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1966-09-12 第52回国会 参議院 運輸委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年九月十二日(月曜)    午前十時四十一分開会     ―――――――――――――   委員異動  八月三日   辞任      補欠選任    源田  実君  堀本 宜実君  八月十五日   辞任      補欠選任    堀本 宜実君  津島 文治君  九月三日   辞任      補欠選任    野坂 参三君  岩間 正男君  九月十日   辞任      補欠選任    中村 順造君  瀬谷 英行君     ―――――――――――――  出席者は左のとおり。    委員長     江藤  智君    理事            岡本  悟君            岡  三郎君            吉田忠三郎君    委員            金丸 冨夫君            津島 文治君            平島 敏夫君            相澤 重明君            木村美智男君            瀬谷 英行君            浅井  亨君            中村 正雄君   国務大臣    運 輸 大 臣 荒舩清十郎君   事務局側    常任委員会専門    員       吉田善次郎君   説明員    運輸政務次官  金丸  信君    運輸大臣官房長 沢  雄次君    運輸省鉄道監督    局長      増川 遼三君    運輸省航空局長 堀  武夫君    日本国有鉄道総    裁       石田 禮助君    日本国有鉄道副    総裁      磯崎  叡君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○理事辞任及び補欠互選の件 ○運輸事情等に関する調査  (日本国有鉄道運営に関する件)  (航空に関する件)     ―――――――――――――
  2. 江藤智

    委員長江藤智君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。  委員異動について報告いたします。  去る八月三日、源田実君が委員辞任され、その補欠として堀本宜実君が選任されました。また、去る八月十五日、堀本宜実君が委員辞任され、その補欠として津島文治君が選任されました。  また、去る十日、中村順造君が委員辞任され、その補欠として瀬谷英行君が選任されました。     ―――――――――――――
  3. 江藤智

    委員長江藤智君) 理事辞任の件についておはかりいたします。  金丸冨夫君から文書をもって都合により理事辞任したい旨の申し出がございましたので、これを許可することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 江藤智

    委員長江藤智君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  つきましては、直ちにその補欠互選を行ないたいと存じます。互選は投票の方法によらないで委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 江藤智

    委員長江藤智君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事谷口慶吉君を指名いたします。     ―――――――――――――
  6. 江藤智

    委員長江藤智君) 運輸大臣並びに運輸政務次宜から発言を求められておりますので、これを許します。荒舩運輸大臣
  7. 荒舩清十郎

    国務大臣荒舩清十郎君) 今回はからずも運輸行政を掛当することになりました。まことにふなれでございまして、経験乏しい者でございますが、どうぞ各位の御支援をお願い申し上げまして、簡単ですがごあいさつといたします。
  8. 金丸信

    説明員金丸信君) このたぴ運輸政務次官を拝命しました金丸でありますが、ずぶのしろうとでございまして、またぶこつ者でありますが、よろしくお引き回しをお願い申し上げます。     ―――――――――――――
  9. 江藤智

    委員長江藤智君) 運輸事情等に関する調査を議題といたします。  質疑のおありの方は順次御発言瀬います。
  10. 岡三郎

    岡三郎君 ただいま運輸大臣から所信表明があったわけですが、大臣がかわられて本日は初の運輸委員会でございます。大臣就任以来御多忙のようで、またいろいろと運輸行政全般についてもしばしば発言せられておるように承っております。したがって、ただよろしくとこういうことだけでは、これは委員会に対するあいさつにならぬと思うのです。したがって、この際運輸大臣就任ことばというものを、新聞その他で発表せられることが順序でなくて、やはり正規の委員会において運輸大臣所信表明というものがあってしかるべきだと思うのです。それがないので、あらためて所信表明を承りたいと思うのであります。
  11. 荒舩清十郎

    国務大臣荒舩清十郎君) ただいま御発言がございまして、運輸行政全般にわたりまして私の考え方を簡単に申し上げてみたいと思います。  運輸行政は、国民経済及び国民生活に密接な関係を有し、その基盤をなしていることにかんがみまして、当面次の諸政策に重点を置いて運輸行政運営する所存でございます。  まず運輸関係社会資本充実についてでありますが、今後の長期にわたる経済成長国民生活向上を実現するための基礎条件として、立ちおくれの著しい運輸関係社会資本充実をはかることとし、総合的かつ長期的観庶に立って運輸基礎施設整備強化を強力に推進していきたいと思います。具体的に申し上げますと、鉄道については、国鉄の長期計画を引き続き推進して輸送力増強をはかるとともに、日本鉄道建設公団による鉄道新線建設長期計画策定推進をはかり、もって鉄道網整備を行ない、地域開発に資することといたすつもりであります。さらに、大都市周辺交通混雑に対処するため、鉄道通勤輸送力増強地下高速鉄道整備、私鉄の輸送力増強など大都市高速鉄道網抜本的整備をはかることといたし、なお港湾については、港湾整備五カ年計函を引き続き推進するとともに、国際海上コンテナー輸送体制整備の一環としてコンテナー婦頭をはじめとする主要外貿定期船埠頭建設、管理のための公団の設立をはかりたいと思います。  航空についてでございますが、懸案の新東京国際空港建設の問題は、去る七月公団の発足を児たのでありまして、今後早急に推進する所存でありますが、また各地空港整備についても、航空整備五カ年計画策定の上、強力に推進いたしたいのであります。  次に、貿易外収支の改善については、国際収支の安定はわが国経済成長を確保するための基本的条件でありますから、最近の国際収支を見ると、貿易収支の好調に引きかえ、貿易外収支赤字幅は依然として増大の傾向をたどっております。このような貿易外収支の悪化を最小限にとどめるため、貿易外収支の大宗を占める海運航空及び観光抜本的振興をはかる所存であります。このため、海運については、外航海運企業経営基盤強化をはかりつつ、外航船腹大幅増強を行なうこととともに、新たに国際海上コンテナー輸送体制整備を促進することといたしたいのでございます。  航空については、日本航空株式会社への助成を強化するとともに、航空協定締結改定のための外交交渉を推進する等、国際航空充実強化をはかりたいと思います。  観光については、海外宣伝強化するとともに、国際観光ホテル、旅館の整備を推進して、国際観光振興をはかりたいのでございます。さらに、流通近代化については、物価の安定をはかり、産業の国際競争力強化するためには、物的流通部門について合理化を進め、その能率を高め、社会的流通経費を低減することが必要であると思うのでございます。このために、コンテナー輸送体制整備パレットプール制度確立流通団地の整備コールドチェーンに対応した輸送保管体制整備等物的流通近代化を強力に推進する所存であります。  また、交通事故及び公害防止対策強化に対しましては、航空機事故海難事故自動車及び鉄道事故などの交通事故の増加並びに自動車排気ガスによる大気汚染、船舶の油による海水汚濁などの交通機関による公害の発生は、国民の不安を増大させ、国民生活充実を阻害するものであることにかんがみまして、運輸行政各分野において、人命尊重の理念に基づきまして、安全最優先の原則を貫き、交通事故及び公害防止の徹底を期する所存であります。このため、海陸空各般にわたる事故防止対策及び公害防止対策を一そう強化するほか、新たな施策として、航空関係には航空庁の設慣、航空機乗員養成体制整備航空保安施設及び保安要員増強等による航空保安体制強化をはかるとともに、航空の安全を確保するための研究機関を設置することといたしたい考えでございます。  また、海上関係については、海水汚濁防止施設整備するとともに、民間による海難救助協力体制確立をはかりたいと考えておる次第でございます。  さらに、自動車関係については、事故防止及び公害防止に関する試験研究を行なうための研究機関の設置をはかるとともに、事故被害救済体制拡充強化のため保障センターを設立いたしたいと考えておる次第でございます。  以上、運輸行政運営にあたり、当面実施いたしたいところの重要諸政策につきまして、所信の一端を述べた次第でございますが、何とぞよろしく御審議、御支援等をお願い申し上げる次第でございます。
  12. 岡三郎

    岡三郎君 ただいま所信あるいは運輸行政に対する施策というものについて述べられたわけですが、このことは、私から質問されるまでもなく、やはり以上のようなことについてはプリントをして各委員に配付せられて、そして堂々とやられることのほうが正しいと私は思うのですがね。これはさておいて、いまのいろんな行政をこれから運輸大臣としてとり行なっていくことはもちろんでありますが、やはりしばしば言われたように、佐藤内閣の、本会議等でしばしば害われておりまするが、根本的な政治姿勢の問題についていま一言も触れられておらぬ。あらゆる行政を遂行し、国策を遂行する前提どして、やはり政治姿勢というものについて、いま非常に世間がやかましいわけです。国会においても田中事件等発生して、国政に対する不信というものがかなり大きい。こういう中において、しばしば荒舩運輸大臣名前も登場してくるわけだ。いま私はここでこまかく一々例示をとって追及いたしませんが、やはりこの際運輸大臣として運輸行政全般をこれから遂行していく場合における政治姿勢というものについての信念をここにはっきり述べてもらいたいと思う。あなたの政治に対する姿勢についての答えを求めたい。
  13. 荒舩清十郎

    国務大臣荒舩清十郎君) 佐藤内閣政治姿勢については、しばしば佐藤総理大臣から所信表明がある次第でございます。もちろんその線に沿いまして、私も閣員の一員といたしまして、正しい誠の精神、また国民に対するあたたかい行政等を行なわなければならないと考えておる次第でございます。  以上、簡単でございますが、申し上げた次第でございます。
  14. 岡三郎

    岡三郎君 あまり運輸大臣言いたくないようですから、もう少し質問いたしますが、最近に言われている深谷駅の急行停車の点については、後刻同僚から質問がありますが、こういう点についても運輸大臣としてやはり冒頭自分所信というものを語らなければ、運輸委員会に対して大臣は一体これをほっかむりしていくのかと、こういうことになってしまう。  それから、あなたが韓国に行っている際、十日に当参議院の法務委員会において大阪拘置所移転の問題が論議されているわけです。しかもこれには、昭和三十六年一月三十日にあなたが大阪グランドホテル田中彰治氏と行って、延原観太郎話し合いをしている問題から、いろいろと巷間うわきが取りざたされているわけです。やはりこういう点についても、明確にいま言った所信ことばに伴って自分の対処する方針といいますか、そういうものを明確にしてもらう必要が私はあると思う。この点についてどういうふうにお考えですか。
  15. 荒舩清十郎

    国務大臣荒舩清十郎君) 急行をとめるというような問題につきましては、これは後ほど御質問の際にお答えをいたすのがいいんではないかと思っております。  第二番の田中彰治事件の問題につきましては、これは法務委員会におきましてその問題の黒白をつけるのがよろしいと思いますが、ただし、御質問等ぐざいますから、要点だけを申し上げておきたいと思うのでございます。私は当時決算委員長でございました。決算委員会に対しまして、なくなりましたが、牧野寛索代議士があの拘置所交換等については疑義を持っておるから、ひとつこの問題を研究してもらいたいというので、名前は忘れましたが、上野という人を議会に連れてまいりまして、しかしこの問題は私はまことにしろうとでございますし、また大阪等事情はよく存じておりません関係上、これは委員会に取り上げる前に、すでに国有財産小委員会というものができることになっておりまして、その委員長田中彰治君が推薦を受けておったのでございます。したがって、そういうたんのうな人のほうに持っていってもらいたい、こういう話を当時の牧野代議士にいたしました。その後、田中彰治君がこの問題についてかなり突っ突んだ、あるいは委員会の職分以上のいろいろな調査が始まっているようでございました。そこで私は、決算委員長といたしまして、こういう問題等については行き過ぎがあっては相ならぬ、あくまでも公正妥当な見地に立って対処すべきであるとこう考えまして、たまたま二月の早々に、決算委員会でありましたが、五、六年前のことですからよく記憶がございませんが、あるいは国有財産の小委員会であるか、はっきりそこは記憶がございませんが、それにかかるということでございますので、これはその前に、事前に所有権のある延原観太郎という人に個人資格で会って、そして行き過ぎのないように田中彰治君と話し合いができるということがいい、そうしてあくまでも不正であるか、不正でないかということを所有権を持っておる延原氏と直接に話し合って、それが不正であれば委員会にかけて論議する、あるいはその黒白をつけることがよろしいと考えておりまして、そこでたぶん一月の中旬以降でございますか、私が延原氏に個人名前で御高説を拝聴したい、したがってその場合には田中彰治君も一緒に連れていきたいと思うが、御返事を願いたいという手紙を出しました。そういたしますと、直ちに向こうから電報で、日は忘れましたが、何月何日に大阪グランドホテルで、時間も忘れましたが、たぶん午前十時ごろだと思いますが、お越しを待つという電報が参りました。したがいまして、その電報が来ると同時に、どうか田中彰治君がひとつ私と一緒に行って、決算委員という資格でなく個人資格で、調査という問題等を別に、所有者である延原氏と会って話し合ってみろことがいいんじゃないかということで、私が田中彰治君を伴いまして、だいぶこれに対しては行くのをいやだと言っておりましたが、まあそう言わないで一緒にひとつ行ってもらいたいということで参りました。ちょうど私は個人資格でございますし、たぶん田中君も個人資格で、旅費も何も自分で持って行ったと思います。私はもちろん自費で、決算委員会旅費も何も使いませんが、それで参りました。たまたまホテルは別でございまして、たぶん九時か十時で、いまはっきり覚えておりませんが、そこへ延原氏が来るから、ひとつ私から話をするから、あなたのホテル電話するからそこへ来てもらいたい、そして行き過ぎ等のないように穏やかな話をしよう、こういうことで、グランドホテルロビーで私は待つておりましたところが、あいにく延原という人が参りませんで、たぶん御子息であると思います。同時に、番頭さんであるか、あるいは弁護士の方であるか、かなり法律に詳しいような説明をなすっておられた方であります。お二人が参りまして、電報をいただいたから来たのだが、ひとつきょうは田中彰治君も後に見えますが、どうかひとつよく話し合いをしてもらいたい、そうして正しいことは正しい、不正なことは不正でひとつ話し合ってみてもらいたい、こういうことで話したところが、どうも田中さんが来るのでは、うちのおやじはお目にかかりたくないというので来ません、こういう御返事でございました。そう言わないで、電話ででも呼んでくれませんかと私が主張しておりましたところが、どうも田中さんとはお目にかかりたくない。そこで私は、きょうは非公式に話し合って、どうも話を持ってきた人が、上野という人と、まあ最初牧野寛索君ではございますが、上野という人と二人で来たので――この人は何か沖縄へ選挙違反で逃げて世間を騒がした人だという印象を私は持っておりましたから、そういうので、私はどうも持ってきた話も何か食い違いがあり、あるいは利権を伴うような話でもあると直観をしていたので、どうかおとうさんを呼んできて話をしてもらったらどうでしょうというお話をいたしました。そうすると、あなた一人ならお目にかかるが、田中さんが来ているのではどうも困るということで、十五分か二十分時間がたっておりましたが、そう言っているときに、田中彰治君がうしろに私は来ているとは思わなかったが、ロビーで大ぜいおりますから、立っておりまして、そうして田中君が私に、「何だ荒舩、おまえは、いやだいやだと言うのにせっかく大阪までおれを連れてきているにかかわらず、向こうから電報が来ているというのに、なぜそれを呼びつけることができないか」ということで、ロビーのところで大喝一声――大喝一声どころじゃなく、大喝何声かで私のことを文句を言いました。そういたしますと、あまり声も大きいし、ロビーに一ぱいいる人が何事か起こったというのでみな顔を見合わせるような状況でございました。したがって私は、困ったことだな、別室にと思っているうちに、延原氏のむすこという人と、そのついてきた方とが、気持ちを悪くしたのか驚いたのか知りませんが、「これで失礼します」ということで、この問題はこれでおしまいですからというので、はっきりことばはわかりませんが、そういう意味を残して、「まあ待ってください」と言ったが、立って帰りました。「待ってください」と言って出口まで私は追いかけましたが、そのまま帰りました。その後の問題については、これは私は困った問題だ。そうして三月早々に、これも実ははっきり覚えておりませんが、決算委員会であったか、あるいはたぶん小委員会であったと思いますが、小委員会で、私も出席をいたしましたが、それは決算委員会のあれであったか、小委員会だったかはっきり記憶ございません。そこで実は田中君がその参考人をたくさん呼び出しまして、まああらゆる、ちょうど検事が被告を調べるような強い調べ方で、もう聞くに耐えないような調べ方状況がございました。これはいかぬなと、こういう問題は困った問題だと思っていて、幾日もたたないうちにむすこさんが大阪検事局に引っぱられた。どういうことで引っぱられたのだろうと思ってあ然としているうちに、実はその土地をどういうことですか一億何千万出して仮差し押え処分か何かしたようでございまして、もちろんむすこさんも勾留をされておりますし、田中君にも呼び出しがあったようでございます。そうしてまた秘書にも呼び出しがあったようでございまして、そのうちに大阪から電話がありまして、あなたも御迷惑ですがひとつ田中君を調べるこについて参考に聞かしてもらいたい、無理にとではございませんが、もし大阪まで来られなければ私のほうから出張しますが、ひとつ真相を話してもらいたい、こういう電話がございましたので、それじゃあ私も行きましょうというので参りました。別に私も気にとめるほどのこともございませんから、検事さんの名前もあるいは何も覚えておりませんが、こういう問題が起こって、そうしてあの土地田中君が強圧を加えて、そうしてそれを買収するつもりらしかった、こういう検事さんのことばでございました。大きな値打ちのあるものを安く買うつもりのように思われた、したがって初めからの真相をお話し願いたいと言うから、右のような話をいたしました。それはまことに御苦労さまでしたということで、私は三十分か一時間くらいかかったですか、それですぐに帰ってまいりましたが、事の真相はさようでございまして、私が出した手紙等につきましても、これは個人資格で、決算委員長名前で出した手紙ではございません。なおついでに、田中君と行ったことは、私が出した手紙に対してお越しを待つという電報によって私は行き、なおそういうような問題が決算委員会で諭難きれて、非常な決算委員会委員立場をこえたような発言でもあったら国会全体のまずい問題でもあると考えまして、私は非常な誠意を持ったようなつもりで、田中君が行かないというのを無理に大阪まで引っぱって行ったようなわけでございますが、事情はこういうことでございます。  その後私は手紙を何か法務委員会でまた牧野君を通じて出したとかなんとかいうようなことを言ったということですが、それは全然うそでございまして、最初に、いま申し上げたような、一ぺん手紙を出しただけでございます。なおまた、この問題等につきましては、検事局田中君のむすこきんが呼ばれて逮捕された問題でもありますし、なお田中君もこれは向こうに、参考人ではなかったと思いますが、呼ばれて調べられたような状況で、何かこれ以後の問題等は知りません。したがいまして、この問題は、私が決算委員長であったから、こういうことで、こういうような事情でございまして、その他の点については一点たりともやましい点は天地神明に誓ってない。それから、私が行なった、田中君を連れていって所有権のある延原氏と、ブローカーやなんかの話やなんかでなく、話し合いをしてみて、そこに不正があれば決算委員会で取り上げるとか取り上げない問題だとかいうことにしたいということで、誠意を持った私は真心を持った行為をしたつもりでございまして、いまだにそういう点に対して私は正しいことをしたという信念を持っている次第でございます。時間等がございまして、あるいは法務委員会等呼び出し等がございますれば、進んで釈明をいたし、またきのうおそく韓国から帰ってまいりましたために、まだその当時の記憶、それから記録等も調べてもございません。したがいまして、大筋を申し上げて私の立場を鮮明いたしたいと思う次第でございます。
  16. 岡三郎

    岡三郎君 時間がございませんので、この問題は法務委員会のほうで荒舩大臣出席を求めてやるというふうな話にもなっておるように伺っておりますので、こまかくは申し上げませんが、いま大臣がしばしば述べられたように、決算委員長としてではなくて個人でやったということになるというと、これは政治姿勢の問題としてやはり問題点がここにあるのではないかというふうにも思います。これはなぜこういうことを聞くかというと、運輸省所管の各種の問題についてこれから最高責任者としてやられる大臣が、運輸大臣ではなくして、荒松個人として今後やられては、これは困ると思うのです。国会役員としての決算委員長というものは、荒舩大臣はどこへ動こうと、当時はあなたの背中か前かにはきちっとついていた。これは個人ということばではのがれられない問題だと私は考える。あくまでも決算委員長決算委員長運輸大臣運輸大臣でありまして、これは今後の問題として、やはりそういう点についてはどういうふうに大臣考えておるのか、各般の問題についてそれぞれ使い分ける問題があるのだと言われるのか、そういうところはやはり厳格に運輸大臣として、個人という問題についてはこれはとるべきではない、こういうふうに考えられておるのか。個人何がしというのはこれはずいぶん昔有名な話があったが、触れませんが、これは非常に問題があることばですよ。あなたが浪人して代議士をやめていられるなら個人荒舩清十郎でいいけれども、代議士として、決算委員長として、個人という問題はなかなか似つかわしくないと私は思う。今後そういうことで、運輸行政を万般つかさどっていこうという立場にある大臣として、こういう点についての政治姿勢の問題はどうですか。
  17. 荒舩清十郎

    国務大臣荒舩清十郎君) 私はあえて反駁する意味ではございませんので、御了承願いたいと思う。先ほど申し上げたとおり、これは延原何とかという人が正しいのか、田中君の調べが正しいのか、決算委員会で議論をする前に、決算委員会に正式な書類が出ておりますから、一応持ってきたブローカーが非常な私は疑惑のある人のように思えましたから、その決算委員会で正式に議論される前に、こういう問題は話し合ってみて、そうして不正であったら決算委員会でやろことはよろしいしというような意味で、実は個人資格で参ったわけで、これは決して私は悪意の意味ではございません。また作為のあるものでもございません。なおまた、ただいま御注意がありました。まことにそのとおりでございまして、運輸行政は国のものでございます。あくまでも国民に納得できるようなことであり、しかも正しい運営が行なわれなければならない。そういう意味からいたしまして、私は毛頭も個人運輸行政をやるというようなことは考えておらないのでございます。どうかその点ひとつ御理解をいただきたいと思う次第でございます。
  18. 岡三郎

    岡三郎君 時間がありませんので、いまの大臣答弁についてもなお質問したいことがございまするが、ただいまの点につきましては、大臣が言われるように、国会決算委員長にいたしましてもこれは国会役員大臣はもちろん国の大臣としての責任があるわけです。この点についてはいささかも狂いがないということを、これは信じます。また、それをわれわれも確認するわけです。要は、やはりこういう政治の一つの時点において、いろいろと国民的な不信の感情を抱かれているさなかにありまするので、われわれとしては、新大臣として、運輸行政全般について、国民的な立場、国の立場において努力せられることを期待するわけです。そういう点で、李下に冠を正さずというか、真剣にこういう問題については行動の中でひとつ御善処願いたいということをわれわれのほうも強く希望するわけです。で、この問題については後刻瀬谷君も触れられますので、問題は次に移ります。  昭和四十年度の監査報告がい歳特別に提出せられていろいろと言われているわけですが、この中で、当初の運賃、貨物の収入等の見積もりがだいぶ狂ってきた。こういう点は、いろいろと経済の転換の中であることでございますが、そういう点で、国民的な責任において第三次長期計画がいま進行しつつあるわけです。しかし、いまの情勢では、かなり財政的に苦労が多いわけです。いま、なかなか当初の予定どおりにいくかいかないか、むずかしい問題なんです。そこで、国鉄のほうは運輸大臣に対して、この際、ききの運賃値上げの討論の中にあったように、国鉄は膨大なる借入金を抱いてその利息にも追われているし、国として、膨大なる資産の中において、明治以来わずかな出資しかしていない。これは希有なことであって、いまのような国民経済全般の中において公共性を強く言われている国鉄の立場としても、現状においてはこれ以上運賃の値上げ等は絶対にできない、またきせないというわれわれは観点を持たなければいかぬと思うのですが、そういうふうなことを考えると、先般国鉄のほうから運輸大臣にいろいろとこういうふうな点について言われていると思うのですが、まず冒頭に石田総裁にお尋ねいたしまするが、昭和四十年の決算を踏まえて、今後の第三次長期計画と国鉄の今後の運賃収入、貨物収入等の見合い等からいろいろと御苦労されておると思うのですが、この点について簡潔にひとつお答え願いたい。
  19. 石田禮助

    説明員(石田禮助君) お答えいたします。結論から申しますというと、第三次計画の完成に際しまして、二兆九千七百二十億というもので計画を立てたのでありまするが、それに対する収入の問題、これは例の基本問題懇談会の結論にもあり面するように、運賃の値上げというものは三割一分か三割二分でやるということを基礎に置いてやったのです。ところが、決定は二割五分ということになった。ここにまず大きな食い違いがあったということ。さらに、人件費の増というものは、われわれが考えていた以上のものになった。それからその次には運輸の収入でありまするが、これは運賃値上げによる傾向といいますか、確かに私はそういうものもあった。これは一時的のものであるか、ずっと将来に続くものであるかわかりませんが、これまでの傾向に見まするというと、やはりわれわれはこの点については安全の道をとりたい。それから運輸の収入の減ということにつきましては、これは衆気不景気ということも相当大きな原因をなしておりまするが、これは時の問題で、よくなると思いまするが、しかしそう楽観ばかりはできないんじゃないか、こういうふうに考えましたので、四十二年の予算の作成にあたりましては、ひとつ政府でもってこの際九百億の出資をしてくれということをわれわれはお願いして、ただいま大蔵省と交渉しておるのであります。これはやぶからヘビのようにちょっと見えますが、実はこの問題については、基本問題懇談会のときに、国鉄がこれまでに背負っておる公共負担から考えて、政府というものはこれまでのようなたった四十億の出資ということにとどまらないで、金額は忘れましたが、相当額の大きな出資はすべきものじゃないか、こういうことを基本問題懇談会でもうたっておるのでありまして、この際それに基づきまして九百億の出資ということになったのでありますが、この根拠は、国鉄というものは、岡さん十分御承知だと思いますが、三十二年から四十二年までの間において約六千億の公共負担というものを背負っておる。公共負担とは何ぞやといえば、要するに政府の施策というものを国鉄の犠牲においてやっているのが公共負担だ。それが四十一年におきましても八百五十億見当の公共負担になっている。すでにこういうことでもって、国鉄は政府のために犠牲になることばく大なるものがあるのだ。今日の国鉄の情勢にかんがみまして、政府は九百億くらい出資をしてもいいじゃないかということが私の考えです。で、大蔵省に対してそういうこどをお願いしておる次第でございます。
  20. 岡三郎

    岡三郎君 そこで、運輸大臣に聞きますが、端的に、時間がありませんので。いま言われたように、運賃値上げはそうそうできないし、いままで一次計画、二次計画長期計画、これはやはり財政的ないろいろな条件で、かなり国鉄も誠意を持って努力してきたけれども、途中で変更せざるを得なかった。第三次長期計画の出発にあたって、今度はこれを狂わしたくない、これを確実にひとつ進行しだい、そういう点で早々非常に苦労な点にぶつかっているわけです。そこで、運輸大臣は、こういうふうな情勢のもとにおいて、社会開発とか、いろいろなことを言われていろけれども、国鉄というものについては、先ほど言ったような膨大な――といっても四十億程度のことしか考えていない。これは佐藤総理にも先般ずいぶん言ったのですが、この点は十分検討して何とかひとつその方向に逐次やっていきたいというふうな答弁があったというふうに記憶するわけです。運輸大臣として、いまの国鉄輸送、公共関係にかんがみて、国鉄のいまの点ですね、再び運賃値上げというものは許されない、これを受けてどういうふうに大臣としてはお考えになっておるか、このところをはっきりお答え願いたい。
  21. 荒舩清十郎

    国務大臣荒舩清十郎君) ただいま岡委員から申されたとおりでございます。現下の情勢からいたしまして、当面運賃の値上げというようなことはこの内閣においてはなかなか困難である。一面考えてみますと、人件費の非常に負担が多くなってきた。そういう問題及び、また車両も高くなります。諸般のいろいろの問題から非常に高騰しておるが、運賃はなかなか値上げができない。そこで、この国鉄経営は、ただいま石田総裁の言われるごとく、まことに国鉄という大きな部隊が容易ならざる苦心をしておる状況でございます。したがいまして、どうしてもいままでと違いまして、九百億ばかりのいわゆる出資を政府がすべきだという考えを私は持っております。これはでき得ればもっとよけい出してもらいたいというような考えも持っておるのですが、なかなかこれも、財政全般にわたりましての御承知のような状態でございますので、それ以上どうも出資をしてもらいたいというようなことはなかなか困難だと。したがって、そういう観点からいたしまして、石田総裁の言われるような線と全く私同感でございますので、こういう意味で金力をあげてひとつやってみたい、端的に申せばそういう決意でございます。
  22. 岡三郎

    岡三郎君 そうすると、端的に言うと、九百億の政府出資はもっともである、したがってそれに向かって大臣としては全力をかけてひとつその所期の目的を達成するためにがんばる、こういうことですね。
  23. 荒舩清十郎

    国務大臣荒舩清十郎君) そういうことです。
  24. 岡三郎

    岡三郎君 たいへんはしょりましたが、きょうは運輸大臣就任早々のことでありまするので、先ほど述べられた運輸行政全般についての問題はかなり多くあるわけです。国鉄の今後の第三次長期計画、特に過密都市における輸送増強というものは非常に大きな問題だと思うんですが、こういう問題各般についてきょうは時間がありませんので触れませんが、政治姿勢を正す問題とあわせて、いま言ったような具体的な国民生活を何とか守る、こういう立場でひとつ強力なる施策を推進してもらいたい、これを要望して第一回の私の質問を終わります。
  25. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 まず大臣にお伺いしたいと思いますが、十月のダイヤ改正で深谷に急行が停車することになりました。この問題がたいへんにいま話題となっております。しかしこの十月のダイヤ改正は、十月の時刻表を見ますと、すでに深谷に急行がとまるようになっております。これが巷間伝えられるように運輸大臣の特別の指示によるものなのかどうか。急行の停車駅は従来どのようにしてきめられていたのか。もし、すでに腹案ができておったにもかかわらず、大臣の特別の指示によって深谷に急行をとめたということであれば、それは国鉄として一体どのような観点でとめるようなことになったのか、運輸大臣並びに国鉄総裁それぞれからお答えをいただきたいと思います。
  26. 荒舩清十郎

    国務大臣荒舩清十郎君) この問題は、もちろん国鉄自身がきめる問題でございます。端的に具体的に申せば、深谷市の駅勢人口というような観点からいたしまして、これは当然急行も何木かとまるべきだというふうに考えております。私はもっとこう具体的な話で埼玉県でございますから申し上げてみたいと思いますが、昭和三十一年三月から高崎、本庄、深谷、熊谷、大宮から上野を終点とする上りがございまして、午後に一本の上りでございます。それから昭和三十三年の四月から、上野を出発いたしまして大宮、熊谷、深谷、本庄、高崎というふうにとまっておった快速列車と称するものがございます。なお、昭和三十三年の四月から実は始発といたしまして、深谷市から七時十五分というのが出ておったようでございます。――先ほどの年月日違いました。上りが昭和三十一年三月からのようでございます。  そういうようなことでございまして、前にも快速列車がとまっておりまして、なお始発も出ておりました。私専門家でございませんからよくわかりませんが、この列車が急行もとまりあるいは始発もあったことは事実でございます。で、それが昭和三十六年の二月ごろから、これが出なくなりました。ストップしなくなり、あるいは出なくなわました。私も埼玉県でございますから、しばしば、国鉄に何回も陳情をして、ぜひ、隣の本庄市は相当多数の急行がとまる、上りも下りもとまると、しかも本庄市は、四万六、七千の人口であり、深谷は五万七、八千でございまして、なお首都圏整備法による工場団地が設定されておる現状から見まして、ぜひ何本か、ひとつ急行もとめてもらうし、始発電軍も出してもらいたいということで、数回にわたりまして実は国鉄に陳情に代議士当時参りました。これはまあそれがいいか悪いかは別でございますが、どなたも同じ県人であれば、そういうようなことは頼まれたり、またやったりすることだと思う。いい悪いは別です。そういたしまして、たまたま、六月の下旬か七月初旬かと思いますが、もちろん運輸大臣になるとも私は存じてない、想像もしておりませんでした。陳情に参りましたところが、まあそれは昭和三十一年ごろからそういう陳情もあるので、今度はダイヤ改正のときにはまあ前向きで何本か相談いたしますよ、前向きで考えますよと、そのことばははっきりいたしませんが、そういう返事でございました。したがって、これはもちろん運輸大臣がどうするというわけではございませんし、また代議士である荒舩がどうするという問題でもございません。したがって、私は六月の下旬か七月には、これはもう何本かとまるものだろうという想像はしておりました。  新聞等によりますと、何か一つくらいおれの言うことを聞いてもいいじゃないかと言ったように新聞には出ておりますが、全くそういうことではございません。まことに私は、私の足らざるところ、また人格の足らざるところでございましょうが、誤り伝えられたといまでも信じております。そういう関係で、なお私が想像いたしますのに、実は特急、急行、準急等も増発され、それからまたそれに伴って駅勢人口の多いところ、あるいは旅客の多いところでは、何カ所も急行がとまるダイヤになるようでございます。したがって、こういうような点につきましては、たまたま私が運輸大臣になったからということでありまして、決して強圧をしたとか私がきめたとかという考えはございません。ことばのニュアンスにはいろいろ違いもございますし、私が運輸大臣になって埼玉県に帰ったときの発言したことに誤解があったようでございますが、いま考えても、深谷駅に急行が何本かとまるというようなことは国鉄自身がおきめになったことであって、私の代議士中に陳情したことがあるいはは功を奏したかしないかそれはわかりませんが、そういうことであって、誤解を生じたという点については私は遺憾千万だと考えております。  以上私の考えを申し上げて答弁といたします。
  27. 石田禮助

    説明員(石田禮助君) 深谷の駅に急行列車をとめることにつきましては、これは運輸大臣からもただいま御説明がありましたが、要するにこれは運輸大臣から私に向かっての指示でもなければ命令でもない。国鉄総裁といたしましては、その希望に従って私の責任において決定したのであります。深谷というものは、これはただいま運輸大臣からも御説明ありましたが、人口においても相当のものであるし、その将来性から考えても相当のものだということは、国鉄としても承知しておったのであります。ただ問題は、これまでとめた駅と深谷との間の距離があまり短過ぎるというその他の点から考えまして、実はダイヤを編成するときに左すべきか右すべきかちゅうちょしておった。そこへ運輸大臣からの御希望があったのであります。実はこれまでに、これは新聞に出ておることでありまするが、もうすでに私のほうの今村常務が新聞に説明しておるのでありまするが、それまでに運輸大臣から四つか五つのいろいろ御希望があった。でもこれは国鉄としてははなはだ困ろということで実はお断わりした。そこでそのあとに深谷の問題が出てきた次第。これは理屈詰めにいけば断わるのがしかるべきだと思うのでありまするが、実はこれは情に流れて、私の責任においてこれを決定した、こういうことでありまして、もしも責任を問われるならば国鉄総裁であって運輸大臣ではないということを私はこの際はっきり申し上げる。ということは、これは新聞にありまするように、運輸大臣の命令であるとかあるいは指示だとかいうようなことは絶対ないのでありまして、その点は私はこの際はっきり申し上げておきたいと存じます。
  28. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 問題になったことは、運輸大臣が、一つぐらいおれの言うことを聞いてもいいじゃないか、こういうふうに言って、国鉄の幹部が大臣の顔を立てて計画を変更したのじゃないか、こういうふうに勘ぐられたわけですよ。そのように思われたから、そういうことはけしからぬじゃないかということになったのですね。で、いまお聞きすると、この深谷にとめるということ自体は特別に横車というふうに考えるわけじゃない、在来考えていたことではあるが、しかし運輸大臣から希望があったので、そこでまあ国鉄総裁の責任においてとめた、こういうふうに言われるわけです。同じ問題を荒舩さんが代議士のときに陳情したときには、そういうものはまあ受け付けなかった。ところが、大臣になって希望をされたときには、総裁は情に流れてとめるようになったのだ。いまの言い方は、それは新聞に報じられた言い方と多少違っておりますけれども、結果的にはどうもあまり違わないような印象を受けるわけです。何か情に流れて大臣の希望があったからとめたんだと、こういうふうに受け取れるわけですね。だから、もし深谷にとめたということがよくないのだということであれば、これはあやまらなければいかぬわけです、総裁が。正しいということであれば、たまたま考えておったことと大臣の希望とが合ったのだということになるわけです。総裁の答弁もちょっと歯切れが悪いですな。どうも何かあっちこっちで旅先で言われたことといまのことばとは、表現が多少違っただけで意味は同じように聞き取れるのですが、どうなんですか、それは。
  29. 石田禮助

    説明員(石田禮助君) 大臣が私に対して、直接じゃない、これは今村常務を通して申したのでありますが、一つくらいはいいじゃないかと、こういうことを私は聞いておる。これは何か新聞社がちょっと筆を走らしたせいじゃないかと思いますが、私はそういうことは知らぬ。いずれにしても、私としては、こういうことで大臣から希望があったがどうしましょうかという、いままでいろいろ御希望があったのだが、それを拒絶した手前、一つくらいはよかろうということで、これは私は心底から言えば武士の情けというかね。これははなはだどうも国鉄の犠牲においてそういうことをやったということは私の不徳のいたすところだと思いまするが、とにかく何となくそういうことになったという、こういう次第でありまして、この点はどうぞ瀬谷さん御了承願いたい。
  30. 荒舩清十郎

    国務大臣荒舩清十郎君) 聞きようでございますので、ちょっとニュアンスが違うように思うのですが、私は運輸大臣になってからこれをぜひとめてもらいたいということを言った覚えはございません、一ぺんもございません。私は五、六回国鉄には陳情を代議士の当時は――前にもいわゆる快速列車がとまっておったのだから、その後も人口が埼玉県としては一番増加をして大きな町になってきたのだから、ぜひとめてもらうようにお願いしたいということは、代議士当時五、六回陳情に参りました。その最後の陳情のときに、実は六月下旬か七月早々と思かますが、さっき申し上げるように、運輸大臣になるとも夢にも思いませんで、ぜひ頼む、前にとまっておったのだから頼むというときに、前向きにひとつ検討しましょうよということであるので、まあ何本かきっととまるのだなというその当時確信を持っておりました。たまたま運輸大臣になりまして、埼玉県からいろいろなことでお祝いがてら陳情が参りました。陳情というより、お祝いに参りました。そのときに数十人参りまして、あの問題もう一ぺん聞いてもらいたいという話でございますが、運輸大臣としてはそういうこどは言えない、こう言って私は返事をいたしました。ところが、ちょうどそのときに国鉄の今村常務が私の部屋にお祝いに、またほかの人も幾人か参りました。一緒に参りまして、ところがそのお祝いに来た人が一ぱい私の部屋におりまして、あれはどうなりますかと、こういうことを市長あるいは議長等が言われたようでございまして、私がそのときに、まあそんなくどいこと言わないでも、もう七月早々に決定があるようだから、そんなくどいことは言わないほうがいいよという話しましました。しかしそのときに、まあ何か前向きにということであるからおわかりでありましょうということで今村常務もお帰りになった。私は運輸大臣になってからこれを頼むとか、ごれをやってもらいだいとかいうようなことは一言も申しませんでした。  なお、誤解があるといけませんからつけ加えて申し上げますが、実は運輸省に入る前に、深谷駅の急行問題等で、重ねて高奇線を何とか複々線にならないものかと、あるいは都市交通というものをもう少し何とか優先的に考えないものかという意味のことは国鉄にもしばしば陳情をいたしまして、そういうことを代議士当時に陳情したりなんかしたものですから、それが何か残って誤解の種が大きく浮かんだんだと思うのでございまして、何か総裁――石田さんと食い違いがあるようでございますが、実際はそういうことでございます。
  31. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 問題は大臣になった――運輸大臣のツルの一声でまっすぐなやつも曲げられるんじゃないか、こういう印象を与えたことが一番私は問題になっていると思うんです。だから、そういうことがはたしてあったのかなかったのか、今後あっていいのか悪いのかというのが、運輸委員会としては問題にしなきゃならぬところなんです。で、お聞きしますと、大臣になってから深谷に急行をとめてくれということを頼んだ覚えはないというふうにいまおっしゃいました。代議士のときには何回か頼んだ、しかし大臣になってからは頼んだ覚えはない、こういうふうにおっしゃった。ところが総裁のほうは、武士の情けでと、こういうふうに言われたわけですね。頼まれないけれども武士の情けでというと、ずいぶんこれは情け深い話です。それほど石田総裁が情け深い方だと私思わなかった。もしも深谷に急行をとめるということが正しいのならば、大臣が頭を下げたり、国鉄の総裁が旅先で遺憾の意を表明したりする必要は私はないと思う。ところが、九月五日の記者会見で荒舩大臣は、一代の不覚であると、こういうふうに言って頭を下げたということになっておる。新聞に非常に大きく出ております、いろんな新聞にね。男一代の不覚であるとかなんとか、非常にオーバーな表現で書いている。その一代の不覚であったということであれば、急行をとめたとかとめないとかいうのは簡単なことなんですからね、とめるものをとめないようにするなんてことはわけのないことで。だからそれを再検討させるということは私はできるんじゃないかと思うし、国鉄総裁が旅先で、どうもはなはだ遺憾であるという意味のことをこの記者会見で、あなたはまた別のところで言っておられる、四国か九州かあっちのほうで。それが新聞に出ております。はなはだどうもおもしろくないかのような言い方なんですね。こういうことはあっちゃいけないかのような言い方をしておられる。旅先で言われたことは一体どういうことなのか。今度の問題と関係がないとは言えないんです。だから、この点がどうもやはり総裁の答弁と大臣の答弁とが合ってないですよ、率直に言って。だから、もう一度その点を、国民に疑問を与えていたならば、その点を釈明するようにはっきりさせてもらう必要があるんじゃないかと思う。
  32. 荒舩清十郎

    国務大臣荒舩清十郎君) ただいまの一生の不覚であったということに対して私は申し上げたいと思いますが、実は新聞にこんなにじゃんじゃん出たということが一生の不覚であったと、世間を騒がせたということが一生の不覚であるということであって、それからまた国鉄その他に与えた影響というようなことも、これはこういうことだと思うのです。さっき申し上げたように六月の下旬から七月早々でございますので、それから私が運輸大臣になりましたのが八月の一日で、時間がない、ごく短い時間ですから、それが一緒くたになって、あるいは今村常務から総裁に伝わったことばが、私が運輸大臣になってから伝わったことばであるかもしれませんし、そこらに非常なこの問題に誤解を生じたという点、まことに一生の不覚であった、こういうことでございまして、深谷駅自身に急行がとまったということは、これは国鉄自身が決定する問題でございまして、これは私は武士の情けでもないと思いますし、当然やるべきことをやったのじゃないか、こう思われるのじゃないかと思うのです。いずれにいたしましても、私はあれほどマスコミにいろいろ書かれるということは一生の不覚であったということだけは、はっきりいまでもそう考えているわけでございます。
  33. 石田禮助

    説明員(石田禮助君) この問題につきましては、私は大臣と直接に折衝したわけでも何でもありません。今村常務から聞きまして、それでまあいいだろう、このくらいのことはひとつやりたまえ、こういうことを申したのでありまして、今村君の話によるというと、まあその前に幾つかの問題がありましたが、これはせっかくだが大臣の希望をいれるわけにはいかぬ。しかしこの問題については、これはそんな絶対にやっちゃいかぬということでもないしというようなことですから、それならやってもいいじゃないか、こういうぐあいに私はきわめて簡単明瞭に今村君に指示したわけでございまして、実はそのときにはすでにダイヤというものはもうきまっておったのであります。それを改正するというようなことになった次第であります。
  34. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 関連。運輸大臣、どうもあなたの同僚瀬谷委員に対する答えを聞いていますというと、何か三百代言がものを言っているような感じがするのです。ということは、いやしくもみなたは佐藤内閣の一閣僚でありますから、閣僚として、やはり運輸大臣としては私は責任を負わなければならぬと思う。そういう立場からあなたは世論というものをどうながめているか。新聞はどこかの新聞なんとかと言っていますけれども、ここにいろいろありますから、ひとつあなたのやつを読んでみます。運輸相が首相に釈明をした――かなりのものに出ていますよ。これは一億国民みな見ているわけです。この新聞は、それは九月の六日ですよ。そうして、急行政治停車、このことで運輸相が総理大臣に釈明をした、ずっと書いていますよ。そこには一世一代、かんべんしてくれなんということは書いていませんが、ちゃんとしたこと書いています。それからその最後に、総理大臣としては、あなたが閣議でもそういう発言をしているらしいから、政府の見解としては、すみやかに国鉄の石田総裁を呼んで報告を求めて、実情を厳正に調査の上、この問題に対する政府の見解を明らかにする――これは九月の六日です。そのときに同じく国鉄の総裁が、これは九月の四日の夜に「朝日」の新聞記者との会見をいたしております。これは間違っているなら、石田総裁から答えられるでしょう。そのときの石田総裁の発言は、彼も政治家なんだから、こういう言い方をして笑い飛ばしている。笑ったか笑わぬか私はその場にいないからわかりませんがね、これは。そうして筋を通しまして総裁がこの問題について――いろんな問題を国鉄の総裁まで苦労してやってきたわけですから、公約をしてきたわけですから、筋を通してやったらどうなんだ、こう言ったら、最近私もものわかりがよくなったから、こう言って、これまた笑い飛ばしている。こういうことからいろいろなことが書かれてきて、荒舩さんよく聞いてください。「大臣名改正の件、今後運輸大臣を深谷大臣と改称する――内閣告示、東京・やの字」というのが「かたえくぼ」という欄に出ている。もはや落語のネタになっているのですよ。落語の何とかというやつは東宝名人会でやっておりますよ。すべて国民は聞いているのだ。こういう世論はあなたはどうお考えになるかということ。  それから私はおととい、「週刊文春」、きわめてきれいなのが載っておりますが、これを見るために私は買ったのじゃない。この二十二ページに「荒舩大臣――涙の急行列車」、歌の文句のようにここにも書いておりますぞ。これにも御自慢り代議士ソング第一号何とかというのが書いてあって、ソングに似たようなタイトルで出ております。「非難が集中してアタマをかかえる運輸相」――こういう見出しで、中身を読んでみますと、やはりあなたが答えたような内容になっていない。内容になっていないということはどういうことかというと、若干いまあなたも認めたように幾つかの要求をしておったのだ。幾つかの国鉄に対するあなたは要求をしておった。あなたも言っているように、その要求は、事のよしあしは別です。別ですが、「これくらいは認められないか」と言ったことは事実です。事実なんだ。それを踏まえて、今村常務が結果的にはあなたに屈服した、この真相だけは私は明らかだと思う。それならそれのように、あっさりそういうことを自今やらないとか何とか言うべきじゃないですか。この内容は、まっかなうそだということにはなっていない。これは私ばかりではなくて、一億の国民がそう信じ切っておると思うのです。こういうものを見たときに、どうなんですか、これは。
  35. 荒舩清十郎

    国務大臣荒舩清十郎君) いろいろ御意見があるようでございますが、私は総理に、こういうふうにいろいろ新聞に書き立てられて、こういういろいろ騒ぎが出たことはまことに申しわけないということを総理に陳謝いたしました。それは事実でございます。しかし、いまの新聞やあるいは雑誌に出ておる等の問題については、私はそう考えておらないのでございます。決して国鉄に強圧的なことばを使った覚えはございません。なおまた、幾つか問題といっても、それは大きな問題であって、これは運輸大臣になってからでなくて、実は議員の当時、たまたま陳情に行って、私、この高崎線の複々線というような問題は、ひとつもっと何とかスピード・アップしてもらう方法はないか。あるいはまた高崎線、八高線というような問題等も、実は回数も少なくて困っているという陳情はいたしました。それは議員当時でございまして、その後において、私は運輸行政全般にわたってでございまして、一埼玉県のことや何かのことを主体に考え発言していることはたぶん一ぺんもございません。これだけはひとつ私は釈明をしておく次第でございます。なおまた、よきにあしきに、いずれにいたしましても、こういう問題が提起されて、国民全体にいろいろな疑惑を生じせしめたということは、これは申しわけない、遺憾千万であるというふうに考えておりまして、今後は大いに言動にえりを正し、そうして間違いの起こらないような発言をしたい、こういうふうに考えております。
  36. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 だいぶあなたは、釈明、弁解は何回されてもいいのですが、あなたは運輸大臣になったのは八月一日です。いいですか、それから国鉄の当局から私はその関係で聞きました。その聞いた範疇では、私はこれは正しいと思う。その範疇では、七月の下旬の高崎の管理局のダイヤ編成会議でこの問題はきまっている。ここに問題がある。そうしてあなたは、大臣になるや、八月の中旬にあなたは帰ったでしょう。帰ってすぐテレビで見ておって驚いた。何をやろうと自由かもしれないけれども、あなたは街頭でやったでしょう。あなたの演説を間接的に聞いておったのです。その演説で、「人口五万五千人の深谷市の表玄関に急行がとまらないのはおかしい。ぜひ急行がとまるように話しておく。このくらいのことが聞けないなら、国鉄から何を頼まれてもウンといわぬ」「ちょっと長くなるが、もう少し続けよう。」という、このあとが問題なんです。「そこで皆様、非常にいいお知らせがあります。この十月にダイヤ改正がありますので、その際深谷駅に急行を午前二本、午後二本停承させるよう国鉄に指示いたしました。決定いたしました。約束させました」、こういうことで、地元民にあなたは拍手かっさいされた事実がある。この事実はあなたは否定できないと思う、テレビで出たから。そういうことが、先ほど来言っているように、すべてテレビなり、あるいは週刊誌なり、このように連日あなたは、田中彰治の問題も出るけれども、あなたの問題が出ない日はない。最近、カラスが鳴かない日はあっても、あなたの問題は出ている。こういうふうに国民全体が、荒舩運輸大臣というのは、ひいては佐藤内閣政治姿勢というものはこういうところにあるのだという疑問を抱かせたこと自体には間違いないでしょう。この点についてあなたはどう考えますか。
  37. 荒舩清十郎

    国務大臣荒舩清十郎君) いろいろなお考え方はあるし、まさにそのとおりであろうと思います。しかし、私が深谷に参りましたときに言ったことばで、国鉄の問題をもう聞かないのだとか、やれ何とかいうようなことは一言も言いません。六月の下旬か七月早々に、前向きというような話があって、まあ四本ぐらいというようなことは非公式に聞いたので、四本はとまるなという感じを、運輸大臣になる前から私はそういう信念を植えつけられておりました。したがって、そういう意味のことは言いましたが、国鉄自体が何を言ってきてももう聞かないのだというようなことばは全然使っておらないと思います。それからまた、いまお話しのように、いろいろ誤解もあり、また私の言動に遺憾な点もあったかもしれませんが、将来に向かいまして、個人の運輸省ではございません、国の運輸省でございますから、これは歴然とえりを正して進みたい、こう考えております。
  38. 相澤重明

    ○相澤重明君 関連。一カ月ばかり留任にしておりましたから、少しものを言わせてもらいたい。  今度の急行深谷駅停車の問題は、荒舩さんが大臣になって、政治歴も古いし、ベテランでもあるし、そういうことについては全くむしろ私は同情しているわけです。しまったなと私は思っております。歴代の大臣で、鉄道大臣でも、小川平が電車をとめたということ、伴睦一たびほえれば新幹線に駅をつくられた。あなたは三代目です。そういうことで、せっかくいままで長い間の政治.歴を持ち、国会のベテランと言われたあなたが急行をとめることに成功した。地元民はそう思っている。しかし、その反面に、運輸大臣になったから急行がとまったのだ。しかし、通勤通学の者はどうなるのか、急行がとめられるために、その前後は影響を受けるのじゃないか、こういうことを――私は実は、きょう、いま帰ってきたのです。伊香保へ行って帰ってきた。聞いてみるというと、実は大臣急行をとめてくれたのはいいけれども、通勤通学する者は一体これからどうなるのか、国鉄というのは、偉い人が話をすれば、そうすれば汽車をとめてくれるのか、しかしいい人はいいかもしれぬけれども、その陰に泣く者は一体どうなるのだ、こういう点を私は耳にしたわけです。私九月一日にソ連から帰ってきて、忙しく決算委員会大阪まで行って帰ってきて、すぐ伊香保まで行ってきた。行ってみるというと、そういり多くの通勤通学者の話を聞くわけだ。そうするとね、なるほど総裁のことばを聞いていれば、まあいいだろうと、こう言う。まあいいだろう、まあいいだろうで国鉄の運営が成り立つなら、まあいいだろう。そんなものじゃないだろう。私はもっと国鉄自体の運営について確信を持って仕事をしなければいかぬと思うのですよ。それは石田総裁は近年にない名総裁である。ものも言ってくれる、国鉄職員も喜んでいる、労働組合も当局もみんな藤んでいる、財界も喜んでいる。だから何言ってもいいということにはならぬぞ。そんなふざけた話はない。やはり国鉄の経営というものを委任をされたならば、えりを正して、そして正しい道をやはり進めていくのが私は総裁でなくちゃならぬと思う。まあいいだろうなんという話はないよ。そういうふざけた答弁を国会でするなんというのは、もうすでにたががゆるんでいる証拠だ。おれがやらなければだれも総裁やらないだろう、できないだろうというようなことはね、全く僭越しごく。国民の中にはそんな一人じゃない。私はこんなにおこりたくないのだよ。信頼する総裁だから、おこりたくない。おこりたくないけれども、そういうふざけた答弁があるか。ましてや、今村常称がきめて、そして総裁にも報告をされたし、運輸省にも報告された、こういうようにとれるわけだ。そこで私は運輸大臣に、そういう話であるならば、せっかくあなたの選挙区の人たちは喜んでおるのだけれども、この上等列車を使えない通勤通学で困っておる輸送の緩和をどうしたらいいかということがいまあなたの一番悩みでしょう、一審悩みですね。そうでなければ運輸行政できない。その最も至難な運輸行政をあなたがいま担当されたのでありますから、私はこのことを考えるならば、急行を午前午後二本ずつ四本とめるとおっしゃるが、その点について、ダイヤの点について、通勤通学のことをひとつ頭にいま一度私は描いてもらいたい。そのお考えがあるかどうかということをひとつ聞いておきたい。
  39. 荒舩清十郎

    国務大臣荒舩清十郎君) たいへん切実なお話を承って、私もほんとうに心からそういう気持ちでおります。都市交通の問題等につきましては、私が申し上げるまでもなく、世界中にこれだけ込む汽車、電車はないと思い讃す。特に私は、この込む電車、汽車に乗っていただく通勤者が、ほんとうに日本の国力を培養する土台石になってもらう人たちであるのでございまして、この問題に対しまして、いろいろやってみますが、なかなかこれは予算との関係もございまして容易ならざる事柄でございます。東京だけでも千百七十六万人を毎日運ぶのでございまして、これは国鉄当局も容易でございません。また、運輸省といたしましては、これに全力をあげなくちゃならないと考えております。したがって、いろいろな考えを国鉄及び私鉄会社とも相談しつつ、もっともっとひとつ前進していくように、またこういう人に込み過ぎて御迷惑のかからぬように、またこれによって事故の起こるようなことのないように、こういう点に十分あらゆる努力をいたしまして邁進していきたいと考えておる次第でございます。
  40. 相澤重明

    ○相澤重明君 石田総裁は経営の合理化あるいは輸送力増強ということで頭を痛めておる。私どもが国鉄の現場におるときには、汽笛一声鳴れば幾らかかるということや、電車が一体一度ブレーキをかけたらどのくらいの金がかかるということを計算をしたのだ。急行がとまれば、いわゆるその線路においてどのくらいの他の列車、電車に影響があるということを考えているわけです。それを私は先ほど端的に通勤通半の間籾を話した。運輸大臣のいまの答弁非常にいいです。運輸大臣は私の言ったことを誠意をもってお答えになったから、おそらくその通勤通学のことをこの線区においても私は考えると思う。あなたの善処を私は期待をしておきますよ。  そこで、総裁に聞いておきたい。私がかってですね、私はまあ選挙区が違いますね。運輸大臣は埼玉県で、私は神奈川県だ。神奈川県の最も重工業地帯の通勤通学の多い川崎にですね、もう過密ダイヤで困っておるから何とかこれをひとつ改善をしてくれぬかという陳情を神奈川県の国会議員全員が運輸大臣に陳情した。何と言ったのです。今村常務は、金がないからそういうことはできませんと言った。しかも今日はだ、今日国鉄当局の言っておるのは何か。金がないから地元の川崎で金を出しなさい、神奈川県が出しなさいと言っておるじゃないですか。急行をとめるどころじゃない。湘南電車を全部とめるのだってなかなか問題だ。あなたの言う深谷の町は五万五千か六万か知らぬが、川崎の人口はいま八十五万だ。毎日十万、十五万の労働者が通っておる。通勤通学の人がおる。国鉄は金がないからそれはできませんとこう言っているじゃないか。陣笠が言うことなら言うこと聞かないで、大臣の言うことなら言うこと聞くというのが、まあいいだろうということばか。私は総裁に聞きたい。あなたが信頼する今村常務が言ったから、まあいいだろうと、あなたはこう答えた。その今村常務は何と言っておる。これだけ困っておる、朝晩乗り切れない人たちがおるこの京浜重工業地帯ののど首で、金がないからそういうことはできませんと言っておるじゃないか。そういうふざけた話があるか。そういうことを、総裁小田原にいて、そうしてたまには家にも帰るだろう、公館にばかりいるわけじゃないのだから。全国も見て歩く。私も実は、あなたが大阪に行ったときに、あなたが大阪の府庁で左藤知事といたときに、あなたの隣の部屋に決算委員会で行っておったから知っておる、全部。しかし、今度のこの話だけはだね、あまりにも人を小ばかにしたやり方じゃないですか。国民をばかにした政治というものはこんなものかという信頼をされない政治の方向を出したのが今度のやり方ではないか。私は佐藤内閣のためにもきわめて気の毒だと思う。荒舩運輸大臣のためにも気の毒だと思うのですよ。石田総裁は、私の責任でやりました。あなたの責任でしょう、国鉄総裁だから。しかし、あなたの責任であるというならば、そういうことをあなたは聞いてますか。十万、十五万の労働者が、通勤通学者ですよ、乗り切れないで困っておる。それが、金がないから今後三年も五年もできませんということを言っておる。あなたのほうで金を出しなさい、地元で金を出しなさい、地元で金を出せばやってやりましょうと言うのだ。そういうふざけた話があるか。私は今度のことそんなにおこりたくなかったけれども、あまり人を食りたような話で、しかも答弁を聞いておれば、いいだろうくらいな、いいだろうというそんな話は、私は、その急行を停車すろとか、あるいはどこに上等列車をとめるとか、通勤通学をどうするかということで頭を悩ましているいまの国鉄当局が、あるいは運輸省全体が、この真剣に取り組んでおる国会にそういう答弁されたのじゃ、黙っていられない。ついでかい声でおこりたくなっちまう。私は自分でいやというほどそういうことを知らされておるし、やってきておるから、私は言っているのですよ。総裁はどう考えますか。あなたのひとつ答弁を求めましょう。
  41. 石田禮助

    説明員(石田禮助君) 相澤さんは私がいいだろうというようなきわめてふざけたことを言ったということで非常に御立腹のようでありますが、これは私と今村常務との間の話であります。決して国会でもっていいだろうというようなことを言った次第でもない。要するにイエスかノーかということなんです。イエスということを訳していいだろうと、こういうことなんです。この点はひとつ相澤さんは、決して私がこの問題を軽々に処理したというようにお考えにならぬようにお願いしたい。実は、一体この急行列車をとめるかとめないかということの問題の前に、運輸大臣から――これは私は運輸大臣になられる前のことだと思う――第一は八高線のダイヤの改正であります。つまり、あそこは非常に込んでいるからこれを何とかしてくれないか、こういうお話があった。しかし、これは車がないからして、ひとつ車ができるまで待っていただきたい、そのときひとつ検討いたしましょうと。その次には、東北線の通勤問題。これは私は、運輸大臣の弁解をするわけじゃありませんよ、ただこういう事実があったということを申し上げるだけです。一つは「深谷からひとつ始発の通勤列車を出してくれぬかと言った。これはダイヤその他の問題からいってできませんと、こういうことで返事したという今村君の説明です。第二は、新駅を一つつくってくれ――これは選挙区における新駅じゃない、選挙区外の新駅。この点はひとつ誤解のないように。これはひとつ検討してみますがどうもちょっとむずかしいということで断わった。第三は、いまのこの深谷駅にひとつ裏口をつくってくれ――これもどうも金がかかる、われわれはそれほどの重要さを認めないからしてこれは困りますということで断わっておる。こういうようなことで、断わることは断わっている。ただいい.だろうというような、ちょっときわめて軽くやったことじゃない。こういうことは、ひとつ相澤さんよく御了解願いたい。断わることはちゃんと断わっておるのだから、国鉄の責任において。  それから川崎駅の問題でありますが、これはテクニックの問題になりますから副総裁から……。
  42. 相澤重明

    ○相澤重明君 総裁の問題だよ。
  43. 石田禮助

    説明員(石田禮助君) 私あまり詳しいことは知りません。だから、責任上どうもけしからぬじゃないかと言えば、私は責任をとってやめますよ。
  44. 相澤重明

    ○相澤重明君 やめるならやめろ。そういうけんかを売るならやってみろ。ふざけたことを言うな。そういうことじゃないのだよ、私の言ってるのは。いわゆる運輸省あげて、国鉄はもう全く死にもの狂いでもって輸送力打開をいまやってるわけだよ。その中で、われわれも、この京浜線なり、中央線なり、もう全く大都市の過密ダイヤについては、みんな頭を悩ましている。そういう中で、私どもがこれは何とかできないものかということを言っている。いままで担当である今村常務は、これは金がないからできませんとはっきり言っておるのだ。その今村常務があなたに言ったことがよかろうと、こういうお話だ。それであなたは、まあいいだろうと言ったのだ。そういうあなたの話を聞いているから私は言っているのだよ。なるほど大臣の選挙区ならいいかもしれぬけれども、ほかのところならばまあいいだろうと言えなかったのじゃないか。しかもそのあなたはそれを知ってない。いまあなたの話を聞けば、こまかいことだから詳しく知らないというが、こまかいことじゃないよ。これは首都圏における大事な輸送の問題だ。それをこまかいから知らないということでは、あなたの総裁の話としては必ずしも十分でないと思う。それをあなたはふんぞり返って、そんなことを言うならやめると――やめるというならやめなさいよ。参議院の運輸委員会で相澤委員をおこらして、ふんぞり返ってやめると、私はそんなことだったら許さぬ。そんなことじゃない。けんかを売ってるのじゃない。あなたがけんかを売ってるのじゃないか。私にけんかを売ってるから、それなら私は買いましょう。しかし、そんな問題じゃないじゃないか。これは委員長に言っておきますが、石田総裁がやめるというなら、これは辞表を出してもらいなきい。これは運輸委員会として、私は国鉄の運営について質問をやっているのに、それを総裁がふんぞり返ってる話はないよ。訂正するなら訂正しなさい。やめるならやめてもらいたい。委員長からこれははっきりしてもらいたい。
  45. 江藤智

    委員長江藤智君) 総裁、やめるやめないはこの場でおっしゃることでもありませんし……。
  46. 石田禮助

    説明員(石田禮助君) 川崎の問題なんかについて私は詳しいことを知らぬから、総裁としてけしからぬじゃないか、こういうことであります。これは総裁としてどうも職務を尽くしてないという結論でありまするが、これはどうもやめるということ、責任をとるということよりほかに私は方法はないと思うのですが。
  47. 江藤智

    委員長江藤智君) そこで、磯崎副総裁から……。
  48. 磯崎叡

    説明員(磯崎叡君) ただいま総裁から申し上げましたことですが、多少事務的に込み入った点がありますので、お許しを得て私から、いまの川崎の問題並びにいままでの深谷の問題につきまして、経過を詳細に正確に申し述べさせていただきます。  まず第一に急行停車のほうでございますが、急行の停車につきましては、これは部内の列車設定及び指令手続第五条の四によりまして、これは全部特急、急行につきましては総裁、すなわち本社でもって停車駅をきめる、こういうことなんです。したがいまして、この深谷につきましても当然本社できめるわけでございます。この理由は後ほど申し上げますが、そういう前提のもとに、こうやって毎年、始終方々から、急行をとめてくれ、特急をとめてくれというお話がございますが、一応時期はダイヤ改正の時期、すなわち中間でダイヤをいじることはいたずらに現場に混乱を生じますので、ダイヤの改正の時期に停車駅をふやすというのがいままでの慣例になっておりますが、来たる十月から実施をいたしますダイヤ改正につきましては、作業的に申しますと、去る五月の下旬に本社の大綱の案をつくりまして、それを各地方に落とし、各地方でもって、先ほど吉田先生がおっしゃいましたが、地方限りのいろいろの会議を開きまして、当高崎におきましては去る七月下旬にダイヤをきめまして、関係急行停車駅につきまして未決定のまま本社にあげてきている。したがいまして、八月に本社にあがってきて、九月に発表いたします。これは一カ月で本社でそれを調整する。これだけの期間を持っている。御参考までに、今回未決定になりまして本社にあがってきた急行停車要望駅は、青森浦町人口五万八千、埼玉深谷人口五万七千、山梨石和人口四万九百、長野県の伊那八幡人口七千六百、岐阜県春日井人口五万一千、このうち伊那あたりは特別の運転上の理由がございますが、その他は大体人口五万程度の駅は一応各地方としましても急行をとめたいというようなことでございますが、ただし権限は本社にございますので、本社にあがってきたわけでございます。それを受けまして、私どもでいろいろ検討をいたしまして、最終的な案を決定いたしましたのは五月十五日から十八日の四日間でございます。ての間に本社で会議をいたしまして、いまの五駅につきましては、一応全部停車することといたしたわけでございます。その後、二十九日に本社の常務会で最終決定をいたし、三十日に新聞原稿を記者クラブに渡したといういきさつになっております。  その間、深谷に限らず、各町村につきましても、やはり地元から強い御要望がございますし、私どもといたしましても、ダイヤ改正のつど、ただ国鉄だけの意見で停車駅をきめるということは官僚独善のそしりを免れませんので、十分地方の御要望を承りたい。その際各地方選出の先生のお話を伺うこともございます。これは私どもといたしましては謙虚に国民の声を聞くということで伺った。これちの五駅につきましては、そういうことで八月の上旬から中旬にかけて具体的に各駅につきまして本社で検討して決定したわけでございますが、ただし深谷につきましては、先ほど大臣がおっしゃいましたように、大臣がまだ大臣になられる前の六月下旬だったと思いますが、地元のお取りきめのあった深谷の御陳情がございました。その後、大臣になられましてからは、具体的に私は直接承っておりませんが、何か地元の方が見えましたときに、たまたま当方の今村理事がごあいさつに行ったときに、あの件はどうなったかというお話がございましたが、御指示その他は全くございません。したがいまして、私どもといたしましては、純粋に事務的に、後ほど申しますように、急行停車駅の決定基準によりましてこれを決定したわけでございまして、その間、たいへん失礼な言い分でございますが、もし荒舩代議士が当方の大臣におなりにならなくても停車にきまったというわけでございまして、決してきまったものを大臣になってお曲げになったということは、これは誤伝でございますので、この点私どもは事務的に迷惑いたしておりますので、その点たいへんいままで釈明の機会がなくて残念に過ごしておりましたが、この席を拝借いたしまして、そういう事跡手続だったというこどだけを申し上げさせていただきたいと思います。  次に、川崎の問題でございます。これはもう相澤先生もよく御承知と思いますし、私も十分承知いたしております。これは現在の設備のままで、御承知のとおり、初めは横須賀線もあまりとまってなかったのを、横須賀線を大体全部とめまして、湘南電車もぼつぼつとめておりますが、むしろ川崎の意思よりも、湘南電車自体の輸送力の問題、すなわち川崎乗車、下車の方がいまでもほとんど飽和状態の湘南電車に乗られること自身に、非常に湘南線自体の通勤問題がある、こういう点が一つあることは先生よく御承知と思います。さらにホームの増設の問題、あるいは貨物駅の移転問題等、川崎につきましては、根本的な改革と申しますか、構内の改善をいたしませんと、非常に急行の停車がむずかしいということでございまして、これは過般来神奈川県下の諸先生方がお集まりになりましてこの会議がございまして、私も出席をいたしておりまして、十分事情を知っておりますが、何はともあれ非常にばく大な金のかかることでございますし、これを利用債その他でもって川崎市にもある程度の負担をしていただきたいということを申し上げたことも事実でぐざいます。しかし、いずれにいたしましても、この問題は、先ほど申しました人口四万、五万の町の問題でなしに、数十万をこえる大都市の問題でございまして、いま実際問題といたしましては大都市付近でもってとまってない駅は川崎ぐらいのものでございまして、これは非常に異例でございます。いずれこれはもう少し第三次計画の進捗に見合った上で、根本的に川崎の構内を改良するということと相まって、しかも御承知の南武線の乗り入れのしかた等もございますので、これらと関連いたしまして前向きに検討をいたすというお約束をいたしておるわけでございまして、その点神奈川県の諸先生方には十分御了承をいただきたい、こういうふうに思っております。
  49. 相澤重明

    ○相澤重明君 関連質問ですから終わりますが、いまの副総裁の答弁を聞いておろと、すでに五月に常務会でそういう基準に基づいて審査を終了しておるということになると、一体この今村常務が総裁に言ったということはいつなんです。私はさっきから話を聞いておづて、総裁に実際に急行をとめるように今村常務から話があった、それはいいだろうという話をしたというのは、最近の話じゃないですか。そこに事務的にやはり国鉄当局のいわゆるずさんさがあるんだよ、ここに常務も並んでいろけれども。副総裁以下常勝がやはりだらしないんだよ。だからそんな誤解を受けるような発表になるんだ。もっとしっかりやれよ、全く。新聞発表、みんな出たことは何だと言えば、運輸大臣になったから急行がとまったと、こうなるんでしょう。いままでそういったのは、みんなそうなんです。ところが総裁は、そうじゃない、これは運輸大臣になろうとなるまいと、そういうことをすでに検討をこちらはしていて、しかも私の責任でやったと、こう言っている。いまさらに深く説明を受ければ、五月の常務会で副総裁が認めた、こう言っている。何を一体国鉄は言っている。そういうだらしない常務会なんだよ。しっかりやれよ、もっと。われわれそういう話をされるとよけい腹が立つ。
  50. 磯崎叡

    説明員(磯崎叡君) 私の発言が非常に不明確で申しわけございません。地方の管理局で会議をいたしましたのが七月の下旬でございまして、本社の最終決定会議が八月十五日から十八日でございまして、常務会が八月の二十九日でございます。五月ではございません。五月は本社の大綱を地方に落としたということでございまして、私の発言が非常に不明確だったことをおわびいたします。
  51. 岡三郎

    岡三郎君 ちょっと関連して一言。そうするというと、十月ダイヤの改正ですね、これは最終的にまとまったのはいつです。
  52. 磯崎叡

    説明員(磯崎叡君) 正確な時点で申し上げますと、事務的には八月の十八日でございます。
  53. 岡三郎

    岡三郎君 それはまことにおそ過ぎるんで、普通そういうふうな十月ダイヤが八月の半ばにきまるなんていうことはあるんですか。
  54. 磯崎叡

    説明員(磯崎叡君) 大体ダイヤ改正は一カ月半前に最終決定をするのが通例でございます。それはいままで、昨年の十月の改正も九月上旬に発表をいたしております。結局、私どもといたしましては、いろいろ現場の作業がございます。先ほど瀬谷先生がお示しくださいました時刻表の印刷時期が、実は事務的に申しますと最後の時期でございます。この原稿が九月の上旬に印刷場へ回さないと間に合いませんので、大体一月前に最終決定をするのが従来の例でございます。たとえば三十六年の白紙ダイヤの改正におきましても、私が担当としてやりましたが、まあ八月の中旬に最終決定したわけでございます。
  55. 岡三郎

    岡三郎君 それは事務的にわかるのですが、巷間伝えられておるところによれば、原案はその前にすでにできていなければならぬ。上にあがってくる前には、全部作業的に下のほうから積み重ねられてできてくるものだと私は思うのです。つまり、八月の半ばできまるということは、最終的にそれを受けてきめるのであって、つまり原案はもっと前にすでにきまっておって、その中にこの急行が入ってきたというところに問題が発生しておるので、つまりその前の原案には急行が出てなかった、それが途中でこれを入れるという作業に変わってきて、そのダイヤの改正をもう一ぺんやり直すということになったということを聞いておるわけです。その点一体どうなんです。
  56. 磯崎叡

    説明員(磯崎叡君) その点は、私どものほうが五月に地方におろします本社の原案と申しますのが非常に大綱でございます。主として各地方を結びます長距離列車の、大体上野を何時に出て新潟に何時に着く、あるいは長野に何時に着く、こういう大綱を地方へおろしてやるわけであります。地方は、既定の停車駅につきましては無条件でとめるという前提でやっておりますが、最近は現在とまっておる駅でもとめない、そして互い違いにとめていくというような方法をとっております。したがいまして、いままでとまった駅でもとまらなくなるというケースがございます。そういう場合は、全部最終的に八月の上旬に決定するわけでございまして、最初五月におろしますのは、大体発着時間、すなわち主要駅の発着時間をきめたダイヤを地方へおろさせまして、それによりまして支線との接続、あるいは列車の折り返しの時間、あるいは掃除の時間等を地方で検討させます。
  57. 岡三郎

    岡三郎君 副総裁に聞くというとなかなか合理的にものを言うけれども、まあそれはそれでいいと思う。  それで時間がありませんので、まあきょうの運輸委員会でこの間の経緯をいま瀬谷さんのほうから中心に聞いておるわけなんです。一世一代だか一生一代の不覚だか、おそらく新聞に出たからおれは不覚だったのか、それもちょっと荒舩さんおかしな話ですね。新聞に出ようが出まいが、そんなものが一世一代の不覚であるか不覚でないか、そんなことはないので、問題は、やったことがいいのか悪いのか、それだけですよ。私はそう思いますよ。それで、とにかく先ほど吉田忠三郎委員から言われたように、花火を上げて深谷駅へ行かれたという気持ちはわかる。やはり新大臣になったから、それは人の子ですよ、荒舩さんだって。大臣になったから、だからにぎやかにお国入りするというのは、あなたばかりじゃありません。上林山榮吉大臣にしたってたいしたものだね。そのほか各範囲でいろいろ違ってはおるけれども、何百人、何千人集めてぐるぐるぐるぐる交代で招待をやっておるというところもある。ただその中で私が言いたいということは、たまたまあなたはいま、大臣になっていろいろ言ったことはないというけれども、タイミングがまことに一致したというところからそういうふうになったということについて、やはり深く考えてもらわなければいかぬと思う。大臣が、おい君あれはどうなっておるかということは、一代議士が、あれはその後どうなっておるかということと、ことばのウェートが違うという、日本は事大感覚が強いからね。荒舩大臣というのは、あれはなかなか乱暴者と異名をとっているかどうかわからぬけれども、言うことを聞かないというと何かやられるのじゃないかという心証的なことがあるかもしれない。だからそういう点についていろいろと誤解を受けたかもしれないけれども、私は、あの深谷に入ったときに放送されたでしょう、あなたも聞いたかどうかしらないけれども、そのときの情景というものから推して、少なくとも大臣が、おれがとめたのだというふうに言ったかどうかしらないけれども、とめたということの印象はみんな持ったわけです、客観的に言って。しかもそれが大臣のお国入りと全くぴたりじゃ――いいですか、そうするとこれは常識的に言えば、ことばの端々を取り上げて言うわけじゃなくて、これはやはり大臣就任とあわせてこの報告が深谷の住民に伝えられたということになってくれば、これはまさしく、君あれはどうなっておるかという一言によってこれは最終的にきまったと判断するのが常識ですよ。それを、おれはそうじゃないのだと言っておる。大臣、それが召ひもほんとうなら、私はあなたの常識を疑いたくなる。そうじゃなくて、たまたま大臣がお国入りをするときにこの報告をするということと、君あれどうなっているかということとあわせて、第三者が常識で考えれば、やはり大臣の意向というものはたいしたものだというように選挙民も受けているし、国民も私は受けると思う。だから、たまたま四万だ五万で急行をとめる、それはそれなりの理由があるのでしょう、深谷にとまる理由があるのでしょう。たまたまそれがいま言ったような諸条件に合致してくるということになるというと、私が冒頭に言ったように、大臣政治姿勢として、やはり問題というものを極力誤解を受けぬようにということで、縮こまれと言っているのではない、そういう点はやはり厳正にやっていかなければならぬということを各委員も言っていると思うのです。それを、おれはそういうことを言った覚えはないのだ、あれは誤解なんだ――そういう点があるかもわからない。だからそういう点において誤解を解くという席になったことは、私は、あなたにとっても、運輸委員会全体にとっても、いいことだと思う。ただ問題は、そういうあらわれた事柄とともに、具体的にそういうふうな諸条件が合致して、お国入りのときにそういうような大きな問題が出てきたということに思いをいたすならば、やはりその点について、やはりあのときに言ったこと、前から、代議士のときから言ってきたこととあわせて、やはり今村常務に言ったこと自体も、軽く言ったかもわからぬけれども、あれは大きな物議をかもす問題になったというふうにすなおに言って、自今こういうことがないようにという形でいかれるならば、これはほんとうのいい意味における釈明の機会になると思います。ところがそれが、おれはそうじゃないのだということになるならば、運輸委員として、おみやげを持って行ったと思っていますよ、大臣は。これは全くみんなそう思っていますよ。だから、そういう点について、やはり具体的にこういうことはうまくなかったということで、諸条件としては自分としてはこういうふうにやってきたけれども、総体的に言って大きな誤解の根源はおれにある、国鉄にあるという問題ではないわけですよ。だからそういう点で、大臣としてはやはり一応明確に釈明をして、そうして瀬谷委員の次の質問に入っていただきたいというふうに考えるわけです。議事進行です。
  58. 荒舩清十郎

    国務大臣荒舩清十郎君) ただいま岡委員から御発言のあったことは、よく意味わかります。私のような野人でございますから、言動について誤解のあった点は、私ほんとうに遺憾千万でございまして、今後の言動等につきましては、十分慎重に、しかも誤解を生まないようなやり方をしていきたいと考えております。
  59. 浅井亨

    ○浅井亨君 先ほどからいろいろとお話を聞いておりまして、根本問題は結局いま岡委員からお話しになったことと思います。そこで、いま副総裁の答弁の中で私がふに落ちない問題が二、三あります。それをお聞きしたいと思います。  いわゆる急行停車の問題ですが、これが本社のほうに出てきたというのは四つか五つといまおっしゃったようでございますが、それ以外にも私が半年以前から急行停車を要請した問題があります。しかしそれについて何ら詳しい答弁がない、こういうことになりますと、先ほどからの、荒舩大臣急行停車を速急にやってしまった。いわゆろ国鉄のほうでは五月にもう大綱はきめてしまった、それを地方へ戻していく、地方から要請があって初めて最後の決定をするのが八月十五日、こういうふうに聞いているわけですが、そうすると、荒舩さんが行って話されたことは取り上げられた。だけれども、私個人といたしましても急行停車を要請したことは半年以前にあります。しかし、それがいま副総裁からのお話の中には加わっていないのであります。かてて加えて、いま相灘委員からの質問の中に、四十万以上のそういうような大きな駅であるならばこれは考えなければならない、しかしそれは地元負担である、こういうような話なんですが、私の要請しておりますのは堺の阪和線であります。阪和線は和歌山から天王寺まで約十五里あります。そうすると六十キロであります。その間に停車駅は一つもありません。かてて加えて、堺は工業都市としていま非常な発展をとげつつありますし、人口も五十万あります。そういう観点からしても、これは国鉄のほうで考えるべきものであって、われわれが要請するまでもなくこれを考えていくのがほんとうじゃないかと思うのです。考えるまで待っていると、いつまでたってでき上がるかわかりません。われわれが要望すると、地元負担でなければならない。こういう件とかみ合わせまして、この二つの点をひとつ答弁していただきたいと思います。
  60. 磯崎叡

    説明員(磯崎叡君) ただいまの御質問でございますが、私どものほうで急行停車いたします一つの基準といたしまして大体まあ考えておるものがございますが、これはまずその線区の列車の密度でございます。たとえばいま御例示のような阪和線のような電車専用区間でもって列車の密度の非常に高いところ、これは急行をとめますことによりましてほかの列車に対する影響が非常に大きいという意味で、たとえばいまの高崎線と比較いたしますと、阪和線は比較にならないほど密度が高い線でございます。これらにつきましては、御承知の阪和線自体の密度を根本的に改良できない限り、いま以上に停車するということはむずかしいということでございます。かと申しまして、通勤列車のない朝あるいは夜にとまりますことは意味がございませんので、やはり通勤問題とからんで、まず列車密度がどれくらいであるかということが第一。それからその次には、その列車がどういう使命を持っているかという庶でございます。これは、たとえば都市間を結ぶ列車、あるいは観光列車、いろいろ意味がございます。まず列車の使命がその次でございます。それから列車の時間、たとえば深夜にとめましてもこれは利用者が少ないということで、極力とめるならば時間帯のいい時間帯にとめられるということ。それから、先ほどからお話の出ております適正人口あるいは現在の駅の利用状況等がございます。それから、その線自体のほかの、ことに閑散の線区におきますと非常に列車の少ないところがございます。その少ないところには逆に急行をとめろことによりまして列車の少ないのをカバーするという方法がございますので、それらを総合的に勘案いたしまして急行停車駅をきめますが、先ほどの例のたとえば川崎とか堺とかになりますと、結局これは大都市付近のまた大都市と申しますか、人口が五十万から百万ぐらいの非常に大きな都市でございます。沿革的に申しますと、たとえば東京付近の新橋が一つの例でございます。昔はほとんど新橋に急行がとまっておりましたが、いまはほとんど新橋にとまる急行はございません。新橋をとめないかわりに、品川をとめます。そういう時間のやりくりをいたしますが、結局そういう大都市付近の、ことに六大都市付近の大きな町というものは非常にその意味でとめ方がむずかしいということでございます。しかもそのほかにわりあいに便利に近距離電車が走っている、すなわち急行がとまらな一ても近距離電車で大駅まで行ってもらえば大体乗れるというふうなところにつきましては、多少御不便でも近距離列車に乗っていただいて、そして大駅まで行っていただいて、たとえば堺ならば途中まで、大阪なら大阪まで行っていただいてほかの列車に乗る、こういうことになりますが、ほかの急行列車以外の普通列車の運転状況等もいろいろと勘案する。しかしながら、やはり急行になりますと、たとえばあんまりとまりますこともいけないということもございまして、やはり各駅につきまして具体的に検討するわけでございまして、堺につきましては、たぶん地元の局から御説明いたしたと思いますが、非常に阪和線の列車の密度が高くて、あそこへ急行をとめますとまたダイヤを相当大幅にいじらなくちゃならぬということがございましたので、今回は割愛した次第でございます。今後大都市付近の相当大きな都市の急行をどうするかということにつきましては、やはり相当な設備改善を伴いますので、それと勘案いたしまして十分検討してまいりたい、こういうことでございます。
  61. 浅井亨

    ○浅井亨君 いまの説明で大体はわかるのでございますけれども、やはり地元としては非常に困難でありますし、いまおっしゃるとおり、いわゆる通勤者の混雑という点から見ましても、やはり和歌山あたりから大阪まで一ぺん出て、そうしてまた引き帰してこなくちゃいけないと、こういうことになるというような点もありまして、堺としてもどうしてもここには急行を停車していただきたいと、こういうふうに聞いているわけでございます。半年前から要請しておるんでありますけれども、このたびの深谷の駅の停車ということがいとも簡単に行なわれたように、こういうふうに考えますと、どうもつむじを曲げるわけではありませんけれども、そのような気持ちがするわけです。こういう一つの問題から国民全体に及ぼすところの影響というものが非常に大であります。ことにこういうことは真剣な考え方をもってやっていただきたいと、こういうふうに考えるわけであります。その点をひとつよく御了承の上、運輸大臣は全国的にひとつ目を光らかして、そうしてこの堺はだめだと、三十二キロもあって急行の停車駅でないなんということは、それは全くもっていわゆる堺の市民、また堺のあの工業地帯を無視した考え方ではないかと、こういうふうに私は考えるわけです。非常に私はこの問題についてはショックを受けておる。この点をひとつよく御了承願いたい思います。
  62. 荒舩清十郎

    国務大臣荒舩清十郎君) ただいま浅井委員からの御質問、また御意見、十分よく考えまして、慎重にやわたいと思っております。
  63. 江藤智

    委員長江藤智君) 午後一時半まで休憩いたします。    午後零時五十二分休憩      ―――――・―――――    午後一時五十八分開会
  64. 江藤智

    委員長江藤智君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き質疑を行ないます。
  65. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 大臣質問をしたいと思います。  九月五日大臣が記者会見をされて、ここでのてんまつが新聞に非常に大きく出たのですが、その際、さっきの話じゃないけれども、深谷の問題については一代の不覚である云々というような話が出たわけです。そのことについては、もう午前中いろいろ質問がありましたから、もう一度蒸し返しいたしませんけれども、問題は、その際、埼玉県のことは国鉄に何も頼まない、こういうふうに語ったというふうに伝えられておるわけです。しかし、東北線、奥羽線、あるいは上越線、信越線、いずれも埼玉県を通らずには走れないようになっているわけです。埼玉県の国鉄が停滞をすれば、埼玉県内における国鉄の利用者だけじゃなくて、上信越線、東北線いずれも重大な影響があるわけです。単にこれは県だけの問題じゃないということになります。してみれば、埼玉県のことはもう国鉄に何も頼まないというのは、ちょっとこれは感情的な行き過ぎじゃないか――そういう意図じゃなかったのかもしれませんけれども、そんな感じがする。逆に国鉄のほうは、大臣から何も言われない限りは、もうどんなに混雑をしているところでもこれは知らぬ顔をしておる、こういうことにも受け取れかねないような節があるわけです。だから、大臣がどのようなつもりで埼玉県のことは何も頼まないというふうに言われたのか。私も大臣と同じ埼玉県の出身なんです。これは聞き捨てにならぬことです。その点を明らかにしていただきたいと思います。
  66. 荒舩清十郎

    国務大臣荒舩清十郎君) たまたま埼玉県のことは国鉄には何も頼まないというようなふうにとられたかもしれませんが、そうじゃなくて、どうも新聞等で選挙区のことばかり本気じゃないかというような非難等がありましたから、そういう誤解のないようにいたしましょうと、まあ意味はそういう意味でございまして、たまたま埼玉県のことは、ということばになったかどうかしれませんが、そういう意味でございます。誤解のないようにしたいために、そういう意味ことばになったかもしれません。瀬谷委員のおっしゃるとおりでございまして、東北線も、あるいは奥羽、上越、信越、いずれも埼玉県を通過しなければ通れませんから、国全体のことを考えて一つの運輸行政をやっていきたい、こういう意味でございますから、どうぞ御了承願います。
  67. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 この自分の選挙区のことだけを考えるのじゃないかということが、今回いろいろマスコミをにぎわした問題なんですが、確かに、我田引水じゃないけれども、我田引鉄というような話がありまして、わが田に鉄道を引くといったようなことがかつてあったかのように伝えられておる。そういうことはよくないと思います。よくないと思いますが、逆に自分の選挙区の中で不当に冷遇をきれておるというような問題があれば、それは自分の選挙区であるからということじゃなくとも、当然これは注文をつけなければならないし、改めなければならぬと、こう思うのですよ。だから、ここのところ、非常に荒舩運輸大臣、話題の人になってしまって、萎縮してしまって、地元のことはかえって敬遠をするということになると、これはまことにわれわれ困ると思いますから、妙なところで変な遠慮はしないように私はしてもらいたい、こう思うわけであります。  それから、やはりこれは大臣発言でもって、非常に記事にもなったのでありますけれども、一定の時間帯の通勤輸送をただにしたらどうか、こういうお話がありました。ただにするのはありがたいなというような批評もありましたけれども、ただにすろということになれば、運賃収入がそれだけ穴があくわけなんです。先ほどから質問の中で、予算がないからできないというような話がたびたびあったのですけれども、その予算の中の一部をなしているわけですね、この運賃収入というのは。それがぽかっと穴があいてしまうということになると、どうするかという問題が出てくるわけであります。ただにする場合においては一体どれくらい穴があくのか、その補てんをどのようにしてやるというお考えなのか、今後のたとえば通勤輸送であるから公共負担であるとして、その公共負担をいままで政府は全然めんどうを見てなかったけれども、今後はそれらの公共負担についても政府出資について考えるという意図を持って言われておるものか、以上の点について大臣所信をお伺いしたいと思います。
  68. 荒舩清十郎

    国務大臣荒舩清十郎君) ただいまの御質問でございますが、私はたとえばただにしてでもこの通勤緩和をしなくちゃならないと、私の信念といたしまして、実はさつきも申し上げましたが、朝のラッシュ、すなわち通勤の人たちは、ほんとうに国力を育て上げている大事な人で、その人があれほど込んだ汽車、電車に乗るということは、もう会社なり工場なりに到着すると同時にへとへとになっちまうだろう、だからこの緩和については全力をあげてやらなければならない。そこで、時差通勤をますます強化するようにするとか、あるいは日曜だけが休む日だという考え方を捨てて、ちょうどデパートみたいに月曜に休むところもあれば、火曜に休むところもあり、水曜日に休むところもあるというように、日を区切ってやるようなこともどうかというような考え、なお、国鉄だけではどうしてもそれだけではやりきれない、たとえばこの国鉄の電車を八両のものを十両に連結したらどうだ、こういう案も考えておりまして、これは国鉄当局と相談し合っておるようなわけで、これはひとつどうしてもやってもらいたいというような考え、また、地下鉄の増強を、これは非常に金がかかりますが、地下鉄をもっと増強しなけりゃならない、こういうようなことをしてこの通勤緩和をしなくちゃならないが、なおその上に、どうしてもそれでもどうにもならないというような場合は、あるいは電車あるいは汽車がどうせ時間には動くのだから、たとえばただのようなことをやってもいいじゃないかというような気持ちを述べたのでございまして、必ずただにするのだということを申し上げたわけじゃございません。そういうようないろいろなことをやって、それでもまだ緩和をできないという場合においては、たとえば、どうせ走る電車であり汽車であるから、ただにするというようなこともあるいは一案ではないかと、こういう意味で申し上げたのでございます。しかし、そのことがなかなか思うようにまいりません。したがって、これらについてもまだ研究が行き届いておりませんから、それにづいてマイナスされる国鉄の経理面というようなところまで研究はしておりませんが、まあいまの話で、たとえばという意味を含んで考えてみたわけでございます。
  69. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 国鉄総裁にお伺いしたいのですけれども、第三次長期計画等では、通勤輸送に重点を置かなきゃならぬということを言われておるわけであります。国有鉄道の監査報告書にもこのことが強調されております。大臣がいま、たとえばただにしてでもと、こういうふうに言われた、混雑を緩和しなければならぬ、ただにすればますます込むのじゃないかと思うのですけれども、それはともかくとして、方法は、ただにするということがいいかどうかいろいろあると思いますけれども、どっちにしても、今日通勤の混雑というものは限界を越えているという気がするわけです。だから、それらの点について大臣の方針というものもあるだろうし、大臣と通勤緩和について話し合いがされているのかどうか、通勤輸送についてただということができるならそれもいいけれども、できないとしても、ただでなかったらなおさら罪滅ぼしのために通勤の緩和というものは急がなければならぬ、それは一体どのようにいま計画をされておるのか、国鉄総裁からお伺いしたい。
  70. 石田禮助

    説明員(石田禮助君) 通勤問題について特に大臣と協議しておるということはまだありません。  それから、この七時前の乗客に関してはこれをただにするというようなことは、大臣がそういうことをおっしゃったということを新聞で見ておりますが、われわれのところに別にそういうことは御相談があったわけではない。それで、いずれにしても連動輸送のラッシュアワーにおける交通地獄というものを緩和しなければならぬ、こういうことはわれわれとしては痛切に感じておる次第でありまして、そのために、第二次五カ年計画におきましては五カ年に七百七十七億を投入するということだったのを、第三次計画においては五千二百億を投入する。ところが、四十年から第三次計画に入っておるのでありますが、どうもこの土地の買収、それから現在における通勤通学者の増加率などを考えるというと一五千二百億をもってしてはこれは十分じゃない。それで、さらに計画というものを促進する必要があるということで、促進ということと輸送力増強ということをさらに増強する必要があるということで、五千二百にプラスXというものをもってする必要がある。それにつきまして、今度の九百億なんというものも、通勤輸送増強その他に対して相当――九百億から要るということで、九百億というものをわれわれは要求した次第であります。  御承知のとおり、通勤というものは、都会の周辺ということで、非常に建設費には金がかかる。そこへもってきて、収入というものは非常に大きな割引のもとにおいてやっておるわけでありまして、とても自己資金以外にこれをやる道はない。借金をもってしては、利息及び元金の返還で、国鉄というものは独立採算を維持することはできないということで、はなはだ政府に対しては申しわけない話でありますが、われわれとしては、今度四十二年の予算において要求いたしましたように、九百億の、利息のつかない、返還を要しない資金というものを得る、こういうふうに決定して、それを要求いたしたような次第であります。
  71. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 要するに、通勤輸送には非常に金がかかるということを総裁がいま言ったわけですけれども、金がかかるからということが通勤輸送の改善策が進捗しない最大の理由になっておろわけです。しかし、それならば、国鉄の財政を圧迫している問題は多々あるわけですね。公共負担があるわけです。公共負担があるし、利子があろわけです。それから長期負債が累増するという問題がある。借りた金には利息がついて、だんだんそれがふえている。これが国鉄の財政を圧迫しているということになれば、当然、特にそれが公共負担に基因するものであれば、政府として何らかの対策を講じなければならない。いままで政府出資はなかったけれども、荒舩運輸大臣になってから、それらの政府出資というものをがんばるのだ、利息だとか長期負債の累増という問題に対してメスを入れるのだ、こういうようなお考えがあるのかどうか。もしその点についていままでと違った方針を打ち出されるならば、これは非常に画期的な問題でありますから、その点についてお伺いしたいと思います。
  72. 荒舩清十郎

    国務大臣荒舩清十郎君) これはおっしゃるとおりでございますが、非常に都市周辺――この通勤の、いわゆる働いてもらう人の数の大多数は都市周辺なんです。都市周辺で、この緩和策を講ずるということにつきましては、非常な、私が運輸省に入りましていろいろ話を聞いてみますと、これはおびただしい数字でございます。そういう点からいたしまして、まあ今度の九百億政府出資をしてもらうというようなことを一つの橋頭塗といたしまして、そうして、とにかく千億以上の赤字でございますから、これも補い、なおあわせて通勤輸送に思い切り前進してみたい、こういうわけで国鉄の総裁等ともよく相談をいたしまして、ぜひとも本年は九百億だけは政府出資にしてもらおう、こういうことでいま大蔵省とも折衝しておるわけでございます。しかし、財政の立場考えてみますとなかなかたいへんでございまして、これに対しては鋭意努力を積み重ねていこうという決意でございます。ただし、本年だけでなくて、確かにさっき総裁も午前中言われるように、国鉄の犠牲において輸送をやっているという部面もありますので、こういうような点をよく政府部内でも統一した見解に立ってもらうように、で、ことしは九百億、また来年はそういうようなことで一つ橋頭堡をつくったり、なお前進していきたい、こういうふうに考えておりまして、私は、瀬谷委員の言われるように、通勤問題等は何としても、これはひとり運輸省の問題だけでなく、政府全体の立場において考慮さるべきことであろう、こういうふうに考えて、いま一生懸命やっておるわけでございます。
  73. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 初めは脱兎のごとく終わりは処女のごとしということばがあるのですけれども、大臣就任当初は非常に忙しかったのですけれども、終わりにならないうちに処女のようになってしまっては困るので、最初の鼻息でもって、急行をとめるというようなことだけしか業績が残らないということではしょうがないから、通勤の問題については現実の問題ですから、これほんとうに取り組まなければならぬと思う。この国有鉄道昭和四十年度の監査報告書が出ました。それによりますと、「東京附近の通勤輸送はほとんど中長距離輸送と同じ線路を使って行なわれている。このため各線区とも通勤時間帯には中長距離輸送を極端に圧迫するのみならず、通勤輸送のみで限界に近く、」、そういうことが書いてある。それから具体的な例としては、「東京都よりも埼玉、千葉、神奈川等周辺各県での人口の伸びが著しく、これは地価の高騰から住宅がますます都心から遠隔化する傾向にあることを示しており、」――これは完全な政治問題として、国鉄だけではどうにもならない、運輸省だけでもどうにもならぬ、佐藤内閣自体が解決をしなければならぬ非常に大きな政治課題であります。しかし、そうは言っても、現実の問題を最初に片づけなければなりませんが、東京都と埼玉、千葉、神奈川を比較した数字がありますけれども、増加のパーセンテージは、昭和三十五年と四十年度とを比較をした場合に、神奈川が二八%、埼玉県が二四%、千葉県が一七%、東京都が一二%、このように神奈川、埼玉、千葉のほうが、表示よりはるかに人口の伸びが多いということが数字的にはっきりしているわけなのです。それならば周辺の通勤輸送というものを考えなければならぬということになると思うのですけれども、その場合には、これも国鉄の資料ですが、局線別経営要覧というものがあります。この局線別経営要覧によりますと、高崎線の営業係数は、昭和三十九年度までのは出ておりますけれども、東海道線とほとんど同じです。つまり、けたはずれにもうかっております。他にいろいろ線区がありますけれども、営業係数が五〇幾つだとか六〇幾つだとかいうところはほかにない。これだけもうかっているということは、逆に言えばこの通勤者が非常に犠牲になっているということにもなるので、それならば、高崎線の複々線、輸送力増強というようなことは、これは埼玉県を通るからやるということでなくて、この数字的に見て、国鉄のこの数字の中でも横綱格なんだから、当然やらなければならぬというふうに考える。こういう場合に、大臣がこれは国鉄と話し合って高崎線の複々線計画を第三次長期計画に入れるということは考えていいことじゃないかと思う。これはどうですか。
  74. 荒舩清十郎

    国務大臣荒舩清十郎君) 瀬谷委員のおっしゃるどおりでございます。私は、実は、運輸省に入る前、そういう問題で国鉄に何回か陳情した一人でございますが、いずれにいたしましても、国全体のことを考え、また、ただ利益とか損とかということばかりでなく、こういう問題は大局に立って解決していくべきだ、こういうふうに考えておりまして、たとえば、いまおっしゃるとおり、神奈川であるとか埼玉であろとか千葉であるとかというのは、これはみんな東京を中心にした通勤者が多いのでございます。そういうようなことを考え合わせながら複々線の問題等を国鉄とよく相談し合っていきたいと考えておるわけでございます。
  75. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 国鉄総裁にお伺いしたいのですが、さっき午前中は深谷の駅の問題でちょっと歯切れの悪いような御答弁をなされたのですけれども、武士の情けであるとかなんとかということばが出ましたけれども、武士の情けじゃなくて、現実の問題として考えてみた場合に、陳情が、たとえ大臣の陳情であろうと、市長の陳情であろうと、町長の陳情であろうと、無理もないことだったならば、これは取り上げるということにしなければならぬと思う。ところが、たとえばこういう例があります。八高線でもって朝の通勤ダイヤが非常に不便だ。一番込んで、通勤、通学生が乗り切れないような場合がある。それを何とかしてもらいたいというような陳情があったのです。しかし、そういう問題に対しては、今度の十月のダイヤ改正を見ると、何にも改まっていないわけです。車両がよけい要るとか、要員がよけい要るとか、こういうような問題がありまして、場所が高崎管理局と東京管理局との両方にまたがっておるために、陳情者がどこへ行っていいのかわからないということがあったのです。たとえば駅長のところへ行く、駅長は高崎の管理局へ行ってくれと言う。高崎の管理局へ行くと、場所は高崎の管理局だけれども車は東京の管理局の車も走っているのだ、そっちへ行ってくれ。あっちへ行ったりこっちへ行ったりしてらちがあかない。国鉄というのは責任回避ばかりやっていてちっとも陳情者の言うことを聞いてくれないじゃないか、こういう問題もあった。さらに、私もこの際ある町長と担当支社長のところまで行ったのですけれども、どうもこれは一般論として、東京から西のほうは相当輸送力増強についても意を用いておるけれども、上野から出る東京から北、あるいは東北、上信越関係は冷遇されているのじゃないか、こういうふうに言ったら、井上関東支社長の言うには、東京-大阪間に日本の人口の四割が集まっておる、そんなことはしようがない、こういう意味のことを言われました。そうは言ってみても、高崎線の営業係数というものは東海道と匹敵するくらいいい成績をあげているのじゃないか、要すろにもうかっておるのじゃないかと言ったら、そんなばかなことない、とんとんだというようなこと。はたしてとんとんかどうかわからぬが、これを持ってきてもらって調べてみたら、やはり高崎の営業係数というものは東海道と匹敵をするだけのものが数字にあらわれておる。そういうふうに陳情者にうそを言ってまで陳情を何とかしてはぐらかそう、こういう態度ははなはだ私はよくないと思う。大臣のまあ希望があれば深谷の停車も認めるけれども、これが大臣の陳情でない場合にはたとえ現実に困難を擁しておろうとも知らぬ顔をすろという印象を、こういう印象を現実に地元の人に与えておるのですよ、今度の問題では。それらの点について、総裁としては、やはりそれこそ国鉄としても誤解を解くために努力をする必要があるのじゃないか。それは総裁としてどのようにお考えになっておるか、お伺いしたい。
  76. 石田禮助

    説明員(石田禮助君) 終わりのほうの御質問からお答えいたしますが、大臣の御希望なるがゆえに国鉄というものは実行するということなんですが、大臣の御希望としては、在野中の、大臣になられる前のつまり大臣の御陳情、これはさっき申し上げたように五つばかりあったのでありますが、そのほかに深谷の問題を入れて五つばかりあった。私どもこの大臣の御希望に沿うようにいたしましたのは、深谷のつまり急行列車をとまらせるだけの問題で、そのほかの問題につきましては遺憾ながらこれはできませんと言って断わったのであり遠して、大臣の御希望なるがゆえに何もかもやるというわけではないのであります。その点はさっき詳しく御説明申し上げた次第であります。  この最後の急行列車をとめる問題につきましては、国鉄としても実は少し左すべきか右すべきか迷っておったのでありますが、全然これは否定するというところまでいっていなかった。ただ決定していなかった。もう一歩のところだった。そこに大臣の御希望がありましたので、国鉄としては、よかろう、これをひとつ踏み切ろうということで、私どもの責任においてやったのであります。さらに、瀬谷さんのお話によるというと、営業係数がいいからしてそのほうにうんとやるとか、悪いからやらない、こういうようなことは国鉄の立場としてはこれはできない。いくら営業成績がいいところでありましても、そのほかに比べて輸送需要というものに対する輸送力というものとのバランスを見まして、たとえ赤字線であってもこれはやはりやらなければならぬ、黒字線であってもやるということはこれはなきなければならぬ、こういうことにしてありますので、われわれが輸送力増強するということは、黒字線なるがゆえに大いにやる、赤字線なるがゆえにやらぬという、こういうことは、これはもう国鉄の公共的使命にかんがみましてできないことであります。  それから、現在における一体通勤通学の交通地獄やなんかにいたしましても、これは全く終戦後における過小投資の累積、それから次に最大原因に、第一次五カ年計画においては、これはもう修理ということに終始して、輸送力増強というものはやらなかった。第二次五カ年計画におきまして輸送力増強ということをやったのでありますが、これは三十六年に始まって四十年に終わるということですが、私はこの総裁に任命されたのは三十八年であります。三十八年においては、もうすでに三カ年を経過しておるのに、わずか四割しかやっていない。それであとの二カ年でひとつやろうという、六割をやるということにして予算を組んだのでありますが、不幸にして政府のいれるところにならなかったということで、そんなことをしておってはだめだ、結局根本原因というものは、いままでの案は国鉄当事者の案なんだ、それを年々そこで、その年々に政府の査定を受ける、これではとても思い切った実行というものはできないというところで、基本問題懇談会というものをつくっていただいて、第三次計画――それは第三次計画というものに対しては、これは政府の案として認める、それからして実行については、これはやっぱり財政的の裏づけをする、こういう二つの約束手形を政府から取りまして始めた次第でありますから、ようやく本気に通勤通学というものに対してかかってきたのは四十年度であります。これはやっぱりかすに時を与えてくだすって、われわれが努力するあとをひとつ見ていただきたいと思います。
  77. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 私が言っているのは、さっきの蒸し返しをやろうというのじゃない。一般に与えた印象がどういうことかというと、大臣の一声ならば急行もとめるけれども、小さなところの町長や何かが陳情に来たのでは――たとえば八高線なんかいい例です。町長とか町会議長が行って、あっちへ行け、こっちへ行けと言われたけれども、ちっともらちがあかない、こういう事実がある。この十月のダイヤ改正で見たけれども、ちっとも改善されていない。赤字だからと言ってやらないとか、黒字だからやるということを言っておりますけれども、赤字だろうと、黒字だろうと、どっちもやっていない、何もやらないということなんです。だから、そういうことを私は強調したい。本気になってやるんならば、国鉄の中堅幹部はそういう陳情に対してめんどうくさいというような顔をしないで、やはりできる限りの努力をすべきじゃないか。営業係数までうそを言って、そんなにいいわけはない。こんなうそを言って、それで何とか問題をはぐらかそうというような態度は、私は国鉄の態度としてはよくないと思います。これは十分に総裁として戒めなければならない、こういうふうに思います。  それから急行の問題でありますけれども、急行停車の基準というのは一体どうなっておるのか、これもちょっとわからぬ点がある。たとえば深谷のことがきんざん問題になりましたけれども、時刻表を見てみますと、「東海3号」とか「東海4号」とかいう東海道線の急行がある。この「東海号」の急行を、静岡-浜松間なんかを見ると、静岡-浜松間でとまらない駅が三つしかない、あとはみんなとまっているわけです。とまらない駅のほうが少ない。それから信越線の「第3志賀号」とか「第4志賀号」とか、軽井沢-長野間、これも同様です。それから「ゆざわ号」といったようなものも、実に深谷どころか、聞いたこともないところでみんなとまっている。どうして、これだけ各駅停車と同じようにとまっておりながら、急行料金を取るのでしょう。これはただじゃないのでしょう。各駅停車同様の列車に急行の看板をくっつけて、そうして急行料金を取るというのは、これはどういうことですか。これがちょっと私には解せない。  それから各駅にとまるというだけじゃない、スピードの問題だってそうです。上野と大宮の間は、大体東京と横浜と同じくらいの距離ですけれども、片方は二十五分から三十分で走るようになっておる。片方は線路計画をやっていろせいもあるかもしらぬけれども、それだけ詰まっているのだろうが、急行列車でも三十五、六分かかっている、こういうふうにナメクジのようなのろのろ運転をしている区間でも、やはり急行料金を取る、こういうことはやはり私はていのいい詐欺みたいなものじゃないかと思う。しかも、急行らしい急行から急行料金を取るのなら別ですが、どう見たって急行とは言えないような急行から急行料金を取る。みやげ品の上げ底のようなやつがあってよくないというふうに言って、これも運輸大臣の監督の問題になるかもしれないけれども、上げ底のみやげ品ですね、上げ底のワサビづけみたいなものは監督上よろしくないと言って取り締まらなければならないけれども、上げ底の急行を取り締まろということも、これはやはり運輸大臣として必要なんじゃないか。こういうインチキな急行というものが一方において存在をしているのです。だから、これがいいということは、私は総裁といえども言えないと思います。だから、一つの方法として、たとえば小都市に停車をするというような場合には、それは準急にして急行料金を取らない、急行料金を取らないかわりに、深谷とか本庄とか、こういつたクラスのところにもみんなとまっていく。しかし、急行料金を取る以上は、あんまり各駅停車みたいなものから急行料金を取っておったのではぐあいが悪いのですから、急行料金は二十キロとか三十キロ以内は取らないというふうにして走るのが、私は妥当なあり方じゃないか、私の言うことが違っていますか。その点、大臣どのようにお考えになりますか。
  78. 荒舩清十郎

    国務大臣荒舩清十郎君) 私は実はしろうとでございましてよくわかりませんが、いまのお話はそのとおりであろうと思いますが、これはひとつ国鉄の副総裁からでも御答弁してもらったほうがいいと思います。
  79. 石田禮助

    説明員(石田禮助君) いま瀬谷さんのお話に八高線の問題がありましたが、実はこの問題は、現運輸大臣大臣に就任せられる前に国鉄に陳情をいただいた問題なんです。これは私どものほうとしては、どうもちょっと御希望をいれるわけにはいかぬということで断わった次第です。  それからさらに、国鉄の態度というものははなはだ気に食わない、幾ら陳情に行っても一向いれてくれぬというようなことで、その結果は、しまいにはめんどうくさいからというような態度をとる、はなはだけしからぬということでありますが、もしもこういう態度をとろとすれば、はなはだ遺憾千万、国鉄としては今後省みて大いに慎まにやならぬ、こういうふうに思いまして、ぜひひとつこの点については、御希望どおりにいたしたいと思っている次第であります。  そのほかの急行列車の停車の基準、急行料の問題、そのほかのことは、ひとつ副総裁から詳しく御説明申し上げます。
  80. 磯崎叡

    説明員(磯崎叡君) 急行列車の停車駅の問題につきましては、いろいろいままでいきさつその他もございますが、私どもといたしましては、いま瀬谷先生のおっしゃったように、もう少し列車回数がふえれば、いまのようなお説によりまして急行停車駅を整理してまいれたんでありますが、たとえば東海道線の急行が非常に停車駅が多い、これは確かであります。これは御承知のとおり、東海道線の通勤輸送力増強する、貨物輸送力をふやすために、結局、相当の急行列車を東海道線から消したわけであります。そのために、昼間東海道を走る急行は非常に少なくなっている。したがって、人口五万ないし十万ぐらいの都市が逆に非常に不便になってしまっているというようなことで、やむを得ず現在の急行列車の停車駅をふやすことによって、列車回数の少ないところをそれでカバーする、こういう方法をとったわけでございまして、東海道線の輸送力があれば、もちろんそれは普通列車と急行列車に分けるべき性格のものであります。  たとえば大宮と上野の間の運転時分の問題でありますが、これはたとえば東海道線で申しましても、大船-東京の間が全部、御承知のとおり、ネットのダイヤになっておりまして、普通列車も急行列車も同じ速度で入れているわけであります。したがって、これは線路容量がない、やむを得ず急行列車が普通列車を追い抜かないで同じスピードで走る、それによって線路容量を幾ぶんなりともふやす、こういうやむを得ない方法でやっている。これはいまおっしゃった上野-大宮間あるいは東京-大船間等にございます。これはたとえば現在やっております大宮-赤羽間の複線の複々線化ができますれば、これはいわゆる急行の線路と普通の線路と分けることができますので、これは相当速度が速くなってくる。要するに、いずれにいたしましても、現在の線路容量では、複線区間としてはほとんど限界に近いものが入っておりますので、それに通勤列車と急行列車を入れるために、非常に急行列車の速度が落ちてくろ、こういう関係にならざるを得ないと思います。しかし、今後とも、複線化あるいは複々線化ができるに従って、たとえば現在中央線では、緩行と急行とが分かれておりますが、こういうふうな形に徐々になってくる。今度の通勤輸送の改善によりましては、大体五十キロから百キロ以内のところは、いわゆる料金を取らない急行列車、いわゆる快速列車をつくる、近間のほうは普通列車で走らす、こういう形でもって、通勤輸送の大体百キロ以内のところをせめて一時間半くらいで到達できるようにしたいというのが、今度の通勤改正のおもな目的でございます。
  81. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 ありのままの現実はやはり率直に認めてもらって、誇大な広告は私は出さぬがいいと懸り。いま電車の中に、十月一日からダイヤ改正、スピードアップしますとか、特急や急行を増発しますと書いてある。ところが、現実の問題として、通勤列車なんというのは、ちっともスピードアップなんかしていない、スピードアップしますと言うのなら、一部の列車をスピードアップします、こう書くのがほんとうです。一部の列車だけスピードアップしたのに、今度のダイヤ改正でスピードアップします、これは誇大広告です。これもやはり上げ底のみやげ品と同じで、こういう現実離れのした宣伝をするのは私はよくないと思います。  それから、先ほどもちょっと触れたんですけれども、ここだけよくしろというようなことは大臣も言うまいと思う。しかし、そこだけ悪いというものをなくせということは、他の選挙区であろうとなかろうと、そんなことに関係なしに直さなければいかぬと思う。東京と上野の問題ですが、私はお盆の一番混雑するときに状況を見てみたんです。東京駅から出る汽車は、長崎行きであろうと、鹿児島行きであろうと、一割ぐらいの余裕を残して出ていく。ところが、上野から出る汽車は、青森行きであろうと、新潟行きであろうと、秋田行きであろうと、超満員なんです。たまたま、そのときに椎名外務大臣上野駅に来て、郷里の水沢に帰られるところで、何でこんなに込むんだろう、こう言っている。上野の駅が狭過ぎろんじゃなかろうか、上野の山を半分削って広げるようなことはできないものだろうか、こう言っておった。外務大臣だから荒舩きん以上にしろうとなのでわからないかもしれないけれども、入れものが少なくて込むというようなことに気がつかれないのかどうか知らぬけれども、事実は、人のほうが汽車の容量よりも多いから、こう込むんでしょう。こういう差があるんです。実際に同じ金を取っていても、こういう差があるんだから、そのような差をなくすと。特に優遇するとかなんとかということじゃなくて、そういう特にひどい目にあっているところは改めていくということを今後の運営の中で私はやるべきだと思うんです。  そういうことと、それから、荒舩きんもだいぶいろいろな面で有名になったんですね。まあ不覚の至りであったということで頭を下げて、何かみそをつけたようなかっこうになっているんだが、それならそのようにやはり埋め合わせのために善政をしがなければならぬと思うんです。国鉄には政治駅であるとか、あるいは政治路線であるとか、こういう問題がいろいろうわさされております。こういうものをこの際規制をしていくということが、政治姿勢として私は大事じゃないか。だから、たとえばバス輸送で代行できるような赤字の政治路線だってあるかもしれない。それから、閑古鳥の鳴くようなお客の集まらない駅もあるかもしれない。東海道線の羽島駅なんかの場合は、やはりお客をあまり見かけないということを聞いております。お客の数よりもたんぼの虫のほうがよけい集まってくる、こういう駅があるんですよ、現実に。埼玉県にだってある。こういうものは整理をしていくという勇断が私、必要だと思うんです。そういう勇断をふるうならば、荒舩大臣の場合でも見直されるんじゃないか。だから、思い切って、国鉄、日本国じゅう、まあだれそれのお声がかりでつくったという線路、それから、まっすぐ行くやつが、ヘビのように曲がりくねっている線、これはあると思うんですよ。この曲がりくねっているやつをまっすぐにするとか、無用なやつをやめちまうとか、そういうようなことを大臣としてはおやりになる気があるかどうか、その点をお伺いしたい。
  82. 荒舩清十郎

    国務大臣荒舩清十郎君) 何としてもまだしろうとでございますが、いずれにいたしましても、政治路線であるとかなんとかいうような問題等につきましては、厳にそういうことのないように努力をしたいと考えております。  先ほど瀬谷委員から言われた、たとえば上野は、私は郷里へ帰るんで非常によく乗ります。ちょうど避難民の集合地帯みたいになりまして、お盆のときあたりは、まあ日本の国にもこういうところがあるかなと思うような状況等をよく見受けております。こんなふうな問題につきましても、上野の問題ばかりじゃございません。少なくとも文化国家をつくり上げていくんだというようなたてまえからいたしまして、こういう点にはひとつ国鉄とよく相談をいたしまして、改革をすべきものは改革をしていきたいと考えておるわけでございます。  なお、これらと関連いたしまして、まあ国鉄というものの使命というものは、いま石田総裁から言われるとおり、もうかるから、損するからという事柄ばかりでなく、実際に必要なところは、これは何とか改革をしていかなきゃならない。利益、不利益という問題ばかりでなく、大局からひとつ通勤客及びこれらの乗客等に不便を与えないようにやらなければならない、こういう信念でおります。  以上でございます。
  83. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 それじゃ、具体的な問題等あげると時間がかかりますので、総括的に質問したいと思うのですけれど、何といってもいま通勤輸送というものが逼迫しているということはお認めになると思う。これは大臣も、総裁も、お認めになると思うんです。しかも、これは緊急の問題だと思う。してみれば、安全輸送輸送力増強のために、第三次長期計画というものは現在以上に補強する必要があるのじゃないかという気がするのでありますが、どこそこで何をするということまでは聞きませんが、その必要性を認められるのかどうか。補強のために政府としても出資をするかどうか。運賃は上げないということを言われましたけれども、金を出さなければできないことなんですからね、政府出資をするといったような方向に進まれるのかどうか。それから、そのためのたとえば合理化というと、いままでどうも行なっておる合理化というのは、なるべく人を減らして、たとえば経費を節約する、お客さんには迷惑をかけると、こういう方向の合理化であったのでありますけれども、政治路線のようなものを整理統合をして、あるいは政治駅を廃止するとか、そういうようなことを思い切ってやるという意味合理化を進めろということに対して、勇断をふるわれるかどうか、大臣並びに総裁の御意見をお聞きしたいと思うんです。
  84. 荒舩清十郎

    国務大臣荒舩清十郎君) ただいま瀬谷委員の申されるとおりでございます。私は、金がないからやれないということばかりでなく、まあ、あらゆる努力、あらゆる知能をしぼって、いまおっしゃるような問題等を解決していきたいという、うに考えております。  なお、東京周辺におきましても、国鉄の問題ばかりでなく、私鉄におきましてもそういうようなことが言われると思いますし、そういうことをあわせて一生懸命努力していく覚悟でございます。
  85. 石田禮助

    説明員(石田禮助君) 初めに御質問になりました赤字線でひどいところなんぞは、これはバスに乗りかえることによって利益になるならばそうしたらいい、こういうようなことでありましたが、これはごもっとも千万のことだと思います。で、実は例の八高線のごときは、つまり、これはそういうことであったのでございます。いま鉄道をバスにかえたことによって、あの沿線の住民なんか非常に喜んでいるわけです。これは、こういうことは全国にまだ相当に私はあるのじゃないか。ずいぶん営業係数や何かから見てひどいところがある。こういうところはやはり八高線式にいったほうがいいんじゃないかと言うんですが、これはしかし、国鉄総裁一個の頭ではできない。そこにやっぱり踏むべき経路があるのでございまして、この点については、運輸大臣のひとつ御協力を得なければならぬということであります。  さらに、通勤の問題でありまするが、これは瀬谷さんも十分御承知だと思いますが、とてもこれは引き合わない。たとえば山手線などは非常にもうかっておるのでありますが、これは古い時分、安い時分につくったからもうかっておるので、あれだけを見て、そして山手線はプラスじゃないか、これはやっぱり国鉄の勘定というものはどんぶり勘定でいかざるを得ないのでありますからして、あそこだけを見てどうということは、これはもう私は問題にならぬと思います。  それから安全輸送の問題でありますが、国鉄のこの輸送は、要するに、限られた路線の上にできるだけの輸送力をつけるということによって、まず第一にスピードアップの問題、さらに過密ダイヤ、こういうことでありまするが、これは一歩を誤れば非常な大きな事故を起こす原因がそこに潜在しておるのでありまして、これはぜひとも解消をしなければならぬ、こういうことで、実は第三次計画のもとにおきましては、五千億以上の金をこれに投じてやっておるのでありまして、たとえば踏切のごときは、最近は非常に減っておる。これはあの方面に対して六、七百億の金を思い切ってつぎ込んだというようなことが原因をなしておるのでありまして、とにかく、この安全輸送ということについては、私としてはこれは大いにやらなければいかぬ。要するに、国鉄は安全の輸送があって輸送力増強がある、安全輸送のない輸送力増強なんということは砂上の楼閣だということで、非常に一生懸命にやっている次第でございますからして、この点はひとつ御了承を願いたいと思います。たとえば自動停止機だとか、あるいは自動信号機だとかということで、ずいぶん思い切ってやっているということは、これは瀬谷さんもお認めくだきることだろうと思います。  さらに、人減らしの問題でありまするが、国鉄の経費のうちでもって一番大きなものは人件費だ。たとえば四十年のごときは、運賃の値上げが実行されるまでは、この人件費というものは総収入の六割二分までいっている。ところが、運賃の値上げによりまして人件費というものは五割二分に下がったということで、経費即人件費ということに考えても私は大体において間違いじゃないと思う。そこで、私ども国鉄としては、独立採算というものを堅持しなければならぬという立場にありますので、この人件費というものに対しては、できるだけの合理化をやらなければならぬ、しかし、それについては、いたずらに人減らしをするということじゃなくて、人減らしをするということは、要するに、結局、年々歳々輸送量というものが増加をしていくことに対して、これをできるだけ少ない人間でひとつやっていこう、たとえば四十三年の時刻改正あたりまでに、この人の増加を普通のいままでやってきたようなことでいきますというと、二万千人もふやさなければならぬ、これはたいへんなことなんであります。そこで、これを何とか現在の国鉄の四十七万か何ぼをもってこれをうまくやっていくことはできないか、それについては、各人の労働力をふやすのじゃなくて、これを能率化する、いわゆる機械を使うとか、そのほか、あらゆる仕事のやり方を変えていくというようなことで、つまり、縮まるところから人間をひとつ出して、そうして配置転換をしてこれをやっていく、こういうようなことで、その点に対しては、国鉄のわれわれとしては非常な努力をしております。しかし、これはもう決して各人の汗水をしぼってやるというような、そういうようなことじゃない、だれが見てももっともだというような合理的な方法によって人力というものをしぼり出すということをやっておるのでありますから、その点はひとつ残酷なことを職員に要求するというようなことにお考えにならぬように、ぜひひとつお願いしたいと存じます。  そのほかの問題につきましては、何かありませんか。――大体それでよろしゅうございますか。
  86. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 それから、いま総裁から人減らしということを考えておるわけじゃない、合理化の面についてお話があったのですけれども、たとえば、いま起きている問題では踏切の自動化といったようなことがあるわけであります。これもやはりねらいは人減らしということになってしまうのじゃないかと思うのですけれども、私はやはりこういう問題を考えるのならば、日本の幹線輸送ですね、少なくとも複線以上の幹線については高架、立体化をする、こういうたてまえをとるべきじゃないかと思います。ついこの間も集中豪雨があったら水が出て、たちどころに不通になってしまう、こういう状態なんですよ、この近辺というものは。だから、これは一ぺんにやれと言ったって、そうはできないかもしらないけれども、ともかく、たてまえとしては、日本国じゅうの幹線輸送というのは複線以上、幹線ならなおさらだけれども、全部高架にしてしまって、平面交差をしない、そうすれば踏切の問題はおのずから解消するでしょう。  それから駅舎にしても、両面から使えるように両方に口をつくってくれという話がたくさんあるのです、あっちこっちに。さっき荒舩運輸大臣の陳情の中にもそういうことがあったそうですけれども、そういうたとえば名古屋駅のような、あるいは東京駅のような、有楽町のような様式にする、亭引にしてしまえば、これは両側から利用するといったような問題も一応解決すろわけです。さらに、高架下を道路に使うとか、あるいは倉庫に使うとか、あるいは駐車場に使うとか、こういうような方法で収益をあげることもできる。安全の面でも、あるいは能率の面でも、非常にいいのじゃないかと思う。それらの問題については、やはり思い切って一つの方向を打ち出して、国鉄の将来のあるべき姿というものを、あくまでもこれは平面交差という古めかしいことをやめてしまう、全部新幹線様式にする、東海道だけじゃなくて、日本国じゅうをそうする、こういうふうに私は一つのビジョンを打ち立てるというのが本筋じゃないかと思うのです。その点では私は、現場のたとえば勤続三十年、四十年という現場長なんかのほうが一つの見識を持っているような気がしたのです。で、幹部の人はあんまり偉くなってしまうと、あんまり事故を起こさないうちになるべく穏やかに退職をして、どこかの会社の重役になろうとか、どこそこで選挙に出ようとかといったようなことになってしまって、そういう問題についてのビジョンを打ち出す人が少ないような気がする。むしろ、そういう点は、ほんとうに長い年月国鉄で飯を食っているような現場長の意見を尊重するようにして、国鉄のあり方――国鉄だけじゃないのですが、日本の交通運輸政策のあり方というものを打ち出すべきじゃないかと思うのですが、それについての総裁の見解をお聞きして、私の質問を終わりたいと思います。
  87. 石田禮助

    説明員(石田禮助君) お答えいたします。  この踏切の問題でありまするが、地方の踏切につきましては、とにかく、複線のところに対しては、できるだけ車の通るところを少なくする、そうして、通るところに対しては、適当な警報装置をつけろ、こういうことで、これは昨年の末までに全部完了いたしました。いまやっておるのは、単線のそういう整備であります。これも同じ方針でいこうと存じております。で、町の中におけるこの踏切の問題でありまするが、これはビジョンとしては、いま瀬谷さんの言ったとおりでありまするが、しかし、金が、いかんせん、これは非常に金を使う。現在われわれが陳情を受けておる都市における高架化の問題にいたしましても、これをやろうとすると、四千億かかる。しかも、それを半分これまでのように国鉄が負担するということになると、それでも二千億かかる。しかも、そういうものも現在水平線上にあらわれたやつだけでありますが、これは年々歳々ふえてくる。町というものが膨張するにつれて、いままで町の端のほうにあったやつが、鉄道が敷かれたために町が膨張して、町の中を通る、こういうことになると、そこに高架化の問題が起こってくるということで、実はこの問題につきましては、理想としては、またビジョンとしては、おっしゃるとおりでありまするが、どうも資金の関係でもってなかなか思うようにいかぬということが現状であります。しかし、決してわれわれが何も現状で満足しているわけじゃない。できるだけひとっこれは何とかしなければいかぬ。それじゃその資金をどうするかというようなことに相当に頭を痛めておる次第であります。  大体御質問に対しては、それで私はお答えになっておると思うのですが……。
  88. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 関連。大臣帰りましたので、あとでまた基本のことは大臣に伺いますが、国鉄の総裁、副総裁、それから鉄監局長おりますから、若干この機会に安全の問題と関連いたしまして伺っておきたいと思います。  御承知のように、新産都市との関係、そういうものと、それから都市構造の変化に伴ういわゆる都市開発の問題が、非常に全国的に問題になっております。これが影響として国鉄側に出てくる問題は、立体交差の問題あるいは踏切道の整備問題等々たくさんございますけれども、最近とみに高架の問題が非常に社会問題になりつつあると私は見ておるわけです。いま総裁も答えられたように、さて、こういう問題を国民の要望として、あるいは国民負託にこたえちれろということになりますれば、金の問題が非常に問題になってくる。私は、今日の国鉄の財政の負担能力ではなし得ない問題ではないか、こう考えておる。そこで、こういう問題を国鉄がどうとらまえてどういう――三次計画も進めていますけれども、どのような計画で対処していこうとしておるのか。それから鉄監局長としてこれはどう考えておるか。私個人考えでは、これはやはり政府がこの際は、こういう問題については抜本的にそれぞれの組織なり、あるいは財政的な助成の措置をとるということでなければ問題は解決しない、こう思うのです。これは先ほど相澤さんから申されたように、川崎であるとか、あるいは横浜であるとか、あるいはまあ全国的に見れば、広島であるとか、あるいは北海道では札幌などはそういうところに当てはまると思う。少なくとも五十万から百万ぐらいの都市が当面こういう問題をかかえて、たいへんな問題になりつつあるわけです。これを何でもかんでも、先ほどの荒舩さんの問題ではないけれども、陳情したとか、これはどうなっているんだなどと国鉄へ持っていったって解決つかない問題だ。それほど国鉄には財政負担能力はない、都市開発の問題宿処理するまでですね。ないからと言って、それではどうするか。国は経済高度成長とか、あるいはそれを手直しする中期経済計画を立てて、この計画から出てきた新産都市の問題等々がある。それから、具体的にいま言ったように、今度は国鉄側にも問題が出てくる、こういう問題がある。ですから、私はこういう問題は、先ほども言ったように、国鉄だけに責任を負わせるべきものではなくして、国全体としてこういう問題の措置、具体的な施策をこの際樹立をして、それを進めなければならぬじゃないか、こういう気がしてならない。おそらくや、運輸省鉄監局としても、そういう問題については調査研究いたしておると思うので、運輸省側としてこういう問題についてどう考えておるか、お聞かせ願いたい。国鉄側と運輸省側の考え方をこの際お伺いしておきたいと思います。
  89. 増川遼三

    説明員(増川遼三君) 地方開発並びに都市の再開発というような問題につきましては、私どもも十分努力いたしまして、できる限りの措置を講じてまいりたいと考えております。先ほど大臣から御答弁申し上げたとおりでございまして、その御趣旨に沿いまして各種の方策を講じつつあるわけでございます。これに対しまして、国鉄の都市交通対策としての諸計画につきましては、昭和五十年ごろに推定をいたしております輸送需要の数字が、四十五、六年ごろにはこの数字まで達するのじゃないか、こういう見通しもあるわけでございますので、したがいまして、都市交通対策だけを取り上げてみましても、従来の第三次国鉄長期計画を部分的には一年ないし二年くらい繰り上げて計画を施行してもらわなければならないというようなことも考えておるわけでありまして、これがためにも、資金がきわめて多額のものを要するのでございまするが、これにつきましては、先ほど大臣あるいは国鉄総裁のほうから御説明申し上げましたように、財政投融資の増大、さらに、政府出資をこの際相当多額に仰ぎたい、こういう考えを持ちまして、現在せっかく交渉を続けておるところでございます。そのほか、立体交差あるいは高架化の問題でございますが、これにつきましては、お説のとおり、われわれといたしましても、最も喫緊を要する事柄でございますので、国鉄といわず、地下鉄あるいは私鉄の増強という面につきましても、相当の、従来以上の助成方策を講じまして、緊急に進めてまいりたい所存でございます。
  90. 石田禮助

    説明員(石田禮助君) 高架化の問題でありまするが、これはさっき申し上げましたように、結局はやっぱりやらなければならぬ。いつやるかという問題なんでありますが、この点につきましては、ひとつ議員各位の御了解を得ておきたいのは、私鉄がこれをやる場合においては、私鉄の負担というものは、その受くる利益の範囲に限定されておる。ところが、現在国鉄がやる場合には、半分を負担しなければならない、こういうような非常に大きなやっかいな問題であります。この点はひとつ各位の御援助によりまして、何とかもう少しこれを合理化していただきたいということであります。  それから、さっき申すのを忘れましたが、立体交差の問題でありますが、これは必要やむを得ざる場所に対しては、着々としてやっておるのであります。決して全然やらないわけじゃない。さらに私は、高架化の問題につきましては、私鉄というものと国鉄というものに非常に違いがある、こういうことなんですが、これは御質問にはありませんが、ひとつあなた方のお含みもあるので申し上げるのだが、納付金の問題がある。つまり、国鉄というものは、地方開発のために犠牲をあえてして鉄道線路を敷く。ところが、そこへ納付金というものをかける。道路というようなものに対しては納付金はかけはしない。これは四十一年度あたりにおいては百十億くらいになっておる。第三次計画を実行するということになろと、この納付金が二百五十億くらいになる。これは私は実に変なものだと思いますね。こういう点も、ひとつあなた方の御努力によって、御尽力によって合理化していただきたいということを、これは御質問にはありませんが、ぜひお願じ騨と存じます。
  91. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 双方から答えられましたが、ぼくの聞いている意味と若干それています。だから、三次計画を完全に実現するためにかくかくしかじかという答弁なんですね。それはまあそのとおりでけっこうだし、それから国鉄の総裁から答えられた、国鉄は財政負担能力の限度内において立休交差なり踏切道の整備促進をやられていることについては、私も認めているわけです。ですけれども、私の言っている意味はそれとは別に、新産業都市の建設であるとか、それから関連して、先ほど例にとった五十万から約百万くらいの中都市というのですかね、これは中大都市といいますかね、その辺はよう表現できませんけれども、そういう都市に顕著に出てきた問題として、都市開発の問題というものが非常に大きくいま出てきたわけでしょう。そこから新たに出てくる問題としては高架の問題が出てくるのですよ。これを先ほど来いろいろるるここでも質疑応答がありましたけれども、すべからく、やはり答弁は、窓口としての、あるいは水先といいますかね、国鉄側に、高架にしなさい、こういってきますよ、これはね。その場合にですよ、このいまの国鉄の財政負担能力では私はできっこないというのです。それから本質的に国鉄のやるべきものではない、こう思うのです。ちょっといま総裁の答えられたように、納付金とかあるいはいろいろ、一等でありますけれども通行税などというものも利用者からいただいている現状等々考えてみて、本来、性格的に国鉄だけが――国鉄が全くやらぬでいいとぼくは言いませんけれども、国鉄だけにその責任を負わせるべきものじゃないというのです。こういうものは政府の大きな経済政策、経済計画の中から出てきた一つの問題点なんですっだからこういう点は国があげて、やっぱりこの際抜本的な対処をしなければ、こういう問題は解決しないんじゃないかと、こういう気がしてならない。増川さん、だから運輸省としてもそういう問題をもうとっくにとらまえていると思うが、こういう問題の解決にはどういうやり方がいいかということですね、そういう点をあなたに聞いたのです。  それから、国鉄側にはそれで聞きますが、これは副総裁でけっこうですがね、その問題、研究を一生懸命やられて、懇談会にも出ておられる専門委員ですから、副総裁でけっこうですから聞かしていただきたい。私の意見を先ほど申し上げた具体的なものは、私、公団をつくるなどというのはあまり好きなほうじゃないんだけれども、そういう問題がだんだん出てくると、たとえば道路の整備公団であるとか、あるいはいま問題になっています新東京国際空港を建設する場合の公団であるとか、あるいは自動車ターミナルのちっぽけなものであるけれども、公団か事業団か何かわからぬけれども、そういうものでやっている。ですから少なくとも都市開発に関係いたしてまいりまするこの種問題については、やっぱりこの際は、ほんとうにやろうとするならば、国が、公社方式かあるいは公団方式かは別として、そうした角度の中から問題を解決しなければならぬじゃないかという私見を持っているわけです。だから、あなたがた専門家として、その問題を扱っている所管省庁として、どう考えているかということを聞いているわけです。
  92. 増川遼三

    説明員(増川遼三君) ただいまのお説につきましては、私も十分認識をいたしております。いろいろの助成方策は考えられるわけでございますが、特にこの都市交通の問題につきましては、運輸省に所属しております都市交通審議会にもはかっておりまして、ここの高速鉄道等助成小委員会が現在開かれておりまして、審議継続中でございますが、こちらのほうにもわれわれの事務当局としての考え方も全部開陳してございますし、関係委員の諸先生からもいろいろといい御意見をいただいているわけでございます。また関係の官庁の代表の人も小委員として出ております。こういった席で各種の意見を総合いたしまして、これを取りまとめましたものを近々運輸大臣あてに建議をしていただくことになっております。この建議の内容を十分取り入れまして、われわれの考え方とあわせまして、これを実施をいたすべく努力するつもりでございます。抜本的な対策を講じなければなりません点につきましては、ただいま御質問にございましたとおりでございまして、十分効果のあがる措置を考えてまいりたいと思います。
  93. 江藤智

    委員長江藤智君) ちょっと言いますがね、増川さん、都市交通審議会という問題よりも、質問の趣旨はね、都市改造、都市開発に伴いました高架をもうつくらなければいけない、しかしその高架というものについて、いまの国鉄財政だけじゃできないのじゃないか、それについて、国家助成その他について何か考えているか、こういう趣旨で御質問したのです。
  94. 増川遼三

    説明員(増川遼三君) 都市を中心とします立体交差あるいは高架につきましては、これも非常に大切な問題でございますが、かつて私鉄に関しましては、高架公団というような構想もありましたけれども、この点につきましては、国鉄におきましても非常に大きな問題でございます。先ほど国鉄当局からも御答弁ございましたように、非常に多額の資金を要するのでございまして、これにつきましては重点的にこのほうへ資金を回していただくことも考えなければなりませんが、単に国鉄だけにこれをしょわすということは非常に酷な面がございまして、国鉄も希望しておりますように、国鉄の負担区分をもう少し緩和してもらいたいという御意見があるわけでございます。この考え方もきわめてもっともでございまして、これについては、これと非常に関連のございます道路関係当局あるいは都市開発関係を所管しております建設省都市局等とも十分に連絡をとっているわけでございます。
  95. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 増川さん、そういうことではないのだ。その努力はもう大いに必要でございましてね、積極的に進めてもらっていいんだけれども、ぼくの言っている意味は、新しい都市構造の変化に伴って別な現象が起きてきたわけでしょう、もう立体交差などというものでも間に合わない問題がね。たとえば先ほどちょっと言ったけれども、川崎であろとか、横浜であるとか、広島であるとか、福岡であるとか、札幌のような、大都市に近い中大都市とでも言うのかね、そういう都市の問題があるわけでしょう。これはもう焦眉の急の問題なんだな、そういう問題があるわけなんです。ところが、国鉄の三次長期計画という、いまあなた方答えられたようなものは、それが完全に進められていったとしても問題が残るのですよ。解決つかないのだ。そこでどうなってくるかというと、それがさらにまた国鉄にはね返ってくる。そこで国鉄の今日財政の負担能力の範疇でできるかというと、できないのです。新たなビジョンを持たなければならないのです、政府として。これは運輸省当局としてもね。そういうものを持っているかどうかと言うのです。私はそういうものは好きじゃない、好かぬけれども、何かそういう公団かなんかの方式でやらなければならぬのじゃないかと、こう思っているわけなんだ。だからあなた方、これに対して、そういうビジョンがあれば、構想があればこういうものを持っている、あるいは考えていないなら考えていない、こういうことさえ答えられればいいわけです。
  96. 増川遼三

    説明員(増川遼三君) 新たな対策といたしまして公団その他をつくることにつきましては、現在のところは考えておりません。ただ、現在の国鉄の長期計画は、若干これを繰り上げてでもやっていただく……。
  97. 沢雄次

    説明員(沢雄次君) いま吉田先生の御質問の趣旨は、全国の都市におきまして高架化を要求しておるものが、現在全部合わせますと四千億円になりまして、その場所だけでも百数十カ所になるわけでございます。ところが、現在の国鉄の負担割合は道路のほうと五〇、五〇ということで、これは二千億かかりまして、これを国鉄が負担すれば国鉄の第三次五カ年計画もとうていできなくなるということでございます。しかし一方、国としましては、先生のおっしゃったように、これの高架化を進めていかなくちゃいけないということで、従来高架化公団のような構想もございましたのでございますが、来年度はそういう構想をとらずに、この負担割合を、国鉄の受益する箱囲において国鉄側が負担するというような構想で、その負担割合を建設省あるいは政府部内できめていったらどうかということで、運輸大臣とされては建設大臣、総理のほうとただいま御折衝中でございます。
  98. 磯崎叡

    説明員(磯崎叡君) 実はこの問題につきましては、去る二月の当委員会のこの席で先生方が、当時の瀬戸山建設大臣並びに道路局長に御質問がございまして、道路局長から、これは都市改造問題としてひとつ建設省としても前向きで考えると、こういう御答弁があったというふうに私記憶いたしております。その後、各都市からの陳情は引きも切らず、いま官房長からも言われましたように、現在私どもの受けている陳情の中では一番数が多いのがこの問題でございます。大は札幌、京都のように数百億かかるところから、小は人口二、三十万ぐらいのところ、全国至るところ数限りなくございまして、とても、国鉄がどれを先にやるということをきめるのは全く越権のさたでございまして、やはり運輸省なり建設省なりが政府の立場から都市改造、都市再開発という意味から順位をおきめになってやっていただきたい。その際に、国鉄としては当然これは国鉄の受益の範囲内ということで、平均いたしますと大体一三%ぐらいになると思いますが一いまの五〇%を一三%ぐらいに減らしていただいて、その差額はやはり一般会計で御負担願うというふうにぜひしていただきたい。これは運輸省予鈴にお組みになろうが建設省予算にお組みになろうが、どちらでも私どものほうはけっこうでございます。とにかく仕事ができるようにしていただきたい。というのは、約四十年ほど前に、御承知のように名古屋と大阪と神戸を全面高架にいたしました。これはちょうど大正末期から昭和の初期にかけてでございます。これは全部国鉄、当時の鉄道省の負担でやりまして、ほとんど一般会計のお世話になってないわけでございます。ああいうふうに財政の豊かなときは国鉄がやりましたけれども、こういうようなときになりまして、しかも目的が踏切除去というような小さい問題だけでなしに、都市の開発という問題でございますので、ぜひとも政府のほうでイニシアチブをとってこの問題を進めていただきたい、私どものほうの痛切なお願いでございます。
  99. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 いま両方から説明がありましたから、それでいいというわけじゃございませんが、かなり大きな問題でございますので、私、次回の委員会であらためて私どもも検討を進めたいと思うんで、運輸省に私は資料をお願いしておきたい。  それから国鉄側としても、いま副総裁が申されたようなものをお出し願いたいと思います。次回の委員会はおおむね来月の十一日か十二日だそうでございますから、それまでに御提出を願っておきたいと思います。
  100. 相澤重明

    ○相澤重明君 資料要求。国鉄に先ほどからいろいろ質問した通勤輸送の距難を百五十キロ圏をとるのか、二百キロ圏をとるのか、これはきわめて大事なことですから、全部というわけにはいきませんから、幹線だけひとつお出しをいただきたいのです。それでそれがつまり優等列爾とか急行とか、そういうものの一つの基準を示すことにもなるわけです。私これ意見を持っているのですが、資料を御提出いただいて、できれば国鉄として、その何キロ圏までを通勤距離圏と見るか。それから幹線の中で乗降客をできれば人数をお示しをいただきたい。これが一つ。  それからいま一つは、九月、今月一ぱいでおそらく上半期の決算が、いわゆる仮決算が出ると思う。私いまずっと見たところ、運賃値上げはやったけれども、旅客、貨物の収入が必ずしも満足すべき状態ではないと、こう私はどうも見ているのですよ。そうするとやはり来年度予算の問題にも当然関係してくるので、政府は十一月ごろというのが決算の見通しと見ているようだが、私はできればやはりいまの、幹線でけっこうですから、十月の十一日という委員会があるのなら、忙しいだろうけれども、その幹線だけでもひとつ旅客、貨物、出してもらいたい、これは今後の国鉄運営にとってきわめて大事なことでありますので、見通しが甘いとか辛いということじゃなくて、どうこれからよくしていくかということについての大事なことになりますから、できれば九月末の仮決算をひとつお出しいただきたい。  それからいまの吉田君の言った都市改造に伴う問題について資料をお出しになるからけっこうでありますが、運輸省監督局も含んで、単に今日の運輸事情は、国鉄だけに全部責任を負わせるということは私はいかぬと思うのですよ。したがって、運輸省としての、いわゆる私鉄、バス等も含んだ連帯運輸、連帯輸送といいますか、そういうことが今日は大事だと思う。そこで全国の、国鉄が私鉄と相互乗り入れをしている線区がありますね。その線区をあげてい.ただくと同時に、これからそういう相互乗り入れをやったならばどのくらいの輸送が緩和できるのか。私は私鉄だからといって二両運転をさして、国鉄はぎゅうぎゅう詰めになっている、こういうこともこれはよくないと思う。しかし、そういう点も、この前すでに石田総裁もそういうことをお話しになったことがあると思うのですが、これはやはり交通問題は国全体の問題でありますから、そういう点で改造すべきものがあるなら、私はそういう資料をひとつ御検討をいただきたい。そのためにひとつ資料をできれば出していただきたい。これは運輸省、特に運輸省監督局の問題だと思うのですが、国鉄もぜひできたならばひとつお出しをいただきたい。以上資料要求をして終わります。
  101. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 それから最後に、これは防衛庁長官を呼んでおったのだけれども来ていないし、防衛庁だれも来ていませんが、軍民共用の飛行場のことですから、考え方だけひとつ局長に聞いておきます。それは札幌空港の問題でございますが、着陸帯に八年間も民有地が存在をしている、こういう実態があるのです、札幌の丘珠飛行場に。このことが全く地主が知らないままに、防衛庁の管理空港ですから、防衛庁が告示をした、これが問題化しているわけなのです。防衛庁いまおりませんから、これは次の委員会で私やりますけれども、最近に至って何かあわてふためいて運輸省のほうに――いまの着陸帯にかかっているのは三百メートルですから――あすこの飛行場は御承知のように滑走路が千メートルのところが拡張されて千四百になっていますが、その拡張前の百五十メートルにこの着陸帯の幅員を狭める、こういうような指示をした、こうなっているわけです。そこで、これは地元としてはたいへんな話で、冬季オリンピックとの関係等もありまして、航空局としては、千歳の国際空港の昇格云々の問題等々とからめて丘珠をかなり整備をしていかなければならぬという方向、これは間違いないと私は思う。そのときに、逆にこの飛行場が三種空港として認められた当時の滑走路――いま千四百メートルになっていますが、千メートル当時の着陸帯にしていくというようなことでは、これはたいへんだということでいろいろ問題になっている、こういうことなんです。一体この関係ですね、航空局のほうとしてはどうお考えになっておられるのか、この際承っておかなければならないし、それからこれは防衛庁がやったことで、運輸省としてはこんなものは知らぬと言えばそれまでですけれども、八カ年間も全然民有地が着陸帯になっていたのを関知しなかったなどというのは、まさに行政としては、私はずさんではないかというように思うわけです。特に御承知のように航空法では、この着陸地帯には工作物というものはもとよりつくることはできないのです。いろいろな私の施設等々、障害物に類するようなものは置けないわけです。そういうきびしいものになっていますよ、航空法では。ところが、これは実際問題と、して、首五十メートルのものが全滑走路よりさらに長い延長の滑走路に並行してあるわけですから、これは民有地でありますから、私なら私の土地であるとすれば、当然あすこは、毎回私はやかましく言うのだけれども、牧草を刈って牧草を飛行場の中に乾燥さして、それを今度は民有地の私なら私がやったとしても文句のつけようがないと思う。こういう点を航空局長、どの程度現状を把握をして、それから防衛庁から何か百五十メートルにしろという連絡を受けて再調査をして、もとのようにいたすというような話を私は聞いているので、この関係がどうなっているのか聞かせていただきたい。
  102. 堀武夫

    説明員(堀武夫君) 着陸帯の中にそういう農耕地があるということは、飛行場としては非常に困った問題でございます。それで防衛庁から、いま先生がおっしゃったように着陸帯の幅を縮めてくれという連絡がありました。それで、そういうことはわれわれとしては非常に好ましくないので、できればそれを買収してもらうようにしてほしいという線で、いま防衛庁と協議をいたしております。  それから軍民共用の問題でございますが、これは数年前に名古屋の空港で軍用機と民間飛行機が地上で衝突いたした事件があります。そのとき以来、軍民共用で飛行場を使っているのは好ましくない、非常に危険である、将来はこれを分離する方向で進める、こういういろいろの御意見なり御議論が強かったわけです。われわれといたしましても、軍民共用でないに越したことはないので、いま軍民共用をいたしております千歳にいたしましても、あるいは名古屋にいたしましても、板付にいたしましても、そういうものはできれば別々に使うという方向で今後進めたい、もちろん別の飛行場をつくるということになりますと、いろいろ経費もかかりますし、時日もかかります。ですから早急にということはなかなかむずかしいと思いますけれども、われわれとしてはそういう方向で、分離という方向で進めていきたい、かように考えます。
  103. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 たいへん明快な答弁をいただきましてけっこうでございます。ただ堀さん、問題になるのは、かりに、買収の折衝を進めていると、こういうお話がございましたね。その方向で指示したとしても、当初どういうことであったか、八年前には地主の了解を得てある、こういうことを言っている。一面今度は宮口義博という方ですけれども、その以外の人四十人の地主がいるわけです、長くきていますからね。縦に民有地が区画されていたやつを、飛行場が横にこう持っていったわけですから、小さいながらも四十人の地主が連なっておりますがね。したがって、買収がいま局長答えられたような方向に進んだとしても、かなりまた問題が起きるような気がしてならないわけです。ですからこれは現地に皆さんのほうの連絡機関もありますから、そうしたところに指示をして、十分、先ほどの荒舩問題じゃないけれども、大阪拘置所のようなああいうあほうなことのないように、行政官なら行政官のように、十分筋を通して、こういう農民の諸君と十分に話をして、ごたごたのないように作業を進めたほうがいいのではないかという気がするので、老婆心ながら申し上げておきたいと思う。
  104. 堀武夫

    説明員(堀武夫君) この丘珠の飛行場は、御承知のとおり防衛庁の管理をしている空港でありますので、ただいまの先生のような御意見を防衛庁のほうにも私のほうから伝えまして、できるだけ早く、いま申しました線に沿って進むようにいたしたいと思います。
  105. 江藤智

    委員長江藤智君) 次回は十月十一日午前十時より開会いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時三十八分散会