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1966-10-06 第52回国会 参議院 建設委員会 閉会後第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年十月六日(木曜日)    午前十時三十八分開会     —————————————    委員異動  九月二十四日     辞任         補欠選任      伊藤 顕道君     竹田 現照君  十月六日     辞任         補欠選任      竹田 現照君     杉山善太郎君      達田 龍彦君     佐野 芳雄君      小酒井義男君     大和 与一君      白木義一郎君     浅井  亨君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         松永 忠二君     理 事         石井  桂君     委 員                 内田 芳郎君                 大森 久司君                 奥村 悦造君                 小山邦太郎君                 中津井 真君                 佐野 芳雄君                 杉山善太郎君                 田中  一君                 大和 与一君                 浅井  亨君                 春日 正一君    国務大臣        建 設 大 臣 橋本登美三郎君    説明員        厚生政務次官   松山千惠子君        林野庁指導部長  手束 羔一君        建設政務次官   澁谷 直藏君        建設省河川局長  古賀雷四郎君        建設省道路局企        画課長      豊田 栄一君        建設省住宅局長  三橋 信一君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○建設事業並びに建設諸計画に関する調査  (台風二十六号等による建設関係災害に関する  件)     —————————————
  2. 松永忠二

    委員長松永忠二君) ただいまから建設委員会を開会いたします。  委員異動について報告いたします。  九月二十四日、伊藤顕道君が委員辞任され、その補欠として竹田現照君が選任されました。また、本日、小酒井義男君、竹田現照君、達田龍彦君及び白木義一郎君が委員辞任され、その補欠として大和与一君、杉山善太郎君、佐野芳雄君及び浅井亨君が選任されました。
  3. 松永忠二

    委員長松永忠二君) 台風二十六号等による建設関係災害に関する件を議題といたします。  まず、政府から説明を聴取いたします。
  4. 橋本登美三郎

    国務大臣橋本登美三郎君) 台風二十四号及び二十六号の被害概要を御報告申し上げます。  なお、この機会をかりまして、二十四号並びに二十六号の台風によってとうとい人命を失われました被害者に対しまして、心からお悔やみのことばを申し述べたいと思います。  台風二十四号及び二十六号による建設省所管公共土木施設等被害は、十月五日現在、三十七都府県に及び、その被害額は二百億に達しております。これらの被害の内訳は、公共土木施設については、直轄災害二百四十カ所、三十三億六千三百万円、補助災害八千九百九十三カ所、百六十五億五千四百万円、合計九千二百三十三カ所、百九十九億一千七百万円であります。  県で申しますと、山梨静岡福島、栃木の各県の被害が特に大きくなっております。ことに山梨県におきましては、富士山麓地方等において、山地崩壊により激甚な被害をこうむり、また、静岡県におきましても、安倍川上流梅ケ島及び海岸地方において、土砂流波浪等によりまして大きな被害を受けております。  都市施設については、山梨県外四部県におきまして、土砂害等により公園等が二十一カ所、一億百万円の被害を受け、また、住宅については、強風、山くずれ等によりまして全半壊、流失一万六百八十四棟、一部破損五万九千六十四棟、床上及び床下浸水五万一千五百二十一棟の被害を受けたほか、全半焼二十棟の被害が発生しておりまして、このうち、埼玉群馬の両県が特に多くの被害をこうむっておるような状況であります。  なお、これらの措置につきましては、建設省並びに災害対策本部におきまして、緊急の措置を講じてまいりましたが、その状況につきましては、澁谷政務次官災害対策本部の副本部長をいたして実地に当たっておりますので、澁谷政務次官から報告させることといたします。
  5. 澁谷直藏

    説明員澁谷直藏君) 今回の二十四号、二十六号の台風、ただいま大臣から御報告いたしましたように、きわめて激甚な災害でございまして、政府といたしましては、翌二十七日、持ち回り閣議をもちまして、非常災害対策本部を設置いたしまして、森総務長官本部長建設厚生の両政務次官が副本部長、こういうことで関係各省の機能を動員いたしまして、これが対策に当たってまいったわけであります。  なお、二十八日には三班の現地視察班を編成いたしまして、森総務長官本部長山梨県、私が静岡松山本部長埼玉群馬、この三班に分かれまして現地視察してまいりました。直ちに翌日、全員集合いたしまして、その視察の結果を報告し、その調査に基づいて必要な措置をとってまいっておるわけでございます。  やや具体的に申し上げますると、特に公共土木関係中心に申し上げますると、山梨県には九月二十六日、静岡県には九月二十七日、福島県には十月一日、群馬埼玉の両県には十月三日、河川局砂防課長災害査定官及び住宅局住宅建設課長補佐をそれぞれ派遣いたしまして、さらに、海岸災害原因究明のため、九月二十九日、静岡県に土木研究所海岸研究室長を派遣いたしました。  災害復旧対策としましては、直轄河川については、緊急応急復旧の必要ある個所既定経費を立てかえて復旧工事を施行中でありまして、直轄道路については、既定経費により一車線以上の交通を確保いたしております。  また、補助災害については、緊急復旧を要する個所工法協議を行ない、応急工事を施行することといたしております。  都市施設についても、緊急を要する事業については、早急に工事に着手するよう、地方公共団体に対して指示いたしました。  このほか、被災者に対しては、住宅金融公庫から災害復興住宅資金貸し付け個人住宅資金特別貸し付け及び住宅改良資金特別貸し付けを行なうとともに、地方公共団体協議の上、災害公営住宅建設を行なうことといたしております。  また、公共土木施設等の本復旧につきましては、早急に査定等、所要の措置を講ずる考えでございます。  なお、今次の災害山地崩壊等土砂害に基因するものが多いことから、今後、砂防対策については、強力にこれを推進する所存でありますが、特に被害激甚な山梨足和田村及び静岡梅ケ島地区に対しては、再びこのようなことがないように、砂防対策の万全を期することとし、とりあえず、今年度において堰堤五基を建設することといたしました。  さらに、全国的に土砂流発生のおそれがある危険地域に対しては、警戒避難体制強化をはかる必要があると考えられますので、危険区域調査について検討を行なうことといたしました。  また、海岸地帯警戒等についても、その強化をはかるべく、目下その対策について検討中でありまして、住宅融資についてもその限度額を引き上げるべく、関係当局と折衝中でございます。  なお、今回の二十六号台風被害公共災害被害額だけでも、ただいま報告申し上げましたように、約二百億に達する膨大な被害額でございますので、これを激甚災害指定をいたすべく、関係各省と現在協議を進めておる、このような状況でございます。  以上報告申し上げます。
  6. 松永忠二

    委員長松永忠二君) 質疑のある方は、順次発言を願います。  なお、総理府から、松山澁谷災害対策本部長農林省から松井農地局災害復旧課長外関係当局が、建設省から橋本建設大臣外関係局長が出席しております。
  7. 石井桂

    石井桂君 私は、ちょうど幸いといいますか、二十六号台風を受けました直後、山梨県を訪れることができまして、現地を短時間ではありますが調査いたしてまいりました。  非常に狭いところにもかかわらず、人的物的の被害が大きいのに驚いたわけですが、ただいま澁谷次官の御報告のありましたとおり、どうもやはり砂防堰堤等施設が少なかったのではないかという気がいたします。この点につきましては、被害地足和田村等においても、その被害地は百数十年にわたって被害が起こらなかったということを言って、まあそういう経験からやや安心していたかの感じを受けました。しかし、実際に砂防堰堤等の配置を見ますと、現在施行されている砂防堰堤は、被害地のやや離れたところですが、一カ所とか二カ所とか、あることはあるようでございますが、被害を受けた近くにはなかったようでございます。そこで、ああいう百数十年も被害を受けてない、たとえば根場部落、ああいうようなところでは、住民集中豪雨を受けた場合の、何といいますか、避難対策もできていなかったのじゃないか。私が二十七日に午後参りましたときには、まだ自衛隊の兵隊がごみだらけ西湖の湖底をさぐっておったときでございまして、その日に五人の遺体があがったとも言われております。したがいまして、応急対策は非常に災害復旧本部長以下皆さんの御活動で、たとえば応急住宅等はもうすでに棟上げを始めたというように手早くいっておりますが、いままでの施策に対して、建設省当局は幾らか、何といいますか、教えられるところがなかったか、この災害によって教えられるところがなかったかということをまず承りたいと思います。
  8. 橋本登美三郎

    国務大臣橋本登美三郎君) 石井さんのおっしゃられるように、今回の災害について、いろいろわれわれ今後建設行政を進める上において重要な示唆を与えられております。また一つは、今度の災害、いわゆる山くずれ、土砂流石等でありますが、これは私が申すまで心なく、皆さんがおわかりのように、山梨盆地というものができたのは、もちろん何十万年前の歴史の過去にさかのぼる必要がありますけれども、全体の山梨盆地土地形成というものが、そういう山岳地帯における土砂流石によって一つはできておる、もちろん何万年かの長い歴史で。そういう過程であの盆地ができたのでありますからして、したがって、いわゆる山くずれ、土砂流石といいまするか、そういうものはやはり今後においても十分にこれは警戒すべき性質のものであったと私も考えます。現実問題、いまおっしゃったような、実は昭和三十四年の狩野川台風の苦い経験にかんがみまして、西湖のいわゆる上流である川——三沢川の上流については、そのときの状況にかんがみまして、三基の堰堤がつくられております。また、根場上流である西入川の支川、そこには五基の堰堤をつくって、三十四年の狩野川台風に対する対策として、一応そういうことを処置をいたしたわけであります。当時の雨量からこれはつくったわけですが、今回の場合は、大体皆さんが御承知のように、一時間百ミリをこえる、しかも、それが数時間の間に三百ミリ近いという、従来われわれが想像し得ない集中豪雨というものが、天災はそうしたもんだろうと思いますが、そういうことのために、三十五年につくった八基の砂防堰堤では間に合わなかったというのが実情であります。それならば、不可抗力であるかといえば、そういう意味では一応不可抗力ということは言えましょうが、ただ、ただいまお話があったように、その上流砂防堰堤と、その下流のところに位する部落との間に、なおいわゆる利水もしくは砂防堰堤が大型のものがやれる可能性があったんではないかということは御指摘のとおりであります。そういうことにかんがみまして、この台風が起きまして閣議が開かれました際に、私から農林大臣に提案をいたしまして、いわゆる林野庁でやる防災堰堤というものと、建設省のやる防災堰堤との間に、どうも少しすき間がありはしないか。それがためには、この際、思い切った人事交流と言っても、身柄を全部引き受けてしまってこれは建設省の人になってしまう、また、建設省の人が農林省の人になってしまったんでは、いわゆる役所の間におけるすき間を防ぐことはできぬので、身分はそのままで、しかも、相当の中級幹部建設省によこしてもらう、また、建設省からも同じ中級幹部林野庁防災砂防課にこれを出向させるということで、お互いの立場で強くそういうすき間を防ぐことに協力するような、暫定的な一種の機構改革になりますけれども、そういう形で今後そのようなことのないように期したいということで、農林大臣に申しましたところが、心よくこれを承知されまして、十月一日付をもって発令をいたしまして、積極的な措置を講ずるようにいたしております。この点、今回の災害においてわれわれが教えられた一つである、かように考えております。
  9. 石井桂

    石井桂君 災害については、いろいろな御熱心な御研究あるいは対策等については、敬意を表しますが、あすこでもう一つ気のついたことは、水がどうしても、川が蛇行するようにつくられている場合には、川筋を通らないでショートカットして人家を流し、どろを流すということを私は気がついたわけです。根場地区においては、ずっと奥のほうから渓流が流れております。そこに小さな砂防堰堤がありますが、西湖地区になりますと、非常にかね折りに曲がって、また平行して水が流れるような水路があります。ああいうような水路をとっておきますと、豪雨のときにはその水路にたよらずに、水がショートカットの道をつくって人家を押し流し、そういうことによって大きな被害が起きるのだろうと、私はあのときに気がついたのでありますが、河川方面についての専門家でありませんから、この際、河川局長にお伺いしたほうがいいと思いますが、もしそういうことであれば、今後非常に水のための防災上として、蛇行している水路をなだらかにショートカット水路をとったほうがいいのじゃないか、こう思うのですが、根場地区に行ってそういう気がしたから、むしろ河川局長からお伺いしたほうがいいのではないか。
  10. 古賀雷四郎

    説明員古賀雷四郎君) お答えします。  下流蛇行いたしておりますと、いろいろ災害が生ずるわけでありますが、その蛇行はやっぱり河川勾配によって生じます。したがいまして、利根川等の大河川があるのでありまして、若干の蛇行は従来の水流形態とか、いろいろな点で急にまっすぐにはできない点もございますが、こういう急勾配山地河川につきましては、これはやっぱり水は大洪水の場合は直流するのが原則でございます。したがいまして、たとえば加治川の堤防の破堤個所を見ましても、やっぱり堤防が曲がっているところが直流して切れたという結果でございます。現在も、われわれも、河川改修並びに砂防流路工等施設におきましては、勾配のきつい川につきましは、直流方式をとって、つとめてショートカット方式というのをとっております。ただし、非常な大河川とか、あるいは非常に緩勾配河川、そういったものにつきましては、既設の水路とか、いろいろなことを考えて、できるだけそこをそこなわないように修正するところは修正するようにしております。原則は先生の御指摘のとおりでございますので、そのように現在も、いままでもやっておりましたし、今後もやっていくつもりであります。
  11. 石井桂

    石井桂君 根場地区では、そういうことはありませんでした。私が気がついたのは、西湖水路が入る、その水路はどろでちっとも埋まってなくて、よそのほうがえぐられて、あの水路は有効に働かなくなったんじゃないかというような気がするのですが。
  12. 古賀雷四郎

    説明員古賀雷四郎君) 根場地区もやはり河口の西入川の合流点のところで川がずっと曲がっておりまして、わずかな曲がりだと思いますけれども、しかし、こういう急流河川につきましては、土砂流は直進いたしております。ちょっと図面でおわかりにくいかと思いますけれども、ここで御説明いたしますと、ここが根場部落でございます。これが西入川の本流で、こういう支川が三つ来ております。その中で今度、土砂流というのはこういうぐあいに直進方向をとってきているということになります。したがいまして、ああいう急流河川においてこういう曲がった形というのは、なかなか大洪水の場合には非常に困難である。したがって、こういったところはなるべく直進方式をとったほうがいいんじゃないかというふうに考えます。  それから、西湖のほうも御指摘のとおり、これは西湖でございますが、こういうぐあいに従来の河道がなっていて、それがここに西湖部落がございまして、曲がり角のところにあるわけですが、これが直進してここになった、こういうことでこの西湖部落がやられておる。
  13. 石井桂

    石井桂君 それでは、そのことはよくわかりましたから。実は根場部落に行きましたときに、地元の有力者が、この村は数百年続いた農村地帯で、文化的にむしろ進んでいる村だが、残念だがこういうことがちょいちょいあったらかなわないから、対岸に山梨県の県有地西湖向こう側にあるから、それとかえてもらう意向である、ということを言っておられた。私はこれは災害直後ですからごもっともだと思いますけれども、たとえ、そこの方が向こう側土地を得られて、そうして町をつくられても、何年かたつと必ずもとあったところにまた町ができるだろう、そういうことを予想しているわけです。むしろ、移住したい方は移住するようにしてもいいですけれども災害が起こらないようにするのが私は一番いいんじゃないか、こう思うものですから、先ほど申し上げた集中豪雨を受けたときに、多量の水が直流ができるようにという水路の変更、あるいは、あそこに行って気がついたのですが、流れているのはほとんどみんな木造住宅です。そこで、応急住宅ではいたしかたありませんが、これからは政府の御指導で、どんな激流にあっても流れないような、ぜいたくでない構造的に強い鉄筋コンクリート住宅などがずっと並べば、私は、一番初めのほうは、上流のほうは砂防堰堤のかわりをするだろうと思うのです。そういうふうにいつまでたっても災害を受けた昔どおりの木造にしないで、防災意味を含めて、やはり金をかけても耐火構造の家ができるように、政府とあるいは公共団体が援助をしながら、木造防災的な意味において耐火構造にするようにしていく、そういうお考えはないかどうか。  それから、その前の、村をあげて移住してしまう、そういうようなことについては、住民自由意思でしょうけれども、そういうことを推奨なさるほうの立場はどうか、こういうことの二点をお伺いいたします。
  14. 三橋信一

    説明員三橋信一君) ただいまの最初の御質問でございますが、災害を受けた住宅をそのまま木造建て建て直すということは意味がないのじゃないか、むしろ、これを耐火構造あるいはがんょうなコンクリートづくりの家にしたらどうかというお尋ねでございます。これにつきましては、私どももできればそういたしたいと思いますが、これはやはり個々の住宅建てる方の御意思というものもございますから、私どもとしては、そういう方向で進めるのが場所によっては適当であろうと存じます。そういうようなことで、今回の災害にかんがみまして、一般的には住宅金融公庫災害復興融資、これのワクを増額するという方向で、ただいま財政当局と折衝いたしております。その一環といたしまして、特にただいま御指摘のような耐火構造と申しますか、そういうがんょうな建物融資につきましても、これは現在七十三万円の融資額になっておりますが、これを八十五万見当の融資額にいたしたいということで、増額要求をいたしております。もちろん、木造にいたしましても要求をいたしております。そういう一環でそういう方向に進むように誘導できないだろうかということを考えております。  それから第二点の、集団移転の問題でございますが、これは西谷村あたりでいろいろそういうことが現在議論がございまして、そういう方向に進みつつあるようでございます。それにつきましては、災害を受けなかった住宅に住んでおられる方までが移転するという点が一つ問題点でございます。したがいまして、そういう場合にどういう措置でその新しい土地に新しい部落を形成してまいるかということにつきましては、これは私ども、今後の検討問題でございますけれども、やはり災害の常襲地帯というものにつきましては、そういう方向が出せるように私ども研究いたしてまいりたいというふうに考えております。
  15. 石井桂

    石井桂君 いまの木造をあるいは耐火構造にしなければならぬという意見は、昭和十三年か十四年に六甲山がくずれまして、日本一の高級住宅地芦屋方面が非常に大きな石と土砂とで全滅したことがあるのです。そのときにも私は東京から調査に行きましたが、やはり鉄筋コンクリートの間にあった場合には、石や何かもその鉄筋コンクリート住宅でとまっていたようです。そうでないものはこっぱみじんになって、どろとともに流された。あれは昭和十三年だか十四年だか忘れましたが、大災害六甲山がくずれてあったことがあった。あのときから、ああいうような施設木造じゃなくて、やはり耐火構造にすべきじゃないかという意見をじゅんじゅんと述べたのでございますが、いま住宅局長の言われたとおり、なかなか個人の力では直らない。いま行ってみても、木造住宅が全部ごそっとやられている。まことに残念ですが、そういう場合には、やはり民間にまかせていくのもしかたがないかもしれないが、政府指導精神を発揮して、そうして、いわゆる土地づくりの見本が幾らかでもできればいいのじゃないかと思います。何にもしないでいては困るし、いまお話を承りますと、住宅金融公庫融資の額を大きくして、そうして将来するということでありますから、何もしないというよりも幾らかいいが、もう少し何か、何十人か水の中、どろの中にまだいるということを聞くと、何かしてあげないと申しわけないような気がするものですから、そういう質問したのですけれども、以上で私は質問を終わります。
  16. 橋本登美三郎

    国務大臣橋本登美三郎君) ただいまの石井さんの御意見もっともでありますが、そこで、いまコンクリート住宅によって災害をできるだけ最小限度に食いとどめようというお話、そのとおりでありまして、そこで、昭和四十二年度からの第一種、第二種公営住宅はできるだけコンクリート住宅中心にしたい、従来三六%ぐらいだったのですが——これは中高層二階建て以上でありますけれども、これを明年度から六〇%に増額をするという方針をきめております、コンクリート住宅ですね。そういうものによって、できるだけ町村といえどもマッチ箱みたいなちっぽけな家をつくることはやめてほしいというのが私の基本的方針であり、また建設省方針で、そのように指導してまいりたいと思っております。  もう一つは、先ほど石井さんもお話がありましたが、あるいは、この安全地帯に一部の人が移っても、なおかつそのあとに家ができるのではないだろうか、いわゆる危険地域と目せられるところ、これをどうするかという問題があるわけです。最近、各学界あるいは一般社会の方々のほうから、この際、政府は思い切って——政府並びに地方当局ですが、思い切って危険地帯と目されるものに対しては、危険地域という指定をしてはどうであろうか、それに対しては、建築制限を行なうなり、もし建築をする場合においては特定な制限を行なう、あるいは建築をしていけない、こういうような思い切った措置を講ずべきであろうという意見が台頭いたしております。  ただ、この問題は、私権とのからみ合いがありますので、どこまでそういうことはやり得るか、たとえば危険地域として指定いたします、そこに家を建ててはいかぬ、こういうのであるならば、政府はそれに対して適当なところをあっせんしろ、こういうあっせんだけで済むならばいいのですが、当然それについては金の問題がついてまいりましょう。さようなことで、いろいろ問題点はありますけれども、少なくともこの建築制限はやっていきたいという意味で、目下それらについても法制化するかどうかという問題で、建設省としては研究を続けておる段階であります。
  17. 浅井亨

    浅井亨君 私は幸いにいたしまして、このたびの二十六号台風の直後である二十七日の日に静岡県下に参りまして、西湖根場足和田と、このように順を追って視察をしてまいりました。また再びこの参議院の視察団の一員に加えられまして、おととい山梨並びに静岡県下の災害視察してまいりました。その二、三日の間でありますけれども、その間にいろいろと私自身が考えた事柄、またきょうは建設委員会が開催されるにあたりまして、建設省関係の問題に対して一つ一つを、私専門家でもありませんし、わかりませんが、その中から拾ってひとつ御質問申し上げたいと思うのであります。  幸いにいたしまして、非常な人命の損害はありましたけれども、再び参りましたときには、いま根場において十三体の方々がいまだ西湖に沈んでいるのじゃないか、こういうわけで、自衛隊の方々が非常な努力を払われている姿を見まして、非常に感謝をいたすと同時に、災害を受けられた方々の冥福を祈るとともに、その方々のためにも、今後再びかような災害に際しましては、国は全力をあげてこの災害から救われていくような道を講じなければならないと、こういうふうに考えておるわけでございまして、哀悼の意を表するとともに、今後建設省としてどうあるべきかという点について、私の気づいた一つ一つについて、ひとつお伺いをいたしたいと思います。  そこで、まず第一番目にお聞きいたしたいのは、先ほどから質問もありましたけれども根場地区でありますが、これは一番災害のひどかったところでありますけれども、この間参りましたときは、災害のほんとうの地域は非常に整理をされておりまして、非常にきれいになっておりまして、最初に行ったときとは事変わっておりました。さきの質問にもありましたとおり、あの川が曲がっていたということについては、これは先ほどの御答弁にもありましたが、これは直流するようにひとつ考えていかなければならない問題じゃないか、こういうふうに思うのが一点。  それから住宅の移動の話がありましたが、いま仮設住宅が二十一戸ですか、あの東入川と今度災害を受けたあの間の山の陰、そこに二十二戸の仮設住宅をつくる、こういうような話で、この五日の日から着工してこの七日の日にこれが完成する、こういう話も聞いてまいりました。きょうの新聞にもそのように出ておったように思います。どこまでも仮設住宅でありますので、これはほんのしばらくの問と思います。なおかつ、さきにも御質問がありましたが、その本向かいに県有地がある、しかし、ここに永久の住宅をつくりたい、こういうふうな話でありましたが、この土地は国定公園ですか、そういうふうになっておりますので、文部省ですか、厚生省ですか、こことの関係で非常にまた時日を要する、こういうふうな話もありました。こういう点につきまして、いわゆる県知事はこれを非常に推奨しておりました、天野知事は、そこで建設省としては、こういう安全地帯をどこまでも強力に推進していかにやならない。いまも御答弁がありましたが、もう一度、この国定公園になっている地域だと、こういうのですが、この点はどのようにお考えになっておりますか、ひとつ御答弁願いたいと思うのであります。対岸のところは、私見てまいりましたが、溶岩が非常にこうありまして、なかなかそこのところはむずかしいのじゃないか、こういうような話も耳にいたしております。
  18. 橋本登美三郎

    国務大臣橋本登美三郎君) いまの浅井さんのお話でありますが、現在曲がりくねっている川を直流するようにするかどうか、この点は今後建設省検討をいたしてみたいと思います。  おっしゃるとおり、現在やっているのは応急仮設住宅でありますから、五坪、十五万円というような、これは厚生省の所管でありますけれども、そういう形で二十一戸が仮設されることになっていると思います。  そこで、本格的な家をつくるという場合には、住宅金融公庫からこの金を貸し出すことになるわけですが、そこで場所の問題のお話のようでありますが、実はこの間、山梨県知事以下関係課長を招致しまして、現場で聞くところによると、ある程度集団的に近くの安全地帯に村づくりをやりたいという意向があるようである、これは非常に私としては関心深く考えておるのだが、その点についての現地の人々と県当局との話し合いはどの程度まで進んでおるのか、こういう質問に対しまして、実はこういう話を一部から申し受けをしておるけれども、まだ本格的に具体的になっておらない、こういうようなお話でありました。そこで、私からは、日にちがたつというと、また忘れがちになるからして、今日のうちにひとつ罹災者と十分に相談をされて、できれば県当局のほうもそのつもりで、安全な場所にいわゆる集団的に移るようなことを進める形でそこで進めてもらいたい、いま国定公園——これは厚生省の所管でありますけれども、国定公園であるから家が建てられないということでありませんからして、その点は政府間において話し合いを続けて、県当局がさような計画を持ちますれば、その計画に対して、いわゆるこの国定公園に対する規定等の適用のしかた及び財政上のいわゆる資金融通の面、これらを十分に積極的な前向きの姿勢で県当局に協力をいたしたい、ただ施行の本体は県当局にあるということになりますので、山梨県知事には、積極的にさような計画をできるだけ進めたほうがよろしいのではないかという意味では、強くこれを要望いたしております。いま申した国定公園の扱い方は、さようなことがきまりますれば、十分に厚生省等とも打ち合わせいたしまして、現地の要望にこたえる、かようにいたしたいと考えるのでございます。
  19. 浅井亨

    浅井亨君 次に、砂防ダムのことですが、建設省調査によりますと、何か危険個所が全国で四万ヵ所ほどありまして、これを全部をやりますと、六兆円ほどかかる、こういうような話でございますけれども、予算の面で見ますと、三百億円くらいにしかなっていないように私は覚えているわけなんです。そうすると、これはとうてい、二百年、三百年とかかってしまうというようなことであって、次のいわゆる災害が来たときに対する対策としてはどうあるべきかということを非常に懸念するわけでございますが、人命尊重の点から現在危険個所だと考えておられるのはどれくらいあって、そうして、それを今後どのような方策でこれを進めていかれようとするのか、その基本的な問題をひとつ御説明願いたいと思うのです。
  20. 古賀雷四郎

    説明員古賀雷四郎君) 危険個所につきまして、ただいま私らのほうでいろいろ調べてみますと、施設を要する渓流数は約四万六千渓流あるわけでございますが、そのうち、現在まで着工しているのが、一万五千渓流だけ着工いたしております。そのうち特に危険だと目されるものは一万九千五百渓流ございます、渓流数にしますと。これらを早急に調査をいたしたいと思うのでございますが、一万九千五百渓流をやるにいたしましても、各渓流に十メートル程度のダムを入れるにいたしましても、一本かりに二千五百万と仮定しますと、五千億程度のものが要るわけでございます。全体を入れれば、先ほど申されたような数字になるわけでございます。そういうことで、これはなかなか早急にできない。現在、砂防予算としましては、約三百十六億程度の予算を年間使用しておりますが、なかなかむずかしいので、まあ地形、地質あるいは家屋の存在数とか、そういったものも全部調査しまして、早急にやるべきところ、そういったところを調査いたしたいと思っております。これは十七日の日に全国の砂防課長を集めまして、危険個所調査を指示をいたしております。それにいたしましても、国の財政的に考えてみましても、それが一ぺんにできるわけではございませんと私らは考えております。したがいまして、そういった個所をどうするかという問題が残るわけでございます。そこで、いま消防庁でやられる警察組織の強化とか、いろんな問題もあろうかと思いますが、今回の西湖周辺の災害の実情を見てみますと、やはり一時間に、先ほど大臣が申されたように、百ミリ以上の雨が降るというような豪雨でございました。そういった場合に、地質の悪いところ、そういったところはこわれてくる、それが山津波になりまして人家を崩壊させるということでございますので、そういう雨量との関係が一番多いわけでございます。ところが、現在の危険個所について、雨量計を設置しまして、具体的にどのくらいの雨まではもう退避しなくちゃいかぬのだといったようなものをある程度考えなくちゃいかぬのじゃないか、若干事前になってもやむを得ないのじゃないかということを考えまして、そういった部落ごと、あるいは渓流のそばにある部落ごと、そういったところに雨量計でも備えつけまして、ある程度の雨量が降れば危険退避するとか、いろんな方法を、対策ができないところにつきましては逐次やっていかなければならぬ。かりに対策ができましても、やはりそういった危険の考え方はいつも持っておかなくちゃならない。そういった対策を今後進めていきたいというふうに現在考えておるわけでございます。それとともに、治水事業の繰り上げ等によりまして、そういった危険個所対策を格段に推進するということもあわせて実施していきたいというふうにただいま考えております。
  21. 浅井亨

    浅井亨君 いまお話のあった中に、雨量計をどうとかこうとかというようなお話がありましたが、これはきょう建設のほうに私関係がないと思って聞かなかったわけですが、これは現地におきまして私は二回にわたって聞いてまいりましたので、実はこれは気象庁の問題だと、こういうように思っております。ということは、予報に非常に時差があったということです。ために、もう少し早くこれを予知し、また、それに対する対策をやるならば、このような人命災害はなかったであろうと、こういうようなことも現地の人は言っております。これはきょうは、しかし関係がありませんと思いまして申し上げておりませんけれども、続いていまのお話で、この砂防でございますが、これは根場にいたしましても、西湖にいたしましても、芦川にいたしましても、全部この砂防工事というのがもうちっと強力にしてあったならばと、何でもあとで気がつくテンカン病みというのがありますが、やはりあと、あとと追っかけていくのがわれわれでございますが、いわゆる自然の力というものは非常におそろしいものでございます。だけれども、こういうような災害があった場合には、次の災害に対する対策を立てていかなくちゃならない。これがわれわれ人間として最もたっとぶべき道じゃないかと、こう思いまして、あちらこちら砂防ダムを見てまいりましたが、もうちょっと強力であったならば防げたんじゃないか。というのは、なぜかと申しますと、先ほどの答弁の中にあったと思うのですが、自動車で参っている途中で砂防ダムが五、六カ所連続的にできているわけなんです。そこは何ら障害がなくて、非常にりっぱだなと、もう乗っているわれわれ一同が、このようにやっておけばと、こういうような地点がありました。場所はちょっと私は記憶にありませんが、こういうところから考えれば、ある程度こういうような災害も、砂防ダムのいかんによっては救われるのじゃないかと、こういうふうに思いますので、これはひとつ強力に進めていただきたいと、こういうふうに考えるわけでございます。  続いて、私は同じ関連した問題でありますが、静岡県の梅ケ島ですか、あそこの問題に移りたいと思いますが、あれは、あそこの旅館は不法建築であったと、このように聞いておるのですが、この点はいかがですか。
  22. 澁谷直藏

    説明員澁谷直藏君) その点、私どものほうで県当局に照会をいたしまして確認をいたしました結果によりますると、不法建築ではないという回答でございます。正式な建築の許可をとって、そうして建築をいたしておる、こういう回答でございました。
  23. 浅井亨

    浅井亨君 県のほうでは不法建築ではないと、こういうのですが、ではそこに何らか、地域的な問題でミスというものは考えられませんか。不法建築ではない、だけれども、このような危険地域というようなお考えはあったでしょうか、なかったでしょうか。
  24. 澁谷直藏

    説明員澁谷直藏君) 私どもの県からの受けました報告によりますると、そのような事実はなかったと、このような報告をいただいておるわけであります。
  25. 浅井亨

    浅井亨君 そこで、じゃあ次に質問いたしますが、あの梅ケ島の被災されたあの部落の本上流に、岩盤による狭さくした部分があるということなんです。非常に狭まっているわけですね。そこで被災当時の方の話を聞きますと、一回水が来た、しかしとまったと、そして二回目がまた来たと、こういうふうな話を受けましたが、一応その狭められた部分が、いわゆる流木とか、いろいろな土砂によって狭められたところが詰まったのではないか、こういうふうに考えられるんです。そうして、ある一定の水量が増した、そこで初めて一度にどっと流れ出てきた、こういうふうに考えられるんだと、こういう話なんですが、そういうような個所があったとするならば、こういうものに対して、いわゆる農林省——やっぱりこれは河川ですから建設省でしょうな。こういう部面を専門的立場からこれはいけないと、これは岩盤であろうが何であろうが取り除いておくべきものなんだ、こういうふうにお考えになったであろうと、こう思うんですけれども、これは私のしろうと考えですが、そういうむずかしいところは、そういうようなお考えなかったんでしょうかどうでしょうかというのが一点。  もう一つは、今後この個所において、これを岩盤であろうが何であろうがこれを取り除いて、再び災害が起こらないようにどういうふうにおやりになるだろうか、この二点をひとつ。
  26. 古賀雷四郎

    説明員古賀雷四郎君) 御指摘のとおり、梅ケ島の上流には狭さく地帯がありまして、そこに岩盤があったようでございます。そこで、岩盤を取り除けばいいんじゃないかということでございますけど、まあ今回のような山津波におきまして、従来も起きておったと思いますが、そういうのを防ぐのは、狭さく部である程度防がれていたわけです。それが限界が来たんではないかというふうに考えます。したがいまして、この狭さく部を広げれば従来たまっておった砂が相当大規模に出てくるのではないかと考えます。御承知のとおりに、梅ケ島の川の流域の方向と、もう一つの支流の方向がありますが、ここに大谷くずれという非常なくずれがあって、これは直轄砂防でただいまやっておるのです。そこで、われわれとしましては、岩盤を取り除くよりも、とりあえず砂防堰堤の大きなものを入れて土砂をとめる、それから山腹砂防とか、あるいは渓流の床固め、あるいは砂防施設というものを次第に強化していくということによりまして、土砂を安定した流れにできるだけ持っていく。これは土砂砂防というのは完全にとめるということは非常にむずかしかろうと思います。したがいまして、砂防堰堤を築いて、土砂の落ちる勾配をできるだけゆるくする、調整しながら落としていくというふうなかっこうになると思います。したがいまして、われわれとしましては、将来計画も含めて砂防計画をただいま検討いたしておりますが、とりあえず、滝の上に一本大きなものを入れまして、いままで河道にたまっている土砂をできるだけ下に流さなくて、そこでとめる、逐次強化していきたいというふうに考えています。
  27. 松永忠二

    委員長松永忠二君) ちょっと私、関連で質問さしていただきます。  いまお話のあったのは、狭さく部から、水が非常にたまって、それが三度にわたって土砂流として出てきたというのが一つ——もちろん、非常な降雨があったということは原因ですけれども、非常な狭さく部があって、その狭さく部にたまった水が三回にわたって放流された、それが土砂流として下に非常な大きな被害を及ぼしたというのが、一つの県が出している見解の中にあるわけです。これはさっき石井委員からお話のあったように、直流放水が非常に必要だと、河川河道を変えたらどうかというような点と似ているところで、梅ケ島の河川についてはそういう点が一つあったことは、これは事実だと思うのです。そこで、これは従来大谷くずれのほうは建設省が直接砂防でやっていて、梅ケ島のほうの谷のほうは林野庁がやっていたわけです。林野庁上流に一基堰堤を入れておったわけであります。そこで、これについてはあれですか、その狭さく部については、やはり県側としてはその狭さく部をやっていきたいという考え方を一つ持っているわけです。  それからもう一点としては、これは営林署のほうからあらためて、大谷くずれのように建設省の直轄的な地域として砂防を今度やっていくという決意を持っておられるのかどうか。  この二つをちょっと御答弁いただきたいと思うんです。
  28. 古賀雷四郎

    説明員古賀雷四郎君) お答えいたします。  非常に梅ケ島の上流地区土砂くずれの激しいところでございます。したがいまして、従来から林野庁と区分いたしまして、大谷くずれのほうは私のほうでやっておりますし、林野庁にまかしておりましたけれども、今回のような災害豪雨になりますと、なかなか、山のほうも防がなければいかぬと、それから谷のほうも防がなくちゃいけませんので、ただいま梅ケ島の上流支川がございますが、支川と分かれているところの付近までを一応建設省のほうでやりたいということで、林野庁協議いたしております。そのほか、各支川ごとに相当砂防計画を入れなくちゃいけませんので、そういう林野庁の山腹砂防と十分協議しまして具体的な計画を定めて実施していきたいというふうに考えております。梅ケ島上流の岩盤につきましては、とりあえず取り除く考え方はございません。砂防堰堤によって十分強化できるというふうにわれわれ考えております。
  29. 松永忠二

    委員長松永忠二君) ちょっともう一つ。これはまあ、いまのお話はそういうふうなお話ですが、「狭さく部の岩盤を除去し、河床を拡げて流出を円滑にし、」というようなことを県としては考えているようです。そこで私は、営林署が、林野庁が直轄として砂防をやっておられたときに、こういう地形を持っている地形がやはり問題の点であるというようなことの調査というか、そういう把握を持っておられたのかどうなのか。非常にそこのところが狭いので、こういう点についてやはり問題のある地形であるというような把握をされておったのかどうかという点が、林野庁も出てきておりますから、林野庁としては、この地形についてどういう考え方を持っておられたか。それからまた、林野庁としての治山計画として、あの梅ケ島の地域にどれくらいな計画を持って、すでにどのくらいの金を投入されているのか。その二つをちょっとお話しいただきたい。林野庁のほうから……。
  30. 手束羔一

    説明員手束羔一君) 林野庁といたしましては、この上流地域は相当山地として荒廃がはなはだしいということで、昭和三十一年におおよそ二千六百ヘクタール、これを国有林として買い上げまして、その買い上げ国有林内におきまする治山事業につきまして、現在まで約四億八百万程度の投資をいたしてまいった次第でございます。その対象地域といたしましては、主としまして買い上げ保安林地帯における山腹砂防ということに力点を置いておるような次第でございます。ただいま御指摘のありました岩盤による狭さく部等の問題といたしましては、これが一級河川でございますので、これは建設省の御所管ということでおまかせしてあるわけであります。
  31. 浅井亨

    浅井亨君 いまそのお話を聞いておりますと、常々思うのですが、林野庁建設省、こういうふうな話が常日ごろから出てきておるわけですが、いわゆる林野庁の治山事業建設省砂防事業ですね、この二つの間に何かなわ張り的な考え方というのですか、またその方法として意見の相違があるのか、そういう点をわれわれは疑問にしているわけです。こういうところはどのように調整され、どのように話し合っていかれるのでしょう。これがはっきりしませんと、真のいわゆる、こういうような災害から予防することはできないのじゃないか、こういう点が非常に心配なわけなんです。この点をひとつ明らかにしていただきたい。
  32. 古賀雷四郎

    説明員古賀雷四郎君) 林野庁の関係と建設省関係の調整の問題でございます。従来から砂防治山連絡協議会というのがありまして、本省におきましては、それぞれまあ大局的な見地から調整いたしております。それから、さらに下部機構にわたりましては、林野庁の出先機関と、それから、わがほうの出先機関とで計画の調整をいたします。この渓流はどのくらいな雨に対してどのくらいの土砂が流れてくるか、これを防ぐにはどうすればいいか、どの程度の砂防堰堤を築かなければいかぬかというような計画の調整をいたしまして、それぞれ所管の区域をきめまして、ただいま計画をやっておるわけでございます。ただ、今回非常に大きな豪雨でございまして、それが一時間に百ミリ以上をこえるという豪雨考えられなかったという点が一つ問題点でございまして、今後そういった集中豪雨の度合いがどうであるかということをしさいに検討しながら、計画を検討しなくちゃいかぬというふうにわれわれはただいま考えております。検討の段階におきましても、林野庁の山腹砂防並びに建設省の渓流砂防といたしましても、お互いに検討し合って、よく計画を調整して、万全を期するように努力している次第でございます。なお、そういう調整の関係としまして、先ほど大臣からお話がありましたように、調整機関としての人事交流を行なっていただきまして、有能な課長補佐並びに係長を合わせて二名交換いたしまして、計画の調整並びに事業執行の調整、そういったものを行なっておる次第でございます。
  33. 浅井亨

    浅井亨君 いまの答弁で、両方が話し合って検討していく、こういうような調整をしていくというようなお話でありますが、何にいたしましても、こういうような状態になりましたということは、今度の台風はもちろんいままでにない例外であったということもわれわれは考えられるわけでありますし、また、現地の人々のお話を聞きましても、台風と雨量ということについての認識が薄いのじゃなかったかという点も、現地の人から耳にいたしました。風は来るけれども雨はないのだ、こういうような気持ちをひょっと口にはさまれた方もありました。それを耳にいたしまして、台風と雨というものはしごく関係の深いものでありまして、伴うものであるということを認識の薄かった点もあったのじゃないか。しかし、これは一住民の話でありますけれども、かてて加えて、政治をするほうにおきましても、やはりこの点に一つ欠けている点があるのじゃないか、こういうふうに私は考えます。こういうような災害を未然に防ぐためには、いわゆる十歩も二十歩も前進した考え方を持ってこれを今後の災害を防ぐ方法としていかなければならない、こういうふうに考えるわけでございます。それにつきまして、次の問題は、二回にわたって私は視察してまいりました。それで非常にからだが疲労いたしておりました。そのためか、私はあの五十二号線という国道を自動車で走りました最中に感じたわけでありますが、山梨県下におきましては、イモの子を洗うようにからだを振られました。ずいぶん、だいぶ苦労しました。ところが、静岡県下に入りましたならば、瞬間にしてからだが非常に楽になりました。同じ国道でありながら、この山梨県下と、そうして静岡県下の国道があまりにも差異があるように私は感ずるわけなんです。なぜかならば、それは沢から流れた土砂によって埋もれた場所は別といたしまして、いわゆる静岡県下の道路は非常に締まっておるような感じがする。ところが、山梨県下の道路は締まっていない。どうも落ちついていない。ために、今度の雨でここにこれだけの差異ができた。平坦であるべきところががたがたで、非常にからだにこたえました。同じ国道でありながらこのように違うということは、われわれしろうととして考えまして、非常にふしぎに思うわけなんです。この点に対してどのようなお考えを持っておられるか、ひとつお話し願いたいと思います。
  34. 豊田栄一

    説明員(豊田栄一君) お答えいたします。  ただいま先生の御指摘は五十二号線かと思いますが、現在五十二号線につきましては、これは道路整備五カ年計画に基づきまして、昭和四十四年完成を目途に現在進めておる段階でございまして、地区によりまするそういう差の調整をとりながら、現在工事を進めておる段階でございまして、お話しの点、あるいは部分的には地質や何かの差の点もございますので、あるいは断片的に見た場合には、そういうお話があるかと思いますけれども、全線完成を四十四年といま考え工事を進めておる段階でございます。  なお、五十二号線につきましては、特にそういう点での措置で、最近特に二、三年工事の進捗と申しますか、あるいは予算措置などをずっと続けておりますので、まだ未完成の段階にあるので、そういう御指摘の点があったかと思いますが、そういう点は事業執行上の調整をとりながら進めたいと思っておる状況でございます。
  35. 浅井亨

    浅井亨君 いまの答弁ですと、いわゆる五カ年計画でこうしておると、こういうお話ですけれども、その沢から流れてきた土砂によって被害を受けた場所はともかくとして、と先ほど申し上げましたとおりですが、そうでないのですね。いわゆる何ら今度の豪雨には関係がないにもかかわらず、しろうとですから、どう申し上げていいかわかりませんが、道路が締まっていないというんですか、どうもそういうところに差異があるわけなんです。そこに私は疑問を感じておるわけなんです。で、ここからここと区域的にやっていくと、それはしろうと目で見てもわかりますが、いわゆるいままでの道路それ自体が、静岡県下に入ると非常にスムーズなんですね。ところが、山梨県下のほうはがたがたなんですね。こういうところに何か予算の関係とか、またはその地方の公共団体のなにで違うのですか、何か非常にがたがたと、これは私ら乗っていて異口同音でございました。こういう点に何か差異があるんじゃないかと、こう考えるわけなんです。しろうとですから私は質問するわけですが、その点ひとつどうなんでしょう。
  36. 豊田栄一

    説明員(豊田栄一君) 未改良の場合のところの状態の差と思いますが、この点につきましては、おそらく通例、砂利道の場合ですと、これは土地の地質ですね、この影響が非常に大きゅうございます。その砂利の補給の程度、そういうものは在来とも私どものあれでは、山梨県側は砂利道については非常にじょうずなところでございます。これは御案内のように、砂利資源の豊富なところでございますので、そういう点ではむしろ御指摘は逆じゃないかなという印象を私ども先入的に持っておりましたが、御指摘では、どうもそれが逆の現象のように御指摘のようでございますけれども、これはやはりそういう点でのあそこは非常に地質の悪いところでございますので、それのお守をするための砂利の補給の程度というものがやはり断片的には差があったのではなかろうかというふうに感じております。まあそういう点、いま私その現地についてのつまびらかな現象については明らかではございませんけれども、おそらく、そういう意味での何がしかの差があったのではなかろうか、こういうふうに感じますが、本質的にはやはり、いまも申し上げましたように、改良の早期実現ということをわれわれ目途といたしておりますので、できるだけそういう差のないようにしてあげたいという考えでおります。
  37. 浅井亨

    浅井亨君 いま御答弁ですと、何かあべこべのような……。だけど、私ら感じたのはそうだし、全員がそう感じている。だけども、極端に静岡県下へ入ったらすっと違った。あのように地質も変わるんですかね。こういうところがどうもわからぬ。
  38. 豊田栄一

    説明員(豊田栄一君) 静岡県下に入ってのところ、あの峠から手前のところ——静岡県側でございます。あれは非常に悪かったところでございます。ところが、それが去年——おととしですか、早期舗装をやりまして、非常に一番悪いところを直して、そういう状態が非常にまた逆によくなったという印象に変わったかと思いますので、そういう点でのよくなっていく状態の過程にはそういう意味の現象がございますので、そういうのをとり含めましてやはり早期完成ということが一番大事かと思っておりますので、さようにひとつ御承知おき願いたいと思います。
  39. 浅井亨

    浅井亨君 次いで、今度は吉原、富士、蒲原と、この方面の防潮堤の視察に行ってまいりました。一番問題になりましたのは、そこのあの海岸線の地図を見せていただきました。ところが、もともと伊勢湾台風のときに各省の、いわゆる運輸省、建設省または農林省、こういうようないろいろな場所がありまして、管理場所がありまして、その境目で災害が大きくなったというのが伊勢湾台風のいわゆる根本であったように私は覚えております。ところが、地図を見ますと、やはりこのようになっております。同じような、いわゆる管轄が違っております。そこで、一部分のところは十三メーターの高さの防潮堤だと、一部分は十五メーターであると、こういうような二メーターの差があるわけなんですが、これはどのようなお考えで二メーターの差をつけられておられるのか、この点がわれわれしろうとには納得できないのですが、これをひとつ御説明願いたいと思います。
  40. 古賀雷四郎

    説明員古賀雷四郎君) 海岸事業の行政は、ただいま運輸省、農林省建設省と三省に分かれております。それぞれ計画、事業、執行等の調整をはかりまして年度実施を行なっているわけでございますけれども、吉原の海岸につきまして、これらも駿河湾の特異な、特に駿河湾は深いわけでございまして、深いところは波が高いということで、そういった湾の深いということを考慮しまして、そういう計画のもとに各省調整して計画を定めてやっているわけです。ただ、ただいまお話がありました、十五メーターというお話は、初めてお聞きしますので、ちょっとこれは調べてみないとわかりませんが、大体十三メーターで実施しているということでございまして、そのうち特に港湾の施設に隣接する部分、その他あるいは港湾行政の立場から、あるいは漁港に隣接するところは漁港の行政の立場から若干低いところもあるかとも思いますけれども、全体的に見ますと、大体十三メーターで通して実施してあるとただいまのところ報告を受けております。そういうぐあいになっていると思います。
  41. 浅井亨

    浅井亨君 あれはたしか十五メーターと私聞きました、十三メーターと十五メーター……。
  42. 松永忠二

    委員長松永忠二君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  43. 松永忠二

    委員長松永忠二君) 速記をつけて。
  44. 浅井亨

    浅井亨君 いま十三メーターが最高と言っておられましたね、いわゆる漁港とか港の近くがそれより低いと、こういうようにいまおっしゃったのじゃないですか。私が現地で聞いたのは、十五メーターと十三メーターと聞いたのです。その差異はどういうわけだと、こういうわけなんですがね。ぼくの聞き違いかね。
  45. 古賀雷四郎

    説明員古賀雷四郎君) 十五メーターの話につきましては、ただいま初めて聞きましたので、私らは十三メーターと十一メーター程度という話は聞いておりますけれども、十五メーターという話はただいま初めて浅井先生からお伺いしました。調査させていただきます。これはちょっといまここで御返答できませんので、すぐさま調べて御報告いたします。
  46. 浅井亨

    浅井亨君 それから、その防潮堤がこわれておるところを一つ一つ見てみますと、吉原のほうは防潮堤の前に砂がたまっていたと、こういうわけですが、これはまあいろいろな観点から考えられる。これで防潮堤を越した、こういうお話でした。その砂があったほうがいいのか、ないほうがいいのかは、これはわれわれしろうとにはわかりませんが、あれは砂はないことになっておるのでしょうね。あれはあってもいいことになっておるのですか、ないほうがいいというのですか、どっちなんです。
  47. 古賀雷四郎

    説明員古賀雷四郎君) 通常一般の場合には、砂があったほうがいいと思います。これは特にああいう波浪の大きいところでございますと、大きいときには非常に砂を取られるわけです。したがいまして、海岸堤防の前が洗掘される。今度の災害で御承知のとおりに、富士川の左岸側の堤防のところは非常に砂が取られておりまして、したがいまして、その堤防が倒れたというような、三百メーターにわたって破壊したという実例がございます。したがいまして、一般的に申し上げますと、砂があれば波浪の勢力をそこで摩擦によって減退させるという効果があろうかと思います。ただ、非常に砂のありぐあいとか、いろいろなことによりまして若干の差異は出てくると思いますが、大局的には砂があったほうがいいという感じでございます。
  48. 浅井亨

    浅井亨君 しかし、この台風が終わりましたら、さっそくその砂を取りのけたということですが、そこで住民の人は、あんな砂を取るならば前もって取っておいたほうがいいじゃないかと、こういうふうな話を聞いたのですが、このところの見解はどうなんですか。
  49. 澁谷直藏

    説明員澁谷直藏君) ただいまの御指摘の問題でございますが、ちょうど私が静岡現地調査に参りまして、その現地を見て参りました。ちょうど私が吉原のその海岸を調査に参ったときに、十数台のブルドーザーが出まして、たまっておりました土砂をならしておったところでございます。そこで、地元の人たちも、いま浅井先生御指摘のように、取るならば災害の起きる前になぜ取ってくれなかったか、こういったようなふんまんを漏らしておったのでございます。それで、私も一体どういう事情でそういうことになったのか、県の土木部長、河川課長も同道しておりましたので聞いてみたわけであります。ただいま河川局長から答弁いたしましたように、一般的にはこの砂がたまっておったほうが波浪を防ぐのには効果があるということで、県の判断としては、まああの程度の砂がたまっておったほうが波浪を防ぐのにはいいのではないかという判断で、砂をそのままにしておいた。不幸にして、今回その砂を越えて、防潮堤を越えて波浪が入ったわけでありますが、その災害の終わったあとでそれではブルドーザーを入れてなぜならしておるかという点でございますが、河川課長の説明によりますと、私どもが参りましたその前夜、真夜中にかけて、その被害を受けた現地の方々から土木事務所に対して非常に強い要請があったそうでございます。どうも県当局の判断にもかかわらず、地元のわれわれとしては、砂がたまり過ぎておる、それで、その砂を伝わって波が越えた、あのままにしておかれたのでは不安でおれない、とにかく何とかしてあのたまり過ぎておる砂をならしてくれないか、こういう非常に強い要請が地元の土木事務所長に対して行なわれたので、ああいった非常な大災害のあとでもございますので、現地の方々も非常に神経も興奮しておるというような状況を判断して、地元の土木所長の判断で、ブルを入れてならしておった、こういう事情というふうに私ども伺って帰ったわけであります。
  50. 浅井亨

    浅井亨君 地元の要望があったというわけですが、そうすると、これは科学的にはっきりした判断は出るのですか、出ないのですか。あったほうがいい、ないほうがいいという……。
  51. 古賀雷四郎

    説明員古賀雷四郎君) これは非常に地域地域の砂のたまりぐあいとか、海底の地形、地質、そういったものに影響されるわけでございまして、したがいまして、直ちに土木研究所海岸研究室長、東大の本間先生、そういった方に行ってもらいまして、ただいまそういった砂の影響がどうであったかというふうなことについて検討してもらっています。従来の駿河湾の波高をきめるときに、非常に高いものですから、模型実験をしてやったわけです。それでこの波高をきめたわけでございますが、そういう段階におきましては、砂があったほうがいいという結論が出ておりますが、この砂のたまりぐあいが局部的にそのときどうであったかという問題があるわけであります。これは非常に小さいところの影響でございますので、ちょっとわかりかねる点もあるかと思いますが、詳細に研究しましていきたいというふうに考えております。  なお、砂を取ったのではなくて、砂がやっぱり部分的に高いところと低いところと、たまっておっても低いところがある、それをならしたということが適切な表現かと思います。決して砂を取ることについてはわれわれはいいとは考えておりません。ならすことは、やはり堤防の安全度を均一にする意味におきまして、これは必要だったと思います。
  52. 浅井亨

    浅井亨君 その問題は研究中という、こういうわけですが、次いでいまお聞きしたいのですが、あの駿河湾のあの海岸は侵食されているのですかいないのですか。その点は研究されておわかりと思いますが、侵食されているのですか、いないのですか。
  53. 古賀雷四郎

    説明員古賀雷四郎君) 全般的には砂は侵食の傾向にあります。ただし、部分的には——そのときの状況によってずいぶん違いますので、部分的には申し上げかねますけれども、全般的に砂の堆積状況は侵食の傾向にございます。
  54. 浅井亨

    浅井亨君 私もそのように聞いてまいりました。非常に侵食されているということです。そこで、その防潮堤の被害状況を見てまいりますと、その前面にテトラポットというのですか、それから十トンブロックというのですか、こういうものを置いたことで救われているわけです。被害がないわけです。そうすると、あれは必要ではなかったか、こう思うのです。で、いまお聞きいたしますと、侵食されているのだ、このように御答弁がありますので、あれは必ずやこの防潮堤だけではあぶない、波を押えるためには、やはり砂もけっこうだが、ここにテトラポットまたは十トンブロックというものを置けば波の強さを、力を消すことができるのではないかというわけで、それを前もってやっていくのがいわゆるほんとうの仕事じゃないか、こういうふうに考えるわけなんです。そうすると、私は一応は天災とは言いながら、またここにもう少し一歩二歩前進したお考えを持っているならば、ここに、ある程度災害も救われたのではないか、こういうように私は考えるわけなんですが、この点、いわゆるテトラポットとか、また十トンブロックというようなものについてのいわゆる今後の考え方、こういうもの、もう一つ加えて申し上げたいのは、この防潮堤を越した波に対しまして、もう一つ、その裏側にもう一つの防潮堤、防波堤といいますか、こういう水を防ぐところのものがあったならばと、こういうふうなことを現地の人も言っておりました。こういう点に対してどのようにお考えになっておるか御答弁願いたいと思います。
  55. 古賀雷四郎

    説明員古賀雷四郎君) この吉原海岸は三十五年ごろ着工いたしましてできましたしろものでございます。したがいまして、その後海岸の侵食がどう行なわれたかということは管理者——管理者は県でありますが、管理者が調査しておるわけでございます。われわれとしましても、管理者が今後はそういう侵食の状況等を十分調査しまして、必要があればテトラポットを入れていくということは考えております。  さらに、防潮堤を二段につくったらどうかという御質問でございますけれども、御承知のとおり、今度の吉原海岸の災害の実態を聞いてみますと、大きい波が二波来た、それが防潮堤を越したわけで、駿河湾みたいな非常に大海に面した、外洋に面しているところは、大体におきまして、波の高さというのは、フェッチと称しまして対岸距離、岸から岸までの距離でございます、そういったものに影響されるわけでございます。これは無限大に大きいわけであります。非常に波長の長い、高い波が来ます。それが二波来たためにやられたというわけでございまして、この点につきましては、若干のしぶき程度のものは従来から許さなくちゃいかぬじゃないかということで設計を進めておるわけでございますが、こういう波が来るということになりますれば、われわれとしても、十分今後の対策検討しまして、どうするかは、二段につくるか、あるいは防潮堤をかさ上げするか、あるいは前にテトラポットを置くか、そして消波をやるか、いろんな点につきましては、具体的に、技術的に検討してまいりたいというふうに考えております。
  56. 浅井亨

    浅井亨君 いまのお話によりますと、対岸のそういうことで波が大きくなる、こういうふうな話も聞きます。テトラポットとか、それを置くとまた非常に防災には力になる、この二つ、その次は侵食をされているということが認められていると、こういうことになりますと、いままでほっといた、こういうことを、考え方を持っていながらそれをしていなかったというところに私は非常にこわさがあるんじゃないかと、こういうふうに考えるわけなんです。いまの対岸のことによってということは、私知りませんでしたけれども、こういうような侵食されている、またテトラポットがあれば力が弱まる、砂があっても弱まる、おまけに対岸との関係で波の大きさが変わる、こういうようなことを専門的にお考えになればもっと早くこれができたのではないか、こういうふうに私は考えるわけなんです。こういう点をもっとひとつお考えになって、今後の施策を強力にやっていただきたい、こういうように思います。  次いでもう一つの問題は、これは専門家でありませんから、やはりどうということはありませんが、破壊された場所の前面、いわゆる海の面に対するほうのセメントがやっと——どれくらいあったですか、あまり厚くないのですね。非常に薄いのですね。あれでは、私はこわいじゃないか、こういうように思うのと、もう一つは、あの防潮堤の中身はほとんど砂のように私は見ましたが、こういう点には何ら関係がないのでしょうか、どうでしょうか。この点しろうとでも危惧を感じたわけです。非常に薄いように思う。で、中が砂だから——ばかのように考えられますが、もしあれがガンと割れたら中が砂ですから、たちまち洗らわれてしまいます。そうすると被害が大きくなるのじゃないか、こういうふうに考えられるのですが、この点ひとつ……。
  57. 古賀雷四郎

    説明員古賀雷四郎君) 今後の問題としましては、十分検討して、御趣旨を十分体してやっていきたいと思います。  それから第二点で、破壊された場所のコンクリートが非常に薄いじゃないかという御懸念でございますが、防潮堤は御承知のとおり完全にコンクリートで持てるような堤防をつくる場合と、それから土の堤防をうしろに置いて土堤でもたせる場合、コンクリートを前に張りまして土堤でもたせる場合、それから出っぱりを前面に張りまして波が落ちてきてもこわれないようにする、そういう構造をしている場合と、二つあります。したがいまして、破壊された場所のコンクリートは私は決して薄いとは思いません。これは十分計算してやってます。ただ破壊された前面は非常に大きく侵食されたところで、そこは前面に何もないところでございまして、したがいまして、そういった砂がとられまして、基礎が洗われたという点が問題でなかろうかと私は推察しております。これも私具体的に現場に行って調べたわけじゃありませんので、ここで推察を申し上げてたいへん恐縮でございますが、海岸課長をやりまして調べたところ、そういった点で問題があったということを言っておりました。その点につきましては、事前にそういった施設が適当でなかった点につきましては、非常に残念でございますけれども、今後そういうことのないようにできるだけやっていきたいというふうに考えます。  それから、中身は砂というのは、これはコンクリートの中身は全部コンクリートでありまして……。
  58. 浅井亨

    浅井亨君 中身というのはコンクリートをやっておるこの中身ですよ。
  59. 古賀雷四郎

    説明員古賀雷四郎君) 堤防はコンクリートでつくっておりますので、決して粗漏な工事はやっておりませんから、ひとつ御了解願いたいと思います。
  60. 松永忠二

    委員長松永忠二君) ちょっと速記とめて。   〔速記中止〕
  61. 松永忠二

    委員長松永忠二君) 速記つけて。
  62. 浅井亨

    浅井亨君 いまのはしろうとでもそのくらい知っております。その中身というのは、こういうふうにつくってあるでしょう、その中身ですよ。これが第二波が来てこうだというのです。第二波目に前面のコンクリートが薄いがゆえに破れている、第三波が来たら、私は、中の砂が洗われておりますから、もう一つ来たらいかれてしまうのじゃないか、こういうふうに考えるわけなんです。だから、いま二波だからいい、だけれども、バンと前面のをやられた。ところが、中身が砂だから一ぺんに洗われますから、そうすると第三波目が来てしまったらすっ飛んでしまうと、こういうふうに考えるわけです。だから、そういう点で中身が砂のように思ったのですが、これはどうでしょうかと、こういう質問なんです。
  63. 古賀雷四郎

    説明員古賀雷四郎君) 海岸堤防は、原則として砂の堤防でありましても、上に相当越波してもだいじょうぶなようなコンクリート張りをしてあります。御承知のとおりに、前面張りと称しまして、厚さはどの程度か知りませんが、二十センチないし三十センチのコンクリートを置いて、裏のほうに護岸をして、越波しても水がスムーズに流れていくような構造になっております。したがいまして、この前面の堤防が基礎からやられた場合は、ある程度倒れてきますと、非常に中身が危くなるという傾向はあります。問題は、やっぱりそういった侵食等の海岸でございますので、基礎工を十分やって、あるいはテトラポットを置くとか、いろいろな点で補強していくという考え方でないといけないと思います。
  64. 浅井亨

    浅井亨君 今度の災害で、いわゆる山間の津波または海のほうの津波、こういう二方面から、いろいろな体験を得たわけでありますが、やはり災害は忘れたころどころか、近ごろは毎年来まして、年に二千億も要るというようなお話も聞いております。こういうところから見ましても、金の面もさることながら、人命に対するところの損害というものは再び得られるものじゃありません。こういうことに対して、こういうような災害のときこそ今後のあり方について各省が連携を密にして、最も防災に適応した施策を前向きにどんどんと進めていただきたい、こういうふうに念願いたしまして、私のきょうの質問は終わりたいと思います。
  65. 春日正一

    ○春日正一君 さっきの報告でもあるように、今度の災害の特徴は、非常にたくさん人命が失われたということ、もう一つは、非常に広い範囲にわたっている、被害も大きいということなんで、それでしょっちゅうあることなんで、最初にお聞きしておきたいのですけれども、こういう災害の予防、災害というものに対する政府の基本的な考え方というか、方針というか、つまり災害対策を、一体産業基礎の整備だとか、いろいろそういうものの中で何番目くらいに位置づけてやっているのかということと、それから政府考えとしては予防を主とするのか、復旧を主とするのか、どっちでやるのか、その点をまずお聞きしたいのですが……。
  66. 橋本登美三郎

    国務大臣橋本登美三郎君) 春日さんから経済基盤強化のためにどういう順位か、順位の点は何できめるかということは問題でございますから、それは別といたしまして、非常に重要なものとして考えております。したがって、政府としては、五カ年計画を立てて、それによって災害予防の予算をつけておる。御承知のとおり現在行なわれておりますのは第二次五カ年計画であります。本年が第三年度になると思います。そこで、第二次五カ年計画では八千五百億円、それ以外に予備が一千億円余あり、また補助関係を含めますと、総額で一兆一千億円というのが、五カ年計画の災害復旧等関連を含めまして一兆一千億円に五カ年計画は相なるわけでございます。予防対策といえばこれら第二次五カ年計画、いわゆる五カ年計画というと、治山治水事業がその予防対策の根幹をなす、そういう考え方で政府は治山治水に対しては積極的に、また予算の面におきましても、日本経済の財政の可能な範囲内において、最善を尽くしてやってまいっておるわけであります。ただ問題は、治水事業といいますか、災害につきましてはいろいろな関連があります。先ほどから御質問のありました林野庁の山腹砂防あるいは建設省がやっておりまする渓流砂防、また続いては治水ダム、あるいは多目的ダムを含めた治水ダム、あるいは続いて河川の改修、こういう一貫したものがいわゆる全体の災害対策になるわけでございまして、そこで、実はこの前私が建設大臣をやりましたときに、この五カ年計画を設定する際に、これは第一次五カ年計画でありましたが、砂防関係が——当時、参議院に非常に熱心な赤木さんというダムの専門家がおりまして、全体から見て砂防ダムの費用と砂防ダムの予算というものが割合が少ないのではないか。いろいろ皆さんとも御相談申し上げて、そこで当時第一次五カ年計画をつくる際に、砂防ダムの金額をある程度これを増加いたしましたが、その後、第二次五カ年計画においても、その点に重点を置いて予算の配分をいたしております。第二次五カ年計画で大体、建設省関係だけで申し上げますが、いわゆる砂防関係のダムは、全体の八千五百億円のうちいわゆる砂防に振りあてられた金額は大体一千七百億円、約二一%になっております。またダム関係、いわゆる治水並びに多目的ダム関係のほうは大体千六百億円でありまして、約一九%強になる。そういう比率から言いますれば河川改修費はあとの残りでありますから、必ずしもダム関係の予算が少ないとは言えないのではありますけれども、山腹砂防という点と関連して考えますというとまだまだ不十分である。これはまあ根本的な問題としては、日本の経済力といいますか、財政力、日本のような常襲的な天災、災害地域に対して、これをディフェンスする日本の経済力が不十分だ。たとえて言えば、一種の、竹やりでもありませんが、単発銃を持って天災に向かっている。できれば機関銃くらいで向かえる財政力があればいいんですが、そこまで財政力がないために、結果的にはある意味において善意の人災が起きておると、こういうことも言えると思います。その意味においては、ことばを強くして言えば、私は将来日本の経済力が高まると同時に、天災によって——といってもものにもよりますけれども台風程度の天災によって、こういう年間二千数百億円という損害をこうむる地帯は、少なくとも将来だんだんこれは逓減さるべきものである。事実最近、治水計画等が進むに従いまして、過去五カ年間の平均をとりますというと、これは建設省関係でありまするが、大体において八百五十億円ぐらいには平均すればなっております。本年は九百九十億円でありますからして平均を上回っておる。しかし、この前の伊勢湾台風あるいは狩野川台風に比較すれば、ことしはまだ低い地位にありますけれども、全体として損害が多少でも、河川行政の、あるいは治水行政の進むに従ってわずかながら下がりつつある。けれども、それだけにまた一方において、日本の経済地帯が大きく、産業の分布が広くなってまいりましたから、損害高というものは必ずしも減ってはまいりませんけれども、土木公共事業からいえば多少とも漸減の傾向にありまするが、しかし、私は、やはりこの経済基盤の強化は、何といっても治山治水にある——もちろんこれは道路もこれに関係いたしております——そういう意味において、現在第二次五カ年計画が進行中ではありまするが、来年度においてこれを、計画の途中でありまするが、最近の災害等にかんがみ、第三次治水計画の樹立を検討して、そこでかような災害等にかんがみての新しい施策を強く推進してまいりたいと、かように考えております。
  67. 春日正一

    ○春日正一君 それで、二十六号台風関係についてお聞きするのですがね。山間部の被害ですね、特に私、足和田村、芦川村、行って見てきたのですけれども被害状況その他については、もうすでにされているので、これは省きますけれども、原因について、たとえば新聞その他では、あそこは非常に地質的にも危険なところだし、あるいは地形も扇状という非常に危険なところだ。そこにかつてない豪雨が降ったと、天災だというふうなことがいわれているのですけれども、実際行って見てみると、やはり予防の措置があれば、被害はあれほど大きくせなんでも済んだということは、だれにもわかると思うのです。で、第一の原因は、ダムがないということは、さっき来言われましたけれども、たとえば足和田村は砂防指定してないのですね。ところが、芦川村のほうは、砂防指定になっていると村長は言うのです。砂防指定がいつやられたか、弘は聞かなかったけれども砂防指定にはなっている。しかし、砂防ダムはつくられていない。これは怠慢だと思うのです。指定をしておいて、しかもそれはやりっぱなしでおいて、災害が起こった。しかも足和田村の根場西湖は問題にするけれども、芦川村のほうはちっとも問題にしないと言って、村の人たちは非常に憤慨しているのです。被害からいえばおれのほうが大きいのだ、それを何にも見てもくれないし、新聞にも書いてくれないと言っているのですね。これ見てほしいと思うのですよ。このダムのあるところは、これですよ。これは芦川村の、あれは鳥坂峠ですか、そこから見たところですがね、そこのところだけはダムがあるのです。そこの川のところは、二つでっかいのが。上は大くずれにくずれているけれども、その下は何でもないのですよ。だから、あればそうなるということは明らかだと思うのです。そういうことですね。しかもそこにそれが入っている、林野庁関係のダムだそうです。だから建設省関係でもう少し相談して、そういうものをきちんとやられていれば——砂防指定のあるところにそれがないために、非常に大きな被害を起こしていると思うのですね。そういいますと、やはり予防の措置がとられてないために起こったと、これひとつ大事な事実だと思うのですよ。  それからもう一つは、予防の措置がとられないだけじゃなくて、災害を起こす原因がつくられているということですね。これは現地の人も言っていますし、専門家にもいろいろ聞いてみましたが、山林が非常に伐採されて、ひどい状態になっている。あそこを見ると、私、地図をもらってきたけれども、あそこの林相図を調べた地図があるのですがね。山梨県のあの被害が起こった、くずれているところというのは、ほとんど一齢か二齢になるわけですね。一齢が三年か五年、あるいは二齢といえば十年、その程度の山ですね。そういうところがくずれている。これは私、芦川村のほうですけれども、くずれているところを、この写真を見てほしいと思います。みんな木のこういうところですね、切られたところがくずれておる、これなんかは典型的です。両側はきちっとしておって、木のないところがあとどっとくずれておる、こういうことです。こういうことを見ると、森林の伐採ということが被害をつくり出しておる。だから、予防ができていないだけでなくて、新たに被害をつくり出されておる、そこが問題だと思うのです。この点では、現地専門家から聞いてみますと、三十七年に森林法が改正されて、保安林を除くところはいままで許可になっておったけれども、それは切りほうだい切ってよろしいということになってはずされた、あるいは禁止の条項にはずれておれば許可しなければならぬということになって、山林の切り出しが非常に多くなっているし、切り方もいままで一ヘクタール切ったら一ヘクタールおいてまた一ヘクタール切れというようになっておったけれども、高度成長政策の関係で、まとめて切ってよろしいというようなことになって、非常に広い地域が切られて、植林されるけれども、それは急に伸びないというようなことでそういう状態が出ておるというふうに言われておるのですがね。そうすると、やはりこの被害というものは、直接第一次の原因としては、地形とか豪雨、特に台風というものがあるけれども、しかし、そこに至らしめたものとしては、予防措置がとられていない、あるいは山林の伐採というような点でやられておる。特に山梨県の場合は、恩賜林ということになって非常にたくさんの県有林を持っているわけですけれども昭和二十八年から今日までに県有林を山梨県が伐採して十六億円というものを一般会計に繰り入れておるというふうにいわれておるのですがね。だから、一般会計の不足を山を切って埋めておった、そのたたりが今度出た。だから山梨県はあそこだけでなくて、全県で八百カ所の崩壊があったというふうに言われておる。こういう点について政府としてどういうふうな方針をもって監督し、やってきたのか、これは政府の林業政策の責任としては非常に災害問題として大きいのです、その点について御答弁願いたいのですがね。
  68. 手束羔一

    説明員手束羔一君) 予防治山につきましては、現在工事費約三百億中一七%、国有林、民有林合わせてでございますが、その程度でございまして、われわれといたしましては、できるだけ予防に重点を置きまして復旧費を少なからしめるという目標でやりたいと思うのであります。やはり、災害の起こりましたところのあと始末も、これはなかなかできませんような状態でございまして、極力危険度の高いところから予防を実施をいたすというようなことでやっておる次第でございますが、現地につきましては、いままでの状態が比較的安定しておったという関係上、三十四災に関連をいたしました災害復旧以外につきましては、十分なる予防治山が行なわれておらないという点につきまして遺憾に存じております。  なお、山林の伐採の関係でございますが、これはいろいろ災害の状態によりまして山林の伐採そのものが影響をいたしまする場合と、さして影響のない場合と二つ種類があります。今回の根場西湖等の直接の土砂流、これは大体いままで表層のエロージョンが起こっておりましたものが長年高地に堆積をいたしまして、これが一挙に出てきたというようなことでありまして、最近の伐採が直接関連があったとは考えられないわけでございまするが、遠因といたしましてはこれはやはり心すべき問題である、留意しなければならぬ問題であると考えておる次第でございます。  なおこの伐採の指導の制度につきまして、御指摘のとおり、昭和三十七年までは一般の森林につきましても伐採の許可制度、これは適正伐期齢と申しまして相当程度大きくなったところまででございます。それ以上大きくなると自由でございましたが、比較的幼齢の山につきましては伐採許可制度をしいておりましたところ、その後の社会情勢等によりまして、一般保安林でないものについてさような許可制度をとることそれ自体の妥当、不妥当の問題等もございまして、できるだけこれは指導によりまして適正を保ってまいるという精神でもって昭和三十七年に森林法が改正されて、普通林につきましては伐採は自由ということになったわけでございます。しかし、自由と申しましても全然ほったらかしで自由ということではないわけでございまして、国が全国森林計画というものをつくりまして、それから各県では各県を幾つかの計画区に分けまして地域森林計画というものを立てております。この地域につきましては、郡には森林計画としまして昭和三十九年に地域森林計画が立ててあります。この立てた地域森林計画に基づきまして森林所有者が施業をいたすよう県は指導し、いままでその基準にはずれた山につきましては勧告をいたすというようなことで進めておるような次第でございます。特にその中でも保安林とか、あるいは国立公園等規制をかぶる分につきましては、直接伐採施業の規制を行なっておるような次第でございまして、足和田村につきましては約二千ヘクタールのうち十九ヘクタールが保安林になっております。保安林の面積としましては、全国的に見ますと比較的少ない地域でございますが、これも先ほど申し上げましたごとく、比較的いままで災害が少なく安定しておった地域であることからいたしまして、特に治山工事等を行なった関連におきまする保安林があるという程度しか保安林の指定が現在まで行なわれておらなかった、かような状態になっておるような次第でございます。  なお、関連いたしまする県有林の問題、山梨県は大正初めに、御指摘のとおり恩賜県有林、御料林が下賜された、これを十六万ヘクタールにわたって経営いたしておるわけでございますが、歴史的な地元との関係もございまして、伐採収入の二〇ないし三〇%については地元に交付金として渡す、かようなことになっておる次第でございます。なお、県財政その他の関係から毎年多少の一般会計への繰り入れ等もやってまいっておるようでございますが、最近におきましてはその余力がないようでございます。なお、山梨県有林の経営計画につきましては、これは県におきまして将来を見通した長期にしわたる経営計画を立てておりまして、それに基づきまして伐採あるいは植林等を鋭意実施をいたしておるようでございます。この伐採量あるいは造林量等から判断いたしまするに、やや幼齢林が多くなっておるという状態はございますけれども、長期的に見まして非常にこれが過伐であるとかいうような状態は認められないようでございます唇が、ただ伐採の方法におきまして、先ほども指摘のように、やや機械を用いるというような意味から多量に出荷するような傾向があるように見受けられますので、この点につきましては十分今後注意を促したい、かように存じておるような次第でございます。
  69. 春日正一

    ○春日正一君 特に林業構造改善事業で林業の生産力をあげるということ、三十年ころからパルプ用材の松が少なくなったという意味で広葉樹の天然林を切るとか、あるいは土地の生産力を高めるというので、天然株一を切って成長の早い針葉樹の生産を奨励する、それも治山治水の観点が抜けて、林地に肥やしをやってどんどん早く育ててさっさと切るというようなことがやられている、そういうためにいま言ったような被害が起こっている。これはいま出てきましたがね。こうやってみてもわかるように、ここらずっと若い山ですね、これは天然林です。これ見たらわかると思うのです。天然林のところはくずれてない、若い山がくずれている。こういうことになると、やはり自然というよりも予防が足りないということ、加えてこわす条件をつくっている。こういう点について、これは私のほうでは気をつけておりますという話だけれども、やはりこういう災害が今後も起こると思うのです。特に山梨県へ行って指摘された点は、日本の山は総体にそうですけれども、山が急峻なんですね。四十度から六十度というような山で、命綱つけて木を切らなければならぬ。そういうところをぽっと切ったら、それはくずれるのは避けられないのです。だから、そう言っていましたよ。アメリカへ行ってきたのが、アメリカでは二十度以上の傾斜のところは人工造林の対象になっていない、日本と条件が違う。四十度、六十度という急峻なところで人工造林をやっても、木を切れば災害の原因になるのはあたりまえだと言っておる。そういうことについて、森林政策について今後直さなければならぬというふうに考えられるのかどうか、このまま続けていかれるのかどうか、その辺どうですか。
  70. 手束羔一

    説明員手束羔一君) 御指摘のとおりわが国では相当急峻なところまで林業地帯として使われておるような実態がございます。これにつきましては、非常に歴史的条件もあり、現在における日本の土地利用条件等もあるわけでございます。諸外国等におきましては、林業などもわりあい丘陵地であるとか平地等に行なわれておりまして、急傾斜地等はこれは生産地外というような観点で見られておるのが多いようでございますけれども、何ぶんわが国は御承知のとおり、耕地面積も非常に少ないようなわけでございまして、平地あるいは準平地等はできるだけ耕作地、あるいは放牧地として利用をいたさなければならぬというようなこともございまして、だんだんやはり林業は傾斜地における土地利用として発達いたしてきているという事態があるわけでありまして、ただこれが生産面を持ちまする一面、国土保全上重要な場所を管理をいたすということになりますので、これにつきまして、保安林制度をとり、かつ保安施設事業の制度を置きまして、重要なる森林につきましては、生産を制限をして、これを保安林に指定をいたし、特にそのうちのきずの部分等につきましては、保安施設事業を実施いたしまして、そうして森林の健全化をはかる、かようなことを建設省砂防と十分連絡をいたしまして実施をいたしておる、かような次第でございます。なお、保安林につきましては、三十七年には森林法が改正になりましたが、三十九年に保安林整備臨時措置法を改正いたしまして、昭和二十九年から三十八年まで十年間に指定をいたしました保安林のほかに、さらに二百五、六十万ヘクタールにわたりまして、その後十年間にこれを指定をいたすという計画で、現在それを実行中でございます。それが全部指定になりますると、二千五百万ヘクタールの林野のうち、約六百五、六十万ヘクタールが保安林になる、かような計画で進めておるような次第でございます。なお、生産向上一本やりというようなお話もございました。もちろん林業といたしましても、劣勢産業といたしまして、できるだけ生産性を高めていくという要請も片方からは受けておるわけでございますが、何ぶんわが国の経済成長に伴います木材供給、これを十分国内資源から得るわけにはなかなか現在のところまいらない。したがいまして、現在でもたとえば昭和四十年度におきまして、約千七百万立方メートル、わが国の需要量の約二五%、約五億ドルの輸入も行なっているような次第でございます。これはわが国の輸入物資、単独物資といたしまして、石油に次ぎまして、あるいは鉄鉱と順位を争っているような、二位か三位というような輸入物資にもなっているような次第でございます。かようなこともかね合わせまして、できるだけ森林の施業を適正化すると同時に、治山治水につきましての実をあげてまいりたいと、かように考えておる次第でございます。
  71. 春日正一

    ○春日正一君 肝心な問題ですね。つまり高い山を切らにゃならん。これは日本の地形としてしようないと思う。高い急なところを切るなら切るように、やはり安全とか、そういう点も考えて、ちょうど坑道を掘ったらあと砂を埋めて、こう掘っていくようにやらなければ陥没するのだから、そういうように、山を切るなら切るで、切ったらどうするかということを考えて切っていかなければ災害が起こるわけです。ところが、あなたの話は、そういう具体的な話がちっとも出てこない。ただ将来考えておる。あなたにここで言えと言っても無理だと思いますが、これは建設大臣国務大臣だし、元官房長官なんだから、こういう森林の問題、今後被害を起こさないように、やはり政府の施策を変えていく。それは生産性をうんと上げて、切るのはいいことだけれども被害を伴うということを考えてやっていくということをしなければ、住民が非常に迷惑をする。だからその点でこれは建設大臣のほうに注文しておきたいと思うのですけれども、この点は将来こういう山林を切り過ぎたからそうなったというようなことが起こらぬように、国の施策として進めてもらわなければならないし、建設省だってそういう関係は深いわけですから、それはやってもらいたいと思うのです。それからもう一つ、ここの問題だけについていえば、あとの対策を非常に心配しているんですよ。それで足和田村の予算は二千五百万円ですわ。それから芦川村のほうはもっと少なくて千八百万円、それで村長の話では、大ざっぱに言って五億ぐらいの被害になるだろう、こういうふうに言っておるのですね。非常に貧乏な村で、特に芦川村なんか生活保護者も相当多いというようなところですね。そうすると、当然先ほど来言われた公共施設復旧というようなものは、激甚災害法の適用その他で、かなりの程度やられるのですけれども、こういう災害のあと一番問題の起こるのは住民個人被害ですね。その生計の道をどうするかということが一番問題になってくるわけですわ。たとえば、農地が芦川村なんかは、これ一カ所だけ米のできるところがずっと埋まっちゃった。というような問題、それから家屋が流失したり、流れないまでも、水が入ってがたがたになってくるというような問題もあるし、それから病人、けが人がある。ところが、この災害救助法打ち切っちゃいましたから、そうすると結局国民健保なり何なりで見てもらわなければならぬ。そうすると自己負担がかかるというような問題があるわけですね。そういうふうな問題も含めて、この被害から住民が立ち直っていくための政府としての援助方針というものがどうしてもついて回らぬと、建設省の仕事だから、ダムをつくることだけ話しますでは、これは片はつかぬわけですわ。そこらの辺どうなんですか、対策本部ですか、総合的にやるところでは。
  72. 橋本登美三郎

    国務大臣橋本登美三郎君) 先ほどちょっとお話のありました、いわゆる山林の伐採の問題ですが、春日さんが非常に建設的なお話をなされてたいへんけっこうだと思います。で、実はさようなことを私も聞いておる。いわゆる広大な地域を一挙に切るということが災害一つではないか。ただ私も専門家でありませんので、それが直接の被害になるのか、あるいは大きな原因になるのかという点はつまびらかにはいたしておりませんが、地元でそういう声がありますので、今回建設省林野庁との人事交流をいたしました機会に、私から指示しておきましたのは、かような声もあるからして、いわゆる県有林の場合でもあるいは村有林の場合でも、伐採についての実利との関係を考慮して行政的指導をするように、ただまあ原因がそこにあるかどうか、まずきわめなければなりませんけれども、もし相当の原因がそこにありとすれば、そういう伐採計画についても、いま言ったぐあいにだんだらに切っていくか、あるいはその区域を適当な治山治水上影響のないようにというか、そういう問題もあわせて検討するようにということを指示をいたしております。  第二の、いわゆる個人の更生、生活の再建でありますが、この問題につきましては、もちろんこの災害対策本部中心となって、各省が協力いたして、これが対策を具体的に進めつつありまするが、建設大臣といたしましても、いわゆる公共土木の復旧は、もちろんこれは私の重点的な責任ではありますけれども、なおそれらのことにつきましても、関係当局、 いわゆるこの県当局もせんだっておいで願いまして、そこで何といっても個人災害といいますか、民生安定、更生がまず第一である。これに対しては現行法律でなかなかむずかしい点もあるけれども、なおそれを乗り越えて、といっちゃ語弊があるかもしらぬが、検討して最善の措置を講じてほしい。それに従って政府としては、あるいは厚生省あるいは自治省とも協力をして、県の施策に対して強力にバックアップをする。まず民生安定が大事であるからしてその点は積極的にやってほしいということを、まあ各県当局にも強く要望いたしております。それだけでは済みませんので、いろんな点においてまだ皆さんのごやっかいになる機会もあろうと思いまするが、政府としては、さような意味で広く個人の問題まで関連をしまして、更生、安定の道を考えておるということを御了承願いたいと思います。
  73. 春日正一

    ○春日正一君 それで、たとえば足和田の助役ですか、村長がいないもんですから、いま選挙やってる、の話でも、これほどの被害を皆受けている。それで個人被害から何とか立ち上がっていく場合に、畑があるとか、幾らか山を持ってるとか、だから山を売れとか、畑を売れとかいうようなことを言わずに、この際何とか国か自治体で立ち直りを見てほしいということを言ってるんですね。その点は建設大臣の管轄外というか、あれですけれども国務大臣ですから、山を失っちまったんじゃ生活基盤を失っちまいますからね。畑売っちまったんじゃ百姓やっていけなくなる。だからそういうことでなくして、実情に即して、やっぱり百姓として生きていけるために、今後何年かかかるわけですから、国として全面的な援助をしてやるというように、先ほど言われたように、法律のいろいろな制限というものがありますけれども、いまの法律のワクを広げられる限り、あるいはこういう特例に関して考えられる限りの方法で、とにかくあそこの住民がこの災害から立ち直っていけるというようなことをひとつやってほしいと思うのですよ。それからこの被害の問題は、いま私一番激甚のところに行ってみたところの話をしたんですけれども、そのほかに全国に及んでいるんです。それで、たとえば海岸の場合、先ほど話のあった静岡県の吉原の鈴川海岸とか、富士市の三四軒屋海岸とか、焼津市の田尻北地区の海岸とか、いろいろたくさん海岸の被害が起こっています。それから今度の場合でも、東京でもかなり起こっていますけれども、この前の四号台風の場合なんかは、都市災害が非常に大きかったんです、神奈川、東京、埼玉。こういうふうにしてみると、災害が山で地形が悪くて雨が降ったからということじゃなくて、日本国中起こっている。そしてそういうものもやはり政府の新しい政策といいますか、産業政策、そういうものに伴って起こっているんですね。たとえば御坂町のゴルフ場ができたですね、三万坪ぐらいな。一昨年ですか。町としては大いに誘致するということで、五百万円もかけて林道ということで道路をつくった、ゴルフ場までの。そして前にあった畑地だの雑木林などを切ってつくった。私行ってみたけれども、ずっと芝がこうなっていますよ。そうすると、去年つくって、少し雨が降ると土砂が流れて畑やその他にみんな入ってしまう。今年はもっとひどいですよ、私行ってみた。相当くずれて下の畑とか水田とかそういうところに土砂が一ぱい入ってしまう。そういうことになったんですね。相模電鉄でやっているようですけれども、そういうような形でゴルフ場をつくるとかなんとかによって、新しいものをやると災害の原因になっている。こういうものがあるわけですわ。こういうものの監督とか指導とかどこでやるようになっているのですか。
  74. 橋本登美三郎

    国務大臣橋本登美三郎君) これは一つは場所にもよりますけれども、春日さんのおっしゃったのは県当局指導することになりましょうが、たとえば直轄河川の敷地とか国有地とかということになれば当然国が、主として建設省がこれを扱う。いまおっしゃったものは県当局が治山治水その他の面から考える、管轄権は県のほうにある、こう理解してよろしいと思います。
  75. 春日正一

    ○春日正一君 それで、その問題はそういう事実としてあげて、責任が県当局にあるということで済ませますけれども、都市の近郊災害ですね。これは今度の台風ではわりあい少なかったんだけれども、四号のときなんかは相当ひどいもんですわ。そして鶴見川なんかははんらんして一万戸から浸水している。しょっちゅうあるんですね、ぼくは鶴見に住んでいるけれども。ところが聞いてみますと、あそこは昭和十三年の水害があって、十四年から国の事業として鶴見川治水をやることになっている。昭和十四年からいまだにちっともよくなっていないということですね。これはどういうことなんですか。
  76. 古賀雷四郎

    説明員古賀雷四郎君) 四号台風における東京周辺の河川のいわゆる被害は多うございまして、特に浸水被害が多かったのと、崖くずれによる人命災害が多かったことが特徴でございます。鶴見川は御指摘のとおり昭和十四年から着工しているんですが、戦前のことはともかく、私も、どういうぐあいにしてそれが進まなかったかということはよく承知していませんけれども、三十五年、治水五カ年計画を立ててから、われわれとしてましても急速に進めるようにいまやっております。特に浸水被害とか、いろいろな問題が従来は比較的問題にならなかったということは、あの流域が非常にたんぼが多くて、若干の浸水には耐えたという問題があったわけです。ところが、最近非常に宅地造成とか、あるいは山を切り開くとか、そういったことで都市の開発のテンポが非常に早く、流域の開発が早いということで、わずかな水でもすぐ急激に水が出てきまして、なかなか水がはけないという問題がございます。それから特に鶴見川の下流流域は非常に人口密集地帯でございまして、そこのところに相当土がたまっている。土がたまっていると申しますか、計画どおりやるためにはかなり土を掘らなければならぬ、そうしなければどうも内水の被害とかいろいろな問題がある。われわれ想定してみましたところ、約三百万立方米近くの土を掘らなければ、この前の四号台風災害をどうしても防ぐことはできないというふうに考えております。特にこれらを掘るには東海道線の問題とか、あるいは京浜電鉄の問題とか、いろいろ施設がございまして、これらの施設の関連でいま具体的な対策を急いでおるわけでございます。こういう災害が起こるということは非常に残念でございますから、われわれとしましても中小河川の改修はもちろん、特に都市周辺の河川につきましては流域の開発のテンポに合うようにできるだけやっていきたい。特に緊急を要する河川につきましてはある一定の年次計画を立てまして、そして計画に従ったやり方をやっていきたいというふうにただいま計画を行なっております。ことしも鶴見川はさようなことで非常に災害が多かったわけでございますが、特に鶴見川の問題点としては河道河川のいわゆる掘さくが非常にできていないということが問題点でございますので、それらの対策を十分講じてまいりたいというように考えております。  それから埼玉県の川口の問題でございますが、これも内水被害が非常にひどい。これは荒川の水位が上昇しますと当然内水が上がるわけでございます。これの上がるやつは、あそこは急激な地盤沈下地帯でございまして、したがいまして、どうしてもこれは荒川の洪水の際には内水の排除施設が要るということで、ことしから一基だけ着工いたしております。これも災害に間に合わなくて残念でございますが、さらに将来の発展を考えると、大規模なものを考えていかなくちゃならぬ。約三カ所ぐらい相当量の排水ポンプが要るだろうということでございます。  それから東京都の中小河川でございますが、東京都の中小河川は改修をやられたところは大体において被害がない、改修の上流点におきまして災害が起きているというのが現状でございます。従来はそういう地点は——これはことばがいいかどうかわかりませんが、遊水地帯として、一応水が遊んでいたところでございます。そこに都市の人口集中によりまして、急激に家が建てられたということで従来の遊水作用がなくなりまして、そういったところに浸水被害を及ぼした。したがいまして、これらを解決するためにはどうしても水系を一貫して解決していかなければいかぬということでございます。これは三十八年の災害におきまして東京都で緊急三カ年計画を立てまして、一応進んでまいりましたけれども、なかなか財源措置ができない。特にオリンピックの関係もあったかと思いますけれども、なかなか財源措置ができなくて、緊急三カ年は達成できなかったんですが、さらにわれわれとしましては、これに負けずに、東京都と打ち合わせまして、緊急三カ年で一体的な施策を打ち出していきたいというふうに考えております。こういう点につきましては、大蔵省と予算折衝中でございますので、具体的に計画の進行をはかるように努力してまいりたいというふうに考えております。
  77. 春日正一

    ○春日正一君 鶴見川の場合にしても河床が上がっておる。十年で三十三センチ以上といわれているんですけれども、同時に地盤の沈下があるんですね、陸地では。だから、この間の四号のときなんかは、かつて出たことのないところに非常に水が出ている。私行って見たところが、水が一ぱいになって、排水管から逆流してマンホールのところからあふれてきている。そういうふうな状態です。人口の非常に密集した、しかも労働者の住んでいるところはそういうふうな状態です。やはりいま言われたように、しろうとが考えても、河床の上がったのを下げて、地盤の沈下したところを上げていくようにすればいいにきまっているんですけれども、これが非常におそいだけでなくて、たとえば神奈川の鶴見川の河口に千メートルぐらいの埋め立てをやっている。河口を狭くしてきているんですね。そういうふうな条件があるし、遊水池は民間に払い下げて埋め立てて高く盛ってしまう。市場、矢向地域なんかは盆地になっている。水がたまったら出なくなるというような状態です。こういうことを見ると、埼玉の場合もそうですけれども、いろいろ工業開発とか何とかいうものが進められて地下水を汲む。埼玉の川口なんか二百何十本も井戸を掘って、それが配水されていくわけですけれども、地盤が下がる、排水量はふえる、しかもポンプのほうはついていかないというような状態でああいう大きな水害が出てくるんですね。だからそういうことを考えてみますと、やはり政府の施策の中で、産業開発とか、工場建設とか、そういう方面はぐっと進めるけれども、それに伴って起こる災害の条件をなくしていくとか、住民の福祉をどうするとかいうことがほとんど省みられていない。たとえば鶴見川の場合でも、この前の水害のときに聞いたのでは、やはり県当局なんかは百四、五十億かかるというふうに言っているけれども、国の五カ年計画では三十八億の予算が組んである。しかも一億円ぐらいしか実際に金が出ていないのだというふうなことですね。そうすると、三十八億を一億円ずつですと三十八年ですね。三十八年かかってしまう。これをもっと早くやらなければならぬ、早くやっていくようにしなければならぬということになると、やはり一番問題になるのは予算関係と言いますけれども——これはあなた方も努力してほしいと思うのだけれども、やはり予算がないということを言うんですね。あの新聞を見てもこう言っていますよ。木村というこれは砂防部長ですか、新聞に出ている。この人の意見として——これは新聞の切り抜きも持っていますけれども、植林だけでは十分防げない、根本対策砂防ダムだ、毎年危険河川二千五百カ所ずつやっている、全国危険個所四万、工費六兆、現状では二百年かかる、こう言っているんですね。予算さえあれば二十年でできると、かれは言っているんですよ。そうすると、政府のあれで見ますと、私どもにくれた資料でも、二十年後の国民生活とか、二十年後のビジョンというものを、盛んにわれわれに繁栄のビジョンを見せてくれるけれども防災は二百年後のビジョンしかないということになると、これは十対一ですね、非常な不つり合いだ。そうしたらやはりこっちのほうへ——これはもちろん四兆三千億なら四兆三千億をどう使うかという使い道の問題なんだから。玄関ばかりきれいにして台所や肝心のところをきたなくしておいたのじゃしかたがないから、やはり全体の予算の中で防災の予算をもっとうんとふやさなければほんとうに防災ということの実をあげられないのではないか。現実に防災工事をやっておりますけれども、さっき言ったように新しい事業災害の原因をつくっているのですから、追っつけないですよ。そこらの辺、どうですかね、大臣の覚悟のほどは。
  78. 橋本登美三郎

    国務大臣橋本登美三郎君) いまの話は、たぶんその人の話は、現在のような予算をもってしてはと、こういうことだと思うんです。建設省が二十年構想というのは、現状の予算だけではもちろんそれはできやしません。したがって、治水関係につきましても二十カ年間には国民所得から考えて大体二十一兆円というものが投入することが可能であろうと。その計算とは違うんです、さっきの木村君の話は、いまの程度の金を使ったらこれだけかかるよというのがそれなんです。もちろん毎年予算は十数%ずつ上がってまいりますからして、のみならず二十年後の国民所得を計算すれば、その間に投ずる金は二十一兆円である。そういう関係からみれば、必ずしも十対一ではない。ところが、ほかの住宅関係なんかも同じようなレベルで進むかどうかは別にいたしまして、もちろんそれで治水が終わるというのじゃありませんから、したがって、二十年たてば災害が一切いかなるときも起きないんだというだけの自信は、私も相当の自信家ではありますけれども、そこまで断言できませんが、しかしながら建設省考えているのは、たとえば住宅についてもこの二十年間に百兆円投ずる必要があろう、治水計画は二十一兆円投ずる必要があろう、こういう見地からいえば少なくとも二十年後はある程度の災害は防げるような治水計画は可能であろう、またそうしなければならぬというような考え方でやってまいります。先ほど来お話がありました高度産業、産業の高度成長ということと国民の社会基盤の強化ということのアンバランスがありはしないか、従来さような傾向があったとわれわれも考えております。したがって、建設省のいう国づくりというものは、それらのアンバランスをある程度是正して、そこで国民生活、一人一人が豊かな生活のできるような社会的な基盤をつくっていきたい。そのためにはいま申しましたように住宅には百兆円、あるいは治水には二十一兆円、道路には約五十兆円、こういう金を投ずれば国民一人一人がある程度安心し、そうして豊かな生活ができることが可能である。しかもそれが現在の日本の経済成長の点から考えて、大体これはまあ一〇%前後に考えることになりましょうが、そういう点から考えてこれらは可能である、こういう全体的な構想のもとでいわゆるこの治水事業も進めていきたい。したがって、もちろん一両年で春日さんのおっしゃるようなことを満足せしめることは不可能ではありますけれども、少なくとも一歩一歩その段取りをもって進めていくという強い姿勢をもってまいりたい、かように考えております。
  79. 春日正一

    ○春日正一君 二十年後はそういう話でいいですけれどもね、さっき言ったように毎年起こるし、非常な大きな被害を受けているんですね。そういうことを考えるときに、やはりことしから来年、再来年、ここすぐ、たとえばさっき言われた芦川みたように砂防指定がしてあって、しかもそこは全然建設省としては手はつけない、林野庁がダムを入れたところだけが免れたような状態になっている。そういうところを調べ、あるいは鶴見川の問題にしたって、埼玉の問題にしたって、このままにしておけば雨が降れば必ずそうなることはさまっている。埼玉なんかひどいです。旧芝川なんかというのは、上のほうはダムでとめてしまって、出口をせきでとめて、水の流れがしなくなって、ポンプアップだけで出している。ところがポンプが小さい。だから、あふれざるを得ないようになっている。そんなものは緊急にやはり予算を組んで直すということにしてもらいたいと思うんですよ。あとは私、政府のやっていくところを見ながら具体的な問題について具体的に大臣なり、あるいは当局なりに問題を持ち込んでいきますけれども、国民はその点では非常に不満を持っておりますよ。痛めつけられるというのは、大体低地に住んでいるのは貧乏人でしょう。一番苦しい人たちが痛めつけられて、しかも復興のめんどうをみられていない。そこを力を入れてやってもらわなければならぬし、明年度の予算でどのくらい予算が取れるか刮目して見ていますが、至急にこういう事業指定、緊急の砂防のための予算をふやしてピッチを上げてもらわないと、鶴見川なんかどうにもならぬでしょう。いまの状態じゃやはり相変わらずでしょう。そこのところやってもらいたいと思いますが、どうですか。努力してくれますか。
  80. 古賀雷四郎

    説明員古賀雷四郎君) 鶴見川は御指摘のとおりたいへんな災害でありますが、現在われわれとしましては鶴見川全体といたしまして約四億五千万の予算をつぎ込んでおります。これも従来は非常に少ない金でございましたけれども、最近非常に急激にここ二、三年伸ばしております。ただ鶴見川を助けるためには緊急的に考えましても、直轄だけでも約六十数億要るだろうというふうにわれわれ考えております。これをどう組んで予算計画へ盛っていくかということは、案は持っておりますけれども、大蔵省とそういう案で、たとえば三ないし五年くらいでこれを解消してしまうという計画の案でございますけれども、それで予算折衝いたしているわけです。したがって、この予算が取れてみないと、ちょっとこれが達成できるということはなかなか言いにくいのでございますけれども、できるだけそういう方向で十分考えていきたいという考えでおります。なお芦川村の砂防指定というのは、ちょうど四十一年に施行しておりますダムがございまして、これも若干手おくれになっておる。先ほど申し上げました川口の排水ポンプもことしから予算をつけたところへ災害がきた。これはあとから言っても非常に言いわけみたいになってたいへん恐縮でございますけれども、われわれとしましては、そういうことを察知してできるだけ早期にやりたいというふうに考えておりますけれども、なかなか手が伸びないというのが現状かと思います。御趣旨に沿うように格段の努力をいたしたいと思います。
  81. 松永忠二

    委員長松永忠二君) それじゃ最後に、要望だけ申し上げて終わりたいと思います。  私も被災県ですので、少し質問したいと思いましたが、だいぶ時間もたちましたし、いろいろ出てまいりましたので、ひとつ今後御努力いただくことにして、私は、今度の災害にあたって建設大臣が被災県の知事を招いて、そして緊急の要望事項を聞かれたり、あるいは予算措置についての閣議了解をやられた緊急のやり方については、従来に例をみないところだと思うのです。そういう意味で非常な御努力の点を私たちは感謝したいと思うのであります。特にお話の出てきておりますように、政府としてはこの際個人災害については何か立法措置考えてみたいというふうなことも、これはまあ総理府、厚生省等の関連あることですけれども、そういうことも考えられているのですが、これまた非常に私たちとして賛成するところですが、特に建設省に関係したこととして、住宅について融資の金額のワクを高める、あるいは弾力的な措置をされるというふうなことは、私たち災害の際に、住宅復興については非常に実は規格がきびしくて、要望に沿う復興が困難だという経験を持っているわけですけれども、こういう点について特に個人住宅被害の多かった今度の災害にあたって、これを措置されるということは非常に重要なことだと思うので、今後弾力性を持ってやっていただきたいと思うわけです。なお建設省農林省人事交流の問題は、すでに河野さんのときに一度やられたわけです。その後われわれの知らない間にまた取りやめになって、再びまた今度の災害を機会に橋本さんの手でそれが行なわれるということで、私たちはどうしてもやはりこの農林省特に林野庁建設省砂防の問題についてのことについてはよほど調整が必要だということを感じているだけに、これまた非常に適切な措置だと思うんです。  それからなお、きょうも御説明があったように、危険地域指定をして建築の規制をしたいということについては、実は私たち梅ケ島等の問題について、きょうの答弁では満足できない点が幾多あるわけなんで、やはり規制が非常に必要だということを感じているわけです。  それからもう一つ河川局長からお話のあった、こういう地帯についてはどのくらいの降雨量があれば避難をしなければできないかという、そういう措置についての雨量計等の備えつけの問題はこれまた非常に必要だ。百人にのぼっている旅客のいる梅ケ島で避難命令が出ていないということについては、やはりそういう措置について常時の問題があるんじゃないかということを特に感じているだけに、これは言うだけでなくてひとつ具体化してほしいということを要望したいところです。  なおきょう御説明のあった治山治水五カ年計画の再検討をしたいと、特に治水計画について、これは道路計画と同じように新しい計画を立てようという要望があったのが繰り上げてまあまあいこうじゃないかというように私たち聞いておったのを、この際にやはり治山治水計画の第三次計画を改めていきたいというその考え方は私たち非常に必要だと思うので、これもひとつ言われることをそのまま実行されるようにひとつお願いをしたいと思うんです。  特にもう一点は、皆さんから御指摘のあったように、少し手当をしたところについては非常によかったと、たとえばさっき申しましたように、大谷くずれは建設省が直轄でやっていて、相当今度の場合には大谷くずれのほうからの被害が出そうであったのに、梅ケ島のほうに出たということについては、私は林野庁のほうをとやかく言うわけじゃありませんけれども、このほうが少しおくれたということは事実なんで、こういうところに災害が出てくる。あるいは防潮堤についても、お話ありましたように、これまたテトラポットを置いていたところについては比較的被害が少なかった。で、同じ静岡県の場合でも富士の海岸は底が洗われて、そうして防潮堤の下のほうが破壊をされている。侵食をされている。吉原のほうは逆に海岸が出ているけれどもその砂が防潮堤に入り込んでいた。これを取り払うことがいいか悪いかということについての御説明もありましたけれども、これまた私たちはきょうの説明だけでは満足はできません。やはり科学的な調査をして、はっきりした結論を出していくべき筋合いのものだと思うわけです。こういうことを考えてみたときに、たとえば焼津の海岸等についても、その高さというものは非常に不備であったと思うんです。そういうことについて非常にこの際検討して、いわゆる改良復旧をやってもらわなければ、従来の復旧だけではなくて、この際関連事業とか改良復旧に相当力を入れてもらわにゃできぬ点があるので、これはすでにもう具体的に検討され、今後科学的に調査をして検討していこうとされているわけなんです。これはひとつぜひ努力をされて、この際ひとつもう一歩進めてやれば今後だいじょうぶではなかろうかという防潮堤のかさ上げ検討、あるいは砂防についての根本的な問題等についての対策について、具体的に構想をひとつ今後まとめていってもらいたいと思うわけです。  以上の点を私要望いたしまして、この問題について建設省、あるいはまた政府等の非常に努力された点については十分理解されます。なお不備な点等ひとつ十分に検討されていただきたい。その点について大臣局長にひとつ御答弁をいただきたいと思うのです。
  82. 橋本登美三郎

    国務大臣橋本登美三郎君) ただいま委員長から要望されました諸点、まことに重要な諸点であります。現在すでに建設省やっておる点もありますが、まだ具体的に手のかかっていない点もありますので、いま要望されました諸問題につきましては、これを積極的に検討を加えてやるものはさっそくやると、で、私はことしからでもやれるものはどんどん予備費を要求してやれということで強く要望して、御承知のようにダムの問題でも本年のうちに五基は、災害地区でありますが、これをやることに決定をして、すでに工事を近く始める段取りになっております。やれるものはさっそくやると、まあ多少調査の必要なものはありますから、たとえば防潮堤の蚕食地区に対してテトラポットを置くということはもちろんこれはいいことだと思います。これはもうさっそくやらなくちゃならぬ。それについては全国的にいろいろな点を至急に調査をしまして、必要があるところは、あるいは予備費でも、あるいは追加要求をいたしましてもやっておく、こういうことで前向きにこの問題は処理をいたしてまいりたいと、さようなことを申し上げて、委員長の御要望に対しては善処いたしたいと考えております。
  83. 古賀雷四郎

    説明員古賀雷四郎君) 御指摘の点、まことに緊急を要することでございますので、御趣旨に沿うようにひとつ努力したいと、特に具体的に申し上げますと、災害危険地域調査につきましては大臣からの御指示もありまして、早急に調査をするということにいたしております。ただいま予備費を大蔵と協議中でございます。  それから、雨量計の設置につきましては、これは先ほど申し上げましたとおり、金はそうかからないわけでして、そういった点で簡単にできるかと思いますので、今度の河川砂防課長会議で指示したいと、行政指導したいというふうに考えております。  それから、治山治水計画の再検討につきましては、これは大臣も御指示もありましたし、特に最近の降雨が非常に異常な状態にあると、それから災害の実態が従来より若干変わってきたと、それからまあ流域の開発が非常に進展してきたということに即応するような国土の保全計画でなくちゃいけませんので、そういう点でわれわれも、来年度、ことしから来年にかけまして治山治水計画の再検討をやるようにいたしたいというふうに考えております。来年の予算要求に間に合うようにいたしたいというふうにただいま検討中でございます。  それから、防潮堤の点は先ほど大臣からお話がありましたようなわけでありまして、重複しますので、省略さしていただきます。十分検討しまして処理したいというふうに考えております。
  84. 小山邦太郎

    小山邦太郎君 三分間だけひとつ。たいへんお忙しいようですが、ただいま飛び込んで、いなかからやって来ました。この問題について非常に御心配いただいていることもよくわかります。お答えは要りません。お許しを得て三分間ばかり希望だけを述べて御考慮をわずらわしたい。それは私の見るところ、農林省もまた建設省もこの問題で御苦労になっていることもよくわかりますが、根本的には制度上考慮を要するものがあると存じます。農林省林野庁がですね、かつて独立会計に踏み切ったことは非常に意義があったと思う。とにかく独立会計にして、山から得た金は山に返すということに私は独立会計の意義があったと思うのですね。しかるに、戦時中得た山の収入もどんどんほかへ使われてしまいながら、不足のうちにもとにかく独立会計で今日まで植林も相当にできましたけれども、今後は植林をしてもらわねばならないところは、大かた従来以上に金のかかるところなんです。それは人夫賃がかさみ、独立会計の制約から勢い採算有利のところはどんどん切られがちであって、必ずしもそうとばかりは言えなくも、人情としてたやすい金になるところを切って、そうして金のよけいかかるところはどうもあと回しになるというおそれが十分ありはしないか。いまや林野庁の独立会計の意義は薄れ、治山目的達成のための一般会計からふんだんに林野庁に金をつぎ込んでやれば別です。そうでないと、私は独立会計というものは今日ではもう意味をなさない、赤字になって。赤字のものにこれもやれ、あれもやれといったって、なかなかできるものでない、この点制度上考えてもらう必要があろう。  次に、建設省農林省との治山治水上の連絡である。これは人事の交流やいろいろなことで往年よりよほどよくなっております。よくなっておりますけれども、どんなによくなっても予算が足りないのだ。そうして予算の足りないのは今後農林省のほうが一そう不足を訴えることになると思うのです。これらの点を、奥地の植林にそろばんがとれるはずはない。採算は合わなくとも木を植えべきところには植えなければならない。それにはやはり国費をもっとつぎ込まなければできない問題じゃないか。これらの点に思いを寄せてもらいたい。  私は思う。外敵を防ぐために防衛庁があれだけの金を使うことも必要であるが、近時ひんぴんたる水害を思うにつけ、国土保全のためにはもっともっと私は計画的に金を使っていかなければならないと痛感する。この間も南木曾へ行ってみましても、奥地のいいところをみんな切ってしまって、これから植林をしてもすぐは育たない。その砂防も、これは建設省でやってよいであろうと思うところの砂防農林省のほうでやって、そうして奥地の植え付けのほうはどうもおくれているというようなところもあるようですから、ひとつ御研究を願いまして、これも根本問題として国土保全の見地から十分ひとつ御研究をわずらわしたいと思います。お願いします。
  85. 手束羔一

    説明員手束羔一君) ただいま小山先生からお話がございましたが、ちょっとふえんして御説明申し上げますが、林野庁でやっておりまする治山は国有林野の治山だけでございませんで、国有林野と民有林野につきまして治山を実施いたしておりまして、治山五カ年計画では民有林野につきまして千三百億、国有林野につきまして三百七十億、その三百七十億の分につきまして当初は特別会計のほうから出す予定でございました。しかしながら、御指摘のとおり、特別会計も相当苦しくなってまいりましたので、本年度からは国有林野の治山につきましても国有林野内臨時治山事業といたしまして一般会計のほうからこれに投入するという道を開いております。ことしもその線に沿いましてそう努力いたしたいと考えております。  以上でございます。
  86. 松永忠二

    委員長松永忠二君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午後一時三十一分散会