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1966-07-19 第52回国会 参議院 地方行政委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年七月十九日(火曜日)    午前十時二十一分開会     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         岸田 幸雄君     理 事                 小林 武治君                 沢田 一精君                 占部 秀男君                 原田  立君     委 員                 小柳 牧衞君                 高橋文五郎君                 津島 文治君                 天坊 裕彦君                 中村喜四郎君                 林田悠紀夫君                 加瀬  完君                 鈴木  壽君                 林  虎雄君                 松澤 兼人君                 松本 賢一君                 市川 房枝君    国務大臣        労 働 大 臣  小平 久雄君        自 治 大 臣  永山 忠則君        国 務 大 臣  福田 篤泰君    政府委員        厚生政務次官   佐々木義武君        労働省職業安定        局長       有馬 元治君        自治政務次官   大西 正男君        自治大臣官房長  宮澤  弘君        自治省行政局長  長野 士郎君    事務局側        常任委員会専門        員        鈴木  武君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○理事の辞任及び補欠互選の件 ○地方行政改革に関する調査地方事務官制度  に関する件)(特別職地方公務員の私企業へ  の関与に関する件)     —————————————
  2. 岸田幸雄

    委員長岸田幸雄君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。  加瀬君から、都合により理事を辞任いたしたい旨の申し出がありました。これを許可することに御異議がございませんか。   〔「異議なしと」呼ぶ者あり〕
  3. 岸田幸雄

    委員長岸田幸雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  それでは、直ちにその補欠互選を行ないたいと存じます。  その方法は、互選によらないで、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 岸田幸雄

    委員長岸田幸雄君) 御異議ないと認め、に占部秀男君を指名いたします。     —————————————
  5. 岸田幸雄

    委員長岸田幸雄君) 次に、地方事務官制度に関する件を議題といたします。  御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
  6. 占部秀男

    占部秀男君 地方事務官制度の問題については、前国会から引き続きの当委員会としては問題になっておるわけですが、福田行政管理庁長官にお伺いをしたいのですが、前国会福田長官にこの問題でお伺いをいたしましたときに、かねて実施しております実態調査をもうまとまったから、これを行政監理委員会報告をして、同委員会として結論を速急にひとつ出して、この問題の決着を進めたいと、こういうような御答弁があったわけであります。で、そのときにも、できれば三省間で覚え書きの交換等の取りきめを行なって、六月一ぱいにはめどをつけたい気持ちである、こういうようなお気持ちも表明されたわけでありますが、私は、この福田長官の御答弁といいますか、これは佐藤総理の、臨調答申を尊重するのだという答弁をされておる、その線に沿ったものと思いますので、この点については何も御質問を申し上げることはないわけであります。  ただ、お尋ねしたいことは、この行政管理庁実態調査報告に基づいて、行政監理委員会としてこの問題をどうあとを措置するのかというような点についての作業がもう終わっておるということを、私は個人的ですけれども行管委員をやっておる太田薫委員から聞いたわけであります。  そこで、福田長官お尋ねを申し上げたいのは、どこまで進捗を一体しておるのか、特に行政監理委員会としてはどういう取り扱いをしようとしておるのか、そういう経過について、まあ事が微妙な問題もありますから、長官のひとつできる範囲でこの経過を明らかにしていただきたい。最初にお願いします。
  7. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) 先国会でこの地方事務官制度に関する問題について御答弁したことは御案内のとおりであります。昨年来、臨調答申基本として、二十年間の懸案を何とか片づけたいと考えておりまして、本年初めから数カ月かかりまして、地方実態調査を終わりました。これを基礎として行政監理委員会に付議いたしまして、地方事務官制度に対する措置の根本方針というものを、三回にわたりましてヒヤリングをいたしまして、検討いたしたわけであります。  大体今月初めに一応の結論に近い意見のまとまりができましたので、これを基礎として、各関係省と具体的な折衝を連日続けておるのが現状でございます。  まあ、この監理委員会の一部の御意向としては、これは国民の世論というものを背景にしてこういう問題を解決すべきであるから、できれば臨時国会前に監理委員会意向というものを発表したらどうかという御意見が実はありました。それに対しまして、委員長という立場から、私は、そのお気持ちはわかるが、また一つ方法でもあるけれども、これは何と申しましても二十年間の懸案で非常にむずかしい問題である。しかも同一佐藤内閣の閣内における関係大臣間の折衝が始まっておるわけであります。一方的にわれわれの見解を発表することは、むしろ場合によってはなかなかむずかしい点があるので、処置については長官としての立場を尊重していただいて、おまかせ願いたいということで委員会の御了承をいただきました。  そこで、発表はしませんが、いま申し上げた今月初旬の委員会の御意向も大体わかっておりますので、それを基礎とし、参考意見として、まず自治省といろいろと意見調整——幸い行政管理庁自治省とは根本方針においてほとんど完全に近い意見の一致を見ました。そこでまず運輸行政につきましては運輸省話し合いをし、これにつきましてはほぼ妥結の線に達したのでございます。労働厚生につきましては、並行して連日次官局長クラスで具体的な実情に即した解決案を実は検討中であります。前国会でお答えしたとおりで、できれば、われわれの立場から申しますれば、地方事務官制度は三つの省にわたっておりますので、何とかして今月中にでも同時に解決できればもちろん理想的であるという目標で努力いたしております。これが現在の実情でございます。
  8. 占部秀男

    占部秀男君 いまの経過で、相当事態は明らかになっておるのでありますが、これは太田委員の個人的な私との話ですから、あるいは間違いがあるかもしれませんが、いまの長官の話の中で、一応の具体的な作業が、まあいわば結論的なものが出たけれども監理委員会の了解を求め、この内容については発表せずにある、こういうようなことのお話がありましたが、太田委員お話だと、どうもそれとちょっと違うのですね。むしろ行政監理委員会委員長としての福田長官考え方だけで何か発表をしないというようなどうも印象を受けたのですが、そうしますと、行政管理庁と、それから行政監理委員会との間に、何かこの問題で私はズレがあるのじゃないかというような、勘ぐるわけではないけれども印象を持ったのですが、そういう点は全くございませんか。
  9. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) 私の立場から申しますと、行政管理庁という国家機関のあれをいたしておると同時に、管理委員会委員長をいたしておるわけであります。お互い性格が違っておりまして、御案内のとおり、委員会としては相当自由濶達立場意見を表明し、あるいは諮問に答え得る立場にございますが、役所として、管理庁として、ある行政改革なり改善の実をあげて、これをまとめるという立場になりますと、いささか委員会とは色彩なり性格を異にするわけであります。率直に申しまして、太田委員からも相当強く事前の発表主張されたわけでありますが、委員長としてこれは私は反対をいたしました。ただ一方的に発表する、しかもいま話し合いをしておる過程においては、委員会としての意見を一方的に発表した場合には、むしろ妥結なり解決が困難になるのじゃないか。  もっと具体的に申しますと、実は関係労働大臣あるいは厚生大臣とも再々にわたって非公式の話し合いを、大臣折衝をいたしたわけであります。初めは官房長官も入ってもらって、調整役を考えてもらいましたが、それはまだ早いと、関係大臣間でまず煮詰めてからやってもらいたいという御希望もございましたので、ごもっともであります。労働厚生ともにいろいろのお立場もあり、いろいろの御主張もあるわけであります。それも遠慮いたしまして、内輪だけで折衝しておる過程でございますので、委員会考え方発表することは、私は委員長としては反対いたしました。これは発表するといたしましても、その時期ではない。御意向はわかるけれども、私にまかしてもらいたいと、おまかせをいただいておるわけであります。
  10. 占部秀男

    占部秀男君 そういう具体的な問題の段階ですから、これは行管長官としての立場もわからないわけじゃないのでありまして、私たちも機械的にこの問題を扱おうとは思っていないのですけれども、念のためにお伺いをしておきますが、その行政監理委員会のいわゆる六月三十日の結論といいますか、ある程度の作業の終えた結果、この内容については——これはまあ長官以外に自治大臣労働大臣厚生大臣は出ておられないけれども、両大臣にお伺いしたいのですが、その内容については、すでに行政管理庁のほうから連絡なり通知なりがあって、行政監理委員会結論内容は御存じになっておるかどうか、この点をお伺いしたいと思います。
  11. 小平久雄

    国務大国小平久雄君) その点につきましては行政管理庁のほうから、これは私の承知しておるところでは、まあ正式というより、むしろ非公式のように承知をいたしておるのですが、一応の試案とでも申しますか、素案とでも申しますか、そういうものをちょうだいをしておることは事実であります。それにつきまして、やはりそれらを中心にして、先ほど行管長官から御説明のありましたようないきさつで、行管長官、あるいはわれわれの立場からすれば厚生大臣も御一緒に、いろいろそれぞれの立場があるものですから、ひとつ十分話し合ってみようじゃないかと、こういうことですでに話し合いをいたしておるわけでございまして、それにしても、まだ事務的にもほんとうに煮詰まったというところまでいっておらぬようでありますので、各省事務当局間でも、まず十分ひとつ検討をさせようじゃないかと、こういうことでやらしておるところでございます。
  12. 永山忠則

    国務大臣永山忠則君) ただいま労働大臣申しましたように、行管の提示されました案を中心といたしまして、関係各省と鋭意検討を続けておる次第でございます。
  13. 占部秀男

    占部秀男君 そうすると、一応行政監理委員会で六月三十日に出した報告というものは、各省ともに伝わっておると、かように確認していいわけでございますな。この点はいかがですか。
  14. 小平久雄

    国務大臣小平久雄君) 先ほど申しましたように、試案と申しますか、素案と申しますか、そういうものはいただいておることは事実でございます。これが正式のものというのか非公式のものというのか、私たちはいずれかというと、内々の打ち合わせ一つ試案というようなことでちょうだいしたものと、実は私ども一応そう理解をいたしておるわけですが、実際問題としては、いま申しましたとおり、それらを中心にして検討をいまいたしておる、こういうことでございます。
  15. 占部秀男

    占部秀男君 どうもそこのところがぼくは一番問題点であり、どうも歯切れが悪いと思うのですね。これは行管長官お尋ねするのがいいのか、あるいは労働大臣あるいは自治大臣お尋ねをするのがいいのかわからないのですけれども、一応未発表ではあるけれども、まあ、これは太田委員と私の話ですから、公式の委員会の話というわけにはまいらないかもしれませんが、未発表ではあるけれども行政委員会としては作業を終えて結論をまとめたのだと、こういう話を聞いているのですね。ところが、それが未発表であるというところから、労働省あるいは自治省というようにお考えになっているかもしれませんが、労働省のほうへ渡ると、いま大臣の言われたように、まあ、試案らしいものが出て内々打ち合わせをしている——試案というものと、それからある程度きめたものが未発表のままそれが行なわれているということでは、事の性格が非常に違ってくるけわですね。特にこの問題は、事務事業移管の問題であり、それから公務員のある程度の制度の改変の問題でありますから、具体的な処理をしなければならぬという問題ですね。ところが、その具体的な処理をしなければならぬ問題の基本線といいますか、そういうものを、答申というか政府側に勧告をするというか、そういう立場にある行政監理委員会結論というものの受け取り方が、軽く受け取られるということと、それからある程度きっちりきまったものだけれども、未発表のもので受け取るという受け取り方とでは、これはこの折衝過程で相当違うわけです。そういう点については、やはり私は明確にしてもらいたいと思うのですが、この点はあとでお伺いをしたいと思います。  そこで、いま大臣お話の中に、事務的な段階においても煮詰まっていないので、というお話がございました。そうなると、行政管理庁の今度のこの実態調査に基づく行政監理委員会報告といいますか、結論、そうした問題を——まあ、であるかどうかは別にして、もとにして、行政管理庁各省との間の折衝だけではなくて、労働省自治省厚生省自治省、あるいは運輸省自治省というように、各省ごと事務段階折衝が行なわれていると、こういうふうな事情もあるわけでありますか、その点をひとつお伺いしたい。
  16. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) 各省ごとに行なっているわけであります。  なお、委員会行政管理庁並びにその委員会意向が伝わっているかどうかという具体的な問題について、一言補足してお答え申し上げますが、六月二十五日に、行政管理庁として、地方事務官制度についての処置案をつくりました。実は三回ほど、さっき申し上げましたとおり、監理委員会と十分話し合って、相当時間をかけて、これは監理委員会意向としても全面的に意向を取り上げたというわけであります。これがおそらく太田委員の言われているような監理委員会の案ということで伝わっていると思うのですが、性格は違いますが、ほとんど表裏一体作業をしているわけであります。役所に対しましては、あくまで行政管理庁の六月二十五日の案を基礎として、関係各省に出しまして、次官局長間に具体的に実はやっている。これが実際の経過話し合い過程実情でございます。
  17. 占部秀男

    占部秀男君 そうしますと、この問題の決着は、結局各省事務折衝がまとまらない限り問題にはならぬ、こういうことはないわけでありますか、その点いかがでありますか。
  18. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) 私ども立場だけから申しますと、臨調の精神を尊重し、また監理委員会表裏一体となってまとまった意見については、あくまで主張いたしたい立場でございます。ただ問題は、各省についても長い間の実績と申しますか、いろいろの主張もお持ちでありますし、さらにまた、人員から申しましても、たとえば労働省、定員だけで二万五千、そのうち労働事務官が一万四千といったような、比重から見ても相当大きな省としての問題になっておられるし、よく私どもその事情はわかりますので、各省ごとに事務的に、私ども大臣間には二度ばかり非公式にやりましたが、やはり抽象的では話がどうも進みませんので、実態、実務に応じて、この部分は中央で見るのが必要であろう、この部分地方に委譲したらよろしかろうという、そういう具体的な問題について煮詰めてもらっておるわけでございます。したがって、何らかの形で妥当な適切な解決点というものが期待できると、私どもは考えております。
  19. 占部秀男

    占部秀男君 どうもいまのお話を聞いていると、まあ、われわれが性急かもしれませんが、少しわかったようなわからないようなと言っちゃ失礼なんですが、歯がゆい思いが率直に言えばするわけですね。一体総理も、それから行管長官も、臨調答申を尊重してこの問題を処理するんだということは明言されておる、総理自身も明言されておるんですね。そうなれば、臨調答申内容が、もうあれは観念的な内容でなく、具体的に、たとえば地方事務官制度の問題については廃止すべきだ、事務委譲の問題については、その以前の問題になるかもしれませんが、委譲すべきである、こういう点を明確に出しておるわけですね。それを尊重するというたてまえならば、その線に沿っての動きというものはあるわけでありますが、何らか途中でその動きというものがとめられておるというか、あるいは阻止されておるというか、そういうような私は感じが持ててならないんです。  そこで、特に問題点として私は、いままでの福田長官経過の御説明の中で、特に問題というか、特に問題といっても、重要な問題という意味じゃないんですが、気がついた意味で問題となるものは、一つ委員会の、太田君に言わせると、六月三十日ですか、ある程度作業が終わったという、その作業内容について、これをぼくは伏せておくというのは少しおかしいじゃないかという感じがするわけです。というのは、確かに長官としては、行政管理庁長官でありますから、政府の部内の責任者でありますから、労働省なり、あるいは厚生省なりとのいろいろな折衝段階があって、その折衝段階の微妙な点も計算に入れなくちゃならぬ、それはわれわれもよくわかっている。ただ、行政監理委員会というのは、そうした意味段階とはまた違った段階にあるわけですね。したがって、行政監理委員会結論は、これは私は行政監理委員会としてガラス張り発表させるべき筋合いのものではないか。しかも行管考え方自体が、これはまあ長官も言われたように、行管そのものもまたそうでありますが、行政制度の問題についてはガラス張りでありたい。やはり民間なり世論なりの背景を取り入れて、こういう問題はそうしなければ解決できないのですから、そういうものを取り入れてやりたいと言っている以上、ある程度の結論が出れば、確かに時期の問題もあるけれども、ある程度の結論が出れば、これをやはり世間に発表して、こういう方向がいいのか悪いのか、やはり世論というものの動向、これをバックにしてこうした問題を解決する、そういう方向をとらなければ、ぼくはいつまでたっても解決できないんじゃないか、こういうふうに思うわけなんです。しかし、これはまあ長官に御答弁を求めても無理でありますから、まあ無理というか、これはぼくは、やはり長官長官立場もあるので、これは答弁求めません。  ただもう一つ問題として答弁を求めたいのは、やはり姿が進んでおらないと、われわれ外から見ている者には印象づけられる。特に行政監理委員会がこの問題を具体的にやりだしてからもう八カ月以上過ぎているのですね。したがって、かりに六月三十日の行政監理委員会がある程度の結論を出して具体的にやっている。各省間の事務折衝段階でも、その問題の折衝している。そうなれば、この問題のいままでの経過と、今後どうするか、そして監理委員会がつくり上げた、作業を終えたものをどう扱うか、こういうことについて、少なくとも行政監理委員会を開いておくべきはずであると私は思うのです。ところが六月三十日以降行政監理委員会一回も開かれていない。こういうところで、どうも私は福田長官、非常にこの点については公正に努力されていると常々私も感じているのですけれども、どうもその点が割り切れないところがあるのですが、一体行政監理委員会は近く開く考え方を持たれているかどうか、こういういう点についてお伺いしたい。
  20. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) 六月三十日以来開いておらぬというのは、それは事実に反しております。今月に入りましてからも開いております。ただ先週は国会関係で休みました。今週また開きます。したがって、開いてないということは事実に反しますので、その点はっきりいたしたいと思います。  ただ、発表の問題ですが、委員会として発表すべしという一致した意見ではない。太田君その他、発表せよと言われる方もありますが、それは一方的に発表して、労働厚生立場から、おれは反対である、おれはこう思う、また発表前になりまして対立したまま平行線になって、むしろ事態が見送られてしまう危険性があるという論の方もあられる。私はむしろ後者の意見であります。どうしても話し合いがつかない場合には、われわれの責任において、行政管理庁あるいは監理委員会が自由の立場委員会として所信というものを発表するかもしれません。いま折衝中に一方的に発表することは、ことばが少し乱暴ですが、戦術論としてむしろ不調に終わらせる可能性が多くなるだろう、こう思っております。  なお、委員会につきましては、今週の木曜も開くように通知をしております。この問題もいわば方法論についてお互いに掘り下げて、ほかの議題もございますが、いろいろ自由にお互いにどうしたらいいか、いろいろと話し合ってまいりたいと思います。
  21. 占部秀男

    占部秀男君 今週、行政監理委員会を開くのだという明確な御答弁を得て私も安心をいたしましたが、そこでこの行管のいま六月三十日のいわゆる作業の終わった問題について、私の聞いているところでは、必ずしも行政監理委員会発表しないほうがいいというきめ方をしたのではないということを太田委員から聞いておる。これは、この点の内容については、これは福田長官立場もありますから、ここで私は長官からどういうような内容なのかということについてはお尋ねはいたしません。しかし、この問題をこのままやっていきますと堂々めぐりの問題になりますから、私はこの辺でこの問題は一応打ち切っておきたいと思うのですが、ただしかし、だからといって、事がこのまま、これまできている以上、行管監理委員会結論を聞かないままでいるというわけには、われわれ委員会としてならぬと思うのですね。つまり世間的に発表するかしないかということは、これは別ですけれども委員会としてやはり内容をただすべきところはただしておかぬとならぬと、その点については、福田さんの口からこれを聞こうといったって、やはり立場があるから無理だと思いますので、これは委員長お願いしたいのですが、適当な機会に太田委員なり、あるいはまた監理委員会委員長代理である安西さんなりを参考人として呼んでいただいて、そして行管監理委員会のいまの内容についてやはりある程度知っておきたい、こういうふうに私は思うので、この点についてはひとつ委員長のほうにお願いをしたいと思います。もちろん、国会の情勢もありますから、そういう点はあと理事会として打ち合わせをして、ともかくも内容が明確でないということは、これは対世間的に、社会的に発表するということとは別です。国会の審議ですから、その中で行管で一応の結論が出ておるものを内容がわからぬというのでは、問題の解決への道にはなりませんので、その点、ひとつ委員長お願いをしておきたいと思います。
  22. 岸田幸雄

    委員長岸田幸雄君) はい。
  23. 占部秀男

    占部秀男君 そこでこの問題を、一応福田長官に対するいままでの経過の問題については打ち切りたいと思いますが、ただ、念のためお尋ねしておきたいのは、これは労働大臣もここにおられますからはっきりしておきたいのですが、最近、われわれがいま扱っておる地方事務官制度の問題について、労働省の面としては、地方事務官労働事務官は別であると、こういうような何かことを言われておる。で、臨調答申地方事務官制度の中には、地方事務官と、そしていわゆる労働省労働事務官、これはわれわれは地方事物官と一緒になっていて、ワンセットの形になっておると思うのですね。これを何か、結論はどう出るか別ですよ。しかし、扱い方の問題として、労働事務官はこれは違うんだ、労働省関係としては地方事務官だけだと、こういうような機械的な文字の上だけで読まれたような扱いをされたのでは、われわれは非常に迷惑だし、問題はさらにまた前に返って複雑になるわけですから、そういう取り扱いではないと思うのですけれども、その点は、行管長官はこの前、これはワンセットの問題であるという点をはっきりと言われたので、その点、労働省としても明確にしていただきたいと思います。
  24. 小平久雄

    国務大臣小平久雄君) 占部先生のお話のように、労働省の方面で地方事務官と、安定所等におる職員である労働事務官とを区別して、この臨調等でいう地方事務官というのは、具体的に言えば、県庁の安定所等におる地方事務官だけを問題にして、安定所のほうにおる労働事務官は別だと、こういうことを労働省方面で言っているんじゃないかというおしかりでございますが、私どもはそういう考えは持っておりません。これはさっき申し上げました試案等から見ても、要するに地方事務官と、それから労働事務官と、確かに呼称は違いますが、それらを一体として、いわばワンセットとして問題にされておると、かように私どもも理解いたしております。
  25. 福田篤泰

    国務大臣福田篤泰君) 先ほどお答えしました点が間違っておりますので訂正さしていただきたいと思います。  十四日開く予定が、参議院本会議のため流れております。したがって、今月は、六日に私北海道に出張いたしておりましたのでやっておりません。したがいまして、これは間違いでありますから訂正いたします。ただし、今週木曜日には開くことが通知されておりますから、これははっきりしております。
  26. 占部秀男

    占部秀男君 いまの労働大臣の御答弁で了解いたしました。それから長官のほうは、まあ過去のことはけっこうでありますから、どうぞひとつ今週中に一回やっていただきたいと思います。  そこで、いまの質問の経過あるいは前国会からのあれで、行政管理庁のほうの意向あるいは自治省のほうの意向は、これはもう私ある程度わかっておるのですが、やはり労働省なりあるいは厚生省なり、その他必ずしも意見がまとまってない、一致してないというふうに感じておるわけです。そこで、これは大ざっぱな言い方ですけれども一体臨調答申といいますかね、勧告。これはもちろん総理も、福田長官もはっきり言われておるのですが、これは自治省としても、それから労働省としても、尊重してもらえるものだと思うのですけれども、その点はいかがですか、両大臣
  27. 小平久雄

    国務大臣小平久雄君) その点に関しましては、四月十四日の本委員会においても私は御答弁申し上げておるわけでございますが、臨調答申というものを政府が全体としてこれを尊重するという立場は、これは私どももそうあるべきだと考えております。ただ、その具体的な問題になりますと、これは、いま問題になっております地方事務官の問題、特に先ほど御指摘のありましたように、まあ労働事務官——安定所の労働事務官等をひっくるめてどうするか、ましてや、これは当然にまた安定業務なり、あるいは失業保険の業務なり、そういうものを一体どうするかと、それがどういうことに相なっておるかということは、これは私どもやはり責任を持つ者としては、十分検討しなければ、私は安易に、尊重するからといって、それを直ちに地方に移管してしまう、人も、何といいますか、仕事も移ってしまうと、こういうことで、はたしていいのかどうか。これは私は、やはり責任ある立場としては十分検討をする必要があると、そういうことからいいますと、全体としては尊重すべきだといっても、直ちにそのとおりけっこうでございますとは、私は言い切れないでおるわけです。
  28. 永山忠則

    国務大臣永山忠則君) もちろん行管、その他地方行政関係意見を十分尊重をいたし、さらに行政監理委員会意見をも十分ひとつよく承りまして、これが善処をはかりたいと存ずる次第でございます。
  29. 占部秀男

    占部秀男君 労働大臣のほうははっきりしておるんですね。尊重はするけれども、具体的な問題となってはやはり相当検討しなくちゃならぬ。ところが、自治大臣は、尊重はするんだけれどもというので何だか、自治省はやはり、地方事務官制度というのはおかしいじゃないか、それから労働あるいは保険関係の事務事業というものは、本来これはもう機関委任の問題であって、これは具体的にやはり委譲できるものは委譲すべきじゃないかという、はっきりした態度をとってもらわぬと、何かこうぼけたような形になるのですが、一体地方事務官制度はやはり廃止すべきであると、こういう点については大臣は賛成なんでありますな、その点はいかがですか。
  30. 永山忠則

    国務大臣永山忠則君) 多年の懸案でございますこの不明朗な行政については、終止符を打つ時代が来ておると考えておる次第でございます。鋭意努力を続けたいと思います。
  31. 占部秀男

    占部秀男君 そこで、この際お伺いしたいのですが、この前たしか、私の聞き間違いか知りませんが、前国会福田長官に御質問をいたしましたときに、ともかく地方事務官制度という制度そのものは中途はんぱな制度であるから、いずれにしてもこの際決着をつけたいということに各省間の意見はほぼまとまりつつあるということを私は聞いたと思うのですけれども、その点については労働大臣も、自治大臣はもちろん、さっき言われたことでけっこうですが、各省とも変わりはございませんか、その点ひとつ。
  32. 小平久雄

    国務大臣小平久雄君) この問題についてなるべく早く決着をつけたい、こういうことが行管長官からも先ほどお話がありましたとおり、お話がございまして、またそのねらいで、非公式ではありますが、すでに一、二回大臣同士の話し合いもいたしておるのであります。ただ、問題は、いかに決着するかという問題でございまして、先ほども申しますとおり、私どもに課せられておる責任というものが、決着のしようでは、これがはたして国民のために、あるいは国の今後のために妥当であるかどうか、こういうことについてはおのずから見解の異なるところも実はあるわけなんでございまして、そういう点をさっき申しますとおり、まずもって事務当局間で詳細に実情に即して検討をさせようじゃないか、こういういま段階にある、こういうことでございます。
  33. 占部秀男

    占部秀男君 そこで労働省としては、この問題を決着はつけるのだけれども臨調答申即そのままであるかどうかは、これはもう考えなくちゃならぬ、こういうお話ですが、問題は私は二つあると思うのです。一つは、労働なり社会保険なりの関係事務の委譲の問題が一つあるし、それからもう一つは、これとうらはらの関係である地方事務官制度、これの廃止、つまり府県の職員への移管といいますか、この二つあると思うのです。  そこで、その地方事務官制度の問題でありますが、これは私は明瞭だと思うのですけれども労働省としてはどういうようなお考えで、この地方事務官制度の問題については、臨調答申は尊重するけれども、直ちにこれはそうしていいかどうかわからぬというようなお考えをお持ちになっておるのか、その点をお聞きしたいのであります。  というのは、私はこの制度は、この前、大臣には御質問したかもしれませんが、機関委任をされておる知事が、知事のいわゆる委任された事務に対する責任が持てる体制にはなっていない、こういうことからこの問題は早急にやはりいずれか決着をつけなければならぬ問題じゃないか、こういうふうに私は思っておるわけなんですが、労働省考え方をお伺いいたしたいと思います。
  34. 小平久雄

    国務大臣小平久雄君) 先生からお話のとおり、地方事務官の問題、それから仕事自体をどうするかという問題、これは私は、観念的と申しますか、考え方としては、一応別個に確かに考え得ると思うのです。しかしながら、具体的に今度はそれぞれの仕事をやるということになりますと、これを別個に実際問題として考えることは私は非常な無理が出てくるのじゃないか、こういうふうに思うのであります。したがって、いま直接の話題となっておりますのは、確かにこの地方事務官制ということで先生からも再三御指摘をちょうだいしておるのですが、そのことは直ちにまたこの仕事と関連してくる、こういうことにならざるを得ないと思うのです。  そこで私は、現在のこの地方事務官制というものが一体どうして生まれたのかということを実は検討もしてみたのですが、これは先生万事御承知で、いまさらあらためて申し上げるまでもございませんが、結局は、いまやっております職業安定業務なり、あるいは失業保険の業務なりというものが、一方においては、地域性といいますか、各県の行政に非常に関係のあることもよくわかります。が、しかしながら、一面においては、またこれが全国的な統一性を確保しなければならぬ、こういうこともこれはきわめて重要な要素なわけであります。したがって、これらをやはり実際面からどう調和するか、そういう立場から私は、おそらく現在の地方事務官制というものができたであろう、かように思うわけであります。この点はこれまた先生も万事御承知のとおり、例の臨調答申にも、一方において、地方事務官制でしたか、あるいは安定業務とうたってありましたか、いまちょっと記憶がはっきりいたしませんが、それは地方にまかせるべきだ、ただし、やはり広域性というものについても十分、これはどういう表現でしたか、要するにこれを考えなければいかぬ、こういうただし書きが私はついておったと思う。そういうことで、どうも仕事というものが、両方の性格が早い話あるものですから、これを簡単に割り切れ、こう言いましても、まだ実際の仕事からは、いまのような制度がやはり適当なんじゃないか、こう言わざるを得ないわけなんです。どうしても地方事務官というそのものがいけないんだ、こういうならば、少なくともわれわれの判断からすれば、この地方性と広域性というものが、一体どちらが重要になりつつあるかということになりますと、今日の労働市場の状況等からいたしますと、むしろ私は広域性というもののほうが重要になりつつある、そのほうがやはり私は、職を求める諸君なり、あるいは職を失った諸君なりに対する国の処遇というものが、全国的な規模においてこれは当然やらなければならぬ問題であるし、諸外国の例等においても大体そういう方向にいま現に行なわれつつある、こういうこと、ましてや、将来の労働市場というものを展望するときには、そういう性格というものは私はますます強くなってこざるを得ない。こういう点から考えますと、地方事務官というものの制度がどうしても悪いんだ、何かはっきり割り切れ、こう言うならばわれわれの少なくともただいまの考え方からいたしますならば、むしろそれならば私は、全部国のほうに引き上げてと申しますか、この全部を労働事務官にして、しかる上において地方とどういう行政上連絡なり調整なりをとるか、こういうことを考えるほうが、むしろ私は実情に合うんじゃないか、率直に申してこういう私は考えを実は持っておるわけです。  しかし、もちろん、先ほど来御指摘のとおり、臨調という権威のあるあれもありますから、その辺一体をどう決着をすべきか、こういうことで、せっかくいま研究をさしておる、こういうことでございます。
  35. 占部秀男

    占部秀男君 いまの大臣の御答弁で、労働省の考えの全貌がはっきりつかめたので、非常にわれわれもこの問題を進める上においてやりやすくなるわけですが、いまの大臣の言われたように、確かに地方事務官制度と、それから関連する関係事務事業の問題とは、切り離せない問題であることは事実でございます。だからといって、地方事務官制度をそのままにしておいていいか悪いかということは、これは相当私は問題があると思う。  前国会でこれは労働大臣にも申しましたから、あまりその点を重複することはいやですけれども、今日知事が一般的な職場の指揮監督権を持っている、しかし人事権は持っていない、人事権と指揮監督権とが国と地方に分かれておる、地方事務官制度の問題はここにあるんですね。委任された事務についての全責任は、これは知事が負わなければならぬ。これは御存じのように、国が出先機関を指揮監督する場合と、知事の場合と、これは違うわけですから、したがって、知事は自分の仕事として、自分の責任において指揮監督をしなきゃならぬのですね、管理執行しなきゃならぬ。これは全責任を持たなくちゃならぬ。その場合に、人事権のない指揮監督なんというのはナンセンスですよ、実際問題として。それは大臣、あなた自身が行政の責任者としてはっきりわかると思うのですね。  そこで、いずれにしても、地方事務官制度というものは決着をつけなきやならぬ時代になってきておる。それをただ、国のほうにいくか、地方にいくか、どっちかという、そういう時期に置かれておることは明瞭なんですよ。  そこで労働省としてはこの問題を、現在の地方事務官制度は、やはりそのまま当分とっておくかどうかわからぬけれども、いまのままの状態でいいじゃないかということは、これは私は無責任だと思うのですね。知事はやりようがないですよ。ぼくは、こまかい点はこの前質問したから言いません。とにかく知事の考え方の、ほかの仕事の状態、あるいは不正事件が起こった問題、それからまた事務事業の規律の問題、どんな問題をやっても、知事は責任を持てる体制になっていないですよ。その点はぼくは大臣も認めると思うのですね。したがって、この問題を決着をつけなきやならぬ。決着をつけなきやならぬ場合に、それじゃ事務事業はどうするかと、こういう問題におのずからなってきますわね。  そこで、ぼくは大臣にお伺いしたいのですが、いま大臣は、労働市場の今日の情勢から見て、全国的な統一性の問題、あるいは企画性の問題、広域性の問題がある、こう言われます。私はそれは確かに率直に言ってあるということも認めます。しかし、このあるということは、即事務事業を地方へ移管してはならないということとイコールではない。この点はぼくは労働省にも聞いておきたいと思うのです。というのは、これはこの種の仕事の意味からいって、全国的な流動の計画であるとか、あるいは統一的な指導の方針であるとか、そういう基準は労働省のほうで私はつくっていいと思うのですよ。しかし、具体的な日常業務については、労働省が完全な出先機関をつくってやる必要があるかどうか、これは非常に私は疑問じゃないかと思う。  たとえば労働関係で一番大きな求人求職、いわゆる職安関係ですね、あるいは失業保険もあるけれども、職安関係一つ例にとってみても、今日求人の、あるいは求職の、人を求めるものと就職したものとの実態はどうかといえば、これは地域性が強いです、何といっても、それは明らかなんですね。たとえば求職するほうの側にしても、やはり求職しても、今日の状態じゃ住居の問題であるとか、交通の問題とか、いろいろな問題で、都下であるとか、県下の調べた求職状況は、やはりその地域における求職を中心としてきめられておる。これは統計が出ていますから、ですから、私ははっきり言っておるのですが、そういう実態があるわけですよ。また求人のほうも、それは全国的には流動というようなことをあなたは言われますけれども、よそからもらったって、住まうところがなければ、これは行けないのですよ。したがって、何としてもやはり交通、通勤可能な、あるいは住居のある、そうした点が整っている人をやはりもらいたい、求めたい、これが求人の中心なんです。逆に求人で全国的な流動性のあるという問題は、地方から中卒あるいは高卒、こういう人をもらう場合もありますけれども、それは全体の求人求職の中の何%かであって、この職安が現在扱っておる求人求職の大部分は地域的な問題なんですよ。これは県のいわゆる一般業務と同じ地域的な性格を持った問題である。これは統計で明らかになっておるのですね。特にパートタイムのような問題、これは明らかに地域性の問題である。  また、いわゆる一般的な学卒の問題でも、大学卒あるいは高校卒の大部分はやはり地域的な就職の問題になっておるのです。今日では地方のほうの大学を出ても、中央で就職する場合と地方に就職する場合と、どっちが大きいかといったら、地方でその当該の大学の所在地あるいはその付近でもって就職する者が八割以上ですよ。これは統計で明らかになっている。これは私は全国的な統一性あるいは企画性、これは基準としてつくることは必要であろう。今日の労働市場の状態から見て、また流動化をしなければならぬ状態から見て必要だ。しかしその現実の事務事業は、労働省が一本で全国的に握っているというような理由は少しもない。私はこういう考え方を持っているのですが、あまりこまかい点は言いませんけれども、その点は大臣としてはどうお考えですか。
  36. 小平久雄

    国務大臣小平久雄君) まず第一点のほうですが、これは先ほど御答弁申し上げるのをちょっと落としたわけですが、つまり知事に機関委任をしておるが、人事権を持たない、そういうことは不合理じゃないか、こういう御指摘、この点につきましても、やはり前国会で先生から御指摘がございまして、私も率直にその点は不合理であると認めて御回答したのです。ですから何らかの知事が人事権についての、人事権全部というわけにいかぬかもしれませんが、何らかの形において知事がやはり人事に関係を持つといいますか、権限を持つ、こういう関係をどうしてもする必要があるだろうという、私は全く先生と同感なんです、その点は。ですから、さっそく事務当局に命じまして、どういう形で知事の人事に対する関係を持ってもらったらよろしいか、ひとつ検討をさっそくするようにと、こういう指示をいたしまして、事務当局でも自乗これを熱心にやりまして、一試案が実はこれもできまして、ただいま自治省のほうとも打ち合わせを実はいたしておるのであります。さような経過に相なっておりますので、先生の御趣旨はむしろ私自身も賛成なんでありますので、御了解をいただきたいと思います。  それから第二点のほうでございますが、これは先生は、職業安定業務なり失業保険の業務なり、こういうものについて労働省は、全国的な統一性ということを強調しておるが、実際問題として、地域的な性格が非常に強いのじゃないかというような御趣旨と思いますが、これは確かに先生がいまお話しのとおり、現状をもってすれば、確かにこの仕事の全量に占めるこの広域性というものと地域性というものを比較すれば、まだまだ地域性が多いということは、これは事実でございます。  ただし、しからば傾向は一体どうかと申しますと、若干こまかくなるかもしれませんが、ここにもいろいろ調べたのがございます。つまり広域職業紹介はどうなっているか、こうなりますと、これは学卒を除いた一般の場合について調べたわけでありますが、要するにある県から他県への就職者の数及びその率でございますが、三十年におきましては数において十二万六千二百余、率において七・八%、三十三年において数が十五万八千百六十五、こうなりまして、率においては七・五%、これは七・五%でございましたが、三十六年に至りますと、数において二十三万九千四百余、率において一〇・九%、こうなっております。それから三十九年度になりますというと、数において二十六万九千九百二十一、こういうことで、率において一三・九%、大勢としてはこの率は逐次増加しつつあるわけであります。それから学卒の場合はしからばどうかと申しますと、学卒の他県への就職数及び他県への就職率でありますが、これは三十四年度におきましては十八万二千五であります。率において二八%であります。それが三十六年度におきましては二十一万二千七百五十四人となりまして、率においては三二・七%、それから三十八年度におきましては、二十五万四千百三十一名でありまして、率においては三三・四%、こうなっております。三十九年におきましては、数は、これは全体が若干減っていますからあれですが、二十三万八千八百二十七名で、率においては三四・三%、こういうふうに逐次上昇いたしておるわけであります。  また、この就職希望、つまり求職者と求人者の関係がどうなっているかというと、これがまた地域的に非常な差があるのですね。たとえば四十年三月の新規学卒、これは中帯でございますが、それについて見ますと、最も求人倍率の低いところ、これは鹿児島県で〇・二倍。つまり、これは職のほうが五分の一きりないと、こういうことです。最も高いところからいいますと、愛知県では一四・三倍、こうなっております。いまのは四十年度でございますが、三十九年度は、最も低いところが鹿児島で〇・二倍。最も高いところで東京都の一四・三倍。こういうふうに、要するに、地域間の求人求職がけたはずれで格差があるわけです。  そこで、全体としては、先生御指摘のとおり、確かにまだまだこの地域的な傾向というものは強いことは事実でございましょう。しかしながら、これが実はこのようなアンバランスがあることが問題で、そこで、御承知のとおり、先国会においては雇用対策法という法律までも御賛成を得まして成立をして、今後いよいよ全国的にこういったアンバランスを、質の面からも量の面からも調整をしなければならぬ。それに国は当然これは責任を持って当たらなければならない。そのためには職業安定機関などをもっと充実をして、そしてこの解決に向かうべきである、こういう方向を強く打ち出しているわけなんでありまして、国策としてもその方向にいくことが、やはり職を求められる諸兄、いわゆる労働者の諸君にも、労働省の本来の任務であるいわゆるサービスがより一そうよくなる。それを通じていわゆる完全雇用にも資していこう。せっかくわれわれはいまそういう気がまえで勉強をいたしておる際なんであります。  したがって、なるほど現時点だけをとらえますれば、地域性というものは確かにありますが、むしろその地域性のあるところをわれわれは逐次解消していかなければならない。私はむしろそのほうがまた正しい道なんでないかと、こうも考えておるわけなんでありまして、そういう点からして、先ほど申しましたように、どうもはなはだ答申からいけばいかぬかもしれませんが、むしろ違った方向に私どもは考えざるを得ない、こういうことでございます。
  37. 占部秀男

    占部秀男君 持ち時間の関係がありますから、水かけ論になるようなところは切りますけれども、将来の傾向の問題をやりだすと、これはここで相当時間私は大臣とやらなければならぬ問題ですから、これは私はここでは質問しません。  ただ、あなたの話の中で、将来の傾向に関連して言われる、他府県からの求職の状況、これは大臣、統計のとり方によって率がいろいろ違うのですよ。その点は私も知っております。しかし、これは東京なり六大都市、八大都市といえば広域的にだんだんなってきている。そこで現在の府県の境だけではなく、その近県、これが大きく出てきている。たとえば東京に来るのに川崎から通勤する、あるいは東京から川口市なり大宮に越していった人の子弟が東京に登校するということで、必ずしも全国的な流動の場合と同じではない。これは当然なことなんです。これを全国的な流動の場合と同じように考えると大きな間違い。しかも他府県からというと、あたかも地方からどんどん来るのをふえているというのかもしれませんが、そうではない。その中の数字をよく洗ってごらんなさい。東京をとってみれば、東京を中心とした千葉、埼玉、神奈川、こういうような近県からも出ている。これは住居の関係から出てきている。決して労働事情が全国的に大きく流動していることとは別個の問題ですよ。しかし、これはあとの問題として、大臣が言われたから、一応念のためにぼくは言っておくのですけれども、いずれにしても、それじゃきょうは加瀬委員のこれからの質問がありますから、これで一応打ち切っておきますが、最後にひとつ行管長管に、今週のものは間違いないと思いますけれども監理委員会に明確にひとつ案を出していただくようにお願いしたいと思います。  きょうの質問はこれで打ち切りたいと思います。
  38. 岸田幸雄

    委員長岸田幸雄君) 本件に関する本日の調査は、この程度にいたします。     —————————————
  39. 岸田幸雄

    委員長岸田幸雄君) 次に、特別職地方公務員の私企業への関与に関する件を問題にいたします。御質疑のある方は、順次御発言願います。
  40. 加瀬完

    加瀬完君 この前の国会で、自治体の特別職の兼職についての御調査を依頼をしたわけでざごいまして、自治省から調査の書類をいただきました。そのときに、前行政局長から、自治省としても十分行政指導をしているので、いろいろ心配されるような点は今後ないであろう、こういうお口添えもございましたので、私どもとしてもこれを問題にしないつもりでおりましたが、その報告と、いただきました御報告と、私どもが集めました調査とでは、ずいぶん内容が違っておりますので、若干質問をさせていただきます。  そこで、具体的に名前をあげますと個人に支障を来たすと思いますので、一応本日は、関係者が当然反省をされるであろうと思いますので、名前をあげるのは差し控えますが、まず各都道府県の知事、副知事等のいわゆる特別職の兼務はどの程度と自治省は押えておりますか。幾つくらいの兼職をしておると押えておりますか。
  41. 長野士郎

    政府委員(長野士郎君) 手元にいま詳細な資料がございませんので、この前当委員会で御指摘がございましたようないわゆる県の出資あるいは財政援助等にかかわりますところの公社なり法人なりというようなものを含めますと、特別職が兼務をしている数は、相当な数にのぼっているだろうと思います。
  42. 加瀬完

    加瀬完君 それでは特別職の兼職の許容の基準というものはございますか。こういう程度ならば兼職をしてもよろしいという一つの基準を自治省は押えておりますか。
  43. 長野士郎

    政府委員(長野士郎君) 特に基準というほどのものはございませんが、ただ問題によりまして、一般的に申し上げられますことは、特別職が行政をつかさどります責任者といたしまして、その兼職によりまして活動に支障を来たすということがあってはならない、これがまず一番大切なことであろうと思います。それからもう一つは、兼職をいたしますことによりまして、出資いたしましたりいたしました法人等につきましての運営に、内部的な一つの指導を加えまして、そうして多少とも公共的な目的に合致させるような方向で業務の運営をさせたいというような期待がありますときに兼職をすることが多いわけでございますが、その場合におきましても、特別職そのものの職務の執行に支障を来たすようなほどに兼職が多く重なるということは、これは当然避けるべきであろうと考えております。
  44. 加瀬完

    加瀬完君 そうすると、出資金を出しているところには特別職から役員を送ることは当然だというお考えですか、まず一点。
  45. 長野士郎

    政府委員(長野士郎君) 地方公共団体が出資をいたしましたり、その他いろいろな関係での財政的な援助をいたしますのは、その当該法人の業務を何らかの形で公共目的の実現に役立たしめるというようなことがあるわけだと思うわけでございまして、そういう場合には出資をすることが認められると考えられるわけでございます。でございますが、それだからといって当然にそういうところの役員の兼職までしなければならないというふうなこともないわけでございますから、出資をしたら当然に兼職して差しつかえないというわけではございません。
  46. 加瀬完

    加瀬完君 そうすると具体的に伺いますがね、何々空港ビルとか何々テレビ会社、こういうものに自治体が出資をしておりますね。で、これらに対して有給の来職をするということは妥当だとお考えですか。
  47. 長野士郎

    政府委員(長野士郎君) 空港ビルとか、お話のございました地方のテレビ会社等に相当多くの府県で出資をしております。これも、先ほど申し上げましたように、そのことが地方開発、あるいは地方のまあ文化の向上といいますか、そういうようなものに役立つという、そういう公共目的とも合致するということから出資をしていると考えられるのでございますが、そういうまあ空港とかビルとか、そういうものに出資をいたしましたからといって、特別職がその役員になりまして、当然に報酬を得ていいものだとは考えておりません。
  48. 加瀬完

    加瀬完君 その都道府県、市町村も含めてですね、自治体が出資をするのは、これはその法人が一応出資をするに値する公共性というものがあるから、それを認めて出資をするわけですね。しかし出資をして運営を、その出資をした自治体の特別の者が人的構成の中に入らなければ、運営ができないということがたてまえで資金を出しているわけではないわけですね。ですから資金を出しておれば人を送らなければならないという私は組み立てば成り立たないと思います。これは若干議論になりますからやめますが、そこでもう一つ、報酬の金額というものは、兼職の一つの基準にはなりませんか。その法人から受ける報酬の金額というものは、禁止するか、あるいは兼職を認めるかの基準としては、お取り扱いに自治省としてはなっておりませんか。
  49. 長野士郎

    政府委員(長野士郎君) 場合によっていろいろあると思いますが、一般的に申しまして、お話のございますように、公共目的に合致するとはいいましても、そういう財政援助等をいたしておりますところの法人に特別職が役員として連なりまして、そこで多額の報酬を得るということは、決して適当なあり方ではないというふうに考えます。  ただし、その多額の報酬、どこの点までいったならば多額の報酬となるかという問題になりますと、まあはっきりしたことが、基準として考えておるわけではございませんが、やはり特別職でございますし、元来から申しますと、そういう役職を兼ねるといたしましても、報酬等は受け取らないほうの形で考えていくのが一番いいのじゃないかというふうに考えております。
  50. 加瀬完

    加瀬完君 局長お話で、特別職そのものの活動に支障を来たすということは、一番兼職の基準からはずれることだという意味お話がございました。自治省からお出しをいただいた某県の知事、副知事は、それぞれ十五兼職をしておるわけです。この中にはもちろん有給で兼職をしておるのもございます。しかも、民間会社の重役あるいは外郭団体の有給の役員、こういうものにも就職をしておるわけですね。退職をした公務員関係会社や団体に入ることも天下り人事だと、不当だと、妥当を欠くというのでたいへん世論をかまびすしくしているわけであります。ところが、自治体は、自治体が金を出しているというだけで知事、副知事がそれぞれ十五も関係をしておる。これ、妥当とお考えですか、許容できる限界とお認めですか。
  51. 長野士郎

    政府委員(長野士郎君) 御指摘の場合について考えますと、お話のとおり、決して妥当なことではないと思います。もっとも、その役職に名を連ねて、どの程度事業に関与しておるということになっておるか、実態を詳細に存じませんけれども、先ほど申し上げましたように、そういうほうに多くの役職を兼ねておりますことは、勢い特別職本来の職務というものの遂行に支障を来たすだろうと予想されますので、そういうことは適当でないというふうに考えます。
  52. 加瀬完

    加瀬完君 取締役とか社長とか、こういうのになっておりますのはどうです、これは。
  53. 長野士郎

    政府委員(長野士郎君) いま申し上げたとおりでございまして、それによって職務の遂行に支障を来たすということであれば、決して妥当ではないというふうに考えます。
  54. 加瀬完

    加瀬完君 本来の職務に渋滞を来たすか来たさないかは、兼職というのは原則として禁止をして、一般の公務員ならばそういうたてまえで、何と言いましょうか、勤務の条件というものをきびしくされておるわけですね。特別職なるがゆえに、それは無給のものもありますけれども、十幾つという兼職をして、その中には一般の会社であれば当然常勤勤務をしなければならないような社長や取締役をやっておるということでは、本来の仕事に支障を来たすと当然これは判定できるでしょう、そうはお考えになりませんか。
  55. 長野士郎

    政府委員(長野士郎君) 通常の場合であれば御指摘のとおりだと思います。
  56. 加瀬完

    加瀬完君 それでは、先日資料をいただいたのでございますが、この資料は間違いがございませんか。
  57. 長野士郎

    政府委員(長野士郎君) 私どもの調べましたところでは間違いがないものと思います。
  58. 加瀬完

    加瀬完君 これは報酬が全部ゼロになっています、ゼロに。ただし、三役のうちの一人は、六月二十七日以後報酬を辞退をした、こういう備考が書き添えてあります。それから某株式会社の社長については、五月二十五日社長に決定したけれども、社長の就任後は給与を辞退したという添え書きがあります。これは間違いないでしょう。確かに六月二十七日、あるいは社長就任後はやめたかもしれませんが、去年はどうですか、おととしはどうですか。社長に就任の前は取締役であります。取締役のときには給与を取っております。これからは取らないということはわかります。いままで取っておったことは、これは妥当なことですか、どうですか。
  59. 長野士郎

    政府委員(長野士郎君) 先般当委員会で、特別職でありまするのが、県が出資をしておりますところの会社等の役職を兼ね、多額の報酬を受け取っておるというような事実があるというような御指摘がありました。この点に関しまして、六月二十四日に各都道府県知事に対しまして、自粛をするように連絡をいたしたのであります。御指摘のケースも、そういうことから、その事後におきまして報酬を辞退したというようなケースの一つになるかもしれないと思いますが、もし、そうでありますならば、それ以前におきましては報酬を得ておっただろうと思います。これは想像でございますが、得ておっただろうと思います。  その得ておったことが、はたして妥当であるかどうかという問題でございます。元来から申しまして、法律論というよりは、少なくとも地方公共団体が、公共目的とは申せ、出資をいたしましたり、多額の財政的な援助をしておるような法人の役員といたしまして、報酬を得るというようなことは、この点だけでも、道義的にも考えまして、決して適当なこととは考えられないわけでございますから、従来報酬を得ていたといたしますと、その点は適当だとは思えないということになります。
  60. 加瀬完

    加瀬完君 そうすると、このたび報酬を以後辞退をいたしましたのは、それぞれの関係者も、これは適当でないという御反省の上で辞退をしたということでございますが、御調査内容としてお聞き取りいただきました点は。
  61. 長野士郎

    政府委員(長野士郎君) そのように理解しております。
  62. 加瀬完

    加瀬完君 この調査は、私は、私企業や外郭団体等に関与しているかいないかの状況と、いま一つは、何らかのそれらから報酬を受けておるかどうかの調査をしていただきたいという依頼をいたしました。そうすると、先ほどちょっと申し上げましたとおり、報酬を受けているかどうかというのは、全部ゼロという回答でございます。それで備考に、ただし六月二十七日前までは月額七万円の給与を受けておった、あるいは月額二万円の給与を受けておった。しかし、以後は辞退をいたしましたという添え書きがございます。ゼロと書いておけば回答になるという自治省はお考えですか。私は何県の何々知事、何県の何々副知事が幾ら金を取っているか、いないかということを伺っておりはいたしません。都道府県の特別職というものが、このごろ野放図に兼職をしておって、報酬をいろいろ受けている。これは一体特別職立場から妥当なことといわれるかどうか、こういう質問をいたしまして、そういう意味の資料を要求いたしましたら、それは妥当でないと、それで厳重に注意をしたと、こういうお答えでございます。  それならば、いままでどういう報酬を受けておったかということが、ある程度じゃない、明細に出されなければなりませんのに、報酬の点は全部ゼロです。しかも、これからゼロという、いままでは取っておったということは添え書きに書いてある。一体自治省はどのくらいの決意で特別職の本務に支障を来たすような兼職の禁止というものを、これからとめていこうというお考えですか、御決意ですか、御決意が見られないのです、こういうゼロを十五も並べたのを出されては。だから質問をするのです。いかがですか。
  63. 長野士郎

    政府委員(長野士郎君) 具体の件につきましては、報酬ゼロと書けばいいと思っておるかというお尋ねでございますが、具体の件に関しましては、現に兼職をしておりまして、そしてその報酬の有無について調べましたところ、御指摘のありました二つの場合を除きましてはゼロであったということの御連絡をいたしたのでございまして、そのことがいいとか悪いとかということを込めてそういう御連絡をいたしたわけではございません。  それで、したがいまして、私ども調査いたしました結果では、具体の件につきましては、その二つの場合には報酬を得ていた、それ以外では報酬を得ていなかったということだけでございます。しかし、それにもかかわらず、そのように多くの役職を兼務をしておることが、一体特別職のあり方として適当であるか、それを今後どうするのかというお尋ねでございます。この点に関しましては、先般そういう意味での自粛の通牒を出したところでもございますし、自治省といたしましては、今後十分この特別職の兼職その他につきまして、十分な指導をいたしまして、いやしくも批判をこうむることのないようにいたしたいと考えます。
  64. 加瀬完

    加瀬完君 東京都の副知事、第一副知事でけっこうです。神奈川県、大阪、愛知、こういう大どころの副知事の大体給与は、月額どのくらいですか、年額でもけっこうです。
  65. 長野士郎

    政府委員(長野士郎君) 手元にありますのでございますと、東京都の場合には、第一副知事というふうには手元のこの資料できておりませんが、十七万円から二十万円の幅に月額がなっております。大阪、兵庫、神奈川は大体十八万円、愛知が十七万五千円、京都が十二万七千円、こういうふうになっております。
  66. 加瀬完

    加瀬完君 この表によりますとね、結局某特別職は、特別職の俸給のほかに、昨年は月額七万円並びに二万円、月額九万円の報酬を受けておったということになるわけです。ところが、税務署に出した所得金額は、課税上の対象になる金額は五百七万八千二百四十四円です。十八万円というものを押えて、賞与その他を加えて、それにさらに月額七万円というものを加えたところで、課税金額が五百七万八千二百円という数にはどうしてもならない、この出された表だけの収入というものからは。税務署へ報告したものは間違いないだろうと思いますのでね、どういうわけですか、この表は間違っていませんか。
  67. 長野士郎

    政府委員(長野士郎君) 御連絡申し上げました表は間違っていないと思っております。なお、その点につきまして、そういう御指摘もございますので、もう一度詳細に調査を現在いたしております。
  68. 加瀬完

    加瀬完君 特別職は管理職手当というものをもらいますか、当然支給を受ける法律的な根拠というのがありますか。
  69. 長野士郎

    政府委員(長野士郎君) 特別職の給与は、この給与の中にほとんどといいますか、原則としてこの給与一つでございまして、ほかにそういうものはないのがたてまえでございます。
  70. 加瀬完

    加瀬完君 特別職が管理職手当まがいのものをもらっておれば、これは不法ですか、法律的に違反ですか。
  71. 長野士郎

    政府委員(長野士郎君) 具体の場合につきましては、なお調査をいたしましてお答え申し上げたいと思いますが、暫定手当とか、そういうふうな形で、何かの公務上の必要から支給をしておる手当等がある場合もありはしないかという気が実はいたしております。詳細には、もう少し調べましてから答えさしていただきたいと思います。
  72. 加瀬完

    加瀬完君 私は、もらっているか、もらっていないかを伺っておるのではない。違法か違法でないかということを伺っている。特別職の給与の中には当然管理職手当やなんか全部含まれておるわけですね。そのほかに実質的に管理職手当まがいのものをもらっておるとすれば、これは違法ではありませんか。
  73. 長野士郎

    政府委員(長野士郎君) 給与の建て方の問題の一つでございまして、通常の場合は特別職の報酬は一つで幾らというふうにきめるのが普通でございますけれども、ところによりましては、条例で手当等のものを支給するということをきめております場合には、それが直ちに違法だというわけにはまいらないと思います。
  74. 加瀬完

    加瀬完君 それは妥当ですか、妥当とは認められませんか。
  75. 長野士郎

    政府委員(長野士郎君) 常職的には、そういう給与の中でございますけれども、いろいろの手当、特別職についても一般職と同じように支給することは、常識的には普通は行なっていないわけであります。
  76. 加瀬完

    加瀬完君 先般千葉県の松戸市では、いわゆる市の外郭団体に市長あるいは市の職員が関係をいたしておりまして、これが解散に伴って金銭の供与を受けたということが問題になりまして、これは法律に触れるという問題ではありませんでしたけれども、全部これを、金額を返納いたしまして陳謝をしたという経緯があります。で、ただいま御提出をいただきました資料の該当者は、この報酬は妥当を欠くということでございましょうか、辞退をするというようでございますとすると、いままでの受けた報酬というのは、これはどうするのか、妥当を欠くものを数年にわたって受けておった、これは不問に付されてよろしいことなのかどうなのか、自治省にいかがいたしましょうかというお伺いがございましたら、どうお答えになりますか。その指導、助言の大筋をこの際お話をしていただきます。
  77. 長野士郎

    政府委員(長野士郎君) 現在なおいまのお話もございますが、従来からの経緯ももう少し詳細に調査をいたしておるところでございます。多額の報酬を得て、そして特別職としての職務にも支障を来たすようなかっこうで兼職をしておるというかっこうになりますと、それ自身反省を求めなければならぬことは当然でございますが、そのような実態を明らかにいたしました上で考えてまいりたいと思いますし、道義的な観点からいいますと、法律問題は別といたしまして、そういうあり方が、先ほどから申しますように、決して妥当だとは考えられませんが、少なくとも今後はそういうことが絶対にないようにいたしたいと思っておりますが、過去におきましてのそのような点について、どのような取り扱いをするのがよろしいかということは、なお検討いたしたいと思います。
  78. 加瀬完

    加瀬完君 資料を出すと言われて、資料を出すについては、報酬をもらっておったということではまずい。だから、これからは辞退をいたしましょう、しかし、いままでいただきましたものは、これはそのままだ、どこに一体反省の実がございますか。  私は某県の資料だけを出してくれという要求を一回もいたした覚えはありません。町村までとは言わない。市もいいでしょう。都道府県だけの兼職があまり目に余るから出してくれと申し上げましたら、特に顕著な例としてこれを出した。顕著な例はもっとありますけれども、たくさん……。もっと出してくれなければ困りますと言ったら、前の局長は、自治省が通達を出して以後、御心配のようなことは絶対にございませんからということでありましたから、それはけっこうでございますということで、他の資料の要求はとめたわけです。出された資料はゼロ回答の資料だ。調べてみると、税務署に五百七万という報告をした。取った、取ったというと悪いが、いただいておった金額は、どんなに計算したってそれだけにならない。別ワクはまだ隠されておる。それは報告から漏れておる。  これは某県をやり玉に上げて恐縮ですけれども、有給無給にかかわらず、特別職の兼職というのはあまりに多過ぎますよ。これは今後どういうように指導の基準をお考えでございますか。
  79. 長野士郎

    政府委員(長野士郎君) お話の点につきましては、特別職一般についての兼職の状況を十分調査いたしました上で、通達を出しておることではございますが、現状があまりにも著しいような事態であるということでございますと、まことに不適当なことでございますので、これらの兼職につきまして、特別職のあり方との関連におきまして、基準といいましても、どの程度のことになるかわかりませんが、私どもの考えましたところによりますと、先ほど申し上げましたように、当該特別職の職務との関連、それからその公益目的を維持するために、その団体等の責任者として指導する必要がどうしてもあるかないかというような点を重点にいたしまして、役職の兼ね得る場合というものを、ひとつ十分限定をした考え方検討いたしてみたいと思います。
  80. 加瀬完

    加瀬完君 この委員会にも委員長はじめ知事の御経験の方、市長の御経験の万がたくさんいらっしゃる。どなたに聞いても、こんなばかなことがなかったとおっしゃる。近ごろですよね、知事や副知事等の特別職が兼任を十五も十六もやっている。これ無給といったって、だれも無給とは思いませんよ。盆、暮れのつけ届けばちゃんとある。その他もろもろの利益は付随するわけです。あまりに目に余るとどなたもおっしゃる。民選知事になったって、民選市長になったって、その当時というものは選挙されたということでお互い自戒しておりますから、こんなべらぼうなことはなかった。職務専一につとめた。本俸よりも他の兼職の収入のほうが極端に言うなら多い、あるいは本俸に匹敵するような報酬を受けている。これでは金をもらうたてまえ上、それはやはり特別職と同様の熱意を持ってその事業関係にも参画しなければならないということになりますよ。住民は一体どういうことになるんですか、住民は。選んだ知事が、あるいは議会で選んだ副知事が、住民の税金から報酬をもらって、その本職には専念をしておらないということになるわけじゃありませんか。  そこで、私はいま一例をあげましたけれども、もっとたくさん資料あります。一々いろいろ名前まで申し上げてやってもよろしいんですよ。しかし、自治省責任を持ってそういうことのないようになさると言うから、私は名前も出さないし、ほかの材料はここでは提出をいたしません。具体的に、日数をかけてもけっこうですから、何々県にはこういうことがあったのでこう指導しました、何々県にはこういうことがありましたのでこういう指導しましたと、顕著な例を、ひとつ確実に指導をしたという、いずれかの日に、指導の経過を御説明をいただきいたと思います。きょうは、指導をなさっていただけると期待をいたしまして、質問を終わります。
  81. 岸田幸雄

    委員長岸田幸雄君) 本件に関する本日の調査は、この程度にいたします。  次回は七月二十一日午前十時開会の予定でございます。  本日はこれにて散会をいたします。    午後零時四分散会