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田中(織)
委員 実は上村管
理課長のこの前の答弁では、「場所は古野熊野国立公園中の特別地域でございます。」ということを冒頭に述べられておるわけです。弁天島の
関係、したがってそれは遁辞だといわざるを得ないと思います。実は現在まで若干——私は坪数はよくわかりませんけれ
ども、網干し場は名目で、埋め立てた部分があるのです。海岸の道路に沿うて、そこから外にある。それをさらに広げるという形にはなっているけれ
ども、現在でもそれは綱干し場には使っていないのですよ。このごろ勝浦湾内も沿岸漁業というようなものはほとんどありませんし、最近の新しい化繊の網というものは、むしろ水気があればあるほどいいので、化繊は水を切って網を干すというような必要は、現在の沿岸漁業にはないのです。したがって、これは漁業組合で申請をする
関係から見て、網干し場という理屈をつけなければならぬけれ
ども、この勝浦の漁業協同組合には、脱在一億二千万円の赤字、借金あるのですよ。しかも網干し場としてはもう必要はない。現在あるもので、網干し場にはいわゆる渋をたくための——昔の糸の網というものは渋をたくのです。その渋をたくところの小屋もありますけれ
ども、現在は子供の好球場になっておるのです。ところがこの間、和歌山県知事がそこへ
視察に来るときに、ぽろぽろになっている網をわざわざ引き出して、干しているようなかっこうをつけて、こんなもの何で出してきたのか、きょうは知事が来るからかっこうだけしなければいかぬと、そこの漁業組合の諸君が言っているのです。これは工事費は約八千万円です。そのうちで漁業組合の負担が三千万円ですけれ
ども、現在やはり一億二千万円からの赤字をかかえておるのですから、漁業組合が負担するものについては、これは地元の多分紀陽銀行ではないかと思うのですが、そういうところから融貧を受けなければならぬ。
あと五千万円は国と児から補助金を出すのですけれ
ども、これは網干し場ではなしに、海岸を域め立てて、そこに旅館なとを建てるものとして、あるいはそういう裏契約かすでにあるかもしれないというようなことが、
現地では取りざたされているのです。そこでいま国立公園局、厚生省の担当者が言われるように、この水面が国立公園の特別地域に入っていないのだとすれば、あなた
たちが、いわゆる自然公園法に基づいて水面埋め立ての許可を出されるということ自体が、権限のない地区にやるような形になるわけです。しかも埋め立てを申請するというここであなた
たちがよろしいという許可をするならば、工作物の新築について許可をするというようなあいまいな許可をすること、申請の
目的の網干し場以外にこれを使わせない、たとえば制限登記をするというようなこともあります。そういう
方法はあると思うのですけれ
ども、これについては私は具体的に名前は申しませんけれ
ども、やはりある政治家が動いているのです。こういうような形で、
現地の反撃が非常に強くなっているので、おそらくその動いた人も現在は後悔されているのじゃないかと思うのでありますけれ
ども、これではいわゆる那智勝浦の国立公園としての意義が死んでしまうのです。それから現在、国立公園局におられた方で、和歌山県の港湾課か何かへ担当者として行かれている方があるそうですが、実はその人が私が取り上げた問題から——あそこにたしか玉ノ井ですか、旅館があるのです。現在ある網干し場から玉ノ井まで白いペンキでしるしをつけているそうです。その線までの埋め立てはやむを得ないということで、和歌山の行政監察局と厚生省の公園局の担当者とが立ち会って引いた線があるそうです。ところが今度厚生省が認可になったものは、弁天島の中間ぐらいまでいくところの相当広大な埋め立てになっているのです。その中には島嶼もありますし、それから埋め立て地の中には約七百坪の、これは登記されているのですけれ
ども、それも埋め立て地の名目の中に入っている。実はそれを専用使用したいという願いを県へ出したところが、これは官有地だからということで県が不許可をした書類をある人か持っているのです。ところがこれも今度厚生省のほうへ申請した埋め立て地域の中に含まして申請するというような
関係で、景勝の地ですから、海岸は土地はあまりないのです。それだからそれを新たに造成するというような
関係について、これはたとえば地方当局というようなものは、景勝を損なわない形で、県などとの
関係で十分やるということならなんですけれ
ども、だれか思いついた者が営利を
目的にやるというような形では、これはもう
法律あること自体か意味をなさないというようなことになるので、特にこの漁業埋め立て、網干し場として埋め立てている
関係についても、公園局のほうでさらに
現地をお調べになって処置していただかなければなりませんし、それからこの前管
理課長が私に約束をした、
先ほど刑事局に対して私が伺った部分については、現在道路もつけられないし処分もできないような状態にあるわけでありますから、それらの問題についても公園局としてお調べにならなければならぬ。何でも聞けば、和歌山県の土木部の港湾課に厚生省の公園局から、
現地を担当されてこられた係官が現在出向しておるということで、名前は私は聞いておりませんけれ
ども、それがいつの間にか線がふくれてしまうというような形になっている。この点もひとつ
国会での答弁でなにされるだけではなしに、
現地にとっては非常に重大な問題になっておりますので、ひとつ担当者を派遣して調べていただきたいと思う。
それからもう一点、ちょうど警察庁の刑事局長もお見えになっておられますから申し上げますが、やはり県の
関係でそういうものをやるものですから、那智勝浦の町長が、やはり町有地約千三百坪について町議会の承認も何も経ないで、南紀開発という会社へ町長が売り渡している。現在すでにその会社の名義になっております。町議会の承認も何もありませんから、町議会で問題になってきて、
あとで町議会がそれを一たんは戻したような形で、地籍の訂正だとかなんだとかいう手の込んだ細工をやっておるようでありますが、それを町民が聞いて現在問題にしておるのですが、この点についても和歌山県警の本部長あてに告発状が出ています。最近告発状が出てから、町
会議員の一人が三千五百万円ばかりのうちで一千万円だけ先付け小切手で先月の二十六日に町へ納めたということになっておるようでございます。これも告発をされて、新宮署ですでに告発人からは供述調書な
どもとっているようでありますけれ
ども、町長の
責任問題だということで町民大会や何か開かれているが、警察が握っているというわけではないだろうと思います。告発が出て騒ぎ立ててから一千万円だけは納まっておるようでありますけれ
ども、やはりこの海岸地帯で問題の土地の一角であります。これは新宮署の所管でありますけれ
ども、新宮市ではなくて隣接した町でございますが、実はこの弁天島も南紀開発へ売り渡す計画で町長がいろいろ細工をしている。元県
会議員で私もよく知っておりますけれ
ども、何かの
考え違いからそういうことになったのではないかと思うのですが、こういう自然公園の重要な地帯に、一連のそういう問題が起こってきている点は、私非常に遺憾だと思いますので、ひとつこの点も徹底的にお取り調べを願いたいということだけ申し上げて、その調べの結果も
あとでまた別の機会に伺うことにいたします。