○内田
委員 そういう考え方はたいへん間違いで、そもそも激甚災に対する財政援助法というものは、ある
地域に大きな
災害があって、その
災害は、公共団体としてはその財政規模からとてもしょいきれないので、そこで補助率を
引き上げたり、あるいは
起債のてん補率を上げるということになっておるわけでありまして、
激甚災害であろうがなかろうが、相当数の
中小企業者が
被害を受けた場合には、受けたのは公共団体ではなしに個人でありますから、その個人が水害、泥害によって商品を全部流してしまった、また、ぬらしてしまった。麦粉であれ、あるいはベニヤ板であれ、あるいは家具であれ、そういうものがすっかり商品価値を失って、自分のところのたなおろし資産の大
部分を、
床上浸水によって、あるいは床上にどろがきてだめにしてしまったという場合には、これは激甚地
指定の問題ではないのでありますから、そこで、立法の趣旨も、
中小企業金融公庫や国民金融公庫が安い六分五厘の金利を出すということは、
激甚法の二条にも三条にも、また、それに基づく政令にもうたっていないのです。それを便乗して激甚地になったならば国民金融公庫も六分五厘にしてやろうとか、
中小企業金融公庫も六分五厘にしてやろうという持ち出し方は間違いでありまして、ただ、甲府なら甲府、
新潟なら
新潟の
災害の
実情というものが、
中小企業の受けたその
被害というものが、安い金利を出すべき状態であるかどうかということを見て決心されればいいわけであります。これは私が教えてあげます。そうあるべきだから、そういうことで検討し直していただくことを十分
要望いたしまして、もしそれができない場合には、またあらためて
委員会として私は何ぼでも演説もし、また問題にもいたしたいと思いますので、よく各省として検討していただきたい。
さらに信用保証協会の問題がありますが、これもぜひめんどうを見て、信用保証協会の保証がないと
被災者がなかなか金が借りられないという場合が多いと思いますから、これに対する保証料を安くするとか、あるいは、県が保証料を安くした場合に、特別にその一部を国から補てんしてやるとかいうようなことをぜひやってもらいたいのであります。これは大蔵省その他の
関係官の方もおられますが、私が申し上げたいことは、あまり保証協会のほうだけやりますと、国民金融公庫でも
中小企業金融公庫でも、あるいは地元の銀行でも信用金庫でも、みな、保証協会を通ってきなさい、保証協会が保証したら
災害者に金を貸してあげましょうということになってしまって、
被災者たる
中小企業者は保証料というものをよけいにとられることになるから、したがって、この際は、保証協会の機能を十分補完してくださることはありがたいけれ
ども、と同時に、少なくとも政府
関係機関などというものは、保証協会の保証がなくても、つまり、
中小企業者が信用保証協会に保証料を払わなくても、六分五厘の金利一本で金が借りられるように、そういう通達をぜひなさっていただきたいと思いまするので、これも
要望をいたしておきます。
それから、
住宅金融公庫を管理される
建設政務次官もおられますから、お願いいたしておきますが、甲府の
災害は、いま申しますように、市街地
災害がおもでありまして、家がつぶされたり流されたものが十数棟、
床上浸水が千数百棟でありまして、これがやはり市街地でありますから、水がはけない、どろがはけないために根太がみなだめになってしまう。したがって、一坪当たり幾らの金を
住宅金融公庫から出してもらって、それによって家を建て直させる。ぬれたり腐ったりしたものを、これを全部この機会に鉄筋コンクリートに建て直すというわけにはいきませんが、
住宅金融公庫法の附則か何かにその規定をすればそういうような金の出る道もあるそうでありますから、これもぜひ今度の甲府
災害に対する重点事項の一つとしてお取り上げをいただきたいと思います。別に御答弁は要りませんが、当然できることだと思いますので、よろしくお願いをいたします。
なおまた、この甲府市も、合併
市町村でありますために農村
部分も相当ありまして、田畑の流失あるいは農業用施設の損壊等も相当ありまするので、これらに対しましては、先ほ
どもお話がありましたように、
天災融資法の
適用なりあるいは自作農創設維持資金の増加割り当て等を通じまして、また、甲府の
災害が、市街地
災害、
中小企業者だけで、農業
災害、農業施設
災害はないんだということではありませんので、この面もひとつ同時に農林省でお取り上げをお願いいたします。
それから、先ほ
ども議論がございましたし、私も冒頭に述べましたが、今度の
災害があのようにひどいことになりましたのは、やはり
中小河川、小規模
河川の
改修がおくれていることであります。しかし、それをいま責めてもしかたがありません。それが十数カ所、二十カ所、あるいはそれ以上にわたりまして切れまして、これは個々に原形
復旧をいたしましても意味がないところが多いようでございますので、原形
復旧で済むところはむろんそれでよろしゅうございますが、大
部分は、思い切ってこの際川筋を変えてしまうくらいのつもりで、
改良復旧といいますか、あるいは
災害関連事業といいますか、そういう面からぜひお取り上げをいただきたいということが一つと、甲府は甲府盆地の北側にありまして、この
河川はずっと南につながるわけであります。今度の
災害区域以外の
中小河川の
部分も、数年前から
改修計画をやっておるのでありますが、なかなか予算がつかないために、数年たってもでき上がっておりません。上流部のほうはおそらくこれは三年間で
災害復旧を終えられるでありましょうから、
災害を受けたところは三年で原形
復旧なりあるいは
改良復旧ができてしまって、
災害を受けない下流部のほうは、これは遅々として十年かかってもできないということでは、首尾一貫いたしませんので、との下流
地域の
改修のほうにつきましても、今度の
災害と関連いたしましてぜひひとつ力を入れて、上流の
災害復旧ができ上がると同じくらいの期間までに、たいした金額ではないようでありますので、ぜひひとつ関連
河川の
改修を進めていただきたいということを
要望いたしておきます。
それから、厚生省いらっしゃるようでありますから、申し上げておきますが、
災害救助法の問題が出ましたが、甲府の
災害にも
災害救助法が発動されました。ところが、
災害救助法の
基準の費用というものではとてもカバーできないのであります。たとえば、今日諸物価、賃金が高騰いたしておりますのに、救助ですから文句は言えませんけれ
ども、一日当たりですか、七十円とか九十円とかいうのが
基準価格のようでありますが、とうていそういうことではたき出しもできないということで、あとだれが金を払ってくれるのか全く見当もつかない。市当局も、たき出しもいたしたり、あるいは収容もいたしたり、いろいろなことをやっておるようでありますから、これはやはり
災害救助法というものがある以上は、
実情に即してこの
基準を直していただきたい。しかし、急にいますぐ直せないでありましょうから、それではみ出します
部分は、これは、自治省当局もおられるでありましょうが、特別
交付金なりあるいは
激甚法との関連もあるでありましょうが、そういう際の公共団体の負担に対する高率の補てんをぜひやって、
災害救助法の現状に即さない点を一時的にもカバーしていただきたいと思います。一々お答えをいただくべきでありますが、あと懇談会がありますから、この席ではやめておきます。おそらく、それはおまえの言うとおりだということでございましょう。
さらに一つ農林次官に
要望いたしておきますが、今度の甲府の
災害の大きな原因の一つに、国有林の扱いが非常に悪い。あるいはお調べいただければわかるのでありますが、甲府に林野庁の出店であります甲府営林署がございまして、国有林が北側にあるのであります。その国有林の管理、経営が適当でない、場合によっては過伐もあるということのために、先ほどお話いたしましたような相当規模の降雨がありますと、その土砂が甲府市内に直ちに押し流されてくるというような、今度のような場合が起こったわけでありまして、このことが地元から非常に大きな批判を受けておりますので、ぜひひとつ山梨県下の、これは非常に
災害の多いところでありますから、国有林の経営につきまして再検討をいただきたいということ、また、その国有林の少なくとも伐採計画あるいは植林計画などを含めまして、ぜひひとつ甲府市をはじめ
関係の
市町村と伐採計画などについては十分協議をして、
関係市町村が安心されるもとにおいて斫伐計画も立てていただきたいということを
要望いたしておきます。
最後に、
地方財政全体の問題といたしまして、今度の甲府
災害は、甲府の財政の何倍かの
災害であり、また甲府の税
収入の何十倍かの
災害でありまして、市当局としてはとほうにくれておりますので、
交付税の配分について特別の考慮をいただきたいことはもちろんでありますけれ
ども、大蔵省資金運用部のつなき資金などの運用につきましても、どうぞ十分市当局の財政運営がつきますように御
配慮をいただきたいと思います。これらのこまかい
措置につきましては、懇談会等を通じましてお願いをしたりお打ち合わせをいたしたいと思いまして、私の発言はこれで終わらせていただきます。