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1966-09-28 第52回国会 参議院 決算委員会 閉会後第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年九月二十八日(水曜日)    午前十時五十七分開会     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         鶴園 哲夫君     理 事                 佐藤 芳男君                 仲原 善一君                 八木 一郎君                 相澤 重明君                 竹田 現照君                 二宮 文造君     委 員                 川野 三暁君                 木内 四郎君                 熊谷太三郎君                 黒木 利克君                 高橋文五郎君                 内藤誉三郎君                 山本茂一郎君                 大森 創造君                 岡  三郎君                 北村  暢君                 柴谷  要君                 達田 龍彦君                 藤原 道子君                 岩間 正男君                 石本  茂君    事務局側        常任委員会専門        員        池田 修蔵君    説明員        公正取引委員会        事務局長     竹中喜満太君        法務省民事局長  新谷 正夫君        大蔵政務次官   小沢 辰男君        大蔵省銀行局長  澄田  智君        国税庁長官    泉 美之松君        農林政務次官   温水 三郎君        農林省農林経済        局長       大和田啓気君        食糧庁長官    大口 駿一君        林野庁長官    若林 正武君        林野庁林政部長  木戸 四夫君        会計検査院事務        総局第四局長   小熊 孝次君        会計検査院事務        総局第五局長   保川  遜君    参考人        農林漁業金融公        庫総裁      大沢  融君        日本開発銀行副        総裁       石原 周夫君        農林中央金庫理        事長       楠見 義男君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○昭和三十九年度一般会計歳入歳出決算昭和三  十九年度特別会計歳入歳出決算昭和三十九年  度国税収納金整理資金受払計算書昭和三十九  年度政府関係機関決算書(第五十一回国会内閣  提出) ○昭和三十九年度国有財産増減及び現在額総計算  書(第五十一回国会内閣提出) ○昭和三十九年度国有財産無償貸付状況計算書  (第五十一回国会内閣提出)     —————————————
  2. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  これより昭和三十九年度決算外二件を議題といたします。  本日は大蔵省決算について審査を行ないます。これより質疑に入ります。質疑のおありの方は、順次御発言願います。
  3. 岡三郎

    岡三郎君 いま理事会報告をお伺いいたしましたが、きのうの貴重な時間も、当委員会質問をめぐって大沢総裁のほうの答弁の問題から三十分以上時間を空費して、そのまま散会と、こういうことになったわけです。今朝ももうすでに十一時になっているわけです。そういう点で審議時間が非常に圧縮されて、質疑する内容というものは非常に広範囲にわたっているように見受けられるわけです。われわれといたしましては、よく巷間いわれるようなマッチ・ポンプでは困るので、いろいろなことを言ってあとでいいかげんなうやむやの状態になってはこれは私はいかぬと思う。そういう点できのうの散会のまぎわに、われわれとしては、一応きのう、きょうと国有財産の問題をやるということになったけれども、きのうの状況を見ますというと、国有財産に費やした時間というものは半分以下ですよ。したがって、その時間を勘案すれば、きょうとにかくいま委員長の方向でやっていって、その中から自然に質疑内容というものが、時間的に不十分であるというふうに私たち想定されるわけです、いまの状況の中においては。したがって、きのう私が言ったように、明日の文部省関係あと回しにして、そうして、明日もこの問題についてじっくりやってもらいたい。きょう八時なり九時なり夜までやって済ますというならば、それはそれとしてよろしゅうございますけれども、一応一つの線というか、納得する線までやって、この問題の決着をつけたいと思う。中途はんぱな審議ではこれは意味なさぬわけですから、その点ひとつ十分に委員長のほうとしては心得てやってもらいたいと思う。
  4. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) いまの岡委員発言ですが、きのうも同じような趣旨発言がありまして、したがって、いまのままで進めていきますが、午後の委員長理事打ち合わせ会をやりまして、その際にそういった問題についての取りきめをいたしたいと思っております。
  5. 小沢辰男

    説明員小沢辰男君) 昨日大沢総裁答弁に関連いたしましていろいろと委員会審議渋滞を若干来たしましたことにつきまして、心からおわびを申し上げますが、私ども相談いたしました結果、大森先生のおっしゃいますように、私どもがそれぞれの公庫から融資を決定いたします際に、当然それぞれ融資申請内容に応ずる審査というものがあるわけでございます。したがいまして、それぞれの事業別といいますか、工事別の積算の基礎というものは当然私どもも持っておりますので、この点につきましては、そうした検討の結果、こういうような融資率でどの程度どこどこに融資したということにつきましてお問い合わせがあれば、詳細な御説明を申し上げたいと思います。なお、その後工事別成約額につきましても、当然御質問があれば報告をいたします。ただし、融資を受けました会社が、さらにこの工事等につきまして、あるいはまた物品の購入等につきまして、どこの会社からというお尋ねもございましたのでございますが、その際におきましては、たいへん恐縮でございますけれども、やはり融資をする金融機関としての立場もございますので、相手方会社等名前につきましては、たとえばABCというようなかっこうの表示でお願いできればたいへんありがたいと思います。  なお、総括的に理事会でもお話がございましたが、私どもとしては、当委員会審議を妨害したり、あるいはまた審議妨げになるようなことは毛頭考えておりませんので、この点は御了承をいただいた上でお許しいただきたいと思います。  なお、大沢総裁からも、若干昨日の答弁につきましていろいろ意を尽くさない点がございまして御迷惑をおかけした点につきまして、発言をひとつ許していただきまして御了承を得たいと思います。  私から以上総括的にお答え申し上げておきます。
  6. 大沢融

    参考人大沢融君) ただいま政務次官からお話がございましたように、昨日の私の答弁、いろいろことばが足りなかったりいたしまして御迷惑をおかけいたしましたことを深く反省しおわびを申し上げます。
  7. 岡三郎

    岡三郎君 ちょっといまの答弁について。大沢さんに言うが、きのうのことばが足りなかったという、そういうことば答弁は私はないと思う。きのうのことばは明確になっていた、答弁を拒否したんです。足りないどころではなく、失言をしておると思う。こんなところで発表できないということは、足りないどころか字余りでよけいなことまで言っておる。きのうあなた三十分以上、私たちでも三回答えを求めた。明らかにそれは銀行によっては言えないと、こう言ったじゃないか。それはことばが足りないという問題ではないと思う。もっとしっかり釈明してもらいたい、どうしてああいう答弁をしたのか。
  8. 大沢融

    参考人大沢融君) ことばが足りないと申しますか、私の申し上げ方が悪かったために御迷惑をおかけいたしました。その点を深く反省しおわびを申し上げたいと思います。
  9. 岩間正男

    岩間正男君 はっきりやはり速記に残しておいてもらいたい。これは国会審議の本質に関する問題です。したがって、あのような問題について答弁できない、このような席上では答弁できないと言ったことは誤りであった、こういうふうにはっきり述べておくことが、今後の国会の運営について非常にこれは重要な関係があります。したがって、その点明確にしておいてもらいたい、こういうふうに私は要求します、当然だと思う。
  10. 大沢融

    参考人大沢融君) 私の昨日の申し上げ方が悪かったために、そういう御趣旨におとりいただいて、私も非常に残念でございますが、ただいま政務次官が申されたように、あの事案については、政務次官が申されたような考え方で私申し上げたつもりでおったわけでございますが、そういうことで、もしあの中に——私の発言の中にそれと違うようなことがございましたら、取り消しをさせていただきたいと思います。
  11. 岡三郎

    岡三郎君 政務次官に言っておきますがね、いま政府部内の統一見解として言われたことについて、契約対象会社名前はここでは言えない、それはABCという形で言いたい。しかし、明らかに疑惑を持たれている場合に、当然その公庫の金が使われているわけですから、その場合にその使われ方がおかしいというときにおいては、ABCなんというようなあいまいなことばではなくて、やましい点がなかったならば、当然堂々とそれが出てくることによって釈明の余地といろものも出てくると私は思う。だから一般的、通常的に問題がないときに個々の会社名前を言うこと自体については、われわれは常識的に考えてそれはしませんよ。ただ公の金が出ている、その使途に明らかに疑惑がある。そのときにその工事を請負ったところが工事をしていないのか、会社が言ったけれども、そのまま中途はんぱになっているのか、それは公金の使途について、当然会社責任が出てくると思う。これはだからやはり調査対象として、普遍的な一般的な問題ではなくして、具体的な問題については、答弁をあいまいにするということ自体が私はおかしいと思う。だから、そういう点については、いま言われたことについて一応聞きおくことにして、そういうことが慣例になったら審議が十分尽くせないと思う。そういう点で具体的な問題についてはやはりそういうことを要求する必要が私はあると思う。疑惑を持たれているときに、それを隠蔽するというような形でやられること自体が私は疑惑を深めることじゃないかと思う。無関係な問題ではなく、責任もとになったところの工事について、工事があいまいで、やっているとか、やっていないとかいう、いろいろな問題がある中において、その工事を施行したところの名前が出てくるのは当然だと思う。それまで拒否して、ABCというアルファベットで言うことは私は納得できません。それだけはっきり言っておきます。
  12. 小沢辰男

    説明員小沢辰男君) 私最後に先ほど申し上げたつもりでございますが、当委員会審査妨げをしたり、もしくはそれに非協力な態度をとる意思はない、したがいまして、そういう場合には、具体的なときにひとついろいろと質疑応答の形でまた私ども場合により相談をさせていただきまして、お答えをさせていただきたいと思います。
  13. 大森創造

    大森創造君 それでは、きのうに引き続き質問をいたします。  岡委員の言われたように、どうも私はきのう三十分足らずで質問が終わってしまったし、私は途中でやめると疑惑を持たれます、時節柄でございますから。私もどうしてもある程度までまとまった質問をしないというと、これはどうもかっこうがつかない。そこで政務次官大沢総裁の話は了といたしますけれども、どうも納得できないことは、大沢総裁の言われたことは、岡委員の言われたように、どうもニュアンスが違う、きのうの答弁ときょうの統一見解の御答弁とは。で、私はやはりこれはABCでもいいが、問題になったことはやはり出してもいいというお話でございますが、政務次官が。そのとおりだと思う。別に悪気はないのですから、私は決算審査のためにやっているのですから。そこで大沢さんに、私はよくわかるのだが、やはりきのうの段階でこれはあからさまに公表したくない事情があったのだろうと思うのです。私が質問を打ち切ると疑惑に包まれるように、あなたもあからさまにはっきりできない事情があったのじゃないかと、私はそのことを勘ぐるのです、むしろ私は。だから、私も私の調査範囲責任を持って質問いたしますから、悪びれずに事実を事実としてお答えを願いたい。これは冒頭に申し上げておきます。  林野庁長官お答え願います。きのう質問したように、農林開発という会社に、問題の高槻の土地と芦屋市と琵琶湖畔志賀町、その他幾つかございましたが、松野新農林大臣の手によってこれはペンディングになったように聞いておりますけれども、そういうペンディングになったものも含めて、私の調査では八件から十三件ぐらいあるはずだ、農林開発という会社に対して。農林開発という会社は非常に疑問点が多いのです。そこで、高槻の問題は二宮委員も後刻触れるでしょう。芦屋市の問題はきのう申し上げたように、これは保安林だったのですよ。芦屋市民の水の給水源としての保安林であった。それをあなたのきのうの御答弁によるというと、県庁のほうから保安林解除申請があったから、それをまあ許可したと、そのために交換が成立したということになっているが、問題は、役所仕事というものは市役所段階が一番問題だと思うのです。あとはめくら判のところが多いわけです。そこで、きのういきさつを申し上げましたように、市役所幹部を抱き込んで、そうして解除申請を行なわせた。現在でもそれが芦屋市で問題になっているという。それからきのう北村委員発言をしました熊本県の前の営林局長名前は伏せておきますけれども、やはりその人の所管なんですよ、これは。そこでこれは政治力ごり押しをしたのだろうと思うのです。政治力ごり押しをした疑いが非常に強い。保安林を解除して、そうして自分のものにするということ。もう一つは、琵琶湖畔志賀町の問題、これは公共団体共願になったはずなんですが、これもよほどのごり押しをして、そうして一年余りかかって、そうして農林開発が取得してしまったといういきさつがある。その他にも幾つかございましょうが、この経営について林野庁は払い下げたり交換をしたりしている。あとのことはかまわぬということならともかくとして、これはどっちも使用目的は何か。現状はどうなっているのか。私の調査した範囲では、もとのままに放置されておりますよ。こういういきさつについてまず第一に御質問いたします。
  14. 若林正武

    説明員若林正武君) ただいま先生お話のございました点につきましては、ただいま調査いたしておりますので、その調査した結果申し上げます。
  15. 大森創造

    大森創造君 調査した結果をひとつ私のほうに御連絡いただきたいと思います。  給水源のための保安林です。この解除申請した、そのために市役所幹部が退職せざるを得なくなった、それを今度は抱きかかえて別の会社をつくった、こういういきさつがございます。  それではひとつお伺いいたしますが、開発銀行公庫と農中のほうにお伺いいたします。いわゆる共和グループに関する貸し付け総額幾らになっておりますか。
  16. 大沢融

    参考人大沢融君) 公庫からいまおっしゃる共和糖化工業へ七億七千百万円貸しまして、三月三十一日現在の残高が六億四千八百万円ちょっとでございます。それから、これは貸し付け当時は独立の会社であったわけですけれども、その後共和糖化と一緒になった会社ですが、日本糖化もと名前明利酒類と申しますが、これに一億五千九百万、残高一億二千七百万ちょっとでございます。それからもう一つは、これも後に共和糖化に合併したのですが、東洋果糖、これに五億と決定しておりますが、実行は四億でございます。それだけでございます。
  17. 石原周夫

    参考人石原周夫君) 日本開発銀行共和製糖株式会社融資いたしました金額は八億円でございまして、九月二十五日現在の残高が七億二千万円でございます。
  18. 楠見義男

    参考人(楠見義男君) 農林中央金庫理事長の楠見でございます。本日参考人として出席いたしておりますが、金庫業務に関しましていろいろ御心配をいただきましたりいたしておりますことを恐縮に存じ、またありがたく存じております。いろいろ本日参考人として御質問があることと思いますし、また、できるだけ御審議にお役立ちいたしまするように御答弁いたしたいと考えておりますが、御承知のとおり、金庫民間金融機関として、一応金融機関の常識上答弁を御遠慮申し上げたり、あるいは遠回しに申し上げることもあろうかと思いますが、その点はあらかじめ御容赦をいただきたいと思います。  ただいまの共和グループに対する貸し付けの問題でございますが、これもすでにこの委員会でも御論議いただいているようでございますが、約三十二億、正確に申しますと必ずしも共和グループといえるかどうかというものもごく少額ございますけれども、大体三十二億、こういうふうに御承知いただきたいと思います。
  19. 大森創造

    大森創造君 大体通算いたしますと五十億突破いたします。  そこで今度は、いまの三行にお伺いいたしますが、それでは共和に対する貸し付け中宮崎県の細島コンビナートに対するものはそれぞれ幾らになりますか。
  20. 大沢融

    参考人大沢融君) 先ほど私申し上げましたように、東洋果糖の分というのがそれでございまして、四億でございます。
  21. 石原周夫

    参考人石原周夫君) 先ほど申し上げました融資額八億、残高七億二千万、これが細島所在共和グループでございます。
  22. 楠見義男

    参考人(楠見義男君) 十億でございます。
  23. 大森創造

    大森創造君 その点は私の調査と符合しております。  そこで次にお伺いしますが、その元利償還は現在どのようになっておりますか。
  24. 大沢融

    参考人大沢融君) ただいま元利償還は来年の三月三十一日まで繰り延べをしております。
  25. 石原周夫

    参考人石原周夫君) 期限が八年半になっておりますので、それに基づいての元金の償還は、先ほど申し上げましたように八千万円ございました。残高七億二千万円。利息はいま八分四厘でこれも全然延滞ございません。
  26. 楠見義男

    参考人(楠見義男君) 償還は若干いたしておりますけれども、先ほど申し上げましたようなことでこの点は御遠慮さしていただきたいと思います。
  27. 大森創造

    大森創造君 その点の御遠慮はいかがなものでしょうな。私の調査では、いまお話しのとおり、農中と公庫では来年の三月までたな上げに決定したように聞いておりますが、これは事実でしょうな。それも御遠慮ですかな、楠見理事長
  28. 楠見義男

    参考人(楠見義男君) 先ほど申し上げましたように、民間金融機関といたしまして、相手方状況を申し上げるということは、これはその会社の、企業体の信用にも非常に大きく影響するところでございまするから、実は御遠慮申し上げさしていただきたいということを申したわけでございますが、たとえば一部所有財産処分等で入りました金はその返済に充当しておるとか、そういうことはいたしておる次第でございます。
  29. 大森創造

    大森創造君 どうも楠見理事長お話は私はよくわからないのです。去年の十二月ころに、農中と公庫のほうでは、元利償還は来年の三月末までたな上げにする、どなたかいまおっしゃったとおりです。そこで金利も支払えない共和グループに対して、ことしになって再度楠見理事長のほうの農中で多額貸し出しを行なったように聞いておるが、これは事実ですか。
  30. 楠見義男

    参考人(楠見義男君) 先ほど御質問がございましたように、共和グループということでこれはお考えになっていらっしゃるようでございますが、実は私ども共和グループとして先ほど申し上げました総額三十億余の金額に対処いたしておるわけでございまして、したがって、ただいま申し上げた一部財産処分代金を充当するという場合においては全体について考えていく、こういうふうに御了解いただければけっこうだと思います。
  31. 大森創造

    大森創造君 いまの楠見さんのお答えお答えにならないと思います。私の聞いたのは、元利も来年の三月までたな上げにしておるもの、金利も支払えない共和グループに対して、ことしに入ってから農中で、あなたのほうで多額貸し出しを行なった事実はないかということを私は聞いておる。これは答えられるでしょう。
  32. 楠見義男

    参考人(楠見義男君) あるいは具体的に貸し出しをいたしておるかとも存じますけれども、私は詳細承知いたしておりません。いまここで数字を持っておりません。御了承いただきたいと思います。
  33. 大森創造

    大森創造君 内容を知っていて知らないふりをしておるのか、ほんとうに知らないのか……。私のほうから教えてあげましょう。これは確実な情報によりますというと、ことしの一月か昨年の暮れに、農中の総裁のあなたと菅社長東食幹部と三者会談が行なわれた。そこであなたか菅貞人氏か、その要請によって東食、御存じでしょう、あなた知らないわけないです。東食クッションとして約十五億の資金共和に貸し出すことになったはずだと思う。あなたのほうは東食のほうには一番多額のときには三十億くらいの金を出しておりますから、東食は農中に対しては弱い立場にありますよ、金を借りておるんですから。そこで事実は、ことしの一月末ごろ、あなたの部下のほうは五億と言っておるんですが、私の調査では七億五千万円、七月の末に、あなたのほうの部下は五億と言っている人がありますが、私の調査では七億五千万円、合計十五億、これは東食で私は確認済みです。なぜそういうことをしたかといえば、菅貞人氏の共和グループのほうでは、いま申し上げたように元利とも支払えないから来年の三月までたな上げだという措置をした、だからそういう融資要請は農中のあなたのほうにしても筋が通らない。これが理由の一つ。もう一つは、農中はこれは砂糖工場には法律上も定款上も貸し出しはできないんです。あなた御承知のとおり砂糖工場にはできないんです。そこで東食クッションに使った、この事実知っておるはずですがね。これは知らないはずはない。これ知らないならばおかしいと思うんですが、あからさまにひとつ発表していただきたい。
  34. 楠見義男

    参考人(楠見義男君) ただいま御指摘になりましたような事実は私のほうは承知いたしておりません。
  35. 大森創造

    大森創造君 それでは東食に金を出したことはどうです。
  36. 楠見義男

    参考人(楠見義男君) 東食にはいまお話しになりましたようなふうなピークには金額は出しております。ここは、これは上場会社でもございまするから申し上げてもいいと思いますけれども、年商約千五百億の仕事をいたしておりまして、その七割は大体農林水産物関係仕事をいたしております。そういうことから、私どものほうは、たとえば、ビートの買い付け資金でありますとか、エビの買い付け資金でございますとか、飼料の買い付け資金でございますとか、そういうようなものを融資はいたしております。これはそのとおりでございます。
  37. 大森創造

    大森創造君 東食説明はあなたの言われるとおり農林水産関係だから農中は金を出してもよろしいということになっているが、これは知らないはずはないですよ。東食に十五億出したでしょう。これは調べればすぐわかりますね。これを聞くことは差しつかえないでしょう。あなたのほうの業務のうちだ。ことしの一月と七月に七億五千万か五億ずつ、五億ずつにすると十億ですが、七億五千万円ずつにすると十五億になりまして、私の調査と一致するんですが、これは電話でもわかるでしょう。うしろの人に聞いてもわかるでしょう。あなたの所管です、東食に出した金額幾らか、業務のうちですから。これはいかがです。
  38. 楠見義男

    参考人(楠見義男君) 東食には総額三十億出しておりますが、大森さんのいまおっしゃったような意味の金は出ておりません。
  39. 大森創造

    大森創造君 これはおかしいですね。私も東食、それから農中の幹部の人とその他の方面から聞いたんですよ、これは。そこで、日にちがはっきりしているんですから、ことしの一月と七月に七億五千万ずつ、合計十五億の金を東食に貸したことは事実でしょう。このことはこの委員会が終わるまでの間に御調査ください。それでないと参考人で来られた意味がないです。私は共和製糖のことは聞きませんよ。東食に貸したという事実はわかるはずですよ、総裁として。これは委員会の終わるまでに私のほうへお答え願いたいと思います。  そこで、問題の高槻の土地なんですが、この高槻の土地は、きのうの若林林野庁長官の話によるというと、十万余坪ですね。これはそのとおりです。延びがないわけです、実測ですね。坪当たり三百七十円、これはそのとおり。三百七十円の十万倍すると幾らになりますか——三千何百万かの金でしょう。それを坪当たり一万五千円、そして延びがないのに実際二十四万坪にしてその実測図、評価証明をことしの初めに農中のほうへ持っていった。あなた、楠見理事長、これをごらんになったことがあるでしょう。
  40. 楠見義男

    参考人(楠見義男君) 高槻の土地を添え担保として私どものほうに入れておりますことは承知いたしておりますが、そしてまた面積が、いまお話しになりましたように、約十一万坪でございますか、それも承知をいたしております。
  41. 大森創造

    大森創造君 そこでこれはふしぎな話ではありませんか。若林長官の言うたことは事実ですよ。これは二宮委員も私も何回も確認している。十万余坪、坪単価が三百七十円、三千数百万、それがあなたのいまお答えになったように坪一万五千円、それで二十四万坪になっているんですね。その書類があなたのほうへいっている。あなたも承知していると、いまお答えになっている。
  42. 楠見義男

    参考人(楠見義男君) 私は承知していると申し上げましたのは、面積十一万坪でございます。それは承知をいたしておるということを申し上げたわけでございます。  それからその土地を林野庁から幾らで払い下げを受けたかということは承知いたしておりません。
  43. 大森創造

    大森創造君 坪単価で一万五千円、十一万坪が二十四万坪に架空の数字が出され、合計三十六億という数字は御存じだということを言ったではありませんか。
  44. 楠見義男

    参考人(楠見義男君) いやそうじゃありません。
  45. 大森創造

    大森創造君 それはそのとおりなんです。あなたは知らないけれども、あなたの部下はみんな知っているはずですよ。知らぬは何とかばかりなりというわけです。楠見さん、知りませんかね。
  46. 楠見義男

    参考人(楠見義男君) 存じません。
  47. 大森創造

    大森創造君 それでは知らないということでまあ議論を進めますけれども、その実測図、評価証明は、これは熊谷組が——Aといたしましょうか。いいでしょう、もう言っちゃったから、熊谷組がつくったわけです。そこで農中は、これは理事長は知らないはずはないと思うのです。高槻の山林をだから三十六億と踏んで——農中は幾らですかな。三十何億の貸し出しがありますね。三十一億といまおっしゃいましたね。共和グループに対して三十一億の貸し出しがあるので、そこで添え担保ということばをあなたいまおっしゃられたけれども、その添え担保で農中は二十三億の根抵当をつけたわけです。この問題の高槻の土地を二十四万坪、一万五千円として三十六億になりますから、そこで二十三億の根抵当をつけた。三十六億円から二十三億円引くというと十何億か残るので、その十何億でもってさっき申し上げました東食融資したやつの抵当にしたんですね。そうでないというと東食クッションに使われるだけで、共和製糖に融資しない、このことも確認済みなんです。このいきさつはほんとうに知りませんか、楠見さん。
  48. 楠見義男

    参考人(楠見義男君) 私は、はなはだおことばを返すようでございますけれども承知いたしておりません。また、そういうようなことはないと思っております。
  49. 大森創造

    大森創造君 農林省の経済局長なりその他の銀行関係でこの事実はお知りでしょう。
  50. 大和田啓気

    説明員大和田啓気君) 私ども高槻の土地につきまして中金が二十三億円ほどの根抵当を取っておりますことは承知いたしておりますけれども、中金、東食あるいは共和グループとのいまのお話承知いたしておりません。
  51. 大森創造

    大森創造君 経済局長が知っているんですよ、農中に二十三億の根抵当をつけたということは。金額もぴったりしている。楠見さんわからないはずはない。経済局長は知っているんです、二十三億の根抵当をつけたということは、私が申し上げるとおり。あとの余力の十何億円はさっき説明した、東食はいやですから、そのひもつきは。共和グループにこの金を貸すことはいやですから、楠見理事長なり菅社長かが説得したはずですよ。そうして抵当をつけたんですよ。これは私の調査ではそうなっている。あなたの部下の有力な人もそう言っている。東食もそう言っている。経済局長は二十三億と言っている。その二十三億の根抵当というのは、農中の貸し金に対する根抵当なんです。その事実をあなた知らないというのはおかしいんじゃないですか。
  52. 楠見義男

    参考人(楠見義男君) 大森さん、実はあなたいろいろなことを知っておられまして、またどこでお調べ願ったかは存じませんけれども、それがこう頭の中にあって、こうおっしゃるそのことばが、全体をあなた御承知の上でそういうことをおっしゃるのだけれども、私これは知らぬこともあるわけですね。そこで、御質問になることをこれは知っているかと言えば知っております、これは知っているかと言うと知らぬ、こういうことで、いまのお話の二十三億の極度額といいますか、根抵当に入れているということは知っております。そういうふうにお聞きいただきますと、それは知っている。ただし、これも冒頭に申し上げましたように、これはどうも民間の金融機関なんだから御遠慮さしていただきたいということは申しますけれども、しかし、これも冒頭に申し上げましたように、できるだけここで御審議になることについての御参考には努力したいと、こう考えておりますが、実は重ねて申し上げますけれども、いろいろのことをあなた御承知だから、それを頭に置いて御質問になることと、私が受け取ることがことばの端では符合しないことがありますから、したがって、知らぬということを申し上げましても、それからこれはどうだかと言えば、それは知っているということも申し上げる次第でございますので、この点はどうぞあしからず御了承いただきたいと思います。  重ねて申しますが、私は先ほど二十三億の極度額の根抵当のことも、知っているかと、こうお聞きになれば、それは知っているとお答えしたのですが、ほかのことをお聞きになって、それでいまのお話でございますから、そういうような御返事を申し上げたのですから御了承いただきたいと思います。
  53. 大森創造

    大森創造君 わかりました。了解します。  そこでね、二十三億のことをお聞きをしたのでありますが、知っている、二十三億知っているのなら、これは農中の貸し金に対する根抵当ですから、このいきさつは知っているはずです。あとでこれは触れますよ。
  54. 楠見義男

    参考人(楠見義男君) 根抵当にとったいきさつという御質問でございますから、それにお答えいたしますが、共和グループに対しましては、まあ金庫といたしましては、御承知のとおり関連産業として特にイモ、でん粉に関連する事業でございますから、これはひとり共和グループには限りません、ブドウ糖関係の貸し金には相当出しております。その出すにあたりまして、いろいろ建物でございますとか、工場でございますとか、そういったいろいろのものを担保に取っております。そうしてこういうような不況になりました状況でございまするから、できるだけ担保をたっぷりと申しますか、取るために、共和グループが持っておるものをできるだけ担保として出してもらいたいと、こういうことで、添え担保として追加をいたしまして、そうしてその極度額を二十三億にいたしておる、こういう状況でございます。
  55. 大森創造

    大森創造君 そこで、これはあとからにいたしますが、それでは各行がいずれも債権保全のために相当多額の金を出しておりますから、細島工場財団というものをつくりましたね、それに対して第一陣営で開銀が八億、公庫が一億、農中が二億、宮崎銀行が一億計十二億。第二陣営で三和銀行三億がそれぞれ担保についている、これはいまさら確認するまでもないと思うのです、そのとおりだと思うのです。そうですね。  そこで次の質問に移ります。この財団の評価はどのくらいになっているのですか。開銀、公庫、農中の順でひとつお答え願えませんか。
  56. 石原周夫

    参考人石原周夫君) 私どものほうの融資額八億に該当いたします工事は十五億ほどでございます。それに若干の共通部分が加わっておりますので、工場事業額は大体十五億を若干上回る、こういうふうに御承知いただきたいと思います。
  57. 大沢融

    参考人大沢融君) 私のほうはいまの財団に一億の担保を持っております。
  58. 大森創造

    大森創造君 評価額です、財団の評価額。
  59. 大沢融

    参考人大沢融君) 共有部門と専有部門合わせまして十九億程度でございます。
  60. 楠見義男

    参考人(楠見義男君) 私詳細の数字はいま承知いたしておりません。新しく工場ができました際に、それを財団として取り上げるという場合には、大体帳簿価額の総額を評価額として取っておるようでございます。いまその金額はどの程度であるかということは私よく承知しておりません。
  61. 大森創造

    大森創造君 まあ開銀のほうは十五億ということです。それから公庫のほうは十九億。これは私のほうの調査と一致しております。農中のほうは私のほうから申し上げます。三十三億です。そうすると、同じその財団の細島工場に対して評価がみんな違うのです。それでこの評価は開銀が幹事銀行で、その評価に三行が右へならえしたと聞いておるが、それぞれ各行が違う。農中は倍以上になっている。開銀は十五億と見積もっているのに対して、同じ対象物件に対して農中は三十三億と見積もっているのです。どうしてそういうことになるのですか。
  62. 石原周夫

    参考人石原周夫君) 開発銀行の分だけについて申し上げます。先ほど楠見理事長が申されましたように、新規にできました工場でございますから、工事費がおおむね担保の目安になるだろうと考えます。先ほど私申し上げましたのは、私の銀行融資しております対象工事は十五億だと申し上げました。なお、それ以外に共有部分がございますから、これは一括して担保を取っておりますので、十五億より多い金額になると申し上げました。それからほかに、これはほかの金融機関からお答えになると思いますが、農林漁業金融公庫の融資対象があると思いますから、その金額が一致しておらなければならぬということは、共有部分については当然起こると思いますが、全体の部分をみんな一緒に担保に入れているというわけではございません。
  63. 楠見義男

    参考人(楠見義男君) 大森さんから私のほうの評価額を伺ったのでありますが、私どもいろいろ数字をつかもうとする場合に、よくそれぞれ金額が違うことがあるわけなんですが、それは評価といいますか、たとえば財団なら財団の評価の時期等で、たとえば工事が引き続いて行なわれておるというような場合には、その中間と、あるいは四分の三の状態のときと、あるいは五分の四の状態のときというふうに、そういうふうに評価が違うと、そういうことによることではないか、これは一般論でございますが、御参考までに申し上げておきます。
  64. 大森創造

    大森創造君 そこで問題は、細島工場の評価の問題なんです。事業費なんです、工作物別に確認した、それぞれの銀行でこれはわかっておるはずですから、きのう大沢総裁はそのことはわかっているとおっしゃいましたから、その支払い先を明示願いたいと思います。申し上げますと、専用埠頭、原料倉庫、工場本館、ボイラー、製糖機械、それから土地、土地造成費、この土地と土地造成費は非常にまぎらわしくて、おっしゃられるとおり共有部門になっているのです。それから公庫のほうも、ブドウ糖・果糖機械、変電所、汚水処理施設、ブドウ糖・果糖庫、これについてそれぞれ事業費をお示しいただきたい。
  65. 大沢融

    参考人大沢融君) 事業費を、成約額と申しますか、契約した額を申し上げますと、御承知のように、これはコンビナートとして製糖・ブドウ糖・果糖庫一緒になっているのですが、それ全部で四十四億三千万円でございますが、その内訳を申し上げますと、土地が二億五千百六十万円、それから建物が九億六千七百万円、それから機械が二十四億一千百六十九万七千円、ボイラーが一億八千三百万円、それから自家発電が二億百万、専用埠頭が二億八千百二十万円、汚水処理施設が一億三千二百七十五万一千円、そのほかにカンショでん粉の貯蔵槽として八百九十五万円。その中で私のところの公庫関係をしておりますのはブドウ糖でございますが、ブドウ糖は四十四億の中十三億四千七百九十五万八千。これもそれぞれの土地、建物別に申し上げますと、土地が九千百八十万、建物が三億三千二百五十万円、それから機械が七億四千百七十七万七千円、ボイラーが六千万円、それから自家発電が五千百万円、専用埠頭が千百二十万円、汚水処理が五千七十三万一千円、それから先ほどのでん粉の貯蔵槽、これは全部ブドウ糖で八百九十五万円、こういうことでございます。
  66. 石原周夫

    参考人石原周夫君) 開発銀行融資対象といたしました精製糖の関係のいまの内訳を申し上げます。土地が六千八百万円、建物が三億三百万円、機械が七億五千七百万円、ボイラーが六千三百万円、自家発電が一億円、専用埠頭一億六千万円、汚水処理五千万円、以上であります。
  67. 楠見義男

    参考人(楠見義男君) 私のほうは正確な数字はつかんでおりませんが、ただ十億の金が使われたかどうかということの確認はいたしておるつもりでございます。その結果、公庫の四億とそれから私のほうの十億合わせての十四億に、あるいはそれ以上上回るかとも存じますけれども、そういうものが建物だとかあるいは構造物、土地に投入されておるというふうに確認をいたしておるわけでございます。
  68. 大森創造

    大森創造君 三行からそれぞれお聞きしたのですが、私の調査とは完全に食い違っているわけですね。  それで、これからお尋ねいたしますが、ブドウ糖機械は幾らに見積もりましたか。幾ら支払っておりますか。
  69. 大沢融

    参考人大沢融君) ただいま申し上げましたように、ブドウ糖の機械としては、当初の成約のときの内訳は、二十四億の中七億四千百万円、こういうことでございます。
  70. 大森創造

    大森創造君 その七億何千万で機械をつくったのですか。
  71. 大沢融

    参考人大沢融君) その後当初計画に変更がありまして、現在のところ、ブドウ糖の機械はつくっておりません。これはこの前の前でございましたか、御質問ございましたが、七十トン工場という計画を三百トンにしたらどうだろうかというようなことの研究もあるし、それからそういう大きなものをあの一カ所につくることは群小の同業者の反対もあるというようなこともございまして、計画の練り直しということでこの機械はブドウ糖に使われておりません。
  72. 大森創造

    大森創造君 それはそういうことでいいんでしょうか。ブドウ糖の機械を購入するために融資を七億何ぼした、実際はつくってないということですね。永久につくらないということになるのでありませんか。何か計画ございますか。
  73. 大沢融

    参考人大沢融君) 工事を一時ストップいたしまして、ことしの八月ごろまでには、ひとつ計画をもって私のほうとも相談をするということになっておりましたが、それが私のほうで催促しておりますが、まだ会社のほうの計画が出ておりません。ただ私きのうも申し上げて、これどうも私の言い方がまずかったということですか、誤解を受けたのかもしれませんが、私どものほうの融資といたしましては、ただいま申し上げましたように、成約がブドウ糖関係で十四億ある。その内訳はこうだ、全体としての金のワクの中で四億を、あるいは五億の貸し付けを決定するということでございまして、その五億の金が、いま申し上げたような数字で機械に充当される、あるいは土地にそのまま充当されるというようなことではなくて、総体として押えている金を貸して、そのブドウ糖工場建設に使ってもらうというふうなたてまえでやっておるわけですから、そういうことでございます。
  74. 大森創造

    大森創造君 いまの説明よくわかりませんけれどもね。私はそれぞれ三行のいまのお答えを信用できないのですよ。で、私のほうの調査のあれを申し上げますと、専用埠頭は二億八千百万円ですよ、実際に支払った金額が。請け負ったのはA、わかりますな。それから倉庫のほうは四億四千三百万円。書いておいてくださいよ。製糖工場のほうは一億三千四百万円。こういうレシートだとか、請求書があなたのほうに出ているわけなんです。ところが、実際はAでないのですよ。請け負ったのはBなんです。専用埠頭はAではなくてBなんです。で、金額は明らかに違うのですね。これはあとに申し上げるほうが事実なんですよ。これは参考のために控えてください。専用埠頭が一億五千万円です。二億八千百万円が一億五千万円。あなたのほうに出ている書類は、ややこしいが、Aという土建会社になっているが、実際はBなんです。それから倉庫のほうが四億四千三百万円と出ているはずです。あなたのほうに必ず写しがあるはずで、共和製糖のほうにはオリジナルなものがあるはずです。これはひとつ持ってきてほしいと思うのです。これはいままで問答しておりますと、私の言うていることがどうもあやふやなような感じがしますが、実はあなたのほうがあやふやなんですから、ひとつ証拠資料を照合したいと思う。倉庫のほうは四億四千三百万円、それから製糖工場のほうは一億三千四百万円、その合計五億七千七百万円、これは三億四千五百万円がほんとうなんですよ。これはどっちもA、Aに間違いない。金額が大いにずれている。それから土地は県から二千八百万円で購入した。整地料は坪四千円というふうにあなたのほうは出ています。レシートと請求書は四千円。この請負は同じくAです。ところが、実際はこれは直営なんです、細島のコンビナートの直営なんです。Aに頼んでいない。このくだりについては、これはAという土建会社に行って私は工事経歴書をもとにして確認済みなんです。いいですか。二億八千百万円という専用埠頭、四億四千三百万円という倉庫、一億三千四百万円という製糖工場、それから整地料坪四千円、これはどうだと言ったらば、工事経歴書にこれがないのですね。やった覚えがないというのです。これはAという土建会社で私は確認した。土建会社は丁寧に福岡支店まで電話かけた。ないですよ。そこで、私が後段申し上げた専用埠頭一億五千万円、Bという土建会社、それから倉庫と製糖工場の五億七千七百万円が、事実は三億四千五百万円、これは工事経歴書とも一致している。それから土地の整地料はほとんど使ってなくて直営である。これは確認している。で、ボイラーはどうなっているかというと、これはさっきどなたかおっしゃいましたね、一億八千三百万円。どなたでしたかな、大沢さん、そのとおりですね。
  75. 大沢融

    参考人大沢融君) 成約額はそのとおりでございます。
  76. 大森創造

    大森創造君 そのとおりですね。この部分は合っている。これは金額は合っている。これはあなたのほうへの書類はこうなっている。一回に支払ったことになっているが、何回かに分けて支払っている。それから砂糖機械は幾らになっていますか。
  77. 石原周夫

    参考人石原周夫君) 砂糖機械とおっしゃいますと私ども融資対象以外に回るわけでございまするが、私どもの精製糖の融資対象になっておりまするのは七億五千七百万円、先ほど申し上げ金額でございます。
  78. 大森創造

    大森創造君 これは月島機械——言うて悪いかな、Cだな——そこで四億くらいというんですね。そこで、いま申し上げたやつは根底が全部狂ってくるんだけれども、これは非常にややこしいことをやっているわけですよ。あなたのほうの融資のための材料としてレシートや領収書や請求書を出したものと違ったもの、偽造印鑑を明らかにつくっているわけですね。私はAという土建会社に行ってただしてみたところ、こういう判こはないというわけです。全部これは偽造印鑑。その砂糖機械のごときは、きのうも申し上げましたけっかな、中央区の小船町の錦正印舗でつくったが、あんまり実物と違うので、月島機械——Cの印鑑は実物と違うので、共和製糖は月島機械と取引がありますから、実物の判こを持っていって、これと似たようにつくってくれということで、蠣殻町のKという印舗に頼んだ。かくして全部偽造印鑑なんです。これは土建屋で確認済みなんです。それからレシートなんかの紙もどういうふうにしたかというと、これは共和製糖に出入りしている業者につくらせた。これはおわかりになりますか。
  79. 石原周夫

    参考人石原周夫君) 私、実はいまお尋ねになりましたことに対しまして正面からお答えを申し上げる材料はございません。ただ、私どものほうはどういうやり方でやっているかということを申し上げます。私どものほうは三十九年の十月に融資決定をいたしました。数回に分けて、工事の現状を確認をいたしながら資金交付をいたしたわけでございます。その場合におきまして、融資を受けておりまする相手方から、こうこうこういう先に金を払うんだということの申し込みを待ちまして、資金を交付をいたします。その資金を交付いたしまするときに、市中の銀行に取り扱いをお願いいたすわけでありまするが、その際には、どういうような会社の分として幾ら、これは融資相手方からの申し出でありまするから、その金額を申しまして、その金額が私どもが委託をいたしておりまする金融機関から受け取られる、こういう仕組みに相なっておるわけでありまするので、領収書の点につきましても、私どものほうも領収書を資料としてもらっておりまするけれども、いまのような手順をもちまして融資をいたしておるわけであります。すでに工事も完成をいたしまして、御承知のようにもうだいぶ前から操業いたしております状況であります。私どもの——精製糖工場のほうの話であります。そういうような手順でやっているということを申し上げて、何らかの御参考にいたしたいと思います。
  80. 大沢融

    参考人大沢融君) 私のほうも大体同じような形で金の払い出しをいたしておりますが、これは五億の契約をいたしましたのが三十九年の九月の三十日でございますが、実際の支払いをいたしましたのが十月の六日でございます。その払い出しをいたします前には、会社の、ただいま言いましたような帳票、帳簿、そういうもので、先ほどの成約額が十三億余りでございますけれども、実支払い額がどのぐらいあるだろうというようなことも確かめまして交付をいたすということをやっております。
  81. 大森創造

    大森創造君 御答弁はそういうことになるだろうと思うんですけれども、熊谷組——はっきり申し上げますよ、問題だから——熊谷組の事業経歴書によって調査いたしまして、なお、念のために熊谷組に直接問い合わせたところ、細島関係工事は、原糖倉庫と製糖本館と、これは合計、何回も申し上げている三億四千五百万円、ブドウ糖部分の基礎くい打ち工事一億八百万円、社員食堂約三千万円、それ以外は請け負っていないと言明しているんですね。で、専用埠頭、汚水処理施設、整地を請け負った事実はないと言明しているわけです。これはどういうことなんでしょう。三行の方がお答えにくいときにはひとつ経済局長にお伺いします。もしくは銀行局長にお伺いします。もしくは電話かけて聞いてみてください。受注していない熊谷組が仕事をしたとはどういうことなんですか。熊谷組というのは二つあるんですか。
  82. 楠見義男

    参考人(楠見義男君) 大森さんが三行ということをおっしゃったものですから、私のほうも入っておると考えましてお答えしますが、私のほうは、計画に対して貸し付けを決定しますと、それを預金に振りかえまして逐次要求に応じて出していくということで、いまの政府機関のような、どこに幾ら払うからというようなことでやっておるのではございませんから、三行というお話しでございましたけれども、私どものほうは政府機関と全く別の金の出し方をいたしておりますから、念のために申し上げておきます。
  83. 大森創造

    大森創造君 どなたかお答えになれませんか。まあこれは押し問答になっても始まりませんから、これは現場の地図を照合して実地に当たって見ないとわからぬと思いますけれども、こういうことになっている。土地は一億、これは実際の金額、実際に支払って使った金はこういうことになっている、土地は約一億。建物が三億四千五百万円、いま熊谷組で言明したように——工事経歴書にもあるように。基礎工事が一億八百万円。いいですか、これは事実の支払い金がですよ。月島機械は四億。これはちょっと不明です。これはもっと少いかもしれない、二億ぐらいかもしれない、二億五千万ぐらいかもしれない、ややこしいですから。計画が二百トンであってあと三百トン追加するとか、申請が二百トンであって食糧庁が二百トンで推薦をしたとか、あと二百トン追加したとか、ややこしくなっておりますから、これは四億の半分近くになるかもしれない。で、埠頭は一億五千万円、汚水処理は三千万円、先ほど申し上げたようにボイラーは一億八千万円、変電所が二千万円、その他が三千万円。そうすると、合計して細島コンビナートは、砂糖、ブドウ糖、果糖を込みにして全部で十三億六千三百万円、幾ら多く見積もっても十五億円以上は出ないということになっておる。そうするとどういうことになるんでしょうかね。いままでの合計は、細島工場に融資した分は二十六億でしたかね、三行での合計は。だいぶ勘定が合わなくなる。何か御答弁があったらおっしゃってください。
  84. 石原周夫

    参考人石原周夫君) 私どものほうの融資対象でありまする精製糖工場は、先ほど申し上げましたように工事完成をいたしまして、現在稼動いたしておるわけであります。私ども融資対象といたしました工事額は十五億二百万円でありまするが、そのほかに、たとえば先ほどお話がありましたように埠頭のごときは——私ども金額は精製糖工場として分担すべきでございますから——したがいまして全体としては二億八千万円、私どもの分としては一億六千万という数字を合わせまして、いま申し上げたような数字になっておるわけでございます。これはすでに原型が全部できて動いておるわけであります。私ども、先ほど申し上げましたように現場の確認もいたし、完成した状況も見まして融資をいたしておるわけでありまするから、いまおっしゃるような金額の合計と、これは大沢総裁が申し上げました私ども以外のものも含めてでございますが、四十億という数字が合わないというのは、ちょっと私どもには判断いたしかねるということを申し上げる次第でございます。
  85. 北村暢

    北村暢君 関連。いまの答弁が、大森委員の指摘している問題について、土地、建物等の実際に支払った額と、融資対象にして公庫、開銀等がとっているものと食い違いができてきておる。したがって公庫、開銀が融資対象としているものは設備資金である、建設資金である。ところが、それよりも大幅に上回ったものをかりに融資しているということになれば、これは経営資金まで運用するという結果になる。そういう点からいって融資対象としたものについての厳正さというものがなかった、こういう結果になるんじゃないかと思うんですね。したがって、これに対しては、はっきり大森委員から、建設資金として発注したものに対してこれだけ払っているということが出ているんだから、あなた方の融資対象にした設計なり何なりの見積もりというものと合っていないということに結果的になっておるわけです。したがって、融資にあたって非常にずさんな貸し付け方をした、結果的にそういうことになるんだろうと思う。それに対して答弁がなされないということは、私はどうかと思うんですね。ずさんでああったのか、どちらが誤りなのか、はっきりやはり答弁すべきだと思う。そういう点について黙っていたのでは議事が進行しないと思う。
  86. 大和田啓気

    説明員大和田啓気君) 私ども、先ほど公庫総裁も申し上げましたように、しかるべき証拠書類によりまして四億の融資をいたしておるわけでございまして、公庫調査によりますれば、すでにブドウ糖関係工事で手形が落ちておるものも四億をはるかにこえていることを一々チェックいたしておるわけでございまして、私ども公庫の金を貸し付ける過程において粗漏があったというふうには、ただいまのところ考えておりません。
  87. 石原周夫

    参考人石原周夫君) 先ほど申し上げました融資の決定をいたしますまでには、どういうような仕様でどういうような機械を入れて全体を動かすんだということにつきまして、十分な審査をいたしております。審査をいたしまして、十五億何がしの金が、私ども融資対象として当たってまいりました精製糖工場、それの建設資金となり、これが現在動いているわけです。で、工場建設事業費が適正かどうか、そういう点は審査で当然見てくれると思います。そういう審査をいたしまして、この程度の金額のものが適当なんであろう、こういう判断をいたしたわけであります。で、それに基づきまして工事が進み、それに基づきまして資金交付をいたしてきたわけであります。したがいまして、そういうような現在の状況からいたしますと、ただ先ほど申し上げましたように専用埠頭であるとか、あるいはボイラーでありますとか、共用部分もございますから、その部分につきましては、私どもの負担分より大きいのでございます。大きいのでございますが、全体として見ましたときには、私どものほうに関する限り、現実の工事が著しく違って、機械の調達が著しく違っているということはちょっと考えられない、現実に機械は満足に動いているという状況から見まして、そういうようなことは考えられませんから、何かと御参考に申し上げたいと思います。
  88. 大森創造

    大森創造君 現実に機械が動いているというのはどの機械ですか、何の機械ですか。
  89. 石原周夫

    参考人石原周夫君) これは精製糖工場でございますから、精製糖の工場は、御承知のように順々に一連の分留とか結晶とかという——私専門家でありませんから存じませんが、砂糖工場は見たことございますけれども、そういう一連の機械が動いているわけでございます。
  90. 大森創造

    大森創造君 北村委員が言いましたように、実はそこを言いたかった、私は。私の計算では十三億から十五億にしかならないものを、二十六億出しているわけです。共和グループはややこしい、十六会社があるのですから。いろいろな道具に使われる会社があるのですから、これに対して五十億以上出ている、七十億近く出ている。三行以外の民間銀行など入れるというと六十九億ぐらい出ているのです。そうするというと、私の計算では、さっき申しましたように十三億から十五億の間しかかかっていないので、あとの金はどうしたのだということなんです、突き詰めて言えば。そこで、これだけはぜひひとつお約束いただきたいのだが、積算の基礎になったいろいろなレシートとか請求書とかあるでしょう、これと照合して見たいのです、私のほうの準備したものと。これは偽造印鑑が使われているのです。用紙も偽造なんですよ、ABCそれぞれに私は確認したのだから。その書類があなたのほうにないはずはないのです。受け取った人も知っているのですから。そのことをもとにして貸し出しをしているんですから。オリジナルのほうは共和製糖にあるのですから、これはここで水かけ論をしたって始まらないから、このレシートを出してみてください。私のほうの偽造印鑑が偽りがあったら陳謝する。ここで押し問答しても始まらない。積算の基礎になった、貸し出しの基礎になった書類をここに出してください、きょうじゅうに。そうするとはっきりします。ここでこの問題を一つ一つ問答したってあと五時間ぐらいかかります。話の筋道がわからなくなりますよ。そこであなた方がきょうの委員会で短時間で終わらせようとすると、おざなりになるでしょう。これはどうしたって相当な不正融資ですよ。そこへ詰めてくるまでに二、三時間かかるので、先ばしって申し上げますが、それに違いないですよ、私の感じでは。  そこでもう一、二聞きますけれども、ここに工場の敷地図がある。これは農中からちょうだいした。これは農中、公庫融資砂糖工場のほうには使えないでしょう、農林水産ですから。さっき楠見理事長が申し上げましたとおり、その融資が、砂糖工場関係会社の隠し財産に、その農林開発のさっき言った山を買った金、みんなこっちのほうに流用している。高槻の山の金、琵琶湖畔の山、その他幾つかの交換のための民有地を買うための金があなた方のほうの融資のほうから使われていることは確実と私は思うのです。そこで私の調査では、繰り返しますが、幾ら多く見積もっても、細島の工場には十五億しか使っていない。そうすると勘定が合わないですよ。二十億か三十億という、何十億単位の金額の数字が合わない。これはあとで証拠書類を出してみてください。証拠書類がない限り水かけ論になりますから。あなたのほうで自信があるならきょうじゅうにも証拠書類を出していただきたい。あるはずなのです。そこでこれは聞きますが、隠し財産に流用されていることは事実だと思うのです。現に細島の砂糖工場の隣に、あなた方現地に行ったことがある方はございますか、手をあげてみてください。——そこで、細島の砂糖工場の隣に新たに千二百トンの製糖工場の建設が進められている。機械はすでに荏原製作所に発注済みなのです。設計は池田繁設計事務所で完成している。このことは日本精糖工業会並びに公取で確認済みなのです。この辺のところを公庫、中金のほうは承知しておりますか。
  91. 楠見義男

    参考人(楠見義男君) 製糖関係はいま大森さんからお話しになりましたように、私どものほうは関知いたしておりません。
  92. 大沢融

    参考人大沢融君) 私どものほうの関係もブドウ糖でございまして、製糖のほうは存じておりません。
  93. 大森創造

    大森創造君 そこで問題ありませんか。これは農中も公庫も製糖のほうには貸せないのですよ。製糖のほうには貸せない。これは釈迦に説法ですが、私から言うのは。ところが現実に、ブドウ糖、果糖のほうはやめにして、現地に行った方はおわかりでしょうが、これは基礎打ちしかやっていないのですから、実際はブドウ糖の機械というのは発注していないのですから、さっき確認したとおり。そこで、このブドウ糖のほうに新たに千二百トンの計画をしているという、そういうことになったらどういうことになりますか。これは、農中と公庫の金は砂糖のほうには貸せないにかかわらず、砂糖のほうにばっと流用されたことになるのではありませんか。これは銀行局長にお尋ねいたします。
  94. 澄田智

    説明員(澄田智君) いまのお話は本日初めて私ども伺いまして、承知いたしておりません。本来の政府金融機関の目的外に融資された金があるというようなことは、これは厳重にそういうことのないようにやらなければならない、こういうふうに考えております。
  95. 大森創造

    大森創造君 これは銀行局長のおっしゃるとおりだと思うのです。これは何か法律にひっかかるでしょう、こういうことでは。これは経済局長、この間の事情はわかりませんか。
  96. 大和田啓気

    説明員大和田啓気君) 中金なり公庫なりの資金が製糖関係に回るということは、制度上好ましくないことは当然でございます。いま御指摘のような事実の有無については、私承知いたしておりません。
  97. 大森創造

    大森創造君 銀行局長とそれから経済局長に確認しましたように、好ましくないではなくて、これはまずいことですよ、ひっかかりますよ、これは。そこで農中、公庫それから開銀の方々がそれぞれ自分の立場で主張されておりますが、事実なんですよ、これは。基礎打ちしかやっていないのですよ。あなた方が行かれたときもそうでしょう。基礎打ちしかやっていない。ブドウ糖、果糖のほうならば、農中それから公庫のほうは融資対象になりますけれども、ここの場所に千二百トンの現実の計画があって建設が進められているのですよ。現在機械はすでに発注済みなんですよ。荏原製作所、これは大きな製作所だからすぐわかります。設計は池田繁事務所で完成しているのですよ、すでに。これは確認済みなんですよ、公取と日本精糖工業会が。そうなったらどういうことなんですか。  もう一つ、今度は食糧庁にお伺いします。  開銀に対して、製糖工場の融資あっせんには日産二百トンとなっている。しかるに、当初発注せる機械は三百トン、すぐ二百トンの追加発注をしてる。合計五百トンになった。これは食糧庁を侮辱していることになりませんか。どういうことでありますか。
  98. 大口駿一

    説明員(大口駿一君) 細島コンビナートにおきます製糖工場の規模が当初の計画より大きな規模で完成をしていることは、私ども承知をいたしております。
  99. 大森創造

    大森創造君 語尾がはっきりしない。
  100. 大口駿一

    説明員(大口駿一君) 承知をいたしておりますと申し上げました。
  101. 大森創造

    大森創造君 私の言ったことを承知しているということですか。
  102. 大口駿一

    説明員(大口駿一君) 細島に操業いたしておりまする製糖工場の規模が、当初の計画にありまする能力二百トン工場以上の工場で完成をしているという事実を承知をいたしておりますと申し上げたのであります。
  103. 大森創造

    大森創造君 その千二百トンの工場をブドウ糖、果糖部門につくるという計画について御存じですか。
  104. 大口駿一

    説明員(大口駿一君) 承知をいたしておりません。
  105. 大森創造

    大森創造君 だれも知らないのですか。これは重大問題でありませんか。公取は御存じですね、公取の人に聞いたのですから。
  106. 竹中喜満太

    説明員竹中喜満太君) 先般私どものほうで精製糖の不況カルテルを認可する際審議しておりましたために、私ちょっと記憶がおぼろげでございますが、共和が九州に新しく精製糖の工場をつくるという話を聞いたように記憶しております。
  107. 大森創造

    大森創造君 これは、聞いたように記憶しておるということだが、もう一つある。日本精糖工業会、それから公取で確認している。発注先もわかっている。すでに完成しているのです。そうなると私はこれは農中並びに公庫貸し付けというやつはめちゃくちゃになると思うのですよ。結論的に申し上ぎますというと、これは私の推論も入りますから、ごめんください。——私の言うておるような推論の程度はあなた方も言っておりますから、必ず私以上に国会用の答弁をしていますからね。私にはこう想像される。約七十億の金、私文書偽造です。私文書偽造行使、印鑑偽造、これは確実にある。絶対にあります。さっきから申し上げているように、ここで限られた時間でもって、やりとりをしても始まらないから、あなた方のほうに写しがあるはずだから、これを持ってきていただきたい。それと照合してみましょう。私が言うていることが事実かどうか、これは照合してみることが一番早い。それから熊谷組とか月島機械に電話をかけることが一番早い。照合してみる。私ども調査したところによるとこういうことになる。大体皆さん方おわかりだと思いますが、私文書偽造行使、それから私印偽造、これはだれかがある。疑いとは私は言いません。確信を持っていますがね。そこで金を引っぱり出した。それで三行とその他の民間の金融機関から引っぱり出した合計の金は約七十億、そのうちの三十億は赤字の穴埋めであろうと思います。いいですか、ほぼ当たっているだろうと思います。この点は赤字の穴埋めで、十五億は細島への投資。さっきから申し上げたように、多くても十五億しかかかっておりませんよ。あなたのほうで二十六億出したけれども、二十六億プラス宮崎銀行一億、三和銀行三億ですから、それ以上の金額になります。ところが、細島への投資は十五億しかかかってない。あと十億から十五億のほうは農林開発のほうへ使われた。そして、土地を買いまくった、政治力によって、政治的圧力によって。十億から十五億の間と私は推定する。それからこういうことにも使われております。渋谷の穏田に一億くらいの邸宅がいま建築中であります。これは農林開発の名義になっているはずですが、こういうものがある。こういうものに使われておる。それから国有地取得のための資金に使われている。こうなったら私は問題だと思うのです。どうもそうだとしか推定つかぬ。それから残りの十億か十五億は使途不明だ。そこで別荘なんかもできているのですね。これは軽井沢に、こっちのほうにも使われた。政治工作資金に相当使われた。そういうことがほぼ間違いないと私は思うのです。それから自動車などを差し上げたりしている、外車など、有力代議士のB氏に。そこでその点はともかくとして、開銀にお伺いする。共和製糖に対する貸し付けは食糧庁の異例の融資推薦によるものと聞くが、これはどういうことか。
  108. 石原周夫

    参考人石原周夫君) 共和製糖に対しまする融資につきましては、昭和三十八年十二月に融資の推薦をいただいているわけであります。ところが、いろいろ時間がかかりまして、年度を越して三十九年に融資を実行するにあたりまして、年度を越しているものでありますから、金額も八億という、地方開発といたしましては相当大きい融資でありまするし、初めての取引でもありますから、年度を越しておりまするので、もう一ぺん農林省に御照会をいたして、年度が変わったが引き続き推薦をいたすという趣旨の御返事をいただいて融資をいたしたわけであります。
  109. 大森創造

    大森創造君 食糧庁いかがですか。
  110. 大口駿一

    説明員(大口駿一君) 食糧庁といたしまして、製糖工場が既存の能力をふやさないという点で、スクラップ・アンド・ビルドでやる場合には、開銀に融資のあっせんを要請したことがございますが、他のスクラップ・アンド・ビルドの場合は、開発銀行融資のあっせんを要請をしても差しつかえないという考え方を持っておりまするが、実際にはそのようなあっせんの要請をいたしたことはございません。
  111. 大森創造

    大森創造君 これは異例に属することではございませんか。
  112. 石原周夫

    参考人石原周夫君) 私どものほうの融資をいたしまする場合には、一般の融資につきましては、おおむね各省からの御推薦をいただいて融資をいたしているわけであります。地方開発融資につきましては、これは実際の場合に推薦を必要とするというたてまえをとっておりません。しかしながら、各省におかれては、おのおの各省の産業政策の立場がおありでございまするから、地方開発融資に当たりますものにつきましても審査をせられまして、私どものほうに推薦をしていただく場合が相当ございます。むしろ農林省あたりでありますると、むしろほとんど大部分といいますか、全部に近いものにつきまして御推薦をいただいておるわけであります。そういうわけでございまするから、本件につきましての融資の御推薦をいただいたことは、その意味で異例に属するものとは考えておりません。
  113. 岡三郎

    岡三郎君 関連、一つの問題点を……。細島コンビナートに製糖工場をつくっておる。で、この点について融資した目的は、果糖とかあるいはそのほかブドウ糖の工場をつくるという目的で融資をしておる。ところが、先ほど大口食糧庁長官は、既存の能力というものを二百トンというふうに考えておったが、それ以上のものがあるということを大口長官言われたのですね。それから公取の事務局長ですかは、いわゆる精糖工業会の問題として先般調査をして、そうしてその中で細島における製糖工場の規模、そういったものについては、という話を承っておるように聞いておるとかなんとか、あいまいな御答弁があったわけですが、その点もう少し明確に言ってもらいたいと思う。つまり公取のほうとしては、砂糖業界が不振であるということで、そこで公取のほうとして、みんなが集まって事業不振に伴っていろいろと公取のほうへ頼んできた、これを許すというときに、調査してあったことについて事務局長が、という話を承っておりまするでは、これはあなた、まことにわれわれのほうとしては納得できない。もう少しそれは食糖庁のほうとそれから公取のほうでその点を明確にしてもらって、そうしてその融資した開銀にしても、それから公庫にいたしましても、その点が一体どういうふうにこの金が使われておるか、いま一ぺんその点を明確に承りたい。
  114. 竹中喜満太

    説明員竹中喜満太君) 私が多少あいまいな御返事を申し上げましたのは、実はこの席で私にそういう質問があるということを予期しておりませんでしたから、確かめないで出てまいりまして、ただ、不況カルテルの認可の申請が出まして、これを検討しておりましたときに、新しく製糖工場が二カ所か三カ所かできる、その中に共和の九州の工場があるというような話を聞いたということを記憶しておるというようなことを申し上げたので、精糖工業会でそういうことを言っておれば、これはおそらく間違いないことであると思います。私のほうも役所に電話をかければすぐわかることと思います。
  115. 岡三郎

    岡三郎君 そうすると、さっそく電話をお供の方にかけていただいて、どの程度のものか明確にしてもらいたいと思う。  食糧庁長官のほうにもう一ぺん聞きますが、その規模はいまどのくらいになっておりますか。それから千二百トンの基礎打ちができておると言っておりますが、大森君の質問の中で。千二百トンですね、ただいまできておる製糖工場の横にそういうものをつくっておるという話が出た。その点についてどういうふうに、食糧行政の中において製糖というのはあなたの部が当たるわけだから、だからこれは精糖工業会ではなくて、精糖工業会を監督しておる食糧庁としては、それがどういうふうになっておるのか知らないけれども、言うならば、これは職務怠慢で、これはまた別の方向でやらなければいかぬと思う。一体どの程度にどうなっておるのか。この建設した金はどこから出ているのか。千二百トンの製糖工場の基礎打ちができておるという話ですが、われわれは直接行って調べてこなけりゃいかぬというふうに思っておるくらいです。いまのところは、二百トンの問題について、食糧庁はどういうふうに状況をつかんでおるわけですか。
  116. 大口駿一

    説明員(大口駿一君) 細島甘味コンビナートの一環として計画をされておりまする製糖工場部門が、当初の計画が二百トンという計画でありましたのが、実際に能力が大きくなりまして、五百トン程度の能力で建設が完了して稼働いたしておることは承知をいたしております。しかし、先ほど大森委員並びにただいまの御指摘のありまする、その工場の横に千二百トンの製糖工場の基礎打ち工事がなされておるというふうな事実については、一切承知をいたしておりません。
  117. 岡三郎

    岡三郎君 五百トンの製糖工場ができてるのはわかってると。これはどういう調査によって確認したわけですか。現地を見ている人があると思うんですがね。それはわかったけれども、隣がわからないなんて、そんなばかな話はない。
  118. 大口駿一

    説明員(大口駿一君) 粗糖の輸入の自由化で各製糖工場が非常なる競争をいたしまして、現在実際の需要以上に設備能力があるのが現状でございます。そこで、私どもといたしましては、行政の必要上、各社の設備能力を調査をいたしたことがあるのでございまして、その調査の結果、現在稼働いたしておりまする工場の能力が五百トンであることを承知をいたしておりまするので、先ほどお答えをいたしたわけでございます。  それから、その隣に基礎打ち工事ができておるのを知らないのはおかしいではないかという趣旨の御指摘でございますが、元来、細島甘味コンビナートの建設の計画は、製糖工場のほかにブドウ糖並びにデーツデックスの工場をつくりまして、総合的な甘味コンビナートを建設するという計画であったわけでございまして、これは食糧庁といたしましても、種々の観点から望ましい計画であるという趣旨金融機関に推薦をいたした次第でございます。ただいまの御指摘の基礎打ち工事というのはどの部分をさして申しておられるのかは存じませんが、私の想像いたしまするに、現在製糖工場のみ完成をいたしまして、ブドウ糖工場についてはまだ基礎工事なり共用部門だけが完成いたしておるというふうに承知をいたしておりまするので、そのブドウ糖工場の敷地の基礎工事が行なわれておるということは、報告を受けて承知をいたしておりまするが、それと関係のない新たな製糖工場の基礎打ち工事がなされておるということは、一切承知をいたしておりませんということでお答えをいたしたわけでございます。
  119. 大森創造

    大森創造君 その食糧庁長官の御答弁はおかしいと思うんですよ。これはね、私はここに現場の地図を持ってきましたがね。右側のほうは五百トンの工場ですね、申請が二百トンであったのが。とにかくある程度は、右のほうは倉庫ができたり、本工場ができたりしている。左側のほうは、これはごらんになってもわかりますが、基礎打ち工事しかできていない。いま食糧庁のほうで御答弁になったように、ここはまさしく農中と公庫融資対象となるブドウ糖、果糖工場を設立すべくくい打ちをしたわけです。基礎工事だけをやったわけです。私が先ほど申し上げたのは、その場所に、その基礎工事の上に、千二百トンの製糖工場の建設が進められているという現実を食糧庁が知らないというのはおかしい。これはもう機械発注済みなんですよ、荏原製作所。これ、ついでに電話かけて聞いてみてください。荏原製作所。設計は池田繁設計事務所。完成しているのですよ。そうなると、これはよくよくおかしいじゃありませんか。この事実を知らないというのは、食糧庁にとっても私は怠慢だと思う。ブドウ糖、果糖はわかるが、もうからないからこれはやめるのですよ。そうすると、農中と公庫のほうはどうなんですか。砂糖のほうには金貸せないことになっているでしょう。どういうことになりますか。直ちに金返してもらいますか。返す気はないでしょう、七十億全部。これは推測ですが、返さないでしょう、おそらく。高槻の山やその他、もう担保に取っていますから、これは売ったらいい、三十六億で。もう一回申し上げますが、この千二百トンの工場は、ブドウ糖、果糖部門として計画をした、基礎打ちだけはやったのだ。この上に千二百トンの製糖工場ができるということになると、これは根底から、融資対象は狂っちゃうのじゃないですか、目的は。狂ったときの措置はどうするのですか。これはそういう場合にはどういう措置をするのがほんとうでしょうか、銀行局長
  120. 澄田智

    説明員(澄田智君) 仮定の問題でございますが、調査をいたして、その結果、かりにその資金がほかの目的に流用されているということが非常にはっきりしたという場合には、とるべき方法としては、やはり繰り上げ償還をさせるというようなことが考えられる方法だと思います。ただ、その場合の償還の可能性とか、いろいろな問題がその場合にあることも事実だと思いますが、原則はそういうことではなかろうかと思います。
  121. 大森創造

    大森創造君 どなたも確認していないようなんで、肝心の食糧庁も監督官庁でありながら、その事実をおわかりにならないのだが、それが事実であるとすれば、製糖——ブトウ糖、果糖のほうをやめにして、この場所に千二百トンの製糖工場、砂糖工場を建てるということになったならば、原則的にはやはり金は返さなければならぬでしょう。そうですね。その点確認しておきます。
  122. 大口駿一

    説明員(大口駿一君) 食糧庁といたしまして、細島甘味コンビナートについて金融機関融資のあっせんをいたしましたときの考え方は、製糖工場とブドウ糖工場並びにデーツデックスをつくるということで、これが種々の観点から望ましいという観点で融資のあっせんをいたし、現在は製糖工場のみ完成をして、ブドウ糖工場については、両者の共通部分である専用埠頭等のほかに、打ち工事がなされておるというふうに報告を受けておるわけでございます。食糧庁といたしましては、このような工事の進捗につきましては、いずれ農林漁業金融公庫と御相談をいたした上で、今後の工事の完成見込み等について正式な報告を徴する必要があると思うのでありまするが、現在も、御指摘のように、そのような点につきましては、非公式ながらブドウ糖工場として今後さらに工事を進めて、将来完成をする予定であるということを非公式に聞いておるだけでございまして、ただいま御指摘になりましたように、全く違う目的の計画が現に進行中であるということにつきましては、私どもまだ報告を受けておりませんので、その点につきましては、あらためて調査をいたしたいと思っております。
  123. 大森創造

    大森創造君 そこで、時間もありませんから申し上げますがね。私の言いたいことは、いまの答弁は私は重大だと思うんです。調べてみてごらんなさい、そのとおりだから。金を返さなきゃならぬのですよ、これは。それから責任問題が出てきますよ、銀行として。そういうことじゃない。そこで、これは偽造印鑑のくせがあるのですね、私が調べてみると。前もやったのですな、偽造印鑑を横浜で。そこで、さっき私が、高槻の土地について林野庁長官が御答弁になったように、十万坪というものを二十四万坪にふくらました。一万五千円の土地だから三十六億、この評価証明と偽造印鑑なんですよ。偽造の用紙なんです。同じ手口なんですよ、今度やったのは。それにだまされたということです。熊谷組が高槻の土地を実測したものでなくて、評価証明も熊谷組がつくったものではないのです。使用された印鑑は偽造である。そこで、同様の手口で開銀、公庫、農中の細島コンビナートの事業資金数十億円の借り入れについては、熊谷組福岡支店、月島機械、東京産業の印鑑を偽造し、それによってレシートと請求書の類を偽造して、事業費を水増しした、これが真相だと思います。  そこで、そういうレシートや請求書は、書類は銀行のほうに写しがあるはずですから、私のと照合したいと思うのです。この要求が一つ。これは出せるでしょう。いかがでしょう。必ず出せるはずです。
  124. 石原周夫

    参考人石原周夫君) ただいまの資料の問題にお答えいたします前に、その資料がどういうものであるかという性質のことをちょっと申し上げておきます。  融資の決定をいたします前に、いろいろな審査をいたしたことは申すまでもございません。そこで、審査をいたしまして決定をいたしますると、その金は借り手側の資金需要に応じて貸すわけでございます。先ほど申し上げましたように、数回に分けて貸しておるわけであります。そのときにはまず、その前に具体的な工事はどこと幾らで契約をしたということにつきましては、これはもちろん確認をいたさなければなりません。確認をいたしました上で三カ月の場合もありましょうし、半年の場合もありましょうし、そういう一定の期間で借り手側が、いまどういうことで金が要るということを持ってきまして、それに対して、じゃ、今度幾ら貸すという資金交付をきめるわけであります。きめますと、先ほど申し上げましたように、向こう側の申請によりまして、たとえばA会社幾ら、B会社幾らというような内訳をもちまして、私どものほうの銀行は市中銀行さんにお願いをいたしまして、具体的な金の受け渡しをお願いいたします。ただし、その場合、A会社幾ら、B会社幾らということでお願いをいたすわけであります。したがいまして、その金の流れる流れ方は、その委託をいたしました筋道に従って流れる。その内訳は、会社提出をいたしました事業計画あるいは会社が持ってきまして確認をいたしました具体的な発注額というものをにらみ合わせ、それから先ほど申し上げましたように、二項の現場につきましても確認をいたすわけでございます。したがいまして、そういうことで流れました金でありますから、それに従って金が流れていくと思っておるのでありますが、先ほど来御指摘の領収書の問題でございます。これは融資先のもう一つ先からの領収書でございます。これにつきましては、これも貸し付けの管理をいたします有力な資料であります。したがいまして、そういうような領収書が入りましたときに、私どものほうがもらっております。おそらくほかの金融機関もそうであろうかと思います。その場合の印鑑の問題であるわけであります。私どもも、もちろんこれは重要な参考資料でございますから、それが間違ったものである、いいかげんなものであるということは、あるべきことでないというように考えております。たとえて申しますると、印鑑というものにつきましては、これは融資相手方につきましては、一切印鑑証明のあるものでなければ受理いたさないということにいたしておりますが、これはもう一つ先のことでございますから、そういうような手順は踏んでおりません。したがいまして、どういうような具体的な支出をいたしたかという資料にいたしておりますけれども貸し付けそのものは、先ほど申し上げましたような資料によってまず意思決定をいたし、各回におきます資金の交付は、先ほど申し上げましたような、ある期間におきます資金の需要をにらみ、その資金需要に基づくところの交付の相手方というものをつかんだ上で委託するということになろうかと思います。  具体的な資料の点につきましては、これはなお監督官庁とも御相談をしなければならないと思っておりますが、本日冒頭に大蔵政務次官から、きょうのことについてのお話がありましたわけでありますが、何ぶんにもこれは個々の取引の資料に属するものでありますから、私どもとしては、融資先がその先に対しまする資料に属するものでありますから、これはそういうような取引の関係に属するものであるという感じがいたしますので、会計検査院にはもちろん検査をしていただいておりますが、三十九年度もすでに実地検査を実施いたしておるわけでありますから、ごらんいただきたいと思いますが、これをここに持ち出すということにつきましては、差し控えさしていただいたほうがいいと思います。
  125. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  126. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 速記を起こして。  他に御発言もなければ、午前中の審査はこの程度にとどめます。  午後二時まで休憩いたします。    午後一時休憩      —————・—————    午後二時二十七分開会
  127. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) ただいまから決算委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き昭和三十九年度決算外二件を議題とし、大蔵省決算について審査を行ないます。  これより質疑に入ります。質疑のおありの方は、順次御発言願います。
  128. 岡三郎

    岡三郎君 先ほど細島の製糖工場について、公取のほうで不況カルテルを組む場合にいろいろと調査せられておるということで、電話でお聞きしたかどうか知らぬが、後刻答弁するということになっておったんで、まずその点をお伺いしたい。
  129. 竹中喜満太

    説明員竹中喜満太君) きょう現在、細島で八百九十五トンの製糖工場を建設中でございます。これは本年の十二月から来年の二月にかけて完成する予定だそうでございますけれども、現在不況カルテルを実施中との関係から多少おくれておる。ただ私どものほうは現地を見ておりませんので、どの程度工事が進んでおるかは確認しておりません。
  130. 大森創造

    大森創造君 どうも問題が複雑でございますから、私は端的にポイントだけを午後からお伺いいたします。  同僚議員もそれぞれ関連質問がございますから、どうしてもこれだけはひとつ一般論でなくて、抽象論でなくてこれは出してほしいと思う。レシートとかコピーとかは銀行のほうにあるはずですから、これはお出し願いたい。さっきの答弁は、抽象論です。一般論です。それだけ申し上げます。それを照合したい。それをお出しを願いたい。とにかく、どういう程度のその価値を持っておる文書かわかりませんが、私の調べたところでは、偽造印鑑である。これは融資をするについての重要な要素だと思っております。これはひとつ出していただきたい。熊谷組と月島機械。熊谷委員、社長さんがここにおられます。被害者の立場です。専用埠頭と整地。全部を出せとは申しませんが、電話でもわかるはずです。専用埠頭と整地についてどういうふうになっておるか。これは印鑑偽造だというので私は申し上げたのです。その疑いがあるということでしばしば申し上げた。刑事問題にも発展しかねないのでありますから、これだけはお出しを願いたい。あと疑惑を招きますからどうしても出さなければいけない。  それからいま岡委員から質問された点、八百九十五トンですか、これも私はわからないと思う。私が調べたところによると、千二百トンの工事が、これが発注済み、荏原製作所、設計は池田繁事務所、こういうふうになっておりますから。この際でございますから、公取の事務局長を信用せぬわけではない。全面的にあなたのことを信用いたしますけれども、しかし、八百九十五トン云々という数字よりも、私は千二百トンの製糖工場の建設が進められておるということのほうが重要ではないかと思うので、この辺が食糧庁が知らないというのはおかしいと思う。砂糖のほうを預かっているのではありませんか。公取で知っていて、こういう重要な変化について、監督官庁である、所轄官庁である食糧庁が知らないということは、私はおかしいと思う。職務怠慢ではないかと思う。お答えいただきたいと思います。
  131. 大口駿一

    説明員(大口駿一君) 午前中の委員会お答えをいたしましたが、大森委員から先ほど来御指摘がございますように、現在の細島のコンビナートの敷地の中に新しい千二百トン工場を建設をするという計画があることは、正式に私ども何ら会社からも聞いておりませんし、また、もしさようなことが現在のブドウ糖工場建設の予定地でありといたしますれば、先ほどお答えいたしましたように、ブドウ糖の工場の建設の計画がどうなったかということとの関連で、私どもとしてはやはり会社に照会をして、そのような事実があるかどうかを確かめる必要があると思っております。しかし私どものほうで、ただいま御指摘の千二百トン工場が建設の計画であるということ、並びに建設工事が進んでおるという御指摘については、何度もお答えいたしましたとおり、私自身は承知をいたしておりません。
  132. 岡三郎

    岡三郎君 先ほどの公取の事務局長答弁から関連して伺いたいのですが、明確に八百九十五トンいま建造計画が進んでいると、製糖工場、これはデータが出てそう言われていると私は思います。で、先ほど共和製糖は二百トンの製糖工場をつくるという予定であったところが、大口食糧庁長官の言うことによれば、答弁によれば、五百トンになっている。その間三百トン。それから八百九十五トン、これは想像ですが、大体九百トン、そうするというと、合わせて大体千二百トンになるわけです。いいですか。あなた方は二百トンということを言っておったところが、できたものは五百トンと、こう言う。いま本年の十二月から来年の二月までに、大体細島に、果糖ではない、ブドウ糖じゃないのですよ、八百九十五トンの製糖工場ができるということ。いまこれが進んでいる、現実に。これはまさしく、先ほど大森委員が言ったように、それに伴う機械の発注とか設計が完成していると言うけれども、それがなければ、工期的にいって、この十二月から二月にこの工場が建設されるとは思えないということになると、大口食糧庁長官が言っているように、千二百トンのことは全然知りません、それは果糖なりブドウ糖の工場になっております——そんなばかげたことがありますか。しかも、大沢総裁のほうは、果糖の分については出しました、ブドウ糖については出しましたとか、こう言っておられるけれども、現実に工事の進捗ということについては、いま言ったように八百九十五トンの製糖工場というものが事実計画に基づいていま進行している。これが大体来年の初頭には完成するであろうということを言っておるわけです。これは不況カルテルを組むという場合において、公取が十分調査しなければ、一体不況の場合において工場がどんどん増設されるということになれば、これは何のために不況カルテルを組むか意味がなくなってしまうと思う。不況なるがゆえにこれは保護される、そういう意味においてカルテルを組むという場合において、一方においては不況という名のもとに製糖工場がどんどんと拡張されているということになれば、これはインチキこの上もない私は問題だと思う。そういうところに融資している金融筋自体に私は問題があると思う。しかも、これが現実に進行しているということがわかっていながら、それを糊塗してそれを言わない。しかも、明確にその資料を要求されておるのに、それは次の次の問題であるからそれは言えません、これでは、国の金に対してあなた方が責任を持って業務を執行しているという責任をとってもらわなければならぬと私は思うのですよ。でたらめであると私は思うのです。知らなければ知らないで過ごしてしまう、そういう態度は私は了承できない。したがって、いま大口食糧庁長官が言った現地を見ていないもいるも、あなた方が知らないわけないのですよ、いま言ったように、数字的に言うても、これは千二百トンというものがカルテルを組む現実においてオーバーしているわけです。こんなものあなた全国の製糖業者が黙認するわけはないですよ。一体そういうふうな工場の建設が、国の金によっても、食糧庁のほうが何だかそれを黙っている、そういう形の中で現実に進行している。このことがいま答弁にあったように、不況カルテルを強化する場合において、ややこれを工事を延ばそうという点もうかがえたわけです。これはごまかしもはなはだしいと私は思うのです。この点について、もう一ぺん食糧庁長官とそれから金融——金を貸したほうの答弁、これははっきり求めたいと思う。
  133. 大口駿一

    説明員(大口駿一君) 製糖工場が粗糖の自由化後、各企業が、個別の企業が国内の市場の占有率を高め、また能力をふやすことによってコスト・ダウンをはかるという見地から、非常に設備増強の競争が起こりました結果、現在において、実際の需要量に対しまして約倍近くの能力が現在ありますために、業界全体として非常な不況の事態におちいっている事情にあることは、先ほどもお答えをいたしたとおりであります。最近、この不況に対処いたしまするために、三回にわたりまして不況カルテルの申請を、公正取引委員会に申請をいたしまして、最近その三回目の不況カルテルが認可になったわけでありまするが、その不況カルテルの認可の審査をいたしまする際に、そのような話を、ただいま公取の事務局長お答えになりましたようなことを、業者が説明の際に申し立てたことをさして御答弁になったのだろうと私は想像いたすのであります。砂糖の不況カルテルの第一回、第二回は、それぞれ各業者の操業日数で協定をするという内容の不況カルテルであったわけでありますが、操業日数だけの協定をしたのでは十分なる効果があらわれないということから、その後具体的な各社の砂糖をつくる数量そのものを申し合わせをしてカルテルをつくる必要があるということで、業界の中でしばしば話し合いが持たれ、難航した結果、一定の結論が出ましたので、先般の不況カルテルの申請に相なった次第でございます。したがいまして、その各社の溶糖数量を協定をいたしますることを協議いたしまする過程におきましては、個々の企業としては、できるだけ自分の工場の能力が大きな能力でその協定に参加をすることが自社に有利になることは当然でありまするので、いつの時点の能力をこれを押えるかということが、技術的にはいろいろ問題になっただろうと想像されるのであります。その際に、各社としては、将来の増設計画についていろいろ論議を戦わせただろうと思います。その一つの将来の増設計画という説明を業界内部の話し合いの際に申し立てておりまするのが、宮崎の工場の増設計画ということになるのではなかろうかというふうに、先ほど来の御指摘から私は想像されるのであります。しかしながら、製糖工場の新増設計画というものは、一般論としては、食糧庁としては現在のような製糖工業の実情からいたしまして、この段階で著しく能力を全体としてふやすということが、砂糖行政上必ずしも望ましい方向ではないとは存じておりますが、すでに粗糖の輸入が自由化をされておりまする今日、個々の工場の新設の計画がどのような規模であり、また具体的にどのような進捗度合いで進められておるかということについて、逐一私のほうが調査をいたしておりません関係上、正式な申請という手続ではございませんので、正式なものとして私どものほうは承知しておらないということを、先ほどお答えいたしたのでございまして、業者自身がこのような計画があるということを、業界の内部の会合なり、あるいは公取のカルテル申請の説明の際に申したことがありましても、私どものほうがそのことを正式の計画で許可をするとか、認可をするとかという制度になっておりません関係上、私どものほうでは一切正式には承知をいたしておらないという趣旨お答えをいたしたのでございます。
  134. 岡三郎

    岡三郎君 一応あなたのいま説明を聞きましたが、それでは砂糖行政というものが遂行できないと私は思うのです。あなたのほうが、製糖業界というものをいろいろと指導している、行政的に。こういった場合に、いま製糖業界が不況であるという名前の中でカルテルを申請してきている。一次、二次とは違うのですよ。そういった中において、現実にいま言ったように製糖工場が建設計画が進められている。計画が進められたのではなくて、実行計画に移っているわけです、計画じゃないのですよ。それで先ほど、いやそれはブドウ糖なり果糖の工場であろうと、こういうふうにあなたは言っている。こういうふうに考えているということを答弁なされた。それは現実に違ってたらどうします。あなたの言うことは、食糧庁としては、それは果糖なり、ブドウ糖の工場として了承されている。いいですか。ところが、現実には製糖工場として、いま計画ではなくして現実に作業が進んでいるわけです。もしもその食い違いがはっきりしたらどういうふうにいたしますか。先ほどの答弁がまだ残っているけれども、肝心ですから明確に……。   〔委員長退席、理事相澤重明君着席〕
  135. 大口駿一

    説明員(大口駿一君) 整理をしてお答えをいたしますが、先ほど申し上げましたことは、まず第一に、細島の甘味コンビナートを建設するという計画は、食糧庁として種々の観点から望ましいことであるということで、金融機関融資のあっせんの要請をいたしました。そのことに基づきまして建設工事が行なわれたわけでありまするが、製糖工場につきましては、先ほど申し上げましたとおり、すでに完成をいたしております。ブドウ糖工場を建設をするという予定につきましては、双方の専用部門でありまする専用埠頭その他の工事が行なわれ、工場については基礎工事だけが行なわれて、現在中断をしておるというのが現状でございます。  そこで、この工事をいつの時点において完成をするかという問題につきましては、最終的には金融機関と十分御協議をいたしまして、その取り扱いについて、正式に融資申請者との間ではっきりさせる時期が到来をするものと思っておりまするが、午前中にお答えいたしましたのは、基礎工事が行なわれているのは、私どものかねて聞いておりまするブドウ糖工場については、基礎工事だけが行なわれているという報告がありましたので、その工場の基礎工事であろうという趣旨で申し上げたのではありますが、もしかりにその基礎工事が、ブドウ糖工場の工場敷地予定地に全然別の砂糖工場の建設計画が進められておるということでありますれば、そのことはブドウ糖工場をさらに進めることを不可能にすることを意味するわけでありますので、融資をあっせんをしたという見地から、その問題は十分調査をいたしまして取り扱いを検討すべきものと存じますという趣旨お答えをしたのであります。
  136. 大森創造

    大森創造君 いまの問題ですがね、これは肝心の公庫と農中は知っているでしょうか。
  137. 大沢融

    参考人大沢融君) 私のほうは、その計画変更になったというようなことを知っておりません。聞いておりません。
  138. 大森創造

    大森創造君 公取の事務局長がいま電話で確認をしたし、いままでの質疑応答の中でも、確実に事業は進行しているのですね。そうすると、いま食糧庁長官お答えになったように、初めの計画を変更して、ブドウ糖、果糖部門の基礎の上に砂糖工場を建てるということになるとこれは大問題です。一切御破算だ。その場合どういたしますか。原則論は銀行局長から聞きました。農中と公庫のほうからお答え願いたい。
  139. 大沢融

    参考人大沢融君) 私のほうに関する限りは、当初計画したブドウ糖工場の建設という資金でございますから、仮定の問題としてその計画の変更なり、ブドウ糖工場はやめということになれば、先ほど銀行局長お答えしたような措置をとるということになろうかと思います。
  140. 大森創造

    大森創造君 農中の理事長にお伺いいたします。公取の事務局長の話では、電話をかけて聞いてみた。そうするというと千二百トンでなくて八百九十五トンだが、いままでの話を総合すると、千二百トンの計画が具体的にあるんですよ。その場合にはこれは用途変更ですよ。融資の目的が変更されるということになる。そのときはどういたしますか。
  141. 楠見義男

    参考人(楠見義男君) その問題につきましては、午前中も用途変更についての場合の措置についてお話がございました。私どもといたしましては、現在承知しておるのはブドウ糖工場の建設が、いろいろブドウ糖業界なりそのほかの関係で中止をしておるということを承知いたしておるんでありますけれども、仮定の問題として、そういうようなことがはっきりいたしますれば、その場合にはそれ相応の善処をしなければならないのではないかと、かように考えております。
  142. 大森創造

    大森創造君 その点は記録にとどめてはっきりさせておきます。  次の問題に移りますが、午前中質問した高槻の問題について、林野庁長官答弁によると、十万坪余り、それが二十四万坪に変わっておる。一万五千円で、何回も繰り返します、三十六億円に変わっておる。これの評価証明、こういうものは農中にあるはずですから、出していただきます。
  143. 楠見義男

    参考人(楠見義男君) そういうものは持っておりません。私どものほうとしては、午前中にも申し上げましたが、実際に調査をいたしまして、いま二十四万坪というお話がございましたが、十一万坪弱と承知をいたしております。
  144. 大森創造

    大森創造君 それはごまかしではありませんか。こうですよ。具体的な名前を申し上げましょう。どうも楠見理事長お話を午前中から聞いておりますと、どうも国会答弁用としか思えませんから、私申し上げます。こうじゃありませんか。あなたの部下の吉田部長代理、林次長、大山田部長、これみんな知っていますよ、このいきさつは。東食でも確認済みですよ。問題の二十四万坪、三十六億になったその書類、実測図、そういう書類を電話で取り寄せてくれませんか。のらくら問答はやめます。
  145. 楠見義男

    参考人(楠見義男君) ただいまお述べになりました三人とも東京には現在勤務はいたしておりません。  それから十一万坪ということを申し上げましたのは、現実に私どものほうが、専門家もおりまするから、それを派しまして、実際に踏査をいたしました結果、確認した数字が十一万坪弱であったと思いますけれども、そういう数字でございます。
  146. 大森創造

    大森創造君 これは押し問答になっても始まりませんから、私の言うのが正しいか、あなたの言うのが正しいか、これいずれ決着つけましょう。これは私の言うのが正しいと思う。  そこで、それではこれをお聞きします。午前中にお聞きした共和製糖工場財団の開銀の十六億、公庫の十九億といった数値で評価するということを言っていました。あなたのほうには幾らで評価しましたか。
  147. 楠見義男

    参考人(楠見義男君) これは午前中にもお答え申し上げましたが、私正確な数字はつかんでおりません。ただ一般論としては、新しい設備については、現実の帳簿価格というものをとっておると、こういうふうに承知しておりますから、その点を御参考までに申し上げたわけでございます。
  148. 大森創造

    大森創造君 そこで、こうですよ。開銀が十六億、公庫が十九億と言いながら、そこであなたのほうでは、三十三億と水増しして国会答弁用として私はこの数字を用意したものだと思います。そうすると無担保の貸し付けが二十億ぐらいになる。そこで、国から払い下げた三千五百万円の高槻の土地を二十数億で担保に取ったということになる。これは添え担保と言いましたね。それが前の委員会から私が二宮委員発言によって怪しくなってきた、この数字が。そこで、無理をしてこの細島の共和製糖工場財団の評価をそれぞれ公庫は十九億といい、開銀は十六億と評価したにもかかわらず、あなたのほうは三十三億というふうに変えざるを得なくなった、こういういきさつではありませんか。
  149. 楠見義男

    参考人(楠見義男君) 高槻関係の問題は午前中にも申し上げましたように、この山林が幾らの担保価格があるから、したがって、その担保価格に相当した金を貸したと、こういうのではございません。そうではなしに、共和グループにいろいろ金を貸しておりまするが、その担保として事務所でありますとか、あるいは工場でありますとか、土地とか、そういうようなものを担保に取りまして、なおこういう時節でございまするから、したがって、できるだけ債権を保全すると申しますか、そういう意味で持っておるものはできるだけ出してもらいたいと、こういうことでつけ加えて、あとから添え担保として高槻の山林を担保にとっておる、こういうことを申し上げたのであります。そのとおりだと御承知いただきたい。
  150. 大森創造

    大森創造君 これはどうしても私は事実と違うと思う。そこで、三千五百万の高槻の土地が三十六億に変わっているということ、実測図とその他の書類というものは熊谷組から出ている、それは熊谷組は関係ないですよ。熊谷組の印鑑を偽造して、レシートみんな偽造して、いわば熊谷組が被害者ですよ、そういう文書が出ているんです。東食にもいっています。オリジナルは共和製糖にあるのです。あなたのほうにもその写しはいっております。それでは吉田部長代理と林次長と大山田部長は知っておりますか、これは電話で聞いてみてください。どこに行っておりますか、こういう人は。
  151. 楠見義男

    参考人(楠見義男君) 吉田部長代理は、ただいまたしか高松の支店に勤務していると思います。それから大山田君と林君は福岡の支店に、私のほうは支所と申しておりますが、それぞれ高松の支所、それから福岡の支所に現在は勤務をいたしております。  重ねて申し上げますが、私どもは実際に担当者をそこへ派しまして、専門家と申し上げましたのは、山林関係の専門家でありますけれども、それも参りまして、実際に踏査をして、十一万坪たしか弱だったと思いますけれども、そういうふうに確認をして、現在そのとおりで取り進めております。
  152. 大森創造

    大森創造君 三十六億円に見込んで、それで二十二億の担保をあなたのほうで取って、それからあと十何億を午前中に申し上げクッション融資東食を介してのクッション融資のほうにその担保につけた、こういう事実を全面的に否定されますか、その自信おありですか。
  153. 楠見義男

    参考人(楠見義男君) 重ねて申し上げますが、先ほど来の御答弁申し上げておるとおりでございます。
  154. 大森創造

    大森創造君 それでは、くどいようですが、私もここでその場限りのことは申し上げたくないので、いま言った方々に念を押されると同時に、これは被害者である熊谷組のほう迷惑がっておりますから、これはひとつその書類がいっておりますからね、偽造印鑑に違いございませんから、熊谷組の名誉のために出してくれませんか。出さないというと私はこれは水かけ問答になります、架空の問答になります。これは必ずありますから、あなたのほうに。
  155. 楠見義男

    参考人(楠見義男君) たいへんくどいようでありますけれども、私どもは、先ほど来申し上げましたようなことで確信を持っております。したがって、熊谷組の関係のお方もいらっしゃるということでございますけれども、別にそのほうは尊重いたしておりません。はっきり申し上げます。
  156. 大森創造

    大森創造君 それでは、ひとつあとでこの点は問題にいたしましょう。  次に移ります。少なくとも月島機械と熊谷組のレシート、請求書などはお出しを願いたいと思います。いまの高槻の山林問題とは別に。
  157. 楠見義男

    参考人(楠見義男君) この点も午前中申し上げましたように、私どものほうは、その事業計画を承認といいますか、認めますと、それに伴った貸し出し請求がありまして、その申し込みを受けまして、それで貸し出しを決定する、その貸し出しを決定しました場合には、預金口座に入れまして、あと関係者が必要に応じて預金を出していく、こういう仕組みになっておりまして、政府機関のように領収書というものを確認してやるというお話でございますが、そういうような貸し出しの実行をいたしておりません。したがって、領収書というものは私どものほうは持っておりません。また、これを要求もいたしておりません。
  158. 岡三郎

    岡三郎君 関連。農林中金の理事長にお聞きしますが、いま言われた点について、今朝来、共和グループに三十億七千万円融資している。この点は間違いございませんね。その三十億七千万円の担保はどういうものをお取りになっておりますか。それは現実にあなたのところにあるわけです。それを明確にひとつ御答弁願いたいと思います。
  159. 楠見義男

    参考人(楠見義男君) ちょっとお断わりをしたいのですけれども、本日の冒頭にも申し上げましたように、私どものほうは民間金融機関でございまして、それに対してある企業にどれどれのお金を出しておる、そしてまた、それについてはかくかくの担保を取っておるということを明らかにすることは、金融機関の——これは申し上げるまでもなく御存じのとおりですが、それからまた先ほど岡さんが他の問題に際してお話がございましたように、これは差し控えておるわけであります。ただこの問題は、これも冒頭に申し上げましたように、すでに問題になって明らかになった金額であるから、実は三十二億と——正確に言えば必ずしも共和グループとは言えないものが若干ありますけれども、三十二億であるということを申し上げた次第でございます。そしてそれの担保につきましても、ただいま申し上げましたように、事務所でありますとか、あるいは土地でありますとか、それから工場でありますとか、それからまた、先ほどの大森さんからもお話の財団でありますとか、そういったいろいろのものを取っておるわけであります。ただ、しかし、業界不況のおりからでもありますから、したがって債権保全の意味から言えば、現在取っておる担保以上にあるものは出してもらいたい、こういうことを要求をしておる、こういう状況であることを重ねて申し上げておきたいと思います。
  160. 岡三郎

    岡三郎君 私の言わんとするところは、いま農林中金の財産保全という意味で添え担保を取っておる。私が聞いておるのは、この委員会においてこれだけ問題になってきて、しかもあなたのところだけではなくて、公庫からも開銀からも出ている。こういうことになってくるというと、ばく然と一般的に聞いているのではなくて、直接疑惑を持って見られている共和グループ融資について、いまの段階としては、かえってそういうものを明確にしたほうが、うしろ暗いところがなければ、それを明確にしたほうがかえって信用を増すのではないかと私は常織的に思うのです。また農林中金としても、一般市中銀行といったって、ワリコーとかワリノーとかいろいろな関係で特別の金を集めるようなことを、そういうことを国として許されておるのです。純然たる一般市中の金ということよりも、特別のそういうふうな金集め手段というものを認められているわけです。で、私はそういう意味からいって、企業自体というものがそういう多額融資を受けているということになって、しかもそれが疑惑を持たれているという段階において、一体その裏づけとしてどういうものがあるのですかということをお聞きしたときに、それは会社の名誉のために云々と言われておりますが、かえって言わないほうが名誉を傷つけるのじゃないでしょうか。やましいところがなかったら、あるいはちゃんとした担保を取っているならば、それを公表せられても、じくじたるものは何にもないと私は常識的に思うのですがね。これは一般的に言ってどこの会社のものを出せとか、そんなことを言っておるわけじゃないのですよ。特別の限られた、いま問題になっているところの会社のことを明白にするためにあなたのほうに要請しているわけなんです。一般的に言うて、どこの会社のものが幾ら借りて、それが担保がどうなっていますかと言ったときに、それはちょっと困りますと言ったときに、それはそうですがと言う。また、そんなことを聞きませんよ。当面する問題がそこに焦点があって、しかも三十二億という膨大な金がそこに融資されているということになれば、これは一連の関係の中において、農林中金だけでなく他の関連の中においてこの問題がいま審議されておるということになれば、私はいま大森委員に答えた答弁はそれはそれとして、そういうものに対してどういう状況になっているのかということについてやましいところがなかったとしたならば、堂々と釈明されていくほうが農林中金のためにも共和グループのためにも私はいいと思うのですがね。かえってそれを言えないということ自体がおかしいじゃないですか、中身が。
  161. 楠見義男

    参考人(楠見義男君) いろいろ金庫立場についてお考えいただいての御発言でございますが、その点はありがたく拝聴いたします。岡さんのおっしゃったようなことであるから担保については申し上げられませんというのじゃなしに、担保については本店だとか、それから工場だとか、それから不動産だとか、それから財団だとか、これでもう全部です。それから高槻、現在のところはこれが全部です、——とわれわれは思っているのですが、なおあれば出してもらいたいということを言っている、こういうことを申し上げておるのでありまして、本来ならば、再三申し上げますように、この程度でも申し上げるのはいかがかと思うのでありますけれども、岡さんが再々お申しになりますように、事ここまできている問題なんだから、むしろ明らかにしたほうがいいんじゃないかというお話もよくわかります。したがって、いま申し上げたように、そういうことを大森さんにお答えしたような次第でございます。
  162. 岡三郎

    岡三郎君 関連だからこれでやめますが、理事長さん、私の言わんとするところはいまの趣旨でわかっていると思いますけれども、いまほかにもっと担保がないのかということは、逆に言うと、融資の裏づけがいままでいいかげんだったということを証明していることになるのです。ある程度は取っているけれども、これではとても不安で財産を保全できないという形の中でいろいろと添え担保を取っているというふうにもうかがえるわけですがね。一体それはどういうことなんです。要するに、いま、もっとないかと言っているけれども、いまあげられたものが精一ぱいだ、ほかにないかということを言われているわけですがね、担保の。それはどういう時間的な推移で取られたんですか。これは高槻の場合はあとから取ったんですか、どうなんですかそれは。
  163. 楠見義男

    参考人(楠見義男君) 担保については一々金を貸す場合に取っておるわけなんです。添え担保としてあとから高槻を取ったわけなんですけれども、それは御承知のとおり現在のブドウ糖業界は、砂糖のこれまた御承知のとおりの低迷状況でありますから、したがってブドウ糖も低迷をしておるわけなんです。そこで、本来ならば、たとえば運転資金として出したものが、これは二カ月とか二カ月半で回るものが、市況が悪くなりますと、なかなか販売代金の回収も回転が悪くなってくる。そうしますと、たとえば二カ月あるいは二カ月半で出したものが三カ月半とか四カ月ということになってくれば、それだけこれはある場合においては赤字見合いということにもなりましょうし、ある場合においては資金繰りが苦しくなってくる。こういうことになってくるわけです。だから、たとえば従来三十億なら三十億という金、五十億なら五十億という金が、正常であればそのままで、そして出したときの担保価格でそれでまかなえたものが、三十億ではとてもいかぬ、資金繰りが運転が悪くなって三十五億要る、こういうような場合も出てくるわけですね。そうしますと、その五億なら五億というものを加える場合に、貸し増しをかりに一これは一般論の話ですよ。その場合に、その五億に相当するものをやっぱり添え担保なら添え担保で取っていくとか、あるいは共通担保というものをふやしていくとか、そういう金融上の操作が要るわけなんです。したがって、今日のこういうような状況ですから、若干の——私は率直に申してやはり赤字見合いというものがあると思います。したがって砂糖なりブドウ糖なり、そういったものの市況回復が早ければ、これはそう心配もないけれども、市況の回復がおそくなれば、そういった点について債権確保上のいろいろの措置を講じていかなければならない、こういうふうに承知をいたしております。
  164. 大森創造

    大森創造君 開銀の方にお伺いをいたしますが、午前中の私の質問では、いま岡委員と農中のほうで問答がありましたけれども、細島工場財団について、公庫のほうは十九億ということを言っていましたね、これは間違いありませんね。あなたのほうの回答は十五億。それの評価、この財団の評価はどうか。
  165. 石原周夫

    参考人石原周夫君) 財団の評価のしかたにつきましては、午前中にお答えを申し上げましたように、新設工場におきましては、新設工場の工事費をもって一応の見当といたしておるということを申し上げました。午前中に十五億という数字を申し上げましたのは、これは私ども銀行の直接の融資対象といたしました分が、午前中に申し上げたように十五億ということを申し上げたのでありまして、なお、そのほかに共用の施設がございます。それも合わせて担保に入っておりますので、十五億よりも多い金額になっているということを申し上げたのであります。
  166. 大森創造

    大森創造君 それはいわゆる帳簿価額ですね、ほかの銀行と同じように。それをもとにして評価をお出しになったのでしょう。
  167. 石原周夫

    参考人石原周夫君) いま私が申し上げましたのは、帳簿価額と申しまするか、工事がこういうことだと申し上げたのであります。それに対しまして担保を見ます場合に、掛け目というものがございまして、それを何割見るかということでございます。たとえば八割あるいは七割あるいは八割五分と、そういうことがあるかと思うのでありますが、これは各銀行によっていろいろお扱いがあると思います。私どものほうもある割合で見ておりますけれども、それはやはり相手の状況だとかあるいは資産の状況とかということによって違いまするけれども、まあ大体常識的には八割内外のところを見当としておるということを、大ざっぱなところを申し上げます。
  168. 大森創造

    大森創造君 そこでお伺いをいたしたいのは、いわゆる帳簿価額というものを基礎にして、三行はそれぞれ数字を出しておられるけれども、午前中に確認し、いまも確認したけれども、あなたのほうは十九億、開銀のほうは十五億。いま岡委員質問に対して答えた農中のほうは三十二億です。どうしてこんなに違うか。
  169. 石原周夫

    参考人石原周夫君) とりあえず私のほうについてお答えを申し上げますが、十五億の場合に共用施設があるということを申し上げました。共用施設を何億と見るかということが一つと、それからもう一つは、私どものほうは私どものほうの融資対象になっておりまする工事費と並びにそれの付帯施設を相手にして担保にいたしておるわけであります。したがいまして、ほかの金融機関には、またほかの融資対象があるわけでありましょうから、その関係が皆同じ数字にならなければならぬということではないと思います。
  170. 岡三郎

    岡三郎君 そこで私が疑問があるのは、それ相当の大きな額が融資されている中で、担保が一体どういうふうになっているか。開銀の場合と、公庫の場合と、中金の場合、一体どういうふうに担保がなっているのか。もうさっきの楠見さんの話でいうと、三十二億の担保にしても、それ相当のいま共和グループが持っておる財産ほとんど皆ここに入っておる。もっとあればもらいたいと言っているわけですから、これは相当入っておる。そうすると、あと開銀とか、公庫のほうは一体担保がどういうふうになっているのか。ことによれば二重担保になっているわけだし、こっちは第一担保になっている、こっちは第二担保になっているかもわからない。そういう点について内容的にわからないのですよ。ただ出ている額はわかるけれども、その裏づけとして開銀の場合においても、公庫の場合においても、それに対する抵当物件、担保物件というものは一体どうなっているのか。それを公庫のほうは民間じゃないから出してもらえますか。
  171. 石原周夫

    参考人石原周夫君) これは午前中にも御質問にもあり、お答えはしなかったと思いますが、御質問にはありましたが、私どものほうは先ほど来申し上げておりまする担保に対しまして、八億円という金額が第一順位に入っているわけであります。
  172. 岡三郎

    岡三郎君 それ出してくれますか。
  173. 石原周夫

    参考人石原周夫君) 出すということはどういうことか存じませんが、私の申し上げますように、それは第一順位で入っているということなんです。
  174. 岡三郎

    岡三郎君 質問があったけれども、答えがなかったのじゃ話にならない。私が聞いているのは、そういったものをどういうふうに取っているか、台帳の引き写しでもいいわけですね、担保として取っているものをここへお出し願いたいというのです。これは公庫のほうもそうです。
  175. 大沢融

    参考人大沢融君) 申し上げますと、先ほど来お話があります五億決定して四億貸し付け東洋果糖の分を申し上げますと、私のほうはこういう施設をやりますときには、施設ができ上がりました融資対象物件と申しますか、そういうものを財団を組成してそれを担保に取るということにしているわけです。ところが、この東洋果糖——いま共和糖化でございますが、これは建設工事がおくれておりまして、逐次ブドウ糖用の施設ができているわけでございます。そこでけさほど来申し上げました共和製糖の、先ほどの評価が幾らかというお話があった共和製糖の分に財団として一億の担保を第一順位に設定し、それからそのほかに東洋果糖の宮崎の工場の土地でありますとか、変電所でありますとか、汚水施設とか、そういうものが逐次できてまいりますので、普通のやり方ではこういうものが全部できたというところで、財団というところで対象物件全部を一括して担保に取るわけですけれども、時間がかかるわけですから、そういうでき上がったものを逐次譲渡担保に取っていくということでやっているわけです。そのほかに工事が長引きまして、つなぎ担保としてさらに担保を取っておいたほうが債権保全上いいということもございますのでいろいろ交渉しておりますが、一部共和糖化が、公庫の千葉県で持っている土地を担保に取るというようなことをやっております。
  176. 相澤重明

    ○理事(相澤重明君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  177. 相澤重明

    ○理事(相澤重明君) 速記を起こして。
  178. 大森創造

    大森創造君 それで担保のことはわかりましたけれども、担保の基礎になる財団の評価は同一のものですか。細島工場、これは午前中申し上げたように、偽造印鑑などによってでっち上げられた架空の数字であるわけであります。私の計算したところによると、多く見積っても十五億しかかかっていない。かたく見積もると十二、三億です。それに対して三十二億であり、十九億であり、十五億であるという数字が飛び出してくる。これは担保が怪しいだろうと思う。一それから開銀に対して要求いたしますけれども、さっき月島機械と熊谷組との一部の施設の建設費の領収書、レシート、これは開銀のほうは出せるでしょうか。
  179. 石原周夫

    参考人石原周夫君) ちょっと前後になりまして恐縮でありますが、先ほど御要求の、岡委員からお話のございました担保の表は出してくれるかというお話でありますが、実は委員部のほうから御要求がありまして、十九日付けで「同社宮崎工場の土地、建物、工作物および機械器具一式に対する工場財団抵当権、第一順位、債権額八億円、ただし宮崎銀行一億円、農林公庫一億円、農林中金二億円と同順位」というのが出してございます。同順位で出してございますから、それで一応ごらんをいただきたいと思います。  それはそのほうのお答えで、いまのお答えと前後いたしましたが、私どものほうは午前中にも申し上げましたように、十五億という事業計画に対しまして八億円の融資をいたしておるわけでございます。その融資をいたしまする経緯におきまして、工事が完成をいたすことを現地に確認をいたしまして融資をいたしました。融資の具体的な金の出し方についても午前中に詳細申し上げました。なお、どういうふうな金の現実の支払いがあったかということにつきまして、領収書ももらっておることも申し上げたとおりでございます。ただ、午前中にも申し上げましたように、各個の取引に属する関係の書類でございますので、金融機関といたしましては、私どものほうでこれだけの問題になったことでございまするから、従来の実情につきまして重ねて精査をいたすつもりでございます。ただ、書類そのものを提出をするということにつきましては、差し控えたいということを午前中申し上げたわけでございます。
  180. 相澤重明

    ○理事(相澤重明君) ちょっと速記とめて。   〔速記中止〕
  181. 相澤重明

    ○理事(相澤重明君) 速記起こして。
  182. 二宮文造

    二宮文造君 委員長ちょっと関連して。私、昨日からずっとお伺いしておったんですが、農林中金の理事長が退席されたので、ちょっと要領を得ない部面も出ますが、問題はいまの担保物件の問題です。昨日から担保物件がダブっているのではないかと、三行の間で過当に融資されているんじゃないかというので、いまも岡委員から担保物件の明細を明らかにしてもらいたいという御要望があったわけですが、私もそういう同じ心配をするわけです。といいますのは、宝不動産という会社が中央区の日本橋牡蛎殻町に不動産——土地、建物を持っております。その土地、建物について一応公庫のほうでは五千百万円と、こう評価をしていらっしゃるようでございますが、それに対して第一順位で農林中金が二億円、第二順位で公庫が五億何千万、一方は根抵当権であり、一方は抵当権、こうなっておりますと、実体が五千百万円と評価をしておりながら、あえて第二順位に五億何千万円を公庫はつけて、しかもそれを抵当権を担保にとっておりますというふうな言い方をされますと、ますますその意図が、われわれのほうでは担保がダブってるんじゃないかというふうな心配が出てまいりますが、この際私も、岡委員あるいは大森委員がお話しになりましたように、問題になった融資内容でございますので、担保の件については明らかにしていただく必要があるんじゃないかと思います。これは要望ですが、いま具体的に申し上げました評価額五千百万円と見積もりながら、あえて第一順位に中金が二億円を設定しておるのにかかわらず、公庫が五億何千万円を第二順位として設定した理由をお聞かせ願いたい。
  183. 大沢融

    参考人大沢融君) いま御指摘の宝不動産本社の土地、建物でございますが、農林中金が四億五千万の根抵当を……。
  184. 二宮文造

    二宮文造君 二億円。
  185. 大沢融

    参考人大沢融君) それでこの担保を設定いたしましたときには五千百万ぐらいの余力があると見てとったわけでございますが、つまり、根抵当ですと中金が貨す金がふえたり減ったりということでございます。そういうことでとっておりますが、第二順位でございますので、中金がたくさんの金を貸してこれを根抵当にということになれば、余力がなくなるということもあり得る担保でございます。
  186. 二宮文造

    二宮文造君 ちょっと待ってくださいよ。五千百万円なら余力がある、そうじゃないですよ。お宅のほうの宝不動産の本社の土地建物の評価額が五千百万円ですよ。この評価額というのは前の資料の図との観点から考えてみますと、これは総額ですよ。お宅の評価の五千百万円なら割り込めるという考え方でつけたんじゃないか、こう思いますが、どうですか。
  187. 大沢融

    参考人大沢融君) 二宮委員の言われますのは、共和糖化、つまりあの合併前の千葉に工場を建設しましたときの融資が、今朝来申し上げておりますが、六億四千万ほど残っております。それの担保の一部でございますが、これを設定したときには、中金のほうの根抵当でもあるし、余力があり得るということで担保を五千百万円みたわけですけれども、その後の変化では担保の余力がなくなるということもあり得るわけでございます。そういうことを申し上げたわけであります。
  188. 二宮文造

    二宮文造君 もう一問だけ。私が言いますのは例にあげたわけです。例にあげて、こういうふうに担保として取っておるとおっしゃっておられるけれども内容がないんじゃないか。したがって、ここにリストとして出された抵当権は三行の分を照合してみませんことには、全然その抵当の値打ちというものがわからない、融資金額と実質の抵当権の価格とその物件の価格とを照合できなければ、これは非常に問題になるということを先ほどから各委員が言われておるし、私も同感である。その一例としてこういうような問題が出てくる、こう指摘をしたわけです。
  189. 大沢融

    参考人大沢融君) 御心配の点そうなんですが、全体としてはですね……。
  190. 二宮文造

    二宮文造君 全体じゃない。
  191. 大沢融

    参考人大沢融君) 全体としては東洋果糖六億四千何がし残っておりますものの、担保は全体としてはこればかりでございませんので、融資対象物件その他をとっておりまして、これが一時的に余力がなくなる、あるいは余力がもっとできるということはあり得る担保だということを申し上げたわけです。
  192. 二宮文造

    二宮文造君 私委員長のほうに特にお願いしたいのですが、岡委員もおっしゃっておられました。大森委員もおっしゃっておられました。私も同じような疑問を持ちます。いまのような説明をいただきましても、全体として幾ら幾らあるということではない、私はやはりその抵当の物件は、その一つ一つに価格があるものであって、それを評価し、かつ、その評価によって根抵当権は、あるいは抵当権は組まれる問題だ、こう思いますので、これはひとつ明らかにしていただくように委員長のほうでお取り計らいを願いたい。
  193. 岡三郎

    岡三郎君 それで、くどいようですけれども、いま二宮さんが言ったように、問題は開銀と公庫と農林中金の三つがそろわないとピントが合わないのです。で、農林中金のほうは民間だ何だかんだ言うておりますが、それはいいけれども、ここまできたらば、もうさっき言ったことを、こういうふうに言われております。特別この問題については楠見理事長がある程度いろいろな疑惑を持たれているからと言われておるわけです。もう一歩進んで、どういう抵当が入っているかということは、これは農林中金の場合は参考でもいいから出してもらわないと、いま言ったようにピントが合わない。大きいところがすぽっと抜けて、開銀とそれから公庫のだけ言ったって私は意味がないと思う。そういう点でどうしてもその点は明確にしていかぬと、融資対象そのものが疑惑に包まれているわけです。そういう点で大体いま言われたことは、だから内容的に照合する必要があると思いますので、これは委員長のほうから、帰られたけれども、積極的にその問題をはっきりしてもらわないと困る。
  194. 相澤重明

    ○理事(相澤重明君) 委員長から申し上げますが、農林、大蔵両政務次官いるわけですから、いま各委員から聞かれたことを御理解願って、小沢君のほうからでもいまの御質疑に対してお答えいただきたい。
  195. 小沢辰男

    説明員小沢辰男君) 先ほど来承っておりますと、三機関から共和グループに対しまして融資をした、それについて債権保全の観点から心配のないだけの担保を取っておるかどうか、しかもその担保の評価について大森委員等のお考えと言いますか、資料と言いますか、そういうものに基づく評価額というものの点等から見て、どうもその点で不安だから、共和グループ全体に対する融資の担保力として十分なのかどうかという点を三行突き合わせた上ではっきり明確にお答えをしろというような御趣旨のように承っておりますが、その点は、私いまも農林政務次官お話ししておりましたが、私どもは、この融資につきまして不正不当な融資はないと確信いたしておりますけれども、なおそういういまお話でございますので、二人で早急に調査をいたしまして、追ってその点を明確にいたしたいと思います。
  196. 相澤重明

    ○理事(相澤重明君) 委員長から申し上げるのは、政府を代表して両政務次官答弁をいま求めたわけで、関係委員の質問に対して、資料の提出方を求めているわけですよ。いま一度。
  197. 小沢辰男

    説明員小沢辰男君) 私ども委員会の成規の手続を経た資料の要求につきましては、これを尊重して善処いたしたいと思います。
  198. 岡三郎

    岡三郎君 それはよくわかりました。それはいつごろまでに出してもらえるのか。とにかくまた委員会がおくれるというと、いつまでもおそくなってしまう。
  199. 小沢辰男

    説明員小沢辰男君) 私、委員会の成規の手続によりまして御要求があった場合と申し上げましたのは、いま岡先生あるいは大森先生の、たいへん失礼でございますけれども、御質問をそのまま成規の手続と見ていいのかどうか。この点はおそれ入りますが、委員長と与野党の理事と御相談くださいまして、そういうような意味で私申し上げたわけでございますので、そういうような成規の手続があれば、当然私ども協力を申し上げたいと、こういうことでございます。
  200. 相澤重明

    ○理事(相澤重明君) ただいまの委員長から申し上げたのは、各委員の要求もあったので、政府の両政務次官が代表しておるから、その趣旨に沿って提出できるかどうかということをお尋ねしたので、提出できるということでありますから、委員長としてはすみやかに御提出を願いたい。このことを委員会として……。
  201. 小沢辰男

    説明員小沢辰男君) それはいまはちょうど農林中央金庫理事長御退席中でございますが、私きょう委員会終わりましたら、農林当局とよく相談をいたしまして、明日委員長の成規の御要求に基づく私どもの資料として御報告申し上げたいと思います。
  202. 大森創造

    大森創造君 私は農中のほうに対する質問はまだまだあるわけです。いまの書類の提出を求めるほかいろいろございますから、これは日をあらためてやりますから、きょうは早くやめます。食糧庁について、農林省のほうについてはまた質問できますか、それとも……。
  203. 相澤重明

    ○理事(相澤重明君) 速記をとめて。   〔午後三時三十五分速記中止〕   〔午後四時二十八分速記開始〕   〔理事相澤重明君退席、委員長着席〕
  204. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 速記をつけて。
  205. 二宮文造

    二宮文造君 昨日来高槻の国有林の交換の問題につきまして、主として共和グループと称せられる関係融資問題について、先ほどから審議が重ねられたわけです。それはいまペンディングになったまま明日に持ち越されたわけですから、私はここで本来の高槻の国有林の交換という問題について、関係当局の考え方をはっきりさせていただきたいと思うわけです。  まず、林野庁の長官にお伺いをしますが、交換の相手先であります農林開発興業株式会社はどういう会社であるかということを御説明願いたい。
  206. 若林正武

    説明員若林正武君) 農林開発興業株式会社内容について申し上げますと、会社の代表取締役は高橋喜寿丸でございます。会社の事業目的といたしましては、山林原野の開発改良工事及び造植林、二番目といたしまして、牧畜及び農産物、畜産物の加工または製造、三、土地の造成、四、砕石業、五、前各号に付帯する一切の事業、こういった事業目的を持った会社でございます。
  207. 二宮文造

    二宮文造君 この農林開発興業株式会社は、資料によりますと昭和三十年の九月十五日、こうなっておりますが、農林開発興業と商号を変更したのはいつになっておりますか。
  208. 若林正武

    説明員若林正武君) 昭和三十七年十月でございます。
  209. 二宮文造

    二宮文造君 三十七年十月に商号が変更されまして、そして土地の造成ということが加えられたわけですが、問題の交換は契約をしたのが三十八年十月の二日です。そうしますと、商号を変更してから約一年間、その間に交換を申請しましたときに、農林開発から営林局に対して、農林開発興業とはこういう会社である、こういう実績を重ねてきた会社である、したがって、交換をしていただきたいという、農林開発の実績について営林局に資料を提出してあると私存じているわけですが、その点を明らかにしていただきたい。
  210. 木戸四夫

    説明員(木戸四夫君) 申請書には土地造成、それから牧場の経営計画と、それから山林の経営、こういうことをやっておる、こういうことであります。
  211. 二宮文造

    二宮文造君 いや、答弁が違うのです。農林開発はどういう実績を持った会社であるか、こういう会社であると申請のときに手続をとっているはずです。その会社の事業形態、また過去から申請のときまでにどういうことをやってきたかという内容についてこまかい申請があったはずです。それをお知らせ願いたい。もっと具体的に言いましょう。たとえば砕石業というのは、千葉県のどこそこで砕石をやっておったのか、それから山林原野の開発改良及び造植林については、島根県のどこそこで数百町歩の土地を持ってやっておった云々という申請があったはずでございますが、その点を具体的にお聞かせ願いたい。
  212. 木戸四夫

    説明員(木戸四夫君) 砕石経営につきましては、千葉県下で砂利の採取の申請をしているということになっております。これは具体的には君津郡天羽町大字桜井不動谷、こういうことになっております。それから土地の造成事業につきましては、千葉県長作町団地五万坪、それから船橋市の埋め立て十万坪、これは予定でございます。それから千葉市轟町一万五千坪、これも予定でございます。それから東京都の江東区で五千坪の造成をやっている、こういうことでございます。それから牧場経営計画につきましては、千葉県と京都府において目下計画中である。それから山林の経営につきましては、島根県美濃郡匹見町大字道川字一の谷というところで五百四十八ヘクタール、それから広島県比婆郡高野町大字和南原で九十八ヘクタール、こういうことになっております。
  213. 二宮文造

    二宮文造君 その中で予定というのがありました。それから現にやっておるという島根県の美濃郡の五百四十八ヘクタールを農林開発が所有してやっておるということですか、借地ということでやっておるという申請になっておりますか。
  214. 木戸四夫

    説明員(木戸四夫君) その点ははっきりいたしません。
  215. 二宮文造

    二宮文造君 およそ交換に当たりまして、相手方がどういう会社であるか、どういう事業実績を持っている会社であるか、あるいはまた信用の程度はどういう会社であるかということが、やはり交換のときには重大な参考の資料になると思うのですが、伺ったことろによりますと、農林開発が所有したかどうかもわからないということでありますと、林野庁としてはこの申請人の申請の内容について具体的にチェックなさらなかった、申請書のとおりうのみにされた、こう解釈してよろしいですか。
  216. 若林正武

    説明員若林正武君) 林野庁といたしましては、大阪営林局がいろいろ調査をいたしまして林野庁のほうに上申をいたしてまいってきておるわけでありますが、その書類に基づきまして、資本金の額、事業内容等について、具体的なところまであるいは調査の点で欠けたということがあったかもしれませんですが、書類上の審査はいたしたわけであります。
  217. 二宮文造

    二宮文造君 具体的の何も全然御調査になっていないようですが、ただ資本金だとか、それから取引銀行だとかは調査されたでしょう。しかし、農林開発興業がほんとうに申請したとおりの事業をやっているかどうか、たとえば砕石業につきましても申請の手続中である、その手続の文書をごらんになりましたか。関係各省に照会されましたか。あるいは島根県の山林につきましても謄本なり、あるいはまた出先き機関なりでそういう事実があるかどうかということを照会されましたか。そういうことをなさってでなければ話にならないわけです。いまの答弁では具体的な点で一部欠けるところがあるということですが、ほとんどやっているような印象なんですが、私の調べた範囲では全然やっていらっしゃらない。実は現地に参りました。正式に決算委員会から派遣をされまして現地に参りまして、大阪営林局の係官に具体的に尋ねました。そうすると、それは全然やっておりませんという答弁でございました。その点、長官は、そういう申請書に記載された事項に虚偽の事項があった場合、それは一体長官としてはどうお考えになりますか、虚偽の事業があった場合。
  218. 若林正武

    説明員若林正武君) これはまあ仮定でございますが、もし虚偽の事項があったような場合には、当然営林局のほうに再審査をさせるというふうなことになろうかと思います。
  219. 二宮文造

    二宮文造君 再審査をして、その虚偽がまことにそうであるということになりますと、具体的な交換の問題はどうなりますか。
  220. 若林正武

    説明員若林正武君) 二宮先生も御承知のように、交換というやり方は、結局物と物を交換するということでございまして、その間に入ります会社というものが、まあこれは極端なことを申し上げるわけでございまするが、若干問題があるような場合でも、財産上の問題といたしましては物と物の交換ということに相なりますので、その点は私どもとしては、虚偽の……。
  221. 二宮文造

    二宮文造君 聞こえなかったんですが、一番最後の肝心なところが。
  222. 若林正武

    説明員若林正武君) 物と物の交換でございまするので、その会社内容等につきまして、まあ非常に大きな問題があるというふうな場合は別でございまするが、そうでなければ差しつかえないというふうに考えております。
  223. 二宮文造

    二宮文造君 大きな問題とはどういうことですか。
  224. 若林正武

    説明員若林正武君) たとえば会計法規の面で適法性があるかというふうな問題でございます。
  225. 二宮文造

    二宮文造君 これは前回以来問題になっておりますのは、交換の価格が不当に安いではないかということから問題が出発したわけです。で、けさほど大森委員が、坪三百七十円と、こういうふうな換算のしかたをなすっておりましたけれども、これは三百七十円ではないんです。といいますのは、立木を九百万円に評価してございます。したがいまして、立木をのけますと約二千六百万円、そして坪数が十万八千坪になりますから、僅々二百三、四十円ということになるわけです。それが先般来問題になっております。会計法上手続としては問題があるとかないとか——手続としては確かに問題のないようにカムフラージュをしてきたと思いますけれども、実際問題として、昨日農林大臣答弁されたように、林野として、あるいは森林として評価をするか、しかし、私は国有財産というものは狭い窓を通して評価すべきものではない。安く交換をし評価をすると、それだけ国損になるわけですから、これは広い範囲で一番高い分に評価しなければならない。そういうことが先般来問題になっておる。そこで選ばれた農林開発興業株式会社というのが代替地を出したから、相手の会社はどうでもいいんだ、申請したその申請書がうそでもどうでもいいんだということになりますと、これはかつて住宅公団が、深谷の工業団地を国際家畜研究所、これは問題になりました田中事件の起訴された土地でございますが、この場合にも私が指摘をしましたように、国際家畜研究所から住宅公団に提出をされたその申請書は全部うそなんです。それが問題となって発展してきたわけです。そうすると、同じようなことをこの農林開発興業がやっておる。島根県もなければ、あるいは千葉県の砕石業も申請もとっておりません。あるいは重大な項目としていま説明を受けた予定工事というものもなされておりません。また一番肝心なこの高槻の元の国有林は、交換をされた時点のまま現在放置されております。何ですか、四十二年度からこういう計画があるということをつけ焼き刃で提出されておるようでございますけれども、この申請の手続なり申請を許可したこと自体が、私は疑惑の的になる。そこに農林中金の根抵当の問題、東食の根抵当の問題が発生してきたわけでして、この交換先の内容についてあいまいなまま交換を決定した責任はだれがおとりになるんですか、責任の所在は。申請書の誤りを見落したその責任の所在はどこにありますか、お伺いしたい。
  226. 若林正武

    説明員若林正武君) 交換をいたします場合の受け財産の真正の所有者で、交換の意思が明らかであれば十分でございまして、事業内容その他は申請の内容になっておらないのでございます。
  227. 二宮文造

    二宮文造君 申請の内容になっていらっしゃらないのに、なぜそういうことを具体的におつかみなんですか。必要ないでしょう。申請の内容になっていないんだったら、農林開発がどこで何をやっているということをおとりになる必要がない。先ほど説明をされる必要がない。やはり申請書というものは、こういうものに使います、この会社はこういう実績を持ってきた会社でございますと、これがなければ相手方が選べないじゃないですか。国有財産ですよ。だれでもいいんだ、向こうが物を持ってさえいればそれと交換できるんだから相手はだれでもいいんだ、こういう論法が成り立ちますか。林野庁の場合はそういうふうに了解されるんですか。私は、少なくとも国有財産です、私有財産じゃありません。一部の人の思惑のとおりに動かされちゃたまらない。申請書の内容は要件じゃありませんか。何書いてもいいんですか。長官にお答え願いたい。
  228. 若林正武

    説明員若林正武君) 相手方が履行できる能力があるかどうかという点、それから渡し財産につきましては、利用目的どおり使ってもらえるかどうかと、そういった点が明らかになれば……。
  229. 二宮文造

    二宮文造君 渡し財産、いわゆる受け財産です、受け財産のほうを相手方が渡す能力があるかどうか、これは大事でしょう。そして今度は渡し財産、すなわち丸尾山の国有林について、相手が利用計画のとおり利用する能力があるかどうか、こうおっしゃいましたが、その能力は何でお調べになりますか。会社の実績によって調べるんじゃないでしょうか。全然申請書の申請内容が必要じゃない——先ほどは必要じゃない、相手方が物を渡せばいいんだ、こういう御答弁でありましたけれども、今度は利用計画があるかどうか、それが能力があるかどうかというふうにお話しになったとしますと、その能力はどこでおきめになりますか。
  230. 若林正武

    説明員若林正武君) やはり先ほどからお話に出ておりますような会社内容、信用度、そういったいろんな点から判断をするということになるかと思います。
  231. 二宮文造

    二宮文造君 そうしますと、その相手の実績というものが有力な資料になりますね。
  232. 若林正武

    説明員若林正武君) 一つの有力な資料というふうに考えております。
  233. 二宮文造

    二宮文造君 その有力な資料を具体的に実地に調査をされないのはどういうわけですか。本件に関する限りされてないんです。先ほど説明員のほうから説明があったとおりです。それはどうなさいます。
  234. 若林正武

    説明員若林正武君) 農林開発興業の取引銀行等につきましては、営林局のほうで調査をいたしておるというふうに……。
  235. 二宮文造

    二宮文造君 その農林開発興業の取引銀行が昨日から問題になってきたんじゃありませんか。いわゆる共和グループ関係として昨日来問題になってきた。そのことを頭に置いて御答弁を願うならば、いまの長官の御答弁は、これは的を得ない答弁になる、昨日来問題になっている点、その融資は。ですから私はこれは非常にこの交換というものはわれわれが常識で考えてみても成立すべき交換ではない、こういう結論になるのですがね。そして取引銀行について調べた、これはしかし昨日来の答弁段階で、その論拠はくずれてしまった。それから第一、農林開発興業株式会社という会社は——国税庁の方いらっしゃいますか、お願いしてあったのですが見えていませんか一。この会社は長官御存じですか、三十七年十月に農林開発興業株式会社となりました。その前からの発展過程を申し上げますと、三十年九月十五日には北海道精糖株式会社として設立されたわけです、三十四年五月、それから約四年たちまして東京通商株式会社と称号変更しております。さらに半年ほどたって三十四年十二月には京浜商事株式会社と称号変更している、さらに三十七年の十月に農林開発と称号変更しているのです。そして、国税関係の資料を国税庁のほうへお願いをいたしますと、これは具体的にこまかい金額が出ておりますが、全部欠損になっておる。税額がゼロ、三期にわたって税額がゼロ、そういう国税にも協力をしない、申請の事業計画もこれは実績として書いてきたことは虚偽である、事実はない、少くとも政府に、営林局に出す資料はそれは私文書ではありますけれども、虚偽の場合には重大な責任問題になってくる。出したほうも相手をだまそうという意図があって虚偽の申請をした、あるいはまたそれを受けて見のがしたほうは公務の執行上重大な過失があった、私は両者に責任がある。申請者が実績をカムフラージュしたものであり、それを見のがした、こういう土台の上に成立した交換が、評価が妥当である、交換が妥当であると言い切れますか。ただ単に、先ほどからくどいように申し上げますが、国有財産ですから、物と物を交換したのだというような単純な渡し方でこの問題は解決しないと思います。将来の問題にもなります、林野庁長官にこれから先の問題もありますから、私はこの交換がいまから振り返ってみてどういうふうに長官ごらんになるか、その点お伺したい。
  236. 若林正武

    説明員若林正武君) いろいろと交換の問題につきまして御論議されておるわけでございまするが、こういった交換というやり方を今後続けるべきかどうか、あるいはまた先生もおっしゃるように、大阪営林局管内のように都市周辺に非常に孤立いたしました小団地がたくさんある、こういったところを整理する場合に、現在やっておりますような交換形式をとるのか、あるいは競争形式というものを導入いたしまして、一般に公募いたしまして、そういうものを売り払っていくのか、あるいはまた、もし交換がいいのだという——交換する場合もあるのだということでございました場合におきましても渡し財産につきまして、何か特約条項その他をつけ得るかどうか、あるいはこの評価等の問題につきましても、昨日大臣から申し上げておりますように、観光あるいはレジャー用、あるいは見込み地に使用されるというふうな土地の評価につきましては、いまの評価のやり方でいいのかというふうな一連のいろいろな改善を要する問題があるわけでございまして、私どもといたしましては、改善策につきまして現在検討いたしておるような次第でございます。その間観光、レジャー用地、あるいはその見込み地につきましては、国有林野の処分につきましては一切ストップをいたすというようなことにいたしておるのでございます。
  237. 二宮文造

    二宮文造君 私はその将来の問題を聞いたわけじゃないのです。将来こういう問題が起こっちゃならないから、この問題をどう考えるのだ、はうそですよ。そうしてまた国家公務員が重大な瑕疵を、大事な申請書の瑕疵を見のがしているのですよ。そういう土台の上に成立した交換をこのまま見のがすわけにいかないでしょう。物と物を交換したのだ、佐伯郡の土地と交換したのだというだけでは国民は納得しませんよ。それは追徴金を取るなり、あるいはまた評価を変えるなり、あるいは契約を元に返すなり、何らかの国損を防止する措置をお考えになって、初めて林野庁の林政というものがはっきりしてくるのじゃありませんか。この点はいかがですか。
  238. 若林正武

    説明員若林正武君) 先生から御指摘のございましたように、農林開発興業に対しまする調査の点において、まあ足らなかったところがあったということでございますが、まあそういう点がございますれば、これはたいへん遺憾なことだと考えているわけでございます。先ほども申し上げましたように、やはりこれは物と物の交換でございますので、現在の法規ではこれが違法であるというふうには私どもは考えておらないのでございます。
  239. 二宮文造

    二宮文造君 では、大蔵省の普通財産の場合にも私国有財産局長とたびたび問答をした覚えがあるのですが、すべて国との契約の場合には正義、あるいは信義誠実の原則というのがあります。しかも申請書に書かれた内容というのは、これは重大な傍証です。それが虚偽であった場合、要するに信義誠実という原則が根本からくずれております。何回も言いますように、私有財産なら、林野庁長官の私有財歴であれば御自由です。しかし国有財産です、国民のものです。それが不当に安いと巷間うわさされているような価格で交換をされている。それをそうさせたものが申請書の内容です。それが虚偽である。これは私はこの交換が土台からくずれるのじゃないか、くずれなければ、国民は一体どこへこの文句を持っていけばいいのですか。一たんやってしまった問題だからこれはもうしかたがないのだ、そうではいけないと思うのです。虚偽なんです。
  240. 木戸四夫

    説明員(木戸四夫君) 交換につきましては、先ほど長官からお話がありましたとおり、大阪営林局におきましては非常に小団地が多いので、国有林の経営なりあるいは国土保全のために必要な土地を交換する、こういう制度をとっておったわけでございます。そこで相手方の問題につきましては、現在の会計法規から言いますと、やはり過去におきまして契約を履行しなかったり、あるいはそういうことが要件として掲げられておるわけでございます。したがって、その点につきましては十分検討をしたわけでございます。それから虚偽の内容の申請であると、こういう御指摘でありますけれども、砕石業につきましては、私ども調査では、現在は行なっていないというのが事実でございますけれども、千葉署管内に出願したのは事実のようでございます。しかしそこには多数の出願がなされましたので、具では公社方式によって行なうことといたしまして、民間には許可しないこととなった、こういうことで砕石経営が行なわれなくなったと、こういうように聞いております。  それから千葉県の土地の造成につきましては、千葉県の長作町には一万五千坪の整地、土地造成事業が完了したように聞いております。それから東京郡の江東区におきましても五千坪の整地事業が完了した、こういうぐあいに聞いておるわけでございます。  それから森林経営につきましては、山口県の豊北町に六百ヘクタールの森林を持っておるようでございまして、一部造林中である。それから島根県の六日市に二百ヘクタールの森林を持っておりまして、これが造林中である、こういうことを聞ておるわけでございまして、全部が虚偽であると言えるかどうか、ちょっとおことばを返すようで恐縮でありますけれども、そういうぐあいには判断されないのではないかというように考えるわけでございます。
  241. 二宮文造

    二宮文造君 いま申されました山口県とか、それからまた島根県の六日市というのは申請以後の問題です。したがってこの場合申請書の提出する期間におきましては問題にならない。私が先ほど具体的に問題にしましたのは島根県です。島根県は持っていたのですか。持っていなかったのですか。そのことについては御説明がない。
  242. 木戸四夫

    説明員(木戸四夫君) 島根県におきましては、所有しておったようでございます。それが交換に出されたわけでございます。
  243. 二宮文造

    二宮文造君 島根県の山林がどれと交換に出されたのですか。
  244. 木戸四夫

    説明員(木戸四夫君) 芦屋市剣谷の交換に出したわけでございます。
  245. 二宮文造

    二宮文造君 芦屋市剣谷と美濃郡匹見町との交換ですか。芦屋市剣谷の交換の日にちはいつですか。
  246. 若林正武

    説明員若林正武君) 昭和三十九年の二月二十八日でございます。
  247. 二宮文造

    二宮文造君 それではその間のことを証明する資料を御提出願いたいと思います。  それからここでちょっと話題が変わりますが、重要な問題になりますので、今後の審議にも、融資の問題にも関係してくると思いますし、国税庁の長官がお入りになったようなので、いわゆる共和グループとして国税庁が掌握されております会社名、及び具体的な金額はけっこうですが、そのいわゆる申告、並びにその申告が赤字であったか黒字であったか、それから税額が納付されたかないかということについて御答弁願いたいと思います。具体的な数字の問題はけっこうです。
  248. 泉美之松

    説明員(泉美之松君) お答え申し上げます、いわゆる共和製糖関係の各会社、相当多数ございますが、まず共和製糖はある一期だけ所得の申告をしておりますが、欠損の繰り越しがありまして、税金は納めることになっておりません。共和糖化工業は連年欠損申告でございます。それから共和産商も同様でございます。それから日本糖化も四十年九月期は所得の申告がございますが、それ以前は欠損申告でございます。九州食品、四国糖化、いずれも欠損申告に相なっております。それから共和糖化工業に合併されるまでの東洋果糖という会社がございますが、これも連年欠損申告になっております。それからこれは農林開発興業、これも連年欠損申告に相なっております。それから新和製糖、これは三十年八月期は税額を納めていますが、それ以外の期は欠損申告に相なっております。それから内外機械という会社、これは現在は三十八年から休業中でございますが、最近年におきましては申告がございません。それから宝不動産という会社がございますが、これも三十九年二月期は所得の申告がありまして税額を納めておりますが、それ以後は欠損申告になっております。それから日建開発というのが四十年の六月に設立された法人がございますが、それの第一期の申告は欠損に相なっております、以上。
  249. 二宮文造

    二宮文造君 南島開発が抜けたようですが。
  250. 泉美之松

    説明員(泉美之松君) 失礼いたしました。南島開発も年々欠損申告になっております。
  251. 二宮文造

    二宮文造君 昨日から問題になっております共和グループは、いま国税庁長官がおっしゃったとおりの国税の申告並びに税額の納付状況になっております。これは自後質疑をされます融資関係に非常に問題になってくると思いますので、この点については保留をいたしておきます。  それからもう一つ、法務省の民事局の方がお見えになっておりますので、これは私は原則論としてお伺いしたいのですが、一般に根抵当権を設定いたします場合、その根抵当権を設定します場合の極度額のきめ方はその土地の価格をはるかにオーバーしてもよろしいのでしょうか、どうでしょうか。この点をお伺いしたい。事務の取り扱いとして方法としてお伺いしたい。
  252. 新谷正夫

    説明員(新谷正夫君) 根抵当権を設定いたします場合の債権の極度額でございますが、これは担保物権の価格よりも低いのが通常でございまして、しかし、そうかと申しまして、これは当事者の契約によってきまるものでございますので、必ずしも低いものでなければ抵当権の設定ができないというものではございません。
  253. 二宮文造

    二宮文造君 具体的にこの高槻交換された国有林につきましては、昨日来問題になりましたように、三十九億円にのぼる根抵当権が設定されておるわけです。林野庁交換をいたしましたときに評価した金額は三千五百万円何がし、それが無慮百倍にわたってここで極度額がきめられているわけです。そこでその場合に登録税の関係はどうなりますか。登録税は債権の極度額とは関係ありませんか。
  254. 新谷正夫

    説明員(新谷正夫君) 担保物権であります不動産の価格か、あるいは債権極度額のいずれか低いほうによることになっております。
  255. 二宮文造

    二宮文造君 その場合にいずれか低いほうとなりますが、これはこの高槻の場合にはどういうわけですか、六万六千幾らしか、一件について。全部一緒です。東食が十五億六千二百五十万円を組んでいるその組んだ場合も、それから日本糖化が一億何がしを組んだ場合も全部六万六千円何がしという登録税で終わっております。そうしますと、これは固定資産税の何か税割りの倍率というふうに法務局の出張所のほうでは説明をされておりまするが、国との交換の場合は三千五百万円、こう出ているわけです。それを登録税の場合には国の交換金額というのは問題にならないのですか。
  256. 新谷正夫

    説明員(新谷正夫君) 登録税の課税標準価格の決定方法でございまするが、これは当事者の契約額には拘束されません。したがいまして、そのものの時価を基本にいたしまして時価の算定ということが問題になるわけでございます。この場合どのような基準をとるのが最も妥当であるのかという問題がございます。現在登記所でやっております課税標準価格の算定の方法といたしましては、固定資産税の価格を基準にいたしております。そういう方法で登記所も課税標準価格がきまっております。
  257. 二宮文造

    二宮文造君 その場合、たしかあれは千分の六・五でしたか、登録税は千分の六・五というふうな、そのように私も記憶しておるのですが、この場合に、それでは六万六千円ですから、固定資産税の倍率をかけますと一千万円少々になりますね。
  258. 新谷正夫

    説明員(新谷正夫君) 具体的な事件の申請書を私見ておりませんので、どのような書類になっておるかわかりませんけれども、ただいま申し上げましたように、固定資産税の課税標準価格を基礎といたしまして算定をいたしておると思います。
  259. 二宮文造

    二宮文造君 それで、私ちょっと時点がよくわかりませんが、一方の農林中金の場合は、根抵当を組んだのが四十年です。それから東食の場合は根抵当を組んだのが四十一年です。四十一年となりますと、固定資産の評価が変わっておったと思います。あれは何か私もちょっと記憶があいまいですが、ちょっとその点確認しておりませんが、たしか四十一年の一月から固定資産の評価というのは変わってきたように思うのですが、その場合も四十年の根抵当の設定のときの登録税、それから四十一年東食が根抵当を組んだ場合の登録税が同じような金額に算定されておるわけです。これは私具体的な登録税の算出の方法というものをつまびらかにしておりませんので、この点を法務省のほうから資料として出していただきたい。そうして具体的に登録税が幾らであって、その算定の基準はこういうところであったということを明らかにしていただきたいと思うのです。  で、問題は、先ほど法務省のほうで言われました債権の場合の債権の極度額のきめ方は当事者同士でよろしいということですね。そうすると、その土地がたとえば三千五百万円しかないのにそれに対して四十億円もの根抵当権を設定するということは、今後の問題として非常に誤解を招くのじゃないかと思うのですが、これは今後の問題として何かここに是正をなさるお考えはありませんですか。
  260. 新谷正夫

    説明員(新谷正夫君) 最初の資料の問題でございますが、具体的にその土地をお示しいただきたいと思うのでございます。これがわかりませんと、具体的に事件の申請書が出ませんのでございます。  それから債権額よりも物件の価格のほうが安いというのはおかしいじゃないかという御質問でございますが、これは一般の場合におきましてもあるわけでございます。根抵当ではなくて一般の抵当権を設定いたします場合にも、たとえば債権額は一億というふうな場合に不動産が五千万円のものしかないという場合には担保物件は五千万円ということになるわけです。同様のことが根抵当の場合にも言えるわけでございますので、債権額のほうが担保物件の価格より高いからといって、これは違法でもございませんし、特にこれを規制する必要はあるまいというふうに私は考えております。
  261. 二宮文造

    二宮文造君 御質問にありました高槻の住所でございますが、高槻市大字霊仙寺、地番は百八十二の一、それから百八十三、百八十四、以上の三筆になっております。これはもとは一本でしたが、分筆をしておりますから、その点を御理解願いたいと思います。  それから後段の問題ですが、抵当権の場合、それから根抵当権の場合は、これは債権の極度額というものをきめて、そこまでは貸すということです。したがいまして、これが土地の値段と全然関係もなく、この問題の土地の場合は、国は三千五百万円で交換した。それは明らかなんです。これはもう公文書で出ておるわけですから。その土地に対して四十億円の根抵当権を設定する。これはどういうものでしょうかね。そして、それは共同担保目録というので私もずいぶん調べたんですけれども、共同担保目録はこの三筆が一緒で、三筆の共同ということで、ほかとの関連は、この謄本に関する限り、ほかの担保との関連は出てこないわけです。こういう林野庁に言わしますと、三千五百万しかない。それに対して四十億円も、しかもそれが一社、二社、三社、四社、五社に対して抵当権が組まれる。それを合わせれば四十億になる。これは今後の登記の処理の問題としてやはり考えていただかなければならない問題だと思うんですがね。ならば、債権の極度額に登録税の倍率をかけるとかいうふうにしますと、このような架空なものは出てまいらない。あえて架空と言っておきます、林野庁は三千五百万円しかないというのですから。妥当な値段であると先般から言い切られるわけですから。その点はどうでしょうか。このいわゆる登記の問題としてお考え願って答弁を願いたいと思います。
  262. 新谷正夫

    説明員(新谷正夫君) 三千五百万円の物件に対しまして、四十億円を極度額とする根抵当権を設定したということでございますので、まあ普通の場合でございますれば、ほかに担保物件をもう少し出しまして、担保価額をあげるのが通常であろうと思います。確かにこの場合に債権額と担保物件の価額の間に非常なアンバランスがあるということは形式的には言えようかと思うのでございまするけれども、しかし先ほど申し上げましたように、この債権額と担保物の価額との間にどちらに高低がございましょうとも、これは当事者の契約によってきまる筋のものでございますので、そのことのみによってこの契約が無効になるということには一がいには断定できないように思うわけでございます。登記所といたしましては、特にその契約が有効であるか、無効であるかという判断をする権限はございません。申請書が出ますれば、ただ登記手続の面で十分調査いたしまして、事務を処理いたすわけでございますので、実体的な契約の有効無効の判断を加えて登記をするということになりますと、現在の登記法のたてまえを根本からくずすわけでございます。したがいまして、ただいまのところ実質的にその契約が有効であるか無効であるかということは、これは別の問題になるわけでありまして、登記所といたしましてはこれを受理せざるを得ないということになると思います。
  263. 二宮文造

    二宮文造君 いや、私は法務局にこの契約が有効であるとか、無効であるとかいうことを伺っておるわけじゃないわけです。ただ、こういう登記の根抵当権設定のしかたに今後問題が残るではないかということを今後の意向としてお伺いをして、私が了としますのは、通常はその土地の価額、担保物件の価額の範囲内で根抵当権は設定されるものであるということを私は承っておきます。  それから、林野庁のほうにお伺いをしたいわけですが、先ほどの農林開発興業から申請がされましたその申請の、先ほどこういう実績を持っているということを説明していただきました。その資料を出していただきたい。実は先般大阪で見せていただきました。これはどうしても提出願いたい、送付願いたいとお願いしてあったのですが、私の手元に不幸にして届いておりません。したがいまして、農林開発の申請の当時における実績というものは、この交換が正当であったか、あるいは重大な過失がそこに見のがされていたか、こういうことの大事な資料になりますので、これは御提出を願いたい。  それから、先ほど島根県の美濃郡の土地をこの申請書提出の時点において所有されておった、こういうお話でございますので、これは謄本などをもってその資料として出していただきたい。これを私お願いして、本日の場合はこれで終わっておきます。あと融資の問題で明日またやらしていただきたいと思います。
  264. 若林正武

    説明員若林正武君) ただいまの二点につきまして、資料として提出させていただきます。
  265. 仲原善一

    ○仲原善一君 ただいまの高槻の国有林の交換の問題について、林野庁に御質問したいと思うのでございますが、交換の当時の時点における価格評価、そういうものについてもっと詳しく御説明を願いたいということが一つ。  それからどうもいまの二宮君の御質問によって受ける印象が、非常に安い価格で払い下げて、ほんとうであれば四十億も五十億もするような価値のあるところを、わずか三千五百万円程度に交換しているというふうな印象を何か受けやすい気持ちもいたしておりますので、その点価格は適正であったかどうかという判断を実はいたしたいと思いますので、もっと詳しく価格評定、いわゆる交換当時の時点における国有林の価格の算定が妥当であるかどうかという判断をするための説明をお願いいたしたいと思います。  それからもう一つお伺いしたいのは、この交換した土地が用途指定ができるのかどうか。こういうことに使わねばならぬという法制上の義務を負うのかどうか。交換したあとの土地は、交換してしまった所有者のほうがかってに処分できるのかどうか。その辺もあわせて御説明を願いたいということ。  それから評価の場合に、昨日でございましたか、農林大臣の御意見も拝聴いたしましたが、従来は林業経営、いわゆる国の国有林の経営上の立場から評価するというのがたてまえであったけれども、将来はいろいろな用途によってこれを評価すべきであるというような御意見も聞いて、非常に参考になったわけでございますが、現在の法制下において、この評価のしかたというものについてもっと詳しい規制があるのかどうかですね。これは従来の例も含めて御説明を願いたいと思います。
  266. 木戸四夫

    説明員(木戸四夫君) 国有林が売り渡し等を行なう場合におきましては、基本的には国有財産の管理及び処分に関する財産の評価基準というものを、大蔵省の通達に基づいて定めておるわけでございます。それで、その際そういういろいろな評価基準、宅地なら宅地はどういうぐあいな評価をするとか、あるいは森林はどういうぐあいな評価をするとかということがきめられておるわけでございます。それと同時に、民間精通者の意見も聞くと、こういうことになっておるわけでございます。具体的には、高槻の場合を申し上げますと、不動産研究所とそれから住友銀行と、それから高槻の森林組合にそれぞれ評価を依頼しておるわけでございます。その評価を参考といたしまして、先ほど申しました国有財産の管理及び処分に関する財産の評価基準に照らして評価した額と比べまして、それで適正なところで定める、こういうことになっておるわけでございます。それから財務局にも評価を依頼しておるわけでございます。そういうことで、できるだけ適正な価格を評価する、こういうことに相なっておるわけでございます。  それから第二点目の交換にあたっての渡し財産に対する用途指定の問題でございますが、この問題につきましては、本委員会で何回も御説明いたしましたように、交換というのは原則的には国がある一定の森林をほしいといった場合に、相手方がそれは金ではなくて物でもらいたい、こういうのが原則になっておるわけでございます。したがいまして、現金にかえて森林を渡す、こういうことになっておりますので、現在のところは用途指定は行なわないということで従来やっておるわけであります。しかし、いろいろ問題もありますので、今後の問題といたしましては、渡し財産について用途指定することにつきまして、関係各省と十分連絡をした上でそういうぐあいにいたしたい、かように考えておるわけでございます。
  267. 仲原善一

    ○仲原善一君 現時点で林野庁は、あの交換した当時の価格は妥当であるというふうにまだ確信を持っておられるのかどうか、端的に御質問申し上げます。
  268. 若林正武

    説明員若林正武君) 現在定められておりまする評価基準でまいりますると適正である……。
  269. 岡三郎

    岡三郎君 林野庁長官、伺いますが、ちょっと資料の中の国有林野の交換一覧表の中で、よくわからないからお尋ねするわけですが、いま農林開発に、これは午前中から言われたことですが、芦屋市の大字打出というのですか、字剣山という土地を交換しておるわけですが、その上のほうに、これは兵庫県西宮市大字鷲林寺字剣山、これは国土開発株式会社交換しておりますね。同じようにこれは同じ場所で、これは別の筆になっていると思うのですが、同じ国土開発の、これは西宮市大字鷲林寺というのが字剣山になっております。この場所はどうなっておりますか。隣接地ですか。どういう土地になっているのですか。これは国土開発二カ所。それでいま言った農林開発興業に一つ交換しておりますがね。これは場所はどうなっているのですか。
  270. 若林正武

    説明員若林正武君) これは隣接地であります。
  271. 岡三郎

    岡三郎君 そうするというと、この国土開発株式会社代表取締役上田清次郎と書いてありますこの二カ所の交換について、この時期は同じころですか。隣接地というと、剣山というところは同じで、農林開発は一カ所交換して、他の国土開発に二カ所交換しておるわけです。交換する土地は、こっちは広島のほうの土地を持ってきて交換しておりますからね、どうも似たころに。当時の営林局長はだれだか知らないけれども、当時の営林局長は豊という人であるのかどうか。とにかくそこのところをひとつ聞いておきたい。あと質問するので……。
  272. 若林正武

    説明員若林正武君) 交換契約をいたしました年月日は、先生のお持ちの資料の一番右側の資料にございますように、国土開発につきましては、三十八年の十二月二十八日、それから農林開発興業につきましては三十九年の二月二十八日でございまして……。
  273. 岡三郎

    岡三郎君 ちょっとおいてやったわけだな。
  274. 若林正武

    説明員若林正武君) 営林局長は豊局長でございます。
  275. 岡三郎

    岡三郎君 それで片方のほうの西宮市の剣山のほうのもう一つは三十九年の十月になっておるね。これもやはり豊営林局長のときですか。
  276. 若林正武

    説明員若林正武君) 豊局長でございます。
  277. 岡三郎

    岡三郎君 私はこの問題について、時間がありませんのでいま言いませんが、豊局長という人が衆議院に出るといううわさにのぼっておる方らしいですけれども、しかもこの人が大阪でかなりいろいろなことをやって、これから熊本に行っておるのですね。これはきのう指摘されたことで、たまたま資料に基づいて私がここで目を通して出てきたわけですが、いずれも大体前後して一年以内に、同じ豊という営林局長が西宮市と芦屋市とは違っても、同じ場所において土地の交換を行なっておる。これは私はいまの農林開発交換の事例と全く同じだというふうに判断していま場所をお伺いしたのですが、全く場所は隣接地で同じだということがわかったので、この問題は新しくこの国土開発株式会社代表取締役上田清次郎、この会社との交換について詳細に聞きたいのだが、いま時間がありませんので、これは追ってはっきりしたいと思います。これは単にこの資料に基づいて言っているわけですから、こまかい話はいま聞きませんが、この点については詳細に説明ができるように、ひとつ資料を提出願いたいと思います。なお、これはいま時間がないのでやめておきまするが、非常に交換している土地の内容、土地というものがずっといま見ておりまするが、豊営林局長時代に交換したやつをそろえて資料を出してもらいたい。これはいわゆる大阪営林局とそれから熊本営林局の関係。それからもう一つはこれは北村さんに聞いたのですが、この下に、大阪営林局の中に大林という経営部長がいたんだそうだが、これが北海道北見へ行っているという話、これはあと北村さんからゆっくり質問が出るようですから私は控えておきますが、ここにも内容的に北村さんのほうで問題があるようです。この大林という人がいわゆる大阪営林局長の豊局長もとに経営部長として、それがどうも一緒のときにこの交換払い下げというものが乱暴に荒っぽくやられたのではないかという話があるわけです。だからそれに伴ったところの資料を提出してもらって、後刻この質疑をしたいと思います。きょうはその時点について、場所がどうも西宮市と芦屋市でずいぶん違っているように見えるが、字の剣山が一緒ということでいま言ったのだ。これはひとつ資料をお願いいたします。きょうは時間がございませんから。
  278. 若林正武

    説明員若林正武君) 資料として提出いたします。
  279. 相澤重明

    ○相澤重明君 私からも一つ二つ伺っておきたいのですが、林野庁が国有林野を交換をする場合に、いわゆる大蔵省国有財産局と協議をする必要があるのかないのか、現在のこの議題になっている高槻の問題について大蔵省と協議をしたことがあるのかないのか、この点について最初にお答えをいただきたい。
  280. 若林正武

    説明員若林正武君) 交換につきましては、権限は営林局長権限でございます。四千平方メートルまではこれは大蔵省の出先機関でありまする財務局長営林局長が協議をいたします。それをこえます交換の事案につきましては、農林大臣の承認と大蔵大臣への協議、これが必要になってきます。
  281. 相澤重明

    ○相澤重明君 実は本件については昨年の十一月に本院で私が実は質問をした問題です。当時しかし高槻の国有林の問題については、国有財産についてはそういうことはないという話だった。しかし私どもが現実に大阪に調査に行ってみるというと、すでにきのうきょうに質問があったように行なわれておったわけです。こういうことは、私は当時の大蔵省質問をしたときのことを考えるわけです。そこでいまの林野庁長官の言うこの交換あるいは払い下げ等の場合、基本的ないわゆる農林省としては林政に対する行政の問題でありますから、重要な課題だと思うのです。いま一つは行政財産であろうと普通財産であろうと国有財産、その国有財産をやはりないがしろにするということがいままでの大きな問題点になっておるわけです。いわゆる管理が十分でないというのが本院で指摘をされておることなんです。そういう管理あるいは処分について十分でないということが今日のような問題を提起をしておるわけでありますから、それでいまの長官の言うこの一定の反歩以上は財務局と協議をする、あるいは本省に上げて両大臣が協議をする、こういう場合の取り扱い方についてさらにお伺いをしたいのでありますが、いわゆる林野庁が協議をする場合の資料、その資料はどういうものを持って財務局と協議をするのですか。
  282. 若林正武

    説明員若林正武君) 交換対象になりまする森林の所在面積、その他森林の状況、それから交換をいたしまする相手側の内容、あるいは第三者の鑑定価格、こういったもので協議をいたします。
  283. 相澤重明

    ○相澤重明君 そうしますと、いまの長官の答弁によりますと、その地域の営林局長提出した資料に基づいて財務局長は協議に乗る。いままで林野庁がそういうように大蔵省と協議をした場合に、大蔵省が拒否をしたことがございますか。それはいかぬ、こういうように言ったことが事例がございますか。
  284. 若林正武

    説明員若林正武君) 現在私は承知いたしておりませんので、調査をいたしましてお答えいたしたいと思います。
  285. 相澤重明

    ○相澤重明君 私はいまの国有財産、普通財産については、本院でもきわめてきびしく追及されておるが、林野庁のこの国有林野の問題については非常に問題点が多い。あまりいままでも審議がされない。問題点がたくさんあったけれども、時間がそれだけかけられなかった。しかしいまの長官の答弁を聞いておって皆さんもおわかりのように、ほとんどこれはめくら判にひとしいと思う。林野局長提出したものは大蔵省の財務局としてはほとんどそれをチェックするということは少なかったのではないか。こういう点がいわゆる林野庁の林政の中に、これは自分のところのものである、農林省の所管のものである、だから形式的な協議ということはあっても事実は農林省の言うことが通る、こういうふうに思われるのでありますが、その点いま一度、長官も新しいし、事例をもしあったならば私は資料として提出を願いたい。  それから二つ目の問題は、この評価をする場合の民間精通者の意見であります。これはどういう人たちを鑑定人としてあなた方は大体鑑定を求めますか。従来のこの大阪の高槻の問題についての鑑定の点は先ほどから説明をされておりますが、一般論としてこの民間精通者というのは非常にやはり問題があるわけです。これによって評価の問題がまちまちです。しかも非常に疑惑を持たれる。関係をしておる人たちが鑑定人として出された場合には有利ないわゆる評価が出てくる。こういう点を私どもは考えなきゃならぬと思う。したがって民間精通者の鑑定というものはどういうふうにして選出をするのか。その点のひとつ基準をお示しいただきたい。
  286. 若林正武

    説明員若林正武君) 現在私どものほうで民間精通者として選定いたしておりますのは不動産研究所、地元の銀行、それから地元の森林組合、こういったものであります。
  287. 相澤重明

    ○相澤重明君 この高槻の場合の点は私どもも拝見いたしました。またお聞きもいたしました。この点について民間精通者の鑑定の意見、これと国の評価はおのずから違うと思うんです。これは評価をした場合に民間の精通者の鑑定の評価というものと、国が決定をする評価というもののとり方はどうなんです。これは高いほうをとるのか、低いほうをとるのか、中間をとるのか、どこを一体国はとろうとするのか、国の方針というものはどこにありますか。
  288. 木戸四夫

    説明員(木戸四夫君) 三カ所に評価を依頼してもらえば、その三つを平均するわけです、三で割るわけでございます。その三で割ったものと国で評価したものとをまた二で割ると、こういうようなことでやっております。
  289. 相澤重明

    ○相澤重明君 私はやはりいままでの民間精通者のいわゆる鑑定の評価、これについてもたいへん問題があると思うんです。今度はこの点をきちっとしないと、これからも疑惑を持たれる問題が次から次へと提起されてくると思う。民間精通者の出された意見、いわゆる評価のものに対して、政府はそれよりも高くする、あるいは安くするという、いまの足して二で割るという考え方、こういう点について機械的な考え方を持たれては私はたいへんだと思う、国有財政ですから。そういう点について、私どもは昨年以来本院における小委員会も持って、そういう評価のしかた、あるいは鑑定人の求め方、こういう点についても、大蔵省に対してはかなり強い注文をつけております。私はこの林野庁においても、いまの民間精通者の選び方、その鑑定人の評価のしかた、それに対して政府の評価決定のしかた、こういうものについていま一度基準というものをどうとるべきかをひとつ御検討いただきたい。それをひとつ最近の——いまの問題になっておるのは三十九年以降のものがたいへん多いのでありますが、三十八、三十九、四十のここ三カ年の民間の鑑定をしたものに対して、たくさん事件がありますから、その事件に対して、政府の決定をした額、評価をしたもの、これについての林野庁の資料をひとつ御提出いただきたい。いかがですか。
  290. 若林正武

    説明員若林正武君) これは相当件数も多うございますし、時間も相当かかると思いますが……。
  291. 相澤重明

    ○相澤重明君 出してもらえますね。
  292. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  293. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 速記を起こして。
  294. 若林正武

    説明員若林正武君) ただいまのお話は、たとえば民間精通者個々にというお話でございましょうか。そうでなくて、それを平均したものというふうな考え方で処理していただいてよろしいでしょうか。
  295. 相澤重明

    ○相澤重明君 それじゃもっとしぼりましょうか。先ほど岡委員から指摘をされた、特に大阪の問題が中心になっておりますから、大阪の営林局長が熊本営林局長にもなったわけでありますから、その大阪と熊本の営林局の問題でひとつしぼって提出をしてください。これなら簡単でしょう。
  296. 若林正武

    説明員若林正武君) 資料として提出いたします。
  297. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 林野庁長官、先ほど岡君のほうから資料提出の要求がありましたが、あれはあすの審議関係があって、午後の審議に間に合うように出していただきたい。  速記をとめて。   〔速記中止〕
  298. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 速記を起こして。  他に御発言もなければ、本日の大蔵省についての審査はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時五十三分散会