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説明員(島田豊君) 先ほどの
佐多先生の御質問の中で、三つの柱あるいは五つの柱、さらに陸海空
自衛隊のそれぞれの構想と、こういうお話でございます。実は第二次
防衛力整備計画におきましては、一方におきまして日米安保体制を基調としながら、外国からの武力進攻に対しては対処していくということは、もともと国防の基本方針でございますので、その点は三次防におきましても変わりはございません。したがいまして、わが国の
防衛力の基本としましては、そういう日米安保体制のもとにおきまして、それを基調としながら、わが国の
防衛力としましては、在来型兵器によりますところの局地戦以下の侵略に対処する、そういう
防衛力の基盤を育成をしていくというのが二次防の
考え方でございました。三次防の
考え方におきましても、この日米安保体制を基調としながら、わが国の
防衛力としては、在来型兵器による局地戦以下の侵略に対処する、こういう基本的な
考え方については、一応まあ私どもの段階におきましてはそう大きな変更の必要はない、こういうふうに
考えたわけでございます。もちろん、これは最後的には
国防会議の政治的な御判断の問題でございますので、そういうふうに
決定されるかどうかということにつきましては、もちろん、問題ございますが、一応事務当局としましては、そういうことを
考えております。
さらに三つの柱というふうな問題につきましては、要するに一二次防におきます
重点と申しますか、
防衛力整備の柱と申しますか、そういうことであろうと思いますが、まあ従来の二次防の経緯にかんがみまして、
自衛隊にもいろいろ不備、欠陥もございます。そういう不備、欠陥を是正をしながら一段と内容の
充実をはかっていく、そして
自衛隊全体の
近代化をはかり、総合的な
防衛力を向上さしていく、こういうことでございまして、そういう点から
考えてみますと、
一つの問題は、機動力という点が今後大いに伸張されなければならない。わが国の非常に細長い地形におきまして、部隊をある地点からある地点まで急速に展開いたします場合には、どうしても空、地の機動力というものが十分なければならない、こういう
考え方が
一つございます。それから海上から来ますところの外敵の侵略というものに対処するためには、わが国の
周辺海域を
防衛をする力をもっともっとつけていかなきゃならない。これはわが国に対しまして進攻してまいりますところの実力というものに対しまして、不断にこれを哨戒し、警戒をしていく、そういう能力のことをいうわけでございますが、そういう点が従来の
自衛隊におきまして非常に微力であったということを反省をいたしたわけでございまして、そういう
周辺海域の
防衛能力というものを三次防におきましては十分
整備してまいらなきゃならない、こういうふうに
考えたのでございます。
もう一点は、防空の能力、要撃に対しますところの防空能力というものが、二次防の段階におきましてはまだ十分でないということから、主として地対空の誘導弾部隊の増強によりますところのわが国の要撃防空の能力を向上さしていく、まあこういう点を一応われわれ事務段階におきましては、まあ柱と申しますか、
重点と申しますか、そういうことで全体の作業をやっておる、こういうことでございます。