○
占部秀男君 いまの
大臣の御
答弁で、
労働省の考えの全貌がはっきりつかめたので、非常にわれわれもこの問題を進める上においてやりやすくなるわけですが、いまの
大臣の言われたように、確かに
地方事務官制度と、それから関連する
関係事務事業の問題とは、切り離せない問題であることは事実でございます。だからといって、
地方事務官制度をそのままにしておいていいか悪いかということは、これは相当私は問題があると思う。
前
国会でこれは
労働大臣にも申しましたから、あまりその点を重複することはいやですけれ
ども、今日知事が一般的な職場の指揮監督権を持っている、しかし人事権は持っていない、人事権と指揮監督権とが国と
地方に分かれておる、
地方事務官制度の問題はここにあるんですね。委任された事務についての全
責任は、これは知事が負わなければならぬ。これは御存じのように、国が出先機関を指揮監督する場合と、知事の場合と、これは違うわけですから、したがって、知事は自分の仕事として、自分の
責任において指揮監督をしなきゃならぬのですね、管理執行しなきゃならぬ。これは全
責任を持たなくちゃならぬ。その場合に、人事権のない指揮監督なんというのはナンセンスですよ、実際問題として。それは
大臣、あなた自身が行政の
責任者としてはっきりわかると思うのですね。
そこで、いずれにしても、
地方事務官制度というものは
決着をつけなきやならぬ時代になってきておる。それをただ、国のほうにいくか、
地方にいくか、どっちかという、そういう時期に置かれておることは明瞭なんですよ。
そこで
労働省としてはこの問題を、現在の
地方事務官制度は、やはりそのまま当分とっておくかどうかわからぬけれ
ども、いまのままの状態でいいじゃないかということは、これは私は無
責任だと思うのですね。知事はやりようがないですよ。ぼくは、こまかい点はこの前質問したから言いません。とにかく知事の
考え方の、ほかの仕事の状態、あるいは不正事件が起こった問題、それからまた事務事業の規律の問題、どんな問題をやっても、知事は
責任を持てる体制になっていないですよ。その点はぼくは
大臣も認めると思うのですね。したがって、この問題を
決着をつけなきやならぬ。
決着をつけなきやならぬ場合に、それじゃ事務事業はどうするかと、こういう問題におのずからなってきますわね。
そこで、ぼくは
大臣にお
伺いしたいのですが、いま
大臣は、
労働市場の今日の情勢から見て、全国的な統一性の問題、あるいは企画性の問題、広域性の問題がある、こう言われます。私はそれは確かに率直に言ってあるということも認めます。しかし、このあるということは、即事務事業を
地方へ移管してはならないということとイコールではない。この点はぼくは
労働省にも聞いておきたいと思うのです。というのは、これはこの種の仕事の
意味からいって、全国的な流動の計画であるとか、あるいは統一的な指導の方針であるとか、そういう基準は
労働省のほうで私はつくっていいと思うのですよ。しかし、具体的な日常業務については、
労働省が完全な出先機関をつくってやる必要があるかどうか、これは非常に私は疑問じゃないかと思う。
たとえば
労働関係で一番大きな求人求職、いわゆる職安
関係ですね、あるいは失業保険もあるけれ
ども、職安
関係一つ例にとってみても、今日求人の、あるいは求職の、人を求めるものと就職したものとの
実態はどうかといえば、これは地域性が強いです、何といっても、それは明らかなんですね。たとえば求職するほうの側にしても、やはり求職しても、今日の状態じゃ住居の問題であるとか、交通の問題とか、いろいろな問題で、都下であるとか、県下の調べた求職状況は、やはりその地域における求職を
中心としてきめられておる。これは統計が出ていますから、ですから、私ははっきり言っておるのですが、そういう
実態があるわけですよ。また求人のほうも、それは全国的には流動というようなことをあなたは言われますけれ
ども、よそからもらったって、住まうところがなければ、これは行けないのですよ。したがって、何としてもやはり交通、通勤可能な、あるいは住居のある、そうした点が整っている人をやはりもらいたい、求めたい、これが求人の
中心なんです。逆に求人で全国的な流動性のあるという問題は、
地方から中卒あるいは高卒、こういう人をもらう場合もありますけれ
ども、それは全体の求人求職の中の何%かであって、この職安が現在扱っておる求人求職の大
部分は地域的な問題なんですよ。これは県のいわゆる一般業務と同じ地域的な
性格を持った問題である。これは統計で明らかになっておるのですね。特にパートタイムのような問題、これは明らかに地域性の問題である。
また、いわゆる一般的な学卒の問題でも、大学卒あるいは高校卒の大
部分はやはり地域的な就職の問題になっておるのです。今日では
地方のほうの大学を出ても、中央で就職する場合と
地方に就職する場合と、どっちが大きいかといったら、
地方でその当該の大学の所在地あるいはその付近でもって就職する者が八割以上ですよ。これは統計で明らかになっている。これは私は全国的な統一性あるいは企画性、これは基準としてつくることは必要であろう。今日の
労働市場の状態から見て、また流動化をしなければならぬ状態から見て必要だ。しかしその現実の事務事業は、
労働省が一本で全国的に握っているというような理由は少しもない。私はこういう
考え方を持っているのですが、あまりこまかい点は言いませんけれ
ども、その点は
大臣としてはどうお考えですか。