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坂本委員 いや、いま局長の申されたように、私は警察のほうはそうだろうというふうにも思うわけですが、しかし、岩井町のほうではやはり非常に疑っておるわけですね。だから
昭和四十年度の警察
関係の予算として岩井町から出ているのは警察後援会費が七十五万、それから猫実駐在所建築負担金が三十一万円、各駐在所修繕代が百七十七万円、合計二百八十三万円出ているわけですね。そこでやはり私たち法務
委員会もぜひ明らかにしておきたいのは、この吉原町長は、おれは警察なんか手玉にとって、言うとおりになるのだ、
選挙違反を起こしても
調べもしきらぬ、検挙もするじゃない、隠し契約書をやって、そうして
先ほどの
調査によると、町から金が出ておるわけですね。領収書は聯合紙器の領収書で、町の会計から金が出ておる。聯合紙器からは出ていない。契約書には聯合紙器が出すような契約ができておる。そうしてこの吉原町長はその聯合紙器から毎月五万円からの顧問料をとっておる。そういうようなことがあるものですから、町長が町民のために、ほらをふいておるかどうか知りませんけれ
ども、実際こういうものが出ておるわけです。だから背任なんて一部の町
会議員が
告発しても、何も警察は
調べたっておざなりの
調べだというようなことで、
捜査が長引いたものですから、われわれも社会党の弾圧対策
委員会で
調査に行ったわけなんです。ですから、それかといって、警察は、寄付はもらっても犯罪の
捜査は堂々とやってもらわなければならぬ。しかし、この吉原町長の
告発事件については大いに疑いがあるわけなんです。というのが、この町長は今度五選ですから、全部で二十年つとめたのです。そうすると、終戦後ほとんど町長をやっておる。そうしますと、とかくの比判がありました警察後援会当時からやはり寄付をしておるわけです。後援会で非常な全国的な批判がありましたのは、いわゆる終戦成金とか
——やはり犯罪すれすれとか、あるいは犯罪まで犯しても金をうんともうけたやつがおるのです。その利益金のある一部を警察後援会その他へ寄付して難を免れておる者がたくさんおるわけですね。それが終戦当時から十数年は非常に多かった。現在は警察
制度も充実してきて
——ほかの
制度も全部充実してきたわけで、やはり合理的な国の予算だけでも足らぬから、自治体にも寄付を合法的に、そうして市議会あるいは町村議会の
議決を経て会費を出す、こういうことが行なわれておるのですが、その前は、終戦当時の
昭和二十年から三十年当時までは、これはわれわれの狭い範囲でも東京とかあるいは自分の
関係している県だけでも、終戦後あれだけ金をもうけておる、そうして後援会といって、その一部の金を寄付をしてまかり通った時代があったものですから、この吉原町長はその時代からずっと町長を二十何年やっておるわけですから、やはり豪語するのもそうじゃないかと思われる。豪語するならば、その裏にはやはりそういうような悪いことをする、悪いことをして、
相当のあれをやっておるそうですが、そういうことをやってきているのではないか、その氷山の一角がこの聯合紙器の水利の問題でここに暴露されたのではないか、こういうふうに考えるものですから、警察のためにも、それから町民のためにもこれを明らかにしておくのが至当じゃないかと考えるのが第一であるし、第二には、やはりそういうことをやりかねない。だから今度の
告発の背任の問題についても、これはもう警察から
検察庁に行っております。さらに
選挙違反の問題も清酒四千本、そのうちでも八百本というのはもう警察の
調べでもわかっておりますから、
書類が
検察庁に送検されたということになれば、それだけでもこういう、不都合な町長はやはり強制
捜査に移ってもらって、そうして徹底的に
調査をしていただいたのが、今後全日本に対するところの、権力機関に対する迎合的な、また自分の不正を隠蔽しようとするようなやからの撲滅をはかる、それに貢献するのじゃないか、こういう
意味が第二にあるわけです。
そこで、この吉原町長としては、この際徹底的に
捜査をしておいてもらいたい。ちょうど東京都においても、やはり警視庁は、有力な方とか前警視総監をしていた方の
選挙違反等が起こっても、それがなかなかできなかった。しかしながら、やはは
検察庁は
検察庁だけあって、公平な
捜査を始められて、自民党の都
会議員が十八名も逮捕されて、いま
起訴されて
裁判中である。ですから、これは全国的にも東京都は唯一のものであるからというので、法律の改正等もありまして、都議会が解散をされて、そうして
選挙が行なわれて、今度は都知事の来年の
選挙を控えての問題も起こっておるわけですが、これがやはり世論に訴えてやるところに
——それは自民党が勝つか、社会党が勝つか、また公明党が伸びるというような変化はありましても、やはりこれは非常に都政の郭清にはなっているとわれわれは思うわけです。この岩井町もやはりまさに東京都の小型版じゃないかと思うのです。その
内容においては、またその悪質な点においては、東京都以上の問題があるのじゃないか、こういうふうに考えられる問題が起きているわけですから、徹底的に
検察庁のほうで
——先ほど聞きますと、下妻支部の
検事は一名であるから、本部のほうからいま応援を出して
調査中だ、ぜひとも八月中に
結論を出すというふうに
調べてありますから、これこそ
小林章氏の
選挙違反の問題等々に比べましても、また金額等は少なくても、背任の問題、
選挙違反の問題について、やはり同じような悪質な問題であるから、これはひとつ徹底的に
捜査をしていただきたい。これが町民の方々の要望であるし、また
国民の代表としての法務
委員会の要望でもあるわけでありますから、ぜひひとつそれをやっていただきたい。
警察後援会の問題についても大体その
内容が明らかになりましたが、もちろん警察のほうとしては、この犯罪の
捜査については決して左右されるものじゃない、そうおっしゃったけれ
ども、遺憾ながらこれには、われわれが考えてやはり手ぬるい点が十分あったのじゃないかと思うのですね。ですから、ひとつこの点は
検察庁のほうで徹底的に糾明してもらいたいと思うのですが。この点についての警察、
検察庁のお覚悟、方針等をひとつ承っておきたいと思います。