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1966-11-25 第52回国会 衆議院 地方行政委員会交通安全対策に関する小委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年十一月二十五日(金曜日)    午前十一時十九分開議  出席小委員    小委員長 亀山 孝一君       渡海元三郎君    森下 元晴君       秋山 徳雄君    門司  亮君  小委員外出席者         総理府事務官         (内閣総理大臣         官房陸上交通安         全調査室長)  宮崎 清文君         警  視  監         (警察庁交通局         長)      鈴木 光一君         警  視  長         (警察庁交通局         交通企画課長) 片岡  誠君         運 輸 技 官         (鉄道監督局民         営鉄道部土木課         長)      吉橋三七郎君         運輸事務官         (自動車局長) 原山 亮三君         運 輸 技 官         (自動車局整備         部長)     堀山  健君         運 輸 技 官         (自動車局整備         部車両課長)  隅田  豊君         労働基準監督官         (労働基準局監         督課長)    藤繩 正勝君         建 設 技 官         (道路局長)  蓑輪健二郎君         建設事務官         (道路局路政課         長)      国塚 武平君         自治事務官         (財政局交付税         課長)     横手  正君         専  門  員 越村安太郎君     ————————————— 十一月二十五日  小委員登坂重次郎君同日小委員辞任につき、そ  の補欠として渡海元三郎君が委員長指名で小  委員に選任された。 同日  小委員渡海元三郎君同日小委員辞任につき、そ  の補欠として登坂重次郎君が委員長指名で小  委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  交通安全対策に関する件      ————◇—————
  2. 亀山孝一

    亀山委員長 それでは、これから地方行政委員会交通安全対策に関する小委員会を開会いたします。  交通安全対策に関する件について調査を進めます。  この際、去る二十一日、交通対策本部で決定いたしました交通対策強化に関する当面の方針について説明を求めます。宮崎交通安全調査室長
  3. 宮崎清文

    宮崎説明員 お手元にお配りいたしました資料につきまして、簡単に御説明申し上げます。  交通安全施策につきましては、かねてからこの小委員会でも熱心に御議論いただきまして、貴重な御意見を数々いただいているわけでございます。また、現在開かれております交通安全国民会議、これは御承知と思いますが、五つのグループ別会議に分かれまして、それぞれのグループ別会議はすでに終了いたし、本日の午後二時から、総理出席のもとに、全体会議を開く予定になっておりますが、この交通安全国民会議グループ別会議におきましても、民間方々から数多くの貴重な御意見が寄せられたわけでございます。これらの御意見の中で、政府といたしましてもかねてからこういうことは早急にすべきではないかと考えておった点が多々ございまして、これらの点につきまして去る十一月の十五日交通関係閣僚協議会を開催いたしまして、その大綱につきましておきめ願いました。その後事務的に整備いたしましてお手元にお配りいたしました「交通安全施策強化に関する当面の方針」を去る十一月の二十一日交通対策本部で決定いたした次第でございます。  以下、これを読み上げまして簡単に御説明申し上げます。  なお、本日は各省庁も来ておりますので、こまかい点につきましてはあるいは各省庁から補足的に御説明があろうかと思います。  交通安全施策強化に関する当面の方針昭和四十一年十一月二十一日、交通対策本部決定。   激増する交通事故の現況にかんがみ、当面次に掲げる諸施策実施を図るものとする。  1 交通安全施設等整備   (1)交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法に基づく交通安全施設等整備事業三箇年計画については、昭和四十二年度中に、とくに横断歩道橋歩道、防護さく、待避所等歩行者保護施設を重点的に整備することとして、この計画による事業実施を促進すること  御承知のように、本年の通常国会交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法が成立いたしまして、これに基づきます交通安全施設等整備事業三カ年計画はすでに去る七月の十五日に閣議で決定いたしております。自来この閣議決定に基づきまして関係省庁が鋭意交通安全施設整備につとめていたわけでございますが、当初の計画といたしましては総額約本旦三億を見込んでありまして、そのうち本年が百九億、それから昭和四十二年度におきましては約百七十億、昭和四十三年度におきまして残りの三百二十億余りを投じて整備五号(閉会中審査)いたす予定になっておりましたわけでございますが、御承知のような最近の交通事故状況にかんがみまして、特にここに掲げてございます横断歩道橋歩道、防護さく、待避所等歩行者保護施設昭和四十二年度に重点的に整備実施する、こういうことにいたしたわけでございます。この点につきましては、詳細は後ほどまた建設省から補足的な御説明をお願いいたしたいと思います。   (2)踏切道改良促進法に基づく踏切道立体交差化構造改良及び保安設備整備等を促進すること  踏切道改良促進法という法律がございまして、これによりまして指定された個所の踏切につきまして、その保安施設強化するとかあるいは立体交差をはかるということに相なっておるわけでございますが、この法律は御案内のように、ことしの通常国会におきましてその期間が五カ年延長されまして、昭和四十六年三月末までこれを実施することにいたした次第でございます。この法律に基づきまして今後も極力踏切道立体交差化構造改良保安設備整備をはかるということでございます。  なお、国鉄につきましては、すでに相当額予算を来年度計上することにいたしております。  施設関係につきましては開銀の融資の問題がございますが、この点につきましては事務的にまだ多少調整のついてない分もございます。しかしながら、いずれにいたしましても今後の方向といたしましては、ここに書いてありますようなことを強力に推進いたしたい、こういうことでございます。  2 安全運転確保   (1)道路交通法第八十五条第五項の政令で定める大型自動車とその他の大型自動車との運転資格上の区別を廃止し、年令が二十一才以上であり、かつ、運転経験期間自動二輪車及び原動機付自転車を除く自動車等運転経験期間をいう。)が二年以上の者でなければ大型自動車免許運転免許試験を受けることができないこととすること  御承知のように、現在におきましては大型免許は十八歳で受験資格がございます。しかしながら大型のうちでも車の総重量が十一トン以上、または積載量が六・五トン以上の非常に大きな自動車、または乗用車定員が三十人以上のいわゆるバス、それからいわゆるコンクリートミキサーとかダンプカーといわれますもの、また火薬を積んでおりますもの、これらの車につきましては年齢が二十一歳以上、それから運転経験が二年以上でなければ運転できないことになっております。しかしながら最近におきます交通事故状況にかんがみまして、何と申しましても大型トラックによる事故が多うございます。また一たん事故が起こりました場合には被害も非常に大きいというところから、大型自動車全般につきまして、先ほど申し上げました特定の政令で定められております大型自動車と同じように運転資格年齢を二十一歳に引き上げ、かつ二年間の経験年数がなければ運転免許試験を受けることができない、こういうことにいたそうということでございます。これは道路交通法改正を必要といたしますので、目下のところ、来たる通常国会に提案する予定でございます。   (2)運転免許申請及び運転免許証更新申請については、精神病者等であるかないかに関する医師診断書申請書に添付させることとすること  この問題も、御承知のように自来精神病者を的確に判定いたしまして、これをすみやかに排除するということが試験段階実施すること、これがなかなか困難でございます。もちろんその方法等につきましては、医学的にもいろいろ検討を進めておりまして、ある程度の成果を得ているわけでございますが、残念ながらまだすぐ実施するという域に達しておりません。したがいましてそれまでの間、精神病者があやまって免許試験に合格いたしまして、これに免許を与えるということを防止いたしますために、運転免許申請または更新の際に、精神病者であるかないかということの医師診断書を添付させて、これによってチェックしよう、こういうことでございます。これは現在のところ法律改正は必要としないという考えでございます。政令以下の段階でこれを措置することができるであろうということでございます。   (3)指定自動教習所道路上における運転教習実施させるようにする等安全運転に必要な知識及び技能に関する指定自動車教習所における教習内容充実強化を図ること  この小委員会におきましても、指定自動車教習所教習内容につきましてはいろいろ御指摘がございました。政府側といたしましても、現在の指定自動車教習所におきます教習が必ずしも万全のものであるとは考えておりません。したがいまして、たとえば路上における実地訓練を事前に運転者に施すことによって実際の交通に適応する運転技術を身につけさせるとか、その他従来やや欠けておると思われました安全運転に関する必要な知識技能等を十分に教えるようにいたしたい、こういうことでございます。この点につきましても法律改正は必要といたしませんで、政令以下の改正で適当であろうと思われます。   (4)自動車運転者に対しては、運転免許証更新の際に、安全運転に必要な知識道路交通法令改正点その他交通安全に必要な事項に関する講習実施されるよう必要な措置を講ずること  現在のところ運転免許証更新は三年に一回ということになっておりまして、その際に適性検査と申しまして、簡単に目その他の身体的な適性を検査することになっております。しかしながら、この点につきましても、もっとこの際に徹底的に講習を行なって再教育をすべきではないかという御意見も非常に強うございまして、この点を参酌いたしまして、今後は運転免許証更新の際には、ここに書いてございますような必要な講習実施されるように措置すべきである。この点につきましては、場合によりましては道路交通法改正が必要であろうかと存じます。   (5)大型貨物自動車には、運行語録計及び速度警報装置を取り付けさせることとすること  これも従来懸案になっておりました問題でありまして、こういう時期でございますので、この際方針としてこれをはっきり掲げたということでございます。もちろん考え方はいろいろございますが、さしあたりましては大型トラック運行記録計及び速度警報装置をそれぞれ取り付ける。将来はこれをまたどの車にも及ぼすこともあろうかと思いますが、逐次やっていきたい。これは実はタコメーターにつきましては、タコメーターの生産の問題とも関連しておりますので、一応段階的にいたしたいということでございます。この点につきましては、道路運送法または道路運送車両法及び道路交通法改正が必要であろうと考えております。   (6)民間の有識者を自動車労務改善推進員として委嘱し、自動車運転者労務管理改善を強力に推進すること  これは労働省のほうにおきまして、来たる十二月一日からスタートするということになっております。   (7)労働基準法規定違反して重大な交通事故を発生させた事業場に対する労働基準監督機関による監督強化する等により労働基準法励行確保を図ること  これは申すまでもないことでございますが、今後さらに一そうこれを強化いたしたいということでございまして、この(6)、(7)はいずれも法令改正を必要といたしておりません。  3 交通秩序の確立   (1)業務過失致死傷罪及び重過失致死傷罪に対する罰則強化目的とする刑法の一部を改正する法律案の実現を図ること  現在、自動車運転者交通事故を起こしました場合には、大部分刑法二百十一条に基づく業務過失致死傷罪または重過失致死傷罪に該当することになるわけでございますが、この罰則が御承知のように現行法におきましては三年以下の禁錮または千円以下の罰金と相なっております。やはり交通安全につきましては、いろいろの施策を講ずるとともに、特に悪質な運転者に対する罰則強化すべきであろうというところから、刑法の二百十一条を改定いたしまして、三年以下の禁錮を五年以下の禁錮もしくは懲役に法定刑を引き上げるということでございます。この改正案はすでに二回国会に提出されておりまして、目下継続審議中でございます。   (2)酒酔い運転、無免許運転等道路交通法違反する悪質な運転を行ない交通事故を起こして人を死傷させた者について、すみやかにその運転免許効力停止することを目的とする運転免許効力の仮停止制度を設けるとともに、仮停止後の行政処分迅速処理を図ること  現在、非常に悪質な交通違反を起こしました者につきましては、おおむね九十日以上の運転免許停止または運転免許取り消し処分に該当すると思われます。しかしながら九十日以上の運転免許停止または運転免許取り消しをいたします場合には、公安委員会聴聞手続を経なければならないということに相なっております。そのため、いかにいたしましても必要限度十日ほどはかかる。実際には一カ月ぐらいかかっているのが実情でございます。そういたしますと、昨日重大な事故を起こして人をひいた運転者が翌日まだ運転できるということにも相なりまして、これは市民感情にも合致しないのじゃないか、また非常に危険も大きいのじゃないか、こういう観点から従来しばしば御批判がございましたが、この際方針といたしましては、当然九十日以上の停止であるとか免許取り消しになるであろうと思われます悪質な違反を犯した者につきましては、極端に申しますと即日仮停止をいたしまして、その後すみやかに聴聞その他の手続を経まして、本来の処分に移していく、それによって将来の危険を防止いたしたい、こういうことでございます。これは当然に道路交通法改正を必要とするわけでございます。  なお、この点につきましては、筋といたしましては私たちもこういうようにすべきじゃないかと考えておりますが、法理論として多少の問題があろうかと思われます。   (3)道路運送法規定違反して自動車運送事業を経営する者に対する取締り強化すること  これは、いわゆる白トラ取り締まりでございます。白トラックが最近非常にばっこいたしておりまして、これらはまた監督も不十分なために事故を起こしやすい。この際、これは当然なことでございますが、白トラ取り締まりを厳重にいたしたいということでございます。  なお、この点につきましてはもちろん法令改正は何ら必要ではないわけでございますが、運輸省当局といたしましては、現在限られた人員予算ではなかなか手が回りかねるので、この点についての人員予算をぜひ獲得いたしたい、このように希望いたしております。  4 被害者救済対策強化   (1)早急に全国的な救急業務実施体制整備することを目標として、現在人口十万人以上で、かつ、人口集中地区人口合計五万人以上とされている救急業務実施すべき市町村範囲を拡大するとともに、救急自動車増強を図ること  現在消防法によりまして、人口十万以上で、かつ人口集中地区人口合計五万人以上の市町村消防法に基づきます救急業務実施すべき義務が課せられておるわけでございます。しかしながら最近の情勢にかんがみまして、これでは不十分でございまして、さらにこの救急業務実施すべき義務を課す市町村範囲を拡大すべきではないか。どこまで拡大するかということはまだ決定いたしておりませんが、大体一つの目安といたしましては、人口五万以上の市町村には少なくとも消防法上の救急業務を行なう義務を課すべきではないかということでございます。これをいたします場合には政令改正で済むと思われます。  なお、救急自動車につきましては、毎年国が補助金を出してその増血をはかっておりますので、今後もさらに飛躍的な救急自動車増強をはかろうというわけでございますが、この点は来年度の予算措置の問題でございます。   (2)人口百万人につき一箇所の脳神経外科を含む救急医療センター整備することを目標としてその整備を図ること、交通事故の多い中小都市救急医療施設機能強化を図るために必要な.医療機器共同利用を図る体制整備すること等救急医療体制充実強化を図ること  救急医療体制につきましては、この小委員会でも御指摘がございましたように、現在交通安全施策のうち、立ちおくれている一つの部門でございます。したがいまして、今後はこの救急医療体制整備につきましては、政府といたしまして格段の努力をいたしたいと考えているわけでございますが、さしあたり、これはいろいろ説がございますが、少なくとも人口百万人につき一カ所の救急医療センターが必要であるということは、現在やや通説となっております。日本の現在の人口は御承知のとおり約一億でございますので、それを逆算いたしますと、大体全国に百カ所こういうものが必要である、これをでき得れば五年ぐらいの間に緊急に整備をいたしたいということでございます。  それから、次に書いてございますことは、これは私たちサプライセンターと呼んでおりますが、主として開業医の方々脳神経外科に関する手術をいたします場合に、あらかじめその手術施設を自分で持っていることはなかなか困難である。そこで医師会その他の団体が共同購入をいたしまして、これを共同利用する、こういうサプライセンター全国に二百カ所ぐらいつくりたい、こういうことでございます。したがいまして、それに対する補助金を国が出そうということでございまして、この二つはいずれも来年度以降の予算の問題でございます。   (3)自動車損害賠償責任保険保険金額については、この保険契約者保険料負担を考慮しつつ大幅な引き上げを図るとともに、任意保険普及等自動車損害賠償責任保険保険金額をこえる損害賠償額の支払いに必要な資金を確保させるための措置強化を図ること  この点も従来しばしば議論になっておりまして、御説明するまでもございません。現在、死亡事故が百五十万、負傷事故が五十万となっております保険金額を、大幅に引き上げたいということでございます。ただ、その場合には、実際の保険契約者負担の問題もいろいろございますので、これらの点も考慮しつつ大幅に引き上げたい。どのくらいを目途にするかということにつきましては、まだ事務的に結論を得ておりません。ただ、一般的には少なくとも死亡の場合は三百万ぐらいには引き上げるべきではないかという議論が当面非常に強いようでございます。この点は直接には法律改正を必要といたしませんが、政令以下の改正を必要とするわけでございます。  それから、なおそれ以外に強制保険保険金が一千万円も出れば問題はないわけでございますが、なかなか簡単にはまいりませんので、その間やはり何と申しましても上積みいたしまして任意保険を大いに普及する必要があるのではないかと考えております。上積み分につきましては任意保険普及であるとか、あるいは一定の場合の損害賠償準備金積み立て制度というようなものも考えられていいのではないか。いろいろ問題がございます。こういうことでございます。   (4)交通事故に伴う損害賠償問題等に関し、交通事故被害者に対する交通相談活動及び訴訟援助活動充実強化を図ること  この点も最近非常に問題になっております。特に被害者関係方々からは非常に強い御要望が出ているわけであります。政府といたしましても、これは何らかの形で解決をしなければならないという見地から、現在予算要求として二つのことを考えております。一つは、実は総理府で考えたわけでございますが、全国の都道府県に交通事故相談所を設けまして、これが同時に各市町村にいろいろおります民生委員であるとか、あるいは人権擁護委員であるとか、いろいろの関係機関と緊密に連絡をとりまして交通事故相談を行なう、これに対して国が必要な補助または負担をするということでございます。  それから第二は、これは運輸省で考えていることで自動車損害賠償責任保険のうちの保障事業、つまりひき逃げをいたしました場合に、一定賦課金積み立てておりまして、ひき逃げに対して国が直接補償するという制度をとっておりますが、最近幸いなことにひき逃げが非常に減りまして、この賦課金積み立て余剰を生じております。大体三十億ぐらいだと思いましたが、その余剰金を使いまして特殊法人を設置いたしまして、これによりまして交通事故相談に関するいろいろな調査、研究をやらせる。場合によりましては、直接交通事故相談をやる。その他交通安全に関するいろいろの事業につきまして融資をする、こういうようなものを考えております。なお、この交通相談につきましては両者が一部重複する点もありますし、また関係省庁もいろいろ御意見がございますので、目下これを事務的に調整中でございます。いずれもこれは予算の問題でございます。  5 五その他   (1)道路法による車両制限については、その方法等について検討を加え、制限標識による通行制限違反した者に対し直ちに警察官による取締りができるよう法律改正して、規制の実効を確保すること及び必要に応じ一方通行措置強化すること  現在一定以上の車幅を持ちました自動車は、一定幅員以下の道路通行できないことになっております。つまり、大きな自動車は狭い道は通れない。これは道路法に基づきます車両制限令という政令によって定められているわけでございますが、この政令違反いたしました場合には特に罰則にかかるという仕組みになっておりません。道路管理者が必要な命令を下して、その命令にさらに違反した場合に初めて罰則がかかる、こういう仕組みになっておりますので、率直に申しまして、いま申し上げました車両制限令という規定励行が必ずしも十分じゃないという点があるわけでございます。この点を改めまして、内容等につきましては今後事務的に検討いたしますが、大体の方向といたしましては、車両制限令違反した場合には、直ちに罰則がかかって警察官取り締まりができる、こういう方向道路法改正をいたしたい、こういうことでございます。  次の一方通行は、これは実際上の問題でございまして、法令予算も必要といたしません。これを強化しようというものでございます。   (2)歩行者保護を徹底させるため、幅員六・五メートル未満で、歩車道区別がない学童幼児通学通園路住宅街道路等については、原則として、大型自動車及び大型特殊自動車通行の禁止又は制限を行なうとともに、幅員六・五メートル以上の道路についても、歩行者交通量が著しく多く、歩行者交通の安全を図るために必要があると認められる道路については同様とすること  この点につきましては、法令改正予算措置を必要といたしません。すでに一部においては警察において実施中でございます。今後もこれを強化して歩行者保護をはかりたい、こういうことでございます。   (3)学校における交通安全教育については、「交通安全指導の手びき」による実践、教職員の指導力の向上のための講習会等の開催などによりさらにこれを推進するとともに、国民一般に対する交通安全教育については、公民館等における社会教育諸活動を利用し、その徹底強化を図ること  これも従来いろいろ言われておりまして、当然でございますが、この際一段と強化いたしたい、こういうことでございます。  なお、ここに掲げております「交通安全指導の手びき」と申しますのは、学校の先生のための参考書でございます。これが大体今月から来月にかけてできますので、これを早急に各都道府県、市町村に配りまして、これによって学校の先生が一定の基準に基づき交通安全教育実施する、こういうことでございます。したがいまして、現在の段階におきましては、これは特に予算措置は必要ではございません。   (4)大型貨物自動車の安全性を向上させるため、所要のバンバーを取り付けさせる等車両構造の改善を図ること  これも大体ここに書いてあるようなことでございまして、特に御説明申し上げるほどのことはございません。   (5)自動車の安全性を向上させるための研究を強力に実施するとともに、その研究体制整備を図ること  これは(4)に関連いたしますが、自動車の安全性につきましては従来もいろいろ検討されておりましたが、最近アメリカでもいろいろこれが問題になっておりますように、今後非常に問題が大きくなろうと思われます。この際、通産省であるとか、運輸省であるとか、関係機関の研究所におきまして一そう強力に研究を推進するとともに、これらの関係機関相互の連絡調整をはかってその効果をあげたい、かようなことでございます。  以上簡単でございますが、当面の方針につきまして御説明申し上げました。なお御疑問の点がありましたら、関係省庁大体来ておりますので補足的に御説明をいたしていただきたいと思います。
  4. 亀山孝一

    亀山委員長 ありがとうございました。  何か建設省から補足説明ありますか。——それから運輸省からはどうですか。いまの宮崎室長が言われた自動車損害賠償の賦加金の余剰をもっての特殊法人、特に御説明なさいますか。非常におもしろい構想だが……。
  5. 原山亮三

    ○原山説明員 ただいまの宮崎さんの御説明で大体尽きていると思うのでありますが、現在自動車損害賠償保障法に基づきます強制保険がございますが、その中で、ひき逃げ等による被害者に対しましては保障勘定というものがございまして、保障勘定でもってひき逃げを受けた者に対して直接払う。それを支払った賠償金を加害者から求償する、こういう制度になっておりますが、その財源は、保険契約のときに賦加金を特別に取っておきまして、その賦加金収入でもって保障勘定を現在まかなっております。現在保障勘定のほうの収支が大体三十億以上黒になっております。この財源を、本来なら各加入者に対してそれをも分けるという考え方もあろうかと思いますけれども、これを一々分けましても、一人百円未満というふうな額にしかなりませんし、そういうふうにすることは手数もかかりますし、その金を有効に事故防止なり被害者の救済のほうに充てるほうが、資金の効率的な使用になるのじゃないか、こういうような考え方で、その三十億円のうち、今後保険金額の引き上げに伴う保障勘定の増というものを余分に取っておきまして、その取った残りをそういうように補償センターというものをつくりまして、そこに一部出資し、毎年補助金を交付するというふうな考え方でございます。  事業内容としましては、先ほどちょっとお話に出ました、このセンターが直接やる相談業務というものは比較的少なくしまして、現在交通安全協会なり法律扶助協会とか弁護士会とか、そういうところがいろいろとそういう被害者の相談に当たっておりますが、そういうふうなところに対してやはり充実さすという意味において補助金を交付する、あるいはまた脳波テストの設備を設けたいというふうな団体等がございましたら、そういうところに対しては補助を与えるとか、事故防止のための施設整備補助、こういうふうなこととか、あるいはまた事故防止、あるいは被害者救済のためのPR活動に対して助成する、こういうふうなことを事業内容とした特殊法人をつくりたいということで、現在大蔵省と折衝いたしております。  先ほど調査室長さんから総理府のほうとダブるということがございましたけれども、われわれとしては各県につくられることもけっこうだし、われわれとしては助成ということを主として考えておりますものですから、決してこれはダブるというふうなものではなくて、こういうふうな相談業務というものは多ければ多いほどいいんじゃないかというふうな考えを持っております。  大体われわれの補償センターの方針は以上でございます。
  6. 亀山孝一

    亀山委員長 おもしろい構想ですね。  では、これから質疑をどうぞ。門司君。
  7. 門司亮

    ○門司小委員 それでは一つだけ。あるいは二つ、三つになるかもしれませんが。いまの保険の問題ですが、この交通の問題でいま一指警察が困っておるという問題は、事故に対する損害、いわゆる人身傷害もそうでありますが、それ以外の障害について、たとえば車を非常にいためられた、そうしてそれの賠償がどちらかにきまる、ところがその話はきまったのだが、どうも修理をするお金などがなかなか払ってもらえないというような事件が各警察に持ち込まれておる。そうして民事のそういうものに対して、警察がどうも積極的に出るわけにいかない。しかし被害者のほうから考えれば、警察でそこまで仲裁をしたのだから何とか結末をつけてもらいたいということで、いろいろ議論がされておる。そうしてこれがうまくいかなければ、何か警察と加害者のほうが結託しておれのほうをやってくれないのじゃないかというひがみが出てきて、いたずらな抗争をしているところがたくさんある。これはどこの警察でもやっておるのだが、こういうものについて、保険制度をもっとはっきりさせて、そうしてそれらの損害については一応保険会社のほうで何でもすぐ片づけるというような方法はとれないものですか。何かそういう方法にでもしていただかないと、警察のほうは、現場の署長さんなんというものはいつも迷惑していると思うのですよ。私はたいしてむずかしい相談じゃないと思うのだが、強制保険にして、保険会社が損害を見て、そして適正な金額ですみやかにやってしまえば、いざこざも起こらぬから問題も早く片づく。そして損害金その他についてもそれが多かったとか少なかったとかいうようなこともなくなるのではないか。警察行政としては非常にやりいいと思うのですが、そういう点についてはどうお考えになっておりますか。
  8. 原山亮三

    ○原山説明員 自動車事故によりまして被害者がどこに相談に行っていいかわからぬ、しかもどういうふうな手続でやるかということもわからぬというようなことで、中間に悪質示談屋が入るというようなこともございますし、ただいまお話しの、保険金がなかなか早く出ないというような問題もございますが、こういうような問題については、御指摘ございましたので、保険会社のほうにもいろいろとお話しいたしまして、現在では最終的に額がきまらないでも、ある程度概算的に概算払いをする、仮払い金という制度もございますし、お説のような保険会社に全部やらすという問題につきましては、保険会社は何といいましても、もちろん被害者の救済という制度でございますけれども、保険金額というものはできるだけ多く出さないというふうな気持ちもございますし、死亡の場合は百五十万円というのは問題ございませんけれども、いまお話しのような場合、けがをしたような場合に、はたして将来幾らかかるかというような額については、最終的にはなかなかきまらないということでございますので、われわれとしては一応現在の制度としては概算払い、仮払い的な制度でもって、ただいまのようなお話を仲裁してまいりたい、こういうふうに考えております。
  9. 渡海元三郎

    ○渡海小委員 的はずれかもわかりませんけれども、関連して、その点でお聞きしたいのですが、現在個人賞業をやっておる者の家族労務者は、税法上専従者控除というのが二十四万円ですか、されておる。そうすると、負傷して休んだためにどれだけ被害をこうむったかとか、あるいは死んだ場合の何年間に対する補償というときの基礎が、税務署へ納めておるところの納税証明書によって、給与とか何とかがきまる。普通のサラリーマンでしたら、それだけの給与ですからはっきりしますけれども、家族従業者というものは税法上専従者控除というものによってやられておる。しかし実際上はそれよりもっと価値があるんだが、専従者控除の金額が少ないために、それだけしか評価してもらえぬ。その点で、税金で専従者控除の金額をもっと上げろという問題が出ておるのですが、それは税法上の金額で、実情に合ったものではない。ですから損害にやるときに、税法上と離れて、実際の現損害を算定してやるのがほんとうじゃないかと思うのですけれども、それに対する取り扱いについて、実際そんな取り扱いをしておられるのかどうか。それは単にそういうふうなことを利用する場合は利用するけれども、原則はそうじゃないんだという意味で、その指導をされるのが当然だろうと思うのですが、それをどういうふうにやっておられるのですか、一点ちょっとお願いしたい。
  10. 原山亮三

    ○原山説明員 それは私どもの所管ではございませんので……。
  11. 宮崎清文

    宮崎説明員 私もこまかい点はわかりかねますが、やはり運輸省保険金の査定の問題じゃないかというぐあいに理解いたしましたが……。
  12. 原山亮三

    ○原山説明員 保険の査定のほうは保険会社で査定事務所というふうな、保険会社の共同の中立的な査定の機関をつくりまして、そこでもって査定するというふうなかっこうになっていまして、運輸省の直接の所管ではございません。
  13. 渡海元三郎

    ○渡海小委員 そうだと思うのですが、実情はさっき言ったとおりらしいのです。だから、そういうふうな陳情が方向の違う税務のほうに出てきておるということが現状なんです。だからそういう指導は誤りなんです。専従者控除された金額がそれに合っておるというのならば別問題ですが、それはあくまでも税法上の問題であるから、実質損害というものを踏まえて査定されなければならないと指導されるのが当然であると思いますので、税法をそれに利用されて、それがそのまま形式的にいくのだというふうな査定のしかたは、事務的には合うかもしれませんが、実情に合わぬと思いますから、その点ひとつ調べてもらって、そういうふうなところがあるのでしたら、指導監督にあられる立場から是正を願いたい。希望だけ申し上げておきます。
  14. 宮崎清文

    宮崎説明員 ただいまの渡海先生の御指摘の点は、保険の料率算定の問題とも思われますので、大蔵省の所管ではなかろうかと思います。したがいまして早急に大蔵省と連絡をとりまして、御回答申し上げたいと思います。
  15. 亀山孝一

    亀山委員長 両方で相談してください。
  16. 宮崎清文

    宮崎説明員 料率算定の問題ですと、料率算定会が現実にいたしておりまして、その監督官庁は大蔵省でございます。
  17. 渡海元三郎

    ○渡海小委員 立ちましたついでにもう一言。これに当面の方針が書いてあるのですが、警察庁のほうで、処分の迅速化という問題から、いままで裁判所でやらなければならぬ事務を警察庁でやりたいという構想を、ある程度進めておられると聞いておるのですが、この方針をきめるときに、そういったことは問題にならなかったのかどうか、これの問題じゃないからとやめられたのか、その間のいきさつをひとつ……。
  18. 宮崎清文

    宮崎説明員 最初にこれを取りまとめました立場から簡単に御説明申し上げます。  御指摘の点は現在検討中であることは事実でございます。ただ、きょうここにお配りいたしました資料に掲げてありますことは、いずれも方針は確定いたしまして、あと事務的な詰めだけが残っておりまして、早晩、たとえば次の通常国会等に法律改正案を提案できるというものばかりでございます。御指摘の問題につきましては後刻警察庁から御説明があることと思いますが、まだ現在の時点でそこまで詰まっておりませんもので、一応これからは抜いてあります。
  19. 鈴木光一

    ○鈴木説明員 御質問の点は現在検討中でございますが、犯則行為に関する通告処分制度という仮称で、現在関係各省と連携をとりながら、検討中でございまして、この中には載せておりません。これは当面の方針ということで、あの制度につきましては相当いろいろな大きな問題がございまして、現在検討中であります。
  20. 渡海元三郎

    ○渡海小委員 検討中、けっこうでございますのですが、これは当面の方針ですけれども、次の通常国会にすでに提案予定のものもだいぶ含まれておりますので、これは予算措置等にも関連してくるのではないかと思いますので、やられるということになれば、現時点においてはある程度確定してもらわなければいけないことではないか、こう考えましたので、その点、次の通常国会に対する見通しをこの際伺いたい。
  21. 片岡誠

    ○片岡説明員 次の通常国会に提出する予定で現在作業を進めております。ただし、その実施の時期を四十三年の四月以降という大体考え方で作業を進めております。したがいまして四十二年度予算には関係がない。四十三年度以降の予算問題であるというふうに考えて作業を進めております。
  22. 渡海元三郎

    ○渡海小委員 それでは念を押しますが、法律は次の国会に出したいという方針で進んでおる、しかしその法律実施は四十三年度からということで進めておる、こう解釈いたします。
  23. 片岡誠

    ○片岡説明員 はい。
  24. 門司亮

    ○門司小委員 それから、もう一つちょっと聞いておきたいが、この中の第五に、歩行者保護徹底、こう書いてある条項がございますが、これは六・五メートルの問題、ラッシュアワーの問題が書かれておるようでありますが、実際警察のというか、道路についての歩行者の安全措置というものは、現地で私どもが見てみると、ガードレールなどの設置の方法にかなり大きな誤りがあるのではないかということが見受けられるのです。それは単だけを保護するような形なんだが、ガードレールがずっとあって、その外側に人間の歩く道がない。ガードレールの内側を歩かなければ人間は歩けない。ほとんどのガードレールがそうなっておるのではないか。車の安全だけは確保しているけれども、人間の安全は確保していない。これは道が狭いからしかたがないと言われれば言われると思うけれども、少なくともやはり道路の幅があって、ガードレールの外を人間が歩くようにしておいてもらわぬと、ガードレールの内側を車と一緒に人間は歩くといったって、それでは事故の起こる原因をこしらえているようなものだ、こういう構造は一体どうするつもりなんです。そういうところを指摘しろというなら、幾らでも指摘してみせる。おとといの晩も、夜おそく、私は変なことをやっておるなと思って見てきたのだけれども、橋のところで、下が暗渠になっていて、それでガードレールをこしらえた。そのガードレールの外は川だから、歩こうったって歩くわけにいかない。ガードレールが一ぱいにできておる。人間はいやがおうでもその中を歩かねばならぬ。そういうところがほかにもたくさんある。歩行者のためをちっとも考えないで車の保護だけを考えているといういき方は私はどうかと思うのです。こういう点についてやはり、ここで別に答弁を求めようとは考えておりませんが、悪いものは悪いとして考えていただければそれでいいのだ。  それからもう一つ、これは現実の問題としてけさ私は電話を受けた問題で、建設省に聞いておきたいのだが、地元からかなり長い期間にわたって、地元の諸君がお金を出し合って街路灯をつけますという申請をしても、建設省は、道路はおれのほうの所管だからといってなかなか許可をしない。現実の問題である。私はそういう依頼を受けて、次の月曜日に横浜の市庁舎に行こうと思っている。何とかこれまでに街路灯をつけようと地元の人が金を出してやっているのだから、それを反対しようということは、理由はちっともなさそうだ。道路交通にじゃまにならないように指導さえしていただければいいのだ。これはどこでやっているのですか。それは規則かなにかに縛られておって、せっかく地元の諸君の町を明るくするという熱意に対して水をかけるようなことをどうしてやるのか、私は理解に苦しむのです。これは建設省の道路のほうではどうなっておりますか、そういうことは一切やってはいかぬという規定になっているのか。国がやるというならけっこうです。それはどこが所管で、だれがやっているのですか、この辺をきょうひとつここで明らかにしておいていただきたい。
  25. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪説明員 ただいまのお話は、地元が照明の金を出してもやってくれということに対して、建設省は、道路の請願工事になりますと、おれのほうがやるということのように話を聞いたのでございます。これは私どこの地点かちょっとわかりませんが、実はわれわれのほうでは、やはり道路の照明というのは道路がやるべきだという考えを持っておりますが、非常に予算の制約がございまして、地元が立てることに対してそう強く反対をする方針はないと思います。ただ非常に事務所がおそれておるのは、年間の一つ予算の中で照明を立てられますと、大体そういう例は、最初の照明器具は地元が出すが、電気代は建設省で持ってくれという例が多いと思うのでございます。わずかの電気代かもしれませんが、非常にそれが大きくなりますと、その年の予算にも響くということで、あるいはそういうようなことになったのかもしれませんが、しかしわれわれとしては、やはり照明をどんどんやったほうが交通の安全の面からいっても非常にいいのでございますから、そういう事例がございましたら、できるだけ地元の要望どおり照明を多くするように指導していきたいと思います。あとまた特定のその個所につきましては、よく個所を聞きまして、実情を調べて御返答いたしたいと思います。
  26. 門司亮

    ○門司小委員 費用の問題だと言いますが、何も電気料といったって地元に払わせればいいのであって、その辺は条件で、地元との話し合いの上で幾らでもできると思う。費用がないから、将来払えないからということは、地元がつけるからにはわれわれはそう大きな負担にはならぬと思うのです。ところがさっき言いましたように、これは横浜で大体二カ所ばかり私は最近聞いているのですが、月曜日の朝、横浜に土木出張所がありますが、そこに行ってあなたからひとつ話してくれという、そうでないと一向らちがあかないので、町内では年内に何とか明るくしたい、こう考えているのだけれども、ああでもない、こうでもないということで一向らちがあかない。かりにでも許してもらえれば、すぐあしたからでも工事にかかって明るくしたい。こういう住民の熱意に対して、役所は何かわけのわからないことを言っていることがありはしないか。大体机の上だけで安全が保障されるならばだれでも保障する。さっき言いましたけれども、ガードレールの問題にしてもそうだし、それで一体人間の安全が保てるか、人間のことなんか考えていないといってもちっとも差しつかえない。ガードレールをこしらえて、ガードレールの内側を人間が歩かなければならぬ。車だけを保護して、車からくる事故だけを防止しようということで、人間の生命なんかてんで考えていない。こういう行き方がいいか悪いかということなんです。もう少し国民全体が——役所の問題じゃありません。これは国民全体が何とかして交通事故は防止したいという念願からです。それにやはり役所はこたえてもらいたい。そうして無理があれば、無理のところをこうしてもらいたいとかああしてもらいだいとかいっても、しろうとの考え方だから、むやみやたらに照明灯を立てても、道路の幅が急に狭くなったり、あるいは交通に支障があるようなことが考えられるかもしれない。それは専門家である係のほうで指導していただければいいのであって、住民からそういう声が出ないようにしておいてもらわないとやりにくいのだ。ほんとうは私はむだだと思っているのです。われわれが話をしなければならぬようなことはほんとうにむだなことで、ひまつぶしだけで損だと思っているのだけれども、現実がそうであればしかたがない、だれかが行ってアドバイスしなければいけないんじゃないかという考え方を持っております。この点はひとつ考えておいていただきたいと思います。  それからもう一つ、ここの場合でお聞きしておきたいと思いますことは、全体を通じて見て、何か法規に対するいろいろな改正の点が、ややともすると手続、それから行政上の処置というようなことがえらいたくさん書かれておって、そうしていま現実に問題になっております車両の構造の改革だとか車両の安全性とかいうようなものが非常に少ないように見受けられるのですが、これはやはり露骨に悪口を言えば、製造メーカー等に気がねしてこういうものになるのですか。私のところにきている一つの書類でも、たとえばタコメーターがよろしいというようなことが見られる。それに対してどういう反論が載っているかというと、こういうことを言っているのは製造業者と関係があるのだろうと悪口を書いた手紙がきている。こういうことは業者のほうから言わせれば、それだけ製造原価が高くつくということでめんどうな問題が起ころうかと思う。しかし、だからといってこれに遠慮しておれば人間の生命、安全は確保されないということになる。一体どっちを役所はとるべきか。採算に合わない大きな負担であれば別でありますけれども、そう大きな負担でないものであれば、やはり遠慮しないで車の構造なりあるいは改善などの処置については役所としてこの際考えてもらいたい。どうも全体を見てみると、これは宮崎さんどうなんですか、この次の国会に出せる範囲だとおっしゃるけれども、この範囲でしか出せないのですか。もう少しこの車両の構造等について、厳重ということばを使えばどうかと思いますし、行き過ぎかと思いますが、改善する余地のあるものは改善させていくという確固とした方針のもとにやってほしいと思うのです。その点ひとつお考えを聞いておきたいと思います。
  27. 宮崎清文

    宮崎説明員 自動車の車両構造の安全性の問題につきましては直接的には運輸省、通産省の所管になろうかと思いますが、政府といたしましても決してこれを軽視しておるわけではありません。ただ車両構造の安全性の問題につきましては、おおむねこれを法令上の見地から見ますと、政令段階改正できる部分が大部分でございまして、そのため法律改正と申し上げなかったわけでございます。この最後に書いてございますように「その他」の(4)、(5)におきまして、一方におきましては将来の問題といたしまして、研究機関におきます研究を強力に推進いたしますとともに、具体的に実施可能なものは逐次(4)によりましてやっていきたい、かように考えているわけでございます。
  28. 渡海元三郎

    ○渡海小委員 被害者救済対策の中で、(1)の救急業務実施、これは消防庁おられましたら、この方針に対して消防庁は一体どうなされようとするか。——来ておられませんか。——厚生省も来ておられませんか。——それならけっこうです。  ただ、一つ、いまの構造の件に対しまして、軽自動車というのですか、小さいモーターバイク等はうしろへ赤いやつをつけておりますけれども、自転車はあれをつけてないですね。このごろのように車両が多くなってくると、自転車もうしろへ赤い停止のときのやつをつけるほうが、むしろ保護の意味において安全じゃないか。あのうしろへ赤い尾灯をつけるやつはどうなっているか、それらの点を一ぺん……。
  29. 堀山健

    ○堀山説明員 私どもでやっております道路運送車両法では自動車について規制しておりまして、自転車について実は規制しておりませんです。
  30. 片岡誠

    ○片岡説明員 私どものほうで所管しておりまして、現在灯火にかわるために反射の材料をつけておればいい、こういう仕組みになっております。府県の公安委員会でそれをきめておりますけれども、大体欧州、アメリカのほうでは最近その反射材料だけではなくて、灯火をつけるほうがいいという、傾向が強くなってきているようでございます。私どもとしましては、将来できればやはり灯火にしたほうがいいと思いますけれども、現在は反射材料が非常に見にくいのもございます。もう少し反射材料そのものの改良もまちまして、ともかく自転車が走っているのを自動車運転手が遠くからよく見えるというような方向で前向きに検討いたしたいと思っております。
  31. 亀山孝一

    亀山委員長 それでは、この際、門司委員から発言を求められております。  民社党におかれましてつくられました安全確保対策について一応御説明をお願いいたします。
  32. 門司亮

    ○門司小委員 それでは私から……。  いま委員長からお話のございました、これは私どもしろうとの考えたものでございますので、専門家の各省の担当の方がごらんになればいろいろの欠点もあり、またあまりにも理想過ぎるというようなきらいはかなりあろうかと思います。しかし、私どもがこういう問題を検討し、さらにこういう一つの対策というようなものをまとめた動機につきましては、御承知のように、ここに書いてありますように、ことしの交通事故の死者というのは大体九月二十五日現在ですでに一万人を突破しておる、十月の末の統計を見てみますと二万一千人をこえている、こういうことになっております。そうして、年間の死者が大体史上最高であると言われております三十九年の一万三千余人をこすことはすでに必至になっておる。さらに、負傷者を加えれば、年間四十五万人の犠牲者が出ておって、これはまことに憂慮すべき事態でございます。特に、最近の事故の傾向を見てみますと、大都市から地方の中都市に交通事故が移りつつございまして、同時に、死傷者に老人、幼児が非常に多くなっておる。交通事故というのは、いまやわが国をあげての大問題になっておることは御承知のとおりであります。こういうときでありますので、私どもといたしましては、道路交通の安全確保に関する特別措置法案要綱を一応立案をいたしまして、これをすみやかにひとつ当委員会等においても審議をしていただきまして、国会に提出する分があるとすればこれを提出するというようなことにひとつしていただきたいということを冒頭に申し上げておきたいと思うのでございます。  その次の骨子でございますが、一つは、行政機構の改革を行なう必要がありはしないか。そのためには、内閣に交通安全閣僚会議を設置して、交通安全、事故防止等の基本計画を立てるということ。これはいまも一応行なわれておるようでございますが、さらにこれを進めて、交通省を新設して、交通行政を一元化する必要があるのじゃないかということ。  その次は、交通安全教育の問題でございますが、これについてはいろいろ学校で教えはしておるようでございますが、しかし、こういう時期になってまいりますのと、それからもう一つは、将来非常に車がふえるであろうということ、したがって、交通はますます繁雑になるであろうということが想像されてまいりますので、したがって幼稚園あるいは小学校の正課として、社会教育の中にひとつ交通規律というようなものを入れていただいて、そして子供のときから交通行政に対する法規その他を十分会得することのできるようなことにできないであろうか。さらにまた、中学校以上の学校に対しましては、運転技術の基礎教育をひとつ科目として設けていただくことはできないだろうかということ。車の構造あるいはエンジンの状態というようなものを十分お互い国民全体が知っておるということ。いまの運転免許制度からいきますと、結局法規その他を学問的に知っておって、あとは運転の技術さえあれば大体免状がもらえるというようなことでなくして、やはり運転者である限りにおいては、車の全体の故障がいつでもわかるように、あるいはオーバーホールをすることもできるぐらいの基礎知識がやはり必要ではないかということ。したがって、これらの問題を中学校以上の学校にはやはり一つの科目として教えていただくというようなことが必要ではないか。  その次には、道路構造の改善でありますが、これについては、いろいろ問題はあろうかと思いますが、自動車税を一応の目的税とかりにいたしまして、そして、ガードレールであるとか信号機であるとか横断橋であるというような歩行者保護施設というものの整備をもう少しすみやかにする必要はないかということであります。  その次の四は、車体構造の改善でありまして、制限の速度をこせば警報が鳴るような警報機つきのいわゆるタコメーターといわれておりますものを全自動車に取りつけるというようなこと。また、自動車整備に万全を期するために、自動車整備公団というようなものを設置して、故障があった場合にはすみやかにこれらの問題が、道路の上でごたごたいつまでも長くしているというようなことでなくして行なわれるような設備はできないであろうかということ。  それから、その次の五といたしましては、人為的の事故防止の確立をする必要がある。それには、自動車免許の技術をひとつ全国的に一元化をはかっていただきたい。免許に際しては、医師の証明する運転適性診断書というようなものを提示することはできないだろうかというようなこと。このことは、人権とも関係いたしまして、非常にむずかしい問題ではあろうかと思いますが、しかし、往々にして、間違いをこしらえる運転者の中には、運転者としての性格がはたして適正であったかどうかというようなことが、あとでしばしば議論されておりますので、こういうことにしたらどうか。したがって、不適格者には免許証を交付しないというようなこと。特に精神病に関しましては、医師から公安委員会に通告をする制度をひとつ実施してみたらどうか。この問題も非常にむずかしい問題でありまして、精神病院に収容した人というようなものの公安委員会との連絡は容易にとり得るかと思いますが、それ以外だとなかなかむずかしい問題もあろうかと思いますが、一応検討する必要がありはしないかということ。  それから、六に書いておりますのは、損害賠償支払い準備金制度の創設をしていただきたい。自動車損害賠償法の最高百五十万円の最高額をこえて、その残余の賠償責任を雇用者が負う場合に備えて、そのための損害賠償準備金制度をひとつ創設していただいて、そうしてこれに一定額を積み立てる。しかし、この場合には、この準備金を損金算入に加えることができるというような租税特別措置法の一部をここに利用してもらったらどうか、こういう考え方であります。  それからその次は、交通裁判の機能の整備強化でありますが、事務処理をもう少し簡素化して、そうして交通専門の裁判官の育成強化をしていただいたらどうか、交通裁判所をいまの制度からさらに充実していただく必要がありはしないか、こういうことであります。  これは大体要綱といいますか、一応の大きな項目といたしまして、次に、私どもが考えておりまする道路交通安全確保に関する特別措置法の案に対しまする要綱を、きわめて羅列的ではありますが、御説明を申し上げて、御了解を得たいと思います。  これは、冒頭にお断わりいたしておきますが、どこまでも私どもの考えた素材であって、必ずしもこれが適正ではないと思いますので、当局におきましても、また、同僚におきましても、ひとつ単なる素材としてこれをごらん願っておけばよろしいのではないかというように私自身は考えております。  まず「(自動車事故の現情)」は先ほど申し上げましたとおりでございまして、   自動再事故は、わが国経済の成長と文明の発達にともなってますます激増し、昭和四十年においては、死者一二、四八四人、負傷者は四二万五六六六人を数えるに至り、今後増加の一途をたどらんとしている。二といたしまして「(自動車事故の原因)」で、   自動車事故の原因は、複雑多岐にわたるが、昭和三十九年の調査によれば、スピード違反、わき見運転、酩酊運転などが全事故の約半数を占めている。さらに地域的にこれをみれば、最近の傾向として、事故道路整備によって地域的に拡大され、東京、大阪等大都会が、わずかな増加に止っている反面、その周辺あるいは、中規模の都市に署しく増加している。  三といたしまして、したがって「(今後の諸施策)」といたしましては、   かくして、交通事故の激増は、わが国の大きな社会不安となりつつあり、国民が一致して、この解決に当らなければならない段階に到達した。これら交通事故を撲滅し、交通の安全を確保するためには、交通行政の一本化、交通安全教育の徹底、道路交通の構造改善、救済制度充実強化取締り制度の近代化など基本問題の綜合的、計画的な解決が必要である。   「(特別措置法)」の目的といたしましては、   交通の安全を確保し、これらの事故を未然に防止することは、人命尊重の理念と国民生活の安定向上のための国家的使命である。本法は、人命尊重の基本理念に立脚し、交通の安全を確保するとともに、交通事故によってもたらされる個人的悲惨及び人的経済的な国家的損失を最小限に防止することを目的とし、これを綜合的、計画的に実施せんとするものである。  第一として、したがって「行政機構の改革」でございますが、これにつきましては、先ほど申し上げましたように、交通安全閣僚協議会あるいは交通省の独立をはかってまいりまして、   交通安全、事故防止対策を強力且つ速かに企画実施するため、内閣に総理大臣を長とする関係各大臣(運輸、自治、建設、大蔵、経済企画、厚生の各大臣)をもって「交通安全閣僚協議会」(仮称)を設置し、交通安全ならびに事故防止の基本計画を樹立し、その実施を推進する。  交通行政機構の一元化につきましては、なお、   「交通省」を新設することとし、各省にまたがる交通行政を一元化する。 ということにしたいと考えております。  それから第二に「交通安全教育の徹底」でありますが、   学校教育による徹底  1 幼稚園、小学校において正課として社会教育の中に「交通規律」の課目を設け、交通安全教育の徹底につとめる。  2 中学校以上においては、自動車運転技術及び法規の課目を設け、運転技術の基礎教育を徹底する。 ことが必要ではないかということ、さらに国民に対しまする再教育といたしまして、   国及び地方自治体或は一定規模を有する企業体は政令で定めるところにより、通交規律の教育を行なうこととする。  第三に「道路構造の改善」でございますが、これにつきましては、  一、道路の改善、改良   1 主要道路の完全舗装及び構造改善     現在道路整備五ケ年計画実施中であるが、その実施に当っては、安全性に重点を置き道路構造の改善改良を十分考慮し、道路の質的向上につとめるべきである。   2 交通安全施設としてのガード・レール、    横断歩道橋、横断隧道、信号機等は、歩行者自動車の安全を確保するため速かにしかも適正に充足すべきである。   3 運転者自覚装置     踏切、横断歩道等に対して警報機の設置場所の工夫、或は運転者に直接感知し得る設備等の改善を図る。   4 道路照明、標識の整備     事故多発個所等に関しては、地域毎に中央及び地方に事故対策協議会を設け適切なる対策を樹立実施する。  二、路上放置車の取締り強化    道路におけるふくそうする交通量の実情にかんがみ自動車の保管場所の確保に関する法律施行に当って厳正に実施することとする。  三、自動車税を目的税とし、主として横断橋、信号機等歩行者の安全を確保すべき施設整備に充当するものとする。  四、国及び地方自治体は、交通の緩和並びに利用者の利便に供するため、主要道路等必要なる場所にタクシー・ベイを設置することができることとする。  第四に「車体構造の改善等」でありますが、   車体構造の改良改善により事故損害特に人身被害を軽微にする必要がある。  1 道路運送車両法による安全基準に左の安全装置の技術開発を速かに行ない、逐次これを加える。  2 道路運送車両法による自動車は、政令で定めるところにより速度超過警報機を備えつけなければ運行の用に供してならないこととする。  ここに問題となりますのは、   路線の定まった業態に使用する車両及び粗暴運転に陥りやすい業務に使用する車両等にあらかじめ定めた速度をこえて速度を出した場合、運転者及び周囲に警報を〔音並びに光〕を発する装置をつけたらどうかということでございます。  三、「新型車の速度安全装置」でありますが、「速度制限装置付自動車を製造する。」あるいは「速度超過警報機等も安全装置の備付の費用は製造業者の負担とする。」こういうことでございます。  ここでちょっと注釈を加えておきたいと思いますのは、実はこういう装置のない車が現在のような状態で新しいこういう装置をつけようといたしますと、どうしても仕事をしておりまする業者に対する負担が大きくなるのでございまして、したがってこれはすでに新型の車をこしらえるときにこういう安全装置をつけておくということにいたしたほうが取り扱い上よろしいのとそれから実情に合うということでございます。  それからさらに次の「安全装具の着用」でございますが、これは、   二輪車に乗車する場合に乗車用ヘルメットを  着用すべき道路範囲を拡大する。このことはこれだけでございますが、しかしここで申し上げておきたいと思いますことは、当然ヘルメットを着用しなければならない——たとえば東京などに行ってみましても、ほとんどこのごろではヘルメットをつけて二輪車に乗っている人はないのであります。はたから見ますと、どうして警察でやかましく言わないのかという気がするほど実は軽んじられておるのであります。さらにこれを道路範囲を広げていくということになりますと、いまより以上の指導が必要かと考えます。  それから、  2 乗用自動車には安全ベルトを取り付けなければならないこととするとともに、高速自動車国道、自動車専用道路等においては安全ベルトを着用しなければならないこととする。 実は追突それからその他の事件によって、中に乗っております運転者あるいはその他の乗っておる人が負傷することを防ぎますために、いろいろな方法はあろうかと思いますが、いまアメリカ等におきましてもかなり進んで検討され、また実施されておりまする安全ベルトというようなもの、あるいはいま運転台のうしろにまくらのようなものをくっつけて、首の骨の折れないような施設を取りつけてございますが、これらの問題も十分検討して、そうしてこれで人命の安全が保たれるというならば、あるいは負傷の程度が非常に少なくて済むということが現実にあらわれておりまする以上は、これらの問題はやはりある程度義務づけられてしかるべきではないかということが考えられるわけでございます。  それから、その次に「車両整備励行」でありますが、   整備不良を原因とする事故を防止するため車両検査をより厳正にする。 ということでございます。これについては、   国は自動車整備の万全を期するため自動車整備公団を設けて政令で定める都市において別途政令で定めるところにより整備工場を設けて車両の整備検査の推進をはかる。 ということ。これにつきましては、ひとついまの車検の程度でなくて、もう少し万全な整備をしていただく必要がありはしないかということでございます。  それから「第五、人為的事故防止の確立」でありますが、これについては、第一は運転者でありまして、そうしてその中で運転免許の基準をやはり引き上げる必要がありはしないかということでございます。  さらに、   適正検査の強化を図る。肉体的適応性の検査を徹底するため医師の証明する運転適性診断書を提示するものとし、不適格者には政令で定めるところにより免許しないこととする。但し、右に不服のある者は当該公安委員に対して不服の申立てをすることができる。特に精神病に関しては医師から公安委員会に対して通告する制度実施する。 ということにいたしております。このことは、先ほども申し上げましたように、適性診断書を呈示するということがなされて、そのことのために免許証がおりないというようなことは、ややともすると、本人に対しては人権の侵害にもなろうかと思いますので、ここではやはりこれを公平に処置することのために、不服のある人は当該公安委員会に対して申し立てをすることができるような道を開いたのでございます。  それから「免許基準に関しては法律で定めることとし、全国的一元化をはかる。」ということにいたしました。このことは、免許証の基準については、おそらく全国すべて一定されておると思うのでありますが、しかし、今日までの世間のうわさ、あるいは実際を見てまいりましても、どの県でどれだけの受験者があって、どれだけの合格者があったかということを比較してまいりますと、世間のうわさとはあまり違わないような実態が実は出てきておるわけであります。したがって、これらの問題で露骨に言うことを私は避けておきたいと思いますが、いままでの統計を見ますと、やはりうわさにあるような、ある県に参ると案外自動車免許が取りやすいのだということ、それを実際を調べてみると、さっき申し上げましたように、試験の申し込み者と合格者との数を勘定すると、どうも合格の率が多いというようなことがあるわけでありまして、こういうものはやはりなくしていく必要がありはしないかということであります。  それから「優良運転者に対しては法律に基づく優良運転者褒賞制度を設ける」必要がありはしないかということであります。これは各警察やその他で優良運転者に対する褒賞を出しておるようでありますが、それをさらに制度化する必要がありはしないかということであります。  その次に、「自動車を営業の主体とする中小企業者の特別措置」を考えたらどうかということであります。  企業経営の合理化   国はタクシー業及び貨物運送事業の健全なる経営を図るため財政税制及び金融上の特別措置を講ずることとする。  それからさらに、  運転従事者の労働条件の改善   労働時間の短縮、最賃法等労働条件の改善により違反運転を解消する。交通事故による損害賠償支払準備金制度の創設   交通事故による賠償金支払は、自動車損害賠償補障法によって処置されているが、残余分について雇用者が賠償責任を負う場合もあるので、企業者がこれに応ずるため交通事故による損害賠償準備金制度を創設する。この支払準備金については政令の定めるところにより損金算入するものとする。  六といたしまして、  賠償保険制度充実強化  交通事故救急センターの設立    国は政令で定めるところにより交通事故救急センターを設け、交通事故の救急処置を行うとともに左の事業を行うものとする。   1 救急病院の経営   2 年次計画を定めて脳外科.医師の充実をはかる   3 全国数ケ所に長期療養のための療養所を設ける   4 事故相談所の開設     センターは、被害者の救急処置に当るほか、法の周知徹底をはかり、被害者の救済の相談に応じ保険金請求手続き等の代行を行う    こととする。  賠償補障限度額の引き上げ   死亡事故一件当り限度額を三百万円に逐次引き上げる。  支払手続の簡素化   自動車損害賠償補償法の事務能力を向上させ、保障センターによる代行処理を認めるとともに、事務の簡素化、近代化をはかる。  救急施設整備強化   国は事故応急処置に必要な機械機具を整備充実させるため、特別の財政的措置を講じ、被害者救済の万全を期すこととする。交通裁判の機能の整備強化   事務処理を簡素化し、交通専門裁判官の育成強化につとめる。  大体以上でございます。  これらの問題は、冒頭に申し上げましたように、私どもしろうとの集まりで大体の起案をいたしたものでございますので、専門的にはいろいろの欠陥もあり、また不十分なところがあったり、あるいは実施困難な面等もあろうかと思いますが、これらについては、ひとつ関係当局も、これを素材として御検討願いまして、また委員各位におかれましても、これを素材として御検討願いまして、よりよき法律をお互いにこしらえていって、交通の今日の現況を緩和したいということが私どもの念願でございますので、ひとつ、さように御了承願いたいと存じます。
  33. 亀山孝一

    亀山委員長 ありがとうございました。民主社会党、特に門司委員の適切な御意見、われわれ今後のよき資料として勉強してまいりたいと思います。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時三十七分散会