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五島委員 この
港湾労働法が円滑な
運営が行なわれ、近代化をしていくにあたって大きな役割りを果たさなければならないものに
港湾運送事業法の確立ということがあると思うのです。
港湾運送業務をどうするかということです。その
港湾運送事業法は、この五十一
通常国会で一部の
改正が行なわれて、そうして清掃
関係等とか若干の追加が行なわれた。ところが
港湾運送事業者が六大港においては非常に多い、多過ぎるんじゃないか。過当競争である。ところが東京の港の
港湾運送事業者の中小の業者からはこういう投書が来ました。私
たちはまじめな中小企業者である。ところが
港湾運送事業法によってこれが整理統合される傾向にある。資本力というものは非常に弱いけれども、まじめにその港の近代化等々に寄与している私
たちが整理統合されるならば、これは時代逆行である、こういうように言ってきました。しかしながら総体的に過当競争であるということになると、中間搾取の排除は
港湾運送事業法で行なわれておるわけですけれども、今に至るまで依然として中間搾取が行なわれている現実があるかどうかということです。
それから
神戸港のことばかり言いますけれども、
神戸港は中央紙にも書かれましたようにいま暴力排除の問題がある。兵庫県警によって徹底的に行なう。しかしいまだそれが完全ではないわけです。それがどんどん進行するにしたがって、組
関係は解散をし、全港振というのですか
神戸港の振興会の幹部はすべて
辞任をして、表面的には明るくなっているようですけれども、なおそういうような息のかかった
港湾運送事業者がおるわけです。
新聞の報ずるところですからわからないのですけれども、三十幾つの船内荷役の業者の中でその三五%が組
関係である、こういうのです。しかしそれもいまや崩壊しつつある。そういうようなことから港の明るい体制というものができていくのではないかと思うのですけれども、しかし過当競争がある。その過当競争の中に業者そのものが、企業が、困難になっていく。企業が困難になっていけば、その中から
労働条件の劣悪化が行なわれる、こういうことです。だから七、八年前に
港湾労働法を制定するためにまず
港湾運送事業法の
改正をしなければならぬだろうということで
港湾送事業法を運輸
委員会で
改正されて、中間搾取が排除されたのです。法では中間搾取が排除されたのです。そうして元請も下請も対等の地位になった。ところが現実にそれがあるわけです。しかも
神戸新聞には、各
関係者の弁として、運輸省の
神戸海運局長坂本勁介氏がこういうことを言っておられました。「ところが、
神戸港の現実は、業者の乱立による過当競争から、認可料率より低い料金で
仕事を請け負い、また請け負わせるというダンピングの商慣習が横行、ある意味で腐り切っているといえる。この面の是正は、単に
行政官庁の指導によっては不可能で、本質的に港の構造上の問題にメスを入れる必要がある。」こういうことを言っている。
港湾運送事業法を監督実施するのはだれかというと運輸省ですね。ところが海運局長が、くさり切っている、こう言っているのです。そうすると、現実に中間搾取が行なわれているんじゃないかと言わざるを得ないわけです。そうしたら運輸省はそれを認めているじゃないか。認めているところにその
労働者の擬装常用とかいうような問題ができて、そうして何か確保しなければやられてしまう、こういうことになるのです。そうすると、ずっと前からわれわれは言ってきたんだけれども、過当競争で机一つに電話一本で
仕事をするというようなところはすみやかに企業を合同しなければならぬ、暴力支配の企業は認可を取りやめろ、こういうように言ってきた。松浦運輸
大臣の当時ですが、暴力が支配するなら認可は取り消します。この社労で
港湾労働法を制定するにあたってそういうように言明された。
大臣はわかっておっても精神は同じじゃないかと思う。私は
神戸海運局長が悪いと言っているのではなしに、これが現実の姿であり、それが横行してくさり切っているというのならば、まことに
神戸港はこの
新聞の中で見る限りくさり切って暗黒の港であるといわなければならない。それだからすみやかに
明朗化しなければならないというところの大きな責任があるのではないか。
神戸港だけかというとそうじゃなしに、これは大阪も名古屋も横浜も六大港全部ひとしいのではないかと思うのです。しかし当時言われたのは中間搾取にかわって事務費程度のものは認められるのではないか、こういうようなことが言われておったわけです。しかし、これを
神戸海運局長が、くさり切って処置なし、
行政指導ではできない、
神戸の構造を改革しなければならない、こう言ったその説は非常に強くていいと思うのですが、一体、
神戸の構造をどういうように改革すればこういうのがなくなるかという問題ですね。それはやはり
港湾運送事業法の正確なる実施をしなければならない。ところが、この十月まで待ってくれ、こういうことですね。何かそういうような
状況じゃないのですか。整理統合はすみやかにやりますと、本
委員会において
港湾局長は何か答弁をされたと思います。議事録にあると思うのですが、まだそれが整備されていないように思います。だから、それが整備されていなければ、いつもこんなことで過当競争になる。過当競争は一体どこからくるかというと、大きい意味で言うならば、公示料金がダンピングされているというのですね。そうでしょう。公示料金というものは安過ぎるのではないかと、この予算
委員会などでも追及されてきたところです。公示料金を上げれば業者の企業というものも非常に実力がつくのではないか。公示料金を上げ、業者に実力がつき、業者の整理統合が行なわれ、そこに働くところの
労働者を
雇用している
労働条件というものはいまよりもよくなるのではないかと思うのです。そういうようなことについて、私は運輸
大臣の中村さんに聞きたかったのですけれども、おられませんから、運輸当局に聞いておきたいと思うのですが、どうでしょうか。