○武藤
委員 これは数字がないから水かけ論になりますが、とにかく、直接米軍に売るものだけでも年間約四億七千万ドル、五億ドル近い特需がある。さらに韓国、台湾、フィリピン、ベトナム戦争に参加している国との取引数字などを見るならば、十億ドルというのはややうなずける。なるほど、日銀、大蔵省の担当官が
新聞にちらっとちらつかせた、実際に間接的なものを入れたら十億ドルから十五億ドルあるのではないか、こういうことも
新聞報道に出ておりますが、私は、間接的なものを入れたらそれはあると思うのです。しかし、あるかないかは、証拠の出しようがありませんから論議はいたしませんが、あなたがわざわざテレビに、あるいは報道陣に、ベトナム戦争が終わっても、和平が成立しても
日本経済には影響ないんだと、一国の
大臣として言わざるを得ないというその気持ちの中には、やはりベトナムの戦争の問題がかなり
日本経済を
上昇に向かわしている要因になっている、こういう判断をあなたのテレビの写真を見ながら
感じたわけであります。あに、われ一人のみならんやだと思うのであります。
ですから、
日本政府がそういう死の商人の肩持ちをして、
日本経済の局面を打開しようという
考えの片りんすら
大臣の心の中にあったとしたら、これはゆゆしい重大な問題だと私は思うのであります。われわれは、やはりあくまで平和憲法の精神に徹してベトナム和平の一日も早からんことを期待しているのが
日本国民でありますから、そういう特需にささえられたベトナム戦争があたかも天佑であるかのごとき感覚を心の中に持つこと自体が、
大蔵大臣としての大きなあやまちの意識である、こう感ずるのであります。この点については、ベトナム戦争を和平に導くために、閣僚の一員として
日本経済がベトナム戦争という天佑によって救われるんだというような意識をやめて、もしそういうものが片りんでもあるとするならば、閣議において堂々と和平の条件をあれこれと追求して、
日本の
立場というものをしっかりと守ってもらいたい、こういう強い要望をしておきます。
時間の制限がありますから、次に進みます。
次に、
財政の
原則は、私
ども大学の当時は、いずるをはかって入るを制するという、私
経済と公
経済の基本的な違いはそこにある。私
経済は、入ってきた自分の収入を基礎に何を買うかということをきめるのであります。公
財政の場合には、出るものをまず押えて、出るものをきちんとはかって、入ってくるものはできるだけ国民に少なくしてやる、これを制限してやる、収入をできるだけ減らしていく、こういう
原則が公
経済の
原則であるとわれわれは教わったわけであります。それには強力な政治力で歳出というものをコントロールできる力がなければだめであります。
そこで、私は
大臣にまずお尋ねするのでありますが、いま
新聞やテレビでときどきにぎわしておる第三次防衛計画の問題であります。
防衛庁は、二兆七千億円という五カ年の防衛費予算を、すでに
新聞その他によっても何回も報道されております。これに対して
大蔵大臣として、いまの
日本の
財政事情から見てどうコントロールしたらいいか。まず、公
経済は歳出の優先的なもの、重点的なものから拾い上げるわけでありますが、この第三次防衛計画の二兆七千億円に対して、
大臣として現在どういうお
考えをお持ちでありますか。