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後藤説明員 お尋ねの
静岡相互銀行の件でございますが、これは
沼津市にその
本店があるわけでございます。そして
各地に
支店があるわけでございますが、いま
お尋ねの件は、
本店及び
各地の
支店におきましてそれぞれ
事案が起こっておるわけでございます。
その発端は、その遠因は、この
組合の従来ありました
労働組合から
脱退しました
人々が、ことしの五月二十一日に至りまして新しい
労働組合を結成したようでございます。これに関連しまして、それぞれ、あるいは
銀行側のほうに、新しい
組合を結成せしめるというための何らかの
働きかげをしたのではないかというようなことで、
銀行側にその釈明を求めるというようなこととか、あるいは新しく
労働組合を結成した
人々に対して、これを
脱退して
もとの
労働組合に戻るようにというような
働きかげをやっておるようでございます。これに関連しまして、
警察官が
出動したり、あるいは
出動する以前に
電話がかかってきて待機するというような、そういう
事案が起こっておるのであります。
まず一番初めには、ことしの三月の十一日に、これは旧労から
——いわゆる新労、旧労と申しますか、この
組合から
脱退を申し出た人がございまして、この人に対して
外出先で、これを撤回して
脱退をやめてくれという
意味の
説得をしたようでございますが、この
説得の程度が強かったためでしょうか、その人はそれを振り切って、まあ端的に申しますと逃げたような
かっこうでございます。これが
警察署の中にまで入ってきたというようなことで、そういう
事件がございました。これは後日このことが
警察のほうに
知らせがありましたので、これはつきまとったということで軽犯罪の容疑がございますから、これにつきましては
捜査をいたしたわけでございます。ただ、しかし
被害者においてそれほど
被害意識が強くございませんので、それは打ち切ったのでございます。
次は、五月二十日でございます。これは
夜間に旧労の
組合員が
吉原支店の中で、約四十枚ばかりの
ビラを
店内に張ったという
事案がございました。申しおくれましたが、一番最初に、三月十一日の
事件と申しますのは、これは
掛川支店でございます。今度の五月二十日は
吉原支店でございますが、これにつきましては
銀行側から
知らせがありましたので、
所轄の
吉原警察署から
係官が四名ばかり参りまして、そして
写真をとったり
実況検分をいたしておるのでございますが、これまた
被害者側と申しますか、
銀行管理者側のほうでそれほど強い処罰の意思を表明しない
状態でありましたので、これもそのままで
捜査を打ち切っておるのでございます。
それから次は五月の二十四日でございます。これは
浜松支店でございます。この
浜松支店におきましては、やはり五月二十四日の
夜間でございますが、
松浜支店の
店内に、第二
組合即時解散といったような
ビラを約六十枚貼付したという
事案がございました。これは翌日、
浜松の
中央警察署から係員が出まして、そして
写真をとり、
実況検分を行なっておるのでありますが、
管理者側の態度が
吉原支店と同様な
状況でございましたので、これまた
捜査を打ち切っております。
次は、六月十日でありますが、これは
静岡支店でございますが、旧労の
組合員が約三十名ばかり
支店長室に入りまして、第二
組合結成について謝罪しろということで
詰問したようでございます。それからさらに引き競いて、
支店次長に対して数名の旧
労員が、なぜ第二
組合に入るように
説得したのかというようなことで
詰問をしておるのでございますが、これは
退去要求に応じないということで
警察のほうに
出動要請があり、これは一一〇番で届け出があったわけでございますが、これは
所轄の
静岡中央警察署から
係官が
出動いたしまして、
現場に到着しましたところが、すでに旧
労員が引き揚げたあとでございました。これは
事情を聴取して、
捜査は一応打ち切った
かっこうになっております。
それから六月十一日、これは
静岡支店でございますが、旧
労員約五十名が
支店長のところに参りまして、第二
組合になぜ入るように
説得したのかということで
詰問をしております。これに対しましても、前の件と同様に
出動の
要請が一一〇番でございましたので、
所轄の
静岡中央警察署から
警察官が
出動いたしまして
現場に到着しましたところが、これは
前回と違いまして、
警察官が
出動しました
時点においても
現場に滞留しておりました。そしてまた
支店長が
退去要求をしておるのにかかわらずそこにおるということで、その
状況を
証拠保全という
意味で
写真撮影をし、録音をとり、そしてさらに
退去要求が出ておるということで、
警察からも
退去の警告を発しました。それに応じて旧労の
組合員は
退去をしております。
それからその次は六月三十日、これは
沼津の
本店でございます。これはやはり旧労の
組合員が
沼津本店の
総務部長に対しまして、第二
組合の問題につきまして
抗議をしたのでございますが、これは
総務部長の
退去要求に従って
退去しております。このときも一一〇番で
警察のほうに
出動要請があり、
所轄の
沼津警察署では
係官を
出動せしめておりますが、
現場に到着しました
時点にはすでに
退去した後でございましたので、これまた
管理者側から
事情を聴取するということで、この日の
事案の
処理は終わっております。
それから七月の六日でございます。これは
沼津の
本店でございますが、
管理者側から
就業規則違反ということで、これは
前回にも
処分の
発表があったようでございますが、この日にも
発表があったようでございます。これに対しまして、旧
労員が約四十名ばかり
総務部長に対しまして、
処分の
理由を明らかにせよというようなことで詰め寄ったということで、これはやはり
警察に対して
出動要請がございまして、
所轄の
沼津警察署におきましては
係官を
現場に派遣しております。それで、この
時点にはまだ
退去せずに旧労の
組合員がおりまして、
警察はなぜ来たんだというようなことで気勢をあげておったようでございますが、間もなく
退去をいたしております。このようなぐあいに、合計いたしますと前後七回にわたりまして
警察のほうで
現場に
係官をそれぞれ派遣をしまして、
状況の視察ないしは
現場措置をしたという
事案が発生いたしておるのでございます。
冒頭に
お話しでございますが、こういう
組合の
労働争議に関連します問題につきましては、申し上げるまでもなく
警察はいずれの側に立つものでもございませんし、厳正公平な
立場で
事案の
処理をいたさなければならぬことは当然でございます。ただ
労働争議に随伴いたしまして、正当な範囲を逸脱いたしまして
諸般の
不法行為が行なわれるという場合におきましては、
犯罪捜査の
責務を持っております
警察といたしましては、当然
責務上これらの
捜査に当たらなければならぬわけでございますし、また生命、身体、財産の
保護という義務も持っておりますので、それぞれ防犯的な
立場から
諸般の
活動を行なうことは、これまた
責務上当然のことでございますので、いずれの側に立つというようなことでなくて、公平な
立場から、不法な
行為がある場合にはそれぞれ
法規にのっとりまして職責の
遂行に当たる、こういう
立場を堅持しておるのでございます。