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吉田忠三郎君 知っておりますということでありますれば、いまの問題に関連して私は三つほど聞いておきます。その
一つはやはり観測体制の問題が
一つ、それから第二番目には、気象予報の問題、これと関連いたしまして伝達の問題でございます。それともう
一つには、救難体制の問題にも私は問題がある、こう思いますので、簡潔に
質問をするから、要領よく私は
答弁をしてもらいたいと思います。
第一番目に聞くのは、今度の海難事故で比較的気象の予報がすみやかになされておった。ですからある意味においては、これが漁民の諸君に伝達を通して周知徹底をしておりさえすれば、かような大きな海難を惹起しないで済んだのではないか、こういうことが言われているわけであります。しかし現在の、この気象庁の長官もおりますが、漁民に対するその予報の伝達の一体体制、これがどうなっているか、組織的にどうなっているのか、この問題があるのです。いま海上保安庁が
中心的な役割りを果たしているようでありますけれども、漁業協同組合あるいは
関係の
市町村の機関ですね、等々がその伝達の業務というものを扱っておりますけれど、私は非常にこの実効について疑問を持っておる一人であります。こんなことをやっておりますから、ただ
北海道のみならず日本全海域における海難は減っていない、むしろ増大する傾向にありますね、これは
大臣。そこで、私はこの際末端の
関係者に伝達をする体制、組織というものを早急に再点検をする必要があるのではないか、こう思うのですが、これは一体どうお
考えになっているか、具体的にあなたがこういう海難を発生するたびにわれわれが何年間、しかも毎回のようにこの
委員会で議論をしていることなんですが、どういう取り組み方をしているか、この際聞かしていただきたい。これが
一つですね。
それから時間の
関係で立ったついでに全部言います。それから第二の問題は、いま
大倉委員が触れられた観測体制の問題、定点の観測の問題は、いま答えられたからやや理解をいたしますけれども、これは
大臣、ややですよ、これはやや。これも長年の問題ですから理解しますけれども、いまの
答弁を聞いておりますと、従前と何ら変わらないような官僚的な
答弁よりしかしていない。たまたま
大臣も
冒頭に申し上げましたように交代したばかりですから、事情を全体把握しておらぬ、そういう
答弁になったかもわからぬが、私はどうもいまの
答弁を聞いておりますと、あなたは官僚出身だから、さっきのように官僚的な
答弁をして、こういうことを言わざるを得ない、いまの
答弁を聞いていると。ですから私はこの問題については具体的に申し上げますから、いまの観測船の問題は別として、かなりこれも北方オホーツク海の海域の海難の予防体制の
一つとして観測体制の問題が言われておった。特に御承知のように、これは
一つへだてますとソ連領になるわけですから、目先にソ連領があるわけですから、こういうことが力説されていたので、そうして具体的には稚内にレーダーを設置する、こういうこと等も前々から問題にしておった。いまだに稚内にレーダーがついていますか、ついていないじゃないですか。いかにあなた方が
調査するとか何とか前向きに検討すると言っても、具体的にやっていない。そうして気象庁の何か新聞か、何か気象庁の新聞であるかどうか、そういう
関係のものを見ると、この稚内のレーダーを実現をして、さらに
北海道の屋根といわれる羊蹄山に気象レーダーを設けさえすれば、つまりこの富士山頂上のレーダーと協力し合って、日本の、つまりこの日本海のほとんどの全域というものが、その空の模様というものを掌握できるのである、こういうこと等もやはりいろいろな面でいわれたり書かれたりしているのです。それが一体どうなっているかというと、いま大介
委員からも指摘されたように、何ら手は打っていない、こういうことなんですね。これはえらい金がかかる、こういう面もいま
大臣みずからも言われましたけれども、確かに金がかかるかもしれぬけれども、今日幾つかのこの海難、これに伴う国民的な損失というものは、これは金に計算したらどういうことでしょうか。特にあなたの
佐藤内閣の総理
大臣みずからが、人命尊重ということを言っているのだ。今度だって一挙に三十数名も
北海道のあの寒い冬の海で死んでいるのですよ。一体われわれが計算してみたって、たいした金じゃないと思うのだ。こういう金は、この金と一体どういう
関係になりますか、
大臣、私は非常に心に憤りを込めてあなたに聞いているのですが、こういう体制を確立することによって、この海難の予防に役立つことはもとより、国民生活に大きな利益をもたらすということは、われわれが言うまでもなく、あなたは何回か
大臣やっているのですから、より以上わかっていると思う。一体こういう
関係についてどうお
考えになるかということが二つ目なんです。これはいま
大倉委員も言ったように、予算編成期でもあるので、こういう
関係のこの資料というものは内閣として私は惜しむべきものじゃないと思う、これは。この点をひとつ聞いておきたいと思う。
それから、それと同時に、救難体制の問題があるのです。これにはちょうどこの間の事故でいろいろな体制の問題に幾つかの問題がありました。私はそういう問題はここでこまかく申し上げようとは思いません。それはそれとして、論外だとしても、いまの
北海道の広範なあの海域に対して、その救難体制として、わずか巡視船を含めまして十隻足らずじゃないですか。十隻足らず、これで一体あなたがたが日々われわれに問題指摘されて、答えられているような体制になっていると思いますか。しかもその船は、われわれ決してひがんでものを言うわけじゃありませんけれども、最もいま海難事故の多いのは、
北海道と九州海域なんです。こうしたところには比較的老朽船を配置しているのです。船足見てごらんなさい、全くこれは
救助体制の面から見ますれば、ゼロといっても言い過ぎじゃないと私は思う。なぜかなれば、千島に参りまする場合、これはもう御承知のように、一昼夜ないし二昼夜もかかる。いまのようなあんな船で一体どうしますか。これは明らかに
救助のために出動するという体制じゃないのですよ。ここに海上保安庁の長官もおりまするけれども、これはもう海難の場所を確認に行く程度の船よりないのだ、いまはないのだ。私は非常に口が悪いようだけれども、率直に言っておきますけれども、そういう状態なんです。これではぼくがいま言うたような悪口をたたかれても、弁解の余地はないと思う。
大臣、弁解の余地はないと思う。もし弁解ができるというのなら、この
委員会を通して、毎回のように国民の前に弁解してもらいたい、こう思うのです。ですから、私は、明後日の運輸
委員会でも、基本的な問題を取り上げてあなたに言いますから、きょうはそういう場所でもありませんので、たまたま
大倉委員から気象観測の問題に触れられましたから、関連して申し上げるわけですけれども、ぜひともこうした問題に関して、
関係者、為政者、特に
政府が私は大
反省してもらいたい。このことをつけ加えて、三つにしぼってあなたに
質問をしておきたいというふうに思うのです。