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1966-09-29 第52回国会 参議院 決算委員会 閉会後第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年九月二十九日(木曜日)    午前十時二十九分開会     —————————————    委員異動  九月二十九日     辞任         補欠選任      北村  暢君     小林  武君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         鶴園 哲夫君     理 事                 佐藤 芳男君                 内藤誉三郎君                 仲原 善一君                 相澤 重明君                 二宮 文造君     委 員                 木内 四郎君                 黒木 利克君                 高橋文五郎君                 山本茂一郎君                 稲葉 誠一君                 大森 創造君                 岡  三郎君                 小林  武君                 柴谷  要君                 達田 龍彦君                 藤原 道子君                 瓜生  清君                 岩間 正男君                 石本  茂君    国務大臣        文 部 大 臣  有田 喜一君    事務局側        常任委員会専門        員        池田 修蔵君    説明員        大蔵政務次官   小沢 辰男君        文部政務次官   谷川 和穂君        文部大臣官房会        計課長      井内慶次郎君        文部省初等中等        教育局長     斎藤  正君        文部省大学学術        局長       天城  勲君        文部省管理局長  宮地  茂君        食糧庁長官    大口 駿一君        会計検査院事務        総局第二局長   井上  鼎君    参考人        農林漁業金融公        庫        大沢  融君        日本開発銀行副        総裁       石原 周夫君        農林中央金庫理        事長       楠見 義男君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○理事辞任及び補欠互選の件 ○昭和三十九年度一般会計歳入歳出決算昭和三  十九年度特別会計歳入歳出決算昭和三十九年  度国税収納金整理資金受払計算書昭和三十九  年度政府関係機関決算書(第五十一回国会内閣  提出) ○昭和三十九年度国有財産増減及び現在額総計算  書(第五十一回国会内閣提出) ○昭和三十九年度国有財産無償貸付状況計算書  (第五十一回国会内閣提出)     —————————————
  2. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  委員異動について報告いたします。  本日、北村暢君が委員辞任され、その補欠として小林武君が選任されました。
  3. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 次に、八木一郎君から、都合により理事辞任したい旨の申し出がございましたが、これを許可することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  つきましては、直ちにその補欠互選を行ないたいと存じます。互選は、投票の方法にようないで、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事内藤誉三郎君を指名いたします。
  6. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) これより昭和三十九年度決算外二件を議題といたします。  午前は、文部省決算について審査を行ないます。まず、文部省決算について説明を聴取いたします。有田文部大臣
  7. 有田喜一

    国務大臣有田喜一君) 私、文部大臣としてこの委員会に出るのは初めてでございますが、御承知のとおり先般の内閣改造にあたりまして、文部大臣の重責をになうことになりました。ひとつよろしくお願いいたします。  昭和三十九年度文部省所管一般会計及び国立学校特別会計決算概要を御説明申し上げます。  まず、文部省主管一般会計歳入につきましては、歳入予算額一億七千七百三万円余に対しまして、収納済み歳入額は二億一千四百六十二万円余であり、差し引き三千七百五十九万円余の増加となっております。  次に、文部省所管一般会計歳出につきましては、歳出予算額四千四十九億二千六百二十二万円余、前年度からの繰り越し額三十三億二千五万円余、予備費使用額十六億五千八百八十三万円余を加えた歳出予算現額四千九十九億五百十一万円余に対しまして、支出済み歳出額は四千六十四億八千二百三十一万円余であり、その差額は三十四億二千二百八十万円余となっております。  このうち、翌年度へ繰り越した額は二十八億四百五十九万円余で、不用額は六億一千八百二十万円余であります。  支出済み歳出額のうち、おもな事項は、義務教育費国庫負担金二千二百二億五千三百三十万円余、国立学校特別会計へ繰り入れ千百五十六億三千五百七万円余、科学技術振興費四十三億七千六百七十三万円余、文教施設費百八十九億九千三百三十七万円余、教育振興助成費二百四十八億一千九百五十八万円余、育英事業費八十六億一千五百三十八万円余、青少年対策費十一億三千百四十四万円余、オリンピック東京大会実施諸費三十七億二十五万円余、南極地域観測再開準備費十二億八十八万円余となっております。  次に、翌年度繰り越し額二十八億四百五十九万円余についてでありますが、その内訳のおもなものは、文教施設費で、用地の選定、気象条件設計変更等により、工事施行不測日数を要したため、年度内支出を終わらなかったものであります。  次に、不用額六億一千八百二十万円余についてでありますが、その内訳のおもなものは、教育振興助成費のうち準要保護児童生徒給食費補助金で、補助対象となる準要保護児童生徒の数が予定より少なかったので、補助金を要することが少なかったこと等により、不用となったものであります。  次に、文部省におきまして、一般会計予備費として使用いたしました十六億五千八百八十三万円余についてでありますが、その内訳のおもなものは、公立文教施設災害復旧費補助に要した経費であります。  次に、文部省所管国立学校特別会計決算についてご説明申し上げます。  国立学校特別会計収納済み歳入額は千四百八億八百九十六万円余で、支出済み歳出額は千三百八十七億四千七百三十七万円余であり、差し引き二十億六千百五十九万円余の剰余を生じました。  これは国立学校特別会計法第十二条第一項の規定により、翌年度歳入に繰り入れることとして、決算を結了しました。  その内容について御説明申し上げますと、まず、歳入につきましては、歳入予算額千四百八億二万円余に対しまして、収納済み歳入額は千四百八億八百九十六万円余であり、差し引き八百九十三万円余の増加となっております。  次に、国立学校特別会計歳出につきましては、歳出予算額千四百八億二万円余、国立学校特別会計法附則第二項の規定による前年度繰り越し額九億八千四十七万円余、昭和三十九年度特別会計予算総則第十五条第六項の規定による使用額一億三千五百七十六万円余を加えた歳出予算現額千四百十九億一千六百二十六万円余に対しまして、支出済み歳出額は千三百八十七億四千七百三十七万円余であり、その差額は三十一億六千八百八十九万円余となっております。  このうち、翌年度へ繰り越した額は十八億六千八百八万円余で、不用額は十三億八十一万円余であります。  支出済み歳出額のうち、おもな事項は、国立学校八百十九億八千二百九万円余、大学附属病院二百十八億一千二百九十九万円余、大学附置研究所百一億九千二百十九万円余、施設整備費二百四十五億七千五百五十六万円余となっております。  次に、翌年度繰り越し額十八億六千八百八万円余についてでありますが、その内訳のおもなものは、施設整備費で、設計変更用地関係、資材の人手難等により、工事施行不測日数を要したため、年度内支出を終わらなかったものであります。  次に、不用額十三億八十一万円余についてでありますが、その内訳のおもなものは、施設整備費のうち学校施設費で、学校財産処分収入予定より少なかったので、これに伴う施設費を要することが少なかったこと等により、不用となったものであります。  次に、国立学校特別会計におきまして予備費として使用いたしました金額は、八千七百六十九万円余でありまして、これは国立学校施設その他災害復旧費に要した経費であります。  次に、昭和三十九年度特別会計予算総則第十五条第六項の規定による使用額一億三千五百七十六万円余についてでありますが、その内訳のおもなものは、奨学交付金増加に必要な経費であります。  なお、昭和三十九年度予算の執行にあたりましては、予算の効率的な使用経理事務の厳正な処理に努力したのでありますが、会計検査院から不当事項四件の御指摘を受けましたことは、まことに遺憾でありまして、今後は一段と事務の適正をはかり、乙のようなことのないよう努力いたす所存であります。  以上、昭和三十九年度文部省所管一般会計及び国立学校特別会計決算につきまして、その概要をご説明申し上げた次第でございます。
  8. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 次に、会計検査院当局から検査報告を聴取いたします。井上会計検査院第二局長
  9. 井上鼎

    説明員井上鼎君) 昭和三十九年度文部省決算検査概要を申し上げます。  検査報告不当事項として掲げましたものは、補助金四件でございますが、その内容は、要保護及び準要保護児童生徒就学援助事業青年学級運営事業及び私立大学研究設備購入事業の各補助につきまして過大な精算を行なっていたもの、及び対象外のものに補助したと認められるものでございます。  なお、これらにつきましては、いずれも是正済みとなっております。  以上でございます。
  10. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) これより質疑に入ります。質疑のおありの方は、順次御発言願います。
  11. 岡三郎

    岡三郎君 問題点は幾つかあるわけですが、本日は、先ほどの委員長理事打ち合わせ会報告にもあったように、大体昼ごろまでを目途としてやるということでありまするので、集約してお尋ねいたしたいと思います。  まず第一に、国立学校施設整備、特に大学の問題でございまするが、昨年から大学生急増という問題にあっていろいろと前々からこの対策をやられてきておるわけですが、昭和四十年の五月の現在で、整備を必要とする建物がおよそ百二十七万坪と、こういわれておりまするが、そのうちに大学学部、この不足並びに危険校舎その他によりまして、大体約八十五万坪程度を必要とするというふうにいわれておりまするが、これらの大学生急増に対する整備の進められ方が非常にのろいのではないかというふうな印象を持つわけですが、どういうふうに進められているのか、ひとつその点説明を求めます。
  12. 宮地茂

    説明員宮地茂君) 国立学校施設につきましては、御存じのように現在十分に整備されておるという実情でありませんのはまことに遺憾なことでございますが、御指摘のように、いわゆる基準坪数に対しまして不足している坪数、あるいは校舎はございますが老朽になって危険な建物で改築を必要とするもの、あるいは、最近は統合が進捗いたしておりますが、学校を統合するために必要な増加坪数、こういったようなものが今後整備をしなければならない坪数でございます。私どものほうといたしましては、一応予算的な考えといたしましては、学生増募分、これは暫定的な措置でございますので、学生増募というものをひとつ柱として考える、先ほど申しましたようないろいろな理由で不足いたしておりますが、既設の学部等についての整備、それから病院整備、こういつたように予算的には分けて考えております。で、御質問学生増募に対しまする施設整備でございますが、考え方といたしましては、三年計画で充足していく、四十二年度に四千名の増募をするといたしますと、その生徒が四十二年四月に入ってまいります。それで初年度一般教養関係のもの全部と、それから専門課程に必要なものの三分の一、二年度専門課程の三分の一、三年度残りの三分の一ということで、一応三年計画学生増募に対する施設整備を行なう、こういう計画で進んでおります。
  13. 岡三郎

    岡三郎君 有田文部大臣の前のときに、毎年新学期を迎える前、いわゆる入学試験の時期になるというと、大体大学生急増に対する対策はどうなのか、これは絶えず言われてきていることですが、これに対して文部省施策が非常になまぬるい。したがって、そのしわ寄せを私立学校の増募の方向へ集中さして、そうして水増し定員文部省のほうで一応定員をきめておるのにもかかわらず、これを黙認する形で水増しして、倍程度、もっとひどいところはもっと多くの水増し入学というものをさせながらこれを糊塗している、こういう点が指摘されておるわけですが、いまの御答弁によって、三年計画ということになれば、これは大学急増対策には間に合わないのでね、実際問題として。これはいま臨時措置として大体増募関係百五十六億円要求しているということになってきますが、一体、来年度のいわゆる浪人を含めた大学志願者収容能力との関係はどうなっておりますか。私の聞いたのは、来年大学を受ける浪人を含めた志願者の数、それに対しまして受け入れ方で国立大学私立大学を含めてどの程度になっているのか、いま文部省が考えているところの数字をもって説明してもらいたい。
  14. 天城勲

    説明員天城勲君) 大学明年度志願者と、それから大学収容定員ないしはそれに伴う施設関係でございますが、未確定の要素がたくさんございますけれども、昨年から大体の見通しを立てておりまして、それによりますと、国立大学につきましては、明年大体四千名の学生の増をいたしたいと考えております。なお、志願者収容定員との関係でございますけれども、私学のほうにつきましては、私たちのほうで新しい大学新設ないしは学部増設等要請が九月一っぱいで出てくることになっておりますので、現在のところまだ締め切っておりませんし、なお、この要望が出ましてから、御存じ設置審議会審査を経て明年度新規増の問題が最終的に決定いたしますので、現在の段階で正確な数字を申しかねるわけでございますが、従来の推計から見まして、大体志願者の六割くらいが入学可能な方向で、全体の措置を考えていきたい。国立につきましては、ただいま申したような形で四千を目標施設教員等予算要求明年度いたしておりますが、私学につきましても、この一応の目標を定めて新しく増設される分野につきましての設備施設につきましては私立学校振興会を通じての融資で認可定員措置はいたしたい。概略そういう考え方でおるわけでございますが、最終的な数字につきましては、もうしばらく時間的に待って正確な数字を定めたいと、こう考えておるわけでございます。
  15. 岡三郎

    岡三郎君 いつでもまぎわになって大騒ぎするわけですが、いま私がお尋ねしているのは、推定でけっこうなんですが、大体大学入学志願者の数、いま国立大学で四千名の増ということで、あと新設大学がいま審査中だということになっておりますが、そういうものを含めて一体推定でいいですから大体何十万名なら何十万名で、どのくらい大体収容人員があるのかというふうなことは現在わかっているだろうと思うので、過去から推定して大体どういう状況に置かれるかという点についてもうちょっと詳細に説明してください。
  16. 天城勲

    説明員天城勲君) これは御質問にもございましたように、過去からの一つ推計でございますし、計画というほどはっきりした数字になってはおりませんけれども、四十二年度大学志願者、これはいわゆる浪人も含めまして、どのくらいになるかといいますと、大体七十五万余、七十五万をこえるという見通しを立てでおります。これに対しまして、従来からの傾向で申しますと、四十万余の入学私学国立を含めて可能になるんじゃないか、大体こういう現在のところの推計でございます。
  17. 岡三郎

    岡三郎君 いまの七十五万人の大体内訳ですね、明年度卒業する方と、それから浪人の数、大体の推計でいいですが、それから四十万余という入学する人の内訳として、国立が大体どのくらい、私立がどのくらいということをちょっと説明していただきたい。
  18. 天城勲

    説明員天城勲君) この浪人の再受験の率というものがなかなか推計がむずかしいのでございますが、最近の傾向から見ますと、大体多い年で九〇%近い年もございますし、八〇%ぐらいの年もございますが、明年一応傾向といたしまして八〇%がカンバックするというので、これが二十一万七千と見込んだわけでございます。それから高校新卒志願者でございますが、毎年高校新卒大学志願者の率が年間——これも年によって違うのでございますが、一つ傾向がございまして、〇・三%ぐらいずつ上がってきておりますが、その傾向見当をつけまして、明年三三%から四%の間と考えまして、五十三万から四万の間、これが新卒として受験戦線に出てくる、こう考えているわけでございます。
  19. 岡三郎

    岡三郎君 それに対して入学内訳は。
  20. 天城勲

    説明員天城勲君) 国立の先ほどの定員の問題でございますが、国立は先ほど申したように大体増員される者四千と見当をつけております。四千と見当をつけておりますので、他の部分は私学新設と、ぞれから従来の学部学科学生増というこの両方でこなされていくものですから、大体国立が一割、九割は私学という形になろうかと思っております。
  21. 岡三郎

    岡三郎君 数字で言ってもらいたいのだ、一割とかなんとかじゃなくて。
  22. 天城勲

    説明員天城勲君) これは見込みなもんですから、数字的にいま申し上げても……。
  23. 岡三郎

    岡三郎君 推定でいいんだよ。
  24. 天城勲

    説明員天城勲君) 先ほど申したように、大体四十一万から二万ということを申し上げたのですが、いまの四十一万と見込んだ場合に、国立のほうは四千加えまして、六万七、八千の数字になっています。ですから残り私学になるわけでございますので、三十三万くらいが私学というわけでございます。
  25. 岡三郎

    岡三郎君 そのうち、その三十三万大体私学で受け入れるとして、現在の増員を含まない、学校増設を除いて、現状において、いまきめられている大学定数、出ておりますね、この私学のほうの定数一体幾らです。
  26. 天城勲

    説明員天城勲君) お尋ねはおそらく認可定数実員との比率ということになるのじゃないかと思いますが……。
  27. 岡三郎

    岡三郎君 認可定数の数を言ってもらえばわかる。
  28. 天城勲

    説明員天城勲君) 私学認可定数は、結論として、前年度定数実員との開きと申しますか、倍率が一・六三となっております。
  29. 岡三郎

    岡三郎君 国立大学は幾人募集するのだということくらい言ってもらわぬと、増員四千名を含めて。
  30. 天城勲

    説明員天城勲君) 四十一年度入学定員数で申し上げますと、私立大学は十八万五千八百一でございます。それから国立大学が六万三千百六十六でございます。
  31. 岡三郎

    岡三郎君 どうも時間がないのでやりにくくてしょうがない。  そのいまの御答弁で、これは推計ですから厳密には言えないと思うけれども、大学生急増ということはっとに言われてきておるわけです。これはもう中学、高校急増から漸次ずっと押せ押せできておるわけです。やはりこれに対する対策というものは、入学試験前でないというと騒がれない。その時期が過ぎるというとまた下火になっていく。そして毎年浪人の数がふえていく方向であるということに対する施策というものが非常にいわれておるわけです。いまの時代入学試験地獄時代、もう学生の中に行くというと、入学試験以外のことは考えないというような状況ですね。そういう中で国立大学収容人員——七十五万人と推計されている、志願者ですよ、志願者の中で六万三千。いま四千をこして大体七、八千になるということですが、これは全く焼石に水と大臣思いませんか。国のほうとしてこれは施策をやっておるかやっていないかと言われると、これはやってないと言われても過言じゃないのじゃないかと思う。まことに政治的な問題については、いろいろと大臣は言われておるが、しかし、基本的な問題について文部省はもうちょっと積極的に取り組んでもらわにゃいかぬと思っておるのだが、なるほど金がかかりますが、これは国の将来の大問題です。それで四千名ということで糊塗されておるということは、これは情けないと思うのですがどうでしょう。大臣のいわゆるこの文教施設に取り組むところの姿勢というものをもっと聞いておきたいと思うのだ。
  32. 有田喜一

    国務大臣有田喜一君) 大学をできるだけ受験生の要請に合うように満たしたいという気持ちは十分あるのです。ところが一方、社会的の需要を見ますと、理工科系は相当社会が受け入れをやっているのですけれども、法文科系になってきますと社会がそのまま受け入れない、いわゆる学校卒業後、浪人として就職口がなくて困っている人が相当あるのです。そこで、急増対策として、一般法文科系なら、わりあいこれを早く満たしやすいのです。けれども一方、社会需要から見れば理工科系をふやす必要がある、こういうことでありまして、理工科系となればなかなか、いろいろな施設なりいろいろな準備がかかりまして十分なことはいかない、その辺の事情を考えながらできるだけ教育を充実さして多くの人が入れるようにさしたいと思うのでありますが、現在問題となっているのは、社会需要から見た法文科系理工科系とのアンバランスですね、そこに今日問題が相当あるのです。そういうことを考えながら国立大学の充実と拡張に努力したい、こういう考え方を持っているわけであります。
  33. 岡三郎

    岡三郎君 いまの答弁にもだいぶ問題があるのだがおきます。  金がかかるからふやせないというのじゃこれは無責任です。しかし、その大半を私学に依存して、そうしてしかも私学のほうは十八万五千八百名の定数に対して大体三十三万という実員というものを水増ししているわけです。こちらのほうをこういうふうな形で認めて、国立大学のほうは経費がかかるのでうまくない、国立大学のほうは文科はふやそうと思えばふやせるのだが、これは就職のかげんでなかなかそうはいかぬと言いながら、私学のほうはどんどんどんどん水増しして文科系統をやっている。というのは、これは国立私学差別をやっているのですか。私学から出てくる者はどうでもいいのだ、国立のほうはきちっとワクをきめて就職状況ともにらみ合わせてこれはそうふやせないのだ、こうなってくるというと、急増対策ということは何らなっていないということになるのじゃないですか。端的に聞きますが、十八万五千八百名を三十三万にしてそれで文部省は責任がとれますか。これはあくまでもやはり本来ならば水増しということをやめなければ、就職の問題とのかね合わせなんで、私学のほうはどんな生徒でもかまわないのだ、何とかこの場合焼け石に水でもやってしまって、あとはひとつ野となれ山となれ、国立のほうはそうはいかないのだ、これは私学国立差別ではないですか。国民としての志願者は、これは学生のほうとしてはみんな同じですよね。同じであるけれども、国立定員ワクが非常に少ないということで、私学のほうは水増しして何ぼでもふやしてもいいんだ、これではちょっと片手落ちではないかということでいまお尋ねしているわけですが、これはどうなんですかね。これではちょっと急増対策になっていない。
  34. 有田喜一

    国務大臣有田喜一君) 私は、決して金がかかるからどうするというのじゃない。やはりいま申しましたような社会の必要性から見まして相当これは簡単に、いろいろの施設なりその他のことをやはり充実していかなければならない、まあ私の考えからいけば、諸般の準備を十分やって、そうして教員一つだってやはりしっかりした養成をしていかなければならない。ただ人を入れるだけでは大学としての内容が十分でない、こういう考えからなかなか急にふやすことはむずかしいということを言っただけでして、決して金がないからやりませんというのじゃない。  それからなお私学国立ですが、もちろん、私学に対しましても、私たちそういう傾向にあることを何とか是正したいという気持ちでおります。しかし、なかなか文部省としまして私学に対する、いろいろな定員をすでにきめておる、定員をこうせい、ああせいと言うことが今日では言えないたてまえになっておる、そういう関係から非常に私は苦慮しております。そこで、せめて国立でもその技術系と事務系とのバランスをとっていきたい、こういうことでありまして、決して私学を無視しておるわけではないのでありますが、そういう方向について私立のほうがやりやすいということを申しておるだけですから、誤解のないようにお願いしたいと思います。
  35. 岡三郎

    岡三郎君 これはまた文教委員会でやらなければならぬ問題と思いますけれども、しかし、いまの答弁を聞いてみるというと、どうするかという答えが全然出ていない。  じゃ、聞きますが、七十五万人の推定志願者に対して、国立が六万七、八千程度、この比率はおかしいとは思いませんかね。大臣はどう思いますか。たとえば志願者が七十五万人いるのに対して、国立が一割にもならない収容人員で、ぐにゃぐにゃ理屈言っているけれども、一体どう思いますか。国の大学として、教育行政機関として、教育する立場に立って、一割未満では、これは問題にならぬと思うのですよ。積極的に言って、大体どのくらいが妥当だと思いますか。志願者に対して一割未満なんて、それでいいと思っているなんてとんでもない。大臣の見解を聞きたい。
  36. 有田喜一

    国務大臣有田喜一君) だいぶこれは根本問題になります。根本問題になりますが、この大学というものに対して私は二つの見方があると思うのです。ある一点から見れば、大学は教養を高める場である、したがって、希望者を全部入れたほうがいい、こういう見方、これは確かに一つの見方だと思います。しかし一方、実際上の社会の面から見ましたら、こんなにたくさん大学があってよかろうか、頭ばかり大きくなってさっぱり中堅分子がない、こういうことでうまくいくだろうか。それだから純粋の教養を高める場として、この社会のそういうことを考えていくならば、どんどん充実したらいい、しかし一方、日本の習慣といいますか、現状は大学卒業するということはひとつの就職の場となっていることも、これ事実なんですよ。その辺のかね合いが今日非常にむずかしい問題でありまして、その辺のところを勘案しながら充実をはかっていきたい、こう考えます。
  37. 岡三郎

    岡三郎君 いまの大臣答弁で、そういう答弁だというと、私立大学のこれからの認可ということはおかしくなりますよ。認可はもうしないのですか。私立大学の認可をして、そちらのほうへ受験生のあれを入れていままで糊塗してきたのです。いまの大臣のことばで言うと、もう認可はしないのだ、こういうことになりますが、それはどうです。
  38. 有田喜一

    国務大臣有田喜一君) そうはとってもらってはちょっと……。
  39. 岡三郎

    岡三郎君 いや、あなたの答弁はそうなっているのだよ。
  40. 有田喜一

    国務大臣有田喜一君) 大体、しかし、あなたも思いませんか。今日私学がどんどんふえる、はたしてこれでいいだろうか、もう少し自制するといいますか、文部省のいまの権限では、いろいろな必要条件を備えると、ノーということが言えない現状です。そういうことを、将来皆さんのお知恵も借りながら、もう少し文部省に対する、そういう押えるだけの権限も付与してまいるような状況になってくることが、日本の社会全体を考えるときに、そういうことも必要でなかろうか、こういうような考え方もあるわけなんですから、二つの見方があるわけですね。それだから日本が、教養さえ高めればそれでいいのだ、就職の場なんてどうでもいいのだという考えならば、おっしゃるようなことでいいと思います。そこなんですよ。そこをもっと大学の問題については根本的に考える必要があると私は考えます。
  41. 岡三郎

    岡三郎君 だれが考えるのかね、あなたが考える以外に。あなたが考えて初めてみんなが協力するなら協力するということになるので、いまの大学の認可の問題は、形がそろえば認可をせざるを得なくなってきているから認可をやらざるを得ない、そんなだらしのないことがありますか。もう少し認可の規格を高くするなら高くして、そうしてもうちょっとそれをりっぱなものにするならりっぱな形にする、それは文部省がやることじゃないですか。われわれがやることじゃない。これはあなた方がやることなんだ。  で、実際問題として、私が言っていることは、いろいろと言われているが、生徒の、いわゆる学生急増に対する対策がゼロではないか。四千名ということで、あと私学のほうに依存して、私学のほうは十八万幾らと定員をきめておいて、そうしてそれが三十何万になってもしかたがないんだ、そうして、社会要請は云々と言ったって、これは自家撞着で、学生に対するひとつの侮辱ですよ。社会の風潮が大学で勉血させたい、それは当然だけれども、それに対して、国が国自体の責任において、どういうふうにこれをやろうとしているのかということを聞いているわけなんです。それに対して四千名で、あなたの答弁を聞いていると、いいのだ、これ以上ふやすというといけないのだ、それでは急増対策にならぬと思う。これは時間がないからあとで言いますが、いままでの答弁を聞いていると、まことに不熱心。これでは学生がかわいそうです。私は、何も学生を甘やかして大学にみんな入れろということを言っているのじゃない。国のほうで、国の責任で処理すべきものを私学のほうにしわ寄せさせて、そうして私学のほうはどんどん定数をふやすことを黙認をしていて、大学のほうは質の問題があるからそう簡単にいかぬ、そういうばかげた答弁をされては、私は困ると思う。これは、みなこれを聞いたらおこりますよ。だから私は、やはり三年計画でやられるということになれば、急増対策はもう終わっちゃったあとですな。これは、有田さんは人ごとみたいに言っているから、話にならぬ。
  42. 有田喜一

    国務大臣有田喜一君) 人ごとじゃないですよ、真剣なんです。これは、社会要請ということが、私は学生需要要請のことを言っているのじゃないんです。受け入れ態勢の、社会要請のことを言っております。だから、あなたも御承知のとおりに、いま労働省あたりがこの問題について非常に心配して、労働省と文部省がどうしようかということを真剣にいま話し合っておる最中なんですよ。だから、私学に対する文部大臣の権限がいま十分でない。もし、私がそういうような結論をかりに持つとするならば、あなたにも大いに御協力を願えると私は先ほどの御議論で確信をしておるのでありますが、やっぱり国会側も、私がそういうような方向を出したときには、相ともにやっぱり協力をして、文部大臣が何しても協力をしょうがないのでは困るので、もしそういうことを私が打ち出したときには、ひとつぜひ御協力を願いたいと思うのです。私は、このことを傍観しておるわけじゃ決してない。非常に真剣に考えておるわけです。
  43. 岡三郎

    岡三郎君 これは社会要請がどうなっているかということについては、だれも知っておりますよ。しかし、あなたの論で言えば、浪人がふえてもいいんだ。いいですか。ところが、私学のほうはかってに大学をつくって収容しているというふうにもとれるわけなんだ。そうではなくて、やっぱり国立大学というものについて、文部省が全国の受験生総数を見て、これまでは収容していかなければいかぬ。だって、大学の卒業生は、私学を含めて、みな就職をしておりますよ。いま不況だから少し余っているかもしらぬけれども、三、四年前は、それだけの私学を含めて足りないくらいだったわけです。経済の波の変動によってずいぶん違ってきますが。私の言っているのは、私学のほうに急増対策というものをしわ寄せして、国立大学文部省のほうがのほほんとしていては困るということを言っているわけです。だから、その点について、この計画そのものについては、これは四千名の増ということは、まことに情けないということをはっきり言っておきます。これは、急増対策というものについてはまことに不熱心、あなたに言わせるというと、そのくらいの増加にしないと、内容が、質が落ちて、社会の受け入れ態勢のほうに向かぬと言われておるが、そういう口の裏から、私学のほうの水増し定数を認めて、黙認しておる。そうしてどんどんどんどん出している。まるで私学のほうをよそもの扱いにしているという形になっていると私は思う。時間がないから次に移ります。  そこで、先ほど言った五十八万坪のいわゆる大学施設の不備といいますか、必要とする大学施設の中において、非常に老朽校舎が多いのですね、ぼろの建物が。特に病院とか寄宿舎とか、そのほか、まあ学部もそうですが、特に付属病院なんかに非常に老朽建物が多い。こういうものに対してどういうふうに措置をするのかと見てみるというと、あなたのほうの資料には一応、病院関係について七十六億——いろいろ書いてありますが、老朽、特に病院の老朽建物というのは、病人を収容していますから、これは早急に改築してもらわぬといかぬと思うのですが、これはどういうふうに考えますか。
  44. 宮地茂

    説明員宮地茂君) 病院関係危険校舎でございますが、付属病院につきましては、現在、平米ではなく坪数説明さしていただきますのでお許しをいただきたいと思いますが、二十八万坪の保有面積がございますが、このうち五万坪余りが木造でございまして、その約六〇%、三万坪余りが病院関係の危険坪数ということになっております。  この整備につきましては、実は従来から毎年五月一日現在で調査をいたしてまいりました。で、一応、五年計画でそれを整備していくという形で進んでおります。ただ、私どもが危険というふうに測定いたしますのは、いろんな要素を入れまして、点数制で一応、一万点満点といたしまして、五千点程度のもの以下を危険というふうに考えて整備をいたしております。五年計画でいたしております。ただ、一年たちますと、五千点でなかったものが五千点になってくるものもございますので、五年計画だから、五年たてば完全に解消するかと申しますと、多少いま申し上げましたような理由でずれてはおります。
  45. 岡三郎

    岡三郎君 いろんなことを言ってもめんどうくさくなってきたから……。とにかく、五十年以上経過している付属病院施設ですね、これはどのくらいの坪数がありますか。平米でもかまわない。五十年以上経過している付属病院施設はどのくらいありますか。——時間がないから私のほうから申し上げると、大体、合計六万一千平米になっております。このうち病棟が一万八千平米、これはもう五十年以上の老朽建物です。そこへ病人がみんな入っておる、重病人が大学病院という名の中に。だから、これは少なくとも五十年以上の建物くらいは、ひとつ早急に改築してもらいたい。わかりますか。句点、句点ということはめんどうくさくて聞いていられないから、いま言ったように、一万八千平米が病院の病棟、これに集中しているというか、五十年以上の病棟というものをもう一ぺんひとつ大臣調査して、建てかえるべきものは建てかえないというと、大災害が起こってからじゃおそいと思います。大臣答弁、簡単に言ってください。
  46. 有田喜一

    国務大臣有田喜一君) いまのご質問しごくごもっともと思いますので、至急はっきりと取り調べて善処したいと思います。
  47. 岡三郎

    岡三郎君 それから、大臣国立大学が数あるけれども、最近見ているというと、ぼつぼつ文部省はいろいろやっていってくれています。しかし、筑波学園都市、といってもようやく緒について、これまで何年たっているかわからぬ。それで、東京の集中人口の中における東大をはじめとしてなかなか定員はふやせないということは、前文部大臣も言っておるのです。そういうふうな中において、このタコの足大学というものは一ぱいあるわけです。こういう点で前の決算委員会で、横浜の国立大学の統合の問題について非常に進捗してきておるわけですが、この統合敷地というものが一応保土ケ谷ゴルフ場に確保されてきているわけですけれども、これは学校関係者が苦労をして土地確保にいままで努力せられてきた。これを今後どういうふうに文部省として消化していくのか、こういう点について内容をお尋ねいたします。これは結局今後東京に集中する学生を分散するという意味においても、それから国立大学収容人員を、積極的にいいものをふやしていくというふうな面においても、非常に一つの大きな例になると思うので、そこの内容を聞きたいと思うのです。
  48. 有田喜一

    国務大臣有田喜一君) いまの問題は、地元その他関係の国会議員たちも非常に御協力をいただいております。一つにまとまったことを文部当局としても喜んでおるところでございます。したがいまして、この問題につきましては、四十二年度予算にもそれに対処する予算を組んでいるわけでございます。詳細のことにつきましては、政府委員から答弁させますが、私は、そういうせっかくまとまった案でございますから、これを実現すべく努力しつつあるところでございますので、予算の編成は来年度でございますが、その場合はひとつ御協力を願いたいと思います。
  49. 井内慶次郎

    説明員井内慶次郎君) ただいま大臣からお答えいただきました方針に基づきまして、ただいまのところ、横浜国立大学の統合に必要な総坪数が約十三万坪でございますが、四十二年度予算要求といたしまして、十三万坪の用地取得を四十二年度じゆうにできればいたしたいということで、総額にいたしまして約三十三億余円でございますが、このうち十五億円を資金運用部よりの借り入れ金、残りの十八億余円を一般財源で購入するという計画で要求をいたしております。  なお、ただいま私どもの見積もりといたしましては、統合をすることに伴いまして、用地取得に引き続きまして建物整備の問題が起こってまいりまするが、建物整備予算は、四十三年以降に相なろうかと存じます。十五億円の資金運用部よりの借り入れ金を要求いたしておりまするのは、統合によりまして不用と相なりまする財産の処分収入を一応見込んだからでございます。事務的な説明を終わります。
  50. 岡三郎

    岡三郎君 大体その敷地の問題はわかりましたが、建物の建設ですね、大体どういうふうに計画を考えておられますか。
  51. 井内慶次郎

    説明員井内慶次郎君) 建物関係につきましては、現在横浜にございまする本部、それから経済、教育、法学部等を移すとしまして、基準その他を見まして検討いたしましたところ、おおむね総額二十八億円程度を要するのではないだろうか。したがいまして、この所要額を四十三年以降、ただいまのところ大体三カ年くらいの期間が必要ではないかと存じておりますが、なお、この点は用地取得の進行状況等も勘案いたしまして、今後さらに大学とも相談をいたしまして詰めてまいりたいと、かように考えております。
  52. 岡三郎

    岡三郎君 大臣質問をして終わりますが、いまの内容説明を聞いたわけですがね、これは先ほど私が冒頭に言ったように、積極的にやはり国立大学整備を進めて、そうして所期の目的を達成してもらいたい。そういうことで一つの例としていま国立横浜の問題をあげたわけですが、たまたまこれが非常な熱意をもって地元並びに関係者から推進されてきておるわけです。もちろん文部省としても、前文部大臣並びにここにおりまする大学局長をはじめとして文部省が一丸となってやられたことについては多としておるわけですが、ただ、これもあまりにも時間がたってしまうというと、実際問題として熱がさめてしまうから、そういう点がありまするので、いまお聞きしたところ、用地取得の関係があるにしても、四十三年度から三年間というと、大体昭和四十五年において完成を見たいということになると思うのです。こういう方向でひとつ文部大臣としては、まず先ほどの何というか、答弁一つの誠意というか、積極的にひとつ方向を、やっていく意思があるかどうか。先ほど何かむにやむにゃ努力をすると言ったけれども、そんな態度じゃなくてはっきり言ってもらいたい。
  53. 有田喜一

    国務大臣有田喜一君) いまの問題は、先ほど事務当局も御説明しましたように、ことに私としましては、前大臣からも十分引き継ぎをしております。誠意をもってまた熱意をもってこれを早く実現するように努力することをはっきり申し上げておきます。
  54. 岡三郎

    岡三郎君 以上でやめます。
  55. 相澤重明

    ○相澤重明君 私からも二、三お尋ねしておきたいのですが、先日私ども現地調査を、滋賀や京都に参りましたが、先ほど管理局長等から、大学入学急増対策で岡委員質問によってお答えになったのですが、国立私立等の問題と、都道府県、市等が持っておる公立、この関係について——現在都道府県や市が持っておる公立大学というものはどのくらいの数があって、どのくらいの定員を持っておるのか、御報告いただきたい。
  56. 天城勲

    説明員天城勲君) いわゆる公立大学でございますが、公立大学学校数におきまして、大学数が三十七校、短大三十九校、合計七十六校が四十一年度でございます。これに対応する学生数でございますが、四年制大学八千五百十三名、短大が六千百七十名、計一万四千六百八十三名でございます。
  57. 相澤重明

    ○相澤重明君 この公立大学は地方自治体の財政にきわめて大きな影響を及ぼしているわけです。私どもが、決算委員会が現地で地方自治体の財政規模をお尋ねをしたり、実態を調査いたしますというと、教職員の人件費、あるいは警察官の人件費は、その自治体における最もウエートを持っておるものなのです。そこで、この公立大学を国に移管をしたい、こういう希望がかなり私は今日までもあったと思う。そういう点、文部省に全国の中から、いま局長から御答弁をいただいた七十六校の中で、どのくらいのいわゆる国に移管希望があったか、ひとつお答えをいただきたい。
  58. 天城勲

    説明員天城勲君) 公立大学国立への移管という問題が前々から話がございまして、これはすべてではございませんが、話がございまして、私たちといたしましては、総合が当該地域の国立大学の全体の発展のためにプラスになるし、また合併する学校も、そのことによって発展するということにかなうものを見当をつけて移管をしてまいったわけでございますが、いままで戦後で移管してまいりましたのは、ほとんどが医学関係でございます。いまちょっと年度を宙で覚えておりませんが、広島大学の医学部、これは公立から、県立から移管いたしました。鹿児島の大学も県立から移管いたしました。現在、山口、兵庫、岐阜、この三県の医科大学国立に合併いたしまして、学年進行中でございまして、明年度はこれの診療部門、付属病院でございますが、付属病院大学院を国立に移管するという運びになっております。  なお、これと関連いたしまして、その他の学部について、現在正式に国立移管の議題にのぼっておるところは現在のところはございません。ただ話としては、いま御指摘のように、府県の財政その他の事情から、国立に移管をできたらという話程度のものは、ちらほら聞いておりますけれども、具体的な日程にのぼっておるものは、現在のところございません。
  59. 相澤重明

    ○相澤重明君 私どもが調査に参りましたところ、たとえば滋賀県の場合は、短期大学国立に移管をしてもらいたい、こういうのでもうすでに三年もそのことを政府に要望しておる、こういう話は出ておるわけです。でありますから、私は、いまの医科系統が数校国立に移管されたようでありますが、できるだけ、先ほど岡委員からも文部大臣に御質疑があったように、やはり私立学校国立学校というものと比較して見て、いかにも国立入学希望者、いわゆる受験するという者は少ないわけですね。入学の希望に応じられない、こういうことで、公立にやはり希望する人も相当ある。ところが、公立は先ほど申し上げた地方自治体の財政にきわめて大きな影響を与えておる。したがって、これらの学校教育の問題について非常な負担になっておることは事実なわけですけれども、歴史的、伝統的に考えて、大学をつぶしていいかというと、そういうわけにいかないわけです。そこで国立移管という問題が地方から起こるというのは、私もうなずけるわけです。そういう意味で、いまのは滋賀県の知事から私どもがお伺いしたことでありますけれども、私は、この地方のそういう公立大学が国への移管の希望があれば、やはり先ほどのことではないが、できるだけ国がとるという方針が、私立国立との関係のバランスを是正をする一つの意味にもなってくるのではないか、こう思う。また反面、地方自治体の財政にきわめてよい条件を与えるのではないかというふうにも思う。しかし中には、公立学校はやはり都道府県の自分の財政の中で苦しくとも持っていきたいというものもありますから、これは別でありますが、希望するものはできるだけ国立に移管をする、こういうことが望ましいと私は思うのですが、大臣の所見を承っておきたいと思う。
  60. 有田喜一

    国務大臣有田喜一君) 公立の大学で地方財政に相当影響を及ぼして、地方公共団体のお困りの事情はよくわかっております。そこで端的に言いますと、国立とそれから私学とのサンドイッチのような形になっているように思うのですが、これに対してどうしていくかということを目下検討中でございまして、私、はっきり公立を国立にすぐ移管しますということは、ここに明言できませんが、方向としましては、先ほど大学局長が言いましたように、だんだんと国立に移行されつつある傾向にあるということは事実でございますが、詳細なことは政府委員のほうからお答えさせます。
  61. 天城勲

    説明員天城勲君) 先ほどもちょっと申し上げましたように、移管を受ける側から考えます場合も、その大学が全体として発展するためにいい方向であるということがやっぱり大前提になろうかと思っておりまして、ただ、財政上の問題があるからというだけで学校の設置者の変更ということも、この場合には一律にいかないと思っております。  なお、公立大学の中には、過去のいろいろないきさつで、かなり財政的負担の重い形で現在あるものもあるわけでございますけれども、なお進んで自分で持ちたいという希望の県も出てきたりしているのも一つの事実でございますが、私たち、いろいろな観点から大学の問題を考えなければなりませんが、やはり財政的な基礎ということは非常に大切なものでございますので、公立大学の新しい設置の要望があります場合には、自治省ともよくその地方団体の財政について十分御相談をしながら、将来維持できるかどうかということを一つの観点としては考えておるわけでございます。  なお、財政問題ということになりますので、結局、これらの団体に対する大学の維持のための経費、これが前々から問題になっておりまして、私たちといたしましても、大学の立場から見ますれば、公共団体が設置しておりましても、可能な限り財政援助が国からいくことが望ましいと考えておりまして、自治省にも地方財政計画の策定等についていろいろ要望もいたしますし、また不十分ではございますけれども、金のかかる理工系の公立大学につきましては、設備の補助も最近開いているようなわけでございます。
  62. 相澤重明

    ○相澤重明君 方針としていずれ御決定をいただけることだと思うのですが、私は先ほど申し上げたように、現在の地方自治体が持つ公立大学等については、やはりできるだけ地方自治体の財政規模をよくしてやるというたてまえからも、また学校のそういう方針というものを貫くためにも、国立に移管することが望ましいと思いますから、ひとつ御検討いただきたいと思うのです。  それから第二は、いま局長からも御答弁いただきました、地方自治の財政の中できわめて大きなウエートを持つこの学校運営費あるいは教職員の費用、こういう点から、国立学校あるいは私立学校に対する援助の問題と別に、どのくらい公立学校に対する施設費の援助あるいは運営に対する援助というものがあるのか、その基準があればひとつその基準をお示しいただきたい。  それから、これはいまの滋賀県や京都府の蜷川知事からもやはり言われたことでありますが、何といってもこの財政にきわめて大きなウエートを持つので、できるだけ資金的には長期のいわゆる低利子による融資というものも必要ではないか、一面において私学振興費等の振り合いから考えて、公立大学に対する振興費を出すと同時に、いわゆる融資面についても、そういう面を御検討いただきたい、こういうことであるが、現状をどのように把握されておるのか。またやっておるのか。それから、今後やろうとするならば、そのお考えをひとつ御説明いただきたい。
  63. 天城勲

    説明員天城勲君) 公立大学に対します私たちのほうの補助金の制度でございますが、現在各方面から援助をする必要があろうかと思いますけれども、現在行なっておりますのは、公立大学の理工系の学部、学科に対します設備費の補助をいたしております。これは一定の、国立大学でもやっておりますが、各工学部なら工学部、農学部なら農学部の設備の標準がございますので、これを目標にいたしまして、それの不足分を埋めるという内容補助金を交付しておりますが、四十一年度で公立大学、それから短期大学を含めまして八千万円、それから公立大学の中でやはり研究という面が、大学でございますので、大きな使命でございます。研究用の設備——前のほうは学生教育を主として考えておりますが、あとのほうは教官の研究のための設備費として三千万円、計一億一千万円の補助金を現在計上いたしておるわけでございます。
  64. 相澤重明

    ○相澤重明君 各大学によってそれぞれ内容、規模等も違うと思うんです。ですから、それは私は画一的に申し上げておるわけではございません。けれども、方針として、教育の場というものをできるだけ国民の子弟に与えるためには整備しなければならぬということは、これはもうはっきりしているわけですから、そこで、先ほどの多くの子弟が希望しておる学校教育を受けさせるという場に一つのいまの公立の問題もあるわけですから、そこで、いまの資金的な御説明をいただくと、まあ全体で一億一千万ぐらいの助成が行なわれておるようでありますが、先ほどから申し上げました七十六校からの問題を考えていくと、私はきわめて微々たるものだと思う。そういう面で、もっと地方自治体に対する——自治省ともこれは御相談あることだと思うんですが、私はやはり学校教育の問題についてひとつ力を入れてほしいと、こう思うんです。そういう点を、これは私としても調査に行った結果としてひとつ申し上げておいて、皆さんの御努力を願いたいと思うんです。  二つ目にお聞きしたいのは、今回の大臣の御説明をいただきました中に、学校用地等の取得について繰り越し金があったということはどういうことなのか。これほど足りない足りないというような話をしておりながら、また行政管理庁も施設整備については勧告も行なっておるわけです。そういう面からいって、先ほどの翌年度に繰り越さなければならぬというようなことは、用地の選定が十分でないとか、あるいは設計変更気象条件というようなことで、先ほども大臣がお読みになっております用地取得等でそう繰り越しを出さなければいけないというのは、計画が不十分でなかったか。足りないところをなぜそういうふうに繰り越さなければならぬかということは指摘されなければならぬと思うんです。その点いま一度御説明をいただきたい。  それから、これは会計検査院にもひとつお答えを、文部当局と同時に願いたいのでありますが、会計検査院指摘をした事項の中で、全部改善措置がとられたというのでありますが、岐阜県下のは完了しておると、先ほど私どもは思っておったのでありますが、全部確認されたのはいつなのか、その日付を、指摘事項の点について御説明をいただきたいと思う。いつ返還されたのか。これは、文部省と同時に、あわせて御報告いただきたい。
  65. 井内慶次郎

    説明員井内慶次郎君) 第一のお尋ねの、繰り越し関係の点でございますが、文部省関係の繰り越しの主要な問題は、ただいま御指摘がございましたように、施設整備関係繰り越し額でございます。施設整備につきましては、不正常授業の解消なり、免険建物の改築なり、その完成を急ぐべきものでありますけれども、おおむね次のような理由で繰り越しが年々行なわれておる実情でございます。  その第一は、ただいまお話のありました用地の選定ということでございますけれども、この点は具体的には学校統合等の問題につきまして、市町村内におきまして学校統合の計画地帯がすでに決定をし、当該年度中に工事着工も必ずできるという見込みで、市町村からの要望を受けまして負担金を割り当てして進行いたすわけでございますけれども、統合等に伴いましては、用地の選定でなかなか予定どおり進行しない場合等がございます。そういう理由で、工事着工等がおくれる場合がございます。それから、そのこととも関連いたしますけれども、設計変更のことが起こってまいりましたり、そのようなことで、繰り越し額を毎年出しておる次第でございます。  公立文教の繰り越し額でみますと、昭和三十六年度が約十七億の繰り越しをいたしまして、その後若干ずつは減ってまいったわけでございますけれども、三十九年度決算におきましてなお十四億の繰り越しを出しております。なおこの点につきましては、工事の早期着工ということを特に本年度等非常に努力いたしておりまするので、繰り越し額をできるだけ少なくするように一そうの努力をいたしたいと、かように考えております。
  66. 井上鼎

    説明員井上鼎君) お答えいたします。  ただいまの御質問でございますが、最初の新潟県の分につきましては、四十年の十二月二日に返還さしております。それから岐阜県の分でございますが、十二月二十三日でしたかに返還になっております。それから次の福井県の分でございますが、これは四十年十二月九日に返還になっております。それから次の東京電機大学の分でございますが、これは四十年十一月十五日に返還されております。  以上でございます。
  67. 相澤重明

    ○相澤重明君 文部大臣は、この四件の指摘でありますが、今後こういうことのないようにひとつ監督してもらいたいと思う。金を返したからそれでいいというわけのものではないわけです。その点特にきつく申し上げておきます。  それから最後に、国立高等学校の移転についておきめになったと思うのですが、東京から横浜に移る場合の経過を御説明いただきたい。
  68. 宮地茂

    説明員宮地茂君) ちょっと御質問が、国立高等学校という御質問でございますが、もう少し詳細におっしゃっていただけませんか。よくわからないのです。
  69. 相澤重明

    ○相澤重明君 東京工大の付属高校があるでしょ、つ。
  70. 井内慶次郎

    説明員井内慶次郎君) 東京工業大学の付属工業高等学校が田町にございまして、周囲の環境等、学校環境にいたしましてもどうもいろいろ問題があるということが前から言われております。あわせまして、東京工業大学の大岡山のキャンパスが非常に狭隘に相なっております。できれば、工業高等学校の移転も含めまして新しい敷地を確保できないものであろうかということで、大学といろいろ相談を続けてまいったわけでございますが、大学のほうでいろいろな方面と折衝いたしました結果、やはり横浜市でございますけれども、一応適当な土地が候補地として出てまいりまして、大学のほうからも強い要請がございまするので、一応四十二年、四十三年、二カ年かけてできますれば新敷地を獲得いたしたいということで、ただいま予算要求中でございます。
  71. 相澤重明

    ○相澤重明君 そうすると、そのことは、先ほどの国立大学三校の統合の新用地の問題と同じように四十二年、四十三年といまの御答弁ですが、建築もそういう考えで進んでおるんですか。
  72. 宮地茂

    説明員宮地茂君) 用地の買収が終わりましたら、それに続いて、まあ一応これも大体三年くらいな計画で移転をいたしたい、こういうふうに考えております。
  73. 小林武

    小林武君 「昭和三九年度から、国立学校の管理運営、施設整備の円滑化を一層促進するために特別会計制度が設けられた。」、この文部省の資料の中に書いてありますが、この特別会計制度については、かなり当時においてもいろいろな議論があった。言ってみれば、独立採算制になるのではないかというような議論が中心をなして議論されたようであります。でありますが、絶対そういうことはないという答弁ですけれども、元来、この特別会計制度というものは、大なり小なり独立採算制というものはこれは免れることのできないものであることは、くろうとの皆さんがよく御存じのことだと思うのです。そこで、私は文部大臣にお尋ねをしたいのですが、そういう点で、三十九年、四十年、四十一年この特別会計制度をやっていって、その運営の面について、これについての将来をも考えて何か感想というか、見解がないか、そのことが一つと、先ほど私がちょっと読み上げた中に、その目標は、「国立学校の管理運営、施設整備の円滑化」、能率的にとにかくやろう、こういうわけでありますから、そういう点からながめた場合、また特別会計制度というものが確立された後、著しくこういう点はよくなったというのか、まだまだ緒についたばかりでそれはどでありませんとかというような、そういう点がありましたらひとつお答えを願いたい。
  74. 有田喜一

    国務大臣有田喜一君) 小林委員御承知のとおり、特別会計制度が三十九年度から実施されたのでございますが、やはり独立採算制ということは、私はこれは無理だと思う。それで実態から申しましてもですね、御承知のとおり、一般会計からほとんど持ち込んでおるというような状態でありまして、私どもの、少なくとも私の考えとしては、国立学校の特別会計は、よそは、たとえば郵便関係とか、またああいう特別会計とは全然趣を異にしておると、かように私は考えておるのですが、まだ日浅くしてその利害得失については私十分検討を遂げておりませんけれども、まあ特別会計となったために多少やっぱし便利になった点もあるのじゃないかと考えられるのでありますが、ただいま弾力条項のようなものもありまして、運用の面で少しやりやすいとか、あるいは積み立て金制度があってですね、その中でいろいろ国立学校に転用といいますか、それを使いやすくするとか、その他もろもろの、あるいは長期借り入れ金の制度もやはり便利な点じゃないかと思うんですが、そういうようないい点も確かにあると思います。しかし一方、先ほども御指摘のあるように、運営の面で私はもっと、これは人間の面と相伴っていきますが、扱う人間がしっかりしておれば、しっかりしておるというか、詳しければあやまちを起こさないことがありますが、人的の面、そうして運営の面に特に考慮しなきゃならぬ。しかし、いろいろ、たとえば私どもちょっと聞いたのですが、北海道大学の問題なんかあるようでございますが、まあけしからぬこともありますが、一方からいえば予算制度そのものが実態と合わない。人一人雇うにしましても、現実と非常に、単価が低いような予算になっておるために、そういうふらちなことをやらざるを得ないような面もあるようでございますが、そういうようなもろもろの点を考慮しまして、運営の面をしっかりやって、せっかくできたこの特別会計をいい意味において生かしていくようにやっていただきたいと、かように私どもは考えておるのですが、先ほど言いましたように、まだ就任して間もないことでありますから、具体的にこういういい点があった、こういう悪い点があったということは、一々は申す段階でございませんが、詳しいことはひとつ政府委員から説明さしていただきたいと思います。
  75. 小林武

    小林武君 大学がなれていないというようなことも、ぼくは特別会計制度に多少あるのではないかと思う。しかし、これは大学当局だけが責められるべきものなのかどうかということについては、なかなか即断はできない。しかし、特別会計制度が実施されてから各大学にいろいろな、まあ北海道大学の例をあげられましたがね、いろいろな問題点がないのかどうかということ、そういうことを聞きたかったわけです。一つには。一時のことですけれども、私は私なりにある大学問題点があると、それから大臣がいまお話しのように、予算その他のことが原因になって、まあ心ならずもそうなったというようなこともないわけではないし、またそういう運営をやることが非常にただいまもおっしゃるようにふらちなことなんだけれども、どうもやらざるを得ないようなところに追い込まれてやったというようなことも多少聞いている。しかし、すべての大学についていまかれこれ申し上げる時間もございませんから、お気の毒でありますけれども、北海道のことが出ましたから、これをひとつ取り上げて、一、二の点についてお尋ねをしたいのですが、これは政府委員でけっこうですが、北海道大学の問題について、文部省の木下決算係長が昭和三十九年の五月十二日に、演習林問題で現地調査をした、こう書いてありますが、これはどんな調査をやったのか。  それから会計検査院がこれについて、北海道についてやっぱり調査をやったというようなことを聞いておるわけです。そして、なおその際に、遠隔で場所が広過ぎる、こういう事情のもとに経費が足りないこともあって十分な使命を果たすことができなかったというようなことを言ったということになっておりますが、そういう事実があったのかどうか、またそのとき検査は何を検査してどういう結論を出したのか、まずそのことを最初にお尋ねしておきたいと思います。
  76. 井内慶次郎

    説明員井内慶次郎君) ただいまお尋ねのございました北海道大学の演習林の件につきまして、この件は三十八年度決算検査報告におきまして、会計検査院より不当事項として御指摘をいただいた件でございますが、文部省としても本件につきまして実態を把握する必要がございましたので、三十九年の五月に会計課の係長を現地に派遣いたしまして実態の把握調査を実施いたした次第でご一さい十ます。
  77. 井上鼎

    説明員井上鼎君) 会計検査院で北大の演習林につきまして検査いたしましたのは、三十九年の五月末から六月初めにかけてでございまして、雨龍、それから天塩第一、第二各演習林について検査をいたしました。その結果については、昭和三十八年度決算検査報告に「賃金に付増しするなどの方法により資金を別途に保有し予算外に経理したもの」こういう件名で掲記してございます。
  78. 小林武

    小林武君 文部省のほうも調査に行きましたというのじゃなくて、行って何を調査して、そして結論としては文部省としてどういう結論を出したのか、こういうことですね。それから同じようなことを申し上げるのでありますが、会計検査院のほうで、いまのような角度から、もう少し態度として一体どういうことであったのか。一体そのことが事実しとて間違っておったのか。単なる指摘にとどまっていい問題なのか。もっと追及されなければならない問題であるのか。これはやっぱり明らかにしないと疑惑が疑惑を生むわけですよ。一つ学校の中からこういうものが二冊も出るということは、ぼくはやっぱり問題だと思う。私はこういう問題をあまり大っぴらに何かがやがや内容が明らかでないのにやるということは反対ですけれども、一応公式に、怪文書ではなくて公式に責任のある者が責任を明らかにして出しているという場合には、やはりもっと国民を納得させるように、それからそれが学校当局の何ら問題でないようなことであるならば、学校当局のためにもやるべきであるししますので、あまり木で鼻をくくったとか何とかいう、そういう程度の御答弁になるというと、こっちも言いたくないようなことまで言わなければならないことになるから、私はなるたけ言いたくないことは言わないようにしておりますので、そういう点でどうぞひとつ……。
  79. 井内慶次郎

    説明員井内慶次郎君) 文部省といたしましても、この問題につきまして会計検査院検査も受ける関係もございまするし、実態の把握につとめたわけでございまするが、その結果、北海道大学の演習林におきまして、主としまして労務者を確保するに要する経費を捻出するため、架空人夫及び就労日数の付け増し等によりまして余裕金を持って経理しておるという事実が明確に判明いたしました。で、それぞれの演習林におきましてどれだけの金額の余裕金を持ってどういう経理をいたしたかという点を文部省といたしましても調査をいたしまして、引き続きの検査院の検査文部省といたしましては立ち会いの形をとりまして、検査院から御指摘を受けましたように、保有金全部で九百九万八千四百五十五円、支払っておりましたのが八百五十五万八千七百六十四円でございまして、残額五十三万九千六百九十一円あったわけでございますが、検査院の御指摘もいただきまして、この残額につきましては、確認後直ちにこれを返納させ、かっこれに伴いまする預金利子も国庫に納入さしたわけでございます。  なお現金を保有いたしまして支払いました八百五十五万八千七百六十四円のうち、一体何に使ったかという点を、これは検査院のほうでも御検査いただいたわけでございますが、私どものほうも実態を調査いたしまして、そのうち七万七千三百五十五円につきましては、関係者が自発的に弁償するということを一応させておる次第でございます。  なおこの件がございまして、文部省といたしましては、演習林の予算の計上のしかた、また演習林の運営のしかた等におきまして、特に国有林野の実態と比較いたしました際に、大学の演習林のほうがいろいろな点で実態に即さない点がいろいろございます。この点まだ一挙に全部改善するところまでいっておりませんけれども、四十一年度予算編成等にあたりまして改善できる点を逐次改善をはかってまいっておる次第でございます。
  80. 井上鼎

    説明員井上鼎君) お答え申し上げます。  会計検査院検査にまいりまして事実として指摘いたしましたものは、先ほども申しましたように検査報告に掲げてございますが、ただいま文部省の当局からお話がございましたように、労務者の賃金に付け増しするというような方法で資金を別途に保有いたしまして、そうして予算外経理を行なう。そうしてその使い道といたしましては、労務者賃金に使う、あるいは物品購入代に使う、あるいは会議費に使うというような使い道に充てておったわけでございます。その全貌につきまして、天塩第一演習林、第二演習林、それから雨龍演習林について検査をいたしまして、そうしてそれぞれの使い道個々についても検討を十分いたしたつもりでございます。そうしてこういった不当経理、これはもちろん法令に違反する経理でございます。非常にわれわれとしても遺憾な事態と存じます。  なおこの中で、国に損害を与えたと申しますか、国が支払うべき筋のものではないような金額はないであろうかというような点についても十分検討いたしまして、一応私どもとしまして、これは明らかに国損である、国が負担すべきでないと認めました金額が七万七千三百五十五円、これは全部、部内職員の事務打ち合わせ会費と称して部内だけで飲み食いした、こういうような経費に当たっておるわけですが、これについては先ほども文部省の当局からお話のございますように、私どもが検定をいたします前に、自発的に関係者がこれを弁償いたしておりますので、特に検定はいたしておらないわけでございます。まあ今後こういう事態が起こることのないように、会計検査院といたしましても十分今後の検査の面においても注意をしてまいりたいと思います。
  81. 小林武

    小林武君 そのことについてはまた後にちょっと触れますから……。いま私の質問いたしましたのは、先ほどちょっと触れましたように、今度の特別会計制度というようなものになれないというか、なれないことも問題がありますけれども、やはりこの特別会計制度というようなものを比較的ふなれな大学——そういうことを言うとはなはだ悪いのでありますけれども、責任者の中には教授の方もいらっしゃる。ある大学で聞いたんですけれども、教授の中には金が百万円以上になると、幾ら言っても数えられない人があるとかいうような、そういう冗談話を聞いたことがあるんです。これはもちろん学者の方にはそういう方もある。なれない方が非常に多いようにも思われる。そこで、そういう問題についてはやはりきわめてふなれで済まされない問題でありますから、公正にやらなきやならぬのでありますけれども、それにはやはり大学の中で疑心暗鬼を生まないような、何と言いますか、経営の民主化というものが徹底すれば、私はこういう問題というのは何ぼしろうとがかっておろうが、くろうとなれしておろうが、やはりしろうとはしろうとなりにきれいなやり方をやると、こういう点が非常に心配なわけであります。もしこのまま進んでいくならば——この制度が取り上げられましたときに、これはもう将来文部省と大蔵省と両方から締め上げられて、名前は特別会計制度だけれども、内容は惨たんたる一いままで文部省一カ所だったのが大蔵省にまで締め上げられて、そうしてますますうまくなくなるんじゃないかというような審議のときの議論もあったようであります。でありますから、十分この点についてやはり大学内部でやらなきやならぬことでありましょうけれども、やはり関係の各省というか、文部省文部大臣はまた法的に言えばそれを管理する立場にあるわけでありますから、これは十分やらなきゃいかぬと思うんです。  そこで私はもう一つ、国有財産というようなものを特別会計制度になるとかなり簡単に考えられているんじゃないかと思うのは、北海道の新聞と北海道に出店を持っている中央紙というようなものがあげて書いてあるんですね。全部記事として取り上げられた、演習林と知事公館を交換するという問題があります。これはどうしてもぼくはこの記事を読んでみて納得がいかないところがあるんです。まあ公館と演習林と交換するというようなことについても一つ問題がある。演習林というものは一体どういうものなのか。日本の大学で演習林を持ってるところほかにもあるんだろうと思うんだが、もうそろそろ要らなくなったのかどうか、まあ要らなくなったら開放したらいいと思うんだけれども、そういう演習林というものに対して大学側が案外簡単な考え方をしているんじゃないかということも一つありますけれども、もう一つは、新聞の記事によると、北海道の道の庁舎を三十億とか何十億とかで新築する、その財源に充てるために、雨龍かどこかの演習林の立ち木を売って交換したら、そうしてそれを経費の大半に充てるのだというようなことを、そういう記事が出ているのです。こういうことになりますと、まことに妙なことだと私は思うのです。北海道でも建物を建てれば金が要って困るということはよくわかるけれども、もしそういうことであるならば、一体どういうことなのか。ところが幾つかの記事をずっと読んでみるというと、その話をどっちから持ち出してきたかということになると、知事は道議会において、これは大学側から持ち出したということを言っているらしい。大学側から持ち出したのか、道側から持ち出したのか、いまのところわからぬが、そういうことを言っている。大学側ではもうそれについて非常に反対意見が強いらしいということになると、なかなかこの問題はふしぎな問題だと思うが、問題はただし、いまは立ち消えだということになっておりますけれども、これは立ち消えになってしまったかどうかはわかりませんから、文部省としては一体これを多少でも知っているのかどうか。知っているとしたら一体その内容を、ここでやはり明らかにする必要がある。知らないとしたらまことに妙な話ということになるわけですけれども、これはひとつ文部大臣、この問題についてどういう報告なり引き継ぎなりを受けているか、御答弁いただきたい。
  82. 有田喜一

    国務大臣有田喜一君) この問題は、私そういうようなうわさがあるという程度のことを、事務当局からちょっと聞いております。しかし、いまもお話があったように、その後立ち消えになったかと思うのですが、大学側からは正式の相談も何も受けたことはございません。また知事とも私、就任してから会ったことがありますが、この問題には何も触れておりません。したがいまして、おそらく御推察のように、立ち消えになったのじゃなかろうかと私は推察しているわけですが、したがいまして、まだ正式にきておらぬものをけしからぬとか何とかいうような注意はまだしておりませんが、こういう演習林の性格からいって、そう簡単に知事公舎と交換するというようなことを、かりにきた場合、文部省もけっこうでございますなんて、そう簡単に言える性格のものではない、かように私は思っているのですけれども、何ぶん正式の話がないものですから、そのままにしておりますのが今日の状態であります。
  83. 小林武

    小林武君 大臣はそのとき責任者でありませんから、これはお聞きしてもしようがないと思うのですけれども、これは大学局長にお尋ねいたしますがね、一応いま大臣のようなことだというと、まことに納得いかないのですよ。私は何かはんのネコの額みたいな所がどうなったとかいうことならばこれは別だ。しかし演習林と、そうしてそれが取りかえる、たとえば知事公館の土地、建物というのも、大臣札幌に行ったから御存じだろうと思うが、かなり膨大なものですね。あれを交換するという、そうして大学の中では特別委員会の何か委員会のようなものをつくっている。その段階まで進んでいる。全然文部省はそれを知らないということになっているということで、それがふしぎです。それから文部省は知らないというようなことを言って済まされないと思うのは、朝日にも読売にも毎日にも北海道新聞にもみな大きな記事が出ている。これは、そういうような地方のことでありましても、これはちょっと知らぬ、そんなことは起こっているのかどうか知らぬ、こっちには何もこないからと言って済まされるかどうか。札幌市としてもこの知事公館の問題については非常な驚き方をして、これに対して対策の協議をしたということも出ている。そうすると、これは道議会にもとにかく問題が出ている。こういうことになると、単なるうわさで立ち消えになった問題ですからというようなことを言って済ましていられるようなこととは思われないが、これは天城大学局長はどうですか御存じありませんか。
  84. 井内慶次郎

    説明員井内慶次郎君) 北海道大学演習林と知事公舎の交換の件につきましては、昭和三十八年十二月ごろ、北海道知事と北海道大学長との問に非公式に、知事公舎を、教官の国際交流に伴って大学を訪れまする外人教師とか、あるいは貴賓の宿泊施設として利用いたしまするために、演習林と交換することについて話し合いが行なわれまして、そのことは大学のほうから私どもも報告を受けました。演習林の設置されておりまする目的は、もちろん大学の研究教育のためでございます。ただ一つ北海道大学につきましては、現在の特別会計制度が三十九年に発足いたしましたけれども、戦前特別会計制度がございまして、北大の演習林の設定につきましては、ある程度北大に財産を与えておこうということもあったようでございまして、北大の演習林には財産的な性格も若干北大の演習林は持っておるのではないかという点を、私どもさように考えております。ただ本件につきましては、三十八年十二月ごろ、そういう非公式な相談が行なわれたという報告を一応聞きました以降、私どもといたしましても演習林を交換するということは演習林を処分することでございまするし、この点は最終文部大臣の認可に相なっておる事柄でもございまするし、演習林を実際に研究教育の用に使っておられまする教官の方々、農学部演習林関係者等の意見は一体どうであるのか。かつ大学を訪れまする外人教師や貴賓の宿泊施設というものを本格的に持っておる大学というのはほとんどないわけでございまして、それの必要性の有無、緊急度等いろいろ検討すべき点があるのではないだろうかというふうな点を、私どもといたしましては非公式に申し上げておったところでございますが、その後、ただいま大臣からお答えいたしましたように、この件につきまして、その後特別にこの件が進展したとか、そういった点は、私ども大学のほうからまだ聞いておりませんので、全般のこの件の問題の把握といたしましては、話が停滞し、あるいは消えつつあるのではないだろうかというような、現在予測をいたしておるところでございます。
  85. 小林武

    小林武君 まあ北大には特別に演習林というようなものが財産としてやってるからというようなことでありますが、まあ国有財産をどうするかというふうなことについては、特別会計制度をつくることの中にも入っているわけですわね。そういうものの処分というものが一つ歳入として使用されるというところに弾力性があるということにもなるんだということ書いてある。だから私もそういうことが全然悪いとは言うわけではない。わけではないが、文部省が、何といいますかな、そういうものを聞いてからあとの態度というのはぼくはいささかおかしいと思うのですよ。黙ってやって知らないうちにやられちゃったというんなら、これはまあ多少やむを得なかったと思うこともありますけれども、かなりそれが知事と学長の間で話が進められて、そして教授会の中に委員会がつくられて、これは大学の中でもめごとが起きなかったら進んだんじゃないかと思うんだけれども、そうなった場合、文部大臣というのは一体どういう態度をとるかということが出てくるわけですから、そうなればいま会計課長も正直におっしゃったけれども、その後聞いているのではないかと思うくらいで、聞いてるか聞いてないのかわからない。建物が建ってるから三十億とか何十億とかの金が要るわけです。財源をここに大方を求めようとしたと新聞が書いているのが事実だとすれば、どうもあきらめたかどうかわからない。そういうことになりますと、その扱いについてはやはりかなり進んでいるんだが、どうするかというようなことの一応の打診はなきやならぬと思うのですよ。これはもうわれわれは干渉しないのだ。特別会計の趣旨を生かして文部省は干渉しないという態度はなかなかりっぱであると思うけれども、いずれはあなたのところにいくと判こ押すような問題にぶつかるわけだから、そういう種類の問題です。いまのようなことを言って、進んでいないだろうというようなことを言うのは、これは答弁にならない。これはしかし、会計課長さんとしては答弁はそうだと思う。大臣はそういうわけにいかないですよ。大臣はそういうことを許さんとか許すということを言わなければならない。もしそういう話し合いならなぜおれのところに来てもだめだというふうに言わぬのか。もっともだから貴賓のためにつくれというのか。そこらあたりをはっきりしないと、これは黒いうわさとか黒い霧とかやたらにこのごろ黒いのがはやるわけですけれども、そういうことを言われることになる。だからぼくははっきりしてもらいたい。そうしないというと、北大のためにもよくないし、将来の特別会計制度そのものの運営の面に大きな問題点を投げかける、こう考えるのですがどうですか。
  86. 有田喜一

    国務大臣有田喜一君) 先ほど言いましたように、私就任してから知事にも学長にも出会ったけれども、その話は一つも出ない。ようやく最近自分のところにこういう問題があるようだということを聞いたわけですが、もちろんこの問題は重大でありますから、ほんとうに立ち消えたかどうかということを至急聞きまして、調査いたしましてその上によって私は善処したいとかように思っておりますが、そう簡単にこういう問題はいくもんじゃないということを知ったのは、演習林の性格から申しましても、先ほど会計課長が言いますように、外国の貴賓館というのがそれぞれの大学にあるかないか、ほとんどないでしょう。札幌だけに、北海道だけにそういうことを認めるというわけにもまいりません。それをはっきり示した上で善処する、こういう考えでおります。
  87. 小林武

    小林武君 時間がないからいまの問題はこれで終わりますけれども、いまの問題というのは交換の問題ですが、私は一言言っておきたいのは、あの件について札幌市がたいへんやはりびっくりした、ということは、札幌市としてはやはりあそこは大学だけのというようなことに考えるのはちょっと心外じゃないかと私は思うのです。で、大学があれだけのものを持たなければならぬという理由は私はないと思うのですよ。研究施設とかその他についてはもう徹底的にりっぱにしてもらいたい。旧帝大とかなんとかいっているけれども、行ってみればぼろくそ大学だということはごらんになればおわかりになる。だからそういうことをりっぱにしていただくのはけっこうだけれども、あそこをどうしなければならぬということの必要はないと思う。  それからもう一つ申し上げておきたいのは、演習林の問題で、ちょっと先ほど来の問題ですが、演習林の問題は、これはひとつ、ぼくは北大だけの問題ではないと思うのです。演習林の経営ということは。先ほど来の大体文部省の調査並びに会計検査院の調査というようなものは、大体何か書類調査のようなものじゃないかと私は思うので、ほんとうにとにかく演習林の内部に入って、そうしてこれはとにかく演習林の運営、経営というものが適正に行なわれておるというようなことを文部省一体調べたことがあるのかどうかということなんです。これはきょうはここで申し上げませんけれども、いろいろな問題が起こっているということだけはこれは間違いがない。これは何というか、労働者に払う賃金の問題がいまのようなことだから、二重帳簿をつくって、とにかく二重帳簿によってうまく運営しておったというようなことを、もしかりに軽く叱かりおくというようなことでおさまるようなことでは私はないと思う。そういうことをやれば、さらに派生的に問題が問題を生むということは、これはわかり切ったことなのです。それがおまえたちがやるならおれもやるというようなことを言ったそうだけれども、そういうことをやられたらたまったものじゃない。そういう気風が生まれるということは問題ですわね。ですから、演習林の運営というようなものを会計検査院で調べるというときに、一体どういう調べ方をしたか。立木を売った場合に、それが正確に石数が売られておるか、一体どうなっておるのか、そういう点が調べられるのかどうか。ここらあたりは文部省とそれから検査院からはっきり聞きたい。もしできない理由があるならば、私はいいかげんにごまかしておいてはいけないと思う。それは人員の問題がどうだとか、あるいは旅費の問題がどうだとかというようなことがあるならば、やはりそれは明らかにして、やるべきことはやらなければいかぬと思う。私は一つよけいなことを言いますと、ある大学でこういうことがあります。非常に演習林なんか回らなければならぬ。これは広いわけだ。そうすると、なかなか老教授——老教授までならぬ方でも容易じゃないということで、若手の助手が行けということになる。助手が行けということになると、助手は正式にそこを見回るあれがないから、それで休暇を出さして、そうしてとにかく出かけていって、事故がなかったら初めてどっかの出張にしてやるというようなことを、ぼくのところへ来て、たくさんの大学の助手の諸君が来た中で、ある大学のあれがあった。私はこのやり方をやらなければならぬような大学当局も非常につらいだろうと思う。しかし、こういう運営のしかたをやっていたのでは将来これはどういうことになるか。だから、そこにはやはりそういうものははっきりさして、事実できないことをやれといったりすることは不可能ですから、そういう問題はたくさんあるのだが、それを解決して、しかる後この特別会計制度というものの適正な運営、当初あなたたちが考えられたようなこのことによって大学の発展ということに直接結びつくようなやり方を考え出さなければいかぬと思うんですよ。そういう点で、最後に、一体どういう調査をやっていたのか、いままで。できないならば、できない理由はどこにあるか、こういうことをひとつお尋ねしたい。
  88. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) その前に、北海道大学演習林は何万町歩程度あるのか、それをひとつつけ加えまして答弁願いたいと思います。
  89. 井内慶次郎

    説明員井内慶次郎君) 演習林の面積につきましては私からお答えいたします。北海道大学の農学部付属演習林は六カ所に散在いたしておりまして、その面積は約七万町歩でございます。そのうち雨龍、天塩第一、天塩第二の三演習林がその全体の九五%を占める演習林に相なっております。
  90. 井上鼎

    説明員井上鼎君) ただいまの御指摘でございますが、私どもといたしまして、御指摘のように従来この本件、北大の関係でございますが、こういう事件が起こります前までは、演習林の経営について現地まで行って検査をするということ、これはもちろん全然ないとは申しませんが、あまりなかったということが実情でございます。したがって、まあ大学の本部におきまして書面検査で確認をする、まあ立木の売り払いとか賃金の支払いということは書面検査で確認するということであったわけでございます。北海道大学のこの件につきましては、これは特にこの関係の調査のために現地まで参って現場で検査をいたしております。北海道大学の点についてはそうでございますが、その他については従来から書面検査大学の本部において書面検査をするという程度であったということは、これはいなめない事実だと思います。今後こういう演習林の経営についてのあり方、いろいろ問題もございますので、私どもといたしましてもなるべく現地について検査をする、調査確認をする。   〔委員長退席、理事相澤重明君着席〕 という方向に向かってまいりたいと思いますので、御了承願います。
  91. 小林武

    小林武君 それでは最後に要望申し上げまして、私の質問を終わります。まあ、非常に御努力なさっているということは私も認めます。しかし、このことは必ずしもやはり検査院のあり方でなかなか、そうそこまで手の届かぬ状況もあると思います。ですから、受け取るほうは何もしてくれなかったと言っているのです。来て何もしてくれなかった。めし食って帰ったのじゃないかというぐらいのところに理解している。それはここに書いてあるから言うのですよ。しかし、その理解のしかたが間違っているかもしれないけれども、私は見たのじゃないからわからないけれども、少なくとも演習林というものを多少でも見たものは、この実態にあたって行かれる方が材木に対してどれほどのあれをお持ちかどうかわからぬけれども、なかなか容易なことではなかろうと思う。ですから、やはり十分に今後やはり大学といったら演習林というのはかなり問題が起きるとかなんとかいうことになると、演習林というのは大きいほうであると思います。あと病院というのがありますけれども、これも大したことではないということになると、全国的な大学にそれぞれあるのでありますから、演習林というのは。  それから文部省には私は特に申し上げたいのは、どうも文部省はやはり職階的締めつけを一生懸命奨励されているようです。大学ばかりでなく、どこの学校でも民主的な運営というようなことにはわりあい冷淡である。悪口を言えば、これに対してむしろ圧力を加えるような傾向にあるのじゃないかとかねがね私は思っている。大学における問題点をいろいろ聞いてみると、直ちにこれはこうという断定を下せませんけれども、ほんの一部の人だけがそれをやっておって、大多数がわからぬ、教授もわからぬ、何もわからぬというようなことになるというと、これは当然特別会計制度というものは、ある意味では非常に疑いの対象になる、こういうことでありますから、文部省の責任としては私は民主的運営ということについては、やはり文部大臣は管理の立場にあるわけでありますから、十分配慮する必要があると思います。このように思います。私の質問は終わります。
  92. 柴谷要

    ○柴谷要君 関連して。私は文部省の問題を小林委員質問の中で感じたのですが、この問題をめぐっての担当局長さんはどなたですか。それをちょっと伺いたい。
  93. 井内慶次郎

    説明員井内慶次郎君) 演習林の問題につきまして、特にただいま問題に相なりましたような経理上の現金の保有とかそういった問題につきましては、特別会計自体の運用ということに相なりまするので、文部大臣官房会計課長がその責任の衝にございます。なお、演習林を研究教育の用にどのように供するか、その面につきましては大学学術局のほうで所管をしていただいているわけでございます。
  94. 柴谷要

    ○柴谷要君 私がこういう質問をしましたのは、いま、あなたの御説明でよくわかったのですが、課長さんが一人で小林さんの質問に対して御答弁なさっている。まあたいへん御苦労だと思う。だけれども、まあふしぎに思ったことは、いま言われたのでわかりましたけれども、責任ある局長さんという立場の人が答弁しておらぬ。これは私は文部省としてもやはり一考してもらわなければならぬと思う。まあ、きょうはこの程度小林さんが終わっておられるのですから、いずれまた総括質問なりその他で文部省の問題をわれわれも質問したいと思うのですが、そのときには各局長さんをずらっと並べてひとつ克明にいろいろお尋ねをしたいと、こう思っております。そのことだけ申し上げて私は終わります。
  95. 二宮文造

    ○二宮文造君 いま小林委員から質疑がありましたが、私もそれに関連して、時間がございませんので、項目別に分けてお伺いしたいと思います。  まず第一点は、三十八年度決算検査報告を見ますと、天塩第一それから天塩第二、それから雨竜と、しかもこれが面積においては演習林の九五%を占めている。しかもその指摘した事項を見ますと、   〔理事相澤重明君退席、委員長着席〕 全部三十七年四月からと、こうなっております。そうしますと、三十七年以前にはこういう問題はなかったのかどうか、三十七年からこういう経理のしかたをし始めたのか、あるいは所長とか事務長がかわってこういう経理の方法を始めて問題になったのか、いわゆる以前に問題があったのかなかったのかという点が一点。  それから第二点は、面積の点はお伺いしましたけれども、その立木の評価額は一体幾らと文部省では押えていたのか。  それから第三点には、いろいろいわれております中に、伐採計画をつくっても、伐採計画にきめられていないところで、要するに切り出しのしやすいところで変更手続もとらないで伐採をしている。したがって、伐採経費が非常に安くついているにもかかわらず、しかもまた売り払いの金額も市価に比べて非常に安いというふうなことを云々する面もあるようです。したがって、そういうふうなところから問題がここで指摘をされたわけですし、いま現にどういうふうな管理をやっているか。すなわち、伐採計画としてはどういうふうに組まれているか。さらにそれを売り払いの場合には、かつては随意契約であったので縁故なんかをたどって市価より安く払い下げられたと云々されるような問題が出てきているわけですから、それをどういうふうな売り払いの手続にかえられて問題の再発を防ごうとされているかどうか。  それから第四点には、こういう問題が指摘をされ、また大学の内部においても非常にそのうわさをされているようでございますので、演習林の経理全般について文部省はどう行政指導されるか。最後の問題は文部大臣にお伺いしたいと思います。  以上四点をお伺いしておきたいと思います。
  96. 井上鼎

    説明員井上鼎君) 三十八年度検査報告で三十七年四月からと、こういうふうになっております。この点につきましては私どもといたしましてもちろんこの以前の分があるのではないかということで調査をいたしたわけでございますが、書類等が全然残っておりません。そこで私どもとしては書類の残っております分についてここに掲げたわけでございます。以上でございます。
  97. 井内慶次郎

    説明員井内慶次郎君) 北海道大学の所有演習林は国有財産台帳価額によりますと、先ほど申し上げました約七万町歩、全体で百五億五千九百七十万九千十七円ということに相なっております。約百億でございます。
  98. 二宮文造

    ○二宮文造君 年間の伐採量は、売り払い金額を教えてください。
  99. 井内慶次郎

    説明員井内慶次郎君) それはちょっといま調べてみます。  それから第三点のお尋ねの件でございますが、一応施業案に基づきまして伐採を進めるわけでございますが、御指摘のように林道の開発の関係でございますとか、いろいろな関係で施業案が変更になる場合がございます。それで、文部省といたしましては演習林関係経費国立大学予算を配賦いたしまして事業をやらせるわけでございますが、年度の当初に学校自体が立てました施業計画をもとといたしまして予算額の八〇%を最初配賦いたします。そういたしまして年度が進行し、施業案どおり伐採が進むかどうか、あるいは払い下げが進むかどうか等を私どもも大学から連絡を受けましてその計画変更等で手直しを要するもの等がありますれば残二〇%をもちまして調整をして年間の執行をやってまいる、こういうやり方をいたしております。なお、大学の演習林の払い下げを行なうに当たりまして予定価格の算定ということが基本の問題に相なりまするが、文部省といたしましては国有林野事業における算定方式に準じて行なうよう指導をしてまいっておりまするが、予定価格の算定を一そう厳重に実施するよういろいろ注意を喚起いたしております。特に契約方式につきましては、予定価格三十万円以下の払い下げ価格のものにつきましてはこれは予法令に基づきまして随意契約で可でございまするが、それ以上のものにつきましては競争契約に全部付するように、この点私どもも十分注意いたしまして指導をいたしておるところでございます。なお、四十一年度予算国立大学の演習林関係予算の積算を直せるところから直すようにいたしておると申し上げましたが、払い下げ等に当たりまして競争契約を周知させるための広報活動と申しますか、周知させるための予算も若干ではございますが新たに計上するとか、そういうことを四十一年度から努力いたしておるところでございます。
  100. 有田喜一

    国務大臣有田喜一君) この演習林の問題は非常にこれ重大な問題と考えております。この問題は、制度自身もこれはもう多少あるかもわかりませんが、それよりもむしろ運用の面に相当あるのじゃないか。したがいまして、第一、人間そのものをしっかり鍛えて、会計法規その他をよく理解させると同時に、一方、先ほどもちょっと触れましたように、予算その他の面において実情に沿わぬところが相当あるのじゃないか。そういうものを直して実情に沿うようにすれば自然にそう不当なこともなくなる、こういうことを考えております。同時に、一方、実地監査といいますか、内部において一方当たっておる人はわかっておるのだが、今度面を変えて、違う人がそういう実情をまた内部において監査して、みずからの力によってこういう弊害が起こらない、こういう不当な点が起こらないように、こういうようなことをやっていけば相当改善できるのじゃないかと考えておりますが、非常に重大な問題ですからさらに検討を加えまして善処していきたい、かように考えております。
  101. 井内慶次郎

    説明員井内慶次郎君) 先ほどお尋ねのございました北海道大学で年間大体どの程度の演習林収入を見込み、どの程度あがっておるかというお尋ねがございましたが、三十九年度で申し上げさしていただきます。三十九年度北海道大学の演習林全体で歳入予算といたしましては二億八百五十七万五千円を見込んでおりましたが、三十九年度収納済みに相なりました歳入額は一億九千三百四十八万二千六百八十円でございます。大体二億前後ということが規模でございます。
  102. 二宮文造

    ○二宮文造君 一点だけ特に私は会計検査院にお伺いするのですが、この指摘事項の技術的な問題ですが、この指摘事項の字句を見ます限りは、三十七年以前には問題がなかったというふうな見方になるわけですね。いまお伺いしますと、ないんじゃないのだ。書類がないので調べようがなかったのだということになると、やはりこの指摘の表現の方法が若干まずいのじゃないか、こう思うのですが、この点はどうでしょうか。たとえば三十六年以前においては証拠書類がなかったので、その調査ができなかったというようなことを付記できるものかどうか、技術的な問題ですが、お伺いしておきたい。
  103. 井上鼎

    説明員井上鼎君) ただいまの御指摘まことにごもっともでございまして、三十七年四月からとなっておりまして、その前は全然適正な経理が行なわれておったかのごとき表現になっておるわけなんでございます。御趣旨は十分わかりました。今後こういうような場合の表現については、もちろんその以前の分について書類がなかったから検査ができなかったということを書いてはならないということはございません。もちろん書いていいと思います。ですから、そういう誤解の起きないような表現を今後使わさしていただきたい、こう思います。
  104. 石本茂

    ○石本茂君 私は国立大学の付属病院の運営に関しますことと、それから医療従事者でありますところの看護婦等の教育に関しますことについて若干御質問したいと思うわけでございますが、まず先ほど来特別会計の話も出ております。この大学病院が特会法にのっとりまして運用されておるわけでありますが、この場合に、これは現場業務でございますし、人間の生命を扱っておるところでございますので、実際の面におきまして、医療機械、器具、材料、あるいは人員等の面においてある程度の特会法の適用を受けましたがための圧迫感、あるいは圧迫を加えられておるのじゃないかということについて憂慮するものでございますが、先ほど大臣から特別会計によりますところの問題につきまして御所見の一端をお伺いしましたけれども、現場業務を行なっております大学病院の運営という面でもう一度大臣の御所見を承わりたいと存じます。
  105. 有田喜一

    国務大臣有田喜一君) 大学病院に対する特別会計の問題ですが、やはり先ほど小林委員に申しましたように、お互いに利害得失があると思います。ことに病院はそれ自体が現場であるし、しかも非常に大事な生命を預っておるところでございますから、一そうその利点を生かしながら、先ほども老朽の病院で五十年以上の病院がたくさんあるということ聞いたときには私も非常に驚いたわけでありますが、そういうものの改善を早くし、特別会計のいい面を生かしていきたい、かように考えておるわけであります。
  106. 石本茂

    ○石本茂君 そこでこれは国立、いわゆる大学付属病院以外の一般会計の適用を受けております厚生省傘下の国立病院との比較の上で言うわけでありますが、おそらく収支のバランスというものが相当程度経営者にとりましては問題になっておると思うのでありますが、非常に細分的なことに触れるので恐縮でございますが、現在二十幾つをこえておりますところの大学付属病院で基準看護の適用を受けております施設一体幾つございますのかお伺いしたいのでございます。
  107. 天城勲

    説明員天城勲君) 国立大学の付属病院は基準看護の適用を全部受けております。
  108. 石本茂

    ○石本茂君 そこでもう一つお伺いいたしますが、基準看護の適用を受けておりますということになりますと、医療法の施行規則十九条の人員は当然用意されておると思うのであります。さらに加えまして、この大学付属病院というところは、病症上から考えましても相当複雑で、かつ容態等の点からも重症の者が大ぜい扱われておると私は考えるわけですが、そういう大学病院という特性部分について、看護婦等の定員が考慮されておりますものかどうかお伺いしたいと思います。
  109. 天城勲

    説明員天城勲君) 最初の医療法に基づきます看護要員の定数問題でございますが、これは御案内のように、入院患者と外来患者を基礎にした看護婦の基準がございますが、当然私どもはこの基準をもとに看護婦を入れておりますが、現実にはこの基準以上の看護婦は用意いたしておるわけでございます。  なお御指摘のように、国立大学の付属病院は、社会診療機関としての使命のほかに、教育研究等がございますために、研究面からくる診療業務がかなり入っております。また現実にかなり重症患者を引き受けておる実情もございます。それから先ほど申した研究の面から見て、かなり先駆的な治療もいたしておりますので、普通の病院以上に医療要員が必要になってきておりますが、それらの点につきましても、できるだけ考慮をいたしていきたいと現在考えておるんでございますが、これにつきましてはたとえば中央手術部とか中央検査部とか特殊な施設も中にございますので、それに必要な看護要員は、この基準看護要員以外に見ておりますし、また御指摘のように、最近はラジオアイソトープによる治療関係の患者が非常に多くなってまいりまして、これの病棟がかなり濃密な看護が必要になってきております。あるいは産科の新生児の病棟とか、あるいは一般に重症患者でございますが、これらの点につきまして、いまの基準看護要員以外に、われわれとして必要な看護要員の要望を、予算的にも要求中でございます。
  110. 石本茂

    ○石本茂君 そこで、それとの関連でございますが、昭和三十九年の五月十四日付で東京大学学部付属病院分院の職員組合の執行委員長から、当時の人事院総裁、いまもそうですが、佐藤達夫氏に対しまして、実は看護婦等の夜間勤務を中心といたしますところの労働条件につきまして、五つの項目にわたって実は行政権の要求をしておるわけでございます。これに対しまして四十年の十月二十日に人事院総裁から判定を下されております。この判定に基づきまして、もちろん人事院規則等にはうたい入れることはできないと。しかしながら当局におかれては、これらの五項目にわたります問題を十分に検討して、そうして看護婦等の業務が改善されるように努力をされたい。なおその所要の措置をとれという判定でございますが、この判定につきまして昭和四十一年度予算措置の場合に、どの程度のことを考慮されまして、現在またどのようなことがこの判定に基づきます時点においての改善措置が行なわれておりますかどうかお尋ねしたいと思います。
  111. 天城勲

    説明員天城勲君) 御指摘のように、四十年の十月二十日付で人事院の判定が出ておりまして、五項目、一言で申しますと看護要員の勤務条件の改善の御指摘がございました。これに基づきまして、四十一年度予算要求の段階におきまして、御指摘にありますように月間の夜間勤務日数の問題ですとか、あるいは一人夜勤の廃止の方向とかいろいろございますので、これらの点を考慮いたしまして、看護要員の増員要求を実はいたしたわけでございますけれども、たいへん残念でございましたけれども、この分についての看護要員の増員が四十一年度認められなかったわけでございます。先ほど申したように、その他大学病院としての非常に特殊な部面につきましては、必要な要員の増がそれぞれ認められておるのでございますが、全般的に看護要員の増加については、昭和四十一年度は残念ながら処置されておらない状況でございます。したがいまして、これは実態に即しても必要なことでございますので、私たちといたしましては、四十二年度に引き続いて看護要員の増員をいたし、人事院の判定の趣旨が生かされるような努力を続けたいと現在考えておる次第でございます。
  112. 石本茂

    ○石本茂君 ただいま局長さん申されましたように、確かに、これは人員増がなければ、とても実現は不可能だと私ども思っております。ところが、まあそうした意味で御努力をいただきましたにもかかわらず、人員は全然増を見ることができなかったと、そういうことからかわかりませんが、たとえば所々方々に参りますと、大学病院におきましても、病棟の一部閉鎖をしなければ看護業務ができないというようなこと等が地方新聞にも載っているのが現状でございまして、そういうふうに地域住民あるいは国民の皆さま方が国立病院に入って、国立大学病院に入って病気をなおしたいという信頼感を満たすことができないところまで追い込まれてしまっているわけでございますから、何としても、来年度予算要求におかれましては、これを確保していただきたいということをお願いしたいのでございますが、同時に、このことの関連におきまして、現在行政管理庁等から出されておりますところの国家公務員のいわゆる定員の不補充でございます。やめた場合の補充でございますが、これが、現場職員でありますところの医師、看護婦等にも適用されておりまして、一人やめますと〇・九ということのために、二人やめなければ一人とれないという現状でございますが、このことにつきまして、文部省当局はどのように配慮されておりますのか。しかたがない、やむを得ない、だから二人やめたら一人とれというようなことでおられますか。このことは、ぜひ私は、看護婦等におきます現場職員については、不補充問題は撤回してほしい、また、されたいということをお願いした経過もございますので、どういうふうにされておりますのか、なっておりますのか、あるいは、どのような運動などをなさっておりますのか、お伺いしたいと思います。
  113. 天城勲

    説明員天城勲君) 御指摘のとおり、現在欠員不補充という制度が、これは看護要員に限らず、全面的にとられておりまして、私たちは、公務員のまあいたずらな膨張ということが一つの問題になっているということは十分わかるわけでございますけれども、他面、部署によりましては、このことが非常に支障を来たすわけでございまして、なかんずく、診療業務に当たる分野につきましては、きわめてこれはもう痛い措置でございます。したがいまして、機会あるごとに、この欠員不補充の問題につきまして、必要な部分の是正について、関係のところと交渉を持っておりますし、明年度におきましても、予算要求を全体の立場で、そういう考え方を同時にとっているわけでございます。  なお、先ほど御指摘がありました看護要員の欠乏の中には、定員までなかなか雇用し切れないという状況もございまして、定員の不足ということのみならず、実員の不足という点も片方ございまして、私たち鋭意、定員の拡充と同時に、実員の確保にも現在つとめなければならぬ、両方の問題をかかえて、いろいろ苦慮しながら努力しておる次第でございます。
  114. 石本茂

    ○石本茂君 ただいまの実員の不足の問題でございますが、看護婦等につきましては、資格要件がございますために、やめたらすぐどっかその辺の人を連れてくるというわけにはまいっておりません。きょうここに厚生省の看護課長さんも来ておりますが、非常にいま看護婦が不足をいたしております。ところが、年度当初四月には、相当数の者が大学病院等におきましても、付属機関であります看護学校を出ているわけでございますが、そのときにどのような配慮をされておりますのか。定員五十だから五十とって、五十以上は入れないということなのか、多少の年間の減っていくであろう数を見込んで年度当初採用を認めていらっしゃるのか、その辺を私は聞きたいと思うのです。というのは、いま申しましたように、人がおらないのです。有資格者が。しかしながら、大学病院などというような、あんな大きな医療機関で、そうして、先ほど来申しておりますような実情にあります。ところが、いないからこそ、実人員が定数に満つようにできないのでございますから、その辺をどのように一体考慮されてきておりますのか、これもひとつ参考までにお聞きしたいと思います。
  115. 天城勲

    説明員天城勲君) 御指摘の点は、いろいろな問題に関連いたしておると思うのでございますが、国立大学の付属の看護学校の例で申しますと、おそらく十分学生をとってないのじゃないかという御指摘じゃないかと思っております。全体から見まして、入学定員と、それから入学生と卒業生の間に差がございまして、入学者だけ卒業しないという実情もございます。また一方、入学許可者だけ入学しないという例もございます。で、私たち、これにつきましては、いろいろな学校の、そもそも将来看護要員になる希望者の問題が基礎にあるわけでございますけれども、学校内容を充実したり、条件を整備いたしまして、少なくとも看護要員の教育を充実した魅力のあるものにしなければならぬという考え方で、諸般の処置をいたしておるのでございまして、特に入学者を何と申しますか、脱落を見込んで定数をよけいにとるということは、結局、教育の規模、質、あるいは教員の定数、あるいは施設関係等で、それを初めから見込んで故意にいろいろな措置をするというところまでやっておりませんが、必要な要員の養成については、できるだけ努力を重ねてまいりたいと考えております。
  116. 石本茂

    ○石本茂君 できるだけ努力したいとおっしゃることばの裏をほんとうは聞きたいのでございますが、そこまで申し上げませんから、できますことなら、年度当初採用のときに、そのときに多くの卒業生がいるわけでございますから、大学病院等におかれましては、採用の時点において、もう一考いただきたいということが私のお願いだったわけでございますし、それから全般にわたりまして、医育機関として、医学生教育と医師の研究とあわせてのこれは大学病院だと私思います。こういう特殊なものを、いわゆる現場業務をお持ちになります以上は、現場業務が完全にいきますように御配慮をいただきたいということを私は強くお願いしておきたいと思います。  もう一つ、これはほんとうの関連でございますが、来年から、県立から国立に移管いたしますところの神戸医科大学におきまして、この移管に伴う問題としていま出てきておりますのは、そこに働いております三百名をこします看護婦等の給料が、地方公務員から国家公務員にかわりますと、多いのは一万円、平均いたしましても数千円の減額になるという事態が実は起きてきております。もちろん、国立になる以上、医療機関と一緒にかわりたい者はかわればよろしい、いやな者は地方に行きなさいということで解決することであると思いますが、実際に経営に当たっておられます医長特に総婦長などは、国立に移管いたしましたために、その時点において地域の皆さまに迷惑をかけてはならない、看護職員がおそらく半分以下に減るだろう、いまの予想でありますと、このままいくならば三分の一ぐらいは残るかもしれない、しかし、ほとんどの者は地方公務員の身分において、他の機関に移っていくだろうという問題が起こってきておりますが、これは非常にむずかしい問題でございますが、人事院当局も一部国家公務員だけの給料をそのまま据え置くということは非常に困難なことであろうと思いますが、これを受けて立っていかれるでありましょう大学ないし文部省当局におかれまして、この問題をどのように現在取りさばく用意をしておられますか。また、人事院等に対しまして、どのような要望などを出されておりますのか、少し具体的に、簡単でけっこうでございますが、お聞きしたいと思います。
  117. 天城勲

    説明員天城勲君) たいへん具体的な問題でございますし、ある意味では、かなり技術的な問題でございますが、御指摘のように、神戸大学病院国立明年度移管されるにあたりまして、診療要員が全部国家公務員に切りかえられる場合に、地方公務員の給与と国家公務員の給与が必ずしも一致しておりませんために、そこに差の問題が出てきているわけでございます。原則論として、どうしても国家公務員は国家公務員の給与ベースにこれは持っていかざるを得ないわけでございまして、原則論として、私たち、神戸大学の看護婦さんだけ特別な給与表を使うわけにどうしてもまいりません。また、現にそういう給与表もないわけでございます。しかし、現実に移管によって個人個人が非常に給与の低下を来たすということも問題があることは十分承知いたしておりまするので、これから先は非常に技術的な問題になってしまうんでございますが、人事院ともきわめて具体的な交捗を重ねておりまして、個人個人につきまして、国家公務員の格づけの方法を一人一人洗いまして、最大限度の伸ばし方をした場合にどこまでとれるかという、かなり厳密なことを現在やっているわけでございます。しかし、いろんな事情があろうかと思いますが、きわめてとっぴな離れた方がございますので、こういう方々はどういう方法をとりましても、その減収を補償することはいまの制度では無理なところも一部にはございます。しかし、全体としては、先ほど申し上げましたような考え方で、一人一人の給与につきまして、いま再計算、洗い直しをしながら、可能な限りの条件をもって移行の問題を検討しているわけでございます。
  118. 石本茂

    ○石本茂君 たいへん御明快でありがたいと思いますが、ひとつよろしくお願いいたしたいと思います。  次に、看護婦等の教育についてでございますが、昭和三十九年に文教政策の一環としまして、高等学校教育課程の中に衛生看護科を設置されたわけでございます。当初は神奈川県に一校だけでございましたが、現在はもう五十校をこえまして、非常にこの教育一般社会の皆さまに歓迎されているということをわれわれは知っているわけでございますし、また、将来家庭の子供を育てながら国民健康の一翼をになう主婦となる人々のためによい教育でありますことを喜びますと同時に、あわせて、この人方が准看護婦の資格要件をも備えておりますので、医療の現場にも出てきてもらえる可能性があるということで、非常に医療現場におります者は、この教育について喜んでいるわけでございますが、一つ問題が出てまいりましたのは、この教育に当たるところの、いわゆる高等学校について、看護のほうの教育を担当する教師の資格、身分の問題が出てきていることも御承知いただいていると思うのです。ここでいろいろお聞きしたいことがございますが、整理して申し上げますと、短期大学であります看護学校を出た人、それから各種学校であります看護学校を出た者、文部省の言っておられます大学の付属の看護学校も、これも全部各種学校でございます。そして高等学校を出られ三年間各種学校教育を受けました二とおりおりまして、いわゆる短大以上の学校の形式を整えました資格のあるところを出ました者は、大学四年制でございますならば、これは問題ございません、高等学校教師としての資格要件を持っておりますので。その短大の場合でございますと、ことしの夏初めて実施してくださいました例の認定講習でございますが、短大卒でございますならば、三年間の日月を経過いたしますことによって何とか資格要件を整えることができるであろう。しかしながら、同じような条件のもとに看護教育を受けてまいりました者が十年を経なければ、各種学校を出た者はとても教員認定の資格をとることができないという事実が出てきているわけでございます。そこで、五十校をこえますところのこの教員の資格を調べてみますと、とても大学、短大以上出ている者は何%にもすぎない、ほとんど各種学校を出た者が、教育ができるだけの条件を持っておりますので、実際教師として教育の現場に出ておりますけれども、いま申しましたようなアンバランスがありますために、十年とは一体気の遠くなるような問題ではなかろうか。何とかこれを現在の各種学校であります看護学校等を文部省のお立場で十分な審査をいただきまして、何とか短大卒と同等の要件を備えるものとしての教師資格要件ということをお考えいただけませんかということでお聞きしておきます。おそらく、新大臣の前の大臣のときには、そういう要望がいっていたと思いますが、その辺につきまして、当局はどのような考えを持っておりますか。これは規則だからしかたがないのだ、そんなものは十年かかろうが二十年かかろうがおまえらは学校を出ていないじゃないかということで片づけてしまわられることは、この教育が始められましたときに、はたして文部省がこの学校の教師の教育機関を設けたかどうか。やっとことしの四月、熊本大学教育学部の中に看護学校が設置されまして、この教師の育成が始まりました。建物が建ちまして人が入りまして、やっとこれから教育を受けようという時点から考えまして、いま私が申しました各種学校ではございますが、いまあります二百校をこえております三年制看護学校内容審査いただきまして、何としても短期大学卒業者と同じような条件のものと見ていただけますか、お伺いいたします。
  119. 天城勲

    説明員天城勲君) 御指摘のように、看護課の免許状を有する教員という問題になりますと、免許法上制度がございません。保健の免許状を持っている方々に現在担当していただいているのが実情でございます。これは免許状の資格要件として、現在学校教育がいろいろな基礎条件になっておりますので、高等学校卒、短大卒、四年制卒、いろいろな条件に基づいて種別の免許状を与える制度になっておりますので、その原則論からまいりますと、看護課の教員の養成ということは、ある意味では非常に例外的なことになってまいるのではないかと思っております。したがいまして、私どもといたしましては、ただいま御指摘のように、正看の養成の大部分が各種学校で行なわれているという状態、しかも、看護を担当する先生は看護婦の免許状を持っておる必要があるという、学校教育と看護婦養成のコースとの組み合わせのような形をとらなければならぬ方々のために、現在の免許状では十分乗り切れませんので、実は前通常国会におきまして免許法の改正をいたして、新しく看護担当の教員の免許制度、その資格要件について制度を新しく設けたいと考えたわけでありますが、諸般の事情でこの免許法が成立いたしておりませんために、法律制度から申しますと、現在も同じブランクな状態でございます。ブランクと申しますか、前向きの制度ができておりませんので、保健課の免許状でやっている実情でございます。したがいまして、これが私たちの課題でございますので、次の機会にやはりこの点を改善いたさなければならないと考えているわけでありますが、そこで問題は、短大というものと、短大相当の年数をかける各種学校との関係でございます。これらにつきましても、いまお話しのように、十年九十単位という原則論でいっては、たいへん時間がかかるということもよくわかっておりますので、この辺で実態を十分考えて、必要な教員が確保できるように、また、教育の実態に即して教員養成ができるようにということを考えて検討いたし、次の機会に案を整えまして、また御審議いただきたい。こう考えております。
  120. 石本茂

    ○石本茂君 なお、来年度さらにこの学校が相当数ふえてくるように聞いております。先ほど局長がおっしゃいましたように、一日も早く前向きの姿勢でこの問題を解決されますように、特段の御配慮をお願いしたいと思います。  最後に、時間もございませんので、これは大臣並びに当局にお伺いしたいのでございますが、いま申しておりますように、看護教育の実態を見ますと、大学四年制というのはたった三校しかありません。短期大学は七校しかございません。これは全体の三割にも満ちておらないわけであります。こういう状態にありますために、せっかく女子教育の振興ということでお考えいただきましたことが、なかなかじょうずに進んでいかないというような事態が出ておりますから、看護という教育大学教育にするということにつきまして、大臣の腹蔵なき御意見をいただきたいのです。そんなら看護婦というものは、大学教育要らぬじゃないか、医者がいるじゃないか、おまえたちは医者の補助者じゃないかというような御見解をお持ちではないと思いますが、その辺をよく聞かせていただきたいと思います。医療現場におりまして医師とともに働いておりますが、いまの看護婦、少なくとも大学付属病院の看護婦は単なる医師のサーバントでもございませんし、単なる医師のアシスタントでもないと私は思っております。それぞれ独自の看護理念に基づきまして病人の生活の環境の管理をしております。そこには指導性と、そして人間管理能力がなかったらできない仕事なんです。それをとにかくやれと、やらせよということでたいした教育もしないで今日までほってこられたということについて、私は看護婦でございますから、てまえみそであるかもわかりませんので、この考えにつきまして、大臣の御意見をひとつ承りたいと思うわけでございます。看護教育大学教育にすることがいいのか悪いのか、いいとするならば、どうするのか、それについてお伺いしてみたいと思います。
  121. 天城勲

    説明員天城勲君) いま御指摘の点、また大臣から御答弁いただきますが、ちょっと事情を私のほうから最初に申し上げたいと思っております。  現在診療関係が非常に高度化してまいりまして、従来の意味の医者の仕事も非常に専門化してまいりますと同時に、医療技術者という分野の仕事が非常にふえてまいりました。これはいま御指摘の看護婦の仕事もまさにその一つでございますが、最近は新しい診療方法が進歩いたしまして、放射線を扱う診療放射線の関係の技師とか、あるいは各種の検査に当たる衛生検査技師、こういうものも単に手助けというよりも、それぞれ専門の知識と教養を得た者でなければできないような状況になってきておりまして、現在看護学校のほかに放射線の取り扱い者のための学校、あるいは衛生検査技師の学校等が各種学校としてかなり設置されてきている状況でございます。これらの学校につきまして、いわゆる一条学校の中に位置づけるべきじゃないかという御意見も強く出ているわけでございまして、御指摘のように、四年制の学校もございますし、短期大学も十分ではございませんが、最近出てきておるわけでございます。私たちといたしましても、教育の充実をはかり、また、魅力ある教育機関にするためには、これはすべてが大学でなければならぬという意味じゃございませんが、短期大学、特に現在の段階では短期大学が最も適しておると思っておりますが、短期大学がこれらのコースを持つことはやはり適切であろうと考えております。そういう意味で、大学教育にこれらの診療要員の養成が適さないという考え方は毛頭持っておりませんで、可能なところがら短期大学の制度の中に織り込んでいけたら進めてみたいと、こういう考え方を持っておりまして、実は明年度におきましても、国立大学にそういう短期大学を設置する予算要求をいたしている次第でございます。
  122. 有田喜一

    国務大臣有田喜一君) いまの問題は、大学学術局長からいま御説明申したとおりでありますけれども、これは数年来の要望であります。文部省としましても、昭和四十年以来国立の看護短期大学の設置について努力してきたのですが、いまだに実現しないのは非常に遺憾でございます。ことに最近における社会要請が強うございますから、それらの点を勘案して、いま大学学術局長が申しましたように、看護、診療放射線あるいは臨床病理検査各部門について、高度の技術者を養成する、こういう立場でありますので、これらの養成のために、各種学校を改組して国立の短期大学創設のために一段と努力したいと、来年度、四十二年度予算にも、文部省としましては強く大蔵当局に要請したいと、かように考えておりますから、どうぞ御了承願います。
  123. 石本茂

    ○石本茂君 最後に一言お願いでございますが、いまの大臣のおことば、局長さんのおことばを通じまして非常に私はうれしいのでございますが、二年間にわたりましてお出しくださいました国立短期大学がゼロ査定になって終わっておりますが、何としてもいま考えられております東京、大阪、そして仙台の三つの付属看護学校の短大昇格の点につきましては、何としてでも来年は実現させるのだという情熱を持って衝に当たっていただきますことを、ここで深くお願いしておきたいと思うわけでございます。  それからもう一つだけ、先ほどおことばがありましたので、御了解いただいていると思いますが、いまの医療現場で病気を見る人は医者でございます。病人を見ているのは看護婦でございます。その辺を十分に御了解くださいまして、よろしく事を進めていただきますことをお願いいたします。  以上をもって終わります。ありがとうございました。
  124. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 他に御発言がなければ、文部省についての審査はこの程度にとどめ、午後二時半まで休憩いたします。    午後一時二十五分休憩      —————・—————    午後二時四十五分開会
  125. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) ただいまから決算委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、昭和三十九年度決算外二件を議題といたします。  大蔵省の決算について審査を行ないます。  これより質疑に入ります。質疑のおありの方は、順次御発言願います。
  126. 岡三郎

    岡三郎君 審議に入る前に、いまの委員長理事打合会の報告を聞いたわけですが、限られた時間で一応のめどを立てることはわかりまするけれども、委員長が申しましたように、われわれも焦点をしぼって質疑はいたしまするけれども、答弁するほうが時間を要する等のことがあって、不十分な場合等においては、後刻また委員長理事打合会でやるということの前提は、審議を尽くすということだというふうに考えてよろしゅうございますか。十分審議を尽くす、つまり、これは時間の問題ではなくして、三十分間で片づくかもわからぬ、あるいは、もっと時間が、きょうの予定よりも延びるかわからぬ、そういう点については、審議の状況においていろいろと相談が委員長理事の打ち合わせであるとしても、その要は、根本は、昨日も申しましたように、この問題については決着をつける、中途はんぱなことはしないというふうに受け取ってよろしゅうござんすか。
  127. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) そういう意味です。どうしても問題が残れば、委員長理事打ち合わせをやる、こういう意味です。
  128. 岡三郎

    岡三郎君 よくその点わかりましたが、そうすると、かりにもしも残った場合においては、やはり問題の事柄が事柄でございまするから、そう時間をおかないでやるというふうにとってよろしゅうござんすね。
  129. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) それは委員長理事打ち合わせでとりきめます。
  130. 岡三郎

    岡三郎君 それはわかっているわけだ。わかっているけれども、要は、打ち合わせでまただらだらだらだら延びてしまったんでは、問題の解決にはなりませんので、すみやかにそういう方向づけをしてもらえるかどうかということについて念を押したわけです。
  131. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) そういう意味です。
  132. 大森創造

    ○大森創造君 共和製糖グループの宮崎工場に対する融資の問題について、三日目でございますけれども、なかなか真相が解明できません。皆さん方のほうでも、いままでお聞きしてみますると、大沢総裁は最初の日、私の質問に対して、答弁を拒んだ。次の日は、これは間違いであったというふうに訂正をされている。しかし、その他の銀行の方々は、依然として自分の立場から正しい貸し付けであったというような主張を繰り返しておる。一方、私のほうは、これは重大問題ですよ、私印偽造だ、私文書偽造行使だ、こういうことまで具体的にあげているのです。いずれ、この問題については同僚の議員からも質問があって、近いうちに決着を見るでありましょう。四十分という時間の限定でございますから、私も能率的にポイントだけを質問をいたします。  まず、食糧庁長官にお尋ねいたします。きのうの私の質問に対して、例の細島の果糖、ブドウ糖の工場の千二百トンの計画の問題、荏原製作所に発注しておるのだと、池田設計事務所にこれはすでに依頼をして完成しているのだということについてお尋ねをした。公取委員長が精糖工業会のほうに電話をかけてみたらば、ほぼそれに近い線が出そろったということでございますが、食糧庁長官は監督官庁として、この事実をどの程度知っていたのでございますか、あらためてお伺いいたします。
  133. 大口駿一

    説明員(大口駿一君) 細島の土地においてすでに完成をいたしております製糖工場のほかに、さらに千二百トンの工場を建設をする計画を有しているという御指摘を昨日受けまして、私、食糧庁といたしましては、そのような新たな工場の規模の拡張についての計画については、共和製糖から正式の報告を受けておりませんので、私、きのうはそのような計画については存じませんというお答えをいたしたのであります。その後、昨日の委員会あとでいろいろ問い合わせをいたしてみたのでありまするが、会社側といたしましては、将来の構想として、そのような規模を拡大をしたいという構想は持っておるのですけれども、まだ食糧庁に正式に御説明をするようなところまで、はっきりとした、固まったものではないという非公式の返事をもらっております。昨日の委員会が終わりましてから、今日ただいままでに私どもが承知いたしておりまする問題は、以上のとおりでございます。
  134. 大森創造

    ○大森創造君 速記をあらためてみなければわかりませんが、私の了解した限りでは、きのうのあなたの答弁は、聞いておるというふうにお答えになったんではありませんか。
  135. 大口駿一

    説明員(大口駿一君) きのうの私のお答えは、大森委員並びにその後の岡委員にお答えをいたした点を総合いたしますと、現在の製糖業界の現状からして、先般公正取引委員会で認可になりました不況カルテルが、各個別会社の能力のシェアをきめてカルテルを結成をするという内容になっておりまするために、各個別企業としては、自分の会社の現在の能力並びに将来の拡張計画等を含めて、業界内部の相談の際には御説明をしたであろうと想像されます。おそらく、公正取引委員会が業界からの御説明をお聞きになった際にも、そのような説明があったことは想像されますが、食糧庁としては、正式にそのような計画について業者から説明を聞いたことはございませんという趣旨の御説明をいたしたのでございますが、ただいまお答えをいたしましたのは、せっかくの御指摘がありましたので、昨日来会社側に問い合わせましたところ、そのような構想はあるにはあるが、まだ食糧庁に正式に説明をするような具体的なものに固まっておらないという報告を受けておりまするので、ただいまお答えをいたした次第でございます。
  136. 大森創造

    ○大森創造君 この砂糖の不況カルテルは、ことしの八月認可になったわけですね。そこで、この認可の際には、主務大臣とそれから公取委員長のほうで協議をして認可するということだろうと思うのです。で、この場合は砂糖でございますから、主務大臣は農林大臣、すなわち食糧庁長官が代行することになってるんだろうと思う。そこで、いま私が申し上げたように、千二百トンの工場設備を発注してるんですよ、荏原製作所に。これは電話をかけてみてもわかる。発注してるんです。設計もでき上がってるんですよ。その場合には、私の常識では、日本精糖工業会が共和製糖にかわって、共和製糖がこれこれの事情によって千二百トンの設備を増設中であると、こういう説明があなたのほうに正式にあってしかるべきだと思う。ないのはおかしいと思うのですが、いかがですか。
  137. 大口駿一

    説明員(大口駿一君) 砂糖の不況カルテルを公正取引委員会として認可になりまする際に、手続上、農林省に協議があるわけです。今回公正取引委員会が御認可になりました砂糖の不況カルテルは、各社別のシェアはパーセンテージで出ておるわけであります。すなわち、不況カルテル中は砂糖の全体の製糖量をこの程度に押える、その数量を各社別には各社のパーセンテージとして計算して、その数量の範囲内で生産をするということを不況カルテルの内容といたしておるわけであります。そこで、その各社別のパーセンテージを相談をする場として、精糖工業会の内部において、自分の会社の能力並びに将来の計画等を織り込んだものについていろいろ協議を経た上、非常に長い期間を経て、ようやく各社の間の話し合いがまとまったものがパーセンテージとして出されておるわけでございます。なお、その今回認められました不況カルテルにつきましては、将来能力が変わった場合についてはどのような修正をするかという問題については、単に手続をきめておるだけでございます。具体的にこの計画についてはどう直すというようなことはきめられておりませんので、当然業界の内部での話では、各社別にそれぞれ思い思いの計画について話が出たと思いますけれども、食糧庁に正式に公取から協議がありましたときの内容は、各社別のパーセンテージの数量だけが正式の書類として回ってきておるだけでございます。
  138. 大森創造

    ○大森創造君 大体その点は了解いたしましたけれども、それならば、荏原製作所に現実に千二百トンの機械の発注が終わって、それから設計も完成しているということは、いまの長官の説明によって、シェアのうちだからそれは許されてよろしいというふうに解釈してよろしゅうございますか。
  139. 大口駿一

    説明員(大口駿一君) 個々の会社の発注の状況等につきましては、詳細把握をいたしておりませんが、今回承認になりました不況カルテルは、現在稼働しておる能力というものか、中心にシェアがきまっておるというふうにわれわれは了解をいたしております。したがいまして、ただいま大森委員が御指摘になりました将来の計画については、その計画が完成をした暁においてシェアの修正を業界の中で相談をするということが予想された手続はきまっておりますけれども、今回きめましたパーセンテージの中には、現に御指摘がありました将来の計画、すなわち、機械がすでに発注されておると申されておりまするが、そのような能力は算入されておらないというふうに私どもは理解をいたしております。
  140. 大森創造

    ○大森創造君 それでは、あとからその点はまた触れるといたしまして、ブドウ糖と果糖の問題について、ブドウ糖メーカーが全国で幾つありますか。これは数しれておりますね。
  141. 大口駿一

    説明員(大口駿一君) 十九社二十一工場。
  142. 大森創造

    ○大森創造君 これはブドウ糖メーカーというのは、私の調べたところでは、二十なんですな。そこで、それに対して融資のあっせんをする。融資を伴った行政指導ですから、これは非常に強力なもんですよ。しかも、全国で二十か二十一ですからね。融資を伴った行政指導だから、これは圧倒的に強い、食糧庁の立場は。ですから、各社のことについては数がしれてますから、二十か二十一か、その点はよろしいですよ。これは答弁求めません。そのうちの二つについて私はお尋ねしたい。  これはいまの問題になっている共和製糖と関係がございます。共和製糖そのものでございます。その一つ、明利酒類が倒産したのが三十九年の夏かと思います。菅貞人氏が日本糖化を設立いたしまして、そして明利のブドウ糖部門を引き受ける、こういういきさつになった。会社のことを私は知っているので、あれほど損している会社をどうしてどなたが引き受けるのだろうとふしぎに思ったことがある。このいきさつをひとつ簡単に御説明願います。
  143. 大口駿一

    説明員(大口駿一君) ただいま御指摘になりました明利酒類という会社は、昭和三十九年八月に共和糖化が吸収をいたしまして、ブドウ糖部門を吸収いたしまして、日本糖化という会社として発足をいたしております。
  144. 大森創造

    ○大森創造君 そのことは私が質問の中で申し上げたのでありますが、どういうわけで損する会社を引き受けたかという、その間の事情を簡単に御説明願いたいと思います。
  145. 大口駿一

    説明員(大口駿一君) 食糧庁といたしましては、カンショでん粉の有効利用という見地から、ブドウ糖企業の育成をはかるという方針のもとに、諸般の政策を進めてまいったわけでございまするが、昭和三十八年八月に粗糖の輸入の自由化をいたしましたことに伴いまして、国内の価格がその後非常に低迷をいたしまして、用途として競合いたしておりまする関係上、ブドウ糖企業が、原料でありまするでん粉の価格と、製品でありまするブドウ糖の価格との値幅が非常に狭くなったということから、非常に経営不振におちいる会社が非常に多かったのでございます。しかしながら、カンショでん粉を利用する重要なる用途とじてブドウ糖企業というものをやはりある程度の育成をしていく必要があるということは、今日も事態が変わっておりませんので、食糧庁といたしましては、今後のブドウ糖企業をどのような形で育ててまいるかということにつきましては、いろいろの角度から慎重に検討いたさなければならぬ事情にあろうかと思います。その検討の過程におきまして、少数の大型の合理化工場を育成をしたほうがいいんじゃないかというような意見もあったのでありまするが、しかし、これに対しましては、また別の角度からのいろいろな意見もございまして、その少数大型化の工場を育成したほうがいいという観点と同じような立場に立って、大型の工場と申しますか、大きな能力の工場を建設するほうが望ましいのだという判断から、共和糖化としては、ただいま御指摘の会社を吸収をして新しい会社を発足したものと私どものほうは推測をいたしております。
  146. 大森創造

    ○大森創造君 いまの食糖庁長官の説明は私はわかっているんです。全部。私の言うのは、この場合、問題の共和製糖菅貞人氏が損を承知の上で買ったということですね、引き受けたということです。その明利酒類のほうは、これはバランスシートを私は持っております。ここに。そうしますと、このバランスシートの上では、一年間の商売高が八億円です。そこで約一億円近くの欠損を出しているわけです。この会社は現実に毎年。八千五百万円から一億の欠損を出している、毎年。操業をするたびに欠損を出している。で、いま長官のお話のように、ブドウ糖の市況は低迷を続けている。あまりもうからない。これはくろうとの菅貞人氏はよく知っているんです。そこで、商売をやっていて一億近くの損が毎年ある。それを伊藤忠から借金をしているんですよ。六千万以上でしょう、おそらく。もう一つ公庫のほうから貸し金を受けている、借りている。これが一億五千万でしょう。公庫の方にお答えいただきたいと思うんですが、一億五千万だと私は思う。一億五千万と、伊藤忠商事株式会社のほうから六千万余りの現金を借りている。それをキャッシュで伊藤忠のほうには払った。その間の事情は、このブドウ糖部門を引き受けても肝心なところ、抵当を押えている。伊藤忠というのはこれは商売人ですから、これは抜け目がないから、道路部分を押えている。だから菅貞人氏、共和製糖がこれを肩がわりしても使えない。だから、キャッシュで伊藤忠に払っている。そこで、そうでない道路の向こう側のほうは公庫が抵当に取っている、そういう事情です。だから、六千万もキャッシュで払い——決して景気のいい会社じゃないですからね。きのうの国税庁長官の二宮議員に対する答弁を新聞で拝見しましたが、みな税金ないですから、おそろしく景気が悪い。それにもかかわらず、六千万円のキャッシュを払って商売をやると、一年間に一億円近くの損害、公庫に一億五千万の借金がある、これの肩がわりをして引き受けるということ、しかも、市況はだんだん低落ぎみ、こういうことをくろうとの菅氏は知らないはずがないにかかわらず、あえて引き受けた。これはどういう事情か、ここに問題のかぎが一つあるような気がする。よほどお人好しでなければ、あなたのほうの一般的な行政指導の観念はわかるが、その気持ちはわかるが、こういうことをあえてやる人はありませんよ。汚職の金から出すのだ。浄財じゃない。千円以上くれないです。私もらったことがない。国民協会にも集まらない、自民党の方おわかりのとおり。派閥関係には金がよけい入る。これは少し脱線しましたが、だから、あなたのほうの一般的な指導理念はわかるけれども、これほど頭のいい菅貞人氏が、いま申し上げたような事情を踏まえて、どういう思惑でこれを手に入れたか、これを御存じですか。
  147. 大口駿一

    説明員(大口駿一君) 経営者の判断としてどのような判断からこのような会社を吸収をする決心に至ったかという問題につきましては、私ども、その内容を知るよしもないわけでありまするが、先ほど来申し上げてありまするように、食糧庁といたしましては、ブドウ糖企業全般の問題として、現在のカンショ価格並びにカンショでん粉の需給事情その他から勘案をいたしまして、また別には、砂糖価格の現状との関連におきまして、ブドウ糖企業全体をどのような形で今後行政指導していくべきであるかという問題は、目下大きな問題として私ども今後検討を必要とする問題であるとは思いますが、ただいま大森委員の御指摘の、個々の経営者がどのような判断をして、どのようなまた成算があってこれに決心をしたかということの内容につきましては、私どもとしてはその内容は承知をいたしておりません。
  148. 大森創造

    ○大森創造君 それは一応その問題についての質問はとどめておきますが、別の問題、同じような問題がもう一つあります。同じく菅貞人、熊野産業というのがあります。これは名前は出しませんよ、AとかBとかCとか、めんどくさいから出しませんよ。熊野産業が行き詰まった、同様の事情で。今度は、日本糖化じゃございません、共に栄ゆる糖化、共栄糖化。ところが、共に栄えない。これは数ヵ月のうちに操業停止になってしまった。共栄糖化じゃない、名前にはずれるような成績にあったわけです。これも大体日本糖化、明利酒類と同じようなケースなんです。相当な負債があったのです。どのくらいの負債があったか、どこから幾らの負債があったか、熊野産業。のほうは二十か二十一ですから、冒頭に申し上げたように、ブドウ糖メーカーは二十か二十一である。しかも、いま長官がお答えになったように、何というか、不況のために統合整理をして四つのブロックにびしんとしようとしたのですから、二十か二十一の会社の業態はよくわかっているはずですよ。長官のうしろの人が全部知っているはずです。借金がどこからどれだけあったか、熊野産業はどういう条件で肩がわりをしたか、これ簡単にお答え願います。
  149. 大口駿一

    説明員(大口駿一君) 熊野産業は、昭和三十九年八月以降、ブドウ糖工場につきまして、共和糖化の子会社であります共栄糖化という会社が賃借をして経営をいたすことに相なったわけでありますが、その時点において、熊野産業がどのような、いまお尋ねのような経営内容と申しまするか、債権債務の状態にあったかという詳細につきましては、私ども承知をいたしておりません。
  150. 大森創造

    ○大森創造君 公庫は幾ら貸しておりましたか。
  151. 大沢融

    参考人(大沢融君) 熊野産業には、三十七年でございますが、一億九千八百万円でございます。
  152. 大森創造

    ○大森創造君 その数字は私の調査と合致しております。これは偽造じゃございませんな。  そこで、鹿児島経済連からも借りているのだ、はっきり申し上げると、鹿児島経済連ですよ。これは食糖庁、わからないはずはない、金額は幾らですか。
  153. 大口駿一

    説明員(大口駿一君) 熊野産業が鹿児島の経済連に対して、イモ代金の未払い債務を有していることは私どもも承知をいたしておりまするが、その金額が幾らであるかということにつきましては、現在ちょっと手持ちの資料を持っておりませんので、いずれ後ほど……。
  154. 大森創造

    ○大森創造君 その点については、これも私と一致している。私も金額はわからない、実は。大体一億前後じゃなかろうかと思うのですが、あと五分以内に調べていただきたい、うしろの方、これはわかりますから、簡単なことだから。  そこで、経済連の会長はだれだ。
  155. 大口駿一

    説明員(大口駿一君) 当時の鹿児島経済連の会長は参議院の田中先生と承知をいたしておりますが、現在の会長は私は存じません。
  156. 大森創造

    ○大森創造君 田中先生というと、田中どなたですか、田中が近ごろはやっておりますから、参議院議員のどなたですか、田中というのは。
  157. 大口駿一

    説明員(大口駿一君) 田中茂穂先生です。
  158. 大森創造

    ○大森創造君 これは聞いたことがある名前です。わかりました。  そうすると、田中茂穂先生が経済連の会長をやっている。そこで、いまから五分以内に発表される数字を借りていたのですよ。それから公庫のほうは一億九千万円貸していたのですよ。さっきの日本糖化と同じように市況が悪い、損がいく、このことを当然見ながら、税金を一銭も払えない共和製糖が無理をして引き受けた、商売人が。商売人中の商売人ですよ。たいした商売人ですからね、これは。もうかるとなると、どこでもやってくる商売人ですから、十三会社があるのだから、含み資産は全部農林開発のほうにやっているのだから。そこの社長だけは菅貞人なっていないのだからね。そこいら、なかなか頭のいいところですよ。みんな、含み資産は全部農林開発のほうにやっている。ここの社長だけはやっていないのですからね、菅貞人氏は。菅貞人民が日本糖化と、それから熊野産業を今度は共栄糖化ということにして、二つを引き受けたのですね。どういう思惑かというのです。あらためて聞きます。何かあったのでしょう、当時の食糧庁長官はどなたですか。
  159. 大口駿一

    説明員(大口駿一君) 先ほど明利酒類の際にお答えをいたしましたとおり、個々の経営者がどのような判断のもとに決心をしたかという詳細につきましては、私ども詳細を承知をいたしておりません。
  160. 大森創造

    ○大森創造君 当時の長官はだれ。
  161. 大口駿一

    説明員(大口駿一君) 私は就任後二ヵ月でございまするので、少なくとも当時の長官は私ではございません。
  162. 大森創造

    ○大森創造君 それはうしろの人に聞いたらわかるので、お教えいただきたいと思う。  そこで、私が質疑応答したのは、これは新長官も大体わかると思うのです。あなたのは一般論、指導理念ですよ。そのとおりにやるかというと、どっこい、そうたやすくやるはずはないですよ。赤字覚悟で、欠損続きで、そうして公庫の借金は引き受けるわ、それからキャッシュで伊藤忠に支払ってやるわ、こういうのは何かを期待してやるんですよね。菅貞人、何かがあると、私は。当時の食糧庁長官、これ言うてください、あとから。食糧庁長官、菅貞人、これは合議の上やったんですよ。公庫も一枚入っていたわけだ。あんた、泣く泣くこれを受けてくださいよと、こういう話があったのですよ。事実あったんですよ、これ。東食も入っているかもしれないよ。あるいは農中も入っているかもしれない。全国の信連の会長というのはどなたですか。どなたに聞いたらいいかな。全国信連会長はどなたですか。農協の信連会長、農林省の方なら御存じでしょう、有名だから。
  163. 楠見義男

    参考人(楠見義男君) 便宜私からお答えしますが、信連関係でございますから、全国信連協会といいますが、協会の会長はいまお話がございました田中さんです。
  164. 大森創造

    ○大森創造君 そうすると、あなたのほうの農中と全国信連協会長というのはやはりこれは密接な関係があるでしょう。どういうことになっているのですか。選挙とかなんとかであなたの地位が選ばれるのですか、どういうことですか。そこのところをつまびらかに教えてください。
  165. 楠見義男

    参考人(楠見義男君) 各都道府県に農業の信用組合連合会がございまして、その全国都道府県の信用組合連合会が集まりまして協会をつくっておるわけなんです。その協会は実務はいたさないのです。ただ、信連共通事項について調査研究をいたしましたり、主としてそういったことを中心にやっております。あれは社団法人でございます。
  166. 大沢融

    参考人(大沢融君) お話が出た熊野産業でございますが、これは公庫の貸し付け金は共栄糖化ですか、それが引き受けているのではなくて、熊野産業自体がやはりしょっておる、こういうことでございます。熊野産業の、先ほど私申し上げました一億九千八百万ですか、この公庫の貸し付け金は、いまの熊野産業の借金になっているわけで、これを、おっしゃったような、別の会社が引き受けているということではございません。
  167. 大森創造

    ○大森創造君 熊野産業が今度は共栄糖化に肩がわりしたのだから……。
  168. 大沢融

    参考人(大沢融君) そうじゃないのです。
  169. 大森創造

    ○大森創造君 そうじゃない。熊野産業として残っているのですか。
  170. 大沢融

    参考人(大沢融君) そうです。
  171. 大森創造

    ○大森創造君 いまでも。じゃこれは未済なんですね。一億九千万円のあなたのほうの債権残っているのですね。
  172. 大沢融

    参考人(大沢融君) そのとおりでございます。
  173. 大森創造

    ○大森創造君 それじゃ、これはどなたが御存じですか。それでは、鹿児島の経済連からの数字はわかりましたか、借りているのは一億だと思いましたけれども。
  174. 大口駿一

    説明員(大口駿一君) ただいま調べておりますので、もうしばらくお待ち願います。
  175. 大森創造

    ○大森創造君 たとえば一億といたしましょう。これは公庫と違って、支払ったと言うのだが、その支払いが問題だ。で、私はこうだと思うのですよ。損を覚悟で、業者は、菅貞人ばかりじゃありませんけれども、二十あるのですからね。二つの会社を引き受けさしたのは、だれがやったのかといえば、常識的に考えられるのは食糧庁ですよ。食糧庁と、それから公庫、これが一役買ってあっせんの労をとらない限りは、あんた、水戸の明利と熊野産業が引き受けやしませんよ。そこで、損を覚悟でやったのは、何かが期待をできる。何とかして損がカバーできるということであったのではないかと思う。お答えございませんけれども、時間がないから私、はしょりましたが、内容はこうですよ。共栄糖化に肩がわりするときには、設備一切を共栄糖化が熊野産業から引き取って、それを賃借したのですよ。これは年間二千七百万円、それで負債を払っていたのですよ。その二千七百万円の賃貸料でもって、公庫のほうに支払いを何割か済ませている、共栄糖化の名前で。そして共栄糖化の名前で結局肩がわりしたのですから、鹿児島経済連のほうへもだんだんに返していく。その負債返還状況はどういうふうであろうかというお尋ねなんです。一つは。公庫のほうのお答えは、これはいまのは未済ということでございますね。二千七百万円の賃貸料というものを支払っておる。これは事実をお答えくださいよ。実事を。多少時間がかかってもいいから、記録に残りますからね。私はどうもガラガラ声で、きょうはかぜをひいておりますからなんですが、至って神経質ですから、あとで虫めがねをかけて見ますから、間違いないようにお答えください。
  176. 大沢融

    参考人(大沢融君) いまおっしゃるように、確かに、こ共栄糖化が熊野産業の施設を借りまして、その施設を借りる賃貸料を払うという契約があったのです。これは私どものほうは、これから共栄糖化が熊野産業に支払った賃貸料の一部については公庫のほうへ返してもらうということで、一部ほんのわずかな金のようですけれども、取っております。
  177. 大森創造

    ○大森創造君 そうすると、さっきの話はちょっと違うでしょう。熊野産業の負債として全額残っているという答弁は違いますね。
  178. 大沢融

    参考人(大沢融君) これは共栄糖化が払う賃貸料が熊野産業のものになるわけです。そのものを少しずつ返してもらう。ほんのわずかであります。大勢に影響のない金でございますが、しかし、その賃貸借の契約もことしのたしか四月だと思いますが、解消しております。この賃貸料から私のほうのもらうものがまだ未納になっている分も多少ありますが、わずか入っております。
  179. 大森創造

    ○大森創造君 わずか残っているというのは、貸し付け金のうち残額がわずかということでございますか。支払い分が多くなったという意味ですか。
  180. 大沢融

    参考人(大沢融君) 現在まで一億九千万の貸し付け残があるわけでありますが、約百万円程度のものだと思います。私どものほうにもらっている分は。だから、それを引いた残額が残っているわけであります。
  181. 大森創造

    ○大森創造君 そうすると、共栄糖化が年間賃貸料二千七百万円で、これを熊野産業名目で、そして、これをクッションとしておたくのほうに払っているというわけですね。その金額が百万円くらいだ。
  182. 大沢融

    参考人(大沢融君) クッションにとかなんとかいうことじゃございませんで、熊野産業に賃貸料として共栄糖化が払う金があるわけであります。それが熊野産業の金になるわけですから、熊野産業に金を貸しておりますから、取り立てをする、こういうことで、別にクッションとかなんとか、そういう話ではございません。
  183. 大森創造

    ○大森創造君 ちょっと百万円は少な過ぎるな。二千七百万円ずつ払っておるんだからね。そして現在は操業ストップですからね、この会社は。まあそれはいいとして、経済連のほうはいいですか、幾らこれは払っておるんですか。
  184. 大口駿一

    説明員(大口駿一君) 先ほどの御指摘以来連絡をとっておりまするが、まだ連絡がついておりませんで、もうしばらくお待ちを願います。
  185. 大森創造

    ○大森創造君 私は一億だと思います。そこで、この一億が問題なんです。私の調査したところでは、こういうことになっておるんですよ、長官。損を覚悟でやった。何かの含みが共和製糖にかりにあったに違いない。これは十分想像できますね。それは当時の食糖庁と公庫あたりがあっせんの券をとって明利と熊野産業を紹介した。まあこの際は泣けと。あとでいいことがあるからと。そのいいことというのは何かといえば、これはこういうことが一つある。きのう、おとといか、私が話に出した。きのうかな。全面的に農中の楠見さんは否定されましたけれども、クッション融資という問題、高槻の土地に関係する融資の問題、ここでストレートには出せなくなったわけです。共和製糖には農中は。楠見さんからあとからお答え願います。私の言うことを一応聞いてください。どうしても出せない。ストレートには出せないのだ。そこで、東食はあなたのほうをトップにして三十億負債がございます。上がったり下がったりしますけれども。だから、東食と農中は関係が深い。頭を下げる立場は、東食はあなたのほうに頭を下げる。そこで、きのう申し上げたように、ことしの一月中に七億五千万円の高槻の土地に抵当をつけて、三十六億円に評価をした。三千五百万円のものを三十六億円に評価をして、そうして結局、東食に農中、あなたのほうからことしの一月に七億五千万円、七月に七億五千万円、合わせて十五億の融資をした。その抵当の一部に高槻の土地を利用した。その二回目の、すなわち、ことしの七月に、これこそはクッション融資ですね、東食を通じて共和に払った金七億五千万円。融資をした金。このうちからどういうかげんか、鹿児島経済連の一億円に近い金がぽんと支払われておる。はずみですか、楠見さん。
  186. 楠見義男

    参考人(楠見義男君) 昨日も申し上げましたように、民間の企業会社の名前、特にまあお話がございましたから申し上げますけれども東食、それに対する私どものほうの金融状況を申し上げるのは御遠慮申し上げるべきでありますけれども、せっかく昨日からそういうお話がございまして、まただだいまもこの一月と七月に合計十五億の金を出しておる、こういうようなお話でございますが、実は昨年の九月から本年の八月までの各月の融資残高というものを、これはいま申し上げた関係で申し上げられませんけれども、私、昨日もお話がございましたから調べました、その様子をその数字から見ますと、いまおっしゃったことは、これはとうてい想像できない、そういうふうに私は理解をいたしておるわけでございます。
  187. 大森創造

    ○大森創造君 それは、あなたの業務内容そのものですよ。東食には取引があるのですよ、これは三十億くらい、多いときに。だから、ことしの一月と七月に分けて、五億か七億万千万かわからない。合計すれば、二回だから十億、七億万千万にすれば合わせて十五億、これはあなたのほうの本来の業務の内容ですから、これを一月と七月の分、東食の貸し付けを調べてみていただけませんか。五分以内。
  188. 楠見義男

    参考人(楠見義男君) これは、さっき申し上げたような関係で、速記をとめていただいて申し上げたいと思いますが、いかがなものでしょうか。
  189. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  190. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 速記を起こして。
  191. 大森創造

    ○大森創造君 その数字の金額の中に特別のワクを設けて、そして、これはひとつ東食から共和製糖のほうに回してくださいというものはなかったのですか。
  192. 楠見義男

    参考人(楠見義男君) これは、昨日申し上げましたように、そういうことはございません。
  193. 大森創造

    ○大森創造君 ございません……。
  194. 楠見義男

    参考人(楠見義男君) はい。
  195. 大森創造

    ○大森創造君 これはあとから伺うことにいたします。私も捜査二課ではございませんし、警視庁でもございませんので、国会議員でございますから、どうしても限界がございますので、人に何て言われようと、私も幾らエネルギーをしぼってもわからないところがありますから、これは私のほうからも御容赦いたします。わかりませんと。よろしゅうございます。  それで、これはついで言っておきますが、さっきのお返しですね。菅貞人に対する御苦労——それが一つ一億すぽんと行ったと、東食に。あなたのほうと関係ございませんよ、これは。東食のほうから共和のほうに行ったと。その融資がいかなる条件でか、その共和のほうからぼんと今度は経済連のほうに一億——その数字はまだわかりませんよ。それが返されたと、こういうふうに私は了解しているのです。いいですか。  それから、もう一つはこういうんですな。きのう問答がありましたように、三行の——農中が違ったか、公庫が違ったのですか、開銀が違ったのですか、とにかく共和グループ十三社は税金を納めてないから無理ないと思うんだけれども、来年の三月まで元利ストップでしたね。これはどことどこの銀行でしたか。手をあげてください。——おたくのほうと、もう一つ、来年の三月まで元利ストップ、もう一つありましたね。二行でしょう、三行でしたか、元利ストップ。おたくのほうはそのとおりですよ。もう一つあったわけですな、元利たな上げ。
  196. 石原周夫

    参考人(石原周夫君) 念のため申し上げておきますが、開発銀行に対しては元利返還いたしておりません。これは昨日申し上げたとおり。
  197. 大森創造

    ○大森創造君 農中は。
  198. 楠見義男

    参考人(楠見義男君) 私のほうは全体をつかまえてやっておりますから、たとえば個々の施設のものについてどうこうというのじゃなしに、昨日も申し上げましたように、一部所有不動産の売却について、その代金は私のほうに入っております。
  199. 大森創造

    ○大森創造君 とにかく、こういうことになっているのです。そのかわり、前段の質問いたした食糧庁のブドウ糖購入の集約合理化案にのっとって、菅は、共和製糖では、明利酒類と熊野産業の赤字会社をそれぞれ引き受けた。ところが、集約合理化案が廃案になったでしょう、食糧庁。そこで、菅は、責任は食糧庁にあるのだと、おれのほうでないのだと、会社は操業停止だと、赤字だけが残ったのだ、おれは被害者だということで、元利のたな上げを農中と公庫に迫ったでしょう。それでたな上げができたと、こういうお話はいかがですか。私の調査ではそうなんです。
  200. 大沢融

    参考人(大沢融君) 先ほどから申しますように、ただいまも大森委員からお話がありましたが、熊野産業は、そのおっしゃる会社が引き受けていないのであります。明利のほうは熊野産業に、いや、共和糖化に合併しております。
  201. 大森創造

    ○大森創造君 日本糖化……。
  202. 大沢融

    参考人(大沢融君) 共和糖化でしょう。
  203. 大森創造

    ○大森創造君 明利のほうは日本糖化……。
  204. 大沢融

    参考人(大沢融君) 日本糖化と言いますが、それは共和糖化の菅貞人さんが引き受けて、さらに共和糖化にいま合併しております。それは引き受けておりますけれども、公庫の債務は、ですから共和糖化が、ということですが、熊野産業のほうは、熊野産業が公庫からの借り主であって、菅貞人さんが引き受けているということは事実と相違いたします。  それから、きのう来お話し申し上げました償還を延期しておりますのは、これは食糧庁長官からいろいろお話がありましたが、政策融資として、イモなりでん粉の消化を有利にはかるという意味でブドウ糖ができたわけですが、いろいろな事情で市価低迷というようなこともあり、それから建設計画についても、きのうお話ししたように、いろいろ問題がございますので延びておりますので、そういうことを勘案して償還を延ばした、こういうことでございます。
  205. 大森創造

    ○大森創造君 時間がありませんから、私も能率的に質問いたしますから、皆さん方も能率的にばっぱっと答えていただけませんか。もう時間がないそうですから困っちゃった。半分で終わっちまう。マッチポイントだけれども時間がなくなった。  そこで、甘味コンビナートの生産計画は、当初七十トンであったでしょう。食糧庁長官、あなたのほうで融資の計画を公庫に出したのは七十トンでしょう。
  206. 大口駿一

    説明員(大口駿一君) そのとおりです。
  207. 大森創造

    ○大森創造君 間違ったことはそう言わないですからね、ぼくは。ところが、これを日産三百トン、日産三百トンの建設計画をつくって、食糧庁と公庫に計画書をつくって出した事実は御存じでしょう、食糧庁長官。早く答えてください、時間がないのだから。七十トンの計画を三百トンにした。とにかく化けものだね。これは聞いているほうも、しゃべっているほうも化けものになっちゃうのだ、いつの間にか変わっちゃってくるのだから。七十トンが三百トンになっちゃう。
  208. 大口駿一

    説明員(大口駿一君) そのような計画提出してきた事実はございます。
  209. 大森創造

    ○大森創造君 あるでしょう。
  210. 大口駿一

    説明員(大口駿一君) ございます。
  211. 大森創造

    ○大森創造君 これがからくりなんだ。なぜやったと思いますか。早く答えてください。あんたは知っているでしょう。きのうもおとといもこれをやっているのだから、もう調べているはずだ。
  212. 大口駿一

    説明員(大口駿一君) 当時、食糧庁といたしましては、ブドウ糖企業の供給改善をいたしますために、大型合理化構想なるものを検討中でございましたので、その構想に即応するものとしてそのような計画提出されたものと思います。
  213. 大森創造

    ○大森創造君 ブドウ糖工業会の会長は菅貞人だった。だから情勢がわかったので、二十一あるいは二十あるものが四つに統合された。だから明利と熊野を引き受けた。熊野の場合は多少違いますが、とにかく三十億から四十億の融資のあっせんを取りつけたのじゃありませんか。
  214. 大口駿一

    説明員(大口駿一君) ただいまの御指摘の前半に申されました当時ブドウ糖工業会の会長でございましたか、食糧庁の大型合理化構想なるものは、その後内部でいろいろ検討をいたしておりました結果、中小業者等の反対もいろいろございまして、そのまま現在に至っておるわけでありまするが、菅貞人氏から三百トンの拡張計画を先ほど申しましたように一応出してまいりましたが、その後計画を撤回をいたしまして、白紙に戻すということの申し入れがあったと私は承知をいたしております。
  215. 大森創造

    ○大森創造君 これはなぜそういうことになったかということ、たとえば現実に三十億、四十億の赤字の会社が国から三十億、四十億の融資の金をもらったんですか。これは一口にイエスかノーか。
  216. 大沢融

    参考人(大沢融君) 私のほうの融資としては、あくまでも七十トンでございます。
  217. 大森創造

    ○大森創造君 それでは流れたでしょう、三十億、四十億の融資はこれによって。
  218. 大口駿一

    説明員(大口駿一君) もとへ戻っております。
  219. 大森創造

    ○大森創造君 もとへ戻ったんですね、ノーマルな姿に。貸さなくなった。このことによって、条件を取りつけられて三十億、四十億のあんたが何というか、融資をする必要はないでしょう、結果的には。
  220. 大口駿一

    説明員(大口駿一君) 計画に基づいて申請書が出されまして、その後計画が撤回をされております。現在はその計画が出されなかった状態に戻っておるという趣旨で申し上げたのです。
  221. 大森創造

    ○大森創造君 その事情はこうですね、私の調べたところによるというと。そのことはよかったです、だまされなくて。それはおとといから問題にしているように、あの細島にどうしても固執する。あの細島の宮崎工場というものは、果糖部門が共用分がどうだ、砂糖分がどうだとどんなにいったって、十五億円以上はかかっていませんよ。これは私断言する。現場へ行って見ました。めんどうくさいから行って見ました。十五億以上は絶対かかっていない。そうすると、あなたがた農林省の人に聞いてみたらわかるんだけれども、あれは水増しでだんだんだんだんにせ領収書を発行して、菅のところには領収書がたまっているでしょう。インチキの領収書が一枚じゃないですよ。こういう領収書がちゃんと白紙でできている。熊谷組福岡支店の領収書が勝元何とかいう名前で金額は書いてない。金額を書き入れるようにレシートができているのです。ちゃんとこう束になって。そして五千万なら五千万にしようかということでこう変わっちゃった、一億円にしようかということで一億円に変わっちゃった。農中は違うようですが、これはそれを公庫のほうへみんな持っていく。それが用紙はインチキ、印鑑も絶対熊谷組の印鑑じゃないんですよ。それに基づいて公庫とそれから開銀のほうから金を出している。もう一回言いますよ。これは肝心なところで、幾ら押し問答をしても始まらない。宮崎工場は幾ら使っても十五億しか使ってない。あとは農林開発を通じてずいぶんダイヤモンドを買っておりますよ。別荘もつくっておりますよ。それからあそこにも堂々たる邸宅を持っておりますよ。これだって無税ですよ、税金はかかっていない、担保料を取っていないでしょう。ダイヤモンドを相当買っておりますよ。私は見たことはないですけれども、農林開発を通じて……。そして繰り返しますが、ここが肝心なところですから。レシート、領収書、請求書、これをこう積んで持っているんですよ。これが熊谷組、月島機械、東京産業かわからないが、ちゃんと偽造の印鑑でもってこういうのができている。そのつど金額を書き込んで銀行のほうに持っていくのですよ。銀行のほうはそれを積み重ねて、それをもとにして金を出している。そこであなた方のほうへ行きますというと、共和製糖のほうに、あるいは宮崎工場のほうに行きますと案内してくれる。そうして帳簿を見せてくれるのです。それがにせの領収書、請求書に合致するような帳簿がこっちにできておる。これが真相なんです。それがうそかほんとうかということがかぎなんです。  それから現金の手形決済はどこでやっておられるのか、知っていたら言ってください。それは私は知っているのです。どなたかお答えください。一番肝心のところです。私がインチキになってしまう。幾ら押し問答を言ったって始まらない。ここのところがポイントなんですよ。どこで手形の決済をしておりますか。
  222. 石原周夫

    参考人(石原周夫君) ただいまの最後の点にお答えするわけではございませんが、前段につきまして私の関係することにつきまして重ねて申し上げます。私のほうは十五億という精製糖工場の計画に対して八億円融資をいたしました。この金の出し方は、昨日も詳細に申しましたように、資金繰りを見まして、貸し付けの決定は審査の上決定いたしまして、貸し付け資金繰りに基づきまして払い出しを指定いたしてやっております。現場の検査をいたしまして、その正当であるか確認をいたし、現金運転をいたしております。  なお本日提出いたしました書類にありますように、私の申しました精製糖の関係、それに関連をいたします共用施設がございますので、現在前段に繰り入れられている金は十九億でありますが、それだけ事実を申し上げておきます。
  223. 大沢融

    参考人(大沢融君) 私のほうの関係を申し上げますと、昨日融資額として十三億ですか、ブドウ糖の関係がございましたが、私のほうの金の払い出しは、会社の一切の証憑、帳簿、そういうものを調べまして必要な額を、それを内輪に見て四億円出しているわけであります。したがいまして、ブドウ糖の工場は、先般来申し上げてありますようにできておりませんけれども、動いておりませんけれども、金を出したものが出し過ぎがあるとか、どこかに行っているということは、私どもの調査では考えられないことであります。しかし、せっかくいろいろ御指摘がございまして、さらに詳しい調査を私どもはして報告をいたしたいと思います。
  224. 大森創造

    ○大森創造君 いまのような答弁にならざるを得ないと思う。こうですよ。問題のかぎはここだ。ここで一切はくずされる。松本清張さんの小説じゃないけれども、一切のかぎはここにある。これはあなた方の帳簿は、どういう書類でやっておりますか、その書類がにせだと言うのです。これは根底からくつがえってしまう。あなたは帳簿を見た、会社に行って帳簿を検査した、請求書をもらっておる、レシートをもらっております。そのレシート、帳簿、領収書、これが架空のものである。こう積んでおくのですよ。用紙そのものも偽造しておるのですよ。そうしてそれを持って行って、そのたびにチェックしている。検査に行くというと、ためにせんがための帳簿を出している。現金の決済の場所は、これは三和銀行の八丁堀支店だから、ここに行って熊谷組に幾ら払ったか、東京産業に幾ら払ったか。ほんとうに専用埠頭は熊谷組が請負ったものかどうか、この熊谷組がやってないのにやっていると言うのはどうか。それに相当するキャッシュが三和銀行の八丁堀の支店ではわからぬですよ。それから何よりも手つとり早いのはあなたのほうでここへ出してもらうのですね、その書類を。そうでないと私も引っ込みがつかない。私は決して会計検査院でもないし、それから刑事局長でもございませんから部下も持っておりませんし、国会議員ですから金もないしひまもないし、幾ら何といわれようと私はこれ以上の手が届かない。しかし私は三カ月調べた限りにおいては以上のようなことが出てくる。だから熊谷組に発注しないものが熊谷組に発注したことになってみたり、ブドウ糖の機械が全然つくっていないのにつくったことになってみたり、一切がからくりだというのです。そして含み資産で全部邸宅を建ててみたり別荘を建ててみたり、これは税金がかかっていないでしょう。この別荘は軽井沢のいいところにあります。それからダイヤモンドをしこたま買い込んでいますよ。この別荘は登記面は別な人の名前ですよ。こんな操作は一等簡単だ。それから自動車だって寄付しておるのですよ、はっきり申し上げます。このことがわからないというと、この問題のかぎはないから、あなたのほうでごたごた時間をかけないでその書類を持ってきてください。にせのまたにせは、これはあぶない、またこれを短時日のうちにつくられたら、おれのほうで負ける。正しい書類をいま持ってきなさいよ。私があやまりますよ。あなたのほうの話を全部信用します。あなたのほうは、まあ三日間問答しましたけれども、手落ちがないような話だ。ゆがんでいますよ。どうしてもゆがんでおる。ただ私は捜査二課でないからわからないだけの話ですよ。しかし大体こうであろうというととは私はわかっている。でなければ、あぶない橋渡りはいたしません。うっかりした人の名前も出しませんよ。これは私文書偽造、印鑑偽造行使なんていうことは、あえてこういう場所で申し上げません。国会の場所でそれを言っているのは、私にある程度の自信があるからです。いろいろ問答はするでしょう。私は言う意思はある。不正な意思は持っていない。砂糖工場が一千二百トンの工場ができたら御破算になる。だからこれは私はそのことをメモしている。あれ以上は、あるいはどなたに、世間の何万人の人に大森はやはりだめだと言われても、これ以上は手が届かないです。これ以上は。やるところまでやったのです。あとはだんまり戦術なり帳簿価額だけでいったって私は及ばない。御協力いただきたい。以上で終わります。
  225. 岡三郎

    岡三郎君 関連。一昨日、昨日からやってまいったのでありますが、この問題点は、いま大森君が指摘しているところに集約されると思うのです。結局共和製糖とか、あるいは共和糖化、東洋果糖、日本糖化、共和果糖、共栄糖化、それから宝不動産、南島開発、南栄糖業、関西セブンアップ、とにかく開銀が共和製糖に八億、それから公庫が東洋果糖、日本糖化、これにあわせて共和糖化、これが四億、農中がいまのものに三十三億、それからこれは否定しておりまするが、いろいろなかげんで。昨日から大森君が言っているように、東食という問題との関連の中で、共和製糖に十五億程度、これが入っておるのです。しかもそのような多額ないわゆる政府の出資の金、あるいは民間企業とはいっても一般の民間企業とは農林中金は違います。明らかに。そういうふうなところに多額な金が入っておりながら、結局宮崎工場に対して一体それがどう使われておるのかという問題点はここにはっきりあるわけです。それは昨日以来、大沢総裁なりあるいは開銀副総裁が言っておるような工場財団というものを設定して、これは担保設定の一つの方法です。領収書、レシートを持ってくれば、そのレシートの半額なりなんなりで現金が出てきておるわけです。たとえばいま言ったように、三和銀行の八丁堀支店から熊谷組に金が出ている。これは調べればわかるということになるというと、あなたのところにきた領収書によってその半額ないしはそれ相当の金がそれぞれに払われているわけですよ、金が。ところが払われているそのもとになるところの領収書がはたして本ものかどうかということを、一昨日以来指摘されているわけです。これを本ものでないものを基準にして金を出したということになれば、これはあなた方がめくら判を押したということにもなる。真実それはあなた方は知らぬかもしらん。そこで大森君も私も昨日以来あなた方がその金を出す根拠になっている、国の金を出す根拠になっているそのレシートについて、皆持ってこいとは言わない、それぞれ一枚でけっこうです。一枚ずつでもいいからお出し願いたいということを言っているわけです。これはなぜ出してもらわなければならぬかということはいま私が言ったとおり、これに対して開銀総裁は昨日大体このようなことを言っていると思うのですが、とにかく開銀は写しを持っているとはっきり言っておられた。いいですか。この原本はこれは共和製糖にある、こういう指摘が大森君からあったわけです。そうすると、そこにあるということを確認しておるわけです。これは大沢総裁のところも確認されなかったら金が出ないですから、いいですか、それがもとになって金が出る。その金がどう使われているのかということでいま問題になっておるわけです。しかもそれは貸した金が実際はその貸した目的に使われなくて、そうして別のところに使われているというところから、それらの金が共和産商というところに流れておる。これは共和製糖を中心とした会社の製品販売をする会社ですよ、共和産商というのは。そこに多額の金、大体三十億程度の金が流れていると推察されるわけです。そうしてその中において十億ないし十五億が農林開発興業というところに金が流れて、そうしてそれが国有地との交換のための広島なりその他の地域における土地の買い占めにこれが使われているといわれてきているわけです。昨日以来これは大森君のほうから指摘されているところなんです。そうすると、あなたのいまのダイヤモンドにいたしましても、これは銀座に東洋美術館というのがある。その東洋美術館というところで、この社長の名前もここへ出しませんけれども、東洋美術館のほうの関係者が菅貞人のほうにいいダイヤがあったら持ってこいと言われて、数億ともいわれておる、これはつかみどころがないけれども、かなりばく大な資金というものが、ダイヤ購入の資金がいま言われているように共和産商から菅個人に流れているということがいわれているわけですよ。これはダイヤだからどこに隠してあるかわからぬけれども、そういうことになると、根本問題としてレシートによって公庫なり開銀の金が出ているということになれば、これはあとで農林中金にも聞きますけれども、少なくともそういうものを通して確認して金を出している、その金がどういうふうに使われているか、まことに不明朗です。ということになれば、その基本的な問題であるレシートを照合したいというのはあたりまえです。これは何の越権行為でもない。その金を、その領収書を基準にして金を支払っていることは、大沢総裁もきのうから言っているとおりなんです。そうしてそこから生まれてきている工場財団というものから担保を設定してきている。ここにレシートの写しがあります。領収書、これは幾つも持ってこないけれども、これは熊谷組の福岡支店の取締役支店長の勝元元という人が出しているところの領収書である。ところが、これは熊谷組から出している領収書じゃない。これはにせものである。これは先ほどから言われているように、このレシートをつくった印刷所もいまはっきりしております。そうしてここに押してある判こが、あなた方のところの公庫なり開銀に入っているところのレシートと一緒になるのかどうか、これが一つの大きな解明点になると思う。きのう言ったように、これが偽造であるのかどうか。偽造をもとにして開銀なり公庫なりが金を支払っておったことになるということが問題点なわけです。これはあんた方にとっても片腹痛いかもわからぬ。そうなればやっぱりポイントのその点について多くのレシートは要らぬ、領収書は要らぬけれども、支払った金の一部分でもいいからこれと照合してまさしく間違いございませんと、この決算委員会の場においてやってもらわなければ、委員長これは進行しない。あとの問題はそれからすべてが生まれてくる。これは委員長のところにレシートを一応出しますが、これについて、これが一つの根源ですから、これを拒否すれば、これは一つの問題がうやむやになってしまいます。ここからすべての金の操作が始まっている。それをあんたのところにあるということをきのう開銀総裁が言っている。したがって全部持ってこいとは言いませんけれども、この一部分でもいいから照合して、この金の出場所というものを証明してもらいたいと思います。私は以上です。むずかしいことはたくさんは言いません、うんと問題がありますからしぼって言いますから。このことが明確にならない限りにおいて、でたらめな不当融資というものは解明されない。しかも判こをつくった場所もわかっている。レシートをつくった場所もわかっている。しかもあんた方のところにある。これがなかったら金を出さないということは大沢総裁も開銀総裁もわかっている。とすれば、それを照合して、そこではっきりさして、問題はそこから時間をおいていいから出発したいというふうに考える。これは農林中金の場合あとで。
  226. 石原周夫

    参考人(石原周夫君) 領収書というものが、私どもの貸し付けをいたしましてから債権管理の過程におきまして、どういうような順序で出てまいるかということは昨日申し上げたわけでありまするが、また先ほども申し上げたつもりでありまするが、重ねてもう一度申し上げておきますると、貸し付けの決定の順序は先ほど申し上げました。それからまた資金を交付いたしまするにも、資金繰りの計画に基づいて出すんだということを申し上げました。それに基づきまして資金が交付され、手に渡る量を申し上げたわけであります。しかしながら私どもは債権管理という立場がございまするから、したがってそういうような資金繰り表に基づきまして出されました金が現実にどういうぐあいになっているかということにつきまして、いま申しております領収書というものが出てまいるわけです。その意味で私は昨日は重要な参考書類だということを申し上げたわけでございまするが、いまのような手順で貸し付けというものが行なわれている、またそういうような段階で領収書というものが出てまいるんだということをひとつ御了解をいただいておきたいと思います。
  227. 岡三郎

    岡三郎君 それは答弁になっておらぬじゃないか。委員長、大沢総裁にも聞いてもらいたいが、いま言ったのは説明であって……。
  228. 大沢融

    参考人(大沢融君) 私のほうはレシートは取っておりませんで、現地確認で支払いをしております。こういうことでございます。
  229. 大森創造

    ○大森創造君 開銀はどうだ。あなた開銀の場合やっているでしょう。
  230. 石原周夫

    参考人(石原周夫君) 昨日も申し上げましたとおり、債権管理の立場におきまして、その資金繰りとして計画せられたものがどういうふうに流れたかということにつきまして、資金を出します段階においての仕組みがありまするけれども、それに対しまする裏づけ資料としていまのような領収書というものを私どものほうは取っておるわけでございます。
  231. 大森創造

    ○大森創造君 よけいなことは言わないが、いま岡さん言ったその書類はありますね、開銀のほうは。
  232. 石原周夫

    参考人(石原周夫君) ございます。
  233. 大森創造

    ○大森創造君 あったら出してください。出してください。いまから何時間かけてもだめですよ。あとはレクチュアですよ。私はむだなことはきらいだから、あるんですから、あるんだから出してくださいよ。それがかなめなんです。
  234. 小沢辰男

    説明員(小沢辰男君) 昨日、副総裁のほうから申し上げたと思いますが、国会の資料要求につきまして、金融機関の立場でそうした個々の会社の契約の内容に類する点については公にするということについて非常に慎重になることは私も理解できるわけでございます。しかしながら特に国会の審議上それがどうしても必要だという場合には、これは私どものほうへ、ひとつ前例にもございますように正式な手続でお申し出をいただくならば、私どもとしてはそれぞれ監督官庁としてその資料を調製して国会に提出をいたしたいと思います。これははっきり申し上げておきたい。
  235. 岡三郎

    岡三郎君 したがって、私はいま委員長の手元にレシートを出したわけです。領収書を出したわけです。これは一方的にやっているのじゃなくて、明確な発言のもとにいま委員長の手元へ出したわけです。いいですか。いま言ったように一般的な問題ではなくして、一つ問題点としてこれが提示をされておるわけです。しかもそれが現物がある。ここまで言ったら、これをかくなしておくということはおかしいでしょう。やっぱり間違ってないと言うならば、間違ってないという立場で明確にここに提示されるならば、この問題はもうそのあと問題点というのにしぼられちゃうわけです。この点がすべての問題の一つの糸口になっているという点で、これはいまの審議上開銀なり公庫の貸し出しという問題と直接つながっているばかりではなくして、国有地との交換問題からこういう問題にすべて発展していくわけなんです。だから私はいま委員長に言いましたが、これを成規の手続によって、うそも隠しもないから、現物をここに出したのだから、これについて至急にその措置をとってもらいたい。これができないようなら——あるんだから、ないものを出せというならこれは無理だと思うが、そういう点についてあると言うんだから出してください。それから大沢総裁のほうは実際を見て金を出しているわけですか。出来高というのはどういうふうにあなたたちは見ているんですか。
  236. 大沢融

    参考人(大沢融君) 帳簿、それからレシートを見て現金の払い出し等を点検して出すということでございまして、レシートを直接私のほうに取るということをやっていないということを申し上げたのであります。
  237. 岡三郎

    岡三郎君 その場合、あなたのほうはレシートの写しはもらいませんか。
  238. 大沢融

    参考人(大沢融君) もらっておりません。
  239. 岡三郎

    岡三郎君 そうすると、ずいぶんうかつな運営をこれやっているわけだね。まあいいです。これは開銀のほうにあるそうですから。それならばそれはにせものであるかどうかという見当がつかないじゃないですか。
  240. 大森創造

    ○大森創造君 これは肝心なことだから私からも申し上げておきますが、たとえば公庫が、開銀が共和で確認したレシートのオリジナルは公庫の確認印も押されて、そうして共和にあるわけなんです。オリジナルを念のために共和から取ってください。疑うわけじゃないが、問題にしたのは、きのう、おとといですから、こういう段階になることはあなた方も予想したでしょうから、オリジナルを共和から取ってください。一枚でもいい、オリジナルを共和から取る。
  241. 岡三郎

    岡三郎君 それとあわせて大沢総裁が言ったように、レシートを見て金を出した。その見たレシートをもう一ぺん取って——あんたのほうはその責任があるわけだ。あんたが見たレシートがにせものなんだと、にせものに基づいて出したということをいま指摘されているわけです。だからそう言われれば、じゃもう一ぺん確認しなければ、これはインチキだということになったらあなたはたいへんだ。これは常識です。そうでしょう。これは指摘されなければそれがまかり通るかわからぬけれども、いまここに国会の参議院の席上においてそれがにせものであると指摘されておるわけです。そのにせものであるかどうかを確認しなければ今後の公庫の責任は保てないと思う。したがって、さきに見たところのレシートをもう一ぺん至急に出さしてこれを提示してもらいたい。これは多くのものは要らぬですからね。各会社ごとの一枚ずつでもいいです。これをはっきりお願いします。委員長これはポイントですから。
  242. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  243. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 速記を起こして。  暫時休憩します。    午後四時十二分休憩      —————・—————    午後五時五十八分開会
  244. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) ただいまから決算委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き昭和三十九年度決算外二件を議題といたします。大蔵省の決算について審査を行ないます。  委員長理事打ち合わせを行なったわけですが、問題は領収書、レシート、これを直ちに出してもらいたいということに対しましての協議は、自民党のほうではいろいろと相談した結果、いまの段階では政府が責任を持って調査をしてそれを報告する。これ以上のものについては、党首脳、党と協議をしなければできない。したがって、すみやかに党首脳部と国会対策委員長等と協議をしたいということであります。社会党のほうは、領収書、レシートを直ちに出してもらいたい。公明党におきましても、領収書、レシート等を直ちに出してもらいたい。そういう意見であります。したがいまして、委員長理事打ち合わせにおきましては、意見が一致を見ません。以上が委員長理事打ち合わせの内容であります。  御質疑のある方は……。
  245. 岡三郎

    岡三郎君 いまの委員長理事打ち合わせ会の報告ですがね、この報告の末尾が落ちたのじゃないか。さっきの話でいうと、本日はこれで散会して、あした十時からやります。こういうふうなきまりもいま入っていたようですが、その点はどうですか。それは異議があるということを言っておいた。
  246. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) それは、きょうはこれで散会いたしまして、明日の十時から引き続いて審議をする、明日予定いたしております自治省はこれを延ばすということもとりきめました。
  247. 岡三郎

    岡三郎君 それがまあ一応委員長理事打ち合わせ会の報告ですが、私はいまの報告を聞くというと、政府の責任において調査し報告する、これは一体どういうことなんですか。いまこの委員会の現場において、委員会の場において、こちらのほうは、自民党さんのほうから時間がかかって困るということを再三言われて、集約してやってくれ、そうしてそれに伴って政府のほうも答える、小沢政務次官は、いろいろな問題があっても審議を中断さしてはいけないので協力をいたします。これは本委員会の冒頭に言われているわけです。それが、委員会においていま調査し質疑をしているのに、政府の責任において調査し報告するということは、一体これはどういうことか、これはごまかされるということですよ。しかも私が言うことは、これは石原開銀副総裁は、現物ありますと、その写しがあります。領収書、レシートがあります、と言われております。それで、今度政府のほうが開銀へ行って調査をいたしましたが、それはむにやむにやと、こう言われたのではそれは話にならぬですよ。現実ははっきりしている。われわれが出した領収書が、それがあるという、ここにそれを照合してみて金がどうなっているかということが初めてわかる。それを政府の責任においてと、この場合において、政府がどこの責任があるのです。金を貸したところの開発銀行自体に責任があるのであって、一々そういうふうなことをやられては審議はできませんよ、これは。しかも自民党の党の幹部と協議しなければできない、一体石原副総裁のところにあるところの領収書と自民党の幹部と一体どういう関係があるのだね。私はその関係がわからぬと思う、関係がないと思う。しかもですよ、今朝来各委員四十分、四十分、制約されている時間だからわかりまするけれども、そういう形の中で質疑が行なわれてきた。きのう、本日の午後にこの国有財産の問題を審議するということの決定を見るまでにもたいへんな時間がかかったわけです。それがようやくここべきで時間割りまでしたものが、われわれ自体が時間を制約しろといって、焦点をしぼってここに質疑をしているのに、それからもう二時間近くたっている。しかもこれで審議を中断してあしたの朝十時だ、これは自民党の言っていることは自家撞着じゃないですか。あなた方はきのう言ったことは、日程どおりやれと、いいですか。日程どおりにやることを主張して、あくまできょう文部省をやろうとした。そういうことから言うならば、あした自治省をやることは当然じゃないですか。それを自分たちの都合によってそういうふうなことをとりきめられて、あしたやるということは筋が全く私は通らぬと思うのですよ、端的に申して。で、私がお願いするのは、そういうふうにやられるというと、それでなくてもにせ領収書、にせ印鑑がつくられているわけです。ということになれば、時間をかせぐさなかの中において再び三たびにせ印鑑とか、にせ領収書がつくられるということが、これは推定されるわけですよ、われわれの常識から言っても。それですから、やはり公明、公正を期するために、この場所において石原副総裁が責任を持って、この委員会の決議において、この委員会の場においてやるということが慣例ですよ。議長にこれを言わなければならぬなんということは、いままで私は聞いたためしがない。そういうふうに法で規則になっているかもしらぬけれども、そういう慣例にはなっておりません。したがって、総裁がここにあるからと言っておるわけですから、いまの委員長理事打ち合わせ会の取りきめについては前後の関係からいっても承服できないし、再び三たびこれから出してくると仮定しても、そういう危険性があるので、審議の公正を期するために私はこの委員会においてこの証拠書類を出してもらうことをきめてもらいたいと思う。直ちにそれができないならば、これは怪しいですよ。そう断定せざるを得ないですよ。怪しいと思わざるを得ない。怪しくなかったならば、いま直ちに審議に協力して、われわれもここでその問題を一応はっきりさして、あした自治省なら自治省やるということにやぶさかでないですよ。この点について委員長理事打ち合わせ会の決定について不服を申し上げるとともに、もろもろの危険性がこれに伴っておるということを申し上げまして、私たちはむずかしい問題ではないので、政府とか自民党の幹部と協議すべき問題では私はないと思う。もっと具体的に、明確に焦点をしぼって申し上げて質問しておるわけですから、一々こういうことが慣例になるならば、そのときに自民党の幹部とか政府の責任において調査するというならば、これは肝心かなめなところで、私は決算委員会要らぬと思う。そういう理由によって、この点はこの場において解決していくような方向でひとつ御再考願いたい。そうでなければ私たちは承服できない。これは今朝来の経過、昨日以来の経過にかんがみて、私の言うことは当然であるし、公正なものであるということを信じて疑いません。
  248. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 委員長のほうから若干申し上げておきます。  ただいまの岡君の発言の前段に、きょうの午後からの審議について自民党がこういうふうにしたというような意見もありましたけれども、そうではなくて、午後からの審議は委員長理事打ち合わせによってこうなったわけでありますから、その点をつけ加えておきます。
  249. 大森創造

    ○大森創造君 一言私から申し上げます。三日前からこの問題について私やっております。私文書偽造だと、そういうことばで重大な意味のことを三日前から私は言うておりますので、その立場から一言申し上げます。これはいま岡さんの言うたとおり、私は最初の日に問題になってから発言したときに、大沢総裁がいろいろ理由をつけて発言を拒絶された。その翌日の日にはことばの行き過ぎとか、ことばの足りなかったところがあった云々という言いわけがございました。私はまともならば、私のあの先日の発言に対して権威のある系統金融機関——これは市中銀行と違うんですから、政府の関係の金融機関であるから、その権威のためにも私のほうに持ってきてほしかった。実はこっちから証拠を出せなんと言われるまでもなく、何を言っているのだ、いちゃもんつけるな、そのくらいの自信があなた方にあってしかるべきです。だからだらだら……、それがあったら私はやめますよ。ところが、そういうことがなしにきょうまでずっと同じような問答を続けてきた。どう考えても私はこの文書の段階でひっかかった。だからそういう提案をする。岡さんもそのことを発言されたわけです。そこで、いま持ってこられるということについては、これは現に速記を見たらわかりますけれども、偽造の偽造の可能性があるということを言い切っているのですよ。これは速記をごらんなさい。あのときに私の頭にひらめいた、そういうことになりはしないか、これはあとから考えたことでも何でもないことなんです。時間が来ましたから、おやめなさいと委員長のほうから言われたときに、私はだめを押しておいたのですから、私ごとばが早いので何ですが、必ず記録に残っております。偽造の偽造の可能性がある。それから繰り返すようですが、自民党首脳と相談する必要はごうもなし。ごうまつもないと思う、私は。議長の手続をわずらわす必要もない。私は国会に来て八年間、電話一本で持ってきますよ、こういうものは。こういうものについて、私が初めから手のうちを出しているのは、実はきのう大森さんの言われたことはこれでしょう、私のほうはこれでございますから、——現にあるのです。この文書は。なにを持ってきて、大森さんこういうことですから、ひとっこれで御了承願いますと、こういうことにもってきたら、それで済んだんです。私は非常に偽造の偽造の疑いが強いということをさっき申し上げた。  それから、なお申し上げておきますが、私はこれは、このことを言い切るのには、委員長理事打ち合わせ会で、私理事でありませんから、どの程度の論議が尽くされたかわかりませんけれども、相当重大な意味を持っておることを私は覚悟しております。オール・オア・ナッシングだと思っておる。私はそのことを初めから覚悟してかかっているのですよ。だから、きのうだって、熱が四十度もあっても来ているのですよ。おとといもそうです。そして開銀、農中、公庫。それから共和。それのほうの御協力はずっと三カ月間見ているのですよ。共和、農中、公庫、開銀、その方々から私は相当な御協力を得ているからいままでの調査ができたのですからね。だから、私はりっぱに言い切っているのですから……。  それから、これはどなたかわかっておられるでしょうが、この共和というのは、昭和三十四年から私印偽造のことをやっているのですからね、これは。委員会の席上でも私は申し上げたことがある。委員の中でも知っている人がいるでしょう、そのいきさつは。何となく、もやっとやってきたのですからね。それは三十四年春のできごと。横浜ですよ。だから、今度も同じ手口を使ったのですよ、これは。だから、そういうことを前提にして、私は事態の推移を待ちたいと思います。以上で終わり。
  250. 二宮文造

    ○二宮文造君 私は先ほども打ち合わせ会のいろいろなお話を承っておりました。根本的に考えますのは、委員会での資料の要求、これの取り扱いをめぐっていろいろもんちゃくが出てくることを非常に残念に思います。事が外交文書であるとか、あるいは国の機密に関する問題でありますと、国民としてそういうふうな資料の取り扱い方もあるかもわかりませんが、問題は融資の問題でございますし、さらにまた一昨日来の問題は私文書偽造とか、あるいは印鑑盗用とかということを含めて重大な信用に関する問題、これがこの議場で公然と行なわれたわけです。で、私も先ほど委員部のほうから先例集だとかあるいは参議院規則、これらの説明を受けましたが、この資料の提出という問題が、ことほどさように難関に逢着した。で、結論として、委員長が先ほど報告されたことに私は賛成をしたわけですが、しかし、ここで委員会としてこういうふうな資料をめぐっての考え方というものの統一見解を出しておかないと、今後も出てまいると思うのです。したがって私はこの場合、政府のほうで調査して報告するということには全面的に不満です。また岡委員や大森委員、私も問題を提起した一人といたしまして、事の黒白というものはすみやかにつけるべきである、こういう議論を持っております。しかし、先例集とかあるいは規則とかということをまっこうに振りかされてこういうことに相なったわけですが、したがって、今後の審議の参考としても、資料の取り扱いについてもう少し問題点をはっきりして、今後の委員会の運営の参考にしていただきたい、これをお願いしたいと思います。
  251. 岩間正男

    ○岩間正男君 私は理事会に出ていない。共産党は理事会に出席していませんから、いまの報告に対して態度を明らかにしておく必要があると思います。  われわれはいまの理事会の決定には、これは反対。あくまでも即刻これは書類を出すべきだということを要求するものです。いろいろな言いたいことがありますが、理由として第一に、いま大森委員が、いかに今度の戦いが彼の決意によってなされたかということを、これは心境として述べられました。いわばからだを張って戦っている。これほどの熾烈な要求に対して、われわれ同僚議員として、この委員会の権威においてもこの真偽を明らかにするということは絶対必要です。これをこのままに葬ることはこれはできない。これをごまかしてしまってうやむやにすることは絶対できない。そのために、あくまでこれは、一つはこの点からいいまして、大森議員のこの思惟というものをほんとうに完徹させるということが当委員会の共同の責任だと思う。これは自民党の諸君といえども、これに対して反対するという理由は成り立たないです。これをあえてするというならば、背後からの圧力があると、こう考えざるを得ない。  第二の問題は、いま開銀はじめ三行が疑惑のまっただ中に立たされている。こういうことをやっている瞬間だって、九千万国民の疑惑の目がここにいま向かっているのですよ。そういう中でこれを延引し、理由にならない理由でこの書類の提出についていろいろ難題を持ちかけているということは許されないことです。何よりもこの三行の責任において、あなたたちが国民の前に自分の態度を明らかにすることが必要じゃないですか。それをできないような形で、しかも何か暗箱の中に投げ込むような方法を講じてやるということは、ますます国民の疑惑を深めるだけだ。何ら益のあることではない。だから真に良心的な立場に立つならば、こんな態度は一擲すべきですよ。  私はこういう二つの理由、いまあげたような二つの理由で、当然当委員会としては即刻この書類の提出によって黒白を国民の前に明らかにする、そうして審議を大きく前進させるためのそういう道を切り開くべきだということをはっきり主張するものであります。
  252. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 自民党の発言を求めます。佐藤君。
  253. 佐藤芳男

    ○佐藤芳男君 委員長より発言を求められましたので、私から私どもの態度につきまして、この際明らかにいたしておきたいと思うのであります。  私どもは、かりそめにも国損を与えたり、あるいはこれらに関係ありと認めらるる今回の諸問題等につきましては、あくまでも非違あるならば、勇敢にこれが非違を正し、事態を明らかにする点につきましては、あえて人後に落つる者ではございません。したがいまして、先刻理事会におきましては、昨日小沢大蔵政務次官から、手続を経てという統一見解がございましたので、これらにつきましても法的な研究をいたし、その研究の結果は皆さまに御披露申し上げるまでもなく、理事会が満場一致でこれを行なうという場合におきましては、慣例上すぐこれをそのまま行なって差しつかえはない。ただし、意見の完全なる一致を見ざる場合においては手続をとるものとするという、こういうことでございます。そこで、なお、事金融の問題は、非常にセンセーションを巻き起こし、他に影響する問題でございまするから、特に小沢政務次官と石原開銀副総裁のおいでを理事会に願いまして、そうしていろいろとただすことをただしたのであります。ところが、石原副総裁におきましては、金融機関の性質から、手続を経て命令がございまするならば、これはそれに従わなければなりませんけれども、実はそうしたことのないように念願をいたしておるという趣意のおことばがございました。その後理事会は、各党でひとつ相談をして、そうして後刻理事会を再開をさらにいたしたいという御発言がございまして、私どもはその意を体しまして、自民党関係の三名の理事は別室で協議をいたし、社会党の方々も、また公明党も御協議にそれぞれ相なったのであります。私ども三名の理事の相談といたしましては、特に小沢政務次官から政府の責任においてはっきりと報告をいたしたい、調査の上報告をいたしたい、こういうお話もございましたので、私どもは、出先の私どもの立場からいたしますれば、一応その線に沿うた発言を再開さるべき理事会にいたさねばならぬ、こう考えまして、かような発言をいたしました。しかしながら、社会党並びに公明党の方々のほうでは、即刻すべての手続を省略して、これをすぐ実行しなければならぬという強い御主張がございましたので、私どもは経過を申さなければ結論と相なりませんから、お聞きを願いたいのでございますが、そこで、私どもはそこへ参りまする前に、もしも御意に沿わなかった場合におきましては、党の幹部と相談をして、さらに再考せなければならぬという考えでそこへ臨んだのであります。その結論に相なった次第でございます。私どもは、ただいま他の委員諸君から党と相談する必要はないじゃないか、かようなおことばがございまするけれども、本委員会の私の長年の経験によりますれば、再三再四どころか、しばしばお互いに各党に帰って、持ち帰って相談をした例が多々あることを思い出していただきたいのでございます。  さらに、日程について、明日の自治省関係のこの日程を変更したことはけしからぬというようなことがございましたが、かようにただいま党の幹部が不在でございまするので、急速に手配をいたしております。したがって、そうするというと、もしそれがあすの十時に間に合うといたしますれば、それはそのほうを優先にいたしたいという社会党のお話がございまして、私どもはそれに応諾をいたしたのであります。したがって、日程を変更するに至りましたことは、私どもの要求でなくて、社会党側からの御要求であり、全員がまたこれに一致をいたした次第でございます。私どもは慣例上皆さん御承知のように、理事会の決定というものを尊重してずっと今日まで円満に経過いたしておりまするいきさつがございまするので、私どもは先ほど委員長から御報告になりました理事会の決定に従って行動をとるだけでございます。
  254. 岡三郎

    岡三郎君 私の言っていることはそんなことを言っているんじゃなくて、あなたが冒頭に言ったように、そりゃあなた堂々とやると言っているんだから、それなら、いまのところみんな一致してすぐやりましょうということを言っている。あなた前段をきれいごと言ったって、あとをぐずぐずいろんなことを言っているだけで、初めにはっきりさせる、質問の前にはっきりさせなきやならぬことをはっきりさせましょうと言っておって、意見一致していま委員会として資料を求めているわけだから、それは自民党のほうが反対ならば反対と言えばいいじゃないか、それならば。
  255. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 先ほど委員長から報告をいたしましたように、委員長理事打ち合わせばまとまりませんという話をしたわけですから、それをひとつ御了承いただいておきたいと思います。
  256. 岡三郎

    岡三郎君 それじゃ御了承なら、そのままやらないというわけか。
  257. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) いや先ほど申し上げましたように明日再開します。
  258. 岡三郎

    岡三郎君 明日再開するといったって……。
  259. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 明日再開をするその間に、先ほど佐藤理事からもお話がありましたように、自民党の理事としては、党の幹部と相談をして、先ほど申し上げた政府が責任を持って調査をするというよりも前進をして、社会党や公明党が言っておられる、すみやかに出すという点に努力をしたいということなんです。
  260. 岡三郎

    岡三郎君 すみやかという——、ことばはずいぶんていねいだ。
  261. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) ですから、すみやかですけれども、まあ明日の話になりますから、そこで、ほかに発言がなければ大蔵省についての審査は……。(岡三郎君「ちょっと待ってください。何をこれから言おうとするか。これで終わると言うんだったらとんでもない話だよ。一方的にそんなことできませんよ。終わるじゃなくて、とにかくいまの時点の中において……」と述ぶ)ちょっと待って。発言を許していない。速記をとめて。   〔午後六時二十七分速記中止〕   〔午後六時三十九分速記開始〕
  262. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 速記を起こして。  本日はこれにて散会いたします。    午後六時四十分散会