○戸田菊雄君 時間もありませんから、あまり詳しく聞いていられないと思うのですが、まず第一の点については、
外務大臣は、いまの回答でいきますと、東南
アジアの
経済の現状にかんがみて、そういことを言うのでありますけれども、少なくとも一九五四年にインドシナ半島各国が
独立、それ以来、一貫して今日のような
経済情勢にあったのじゃないか、こういうふうに考えるのです。ですから、いままでの
日本のそれらに対する
援助体制というものが、もっぱら口約束だけであって、言ってみれば、賠償とか技術協定、こういった問題についてはやっておりますけれども、実際最近取り上げられるような本格化したような、こういったあるいはアジ銀を開設したり、あるいは
援助体制全般について本格的に乗り出されたような、それで
国民総生産の一%に当たる
援助体制をこれからしいていくのだといったような具体的な諸制度が出てきていると思うのです。だから、そういうものがなぜとみに急速化したのか、私はそういうことを考えて、いまお伺いをしたのですけれども、どうも
外務大臣の回答ですと納得いかない。東南
アジアの
経済の現状、こういうものだけでは、これは従来続けてこられた現状と変わりないわけです。そういったことでは、どうしても私は納得できないのですが、これをもう少し詳しく……。
どうも私は印象として、
アメリカと
日米経済合同委員会、こういうものを五回やられたのでありますが、そういうものをやられるたびに
アメリカの構想に従って
日本が追い込まれていく、あるいは押しつけられる、こういう印象を強くしております。あるいはまた、いま
国際情勢として
ベトナム戦争が
アメリカにきわめて不利だ、こういう姿ですね、非常にそういうところから
アメリカはあせっておることは間違いないでしょう。これらに対して何か
アジアのいわば
世論対策として、そういうものを隠蔽しようというそういうところにいろいろな
経済体側というものを
日本に肩がわりをさせる、こういうような状況で来ているような気がするのですよ。だから、こういった問題について、もう少し具体的に
外務大臣の内容というものを聞きたい。
それから、第二の問題について、これはいま
外務大臣が回答されたことは大体各新聞に出ておりましたその域を出ていない。もっと私
たちが知りたいことは、少なくとも、この間の日米置場
経済委員会でやられた骨格は、私
たち聞いているところは、
一つは、あくまでも当面の
ベトナム戦争の解決問題と、もう
一つは、今後の
アジア全般に対するところの
アジア会議、これらを含めた
経済援助体制、これはどうしたって
国民の税金からいくものですから、
日本の国内
経済の情勢でもそんなに好転しているとはわれわれ考えておりません。そういう中で、具体的に金を出して
援助していくわけですから、こういった問題がやはり当面会談の中ではいろいろ討議をされただろうと思うのです。そういう部分についてもう少しやはり具体的な例示で
説明をしてもらわぬと私はわからぬと思う。
それから、
安保条約については、これはいまさら論議するまでもないのでありますけれども、軍下防衛、そればかりではないと思う。第何条かは明らかに、
経済援助協力体制、こういうものを明文化をしてやっておるわけでありますから、軍事・
経済両面にわたってというのが
安保条約の基本路線じゃないか。ですから、そういうことからいけば、いまの
外務大臣の回答ではどうも私は不満足なんであります。
まあそれはあれですが、新しくもう一点
外務大臣にお尋ねをするのでありますが、これは「
経済協力の現状と問題」、一九六四年版でありますが、これの通商産業省貿易振興局発刊によりますと、従来の賠償なり、あるいはまた
経済協力、こういった問題についてはすべて中期
経済計画、こういうものを土台にして一九六八年までどの程度の額をどういう具体的な
措置によってやっていくという、こういう一端の構想というものがあるわけですね。今回いろいろとアジ銀の開設をしたり、あるいはまたこれから具体的にそういう
援助体制をとっていく、こういうことになるわけでありますけれども、その基本の置かれ場所は
一体どこなのか、そういうものがまたあるのかないのか。この前私は
質問の中で、そういった
援助協力基本計画、
外務大臣が一端の構想として発表した、そういうものがあるわけでありますが、確かにいままでの
日本の
政府の
態度としては、こういうものを土台にして具体的にそういう諸施策をとってきた、こういうものが
一体あるのかないのか、もしないとすれば、これから具体的にどういう構想なりそういうものをやっていくのか、これはあとでいろいろとアジ銀の貸し付け条件あるいは融資条件、こういうものを聞くにあたって非常に関連がありますので、この辺の基本構想について
外務大臣の意見を伺いたい。