○荒木
委員 私はお許しを得まして約三十分ばかり質問をさしていただきたいと思います。
お尋ね申し上げる
事柄はILO条約の発効並びにそれに関連します国内法の実施段階に入りましたので、そのことに関して総務
長官、
人事院総裁、自治大臣、文部大臣等に
お尋ねを申し上げたいと思います。
まる一年前の
国会におきまして、御案内のとおり、
政府与党の申し合わせによりまして
国会の審議が順調に運びまして、条約の
承認案件とともに
関係国内法が実質的には原案どおり衆参両院を完全に通過いたしましたことを御同慶に存ずるものであります。しかしながら、この与野党の協定に基づきまして、いわゆるたな上げ条項が同時に設置せられました公務員制度審議会の議に付せられる、その結論を尊重するという線につながりまして、まる一年後の先月の条約発効日にようやく
国会の議決にほぼ近いところのものが国内法の実施となり、条約と歩調をそろえることができましたことで最終的なけりがついたものと思うのであります。その
意味において、その間における衆議院、参議院の
議長はじめ与野党の方々、さらには
政府関係者等のまる一年間における御
協力に対して深く敬意を表するものであります。この
意味において、初めて数年来の懸案であったILO八十七号条約の実施が
佐藤内閣によってようやく
解決を見たということが言えると思うのであります。
しかしながら、最近マスコミ方面におきましても、このことに関連をしていろいろな批判がございますことは御
承知のとおりであります。それは、いやしくも国権の最高機関の衆参両院を通過させながら、いわば国家意思は決定しておりながら、その中の一部を、内閣の一諮問機関でしかないところの公務員制度審議会の判断にゆだねる、そうしてたな上げしたまま、その結論を尊重して実施するということになったのは、いわば国権の最高機関としての自信のなさというのか、みずからの権威を低めることになりはしないかという疑問を投げかける向きがあるようであります。私もその
考え方に、あと知恵ではございますが、考えさせられる者の一人であります。今後につきましては、
国会の審議を通じての国権の最高機関の権威を保持するためには、むろん
政治は妥協であることは万々
承知をいたしますけれ
ども、おのずからそこに限度があるんじゃなかろうか、みずから
国会の構成員の一人として反省しておるような次第であります。それらのことは私一個の考えでございまして、これに関して
政府側の御答弁を求める考えはございません。
さっそく
お尋ねに移りたいと思いますが、わずかの時間でございますので朗読調で
お尋ねを申し上げます。なるべく簡潔に結論だけをお答え願いたいと存ずるのであります。
まず総務
長官にお伺いしたいわけでございますが、いまも申し上げましたとおり、去る六月十四日、ILO八十七号条約が発効して、同時に
関係国内法が施行され、多年の懸案であったILO案件はついに
解決を見ましたが、この際
政府は、公務員等の公共部門の労働
関係に対して、どんなふうな基本的態度で臨もうとしておられるのか、その御見解を伺いたいと思います。