○高島
政府委員 基本問題小
委員会に対して臨みました形は、諮問事項としては、
鉄鋼業の今後のあり方いかんというようなものであったかと思いますが、私赴任しておりませんので、ちょっと正確には記憶しておりません。ただ、問題を現実にアプローチいたしておりますときは、やはり理論的な体系に従って御諮問を申し上げていかねばなりませんので、現在のアプローチのしかたといたしましては、まず当面の問題としまして、
鉄鋼業の需給の見通し、世界経済の伸び率、それの中における日本経済の伸び率、それに占める
鉄鋼の需要の増加テンポが従来のテンポよりも落ちてまいっておるという辺の認識、この辺を一応計数的に統一いたしまして、これを示しましたこと、それから発端としましては、まず設備の投資、これは世界各国が大きな、コストダウンになるような大ものの製鉄所をあちらこちらでつくっております。むしろ日本に一部先を越されたような
感じに現在なっておる実態を追い越そうとしてそれぞれ手を打っているのと対抗して、大型の能率の高い設備をいたしてまいるにはどういうような
方法をとっていったらいいのかというあたりが非常にむずかしい問題でございまして、今後の日本の
鉄鋼需要の伸びが年間三百万トン程度でございますときに、そういった大型のものをだれがどうやってやっていくのか、そこに非常にむずかしい苦心点がございますが、この問題をまずぶつけてまいる。
それとあわせまして、その場合の
業界の体制というものがいかようにあるべきかをあわせて第二の柱としてお問いをいたしておるわけであります。
それとうらはらの
関連をなしまして、
業界の体制及び設備ということと、それからその場その場の
生産と申しますか、現在の調整措置もその一環をなしておりますが、その場における
生産というものを各需給の段階においていかように考えていったらいいか。設備をもしかりに厳重に規制し、需給にぴたりと合うように持っていけば、
あとはあるいは
生産の調整は要らないという
考え方になってくると思います。あるいは設備が現在のような
状況であり、経済の変動もあるから相当多めにこしらえていって、またユニットも大きくなってくるから、
生産の調整ということも何らかの形で要るという
考え方になるのか、そこは自由競争にまかしていくべき問題なのか、そのあたりはこちらの立場はもちろん白紙で問題点を提起して出しております。これが第三の柱の
生産の問題であると思います。
続いて第四に、一番むずかしい話になってまいりますが、今回の
勧告操短等の措置をとらなければならなくなった相当大きな要因としまして、平・転炉メーカーを中心にしまして
不況事態においては相当の倒産も出てくる可能性があり、それが地域社会にも
影響のある分野をかかえておる。この分野を一体どういうふうに将来していくのか。ただ、この点に
関連しましては、スクラップの
価格が転炉への転換と同時にだいぶ下がってまいる世界的な傾向にありまして、この分野のいき方というものの検討はなかなかむずかしい問題ではないか。それもあわせて一環といたしまして、大体その辺に問題点の焦点を置きながら検討をいたしておる
状況にございます。