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1966-08-30 第52回国会 参議院 決算委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年八月三十日(火曜日)    午前十一時十分開会     —————————————    委員異動  八月八日     辞任         補欠選任      高山 恒雄君     瓜生  清君  八月二十九日     辞任         補欠選任      山崎  斉君     温水 三郎君  八月三十日     辞任         補欠選任      藤原 道子君     佐多 忠隆君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         鶴園 哲夫君     理 事                 仲原 善一君                 八木 一郎君                 竹田 現照君                 二宮 文造君     委 員                 久保 勘一君                 黒木 利克君                 高橋文五郎君                 内藤誉三郎君                 温水 三郎君                 山本茂一郎君                 佐多 忠隆君                 達田 龍彦君                 黒柳  明君                 瓜生  清君    国務大臣        国 務 大 臣  有田 喜一君        国 務 大 臣  上林榮吉君    事務局側        常任委員会専門        員        池田 修蔵君    説明員        防衛政務次官   長谷川 仁君        防衛庁長官官房        長        海原  治君        防衛庁防衛局長  島田  豊君        防衛庁教育局長  中井 亮一君        防衛庁経理局長  大村 筆雄君        防衛庁装備局長  国井  眞君        防衛施設庁長官  小畑 久男君        経済企画庁総合        開発局参事官   山下  武君        科学技術庁研究        調整局長     高橋 正春君        会計検査院事務        総局第二局長   井上  鼎君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○昭和三十九年度一般会計歳入歳出決算昭和三  十九年度特別会計歳入歳出決算昭和三十九年  度国税収納金整理資金受払計算書昭和三十九  年度政府関係機関決算書(第五十一回国会内閣  提出) ○昭和三十九年度国有財産増減及び現在額総計算  書(第五十一回国会内閣提出) ○昭和三十九年度国有財産無償貸付状況計算書  (第五十一回国会内閣提出)     —————————————
  2. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  委員異動について報告いたします。  八月八日高山恒夫君が、また二十九日山崎斉君が委員辞任され、その補欠として瓜生清君及び温水三郎君が選任されました。  また、本日藤原道子君が委員辞任され、その補欠として佐多忠隆君が選任されました。     —————————————
  3. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) この際、防衛庁長官及び防衛政務次官から発言を求められておりますので、これを許します。
  4. 上林山榮吉

    国務大臣上林榮吉君) 私は、今回の改造内閣国務大臣といたしまして、防衛関係の仕事を担当することになりました上林榮吉でございますが、何ぶんにもふつつかな者でございますので、委員長ほか委員各位の御理解ある御指導を切にお願いをいたしたいと思います。  まことに簡潔でございますが、就任のごあいさつにかえさせていただきます。(拍手
  5. 長谷川仁

    説明員長谷川仁君) 防衛政務次官を命ぜられました長谷川でございます。どうぞ委員長並びに委員各位の御指導御鞭撻を切にお願いいたします。(拍手)     —————————————
  6. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) これより昭和三十九年度決算外二件を議題といたし、防衛庁決算について審査を行ないます。  まず、防衛庁決算について説明を聴取いたします。上林防衛庁長官
  7. 上林山榮吉

    国務大臣上林榮吉君) 昭和三十九年度防衛庁関係歳出決算に関する説明を申し上げたいと存じます。  まず、昭和三十九年度防衛本庁経費について御説明申し上げます。  当初の歳出予算額は二千六百十二億五千九百十三万二千円でありまして、これに昭和三十九年九月以降政府職員給与改善するための予算補正追加額七十八億一千二百四十一万二千円及び高空における放射能塵研究等のため科学技術庁から移しがえを受けた額六百六十八万二千円、代替庁舎取得のため大蔵省から移しがえを受けた額三億五千七百九十七万二千円、オリンピック東京大会実施準備並び南極地域観測再開準備のため文部省から移しがえを受けた額八億五千六百五十八万円、前年度からの繰り越し額五十四億一千四百六十四万一千百三十六円を加え、既定予算節約による予算補正減少額二十一億七百四十万七千円を差し引きますと、歳出予算現額は二千七百三十六億一万二千百三十六円となります。  この歳出予算現額のうち支出済み歳出額は二千六百七十一億七千六百八十二万六百三十六円でありまして、これを歳出予算現額に比較いたしますと六十四億二千三百十九万一千五百円の差額を生じます。  この差額繰り越し額不用額でありまして、繰り越し額は四十九億六千六百九万三千八百四十五円、不用額は十四億五千七百九万七千六百五十五円であります。  昭和三十九年度の予算執行につきましては、昭和三十六年七月に国防会議決定された第二次防衛力整備計画の第三年度として、昭和三十八年度に引き続き、この計画に準拠して、実質的な防衛力整備向上をはかることを主眼といたしました。  そのおもなものは次のとおりであります。  陸上自衛隊につきましては、ホーク一個大隊編成を完結し、また駐とん地業務隊等改編により中部方面通信隊改編し野外における通信能力充実をはかる等支援能力の強化及び合理化をはかりましたほか、前年度に引き続き装備品計画的更新により装備近代化充実改善をはかりました。  また、昭和三十八年度に臨時に編成された東京オリンピック支援集団廃止作業は、オリンピック終了後の昭和三十九年十月十九日から逐次実施し、同年十一月二十日集団司令部廃止をもって完結いたしました。  航空機につきましては、連絡用ヘリコプター(H13)五機、偵察、連絡輸送用ヘリコプターHu1B)八機を購入いたしました。  海上自衛隊につきましては、昭和三十五年度に着工しました護衛艦「あまつかぜ」の就航によりこれを第一護衛隊群へ編入し、また、昭和三十六年度に着工しました潜水艦「おおしお」の就航により第二潜水隊を新編し、第一、第二潜水隊及び潜水艦関係陸上部隊改編いたしまして第一潜水隊群を新たに編成自衛艦隊編成に加えましたほか、甲型警備艦一隻、甲II型警備艦一隻、潜水艦一隻、甲型駆潜艇一隻、中型掃海艇二隻、支援船六隻、計十二隻八千七百三十一トンの建造に着手しました。航空機につきましては、練習機(B65)三機及び対潜攻撃用ヘリコプター(HSS2)四機を購入いたしました。  航空自衛隊につきましては、昭和三十八年度に防衛法案不成立となったため、昭和三十九年度に持ち越されましたF104飛行隊二個隊及び第八十一航空隊編成をいたしましたほか、昭和三十九年度F104戦闘機が配備されたことにより新たに二個飛行隊編成し、第五航空団、第六航空団にそれぞれ配置するとともに、F104飛行部隊編成に関連いたしましてF86飛行隊二個隊をもって第八航空団を、F86飛行隊一個隊をもって第八十二航空隊をそれぞれ新編いたしました。  また、既存部隊改編によりまして、第一隊ナイキ大隊及び同支援隊編成するとともに、第二次ナイキ部隊建設のための諸準備を推進するほか、自動警戒管制組織に関連する諸施策の推進をはかりました。航空機につきましては、昭和三十五年度に契約いたしましたF104J百八十機、F104DJ二十機、計二百機の生産を完結いたしました。このほか、新たに輸送機(YS11)二機及び救難用ヘリコプタL(S62)二機を購入いたしました。  また、定員につきましては、昭和三十八年度に防衛法案不成立となったため、昭和三十九年度に持ち越されました自衛官千二百五十八人、自衛官以外の職員五百五十七人、計千八百十五人及び昭和三十九年度に新たに増員された自衛官九百十三人、自衛官以外の職員二百四人、計千百十七人、合計、自衛官二千百七十一人、自衛官以外の職員七百六十一人を増員いたしました結果、昭和三十九年度末防衛本庁定員は二十七万三千百二十三人となります。  繰り越し額四十九億六千六百九万三千八百四十五円のうちおもなものは、器材費等九億九千二百三十九万三千円、研究開発費一億四千五百二十八万円、航空機購入費一億五千九百六十五万九千円、航空機騒音対策費四億七千三百四十四万九千円、施設整備費十四億九千二十万七千円、艦船建造費十三億三百五十五万四千円、庁舎等特別取得費三億五千七百九十七万二千円などでありますが、この繰り越しを生じました理由の概要を申し上げますと、器材費等及び航空機購入費につきましては、有償供与一般輸入にかかる調達品について引き渡しがおくれたことまたは輸送輸入手続等にやむを得ない日数を要したこと等のために納入が遅延したこと等に基づくものであり、研究開発費につきましては、試作品製造途中製造会社が台風による災害を受けたため工程が遅延したこと等試作品製造不測日数を要したことに基づくものであります。航空機騒音対策費につきましては、用地の選定及び設計作成等不測日数を要したこと等に基づくものであり、施設整備費庁舎等特別取得費につきましては、用地取得に際し所有者の納得を得ることが困難であり、補償の折衝に意外の日数を要したこと等により工事が遅延したことに基づくものであり、また艦船建造費につきましては、要求性能決定及び設計に長期の日数を要したこと等に基づくものであります。  また、不用額十四億五千七百九万七千六百五十五円のおもなものは、航空機修理用部品購入価格予定価格より低かったこと、油の値下がりにより油購入費を要することが少なかったこと、昭和三十五年度に契約をしたF104J・DJ二百機の生産が完結し精算の結果予定価格を下回ったこと、航空機騒音対策費を要することが少なかったこと及び土地購入費等が当初の予定額を下回ったこと等によるものであります。  次に、昭和三十九年度(組織防衛施設庁経費について御説明申し上げます。  当初の歳出予算額は百三十三億九千九十六万円でありまして、これに昭和三十九年九月以降政府職員給与改善するための予算補正追加額二億四百三十六万九千円、防衛庁設置法及び自衛隊法の一部改正により大蔵省が所掌しておりました合衆国軍事援助顧問団交付金に関する業務昭和三十九年十二月二十八日より防衛施設庁が所掌することになったため、大蔵省から移しかえを受けた額四億一千五百四十万円、駐留米軍航空機墜落事故が相次いで発生し、人身及び家屋等損害を与え、その損害賠償を行なうため既定予算不足を生じ、予備費を使用した額三千五百六万四千円、また、昭和三十九年一月以降駐留軍労務者離職者に支払う特別給付金の増額及び駐留軍縮小等により駐留軍労務者大量解雇が行なわれたことのため既定予算不足を生じ予備費を使用した額九千三百万円、前年度からの繰り越し額六億三千七十七万五千三百七十八円を加え、既定予算節約による予算補正減少額二億二千四百四十八万円、提供施設周辺土地等改修事業等に要する経費として移しかえをした額、農林省所管組織農林本省へ七億六千五百四十八万円、建設省所管組織建設本省へ二億二千二百七十八万六千円を差し引きますと、歳出予算現額は百三十五億五千六百八十二万二千三百七十八円となります。  この歳出予算現額のうち支出済み歳出額は百二十六億四千五百五十万七千八百七十円でありまして、これを歳出予算現額に比較いたしますと九億一千百三十一万四千五百八円の差額を生じます。この差額繰り越し額不用額でありまして、繰り越し額は七億九千九十一万五千百六円、不用額は一億二千三十九万九千四百二円であります。  翌年度繰り越し額七億九千九十一万五千百六円のおもなものは(項)施設提供等諸費でありますが、これは補助金工事等においてアメリカ合衆国軍事情または気象、用地関係、資材の入手難等により工事等が遅延したことによるものであります。  不用額一億二千三十九万九千四百二円のおもなものは(項)施設提供等諸費でありますが、これは補助金精算の結果によるもの、また建物移転補償において相手方と協議が整わなかったもの等によるものであります。  予算執行につきましては、国民一般から多大の関心を寄せられておりますので、諸法規を順守することはもちろん、最も効果的に運用するよう戒め、また綱紀の粛正にも留意し、国民の信頼にこたえるよう努力してまいったところでありますが、会計検査院昭和三十九年度の決算検査報告におきまして、不当事項指摘を受けたものが、(組織防衛本庁二件、(組織防衛施設庁三件、計五件ありましたことは、まことに遺憾に存ずる次第であります。  指摘事項の内訳は、物件二件、(防衛本庁)、補助金三件(防衛施設庁)についてでありますが、これにつきましては、よく部内に徹底させ、将来再びこのような過誤を繰り返すことのないよう万全の措置を講ずるとともに、改善または検討を要するものにつきましては、すみやかに改善検討のための諸施策を推進する考えであります。  また、繰り越し額が五十七億円になったことにつきましては、前に述べましたような特殊事情があったとはいえ、まことに遺憾に存ずる次第でありますが、今後は予算年度内消化につきまして格段の努力をいたす所存でございます。  以上をもちまして説明を終わります。  何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
  8. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 次に、会計検査院当局から検査報告を聴取いたします。
  9. 井上鼎

    説明員井上鼎君) 昭和三十九年度防衛庁決算検査概要について御説明申し上げます。  検査報告不当事項として掲げましたものは、物件二件、補助金三件、計五件でございますが、  まず第一は、陸上自衛隊物資補給処で戦車の部品を購入するにあたって、米国の輸出業者見積もり価格や他の購入事例をよく調査しないで購入いたしましたために著しく高価となっていた事案でございます。  第二は、航空自衛隊で使用するブルドーザーの部品輸入品を指定して購入しておりますが、陸上自衛隊では性能が同じで価格が安い国産品を使用しているのでありますから、航空自衛隊でも国産品を購入して経費節約をはかるべきであるという事案でございます。  次に、補助金の三件でございますが、防音工事として補助した学校の鉄筋改築工事で、工事施行が著しく不良で、補助の目的を達していなかったり、施工が設計と違っていたりしたものでございます。本院の注意によりましていずれもこれは手直し済みとなっております。  以上の不当事項のほかに、自衛隊レーダーサイト等で使用する電気の需給契約につきまして、契約の種別を改めて経費の節減を行なうよう改善の意見を表示いたしましたものが一件でございますが、その内容につきましては検査報告の一一二ページ以下に記述してございます。  以上簡単でございますが、御説明を終わります。
  10. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  11. 黒木利克

    黒木利克君 先日当決算委員会委員長はじめわれわれ三名の者が宮崎県の新田原飛行場の視察を行なったのでありますが、その調査結果に基づきまして、基地周辺民生安定対策につきまして若干御質問を申し上げます。  その前に、明年度概算要求防衛庁の案もすでに御決定になっておると思いますが、この基地周辺民生安定対策につきましては、昨五十一国会におきまして防衛施設周辺整備等に関する法律も成立をしたばかりでございますから、明年度予算におきまして大いに期待をいたしておるのでありますが、明年度基地対策予算考え方あるいはその重点等について御説明を承りたいと思います。
  12. 小畑久男

    説明員小畑久男君) 明年度予算概算要求の基本の方針ということについて申し上げたいと存じます。  ただいま御指摘のありましたように、前国会周辺整備法律が通りました。来年度はその法律施行の第一年度に当たるわけであります。この法律の各条項に即してきめのこまかい予算を組むということが一つ重点であります。特に第四条の民生安定補助につきましては、衆議院、参議院の内閣委員会等附帯決議がありました。われわれのほうでも、その決議に沿いましてきめのこまかい案をつくりたいと思っております。  なお、その予算のもう一つの特色は、われわれの考えでは、自衛隊基地が、米軍基地に比べまして、自衛隊の発足がおそかったという点もございましょうが、ややその民生安定の施策におきましておくれがあるという点も反省いたしまして、来年度はこの自衛隊基地に関する周辺対策のおくれを是正して駐留軍基地との均衡をはかりたいということも一つの眼目としております。現在そのような観点からいろいろと計数の整理に当たっておるわけであります。
  13. 黒木利克

    黒木利克君 それでは新田原基地について具体的に数点お尋ねをしたいと思いますが、予算書を見ますと、障害防止工事助成とか損失補償とかという事項がございます。それに関連してまずお尋ねをいたします。  この新田原基地調査をしましたところが、これは台地になっておりまして、しかも周辺地域水源地帯になっておるようであります。ところが、この飛行場の数次にわたる拡張工事によりまして、完全にこの台地裸地にされてしまいまして、保水力が極端に減退をしておるようであります。このため、一たん雨が降りますというと、土砂れきを含んだ雨水が一時に流れ出しまして、水路を洗掘することはもちろん、農耕地へも土砂れきが堆積いたしまして、相当な被害を与えておるようであります。同じく現に飛行場東側の宮の首地区というところの事情を聞いたのでありますが、ここでは用水の取水が完全にもうできなくなっており、しかも下流のたんぼ約二ヘクタールへ土砂れきが流入をいたしまして、甚大な被害を与えておるということを知ったのでありますけれども、この障害防止工事助成なり損失補償に該当すると思うのでありますが、政府は一体どうなさっておるのか、どうなさるおつもりなのか、お伺いをしたい。
  14. 小畑久男

    説明員小畑久男君) 飛行場拡張とか整地によりまして周辺地域に与えます被害防止につきましては、従来からも十分注意してやっておりますが、たとえば新田原につきまして申しますと、大和池排水路整備周辺ため池しゅんせつ等を実施してまいったと思います。ただいま御指摘の宮の首の排水路につきましても、飛行場東側の地点に所要の工作物を設けまして、雨が降って相当溢水するような場合には少しその流水を緩和するような措置をとってきたことも御承知のとおりであろうと思いますが、それだけではその後整地が進みましてだんだんその工作物の効果も疑わしくなってきたという実情はわれわれもよく了解しておりますので、できるだけ御指摘の線に沿いまして、昭和四十二年度概算要求には予算化したいと考えております。なお、でき得ますれば、一部を四十一年度の実行でもやりたいというふうに考えております。
  15. 黒木利克

    黒木利克君 同じくこの飛行場東側新富富田部落というのがあるのでありますが、ここに簡易水道が設けられておりますが、その水源地湧水量が近時激減をいたしまして、飲料水にもこと欠く状況にあるということを承知いたしました。これも同じく昭和三十五年度の飛行場拡張による水源地帯保水力減退に基づくというふうに考えられるのでありますが、一体この対策予算のこの民生安定施設助成という事項に相当するのかどうか、あるいは防衛庁において上水道の設置等をせられるお考えがないかどうか、これが対策についてお伺いをいたしておきたい。
  16. 小畑久男

    説明員小畑久男君) 地元からの陳情によりますと、昭和三十五年度の飛行場拡張に伴いまして富田地区水源地整地をされまして、このためにいま御指摘のように地下水系変動湧水源枯渇等現象を呈したのでございます。しかしながら、この地下水系変動とか湧水源枯渇という現象飛行場拡張及び整地によるものであるとの立証は直ちにもっては困難な面もあるわけでございます。われわれといたしましてはこれを調査いたしまして、もしそれが何らかの因果関係というものが考えられますれば、整備法によりましてしかるべき対策をとりたいという考えでありまして、昭和四十二年度には、予算概算要求に際しまして、本件の調査費を計上したいというふうに考えております。
  17. 黒木利克

    黒木利克君 すみやかに調査をして善後措置をとっていただきたいのであります。事は生活に直接の関係がございますから、よろしくこれはお願いをいたしておきます。  次は安全措置事案の促進という事項に属するんでありますが、集団移転の問題でございます。この新富町の奥部落に関しまして、集団移転陳情が三年前から行なわれておりまして、政府も、前国会におきましては、この種の要望についてはケースバイケースで処理すると言っておられますが、一体この奥部落集団移転についてはどういうお考えか、お伺いをしたいと思います。
  18. 小畑久男

    説明員小畑久男君) これも基地整備法集団移転対策を講ずるようになっておりますが、奥部落につきましては、現在飛行場滑走路オーバー・ランから約千五百メートルのところにございます。ところが、現在新田原では、昨年度の横田、厚木飛行場等集団移転の際の閣議了解趣旨と同じような見地から、一キロメートル以内を先にやろうという手順で進んでおりまして、これが片づきますれば、次にはわれわれは奥部落につきましても考えたいというふうに考えております。
  19. 黒木利克

    黒木利克君 話を聞きますとですね、千五百メートルですから千メートル以内には該当しないと言うんでありますが、ただ地勢が、この奥部落台地であって、一般平地の千五百メートルとはだいぶ必理的な影響というか違うと思うんであります。だから、平面で五百メートルを台地のほうで百メートルか、そういう開きがある特殊の私は地帯だと思うんでありますが、そういうような地帯についての実際上の運用をどうなさるおつもりか、重ねてお伺いしたい。
  20. 小畑久男

    説明員小畑久男君) 飛行場によりまして、先生のおっしゃいましたように、千メートルが平地で、その先の遠いところが台地である、したがって飛行機が飛ぶ際に台地のほうが危険を感ずるというようなところが飛行場によってはありますので、私は先国会で、そういう事情があればこそケースバイケースオーバー・ラインから距離をきめてやりたいということを発言したわけでありまして、その趣旨によりまして、当該地区は確かに千五百メートルでございますけれども、台地でございまして、平地の千五百メートルとはだいぶ趣が違いますので、そういう点も十分考慮いたしまして、まず近いところが片づき次第検討したいというふうに考えております。
  21. 黒木利克

    黒木利克君 そのような弾力的な運用をなさるということで安心をいたしましたが、現実にこの新田原地元の方々に聞きましても、防衛庁に対しては悪い感じを持っていない。非常に協力的な、好意的な雰囲気を感じてまいりまして、喜んでおるんであります。ただしかし、この周辺対策というものは、やはりきめのこまかい、地元実情にも合い、かゆいところに手の届くような施策を行なわなければ効果を実はあげ得ないと思うんであります。  実はこれは予算とも関連をいたしますが、学校の防音工事の問題でございます。なるほど鉄筋で二重窓で、いなかにしては実にそぐわない、すばらしい学校を見てまいりました。しかし、かんじんの通風とか冷房に関してはまあゼロだと。特に南のこういう国では高温多湿と申しますか、とにかく飛行機が飛んでおる間でも窓をあけていなくては授業もできないというような事情を聞いてまいりました。いわば仏つくって魂入れずと申しますか、せっかく鉄筋の二重窓の装置をおつくりになっても、これが実際には役立っていないというような感じを受けたのであります。これはおそらく南ではそうでありましょうが、東北地方では鉄筋で冬には暖房がなけりゃえらいことになると思うんでありますが、そういうことでひとつ——なるほど学校が鉄筋二重窓でぜいたく過ぎるようではありますけれども、しかし、鉄筋でつくったからには、こういうような冷房装置的なものも、ぜいたくとは思いますけれども、これがなけりゃ意味が半減をするわけでありますから、何とかお考えになれないものかどうか。  一体この予算の運営ではそういうことまではお考えになっていないのかどうか。この障害防止工事助成とありますが、この中に当然含めてしかるべきではないかと思うのであります。  それともう一つは、維持費でございます。ここの村長さんに聞きますというと、電気代が相当かかって非常に困っておるということであります。さもありなんと思ったのでありますが、一体こういう維持費については、いままでも予算に出されたことがないようでありますが、この防衛庁予算で無理とするならば、特別交付税の配慮をするなり、何とかやはり、せっかく防音装置をりっぱにしたからには、ひとつその効果を十分にあげるような措置を、つまりこれこそきめのこまかい施策だと思うのでありますが、おやりになるべきではないかと思うのでありますが、これらについてどのようにお考えかをお伺いしたい。
  22. 小畑久男

    説明員小畑久男君) 冷暖房と維持費につきましては、御指摘のような問題が地元にあることは承知しておりますが、いままで政府としましては、原則としまして、これは直接の問題じゃございませんので、ただいまお話がございましたように、自治省の地方交付金のワクで何とかならぬだろうかということをいろいろ折衝してまいったのでございますが、ただ冷暖房につきましては、私のほうでも——先ほども御指摘ございましたように、北海道の千歳、島松地区で、向こうは逆に暖房がないと授業ができないというふうな窮状がございまして、これにつきまして予算措置を講じましたので、それと反対に、南方につきましても、何とかやはりそういう必要があればやる必要があるのじゃないかという考えがございまして、できますれば来年度テストに一校くらいやってみたいという感じを持っております。その際には、おそらくいま先生が御視察になられました新田原が一番南でありますので、モデル・ケースを採用する場合には新田原を採用したいというふうに考えております。
  23. 黒木利克

    黒木利克君 最後の御質問になりますが、防衛庁の長官も南の御出身でございますから、よく事情はおわかりと思いますが、実は防衛庁長官昭和三十九年度の最初の決算に関する御説明の中で、昭和三十九年度の不用額が十四億幾ら出た——これは一八ページにございますが、その中に、「航空機騒音対策費を要することが少なかった」というふうな御説明がございましたが、こういう対策費を要することが少なかったというくらいの余裕がある、はそれならば冷暖房ぐらい当然おやりになってしかるべきではないかという感じを持ちましたけれども、大臣の御所見を承りたい。
  24. 上林山榮吉

    国務大臣上林榮吉君) 金が余るから何にでも流用することは戒めなきゃならぬと思いまするけれども、御質問の趣旨のような点については、できるだけ御期待に沿うように努力すべきかと存じます。事務当局と打ち合わせまして、できるだけそういう方針で臨みたいと思います。
  25. 黒木利克

    黒木利克君 質問終わります。
  26. 黒柳明

    ○黒柳明君 新防衛庁長官に、基本的なわが国の防衛の問題について二、三お伺いして、さらにそれについて若干こまかい質問をしたいと思います。  まず、防衛当局として、中共の核についてどのような態度であるか、こういう点どうでしょう。
  27. 上林山榮吉

    国務大臣上林榮吉君) 中共が攻撃的な核をもし積極的に開発していくということになれば、日本としても影響を受けないというわけではございませんけれども、この問題は、御承知のように、日本として核の装備を積極的にする考えは全然ないということを歴代の長官及び政府が答弁しておるところでございまして、これはすべてアメリカの核に依存して防衛する場合はしていくと、こういう基本的な方針は全然変わりはございませんので、しかるべく御了承願いたいと思います。
  28. 黒柳明

    ○黒柳明君 防衛に対する国論が一致していない、こういう現状において、長官はどのようにお考えか。特に三次防には、二兆七千億ですか、こういう膨大な国費を使う、こういう点に関連して意見をお伺いしたいと思いますが。
  29. 上林山榮吉

    国務大臣上林榮吉君) 事防衛に関する限りは、できるならば早めに国論が統一することを期待するものでございますけれども、一部国論に批判的なものがあることは現段階としてやむを得ない点もあろうかと思うのでございますが、そういう関係から、好んで何も膨大な予算を組むわけではないのでございますけれども、私が赴任前に二兆七千億——正確にいいますとそれより百億円くらい切れるのでございますが、そういうような数字が論議せられておることは事実でございます。しかし、具体的には、いまだ三次防が最終的段階に至っておりませんので、この数字というものはまだ弾力的なものがあろうかと思います。もちろん、防衛庁の長官という立場から言いますと、できるだけ現段階の要望を満たし得る程度の予算というものはぜひ必要である、こういうように考えておるところでございまして、この程度で御了承願っておきたいと思います。
  30. 黒柳明

    ○黒柳明君 わが国の平和憲法、それに関連して——平和憲法の精神に関連して、軍縮という問題についてはどのようにお考えでしょうか。
  31. 上林山榮吉

    国務大臣上林榮吉君) 平和憲法が示す平和的な精神というものは、言うまでもなくこれを尊重していかなければならぬと思います。しかし、軍縮に関して国際連合を中心に、先般も約十七カ国がそれぞれ核の問題等について協議をしたようでございますが、残念ながらその成果はあまり望みのない結果に終わったかのように思われるのでありまして、そういう意味において、まことに残念である、こういうように考えておるところであります。
  32. 黒柳明

    ○黒柳明君 自衛隊が発足してもう十年になるわけですが、今度の三次防について、この中共の核の装備ですね、この点を考えての三次防なのか。長官は、四十八年から五十年まで、そういう先までも想定して計画を進めたい、このようなおことばも聞きましたですし、そうすると、相当中共の核装備というものは発展、進展、完成に近い段階になっておると思うのですが、この三次防と中共の核の装備、それについての関連はどうでしょう。
  33. 上林山榮吉

    国務大臣上林榮吉君) 先ほど一言お答えいたしましたように、私は中共の核がそれぞれの攻撃的な発展に向かうことはまことに遺憾だと思いますけれども、それに対して三次防なりやがては三次防のあとにくる四次防なりの構想とは何ら関係がないことを申し上げておきたいと思います。
  34. 黒柳明

    ○黒柳明君 長官も御存じのように、中共のいまの紅衛兵の問題、非常ににこれは考えられない事態だと思うのですが、異常な事態だと思いますが、またそのつい先にはやがて中共をになうと思われている林彪あるいは周恩来あたりが、要するに中共はズボンをはかなくとも核兵器はつくるのだと、あるいは戦争というのは人民の試練のために必要なんだと、このような非常に平和を愛する国民としてはちょっと遺憾な発言をしている。こういうような人たちがやがて中共の後継者として目されているわけですけれども、そういういまの非常に異常な状態、またそういう後継者と見られるような人のこういう発言、その中共がわが国の隣にいる。その中共でますます核開発、核の装備が拡充される将来に対して、わが国がその三次防でそのことを全然無視してやる、そういうことははたして常識的に考えられるのかどうか。ますますこれから核というものを中心にしての軍備、それから将来に対する発展段階だと思うし、また中共の核が世界の軍備も変えるであろうと、こういうようなことも言われているわけですが、こういうような観点と、長官のいま言われたことばと何か矛盾しているような感じもしますが、いかがでしょうか。
  35. 上林山榮吉

    国務大臣上林榮吉君) 中共がいま紅衛兵その他で非常に異常な状態にあるということは、私ども新聞紙等を通じて承知しているところでございますが、同時にまた核の問題についてもただいま御意見のようなそれぞれの論評や意見も拝聴してみたりしておるのでございますが、しかし、先ほど申し上げたように、政府の方針は核の攻撃的な問題はすべてこれアメリカに依存をしておる、安保条約を中心にいたしましてそういう方針でいく、日本は核武装はやらないのだというのが現段階における政府の一貫した方針でございますので、ただいまの御質疑に対しまして、三次防ないしは四次防の中にこれが積極的な対策、言いかえると、核に対しては核をもってというような、そういうような考え方は全然ないことを申し上げておきたいと思います。
  36. 黒柳明

    ○黒柳明君 マクナマラ国防長官の単独記者会見ですが、「中公」に出ております。ごらんになったと思いますが、要するに中共の核攻撃に対してアメリカは核兵器をもってこれは防御する、日本を助ける、このような発言があるわけです。これは非公式なものにせよ、アメリカの国防長官が言ったということですから、そういう意思があることは当然だと思う。そうすると、日米間に暗黙のうちにこういうような了解ができているのじゃないか、こういう大きな疑惑を起こさせる。こういう点について長官どうでしょう。
  37. 上林山榮吉

    国務大臣上林榮吉君) 私が、速記録や、あるいはまた佐藤総理その他から、政府その他から伺ったところによりますと、そういうような協定は全然ないということを私は信頼しておりますので、現段階においては、あるいは将来においてもそういうことはない、こういうように御承知願いたいと思います。
  38. 黒柳明

    ○黒柳明君 まあ私も当然ないことは確信いたしますし、決してないとこう思いますが、国防長官は、中共が核攻撃した場合にはアメリカは核兵器をもって日本を守る、こういうふうにはっきり明言しているわけです。ですから、あるない、こういう問題ではなくして、当然起こり得べきことではないし、起こることは期待しませんし、起こらないように祈るわけですが、国防長官がそういうふうな発言をするわけです。ですから、あくまでもこの事実は認めざるを得ないと思うのです。また、こういう気持ちがある、もし起こった場合にはこういう気持ちがあるのだ、またこういうことは行動にあらわれてくるだろうと、こうも想像されるような発言です。ですから、この問題について、そういうことがないように期待すると、こういうお答えじゃちょっと納得できないと思うのですが、いかがでしょう。
  39. 上林山榮吉

    国務大臣上林榮吉君) 現実を無視するような答弁だとおっしゃるのではないかと思いますけれども、現実から見ましても、私どもは、核の攻撃に対して、それを防御するものは、これは安保協定によりまして、言うまでもなく、アメリカが積極的に担当するのだ、こういうように理解しておりますので、それ以上、こうなった場合はどうなるかという仮定の問題のようなことにこの議論をまぜていくという考えはございませんので、どうぞ御了承願いたいと思います。
  40. 黒柳明

    ○黒柳明君 しつこくて申しわけございませんが、私も、仮定のことじゃなくして、既成の事実をもってお尋ねしているわけです。従来は、いま長官おっしゃいましたような、相互防衛するのだ、日米安保条約のもとに相互防衛体制をつくるのだ、こういう発言はされていたのですが、今回のように、核兵器をもってという、こういうことばは初めてなわけです。ですから、その点について非常に大きな心配が起こるわけですよ。絶対核は持ち込ませない、核の心配はないのだ、こういうような私たちは大きな望みを託しているわけです。ですけれども、攻撃された場合はアメリカは核兵器をもって日本を守るのだ、こういうような発言はいままでにない発言である。いままでにないことばが使われた。その根底には、そういう事態があった場合にはそういう行動に出るのじゃないか。これはあくまでも、発言そのもの自体は、仮定のことじゃなくて、既成の事実なんです。実際そういうときが来るかこないかは、これは仮定かもしれませんけれども、だけれどもアメリカの国防長官がこういう発言をするからには、来るか来ないかはだれにもわからないですけれども、国防長官はそういう意思があるということをはっきり明瞭に裏づける発言だと、こういうふうに私は思うのです。いかがでしょう。
  41. 上林山榮吉

    国務大臣上林榮吉君) まあアメリカは、あらゆる方法をもって日本を守るということを言っておるわけです。その一つとして、核の問題に対しては、核の攻撃に対してはアメリカはこれをアメリカとして積極的に日本を援助する、こういうことになっておりますので、それ以上の問題は、ここでいろいろお聞きになりましても、これが一貫した政府の方針でもございますし、私もそれを踏襲したいと考えておりますので、御了承願っておきたいと思います。
  42. 黒柳明

    ○黒柳明君 じゃ、その国防長官の発言、中共核攻撃があった場合には、日本には核がアメリカの軍隊によって持ち込まれる、アメリカの軍隊が核装備をして中共の核攻撃に対してそれを守る、こういうようなことを認めざるを得ない、こういう仮定がいまから成り立つということは、アメリカの核を持ち込ませないといういままでの政府の発言とはちょっと食い違うような気がするのですが……。
  43. 上林山榮吉

    国務大臣上林榮吉君) 私も、中央公論に出ていたマクナマラと日本の、若泉という人でしたか、あの人との記事はよく読んでみたのですけれども、そういうように、日本に核兵器を持ち込んで、そして中共の核に対して防衛をするのだという記事のようにはどうも受け取れなかったのございますけれども、いずれにいたしましても、さっき申し上げたとおり、決してアメリカが武器をここに持ち込んで積極的に中共の核攻撃に対して守る、こういう意味にはどう考えても取れないのでございますが、その辺はひとつ御理解願えれば幸いだと思います。
  44. 黒柳明

    ○黒柳明君 総理と官房長官が、先日、今後の佐藤内閣の外交課題は核拡散防止から完全軍縮だ、こういうような実現を目ざしてこれから進んでいく、このような発言をされましたのですが、長官のこの問題に対するお考えはどうでしょうか。核拡散防止から完全軍縮へと、その実現を目ざして政策を押し進める……。
  45. 上林山榮吉

    国務大臣上林榮吉君) 基本的な方針としてはそうあるべきだと思いますので、私はその説に賛成でございます。
  46. 黒柳明

    ○黒柳明君 これはわが公明党の政策の一つでもあるのですが、日本が、こういう問題から、非核地帯宣言、あるいは非核保有国の団結を強くして、核保有国に対しての何らか一つの意思表示をしていく、こういうようなことをやったらどうかと、たびたびこういう提案をしているわけですが、この問題に対して長官はどのようにお考えでしょうか。
  47. 上林山榮吉

    国務大臣上林榮吉君) 御承知のような国際情勢でございますので、非常に複雑でもございますので、いま直ちに御提案のようなことを宣言するとか、積極的に交渉するというようなことは考えておりません。
  48. 黒柳明

    ○黒柳明君 私も、その自衛隊の問題、国防の問題、あらゆる問題に対して非常に関心があるわけですが、いま防衛研修所において一生懸命に少数の人が軍備コントロールや何かの問題を真剣に研究しているという事実は、聞いていますし、知ってもいますけれども、非常にこれだけ自衛隊あるいは国防という問題が大きくクローズアップされたときに、何か研究する施設、人数、これが非常に小規模のような気がするのですが、この研修所、要するに軍備、軍縮、国防、こういうものを真剣に討議するそういう研究職員の増加とか、あるいは施設の拡充とか、そういうようなことについて、長官はお考えございませんか。
  49. 上林山榮吉

    国務大臣上林榮吉君) 防衛庁としては、当然必要であるというような重要な問題については、そういう研究所の施設の拡充ということも考えていくべきだと思いますが、軍縮というようなそういう問題は、所管が外務省が主としてやるべきものではないかと考えますので、その辺のことはひとつ調整をとって政府全体として考えていくべき問題であろうと思いますので、この際はっきり確答申し上げることは控えたいと思います。
  50. 黒柳明

    ○黒柳明君 研修所はどうでしょう。
  51. 上林山榮吉

    国務大臣上林榮吉君) 単なる防衛庁所管として考え得る研修所の拡充なりあるいは改正なりということは、当然やるべきであろうと思っております。
  52. 黒柳明

    ○黒柳明君 三次防の問題ですが、長官は、六カ年構想と、このような構想を打ち出されましたのですが、それが何か立ち消えになりそうですが、長官の真意というものはいかがなものでしょうか。
  53. 上林山榮吉

    国務大臣上林榮吉君) 立ち消えになるとか、立ち消えにならないとかいう問題ではなくして、御承知のように、防衛問題はある程度長期計画でなければなりませんし、また計画的なものでなければならぬし、言うまでもなく継続的なものでなければならぬわけです。それで、諸外国の例を見ましても、たとえばスエーデンのごときは七年計画をもってやっている。そうして、三年たった後に、これを諸般の事情を勘案して、さらに七年計画を立てていく、こういうようなシステムのようでございますが、私は、何も五年計画あるいは六年計画というものにはこだわっておりませんけれども、ただ、一つのアイデアとして考えると、五年は五年なりに長所がございますし、固定しているという点において短所がございますし、六年計画にして、前半の三年たった後にまた六カ年計画を立てて、ローリングしていくということになれば、防衛の性質上適切ではないかという一つ考え方もあるわけでございまして、まだ最終的には詰めてないのです。だから、宙に浮いたとか、あるいはこれを強行するとかという考えはいまのところ持っておりません。両々、長所短所をいま勘案して勉強中であると、こういう程度にお聞き願えれば幸いだと思います。
  54. 黒柳明

    ○黒柳明君 大いに勉強してもらいたいと思いますが、もう三次防の予算計画も相当な煮詰まった段階になってきていなければならないのですが、大蔵省との折衝がうまくいかない。防衛局長も隊員の士気に影響するなんということをおっしゃっておりますですが、非常にその点、先国会においても、あれだけの防衛論争が行なわれたわけです。いままで終戦後タブーみたいな形になっていた論争が活発に行なわれ、国民に対するPRも相当行き届いてくる一つの端緒をつくってきたわけですね。そういう段階において、何か三次防がまだ固まりそうもない、長官の発言が事務当局に何かこう一つネックになったような感覚も国民に与える。また局長も、お隣にいらっしゃる方も、士気に影響する、ほんとうにこういう発言をされているわけですけれどもね。この大蔵当局との折衝、いつになったらめど、見通しがつくものやら、いかがでしょうか。
  55. 上林山榮吉

    国務大臣上林榮吉君) 私は、こういう技術的な問題で何も士気に影響があるとは考えておりません。先ほど申し上げたように、長期計画は五年がいいか六年がいいかということは、さして私は、第三次防に影響があるとは考えないのです。なぜかと言えば、四十二年度の概算見積もりというものは、それをある程度想定して出し得るわけですから、何も一升ますではかったようなものを出さなくても、ある程度弾力性があって、そうして大蔵省が示したとおり、少なくとも今月一ぱいで概算要求は出せる段階でございます。そのために、私が六年計画を出したために歯どめになっていて、四十二年度分も出せないという状況ではないわけであります。なおまた、長期計画というものは——私も就任してわずかに一カ月足らずでございますが、その間それぞれ勉強してきたつもりでございますので、その範囲内で考えまするに、長期計画はできるだけ慎重でなければならぬ。これはなるほど五年計画を想定してある程度やってきたのでありますけれども、それとて煮詰まっておったわけではないのです。煮詰まっておったわけではないのでありますから、大蔵省との折衝も、あるいは自衛隊に対する士気の関係も、私がそういうアイデアを示したがために、私はおくれているとは考えていないのでございます。その点はひとつ御理解ある認識をいただきたいと思います。
  56. 黒柳明

    ○黒柳明君 防衛局長、いま士気に関係がないと長官がおっしゃいましたですけれどもね、局長関係があるというのは、どのような点からおっしゃったことばでしょうか。
  57. 島田豊

    説明員(島田豊君) ただいま黒柳先生から、私の発言が新聞に掲載されましたものについての御発言がございましたが、これは時期的に申し上げますと、新しい長官が赴任されます以前の問題でございまして、大蔵省当局の折衝がなかなかスムーズに進捗をしないというふうな段階におきまして、私あるいはそういう内容のことをお話を申し上げたかもしれないと思うのでございまして、いまの六年か五年にするかというそういう計画方式の問題が、直ちに士気に影響するという意味のことを申し上げたつもりはないのでございます。
  58. 黒柳明

    ○黒柳明君 私もそうだと思います。大蔵省との段階でうまくいかないので士気に影響すると、こういうふうにおっしゃったように聞こえるわけです。何も、長官が六年計画を出したから、それが士気に影響する云々というのじゃなくして——そういう意味だと思います。それで、大蔵省が示した理由に、国産化がコスト高につくというようなことを言っているのですが、またホークやナイキが国産化するということは、新長官になってこれから勉強するということをおっしゃるのかと思うのですが、はたして国産化という方向は、相当確固たるお腹はあるのですか、やっていこうという。
  59. 上林山榮吉

    国務大臣上林榮吉君) 一から十まで国産にするわけにもいきませんし、言うまでもなく、一から十まで輸入に依存するというわけにもいかないことは、御承知のとおりでございますが、それならば何と何を国産化するか、何と何はライセンス国産化するか、何と何は純粋の輸入にしかたなく待つべきかということは、これは前長官の、あるいは事務当局の意見も尊重しながら、私は私なりの勉強と感覚で、それぞれの方面と接触をして再検討するのが当然だと思っております。その範囲内におきまして私も検討をいたしておりますが、最終的段階は、もうほんのちょっと時間をかしていただければ、最終的段階に至るであろうと思いますので、そのときにまた具体的に御報告できるかと思いますから、しばらくお待ちを願っておきたいと思います。
  60. 黒柳明

    ○黒柳明君 新聞報道によりますと、九月二十日ごろですか、マクナマラ国防長官の招聘で渡米されるというこんな記事があったわけですが、国際情勢も非常に緊迫しております。ベトナム、中共云々にしても、相当日米ですね、大国の防衛長官と国防長官が会うということは、非常なビッグニュースだと思うのですが、長官、そこで、どんな意見の交換が、あるいはどんな希望事項が申し入れられるか、そういうような構想持っておいででしょうか。
  61. 上林山榮吉

    国務大臣上林榮吉君) 歴代の長官の中でも、向こうの防衛首脳当局とそれぞれ会談をした経過があるわけでございますが、私もそういうような趣旨で向こうの国防長官から招待が参りましたので、十月の八日ごろにできるものならば出発をいたしたい、こういう心組みをいたしておりますが、会談の内容というものについでは、まだ具体的にきめておりません。ただ私自身としても考えておりますし、これはまた私一人の問題ではございませんので、佐藤内閣全体の問題でもあると思いますから、これは総理の御指示も受けながら、かつまた、それぞれの方面の意見も総合いたしまして勉強中でございます。ただし、これは外交交渉でもございませんし、あるいは議題を中心にして当否をきめる質のものでもございませんので、招聘に応じて、いろんな問題について意見の交換なり、あるいはまた向こうの当局の考えておることを、それぞれ日本の防衛庁長官が知っておくということも大事なことでございますので、まあそういう趣旨のものであるということを、現段階では申し上げておきたいと思います。
  62. 黒柳明

    ○黒柳明君 それで104のことですが、昭和三十五年から五カ年計画で二百機ですか整備する、こういうふうなことがあったわけですが、その整備計画経過、それからこれについてアメリカから援助があったと思うのですが、その援助の額、またどのような形で援助が行なわれたか、あるいはその援助協定の根拠、それを明らかにしていただきたいと思います。
  63. 国井眞

    説明員(国井眞君) 104の生産計画をまず申し上げますが、生産計画といたしましては、昭和三十六年から三十九年の末までに104Jにつきまして百八十機、それからDJについて二十機の納入を計画をいたしました。予定どおり104Jにつきまして百八十機が三十九年度内に納入を終わり、またDJにつきましても二十機、三十九年、計画の年度末までに納入を終わっております。  なお、104の調達につきましては、日米間に交換公文の交換をいたしまして、これの日本におけるライセンス生産計画を立てたわけでございます。その結果、当初経費分担といたしましては、米国側が二五%、日本側が七五%という予定で生産に入ったわけでございます。その後ただいま申しましたような順当な生産状況を経まして、予定どおり納入した、かような状況でございます。
  64. 黒柳明

    ○黒柳明君 104の航空事故、三十九年の四月十日の千歳事故ですが、それから数回104が落っこちていますが、これをきめるときグラマンかロッキードか相当騒がれたですが、その航空事故原因の究明、どのように改善されてきたか、三十九年以降、それについて述べていただきたいと思います。
  65. 中井亮一

    説明員(中井亮一君) 三十八年の四月十日に起こりました千歳における104の事故以来、現在までに起こっております104関係の航空事故は六件でございますが、三十八年四月十日の事故は、原因としまして燃料弁の操作レバーのところの欠陥でございます。次の三十九年の十月九日、新田原で起こりました事故でございますが、これも機材上の欠陥でございますが、電気系統の事故でございます。  次に、四十年の四月十五日、小松の飛行場の北方で起こりました事故につきましては、事故操縦者の送信によりますと、スピンに入ったという事実を述べておりますけれども、原因を明らかにしておりません。次の四十年十月十九日の北海道の襟裳岬の南方における事故は、操縦者の判断不良ということに原因をされております。次に、本年に入りまして、四十一年一月十八日、新田原の東北海上で起こりました事故は、機材の機能の不良ということになっております。本年四月八日に起こりました事故は、目下原因調査中でございますが、燃料タンクの片一方が減りましたために、両方の対称の荷重といいますか、非対称荷重に起因して操縦が不能になったということになっております。  それぞれにつきまして、その原因に対する整備、点検等の対策をそのときどきにおいて講じております。
  66. 黒柳明

    ○黒柳明君 四月十日に事故を起こした西三佐の上司である小川一佐か二佐ですか、その人が、要するに整備員の質の低下である、隊員の団結の欠除である、それが事故をもたらしたのである。こういうような具申書を上司に提出した、こういうようなことも聞いております。それに対して、一度は自衛隊当局もその意見を取り上げ、さらにそれを戒告処分にして、その後退職、一度は慰留したけれども、さらにそれを戒告処分にする、こういうようなことがあったということが、文春にもその寄稿文が載っかってありましたが、こういう自衛隊批判に対して、当局としての意見、あるいは改善処置、そんなものについてお伺いしたいと思います。
  67. 中井亮一

    説明員(中井亮一君) 航空事故には、いろいろな要因があるわけでございますが、航空事故対策委員会で検討をいつもしているわけでございますが、一般的に指導監督をもっとより強化をするべきであるというような意見、それはただいま御指摘もありましたように、隊員と指揮官との監督というか、指揮、指導、監督の関係というようなものをもう少し徹底をするべきであるというような意見がよく出されておりますし、また現場において、幹部がそのつど適切な指導をもっとするべきであるというような結論もよく出されております。それぞれについて対策を講じながら部隊の団結、部隊の上下間の人間関係をよくするというようなことに、特に航空機を持っております部隊につきましては、強化をしながらやってまいっております。また、原因のときに言われますことは、きめられている基本動作を厳守をしなければならないということも言われております。そのためには、そういう動作が厳守せられることが励行されるような環境の整備も必要であるということを言われます。また、装備機材の点検をもっとするべきであるというようなこと、また、装備品についての検査の強化をするべきであるというようなことを、対策として掲げられているのでございます。
  68. 黒柳明

    ○黒柳明君 このような意見書は、あるいは具申書はしばしば出されるわけですか、こういう例はあるわけですか。
  69. 中井亮一

    説明員(中井亮一君) 私、寡聞にしてほかにあまり聞いた例がございません。
  70. 黒柳明

    ○黒柳明君 いまおっしゃった中にそういう、おのおの指摘したりするというようなことがあるということが話にあったんですからね。ですから、過去にこういう例があったのかどうかと、こう思ったわけですが、とにかくこの小川さんの場合には、一番最初に戒告処分、それが寝返るように退職と、こういうふうになったわけです。一回は辞任を慰留し、それがさらに戒告と、こういうようなことですが、やっぱり不備があったらば指摘すると、そういうようなことを認めるということと、それから今度は、何か上司に対して意見を具申すると、戒告あるいは免職処分になるんじゃないかと、こういうような感じを受けるわけですが、何かこの辺の防衛当局としての綱紀の粛正のあり方について、くさいものにはふたをしておけばいいのだという、こういうような感覚を受けるわけですが、いかがでしょう。
  71. 海原治

    説明員(海原治君) ただいま先生御指摘の件はだいぶ昔のことでございます。当時、私、防衛局長で、その点につきましてのいきさつも知っておりますので、便宜私からお答えいたします。あのときのF104の整備関係につきましての小川三佐の指摘事項につきましては、当時、国会委員会におきましても御質問がございました。私どもからお答えをした記憶がございますが、指摘されました事項の中には、直ちに改善すべき点がございました。これは改善いたしました。いろいろ個人的な、あるいは部隊としての対人関係からくる問題もございました。これはそれぞれ将来の問題として、そのようなことのないようにそれぞれの指揮系統を通じて連絡してございます。やめられました件につきましては、自衛隊としては極力慰留をしたわけでございますが、これは完全に個人的な理由で辞任をされた。その辺のところで、ただいま御指摘のように、何か意見具申をすれば、そのことが進退に影響するというようなことは絶対にございません。  なお、先ほど教育局長がいろいろ事故の原因につきましての意見ということで申しておりますのは、事故が起こりますと、そのつど事故防止対策委員会というようなものが設けられまして、これの調査の結果に今後の対策ということが記載されております。そこに出ております意見を逐次例示的に申し上げたものでございまして、先ほどの最初のF104の事故に関連しての小川三佐の意見具申とは関係のないものでございます。そのように御了解いただきたいと思います。
  72. 黒柳明

    ○黒柳明君 最後に、綱紀粛正のことで防衛施設庁関係ですから長官にお伺いしたいと思うのですが、東京防衛施設局に施設管理課というのがあると思うんですが、ここで国有財産を管理している職員ですから……。八王子高尾町千二百番地、そこに初沢川という川があって、都が管理している、これは河川敷地です。そこにかってに施設をつくり、それで撤去しないで先日の台風のときも被害があって、近所から迷惑をこうむったと、こういうようなことがあるのです。これは地元の新聞には報道されていまして、非常に市当局としても迷惑している。一職員——事務官ですか、事務官がこういうふうに国有地、まあいうならばちっぽけなところですが、国有地を自分のものにして、しかも、それがもしも台風で被害をこうむらなかったら、それが近所に迷惑を及ぼさないとすると、これがいつまでも私有化されておっぽり投げられていると、こういう状態になっていたわけです。こういう人が施設庁の中に公務員としているということは非常に恥だと思うのです。こういう面についても綱紀粛正をしていかなければならぬ、これについてどのような処置を講じられるのか、御意見をお伺いしたい、と思います。
  73. 小畑久男

    説明員小畑久男君) いま初めて聞きましたのですが、御趣旨は公務には関係したようなことはございませんが、防衛施設庁の公の仕事には関係ないような事案じゃないかと思うのですけれども、おそらく地元の不動産業者からそういう土地を買って……。
  74. 黒柳明

    ○黒柳明君 その上にコンクリートでガードの中にああいうでっかいものをつくっちゃって……。
  75. 小畑久男

    説明員小畑久男君) いずれにいたしましても私どもとしては、そういう問題の土地を持っているということは私は関知いたしませんので、よく調査いたしまして善処したいと思います。
  76. 黒柳明

    ○黒柳明君 名前もわかっておりますし、地元の人たちからは非常な鼻つまみになっております。だからこれは都の管理の関係ですけれども、施設庁の課員ですから、長官の部下に当たる人ですから、長官の部下に一人でもこういう人がいるということはうまくないと思いますから、わずかな土地ですが善処方をお願いしたいと、こういうような意見がだいぶ強いようですから、私は代弁させていただきます。以上です。
  77. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 午前中の審査は、この程度にとどめたいと存じます。午後は一時四十分から開会いたしたいと存じます。    午後零時三十六分休憩      —————・—————    午後一時五十分開会
  78. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) ただいまから決算委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、昭和三十九年度決算外二件を議題といたし、防衛庁決算について審査を行ないます。  質疑のある方は、順次御発言願います。
  79. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 防衛庁長官お尋ねしたいのですが、第三次防衛整備計画の問題が、前の臨時国会でもいろいろ問題になりまして、あるいはこの六月中に大体の政府の統一的な見解がきまるだろう、あるいは少なくとも内閣改造前にきまるだろうというようなことが伝えられたのですが、そういうことがなくて今日にまでそういう具体的な審議なり、決定がなされないままに推移しているのではないかと思うのです。そこでお聞きしたいのは、この三次防に対する心がまえです。それから取り扱い、そういうものをどういうふうにやろうとしておられるのか、新しい大臣に一応の御説明を願いたい。
  80. 上林山榮吉

    国務大臣上林榮吉君) 第三次防計画が私の就任前から検討されておったことは、御指摘のとおりでございます。言うまでもなく、わが国の国力あるいは国情に応じて第三次の防衛計画をつくらなければならぬことは、当然でございますが、この計画は言うまでもなく長期の計画であるということ、あるいは継続してやらなければならぬ問題であるということ、そういうことなどから考えまして、一応前長官もしくは事務当局でそれぞれ検討が続けられてきておるわけでございますけれども、私もこれらの前長官等の考え方を相当部分尊重しながら、また新しい視野に立って、ある程度の検討も加えなければならぬ事情もございますので、ただいま検討をいたしておるところでございます。しかし、検討するからといって、これがあと何カ月もおくれるというようなことはないのでございまして、ただ懸念されるのは、政府の長期見通しの経済計画というものが十一月ごろに出されるであろうと、こう言われておりますので、これを全然無視するという計画は、長期計画であればあるほどどういうものか、さりとてこれにとらわれて、いつまでもこれが進行しないということもどういうものか。こういうことで、それぞれ長短相あわせてただいま検討をいたしておるところでございます。
  81. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 防衛庁当局の原案はすでにでき上がっておる。それが国防会議幹事会では、六月二十八日に第一回の会合を開いたと伝えられておりますが、それらの幹事会での審議の進捗状況なり、さらには国防会議議員の懇談会、それらの審議はいつごろおやりになるのか。それからいまお話しの経済企画庁、経済審議会の経済総合長期計画との関連において考えるということになれば、十一月末というようなことになって、来年度の予算をきめるときの予算に前提をされるような長期計画というようなものが、間に合わなくなってくるのではないかというようなことも考えられますが、それらの点をどういうふうにお扱いになっておりますか。
  82. 上林山榮吉

    国務大臣上林榮吉君) 四十二年度の概算要求は、御承知かと思いますが、八月三十一日までに大蔵省提出をしなければならぬことになっておりますので、これに間に合うように作業は進んでおります。もちろん四十二年度の概算要求であったといたしましても、これは第三次防の計画と関連があるわけでございますから、その関連性の部分については、これを取り入れて概算要求をいたすつもりでございます。  なお、第三次防に対する事務的な成案はもうすでに六月ごろにでき上がって、そうしてそれを国防会議の幹事会等に説明をしたと、こういうお話のようでございますが、それは第三次防の成案ではなくて、その前提となるもろもろの条件等を説明をしておいたと、こういうのが実情でございます。そこで政府といたしましても、あるいは防衛庁といたしましても、第三次防の成案ではないところの、いわゆるその前提となるようなもろもろの条件その他を説明もし、あるいはまたこれについて国防会議の各議員、いわゆる関係閣僚でざいますが、この議員のフリートーキングといいましょうか、それぞれの大局的な意見が述べられると思います。こういうものを取り入れて、これはあくまでも懇談会の性格でございまして、正式の国防会議ではないのでございますが、そういうような過程を経まして、そうして長期の計画であればあるほど私は慎重にやっていかなければ、急いだために大きなあやまちをおかしたということになるほうがマイナスが大きいのでございますから、少しぐらいの検討の期間がおくれたといたしましても、大局的には影響がない、こういうように考えてただいま検討をいたしておるところでございますが、官房長官と打ち合わせたところでは、九月の中ごろに国防会議の懇談会——会議ではなくて懇談会、そういうものを開いてみたらどうだろう、これも正確にきまったわけではありませんが、そういう話し合いを私との間にかわしたという段階でございます。
  83. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 それではお話しの計画をめぐる諸情勢についての見通し、分析それをどういうふうにやられたか。それから、その場合に第三次防の基本的な方針、柱というようなものをどういうふうにお立てになっておるか、それらの御説明お願いしたい。
  84. 上林山榮吉

    国務大臣上林榮吉君) 最終的成案を得ていない段階でございますので、一々すべての条件を申し上げる段階でもございませんが、特に注意しなければならないのは、第二次防でなし得なかったもの、これはどうしても第三次防の中に取り入れていかなければならないのではなかろうか。さらに装備の点についてどういうものがほんとうに国産をし得るか。あるいはまだこういうものは国産の段階ではないというようなものを拾い分けていかなければならぬのではないかと思います。そういうような点、ことに私が考えていることは、第三次防というものは、長期計画でなければならぬけれども、これが固定化した意味の長期計画というものがいいかどうか、ある時期までは固定化するというのもやむを得ないが、日進月歩する科学の進歩にマッチしたところの計画というものを途中で取り入れることがよりベターではないかというようなことも考えていかなければならないのではなかろうか。諸外国でも、御承知かと思いますが、スウェーデンなどは七年計画を立てておりますし、最初の三年間は固定したこまかい数字までつくっておるようでありますが、それ以後は、大きな目標や柱を立ててやっていっておるし、三年たったときにそのときの情勢を判断して、これを肉づけをし、そこを基点としてまた長期計画を立てていっておると、こういうようなシステムもあるわけでございますので、そうしたような見地も検討するに値するのではなかろうか。何も形式的に五年であるとか、六年であるとかいうことにとらわれるのでなくて、もっと血の通った実際的な計画というものは、長期計画であればあるほど立てられないものかどうか、立てる必要があるんではないかどうか、こういうようなことも考えて、もろもろの条件の一部でございますけれども考えておる段階でございます。
  85. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 いま非常に抽象的に御説明がありましたが、基本方針についてあるいは三つの柱を立てているんだとか、あるいは五つの柱を立てているんだとか、あるいは陸海空について内容的にはこういう考え方を持っているんだとかいうようなことがいろいろ伝えられておりますが、いままでに一応防衛庁として大体見当づけられているそれらの問題を具体的に御説明を願いたい。
  86. 上林山榮吉

    国務大臣上林榮吉君) さっきから申し上げるように、ただいま検討の段階でございまして、最終的に結論が出ていないということを前提といたしまして、大まかな具体的な点について事務当局から答弁をいたさせます。
  87. 島田豊

    説明員(島田豊君) 先ほどの佐多先生の御質問の中で、三つの柱あるいは五つの柱、さらに陸海空自衛隊のそれぞれの構想と、こういうお話でございます。実は第二次防衛力整備計画におきましては、一方におきまして日米安保体制を基調としながら、外国からの武力進攻に対しては対処していくということは、もともと国防の基本方針でございますので、その点は三次防におきましても変わりはございません。したがいまして、わが国の防衛力の基本としましては、そういう日米安保体制のもとにおきまして、それを基調としながら、わが国の防衛力としましては、在来型兵器によりますところの局地戦以下の侵略に対処する、そういう防衛力の基盤を育成をしていくというのが二次防の考え方でございました。三次防の考え方におきましても、この日米安保体制を基調としながら、わが国の防衛力としては、在来型兵器による局地戦以下の侵略に対処する、こういう基本的な考え方については、一応まあ私どもの段階におきましてはそう大きな変更の必要はない、こういうふうに考えたわけでございます。もちろん、これは最後的には国防会議の政治的な御判断の問題でございますので、そういうふうに決定されるかどうかということにつきましては、もちろん、問題ございますが、一応事務当局としましては、そういうことを考えております。  さらに三つの柱というふうな問題につきましては、要するに一二次防におきます重点と申しますか、防衛力整備の柱と申しますか、そういうことであろうと思いますが、まあ従来の二次防の経緯にかんがみまして、自衛隊にもいろいろ不備、欠陥もございます。そういう不備、欠陥を是正をしながら一段と内容の充実をはかっていく、そして自衛隊全体の近代化をはかり、総合的な防衛力を向上さしていく、こういうことでございまして、そういう点から考えてみますと、一つの問題は、機動力という点が今後大いに伸張されなければならない。わが国の非常に細長い地形におきまして、部隊をある地点からある地点まで急速に展開いたします場合には、どうしても空、地の機動力というものが十分なければならない、こういう考え方が一つございます。それから海上から来ますところの外敵の侵略というものに対処するためには、わが国の周辺海域を防衛をする力をもっともっとつけていかなきゃならない。これはわが国に対しまして進攻してまいりますところの実力というものに対しまして、不断にこれを哨戒し、警戒をしていく、そういう能力のことをいうわけでございますが、そういう点が従来の自衛隊におきまして非常に微力であったということを反省をいたしたわけでございまして、そういう周辺海域の防衛能力というものを三次防におきましては十分整備してまいらなきゃならない、こういうふうに考えたのでございます。  もう一点は、防空の能力、要撃に対しますところの防空能力というものが、二次防の段階におきましてはまだ十分でないということから、主として地対空の誘導弾部隊の増強によりますところのわが国の要撃防空の能力を向上さしていく、まあこういう点を一応われわれ事務段階におきましては、まあ柱と申しますか、重点と申しますか、そういうことで全体の作業をやっておる、こういうことでございます。
  88. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 そうすると、いまのお話からうかがえることは、基本方針としては日米の安保体制を前提として通常兵力による局地戦以下の侵略、それに対処するための防衛力整備する、こういうふうなことを基本的な方針、目途としておられると、こう考えておいていいですか。
  89. 島田豊

    説明員(島田豊君) こういう国防の基本方針の問題は、何よりも政治で決定をせられる性質のものだと思いますが、二次防を引き継ぎまして作業をいたしますわれわれの考え方としましては、ただいまお話ございましたような点を特に留意しながら作業を進めたいということでございます。
  90. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 それじゃ科学技術庁の長官にお尋ねします。臨時国会で種子島のロケット発射場を科学技術庁のほうで鹿児島県の種子島につくるというお話がありまして、鹿児島県の現地では、それから中央の社会党なり、総評でもこれが科学技術庁の設備は最初は平和的な利用であろうけれども、これが誘い水になって軍事的なミサイルの射場をつくるというような問題にまで展開をすることは必然であるから、当初の平和的な利用についても、われわれは絶対に反対をしなければならぬというような意向が当初ございました。その後、私がいろいろ調べ、そうして特に前の上原長官と当院の委員会においていろいろ論議した場合に、結論的には、いや軍事的な利用の問題とは全然関係はないのだと、かりに自分たちが平和的な利用の射場をつくったとしても、それから引き続いてそういう軍事的なものが入ってくるというようなことは絶対にないし、また、そういうことに対しては、われわれとしても反対をする、したがって絶対これは平和的な利用のものに限るのだというお話がございました。そこで私は、そういう見地から総評なり社会党も、あるいは鹿児島県の現地においても、党関係、労働組合関係の諸君を説得をして、むしろ、反対の態度をひるがえして、積極的にむしろこれを推進する先頭に立つという態度に変えまして、これまでやってまいった。この間じゅう共産党は当初から反対をし続けておりました。ところが、科学技術庁計画が若干進捗すると、すぐ軍事利用の問題が出てまいりまして、ミサイルのナイキの射場をつくるという、少なくとも候補地の一つ考え計画を進めているという問題が出てまいりましたので、これはむしろ、共産党の連中に先見の明を誇らせるというような結果にもなってきて、私たちは政治的に非常に困っている立場に立たされております。  そこで私は大臣にお尋ねをしたいのですが、上原長官も、絶対にこれは平和的な利用のものであり、これに引き続いて軍事的なものができるというようなことは考えられないし、絶対にやらせません、平和的な利用に徹して、自分たちの開発計画で進めてまいりますということを政治的な責任において答弁されたのですから、あの態度は新大臣も政治的に一貫して引き継がれているものと私は確信いたします。そこで、そうであるかどうかという問題と、同時に、したがって、その態度を現地の議会その他では、単に国会で、委員会で言明をされるのみならず、文書によっての覚え書き的な大臣の御返事をいただきたいということを強く主張し、要求をいたしておりますが、そういうものを出される、出しても差しつかえないということまで決意をしておられるかどうか、その点をお尋ねしたい。
  91. 有田喜一

    国務大臣(有田喜一君) いつかの某新聞に防衛庁のナイキ射撃訓練場を種子島に設置するというような記事が載っておって、そこで非常に誤解を招いたようであります。防衛庁からは、現在そういうことがきまったということは何も聞いておりません。その内定もしていないでしょう。これは防衛庁長官がおられますから、その点は明らかになると思いますが、少なくとも科学技術庁の宇宙開発は宇宙の平和利用を目的とするものでありまして、防衛庁計画とは全然別のものです。科学技術庁の種子島における宇宙開発施設を防衛庁に使用させるというようなことは、何も防衛庁からも聞いておりませんし、そのようなことは全然私としては考えておりません。科学技術庁の宇宙開発計画は、本年の六月三日、本院の科学技術振興対策特別委員会において前上原長官が答弁いたしましたとおり、宇宙開発審議会第一号答申に従いまして、全く平和目的に徹して進めることでありますから、いままでたいへん御苦労をかけましたけれども、この態度は前長官と私は少しも変わりませんので、ひとつ御安心の上で、平和目的に使うのでございますから、従来どおり御協力を賜わらんことをお願いしまして答弁にかえる次第です。
  92. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 それ自体が平和利用であるということだけでは問題は解決しておりません。そういうものをそういう設備なり施設をあすこにおつくりになるのに関連をして、あなた方のその試射場なり何なりの中を利用するとかなんとかということでなしに、それと並存して別個にそういうものをつくるということが防衛庁のほうでは考えられているのじゃないか、これは後ほど防衛庁に詳しくお尋ねするつもりでおりますが。ところが、そういうものができるとすれば、先ほど申しましたように、科学技術庁があとから誘い水になってそういう連れ子をしてきたというようなことになるので、そういう関連において、いま現地では少なくとも社会党、労働組合等々においては、そういう誘い水になり連れ子を連れてくるようなものであれば、かりにそれ自体としては科学技術庁のものは平和利用であっても、そういう誘い水になり連れ子をしてくるような結果になるとすれば、その科学技術庁のいわゆる平和的利用そのものにも反対せざるを得ない、態度を変更せざるを得ない。したがって、近く行なわれる工事の手入れ式ですか何ですか、そういうものに対してもデモをかけてこれを阻止するという態勢をいまつくりつつある。それらの事態をお考えになれば、やはり科学技術庁としては防衛庁に来てもらうことは困るということになると思いますので、そういう点を科学技術庁としては強く意見を出されるということが、あなた方自身の計画を円滑に遂行していく前提条件になる。それをあえてやらるべきときだし、しかも、それを文書をもって御返事に相なってしかるべきだ、こういうふうに思うのですが、その点をどうお考えになりますか。
  93. 有田喜一

    国務大臣(有田喜一君) 少なくとも、私のほうでは、先ほど言いましたように、平和利用のための宇宙開発をやるのですから、したがって、それによって防衛庁計画に足を引っぱられるとあっては、こっちは迷惑千万なことですから、良識ある防衛庁としては、せっかく進みつつある科学技術庁の宇宙開発を阻止するような態度には出られないものだろうと私は確信しておるわけです。せっかく防衛庁長官がおられますから、私の見解だけを明らかにして、防衛庁のほうからお聞きいただきたいと思います。
  94. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 いまの先ほどからの御答弁を文書にして、少なくとも種子島の町長なり、あるいは町議会等に回答をされるということはどうですか。それを強く要求をしているので、いまそれを出さるべきだ。少なくとも、ここでああいう答弁をしておられるのですから、その答弁にのっとった回答を覚え書き的に文書で御返事相なってしかるべきだと思うのですが、その点はどうですか。
  95. 有田喜一

    国務大臣(有田喜一君) 少なくとも、最高機関であるところの国会でこうしてはっきり申しておるのですから、地元にそういうことを覚え書きとか文書でやるということは私はいま考えてないのですよ。しかし、せっかく皆さんがいらっしゃるのだから、こういう答弁があったということで、現地のほうがあまり動揺しないようにひとつ御善導をお願い申し上げたい、かように思います。
  96. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 そうでありたいのですけれども、先ほど申し上げましたように、上原長官の御答弁のあとにいまみたような問題がこんがらがって出ているので、現地においては非常な混乱を来たしているような状況ですから、その混乱を解消するためには、やはり覚え書きなり文書の返事を出されることが、ほんとうにあなた方の計画を熱意を持って積極的にやられる態度である、こう思うんですが、ぜひそういうふうに御決意を願いたいと思います。
  97. 有田喜一

    国務大臣(有田喜一君) これはおことばを返すようですけれども、何か文書でお尋ねでもあれば、それは御回答するのにやぶさかではありませんけれども、いやしくも、最高機関の国会でこうしてはっきりものを申しておる以上は、覚え書きにしなくちゃならぬとか、そういうような私は性質のものじゃない、せっかく皆さんが御心配くださっておるのですから、このことも速記録に載るでしょうから、佐多委員から、こういう回答があった、だから、ひとつおまえら安心してやれというようによろしく御指導を願いたいと思うんです。
  98. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 向こうから何かそういう問い合わせがあればというお話ですが、私の聞いたところでは、すでに問い合わせが文書で大臣のところに出されているということなんで、これはそれをやらないというふうにここで言明をなさらないで、少なくとも検討をする、そして積極的に肯定的にそれを取り計られるように重ねて要求をしたい。
  99. 有田喜一

    国務大臣(有田喜一君) この問題はだいぶ現地でもいろいろと揣摩憶測をして動揺しておるということを聞きましたので、私は記者会見の際にこのことを明らかにしまして、新聞記者諸君にも声明したんです。現にいま聞きますと、現地から私の言った談話をちょうだいしたいということを言ってきておる地域があるそうですから、そういうことはせっかくそういう要請だから、こういうことを言いましたよということを私はここに送付するのにやぶさかではないし、また、さっき言いましたように、この決算委員会でこういう質問があった、これに対してどういう答弁がありましたということが、もし政府のほうへ問い合わせがあれば、かくかくの答弁をしましたということを私は答える、また、皆さんのほうに参りましたら、皆さんから、かくかくだということを言ってもらって、とにかく、今日のいろんな端座憶測で動揺しておることを一日も早く解消さしたい、こういうふうに思っていますから、あまりかた苦しい覚え書きや文書ということは、いやしくも、ここで声明しておる以上は、これは信頼していただいたほうがいいんじゃないか、また、国会の権威の立場からいっても、そのほうが穏当じゃないか、かように考えております。
  100. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 時間がおありのようですから、一応これでとめておきます。  それじゃ、三次防の全体的な問題についてもう少しお聞きをしたいのですが、どうも長官も時間があるそうですから、二、三問題を限って、いまの問題についてお尋ねをしたいんですが、三次防の中の大きな問題として、ナイキあるいはホーク、これらの部隊あるいは装備をするということが重点一つ考えられていると言われておりますが、これらについては具体的にはどういうふうに考えておられますか。
  101. 島田豊

    説明員(島田豊君) ナイキ及びホークにつきましては、二次防の計画としまして、それぞれ二個単位と申しますか、二個大隊といいますか、を整備する予定でございまして、二次防の末期におきましては、おおむね計画は順調に進むものと考えております。さらに、今後の三次防の段階におきましてどの程度これを増血するかということにつきましては、まだ実は最終的に決定を見ておりませんので、その数等につきましては、御説明を差し控えたいと思いますが、従来の程度の部隊では十分足りそうでないということから、今後も逐次これを増強するという方向に向かって進んでまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
  102. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 そうすると、伝えられるところによると、ナイキ三大隊、ホーク四大隊増設というふうなことが考えられておるのだというふうに言われておりますが、それはそうなのかどうか。  また、それとの関連において、ナイキをつくられる場合に、いままでのアジャックスでなくて、ハーキュリーズにこれをかえていくというようなことが伝えられておりますが、そうなのかどうか。  それから、その場合に、その射場を鹿児島県の先ほど問題にしました種子島を有力な候補地として、あそこに射場を持っていくという計画がすでに具体的になってきておるということが伝えられておるのですが、それらの点はどういう事情であるか。
  103. 島田豊

    説明員(島田豊君) 三次防におきますナイキ、ホークの部隊の増強の規模でございますけれども、一応事務段階としては、ただいまお話ございましたように、ホーク四個大隊、ナイキ三個分というものを整備するという案はございます。これは最終的にきまっておりませんので、この点御了承いただきたいというふうに思います。  それからナイキにつきまして、現在のナイキアジャックスをハーキュリーズのタイプにかえていくという問題でございますけれども、一応私どもとしましては、アジャックスをさらに性能の向上したものにしたいという希望を持っておるわけでございますけれども、それがいわゆるナイキハーキュリーズそのものであるかどうかということについては、まだいろいろ検討いたしておるわけでございます。少なくとも、現在のアジャックスよりも性能の向上したミサイルを導入したいというふうに考えております。  なお、ナイキ、ホークの射場の件につきましては、私、所掌外の問題でございますので、答弁を差し控えます。
  104. 上林山榮吉

    国務大臣上林榮吉君) 佐多委員から、種子島にナイキ、ホークの、大隊とか中隊とかいうことばはお使いになりませんけれども、そうしたようなものを置くのではないか、それが内定しておるのじゃないか、こういうお話でありますが、大体そうしたような大がかりのものを置くという考えは全然ございません。ただ、ナイキ、ホークの訓練のための射場といいますか、そういうものを全国的に候補地をそれぞれ検討して、種子島も、これは私就任以前のことでございますけれども、その一つである、こういうことを事務当局から報告を受けておるわけでございます。そこで、私といたしましては、事務当局に対して、ただ単に反対があったからといって指示したわけではございませんけれども、他に適当な場所はないものかどうか、もっと広く候補地を検討したらどうだろうか、こういうことで指示をいたしました。新聞等によって非常に一部騒いでいるようでございますが、そういう騒ぎを不必要に大きくする必要もございませんので、私といたしましては、これは今明日を争う問題でもございませんから、事務当局に対して、いま申し上げたように、広く他の適地を優先的に調査して検討してもらいたい、こういうことを言っておるのでありますから、できるだけそういう方向で進めてまいりたい。ことに、これは御承知のとおり、アメリカに行って訓練を受けておったわけでございますが、それには費用が非常にかかるのです。費用が非常にかかるから、これを内地の適当なところで訓練をしたほうが、いわゆる国費の節約になる、こういう趣旨のもとにいま候補地を検討しておるのでございますから、私としては、できるだけ御期待に沿うような方向で最善の努力をいたしたい、こういうふうにに申し上げておいたほうが、時間の関係もございますので、結論を急いだようでございますけれども、途中の質疑応答を省略さしていただいて、結論めいたことを申し上げたわけでありますので、どうぞひとつ、針小棒大に現地の人々が考えぬように、良識のある佐多委員のことでございますので、どうぞ、これが正当に伝わるように、私もまたそういうふうに期待申し上げる以上、長官として最善を尽くす、こういう約束を申し上げるわけでございますから、そういう意味でよろしくお取り計らいのほどもあわせて私のほうからもお願いをいたしておきたいと思います。
  105. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 非常に慎重な配慮のある賢明な御答弁を得て、さすがに上林山大臣だと感心をいたしておるわけであります。しかし、同時に、半分はまだ疑点が残る。と申しますのは、現地に参事官が行かれて、これはまだ内定も何もしてないのだ、候補地を二百カ所もいまいろいろ検討している段階なんだ、こういうことを言われたと言って、非常に問題をぼかして、あいまいにしてこられていると思うのですが、伝えられるところによると、もう、もはやそういう段階ではなくて、候補地は五カ所、あるいはさらに詰めて三カ所、しかも、その三カ所のうちで種子島が最優先的に、ほとんど確定的にしぼり上げられてきているのだ、こういうことがもっぱら伝えられております。それが一体うそなのかどうか、その辺をもう少しはっきり御説明願いたい。  それから、いま鹿児島で、これに対しては非常に反対をしていることは、町議会が反対をし、さらには県議会が、社会党の議員はもちろんのこと、自民党の議員団諸君も反対を申し入れられる。知事も反対を声明をしている。それから、あなた方の同じ党の、あの選挙区における山中議員も二階堂議員も、これは断固として反対をするのだということを発表をしておるわけです。そういう状況にあることもよく御勘案の上で問題を処置をしていただきたい。私は長官にそういうふうにお願いをするのですが、賢明な長官ですから、その辺は十分と配慮されることを確信をいたすわけでありますが、その辺の事情と決意のほどを御答弁を願いたい。
  106. 上林山榮吉

    国務大臣上林榮吉君) どうも佐多さんに似合わず、念を入れて再質問をされるわけでございますが、私は、先ほど申し上げたように、種子島に優先して他の場所を広くさがせということを、事務当局にすでに指示したわけでございます。指示しようか、指示しまいかといっているのではなくして、そういうふうに指示したわけでございますので、その辺のところを、賢明なそれこそ佐多さんは、わかった上でさらに念を押したと見えるわけでございますけれども、私の考えはそうでございます。なお、手続といたしましても、町当局なり議会当局なり、その他関係の団体が反対するものを押し切ってやりません、これは。やらせません。同時に、もしかりに内定したら、種子島ということじゃないが、内定した場合は、これはやはりまず第一に県当局なり、地方自治体当局なり、地方議会当局なりに、そうしたいわゆる権威のある方々に対して了解を得た上でなければ内定も決定もいたしません、この辺の手続の点をひとつよく御了解願っておきたいと思います。ことに寝耳に水というような処置のやり方は、今日のような民主主義の社会においてはやるべきことではございませんので、そういうけちなかけ引きは全然いたしませんから、この辺の事情をひとつ御信頼を願っておきたい、こういうふうに申し上げておきたいと思います。
  107. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 もう少しその点をさらに掘り下げて御質問したいのですけれども、大臣は時間がないそうですから、大臣はこれでもうけっこうです。あと事務当局から。  三次防は、中国の核装備計画をどういうふうに考えておられるか。こういう、中国が核装備をすることを前提にし、したがって、それに対処して日本の防衛計画も立てなければならないということを三次防の内容としておられるのか、いや、そうじゃなくて、通常兵力による局地戦以下の問題だけを限って装備なり設備、部隊の編成を進めていくというふうにお考えになっているのか、その辺の関連の問題を御説明願いたい。
  108. 長谷川仁

    説明員長谷川仁君) ただいまの御質問でございますが、中共の核武装というものは、遺憾ながらわが国の防衛にも影響を与えるということは、これはもう申すまでもないところでございますけれども、私どもといたしましては、核抑制力はあくまでもアメリカに依存する、第三次防におきましても、政府といたしましては、通常兵器によるところの局地戦以下の侵略に対処するという従来の基本方針は、全然変更する必要がないというふうに考えております。
  109. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 そうだとすれば、ナイキ、ホーク部隊をつくるというようなこと、特にナイキハーキュリーズの部隊なり、あるいは装備考えるというようなことは、全然必要のないことではないかと思うのですが、その基本方針と、お考えになっている三次防の計画内容との間に大きな矛盾を来たしているのじゃないかと思いますが、その点はどういうふうにお考えですか。
  110. 長谷川仁

    説明員長谷川仁君) その点に関しましては、防衛局長から。
  111. 島田豊

    説明員(島田豊君) 先生御承知のとおりに、ナイキにいたしましても、ホークにいたしましても、要撃いたしますのは主として航空機でございます。ミサイルに対する迎撃の力は持っておらないのでございます。したがいまして、中共の核装備という問題に関連いたしまして、もちろん、有人機に対するということは十分考えなければなりませんので、それにつきましては、わがほうが有人機でこれを迎撃をするということも考えられますほか、ミサイルによりましてこれを要撃をすることは、十分将来としても考えていかなければならない問題でございまして、中共の核武装に対処する考え方として、米国の核兵力に依存し、わが国がこれに対処するということと、ナイキ、ホークを装備するということの考え方は、別に考え方として矛盾をするところはないものだというふうに考えております。
  112. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 ナイキハーキュリーズを編成される、あるいは装備されるということになれば、それは当然に日本自身が核武装をするということになるのじゃないかと思いますが、その点はどういうふうにお考えになっていますか。
  113. 島田豊

    説明員(島田豊君) ナイキハーキュリーズというふうに私どもははっきり申し上げておりませんが、要するに、現在のナイキアジャックスの性能を向上したものを導入したい、こういうふうに考えておるのでございまして、これは兵器の諸外国の進歩の点からいきましても、ナイキアジャックスではすでにこういう種類の兵器といたしましては、ハーキュリーズにいろいろな面において劣るわけでございまして、そういう性能を向上した兵器を導入したいということでございまして、これに核弾頭を装着するとかいうふうなことはもちろんわれわれとしては考えておりませんし、また、政府も従来の一貫した方針といたしましても、核武装をするということはあり得ないことでございますので、アメリカのハーキュリーズにつきましては、ミサイルとしましては、核弾頭、非核弾頭両用であるというふうに言われておりますけれども、わが国におきましては、導入いたします場合には、もちろん非核弾頭のみを導入する、こういうことを考えておるのでございまして、核装備のことは毛頭考えておりません。
  114. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 いままでナイキアジャックスで編成装備されてきているのに、これをハーキュリーズのほうにかえていこうと言われることは、ハーキュリーズのアジャックスに対する特徴がどこにあるかという問題で、そっちのほうを追跡していかれるんだろうと思う。そうすると、やはりアジャックスでは間に合わなくて、ハーキュリーズでなければならぬというふうにお考えになっていることは、核武装を前提とするということ以外に、これをわざわざ持ってくる意味はなくなるんじゃないか、こういうふうに私たちは考えるのですが、どういうふうにお考えになっておりますか。
  115. 島田豊

    説明員(島田豊君) アメリカのナイキハーキュリーズとナイキアジャックスとの性能においては、著しい差があります。一つは、射程が約三倍であるということ、また、有効高度にかなりの開きがあるということ、また、たまの発射速度にかなり大きな違いがある。したがいまして、将来の高々度を飛んでまいりますところの航空機に対しましても、ハーキュリーズのほうがアジャックスよりもはるかに的中率が高い、こういうことが理論的にも言えるわけでございます。私どもが新しいものを導入しようといたします場合に、これが核弾頭でなければこの兵器は役に立たないというふうには考えておらないのでございまして、従来のアジャックスよりもいろいろな面において性能がはるかにすぐれておる、こういう趣旨でわが国としても導入したい、こういうふうに考えておるわけであります。
  116. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 第二次防の過程において、特にナイキ部隊の編成、それらはどういう計画であったのか。それから第二次計画は今年度で終えると思いますが、それまでの計画がどれだけ具体的に、どういうふうに実施されたのか、実績をどう示しておるのか、それらの点を御説明を願います。
  117. 島田豊

    説明員(島田豊君) ナイキにつきましては、二次防におきまして二個高射群を整備するというのが計画でございます。すでに二個高射群の編成は終了いたしておるわけでございます。その要員につきましては、従来日本に試射場がございませんので、毎年米国の試射場で射撃訓練を実施いたしておりまして、非常に優秀な成績をおさめておるわけでございます。ただ、先ほど申し上げましたように、当初は、当時の状況からいたしまして、アジャックスを採用いたしておりますが、その後の諸外国のこういう種類の兵器の進歩の状況にかんがみまして、やはり三次防の段階におきましては、これをハーキュリーズに切りかえるということは、わが国の防空の効率の上から非常に有益であるというふうに判断をいたしたわけでございまして、要員の訓練等につきましては、今後十分計画的に進められるものというふうに考えておるわけでございます。
  118. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 それで二次防は、計画が、大体計画どおり実施が行なわれているのかどうか、実施との間に若干の食い違いが残されておるのか、その辺はどうです。
  119. 島田豊

    説明員(島田豊君) これはナイキ部隊をどこに配属するかということが当初問題になりまして、第一次ナイキ大隊につきましては、これを陸上自衛隊編成をいたしまして、その後、航空自衛隊にこれが移管されまして、二個高射群におきまして航空自衛隊において編成されました。その間におきまして、用地取得等につきまして若干の問題はあったということも聞いておりますけれども、編成、配置そのものにつきましては、おおむね順調に推移したというふうに聞いておるわけでございまして、当初配置せられる部隊の段階におきましては、いろいろやはり地元の方々もそういう兵器の性能そのものについて十分御理解もいただけませんで、かなりまあ反対もあったようでございますが、実際に編成をし、配置されましたその後におきましては、格別そういう問題も発生いたしておちないというふうに考えておりますし、また、わがほうの自衛隊の内部の態勢といたしましても、それの整備あるいは教育訓練という点につきましては、特に格別の問題もなく今日まで推移してまいっておるわけであります。
  120. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 三次防の三本の柱の一つとしての定員拡張の問題です。これは三次防においてはどういうふうに予定されておるのか。二次防においてはどう計画され、どう実績をあげてこられておるのか。特に陸上自衛隊における欠員の充員ができていない状況はどういうふうになっているのか、実績とさらにそれらがそういう食い違いを生じてきた原因はどこにあるのか、それらの点の御説明を願いたいと思います。
  121. 島田豊

    説明員(島田豊君) 陸上自衛隊定員につきましては、先生御承知のとおりに、第一次防におきましては十八万という目標を掲げておるわけでございますが、第一次防でこれが達成できませんで、第二次防に引き継がれまして、第二次防の整備計画におきましては、最終年度の、つまり本年度に八千五百を増員をする、こういう計画になっておったわけでございます。しかし、昨年、本年度の予算概算要求をいたします時点におきましては、実はそれ以前の数年間において陸上自衛隊の人員の充足状況というものが必ずしもはかばかしくございませんで、そういう時点において、四十一年度の予算として八千五百を一挙に増員をするということにつきましては、いろいろ部内としても検討いたしました結果、問題がございましたので、二次防におきましては十八万の目標達成ということは断念いたして、これを三次防に見送ると、こういうことでございます。  そこで、三次防の私どもの考え方としましては、一次防以来の懸案でもございますし、また、わが国の陸上自衛隊定員といたしましては、十八万の編成ということが従来から計画をせられ、それに向かっての努力をしてまいったこともございまして、十八万を三次防におきましてぜひ達成をしたい、こういうふうに私どもは考えておるわけでございます。そこで、その後の人員の充足状況は、三十九年度の末ごろから四十年度一ぱいにかけまして、非常に採用の状況あるいは退職者の減少してきたこと等によりまして、状況が好転してまいっておるのでございまして、最近では八十八・数%という充足率まで達しておるわけでございます。この状況でまいりますと、来年度におきましては、おそらく、現在の定員そのままで推移しますれば、九十数%の充足率まで向上できるのではないかというふうに見通しをしておるわけでございまして、そういう人員充足の面からいたしましても、この十八万達成ということは、三次防としまして十八万達成いたしますことはそうむずかしいことではないというふうに考えておるのでございます。一面、編成の点からいきましても、十八万はぜひ達成したいものだというふうに私どもは希望いたしておるわけでございます。
  122. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 第三次防の隊員の福祉厚生施設の拡充、これは大体どういうふうに考えておりますか。
  123. 大村筆雄

    説明員(大村筆雄君) 三次防におきます隊員の処遇改善の中でも特に重要なのは、隊員の居住いたします隊舎等の建物の改築の問題、あるいは隊員の、ことに営外居住しております幹部層の諸君の宿舎の増設の問題、これはきわめて大事な問題でもありますし、また、金額の大きく張る問題でございますが、三次防の考え方といたしまして、隊舎につきましては、二次防に、老朽度三千五百点以下の老朽隊舎の建てかえを進めてまいったわけでございますが、最近の調査では、さらに老朽度が進んでおるものが出てまいりまして、そういう建物を中心にして、三次防計画期間中にほぼ全部老朽隊舎の建てかえを完成いたしたい。また、宿舎につきましても、各省と比べまして宿舎の充足率が相当劣っております。これを三次防期間中に改築して、三次防期間中、住宅困窮者をなくするように宿舎の増設もはかっていきたい。そういう点に特に重点を置きまして三次防の計画を目下検討中でございます。
  124. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 その以上の三点について、定員拡張、あるいは装備近代化、それから隊員の福祉厚生施設の充実、それらをひっくるめて第三次防で予算の総額としてどれくらいのものを考えておられるのか、特にそれと国民所得との関連をどう考えておられるのか、その場合に、防衛庁としては国民所得の発展、成長をどういうふうに予定してそういう数字を出されたのか、それらの点を御説明願いたい。
  125. 大村筆雄

    説明員(大村筆雄君) 三次防の総ワクの問題、また、その間におきまするところの装備の更新、あるいは先生御指摘の福祉厚生関係等々の内訳の問題は、目下政府部内で検討中でございますが、基本的な考え方は、先ほど大臣から御説明申したとおりでございます。   国民所得にいたしましても、現在御承知のとおり、企画庁の長期経済審議会におきまして、十一月を目途といたしまして検討中でございます。前大臣のこれはお考えでございますけれども、現在一・三七%という国民所得に対する防衛費の比率を、三次防末には二%程度まで上げるようにしたい、そういうお考えで全体の防衛費の総額の一応の見当はつける作業をいたしておるのでございますが、何ぶんにも国民所得全体が向こう五年ないし六年間どう推移するか、また、その間におきまして財政的な見通し、そういう中での防衛費の組み方等々ございまして、そういう長期経済計画作業の進展と合わせながら三次防も逐次政府部内で固めてまいりたい、そういう考えで目下作業中でございます。
  126. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 三次防の問題はまだたくさんありますが、どうも時間がありませんので、一応これであれしまして、種子島のロケット発射の整備計画について科学技術庁のほうにお尋ねしたいのですが、この整備計画を四十一年度、本年度はどういうふうに整備しようとし、どういう予算をつけてそれらをやられるおつもりであるのか、それから四十二年度の計画はどうなっているのか、それのいま要求されておる予算要求は内容的にどうなっているのか、それらの点の御説明を願います。
  127. 高橋正春

    説明員高橋正春君) お答え申し上げます。  四十一年度におきます私どもの宇宙開発計画につきましては、種子島関係につきまして申し上げますると、四十一年度の約十四基のロケットの打ち上げのために、現在種子島の射場関係整備を進めております。八月の二十二日に工事入札を終わりましたので、近く工事に着手する予定でございまして、とりあえずロケットの組み立て調整室その他の実験的な施設等を含めまして約六千六百万円程度の工事を行なう予定でございます。なお、ロケットの打ち上げ時期につきましては、工事の進捗状況とも関係ありますが、現時点におきましては、第一回を十一月に、それから第二回を来年の三月に打ち上げる予定にいたしております。  次に、四十二年度におきまするところの計画といたしましては、四十五年度に一応人工衛星を打ち上げます計画の一環といたしまして、種子島の射場の整備を行ないまして、年間約十三基のロケットを打ち上げる予定にいたしております。それに要します費用は、ロケット製作費といたしまして約四億円程度を予定いたしております。射場の整備につきましても、同じく約三億を予定いたしております。さらに、東京大学が四十二年度に打ち上げ予定いたしておりますところの科学衛星につきましても、科学技術庁の宇宙開発推進本部におきまして、それの追跡に要します業務を一元的に行なうということに相なりましたので、これに関しまするところの予算といたしまして約五億円を要求いたしまして、国内に三カ所ほどの電波の追跡場を新設いたす予定でございます。その他一般のロケット並びに人工衛星の研究開発に要します費用その他を合わせまして、四十二年度には宇宙開発のために総額約二十億円を予定いたしております。  以上でございます。
  128. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 いまの種子島のロケット打ち上げ場の整備計画に関連をして、道路、港湾等が整備をされなければならないと思うんですが、それらの点について四十一年度はどういうふうな計画なり予算があるのか、四十二年度ではどの程度の要求をされるのか、それらの点を経済企画庁に御説明願いたい。
  129. 山下武

    説明員(山下武君) お答えいたします。  経済企画庁関係のただいまの御質問につきましての四十一年度の事業を申し上げます。  道路の関係でございますが、四カ所合わせまして一億五千五百万円、それから港湾の関係でございますが、二カ所ございまして一億四千五百万円、合わせて三億円余の事業で目下実施中でございます。  四十二年度におきましては、これをもとにいたしまして目下策定中でございますが、相当増額要求するつもりでございます。やはり四十二年度におきましても、道路、港湾事業が中心となっておるわけでございまして、知事の意見あるいは科学技術庁の意見を十分聞きまして、離島振興事業計画の一環として要求してまいりたいわけでございます。
  130. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 四十二年度は四十一年度より相当ふえますか。大体同じ規模のものになるのか、その辺の……。
  131. 山下武

    説明員(山下武君) 目下策定中でございますので、正確な数字というわけにまいりませんが、大体五割程度は要求したいと思っております。三億……。
  132. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 五割増ですか。
  133. 山下武

    説明員(山下武君) 五割増程度の要求をいたしたいと考えております。
  134. 佐多忠隆

    佐多忠隆君 そうすると、四億五千万円ですか。
  135. 山下武

    説明員(山下武君) 少なくともそのぐらいは要求いたしたいと思っております。
  136. 鶴園哲夫

    委員長鶴園哲夫君) 他に御発言がなければ、本日の防衛庁決算の審査はこの程度にとどめたいと存じます。暫時休憩いたします。    午後三時五分休憩   〔休憩後開会に至らなかった〕