○岩間正男君 まあ
日本政府の
意思は、形式の上ではそういういまの
答弁のようになるのでしょうけれども、しかし、この問題を決定するには、やはり
日本政府の
意思というものは非常に重要なことだと思う。はにかく、その資料をもらいます。
ところで、この問題は、問題のすりかえじゃないか。つまり、問題は、二つの裁判の不当な、まるで徳川時代の暴君がやるような、全然条理に合いません。これは当
委員会でこの前、総務長官の出席を求めまして、私が一時間余り時間をもらいましてやった問題です。当然二つのこの裁判というものが、そのままにまるで暴君が、専制君主が一ぺん
自分で出したものに綸言汗のごとしで、再び弘っ込めることはできないのだという形でがんばっていったのでは、やはりこれは問題の解決はあり得ないのです。したがって、当然この移送を取り消すという、そこのところに非常に大きな問題があると思うのです。それは私も先ほどちょっと簡単に申し上げましたように、実はこれは総務長官の
答弁でもこの前あるのですけれども、サンマの問題、あるいは選挙の当選無効、有効の問題、こういうものはこれも重大な問題ではあるけれども、しかし、それよりももっと重大な問題は、一度出したこういう布令に対して違反する、そして、この布令を侵犯する、こういうやり方は許すことはできないのだ、ここのところに非常に重点があるのだということを総務長官も
答弁をしました。私もそうだと思う。なぜそうだかというと、そこには現在起こっている沖繩の土地取り上げの問題があるわけです。これは言うまでもなく、
ベトナム戦争の強化によるアジアにおける最も重大な基地、これはもうなぜかといいますと、これははっきりワトソンが次のように言っているわけですけれども「米国は沖繩に重大な利害関心を持っている。沖繩は依然として東南アジアの防衛の基礎であると同時に、
ベトナム戦争におけるかなめの軍事基地である。」と言い、また「
ベトナム戦争によってアジアの脅威と緊張は増加した。沖繩の軍事基地は、米国と
日本及び西太平洋の他の同盟国の防衛にとってきわめて重要である。このことは沖繩から
ベトナムに軍隊や
物資を敏速に移動できたことに示された。」、こういうふうに語って、それから「
ベトナム戦争と関連して那覇軍港での補給活動は手狭になったので、新たな軍港を開設することが必要になった。全体の利益のためには一部の住民の不利益は避けられない。」云々ということをワトソンは述べているわけでありますけれども、これは全くこの沖繩を戦争の補給基地、それから中継基地、さらには前線におけるそれらの
関係で、絶対に沖繩は確保しなければならない、軍港として、しかも拡大しなければならない、太平洋岸における新たな軍港をつくらなければならぬ、そのために嘉手納あるはい昆布村その他四カ所に膨大な土地の取り上げが現在行なわれている、これと深い
関係があるのです。この点についてやはり明確にしない限りは、この問題の正体を、本質を明らかにすることはできないと私は考える。したがって、私はここで長い論議を、
大臣もおりませんからしようと思わないわけです。
外務省としては、これは総理府に一応まかしておるのだということであれば、それだけのことですけれども、そういうわけにはいかぬと思う。やはり
日本外交の立場から、ことに沖繩県民の権利を守る、生活を守る、何よりも祖国の独立と平和を守るという立場、そういう立場に立つ限り、私はこれは黙っていることはできない。したがって、現状どうなっておるように把握しておるのですか。全部これは総理府特連局にまかしておるという態度をとっておるのですか。私がお聞きしたいのは、情報をどうつかんでおるか、たとえば、いまどのような土地取り上げが起こっておるか、これは資料としてあなたのほうでやっぱりはっきり
提出される必要があると思う。どれだけの広範な土地がいま取り上げられようとしているか、それから沖繩の軍事基地としての任務ですね、そういうものは何々なのか、これはいろいろな様相を持ったところの多角的な軍事的な目的を持った基地です。アジアにおける全く核心をなすところの中心基地とも言うことができる。それで、アメリカの極東における戦略が成立するかしないかという全くポイントを決定するのがこの沖繩だ、そこに百万県民の権利が侵犯されたり、生活がほんとうに破壊される、そういう大きな被害が起きているわけですから、
外務省として一体どういうふうにそれに対処するか、私はそういう点から、少なくともその現状の把握程度をお聞きしたい。いかがですか。