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1966-09-01 第52回国会 参議院 決算委員会 閉会後第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年九月一日(木曜日)    午前十時二十九分開会     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         鶴園 哲夫君     理 事                 佐藤 芳男君                 仲原 善一君                 竹田 現照君                 二宮 文造君     委 員                 黒木 利克君                 高橋文五郎君                 山本茂一郎君                 稲葉 誠一君                 大森 創造君                 岡  三郎君                 柴谷  要君                 達田 龍彦君                 藤原 道子君                 岩間 正男君                 石本  茂君    国務大臣        大 蔵 大 臣  福田 赳夫君    事務局側        常任委員会専門        員        池田 修蔵君    説明員        法務省刑事局刑        事課長      石原 一彦君        大蔵政務次官   亀井  光君        大蔵省国有財産        局長       松永  勇君        大蔵省銀行局長  澄田  智君        国税庁長官    泉 美之松君        農林省農林経済        局長       森本  修君        農林省畜産局参        事官       太田 康二君        食糧庁長官    大口 駿一君        林野庁長官    若林 正武君        会計検査院事務        総局第一局長   斎藤  実君        会計検査院事務        総局第五局長   保川  遜君        日本専売公社総        裁        東海林武雄君        日本専売公社副        総裁       佐々木庸一君    参考人        国民金融公庫総        裁        石田  正君        農林漁業金融公        庫総裁      大澤  融君     —————————————   本日の会議に付した案件昭和三十九年度一般会計歳入歳出決算昭和三  十九年度特別会計歳入歳出決算昭和三十九年  度国税収納金整理資金受払計算書昭和三十九  年度政府関係機関決算書(第五十一回国会内閣  提出) ○昭和三十九年度国有財産増減及び現在額総計算  書(第五十一回国会内閣提出) ○昭和三十九年度国有財産無償貸付状況計算書  (第五十一回国会内閣提出)     —————————————
  2. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  これより昭和三十九年度決算外二件を議題といたします。本日は大蔵省日本専売公社及び国民金融公庫決算について審査を行ないます。  この際おはかりいたします。当委員会提出されておりまする大蔵省日本専売公社及び国民金融公庫決算概要につきましては、口頭報告を省略し、これを本日の会議録末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  4. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) なお、会計検査院検査報告についても、報告を省略し、後日文書をもって提出願うことといたし、これらの報告につきましても本日の会議録末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 御異議ないと認めさよう決定いたします。     —————————————
  6. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) これより質疑に入ります。  質疑のおありの方は順次御発言願います。
  7. 二宮文造

    二宮文造君 本日は大蔵省所管案件につきまして決算委員会審査を始めるわけでございますが、その前に、いま非常に問題になっております田中彰治代議士逮捕事件につきまして、私どもとして一言ここで触れておかなければならないような時点にあると思うわけでございます。同僚委員の方の御了解もいただきまして、その件に触れさせていただきたいと思うわけですが、なぜかと申しますと、虎の門の公園あと地払い下げにからみまして、関係者であるところの小佐野賢治氏に対して、参議院決算委員会における会議録を示して、それはすなわち、伝えられるところによりますと、昨年の五月七日付の私の質疑の部分であると承知しておりますが、それを示して、参議院決算委員会でも問題になっておる、衆議院でも取り上げるぞと、そういうふうなことばを弄して、いわゆる事件を構成してしまったということが伝えられております。こういうことは国会権威を失墜するものであり、あるいは決算委員会の今後のあり方というものについても何らかの形で制肘を加えるような事態も出てまいるかもわかりません。そこで私どもはこの問題を取り上げて検討をしなければならないと思うのですが、そういう意味で、現在検察当局捜査段階になっております、また一部起訴になっておるようでございますが、その事件概要関係者のほうからお伺いしたいと思います。  なお、この際特に法務省の方にお願いをしておきたいことは、本日は大臣政務次官欠席でございます。私のほうの出席要求に対しまして明確な理由を承らないまま本委員会欠席をされたということは、非常に残念に思います。また、問題が問題なだけに、今後このような事態が二度と繰り返されないように、私としても質疑のやり方がやりにくくてしようがないわけでありますし、また国民としてもいま一番大事な問題になっておる、こういう事件に対して法務省のほうから御説明があいまいになるということは、非常に残念だと思います。この点は冒頭に苦言を付しまして、関係者のほうから概要の御説明をいただきたいと思います。
  8. 石原一彦

    説明員石原一彦君) ただいま二宮委員から御質問のうち事件概要という点でございますが、いわゆる田中彰治事件につきましては、去る八月二十六日東京地方検察庁検察官から東京地方裁判所に対し公判請求をいたしました。その氏名は、田中彰治に対しまして恐喝詐欺背任事件であります。それからその子供であります田中彰に対しまして恐喝、並びにその田中彰治秘書役をつとめていたという菅谷恒進に対しまして恐喝、及び田中稔堀川正雄志和池孝介に対して偽証という事件でごごいます。  まず第一に、田中彰治田中彰菅谷恒進に対する恐喝公訴事実の概要でございますが、それは、被告人田中彰治は、国際興業株式会社会長日本電建株式会社代表取締役小佐野賢治から手形割引による融資を受けていたが、右の約束手形計四通、金額合計一億円になりますが、その決済が不能の見通しになりまして、小佐野決済延期方を依頼いたしましたが、承諾を得られなかったということから、小佐野がいわゆる旧虎の門公園あと国有地払い下げを受けたことなどが、参議院決算委員会において論議されていたのに乗じて、小佐野が関与した一連国有地払い下げ等につきまして不正があるとして脅迫し、右手形決済延期を承諾させようと企てまして、昭和四十年七月二十日過ぎころ、東京都中央区にあります国際興業株式会社におきまして、先ほど申し上げました小佐野に対して、前記旧虎の門公園あと国有地払い下げ問題に関する質疑を記載した昭和四十年五月七日付参議院決算委員会速記録を示し、自分決算委員でやる気でやればどんなことでもできる、自分考えで虎の門払い下げ問題を押えることもできるから、自分の言うとおりにすれば損はないという趣旨のことを申し向けて脅迫し、次いで小佐野との右交渉方被告人田中彰菅谷恒進に命じました。そこで、この田中彰治田中彰菅谷恒進が共謀いたしまして、ここで共謀ができました。同年七月二十七日ころ、右の会社におきまして、小佐野に対し、旧虎の門公園あと等国有地払い下げ国際興業株式会社関係して不正を働いていることが判明しているから、もし手形の書きかえに応じなければ、これらの不正を公にするという趣旨のことを言いまして脅迫し、前記手形の書きかえを要求し、小佐野が右の要求に応じなければ、その国有地払い下げ問題等衆議院決算委員会で取り上げられ、払い下げ契約の解除等不利な事態を招き、一方これが一般に公表されますれば、国際興業株式会社及び日本電建株式会社等信用を傷つけ、営業に支障を来たすおそれあるものと困惑、畏怖させ、よって同月二十九日ごろから八月十日ごろまでの間に右手形を書きかえさせ、さらに小佐野が右のごとく畏怖しているのに乗じまして、前同様融資を受けるため、小佐野交付してあった約束手形合計五通、金額一億四千万円になりますが、それを九月二十日ころから同月二十七日ころまでの間に順次書きかえさせまして、これらの約束手形合計九通の割引により融資を受けた合計二億四千万円の返済期日延期させ、もって財産上不法の利益を得たというのが恐喝事件であります。  次は、田中彰治個人事件でございまして、背任詐欺の点でございます。
  9. 二宮文造

    二宮文造君 ちょっと途中ですが、時間の関係で、大臣出席時間がありますから、あと概略……。
  10. 石原一彦

    説明員石原一彦君) 背任事件と、次に申し上げます詐欺事件は、大体同じように行なわれた点でございますが、いま申し上げましたような小佐野から融資を受けておる金額が一億五千万円になりました。さらに融資を受けたいというために、自分が他人から提供を受けておりました土地担保に供したのであります。そのために、小佐野に対しまして、所有権保存登記済証、あるはい関係者白紙委任状印鑑証明書等小佐野に引き渡しておきましたが、小佐野がまだ登記をしていない間に、その分を別途東京温泉株式会社取締役許斐氏利氏に提供をしたという件であります。これが背任になります。  一方、ただいま申し上げました許斐氏利氏に対しましては、先ほど申し上げましたように、小佐野に対してすでに担保提供されてあるにもかかわらず、この事情を秘しまして、それを担保として金を貸してくれということを申し向けまして、相手をだまし、東京温泉株式会社常務取締役から借入金名下で現金四千七百七十二万五千円の交付を受けて騙取したという事件詐欺でございます。  次は、いわゆる深谷団地といいますか、日本住宅公団土地に関する詐欺でございまして、被害者大映社長永田雅一氏であります。日本住宅公団から田中土地を譲り受けましたが、その土地につきましては工場の建設を終わるまで所有権を移転してはならないというような特約があったのでございますが、その特約事情等を秘しまして、転売すれば相当もうかるというようなことを申し向けまして、結局大映社長永田氏のところから金額合計一億円になります小切手二通と約束手形三通を受けたという事件であります。  第二は、これは田中彰治には関係なく、そのほかの先ほど申し上げました偽証でございますが、いわゆる新聞等で言っております世田ケ谷の岡本町の土地の件につきまして偽証したという事件であります。  それからなお、八月二十九日に田中彰治を、いまの事件で起訴されて拘留中ではありますが、別に逮捕いたしました。その事実は、偽証とそれから偽証教唆詐欺未遂とそれから恐喝であります。これは簡単に申し上げますと、偽証事件につきましては、いわゆる大阪拘置所土地問題と称する事件でございます。上野浩という者が恐喝未遂で起訴されておりますが、それに田中彰治関係したのでありますが、その公判におきまして、その関係がないという旨の偽証をしたという事件であります。  それから二番目の偽証教唆詐欺未遂事件は、先ほど申し上げました田中稔堀川志和池偽証事件につきまして、田中彰治偽証教唆をした。それから詐欺、これはその土地自分でとろうとした点がありましたが、判決で請求棄却になりましたので、詐欺未遂に終わったという事件であります。  最後の恐喝事件は、いわゆる丸善石油事件と称するものでございます。丸善石油がほかに売った土地を、これは自分が前から売却のあっせん方を頼まれていたんだといういわば言いがかりをつけまして、自分に安く売れと言って、それに要求に応じなければ、また問題とするぞということで小切手三千万円の交付を受けたという恐喝事件であります。  以上の点がいわゆる田中彰治事件の大体の概略でございます。
  11. 二宮文造

    二宮文造君 概要を承わりまして、私が心配しておりましたように、公訴事実の中にいわゆる会議録を示して云々ということがただいま出てまいりました。この事件契機にいたしまして、私どもが昨年以来非常に心配しておりますことは、あるいは吹原事件といい、あるいは大橋事件といい、森脇事件といい、一連政財界に連なる黒い霧というものが国民の脳裏の中に非常に深く焼きつけられております。そのところへこういうふうな事件が発生いたしまして、冒頭にもすでに述べましたように、国会審議あり方とかあるいは国政調査権捜査権の競合とかという問題が出てまいりました。私ども決算委員の一人として、いまさらこのようなことを云々されるということは非常にふんまんやるかたない。私ども決算委員会においてただしてきた姿勢というものは、あくまでも国民大衆に基盤を置いて、政府の施策がそのまま忠実に行なわれているかどうか、不正が行なわれていないか、あるいは国民利益が害されていないかというような問題に焦点を当てて忠実にやってまいった。ただ不心得の人間がここに出来して、それを契機云々されるということは、言語道断である、こういう見解を持っております。ところが、新聞その他の論調を見てみますと、確かに国会権威は失墜した。ある新聞には、決算委員会権威が失墜したというふうにも言っております。さらに、国有財産の管理問題につきましてこういうふうに言っております。「そこで代議士など有名者のカオがものをいうことになる。これでは国有財産払い下げが利権の対象になることは避けられない。このようにみると、問題は政治あり方政治家モラルにつながっているといえよう。」、こういうふうな論調も見えますし、ある社説には「われわれがこの事件を重視するのは、この種の悪徳政治家を横行させる要因がわが国の政財界に潜在していると思われるからである。現に、両院決算委で追及された国有財産払い下げ問題の背景を見ると、いずれもかなりの政治家が介在している事実は、それを示唆するものにほかなるまい。また、決算委などで問題が取り上げられると、関連産業から巨額の資金政治資金のほか〃あいさつ料〃などの名目で提供されるともいわれるが、これは財界筋の弱味を示すものであり、このような政財界のなれ合いが田中事件を生んだと見てよいのではないか。」、あるいは次の社説には「それをさらにつきつめてみれば、結局は選挙を中心として「政治に金がかかりすぎる」という一事につきる。」、こういうふうな論調をもちまして、ここで政界の姿勢を正してもらいたい、国有財産にからまる黒い霧というものを一挙に晴らしてもらいたいということが、新聞のみならず、国民大衆のあげての望みであります。こういう政治家モラルというものについて国有財産のいわば総元締めである大蔵大臣はどのようにお考えになっておられるか、この点をまずお伺いしたい。
  12. 福田赳夫

    国務大臣福田赳夫君) 国有財産処分管理、これは国民からお預かりしておる財産関係するものでありますので、特に慎重を期さなければならぬ、厳正でなければならない、これは申し上げるまでもないことであります。私ども決算委員会におきましても、国有財産処分管理をめぐりましていろいろ熱心な御意見がありましたことは、私も深く敬意を表しておる次第でございますが、そういう御論議の経過にもかんがみて、またわれわれがみずからとってきた行政あり方等を反省いたしまして、最近においてもろもろ改革措置を講じておるのであります。つまり、まずその払い下げ対象、これを厳正に規制する必要がある。だれにでも国有財産を売り払いしていいのだという筋合いのものでない、こういう考え方に統一いたしまして、国家国民、広く公共のためになる、こういうものでなければならない。また、それがそういう目的を果たすためにいろいろな規制をいたしましても、たとえば転売でありますとか、そういうような形によってその目的が乱される、実現できないということになっても困る、こういうふうに考えまして、払い下げ用途指定を、これを登記面ではっきり示しておく、こういうふうな措置を講じまして、また払い下げの方法につきましては、随意契約を用いる場合が多かったのでございまするが、しかし、最近のこの問題の推移に顧みまして、原則としてこれを競争入札による、この方針を堅持してまいるというたてまえの変更をいたしますとか、その他もろもろ措置をとってまいっておるわけであります。なお、国有財産国家公務員払い下げるというようなケースにつきまして、御指摘が委員会でもありました。そういうことにつきましても、今後は国家公務員にはこれを払い下げを行なわない、こういう方針をとりますとか、もろもろの改正を加えております。お話のように、今日の政治は、政治に対する国民信頼という、これがもう根底をなしておるわけであります。政治中心は、何といっても国会であります。国会の運営が国民信頼をかちとるということでなければならぬ。また、国会と並んで重要な立場にある政府行政、これについても同様であります。政府行政のかじのとり方、これにつきましては、国有財産問題に限らず、今後とも特に厳重に措置してまいりたい、かように考える次第であります。
  13. 二宮文造

    二宮文造君 私が大臣にお伺いしたのは、いわゆる政治家モラルというものについてお伺いをしたわけでありますが、大臣の御答弁は、国有財産払い下げ一般と、一般論で御答弁されましたので、若干私のお伺いしたい意図と違うわけですが、私、昨年来、国有財産払い下げにつきまして、数々の私自身の疑点につきまして政府関係の皆さんの答弁を伺ったわけでございますが、はなはだもって解せない部面がたくさんございます。たとえば、今度の事件につきまして、田中彰治代議士小佐野賢治氏を恐喝をした、こう言われておりますが、私払い下げ契約書からずっと関係書類を調べてまいりましたけれども小佐野賢治という方の名前が出てくるところはございません。なぜそういうふうな小佐野賢治氏に対して恐喝が行なわれるかということをさらに深く検討してまいりますと、国民がいま疑問に思っているのは、その金額が億をこえる金額である。億をこえる金額恐喝が成立するとなるならば、その本体であるところの払い下げに不正があるのではないか、これが国民の解せない第一点であろうかと思います。しかも、証拠書類の上には全然小佐野賢治氏の名前が出てこない。その関係者をなぜ恐喝をしたか、こういう事実について、ある新聞には、「ところが田中代議士は、某政治家を通じ、国際興業会長小佐野氏に手形割引を依頼していたが」云々とここに出ておりますし、さらにある週刊雑誌には、小佐野氏が田中と知り合ったのは自民党の田中角榮幹事長の紹介によるといわれる、こういうふうな、これは国民が全部見ております。そうしますと、私はここでどうしても明らかにしていただかなきやならぬことは、この払い下げが行なわれたのが三十八年の十月の一日の日付である。しかも、巷間三十数億円するこの国有財産が、僅々十二億足らずで払い下げられておる。その当時の大蔵大臣田中角榮氏である。さらに、いま表面上は全然関係がないと申し上げましたけれども、この払い下げを受ける実力者小佐野賢治氏であるということは、これはもう大臣よく御承知のことだと思います。そこで、ここに田中角榮氏と小佐野賢治氏との関係が出てくる。さらに、もう一つ私どもふしぎに思いますのは、その田中角榮氏は、昭和三十六年五月二十六日日本電建代表取締役に就任されておる。三十七年七月十八日大蔵大臣就任と同時に辞任届けが出ておりますが、その田中角榮氏が代表取締役を辞任した日本電建は、現在小佐野賢治氏が代表取締役をやっておる。こういうことは周知の事実になっております。ならば、私ども、こういうふうに一連に結びつけていきますと、再三この委員会の席上でも私問題にいたしましたけれども、この払い下げが誤っていたのではないか——これは時間がありませんので説明は抜きにいたしますが、大臣はその経緯はよく御承知だと思います。この際大蔵省としては、当然、事件の発端になった問題でもあり、その払い下げについて国民の間にとやかく言われるような問題が解決されないでいるということは、田中角榮自身信用にも問題がある。与党の幹事長でもあり、この際この払い下げの問題について大蔵省見解を私ははっきりしていただきたいと思うのですが、いかがでしょう。
  14. 福田赳夫

    国務大臣福田赳夫君) 私は、この虎の門の売り払いの問題につきましては、当委員会におきましても先般議論があった、そういうのに関連いたしまして、事務当局によって調べさせて、私が得た感じでは、これは適正にこの処置は行なわれている、結論的に言うとそうでございます。つまり、これは裁判事件になっておりまして、その裁判所の和解を基礎にいたしまして、この和解の結果として払い下げが行なわれた、そういうことでございますので、役所の払い下げ行為といたしましてはこれは適正なものである、そういうふうに私は理解しており、また大蔵省の統一した見解としてもそういうふうに考えておるわけであります。(「全然聞こえない」「委員長、注意してください」と呼ぶ者あり)
  15. 二宮文造

    二宮文造君 同僚委員の方から聞こえないということで、大臣もお疲れでございますが、少し大きな声で御答弁願いたいと思います。  事務手続としては適正である。ならば、適正であるものがなぜ恐喝の手段に弄せられるかという疑問には、大臣は御答弁もありませんし、これはひとつ裁判段階で明らかになってくると思いますので、私はあえてこの問題を深く追及いたしませんが、当然そこには問題が出てくる。たとえば会社吸収合併ということにも問題があります。これはどうしても、公判段階ではっきりなってくると思いますので、その時点にまた問題にしたいと思いますが、同じように、今度は、やはりこれも大橋事件関係してくる問題でございますし、今度の場合にも私会議録に載せておりますので、また悪用されちゃかないませんのではっきりしておきたいのですが、光明池の団地につきまして、日本住宅公団興亜建設から百三町歩余りを買ったことになっております。これはもう事実は明らかにされておりますから、あえてちょうちょうといたしませんが、神港建設株式会社が購入をし、それが日本電建に移り、東洋棉花に移り、興亜建設に移り、東洋棉花に返り、興亜建設に移って、日本住宅公団に売却された。その時点考えてみますと、日本電建昭和三十六年八月二十二日から三十八年四月一日まで所有権登記しております。東洋棉花が三十八年四月一日に売買を受けまして、興亜建設がその一カ月後の三十八年五月一日に売買を受けました。さらに五月の十五日にそれがまた東洋棉花に返りまして、同じ日に興亜建設にまた売られたことになっております。そうして二日後の五月の十七日に日本住宅公団に売られております。で、伝えられるところによりますと、坪四、五百円のものが公団に売却されたときには四千百円にふくれ上がっておる。この場合にも、私は非常に疑問に思いますのは、昭和三十八年に購入しておきながら、住宅公団は今日に至るまでその開発には全然手がつかない。水利の問題、総合開発の問題でなかなか至難な土地でございますので、開発に手をつけることができない。これは国費の重大な乱費でありますし、ましてそれが五百円で買われたものが転々としておる間に四千百円で政府機関に買い上げられていったということになりますと、これはたいへんな問題になってまいります。しかもこの場合にも、やはり三十六年の八月二十二日と申しますと、先ほど申し上げましたように、田中角榮氏が日本電建代表取締役に就任しましたのが三十六年の五月二十六日です、それ以後に土地を買った。そうして公団が三十八年の五月十七日に買ったとしますと、そのときの大蔵大臣田中角榮氏、こうなってきますと、やはり私は、ここで国民は、日本電建なるものの代表取締役と、それから時の権力者である大蔵大臣、それが売った者と買った者——買った者といっても大蔵大臣は買ったわけじゃありませんが、国費の、いわば予算執行の総元締めである大蔵大臣がここに関連をしてくるということについては、私は国民は納得できないものがある。しかも、この事件につきましては、贈収賄事件関係者二名で発生をしております。しかし、それはただ単に仲介業者とそれから公団の一部の関係者だけの問題になっておりまして、その経緯というものは明確にされておりません。したがって、住宅公団のこういうふうな用地買収のし方について、予算執行のいわば総元締めであるところの大蔵大臣はどうお考えになりますか、お伺いしたい。現に二年前に買って開発に手がつけられない、いつつけられるかわからないというような執行のし方についてお伺いしたいし、また大蔵大臣自分関係する会社が買った土地云々ということになってくると、どうもやはりモラルの問題が出てまいると思いますが、それについてもお伺いしたい。
  16. 福田赳夫

    国務大臣福田赳夫君) 住宅公団に限りませんが、政府機関が土地を取得する、その土地がその所期の用途に長い間使われずに放置されているということはまことに異例なことで、もしそういうことがありますれば、まことに遺憾なことだと思います。政府各機関においては的確にその用途に供用するという計画を策定いたしまして、その計画の行なわれるような土地の買収をしなきゃならぬ、そういうふうに考えます。  また第二のお尋ねの政治モラルという問題でございまするが、これは田中大蔵大臣関係した会社から公団土地を買い入れたということに関連いたしますが、たまたまそういうようなケースも場合によってはあり得ることは、これはまあやむを得ないことじゃないかと思いますが、しかし問題は、その背景がどういう形になっておるかということだろうと思います。私は二宮さんが御指摘のような背景というものがあるというふうには想像万々いたしませんが、もしそういうような背景のもとに行なわれるということでありますれば、これは政治モラルとしてほんとうに気をつけなければならぬ問題だと、こういうふうに考えます。ただその現実の問題は、私はそういう背景から行なわれた売買ではない、こういうふうに確信をいたしておるわけであります。
  17. 二宮文造

    二宮文造君 非常に当たりさわりのない御答弁でございますが、そういう背景に行なわれたものでないということでございますけれども日本電建が三十六年八月二十二日から三十八年四月一日まで一この間を所有しているわけです。そうしてこの間に公団としては用地買収の交渉をしているわけです。そうして、日本電建からすんなり日本住宅公団に売られたものなら、またそこに問題も若干、私どもが憶測する段階ではないと思いますが、三十八年の四月の一日に東洋棉花、五月の一日に興亜建設、十五日にはまた東洋棉花に返って、興亜建設に行って、十七日住宅公団——なぜこのように、登記料だけでも私はたいへんだと思う。登録料だけでも私はたいへんだと思う。なぜこういうことを、前もって下交渉があって買う買わないの裁断を下す段階になっている物件に対して、なぜこのようにくるくる回さなければならないかという問題が出てくるわけです。私はこのことについても、おそらく、大橋事件が問題になっておりますから、賢明な検察当局においては事実を探知されており、これもまた大橋事件ないしは田中事件公判段階で明らかになってまいると思いますが、あえて深追いはいたしませんが、さらに私は会議録の問題についてお伺いを進めていきたい。  約束の時間がございませんので、二件一緒に申し上げたいのですが、やはりこれも政治家モラルということになってまいりますが、自民党の中野四郎氏が戦後二十年にわたって陸軍経理学校のあと地を占有されてきた、しかもその名義は、かつては財団法人同胞援護会東京都支部牛込支会という名前を使い、また最近に至っては社会福祉法人同胞援護会東京都支部牛込支会という名前を使っておりますが、これは全然ない、同胞援護会にも関係がない、同胞援護会が迷惑している、こう言っております。政治家国有財産の占有にあたりまして、こういう架空な名義を使って、そうして大蔵省の普通財産であるところのこのあと地を占有してきたこと、しかも伺ったところによりますると、国はまだ返還を受けていない。昨年問題にしてもうすでに一年になりますのに、なぜこういう問題の返還を受けないか、なぜ早く問題の処理をしないか。またこの場合、そういう何か名称の詐称ですね、財団法人同胞援護会、社会福祉法人同胞援護会のまぎらわしい名称を詐称してきたということは、一体、どういうふうにこれは取り扱うべき問題であるか、大蔵省として。法務省のほうは聞いておいていただくだけでけっこうです。  さらにもう一件、同じような問題でありますが、碑文谷のやはり国有財産払い下げにつきまして、これは参議院の自民党の山下春江氏が理事長をしております日本ベル福祉協会、これが現在これを管理しておりますが、この件につきましても、私は九千余万円の違約金を請求しておりまして、訴訟に持ち込んでおりますが、しかし、これも調べてみますと、国が相手にするのは単に楽石社に過ぎない。ところが、現に国有財産ないしはその上に建てられた建物を管理しておりますのは、日本ベル福祉協会であり、丸紅飯田である。そういうところには国の訴追は及ばないという大蔵大臣答弁でございますが、しかし、これは昨年の国有財産に関する小委員会の問題のときに、社会党の瀬谷英行氏の質問に対しまして、大蔵省関係であるところの一課長の方は、楽石社と日本ベル福祉協会との間に、これは転売にさせないために、大蔵省に日本ベル福祉協会が責任をもって交渉する、こういうやりとりが楽石社との間にあった。ついせんだってまでは大蔵省答弁は、日本ベル福祉協会なり丸紅飯田は善意の第三者である、善意の第三者にはその訴追は及ばない、こういう言い方でありますが、楽石社と日本ベル福祉協会との間にはそのやりとりがあって、日本べル福祉協会は転売してはならないと契約書に載っているのを転売を受けた、情を知って受けたということがここではっきりしてまいります。ならば、今回の国の訴訟提起にしましても、その訴訟損害違約金の請求額を保全するためにやはり日本ベル福祉協会ないしは丸紅飯田のその財産に対しても手を伸ばすべきであると私どもは思うわけです。これを再三大蔵省当局に迫ったわけですが、善意の第三者ということでのがれられております。こういう事実が明らかになってまいりました場合、大蔵省としてはどう措置されるか。特にこれは同僚の参議院に籍を置かれております山下春江氏、非常に私は憶測をされると迷惑されると思うのです。その点について、この二件について大蔵大臣答弁をお伺いしたい。
  18. 福田赳夫

    国務大臣福田赳夫君) 市ケ谷の元陸軍経理学校のあとの建物の問題につきましては、近く国において返還を受けることに相なっております。ごくこれは最近実行することになると、かように御承知願いたいのであります。  また、名義詐称というようなお話でありまするが、中野四郎氏が理事長をやっておる団体は、私名前を忘れましたが、もとは同胞援護会の下部機構であったわけです。それが戦後におきまして独立をいたしまして、今日のような形になってきておるわけであります。詐称というような関係ではないように承知をいたしております。  次にベルでございますが、この問題につきましては、これもいろいろと御指摘を受けておりますので、その取り扱いを適正に行なうということでずっと今日までやってきておりますが、最近の経過につきましては私まだ報告を受けておりません。ちょうど国有財産局長が来ておりますので、必要がありますれば局長のほうから答弁をさしていただきたいと思います。かように存じます。
  19. 二宮文造

    二宮文造君 いま大臣重大な答弁をされたのを、私もう一ぺん再確認しておきたいと思う。中野四郎氏のいわゆる財団法人同胞援護会東京都支部牛込支会というのは同胞援護会の下部機構である、それが戦後独立をした、こういうふうな大臣の御答弁でございましたけれども、これは事実をもって御証明願いたい。といいますのは、少なくとも財団法人同胞援護会東京都支部——私が確認したところによりますと、東京都支部までは確かに同胞援護会の下部機構です。しかし、牛込支会なるものはない。同胞援護会が断言をしております。  それからもう一つ、戦後独立をされたと大蔵大臣はおっしゃっておりますが、もし独立をしたならば、社会福祉法人同胞援護会東京都支部牛込支会という名前で社会福祉法人を登録されておりますかどうか、東京都知事の認可を受けておりますかどうか。社会福祉法人という名義は、これは認可がなければ使えないことになっております。これは東京都知事の認可もありませんし、厚生省にも登録してございません。これ大臣、もしも私が指摘したとおりであれば、そこに名称の詐称が出てまいりますか、これを確認したい。
  20. 松永勇

    説明員(松永勇君) ただいまの点は、実は相当技術的な点になりますので、私からかわって御説明いたします。  この件につきましては、昨年来二宮先生の御質問で御答弁をいたしましたとおり、ただ私のほうもその当時調査いたしまして、この委員会において明らかになっておりますように、戦時中にあった同胞援護会というものにはもちろん法人格があった。その後、戦後の状態でそういうものが各県単位にあったものが解散されて、牛込分会というものもそれと離れたいわば法人格はないものになっておることは、この前からも説明いたしたとおりでございます。それが詐称という問題になるかならないか、この辺は、昨年の決算委員会でも申し上げましたように、一つの人格なき社団としての牛込分会というものが従前の仕事を引き続いて行なうということから、その代表者としての中野四郎氏というものに貸してあったということは申し上げたとおりでございまして、先ほど大臣が申し上げました経過につきましては、そういう人格はないんだという点を申し上げたわけでございます。
  21. 二宮文造

    二宮文造君 時間が私ありません。ですから、局長と応待をしておりますと、また右のものが左へ行って、まん中に行って、右に行って、結局どこへ行ったかわからなくなりますから、私はこれは法務省見解として、きょうは民事局長がお見えになっておりませんから、また会議録でも見ていずれか見解を明らかにしていただきたいと思いますけれども、その権利なき社団、法人格なき社団というものがこの世に存在するかどうか、しかもそれが国の財産を占有する人格になるかどうか、これは私は衆目の見るところ一致する問題、落ちつくところは同じだと、こう思います。したがって、この問題につきましても、私はやはり政治家モラルというものは残ってまいると思う。  それから、先ほどの日本ベル福祉協会が、事情を知りながら転売を受けた、そしてわれ関せずとしていまのうのうとしておるということは私は問題であろうと、しかもこれには三千万円も国の補助金がついております。国有財産の転売してはならないというものの転売は受けるわ、国から、その地位を使ったかどうかは知りませんが、三千万円の補助金は受けるわ、建てた建物はマンションで分譲されてしまうわ、またろうあの教育施設というもの、矯正施設をつくったとはいいながら、その一回の使用料を八百円ないし千百円も払って一般のろうあの子供を持っていらっしゃる家庭の方が利用できるかどうか、こんなふざけた問題は私はない。したがってこの問題についてもベル福祉協会の運営という問題について、さらに大蔵省としてはタッチをされ、そして払い下げにからむ不正というものが情を知りながら払い下げを、転売を受けたということについて、もっと明確に判断をして国の九千余万円にわたる委託金の保全に当たっていただきたいと思います。  最後にもう一つだけ、私これも会議録に触れておりますし、今後問題になってまいりますので、これはまだ払い下げをされておりませんが、大蔵大臣はよく御承知のことでありますから、はっきりこの際しておきたいと思うわけです。といいますのは高輪の問題でございます。高輪御殿に関する問題でございますが、これはまだ払い下げをされておりません。しかし財産局長の話しによりますというと、京浜急行に警備委託をしておる。なぜそういう事件になったかというので、私は新聞の記事をここで引用いたします。まず関係者であるところの東久邇氏はこのように語っております。「京浜急行がバスのターミナルに使用するから譲ってくれと大蔵省の役人をつれて見えたので、公共事業に使うのなら、喜んで譲りましょうと明け渡したわけです。いま住んでいる家は京浜急行の所有地で、家賃を支払っていますが、逆に毎月の生活費を京浜急行がくれるのでかえっていまのほうが気が楽で大きな土地なんか持っていないほうがややこしい問題に巻き込まれる心配がなく、楽だという気持ですね。京浜急行からの金は生活費には少し多すぎるので、少しずつ貯金するようにしています。国会であの土地がまた問題になっているようですが、私はもう関係ありません。」、こういうお話しをされております。さらに、いわばこの事件にからんで中央労働福祉センターが岩崎邸の払い下げを受けたことに関連をするのですが、それに重大な関係がある中央労働福祉センターの常務理事と言われる間宮重一郎氏は、「七千万円を京浜急行から受け取ったのは事実だが、あれはあくまで寄付という名目だった。たしかにその寄付金の一部で会合を開いているが、その席がどういう顔ぶれであったかは、いえない。いずれにしろ七千万円の使途はあくまで〃労働福祉センター〃をつくるさいの政治家への働きかけなどの工作費である」、こういうふうに断言をして、七千万円の授受があったということを、この新聞によりますと認めているようであります。私、宮内庁に対しても、この高輪御殿に東久邇氏が地上権はあるか、借家権はあるか、何かそういう権利を主張されるものがあるかと求めますと、全然ないということです。大蔵省もない。ならば、そういう地上権も地下権も借家権も何にも認められないところのこの東久邇氏が多額の金を受ける。また東久邇氏と契約をしておった中央労働福祉センターが京浜急行に肩代わりをされたというので七千万円という金を受ける、こういうことがはたして許されていいものかどうか。問題は国の財産にはたれも手をつけてはならない。たれも権利を主張できない。にもかかわらず、国有財産審議会で払い下げが適当であろうと、こう答申をされております京浜急行が国に対してではなくて、関係者に対して多額の金を寄付なりあるいは生活費なりの名目で贈っておるところに、私は多分に問題が出てこないか。これはなくなった方も、なくなった政治家関係者として名前が出てまいります。さらには元大蔵大臣名前も出てまいります。したがって、国民は注視をしておりますので、こういう問題につきましても、これは確かに小型の田中彰治事件でないかと思います。私はこれが会議録が悪用されることを懸念いたしまして、昨年来問題にしてまいりました国有財産について、残った疑点についていまずっと網羅したわけでございますが、この高輪御殿に対して京浜急行がこういうふうな金を支払っているということについて、これから払い下げをすべき当面の責任者である大蔵大臣の御見解を承って、午前の部は私はこれで終わりにしておきたいと思います。
  22. 福田赳夫

    国務大臣福田赳夫君) 高輪の東久邇さんのお住まいであられた土地、この国有地払い下げの話が数年前から出ておりまして、いろいろのことは聞いております。聞いておりますが、まだ大蔵省としては正式にその方針をきめたわけでもなく、またこれを正式の機関におはかりをしておるという段階までになってきておらないのでございます。そういうふうにひとつ御了承願いたいのでありますが、いずれにいたしましても、これは御指摘のように大事な国有財産の処分の問題でありますので、私といたしましては、これが国有財産処分の基本方計と照らして適正に行なわれるように、これだけはぜひ貫いてまいりたい。まだ処分するともしないとも方針はきめてはおりませんけれども、処分をするにいたしましても、どこから見ても、国民のだれから見てもこれは適正なやり方であるという方向で解決をつけたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
  23. 二宮文造

    二宮文造君 答弁が漏れております。そういう国有地に対して京浜急行が、この話によれば多額の金を、すでに元の関係者に多額の金を払っているということを、これから払い下げを進めていかれる大蔵大臣としてはどう受け取られるか、これに対しては答弁がなかったように思います。
  24. 福田赳夫

    国務大臣福田赳夫君) 京浜急行がこの払い下げのいきさつの過程におきまして、何か関係者に金を払っておるというようなことは聞いておりますが、これは京浜急行がどういう意図をもってどうやっておるか、私としてもまだはっきりしたことをつかんでおりません。
  25. 二宮文造

    二宮文造君 もう一つだけ。警備委託——京浜急行の警備委託はいま取り消しなさったほうが、そういう国民の誤解を招かないでいいと思うのですが、警備委託はこのままお続けになりますか。
  26. 松永勇

    説明員(松永勇君) 警備依頼につきましては、この前当委員会二宮先生のおことばに御答弁申し上げました。これはあそこに物理的に現在あき家になりあき地になっている土地があるということで、これを管理する、普通財産を管理する関東財務局として、策理の手段として使っているということでございます。その警備依頼の経費も支払っているということも申し上げました。しかし、これは私たちとしてはただ物理的な管理の方法として使っているというふうに考えておりますが、二宮先生のおっしゃるような、そこに何か非常に奥深いものがあるとかというような非常に疑惑を受けるというような事実があるとすれば、私たちもそれは本旨ではないという観点から、十分検討いたしたいと思います。
  27. 竹田現照

    ○竹田現照君 実は二宮さんの質問にも関連いたしますけれども大蔵大臣に重ねてお伺いをいたしますが、昨年以来この委員会で問題になっております虎の門公園あるいは中央競馬会あるいは碑文谷マンションのこれらの問題が、それぞれの内容は異なっておりますけれども、いずれも売り払い国有地の買い受け人以外の第三者の所有に移っているという点は、共通しているわけです。そして、またこういう点が利権問題をはらむ疑惑が生じているわけであります。そこで大臣、先ほど事務的にお答えがあったわけでありますけれども、この売り払いの際の用途指定を厳重にするというようなこういうことは、ただ単に事務的な対策ではなくて、これは政治的な圧力の加わらないということを考慮する、こういうことは政治姿勢を正して、国民の疑惑を解くというために、政府が強い決意を持って対処していかなければならぬ、こう思うのであります。そういう点について、大蔵大臣はどのようにお考えになっておられるか、最初にお聞きしたい。
  28. 福田赳夫

    国務大臣福田赳夫君) 国有財産払い下げにあたりまして特に考えなければならぬことは、国有財産国家公共の常に利益のために、払い下げられたその実をあげなければならぬ、そういうふうに思うわけであります。そういう見地から、用途指定が曲げられることなくその実をあげ得るような法的措置を講じていかなければならぬ、こういうふうな見地から用途指定登記面にそれをはっきりさせる、こういうことを実行するわけでありますが、しかし御指摘のように、これは制度を幾らつくったって、それだけで十分というわけではございません。大蔵省といたしましては、国有財産の今日までの処分の推移に顧みまして、特に厳正を期して、いやしくも今後御批判を受けることのないように十分対処してまいりたい、こういう方針であります。
  29. 竹田現照

    ○竹田現照君 いまの大臣答弁でさらに十分政府内部において対処していただきたいと思うのでありますが、私は時間がありませんから、脱税の問題に焦点をしぼって御質問をいたしたいのでありますが、昨年森脇事件が出まして、大口脱税事件が明るみに出た際、当委員会でもこれは問題になりまして、その際、国税当局は、二度とこうした事件が起きないように一そうの改善をはかりたいとお答えになっているわけです。それにもかかわらず、今回の事件が並行して、田中代議士に関連をする問題として出てきました。これは私は全く森脇事件の繰り返しで、国税当局の無力といいますか、権力者による有形無形の政治的圧力が存在するという疑惑を一そう深くしたものだと、こう言えるわけであります。そういうふうに私は考えますけれども、これに対して大蔵大臣はどういうふうにお考えになり、どのような対策をなさろうとするお考えなのか、お伺いをいたしたい。
  30. 福田赳夫

    国務大臣福田赳夫君) 先般、森脇氏の脱税事件に関連をいたしまして、ああいうことが再びあってはいかぬ、こういう方針のもとに国税庁では特別管理班を編成いたしまして、特に大口の脱税防止対策を強化してまいってきておるのであります。今度問題になりました田中彰治氏の件につきましても、この特別管理班で内々目をつけまして、内偵中であったわけであります。その過程でこういう刑事事件が出てきている、こういうことでございます。まことに遺憾なことでございますが、森脇事件田中事件、こういうことが再び起こらないように、今後といえども特別管理班を大いに活用いたしまして、税の適正な執行を期してまいりたい、こういう方針であります。
  31. 竹田現照

    ○竹田現照君 大臣のお答えは、お答えではありますが、今回の田中代議士の逮捕も新聞の報ずるところによりますると、すでに通常国会か延長国会あたりに、すでに総理あるいは法務大臣は大体逮捕を了承しておったというようなことも報じているわけであります。そうすると、森脇事件でもそうでありますが、今回でも同様、政治家の介在する脱税事件というのは、こういった刑事事件検察当局によってあげられない限り明るみに出ない、こういうことは私はもう国民は絶対に納得しないし、この点は明確にすべきだと思う。政治家の介在するものは全くこういうような別の案件で逮捕する、それに追っかけてこういう問題が出てくる、こういうようなことはどうしても納得がいかない。いま大臣のお答えのように、田中代議士の脱税のことは内々内偵中だ、たまたまこういう事件が出た。しかし逮捕されてからものの五日もたたないうちに、しかも昭和三十三年以降の問題が、脱税の問題が出ているわけです。こういったことは、私はやはり税務当局がとりわけ政府与党の政治家の問題、政治家に対してはきわめて弱いというか、圧力に屈しているというか、こういうような問題は、もう少し厳正にやっていただかなければならぬと思うわけですけれども、前回の森脇事件に対する国税庁の長官の答弁等もあわせまして、ただ単なる事務的なやりとりじゃなくて、こういう点について政府はどういうふうに対処しようとするか、もう少し明確にお答えをいただきたい。
  32. 福田赳夫

    国務大臣福田赳夫君) 田中事件という刑事事件が起こりまして、そうしてその事件によって脱税事件が明るみに出る、私どもとしてはまことにこれは遺憾千万なことであります。こういうようなことがないように、政治的圧力で税がきまる、これはもうどう見てもわれわれとしては許しがたきことである、こういうふうに考えますので、こういうことのないように、また税に対する公正という信頼を傷つけることのないように、ほんとうに最善を尽くしてまいりたい、かように存じます。
  33. 竹田現照

    ○竹田現照君 こういうような問題が出ますと、国会のやりとりは、そういうようなお答えで大体終始されるのでありますけれども、もう少し私は国民の側に立って素朴にお聞きいたします。たとえば国民が五十万か、百五十万で家を建てた、そうしたらその問題でその金の出どころはどうだということを、これは税務署はなかなか執拗に調べられる。これは確かに税法上にのっとってやられるのだ。ところが百万から百五十万というようなことは問題でないような大きな邸宅等の問題については、これはさっぱりやられておらないと思うのであります。たとえば今度の内閣改造で新しく大臣になられた人の訪問記事が新聞に出ております。ところが、明らかに自分の家だと思われるけれども、何とかかんとか〇〇会社の寮になる、これは会社の寮だからそれを借りておる、こういうことなんでしょうけれども、私はこれは明らかに一つの脱法行為だ、脱税行為だと思う。こういうことについて税務当局は疑問を持たれないのかどうか。再三、国会の話題にもなりましたけれども、たとえば総理大臣以下の所得申告、これは毎年発表になっていろいろと新聞や週刊誌の報ずるところです。しかし一体だれが国民が佐藤総理があれくらいの所得申告だ、あれくらいの収入だと信じておるものがおるのですか。同じ国会議員、片っ方は総理大臣だからかりに給料が高い、十五、六万高いでしょう、しかし十五、六万高いそれだけで、あれだけばかげた——ばかげたと言ってはちょっと失礼ですが、あれだけの生活が、別荘をかまえ、週末は別荘に必ず静養に行くと、ああいった生活がはたしてできるかということについて国民は納得しませんよ、実際に。私自身国会議員としての歳費その他の経済事情の中で、一体与党の首脳部というのは、どういうからくりがあって、ああいうことができるかというのは疑問ですよ。大蔵省は毎年税金のかからない献立を発表して、たいへんもの笑いになっている。私はああいう程度で別荘をかまえ、たいへん豪華な生活ができ——たとえばあれでしょう、与党の代議士は秘書の十人も二十人も雇っている人がいる。こういったところの金の出どころが、どういうふうにやりくりしたら、同じ国会議員の歳費だけでああいうことができるのか、ちょっと教えてもらいたいのだ、ぼくらは。そういうようなことというのは、ただ単に田中代議士の一つの脱税というような問題じゃなくて、二十年間にわたる権力の座にある政府与党の総理、総裁以下のそういうような一つの税に対する問題については、だれ一人国民は納得してない。このことについて税務当局は、一体一ぺんも疑問を持ってこられたことはないのか。責任者としての大蔵大臣あるいは国税庁の長官は、どういうふうに考えておられるんですか。しかも、政界実力者と言われる方々がなくなったときの財産、こういうものもよく新聞や雑誌に出る。みんな億じゃないですか。億という金がですね、年間一千万にならない、五、六百万の国会議員の歳費の申告だけで、死んだらあれだけの財産が残るんですか、全くわからぬです。ですから、私は政府与党だとか、 いわゆる実力者と称するこういう人々の所得の問題について、国税当局あるいは大蔵省として、くさいものにふたじゃなくて、国民の疑惑、このことを解くためにも、今回の田中代議士の問題に限定をして逃げるんじゃなくて、もう少し厳正な態度を示していただきたい。この点について当局の見解方を明確にしていただきたいと思います。
  34. 福田赳夫

    国務大臣福田赳夫君) 税は公正でなければならぬわけであります。したがいまして、政治家だからといって特別の手心を加える、これは断じてあってはならぬことだと思います。そういう方針で今後も税の執行に適正を期してまいりたいと、こういうふうに考えます。まあ具体的なやり方、そういうものにつきましては、これからもいろいろと頭をひねってやっていきたいと、そのようなふうに考えます。
  35. 竹田現照

    ○竹田現照君 大臣のそういう事務的なお答えでなくて、それじゃ実際の——国税庁長官、お見えですね。田中さんが国会議員の歳費だけの所得申告であって、三千万も四千万もする競馬ウマを何十頭も持ち、外国にまで牧場を持っているということについて、いままで大体あれですか、所得に疑いがなかったんですか。五、六百万の収入で一頭三千万もする馬ということが可能なんですか。どういうふうにお考えになっておったんですか。
  36. 泉美之松

    説明員(泉美之松君) 田中彰治氏が議員としての歳費あるいは議員としての歳費以外に相当の収入があるということは、私どもも感知いたしておりました。昭和三十二年分あるいは昭和三十三年分につきましては、申告を慫慂いたしましたが、慫慂に応じられませんでしたので決定をいたしました。同時に三十五年分と三十六年分の所得につきましては、申告慫慂をいたしましたところ、期限後申告を本年三月になさいました。それ以後、三十七年分以降の所得につきましては、私どもといたしまして、先ほど大臣が申し上げました特別管理班におきましてその調査をいたしました。その時効が来年三月十五日になりますので、それまでに十分な調査をいたすべく、鋭意内偵をいたしておったのでございます。したがって、私ども政治家の所得であるから、政治的圧力に屈してそれを放置しておったというものではございません。ただ、何ぶんにも特別管理班が発足いたしましてまだ一年にようやくなろうとする段階でございまして、それまでの間に十分な調査ができなかったことは、はなはだ遺憾に思っております。今後十分徹底した調査を続けてまいりたい、かように考えておるのでございます。
  37. 竹田現照

    ○竹田現照君 いや、そういうお答えで逃げてもだめなんです。去年、おととし分なら別ですよ。昭和三十二年といったら十年前ですよ。十年前の問題について申告を慫慂した、そういうような、その国税当局の姿勢が問題なんですよ。中小企業なんてのは、そんな十年もかんべんしますか、あなた方。去年の分だって、苛斂誅求、取り立てて、ぶっつぶれたり、あるいは自殺するじゃないですか。これは明らかに五、六百万の収入でですよ、先ほどお話しをしたように、一頭何千万もするような馬を持っているということは、天下周知の事実なんです。これは田中さんに限ったことじゃないのだ。こういう馬の持ち主を全部調べ上げてごらんなさい。政治家が介在しているのがずいぶん多いでしょう。私が承知している限り、三千万の馬を持っている人が年間所得二億、三億なんて所得を申告している人なんてないですよ、実際は。一体どこからそういうことができるのですか。そういう打ち出の小づちが、玉手箱のような、こういうのは素朴に考えたっておかしい。ところが冒頭言ったように、百万か、百五十万で家を建てたことについても、預金がどうだ、借金はどこから金を借りたかということについてきびしくやる税務当局が、こういう大きなものをのがしておいてこんなこと言ったって、国民は納得しない。だから、政治家だから圧力には屈しておりませんといま国税庁長官も、大臣もお答えでありますけれども、私はそのお答えだけでは納得がいかない。それでは、田中さんのは内偵中だったというけれども、いつわかったのですか。三十二年からずっと、新聞に報ぜられている問題だけでもいつわかったのか。去年あたりわかったのですか、十年前のやつは。
  38. 泉美之松

    説明員(泉美之松君) 私、日にちを申し上げるのを忘れまして恐縮でございましたが、三十二年分と三十三年分の所得税につきましては、昭和三十六年に決定をいたしております。それから三十五年分と三十六年分につきましては、本年三月に期限後申告が提出されたのであります。したがいまして、それぞれにつきまして調査はいたしておったわけでありまして、われわれといたしましては相当以前から注目はいたしておった方であります。しかし、特別管理班が発足いたしましたのが、昨年のおそくなってでございますので、今日まで三十七年分以降の所得につきましては、その調査が早期にできておらなかったという点は、遺憾に思っているわけでございます。
  39. 竹田現照

    ○竹田現照君 この十年も前のが五年前にわかって、なおかつ今回の刑事事件が明らかでなければ、この問題の決着がつかない、こういうような税の体系には私はなっていないと思うのですね。十年も余裕を持って一般国民には税務当局は一つも臨んでおらないですよ。それじゃね、現職の代議士が、この十年前のやつが五年前、三十六年に確定をした。ところが、いまの新聞で報ずるところを見ると、それでも皆さんのほうは、あれでしょう、拝みます、頼みますというかっこうじゃないのですか。毎日新聞の八月十一日によりますと「政治家に弱い税務署」と書いてある。それでこれによると、お願いに行くというのだな。この申告をしていただきたい。ところが、一般の人にはお願いに行かないのだ。取り立てだ。だから、そういうような姿勢の問題ですよ。ですから、私が冒頭からお伺いをしているように、これは国税庁の長官レベルじゃなくて、やはり私は総理大臣が——こんな事件の起きたときに、政府与党は、総裁としても、総理としても、えりを正さなければならぬ。脱党したからそれで逃げる、こういうのじゃなくて、私は閣議では、総理大臣自分の収入から始まって、もう少し自分姿勢がどうなんだということを明らかにしたほうが、国民は納得すると思うのですよ。それをやらないで、田中のやろう、とんでもないことをやったんだということだけで逃げようとしている、大体その姿勢が私は問題だと思う。それくらいのことを私は閣議で大蔵大臣は明確にやっていただきたいと思う。これを国民の前に明らかにする。そのことが私は政治に対する国民信頼というものを呼び戻せる、政治家に対して国税当局者が弱いのだ、こういうような新聞記事に対して、私は疑惑を晴らすことになるのではないか、そういうような確固たる考え方が大臣としておありですか。この点について、税金の問題について最後にお聞きしたい。
  40. 福田赳夫

    国務大臣福田赳夫君) 税に臨む基本的な態度につきましては、ただいま申し上げたとおりでございますが、竹田委員のお話、私もたいへん傾聴いたしたわけです。私もそれを施政の重要な資料といたしまして、今後税の適正を期してまいりたい、かように考えております。
  41. 竹田現照

    ○竹田現照君 それから、これは大体政治家の介在するものに非常に多いのですけれども、とりわけ補助金の問題ですよ。農林省、お見えになっておりますか。それから農林漁業金融公庫。——この田中代議士が北海道の富川牧野農協なるものをでっち上げまして、草地改良をするということで、農林省は四十年度分で千七百八十四万一千円、これは北海道としての補助金を含めております。道の百五十八万一千円、これも含めて出ておりますけれども、それから農林漁業金融公庫は約一千万近い融資を行なっている、こういうことがいわれておりますが、間違いありませんか。
  42. 太田康二

    説明員(太田康二君) 昭和四十年度の小規模の草地改良事業といたしまして、国費で千六百十六万九千円の補助金を富川牧野農業協同組合に支出したことは間違いございません。
  43. 大澤融

    参考人(大澤融君) 私の公庫の関係では二口ございますが、一つは国際家畜研究所、その後、現在の田中牧場になっておるわけですが、そこへ牧野造成の資金として八千万円。それからもう一つは、いまお話のございました補助事業の残の融資として、富川牧野農業協同組合に千百八十三万円、これも牧野造成のために貸し付けをいたしております。
  44. 竹田現照

    ○竹田現照君 金が出ておることは間違いないわけですから、そこでこれは一つの例が千葉県にもあるようです。それからこれは田中代議士ばかりではありせんが、他の自民党の代議士でもこの種のことをやっておりますから、いずれ私は農林関係の問題のときに明らかにいたしますが、きょうは時間がありませんけれども、十ぱ一からげでこういう問題が出るのは、たとえば戦後の農地解放、あるいは何というのですか、未開発の開拓地、こういう人はそういうものには非常に弱い。金もなければ力もない。そういうところに目をつけてはその近辺を買い込んで、そうして農協の組合員になり込んで、草地改良だとか、やれ牛を飼うとか何とかというような名目で入り込んで、そうして補助金をとっている。こういうのが、私が調べているだけでも二つや三つじゃないのです。ところが地方自治体はこれには非常に弱い。現に北海道でも行なわれているのは……。ところが自治体が答弁するのは法の無知ですと、こういうことです。ところが法の無知じゃない、くさいほどわかっていてやる。そうして既成事実をでっち上げて申請をする、そうして補助金をとるという例が非常に多いのです。きょうはこういうやりとりはいたしませんけれども、そういうことについて私は、農協の看板を掲げれば税金がない、あるいは国からの補助を受けれる、あるいは公庫からの融資も受けれる、そうしてやっておることは、牛を飼うのじゃなくて、馬を飼うのは明らかなんです。この富川牧野農協というのは、日高の突端のほうの田中牧場の分場なんです。たいへんデラックスな厩舎ができ上がっておるようです。だから現地では、牛じゃなくて馬じゃないか、だから競争馬にも補助金を出すのかと言っておるわけです。たまたまこの事件が明るみに出てしまったので、そこまでいかないうちにストップがかかっておりますけれども、もう少しおくれていれば牛が馬に化けていることは明らかです。いま釧路のほうで行なわれておることだって同じことですよ。ある代議士が介在しておる。牛を飼うといいながら、今度は鹿を飼ったり熊を飼ったりしておるわけです。確かに牛も飼ってあるが、こういうふうなばかげたことについて、国の補助金だとか金融公庫の融資というものが行なわれて、しかもそのことは目的外に使われておる。法の無知じゃなくて、法を十分検討して、脱法、法をくぐり抜けて、いかにして所期の目的を達成しようか。だからこれはうそであればあれなんですけれども、ある自民党の派閥に属しておる議員さんの関係するものは、全部一連全国的に同じことをやっておる、そういうようなことまで言われておる。事実私もその派閥を調べて見ますと、大体同じのようなんですね。しかもそれは農林省だとか何とかにきわめて強い力を持っておる。だからそういうようなことについて、もう少し会計検査院を含めて、厳正にそういう隠れみのについて明確な態度をとらない限り、私はこういうような問題というのは、決して田中事件だけで終わらないと思います。ですから補助金のそういうような問題についても、とりわけ私は政府与党の政治家、こういう人の介在する問題については厳重な対処をしていただきたいと思います。ですから、いま私が聞きました富川牧野農協に対する具体的な問題は、きょうは時間がありませんから、どういうようなことになって、どういうふうにして金を出した、そうして現状はどうなっておるかということについて後ほどあらためて機会を得まして、この場でいろいろと論議をいたしたいと思いますから、資料として出していただきたいと思います。  それから最後にお伺いをいたしますが、どうしても捜査段階でありますから、捜査の内容に触れる点もあるかと思いますので、それは避けますが、率直に言って三千万も一億もの金をゆすられたり、おどかされて出して、その被害者が何ら被害届けも出さない。その背景にはそれに何倍もする金をもうけておるのじゃないか、そういう疑問をすなおに受け取るのです。これは田中事件ばかりじゃないのです。いままでいろいろこういうふうに世間を騒がした問題はかなりあるのです。いわゆる政商と称せられる人は、決してこれについて被害届けを出していない、告訴もしていない。ですからこの事件捜査段階の中で、国民がすなおにこういう問題について抱いておる疑問、こういう点については、検察当局は勇気を持って解明をしていただきたい。それでなければ国有財産払い下げる疑惑というものは、国民は一田中彰治代議士に問題をしぼって考えておりません。この問題をめぐっていろいろ問題があるだろうというふうに思っておるわけですから、ぜひそういうふうにしていただきたいし、少なくともこのことについて政府与党が政治的な圧力で問題を田中事件にだけしほり上げて検察当局を拘束をするというようなことのないように、ぜひ私はお願いをいたしたいと思いますし、このことについて、まあきょう刑事課長ですからお答えをいただいてもどうにもなりませんけれども、ぜひこのことだけは検察当局にお願いをして私の質問を終わりたいと思います。
  45. 稲葉誠一

    ○稲葉誠一君 時間の関係がありますから、要点だけびしびし聞き取って、あと藤原さんのほうから関連していただきたいと思います。  田中彰治氏のこの事件に関連して大蔵大臣、閣議でこの問題はどういうふうに話題になってどういうふうに取り上げられたのですか。
  46. 福田赳夫

    国務大臣福田赳夫君) 閣議の話の内容はそのまま公開することは差し控える、こういうことになっておりますが、差しつかえないというか、御趣旨に即応しながらお答え申し上げますが、あの事件がありました直後の閣議におきましては、佐藤総理からこういう事件が発生した、これは田中彰治氏の関係事件であるけれども、しかしこの事件まことに遺憾な事件であるので、閣僚においてもこういう事態にかんがみて綱紀の粛正には特段の努力をするようにという要請がありまして、閣僚全部がこれを了承して、またおそらく閣僚はおのおのの役所に帰りまして、その受け持ちの省の役人に対しまして綱紀の粛正について要請をしておる、こういうふうに考えます。
  47. 稲葉誠一

    ○稲葉誠一君 綱紀の粛正は、これは当然ですけれども、問題がすりかえになってはいけませんから、本来なら総理に出ていただいて聞くのが当然なんですけれども、きょうそういうわけにいきませんからあれですが、総理として、自民党総裁としては、この田中問題をどうするというのですか、一般公務員の綱紀の粛正にすりかえちゃうのですか、それをどうするということを言っているのですか。そういうものは全然ないのですか、話が。国民に対してどういうふうにするのですか、謝罪をするとか何とかいろいろな方法があるでしょうが、そういうことは全然なくて、ただ公務員の綱紀粛正だと、そっちに行ってしまうのですか、それは話がおかしいじゃないですか。
  48. 福田赳夫

    国務大臣福田赳夫君) 公務員の綱紀の粛正にすりかえる、そういう趣旨じゃ全然ないのでございます。しかし田中事件が起こった、これは広く政界の問題として考えるべきである。したがって、閣僚においても一そうこういう機会を契機として綱紀の粛正につとめるべきである、こういうことであります。ですから、その総理の要請に従って各閣僚はおそらく、これは私の想像ですが、おそらく役所に帰りましては総理からこういう発言があった、これはこういう機会にわれわれとしても大いに綱紀の粛正について反省しようじゃないか——これは私はやっておる、こういうふうに思うわけであります。総理としては自由民主党の総裁であり、自由民主党に対しましては、それぞれ党紀の振粛について指示しておるようであります。それから内閣の首班でありますから、首班といたしましてはその内閣に関係した問題、直接関係のある問題じゃございませんですが、この機会に一そう戒心しようじゃないか、こういう発言をしている、これは私は当然の措置である、こういうふうに考えております。
  49. 稲葉誠一

    ○稲葉誠一君 そうすると、閣僚自身もえりを正して戒心しなくちゃいけない、こういうふうなことですか。そうするとその出席の閣僚からは、本件に関連をして出てくる人がいるわけですよね、現在の閣僚の中に。その人が罪を犯しているということを言うのじゃないのですよ、そんなことを言うのじゃありませんけれども、少なくとも関連している人が出てくるわけですね、そういうことについては問題にならなかったわけですか。
  50. 福田赳夫

    国務大臣福田赳夫君) そういうことは問題にその席ではなりませんし、私もそういう関連のある閣僚がおるような話を聞いておりません。
  51. 稲葉誠一

    ○稲葉誠一君 問題はあとにします。  これは法務省当局にお尋ねをするわけですが、今度のこの事件は起訴がされたと、それからいま逮捕されている事件と、こうあるわけですね。それであれですか、いう逮捕されている事件捜査が済めば大体これで終わるんだ、こういうふうな考え方をとっているんですか、そこはどうなんですか。
  52. 石原一彦

    説明員石原一彦君) 現在捜査中でございまして、地検が相当やっておりますので、私どもあまり性急がましいことは聞かないということになっておりますが、相当いろいろなことがございまして、あらわれた事件については、すべて疑惑解消のための捜査は行なう、かよう聞いております。
  53. 稲葉誠一

    ○稲葉誠一君 これは病気だとかいう話がありますけれども、どの程度の病気なんですか。それが勾留に耐えられない病気なんですか、あるいは勾留に耐えられる病気なんですか、勾留に耐えられるから逮捕したんでしょうけれども、どういう病気でどの程度のことなんですか。
  54. 石原一彦

    説明員石原一彦君) ただいまの勾留——病気を理由とする勾留執行停止の申請がございまして、まだ裁判所は決定をいたしておりません。  それから病気の内容でございますが、私そこまで聞いておりませんのでお答えいたしかねますが、最初の逮捕のときにも本人入院中でございましたが、こちらの医者も行きまして診察をいたしまして勾留に耐え得るという診断の結果逮捕して、その後引き続き勾留しておるという段階でございます。
  55. 稲葉誠一

    ○稲葉誠一君 今後この事件としてのこの糾明は、この田中彰治氏がいろいろ受け取った金がありますね。その金がどういうふうに使われたかということの糾明が、相当これは中心点になってくるわけですが、そこはまだ十分できていないのですか。
  56. 石原一彦

    説明員石原一彦君) まだそこまで私ども報告を受けておりません。
  57. 稲葉誠一

    ○稲葉誠一君 どうもその金の使途をめぐっていろいろな人がもらったという話が出てくるわけですね、いろいろな人と言っておきますが、これは私は遠慮する必要はないと思うのですね。徹底的にそういう点はやらなければならぬと思うのです。きょは法務大臣が来ておられませんから、ぼくはこれ以上のことは、きょは聞くのあれしますけれども、いずれにしてもその金を、田中彰治氏がもらった金をどういうふうに使ったかと、だれがもらっているかという点ですね、これは今後の事件の大きなポイントになると思うのですよ。だからこういう点についても十分これは糾明してもらいたいと思う、こういうふうに思います。この点については、これは法務省としてはあれですか、大臣としては検事総長に対してこういうふうなことをやるようにということが言える程度ですか、その点はどういうふうになっておりますか。
  58. 石原一彦

    説明員石原一彦君) まず冒頭の金の点でございますが、使われた金がもし犯罪を構成するものであるとしますれば、当然捜査は行なわれると思います。そうでなくても、かりに生活費その他というようなことでございましても、犯罪の情状あるいは求刑、さらに裁判所の量刑に関係いたしますから、当然その点も捜査が及ぶものと考えております。  それからなお法務大臣と検事総長との関係、いわゆる検察庁法十四条の指揮関係でございますが、もとより事件で相談、あるいは請訓その他のときは、法務大臣が指揮権を発動するという問題があるわけでありますが、本件につきましては請訓事件にもなっておりませんので、地検が独自に捜査いたしまして、その結果を私どもが聞き、それを上司を通じ大臣に御報告申し上げたということでございます。
  59. 稲葉誠一

    ○稲葉誠一君 この大阪拘置所事件というのがいままだ調べ中ですけれども、これに関連して現職のいまの大臣田中彰治氏と一緒に大阪に行っているということ、そこで関係者を呼び出している、列席していろいろ聞いている、こういう事実が伝えられているわけですね。こういう点についてはいまどうなっているのですか。
  60. 石原一彦

    説明員石原一彦君) いわゆる大阪事件の内容につきましては、ただいま逮捕いたしました事件について申し上げる程度でございまして、その内容、特に証拠関係についてはいまだ承っておりません。
  61. 稲葉誠一

    ○稲葉誠一君 現職の大臣が当時決算委員長として、決算委員である田中氏と一緒に大阪に行って、大阪拘置所にからむ事件で延原氏というのを呼び出しておる。これは正式な国政調査で行ったのかどうかわかりません。おそらくそれで行ったと思いますけれども、ある場所に呼び出していろいろ聞いておるようですね。そのとき列席して発言しているとも伝えられているわけでありますから、これは当然ぼくはそのときの事実を明らかにするためにも、これは捜査当局が調べるべき筋合いのものだと、こういうふうに考えるわけです。しかし、これは捜査の内容の問題ですから、国会がこれを調べろ、これを調べろと言うべきものでもなかろうと思いますので、この程度にしておきますが、いずれにいたしましても、もう一人それに出てくるわけですね。政務次官と称する者が出てくる。当時は実際にそうなんですが、それがからんできて、それがまた、どっかの政務次官をやっているわけでしょう。どっかというか、非常に重要な政務次官をやっているわけです。その人がこの事件にからんで出てくるわけです。こういう事実関係というのは、ぼくはやはり、法務大臣がいないのでちょっとあれですけれども、これは九月十日の参議院の法務委員会で法務大臣にもう少しその点を確かめたいと思っているのですけれども、これは当然できるだけそういう点についての事実関係というものを調べなければいけない、こう私は思っているわけです。  それはあれですが、そこで国有財産局長に聞くのですが、これは公式に法務省からもらった起訴状要旨ですが、これは起訴状そのものですか、その点まずお聞きしたいと思います。
  62. 石原一彦

    説明員石原一彦君) 起訴状が何か相当長いそうでございまして、私どもも協議——協議ということもないのですが、見たいと思っているのですが、非常に長いので要旨をつくった次第でございます。
  63. 稲葉誠一

    ○稲葉誠一君 要旨でははっきりわかりませんから……。これは起訴状は公開の法廷で当然朗読されるものですし、それは決算委員会に全文をやはり出してもらわないと事実がはっきりしない、こう思います。それは捜査段階を越えておりますし、公判になってきて、そうして、まだ第一回公判が行なわれない前に、証拠を出すべきだとか、そういうことは国会で言える筋合いのものではないものと思いますが、起訴状の公開も、すでに法廷で公開されているものですから、出してもらいたいと思いますが、新聞に出た起訴状の事実要旨とちょっと違うというか、抜けている点があるのですが、何か虎の門事件と関連をして、田中さんのむすこさんですか、行ったときに、新潟や池袋の土地払い下げにも不正があると言われておる。小佐野という人が国有財産局長と行って云々したということが出ているわけですね。新潟の土地払い下げ事件——鳥屋野というところですが、この事件は一体何ですか。概要だけでいいですよ。
  64. 石原一彦

    説明員石原一彦君) 稲葉委員御指摘のとおり、要旨でございまして、ここにもたしか虎の門等一連事件という関係でございまして、具体的にどういうことを申し受けたかという点も、まさに証拠の内容でございますが、いまの先生のお話と、それから、私ちょっと記憶ございませんが、虎の門等と、こうあるところを見ますと、ほかの分も一緒にまあ申し受けているのではなかろうかというふうにも思えます。いま私どもといたしましては、現在のところ、その点ははっきりいたしておりますん。
  65. 稲葉誠一

    ○稲葉誠一君 国有財産局長はいないのですか。
  66. 石原一彦

    説明員石原一彦君) いま連絡しております。
  67. 福田赳夫

    国務大臣福田赳夫君) お呼び出しがなかったので……。
  68. 稲葉誠一

    ○稲葉誠一君 それで、新潟における鳥屋野の国有地払い下げ事件、これが虎の門事件とからんでくるわけですね。この点について、これはいまでなくてけっこうですが、帰ったというのじゃしょうがないから、次というか、適当な時期までに、払い下げの経過を明らかにしてもらいたい。これがまた田中角榮氏がからんでいるとかからんでいないとかいう話も出ておるわけですからね。田中氏と、何というか国際興業ですか、これと密接な関係がある。これは田中さんの紹介で田中彰治に会ったわけでしょう、小佐野という人が。これは冒頭陳述の中に出てくると言われているのですからね。その関係を明らかにしなければいかぬとぼくは思っております。だから、鳥屋野の払い下げ事件、これはいわゆる国際興業と言えば、これは佐藤派の資金源だということも言われておりますし、そういうことが伝えられているくらいですから、これは明らかにする必要がある。きょうはとてもそこまでいけませんから、別の機会にゆっくりやりますが、いずれにしましても、こういうことになってくるわけです。  そこで、ぼくは時間の関係でできませんから、最後に法務省——法務大臣は、きょうは大蔵大臣いるのですけれども、何か飛車角落ちで調子が出ないわけですね。まあ大蔵大臣が自民党総裁心持ちぐらいで、総理大臣心持ちぐらいで発言してくれれば、いろいろ聞きますけれども、そうはいかぬでしょうから、そこで、委員会の理事会で、この問題はここだけで終わりにしないで、あしたもまたあるそうですけれども、日をきめてこの問題だけで私はやっぱり二日、三日きちんとした形で委員会を開くように理事会で取りまとめていただきたい、こう思うのです。その犯罪の捜査はいま行なわれているけれども、これは法務省、地検の関係でやっているのは、犯罪事実ということに関連をしてしぼっているわけですからね。そうすると、国会が取り扱うべきものは、その国会議員としての品位の問題、権威の問題、綱紀粛正の問題という別な角度から取り扱えば、当然犯罪事実とは関係のないいろいろな問題についても、国民の前に——これはもちろん決算委員会としての限度をしっかり守らなければいけないと思います。これを守っていくことは、これはぼくら良識で守りますが、その限度の中で当然やっていかなきゃならない、これは国民に対する義務だというふうに私は考えますから、これはあとで委員長、理事のほうで、その点についてはしっかりしたものを打ち出してもらいたいと思います。そして、そこにぼくは、やっぱり国民の疑惑を招くために、これは変な意味で、党利党略というような変な形で言うのではなくして、これは純粋な意味から必要があれば、当然現職の大臣であろうと、自由民主党の重要な人物であろうと、あるいは本件に関連をしてくるいわゆる被害者と目されるような人、あるいは関係者の人、民間の人もおられますが、そういうような人などにも来てもらって、そして犯罪捜査関係のない形ですけれども、やはり事実を明らかにして国民の負託にこたえるという、こういう形を当然とっていくべきだと、こういうふうに考えるわけです。いまここでその現職の大臣の喚問を要求するというようなのもどうかと思いますけれども、これはぼくも事実関係をもう少し調べてからにしたいというふうに思いますから、これはいまここでやりません。ですけれども、そういう点については、十分理事会の中ではかっていただきたい、こういうことだけをきょうは申し上げておきます。私のほうの法務委員会としても当然取り上げるべき筋合いのものですけれども、私どものほうは、ここではなかなか時間的の関係もあって、次の開催日ということの関係もあるかもしれませんが、私どものほうの法務委員会のほうでは、少し時間をいただいて、法務大臣なり、総理なり、あるいは官房長官なり、その問題となる現職大臣なりに出席をしていただいて、これは十分に事実関係を明らかにして、そして国民の前に私たちの責任というものを果たしたい、こういうふうに考えます。  きょうは時間の関係もあるし、大臣何か御都合があるそうですから、私の質問は遠慮しまして、この程度にいたしたいと思います。
  69. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  70. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 速記起こして。
  71. 岡三郎

    ○岡三郎君 先ほど大口脱税の問題で森脇事件の問題も出たのですが、その前の問題のときに、私は国税庁長官に、大口脱税を防止するための施策というものをずいぶん聞いたわけです。そのときにいろいろ言われておって、いま言ったような管理班ですか、何ですか、そういうものを設けてやっておると言っても、いまの状況ではなまぬるいわけです。そこで、このなまぬるいことに対して本年度どういうふうに大蔵省としてそういう面の対策を立てているのか、私はそれに合わしてその脱税問題に対する対策の資料というものを、いままでずっとやってきたことをまとめて出してもらいたい。つまり、そのつどつどいろいろ工作して対策を立てた、大蔵省はかくやってきたということをまとめてお出し願いたい。  それからもう一つは、閣議等でいろいろとこの問題について論議されたということを聞いておりますが、われわれも毎年確定申告を課せられておるわけです。で、いまの総理大臣の所得についてはちょっと出ておりますが、国民に対して姿勢を正すという意味において、現在の閣僚、政務次官の人の所得申告の具体的な数字をひとつ出してもらいたい。これははっきりと国民に対してやはり範をもって示すということの一体として、われわれはこういうふうに納税をしておるんだということを天下に明確にして追及しないというと、追及のしかたがおかしくなってしまう。だから、そういう点で、先ほどから言われたように、一田中事件だけでなくして、連鎖的にこの問題は大きな問題を含んでいるので、大臣政務次官のひとっこれは——党というと、それぞれの党がありますから、少なくとも国民に対する指導的な立場に立つ現在の政府の最高首脳部の身のあかしを立てるということになりますか、そういう点を明確にするために、納税申告のひとつ資料を出してもらいたい、これをお願いしたい。
  72. 福田赳夫

    国務大臣福田赳夫君) 二つの資料の御要請がありますが、脱税に対してどういう対策をとりつつあるか、とってきたか、こういうのは資料をもってお答え申し上げます。  それから各閣僚、政務次官の申告の内容を公表せよ、こういうお話でございますが、これは公表しないことになっております。私のほうからこれを公表するということは、これはいたしかねます。ただ、個人が随意に、おれはこうだと発表されること、これはもう随意でございますが、役所で取りまとめてこれを公表するということはいたしておりません。
  73. 岡三郎

    ○岡三郎君 いわゆる大口納税者ですね、いわゆる所得ベストテンとか、いろいろな関係で所得その他発表しておりますね、国税庁は現在まで。そういう点とこれはどういう関係があるのですか。それは承諾得て一々やっているということですか。これは芸能界でも何でも出ていますよ。
  74. 福田赳夫

    国務大臣福田赳夫君) これは申告のというか、決定の所得の額——総額です。総額は、あれは五百万円以上のものでしたか、税務署がこれは掲示するわけであります。それを取りまとめまして、新聞等で納税番付表というようなものをおつくりになっておるのが、お目にとまるやつであります。
  75. 岡三郎

    ○岡三郎君 いま大臣が言ったように、これは五百万円以上ですか、それにどの程度出ておるか、それは出せるわけですね。ひとつ五百万円以上のものはまとめてもらって、との程度になるか一その下はそれ以下になってくるわけですね。出せない——それはそれなりに今度はお伺いすることにして、出せないものを出せと言ってもおかしいから、だから、五百万円以上どの程度申告しているか、ひとつ出してもらいたいと思います。よろしゅうございますね。
  76. 福田赳夫

    国務大臣福田赳夫君) それはお示し申し上げます。
  77. 岩間正男

    ○岩間正男君 時間がないから簡単に一点だけ聞いておきたいのです。  第一に、この問題に対する政府並びに自民党の対決のしかたですね、姿勢ですね、この問題は一体どうなっておるかということがまことに重大な問題であります。大体この問題の本質というのは、これは非常に重大なものを持っておることは、私がくどくど申し上げる必要はない。しかし、特に非常に重大な問題として考えられるのは、不正、腐敗を追及するこの決算委員会のこの審議が、逆に汚職に利用されておる、つまり、国政の審議の場面というものが逆に汚職を増進するために利用されておるということが、この起訴状の中に出ておる。これは全く私はいままでにないところの性格だと思う。そういう問題の一体本質というものをはたして政府はつかんでおるのか。自民党はつかんでいるのか。先ほどの閣議の内容、それから、それについての綱紀粛正の申し合わせ云々とかいうお茶濁しの答弁を繰り返されておるけれども、こんなことでは絶対にこの問題の解決はあり得ないし、さらに、この問題を契機としての日本の政界の不正を追及するということは、絶対にこれは望めない、私はそういうような意味で……。  第二に、またこの問題は、現職の大臣、あるいは閣僚、あるいは自民党の幹部、こういうものも関係しておることが、これはうわさになっておる。そういう点からも、一体どのようにこれを粛正するのか、この態勢をもっと明確に国民の前に明らかにすることが、これが政府として必要だと思います。総理大臣いませんから、あなたは副総理みたいな方ですから、ぜひ参議院の決算委員会に対する決意のほどを明確にしてほしい。  第三は、検察陣は一体どういう組織をもって、どういう機構で対処しておるのか、それから、どこまで徹底的にやるのか、なまぬるいいままでのお茶濁しで、結局は、この問題が発展すれば内閣が倒れるかもしれない、そんな重大な問題さえ含んでおるので、さらにまた波及するところがもう数限りがない。そこで、この問題を田中彰治という一人の問題におおいかぶせて、しかもまた、田中は何を握っているかわからない爆弾男だ、したがって、これをこの段階で徹底的に追及せず、これをやみに葬り、そのことによって不正、腐敗のいろいろな関連を食いとめようなどという、そういう疑惑が非常に起こっているのだから、これに対する検察陣の態度がそんなことであったならば、これは絶対に了承することはできないわけですから、これについて、大臣が来ていない、これはおかしいのです。このような重大な会議で、国民の視聴がこれほど大きく集まっているところに法務大臣が出られないという、このこと自体が、今日の性格を余すところなく暴露しているのです。何をおいても出てこなくちゃいけないじゃないか、法務大臣が。そういう趣旨のものだ、これは。はっきり課長から伝えておきなさい。いいですか。  第三に私はお聞きしたいのは、決算委員長の決意の問題です。この決算委員会として、いわば参議院の決算委員会が世論から問われているこの問題を、われわれ自身も同僚の委員全体として非常にやはり責任を感じます。ですから、そういう意味では、われわれは断じてこの問題を軽々しく、いままでのような、問題を糊塗するというやり方で葬ることはできないわけですね。したがって、当然、これについて稲葉委員からも提案がありましたけれども、もう三日も四日もかけて徹底的にこの問題を追及する。そのためにこれは、この次あたりの予定を、いままでの各省別にやっているのを変更しても差しつかえないのじゃないか。これはやはり、こういう問題が起こって、しかも、これだけの重大な問題ですから、この問題を徹底的に解決するということ、そういう、いままでもずいぶん国有財産問題などで果たしてきた任務を大きく前進させて、そこから起こった派生の問題、しかも、問題としては非常に重大な問題を徹底的に追及しなければならない。  それで三者の私は答弁を求めて、私の質問を終わります。きょうの問題はこれだけ。
  78. 福田赳夫

    国務大臣福田赳夫君) 今回の田中事件そのものにつきましては、これは検察当局でただいま調査をいたしておるわけであります。その結果、全貌が明らかになる、かように思います。それで御承知願いたいと思います。  これに関連しまして、政党がどうあるべきかということについて、これはもう政党として反省する非常にいい機会だと思います。自由民主党におきましても、そういう反省をいたす、そういう動きをいたしておるわけであります。また、政府におきましても、先ほど申し上げましたように、内閣総理大臣より発言もあり、こういう機会にさらにまた姿勢を正そうじゃないかということに相なっておるわけであります。御了承を願います。
  79. 石原一彦

    説明員石原一彦君) 大蔵大臣答弁のあとで、どうも課長の身分で申しわけないのでございますが、まず、今回の事件に対する検察の態勢の問題が第一でございます。この点につきましては、東京地検の特捜部が中心となりまして、東京地検がほんとうに打って一丸となって捜査に当たっているということでございます。全員、夏休みも返上いたしまして、全く文字どおり鋭意目下捜査中ということでございます。  その次は、こうした事件に対する方向をうやむやにするなということでございますが、これはどうもきまり文句で申しわけございませんが、こういう事件につきまして厳正公平に捜査処理を行なうというのが、検察のたてまえでございまして、端緒がございますれば、捜査に着手いたします。それで証拠を収集いたしますれば、その証拠を判断いたしまして、法の認めるところに従い、適正なる処分をするということでございます。この点につきましては、一般事件とこの事件と同様でございまして、その気持ちで捜査を行なっておるということでございます。
  80. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 先ほど岩間委員から要望がありまして、その前に稲葉委員からも要望がありましたが、この問題につきましては、委員長理事打ち合わせを行ないまして、態度をきめたいと思います。  それからなお、二宮委員のほうからも、それから岩間委員のほうからも出ましたが、若干きめ方が間に余裕がなかったという点もありますけれども、法務大臣あるいは法務政務次官等の出席が得られなかったことについては、遺憾に思っております。その点をひとつ述べまして……。
  81. 岩間正男

    ○岩間正男君 もう一つ。当参議院決算委員会権威のために、先ほどの二宮委員の質問の中の若松町の陸軍経理学校あとの問題、これは当委員会で、すでに藤原委員長時代に結論を見た問題です。その問題が、まるで大臣答弁では違っています。違っているのです、先ほども指摘されましたように。もう一つは、あとでつくったあれは、もう法人としての資格がない、厚生省のそういう許可も得ていないということも明確になっているのでしょう。そういうもののまた今度蒸し返しをして、事実に反するような答弁をやっていては、当委員会権威は失墜することはなはだしいです。きょうはまだ国有財産局長いないのですか。——これは、近くなどと言っても話にならぬです。そうでしょう。中野四郎氏はもう国対委員長をやめたのです。そうすると、また今度蒸し近しになってくると、どういうことになってくるかわからない。いままでのやり方で全く田中彰治と同じなんです、やることが。そういうことは、これは断じて許すことはできない。近く大蔵省に返還しますなどという、そんなごまかしをやっているというと、またたいへんなことになる。去年のこういう暑いときにやったのです。それから一年たって、問題を何も解決していない、こういうことでは話になりません。国有財産局長にお伺いする一項として、この次に返答してもらいたい。これは当委員会権威のために、はっきりしてください。
  82. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  83. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 速記を起こして。
  84. 藤原道子

    ○藤原道子君 大蔵大臣御迷惑ですから簡単に。私、このごろ地方に参りますと、決算委員長当時に私どもがこの委員会で取り上げた問題が事件の発端になっているということに、非常に不審の質問を各地で受けるわけです。いまもお話のございましたように、委員会で一生懸命やったことが何ら結論を見ていないような、大臣のお耳にも達していないようなことでは、はなはだ遺憾だと思います。その点はそれでよろしい。今後注意をしてもらいたい。  そこで御質問したいことは、国有財産には国有財産中央審議会というのがありますね。地方にはそれぞれまた審議会がある。これらは、人選はどういう角度からお選びになっているか。私は、関東地方審議会のメンバーを見ますと、今度うわさにのぼっているような人までが出ているのです。大会社社長なんかの名前もずいぶん出ている。国有財産の審議会の委員は、どういう角度で選んでおいでになるのか。それからまた、今度のこうした問題が起きましても、一向に何か審議会の動きがあるというふうなことも伺わないのでございますが、これはどういう角度でお選びになるのか。それから、その審議会はどういう働きをしていらっしゃるのか。その点だけちょっと伺っておきたいと思うのです。
  85. 福田赳夫

    国務大臣福田赳夫君) お話のように、国有財産審議会は中央にも地方にもあるのですが、そのいずれにつきましても、これは国有財産の管理運用につきまして、いろいろ大所高所の御意見を承るということが一つと、それからもう一つは、重要な処分案件国有財産払い下げる際に、その払い下げが適切であるかどうか、あるいは評価がどんなものであろうかというようなことを、その人たちの持っている知識によって判断をしていただく、そういう性格のものであります。したがいまして、その性格に合うような人をそのつどお願いをいたしておる、こういうものであります。
  86. 藤原道子

    ○藤原道子君 ところが、大臣はそうおっしゃるが……
  87. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  88. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 速記を起こして。  他に御発言もなければ、午前中の審査はこの程度にとどめます。  午後一時四十分まで休憩いたします。    午後零時四十分休憩      —————・—————    午後二時九分開会
  89. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) ただいまから決算委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、昭和三十九年度決算外二件を議題とし、大蔵省日本専売公社及び国民金融公庫決算について審査を行ないます。  質疑のおありの方は、順次御発言願います。
  90. 二宮文造

    二宮文造君 午前中は田中事件につきまして、政治家のあるべき姿、あるいは国民がいま疑問に思っております政界の内幕、そういうものについて委員の方々からもいろいろ質疑があったわけでございます。私は、さらに午前中に引き続きまして、その種の問題につきましてこれからお伺いをしたいと思うわけですが、まず冒頭国有財産局長にお伺いしたいのですが、国有林の払い下げにつきまして、いわゆる国有財産の総元締めであるところの大蔵省当局は、どの程度まで御相談にあずかり意見を述べることができるか。また、事実、国有林の払い下げについてどういう大蔵省は機能を持っておるのかということについて概略承っておきたいと思います。
  91. 松永勇

    説明員(松永勇君) 国有財産につきましては、大蔵大臣が総括大臣としての権限を有するということになっておりますが、具体的には各省各庁の長が国有財産についてなそうとする行為、処分等の形態によって、それぞれ大蔵大臣への協議を要するということが、国有財産法十四条に規定されているところであります。この規定の実際の運用になりますと、各省大臣としての大臣の専管をすべき分野を相当広く認めておりまして、具体的に大蔵大臣に協議が参ります事案としてはそう多くはないのでございます。しかし、国有林につきましては、通常、国有林の売り払い等につきましては、おおむね国有財産大蔵大臣のほうへ協議ということはないわけでございますが、最近行なわれておるところの交換によって取得をするという事案については、その大部分が協議になっておるということになっております。この協議を行なう場合の実際のやり方といたしましては、国有林野の中に鑑定評価をなす専門の方もおられますし、また、処分をなさいます各地方に、林野庁長官の委任を受けた営林局長の方がおられて、具体的な処分をなさる、その際に、価格の面等につきましても、国有財産局の出先である財務局の担当課にいろいろ協議に参られるということになっております。
  92. 二宮文造

    二宮文造君 払い下げ、売り払いについては、上あまり協議がなされていない。だけれども、交換については、その内容にわたって大蔵省としても承知をしておるし、また、価格の評価にあたっても、出先の機関でもって検討をする、すなわち、国有林の交換については、大蔵省も農林当局と同じ程度の何といいますか、交換承諾の決定の機能を持っておる、こう承知してよろしいわけですか。
  93. 松永勇

    説明員(松永勇君) 法制的にはまさに協議に応じ、協議に承諾を与えるというたてまえになっております。
  94. 二宮文造

    二宮文造君 時間の関係で具体的な問題に入らしていただきたいと思いますが、この国有林の交換につきましては、同僚委員である大森委員が、先日来それこそ異常な情熱を傾けて、那須の国有林の交換の問題について、この委員会で再三取り上げておりました。私もそれを傍聴しておりまして、まことに奇々怪々なその事件について、大森委員と同様に疑点を多くはさんでいる一人でございます。  いま具体的にお伺いしたいと思いますのは、昭和三十八年の十月の二日及び昭和三十八年の十二月二十八日、この二回にわたりまして、大阪営林局管内の国有林の交換について、交換契約が二件成立をしておりますが、その問題についてお伺いしたいと思います。  まず、昭和三十八年十月二日に、国と農林開発興業株式会社との間に行なわれた国有林との交換契約について、申請の年月日、それから申請書には何をどういうために交換をしてもらいたいと、こう相手方の希望が出ておると思いますが、その概要、それから物件、それから交換の価格、これを簡単に要点を漏らさないようにしていただいて御説明を願いたいと思います。
  95. 若林正武

    説明員(若林正武君) まず第一点の申請の年月日でございますが、これは昭和三十八年一月七日でございます。  それから第二点の問題は、牧草地を造成いたしまして、牧畜サイロ、職員宿舎等を設置しまして、乳牛を飼育し、放牧、採草の事業を行なうという条件でございます。  それから価格につきましては、受け財産のほうは二千八百六十四万七千二百四十九円でございます。それから渡し財産が三千四百九十六万八千五百五十五円でございます。  以上であります。
  96. 二宮文造

    二宮文造君 物件の所在地、その概略をあわせてお願いします。
  97. 若林正武

    説明員(若林正武君) 受け財産の所在地、広島県佐伯郡佐伯町、このほうは面積にいたしまして百十町歩でございます。それからもう一件は、広島県の君田村、面積にいたしまして百六十九町歩でございます。渡し財産のほうは、大阪府の高槻市にございまする国有林でございまして、約三十六町歩でございます。
  98. 二宮文造

    二宮文造君 そうしますと、この申請書にこういう目的で使いたいということは、交換をしたあとのいわば申請者を拘束することになるのでしょうか。これはもう交換後はどのように使ってもいいということでしょうか。
  99. 若林正武

    説明員(若林正武君) 交換をいたしました先の問題につきましては、法的には必ずしもこれは拘束されておりません。
  100. 二宮文造

    二宮文造君 それから申請の年月日が三十八年の七月の七日と、こうなっておりますが、営林局が各地に価格の評価の問題で照合をいたしましたり、あるいは財務局の土地価格評定調書、こういうものを出しておりますのは、これは三十八年の七月五日以前、一語のないときから交換の価格をおきめになるのですか。
  101. 若林正武

    説明員(若林正武君) これは申請がございまして、大蔵省財務局等とも御相談申し上げまして、交換に支障がないということに相なりましてから評価をいたすわけでございます。
  102. 二宮文造

    二宮文造君 そうしますと、申請の年月日が三十八年七月七日となりますと、ちょっとこれは間違ってくるのですが、三十七年の誤りですか。
  103. 若林正武

    説明員(若林正武君) いま先生のおっしゃいました七月でございますが、一月の七日でございます。
  104. 二宮文造

    二宮文造君 一月ですか。
  105. 若林正武

    説明員(若林正武君) はい、さようでございます。
  106. 二宮文造

    二宮文造君 わかりました。三十八年の一月七日の当時の農林大臣はどなたですか。
  107. 若林正武

    説明員(若林正武君) 重政農林大臣でございます。
  108. 二宮文造

    二宮文造君 では、時間の関係で、私、先を急いでまいりますが、この交換されました高槻市大字霊仙寺の百八十二番地ですが、詳しくは山林が三十六町四反七畝、その渡し財産の評価額が二千五百五十二万九千円、立木が幼齢林を含めましてその評価額が九百四十三万九千五百五十五円、合わせて渡し財産の評価が三千四百九十六万八千五百五十五円、こうなっておりますが、その地番に対しまして交換を行なわれたのが三十八年の十月の二日、そして交換を受けた農林開発興業株式会社所有権の移転登記がなされたのが三十九年の三月十一日、そして、その謄本をつぶさに見てみますと、四十年の二月の十九日受付となりまして、日本橋牡蛎殻町一町目九番地共栄糖化工業株式会社が農林中央金庫に根抵当を設定しております。その債権の極度額は一億五千万円、同じく二月十九日に、住所は同じく東京都中央区日本橋牡蛎殻町一町目九番地共和糖化工業株式会社に対して、同じく農林中央金庫が債権極度額十億円の根抵当権を設定しております。昭和四十年二月十九日、同じ日でございますが、これも同じ番地、東京都中央区日本橋牡蛎殻町一丁目九番地日本糖化株式会社に対して、債権極度額一億二千五百万円の根抵当権を設定しております。これが第一順位となっております。  さらに農林中央金庫は、昭和四十年の四月の十五日に東洋果糖株式会社、この住所は先ほどと同じく、東京都中央区日本橋牡蛎殻町一丁目九番地東洋果糖株式会社に対して、農林中央金庫が債権極度額十億円也、これを第二順位として根抵当権を設定しております。  さらに昭和四十一年二月十八日、ことしでございますが、日本橋室町三丁目三番地にあります株式会社東食が、住所は先ほどと同じく、東京都中央区日本橋牡蛎殻町一丁目九番地共和製糖株式会社を債務者として、十五億六千二百五十万円の根抵当権を設定しております。  私ここで非常に疑問に思いますことは、国が渡した財産は、その評価は三千四百九十六万——三千五百万円足らず、それに対して農林中央金庫が根抵当権を設定しておりますのが、二十三億、さらに民間の会社の相互の関係で十五億六千二百五十万円、計四十億円近くの根抵当権がこの物件に設定されておる、これは、私ははなはだもって奇怪しごくだと思うんですが、林野庁なりあるいは農林中央金庫なりの関係者のお方に、その間のいわゆる共和製糖グループに対する農林中央金庫の融資、それに関連しての問題、さらにはこの担保の問題ということについて、概略説明をいただきたいと思います。
  109. 森本修

    説明員(森本修君) 高槻の山林が各種の債権の担保に供せられておるという御指摘でございますが、私どもが直接関係をいたしておりますのは農林中央金庫の関係でございます。したがいまして、先ほど御指摘になりましたのは、必ずしも私どものほうの関係の農林中金のみではないのでございますが、農林中金に関しまして私どもが現在承知をいたしておりますことをお答え申し上げますと、現在時点におきまして農林中金が共和糖化株式会社、それから共栄糖化工業、南島開発会社、こういうところに対しまして約三十二億の貸し出しをいたしておるわけでございます。それに対しまして担保として徴取をいたしておりますのは、各種の担保物件を徴取いたしておるようでございまして、あるいは建物あるいは工場の施設、敷地あるいは各地における土地、また、御指摘がございました高槻地方における山林、こういうふうな各種の担保を総合いたしまして、ただいま申し上げましたような債権に対する担保として徴取をしておる、こういうふうに承知をいたしております。
  110. 二宮文造

    二宮文造君 ばく然とした御答弁ですけれども、では局長さんにお伺いいたしますが、根抵当権というものは、一体その極度額というのは、われわれが常識的に考えて、たとえば土地が十億あれば、その十億の中で根抵当権の極度額をきめて、そうして債権の取りっぱぐれがないようにそれを保全するというのが、私は根抵当権の意義であろうと。そうしますと、私いま問題にしましたのは、国が三千五百万円足らずとして渡したその財産に対して、民間のも含めて四十億円にのぼる根抵当権が設定されておるというその矛盾、それをどうお受け取りになるかということを私は質問したわけです。その点はどうですか。
  111. 森本修

    説明員(森本修君) 繰り返しのようなことになるかと思いますが、先ほどお答えを申し上げましたように、三社に対しまして約三十二億の貸し付けをいたしておる。それの共通の担保といたしまして各地における工場の施設なり、あるいは土地でありますとか山林を、それに必要な額を担保として徴取しておる、こういうふうに私は承知をいたしております。
  112. 二宮文造

    二宮文造君 それでは説明にならないわけです。それらの三社に対して、農林中央金庫としてはブドウ糖関係として三十二億の融資をしておる、これはよくわかります。それに対して各地の土地担保に取っております。その一環として山林も取っております、こういうようなお話でございますけれども、私いろいろ調べてみましたところ、日本糖化とか東洋果糖というのはすでに合併されております。それからまた、宮崎県の日向市にそういう工場が建設をされておりますが、その工場につきましては、農林漁業金融公庫、それらと競合して第一順位で設定もしておるようですし、それでいま御説明のありました各地の建物とか土地というものを、いまお手元にあるのなら明らかにしていただきたいと思いますし、私が特にお伺いしたいのは、この登記というのは私もよくわかりませんが、所在地主義といいまして、高槻のたとえば大阪法務局高槻出張所、この管轄内に所在するものについて共同担保目録を出して、そうしてそれらに二十三億円の極度額をつけているわけです。三千五百万で国が渡したものに二十三億円何がしの極度額をつけるということが、これは農林中央金庫のあれとして正しいかどうか。直接の関係、いわば指導機関でありますところの農林省にお伺いしたい。
  113. 森本修

    説明員(森本修君) 実は、私、事前に調査をいたしましたところで承知をいたしておりますのは、ただいま申し上げたとおりでございますけれども、個々の融資につきまして、どういう手続で、どういうふうな額で担保に取っておるかというところまでは正直に申しまして調べておりません。こういう関係から、それぞれの担保物件について、どういうふうな手続でどうやっておるかということについて、いまちょっとお答えをする用意がないわけでございます。
  114. 二宮文造

    二宮文造君 林野庁長官はいかがでございますか。おたくの大阪の営林局で三千五百万と評価をした物件に対して四十億円になんなんとする根抵当権が設定されておる、こういう問題について長官はいかがでしょうか。
  115. 若林正武

    説明員(若林正武君) 融資関係の問題につきましては、実は私のほうもよくわかりませんのでお答え申し上げかねますが、私どものほうといたしましては、評価につきましては十分適正にやっておるというふうに確信をいたしております。
  116. 二宮文造

    二宮文造君 私はこの際どうしても大森委員の前に指摘されたことをもう一度振り返らなければならないと思うのです。大森委員が前回に指摘されましたことは、那須の国有林と新潟県の興国人絹との交換の問題につきまして、評価額が六十幾円である、それが旬日を経ずして——旬日というのはちょっとことばが大きいですが、日ならずしてそれが藤和不動産から八千五百円−九千円にして売り出されておる。こういうことを前回私聞いたわけです。この場合にもそれにまさるとも劣らない、そういう具体的街証が出てまいるわけです。それで私がけさほどから、政治家モラルということについてきびしくそれを正していかなければならぬ、特に国有林の問題につきましては、私はその意を深くするのです。なぜかと申しますと、もっと具体的に申し上げますと、前回大森氏が指摘いたしました那須の国有林と、それから那須の国有林に関する美福との交換の問題でございますが、この美福株式会社という株式会社社長は、役員名簿を見ますと、これは国会議員でありますところの重政誠之氏、元の農林大臣です、当時の農林大臣です、いまこの事件の当時の。また、美福という会社は非常にややっこしい会社でして、最初は那須観光という会社から発足して、一年ぐらいの間に美福となって、それからまた今度は、いまでは三永製鉄というところに吸収合併をされて、その吸収合併をした三永製鉄というのが美福株式会社という名称を連ねて商号変更しております。これと私は同じような問題として、この高槻の問題を取り上げなければならぬと思います。なぜかと申しますと、いま農林中央金庫から三十二億の融資の残高がございます三社といいますのは、巷間共和グループといわれている会社です。そうしますと、その名簿を拾ってみますと、まずこれは共和糖化にしろ、あるいは共栄糖化にしろ、共和製糖にしろ、問題になりますその中心者は、社長というものは菅貞人という方です。この方についてはあとで触れます。この中心になります共和製糖には、やはり三十六年十一月二十五日に重政誠之氏が取締役になって、そうして、三十七年七月十八日、大臣就任と同時にこの会社から退いております。こういうふうな、前の那須の事件といい、それからまた今回の高槻の事件といい、評価が非常に低い。しかも、それに元農林大臣が関連をしてくる、国会議員が関連をしてくる。先ほどの美福の場合は十一人の役員のうち五名が国会議員です。前回大森氏が口角あわを飛ばして、こういうことが許せるか、こう言っておりましたけれども、私も同じように思います。しかも、私ここでちょっと前にさかのぼりたいのですが、那須の国有林の交換につきまして、たいていならば申請者に対して内諾通知書というものを出すのですが、那須の国有林について内諾通知書をお出しになった日付はいつですか。
  117. 若林正武

    説明員(若林正武君) 調べましてすぐお答え申し上げます。
  118. 二宮文造

    二宮文造君 それからもう一つ、こちらに農林漁業金融公庫の方がお見えになっておられるかと思うのですが、農林漁業金融公庫から、いわゆる共和グルーブと称するこれらの関連の会社融資をされております残高は幾らでございますか。
  119. 大澤融

    参考人(大澤融君) いま名前をあげられた会社について言いますと、私のほうはブドウ糖の事業に融資をしているわけですから、共和糖化はただいま、最初に融資しました七億七千万余りですが、残高として約七億四千万です。それから日本糖化、これは一億五千九百万融資をしまして、いま残っておりますのが約一億二千七百万です、それから東洋果糖、これには五億の融資を決定いたしまして、現在実行しておりますのは四億、そういうことになっております。
  120. 二宮文造

    二宮文造君 それでお伺いしたいのですが、三十九年八月十一日に、日本糖化は払い込みの資本金五千万円をもって設立をされているわけですが、この設立早々の日本糖化に対して、一億五千万円ですか、一億二千五百万円ですか、農林漁業金融公庫が貸し出しをしておる、こういうことになりますね。それからまた共栄糖化工業も、これもまた三十九年の十月の三日に設立されている。それに対してもこれは四億ですか、四億の融資をしておる。これはブドウ糖関係ということでございますが、農林中央金庫が三十二億を貸し出しておるのも、これもブドウ糖関係ですね、そうでしょうか。この両社どうですか。
  121. 大澤融

    参考人(大澤融君) いまお話しのありました日本糖化は、元の会社名前は明利酒類という会社でして、それが三十六年にブドウ糖工業をやりますときに、いま申し上げた金を貸したということでございます。それから共栄糖化とおっしゃいましたか——共和ですか、共和糖化、これは九州のほうですか、これには私のほうは融資はしておりません。それから四億とおっしゃいましたのは東洋果糖、この東洋果糖とそれから日本糖化それから共和糖化、これは合併をいたしまして、現在は共和糖化ということになっておるわけです。ですから、私さっき申し上げたトータルがこの一本にしぼられているわけでございます。
  122. 森本修

    説明員(森本修君) 農林中金からの融資でございますが、先ほど申し上げました三社のうち南島開発という会社は甘蔗糖をつくっております。それ以外の会社はブドウ糖の製造ということで融資をいたしたわけでございます。
  123. 二宮文造

    二宮文造君 私はここでちょっとこの共和グループというものが一体どういうものなのかよくわからないのです。幸い、本年二月の二十三日の相澤委員がこの略歴についてお話しになっているわけですがね。これは非常に複雑怪奇な会社のように思います。ちょっと若干時間をかけて読んでみて、それではたしてこういうふうな融資がいわゆる正当な融資であるか、あるいは背後に政治勢力を思わせるような融資であるか、さらに、それから問題を発展して、今回の高槻の国有林の払い下げ国会議員も関連をしておりますし、しかも、決定を見ました、内諾通知をしました時代の農林大臣関係するその会社に国有林の交換が行なわれているということを明らかにしてまいりたいと思うのです。ちょっと時間がかかりますが、ちょっと読ましていただきます。  「これは私の調べたのですから、正確かどうかわかりませんから、あなたにちょっと聞いておきたいし、あとで会計検査院もこれは質問を申し入れておきますから、お調べ願いたい。この共和精糖がそもそも誕生をいたしたのは、昭和二十八年ころだと記憶をいたしておるわけです。当時は資本金が九百万、東京の江戸川区西小松川に誕生をしたと思うのであります。当時砂糖業界等は、こういう関係の業界は百二十三社あった。しかし、そのうち番付からいけば、びりから一番目か二番目で、決していいところではなかった。ところが、その共和精糖は年間二千万円前後の小さい会社であったのが、今日九州の宮崎県細島甘味総合コンビナートができると、世界で四大工場の一つになるのです。」「そこで、この共和精糖は、たいへん多くの会社関係しておるわけです。子会社といいますか、」「資本が一緒になるといいますか、そういう会社がたいへん多いのでありますが、このいわゆる共和精糖は、私の見たところによりますと、三十三年にいわゆる民間の相互銀行から五千万、三十四年ころに一億一千万以上の融資を受けております。しかし、この融資を受けておるけれども、三十四年の暮れには全部返済をいたしております。」「同じように、この共和精糖の代表者は、これは菅貞人さんという社長なんですよ。この人は工業界においては非常な成功者ですね。ちょっと履歴を申し上げますと、三十三年に全日本製糖会の協同組合の理事長に就任をしております。三十四年には共和精糖の社長、三十五年には社団法人日本ぶどう糖工業会の副会長、」等々とずっと出ております。ちょっとはしょります。「京浜糖業、これは三十三年にたしかできたと思うのです。で、このときは、代表者は必ずしも菅さんではなかったと思うのですが、三十四年に菅さんが社長になっていると思う。それから島藤澱粉化学、これはこの京浜糖業の前の会社名前なんですね。これが三十三年です。三十三年に島藤澱粉化学ができて、同じく京浜糖業も三十三年にできたのだけれども、それが一緒に」なり京浜糖業となった。「現在は資本金が一億ぐらいあるんですか、もう三十五年当時に。それから、この島藤澱粉化学工業がいまの京浜糖業になって、そのときに金融をしたのはずいぶんたくさんありますね。千葉銀行二千万、中小企業金融公庫一千万」「千葉銀行同じく一千万、農林中金四百万、全農販連五千万。三十四年に農林漁業金融公庫が一億八千万ですか、三十六年には同じくこれは二億三千万ですか、だいぶ出ておりますね。そういう関係会社、いま一つ、京浜精糖、これは何しろ、」——これは磯子区丸山町に本拠を置いておるのです。それから東京に帰り、広島にも行き、千葉にも行き、これは本社が。そのように移転し、その間にずいぶん社長がかわっている。で、京浜精糖、これはやはり横浜の磯子に本社を置いて、それから三十二年に京浜精糖は横浜に移り、その後、三十四年に社名を広島商事と変更して、重政さんの秘書の田中さんのところ、すなわち「広島県深安郡神辺町川南というのですか、そこに本社を一時置いたのですね。それが広島商事。」、それから本社を広島から千葉に移して、そして今度は相澤商事に名前が変わり、それから千葉から今度は中央区に本社を移して、社名が内外機械と、こういうふうに京浜精糖が名前が変わってきた、これらずっと云々とございますが、非常にこの共和グループというのは、砂糖業界の惑星のようにいわれております。そうして農林中金なり、あるいは農林漁業金融公庫なりの融資を合わせますと、大体五十億近い金になりますが、それだけのものを融資を受けている。しかも、いま申し上げましたように、三千五百万で交換を受けたその土地を、農林中央金庫ないしは民間の会社を含めて四十億円もの根抵当権を設定をしておる、こういう事実に対しまして、農林漁業金融公庫の総裁はどのようにお考えになり、あるいは農林経済局の関係の方も、先ほどからよく農林中央金庫の内容がわからないと、こういうお話でございますが、行政指導の一面としてどういうことを考えなければならぬかということをお伺いしたい。
  124. 大澤融

    参考人(大澤融君) 私どものほうの仕事に限って申し上げますと、御承知だと思いますが、農林漁業金融公庫の金融というのは一種の政策金融ということだと思いますが、三十三年、三十四年ころだと思いますが、甘味資源の国内自給率を高めるというようなことで、てん菜糖ですとか、奄美大島の甘蔗糖とか、さらにブドウ糖というようなものを含めて、自給率の向上というような政策がとられたわけです。そういうことで、当時イモからできるでん粉が非常に過剰であった。それででん粉をブドウ糖にするという新しい仕事が、いま申し上げた甘味資源対策とマッチしたものとして、農林漁業金融公庫でブドウ糖工業を育成するという御方針がきまったわけです。それを受けて農林公庫は、ブドウ糖企業を起こすように融資をした。先ほどおっしゃった、いろいろの履歴があると言われたんですが、共和糖化工業、これに対して三十四年ころから、ほかのブドウ糖企業をやられる方と同じように融資をしてまいった。また先ほど申し上げた日本糖化という名前ですが、当時は明利酒類という名前で、これもそれの一つとしてやったということでございます。東洋果糖だけは、これは別の観点からの融資が行なわれたわけでありますが、先ほども相澤さんの速記録にありましたように、ブドウ糖の企業を含めて、細島に食品のコンビナートをつくる。果糖とブドウ糖をまぜて液糖化するわけです。砂糖の製糖ですが、そういうものを一貫してやるということが合理化のゆえんでもあるということで、あそこにコンビナートシステムでできたわけです。それの一環として東洋果糖の仕事として融資が行なわれたということでございまして、おっしゃるような政治的な背景があってどうこうというようなことは、過去において、公庫に関する限り、少なくとも毛頭なかったということを申し上げて差しつかえないと思います。
  125. 二宮文造

    二宮文造君 農林漁業金融公庫にお伺いしますが、この細島の工場はいま操業しておりますか。それからもう一つ、共和グループから、もうすでに返還を受けなければならない期日が参っておりますが、毎年年賦償還をされますその金額が、スムーズにいま期日どおりに返済されておりますかどうか、この二点についてお伺いします。
  126. 大澤融

    参考人(大澤融君) 細島の関係は、いまの食品コンビナートという形で果糖、砂糖、ブドウ糖ということを一緒にして建設をやり始めておるわけですが、砂糖のほうは全部でき上がっております。それからブドウ糖関係は、電気設備とか基礎工事とか、その他のものはできておりますけれども、さらにその上に工場を建てて機械を据えてやるという段階にまではまで至っておりません。  それから償還金のほうですが、これは来年の三月末まで償還を延期するという状態になっております。
  127. 二宮文造

    二宮文造君 いつの分が来年の三月まで延期するということになっておりますか、いつ支払いの期限のものが。
  128. 大澤融

    参考人(大澤融君) 四十年の八月分と、四十一年の、たしかことしの八月分、この二つでございます。
  129. 二宮文造

    二宮文造君 四十年の八月と四十一年の八月……。そういたしますと、いわゆる償還について非常にいまとまどっているということですね。経営が非常に悪い、資金繰りが非常に悪い、それからまたブドウ糖関係は第一期工事をいま中絶している、それに対して農林漁業金融公庫とそれから農林中金も融資している、こういうふうに私ども了解してよろしいわけですね。
  130. 大澤融

    参考人(大澤融君) 先生のおっしゃる意味でございますけれども、現在建設工事を中止しているという理由は、最初計画いたしましたのは、たしか七十トン工場というようなことでございましたが、その後さらに大きな工場にしたほうがいいのではないかというような新しい事業計画の検討があることと、一方また大きな工場があすこにできてブドウ糖をつくる、あるいは水あめをつくるのではないかというようなことで、同業の方はいろいろ反対があるということと相まって、また資金繰りというようなこともあったようでございますが、計画を新たに練り直すということで工事がとまっているわけでございます。近く来年のブドウ糖、でん粉の出盛り期までには仕事が始まるようにということで新しい計画をはっきり立てて工事を進める、こういうふうに私どものほうとしては指導しているわけでございます。そういう関係もこれあり、償還を先ほど申し上げたものを来年の三月まで延ばした、こういうことでございます。
  131. 二宮文造

    二宮文造君 共和グループヘの融資関係はまた自後の問題にするといたしまして、林野庁にお伺いしたいのですが、受け財産のほうで広島県の双三郡の君田村のほうと佐伯町のほうですが、この受け財産のほうの所有権の移転は昭和三十八年十一月八日に登記されているようでございますが、この物権の地番と、それから地番別のその面積をちょっとここでお知らせ願いたいと思う。
  132. 若林正武

    説明員(若林正武君) 広島県の佐伯町のほうでございますが、地番につきましては資料はございますが、地番別の細部の面積につきましては、現在手元に資料を持っておりませんので後刻報告させていただきたいと思います。  それから先ほどのお答えがたいへんおくれまして申しわけございませんが、那須のほうの交換の内諾の期日でございますが、これは第一回の交換をいたした事案につきましては、三十九年の一月三十日でございます。それから第二回の交換の事案につきましては、四十年の一月七日でございます。
  133. 二宮文造

    二宮文造君 いや、私のほうはおたくのほうから謄本を資料として出していただいた。ですから、長官でなくて担当の係のほうのお方でわかるのではないかと思いますが、明らかにしていただきたい。といいますのは、謄本の受け財産ですから、これは今度国がもらったほうです。受けたほうですが、面積が足りないのです、坪数が。最初の交換契約書どおりの坪数がないのです。私の見間違いかと思って何度もひっくり返して計算してみたんですが、足りないのです。一方は多過ぎるのです。担当の方はいらっしゃいませんか。
  134. 若林正武

    説明員(若林正武君) いま先生のお話は台帳面積のお話だろうと思いますが、その点の細部につきましては、後ほどお答え申し上けたいと思います。  台帳面積でまいりますと、佐伯町所在の山林につきましては十二町八四一六ということに相なっております。実測面積はこれが百十町九三〇二ということになります。それから君田村所在の山林につきましては、台帳面積は百九十六町二〇〇〇ということに相なっております。これが実測いたしますと、実測面積は百六十九町七九二九、この点についての御指摘だろうと思いますが、この山林につきましては、台帳面積と実測面積とは必ずしも一致しないというのが実情でございます。
  135. 二宮文造

    二宮文造君 何ですか、山林の台帳面積が十二町、それが実測をしますと百十町になるんですか、十二町が百十町に。それから一方、君田村のほうは台帳は百九十六であるけれども実測をすると百六十九。ならばなぜ交換契約書は実測でお書きになったんですか。
  136. 若林正武

    説明員(若林正武君) これはすべて実測によりまして交換契約しております。
  137. 二宮文造

    二宮文造君 そうしますと、高槻の渡し財産のほうは台帳ですか、実測ですか。
  138. 若林正武

    説明員(若林正武君) これは国有地でございまして地番がございませんが、これは台帳も実測も同じでございます。
  139. 二宮文造

    二宮文造君 それがやはりこれも渡したあとで地番の分筆が行なわれております。分筆が行なわれますと数字が変わってまいる、決してこの契約書に示されたような数量ではないわけです。その点についてはいかがですか、疑問に思われたことはございませんか。
  140. 若林正武

    説明員(若林正武君) 国有林につきましては、すべて実測をやっておりますので、その数字を使っておるわけでございます。
  141. 二宮文造

    二宮文造君 それじゃ事実に基づいてお伺いしましょう。これが渡したあとで分筆が行なわれております。で、百八十二番地の一、百八十三番地それから百八十四番地、このように分筆されておりますが、百八十二番地の一は三十二町二反二畝十一、それから百八十三番地は一町四反五畝二十七、それから百八十四番地は一町三反四畝二十一歩、こう合わせますと、これは交換契約書の数字と合わないんです。
  142. 若林正武

    説明員(若林正武君) 交換いたしました場合の国有林につきましては三十六町四反七畝ということに相なっておりますが、いま先生の御指摘のございましたことと若干違っておるようでございますが、国有地のほうの面積につきましては間違いないと思います。
  143. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  144. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 速記を始めて。
  145. 二宮文造

    二宮文造君 私、国有財産局長にお伺いしたいんですが、農林省は受け財産を、いま横でお伺いのとおりに、佐伯郡佐伯町に所在をしております土地は、台帳面は十二町八反四畝十六歩、こういう台帳面になっております。それをそのまま農林省として登記をしておるわけですが、こういうことは国有林の管理としてよろしいでしょうか。いま伺ってみますと、実測すると百十町になる、台帳面積では十二町だと。国有林に関する限りは常に実測をもって当てると言っておりながら、現在も農林省として所有権を碓認しております謄本は十二町八反四畝十六歩ですが、こういう管理のしかたはよろしいでしょうか。
  146. 松永勇

    説明員(松永勇君) 実は二宮先生のいまの御質問に対して、私答えるだけの知識というものを持ち合わせておりません。国有林というものは特別会計として林業経理という、一とで行なっており、一つの企業体ということのねらいがあり、したがいまして、その会計処理等につきましても特別会計として独自のやり方をなさっておりますので、私のほうからとやかく申し上げることはいかがかという面はあろうかと思います。  ただ、いまの農林省の御答弁を聞いておりますと、全国の国有林を実測し、それをもって台帳の数量として掲げておるということでございますから、当然広島県の佐伯郡佐伯町の土地も、そこに実測された数量があれば、これは台帳にその実測の数字を御記入になるのではないかというふうに拝見をいたしております。
  147. 若林正武

    説明員(若林正武君) 先ほどの先生の御指摘の面積の不足の分につきましては、実は交換をいたしました後に、関西電力株式会社に送電線の敷地といたしまして、昭和四十一年六月十六日に一町四反四畝売り払いをいたしたわけでございます、その分を入れますと、ちょうど合うように思います。
  148. 二宮文造

    二宮文造君 長官にお伺いしたいんですが、国有助産局長に伺おうと思ったら、おれの出る幕じゃないと言われたんですが、この国有林は実測でもって処理するということをいま言われたわけです。三十八年の十一月八日に登記をしまして、今日まで約二カ年経過をしておるわけですが、国有林となってしまって、いまだに台帳面積のまま登記をされておるということはいかがかと思うんですが、この点はどうですか。
  149. 若林正武

    説明員(若林正武君) 台帳面積のまま登記をしておるかどうかということにつきましては、私承知をいたしておりませんが、国有林の管理経営につきましては、いまお話しのように、すべて実在いたしまする実際の面積、そういうものを前提にいたしまして管理経営をいたしておるわけでございます。
  150. 二宮文造

    二宮文造君 そうじゃないんですよ。実際の面積において管理をするとは言いながら、じゃ登記簿と全然関係なく管理をされるんですか。登記簿を実測に直したらいかがですか。そうしませんと、管理ができないでしょう。登記というのは、等三者に対抗するためにどうしても必要な要件ですし、国の場合も登記面を実測に直すということは大事なことじゃないでしょうか。また私どもよくわかりませんが、十二町が百十町に伸びるというんですからね。ちょっとそれは百町が百二十町に伸びるというならばわかりますが、十二町が百十町に伸びる、こういう考えが、私まだ現地に行って見ませんが、ほんとうにあるのかしらと思いますよ。これはまたこの辺で変な数字のごまかしがあるんじゃないか。何年かたってみて実測してみたらやはり十二町しかなかった、あるいはよその土地だったからといったってもうおさまらないわけですからね。これには確たる証拠がありますか。台帳面積はどこに持っていっても謄本は十二町しかないのですよ。それが百十町だ、ここもおれのところだ、国のものだといってよろしいんでしょうか。
  151. 若林正武

    説明員(若林正武君) 国有財産台帳のほうには実測の数字で登載されております。
  152. 二宮文造

    二宮文造君 いや、国有財産台帳のほうを直しておけば、法務局のほうの台帳は直す必要はないのですか。私はわからない、その意味が。それはどういうわけでしょう。
  153. 若林正武

    説明員(若林正武君) それは登記関係につきまして、大阪営林局でどのように処理しておりますか、調査をいたしましてお答えいたします。
  154. 二宮文造

    二宮文造君 私もう一つございますので、時間の関係でこの問題はこの辺にとどめておきたいと思うのですが、要するに私が本日疑問にいたしましたことは、三千五百万円に評価をされたものに対して、農林中金ないし一般民間の会社を含めて四十億円になんなんとする根抵当権が設定されている。また、それを受けた農林開発興業株式会社というのは、共和グループの役員名簿と全部同じである。したがって、農林開発興業というのは、これは共和グループとみなしてよろしい。その中心になるところの共和製糖、ここには交換の当時農林大臣として在職されておられた重政誠之氏が共和製糖の役員になっている。三十六年十一月二十五日から大臣就任のそのときまで役員として名を連ねている。これは先ほどの邪教の国有林についても、第一回の払い下げ後に重政誠之氏が美福株式会社の取締役として名を連ねた。私よく使うことばに、李下に冠を正さずということばがありますけれども、まさしくそういうことからすれば国民は疑惑の目を持たざるを得ない。現に丸尾山の国有林については、これは海抜約百メートル前後の丘陵地帯ですから、坪二万円ないしはそれ以上というふうな地価の評価が出ております。ここにも疑問があるし、さらに今度は共和グループに対する融資の問題につきましても問題が出てくる、幾多の疑点をここに掲げたまま次の問題に入らせていただきたいと思うのです。  次の問題といいますのは、同じように昭和三十八年の十二月の二十八日に国と交換契約をいたしました西宮の国有林と、それから鳥取県の日野郡というところに所在をいたします民有林との交換の関係です。これも両方、そのときの交換契約——もう時間がありませんので、私のほうから一挙に申し上げてしまいますが、林野庁からいただいた資料によりますと、交換契約書の日付は三十八年十二月二十八日、これも内諾通知書が関係者にまいっておりますが、その内諾通知書の日付は三十八年の七月の五日になっております。すなわち、重政農林大臣就任中ということになります。問題の土地の所在地は、国が交換に渡します物件は兵庫県西宮市鷲林寺字剣谷、剣谷国有林、土地が三十九町二反六畝二十八歩、立木が千四百四十三立方メートル。今度は受けるほうの財産は鳥取県日野郡溝口町大字福岡字上代山三千九百九十四番ほか四筆と、その他大きく八件で十七筆になっておりますが、その土地合計が七百八十四町七畝、その評価額が四千三百三十七万三千六百円、それから立木のほうが、これらを全部含めて八千四十四立方メートル、その評価額が三千六百六十八万九百八円、したがって、受ける財産のほうの評価額が八千五万四千五百八円、それから渡しのほうの評価額が、土地が三十九町二反六畝二十八歩で評価額が一億三千五十五万三百円、それから立木のほうが千四百四十三立方メートルで二百二十八万三千五百九十五円、合わせて一億五百八十三万三千八百九十五円、これで差額が出て、差額はこの申請者である国土開発株式会社というのが納めておることになっております。で、ここでも私は評価にかなりの問題が出てくると思います。なぜかと申しますと、一例を申し上げますと、渡し財産のうちで分筆をされまして、一番地の五という地番に分筆をされたのが三町三反六歩あります。この三町三反六歩に対しまして、これは大阪市北区中之島二丁目二十二番地にあります朝日ホスピテル株式会社というのが、三十九年六月二十二日、すなわち交換を受けて半年後に売買されておることになりますが、それに対してこの朝日ホスピテルが債権者になって、それから申請一して交換を受けた国土開発株式会社が債務者になってこの三町何がしについて六千万円の抵当権を設定しておる。三十九町が立木も合わせて一億五百万に林野庁は評価しておる。その十三分の一に対して抵当権としてすでに六千万円を設定しておった。ですから、六千万円以上でこの三町三反、いわゆる十三分の一が売買されておるわけです、半年足らずのうちに。ここでまた今回田中彰治氏の事件被害者という立場に立っておられます永田雅一氏は、同じく三十九年六月三日売買ということで二町一反五畝何がし、及び十一町二反一畝二十歩、計十四町について、交換がありました半年後の三十九年六月三日に売買をして所有権を取っております。そうしてこれはわずか十日ほど持っただけで、三十九年の六月十五日には土地興業株式会社に売っております。そして土地興業株式会社は四十年の十二月の九日、すなわち一年ちょっと持って、その物件を株式会社大林組に移転をしております。そうしますと、ここでもその土地の評価で、林野庁の評価と実際の価額との間にたいへんな開きがある。この場合、さらに問題になりました受け財産のほうですが、受け財産の鳥取県の日野郡日野町にあります百一町八反六畝十一歩、これは台帳面積ですが、これとそれから同じく溝口町上代山というところにあります二百五十六町七反一畝十七歩につきましては、これは興国人絹パルプが所有をしておりました。そこで思い出しますことは、那須の国有林の交換のときの新潟の民有林の所有者が興国人絹パルプである。今度は西宮の国有林と交換をした鳥取県所在の民有林が同じく興国人絹パルプの所有である。ここにも私は偶然の一致であろうと言い切れないものが感ぜられます。しかも、昭和二十六年に興国人絹はこれを所有したんですが、農林漁業金融公庫は、三十四年の七月とそれから三十三年の一月に、この土地に対して千九百八十万円と二千八百六十万円を融資をしております。抵当権を設定しております。これは後日、すなわち国土開発に売り払われたときに決済をしておりますけれども、これを裏側からひっくるめて考えてみますと、興国人絹が昭和二十六年ころに該当の土地を買った。それに農林漁業金融公庫から金融を受けた。国土開発に転売をし、国土開発がそれを西宮の剣谷の国有林と交換をした。こういうふうに一連の筋書きができまして、大森委員が前回に指摘をいたしました那須の国有林と同じような問題が出てまいります。これは非常に大きな問題でございますし、大森委員のほうにも資料があるようでございますから、私はここで概略を林野庁にも知っていただき、また農林漁業金融公庫にも知っていただいて、こういう国有林の交換にからむ問題をお互いに前向きになってこれから正していくべきだ、こういうように思っております。一足飛びに長口舌になってしまいましたけれども、このような問題に対しまして、林野庁長官は、今後の姿勢として、私は大森委員が指摘したのと同じように三件いま指摘をいたしました。これに対して反省なさることがあれば、あるいは今後こういうようにしたいということがあればお知らせを願います。
  155. 若林正武

    説明員(若林正武君) 御承知のように、国有林野は国民財産でございまして、私ども国民からこれを預かりまして管理経営の衝に当たっておるわけでございます。国有林の管理、処分につきましては、従来からも適正化につきましては努力をしてまいっておるわけでございますが、今後はさらにかりそめにも国民から疑惑の念を持たれるということのないように厳正なる、かつまた慎重な配慮をいたしてまいるつもりでございます。
  156. 二宮文造

    二宮文造君 ちょっと待ってください。その今後はという問題でなくて、私はいま評価の問題について、あるいは交換後の売買された実績をもって、こういう評価では誤りではありませんかというふうに指摘をしたことについては全然お話がなかったのですが、これはいかがですか。
  157. 若林正武

    説明員(若林正武君) 評価の問題につきましては、従来から適正な評価をやってきておるというふうに確信をいたしておりますが、今後におきましても、もちろん評価の適正化ということにつきましては一段と努力をしてまいるということでございます。
  158. 二宮文造

    二宮文造君 評価が適正に行なわれたら三千五百万が四十億になりますか。あるいは坪当たり六十何円が土地造成したからといって八千円、九千円に売られますか。あるいは十三分の一が一億五百万円に対する六千万円ですか、そういうふうに半年もたたないで売られますか。この問題について、従来の評価に問題があった、私はそう指摘したい、また、みんなそう思っております。というのは、剣谷の問題ですが、調べたところによりますと、国土開発は間もなく坪四万円で売り出されます。三十九町、約十二万坪ですね、この十二万坪が一億円ですから七十円か八十円になるわけですね、それが四万円ですよ。交換されたときの評価は百円足らず、ちょっといまとっさに計算したので間違いあるかもしれませんが、高くても百円か二百円です。それがいまでは土地造成をしたからといって——あすこは花こう岩でしてブルドーザーでかくとしっかりした地盤ができるそうです。道路をつくる資金は要るでしょう、しかしそれは坪四万円ですよ。あるいは丸尾山のほうは、三百円足らずのものがいま二万円以上です。そういうようなことが林野庁を通して行なわれて片棒かつがされるという問題になってくるので、従来の評価に問題があるということを私は強く指摘してきょう終わりにしておきたいと思う。長官何かありませんか。
  159. 若林正武

    説明員(若林正武君) 観光を目的といたしました評価、こういった点につきましては、いろいろむずかしい困難な問題があろうかと思うのでございますが、評価のやり方等につきましても、今後大蔵省とも十分御相談を申し上げまして検討をしてまいりたいと思います。
  160. 大森創造

    ○大森創造君 私は、二宮君の問題にした高槻のいままでの交換の問題につきましてさらにお伺いしたい。午前中は田中事件でだいぶ議論が沸騰したこともございますけれども、これは私は、決算委員会国民の税金が正しく使われるようにならなければいけないのだから、決算委員会の場で堂々とさらに議論を深めるべきだというふうに考えております。  そこでお伺いしたいのは、高槻市の山林交換の片方は林野庁、もう一つの相手は、いまお話しにありましたように農林開発興業ということになっておるんだが、農林開発興業とはいかなる会社か。これは相手先でございますから、当然林野庁は調査をしておられるだろうと思うが、簡単にひとつお答えをいただきます、どういう会社か。
  161. 若林正武

    説明員(若林正武君) 農林開発興業株式会社の所在地は東京都千代田区丸の内二丁目、丸ビルの七百六十三区にございます。  会社の内容といたしまして、会社の役員でございまするが、取締役といたしまして高橋喜寿丸、生松弘、秋山文武、高橋博、代表取締役が高橋喜寿丸、それから監査役といたしましては三好猛夫、こういうふうな役員構成に相なっております。  それからこの会社の事業目的でございますが、一は、山林原野の開発改良工事及び造植林。二が、牧畜及び農産物、畜産物の加工または製造。三、土地の造成。四、砕石集。五、前各号に付帯する一切の事業、こういった事業を行ないます会社でございます。  それから会社の資本金は、現在五千万円というようなことに相なっております。
  162. 大森創造

    ○大森創造君 会社の経歴はどういうものでございますか、簡単に……。
  163. 若林正武

    説明員(若林正武君) この農林開発興業株式会社が設立されましたのは昭和三十七年十一月だと聞いております。
  164. 大森創造

    ○大森創造君 私のほうから申し上げてみます。これは菅貞人という人が社長で資本金二千万円、砂糖類の輸出入、国内販売が目的であった。それから——これからの問題をちょっと聞いてください。三十六年の十月に仮登記をいたしました。そして三十七年の五月に継続登記をいたしました。三十九年の十一月に商号及び定款の変更登記をいたしました。いま若林長官が言われましたように、今度は定款を、山林の売買だとか、原野の開発、牧畜及び農畜産物の加工、土地の造成ということにこれは定款を変更いたしました。その変更登記をしたのが四十年の二月でございまして、五千万円に増資をしております。この会社国有地を交換によって取得するためにその受け入れ会社としてつくられたものでございます。私の調査によると。いいですか、長官はおわかりにならないが、私の調査では確実にそういうことになっております。交換をするために受け入れ会社としてつくられた会社でございます。だから、いま申し上げましたように、ややこしい手続を踏んでおります。この点は追って証明いたします。  事務所はおっしゃるとおりのところにございまして、旧丸ビルの七階、十坪余りの事務所でございます。これは私行ってまいりました。事務机が二つか三つございます。応接セットが一組、職員は女子職員一名でございます。支店、営業所、出張所はございません。  そこで役員の問題でございますが、役員はいまお話しのとおり、社長は高橋喜寿丸と申しますか、こういう人。これはどういう経歴かというと、昭和三十年から三十三年の三カ年にわたって、元農林大臣の重政誠之氏の秘書でございました。これは明らかな経歴です。いいですか、社長は農林大臣であった重政氏の秘書を三年間つとめた人でございます。それからあとの役員のいまおっしゃいました秋山文武という人は、この重政誠之氏の奥さんの兄さん——あなたはおわかりにならないでしょうが、私の調査は間違いございません。重政誠之氏の義兄でございます。それから安野さんという人はこれは重政さんの秘書でございます。そのことはおわかりになりませんか。
  165. 若林正武

    説明員(若林正武君) 私存じておりません。
  166. 大森創造

    ○大森創造君 私が申し上げたことにいつわりはございませんから、あとで御確認いただきたいと思います。社長は重政さんの秘書ですよ。役員の秋山文武という人は重政さんの義兄ですよ。そこで、交換というのはいま私が何回もお聞きしたように、林野庁、すなわち国のほうで交換の必要性があった場合に行なうのがたてまえである、こういうことを那須の問題のときにも林野庁の前田中長官がおっしゃいましたが、そのことは事実でございますね。
  167. 若林正武

    説明員(若林正武君) 先生の御指摘のとおり、事実でございます。
  168. 大森創造

    ○大森創造君 それではお伺いしますが、本交換について受け財産である広島の土地がどうして必要であったかという理由をお答えください。
  169. 若林正武

    説明員(若林正武君) 先生の御承知のように、大阪営林局管内の国有林は、たいへん小さい団地が方々に散在しているわけでございます。大阪営林局といたしましては、前々から都市近郊の、いわゆる里山地帯になりますが、そういった地帯の孤立小団地、こういったものは国有林の管理経営上非常にむずかしい問題があるわけでございます。こういうものを整理をいたしまして、むしろ奥地のほうのまとまった国有林に隣接いたしました民有地というものと交換をしたいというふうな計画をかねがね大阪営林局としては持っているわけでございます。そこへたまたま今回の交換についての話が出てまいりまして、大阪営林局としては交換に踏み切った、このような事情に相なっております。
  170. 大森創造

    ○大森創造君 長官のお話はそのとおりに私は聞いておきますが、私は肯定しかねる。  そこで、受け財産の広島の佐伯郡の土地の所有者は、いまは林野庁のものだけれども、前所有者はどなたでございますか。
  171. 若林正武

    説明員(若林正武君) 前所有者は農林開発興業株式会社でございます。
  172. 大森創造

    ○大森創造君 農林開発興業株式会社がだれからか土地を買ったんですよ。農林開発株式会社が交換のために第三者から、民間人から買ったんですよ。民間人の名前が知りたい。これは当然調べがついていていいはずだと思うんですよ。
  173. 若林正武

    説明員(若林正武君) その前までのことは承知いたしておりません。
  174. 大森創造

    ○大森創造君 この程度のことがわからなくては、これはもう話にならぬと思うのだ。長官はまあこの間就任されたばかりだけれども、うしろにおられる方はおわかりでしょう。だって私の論旨はこうですよ。あとで証明しますが、農林開発興業株式会社というものが、那須の場合と同じように、下交渉をして、瀬踏みをして、そうして交換可能だということになった。重政農林大臣が就任したのは昭和三十七年の七月ですよ。これと同時ぐらいに農林開発興業株式会社が第三者の土地を売ってくれといって交渉したんです。その第三者はだれですか。この辺の調べがつかないということになると、林野庁はたよりにならないと思いますが、きょう高槻市の問題で二宮さんと私が質問すると言ってあるんだから、おわかりになるはずだと思う。農林開発興業株式会社が交換のためにぱっと買ったんですよ。だれから買ったかお知りになりませんか。交換のためにこれは買ったんですよ。
  175. 若林正武

    説明員(若林正武君) ただいまわかりかねますので、調査をいたしまして申し上げたいと思います。
  176. 大森創造

    ○大森創造君 私は申し上げますが、野島福太郎という人なんです。そこでね、こういう経緯になっている。秋山文武さん、農林開発の役員、重政誠之氏の義兄ですよ。この人が野島福太郎という人に会っているんです。これは重政さんが農林大臣に就任してから間もなくです。私は野島福太郎という人と事実話をしているんですよ。いいですか、林野庁の方はどなたもお知りにならないと思うんです。私確認しているのです。野島福太郎という人と会って確認しているのです、話をしている。そうすると、あなたが先ほどお答えになったことが事実と違ってくる。こう言っている。野島氏は誠之さんの義兄である秋山文武さんという人は知らない、面識がない、しかし、しかるべき紹介で山の取引の交渉をいたしました。そこで農林開発興業株式会社の役員である重政誠之さんの義兄である秋山文武氏が野島福太郎氏のところへ行って、こういうことを言っているということを確認した。国有地の交換が決定したので、その代金として、金ではなくて、代替の山林で支払わなければならないから、ついてはあなたの土地を私に売ってもらいたい、こういう申し出があった。これは野島福太郎氏自身を知らないのだから、林野庁のどなたもお知りにならないのだけれども、これは重大じゃないですか。いま申し上げますように、あなたのほうでは交換というのは国のほうで交換の必要性があったとおっしゃるごとく、高槻市周辺は小団地になっているから、林野の経営上思わしくないということで国がイニシアチブをとってやっていた、たてまえがそうなんだということを何回も林野庁長官答弁されている、しかし事実は違う。野島福太郎氏に秋山文武氏が交換が決定したからあなたの土地を国と交換するのだから、現金でなくてあなたの土地と交換するのだから、あなたの土地を売っていただきたいということを言っている、これは私自身が話をしているのです。そうするとイニシアチブは全然国や林野庁ではございませんね、そういうことになりましょう。それで秋山文武氏が一時仮登記をしているのです。この経緯を前の答弁と比較してどういうふうにお考えになりますか。国が必要がないのであって、農林開発のほうで必要があるから重政さんの義兄が交渉にいった、その発言が山の所有者である野島福太郎氏がいま私が申し上げたようなことを言っている。これはどうですか。
  177. 若林正武

    説明員(若林正武君) ただいま先生からお話のございました経緯につきましては、残念ながら承知いたしておりませんが、ただ、受け財産につきましては、国有林野に隣接をいたしておりまして、土地の条件その他いろいろ調査をいたしますると、林業経営上非常にいい土地でございまして、かたがた面積的にもまとまっておるというふうなことで、大阪営林局では踏み切ったのであります。
  178. 大森創造

    ○大森創造君 それはあなたのほうの立場としては一般論でしょう、私が言っているのは事実なんです。あなたのおっしゃるような趣旨でやらなければいかぬのですよ。私が調査をして、事実その人に会っているのです、話をしているのですよ。そうしますと、繰り返すようですが、国有地の交換が決定いたしました、私は重政さんの義兄でございます、交換が決定したからには金を納めるのではなくして、交換だからあなたの山を私のほうに譲ってほしい、この交渉をしたのは事実なんです。それが事実だとすると、これは先ほど二官さんの言われたこと、疑惑の種が真実になってくるのです。あなたのやつは一般論林野庁長官としてはそういう御答弁がなければならぬ、いつでも質疑応答はそうです。しかし事実はそうではないですよ。そうすると大前提がくずれてくるじゃないですか、事実なんですよ。
  179. 若林正武

    説明員(若林正武君) 同じお答えになりまして、たいへん恐縮でございますが、事実の問題は一応別といたしまして、やはり大阪営林局といたしましては、国有林経営上その土地はいいんだということで交換に踏み切ったと存じております。
  180. 大森創造

    ○大森創造君 これは事実関係を申し上げますと、重政さんが農林大臣に就任したのは、そこに書いてください。三十七年七月ですよ。そこで、いま申し上げましたように、重政さんの義兄である秋山文武さんという人が野島福太郎さんのところに行って交渉をしたのは、重政さんが農林大臣に就任してから一カ月か二カ月の間のうちに行っているのですが、そこで登記はだれにしたかというと、その秋山文武氏の名前で仮登記されていて、そして農林開発に正式に登記されたのは、書いてください、三十七年十二月十日です。そうすると、秋山文武氏と野島福太郎氏が交渉をしたのは、三十七年の八月から九月にかけてでございますから、どうしても交換の必要性が林野庁のほうであって、この交換の作業をしたとは思えないのです。幾ら私が頭悪くてもそうでしょう、一般論ではなくて事実関係、私の言うことが事実であるならば、これは無効でしょう、全部。
  181. 若林正武

    説明員(若林正武君) 大阪営林局のほうから正式に交換の内諾を通知いたしておりますものは、三十八年七月五日にやっておりますが、その以前にそういうようなことが、いまお話しのようなことがあったかどうかにつきましては、私詳しく承知しておりませんので。
  182. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) ちょっと速記とめて。   〔速記中止〕
  183. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 速記を起こして。
  184. 大森創造

    ○大森創造君 私は、これは事務的には、長官のほうではそういうお答えになっておるけれども、日時関係などを洗ってみると、先ほど二宮さんの言われたようないきさつです。すなわちこれはおえらい人の間ですでに決定されているのです。あとは手続きだけ林野庁に報告されている、おえらい人の間でぱっちりできているのです。それは根拠がなくて言っているのではないです。前段申し上げたとおりです。だからあなたのほうでは、林野庁のほうに届け出のあったのはいつ、仮登記はだれがやった、それから農林開発のほうに正式に登記になったのはいつ、そういう事務的なメモに上がってまいりますが、そうではないですか。私が調査した範囲では、おえらい方の間できまっちゃっている。そして事務的なことをただ国会でやりとりしても始まらない。これはいま私が質問した問題について、私は事実だと思うので実際に話をしている。このことが事実とすれば、この交換は、これはでたらめであると言うのです。さっき二宮さんの言われた問題はみんな事実である。よってこれは返却しなければいかぬという問題だろうと思う。私の言うことが事実ならばそういうことに相なりましょう、いかがですか。
  185. 若林正武

    説明員(若林正武君) 先生のお話が事実であったということでございましても、国有林経営という問題から考えますると、また同じお答えになって恐縮でございますが、やはり大阪営林局が計画しておりますような一連の林野整備というものは、やはりやるべきだと私は解釈しております。
  186. 大森創造

    ○大森創造君 何としても、いいですか、秋山文武氏、すなわち重政さんの義兄の話はこうであったということで、野島福太郎氏がこういうことを言っている。国有地の交換が決定した、国有地の代金として金ではなくて、代替の山林がほしいのだ、ついては貴殿の土地を売ってもらいたいという申し出が、国からではなくて、秋山氏からあった。この事実がはっきりしないならば、どうしてもあとの質問ができないのです。これが事実だとすれば、私無効だと思っている。ちなみに申し上げますが、このときの営林局長はだれか。大阪の営林局長はどなたでございますか。
  187. 若林正武

    説明員(若林正武君) 豊永光局長でございます。
  188. 大森創造

    ○大森創造君 豊さんというのは現在何をやっていますか。
  189. 若林正武

    説明員(若林正武君) 退官をいたしまして、現在定職が何についているかということ、私存じておりません。
  190. 大森創造

    ○大森創造君 それで、私の調べた範囲では、豊さんというのは、三十六年の八月十六日から大阪の営林局長に就任をして、三十九年の四月一日までやっている。ちょうどこの事件のときです。四十一年の六月三十日に熊本の営林局長を辞任している。そうして重政さんは、御承知のように春秋会でございます。豊さんという人も春秋会なんですね。お調べにならないでしょうが、私は調べている。非常に関係が深い人なんです、大阪の営林局長の豊さんとそれから重政さんは。そこで現在は、解散になれば立候補予定ということで、盛んに文書活動をやっております。これは因果関係なしといたしません、私の勘では。みんな知っていますよ、あなたのほうの部下は。それから農林開発の高橋喜寿丸、これは重政さんの秘書ですよ。秋山さんという人は重政さんの義兄ですよ。その人が土地交渉に当たっている。安野という人も重政さんの秘書です。豊さんという人は、私がいま申し上げたような関係です。重政さんが在任中に内定して、実行が赤城さんの農林大臣の時代の三十八年の十月二十日これが行なわれている。非常に不可思議な事件だと私は思う。若林さんはお知りにならないのだろうと思う。いかがですか、何かあったらお答え願いたい。
  191. 若林正武

    説明員(若林正武君) 私そこまで詳しいこと存じておりません。
  192. 大森創造

    ○大森創造君 私がいままで申し上げたことが事実であると私は確信するので、これが事実ならば、国有地の交換という事務は妥当性を欠く、法律違反である、林野庁がダシに使われたのだ、よってこれは無効だと思う。これは次回の委員会に譲ります。だんだん証拠が出る。  ところで、先ほども二宮さんとの間で問答がございましたけれども、この問題の高槻の土地というものは、時価幾らくらいしていますか。
  193. 若林正武

    説明員(若林正武君) 現在幾らかということにつきましては、承知しておりません。わかっておりません。
  194. 大森創造

    ○大森創造君 どうも困るなあ、これはちょっと……。私の調査では二万から三万、あと四年たったら万国博がありますから、これはものすごく値上がりするだろうと思います。そこで先ほどのお話のように、三千四百九十何万ということに評価しているのだが、これを三十六町四反七歩、すなわち十万五千坪で割ると、三百十九円という数字が出てくる、坪当たり。これはどういう評価で行ないましたか。時価が二万、三万もするものが、林野庁が計算した根拠は三百十九円になっている。これはどういう根拠でございますか。
  195. 若林正武

    説明員(若林正武君) 評価につきましては、先生も御承知のように、近傍類似地の売買実例価額、あるいは所得税等の課税標準価額、さらには第三者の鑑定価額、こういったものを参酌いたしまして決定をいたしておるわけでございます。第三者の鑑定価額につきましては、日本不動産研究所、住友銀行、高槻森林組合、近畿財務局等に評価をお願いいたしております。評価のやり方といたしましては、三分の二は宅地見込み地、三分の一についきましては緑地地帯の山林といったふうなことで評価をいたしております。
  196. 大森創造

    ○大森創造君 何とも私は了解しがたいのですがね、三百円。ところが、時価は三万円しておる。そこで先ほども問答がございましたように、これは権威あるところから、やはり担保の根抵当の評価額が二万円というのが出ているのですよ。それから東食というところが幾らに評価しましたかな。そこで、私は林野庁長官にお尋ねしても始まらないので、銀行局長にお尋ねしたいと思うのです。農林中金や東食や、その他いろいろなものがこの土地の評価をしていて、何万円という数字が出ているにもかかわらず、林野庁のほうでは三百十九円という数字か飛び出しているのですが、これはどういうことなんでしょうか。
  197. 澄田智

    説明員(澄田智君) 私のほうでは、いまのせっかくの御質問でございますが、わかりかねます。農林中金が担保に取った際の価額等はその後調査をいたしておりませんので、国有林の場合の価額については私どもわからないわけであります。
  198. 大森創造

    ○大森創造君 農林中金は幾らに評価しましたか、金を出すときに。これはわかっておりますね。
  199. 澄田智

    説明員(澄田智君) これは目下調査中でありまして、中金のほうにもう一度よく調査をいたしてみませんと、手元に数字はございません。
  200. 大森創造

    ○大森創造君 中金の担当官のほうは私に口頭でこういうことを言っているのです、五千円だ、同じ政府の系統機関であるところの農林中金のほうは五千円だ、こういうことを言っております。(「二万円」と呼ぶ者あり)二万円という説もある。よくはわからないのです。そこで、この土地約三千五百万円、先ほどのお話のように、農林中金をはじめとして四十億の担保に取ったというお話でございますが、その担保は日向市の細島工場をはじめいろいろなものを取っておりますね。千葉県の工場やいろいろなものを取っているわけでしょう。そこで、高槻の土地、この土地についての担保の額は幾らかおわかりですか。林野庁長官か銀行局長
  201. 澄田智

    説明員(澄田智君) いろいろの担保が、いま先生のお話にもありましたように、幾つかの抵当としてまとめて入っておりまして、個々の担保の価額は私どものほうでもまだわかっておりません。
  202. 大森創造

    ○大森創造君 共和糖化というものと共和製糖と東洋果糖、それに中金のほうが金を貸し出しをしたのが三十二億円の残があるというのは、先ほどの問答でよくわかりました。私の調査でも一致している、二宮先生と一致している。千葉県その他の物件の根抵当の合計は、高槻市の土地を除いての根抵当の合計は、十三億なんですよ。で、高槻の問題の土地は幾らに評価されているかというと、二十三億円なんです。だから高槻以外のいろいろな施設のほうの評価は十三億で、問題の土地は二十三億で、合計三十六億になっている。それで二十三億という評価は、面積で割ると答えが出る、何ぼになります。十三億に評価をしているんですよ、農林中金は。二十三億の評価は正しいと思いますか。農林中金、それから銀行局長、割ってみてください。
  203. 澄田智

    説明員(澄田智君) 私どものほうでどうもまだ数字は確認されておりませんので、いまおっしゃった二十三億というような数字につきまして確認いたしておりませんので、ちょっといまの御質問にはお答えいたしかねます。
  204. 大森創造

    ○大森創造君 それで、事実私が申し上げたとおりのことなんですよ。  そこで、これ以上押し問答しても始まらないが、私の感じではこうなんですよ。この担保提供者は農林開発である、これはおわかりですね。債務者は共和製糖グループの各社でございます。坪単価は二万円である。それで共同担保として取っている中金の評価は二万円ではないかと思うんです、私は。どの程度かはあとで計算してみればわかります。私が疑問に思うのは、この銀行評価というものは、金融公庫とか農林中金というものは性質上、これは手がたく低目に見積もるのがほんとうだと思うのです。金を倒されたらたいへんですから、一割引きぐらいで低目に押えるのが正しいと思うんですよ。事実そのとおりに行なわれている。交換は国の財産の処分ですから、その価格は非常に手がたく行なわれなければならぬと思う。ところが、その手がたい価格が高くなっていて、逆に高かるべき価格が低くなっているんです。二十分の一。これはこの一、二年間の土地の騰貴率はどのぐらいになっているかというと、これでもっていくと二十倍ぐらいになっている。先ほども問題になりましたように、那須の問題については、七、八十円の土地が、造成して二千五百円から八千円、こうなっている。この土地について、二宮さんの言うごとく、中金の次に東食が約十六億の根抵当を敷いている。東食の土地の評価は坪二万円なんです。一般不動産業者の評価は三万円近い。これは当たってみた。そうすると、この三百十九円という価格は妥当なのかどうか。手続上の妥当性がどこにあるのか。非常に国民は不信感を持つだろうと私は思うんです。これでいいんでしょうか。
  205. 若林正武

    説明員(若林正武君) 私どもの評価につきましては、妥当であるというふうに確信をいたしております。
  206. 大森創造

    ○大森創造君 私は、さっきの交換の手続について第一の疑惑がある。それから第二の疑惑は、若林長官がお答えになっていますけれども、価格の評価について第二の疑惑がある。その次に第三の疑惑を一つ申し上げます。いわゆる共和製糖グループが宮崎県の日向市の細島に計画した甘味総合コンビナートの建設資金関係についてお聞きしたいと思う。  まず、砂糖工場分について、建設計画による必要資金の額、その調達計画、資金の用途、及び実際に融資した金額について説明いただきます。
  207. 大口駿一

    説明員(大口駿一君) 宮崎県日向市の融資の申請書に記載をされておりますブドウ糖合理化工場新設の目的について、概略を御説明いたしたいと思います。  まず、目的は、ブドウ糖の合理化工場を甘味総合コンビナートの一環として建設をする。設備能力は、無水結晶ブドウ糖その他ブドウ糖、合わせて日産七十トン、原料でん粉処理量百五十トンという規模でございます。ただいま申し上げましたのはブドウ糖工場の分でございまして、そのほかに精糖工場も建設をするという計画でございます。そこで、事業計画に記載をされておりまする資金計画は、精糖工場分として、借り入れ金十二億、自己資本三億二百万円、ブドウ糖及び果糖工場分として、借り入れ金十八億、自己資金十一億三千五百万円が事業計画として記載されております。
  208. 大森創造

    ○大森創造君 いまのお答えは数字が違いますよ。ブドウ糖、果糖工場のほうが日産七十トンでしょう。それで砂糖工場のほうが二百トンでしょう、計画書によると。
  209. 大口駿一

    説明員(大口駿一君) 最初に私がお答えをいたしましたのはブドウ糖工場の規模でございまして、砂糖工場の規模につきましては、ただいま御指摘のとおりでございます。
  210. 大森創造

    ○大森創造君 そうでしょう。で、開発銀行は幾ら融資しておりますか。
  211. 大口駿一

    説明員(大口駿一君) 私ども承知をいたしておりまするのは、開発銀行から八億の融資が貸し付け決定をいたしておりまして、現在六億五千万の資金交付済みというふうに承知をいたしております。
  212. 大森創造

    ○大森創造君 その担保はいつ何を取っておりますか。
  213. 大澤融

    参考人(大澤融君) 私からお答えする筋合いではないかと思いますけれども、細島の工場を財団として担保にとっております。
  214. 大森創造

    ○大森創造君 はっきり私はわかりませんから次にお伺いします。コンビナートのブドウ糖工場の建設分について漁業金融公庫に提出された計画による必要資金の額、その調達計画、資金の用途(土地、建物、機械、付帯設備のために)に関して説明してください。またその計画はいつ出された、融資の申請の会社は何ですか。
  215. 大澤融

    参考人(大澤融君) 融資の申請をしました会社は現在は共和糖化工業に合併を受けておりますが、東洋果糖でございます。それからブドウ糖全体の計画としては約十三億を計画しております。そのうち公庫は八億の融資ということで申請があったと思います。
  216. 大森創造

    ○大森創造君 その融資の返済計画はどのようになっておりますか。その実施状況を説明してください。
  217. 大澤融

    参考人(大澤融君) 返済計画は二年据え置き十五年であります。
  218. 大森創造

    ○大森創造君 その実施状況はどうですか。
  219. 大澤融

    参考人(大澤融君) 先ほども二宮委員の御質疑にお答えしたとおり、昨年の八月分とことしの八月一日分と、先ほど申し上げたような事情で来年の三月末まで延ばすということでございます。
  220. 大森創造

    ○大森創造君 時間がないので私はあとで速記を調べますから、責任ある御答弁をいただきますよ。この場限りのことじゃまずいですから、あとで速記を克明に調べますから、何しろ高槻まで行くんですから注意して御答弁を願いますよ。  農林中央金庫には別に計画が出されているが、当然内容も公庫は承知していると思うが、その計画では必要資金額、調達計画、資金用途はどうなっているのか、公庫に出されたものとだいぶ違っているが、その理由は何ですか。
  221. 大澤融

    参考人(大澤融君) 先ほど申し上げましたように八億の申請がございまして、八億ということでなくて五億これを貸し付け決定をいたしまして、現在融資の実行しておりますのが四億で、先ほどから二宮委員にもお話し申し上げましたが、基礎工事その他に金をかけまして使っておる、そういうことになっております。
  222. 大森創造

    ○大森創造君 ブドウ糖、果糖工場建設資金として実際に融資された額は幾らか、公庫、中金及び市中銀行別に説明してください。また融資はいつから幾らずつの分割でいつ終わったんですか。
  223. 大澤融

    参考人(大澤融君) 本件に関する限りのものは四億を三十九年の十月六日に出しておる、こういうことでございます。それ以後は出しておりませんし、償還は先ほど申し上げたとおりであります。
  224. 大森創造

    ○大森創造君 この融資担保として、現在何をいつどのようにして取っているのか、それからその担保価値は幾らになっているのか、また当初に取っていた担保は何か、評価は幾らか、また高槻の土地を中金が押えておるが、公庫のほうは何で押えないんですか、押えない理由。
  225. 大澤融

    参考人(大澤融君) 普通私どもがこういうものに貸し付けをいたします場合に、でき上がったところでその融資対象物件を財団として抵当に取るということをやっておるわけですけれども、この種の工事ですと時間がかかるわけです。したがいまして、最後にでき上がったところでまとめて取るということでなくて、できたものを逐次担保に取るということで、普通のやり方よりは慎重にやっております。そこで東洋果糖の分で取っております担保は、いま申し上げましたように、すでにできております精糖工場、これは先ほどもお話が出ましたように開銀その他からの融資もあるわけですが、財団としてその中に公庫も加わって担保を取るということが一つ、それから変電所あるいは貯水施設といったようなものにつきまして、砂糖とブドウ糖との共用の施設があるわけですが、そういうものについても物的担保として抵当権を設定しているというようなことでございますが、先ほど申し上げましたように、いろいろな事情で償還を多少延ばすというような事情もありますので、つなぎ担保として何らかのものをさらに取ったほうがいいということで、これはだいぶ前から東洋果糖、現在の共和糖化と交渉いたしまして、逐次十分なものを取りたいという気持ちで、さしあたりは共和糖化工業が千葉県に持っております土地、これを担保に取るというようなことで、つなぎ担保も取るというようなことをいたしております。
  226. 大森創造

    ○大森創造君 時間がありませんから早くいたします。問題は、ここでブドウ糖、果糖工場の建設工事は現在中止されているんですが、その中止の理由、時期及びその中止時期における建設の進行状況、並びに再開の見通しなどについて簡単に説明してください。
  227. 大澤融

    参考人(大澤融君) これは先ほど二宮委員の御質問に対して簡単にお答えいたしましたけれども、いろいろな事情があったわけですが、当初計画いたしましたのは七十トン工場、その後いろいろ検討してみますと、三百トン工場のほうが非常に能率的だ、あるいは二百トン工場がいいというようなこともさらに検討の必要があるということが一つと、それから大きな工場をつくるということで、御承知のように水あめ業者あるいはブドウ糖の製造業者とかいうのは、中小企業でございますから、そういうものが大工場ができると脅威を感ずるということで反対があったわけです。そういう事情も見、さらに資金繰りというようなこともあったと思いますが、そういうことで当初三十九年の十月ですかの建設予定でありましたものが延びておるわけですが、これは先ほど申し上げたように、来年のいまごろまでに、でん粉ができてそれを買ってブドウ糖にするということが適当だと思いますので、それまでにははっきりした工場の建設をするということが必要だと思いますので、そういう目標で現在共和糖化と、早く再建といいますか、再建計画を固めて工事にかかるようにということで話をしているところでございます。
  228. 大森創造

    ○大森創造君 このブドウ糖、果糖工場分として中金から十億、それから公庫から四億、それから市中銀行は四億、計十八億が現実に出されておる。これは事実。ところが中止時期までに資金が出たと思われるのは土地代約一億八千万円、それから専用埠頭だとか汚水処理施設、変電所など砂糖工場と共用する付帯施設設備建設の分担分約三億一千万円、計約五億円にすぎません。ところが十八億円出しておる。使われておるのは五億円にすぎない。この建物の基礎工事だけはできておるということが言われているが、その上にこれから何が建つかわからない。ブドウ糖工場の建設資金と見ていいかどうか疑問があります。この基礎工事の資金は私の調査では一億五千万円程度でありますから、たとえこれをブドウ糖工場の建設資金として入れるとしても総計六億五千万円ばかりでありまして、そうするとこれらのことを協調融資の総額十八億円と比較すると、十三億から十一億五千万円ばかりの融資金が使途不明になっていると私は思う。一体この金はどこに行ったのか。中金、公庫だけの分でも最低七億五千万円、最高九億の金が当初の融資目的に反して他に流用されておる。これは御答弁いただきたい。
  229. 大澤融

    参考人(大澤融君) 私どもの仕事に関する限り、四億の金がよそに流れたというようなことは想像できないと思います。と申しますのは、この工事にかかりましてから土地ですとか、土地の購入、それから整地、工場の事務所ですとか、あるいはこれは砂糖との共用物件になるものですが、原料の倉庫ですとか、あるいは製品の倉庫、機械だとか、変電所、自家発電設備、専用埠頭もつくっておりますし、それから汚水処理施設というようなものもつくっております。こういうものに金をかけまして、実行いたします三十九年の十月六日でも約七億余りの金が必要になっているわけですが、そういうようなことも見まして内輪目に、五億全部出すというようなことをしないで内輪目に四億を出すというようなことでやっております。その後いろいろ工事にかかって、その金は今年の六月ごろには九億近いものになっているように私ども思っております。したがいまして、私どもが出したブドウ糖の四億というものが砂糖その他に流用されておるというようなことは考え得られません。
  230. 大森創造

    ○大森創造君 私はきょうは融資の状況やそれから計画書とか、実行の予定書とか、そういうようなものをここで時間がないから問答をしても始まりませんから次回に譲りますが、私は納得しかねる。そこでこの点はどうなのでしょう。私は流用はされていると思うのです。完全に流用されている、砂糖工場のほうに。ブドウ糖、果糖工場のほうに融資十八億というそういう名前を使って、そして精糖工場のほうに私は違法に、法律違反、定款違反、農林中金やあるいは農林漁業金融公庫の定款違反の事実を犯していると思うのです。これは私はあとから調べます、次回に。そこで結果的に見ますと、どうしてもそうなるのです。  稼働能力二百トンということになっておるが、実際は八百トンということだし、いろいろな情勢から考えてみますと、ブドウ糖と果糖工場の名目で、実は法律と定款外の貸し付けについて罰則があるにかかわらず、私は流用されているというふうに思うのです。だからこれはだまされているのではないかと思うのです。食糧庁長官から農林漁業金融公庫総裁昭和三十九年の三月三十日に文書が出ている。「東洋果糖株式会社宮崎工場のぶどう糖製造施設に対する融資あっせんについて」という文書が出ている。そうして「ぶどう糖企業として適切であると思われるので、これが所要資金昭和三十八年度分につき貴金庫より融資方よろしくお願いする。」という文書があるのだが、これは必要な書類でございましょう。しかし私が申し上げたようなことであって、実際は砂糖工場のほうに数億円の金が農林中金と漁業金融公庫のほうの金が流れている、流用されているという事実が明らかになれば、これは大きな政治的な責任があるでしょう。行政的な責任があるでしょう。いかがでしょう。
  231. 大澤融

    参考人(大澤融君) 公庫の四億に関する限りは、先生が御心配になるようなことは私はないと思っております。それから先ほど食糧庁のほうからの通知ですけれども、推薦状と申しますか、あれですが、これも先ほど二宮委員にお答えいたしましたが、公庫のやっておりますのは政策金融であって、ブドウ糖育成事業、あるいはそこに書いてありますようにコンビナートの建設というような立場から政策的に進めているということでありますので、そういう通知があるのも当然なことです。それを受けて政策にマッチしたような融資をしているということも公庫として当然やるべきことだと、こう思っております。たまたま工事——ブドウ糖をつくる機械類の据えつけが先ほど申し上げましたような事情でおくれておりますけれども、いままで使われた四億というものは砂糖に流用されたとか、あるいはどこかへ行ったというようなことは私どもはないと考えております。
  232. 大森創造

    ○大森創造君 食糧庁長官はどうですか。それから銀行局長はどうでしょうか。
  233. 大口駿一

    説明員(大口駿一君) ブドウ糖工場建設につきまして、食糧庁から農林漁業金融公庫総裁融資について書面を出しておりますが、これは宮崎県におきまする総合コンビナートの計画の中で、ブドウ糖工場を建設をするということは、その付近の一帯にありまするカンショでん粉を原料とした製造工場が主産地のでん粉消費に貢献するところが大であるという観点から資金のあっせんを依頼をしたものでありまして、でん粉工場の建設につきましては、ただいま金融公庫総裁からお答えがありましたような事情に現在ございまするが、このでん粉工場建設そのものはでん粉の消費並びにイモ生産者の利益に貢献をするという観点から、政策的にけっこうなことであるということで、資金のあっせんをいたしたものであります。
  234. 大森創造

    ○大森創造君 銀行局長に私はお願いをしておきますが、いまいろいろ御答弁がございましたけれども、私の調査する限りではそうではなくて、ブドウ糖と果糖工場の名目で、そうして農林中金と農林漁業金融公庫から巨額の金を引っぱり出して、そういう名目だけを使って、実際は法律違反であり、それから銀行、それぞれ農林中金や公庫の定款違反であって、罰則までついているところの流用を行なっていると私は判断をしている。これは私は資金の操作、監督官庁である銀行局が実際に調べてみなければわからないと思う。というのは、先ほどから申し上げているとおり、私ばかりでない、公明党の二宮さんもおっしゃられているとおり、大体出発点から間違っているのですから、これは。いいですか、繰り返すようですが、国がイニシアチブをとって国がこの土地と交換したいというのが交換でございますけれども、事実はそうでないのですから、会社のほうで、民間のほうで必要性があって交換をしていますから、そこから出発をしていますから、私はこれはちゃんと言質を得ていますから、だからきょうのいままでの二宮さんと私に対する御答弁は、ある部分は信用できるが、相当部分信用できない。これは当然だと思うのです。だから、きょうの答弁の速記や、あなたがお聞きになった点をよく考えて、そうして指導監督の立場にある銀行局が私が申し上げているように流用されているかどうか、この点をお調べいただきたいことと、御答弁があったら御答弁いただきたい。会計検査院も調査の結果について御答弁をいただきたい、この問題について。
  235. 保川遜

    説明員(保川遜君) 先ほどからお尋ねがございました共和糖化グループといいますか、共和糖化グループに対する融資、これは融資としてはわれわれの目から見て、若干異例な融資であった、そういう観点からわれわれも相当の関心をもっていままで農林漁業金融公庫の検査をやってきているのですけれども、ただ、その融資が適当かどうか、そういった点になりますと、これは農林省の政策の問題が一つございます。われわれの守備範囲として、そういった貸し付けの管理が適正に行なわれているかどうか、こういった観点から検査をやっているわけでございます。しかし、今後の問題としても、金を貸すのでございますから、取れる見込みがなければ何とか処理をしなければいかぬ、これはあたりまえです。そういったことで、今後もわれわれとしては、十分にそういった観点から留意をしていきたいと、こう考えております。
  236. 澄田智

    説明員(澄田智君) 私どものほうは、いままで農林漁業金融公庫と農林中金のほうから状況を承知しているということでございますので、なお、よく実情について今後調査をするようにいたしたいと思います。
  237. 大森創造

    ○大森創造君 会計検査院のことばが、やはり政治融資である、異例なことであるということをちょっと私聞いたのだが、どうもはっきり聞こえなかったのです。私はそこで公庫の総裁のほうの言われることは、工場の建設状況だとか、並びに現在の評価などは公庫や開銀や中金の担当者の言を私は聞いているのです。全部その総合したものでございますから、私の言っているのは。総裁説明とは全然違うのですね。総裁はこの問題知ってないのじゃないですか。きょうかきのう、にわか仕込みでヒヤリングをやっただけではないのですか。それでは意味がないのです。決算委員会というのはやはり田中彰治が生まれてしまうことになる。幾らこういう問答を繰り返したって話にならないのです。だから私はこの問題は疑問点が非常に多い。しかし、ここでやったってだめなんですから、真実を語れないと思う。私はいま語ったらえらいことになるから。しかし、決算委員会として、私はこれでは済まされないと思うので、農林中金や開銀や公庫の責任者を次回に呼んでもらいたい。大問題ですよ、これは。こんなに暑いときに時間をつぶしてやる必要がない。二宮さんと私が言っているのは同じなんです。二カ月も三カ月もかかって調べているのですよ。ところがあなた方のほうでは、ヒヤリンクングをされて答弁されている。高槻へ行ってないでしょう、この問題について。だから私はいままでの問題について大いに疑問点があるのです、二宮さんと同じように。若林長官がいかほどお答えになろうと、私は信用できない。委員長と委員の皆さまにお願いいたしますが、私はこれで時間がなくなりますからやめますけれども、これではらちあかないのです。第三者に対抗するような意見がないのです。私のほうで質問して、あなたのほうでお義理一ペんの答弁をする、そのうち時間切れになってやめてくれということになると、真実がどこにあるかわからない。どうしても私は関係銀行の責任者を呼んでいただきたいと思う、次回に。そうでないというと単なるやり取りですよ。決算委員会なんていうのはあってもなくてもいいですよ。そこで今度速記録なんか−田中事件みたいなことができるのだから、私は結着をつけてほしいと思う。この問題については、銀行の担当者を機会を設けて呼んでもらう。私が言うことが間違いなら私は手をついてあやまります。だけれども、こういう公式の場でその場限りの御答弁をされてはいけませんからね。若林長官だって、あなたの責任ではないのです。これは昭和三十七、八年ころの事件でございますから。だけれども、事実は違うのですよ。いまの公庫の総裁のおっしゃることも違うし、若林長官のおっしゃっておることも違うと私は了解しておるが、これはいつまで問答しても始まりませんが、幾つも疑惑が出るのでございますから、この問題の正しいあり方を次回かいっか、私も機会を見て質問を続行したいと思います。きょうはこれで打ち切ります。これ以上できないだろう。  それからもう一言会計検査院に。いま重大な発言をされましたので。あなたのほうだって了承しておるはずはないのですよ。この問題は会計検査院のほうでもよくもう一回調べてくれませんか。私の言ったことが事実かどうか。きょう御答弁になったことが事実かどうか。正しい会計検査のあり方を、融資あり方を、それから国有林野の交換のあり方というものを私は検討してほしいと思うのです。手続上のことばかりここで問答したって私はもう事実は前進しないと思いますから、お願いいたします。
  238. 藤原道子

    ○藤原道子君 ずっと質疑応答を伺っておりましたけれども、きょうは大蔵省の問題の審査のはずでございます。ただ国有財産関係のことでほとんどきょう終日費やしてしまいました。伺えば伺うほど疑惑が多いし、いま田中彰治代議士事件等があって、国民が非常に疑惑を持っておる。したがって、この問題を飛び飛びとやったって意味がないと思いますので、やはり従来ございました国有財産に関する小委員会、こういうものを委員会の総意で御決定願って、それでこの問題は納得のいくまで、国民が理解するまで追及して、その結論をあまり公表しないためにそれがゆすりの種になるわけでございますから、この問題はこう結論がついたというようなことで公表するというような方向へ持っていって、この決算委員会権威を私は維持したい。これを提案いたします。
  239. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) いまの藤原委員のほうからの提案、御意見ですが、ちょっと問題もありますし、それから午前中に出ました稲葉、岩間両委員から出ておる問題、それらを、ただいまこれが終わりましたら、委員長、理事打ち合わせを行ないまして、とりきめたいと思っております。
  240. 藤原道子

    ○藤原道子君 強く要望いたします。
  241. 竹田現照

    ○竹田現照君 きょうは時間の関係で専売公社に入れませんですから、ちょっと資料を要求しておきますから出していただきたい。  それはたばこ事業費の中の販売報償費、たばこ販売団体交付金、これを三十六年度から四十年度まので予算額と支出済み額、それから翌年度繰り越し額、これを年度別に一覧してわかるようにひとつ出しいただきたい。  それから旅費、科目別予算と実績、それからとりわけいま審査対象になっています三十九年度のをちょっと見まして、葉たばこ調達費、その他いまの旅費、四つだけ当たってみましても、予算額からオーバーすること実に一億七千四百八十三万円、約一億七千五百万、特に再乾燥費のごときは予算額百八十六万円に対して超過額千五百八十六万円、実に十倍、こういうような旅費が当初の予算編成からわずか一年の間に何ゆえにこんなにたくさん必要なのか、その理由。  それから会計検査院はこれの検査をしたわけですから、なぜこんな十倍も予算からオーバーするに至ったか。検査院の見解、それから大蔵省は監督官庁として、これは予算編成がずさんだったわけですね。大蔵省との間の予算折衝で一体何をやっていたか。だからこういう点について監督官庁としての大蔵省見解をあわせて、時間がありませんから、後ほど資料として出していただきたい。
  242. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) いま竹田委員から資料要求がございましたが、よろしゅうございますね。
  243. 東海林武雄

    説明員東海林武雄君) いま資料の御要求がありましたが、これは作成いたしまして提出することにいたしたいと思います。
  244. 保川遜

    説明員(保川遜君) ただいまの御要求の資料、私ども委員会に資料として御提出いたします。
  245. 亀井光

    説明員(亀井光君) 大蔵省といたしましても、監督官庁の立場から、御要求の筋は準備をいたしてお出しします。
  246. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 他に御発言もなければ、本日の審査はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時四十一分散会      —————・—————