○
政府委員(
井上亮君) それでは、ただいまから、
通商産業大臣からお話のありました、
石炭鉱業安定対策についての
答申が
石炭鉱業審議会から昨日提出されましたので、その内容につきまして御報告を申し上げます。お手元に
答申案がございますが、これに沿いまして御説明を申し上げます。
この
答申は総論と各論からなっておりまして、総論には大体の骨格をうたっておりまして、各論でわりあいにこまかい内容を記述いたしております。
最初に総論から御説明を申し上げます。
総論の、まず第一ページでございますが、第一ページにおきましては、まず、
石炭の
位置づけについての
考え方を明らかにいたしてあります。で、この
石炭の
位置づけにつきましては、先般、
石炭鉱業審議会の意見をもとにいたしまして、
エネルギー調査会におきまして五千万トン
程度の出炭が今後の
石炭の
位置づけとして妥当であるというような
答申が出されておるわけでございますが、これをも受けまして、この
位置づけではその
考え方を述べております。で、特にこの
石炭鉱業審議会とされましては、
エネルギー調査会と違いまして、まず第一は、
石炭の
供給力が今後どの
程度と見るのが妥当であるかという
考え方。それから第二の点は、
需要確保の
見通しが確実にどの
程度まで政策上は確保できるであろうかというような観点。それから、第三点といたしましては、
石炭鉱業は、御承知のように、
地域社会ときわめて密接不可分な関係にございますので、
石炭鉱業の消長が
地域社会に及ぼす影響が非常に甚大でございますので、そういった点も配慮したというような角度からいろいろ検討されまして、御承知のように、需要の確保につきましては、電力、
鉄鋼等の政策上の
見通しもほぼつきましたので、そういった意味合いからあれこれ総合勘案しまして、今後とも五千万トン
程度の
石炭の
位置づけが妥当ではないかというような結論に相なっております。これは
石炭鉱業審議会だけではありませんで、先ほど申しましたような
エネルギー調査会におきましても、同じく
エネルギーの
安定供給、それから
エネルギーの
低廉性の原則、あるいは資源的な配慮と、いろいろな角度から同じような結論が出ておるわけでございまして、ただ、この
石炭鉱業審議会は、この
答申の表現は「
程度」と書いてございますが、この趣旨は、何も五千万トン以上はいかぬという趣旨ではありませんで、やはり百万トン、二百万トン
程度前後のアローアンスはあってもやむを得ないというような
考え方でございます。ただ、しかしながら、できるだけこの
程度のものは今後とも確保すべきであるというような
考え方でございます。
それから、次に、三ページから四ページにかけまして、また、四ページ、五ページ、六ページ、七ページ、ここで今後の
石炭鉱業の
安定対策の基調が述べられておるわけでございますが、この基調につきましては諸先生御承知のことでございますので、簡単に申し上げますが、御承知のように、今日の
石炭鉱業の現状は、
エネルギー革命の影響を受けまして、いわゆるこれに対抗するための三割
値引き政策とか、あるいは大規模な
閉山合理化政策をとってきましたために
相当負債が増大いたしまして、したがいまして、それをこのままにして将来安定的な生産を続け、あるいは経営として安定していくことはなかなかむずかしい。したがいまして、今後の安定を期しますためには、やはり過去の異常な負債を何らかの手段によりまして
肩がわりすることが、まず今後のスタートラインとして大事ではないかというような
考え方に立ちまして、まず、
対策の第一としましては、この
経営基盤を確立いたしますために、約千億円
程度の救済を
元利均等償還によりまして措置されたいという
考え方を述べております。なお、この千億円の中には、
中小炭鉱の救済、これも当然含めて考えております。ただ、この
中小炭鉱は、あとで各論のところにやや詳しく書いてございますが、いわゆる
閉山合理化費用とか
実質累積赤字というような観点からとらえますと、なかなか
中小炭鉱が恩恵に浴し得ない面がございますので、
中小炭鉱につきましては、この
肩がわりに際しまして、やや条件を緩和して、できるだけ
中小炭鉱もこの
肩かわりの恩典に浴し得るようにというような配慮を加えるべきだということが、あとの各論のほうで述べられております。いずれにしましても、大手、中小合わせまして約千億円
程度の債務を
元利均等償還によりまして
肩がわりをする。それから、第二の政策としましては、これは従来ともやっておりましたが、
近代化、
合理化のためのこれは前向きの
助成策を、これはいろいろありましょうけれども、それを
拡充強化してまいりたい。それをもってしてもなお経営の安定を期せられない
企業も相当ありますので、それらの
企業に対しましては
一定額の
安定補給金——一定額は
トン当たり約百円
程度と書いてありますが、その
補給金を交付する必要があるという
考え方に相なっております。しかし、これらの諸
助成策をもってしましても、一応収支の面におきましては大体
とんとん程度にいく
企業が大部分を占めますけれども、しかし、なお金繰りの面におきまして今後
相当苦難が予想されますので、この金融の問題につきましては、
政府は早急にその
対策を検討すべきであるということが、五ページの初めのほうに述べられております。それから、五ページの半ばごろから「体制の
整備」という問題が触れられておりますが、これは
仁炭鉱業は、ただいま述べましたような画期的な
助成策を国から受けるわけでございますので、みずからのやはり努力が前提になることはやむを得ないわけでございまして、そのために、従来各方面から御指摘のありました鉱区の再編、調整というふうな問題とか、あるいは
流通体制の
共同化とか、あるいは非
能率炭鉱の
整備、これは
ビルドの造成というような
体質改善に今後とも努力していく必要があるということを強調いたしております。
それから、
経営基盤の確立の第三点としましては雇用の安定の問題がございますが、以上申しましたような諸施策は
石炭鉱業の崩壊の危機を救うための措置でございますが、これは言うまでもなく、雇用の安定を念願としてやられたのでございますが、特に雇用安定につきましては、今後安定した
労働条件の確保、あるいは近代的な環境、こういうものをつくることが特に必要である。特に、言うまでもなく、年々老齢化している
炭鉱労務者でございます。
炭鉱に魅力がない形では
石炭の安定にこたえ得ないわけでございますので、こういった点に努力すべきである。特に今回この
答申では、雇用安定の見地から、
特別年金制度、この創設を特に
政府に要請しております。あとで各論に書いてございますが、四十二年度中には現実すべきであるということが述べられております・
それから、次が保安の確保でございますが、これは申すまでもなく、
石炭鉱業にとって過去累次の大災害というようなこともございまして、今後再びこのようなことのないように万全の措置をとるべきだということを申し述べております。
それから、七ページは、
鉱害対策の強化、
産炭地域振興対策の推進という基本的な
考え方が述べられておりますが、特に
鉱害対策につきましては、これは別に詳しく別途の
答申もございますが、ここでは総論でございますから簡潔に書いてございますが、今日六百七十億という
残存鉱害をかかえておりますので、この
残存鉱害のうち、安定しました
鉱害につきましては、これを五カ年計画、
長期計画によりましてこれの処理を完了するようにというような施策が各論で述べられております。そういう趣旨で書かれております。
次が
産炭地域振興でございますが、これはなお今日の現状は
産炭地の疲弊が非常に著しいわけでございますし、今後も閉山の規模は従来ほどの規模ではありませんけれども、やはりこれは
石炭鉱業の常として、
資源産業の常として、
スクラップ・アンド・ビルド政策という問題がありますので、従来の疲弊に加えて、そういった閉山が起こる
可能性がありますので、これについても実情に即したしっかりした
対策を練り直すべきであるということを申しております。
それから、なお、以上のような
対策をやるに際しまして、かつてない国の
助成策でございますので、特に
石炭鉱業に対しましては
経理規制を強化して、国民の金を使うにふさわしいような姿勢を正させる必要があるということを八ページの前段で述べております。
それから、なお、八ページの最後に、このような
石炭対策をやりますに際しまして
特別会計を新設する必要がある。この
特別会計は現行原
重油関税を財源としましてつくる必要がある。大体
大蔵省あたりの
考え方によりますと、年間来年度五百億
程度のものがこの
特別会計の財源になろうというふうに考えられます。
それから、総論の最後の「むすび」でございますが、「むすび」は、これは
石炭鉱業の努力はもとよりでございますけれども、
関連産業、
関連金融機関等の協力を要請いたしますとともに、努力していけば、これらの一連の措置によりまして、九ページの
まん中から下に書いてありますが、
石炭鉱業の経理は四十五年度までには大部分は
赤字状態を脱却し、これにより年五千万トンの生産は一応可能となる
見通しであるということが書かれております。
それから、さらに十ページで、特に(2)におきまして、「この
答申に基づく
安定対策のもとで、
企業は、その死活を賭して
経営建直しに努めるべきである。この
安定対策をもってしても、その存立が困難な
企業は、いたずらに
赤字経営を続けるという態度を捨て、その進退を決する必要がある。」、このくだりは非常に冷たいようでございまして、いろいろ昨日の
審議会でも意見がございましたが、私どものそれに対する
考え方は、ここに書かれているほど冷たい気持ちは毛頭ございません。特にこの
答申に基づく
安定対策と申しますのは、社会全体を貫く
安定対策でございまして、私どもといたしましては、あとにも各論にも出てまいりますけれども、以上いろいろな国の諸
助成策、これをもってしてもなお苦しい
企業につきましては、特に
石炭対策上つぶすわけにまいらない
企業につきましては特別の
保護助成をやはり講じたい。しかし、特別のやはり
保護助成を加えます場合にも、やはりそれは
程度がございますので、どうにもならぬというものにつきましてはこれは別でございまするけれども、やはりさらに国が通常の、ここに述べております
助成策以外に、てこ入れをしていきますならば、いわゆる立ち上がりについての助成を加えてやりますならば、再び再建の
可能性が見込まれるというようなものにつきましては、特に
個別対策をもってお世話申し上げるというようなことも、この
答申に基づく
安定対策の中に含まれておりますので、そういう
対策をもってしてもなお存立が困難だというものにつきましては、これはここに書いてありますように、
経営者としては、遺憾ではありますけれども、進退を決さなければいかぬでしょうという趣旨でございます。ただ、討論の途中で、一定の
助成策をやって、あとこれに合わないものはもうやめてしまえという意見がありましたものですから、だいぶあれしてそういうふうになりましたが、この趣旨はそういう趣旨でございます。
なお、「むすび」の末尾で、これだけの画期的な
助成策をもってしましてもやはり
石炭鉱業は収支がほぼ見合うという
程度でございまして、決して楽な事態ではございません。特に
金融方面においては今後相当な苦労をすると思いますので、これにつきましては、やはり何か
融資懇談会というようなものを設けて、
市中銀行の融資はもとより
政府金融等についても特段の努力をする必要があるということを述べております。
次に、各論でございますが、各論の第一は、
位置づけに対応いたしまして需要の確保でございますが、これは、まず政策上の大宗であります
電力用炭、
原料炭について述べられておりますが、
電力用炭につきましては、九電力につきまして昭和四十五年度までに二千三百万トンの
引き取りをお願いしまして、これは一応御了承をいただきました。さらに電発の
石炭専焼火力発電所の建設、現在三基建設中でございますが、引き続いて二基新設いたしたい。この二基につきましては可及的すみやかに着工しなければならぬ一つでございますが、できますれば本年内からでも着工できるように、今後
関係当局といろいろ打ち合わせたいというふうに考えております。
原料炭につきましては、由来、
原料炭は優先的に
国内炭を使用するというような原則と申しましょうか、
鉄鋼業界等の了解をいただいておったわけでございますが、今後ともこの方針を堅持してまいりたい。そういった意味で四十五年度には千百万トン
程度の
引き取りをお願いし、了承いただいております。なお、これらの
引き取りに伴いまして、やはり妥当なる
負担増対策は講ずる必要があろうということを十二ページの一番末尾にうたっております。十三ページ以降は、先ほどの総論で申しましたとおり、
経営基盤の確立の点を詳細に論じております。まず第一点は、
肩がわりの問題でございますが、
肩がわりは、先ほど申しましたように、
元利均等償還方式、ここでちょっと御注意いただきたいと思いますのは、十三ページの(イ)の
対象企業の三行ですが、「
肩代わり措置の
対象企業は、炭量からみて原則として十年以上
安定出炭が可能であり、かつ、適切な
再建整備計画を有する
企業」、これ一般的にはそうでございますが、「(
中小炭鉱については、若干の
条件緩和を図る。)」、十年以上の
安定出炭ということでは
中小炭鉱なかなか入りにくいというような問題もありますし、それから、私どもが
大手企業に期待しておりますような
再建整備計画、これは中小の
炭鉱にはちょっと無理ではないかと思いますので、中小に対しましては、どちらかというと、
経営改善計画というようなものをお願いしたいというふうに考えております。そういうことで、できるだけ千億円の
肩がわりにつきまして、中小が私どもに要望しておりました
程度の金額は何とか
肩がわりの対象になるようにという配慮が
審議会でもなされております。それから、その次の(ロ)に、
肩がわりの総額は、三十四年度から四十年度にかけ、
石炭鉱業閉山合理化費用負担額、
実質累積赤字額等に見合う千億
程度相当が妥当だということが述べられておりますが、この「等」というのは、やはり
閉山合理化費用負担額、
実質累積赤字額では
中小炭鉱はちょっと
対象外になるおそれがある、なかなかむずかしい問題があるわけでして、今後私
ども政府部内でこの「等」の解釈をどうするかという問題があるわけですが、
審議会とされましては、できるだけ見れるように努力してやれよというのが、この「等」が入ったり
条件緩和が入ったゆえんでございます。それからあと、この
肩がわり問題につきましては、十四ページの中ほどに、
肩がわりは、
市中銀行につきましては十年間、
政府関係の機関は十二年間それぞれ元利たな上げしまして、それを市中十年、
政府十二年ということに元利均等に償還するという
考え方でございます。なお、
市中銀行につきましては、この
肩がわりします金利は年利五%というふうに考えておりますので、
市中銀行が八分五厘で貸しております場合には、三分五厘は
企業に対して免除する、
金融機関が泣く、こういう姿になろうかと思います。
それから、十五ページに入りまして、この半ばごろでございますが、5と書いてありますが、「
肩代わりを受けた
企業が将来
一定基準以上の利益の計上を行なう場合には、その額に応じて国庫に納付させる。」、くれっきりではない、やはり
出世払いであるという趣旨を明らかにいたしております。この
一定基準とは何ぞやということは、今後いろいろ
関係方面と十分打ち合わせをしてきめてまいりたいというふうに考えておりますが、なかなか
石炭鉱業は、御承知のように、
過小資本の状態でございますので、
海運等の例はございますけれども、どのように考えてよろしいか、まだ
審議会とされましては意見を留保しておられます。
それから、この
肩がわりについての条件でございますが、無条件で
肩がわりはいたしません。やはり
肩がわりいたしますときは、十五ページの下から五、六行に書いてありますが、
企業が
再建整備計画というものをやはりつくりまして、これを適当な機関で審査いたしまして、
通産大臣が適当と認める場合に
肩がわりを行なう。で、この
再建整備計画におきましては、
資産処分計画とか
自己資本の充実とか、鉱区の調整とか
市中銀行の協力とか、こういった諸問題を
再建整備計画の中にうたいたい。したがいまして、こういう措置をやりますために、やはり国といたしましては、
石炭鉱業再建整備法というような
法体系の
整備が必要ではなかろうかというふうにされております。
それから、十六ページに
安定補給金のことが書いてありますが、
安定補給金は、当分の間、
一定額百円
程度の
安定補給金を交付したいということをうたっております。
それから、十七ページでは、先ほど申しました十七ページの
まん中から下のほうに、「
石炭政策の見地から将来とも存続をとくに必要と認める
企業については、現行の
再建資金融資制度を適用するとともに、その無
利子化を図る。」、それから一番最後に、
中小炭鉱の
金融措置につきましては、
中小企業金融公庫資金につきまして、
融資限度をもうちょっと引き上げてもらうとかいうようなことにつきまして特別の配慮を加える必要があるということを述べられております。
それから、十八ページから、先ほど申しました
体制整備の問題に触れられ、
ビルド対策、この中で、
中小炭鉱につきましては、
炭鉱機械貸与制度の
拡充強化をはかる必要があるということを述べられております。
なお、
炭層探査とか坑道掘進の
拡充強化も今後の重点になろうかと思います。
それから、
技術開発の問題、新
鉱開発、この新
鉱開発は二十ページにうたわれております。これは御指摘がありましたように、なかなか
審議会の内部でいろいろな意見がございましたが、いずれにいたしましても、「老朽化した
炭鉱を
整備し、新鉱を開発することは、
資源産業の常道」でもございますし、こういった角度に立ちまして、この炭量、炭質とも特に優秀な鉱区にこの新
鉱開発を重点的に促進するという
考え方を明らかにしていただいております。
それから、非
能率炭鉱の
整備につきましては、これは従来
終閉山に伴って、なかなか
交付金が少ないためにやめていかれる
労働者、あるいは地元の
中小企業に御迷惑をかけた点があるわけでございますが、従来の
買い上げ炭価トン当たり千二百円
程度を二千円
程度に引き上げたい。引き上げますときには、これは国会の決議にもありましたように、
炭鉱離職者の
退職金とか
未払い賃金とか
社内預金というような点に重点を置いて、
引き上げ分についてはそれに重点を置いて配分いたしたい、そのような
交付金の
配分比率について今後検討してまいりたいということをうたっております。
なお、二千円のほかに、
閉山処理費用が相当かかりますので、
処理費用としまして
特別加算交付金というようなことも交付する必要があるのではないかということを二十一ページの上のほうで提案されております。
なお、従来、
炭鉱が閉山いたしますときに、
退職金の金融といたしまして
整備資金の金融があったわけですが、これは従来なかなか
政府部内の折衝で骨を折ったわけですが、この
融資制度はやはり今後とも継続してもらいたいということで、特にそういう趣旨がうたわれております。
それから、次に、
流通体制の
整備、先ほど総論で申しましたとおり。
それから、
雇用対策につきましては、総論でも申しましたが、具体的には
炭鉱住宅の
整備とか、
医療体制の充実とか、
生活環境の
改善等に特につとめる必要がある。
それから、特にここにわりあいに詳しく、
一定年限以上
坑内作業に従事した者を対象にした
事業者負担の
年金制度を、これを四十二年度中に実施するよう検討を進めなさいということが言われております。
それから、
保安対策は、先ほど申し上げましたように、これはどれだけ重点を置いても行き過ぎることはないわけでございますが、いろいろ
保安協議会で結論を出しました内容をこの
調査団におかれましても採択されまして、
監督指導体制の強化、
保安教育及び
救護体制の充実とか、
保安施設の
整備、
保安技術の
開発普及等の問題について具体的な施策が述べられております。
鉱害につきましては、
鉱害部会で別途これは検討されて、専門的に検討を加えておったわけですが、
鉱害復旧長期計画をつくって、五年間
程度に
残存鉱害約五百億のうちの復旧に適する
安定鉱害分——金銭賠償を除きまして、これの処理をおおむね五カ年
程度で完了をするというような意見が出されております。
それから、特に
鉱害復旧について
促進地域制度を拡充する。従来、この
鉱害復旧促進地域制度は無資力の
終閉山炭鉱が中心であったわけでございますが、ここに
終閉山の有
資力鉱害地域を加えるというような
考え方をいたしております。これによりまして、できるだけ
鉱害復旧の
総合性を確保してまいりたい。なお、
鉱害につきましてはいろいろな紛争も多く、特に
計画的復旧ということになりますといろいろなトラブルも起こりますので、この同意のあっせんとか紛争につきまして裁定を行なう機関をつくりたいと、これは
鉱害審査会の設置ということでうたわれております。なお、
鉱害復旧事業団につきましては、ただいま全国に
四つありますが、これをやはり全国統一したらどうかという意見が出されております。
それから、二十六ページの
まん中から下にある地方公共団体の財政負担
対策、これは、非常に地方公共団体財政が窮迫しておりますので、この軽減に努力せよということがうたわれております。
それから、最後に
産炭地域振興でございますが、
産炭地域振興につきましては、やはり今後、
産炭地域振興臨時措置法が五年延長になりました機会に、
産炭地につきましては、
鉱害と同じような第二次五カ年計画、これを早急に全面的に再検討して、地域の実情に合いました産業基盤の
整備を行なうべきである、そういった基盤
整備の一還といたしまして、やはり中核
企業の誘致と
産炭地振興に努力すべきだというようなことを述べ、最後に、地方財政の窮状に対する
対策と、特に国会におかれましても絶えず問題になっております文教
対策の充実等についても積極的に推進する必要があるというようなことが述べられております。
以上、簡単でございますが、
答申の内容を御説明申し上げましに。