○
秋山委員 私たちもそうだと思います。そこでそういうことを基調に考えてまいりますと、おことばの中にもありましたように、現在の問題としては人事院があり、府県などには人事
委員会があります。府県の人事
委員会においても、国のほうで実施時期も含めて定まってまいりますと、それを基調として右へならえをしていくことが間々行なわれつつあるようであります。その問題はそのとおりとしまして、いまおことばの中にもありますように、はっきりと人事院とささないまでも、当然国際条約の上から見れば、それにかわるものをつくっていく、そして不公平が起こらないようにしていきたい、こういう趣旨に私は変わりはないと思う。そういうことを基にして考えますと、いままで何年も長い間にわたって
政府を担当しておる皆さん方は、それには忠実ではなかったということが言えると思います。特に私はちょうど八月の
段階におきましては外国旅行をしておりましたので、こまかく新聞を見ておりませんでしたけれ
ども、それらをいろいろこうして集めてまいりますと、人事院のほうからも
先ほどおことばがありましたように、強いといいましょうか、実施時期も含めて完全に実施がされるように、ことしは特に強い希望があるように全部の新聞が報道しているようであります。したがって、
先ほど人事院の方から答弁がありましたように、おそらくこの報道も私は誤りがないと思います。そういうことごとを考えてまいりますと、せっかく国際条約も
国会で承認をし、批准ができたときでもありますので、こういうときを契機として、いままでの補いをつけろとは言いませんけれ
ども、せめて勧告に対しては完全に実施ができるようにすべきものではないかとも思います。同時に、こういうことごとをいろいろ聞いてみたり、
自分がまた検討したりなどしてまいりますと、金のあるなしにかかわらず、実施すべきものは実施する責任があるのじゃないか、こういうことに
考え方ができると思います。しかるにもかかわらず、いままでの経緯をいろいろ考えてまいりますと、最後には金がないからと、こういうふうなことでいつもどこかへすっ飛んでしまっていく、こういうことではなかろうかと思います。したがって、私もできれば財政的
措置というものも当然せねばならぬことも承知をしております。しかし、民間の
人たちにいたしましても、国家公務員や
地方公務員にいたしましても、当然生まれてくるものはどういうことかということになりますと、昔から私
どもが教えられたことばの
一つに、役人は
予算をよけい取ることが使命なんだ、それができないような役人はもう役人のくずなんだ、こういうふうに長年にわたって指導されてきたことを忘れておりません。そういうことを端的に考えてまいりますと、いまの
政府の
人たちはほんとうに無能に近いと言っても過言じゃないような気もするわけであります。しかし、私はここでそういうふうなことばを使って、あなた方に一体何をしているんだ、おまえらはばかと同じじゃないかということばは使いたくはありません。少なくもいまいろいろ聞いた
段階におきましても、人事院ができた経緯から見ても、あるいは国際条約の上から見ても、当然やってやらねばならない、そういう気持ちがあるならば——民間の
人たちがものをつくる場合に、材料だけではできやしない、やはり労働力という膨大なものがそこに考えられてこなければならない、そういうもろもろのことを計算の上に入れて、計算が成り立ってくるのじゃないかと思います。国家
予算もあるいは地方
予算も同じように、やはり人がやってくれるんだから、その要素というものは忘れてはならないはずであります。それにもかかわらず、
先ほど来いろいろ質疑の中にもありましたように、何かそこらに欠けているものがあるのじゃないか、こういう気がしてならないわけです。もっとあなた方も熱心にこの問題と取り組んで、
自分たちが企画した、
自分たちが計画をしたことなどを実施してくれる
人たちに向かって、もっと忠実につとめていかなければならない義務があろうかと思います。時、たまたまこの問題が非常に大きく浮かんでまいっておる時期でもありますので、そういうことを十分に考慮に入れて、その金は優先的に大蔵省に向かってはじき出してこい、こういう心がまえがなくてはならないかと思います。
そこで、約束の時間がぼつぼつ来ておりますので、この場合、簡単に質疑を続けなければなりませんけれ
ども、大蔵省から秋吉
主計官がお見えになっているようでありますので、これからの税収入をはじめとした歳入面について一言、二言お尋ね申し上げたいと思っております。
私がいろいろのところから聞いてみたところによりますと、先月なんかの
段階におきましては、大体自然増といわれているものが一千億から一千五百億
程度、こういうことがいわれておったようでありますが、内々私がいろいろ聞いてみますと、どうやら今年度は、昨年と違って不景気だ、不景気だといいながらも、ベトナム戦争を
中心としたあの戦争のさなかにあって、あの非常に裕福たといわれているアメリカでさえも、膨大な戦費を注ぎ込み、同時に人命を失っており、また、長年にわたって戦争資材を蓄積したと思いますけれ
ども、これもとっくの昔に底をついてしまった、こういう関係からして、日米の間柄を考え、同盟国といわれている日本にかなり多くの特需が来ていると思います。これはなまやさしい金額ではないと聞いております。それからはね返ってくる勢いとして、どうやら最近少し景気が上向いてきた、どうやら景気を持ち直すだろう、こういう希望的な
意見が各所で述べられるようになってまいりました。これは、いままでの日本の平和産業だけでは足りなくて、ベトナムヘの協力体制の上に立った特需関係の膨大なものによってどうやら景気が少し上向いた、こう言っても私は過言ではないような気もするわけであります。そういう角度からいろいろ聞いてまいりますと、ことしは大体四千億円から四千五百億円
程度あるはずだということであります。どんなに内輪に見ても三千五百億円は下らないだろう、こういうことがいわれているようであります。ところが、自然増収ということばを使ってみると、これも最近生まれてきたことばであって、本来からいけば、大蔵省がほんとうにしっかりしているものならば、年度中におおよその見当がつかなければならないはずであります。日本の国は、
御存じのように、
統計数字というものを見てまいりますと、ほかの民間などで発表する数字と役所で発表する数字とかなり食い違いはありましょうけれ
ども、
統計の基礎はやはり国家
統計にあるといっても過言ではありません。その中で各種の業態をとらえ、各種の生活
状態を考えなどしていけば、おそらくかなりの見通しが立てられるはずであります。にもかかわらず、
自分たちの能力を忘れてしまって、使いいいことばとして使ってきたことばが自然増収ということばだろうと思います。昔ならば、これほど違った数字が出てくれば、責任者は責任をとったはずでありますが、最近の
人たちはそれがない。何とか新しいことばを生み出して
自分の責任をのがれていこうとする。なるほど自然増収というと非常に聞こえはいいかもしらぬけれ
ども、私はそういう性質だろうと思う。それを基調として年度
予算を組んでいるはずであります。そしてまた、人事院勧告に触れてみても同じことが言えるのではないかとも思います。年々歳々、
先ほど来話をしてみましたように、人事院勧告というものはほとんど出されない年は最近ではなかったはずであります。したがって、どのくらいになるかというはっきりした数字はつかめないまでも、いままでの各労働組合の
人たちの春闘を見たり、あるいはいま申し上げましたような特需の問題にしても想像がつかないはずはないはずであります。そういうことなどを考えてみれば、民間給与はおよそどのくらいになるだろうか、あるいは人事院勧告で発表するよりも多少の違いはあっても、そのくらいの目安はついているはずであります。それをいままで年度
予算の中に少しも考慮されてないというところに問題があろうかと私は思います。背の役所だったら、そんなことだったら、さっそくあなた、おられませんよ。いまでこそどうやら大きな顔をしておられるのじゃないかと思っても私は間違いではないという気がします。だから、いまの
状態において、どの
程度俗にいう自然増収が見込まれるかということも、こういう際に一応事務的に聞いておく必要があろうかと思います。
先ほど委員長さんにも要望しましたように、今月の十八日にはもう一度
委員会を開いて、関係大臣に全部来ていただいて、これらの問題を討議し、そしてまた私たちも強い要望を申し上げたいとも思っておりますので、これらの問題はさておきますけれ
ども、そういう考えの上に立って
現状における税の関係をお示しいただきたいと思います。