、メンバーもきまって、今月中に初会合を開く、こういうところまでいっているわけです。こういうものがもう一つできているわけですから、同じようなことをこれはやろうとしているわけです。そういうものも、あなたが骨折ってまとめた四つの中に入っていただいて、そして有効な研究開発をともにやるような方法を私はしてもらいたいと思うんです。ですから、そういうような趣旨で大臣が今後努力していくものと期待するのですが、その点だけ聞いておいて……。
  38. 新谷寅三郎

    国務大臣新谷寅三郎君) 両方の問題、よくわからぬ問題もありますが、ナニチャンネルの問題については、あなたのおっしゃったこともよくわかります。まあどういう形で郵政省が積極的に出るかということにつきましては、時期、方法を選ばなきゃならないし、非常にデリケートだと思います。いまのところは、先ほど申し上げたような態度で私は督励をしているということで御了承いただきたいと思います。  それから、民放連の開発研究の問題ですが、これは何か私はよく調べてみますけれども、これはどうせ研究もするんでしょうから、いろんな意味研究があると思いますけれども、私がさっき申し上げたのは、技術開発の問題で研究機関を総動員しょうとしているということを申し上げたわけでございます。民放連のほうにはそういう特別の基本的な開発、技術の開発をするというような機関がいままでのところはどこにもないと思います。これは技術者はおります。技術者はおるでしょうが、KDDがやっているように、電電公社がやっているように、うちの電波研究所がやっているような、そういう施設というものはおそらくとこにもないと思います。ただ衛星というものを中心にして、それを使って放送するのにはどういうふうにしたらいいのかというような、むしろ応用方面の研究とか、これに対する意見とかをまとめようということではないかと思いますが、これはしかし想像でございますから、よく研究をした上で、また次回の委員会のときにはお答えできるように準備をしておきます。
  39. 鈴木強

    ○鈴木強君 それはね、もちろん、私もあなたの言われるような、打ち上げまで民放連がやろうとは思わないんですよ。ただ、放送衛星を使って日本の放送がどうなっていくかということについては、電電公社のマイクロウエーブの問題もあるのでしょう。それが一体将来どうなるか。しかし、それを全然切ってしまって、衛星だけにたよれるかどうかという辺に問題がある。だから、これは民放連として、そういう意味において放送衛星ができる場合どうなるかということは、これはもう相当重大関心を持っているわけですよ。ですから、そういう意見も、打ち上げる場合にあるいは将来どうなるかという点まで含めて研究しておかぬと、やってみてから民放からいろんな意見が出てきたらまずいでしょう。だから、私はただ単に打ち上げまでの四者の連絡会議を持ったとは思いません。ですから、そういういろいろな、将来どうなる、基本的な、衛星を打ち上げた場合放送がどうなるということまで含めて、総体的に相談してもらわなきゃならぬわけです。その際、民放連でせっかくそういう機関をつくったわけですから、これにも大いに入ってもらって、その過程において御意見も出していただいて、将来の活用がどうなるかということを円満にいけるように、会議を大事にしてもらいたい、こういう意見ですから。
  40. 新谷寅三郎

    国務大臣新谷寅三郎君) 誤解があるといけませんので、その点はっきりしておきますけれども、私がこの間四者の機関を集めて協力を求めましたのは、どこまでも技術開発意味協力を求めているわけなんです。つまり、言いかえますと、衛星の本体をどうしてつくったらいいか、どんなものが一番いいのだということを中心にしてこの開発研究でございます。衛星が打ち上がった場合に、それを通信にどういうふうに利用するとか、あるいは放送にどう利用するかという問題は、これはむしろ通信政策の問題であり、放送政策の問題であると思いますから、これはむしろ、そういう技術者の集まりである研究機関よりも、これははなはだことばが過ぎるかもしれませんが、私を中心にして、私の手元でまた別にそれを適当な人たちと相談をして対策を立てるということになると思いますので、この四者の機関で、いまの民放連が、放送衛星が打ち上がった場合にどうしたらいいか、家庭へ配給するのか、中継所に持っていくのかというようなことを一緒に研究するということは、ちょっと私はむずかしいかと思いますが、御了承いただきたい。
  41. 鈴木強

    ○鈴木強君 まあ時間がないけれども、それはちょっと……。アーリーバードを打ち上げたやつはどうするの……。
  42. 永岡光治

    永岡光治君 いまのやつに関連して。  大臣、いまの通信衛星、放送衛星の打ち上げについての開発について、協力機関ですね、連絡会議をお持ちになるということで進められているわけですが、これはたいへんけっこうなことだと思うのですが、往々にして、私どもがそういうことを言い出したのは、概して日本人はセクトが強いのでございます。これはいい場合もある。セクトが競争を生み、その結果が有効な成果を生む場合、非常に優秀な成果を生む場合があるわけですけれども、どうも無駄が多いような気もするわけで、それで郵政大臣中心になってこれをお進めになったほうがいいのじゃないか、こういうことを申し上げたわけですが、そのとおり大臣はお進めになっているわけで、いいわけですが、仏つくって魂を入れてもらわなきゃならぬ問題があるわけです。ということは、今日の機関をそのまま集めたというだけではなくて、これをより早急に、より有効に開発をさせるためには、どうしても予算というものがつきものになるわけです、それぞれの研究機関に。そこで、これは予算の編成期でもあるわけでありますから、どうぞひとつ、そういう意味で、せっかく大臣もそこまで熱意をお持ちになったわけでありますから、実効ある連絡機関にするために、この予算編成期においてはそれぞれの、電電公社なり、あるいはまたNHKなり、郵政省は言うに及ばず、そういう裏づけをぜひひとつ獲得していただくように要望しておきたいと思います。
  43. 鈴木強

    ○鈴木強君 よく大臣調べてください。
  44. 田代富士男

    田代富士男君 時間も参ったようでございますけれども、おもな点だけお願いしておきたいと思いますが、最初に、ことしの四月、五月、六月と、この委員会でも検討されまして、今回の郵便料金の値上げに踏み切ったわけなんです。その間の過去委員会の内容を通じて一貫した郵政省の立場は、あくまで近代化あるいは建設的な面にそういう値上げの増収分を充てていくのだという、そのような答弁を受け、私もそのように期待をしていたのでございます。そして、御承知のとおりに、七月ごろより郵便料金は二八・八%の値上げをいたしまして、新しい時代として発足してきたわけなんです。その郵政事業の前進にあたって、七月からですから、七、八、九、十と、いま四カ月でありますが、その四カ月間で、成果の云々を言うのは早過ぎるかわかりませんけれども、一応当初のあの五月、六月の委員会の皆さん方の空気から察するならば、もうその当座からそのような成果があがるというような感じを受けていたわけなんです。しかし、実情を見てみますと、現在は赤字の穴埋めをした程度でありまして、当初のそのような建設的な動きが見られない。そのような一まあ四カ月の期間でありますから、大きいことも言えないかと思いますが、はたして、この新しい近代化と建設的な面で出発した四カ月でありますが、この間にどれだけのことをやられたか。赤字の穴埋めに過ぎたにすぎないという感じがいたしますけれども、そういう全般的なことに対してますお願いしたいと思います。
  45. 新谷寅三郎

    国務大臣新谷寅三郎君) 郵便法改正のときにもいろいろ御説明申し上げましたように、郵便料金を改定いたしまして、もちろん、このときには収支の赤字が出て、なすべきこともなせないという状況でありましたから、料金の改定をお願いしたのでありますけれども料金改定の結果、この点は解消されましたので、われわれとしましては、いろいろの面で四十二年度の予算には、事業近代化関係する予算を盛り込んでおるつもりでございます。その個々の問題につきましては、関係局長から説明をいたさせますが、たとえて申しますと、郵便物送達というものが非常に不安定であり、また、おそかったというような非難が一般的にございました。それを解消する意味で、郵便物送達速度を安定し、それを迅速化するということを考えております。そのためには、もちろん、さっき横川委員からも御質問がありました航空機の搭載でありますとか、あるいは、いろいろ機動力を利用するとか、局内の機械化をはかるとかいうような面につきまして、現在もそれぞれできるだけの努力はいたしておりますが、四十二年度におきましては、さらにこれをもう少し本格的にしなければいかぬということで予算要求しておるわけでございます。  それから郵便事業全体にわたりまして非常におくれておるのは、局舎問題でございます。どこへ行きましても、一番古いきたない建物は郵便局でございます。これでは、どんどんふえてくる郵便物の処理には非常に困難を来たしておるわけでありますから、局舎改善には相当思い切って来年度は予算要求をいたしております。  それから、先ほども申し上げましたが、大宮局でいろいろの実験をしたり試験をしたりしておりますが、これはまあ郵便だけでございますけれども、その他の保険貯金等にわたりましても、可能な限り機械化いたしまして、そして事業近代化をはかると同時に、間違いのないサービスを提供しようということで努力をいたしておるわけでありまして、田代委員の御心配のように一これは非常にありがたい御心配ですが、赤字の穴埋めだけではないかとおっしゃいますが、これはそうではない。とにかく赤字は解消したが、余力がありますから、それで大いに事業近代化をはかって、国民に対するサービスを向上しようという努力をいたしておるのであります。それはしかし、郵便料金値上げしてから何カ月たった、七、八、九月ですか、三カ月余りたった、もうやってもいいではないかというお話ですが、そう、三月やそこらではできるものではないのであります。もう少し長い目でもって見ていただければ、だんだん郵便事業も見違えるようによくなってくるということを、われわれは確信しております。そういうふうに督励をいたしております。どうかあなたもひとつ御協力をお願いしたいと思います。
  46. 田代富士男

    田代富士男君 三カ月、四カ月でありますから、いま成果云々ということを申しましたけれども一つあげますと、いまも横川委員から御質問があったかと思いますが、十月から航空機搭載によるところの配達が行なわれる、この問題につきましては、委員会では送達の問題につきましていろいろ議論が戦わされました。しかし、郵便料金は値上げしたから、そういう何かの面で一般大衆にプラスになった面があらわれなかったならば、納得はしません。ところが、その一つ送達の一環として航空機搭載の問題が出ましたけれども、当初の、航空機三機チャーターの実行ということが云々されておりましたけれども、これがまだ実行に移されてないという、その理由も、聞いてまいりますと、航空機料金がまだきまってないため、そういうような一説も聞いておりますけれども、これははっきりと十月から実施するということを、当初言われておりますし、これは七月に値上げいたしまして三カ月四カ月しかたってないから、当初から見込みが立たないと言うわけにもいかないと思います。すでに十月になりますと、四月、五月、六月検討されているときに、可能でなかったならば、十月という月は言われないはずです。七月を基準にしたならばそうでありますけれども、これは七月基準ではなくて、ずっと前から送達の問題につきましては検討されてきてから、十月にはできるという、そういう予定で進まれてきたわけなんですね。これはいろいろな説がありますけれども、この問題に対して、できなかったことに対して、どのようなお考えを持っていらっしゃるか、お願いしたいと思います。
  47. 新谷寅三郎

    国務大臣新谷寅三郎君) 具体的なこまかいことは関係局長からお答えいたしますが、私が承知しているところでは、私は八月の初めに就任したのでございますが、その当時からそう言っておったのですが、十月実施ということは、大体十月ぐらいからやれるだろうということを言っておりましたが、十月一日からきっかりとやるというような計画ではなかったと思います。  そこで、非常に困ったことは、先ほど局長も申しましたように、伊丹の空港が工事中でございまして、まだでき上がっておりません。したがって、夜間の発着ができないのです。これはもう不可抗力でございまして、われわれは一日も早くその状態が解消することを願っているわけですが、そういうことがございましたので、私も就任のときに申しましたが、大体十月ということを言っているのだけれども、これは十月中旬あるいは十月下旬になるのじゃないかということを言っておったわけです。それで、予定のスケジュールが非常におくれているというようには、私は実はとってないのであります。最近、航空会社とのそういう交渉につきましても、非常に進捗をしているようであります。  もう一つは、先ほど横川委員のお尋ねの中にありましたが、組合との勤務時間の問題、いろいろ折衝事項がございますので、それについてはいま鋭意交渉を進めているという段階でございます。それらのものが、大体伊丹空港ができ上がるだろうと予測されます中旬ぐらいをめどにして大体でき上がるように、すべての準備ができ上がるようにしたいということで計画を進めているのでありますから、十月一日から、早くやるはずのものがまだできないのかというような感じで御質問になっているようでありますが、実はそういう事情でございますので、私たちも、もちろん一日も早く実行することが望ましいのでありますけれども、いま申し上げたような事情にありますことを御了承いただきたいと思います。
  48. 田代富士男

    田代富士男君 いま、大阪空港の工事の問題が一つの原因であるかのように御説明がありましたが、それじゃ、これができ上がればさっそく実現される、かように解してよろしゅうございますでしょうか。
  49. 新谷寅三郎

    国務大臣新谷寅三郎君) そのころになりますと、いま申し上げたような組合との関係もございますし、大体組合との関係は、お互いに非常に毎日のように折衝しておりますから妥結すると思いますが、そういう状態が実現すれば、空港の工事が終わるころには航空機搭載は実行されるというように御了解いただいてけっこうであります。ただ、組合の問題は、これは相手のあることでございますから、空港の工事には必ずしも直接に関係があるわけじゃないのですから、その間われわれも努力はいたしますが、空港ができ上がったらすぐにということにつきましては、いま申し上げたような、組合との関係があるということをひとつ御了承いただいて、そういう点でわれわれも大いに努力しているということで、きょうは御了承いただきたい。
  50. 田代富士男

    田代富士男君 私は先日、東京の中央郵便局へ視察に参りました。やはり現実に、どのように郵便料金値上げ後にそういう近代化がされたかということを、この目で確かめてみたいと思って参ったのでございますが、そのときに私の目に映りました数点をお尋ねしてみたいと思います。  まず第一点は、あの局舎でございますが、古い建物といいながら、今日までよく使えるだけの建物をつくられてある。実は一面はそのように考えた次第でございますが、職員の健康管理の問題です。窓寄りの職場の人はそのような明るいところでやっておりますが、一般的に暗い感じがする。あちらこちら視察に参りますが、郵便局舎は、ああいういろいろな設備も入っておる関係で暗い感じがする。もちろん重労働であるし、わらだも疲れるのです。休憩するには差しつかえないと思いますが、仕事がないときに休むには差しつかえありませんが、その暗いところで木の長いすに横になって休んだりいろいろやっている。中には、大きい荷物が、よごれた荷物がたくさん積んであるその横で横になっている。そのような姿を見てきたときに、健康な状態であっても、こういうところでこのような生活を、あるいは、そのような環境のもとで仕事をやっているならば、健康上の問題が一番たいへんじゃなかろうか。それが第一番目の私の感じであります。こういう仕事独特の職業病と申しますか、そういうものに対する対策というものも考えなくちゃならないんじゃなかろうか。一番最初にそうような考えをしたわけなんですが、そういうものに対して、これは東京の中央郵便局だけでございますが、これは全国を代表いたしまして見たわけなんですが、それを通じまして、そのような職員の健康管理に対しましてどうようになさっているか、その点お願いしたいと思います。
  51. 新谷寅三郎

    国務大臣新谷寅三郎君) 職員の健康を最良の状態で保持していくということは、郵便事業にとりましては非常に大事なことであると思っております。で、健康管理については、従来は結核対策というものについて非常に重点を置いてきたのでありまして、一時は非常に郵政職員にも結核患者が多かったのであります。百分比にいたしますと、ここに数字がありますが、二・五%にも及んだことがございます。それも、非常に健康管理に留意をいたしましていろいろの方法を講じたものでありますから、現在のところは〇・三%に下回っておるということを聞いております。しかし、郵便局の中が、単に東京中央郵便局に限りませず、何といっても非常に通信量がふえ、ああいう行のうを扱うものでありますから、非常に全体を通じてほこりの多いところであり、健康にはよくないということはよくわかっております。しかし、職場そのものを非常にきれいにできるかということになってくると、これはみんなでお互いに協力をして努力をいたしましても、これはおそらく限度があるだろうと思うのであります。私、先般中央局に参りまして視察をしたのですが、私は、これは思いつきでございますが、関係郵政局長やら郵便局長に申しましたことは、少なくとも休憩時間はもう少し何といいますか、気持ちのいい場所で、わずかな時間でもほんとうに休息できるような設備をするように考えてくれということを言っておいたのであります。全国を通じまして、まだその段階までいってない局が大部分だと思います。私は、そんな健康管理という点もございますが、もう少し積極的にも、やはりああいった相当に激しい労働に取り組まなければならない職員でございますから、少なくとも休憩時間には十分に休養をとれるように、これは単に肉体的だけじゃなしに、精神的にもゆっくりとして休むというような環境をつくるように努力をしたいと考えておりますので、新しい予算は別といたしまして、本年度内におきましても、すでにもらっている予算の範囲内で実行できることはそういう方向でできるだけの努力をしていきたいと思っておるのであります。
  52. 田代富士男

    田代富士男君 次に、これはもう皆さん御承知のとおりに、中央郵便局郵便物の抜き取り事件がありました。私はその抜り取り事件の行なわれた現場も見さしていただきました。確かに、その現場というものは、お互いにテレビをつけまして近代化されているのです。一面のそういう面は近代化されている面を感ずることはできました。しかし、抜き取り事件という、そのような世間の人々に対していかがわしい感じを与える事件がどうして起きるか、その現場を見たわけなんです。そうした場合には、問題点となりましたその職場は、場所が狭いのです。で、御承知のとおりに、その監視人といいますか、腕章をつけた人が左右に二人立っておる。そうして、その人が、白い線が引いてありましたけれども、その白い線から中に入った者は怪しい人間だと、だからここで見ておるんだと、両方に監視人が立っている、これで今回の不祥事件、抜き取り事件等に対して対策を講じておるという説明でありました。私はほんとうは時間がありましたならばもっと現場の人にも質問してみたいと思いましたが、時間の制限を受けまして、回るスケジュールの予定がありまして、詳しい説明を聞くことができませんでしたが、その後にも抜き取り事件があったと聞いております。そのような一度起きた事件を二度繰り返すということは愚かなことです。同じことを繰り返す。監督をやっていきます、申しわけございませんでした、これはことば一片のことでありますけれども、そのような事件を通じまして一般に与える、特に郵政事業に対する信用というものが一番大事でありますが、非常な不安感を与える、そのこと自身が大きな問題じゃないかと思うのです。だから、ここでまことに申しわけなかったと言うならば、自分が現場の責任者として責任を持てる指導監督を、そのような官僚的でなくして、現地へ乗り込んでいき、はたして二度と起こさないと、そのような精神的な指導というものも必要でしょうけれども、そのような対策を、ただ単に白い線を引き、監視人を二人立てて今度のような抜き取り事件を防止するというような、こういう問題では解決ができないじゃないかと思いますが、そのような問題に対する指導監督というものはどのように、その後大きい事件があったことにつけても考えていらっしゃるか、お尋ねしたいと思います。
  53. 新谷寅三郎

    国務大臣新谷寅三郎君) 郵政事業に関連していろいろの犯罪が頻発するということは、これは申しわけもないことで、もう何と言ってもわれわれはおわびする以外にはないのであります。この点については、私もそのほうにはあまり詳しくはないのですが、部内の犯罪と部外の犯罪と両方あると思うのです。部外の犯罪については、これはもうあらゆる方法を講じて、外部の関係当局の協力も得て防止をし、事件を起こした場合には、それを早く摘発するということに主力を注がなければならぬということは言うまでもないのですが、部内の犯罪に対しましては、これは私は郵政省自体がもう少しくふうをし、考え方を変えることによって防止できる面もあるんじゃないかということを先般来申しておるわけなんであります。これは研究してまいりますと、非常に基本的な問題に触れていくわけでございまして、まあ従業員の素質の問題、あるいは従業員の勤務状態の問題、環境の問題、いろいろなことが原因になっておりまして、そのつど、こういった同じような事件を起こしては困るということを、関係局長から、重大なものにつきましては関係者に対しまして、こういった事情でこういう事件が起こったのだから、こういったことはもう一ぺん繰り返さないようにということを通達をしたり、注意をしたり、もうあらゆる方法を講じておるわけであります。もう、おっしゃるように、再びこの問題が出ることはまことに残念であります。私もいろいろ犯罪に対しましては、まことに公衆に対して申しわけないことでありますから、これは一面において、そういう犯罪を犯した者に対しましては、厳正に処罰をすると同時に、将来に対しましては、それを予防する意味で、いろいろな、環境とかあるいは設備とか、こういったものにつきましても十分に改善をするように、多少の経費をかけてもやったらどうかというような考えを持って指導しております。  なお、この人の問題でございますが、従業員の素質の問題、訓練の問題につきましても、これはもう一段と考えなければならぬということで、いままだ結論として、こういたしますということを申し上げる段階ではございませんが、これにつきましては、できるだけ早くそういう方針を確立いたしまして、またあなたにも御報告をする機会を得たいと思っております。もう少しこの問題につきましても時間をいただきたいと思います。
  54. 田代富士男

    田代富士男君 じゃ、いまの大臣の御答弁に難待をしておきたいと思います。  次に、大臣も現地視察をされてもうよくおわかりでございます。大先輩でありますから言うまでもありませんが、鉄道郵便局も一緒に視察さしていただきました。そのときに、国鉄郵政省との関係でございます。運輸省の方針とすれば、いままで、御存じのように、列車に郵便列車、それから荷物車をつけて走っていたわけなんですが、国鉄の立場としては、収支の決算を出しますと、そのような荷物車よりも客車を一両でもつけたほうが増収だというわけで、言うなれば追い出しにあっているという現在じゃなかろうかと。そういうわけで、なかなか話がうまくいってないと。そういう点で、今日までの国鉄郵政省との歴史に残るたびたびのいろいろな問題点もあったということも聞かしていただきましたが、このような国鉄郵政省との間がうまくいってない問題点についてはどうするか、その点が問題の一点でございます。  それから、郵便車は郵政省の管轄であるために、まあ私たちもいつも列車を見るわけなんですが、旧態依然のままのそういう客車であって、前進がなされていない。そういう客車に対する考え方も一考する面があるのじゃなかろうかと思うわけなんですが、この点についてひとつお願いしたいと思います。
  55. 新谷寅三郎

    国務大臣新谷寅三郎君) 私も詳しいことは存じませんが、しかし、大体の傾向としましては、郵政省としてはやっぱり一番確実にわりあいに安い値段でもって郵便物を運んでくれているのは国鉄でございますから、それを無視して郵政省郵便物送達計画を立てるわけにはいきませんので、極力国鉄のほうとも話し合いを進めまして、そうして郵便物の確実な送達協力をしてくれるように努力をしていることは事実でございます。ただ、お話のように、たとえば新幹線のほうには郵便物を積んでくれないとか、いろいろな問題がございます。郵便本位として申しますと、そういうこともやってもらいたいわけでございますが、停車時間が非常に短いからだめだということで、これは実行の可能性はいまのところはございません。そういったことがあるものですから、先ほど来局長も申しましたように、一方では航空機送達をするとか、あるいは将来に対しましては、高速自動車道が全国にできますから、そういったものを利用しての送達の方法もわれわれとしては考えなければならぬというふうにいまは思っておりますが、これはまだ皆さんに具体的に発表するような程度まで計画が進んでおりませんが、しかし、一つ研究課題であることは事実であります。まあ、いずれにいたしましても、国鉄はもちろん非常に協力してもらわなければならぬわけですが、国鉄の輸送だけをたよりにしておりますと、郵便物が非常に円滑に運べないという場合が起こりそうな気がいたしますので、航空機を利用したり、その他の輸送機関を利用することについても、並行的に研究を進めているということで御了承いただきたいと思います。  それから鉄道郵便の車の問題でございます。私も見ました。二十年ほど前に見たときとは非常によくなっております。しかし、まあおっしゃるように、客車ほどは改善されていないことは事実でございます。しかし、郵便性質上、やはり郵便車の中で区分もしたりするものですから、まあああいった程度の施設しかできないのではないかと考えるわけですが、しかし、これはきょうは局長以下専門家が来ておりますから、まあ何かいい改善策があればまた御指示をいただいて、いろいろそういった方面についても努力をすることはもちろんしなければならぬと思います。その点につきましては、もしお気づきの点があったら御指示をいただきたいと思います。
  56. 田代富士男

    田代富士男君 時間があまりないようでございますが、じゃああとはまとめて簡単に。  次に、大宮の郵便局へ参りまして、御存じのように、いま郵政省では大宮の郵便局機械化実験室をいろいろPRされておりますけれども、私も実際見させていただきましたが、その実験の成果というものはどこまであがっているものであるか。事実、私もはがきを投入してやりましたけれども、しかし、これを見た場合に、はたして実用的になるにはいつごろになるのか。まああそこでやる分には、確かに近代化されまして感心させられる面もありますけれども、そのような成果の問題とイコールそのようなプラスになる面があるならば、これを実現するには、何年先ぐらいにあれを実現することができるか、それとも、ただ単なるPRで終わられるのか、その見通しですね。現在の成果の上から、両方から関係してお聞きしたいと思います。
  57. 新谷寅三郎

    国務大臣新谷寅三郎君) その問題についても、専門的に研究しておる局長がおりますから、また御答弁申し上げてもいいと思いますが、私も先般大宮に参りまして、いま実験をしておる機械類もすべて見てまいりました。あの中には、もちろん、郵政省といいますか郵便局の局員だけの力で非常に能率をあげられるという機械も御承知のようにございます。それから、中には、公衆の協力がないとできないという機械もございます。そのあとのほうの部分につきましては、これからたとえば局番制を採用してどうするとか、いろんな切手につきましても、特別の切手を張ってもらうとか、いろいろ公衆のほうの協力がないと成果があがらないという問題もございますので、これを全国的に一般的にPRをして協力をしてもらうというのには、これは相当の、かりに機械開発されましても、実用化されるには相当時間がかかることは疑いをいれないところでございます。しかし、それにつけましても、郵政省としましては、公衆に非常な無理を与えないように、公衆の非常な負担にならないような方法を考えまして、逐次あの機械実用化すべく努力をしているのが実情でございます。局内だけで処理できるという機械につきましては、大体一次の機械については、御承知のように、相当成果があがり得るという結果が明らかになってきておりますので、これは今後もう少し研究を進めて、それで、おもな局にはあの機械をどんどん入れていくというつもりでおりますので、これはおそらくそんなに長い時間がかからないだろうと思います。おそらく来年、再来年あたりからは、ぼつぼつそういった機械を注文をして、主要な局に配置をするということになっていくものと期待をしているわけでございます。
  58. 野上元

    委員長野上元君) ちょっと速記をとめてください。   〔速記中止〕
  59. 野上元

    委員長野上元君) 速記を起こしてください。
  60. 田代富士男

    田代富士男君 それじゃあ最後に、時間がないそうでございますので、まとめて。  これは請負人の問題でございますが、現在の請負人の人の一つの例をあげますと、勤続年数二十年ぐらいでその人の収入というものが御存じのように、二万円内外に足らないような実態になされているわけです。そういう一番こういう最前線、あの不便な山地で戦っている人こそ優遇しなければなりません。郵便料金値上げをしたならば、こういう人にこそ優遇すべきではなかろうかと思うのですが、このような二十年つとめたにもかかわらず二万円少々である。こういう配達人に対する改善策はないのか。また、現在そういう人全般的に含んだ配達人に対する対策というものはどのようになされているのであるか。また、ひとつそういうことから考えていくならば、いま叫ばれている本務化の前進というものはなされないものであるのかどうか、その点に対して全般的に一言お願いいたします。
  61. 新谷寅三郎

    国務大臣新谷寅三郎君) 集配の請負人制度のことでありますが、これは御研究になったようですから、大体の沿革等についてはすでに御承知のことと思いますから省きますが、今日あの請負人制度がまだ残っておる。郵政省のほうもある程度これを解消すべく、毎年のように定員に組み入れてみたり、いろいろ努力をしているということであります。それにもかかわらず、まだ何百人か残っておるということは、私もこれはあまりいいことではないと思っておるのであります。まあ事業体として考えますと、どんなところでも公務員の身分を持った者が自分でやらなければならぬかということになってくると、事業経営の上からいいましても、これは非常に不経済でありますから、何かこういった制度を併合的に考えていくということは、これはやむを得ないことなんですが、しかし、一方からいいますと、請負人でありましても、やっぱり大切な信書を送達する役目を持っておって責任を課せられておるわけでありますから、その課せられた責任に対応するような処遇とか、いろいろの問題についての考慮はしなければならないわけです。たとえば病気になった場合にどうするかとか、いろんな問題があると思います。そういったことにつきましては、今日まだ十分行き届いておるとは言えないようであります。私まだ十分にこの問題については根本的な検討はいたしておりませんので、検討をすることをお約束いたしますけれども、そういった面から見まして、両方の、つまり要求といいますか、役所の側から見ての要求をどういうふうに調和したらいいかという問題に帰していくだろうと思います。まあ関係局長から、また具体的な現状とか、やっておりますことについてはお答えを申し上げると思いますけれども、私も、この問題は政府として見た場合には、今日まだ何百人か残っておるという状態はあまりいい制度じゃないと思います。そういう意味で、まあ先ほど申し上げたような観点から、十分この問題については誠意を持って検討していきたいと考えておりますことをきょうは申し上げておきまして、この程度でお許しを願いたいと思います。
  62. 田代富士男

    田代富士男君 いま大臣が十分検討されるということでございますから、あと質問も予定しておりましたが、次回にこの問題を検討されたあとでこちらもお願いしたいと思いますが、これで終わりたいと思います。
  63. 横川正市

    横川正市君 先ほどの説明の中に、コンテナーの輸送方法を組み入れてという説明が郵務局長からあったわけですが、そのコンテナー輸送の形態を私見ておりませんので、あれは行のうに詰めないでばら積みにして局から局へあのままの形で送り込まれて処理をされるのかなあという気もするわけですけれども、ああいうコンテナー輸送をすることによって、どういう利点といいますか、たとえば行のうに詰めるあれを省くとかなんとか、いろいろとあると思うんですけれども、現場を私実際は見ておらないので、形式とその利点、採用のときのいろいろまあ検討内容といいますか、そういった点をちょっと教えていただきたいと思います。
  64. 曾山克巳

    説明員曾山克巳君) ただいま先生からコンテナー輸送のお話ございましたが、コンテナー輸送には、おっしゃるとおり二通りございます。郵袋をコンテナーに積みまして、それをある国鉄の貨物の集積場へ持って行きまして、先ほど具体的な例をあげましたけれども大阪、神戸あるいは名古屋、そのほか函館といったような拠点へコンテナーのまま送る。したがって、その間におきまして鉄道郵便職員が一々郵袋を取り扱う必要がないという利点があるわけでございます。  もう一つのやり方は、これは先生御承知のように、特に東京都内に小包局を二局、専門局を二局つくりますと、各局と専門局との間に小包の輸送が始まります。その輸送にあたりまして、これがばらで——郵袋に詰めないでばらのままコンテナーに入れまして、それを自動車で運んで集中局へ集中する。集中局から各配達局へ持っていくのと二とおりあるわけでございます。そういった形態がありますことを先に申し上げさしていただきます。  なお、この制度につきましては、これもやはり先ほど申し上げました事業近代化の一環といたしまして、特に前者の郵袋で積んでまいりますコンテナー輸送は、数年前から始めておりまして、相当実績をあげております。東京中心にしまして発着する郵袋数の約二割がこのコンテナーに積まれておるという事情でございます。非常に効果をあげている次第でございます。
  65. 横川正市

    横川正市君 私、ちょっと郵務の担当者に聞いたところによりますと、この契約、これは国鉄郵政省が契約をし、国鉄が責任を持って運送会社との間に輸送の段取りをして、いわば業務の全般の責任を持つという方式と、それから郵政省が特殊の運送業者と契約をして、国鉄からの授受を行なうという方法と、何か聞いたのでは、前段が郵政省説明で、後段が日逓の説明なんです。どちらがほんとうなんですか、契約として。
  66. 曾山克巳

    説明員曾山克巳君) 先生詳しく御承知のように、御指摘ございましたように、前者でございます。ただ、日逓の立場から見ますと、日本逓送と日通が、先ほど指摘になった指定業者として国鉄のほうの業者になりますので、日通と日逓との関係がありますので、日逓のほうからはさような説明があったかと思います。
  67. 横川正市

    横川正市君 そうすると、これはあくまでも契約としては国鉄と契約をして、それで実際上コンテナーを利用するところは他の業者が請け負わない、こういうことになるわけですか。
  68. 曾山克巳

    説明員曾山克巳君) そのように御理解いただいてけっこうです。
  69. 横川正市

    横川正市君 そうすると、これは日逓の説明の中に、東京国鉄との契約をする、しかし、その他のところは日逓でないその他の運送——大和運送といいますか、というところと郵政省とが契約を結ぶ、それは少し説明が不十分じゃないかという意見がちょっと日逓のほうからありましたが、それはどういうことになるわけですか。地区別に何か別な契約をするのですか。
  70. 曾山克巳

    説明員曾山克巳君) ただいま御指摘になりましたとおり、各地区別によりまして、特に国鉄の側からいたしますと、このコンテナー輸送というものは、国鉄が一貫輸送業務として行なうものであって、したがって、ある地域で行なわれておりますような個別業者と日本逓送との契約という形で行なってもらいたくないという申し出がございました。そういうような趣旨で、先ほど統一的に国鉄と当省との間の契約がございますというふうな説明をしてまいりました。ただ、地方におきましてはさようでないところもあると思っております。
  71. 横川正市

    横川正市君 そうすると、将来は地方においても国鉄と契約は結ばれるというふうに理解していいですね。
  72. 曾山克巳

    説明員曾山克巳君) だんだんさように直していきたいと思います。
  73. 横川正市

    横川正市君 そこで、郵便受け渡しの責任の問題とか、防犯の問題とか、こういった点でどういう配慮をされておるのかということなんですが、いま田代君がたまたま触れましたけれども、私もコンテナーの問題で防犯問題にちょっと触れたいと思っておりました。ことに国鉄と契約をする運送会社、これは何か陸運局からの認可による運送業者ですかによってやられるわけで、いわば赤い車も入るし、黄色い車も入ってくる、あるいは普通のトラックも入ってくるというような、大局では相当いろいろな入り乱った状態というものがあの発着場にできるのじゃないか。そうすると、一つは、郵便事業の独占制の問題で、働いておる者はいささか誇りみたいなものを持ってやっているんだけれども、それが何も知らぬと言えば、これは語弊があるかもしれないけれども、一般でいろいろ雑多な人が取り扱っているんだということになることにおいては、いささか利益があっても、事実上、それはそういう方法でなしに、一貫した系列でやるべきじゃないかという意見がまあ一つあります。それからもう一つは、防犯の問題で、一体、犯罪が起こり得る状態というものを、これをどう阻止していくのかという点については逆コースじゃないかという点とあるわけなんだけれども、これは取り扱ったところで百人のうち一つぐらいな犯罪があってもしかたがありませんというやり方でいくのか、宗全に犯罪を防止していくのかというかまえで、相当第二の問題というのは変わってくるのじゃないかと思いますが、当然これは日逓の会社の性格の問題も出てきますが、郵政省としては、この日逓という会社を、郵便運送法ですかによって契約をするのは、まあそれぞれいろんな会社があって、たとえば北海道なら北逓、あるいは部分的には、石川県へ行けば、石川県の日逓と別な特殊な会社というのがあるわけで、法律で契約を結ぶのは、単に入札という安いか高いか、あるいは、いままでやっておったかやっておらなかったか、既得の問題ですか、そういったことでやられるんでなしに、もっとその法によってきめられた、いわゆる特殊な契約関係というものを結んだらどうだろうかという意見というのがあって、これがいわば日逓の性格づけの問題になるんだと思いますが、三点の問題で、このコンテナーの使用、これから増大するという、そういう状況下で、これからの運営のしかたといいますか、それをどう考えているか、お聞きしたいと思うのですけれども
  74. 曾山克巳

    説明員曾山克巳君) 第一点の問題と申しますか、確かに、たとえば東京中央郵便局のプラットホームの受け渡し所に、いわゆる日本逓送の赤車だけではなくて、日本通運の黄色い車が入ってくるということにつきましては、私も必ずしも好ましく思いません。たまたま、従来どおり赤い車一色で塗りつぶしたいのでございますが、先ほどから申しておりますように、いろいろな経緯から見まして、しかも、そのほうがより経済的であり、かつまた能率的であるということを考えました場合にはしかたのないことであると、割り切っておる次第でございます。  第二の犯罪の防止でございますが、これは御案内のように、郵袋に入れましたものを、その郵袋をまたコンテナーに入れるという形におきまして、むしろ、郵袋のなま輸送の場合よりも、コンテナーに積載しましたほうが、かえって安全ではなかろうか、少なくとも、輸送途中におきましては、安全性は確保されやすいのではないかと思います。ただ、これが一般業者でありますと、その業者が手を触れる機会がやはり多いんだから、そういう意味からいうと、危険であるという御意見もあろうかと思いますが、物理的な面から見ますと、私どもコンテナー輸送のほうがむしろ安全ではなかろうかと思います。従来もコンテナー輸送につきましては、幸い犯罪は起こっておらないと承知しております。  第三の、日本逓送の性格の問題とも関連してまいりますが、先生指摘のような御意見もあろうかと思います。ただ、現在の、おあげになりました郵便物の確保につきましては、いろいろと規定がございますが、いままでの立て方は、むしろ、昔の法律と違いまして、運輸省で決定いたしました確定額運賃——運賃が一定額に確定しております場合には、一々競争契約によらずして随意契約ができるということになっております。そういうものを利用いたしますときに、まあ競争入札によって非常に安く落とすという意味では経済的であるという利点がありましても、いろいろな雑多な業者が安くして、むしろ、先生御心配になりましたような犯罪の面などを考えましても、むしろ、確定額運賃で、随契でしっかりした会社にやらすといったほうが好ましいのではないかと思います。  なお、将来のものの考え方といたしまして、私ども、これは全くの私見でございますが、日本逓送の、したがって、こういうところで申し上げるべきでないかもしれませんが、いろいろ運送の現状、さらに、運送料金の増高がありますときに、いまのような形態でいいんだろうか、もっと、先生指摘のように、はっきり言うと、日本逓送に、たとえば私法人といったような性格を持たすとか、全国的でございませんが、そういったことにつきましても、検討は重ねてまいりたいと思っておりますが、いまのところ成案を得ているわけではございません。
  75. 横川正市

    横川正市君 私は、郵便というものの公共性からそれを非常に固定化して考えているわけじゃないんだけれども、便宜主義におちいり過ぎて、そして、その性格を個人個人に、個人差はあろうと思いますけれども、その性格を幾らかでもマイナスさせるようなやり方で幾らか得になっても、ぼくはあまり得じゃないんじゃないかという気がするわけです。いま説明になったようなことですね、説明はそうなんですね、赤い車、黄色い車が入ってきても、別に信用があればよろしゅうございますということだけれども、往々にして、犯罪が起こったときに、いや実は黄色い車と赤い車があったから捜査も困難だ、犯罪も起きましたという、事件が起こったときに初めて——今度は逆に、一体黄色い車と赤い車が入ってきたときにどうなるか、それから黄色い車じゃなくて、そうなれば向こうのかってですからね、黄色い車を使うか、一般のトラックを使うか、これは向こうとしましては仕事なんですから、安くやられればいいということでやられるということになると、郵便局のあそこの受け渡し所に、赤、黄、一般のトラックなどが入ってこないとも限らなくなる。そうすると、問題が起こってから考えると、これはよくなかった、しかし、説明するときに、いやそれがあっても問題ありませんという説明になる。その逆を、実は私たちは日。ころ十分考えて対策をとっていくべきなんだということなんですよ。その点から見て、これは曾山さんがここで絶対確実でございますと言ってみても、それは赤い車ばかりのときも犯罪が起きたという例もあるわけですし、その例によっては説明のしかたというものは変わってくるかもしれませんけれども、私はやはりこの郵便という性格の中からすれば、一貫したもので、幾らか運送料が高くてもやらせるべきじゃないかということで日逓というものが生まれ、日逓というものが、いわばこれは関係の人たちがいって経営もするということになっているんだと思うのですね。それがいいか悪いかということで、もしそのことで、実際上経済的にやるということなら、日逓を廃止してしまって、こちらから送り込んだ人を全部引き揚げてしまって、随意契約で安いところでやってもらう、こういうことでもいいんじゃないかというふうに、極論すればそういうことになるわけですが、そこまでいかぬところに私は郵便の性格というものがあるのだと思うのですね。この点、あまり御都合主義にならないで問題を解決するような方向をぜひひとつこれは検討してもらいたい。それは当然コンテナーを入れることに、日逓としてはこう思っておるようですよ、採算あるいは予算の問題で、実は日逓がやりたいのに国鉄に契約された、国鉄郵政との契約だとは言ってみても、実は運送業の許可を持っている運送会社がやるのだ、そうなると、日逓としては、どうも郵便物の運送として一貫性がないのじゃないか、こういう見方もせざるを得ない。これはもう私は当然のものの見方だと思うわけですがね。相手側が仕事が成り立つか成り立たないか、あるいは実際上これから広げていきたいと思うときに仕事をとられて困るというような、いわゆる採算性とかいうことで論議をするのもあるでしょうけれども、要は、やはり物の一貫的な輸送については、もうかるところももうからないところも、これは言ってみればもうかるところももうからぬところも経営しているわけですから、郵政省は。そういう意味で経営が成り立つような方針というものを立てて、輸送を一貫してやりたい、こういうことになると思うのです。その点は、私は当然認めていいんじゃないかという気がするわけですね。検討してもらいたい点だと私は思います。ことに、どんどんこれからはコンテナーの輸送がふえるということになれば、当然一般の運送会社が入ってくることになりますから、それを既得権だ、何だかんだと言われないうちに、あまり拡大しないうちに結論というものははっきりと立ててもらいたい、こう私は思いますので、ぜひひとつこの点の検討だけはお願いをいたしておきたいと思います。  もう一つは、先ほどいろいろお話がありましたが、要は、やはりどこの会社が請け負うか、あるいは、どういう料金で請け負うかという問題ですね。これもまあひとつ早くやらなければいかぬと思うのですが、あわせて当然この問題の出てくるのはこれは、人員整理の問題はおそらく出てこないと約束されていると思いますが、配置転換、それから職場訓練、深夜勤務等の増大というような異常勤務、それから当然起こってくるところの健康管理を含めた労働過重の問題等々、当然これは労働運動の一環として起こってくる問題なんですが、この処理のしかたですが、私の希望としては、たとえば計画が三十五、六年ころにあったという時期に、先が見えなかったと言えばそれまでなんですが、ある程度先がこうなるであろうという予想がついておるもの等については、計画の中に労働条件の問題等が入ってくると当然これは予期できるわけですから、その段階から、実施する段階になって紛争の起きないような手段を二年なり三年かかってやっておくという、そういう郵政省としての態度ですね、これが必要なんじゃないかという気がするわけです。これから起こってくる幾つかの問題があるわけですから、これはひとつ希望として私のほうから要望いたしておきます。  それから、当面の問題としては、いま言ったような諸点ですね、これはぜひひとつ、実施した、何か紛争が起こった、実施不完全だというようなことにならないように、最大のひとつ配意をして実施をしてもらいたいと思います。これもひとつ希望として強く申し上げておきます。  で、この中で、たとえば勤務時間の問題で、全体として起こっているようですが、郵政省としては、勤務時間についてはどういう考え方でしょうか。これは電電公社は一応四十時間出して、また自民党の何か労調あたりがだいぶ騒いでいるといううわさを聞くわけですが、勤務時間が短縮できたものに文句をつけるというのはおかしな話で、それで経営が成り立つならば、それを大いに歓迎すべきこれは一般社会情勢だと思うし、それから、それに対して、できれば郵政省としても一歩前進していく、これが必要なんじゃないかと思うのです。これを全体的にとらえた勤務時間でものを見るか、それとも、オーバーロードないしは労働過重、いわゆる労働体系によって出てきたものに対して、休憩時間とか、あるいは休息時間とか、あるいは勤務時間とか、いろいろな方法でこれに緩和策を講ずるとか、いろいろな方法があると思うのですが、省としてはどういう態度で臨まれようとしているのか、この際お伺いしておきたい。
  76. 山本博

    説明員(山本博君) 勤務時間の問題は、かねてから全逓の要求といたしまして、四十時間、週五日制、二日休日ということで私のほうに要望されてきた問題でありますが、いまお話がございましたように、郵政事業全般につきまして、一般的な時間短縮という問題と、それから個々別々の作業、あるいは服務、そういうものの内容によりまして勤務時間というものをどうするか、二つの問題があろうかと思います。ただいま郵政省といたしましては、この問題につきまして、組合との間に特別専門委員会というものを設けまして、いろいろなケースごとに、あるいは一般的な問題も含めまして、将来どう対処していくかということを現在その委員会を通じまして、いろいろ検討しておるという段階でございまして、ただいますぐに郵政省といたしまして、どういう方向を打ち出すかということを前提といたしませんで、その特別専門委員会の審議にゆだねておるというのが実情でございます。
  77. 横川正市

    横川正市君 これは電電公社がやったやったと言うと、電電公社が何か迷惑しそうな情勢ですから、他のところは別にして、ILO関係の条約の問題としても、先進国の一般的な傾向としても、国内にも幾つかの例も出て、そういう例が出てくるのに、郵政省が勤務時間の短縮に一つのしっかりした方針を持たないで臨むということは、これは望ましくないと私は思うので、これはまあここで局長にどうだと言ってみても、なかなか返事ができないところでしょうが、私はやはり一つの方針を持つべきだ、こういう点を強く要望いたしておきます。  それで、このことが紛争の種になって、郵便にいささかの弛緩とか遅滞が起こることのないような措置だけは、これはもう絶対私のほうでは郵政省の態度として持ってもらうように、これはぜひひとつ善処してもらいたいと思う。  それから、時間があまりないので非常に締めくくりがあまりあれじゃありませんが、集中局の問題で、日本のように漢字を使っている国が記号式になった場合に、記号と漢字とがいつまでたっても入り乱れて、実際上は西ドイツで起こったように、実施をしたら七〇%ないし八〇%が即刻できたというような状態にはならないのじゃないかという実は私ども見通しを一つ持っておりますが、それには、郵政省としてはどういう考え方か、これが一つ。もう一つは、ふくそうして取り扱いその他が複雑になって所期の目的が達せられない結果が来るのじゃないかと私どもは思うのですが、そういうものに対する対策がとられているかどうか、この点と、二つあわせてひとつこの問題をお聞きをいたしておます。
  78. 曾山克巳

    説明員曾山克巳君) ただいま、あて名が漢字で書かれておるものに数字を配した場合と、西欧のように横書きでローマ字が書かれておる場合に数字を配した場合と違うのじゃないかという御意見が一つでございます。ごもっともな意見だと思います。ただ、私どもがつけております局番というのは、一つの具体的な例を取り上げて申しますと、東京中央郵便局局番は一〇〇−一〇〇〇でございます。正式には郵政省のございます麻布の局番を一〇七−一〇七〇ということにいたしておりまして、私どもが手紙を郵政省あてに出します場合に一〇七、一番上に一〇七と書きまして、その下に港区麻布飯倉云々というぐあいに書くシステムでございます。機械はその一〇七を読むわけでありまして、漢字とは直接関係がないわけであります。したがって、書かれるほうは東京都は省略してもいいわけですし、従来に比べまして特別に負担がふえるというぐあいに思えないわけでございます。ただ、いま申しました麻布の局内が一〇七であるということの周知が非常にたいへんでございます。これが先ほど申しました番号簿を調製して全国民にPRをするということになっておるわけでありまして、この点においては、先生御心配のように、非常にいろいろな複雑なトラブルが起こりやせぬかということは考えられます。ただ、これが習熟と申しますか、皆さん習慣づけられた限りにおきましては、一〇七とさえ書いてもらえば、そのまま機械がこれを検出いたしまして、麻布局の郵便物の排送物をつくってしまいますので、従来に比べますと、二段三段の部分作業が省略できて非常に楽になるということが考えられると思います。特に私ども、習熟さえすれば複雑なトラブルが起こるとは考えておらぬ次第でございます。
  79. 横川正市

    横川正市君 年賀郵便の誤区分、それから未配達、それから未配達等になっている原因、全体のパーセンテージ、これは相当なものですよね。たとえば番地でも、自分の最も近しい人の番地を覚えることもできない。それを、全国のどこの郵便局配達してくれるかもはっきりわからない自分の親戚とかの住所、これと符号、そして、その番号でもって静止局一般国民が自分の記憶の中にとどめておくなんというのは、これは実は電子計算機ならできるかもしらぬけれども、普通のいろいろな形の能力では私はほとんどむずかしいので、そういうことを期待するようなやり方というものは実は効果があがらないのじゃないかという気がするので、これはひとつ、私はそれはやり方としてはあるかもわかりませんけれども、たいへんだろう。それから、国民全部の中にこの記号式の、たとえば静止局を教えたって、はたして自分の親戚がどこの静止局かもわからないような人に活用できるかどうか。そういう人たちが相当な物を出すということで、頭のいい人はすかっと番号でやる、そうでない人は番号がわからないから住所を書かせるということで、番号と漢字で書いたあて名とがふくそうする可能性は十分あるのじゃないかと私は見るわけです。この点から問題があるのじゃないか。  もう一つは、大宮のような郵便局の施設に部分的に立体化されたにしても、いわば取り入れられた程度の立体化で作業する郵便局と、大宮のようなああいう形の郵便局の間で、予算の面でどれくらい違いますか。
  80. 曾山克巳

    説明員曾山克巳君) 予算の面につきましては、先ほども大臣から種々御説明がございましたが、私どもといたしましては、完全な経費比較と申しますか、機械を設置いたしますと人件費がこれだけの節約になるという完全な意味での計算はまだされておりません。よその局にいたしましても、さような次第でございます。ただ、一般的に申しますと、たとえば先生ごらんいただいておると思いますが、もしごらんいただけなかったら、ぜひ見ていただきたいと思いますが、大宮の郵便局で現在取り扱いました郵便物選別機にかけまして、選別機にかけられました郵便物を消印までする、そして整理するというワンセットを考えました場合に、これは八人の人に相当する力を持っている。これが八人の力に相当するものだというぐあいに私ども考えるわけでありまして、ただ、もっとも、機械の保守とか、そういうものを考えますと、そのうち一人二人はあるいは減ってしまいますので、かりに六人といたしますと、その六人の人件費といつ見合うかという問題になるわけでございます。先ほど田代先生からもお話がございましたが、ほんとうにいつごろ機械化が可能になるのかというような問題も、そういう意味で関連さしていきたいと思います。
  81. 横川正市

    横川正市君 私は、あなたが施設課長か国際業務課長のころに、オランダのハーグの郵便局の内情をちょっと言ったら、あそこを見てこられたのですかという話をされてから、すでに十何年たっておる。オランダではあれからどれくらい普通郵便局にあのような機械設備があったか、私は見ておりませんから、実際の普及率は承知しておりませんが、あの時代から十三年ですか十四年たって、そして、ようやく京都と大宮に大体類似したものを入れた。しかし、京都を見たら、ハーグの郵便局のスペースの四分の一くらいです、取り扱いはおそらく同じくらいでしょうが。ですから、あの局舎の狭隘さからいくと全然問題にならない。あそこの局は九階建てで、九階で立体作業をやっております。四階に指令室があって。そういう規模と、京都のあの非常に狭い、あれを比較してみたときに、これはたいへんだという気がしました、あれをもし取り入れるとすれば。大宮はまだ見ておりませんから、どのくらいのスペースでどのくらいのものを取り扱えるか見ておりませんけれども、その機械能力はかりにあるにしても、今日普通局として入れられる局はどのくらい予定されているか。千七、八百になるんですかな。そういった局でどの程度のものになるのか。あるいは集中局だけにして、他はいまのよりかいささか内部を改良されようとしているのか、いろいろな点で少しむだのような気もするのですよ。その点がもう少し、あれは試験段階といいますか、試験を経た段階でもう一回検討してみたらどうかという気がします。そういう点をぜひひとつ考えていただきたい。  それから、先ほど言いましたように、集中局の立地場所その他——今度、毎日とリーダース・ダイジェストがあすこへ建てましたけれども、行ってみたら、高速道路にすぐ裏から入っていけるようなシンテムをとっておるわけで、ああいうところへ行かなくても、もっと集中能力の発揮のできる場所に集中局東京の場合に建てたらどうかという気がします。しかし、もう建ててしまったあとですから、あとはいろいろな厚生福利施設とか、その他いろいろな問題が起こってくると思うので、この点についても、ぜひひとつ解決をするように努力をしていただきたい、こう思うので、この点はひとつ時間がないから要望にしておきたいと思います。  次は、貯金関係なんですが、貯金局の窓口ですね、窓口機械化、何というのでしたか、これを取り入れるわけですが、支局と窓口との関係については、どういう考え方に立っておられるのか。貯金局長おられますね。私は、郵政局にある調査課ですか、それから貯金局二十八局、それから窓口一万数千局ですね、これとの関係というものをどういうふうに判断をされて今度はまあ数十億を入れた窓口機機化という問題を考えられたのか、それが一つ。  それから防犯その他の点からいえば、普及率その他については、現在の地位はどうなっているのか、この二つの点でお聞かせいただきたいと思いますし、まあ保険関係のようにEDPSを入れるとすれば、大体いつごろこれの計画がされているのか、ひとつあわせてお答えいただきたいと思う。
  82. 稲増久義

    説明員(稲増久義君) 窓口に事務専用機を入れます第一の目的は、事務能率の向上と申しますか、現在そろばんで計算したりしていることを機械が計算してくれるとか、あるいは手書きしているのをきれいな印字で打ちつけるというふうな事務能率の向上と、仰せの事故、防犯関係の絶滅、御承知のとおり、通帳にも、あるいは証拠書等にもすべて一つのキーを押しますと印字されますので、事故あるいは防犯に役立てたい、こういう二つのねらいでございまして、ただいまのところ、地方貯金局の機械化につきましては検討中でありまして、一つ計画もまだ固まっていないというふうな状況でございますので、窓口の専用機はそれだけのメリットをただいまのところ考え全国的にこれを実施していきたい、かように考えております。そういう状況でございますので、地方貯金局の機械化、あるいはEDPS化と申したほうが早いかもしれませんが、それは何年から入っていくかということは、窓口専用機全国にある郵便局の窓口に設置しましたあとになるというふうなことは申し上げられると思いますが、年度はまだはっきりいたしておりません。
  83. 横川正市

    横川正市君 まあ実際やろうとする気持ちで検討中なんだろうから、あまり隠さないで、相当やはり出てくる影響力のある点を考慮に入れて影響力を解決するというたてまえをとりながらこの問題を検討するという姿勢が私は必要なんだと思うのです。それで、すでにこれは、すでにこれは、簡易保険局長ね、京都の簡保にEDPSを入れて、実際上業務開始は来年の四月一日ということになるのですが、このことによって、一体、業務上の行なわれている能率、それから、その能率の上昇に伴って起こってくる要員関係、それに対する対策、これはどういうふうになっていますか。
  84. 武田功

    説明員(武田功君) 京都のEDPSは、御指摘のように、来年の四月から切りかえをしようと、こう考えております。で、何ぶん新しい機械でございまして、当省といたしましても、こういう電子計算組織は初めてというわけでございます。したがいまして、九月以降一部試行もやっておりますけれども、十分準備を整えた上でやっていきたいと、こういう考えから大体四十八年度にかけて全部の切りかえを完了しよう、こういう予定でございます。したがいまして、四十八年度までで全部を切りかえました暁において予想される要員関係と申しますか、それは現在の定員に対して約二百八十六人の減員と、こういうことを見込んでおりまして、まあ実施いたしました暁において、あるいは多少変更があるかもしれませんけれども、一応私どもはそういう見込みのもとに計画を立てております。
  85. 横川正市

    横川正市君 それじゃ、もう時間があれですから、最後に電電公社にお聞きをいたすのですが、小局運営について、公社としてはどういう考え方ですか。というのは、もうだいぶ前に私のほうから質問をいたしました。それは、いまおそらく回答される段階までいっておらないだろうと思うので、そのことはいいんですが、年次計画が進むに従って、都市ないし都市周辺が一応の段階が進み、これからだんだん地方ないしは山間僻地、農村、漁村というふうに大体進んでいくわけなんですが、それに伴っての、郵政とそれから公社との要員関係について、これは公社独自で何か考えを持っておられるとすれば、ぜひひとつこの際ですから計画を明らかにしていただきたいと思うんですが、現地へいろいろ行ってみますと、非常に気の毒な人もいまして、通勤距離その他の配置転換はできない。それかといって何年も過員でいるわけにはいかない。やめたらいま一時はいいけれども、即刻非常に困るというようなことで、非常な悩みを持っている人たちが多いようです。なるべくならやめたくないと言ってしがみついているということもあるのです。そこで、私は郵政との請負契約を現状のままでいいと考えているかどうか。いわゆる請負の形をひとつ公社で独自なものを持っておったら、この際、はっきりしていただきたい。  それから、これらの起こってくる事態に対しての要員関係について、公社として何らかの考え方を持っていれば、この際ですからお聞きをいたしておきたい。せっかくお待ち願って、いろいろお聞きしたいことがたくさんあったのですが、二点だけ聞いて、あとはひとつ自後にいたしたいと思います。
  86. 米沢滋

    説明員(米沢滋君) 郵政省電電公社の間には、要員関係につきまして、昭和三十一年に公衆電気通信施設の改廃に伴って生じる郵政職員の過員の措置について、こういう協定ができておることは御承知のとおりであります。公社といたしましては、現在第三次五ヵ年計画のちょうど四年目を進めておるわけでありまして、明年がちょうど第五年目になるわけであります。それで、先ほど御指摘のように、従来の自動改式というものが大都市からだんだん農村方面に進んでまいりまして、特に第三次五ヵ年計画等におきましては、自動化措置法というような法律も国会で議決していただきまして、いま進めておる次第であります。これがさらに第四次五ヵ年計画段階になりますと、ただいま御指摘になりましたように、一そう農村とかあるいはそういう方面に自動化が進んでいくというふうに考えております。公社といたしまして、まだ現在第四次五ヵ年計画というものはつくっておりませんので、私たちは先般、いわゆる長期拡充計画の大綱というものを発表いたしたのでありますが、四次五ヵ年計画は、明年の六、七月ごろまでにつくりたいと思っております。したがいまして、その段階においては、この問題をもう少しはっきり、どの程度にどうなるのかという数字的なものが出てまいると思います。したがって、ただいまのところ、郵政省との過員協定というものにつきまして、いまいろいろやっておるのでありますけれども、今後なお郵政省との間において、さらに、この過員協定の改定等についていろいろ密接に話し合いをしながら進めていきたいというふうに考えております。  それから請負契約についてどうかというのでございますけれども、これはたとえば、この間、大綱というものを発表いたしましたけれども、その段階におきましても、約二千五百局ぐらいの局は依然として残ることになっております。これは全部するということはかえって非常によくないので、二千五百局ぐらいのものは大綱においても残りますが、これは日本なんかの場合だけではなくて、イギリスなんかの場合、国柄が日本とわりあい近いのでありますが、そういうところでも全部自動即時が行なわれておるわけではないのでありまして、日本でも全部自動即時ということではなくて、やはり手動即時も含めて四七末において即時化したい、こういう考えでありまして、したがって、その段階においてもやはり委託局というものは残っていくというように考えております。
  87. 横川正市

    横川正市君 これは当然予想される計画の大体半年ないし八カ月前という時期なんですから、検討段階で当然結論が出されると思いますが、その際には、十分要員事情その他現地に沿った検討をしてもらって解決策を出してもらいたい。  それから、当面は来年あたりからどんどんいろいろな事情が出てくるわけですから、これはひとつ早急に郵政とそれから電電との間に、いわゆる合理的な案を出してもらって解決していただくように、これは強く要望しておきます。きょうは質問は終わります。
  88. 野上元

    委員長野上元君) 鈴木さん、何かありますか。
  89. 鈴木強

    ○鈴木強君 時間がおそいでしょうから、きょうはやめます。
  90. 田代富士男

    田代富士男君 私、最後に一問だけ……。大臣にはまたあらためてなにしたいと思いますが、請負人のいまの関連でありますが、請負人には定期健康診断は本省同様に行なうと言いながら、その後の再検診及び事後指導その他の管理はしないと言われておるけれども、これは一体どういうわけであるか、この点が一点でありますし、それから郵政省の所管の医務機関というものは、本人に限り利用できるとしながら、診療料は全部、全額請負人が支払うようになっております。かように聞いておりますと、請負料の中に健康保険料の負担額を含んでおると言われておりますけれども、幾らぐらい含まれておるのか、その点について最後に一問だけお伺いしたいと思います。
  91. 曾山克巳

    説明員曾山克巳君) 先生非常に詳細に御存じでございまして、そしろ私からお答えする必要もないと思いますが、ただ、具体的な額をいま御質問ございましたので、その点についてお答えいたしますと、当初におきましては、政府管掌保険保険料率事業主負担率を適用し、四十年度においては千分の三十を負担するという形になっております。
  92. 野上元

    委員長野上元君) 他に御発言もなければ、本件に関する質疑は、本日はこの程度といたしまして、次回の委員会委員長及び理事打合会に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  93. 野上元

    委員長野上元君) 御異議ないと認め、さように決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後一時二十九分散会