○栗山
委員 ちょっと混乱するのです。ですから、対外的にはよくわかるのです。しかし、それは
自由化という
ものを踏まえ、その
自由化の立場に立って対外的に発表しないということであって、
日本の
経済、
産業のあるべき方向づけをするということがまず基本条件でないのか。そうすると、対外的発表ということよりも、事実をもって、
国際競争力と
日本経済と
産業の繁栄
発展策に前進するということが対外的にどのように影響をもたらすのか、こういうふうに理論的なひとつの取り組み方でいくと、どうも説明がわかりにくい。そうすると、頭の中では、
自由化に迫られる、そしてその
自由化に対応することの質的条件の中にあるから、これはそっとのけておきたい、こういうような考え方を
中心に
ものを把握していらっしゃるのではないか、こう思うのです。要するに、そういうある部分がございましょう。それは戦略的方向としてどう対応するかということがございますけれども、基本的にはそういうようなことをミックスせぬで、大胆に
日本の
産業の編成と
拡充と
発展の方向にどういうふうに一つの政治が方向づけをなすべきかということを
中心に取り組むべきである。いわんや
中小企業について、あなた言われたように、第一に認め得る一つの
状態に
改善改良を行なっていくという条件の上においてのみそういうことがあり得る。第二の条件的な条件もある。しかし、現状における
中小企業という
ものは断じてそれだけの競争的能力と対応する能力を持たない。
局長御
承知でございましょうけれども、一つの事例といたしましては、
中小企業の分野にまで異なった業種との合弁
方式をもってこれを強く迫っておる。
局長もこれにどう対処するかということで御検討いただいておるということについては私もよくわかるのですが、たまたまその業界の話の中で端的に物語っておる内容を伺いまして
向こうの意図を知ることができました。生産数量の制限に応じましょう、皆さんとも一つの
組合参加をいたしましょう、同時に皆さん、私のところの部品メーカー的な要素を持ってください、あるいは下請的要素として参加してください、こういうようなことは、少なくともその合弁
会社を核として、ある部分についてはおれのところについてこい、そうすると、その限りにおいて、従属性の限りにおいてのみ一つの
企業の分野を認めていこうじゃないか、こういうふうな意見がかわされたということを私は記録で
承知をいたします。いみじくも合弁
会社の
方式とは何を意図し、何を物語っておるかということを私は十分に骨の髄までこたえるような認識を新たにいたしました。こういうふうに参りますと、
日本の
中小企業の諸条件の
改善、それから方策ということにしても、結局
自由化とは、もうあなたのほうの従属で、あなたのお説のとおりに従いますという
経済支配の体制が資本
自由化であり、合弁
方式としてねらってきておる条件じゃないか。
日本の開国以来、
日本の
業者が営々として何代かにわたって今日的条件まで
発展させたかぎ業界は
局長御存じでしょうが、そのかぎ業界とのそういう技術提携が破れるといたしますと、異なった業界のメーカーとの合弁
方式をもって強くこれを迫っておるという事実等をながめまして、その過剰生産と
過当競争と三割生産のような
状態にいま呻吟しているというようなところへもし
自由化の問題という
ものが対処されたら、
局長、どうなっていくのですか。これはすべてお手あげだ。あなたの従属性の上においてのみ私の工場は働かしてもらいます。
向こうはそういう
日本市場やアジア市場への進出という条件のある一定の限りにおいてのみ役割りは持たせますけれども、もし自分のほうの体制と条件が整えば、これは
経済合理主義から、遠慮会釈なしに、おまえたちは御用がない、任務は終わったのだ、こういうことで、イタリアに起きておるような、あるいはフランスに起きておるような閉鎖や、世界的な規模から一国の
企業を方向づけていくということになりますと、筒単に
日本産業閉鎖、
日本工場閉鎖、解雇、こういうふうに方向づけされるということは、もう論理じゃなくて具体的な認識としてわれわれは把握しなければならない問題じゃないか、こういうふうに私は考えますので、少なくともそういうふうに、先ほど前段に申し上げましたような
自由化についてその対応性のよろしきを得る、そしてその裏づけと
国際競争力の
拡充の方向がまず先行して、少なくともその中における
中小企業分野という
ものについて、これの構造的な
改善あるいは技術革新、
生産性の向上と安定的な方向に取り組むまで断じて資本
自由化を認むべからざる
ものだ、こういう考え方があってしかりだ、こういうふうに私は考えるのでありますが、
宇野次官及び
局長、見解はどうですか。